JP4022136B2 - 緯糸打ち出しタイミングの算出方法及び緯入れ条件設定方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、流体噴射式織機における緯糸打ち出しタイミングの算出方法及び緯入れ条件設定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ノズルから噴出される流体により緯入れをするジェットルームすなわち流体噴射式織機においては、緯糸はその先端部が緯入れノズルに通された状態で測長貯留装置に貯留されている。緯入れ開始時すなわち緯糸打ち出しタイミングにおいて、緯糸は、測長貯留装置の係止ピンから解舒されると共に、緯入れノズルから噴射される流体により経糸の開口に緯入れされる。
【0003】
織機の操作者は、緯糸の飛走条件が緯糸の種類や織機回転数毎に異なるため、仕掛品変更等の理由により緯糸の種類や織機回転数を変更する毎に、緯糸の噴射に関するタイミングを設定し直す必要がある。
【0004】
緯糸が通された緯入れノズルであるメインノズル及び複数のサブノズル等をリレー噴射して緯入れをする空気噴射式織機を例にして説明すると、圧力流体の噴射タイミングの設定手順は、以下のようになる。
【0005】
先ず、緯糸飛走を開始させる緯糸の飛走開始タイミングを定めると共に、これに対応するメインノズルの噴射開始タイミング及び係止ピンの解舒タイミングが決定される。次いで、サブノズルの噴射タイミングを設定するために決定されたメインノズルの噴射開始タイミングを基にして緯入れパターン図(緯糸飛走線)が作成される。
【0006】
緯入れパターン図は、横軸を織機の主軸のクランク角度とし、縦軸を織物通し幅(織物のメインノズル側の端部から反対側の端部までの距離)とするグラフをいい、緯糸先端部の主軸角度に対する位置の関係を簡易的に一次関数の形すなわち直線で表すものである。
【0007】
サブノズルの噴射開始タイミングは、緯糸打ち出しタイミングと反緯入れ側織端への目標到達タイミングとを結ぶ直線(仮飛走線)とサブノズルの位置関係を示す取付位置寸法線(横軸に対し平行な直線)との交差点から所定角度先行して噴射開始をするように設定される。
【0008】
噴射を終了する噴射終了タイミングは、噴射開始タイミングから所定期間経過後に設定される。
【0009】
また、このようなタイミング決定作業は、作業者がグラフを描いて各ノズルの噴射タイミング等を決定することも可能だが、近年では、緯糸打ち出しタイミングや目標到達タイミングを数値入力し、織物通し幅等の他の設定値から、メインノズルやサブノズル等の緯入れノズルの噴射タイミングや係止ピンの解舒タイミング等を自動的に計算して設定することも行われる。
【0010】
【解決しようとする課題】
上記の従来技術においては、緯糸打ち出しタイミングと実際の緯糸打ち出しタイミングとが一致していない場合がある。このため、緯糸打ち出しタイミングを利用してサブノズルの噴射タイミングを設定する技術であっては、実際のタイミングとずれている打ち出しタイミングに基づいてこれより下段のサブノズルの噴射タイミングを決定することになれば、緯入れが不調になるという問題が生じる。
【0011】
より詳しくは、実際の緯糸打ち出しタイミングに対して、ずれた状態による上記定められた打ち出しタイミングに基づいてサブノズルの噴射タイミングを設定すると、緯入れのときに、サブノズルが噴射する前に緯糸がそのサブノズルの位置まで飛走してしまうことになる、いわゆるサブノズル先行噴射角不足が生じる結果、緯糸が失速したりして、緯入れが不安定になりやすい。また、その逆の場合、サブノズルから無駄に噴射することになって、流体消費量が増加することになる。
【0012】
したがって、サブノズルの噴射タイミングを正確に設定するためには、緯糸打ち出しタイミングと織端への目標到達タイミングからサブノズルの噴射タイミングが求められることから、実際値に近い緯糸打ち出しタイミングを正確に求める必要がある。
【0013】
したがって、緯糸打ち出しタイミングを正確に求めるためには、ストロボ発光などを利用して実測する方法が好ましい。しかし、この方法は、測定が面倒である。また、緯糸打ち出しタイミングをセンサで検出することも考えられるが、センサの配置スペースが必要である、測定装置が高価な構成になるなどの問題もある。
【0014】
これに対し、緯糸の飛走開始タイミングである実際の緯糸打ち出しタイミングは、メインノズルの噴射開始タイミング及び係止ピンの解舒タイミングにより左右される、と考えられる。
【0015】
さらに、係止ピンの解舒タイミングを、緯糸の糸種に応じて、メインノズルの噴射開始タイミングよりも前又はそれ以降に設定することがあり、これら設定によって実際の緯糸打ち出しタイミングは大きく変わる。
【0016】
なお、実際の緯糸打出しタイミングは、緯入れ設定(すなわちメインノズルや係止ピン設定)の良否を表すパラメータであるため、上記したようにサブノズルの噴射タイミングの設定に利用する場合に限らず、緯入れ調整にも広く利用可能である。
【0017】
本発明の目的は、実際値に近い緯糸打ち出しタイミングを既知の緯入れ条件から計算で求めることにある。
【0018】
【解決手段、作用、効果】
本発明者らの精鋭研究の結果、以下の算出方法を突き止めた。
【0019】
【解決手段、作用、効果】
本発明に係る算出方法は、緯糸を緯入れするための圧力流体が供給されると共に緯入れに対応して緯糸を前記圧力流体と共に噴射する緯入れノズルと、緯糸長さを制御すべく緯糸測長貯留装置側に配置されると共に前記緯入れノズルの噴射開始に対応して緯糸を解放する緯糸係止部材とを有する流体噴射式織機の緯糸打ち出しタイミングの算出に適用される。
【0020】
そのような算出方法は、緯糸が経糸開口内に進入する緯糸打ち出しタイミングを既知の緯入れ条件の設定値に基づいて算出することを含む。緯入れ条件の設定値は、緯入れノズルの噴射開始タイミングと、緯糸係止部材の解放タイミングと、織機回転数及び圧力流体の圧力値のいずれか一方とを含む。
【0021】
上記算出方法は、緯糸の種類に応じて緯糸打ち出しタイミングを、既知の緯入れ条件の設定値である緯入れノズルの噴射開始タイミング、緯糸係止部材の緯糸解放タイミング、及び緯糸加速性能に関係する織機回転数又は圧力流体の圧力値に基づいて算出することから、緯糸品種により、緯糸係止部材の緯糸解放タイミングが、緯入れノズルの噴射開始タイミングよりも前又はそれ以降に設定されることがあっても従来のストロボ発光による実測をすることなしに、実測に近い緯糸打ち出しタイミングを得ることができる。
【0022】
なお、織機回転数について、定常運転状態の回転数のほか、織機起動時における過渡状態の回転数とすることも可能であり、これらいずれの状態における緯糸打出しタイミングを算出することも含む。
【0023】
緯糸係止部材は、固定ドラム式測長貯留装置の係止ピン、及び、緯糸測長貯留装置と緯入れノズルとの間に配置されるクランパのいずれか一方を含むことができる。そのように実際に緯糸解舒に係わる部材とすることにより、緯糸打ち出しタイミングを正確に算出することができる。
【0024】
緯入れ条件の設定値の1つとして織機回転数を用いる場合は、緯糸打ち出しタイミングを式(1)に基づいて算出することができる。
【0025】
T=A×x+B×y+C×z+D …(1)
【0026】
また、緯入れ条件の設定値の1つとして圧力流体の圧力値を用いる場合は、緯糸打ち出しタイミングを式(2)に基づいて算出することができる。
【0027】
T=A×x+B×y+E×v+F …(2)
【0028】
上記式(1)及び(2)において、Tは緯糸打ち出しタイミング、xは緯入れノズルの噴射開始タイミング、yは緯糸係止部材の解放タイミング、zは織機回転数、vは圧力流体の圧力値、A,B,C,D,E,Fは所定の係数をそれぞれ示す。
【0029】
上記式(1)や式(2)により緯糸打ち出しタイミングを算出する場合、従来のストロボ発光による実測から得られる打ち出しタイミングと略同じ値を得ることができる。
【0030】
上記式(1)又は(2)の係数A,B,C,D又はA,B,E,Fの値を緯糸の種類及び太さの少なくとも一方に応じて予め複数設定しておき、緯糸打ち出しタイミングの算出の際に、緯糸の種類及び太さの少なくとも一方に応じて所定の係数を選択するようにすることができる。
【0031】
また、上記式(1)又は(2)の係数A,B,C,D又はA,B,E,Fの値を緯入れノズルの種類及び数の少なくとも一方に応じて予め複数設定しておき、緯糸打ち出しタイミングの算出の際に、緯入れノズルの種類及び数の少なくとも一方に応じて所定の係数を選択するようにすることもできる。
【0032】
上記式(1)又は(2)を用いることにより、緯入れされる緯糸品種又は緯糸太さ、若しくは、前記緯入れノズルの種類又は数を種々に変更しても、これに応じて予め設定されている所定の係数を選択するだけで、実測値に近い緯糸打ち出しタイミングを得ることができる。
【0033】
本発明に係る緯入れ条件設定方法は、経糸開口内に複数のサブノズルが配置されている空気噴射式織機における緯入れ条件設定方法であって、上記算出方法のいずれか1つの算出方法によって算出された前記緯糸打ち出しタイミングに基づいて1以上のサブノズルの噴射開始タイミングを算出する。そのようにすれば、緯入れ条件設定の調整の良否の見極めが容易になり、さらに、サブノズルの噴射タイミングを適切に設定できる。
【0034】
上記緯入れ条件設定方法において、各サブノズルの噴射開始タイミングを式(3)に基づいて算出してもよい。
【0035】
SV(i)=T+(L(i)×(TG−T−G)/W)−H …(3)
【0036】
ここで、iは測長貯留装置側からのサブノズルのグループ番号、SV(i)はi番目のサブノズルグループのサブノズルの噴射開始タイミング、Tは緯糸打ち出しタイミング、L(i)はi番目のサブノズルグループの測長貯留装置側織端からの距離、TGは緯糸の到達目標タイミング、Gは到達バラツキ補正係数、Wは筬通し幅寸法、Hは先行角補正係数をそれぞれ示す。
【0037】
サブノズルの噴射開始タイミングを上記式(3)に基づいて算出することにより、サブノズルグループの噴射のタイミングの適切な設定値を得ることができる。
【0038】
なお、サブノズルのグループについて、開閉弁に応じて決定されるものであり、サブノズル1本毎に開閉弁が1つ設けられる形態、さらには2本以上のサブノズルに対して開閉弁が1つ設けられる形態のいずれも考えられる。また、噴射タイミングを設定するサブノズルのグループを、1つ、複数、さらには全サブノズルとすることもでき、1以上の特定グループとするとき、より具体的には測長貯留装置に近い側のみ又は反緯入れ側に近い側のみとすることもでき、残りを手動で設定することもできる。
【0039】
【発明の実施の形態】
[織機の緯入れの説明]
【0040】
図1を参照するに、緯糸打ち出しタイミングの算出方法及び緯入れ条件設定方法を実行する流体噴射式織機10は、圧縮空気を圧力流体とする空気噴射式織機とされている。
【0041】
緯糸12は、給糸体14から伸びており、またドラム式の測長貯留装置16の固定ドラム20の周りに巻き付けられて測長され、貯留されている。緯糸12の先端部は、圧縮空気の噴気にのせて緯糸12を噴射する緯入れノズルすなわちメインノズル18に通されている。
【0042】
測長貯留装置16は、緯糸12を測長兼貯留用ドラム20に巻き付けていると共に、その緯糸12を電磁ソレノイドにより作動される係止ピン22により係止している。測長貯留装置16は、緯入れ時に、係止ピン22を退避させ1回の緯入れに必要な長さ(ターン数)の緯糸12を解舒する。しかし、測長貯留装置16とメインノズル18との間に配置されて緯糸12を把持するクランパを設けることもでき、クランパを実質的に緯糸係止部材として機能させることもできる。本実施例では、測長貯留装置16は、図示しないクランパを係止ピン22と共に用いている。
【0043】
クランパを緯糸係止部材として係止ピン22と共に用いた場合の解舒タイミングは、係止ピン22及びクランパのいずれかの緯糸の解放が遅いタイミングをいう。
【0044】
クランパを用いた測長貯留装置としては、測長ローラにより測長した緯糸を気流により貯留すると共に、緯入れが開始されるまでの間、クランパで緯糸を係止する、例えば、プールケースやRDPがある。
【0045】
メインノズル18は、いくつかの流体制御部材を経て圧縮空気供給源24に接続されている。圧縮空気供給源24からの空気は、圧力レギュレータ26、空気タンク(図示せず)及び電磁式の開閉弁28を経由してメインノズル18に供給される。これにより、緯糸12は、上下に分けられた経糸30により形成される開口に緯入れされる。メインノズル18は、図示の例では筬46が装着される筬スレー(図示せず)に相対的移動不能に及び取り外し可能に堅固に組み付けられている。
【0046】
緯糸の噴射を行わず圧縮空気のみを噴射して飛走緯糸を加勢する複数のノズルすなわちサブノズル32も、筬スレーに相対的移動不能に及び取り外し可能に堅固に組み付けられている。それらのサブノズル32は、緯糸飛走路に沿って複数設けられると共に、緯入れ方向に近い順にいくつかのサブノズル32を1つのサブノズルグループとする複数のサブノズルグループに分けられている。
【0047】
流体噴射式織機10は、図示の例では、8つのサブノズルグループに分けられており、各サブノズルグループは、緯入れ側から順に、第1、第2、…、第7及び第8のサブノズルグループとされる。第1から第7のサブノズルグループのそれぞれは5つのサブノズル32を含み、第8のサブノズルグループは3つのサブノズル32を含む。
【0048】
圧縮空気供給源24からの圧力流体は、各サブノズルグループに1対1に対応した圧力レギュレータ26、空気タンク及び電磁式の開閉弁28を経由して、そのサブノズルグループを構成するサブノズル32に供給される。したがって、圧力流体の供給圧力をサブノズルグループ毎に設定することができる。しかし、圧力レギュレータ26及び空気タンクは、各サブノズルグループに1対1に対応している必要はなく、例えば、複数のサブノズルグループ毎に1つ設けてもよいし、全サブノズルグループに対して1つ設けてもよい。
【0049】
係止ピン22や開閉弁28の駆動は、電磁ソレノイドのような電磁式によるとして説明したが、これに限定されず、例えば、機械駆動や他の駆動方法であってもよい。
【0050】
反給糸側には、正しく緯入れされた緯糸12の先端部を検出する緯糸フィーラ34及び緯入れされた緯糸12に張力を付与するために噴射されるストレッチノズル(図示せず)が筬スレーに相対的移動不能に及び取り外し可能に堅固に組み付けられている。
【0051】
織機の主軸36の回転角度は、エンコーダ38によりリアルタイムに測定され、緯入れ制御装置40にクランク角度信号として出力される。
【0052】
緯入れ制御装置40は、エンコーダ38からのクランク角度信号、解舒センサ42からの解舒信号及び緯糸フィーラ34からの緯糸到達信号を受けて、設定器44により予め設定された緯入れ条件に基づいて、係止ピン22、メインノズル用及びサブノズルグループ用の各開閉弁28、並びに、ストレッチノズル用開閉弁を適切なタイミングで制御する。
【0053】
筬46は、織機の主軸36の回転にともなって、例えば図示しないクランク機構等を介して筬打ち駆動される。したがって、筬打ち過程において、メインノズル18、複数のサブノズル32及び緯糸フィーラ34は、主軸36の回転にしたがって、筬46と共に織前の側へ移動される。
【0054】
測長時、緯糸12は、緯糸12が測長貯留装置16の係止ピン22に係止された状態で、測長貯留装置16のヤーンガイド48が所定回数回転されることにより、測長兼貯留用ドラム20の外周面に巻き付けられて貯留される。緯糸12の先端部は、メインノズル18に通されて、先端をメインノズル18から突出されている。
【0055】
緯入れ時、緯糸12は、係止ピン22の解放により測長兼貯留用ドラム20から解舒された状態で、メインノズル18から緯入れ用の圧力流体と共に噴射されて、経糸30の開口中に緯入れされる。緯入れされた緯糸12の先端側の領域は、複数のサブノズル32群がリレー噴射されることにより、反緯入れ側に向けて飛走される。
【0056】
解舒センサ42は、測長兼貯留用ドラム20から巻き解かれる緯糸12の解舒を検出して緯糸解舒信号を緯入れ制御装置40に出力する。
【0057】
解舒センサ42からの解舒信号を受信した緯入れ制御装置40は、解舒信号をカウントして、1ピック分の長さの緯糸12が引き出されたことを検出して、測長兼貯留用ドラム20からの緯糸12の解舒を阻止するために、係止ピン22を進出させるべく電磁ソレノイドを駆動する。これにより、緯糸12が係止ピン22に係止されて、1ピック分長さの緯糸12が測量され緯入れが完了する。
【0058】
緯糸12の先端部が緯糸フィーラ34の配置位置に到達すると、緯糸フィーラ34は、緯糸12を検知して、正常に緯入れされたことを示す信号を緯入れ制御装置40に出力する。
【0059】
筬打ち時、緯糸12のうち、経糸30の開口中に緯入れされた部分は、筬46により織前に向けて移動されて、最終的に織前に打ち付けられる。このとき、緯入れされた緯糸12の先端部は、反緯入れ側の経糸30の列よりも外側に配置された図示しないストレッチノズルの気流により、経糸30の開口中に緯入れされた部分の緯糸にも張力付与される。
【0060】
筬打ち後、緯糸12は、カッタ50により切断されて、織布52から切り離される。
【0061】
[設定器の説明]
【0062】
図2に示すように、設定器44は、ボックス形状を有しており、その正面に、設定器44の状態を表示する表示器54を配置している。表示器54としては、情報を視覚的に表示できるもの、例えば、液晶パネル、液晶タッチパネル、CRTディスプレイ等がある。本実施例では、液晶タッチパネルを表示器54として用いる場合について説明する。
【0063】
設定器44の左側面には、メモリカード56を出し入れするためのカード挿入口58が形成されている。メモリカード56は、カード挿入口58より差し込まれて、カードインタフェース(以下、カードI/Fと記する。)60(図3参照)に取り替え可能に接続される。
【0064】
緯糸品種に対応する係数A,B,C,D,E,Fやサブノズル噴射タイミングを自動的に設定するためのプログラムは、設定器44に更新可能に組み込まれている。メモリカード56は、緯糸品種に対応する、サブノズルの噴射タイミング設定のプログラムを更新したり、設定値の記録の読み出しに利用される。
【0065】
表示器54の正面の向かって左側には、縦方向に一列に、押ボタン式の5つのメニューキー62が配置されている。各メニューキー62の上側には、上から順に、「ホスト」、「稼働」、「設定」、「保全」、「製織」のラベルが記載されている。
【0066】
表示器54の正面下側には、表示器54の表示部下辺を略8等分した長さを有する8つのファンクションキー64が、水平方向に一列に並ぶように、配置されている。各ファンクションキー64は、左から右に向かって順に、「f・1」、「f・2」、…、「f・8」の文字が付されている。
【0067】
ファンクションキー64の下側には、入力器の1つとして作用するカーソルキー66が配置されている。カーソルキー66は、表示部に表示されるカーソルを移動させるために用いられる。
【0068】
カーソルキー66の右側には、入力器の1つとして作用する、13のキー68が配置されている。最下行の4つのキー68には、左から右に向かって「CLR」、「0」、「.」、「ENT」の文字が、その上の3つの行のキー68には、左から右に向かって、3つづつ「1」、「2」、…、「9」の文字が、それぞれ、付されている。
【0069】
図3に設定器44の内部回路70を示す。内部回路70は、表示器54と、カードI/F60と、上記した各種のキー62,64,66及び68を含むキーボードとされた入力器72と、中央演算処理装置(以下、CPUと記する。)74と、これらに接続された入出力ポート(I/Oポートと記する。)76と、CPU74に接続されたメインメモリ(以下、記憶器と記する。)78とを有している。
【0070】
CPU74は、I/Oポート76を介して、カードI/F60、表示器54、入力器72及び緯入れ制御装置40に接続されており、また内部配線を介して記憶器78に接続されている。
【0071】
作業者は、緯入れに関する設定値を、表示器54による表示に応答して、カーソルキー66を操作したり、テンキー68を操作して数値入力したりすることにより、緯入れに関する設定値を対話入力することができる。
【0072】
なお、設定器44は、操作キー62の操作により、織機10の稼働情報、保全情報、製織に関する情報等を表示器54を介して表示することができる。また、設定器44は、図示しない緯入れ以外の織機の装置、例えばいずれも図示されない、経糸張力を制御する送出制御装置、織布の巻き取り運動を制御する巻取制御装置、織機運転・停止等の織機全体動作を制御する主制御装置等にも接続されており、これら装置に対する設定値についても同様に、対話入力可能に構成されている。
【0073】
[緯糸打ち出しタイミングの算出及び緯入れの条件設定の説明]
【0074】
緯糸打ち出しタイミングの算出及び緯入れの条件設定は、設定器44を介して図4に示すステップで行われる。
【0075】
[各種パラメータの入力要求:ステップS1]
【0076】
作業者は、設定器44のメニューキー62の「設定」ボタンを押して図5に示す画面80を表示器54に表示させて、後に説明するように各種のパラメータを設定器44に入力する(ステップS1)。図5は、4色緯入れ用の空気噴射式織機用の画面を2色緯入れ用に用いた場合を示す。
【0077】
図5に示す画面80の最上欄には、現在の設定すべき内容を端的に示す「[基本設定 ヨコ]」と現在の年月日及び時刻が表示されている。図示の例では、説明のための日時として、「2002.03.13 12:25」が表示されている。
【0078】
画面80の中欄の上部には、各緯糸に対応して、「緯糸カラー」、「緯糸品種」、「解舒数」、「緯糸打出(°)」、「緯糸到達目標(°)」、「流体圧力(MPa)」の入力値が、それぞれ、対応する矩形枠の内側に表示されている。図示の例では、空気噴射式織機として予め2色緯入れ可能に設定され、緯糸カラーとして、「C1」及び「C2」のみを使用可能な状態を示している。
【0079】
「緯糸品種」は、「フェラメント(化繊)」、「強撚糸」、「綿糸 20/1S」、「綿糸 40/1S」、「綿糸 50/1S」等緯糸種類に対応する情報として、予め記憶器78に複数記憶されており、作業者はカーソルキー66を利用してそれらの項目から対応する情報を選択する。
【0080】
なお、緯糸品種を構成する要素に、例えば糸の原材料種類、太さ、合糸の比率、断面形状、撚りの有無、伸縮加工の有無、糊付やオイリングの有無など、緯糸飛走特性に影響を与えるものが考えられる。したがって、緯糸品種の設定について、これらの要素の相違により細分化された設定、又は、影響を与えやすいもののみ大まかに分けた設定のいずれも考えられる。
【0081】
「緯糸カラー」の「C1」から「C4」は、緯入れする4色の緯糸番号を示すが上記したように、2色使いであり「C3」及び「C4」の情報はブランク表示になっている。「緯糸打出(°)」の項には、主軸角度を尺度とする緯糸打ち出しタイミング(打ち出し開始タイミング)を表示する。「緯糸到達目標(°)」の項には、主軸角度を尺度とする緯糸到達目標タイミングの設定値を示す。「流体圧力(MPa)」の項には、メインノズル18に供給される流体圧力の設定値を示す。
【0082】
画面80の中欄の中央には、左から「オサ通し幅」及びその単位「(cm)」、「サブノズルグループ数」、「織機回転数(rpm)」に対応する値が対応する矩形枠の内側に表示されている。「オサ通し幅」の項には、図1に示す織機10の一方の織端から他方の織端までの距離Wの設定値を示す。「織機回転数(rpm)」の項には、織機10の設定回転数を示す。
【0083】
画面80の中欄の下部には、サブノズル32のグループに関する情報として、「サブ(G)」、「ピッチ(mm)」、「本数(本)」が表示されている。「ピッチ(mm)」は図1に示すように隣接するサブノズル32,32間の距離pの設定値を示す。
【0084】
ここで、「解舒数」とは、測長貯留装置16における緯入れ1ピック分の緯糸12の解舒ターン数をいう。「緯糸到達目標(°)」、「流体圧力(MPa)」、「オサ通し幅」、「サブノズルグループ数」、「サブノズル(G)」の「ピッチ」、「本数(本)」の各設定値は、サブノズルのタイミング設定に利用される。
【0085】
画面80の下欄の最下部には、ファンクションキー64の機能を端的に表しているファンクションキーメニューが表示されている。ファンクションキーメニューは、左から右に「切換」、「詳細設定」、「緯入れ」、「タイミング」、「コントラスト」、「織段防止」、「緯入自動」、「打出算出」の順に表示されており、それらが、ファンクションキー64の「f・1」、「f・2」、…、「f・8」に個々に対応している。
【0086】
作業者は、カーソルキー66を操作する、ファンクションキー64を押す、表示器54のファンクションメニューに表示されている部分をタッチする、等の操作をして、所定の画面に切り換えることができる。
【0087】
作業者は、カーソルキー66を上下左右側に傾けることにより、画面80上のカーソルを所定の「緯糸品種」に対応する入力用矩形枠に移動させて、目的とする糸種を選択する。また、作業者は、カーソルキー66により画面80上のカーソルを、緯糸カラーに対する「解舒数」、「緯糸打出(°)」、「緯糸到達目標(°)」、「流体圧力(MPa)」に対応する入力用矩形枠に移動させ、キー68から必要な値を入力する。これにより、ステップS1が終了する。
【0088】
図5において、「緯糸カラー」の「C1」及び「C2」は、それぞれ、「緯糸品種」が「綿 40/1S」に、「解舒数」が「3」に、「緯糸到達目標(°)」が「210」に、「流体圧力(MPa)」が「0.30」及び「0.29」に設定された状態を示す。
【0089】
織機10は、「オサ通し幅」が「170」cmに、「サブノズルグループ数」が「8」に、「織機回転数(rpm)」が「800」に設定されており、設定器44にも同様の設定がなされた状態を示している。
【0090】
図示の例では、緯糸品種として「綿 40/1S」が選択されていることから、後述するサブノズル噴射タイミングの自動設定時には、CPU74の指令により、緯糸打ち出しタイミングの算出に必要な式(1)の係数A,B,C,Dの値は、緯糸品種「綿 40/1S」に対応した値(A=0.415,B=0.585,C=0.003,D=10.9(後述する表2参照))が記憶器78より読み出される。
【0091】
[緯入れ条件の入力:ステップS2]
【0092】
作業者は、「緯入れ」に割り振られているファンクションキー64の「f・3」を押して表示器54の表示画面を図6に示す画面82に切り換え、各種のキーを操作して緯入れ条件を入力する(ステップS2)。
【0093】
画面82の上欄の最上部には、現在の設定すべき内容を端的に示す「[緯入れタイミング設定][メイン1〜4]」が表示されている。
【0094】
画面82の中欄及び下欄には、「[C1]」から「[C4]」にそれぞれ対応した、緯入れタイミングに関する設定値を入力する矩形枠が表示されている。
【0095】
画面82の下欄の最下部には、ファンクションキー64の機能を端的に表しているファンクションキーメニューが表示されている。ファンクションキーメニューは、左から右に「切換」、「サブ_1」、…、「サブ_4」、「メイン5〜8」、「自動設定」、「打出算出」の順に表示されており、それらが、ファンクションキー64の「f・1」、「f・2」、…、「f・8」に個々に対応している。
【0096】
「[C1]」から「[C4]」のそれぞれは、主軸36の回転角度に対して、「係止ピン」、「メイン」、「補助メイン」、「カッティング」のタイミング(「ON」と「OFF」)が設定される。
【0097】
「係止ピン」の「ON」及び「OFF」は、それぞれ、測長兼貯留用ドラム20に貯留された緯糸12の解舒タイミング及び係止タイミングを示す。「メイン」とは、メインノズル18のことを示し、「メイン」の「ON」及び「OFF」は、それぞれ、メインノズル18の噴射開始タイミング及び噴射終了タイミングを示す。「補助メイン」とは、クランパとメインノズル18との間に設けられると共に、緯糸12が通されており、メインノズル18と同様に設けられる補助メインノズルのことを示し、「補助メイン」の「ON」及び「OFF」は、それぞれ、補助メインノズルの噴射開始タイミング及び噴射終了タイミングを示す。
【0098】
図6において、「C1」及び「C2」は、「係止ピン」の「ON」及び「OFF」が「60」及び「180」に、「メイン」の「ON」及び「OFF」が「70」及び「190」に、「補助メイン」の「ON」及び「OFF」が「70」及び「190」に、「カッティング」の「ON」及び「OFF」が「320」及び「30」に設定された状態を示す。
【0099】
「カッティング」とは、筬打ち時に張力が付与された緯糸12をカッタ50で切断した際に緯糸12がメインノズル18から抜けること防止する、メインノズル18からの噴射のタイミングを示す。「カッティング」の「ON」及び「OFF」は、それぞれ、緯糸の切断時にメインノズル18から噴射する空気の、噴射開始タイミング及び噴射終了タイミングを示す。
【0100】
ファンクションキーメニューの「サブ_1」、…、「サブ_4」は、ファンクションキー64の「f・2」、…、「f・5」を操作することにより、緯糸カラー1,…,4に対応するサブノズルの噴射タイミングを設定する画面に切り換え可能であることを表示している。
【0101】
上記のような条件は、対応するファンクションキー64,…,64にタッチした後、カーソルキー66とテンキー68とを利用して設定することができる。
【0102】
[緯糸の打ち出しタイミングの算出:ステップS3]
【0103】
作業者は、以上の条件を設定した後に、「打出算出」に割り振られているファンクションキー64の「f・8」を押して、メインノズル18の打ち出しタイミングを算出することをCPU74に指令する。このとき、作業者は、緯糸打ち出しタイミングTを求める式を明示的に式(1)又は式(2)から選択することができる。
【0104】
緯糸打ち出しタイミングは、画面80及び82を利用して既に入力された、メインノズル18の噴射開始タイミングと、係止ピン22の解放タイミングと、主軸36の設定回転数(すなわち織機回転数)又は圧力流体の圧力値とに基づいて、式(1)又は式(2)から算出される。
【0105】
T=A×x+B×y+C×z+D …(1)
【0106】
T=A×x+B×y+E×v+F …(2)
【0107】
ここで、Tは緯糸打ち出しタイミング、xはメインノズルの噴射開始タイミング、yは緯糸係止部材の解放タイミング、zは織機回転数、vは圧力流体の圧力値、A,B,C,D,E,Fは緯糸打ち出しタイミングの算出に際し、選択される係数をそれぞれ示す。
【0108】
式(1)は、式(2)の圧力流体の圧力値vを織機回転数zに置き換えた式である。主軸36の設定回転数(織機回転数z)を高く設定する場合、経糸が開口している時間が短縮されることから、短時間で緯糸12の飛走を完了させる必要があり、緯糸12を飛走させる圧力流体の圧力値も高い値に設定される。換言すれば、織機回転数zと緯入れに必要な圧力流体の圧力値とは、相関関係があることから、緯入れに必要な圧力流体の圧力値から主軸36の回転数(織機回転数z)が一義的的に定まる。したがって、式(2)は、メインノズル18から噴射される圧力流体の圧力値vを、織機回転数zに置き換えて式(1)とすることができる。
【0109】
所定の係数A,B,C,D,E,Fは、緯糸品種又は太さ、メインノズル18の種類又はその数に応じて予め算出されて記憶されており、予め実測された値から後述する方法で算出されている。
【0110】
開閉弁26が電磁アクチュエータで駆動される場合、開閉弁26は、緯入れ制御装置40からの開閉信号を受けてから実際に弁の開閉が完了するまで、動作遅れが生じ、応答遅れとされる。しかし、本実施例で示す織機10では、そのような応答遅れを補償して式(1)や式(2)によって求めた緯糸打ち出しタイミングで開閉弁26の電磁アクチュエータを作動させる手段(例えば、応答遅れ補償ソフトウエア)を内蔵している。したがって、式(1)や式(2)やそれらの係数は、応答遅れを考慮していない。
【0111】
式(1)又は式(2)から算出された緯糸打ち出しタイミングは、図5又は、後述する図7及び図8に示す緯入れ条件設定画面を表示させることにより確認することができる。作業者は、緯入れ条件設定画面から得た緯糸打ち出しタイミングを他の織機の緯入れ装置の緯入れノズルの噴射条件に利用してもよい。
【0112】
図示の例では、緯糸カラー「C1」及び「C2」のいずれも、緯糸係止部材の解放タイミングを示す「係止ピン」の「ON」の値が「60」に、メインノズル18の噴射開始タイミングを示す「メイン」の「ON」の値が「70」に設定されていることから、式(1)のxは70、yは60の値となる。したがって、緯糸カラー「C1」及び「C2」の緯糸打ち出しタイミングTは、共にT=0.415×70+0.585×60+0.003×800+10.9=75.29≒75°となる。
【0113】
[サブノズル噴射タイミング自動算出の選択:ステップS4]
【0114】
作業者は、サブノズル噴射タイミングの自動設定を望まない場合には、ステップS5に進み、サブノズル噴射タイミングの自動設定を望む場合には、ステップS6に進む。
【0115】
[算出結果の表示:ステップS5]
【0116】
作業者は、「切換」に割り振られているファンクションキー64の「f・1」を押して図5に示す画面80を表示させて、算出された緯糸打ち出しタイミングTの値「75」を確認することができる。
【0117】
算出された緯糸打ち出しタイミングTの値は、緯糸カラーの「緯糸打出(°)」に対応する矩形枠に表示される。これにより、作業者は、緯入れ装置の設定の良否を見極めることができる。しかし、緯糸打ち出しタイミングの算出が完了後、表示画面を自動的に図5に示す画面80に切り換えられ、「緯糸打出(°)」に対応する矩形枠に算出された緯糸打ち出しタイミングTの値を表示してもよい。
【0118】
作業者は、さらに、サブノズル噴射タイミングを手動設定を望む場合には、図5に示す画面80の「緯入れ」に割り振られているファンクションキー64の「f・3」を押した後に、図6に示す画面82の「サブ_1」、「サブ_2」に割り振られているファンクションキー64の「f・2」、「f・3」を押すと、緯糸カラー1,2に対応するサブノズル噴射タイミングの設定値を表示する画面84(図7参照)に移る。
【0119】
図7は、現在のサブノズル噴射タイミングの設定値が表示されている画面88を示す。画面88には、画面の内容を端的に示す「[緯入れタイミング設定][サブ_カラー1]」が上欄左側に表示されている。
【0120】
画面84の下欄には、緯糸が「[C1]」の場合のサブノズルグループ毎のサブノズル32の噴射開始タイミング「ON」と噴射終了タイミング「OFF」の値が対応する矩形枠内に表示されている。本実施例では、サブノズルグループの数は8つであることから、「サブ9」には値が表示されていない。
【0121】
画面84において、「ストレッチ」とは、緯入れされた緯糸12に張力を付与するためのストレッチノズルからの噴射をいう。
【0122】
画面84の「切換」に割り振られているファンクションキー64の「f・1」を押すと、図8に示す画面86に切り換わる。画面86の上欄左側には、画面の内容を端的に示す「[ヨコ入れ調整]」が表示されている。
【0123】
画面86の下欄には、現在のサブノズルグループの噴射開始及び終了タイミングの設定値が表示されている。各サブノズルグループの噴射のタイミングは、一目で認識することができるように、グラフで表示される(図4のステップS6)。グラフの横軸は主軸36の回転角度(°)、縦軸は筬幅(筬通し幅)の寸法Wとされ、そのグラフに各サブノズルグループの噴射の開始及び終了を示す矩形が表示されている。
【0124】
グラフの横軸の下には、左右方向に長い矩形が上下方向に3段表示されている。これらの矩形の左右方向の端は、上からメインノズル18の噴射開始及び終了タイミング、係止ピン22の解舒及び係止タイミング並びにWBSの動作開始及び終了タイミングを示す。
【0125】
なお、「WBS」とは、クランパとメインノズル18との間に設けられ、緯糸12を屈曲させることにより飛走緯糸の速度を減速させる、いわゆる緯糸制動装置を指す。
【0126】
グラフの上には、左右方向に長い矩形が1つ表示されている。この矩形の左右方向の端は、ストレッチノズルの噴射の開始及び終了タイミングを示す。
【0127】
作業者は、画面86に表示されているアイコンをタッチすることにより、サブノズルグループの噴射開始及び終了タイミングの設定値をテンキー68により個別的に変更することができる。
【0128】
画面86の中欄右側の縦1列にならんでいるアイコンは、1から8までの番号が付されており、それぞれ、緯糸番号に対応する。図示の例では、1番のアイコンが選択されている状態を示す。
【0129】
作業者は、画面86に表示された算出結果について、変更をする場合には、画面86の中欄右側の黒い三角のアイコンをタッチすることにより、上側(反給糸側)又は下側(給糸側)のサブノズルグループを選択して、噴射の開始及び終了のタイミングを変更することができる。作業者は、中欄右上の「全サブ」をタッチすることにより、すべてのサブノズルグループを同時に選択することができ、噴射の開始及び終了のタイミングを変更することができる。
【0130】
作業者は、最下欄の「<−ON」、「−>ON」、「<−OFF」、「−>OFF」を選択してタッチすることにより、選択されたサブノズルグループの噴射開始及び終了タイミングを変更することもできる。作業者は、「<−ON」及び「<−OFF」をタッチすると、噴射開始及び終了タイミングが速くなり、「−>ON」及び「−>OFF」をタッチすると、噴射開始及び終了タイミングが遅くなる。本実施例では、作業者が1回タッチすると、主軸36の回転角度で数度(°)速く又は遅くなるように設定されている。
【0131】
画面88の下欄上側には、現在、選択されているサブノズルグループの番号、及び、噴射の開始及び終了タイミングが表示されている。図8に示す例では、1番のサブノズルグループが選択されており、その噴射開始及び終了タイミングは、75°及び135°に設定されている。
【0132】
サブノズルグループ毎の噴射開始及び終了タイミングの確認及び個別的変更が終了した後に、表示画面は、画面86の最下欄右側に表示されている「終了」をタッチされることにより、図7に示す画面84に戻る。
【0133】
[各サブノズル噴射タイミングの算出:ステップS6]
【0134】
各サブノズル噴射タイミングの算出は、図6において、作業者が「自動設定」に割り振られているファンクションキー64の「f・7」を押して、サブノズル噴射タイミングを算出することをCPU74に指令することにより行われる。
【0135】
図1を参照して、サブノズル32の噴射開始及び噴射終了タイミングの自動算出の方法を説明する。
【0136】
測長貯留装置側の織端から各サブノズルグループの先頭側のサブノズル32までの距離L1,L2,…,L(i),…,L8は、次式で求めることができる。
【0137】
L(i)=a+p×(k(1)+…+k(i−1)) 但し、i=1のとき、L(1)=L1=a
【0138】
ここで、iは測長貯留装置側からのサブノズルのグループの番号である。aは緯入れ側の織端からサブノズルの第1グループの最も緯入れ側(つまり先頭)のサブノズル32までの距離、pは隣接するサブノズルのピッチ、k(n)は第nのサブノズルの本数をそれぞれ示す。図示の例では、iは1から8までの値を示し、距離aは30mm、ピッチpは45mm、k(1)からk(7)は5、k(8)は3である。
【0139】
求めた各サブノズルグループにおける距離L(i)を用いて各サブノズルグループの噴射開始タイミングを式(3)を用いて算出する。
【0140】
SV(i)=T+(L(i)×(TG−T−G)/W)−H …(3)
【0141】
ここで、iは測長貯留装置側からのサブノズル32のグループ番号、SV(i)はi番目のサブノズルグループのサブノズル32の噴射開始タイミング、Tは緯糸打ち出しタイミング、L(i)は第iのサブノズルグループの測長貯留装置側織端からの距離、TGは緯糸の到達目標タイミング(図5に示す「緯糸到達目標(°)」)、Gは織機回転数に依存する到達バラツキ補正係数、Wは筬通し幅寸法、Hは織機の主軸36の回転数に依存する先行角補正係数をそれぞれ示す。
【0142】
本実施例では、TGは図5に示す「緯糸到達目標(°)」から、「210」とされる。緯糸の到達バラツキ補正係数Gは、織機の主軸36の回転数×0.006×1msから求められ、800×0.006×1ms=4.8°である。先行角補正係数Hは、織機の主軸36の回転数×0.006×4msから求められ、800×0.006×4ms=19.2°である。
【0143】
なお、到達バラツキ補正係数Gで用いた「1ms」、及び先行角補正係数Hで用いた「4ms」は、津田駒工業株式会社製織機における経験から得られた値であり、織機の機種により「数ms」の範囲にされるものである。
【0144】
各サブノズルグループにおけるサブノズルグループの噴射終了タイミングは、SV(i)+(60°〜70°)として算出される。画面84は、各サブノズルグループにおけるサブノズルグループの噴射終了タイミングは、SV(i)+60°とした場合の算出結果が表示されている。
【0145】
[算出結果の表示:ステップS7]
【0146】
図9は、式(3)を用いて算出されたサブノズル噴射タイミングが表示されている画面88を示す。画面88は図7に示す画面84と同じ画面構成になっている。
【0147】
自動算出されたサブノズル32の噴射開始及び終了タイミングは、図9に示す画面88のように、各矩形枠内に算出後の値が表示されている。作業者は、ファンクションキー64の「f・1」を押すことにより、図10に示す画面90ように自動算出された後のグラフを確認することもできる。画面90は図8に示す画面86と同じ画面構成になっている。
【0148】
[緯糸打ち出しタイミングの算出に用いられる係数の求め方]
【0149】
緯糸打ち出しタイミングTを求める式(1)及び式(2)は、発明者らが、緯糸打ち出しタイミングTが緯入れノズルの噴射開始タイミング以外にも依存する点に着目して得た式である。
【0150】
緯糸打ち出しタイミングTと緯入れノズルの噴射開始タイミングxとの間にT=x+補正項1の関係が成り立つと考えられる。ここで、xは緯入れノズルの噴射開始タイミングである。
【0151】
しかし、上記補正項1の中身については、緯入れ条件(係止ピン解舒タイミング)、織機の回転数に依存すると考えられる。このことは後述する試験により裏付けられる。
【0152】
発明者らは、緯糸打ち出しタイミングTの計算式を、緯糸打ち出しタイミングT=x+α(y−x)+βz+γ …(4)と仮定した。ここで、yは係止ピンの解舒タイミング、zは織機回転数、α,β,γは係数、T,x,yの単位は主軸の回転角度(°)、zの単位は(rpm)をそれぞれ示す。
【0153】
上記式(4)を回帰式とし、回帰係数α,β,γの値を求めるべく実際の織機でT,x,yを緯糸種類や織機回転数を変えた状態でいくつか測定した。
【0154】
[試験条件]
【0155】
エアジェットルームZAX(商品名:津田駒工業株式会社)を用いて試験を行った。このとき、筬通し幅Wを170cm、緯入れノズルの噴射開始タイミングxを主軸の回転角度80°とし、係止ピンの解舒タイミングyを主軸の回転角度60°から100°まで10°刻みで変更したときの緯糸打ち出しタイミングTをストロボ発光により実測する。
【0156】
織機回転数zは、500rpm及び700rpmの2つを測定した。
【0157】
メインノズルの噴射開始及び終了タイミング、流体圧力、メインノズル及びサブノズル32の種類及び配置並びにサブノズルの配置ピッチなどは試験を通して変更しなかった。
【0158】
試験に採用した緯糸品種としては、化繊糸BB(ベンベルグ)84dtex、撚糸PE(ポリエステル)84dtex/撚数1000t/m、綿糸C20/1S、綿糸C40/1S及び綿糸C50/1Sの5種類とした。
【0159】
5つの緯糸品種について、試験測定を行い、得られた測定値からコンピュータを用いて式(4)を回帰式とする重回帰分析を行って係数α,β,γを求めると共に重相関係数を算出した。重回帰分析及び重相関係数の算出については、公知のアルゴリズムを採用した。
【0160】
表1に、5つの緯糸品種における各測定値T,x,yに基づいて求めた係数α,β,γ及び重相関係数を示す。さらに、綿糸について上記3種類つまり綿糸C20/1Sと綿糸C40/1Sと綿糸C50/1Sの測定値をまとめたものすなわち綿糸全体としてもとめた係数α,β,γ及び重相関係数の平均値をあわせて示す。
【0161】
【表1】
Figure 0004022136
【0162】
表1より、重相関係数の値は、0.93から0.98の範囲になっており、「1.0」の値に極めて近似している。このことから、式(4)を用いて算出される緯糸打ち出しタイミングTは、実測値(真の値)との誤差が非常に小さいことが認められる。換言すれば、この式(4)を利用して算出される緯糸の打ち出しタイミングTは、信頼性が高いと考えられる。
【0163】
式(4)を次式に示すように変形することができる。
【0164】
T=(1−α)x+αy+βz+γ=Ax+By+Cz+D …(5)
【0165】
ここで、A=1−α,B=α,C=β,D=γである。
【0166】
表1に示された係数α,β,γを式(5)すなわち式(1)の係数A,B,C,Dに置き換えると、係数A,B,C,Dは表2に示す値になる。
【0167】
【表2】
Figure 0004022136
【0168】
表2に示す各係数A,B,C,Dは、緯糸品種に応じて予め設定され記憶器78に記憶されており、緯糸打ち出しタイミングの算出の際し、緯糸品種に対応する係数が選択される。
【0169】
[検証]
【0170】
次に、化繊糸及び撚糸における、緯糸打ち出しタイミングの各実測値、式(1)にて求めた緯糸打ち出しタイミング及び各実測値と式(1)の誤差を表3に示す。
【0171】
【表3】
Figure 0004022136
【0172】
表3から、係止ピン及びメインノズル18のいずれをも解舒及び噴射のタイミングを先行させたとしても、実測値と計算値との誤差はすべて±4°以内の範囲にあることが認められる。
【0173】
表4に、綿糸における、緯糸打ち出しタイミングの各実測値、各綿糸の係数及び綿糸平均の係数を用いて式(1)にて求めた緯糸打ち出しタイミング、並びに、各実測値と式(1)の誤差を表4に示す。
【0174】
【表4】
Figure 0004022136
【0175】
表4より、実測値と計算値との誤差が±7°の範囲内にあることが認められる。したがって、緯糸12の太さ毎に計算された係数A,B,C,Dを予め設定することが好ましい、と考えられる。
【0176】
また、実際には、係止ピン22の解舒タイミングは、メインノズル18の噴射開始タイミングの±10°の範囲に設定される場合がほとんどである(表4の*印)。そのような範囲では、実測値と計算値との誤差が±5°の範囲内にある。したがって、緯糸の太さの違いを考慮せずに計算して得た係数A,B,C,Dを採用した場合であっても、実際に行われる設定範囲内では、実用に耐えうる、と考えられる。
【0177】
上述の手順と同様の手順で緯入れ条件の設定値の1つとして圧力流体の圧力値を用いる場合において、緯糸打ち出しタイミングを算出する式(2)の各係数も求めることができる。各係数A,B,E,Fは、圧力流体の圧力値に応じて予め設定されており、緯糸打ち出しタイミングの算出の際し、所定の係数を選択される。
【0178】
緯糸打ち出しタイミングは、サブノズル32の噴射タイミング設定に限らず、緯入れ調整に使用され、空気噴射式織機に限らず液体噴射式織機、さらには固定ドラム式以外の測長貯留装置16(係止ピンに代えてクランパにより係止する)を備える流体噴射式織機にも利用される。
【0179】
メモリカード56としては、マイクロ・カード、コンパクト・フラッシュ・カード(Compact Flash Card:CF card)、スマート・メディア・カード(Smart Media(登録商標) Card:SM card)、マルチ・メディア・カード(Multi Media Card:MMC card)、セキュリティ・ディジタル・メモリ・カード(SecureDigital Memory card:SD card)、メモリ・スティック・カード(Memory Stick card:MS card)などがある。
【0180】
緯糸打ち出しタイミングは、緯糸品種やメインノズル18の種類及び数、補助メインノズルの有無による影響を受ける。したがって、これらに対応して係数を選択するようにすることにより、より精度の高い計算値が得られる。なお、各係数を多量に記憶する必要な場合、設定器44は、データ貯蓄されたホストコンピュータからその都度読み出しを行うようにすればよいことは言うまでもない。
【0181】
空気噴射式織機において、算出された緯入れ打ち出しタイミングは、サブノズルの噴射タイミングの自動設定に利用しているが、これに限定されず、例えば、他の緯入れに関連する装置(例えば、緯糸ブレーキ、ストレッチノズルなど)の動作タイミング設定に利用してもよい。
【0182】
上記式(1)から(4)は、1次関数として説明したが、これに限定されるものではなく、2次以上の高次関数であってもよい。
【0183】
上記緯糸打ち出しタイミングは、好ましくは主軸36の回転角度として説明したが、これに限定されるものではなく、主軸36が予め設定されている基準角度を通過したときからの経過時間としてもよい。この場合、緯入れ制御装置40は、規準角度を通過してからの経過時間により、各開閉弁や電磁ソレノイドが制御されるように構成される。
【0184】
本件発明に係る、緯糸打ち出しタイミングの算出は、以下のように変形できる。
【0185】
緯糸打ち出しタイミングの算出方法について、織機10の定常運転中における値を算出することも可能だが、織機起動時や回転数変更時における過渡状態の織機回転数における値を算出することも可能である。このような過渡状態における緯糸の打ち出しタイミングの実測は極めて困難であるが、上記算出されることにより、この期間における緯入れの条件設定の良否の見極めが容易に行える。
【0186】
また、算出された緯糸打ち出しタイミングを利用して、サブノズルの噴射開始タイミングを設定する場合では、サブノズルのグループについて、サブノズル1本毎に開閉弁が1つ設けられる形態、さらには2本以上のサブノズルに対して開閉弁が1つ設けられる形態のいずれも考えられる。
【0187】
また、噴射タイミングを設定するサブノズルのグループを、1つ、複数、さらには全サブノズルとすることもでき、前者の1以上の特定グループとするとき、より具体的には測長貯留装置に近い側のみ又は反緯入れ側に近い側のみ上記算出を利用して設定することもでき、残りを手動で設定することもできる。
【0188】
本発明に係る、緯糸打ち出しタイミングの算出方法及び緯入れ条件設定方法は、空気噴射式織機の他に、液体噴射式織機にも適用できる。
【0189】
本発明は、上記実施例に限定されず、その趣旨を逸脱しない限り、種々変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る、緯糸打ち出しタイミングの算出方法及び緯入れ条件設定方法を備えた織機の概略図である。
【図2】図1に示す設定器の外観斜視図である。
【図3】図2に示す設定器の内部回路図である。
【図4】図1に示す織機の緯糸打ち出しタイミング及び緯入れ条件設定の手順を示すフォローチャート図である。
【図5】図2に示す設定器の表示画面を示す図である。
【図6】図5に示す設定器の別の表示画面を示す図である。
【図7】図6に示す設定器のさらに別の表示画面を示す図である。
【図8】図7に示す設定器のさらに別の表示画面を示す図である。
【図9】図8に示す設定器のさらに別の表示画面を示す図である。
【図10】図9に示す設定器のさらに別の表示画面を示す図である。
【符号の説明】
10 流体噴射式織機
12 緯糸
14 給糸体
16 測長貯留装置
18 メインノズル
20 測長兼貯留用ドラム
22 係止ピン
24 圧縮空気供給源
26 圧力レギュレータ
28 開閉弁
30 経糸
32 サブノズル
34 緯糸フィーラ
36 主軸
38 エンコーダ
40 緯入れ制御装置
42 解舒センサ
44 設定器
46 筬
48 ヤーンガイド
50 カッタ
52 織布
54 表示器
56 メモリカード
58 カード挿入口
60 カードインタフェース(カードI/F)
62 メニューキー
64 ファンクションキー
66 カーソルキー
68 キー
70 内部回路
72 入力器
74 中央演算処理装置(CPU)
76 入出力ポート(I/Oポート)
78 メインメモリ(記憶器)

Claims (8)

  1. 緯糸を緯入れするための圧力流体が供給されると共に緯入れに対応して緯糸を前記圧力流体と共に噴射する緯入れノズルと、緯糸長さを制御すべく緯糸測長貯留装置側に配置されると共に前記緯入れノズルの噴射開始に対応して緯糸を解放する緯糸係止部材とを有する流体噴射式織機の緯糸打ち出しタイミングの算出方法であって、
    緯糸が経糸開口内に進入する緯糸打ち出しタイミングを既知の緯入れ条件の設定値に基づいて算出することを含み、
    前記緯入れ条件の設定値は、前記緯入れノズルの噴射開始タイミングと、前記緯糸係止部材の解放タイミングと、織機回転数及び前記圧力流体の圧力値のいずれか一方とを含む、緯糸打ち出しタイミングの算出方法。
  2. 前記緯糸係止部材は、固定ドラム式測長貯留装置の係止ピン、及び、緯糸測長貯留装置と緯入れノズルとの間に配置されるクランパの少なくとも一方を含む、請求項1に記載の算出方法。
  3. 前記緯入れ条件の設定値の1つとして織機回転数を用いる場合において、緯糸打ち出しタイミングを式(1)に基づいて算出する、
    T=A×x+B×y+C×z+D …(1)
    ここで、Tは緯糸打ち出しタイミング、xは緯入れノズルの噴射開始タイミング、yは緯糸係止部材の解放タイミング、zは織機の回転数、A,B,C,Dは所定の係数をそれぞれ示す、請求項1又は2に記載の算出方法。
  4. 前記緯入れ条件の設定値の1つとして前記圧力流体の圧力値を用いる場合において、緯糸打ち出しタイミングを式(2)に基づいて算出する、
    T=A×x+B×y+E×v+F …(2)
    ここで、Tは緯糸打ち出しタイミング、xは緯入れノズルの噴射開始タイミング、yは緯糸係止部材の解放タイミング、vは圧力流体の圧力値、A,B,E,Fは所定の係数をそれぞれ示す、請求項1又は2に記載の算出方法。
  5. 前記式(1)又は(2)の係数A,B,C,D又はA,B,E,Fの値を緯糸品種及び太さの少なくとも一方に応じて予め複数設定しておき、緯糸打ち出しタイミングの算出に際し緯糸品種及び太さの少なくとも一方に応じて所定の係数を選択する、請求項3又は4に記載の算出方法。
  6. 前記式(1)又は(2)の係数A,B,C,D又はA,B,E,Fの値を緯入れノズルの種類及び数の少なくとも一方に応じて予め複数設定しておき、緯糸打ち出しタイミングの算出に際し緯入れノズルの種類及び数の少なくとも一方に応じて所定の係数を選択する、請求項3から5のいずれか1項に記載の算出方法。
  7. 経糸開口内に複数のサブノズルが配置されている空気噴射式織機における緯入れ条件設定方法であって、請求項1から6のいずれか1項に記載の算出方法によって算出された前記緯糸打ち出しタイミングに基づいて1以上のサブノズルの噴射開始タイミングを算出する、緯入れ条件設定方法。
  8. 前記サブノズルの噴射開始タイミングを式(3)に基づいて算出する、
    SV(i)=T+(L(i)×(TG−T−G)/W)−H …(3)
    ここで、iは、測長貯留装置側からのサブノズルのグループ番号、SV(i)はi番目のサブノズルグループのサブノズルの噴射開始タイミング、Tは緯糸打ち出しタイミング、L(i)はi番目のサブノズルグループの測長貯留装置側織端からの距離、TGは緯糸の到達目標タイミング、Gは到達バラツキ補正係数、Wは筬通し幅寸法、Hは先行角補正係数をそれぞれ示す、請求項7に記載の緯入れ条件設定方法。
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