JP3606330B2 - ジェットルームの緯入れ制御方法および装置 - Google Patents

ジェットルームの緯入れ制御方法および装置 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、エアージェットルーム、ウォータジェットルーム等における緯入れを制御する方法および装置に関し、特に、緯入れ用のアクチュエータを備えたジェットルームにおける緯入れ制御方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ジェットルームにおいて、経糸開口中へ緯入れされる緯糸が所定箇所へ到達したときの主軸の回転角度(到達角度)のような飛走情報、織機の停止の原因とその回数のような停台情報、または製織された織物の緯ゆるみとその回数のような品質情報のいずれか一つの情報を基に、メインノズルから噴出する流体の圧力(本発明においては「メイン圧力」という。)、サブノズルから噴出する流体の圧力(本発明においては「サブ圧力」という。)等の制御条件すなわち制御パラメータを修正し、そのアクチュエータを制御し、もって織物が所定の品質となるように、緯入れを制御する技術が提案されている。
【0003】
ところで、飛走情報に起因する制御条件の修正は、織機の運転中に短い周期(最短1サイクル)で実行される。これに対し、停台情報または品質情報に起因する制御条件の修正は、織機の停台または品質の低下が生じたときに始めて実行可能であるから、長い周期で実行される。また、修正の方向は、飛走情報と、停台情報または品質情報とで異なることがある。
【0004】
したがって、このような複数種類の情報に基づく制御条件の修正を、単に併用しても、これらの情報に起因する修正が互いに相殺され、これらの情報に起因する修正をともに生かすことができない。すなわち、たとえば、織機の停台後に停台情報を基に制御条件を修正しても、その後織機の稼動中における飛走情報に基づく制御条件の修正により、制御条件が停台前の制御条件に戻されてしまう。
【0005】
以上のように、公知の技術では、たとえば、特開昭56−107046号公報、特開昭63−75149号公報等に記載されているように、飛走情報、停台情報および品質情報から選択される単一の情報を用いて制御条件を修正しているにすぎない。したがって、複数の情報に起因して制御条件を修正することができず、この修正のためには、自動修正によらずに、作業者の勘および経験による手動修正に依存せざるをえなかった。
【0006】
【解決しようとする課題】
本発明の目的は、作業者の勘および経験に依存することなく、複数の情報を基に緯入れを自動制御することができるようにすることにある。
【0007】
【解決手段、作用、効果】
緯入れ制御方法は、緯糸の飛走の状態を表わす飛走情報と、織機の停止の状態を表わす停台情報および/または製織された織物の品質の状態を表わす品質情報とを組み合わせて作成された緯入れのための制御アルゴリズムに基づいて緯入れのためのアクチュエータの制御条件を求め、求めた制御条件を基に前記アクチュエータを制御することを含む。
【0008】
緯入れ制御装置は、緯糸の飛走の状態を表わす飛走情報と、織機の停止の状態を表わす停台情報および/または製織された織物の品質の状態を表わす品質情報とを発生する情報発生手段と、前記情報を組み合わせて作成された緯入れのための制御アルゴリズムに基づいて緯入れのためのアクチュエータの制御条件を求める手段と、求めた制御条件を基に前記アクチュエータを制御する手段とを含む。
【0009】
前記制御条件は、前記制御アルゴリズムにしたがって構成されたエキスパートシステムで求めることができるし、前記制御アルゴリズムにしたがって構成された緯入れのためのデータを有するデータテーブルを備える演算手段において前記情報発生手段から発生される情報および前記データに基づいて求めることもできる。
【0010】
制御アルゴリズムは、たとえば、制御対象がメイン圧力である場合、
”ゆるみが多いときは、先端トラブル、先端吹抜け、胴抜け、最終解除タイミングの平均値とばらつき、到達タイミングの平均値とばらつき等に関係なく、メイン圧力を上げる”
”ゆるみはないが、先端トラブル、先端吹抜けおよび胴抜けが多いときは、以前にゆるみがあった場合は、メイン圧力を変えない”
”ゆるみはないが、先端トラブル、先端吹抜けおよび胴抜けが多いときは、以前にゆるみがなかった場合は、最終解除タイミングの平均値とばらつき、到達タイミングの平均値とばらつき等に関係なく、メイン圧力を下げる”
等のように、飛走情報と、停台情報または品質情報との組合せからなる。
【0011】
エキスパートシステムは、上記の複数の制御アルゴリズムを基に、たとえば、
”現在のゆるみ回数が多ければ、メイン圧力をpだけ上げる”
”ゆるみはないが、先端トラブル、先端吹抜けおよび胴抜けが多く、以前にゆるみがあれば、メイン圧力を変えない”
”ゆるみはないが、先端トラブル、先端吹抜けおよび胴抜けが多く、以前にゆるみがないならば、メイン圧力をpだけ下げる”
等のように、飛走情報と停台情報および/または品質情報との組合せを用いた複数の制御規則を基に、制御条件を求める。この場合、前記pは、圧力を実際に変更する値であってもよいし、圧力の目標値を変更する値であってもよく、また制御規則に共通の値であってもよいし、制御規則毎に異なる値であってもよい。
【0012】
演算手段は、たとえば、メイン圧力のような制御対象の修正量または制御対象の目標値の修正量等のデータを、飛走情報と停台情報または品質情報との組合せ毎に、データテーブルに記憶しており、飛走情報と停台情報または品質情報との組合せに対応するアドレスのデータをデータテーブルから読み出し、読み出したデータを基に、制御条件を求める。この場合、データは、圧力のような制御条件を実際に変更する値であってもよいし、制御条件の目標値を変更する値であってもよく、いずれの場合も情報の組合せに応じた値である。
【0013】
求めた制御条件はエキスパートシステムや演算手段等の適宜な手段から圧力コントローラのような制御手段に供給され、制御手段は供給された制御条件を基に、圧力調整器のようなアクチュエータを制御する。
【0014】
上記の制御方法および装置によれば、稼動中の飛走情報のみならず、停台情報または品質情報をも用いて緯入れを制御することができ、これらの情報を満足した状態で緯入れをすることができる。
【0015】
他の緯入れ制御方法は、緯糸の飛走の状態を表わす飛走情報と、織機の停止の状態を表わす停台情報および/または製織された織物の品質の状態を表わす品質情報とを組み合わせて用いる近似式を利用して緯入れのためのアクチュエータの制御条件を求め、求めた制御条件を基に前記アクチュエータを制御することを含む。
【0016】
他の緯入れ制御装置は、緯糸の飛走の状態を表わす飛走情報と、織機の停止の状態を表わす停台情報および/または製織された織物の品質の状態を表わす品質情報とを発生する情報発生手段と、前記情報発生手段から発生される核情報を用いて緯入れのためのアクチュエータの制御条件を算出する複数の近似式が記憶された記憶手段と、前記情報および前記近似式を用いて前記制御条件を算出する演算手段と、算出した制御条件を基に前記アクチュエータを制御する制御手段とを含む。
【0017】
近似式は、たとえば、織機をベテランの操作により実際に稼動させ、そのときの、飛走情報、停台情報または品質情報、アクチュエータの制御条件等のデータを得、それらのデータから、たとえば重回帰分析により求めることができる。このようにして得た近似式は、ベテランが考察する制御アルゴリズムに近似する。
【0018】
近似式を用いる制御方法および装置によっても、稼動中の飛走情報のみならず、停台情報または品質情報をも用いて緯入れを制御することができ、これらの情報を満足した状態で緯入れをすることができる。
【0019】
本発明に係る緯入れ制御方法は、緯糸の飛走状態が目標値に納まるように前記飛走状態を表わす飛走情報に基づいて緯入れのためのアクチュエータの制御条件を変更する自動制御系を備えたジェットルームにおける緯入れ制御方法であって、織機の停止状態を表わす停台情報および/または製織された織物の品質の状態を表わす品質情報をからなる目標値修正のための制御アルゴリズムに基づいて、前記自動制御系で用いる目標値を変更することを含む。
【0020】
本発明に係る緯入れ制御装置は、緯糸の飛走状態が目標値に納まるように前記飛走状態を表わす飛走情報に基づいて緯入れのためのアクチュエータの制御条件を変更する自動制御系を備えたジェットルームの緯入れ制御装置であって、織機の停止の状態を表わす停台情報および/または製織された織物の品質の状態を表わす品質情報を発生する情報発生手段と、前記情報に基づく制御アルゴリズムに基づいて前記自動制御系で用いる前記目標値の修正量を求める手段と、求めた修正量を基に前記自動制御系で用いる前記目標値を修正する手段とを含む。
【0021】
自動制御系で用いる目標値を修正する上記の制御方法および装置によれば、求めた制御条件を基に緯入れ用の自動制御系で用いる目標値を変更するから、飛走情報に基づく既存の自動制御系をそのまま利用しながら、この自動制御系に使用される対応する制御条件の目標値が、停台情報または品質情報に基づく自動制御系により修正され、その結果各自動制御系が相互に干渉することなく、各情報を満足した状態で制御が実行される。
【0022】
【実施例】
図1を参照するに、織機10は、エアー式またはウォータ式のジェットルームであり、また、緯糸12のためのドラム式の測長貯留装置14を含む。緯糸12は、給糸体16に巻き付けられており、また、給糸体16から測長貯留装置14を経て既知の緯入れ装置18に供給され、該緯入れ装置により経糸20の開口22に緯入れされる。
【0023】
測長時、緯糸12は、これの先端部が電磁ソレノイド24により作動される係止ピン26により測長兼貯留用ドラム28からの解舒を阻止され、ヤーンガイド30の回転によりドラム28の外周面に所定長さ巻き付けられて貯留される。
【0024】
これに対し、緯入れ時、緯糸12は、ピン26の解放によりドラム28から解舒され、また、緯入れ装置18のメインノズル32から流体とともに噴射されて経糸20の開口22へ入れられた後、切断される。緯入れ装置18は、緯入れ時に緯糸12を所定の方向へ進める流体を噴射する複数のサブノズル34を含む。
【0025】
メインノズル32には、圧力源36の作動流体が圧力調整器38および開閉弁40を介して供給される。これに対し、各サブノズル34には、圧力源36の作動流体が圧力調整器42および対応された開閉弁44を介して供給される。
【0026】
織機10は、また、筬を駆動させる主軸46用のモータ48を含む。モータ48の回転は、連結機構50により主軸46に伝達される。主軸46には、該主軸の回転角度に対応した回転角度信号を発生するエンコーダ52と、主軸46のための電磁ブレーキ54とが連結されている。測長貯留装置14および緯入れ装置18は、綜絖、筬等とともに主軸46の回転に同期して駆動される。
【0027】
織機10のための緯入れ制御装置は、織機の緯入れに関する稼動情報を検出する検出回路60と、各種の情報、データ等を記憶している記憶回路62と、各種の情報を手動で設定する設定回路64と、前記の各回路60〜64からの情報およびデータを基に制御条件を求める演算回路66と、演算回路66から供給される信号を基に圧力調整器38,42を制御する圧力コントローラ68と、演算回路66から供給される信号を基に開閉弁40,44および電磁ソレノイド24を動作させるタイミングコントローラ70と、演算回路66から供給される信号を基に経糸のテンション機構(図示せず)を制御する張力コントローラ72とを含む。
【0028】
稼動情報は、飛走情報、停台情報、品質情報、およびピック数である。このため、検出回路60には、緯糸12が最終位置まで緯入れされたことを検出する第1の検出器74、緯糸12が許容位置以上に緯入れされたことを検出する第2の検出器76、緯糸12が測長貯留装置14から解舒されたことを検出する解舒センサ78、およびエンコーダ52の各出力信号74a,76a,78a,52aが供給される。解舒センサ78の出力信号78aは、タイミングコントローラ70にも供給される。
【0029】
検出回路60は、緯糸の飛走状態を検出する回路60a、織機の停台の原因を検出する回路60b、織物の品質を検出する回路60c、ピックを検出する回路60d等を備える。
【0030】
飛走情報としては、たとえば、所定巻目の緯糸が測長貯留装置から解舒されたときの主軸の回転角度(解舒角度)のようないわゆる解舒タイミング、緯糸の先端部が所定位置へ到達したときの主軸の回転角度(到達角度)のようないわゆる到達タイミング等、これら緯糸の飛走タイミングの平均値、ばらつき等を用いることができる。
【0031】
飛走タイミングとしては、
* 測長貯留装置から緯糸の最終巻が解舒されたときの主軸の回転角度のようないわゆる最終解舒タイミング
* 緯糸の先端部が最終位置へ到達したときの主軸の回転角度のようないわゆる最終到達タイミング
* 緯糸が測長貯留装置から最終位置までの間の所定の位置に到達したときの主軸の回転角度のようないわゆる中間到達タイミング
等から選択される少なくとも1つを用いることができる。
【0032】
飛走タイミングの平均値の具体的な値としては、たとえば、
* 飛走タイミングの平均値自体
* 飛走タイミングの平均値とその目標値との差すなわち平均値誤差
* 飛走タイミングの最大値または最小値の平均値自体
* 飛走タイミングの最大値または最小値の平均値とその目標値との差
等から選択される少なくとも1つを用いることができる。
【0033】
飛走タイミングのばらつきの具体的な値としては、たとえば、
* 飛走タイミングのばらつき自体
* 飛走タイミングのばらつきとその目標値との差すなわちばらつき誤差
* 飛走タイミングの最大値または最小値のばらつき自体
* 飛走タイミングの最大値または最小値のばらつきとその目標値との差
等から選択される少なくとも1つを用いることができる。
【0034】
停台情報は、停台原因別の停台回数である。停台原因としては、緯糸12が第1の検出器74に検出されないことに起因するいわゆるH1停止、緯糸12が第2の検出器76に検出されたことに起因するいわゆるH2停止がある。
【0035】
H1停止およびH2停止の原因として、たとえば次のものを挙げることができる。
【0036】
H1停止
* 先端トラブル
* ベントピック
* 経糸掛り
* 測長ミス
* 先端吹抜け
* カッティングミス
* 空止まり
【0037】
H2停止
* 胴抜け
* 拘束切れ
【0038】
品質情報として、次のものを挙げることができる。
【0039】
* ゆるみ
* ビリ
* 毛羽
【0040】
なお、これら停台情報および品質情報は、個々の現象を自動的に検出できるセンサが存在する場合には、それらの信号を入力することにより、また、これらのセンサが存在しない場合には、作業員の判断に基づき手動で入力することにより得られる。また、品質情報は、その織機の運転中または停台後に、センサまたは作業員の判断により入力される。
【0041】
制御条件すなわち制御パラメータとしては、たとえば、
* メイン圧力
* サブ圧力
* メインノズルからの流体噴出開始のタイミング
* メインノズルからの流体噴出終了のタイミング
* サブノズルからの流体噴出開始のタイミング
* サブノズルからの流体噴出終了のタイミング
* 測長貯留装置による緯糸の解舒開始のタイミング
* 測長貯留装置による緯糸の解舒終了のタイミング
* 緯入れ開始時すなわち緯糸の打出し開始時
等から選択される少なくとも1つを用いることができる。ここで、緯入れ開始時とは、メインノズルからの流体噴出タイミングおよび測長貯留装置による緯糸の解舒開始のタイミングの両者によって規制されるものを意味し、常に、両者が連動して変更されるようにしたときのパラメータである。
【0042】
設定器64には、糸種、制御パラメータの目標値の代表値(平均値、中央値、最頻値、最速値、最遅値等)、制御パラメータの目標値のばらつき(標準偏差、範囲等)、サンプル数(ピック数、製織長、時間)、操作量の上下限値等が設定される。
【0043】
記憶回路62には、制御条件を、エキスパートシステム、データテーブルおよび近似式のいずれにより求めるかにより、複数の制御規則、制御条件の修正値および近似式のいずれかが記憶されている。制御規則および制御条件の修正値は、所定の制御アルゴリズムにしたがって作成される。これに対し、近似式は、たとえば、織機をベテランの操作により実際に稼動させ、そのときの、飛走情報、停台情報または品質情報、アクチュエータの制御条件等のデータを得、それらのデータから、たとえば重回帰分析により求められる。
【0044】
ところで、従来技術に記載のとおり、一般に織機には、織機運転中の制御として、飛走情報に基づく各種の自動制御系が付属されちる。この自動制御系としては、たとえば、緯入れ経路中の所定の位置に設けた緯糸センサへ緯糸が到達する角度が一定になるように、圧力および/または噴射タイミングを自動的に変更するものがある。この自動制御系に対し、織機停台後に行われる停台情報または品質情報に基づく自動制御系を、単に付加するだけでは、両者は相互に干渉し、その機能をともに生かすことができない。
【0045】
そこで、この発明では、次の2つの手法により、それぞれ、この問題を解決している。
【0046】
(1) 飛走情報に基づく自動制御系と、停台情報に基づく自動制御系とを合体させ、飛走情報、停台情報および品質情報を組み合せた制御アルゴリズムを作成し、これにしたがって、圧力、タイミング等の制御条件を変更する。
【0047】
(2) 飛走情報に基づく自動制御系はそのまま働かせ、停台情報および品質情報に基づく制御のアルゴリズムは、圧力等の制御条件そのものを変更するものではなく、飛走情報に基づく自動制御系で使用される目標値を修正するものとする。
【0048】
上記(1) によれば、制御条件は、飛走情報、停台情報および品質情報を組み合せた制御アルゴリズムに基づいて修正されるから、各情報を満足した状態で制御が実行される。
【0049】
また上記(2) によれば、飛走情報に基づく既存の自動制御系をそのまま利用しながら、この自動制御系に使用される目標値が、停台情報および品質情報に基づく自動制御系により修正されるから、各自動制御系が相互に干渉することなく、各情報を満足した状態で制御が実行される。
【0050】
上記(1) に基づく制御アルゴリズムの一例を以下に示す。なお、以下の制御アルゴリズムは、制御条件をメイン圧力とした場合のものであるが、制御条件を上記した他の制御条件またはそれらの組合せとしてもよい。
【0051】
A1:ゆるみがあるときは、
先端トラブル、先端吹抜け、胴抜け、最終解舒タイミングの平均値およびばらつき、ならびに到達タイミングの平均値およびばらつきに関係なく、メイン圧力を上げる。
A2:ゆるみがなく、
先端トラブル、先端吹抜けおよび胴抜けが多く、
以前にゆるみがあった、
ときは、メイン圧力を変えない。
A3:ゆるみがなく、
先端トラブル、先端吹抜けおよび胴抜けが多く、
以前もゆるみがなかった、
ときは、最終解舒タイミングの平均値およびばらつき、ならびに到達タイミングの平均値およびばらつきに関係なく、メイン圧力を下げる。
A4:ゆるみがなく、
先端トラブル、先端吹抜けおよび胴抜けが少なく、
以前にゆるみがあったとき、
または以前も先端トラブル、先端吹抜けおよび胴抜けがなかった、
ときは、メイン圧力を変えない。
A5:ゆるみがなく、
先端トラブル、先端吹抜けおよび胴抜けが少なく、
以前もゆるみがなく、
以前も先端トラブル、先端吹抜けおよび胴抜けが少なく、
最終解舒タイミングの平均値が遅いかまたはそのばらつきが大きい、
ときは、メイン圧力を上げる。
A6:ゆるみがなく、
先端トラブル、先端吹抜けおよび胴抜けが少なく、
以前もゆるみがなく、
以前も先端トラブル、先端吹抜けおよび胴抜けが少なく、
最終解舒タイミングの平均値が早く、
最終解舒タイミングのばらつきが小さく、
到達タイミングの平均値が遅く、
到達タイミングのばらつきが大きい、
ときは、メイン圧力を上げる。
A7:ゆるみがなく、
先端トラブル、先端吹抜けおよび胴抜けが少なく、
以前もゆるみがなく、
以前も先端トラブル、先端吹抜けおよび胴抜けが少なく、
最終解舒タイミングの平均値が早く、
最終解舒タイミングのばらつきが小さく、
到達タイミングの平均値が遅く
到達タイミングのばらつきが小さい、
ときは、メイン圧力を上げる。
A8:ゆるみがなく、
先端トラブル、先端吹抜けおよび胴抜けが少なく、
以前もゆるみがなく、
以前も先端トラブル、先端吹抜けおよび胴抜けが少なく、
最終解舒タイミングの平均値が早く、
最終解舒タイミングのばらつきが小さく、
到達タイミングの平均値が早く、
到達タイミングのばらつきが大きい、
ときは、メイン圧力を変えない。
A9:ゆるみがなく、
先端トラブル、先端吹抜けおよび胴抜けが少なく、
以前もゆるみがなく
以前も先端トラブル、先端吹抜けおよび胴抜けが少なく、
最終解舒タイミングの平均値が早く、
最終解舒タイミングのばらつきが小さく、
到達タイミングの平均値が早く、
到達タイミングのばらつきが小さい
場合に、メイン圧力を下げる。
【0052】
上記の制御アルゴリズムでは、ゆるみは織物の品質上の問題であるから、ゆるみが一回でも生じたならば、制御条件を修正する。これに対し、先端トラブル、先端吹抜けおよび胴抜けは、その発生頻度に応じて制御条件を修正するようにしている。頻度が「多い」、「少ない」は、一定期間(時間、ピック数、製織長)の間の発生回数、一定期間の間の全停台回数に対する各停台原因の発生割合とそれらの限界値とを比較することにより判断できる。また、「以前」とは、過去の任意な時間とすることができ、たとえば、1つの給糸体が消費される時間を目安に設定できる。さらに、「小さい」、「大きい」、「早い」、「遅い」は、対応する目標値または限界値を基準とすることができる。
【0053】
次に、上記(2) に基づき、制御条件の目標値を修正することにより、実際の制御情報を修正するための制御アルゴリズムの一例を以下に示す。これは、飛走情報に基づく自動制御系が、緯糸の飛走タイミングが目標値に納まるようにメイン圧力を制御するものであるときの例である。かっこ内は、その結果のメイン圧力の修正状態を示す。
【0054】
A10:ゆるみがあったとき: 到達タイミングの平均値の目標値を早くする(メイン圧力を上げる)。
A11:先端トラブルが多いとき:最終解舒タイミングと到達タイミングの平均値の目標値を遅くし、両者のばらつきの目標値を大きくする(メイン圧力を下げる)。
A12:先端吹抜けが多いとき: 最終解舒タイミングと到達タイミングの平均値の目標値を遅くし、両者のばらつきの目標値を大きくする(メイン圧力を下げる)。
A13:胴抜けが多いとき: 最終解舒タイミングと到達タイミングの平均値の目標値を遅くし、両者のばらつきの目標値を大きくする(メイン圧力を下げる)。
【0055】
上記のような制御アルゴリズムは、上記した他の制御条件についても作成することができるし、他の情報を用いて作成することができる。
【0056】
緯入れ制御装置がエキスパートシステムを用いる場合、記憶回路62には、上記の制御アルゴリズムにしたがって作成された複数の制御規則が記憶されている。これに対し、緯入れ制御装置がデータテーブルを用いる場合、記憶回路には、上記の制御アルゴリズムにしたがって作成された緯入れのための複数のデータが記憶されている。さらに、緯入れ制御装置が近似式を用いる場合は、記憶回路62には、近似式が記憶されている。
【0057】
次に、具体的な緯入れ制御法について説明する。なお、以下の説明は、メイン圧力を制御する場合についてであるが、サブ圧力、係止ピンの動作タイミング等他の制御条件による場合も同様に制御することができる。また、他の情報を用いてもよい。
【0058】
先ず、図1を参照して、近似式によるメイン圧力の制御法について説明する。記憶回路62には、メイン圧力の修正量を求めるための以下の近似式が記憶されている。
【0059】
ΔM=f(μk−μk0 ,σk−σk0 ,μt−μt0 , σt−σt0 ,y,s)
【0060】
ここで、
μk : 最終解舒タイミングの平均値
σk : 最終解舒タイミングのばらつき
μt : 到達タイミングの平均値
σt : 到達タイミングのばらつき
μk0 : 最終解舒タイミングの平均値の目標値
σk0 : 最終解舒タイミングのばらつきの目標値
μt0 : 到達タイミングの平均値の目標値
σt0 : 到達タイミングのばらつきの目標値
y : 現在のゆるみ回数
ΔM : メイン圧力の修正値
s : 全停台回数に対する、先端トラブル、先端吹抜けおよび胴抜けに起因する合計停台回数の割合
である。
【0061】
上記の近似式は、織機を実際に稼動させ、そのときの各入力変数の値と、熟練者による調整量とを実験的に記録しておき、それらの値から重回帰分析により求めることができる。
【0062】
最終解舒タイミングの平均値の目標値μk0 、最終解舒タイミングのばらつきの目標値σk0 、到達タイミングの平均値の目標値μt0 、および到達タイミングのばらつきの目標値σt0 は、それぞれ、設定回路64に予め設定されている。
【0063】
演算回路66は、飛走状態検出回路60aから出力される最終解舒タイミングおよび到達タイミングを基に、
最終解舒タイミングの平均値μkおよびばらつきσk、
到達タイミングの、平均値μtおよびばらつきおよびσt
を算出し、また、停台原因検出回路60bから出力される原因別の停台信号を基に、
先端トラブル、先端吹抜けおよび胴抜けに起因する合計値すなわち合計停台回数、
全ての原因別停台回数の和すなわち全停台回数、
全停台回数に対する合計停台回数の割合s
を算出し、さらに、織物品質検出回路60cから出力されるゆるみ信号を基に、
ゆるみ回数y
を算出し、さらにまたピック検出回路60dから出力される検出信号を基に、
ピック数(緯入れ回数)
を算出する。
【0064】
演算回路66は、ピック数が設定回路64に設定された値に達するたびに、μk,μk0 ,σk,σk0 ,μt,μt0 , σt,σt0 ,tおよびsを上記の近似式に代入することにより、メイン圧力の修正量ΔMを求め、求めた修正量を現在のメイン圧力に加算し、それにより新たなメイン圧力を得る。
【0065】
演算回路66は、また、新たなメイン圧力が設定回路64に設定された上下限値内であれば、求めたメイン圧力をそのまま新たなメイン圧力として、また求めたメイン圧力が上下限値外であれば、制限された値を新たなメイン圧力として、圧力コントローラ68に供給する。
【0066】
これにより、圧力コントローラ68は、メイン圧力を新たな値に調節する。その結果、緯糸は、これの飛走状態、織機の停台状態、および織物の品質のいずれをも満足するように緯入れされる。上記のプロセスは、所定ピック数毎(または、一定時間毎)に行われる。
【0067】
上記の近似式は、糸種毎に求めてもよいし、糸種毎の係数を、たとえば、
フィラメント糸 : 1
アセテート糸 : 2
加 工 糸 : 3
ガ ラ ス 糸 : 4
ス パ ン 糸 : 5
のように定めこの係数を近似式に組み込んでもよい。
【0068】
上記の近似式を用いる制御法によれば、記憶回路の記憶容量が著しく小さくなる。
【0069】
次に、図2を参照して、エキスパートシステムによる緯入れ制御法について説明する。
【0070】
演算回路66は、飛走状態検出回路60a、停台原因検出回路60b、織物品質検出回路60cの出力信号を統計処理する回路80と、ピック検出回路60dの出力信号を設定回路64に設定された値になるまで計数するカウンタ82と、記憶回路62に記憶された複数の制御規則を基に制御条件の修正値を推論する推論エンジン84と、各回路64,80,82,84からの入力信号を基に新たな制御条件を算出するコントローラ86とを含む。
【0071】
制御条件をメイン圧力とした場合の制御規則R1〜R9の一例を以下に示す。制御規則R1〜R9は、それぞれ、前記した制御アルゴリズムA1〜A9に対応している。
【0072】
制御規則
R’:もし、先端トラブル、先端吹抜けおよび胴抜けがともに少ないときはs=0とし、そうでないときはs=1とする。
R”:以前の、先端トラブル、先端吹抜けおよび胴抜けがともに少ないときはs’=0とし、そうでないときはs’=1とする。
R1:もし、y>0であれば、ΔM=+pとする。
R2:もし、y=0,s=1,y’>0であれば、ΔM=0とする。
R3:もし、y=0,s=1,y’=0であれば、ΔM=−pとする。
R4:もし、y=0,s=0であり、かつ、
y’>0またはs’=1であれば、ΔM=0とする。
R5:もし、y=0,s=0,y’=0,s’=0であり、かつ、
μk>μk0 またはσk>σk0 であれば、ΔM=+pとする。
R6:もし、y=0,s=0,y’=0,s’=0であり、かつ、
μk<μk0 ,σk<σk0 であり、さらに、
μt>μt0 ,σt>σt0 であれば、ΔM=+pとする。
R7:もし、y=0,s=0,y’=0,s’=0であり、かつ、
μk<μk0 ,σk<σk0 であり、さらに、
μt>μt0 ,σt<σt0 であれば、ΔM=+pとする。
R8:もし、y=0,s=0,y’=0,s’=0であり、かつ、
μk<μk0 ,σk<σk0 であり、さらに、
μt<μt0 ,σt>σt0 であれば、ΔM=0とする。
R9:もし、y=0,s=0,y’=0,s’=0であり、かつ、
μk<μk0 ,σk<σk0 であり、さらに、
μt<μt0 ,σt<σt0 であれば、ΔM=−pとする。
【0073】
上記の制御規則R1〜R9における各記号は、次のとおりである。
【0074】
μk = 最終解舒タイミングの平均値
σk = 最終解舒タイミングのばらつき
μt = 到達タイミングの平均値
σt = 到達タイミングのばらつき
μk0 = 最終解舒タイミングの平均値のしきい値
σk0 = 最終解舒タイミングのばらつきのしきい値
μt0 = 到達タイミングの平均値のしきい値
σt0 = 到達タイミングのばらつきのしきい値
y = 現在のゆるみ回数
y’ = 以前のゆるみ回数
ΔM = メイン圧力の修正値
p = 予め与えられたメイン圧力の増減量
s = 現在の全停台回数に対する、先端トラブル、先端吹抜けおよび胴抜けに起因する合計停台回数の割合
s’ = 以前の全停台回数に対する、先端トラブル、先端吹抜けおよび胴抜けに起因する合計停台回数の割合
【0075】
上記の制御規則R1〜R9における、最終解舒タイミングの、平均値μkおよびばらつきσk、ならびに、到達タイミングの、平均値μtおよびばらつきσtは、統計処理回路80において、飛走状態検出回路60aから出力される最終解舒タイミングおよび到達タイミングを基に算出される。また、先端トラブル、先端吹抜けおよび胴抜けに起因する合計停台回数、全停台回数、現在の全停台回数に対する合計停台回数の割合s、ならびに依然の全停台回数に対する合計停台回数の割合s’は、統計処理回路80において、停台原因検出回路60bから出力される原因別の停台信号を基に算出される。さらに、現在のゆるみ回数yおよび以前のゆるみ回数y’は、統計処理回路80において、織物品質検出回路60cから出力されるゆるみ信号を基に、算出される。
【0076】
最終解舒タイミングの平均値のしきい値μk0 、最終解舒タイミングのばらつきのしきい値σk0 、到達タイミングの平均値のしきい値μt0 、到達タイミングのばらつきのしきい値σt0 、およびメイン圧力の増減量pは、それぞれ、設定回路64に予め設定されている。なお、これら各種のしきい値は、先の近似式に基づく実施例で使用した各種の目標値と同じものを使用できる。
【0077】
コントローラ86は、カウンタ82の値が設定回路64に設定された値に達するたびに、統計処理回路80のデータを取り込み、取り込んだデータと実行権を推論エンジン84に渡す。これにより、推論エンジン84は、供給されたデータと制御規則R’、R”、R1〜R9を基にメイン圧力の修正値ΔMを推論し、コントローラ86へ供給する。
【0078】
コントローラ86は、推論された修正値ΔMを現在のメイン圧力値に加算することにより新たなメイン圧力を求め、次いで求めたメイン圧力が上下限値内であれば、求めたメイン圧力をそのまま新たなメイン圧力として、また求めたメイン圧力が上下限値外であれば、制限された値を新たなメイン圧力として、ライン88を介して図1の圧力コントローラ68に供給する。
【0079】
これにより、圧力コントローラ68は、メイン圧力を新たな値に調節する。その結果、緯糸は、これの飛走状態、織機の停台状態、および織物の品質のいずれをも満足するように緯入れされる。この場合の、上記プロセスは、所定ピック数毎(または、一定時間毎)に行われる。
【0080】
なお、この実施例は、飛走情報、停台情報および品質情報を組み合せた制御アルゴリズムA1〜A9に基づき、変更すべきメイン圧力そのものを決定するものであったが、これに代えて、飛走情報に基づく自動制御系で使用される目標値を修正するための制御アルゴリズムA10〜A13によるものでもよい。
【0081】
次に、図3および図4を参照して、データテーブルによる緯入れ制御法について説明する。この実施例は、前記の制御アルゴリズムA10〜A13によるものであり、飛走情報に基づく自動制御系として、各種の飛走タイミングが目標値に納まるようにメイン圧力を修正するものを採用し、停台情報および品質情報に基づき、この自動制御系で使用される目標値を修正するものである。
【0082】
停台原因検出回路60bおよび織物品質検出回路60cの出力信号は、演算回路66内のデータ変換部90および92に供給される。データ変換部90は停台原因検出回路60bから出力される原因別の停台信号を基に、先端トラブル、先端吹抜けおよび胴抜けによる合計停台回数、ならびに全停台回数を算出し、全停回数に対する合計停台回数の割合sを求め、求めた値を記憶回路62のリード・オンリー・メモリすなわちROM94に供給する。これに対し、データ変換部92は、織物品質検出回路60cから出力されるゆるみ信号を基に、ゆるみ回数yを算出し、算出した値をROM94に供給する。
【0083】
ROM94は、
最終解舒タイミングの平均値の目標値の修正量Δμk0 、
最終解舒タイミングのばらつきの目標値の修正量Δσk0 、
到達タイミングの平均値の目標値の修正量Δμt0 、および、
到達タイミングのばらつきの目標値の修正量Δσt0
を、ゆるみ回数yと、全計停台回数に対する合計停台回数の割合sとの組合せ毎に、前記の制御アルゴリズムA10〜A13にしたがって図4(A)に示すようなテーブルとして記憶している。
【0084】
ROM94は、また、ゆるみ回数yと割合sとをアドレス信号として受け、
けたアドレス信号に対応した修正量Δμk0 ,Δσk0 ,Δμt0 およびΔσt0 を出力部96を介して、演算回路66の加算部98に出力する。
【0085】
加算部98は、修正量Δμk0 ,Δσk0 ,Δμt0 およびΔσt0 を、それぞれ、設定回路の目標値設定器64aに設定された対応する目標値と加算することにより新たな目標値μk0 ,σk0 ,μt0 およびσt0 を算出し、算出した目標値を演算回路66の偏差算出部100に供給する。
【0086】
偏差算出部100は、飛走状態検出回路60aから供給される最終解舒タイングおよび到達タイミングを基に、それぞれ、対応するタイミングの平均値μk,μtおよびばらつきσk,σtを算出し、算出した値と加算部98から供給される対応する目標値μk0 ,σk0 ,μt0 およびσt0 との偏差を求め、求めた偏差を演算回路66のデータ変換部102を介して記憶回路62のリード・オンリー・メモリすなわちROM104に供給する。
【0087】
ROM104は、メイン圧力の増減量ΔMを、
最終解舒タイミングの平均値の偏差(μk−μk0 )、
最終解舒タイミングのばらつきの偏差(σk−σk0 )、
到達タイミングの平均値の偏差(μt−μt0 )、および、
到達タイミングのばらつきの偏差(σt−σt0 )
の実際値の組合せ毎に、図4(B)に示すようなテーブルとして記憶している。ROM104は、また、上記の偏差をアドレス信号として受け、受けたアドレス信号に対応した増減量ΔMを演算回路66の加算部106に出力する。
【0088】
加算部106は、記憶部108から供給される現在のメイン圧力MとROM104から供給される増減量ΔMとを加算し、加算した値を演算回路66のリミッタ部110へ供給する。
【0089】
リミッタ部110は、加算部106から供給されるメイン圧力が設定回路の限界値設定器64bに設定された上下限値内であるとき、加算部106からのメイン圧力を新たなメイン圧力としてライン112から図1における圧力コントローラ68へ供給する。しかし、リミッタ部110は、加算部106からのメイン圧力が上限値を越えていると上限値を、また下限値に達していないと下限値を、新たなメイン圧力としてライン112へ出力する。
【0090】
これにより、圧力コントローラ68は、メイン圧力を新たな値に調節する。その結果、緯糸は、これの飛走状態、織機の停台状態、および織物の品質のいずれをも満足するように緯入れされる。上記のプロセスも、所定ピック数毎(または、一定時間毎)に行われる。
【0091】
ライン112の新たなメイン圧力は、記憶部108に次の修正プロセスにおいて現在のメイン圧力として用いるべく、記憶される。緯入れ制御装置の作動開始時に、記憶部108には、設定回路64の初期設定器64cに設定された目標値が記憶される。
【0092】
なお、図4に示すテーブルは一例であり、ROM94,104のテーブルはそれらの記憶容量が許す範囲内で細分化することが好ましい。
【0093】
なお、この実施例は、飛走情報に基づく自動制御系で使用される目標値を修正するための制御アルゴリズムA10〜A13にしたがうものであるが、これに代えて、先の実施例と同様に、飛走情報、停台情報および品質情報を組み合せた制御アルゴリズムA1〜A9にしたがうものとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の緯入れ制御装置を備えた織機の一実施例を示す電気回路のブロック図である。
【図2】本発明の緯入れ制御装置の他の実施例を示す電気回路のブロック図である。
【図3】本発明の緯入れ制御装置のさらに他の実施例を示す電気回路のブロック図である。
【図4】図3の緯入れ制御装置で用いるデータテーブルの一実施例を示す図である。
【符号の説明】
10 織機
12 緯糸
14 測長貯留装置
18 緯入れ装置
20 経糸
32 メインノズル
34 サブノズル

Claims (6)

  1. 緯糸の飛走状態が目標値に納まるように前記飛走状態を表わす飛走タイミングを含む飛走情報に基づいて緯入れのためのアクチュエータの制御条件を変更する自動制御系を備えたジェットルームにおける緯入れ制御方法であって、織機の停止状態を表わす停台情報および/または製織された織物の品質の状態を表わす品質情報からなる目標値修正のための制御アルゴリズムに基づいて、前記自動制御系で用いる目標値を変更することを含む、ジェットルームの緯入れ制御方法。
  2. 前記目標値の修正量を、前記制御アルゴリズムにしたがって構成されたエキスパートシステムにより求める、請求項1記載の緯入れ制御方法。
  3. 前記目標値の修正量を、前記制御アルゴリズムにしたがって構成された緯入れのためのデータを有するデータテーブルを利用して求める、請求項1に記載の緯入れ制御方法。
  4. 緯糸の飛走状態が目標値に納まるように前記飛走状態を表わす飛走タイミングを含む飛走情報に基づいて緯入れのためのアクチュエータの制御条件を変更する自動制御系を備えたジェットルームの緯入れ制御装置であって、織機の停止の状態を表わす停台情報および/または製織された織物の品質の状態を表わす品質情報を発生する情報発生手段と、前記情報に基づく制御アルゴリズムに基づいて前記自動制御系で用いる前記目標値の修正量を求める手段と、求めた修正量を基に前記自動制御系で用いる前記目標値を修正する手段とを含む、ジェットルームの緯入れ制御装置。
  5. 前記目標値の修正量を求める手段は、前記制御アルゴリズムにしたがって構成されたエキスパートシステムである、請求項4に記載の緯入れ制御装置。
  6. 前記目標値の修正量を求める手段は、前記制御アルゴリズムにしたがって構成された緯入れのためのデータを有するデータテーブルを備える演算手段であって前記情報発生手段から発生される情報および前記データに基づいて前記制御条件を求める演算手段である、請求項4に記載の緯入れ制御装置。
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