JP2013122107A - 織機の緯入れ状況表示方法 - Google Patents

織機の緯入れ状況表示方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2013122107A
JP2013122107A JP2013023365A JP2013023365A JP2013122107A JP 2013122107 A JP2013122107 A JP 2013122107A JP 2013023365 A JP2013023365 A JP 2013023365A JP 2013023365 A JP2013023365 A JP 2013023365A JP 2013122107 A JP2013122107 A JP 2013122107A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weft
display
weft insertion
information
loom
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013023365A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenji Sakurada
健司 桜田
Hiroki Yamazaki
宏喜 山崎
Hideyuki Konya
英之 紺谷
Michiyo Takano
美千代 高野
Natsuki Sakae
夏樹 榮
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tsudakoma Corp
Original Assignee
Tsudakoma Corp
Tsudakoma Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tsudakoma Corp, Tsudakoma Industrial Co Ltd filed Critical Tsudakoma Corp
Priority to JP2013023365A priority Critical patent/JP2013122107A/ja
Publication of JP2013122107A publication Critical patent/JP2013122107A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Looms (AREA)

Abstract

【課題】 織機における緯入れ状況に関する統計値の大きさを時間軸上でグラフィック表示し、統計値に異常がみられる場合に、その原因の判別を容易化できるようにする。
【解決手段】 緯入れ毎に検出された緯糸の到達時期に基づいて所定のサンプリング期間毎の前記到達時期に関する統計値を算出し、製織の経過に伴って順次算出された前記統計値を時系列的に記憶していくと共に、その記憶された前記統計値の大きさを時間軸上で経時的にグラフィック表示する表示装置を備えた織機において、緯糸の飛走を変動させる要因に関する情報(緯入れ条件のリセット操作に関する情報、及びこれら以外の製織条件の変更に関する情報)を、前記統計値の表示画面と同一画面上に表示する。
【選択図】図4

Description

本発明は、緯入れ状況に関する統計値を時間軸上でグラフィック表示する表示装置を有する織機において、統計値の異常からその原因の判別を容易化する表示方法に関する。
特許文献1には、「織機の緯入れ状況表示装置」と題して、緯入れ状況に関する統計値を時間軸上で時系列としてグラフィック表示することが開示されている。特許文献1の技術によれば、所定のサンプリング期間内において、緯入れ時の緯糸の到達角度の統計値について、その経時的な変化がグラフィック表示により視認でき、統計値の変化から各サンプリング期間で緯糸の到達角度にばらつき等の異常が発生しているか否かを確認できる。また、特許文献1には、上記の表示に加え、緯入れ異常の原因を特定すべく、同じ時間軸上に緯入れ不良の発生状況を表示することが記載されている。しかし、特許文献1の技術はその緯入れ不良の発生状況に関する表示について、各サンプリング期間において緯入れ不良が発生したか否か、及びその緯入れ不良の種類を表示する、という程度のものでしかない。
ところで、上記グラフィック表示の結果、緯糸の到達角度の統計値に異常がみられる場合に、その原因を早期に特定することが好ましい。例えば、その原因が使用される緯糸(給糸体)や、緯入れ装置の異常等の根本原因による場合には、同じ状況を繰り返さないために、早期に対処する必要がある。従って、上記の様に統計値に異常が発生している場合には、その原因を容易に判別できることが望まれる。
なお、上記統計値の異常が、製織中のある時点を境に継続的に発生している場合には、その原因が上記のような根本原因によるものと判別できる。しかし、上記統計値の異常が継続的ではなく一時的に発生している場合、種々の原因が考えられるために、その原因の判別が難しい。ただし、上記統計値の異常の発生が一時的なものであっても、その原因が給糸体の異常や緯入れ装置の異常であることが十分にあり得るため、その場合も原因の判別が必要となる。
しかし、特許文献1の従来技術による表示装置では、緯入れ不良が発生したか否かを表示しているに過ぎないため、その程度の内容表示では、上記統計値に異常が表れた原因を判別することはできず、その結果としてその原因を判別するために時間を要してしまう。
特開2006−9233号公報
従って、本発明の課題は、織機における緯入れ状況に関する統計値の大きさを時間軸上でグラフィック表示する表示機能を備えた表示装置において、上記統計値に異常がみられる場合に、その原因の判別を容易化することである。
上記の課題の下に、本発明は、緯糸の飛走を変動させる要因に関する情報を、緯糸の到達時期に関する統計値の表示画面と同一画面上に表示するようにしている。具体的に記載すると、本発明に係る織機の緯入れ状況表示方法は、緯入れ毎に検出された緯糸の到達時期に基づいて所定のサンプリング期間毎の前記到達時期に関する統計値を算出し、製織の経過に伴って順次算出された前記統計値を時系列的に記憶していくと共に、その記憶された前記統計値の大きさを時間軸上で経時的にグラフィック表示する表示装置を備えた織機において、緯糸の飛走を変動させる要因に関する情報を、前記統計値の表示画面と同一画面上に表示する。
上記の「緯糸の飛走を変動させる要因」とは、経糸の開口内での緯糸の飛走(飛走速度、飛走状態等)を変動させる原因となり得るものであり、言い換えれば、緯糸の飛走に影響を受ける緯糸の到達時期に変動を生じさせる原因となり得るものである。そして、その「緯糸の飛走を変動させる要因」に関する情報が、同一画面上で、反給糸側への緯糸の到達時期に関する統計値のグラフィック表示と共に、時間軸上に表示される。そのような情報としては、(1)給糸体の切り換わりに関する情報、(2)緯入れ条件(特に、緯入れ開始タイミング等)のリセットに関する情報、及び(3)上記の(1)及び(2)以外の情報であって緯糸の飛走を変動させる要因となり得る製織条件(緯入れパターン、経糸開口パターン、緯糸密度、織機の回転数)の変更に関する情報、が挙げられる。
(1)給糸体の切り換わりに関する情報とは、センサによって検出された緯糸の給糸体の切り換わり時点に関する検出情報である。より詳しくは、給糸装置にパッケージセンサあるいはピックテールセンサ等のセンサが付設されている織機において、製織中に、給糸体の残糸量が予め設定された所定量以下となったり、もしくは無くなったりして、給糸体が交換される時期に達した時点で、そのことが上記センサによって検出される。上記でいう給糸体の切り換わりに関する情報は、そのような給糸体が交換される時点となったことが上記センサによって検出されたことに関する情報である。
(2)緯入れ条件のリセットに関する情報とは、緯糸の到達角度に応じて緯入れ条件を変更する緯入れ制御を実行する織機において、変更された緯入れ条件を初期値に戻すリセット操作が行われたことに関する情報である。
すなわち、織機においては、緯入れされた緯糸の到達角度を一定化する目的で、検出された実際の緯糸の到達角度に基づいて、緯入れ条件を変更する自動制御が広く採用されている。一方で、緯糸の到達角度は、製織の進行に伴う給糸体の巻き径の変化(減少)によっても変化する。そのため、緯入れ条件を一定とした場合では、特に緯入れ装置等に変化がなくても、製織の進行に伴って到達角度が順次変化する。従って、上記の自動制御を備えた織機では、製織の進行に伴う給糸体の巻き径の減少により、緯入れ条件が順次に変更されることとなる。そして、給糸体の消尽等に伴って給糸体が交換された際には、上記のように給糸体の巻き径の減少に応じて変更された緯入れ条件を初期値に戻すリセット操作が行われる。そして、前記の緯入れ条件のリセットに関する情報とは、このような緯入れの自動制御のリセット操作が行われたことを表す情報である。
因みに、上記の緯入れ条件としては、例えば、緯入れの開始タイミング、すなわち、緯入れ用のメインノズルの噴射開始タイミング(補助メインノズルを備えた織機であれば、補助メインノズルの噴射開始タイミングも含む)及び/又は測長貯留装置における係糸ピンの解舒タイミングが挙げられる。また、これ以外にも、上記メインノズル(補助メインノズル)の噴射圧力や噴射終了タイミング、緯入れ用のサブノズル(各グループ毎のサブノズル)の噴射開始・終了タイミングも含まれる。さらに、緯糸ブレーキを備えた織機であれば、緯糸ブレーキの動作タイミングも緯入れ条件に含まれる。
なお、上記のように、緯入れ条件のリセット操作は、給糸体の切り換わりに伴って行われるものである。従って、(2)の緯入れ条件のリセットに関する情報は、前記(1)の給糸体の切り換わりに関する情報に属するとも言える。
(3)製織条件の変更に関する情報とは、上記(1)及び(2)以外の情報であって、その変更が緯糸の飛走を変動させる要因となり得る製織条件が変更されたことを表す情報をいう。このような製織条件としては、緯糸密度、経糸開口パターン、織機の回転数といった製織態様に関連するものが挙げられる。また、それ以外にも、同じ織物の製織途中で緯入れパターンが変更される場合があり、この緯入れパターンも上記の製織条件に含まれる。
上記の緯入れパターン(緯入れ順序)の変更について、具体的には、多色緯入れ織機において、同じ織物を製織している途中で、必要に応じて各緯糸と緯入れ系統(メインノズル、測長貯留装置を含む。)との対応関係を入れ替えることがあり、それに伴って緯入れパターンを変更されることをいう。例えば、C1の緯糸について、No.1の貯留装置から供給してNo.1のメインノズルにより緯入れしていたものを、No.2の貯留装置から供給してNo.2のメインノズルにより緯入れするように、入れ替える場合があり、その場合に、緯入れ系統の動作として設定されている緯入れパターンも入れ替えられる。この場合、空気噴射式織機では、メインノズルNo.1、No.2の設置位置が相違し、筬の緯糸案内溝内における緯糸の飛走位置が変化するため、緯入れパターンの入れ替えも緯糸の飛走に影響を及ぼす要因となる。
また、経糸開口パターン、緯糸密度、織機の回転数といった製織態様の変更については、例えば、タオル織機におけるパイル織りから地織りへの変更時のように、基本的には、予め設定された製織パターンに基づいて自動的に行われる。しかし、実際にはあまり行われないが、製織中に作業者によって変更される場合も考えられ、その場合の情報も上記の製織条件の変更に関する情報として含む。
そして、本発明では、以上で説明した緯糸の飛走を変動させる要因に関する情報のうち、前記(2)及び(3)の情報、すなわち、緯糸の到達角度に応じて緯入れ条件を変更する緯入れ制御を実行する織機における変更された緯入れ条件を初期値に戻すリセット操作が行われたことに関する情報、緯入れパターンの変更に関する情報、経糸開口パターンの変更に関する情報、緯糸密度の変更に関する情報、及び織機の回転数の変更に関する情報のうちの少なくとも1つを、前記統計値の表示画面と同一画面上に表示することを特徴とする。
また、ここで言う「同一画面上に表示する」とは、反給糸側への緯糸の到達角度に関する統計値のグラフィック表示(以下、「統計値表示」ともいう。)の表示画面上に上記緯糸の飛走を変動させる要因に関する情報(以下、「変動要因情報」ともいう。)の表示の表示画面を重ねて表示する場合や、表示装置の画面上で統計値表示の表示画面と変動要因情報の表示の表示画面とを並べて表示する場合を含む。また、一つの表示中に統計値表示と変動要因情報の表示とを含める表示態様も含まれる。
本発明によれば、緯糸の到達時期に関する統計値を時間軸上で時系列的にグラフィック表示するものに加え、その同一画面上に前述の緯糸の飛走を変動させる要因に関する情報が表示される。従って、同一の表示画面において統計値の異常が確認された場合、その原因が、表示対象となっている上記情報に起因するものか否かが容易に判別できる。
具体的には、ある時点において一時的に、あるいはその時点を境にして継続的に、緯糸の到達時期に関する統計値に異常が現れた場合、その原因は1つのものに限らず、種々の原因が考えられる。背景技術の欄で記載した様に、その原因を早期に判別することが望まれるが、考え得る全ての要因について一つひとつ確認をするのでは時間と手間を要してしまう。
これに対し、本発明によれば、統計値の異常が確認された時点において、その異常発生付近で緯糸の飛走に影響を及ぼすような変更、特に緯入れ条件のリセットや、製織条件の変更が行われていないかどうかを表示装置の画面上で容易に確認することができる。これにより、統計値に異常が現れた原因がこれらの変更に起因するものか否かを判断することができ、原因の判別がより短時間うちに容易に行える。
特に、緯入れ条件(緯入れ開始のタイミング)のリセットときに、緯糸の飛走が変動する傾向があるが、その時の変動原因と到達時期に関する統計値のグラフィック表示とが時間軸上で時系列的に対比でき、両者の対応関係が視覚的に読み取れるから、因果関係が容易に特定できる。
図1は、本発明を適用した流体噴射式織機として、空気噴射式織機の要部を示している。図示の空気噴射式織機は、一例として2色の緯入れ装置1を備えている。図1の緯入れ装置1において、カラーC1、C2の緯糸4は、ホルダ2により支持されている給糸体3から引き出され、例えばドラム式の測長貯留装置5の回転糸ガイド6の内部に導かれ、静止状態のドラム7の外周面で係止ピン8により係止されながら、回転糸ガイド6の回転運動によりドラム7の外周面に巻き付けられる。これによって、1回の緯入れに必要な長さの緯糸4は、ドラム7の外周面に巻き付けられ、緯糸4の緯入れ時まで貯留されている。
測長貯留装置5(回転糸ガイド6の回転運動及び係止ピン8の進退運動)や、後述の緯入れ用のメインノズル10は、制御装置20の内部の緯入れ制御部31によって緯糸4の選択順序に基づいて動作する。なお、パッケージセンサ39は、給糸体3の近くに設置されており、対応の給糸体3における緯糸4の残糸量が所定量以下となったことを検出し、そのとき検出信号S4を発生する。
緯入れ開始タイミングで、緯入れ制御部31によって選択された緯糸4に対応する係止ピン8が操作器9に駆動されて、ドラム7の外周面から後退すると、ドラム7の外周に巻き付けられている1回の緯入れに必要な長さの緯糸4は、ドラム7上において解舒可能な状態となる。そして、緯入れ用のメインノズル10が噴射動作を行うことにより、メインノズル10に通された緯糸4は、ドラム7上から解舒されて緯入れされる。なお、この例でメインノズル10は、補助メインノズル10aと主メインノズル10bとを緯糸4の方向に直列に配置し、2連式のものとして構成されている。
選択された緯糸4に対応するメインノズル10は、設定された緯入れ開始のタイミングで経糸13の開口14へ向けて圧力空気12の噴射を開始し、設定された噴射期間にわたって噴射を継続することによって、所定の長さの緯糸4を開口14内に緯入れする。この緯入れ動作によって、緯糸4は、開口14内の緯糸飛走経路に沿って飛走する。なお、圧力空気12は、圧力空気源26から共通の圧力調整弁27により緯入れに適切な圧力値に設定されてから、各電磁開閉弁28を経てメインノズル10としての補助メインノズル10a及び主メインノズル10bに供給されている。各電磁開閉弁28は、緯入れ制御部31の制御によって緯糸選択順序に基づいて動作する。
前記のように、図1の緯入れ装置1は、2色の緯入れであるが、2色以上の多色の緯入れの場合、給糸体3、測長貯留装置5及びメインノズル10は、多色数に応じて設置され、緯糸選択順序によって緯入れされる。もちろん、1色の緯入れであれば、測長貯留装置5及びメインノズル10は、1個だけ設けられることになる。
緯入れされた緯糸4が開口14内の飛走経路に沿って飛走する過程で、複数グループのサブノズル11は、圧力空気15を緯糸飛走経路に緯糸4の飛走方向に向けて一斉噴射するか、または圧力空気15を緯糸4の飛走速度と調和しながらリレー噴射することによって開口14内で飛走中の緯糸4を緯入れ方向に加勢する。なお、圧力空気15は、圧力空気源26から供給され、圧力調整弁29によって適切な圧力値に設定されてから各グループ毎の電磁開閉弁30を経て各グループのサブノズル11に供給されている。各グループの電磁開閉弁28は、緯入れのときに緯入れ制御部31の制御下にあって、複数グループのサブノズル11に一斉噴射またはリレー噴射を行って、飛走中の緯糸4を緯入れ方向に加勢する。
メインノズル10及び複数グループのサブノズル11の噴射動作により、緯糸4が正常に緯入れされたとき、その緯糸4は、筬16の筬打ち運動によって織布17の織り前18に筬打ちされ、織布17に織り込まれた後、緯入れ側で給糸カッタ19によって切断され、主メインノズル10bの内部の緯糸4から切り離される。
緯入れが正常に行われたか否かは、第1の緯糸フィーラ21及びそのセンサ24、第2の緯糸フィーラ22及びそのセンサ25によって検出される。第1の緯糸フィーラ21のセンサ24は、反緯入れ側の織布17の織り端部分の近傍で緯糸飛走路に対向し、正常に緯入れされた緯糸4の到達し得る位置に設けられており、そこで正常に緯入れされた緯糸4の先端を検知する。この検知は、緯糸4の正常な到達時期(設定された検知期間)内においてセンサ24に発生する検知信号のレベルと基準信号レベルとを比較することによって行われる。従って、第1の緯糸フィーラ21のセンサ24によれば、緯入れされたにもかかわらずセンサ24の位置へ緯糸4の先端が到達しない緯入れ不良(ショートピック、ベントピック等)が検出される。なお、検知期間は、通常、主軸33の回転角上で設定される。
前記の検知期間において、センサ24は、緯糸4の到達を検出したときに、それに応じた出力信号を発生する。そのとき、第1の緯糸フィーラ21は、センサ24からの出力信号に基づき、正常な緯入れに対応する糸信号S1を発生し、この糸信号S1を制御装置20の内部の主制御部36及び統計値算出手段40に送る。主制御部36は、正常な緯入れに対応する糸信号S1の存在を条件として織機の運転(製織)を継続させる。統計値算出手段40は、演算手段54とともに統計値算出部38を構成しており、緯入れ状況を表示するために、後に詳述するように、所定のサンプリング期間毎に、糸信号S1から緯糸4の到達時期(到達角度)に関する統計値を算出する。
前記の検知期間内において、糸信号S1が発生しなかったとき、つまり緯入れ不良が発生していて、センサ24が緯糸4の到達を検出できなかったとき、第1の緯糸フィーラ21は、緯入れの異常と判断して、緯止め信号S2を出力し、この緯止め信号S2を主制御部36及び演算手段54に送る。
主制御部36は、緯止め信号S2を受けると、直ちに停止制御を実行し、織機を所定の角度で停止させる。このときの織機の停止は、緯糸4の緯入れ異常による停台であり、後述の図3及び図4での表示「ヨコ停台」に相当する。また、演算手段54は、後に詳述するように、所定のサンプリング期間において発生した織機の停台状況を視認可能な状態で表示するために、第1の緯糸フィーラ21によって検出された緯糸4の緯入れ異常による停台回数を積算している。
また、第2の緯糸フィーラ22のセンサ25は、反緯入れ側において、織布17の織り端部分に対しセンサ24よりもさらに緯入れ方向に離れた位置つまり正常に緯入れされた緯糸4が到達しない位置で緯糸飛走路に対向し、緯糸4の吹き切れやロングピックといった緯入れ不良を検知するために設けられる。この検出は、検知期間内において緯糸4の異常な到達時期(到達角度)でセンサ25に発生する検知信号のレベルと基準信号レベルとを比較することによって行われる。なお、検知期間は、通常、主軸33の回転角上で設定される。この検知期間において、第2の緯糸フィーラ22は、センサ25からの出力信号を入力したときに、緯入れの異常と判断して、緯止め信号S3を発生し、この緯止め信号S3を主制御部36及び演算手段54に送る。
主制御部36は、緯止め信号S3を受けると、緯止め信号S2を受けたときと同様に、織機を所定の角度で直ちに停止させる。このときの織機の停止も、緯糸4の異常による停台であり、後述の図3及び図4での表示「ヨコ停台」に相当する。また、演算手段54は、後に詳述するように、所定のサンプリング期間において発生した織機の停台状況を視認可能な状態で表示するために、第2の緯糸フィーラ22によって検出された緯糸4の緯入れ異常による停台回数を積算している。
統計値算出部38の演算手段54は、第1の緯糸フィーラ21によって検出された緯糸4の緯入れ異常による停台回数と、第2の緯糸フィーラ22によって検出された緯糸4の緯入れ異常による停台回数とをそれぞれ別々に積算するほか、必要に応じて両者の和を積算していく。
一方、経糸13の糸切れは、ドロッパ装置50によって検出され、また、織り端でのレノ組織形成用の耳糸51の糸切れなどの異常は、両織り端の耳組み装置52によって検出される。ドロッパ装置50は、経糸13の本数に応じて図示しないドロッパを有しており、各経糸13は、対応のドロッパに通されて、ドロッパを吊り下げ状態として、各ドロッパを所定の高さに保持している。また、耳組み装置52は、1回の緯入れ毎に複数の耳糸51に撚りをかけることにより緯糸4の端部を保持するためのレノ組織を形成している。
製織中に、どれかの経糸13に糸切れが起きると、糸切れ位置のドロッパが落ち、落ちたドロッパと図示しない電極との間に電気的な閉回路が形成されるため、ドロッパ装置50は、閉回路の通電状態からドロッパの落下を検知して、経止め信号S10を発生し、これを主制御部36及び演算手段54に送る。
また、製織中に、耳糸51に糸切れが起きると、耳組み装置52中に設けられた図示しない耳糸センサは、耳糸51の糸切れを検知して、経止め信号S11を発生し、これを主制御部36及び演算手段54に送る。
主制御部36は、経止め信号S10又は経止め信号S11を受けたとき、緯糸4の異常のときと同様に、織機を所定の角度で直ちに停止させる。このときの織機の停止は、経糸13又は耳糸51の異常による停台であり、後述の図3及び図4での表示「タテ停台」に相当する。また、演算手段54は、後に詳述するように、所定のサンプリング期間において発生した織機の停台状況を視認可能な状態で表示するために、経止め信号S10に基づく停台回数及び経止め信号S11に基づく停台回数を別々に積算すると共に、それらの停台回数の和を積算している。
制御装置20は、織機の主軸33の回転に同期した状態で織機を制御すると共に、緯入れ状況の表示を行うほか、その他の必要な制御を行うために、緯入れ制御部31、主制御部36、統計値算出部38、設定・表示部41、緯糸選択信号発生部42から構成されている。主軸33の回転角度の検出のために、主軸33にエンコーダ34が連結されており、製織中にエンコーダ34は、主軸33の回転角度θの信号を発生し、これを緯入れ制御部31、主制御部36、緯糸選択信号発生部42、統計値算出手段40などに送り込んでいる。
主制御部36は、主軸33の回転角度θの信号に基づいて織機の主運動の制御や停止時の制御を行う。緯糸選択信号発生部42は、回転角度θから主軸33の回転量を検知し、予め設定されている緯糸選択順序にもとづいて緯糸選択信号S8を発生し、この緯糸選択信号S8を緯入れ制御部31、統計値算出手段40、演算手段54に送っている。緯入れ制御部31は、主軸33の回転に同期して、緯糸選択信号S8に対応する緯糸4を選択し、選択した緯糸4に適切な回転角度θのもとに、緯入れ装置1での測長貯留装置5、メインノズル10、サブノズル11の動作を制御し、選択した緯糸4の緯入れ動作をさせる。
統計値算出手段40は、緯入れ毎に検出された緯糸4の到達時期に基づいて所定のサンプリング期間毎に緯糸4の到達時期に関する統計値を算出するために、回転角度θの信号から基準の回転角度(0°)の通過時にピック数(緯入れ回数)をカウントするとともに、予め設定されている所定のサンプル数(ピック数)のサンプリング期間にわたって、回転角度θ上での糸信号S1の入力時点から緯糸到達の回転角度θすなわち緯糸4の到達角度を検出し、サンプリング期間毎に緯糸到達時期の統計値を算出する。緯糸到達時期の統計値は、緯糸選択信号S8の入力によって糸種毎に別々に算出される。
ここでいう統計値とは、反緯入れ側での緯糸到達時期(緯糸4の到達時の回転角度θ)の最小値(最も速い緯糸到達の回転角度θ)、最大値(最も遅い緯糸到達時の回転角度θ)及び緯糸到達時期の標準偏差のうち1以上の値、ならびに緯糸到達時期の平均値(回転角度θ)である。これらの値は、前記の通り、糸種毎に算出される。
最大値および最小値の2つの値の差は、緯糸到達時期のばらつきの幅を示すほか、各値はサンプリング期間におけるばらつき範囲の実際値を示す。なお、実際値であるため、標準偏差に比べ、ばらつきの範囲がわかる分、織機の調整に役に立つ。
これらの最大値、最小値によれば、それらの変動幅がわかるため、織機の調整上、例えば緯入れ用ノズル(メインノズル10およびサブノズル11)の圧力を変更できる等で有利である。標準偏差は、ばらつき度合いを数値により表示し、2項分布における分散度、いわゆる山の高さに対応する。これに対して、平均値は、文字通り、1サンプリング期間中での所定のピック数、例えば1000ピックにおける緯糸到達角度の平均の値であり、これから緯糸到達角度の大まかな変動がわかる。
設定・表示部41は、図2とともに後述するが、統計値表示や緯糸の飛走を変動させる要因に関する情報を表示するための表示装置であり、1サンプリング期間中でのサンプリング数を設定するために例えはタッチパネル式の設定入力手段37を有している。統計値の算出に当たって、1サンプリング期間中でのサンプリング数は、設定・表示部41の設定画面により複数の中から選択して設定できるようになっている。
製織開始前の設定作業において、作業者は、設定・表示部41による表示中の設定画面から適当なサンプリングピック数を選択し、設定する。ここでいうサンプリング数は、1サンプリング期間中において、緯糸到達タイミングの統計値を算出する際に元にする緯糸到達タイミングの実測値の数である。後述の例のように、サンプリングピック数が1000ピックと設定された場合に、統計値算出手段40は、1000ピック分の緯糸到達タイミングの実測値をもとに1サンプリング期間中の統計値を算出することになる。また、統計値の記憶容量は、少なくとも1パッケージ分の給糸体3に相当するサンプリングピック数分とする。
統計値算出手段40は、緯糸カラー別にサンプリングされたデータに基づき統計値を算出するために、緯糸選択信号発生部42からの緯糸選択信号S8を入力とし、緯糸カラー別に緯糸到達時期の最大値、緯糸到達時期の最小値、緯糸到達時期の標準偏差のうち1以上の値、及び緯糸到達時期の平均値を算出し、これらの統計値を表示するための表示データ信号S9を設定・表示部41に出力する。
また、演算手段54は、緯糸カラー毎に停台回数を計算するために、緯糸選択信号S8を入力するとともに、緯止め信号S2、S3及び経止め信号S10、S11を入力として各サンプリング期間において、停台原因を識別しながら織機の停台回数を積算し、積算結果に基づいて緯糸カラー毎に表示データ信号S12を発生する。この表示データ信号S12は、織機の停台の発生状況の表示として停台回数を表示するために、設定・表示部41に出力される。
設定・表示部41は、前記のように、緯入れに関する統計値のグラフィック表示や、緯糸4の飛走を変動させる要因に関する情報すなわち変動要因情報の表示のために設けられている。統計値算出部38(統計値算出手段40及び演算手段54)は、設定・表示部41からグラフィック表示のために必要な指令を受けて表示データ信号S9、S12を設定・表示部41に出力する。設定・表示部41は、統計値算出の条件設定のために、タッチパネル式の設定入力手段37を有しており、緯入れに関する統計値表示や変動要因情報や、その他の製織条件の設定変更のデータを交換するために、緯入れ制御部31、主制御部36、緯糸選択信号発生部42に対して、また統計値などのグラフィック表示のデータを交換するために、統計値算出手段40及び演算手段54に対して双方向的に交信可能となっている。
また、設定・表示部41は、各サンプリング期間の終了とともに表示データ信号S9、S12を受け取り、表示データ信号S9のデータに基づいて、製織の経過に伴って統計値算出手段40により順次算出された統計値を時系列的に複数記憶し、記憶された統計値の大きさを表示画面の時間軸上で経時的にグラフィック表示すると共に、表示データ信号S12のデータに基づいて、前記統計値のグラフィック表示用の時間軸と同じ時間軸上で、前記各サンプリング期間において発生した織機の停台の発生状況、すなわち停台回数を視認可能な状態で表示する。
図2は、設定・表示部41の内部の構成例を示している。図2において、設定・表示部41は、記憶部46、タッチパネル式の画面表示器47、ポート48、処理部49を有している。ポート48は、統計値表示用の表示データ信号S9、停台回数表示用の表示データ信号S12などを受け取り、外部の統計値算出手段40や演算手段54と、内部の画面表示器47、処理部49との間で信号やデータの送受信を行う。
記憶部46は、書換え可能なものであり、表示データ信号S9の複数の統計値のデータ、表示データ信号S12の停台回数のデータをサンプリング番号に対応させて記憶する。この記憶部46には、タッチパネル式の画面表示器47を制御するためのプログラム、統計値や停台回数のグラフィック表示のためのプログラム、その他必要なソフトウェアが記憶されている。
画面表示器47は、表示装置であり、表示データ信号S9に基づいて複数の統計値の大きさを表示画面の時間軸上で経時的にグラフィック表示すると共に、表示データ信号S12に基づいて統計値のグラフィック表示用の時間軸と同じ時間軸上で、各サンプリング期間において発生した織機の停台回数を視認可能な状態として表示する。また、画面表示器47は、表示画面の一部でタッチパネル式の設定入力手段37を兼用しており、表示画面に対するタッチ操作によって、表示の要求や各種の指令、サンプル数のデータなどを入力可能に構成されている。サンプル数のデータなどは、ポート48を経由して統計値算出手段40や演算手段54に送られる。
設定・表示部41は、表示機能として、第1の表示機能、第2の表示機能を有している。第1の表示機能は、緯糸4の到達時期に関する統計値、及び緯糸4の飛走を変動させる要因に関する情報、すなわち変動要因情報を同一画面上に表示する機能である。この変動要因情報は、後に図3及び図4で詳述するが、「運転情報」の欄に表示される。さらに、後述のように、この第1の表示機能は、停台の発生状況が緯糸4の異常に伴う停台と経糸13の異常に伴う停台とに分けて表示する機能も含んでいる。
また、第2の表示機能は、時間軸上で指定された一部の期間を拡大表示すると共に、その拡大期間における前記停台の発生状況を停台原因別に表示する機能である。また、この拡大表示のときに、製織条件の設定値の変更に関する情報が入力履歴として同一画面上に表示される機能も含んでいる。
処理部49は、CPUいわゆるマイクロプロセッサにより構成されており、記憶部46に格納される所定のソフトウエアに従ってポート48での入出力を制御するとともに、画面表示器47を制御し、設定・表示部41からの画面表示の要求に応じて記憶部46から複数の統計値や停台回数などを読み出すとともに、複数の統計値の大きさに対応するグラフィック表示および停台回数を画面表示器47に表示させる。
以上のように、統計値算出部38及び設定・表示部41は、統計値の演算や停台回数の積算、これらの記憶、さらに記憶された統計値の大きさや停台回数を表示画面の時間軸上で経時的にグラフィック表示するが、この機能は、主制御部36の制御コンピュータを利用して、または専用のマイコンなどのコンピュータにより構成し、そのソフトウエア処理により実現することも可能である。
なお、図1および図2に示す構成例では、機能別のブロックとして構成しているが、それらはコンピュータを利用することによって1つのブロックとして構成することもできる。また、制御装置20の機能は、コンピュータを使用し、プログラムにより実現することもできる。従って、制御装置20の機能ブロックの部分は、コンピュータの入出力手段、記憶手段、演算(制御)、表示手段により置換可能である。
つぎに、図3及び図4は、画面表示器47による統計値の表示画面61の一例を示している。図3の表示画面61は、製織過程の1サンプリング期間毎の統計値、停台回数及び運転情報を1画面で示している。緯糸4の到達時期(到達タイミング)の統計値の大きさについての時間軸上での経時的なグラフィック表示(以下、「統計値に関する表示」ともいう。)は、横軸(X軸)・縦軸(Y軸)のグラフとして表示されている。グラフでの横軸の1単位は1サンプル期間である。なお、横軸の目盛りは、ピック数であり、このピック数は、製織時の時間経過に比例している。このため、横軸は時間軸と言える。
サンプリング期間におけるサンプリング数(ピック数)は、設定入力手段37としての表示枠57内で「32」、「100」、「1000」の選択ボタン43に対するタッチ操作によって選択して設定可能である。「1000」の選択ボタン43の部分にハッチングが付されているが、それは1サンプリング期間でのサンプリング数を1000ピックとして設定されていることを表している。
図示のグラフでの横軸における表示「−」(マイナス)は、「0」の現時点よりも過去であることを示す。従って、「−10」は、「0」の現時点よりも10のサンプリング期間前であり、10×1000(サンプリング数)=10000の計算によって10000ピック前の緯入れ時点を示す。このように、グラフは、横軸上で「0」から遡って「−100」までの過去のサンプリング数100の製織時間の期間を表しており、この期間での総ピック数は、100000ピックとなる。このような表示期間は、左右方向の三角マークのスクロールボタン44に対するタッチ操作によって、必要に応じて時間軸上で任意に移動できるようになっている。
また、表示画面61のグラフにおいて、左右の縦軸(Y軸)のうち、左側の縦軸は緯糸4の到達時期を回転角度θの角度(°)により示しており、右側の縦軸は標準偏差の大きさを示している。
そして、表示画面61のグラフにおいて、折れ線のグラフAは、時間軸上において左側の縦軸の角度(°)を参照目盛りとして、サンプル数1000ピック中の緯糸到達時期(緯糸到達角度)の平均値をグラフィック表示している。また、不連続な棒状のグラフBは、時間軸上において、左側の縦軸の角度(°)を参照目盛りとして、サンプル数1000ピック中の緯糸到達時期(緯糸到達角度)の最大値と最小値とを縦軸方向の線分で結んだ状態としてグラフィック表示している。さらに折れ線のグラフCは、時間軸上において、右側の縦軸を参照目盛りとして緯糸到達時期(緯糸到達角度)の標準偏差を示している。
なお、表示画面61の上部の給糸体マーク45は、緯糸4の糸種つまりカラーC1、C2とともに、表示中の緯糸4の糸種を示している。「1」の給糸体マーク45にハッチングが付されているが、それはカラーC1についての画面表示であることを示している。多色緯入れ織機の場合、表示画面61上で給糸体マーク45に対するタッチ操作によって、緯糸4の糸種(カラー)の選択が可能となり、選択した糸種の緯糸到達時期のグラフ表示に切り換えることもできる。ちなみに、画面表示器47を多色(カラー)表示とし、それぞれのグラフ(A、B、C)や、横軸、左右の縦軸などの表示色を異ならせたり、糸種ごとに表示色を異ならせて同時に表示するように構成すれば、より視認性が向上する。
さらに、図示の例では、表示画面61において、設定・表示部41は、第1の表示機能に基づいて画面中の統計値に関するグラフ表示の上方に、織機の停台の発生状況として停台情報を緯糸4の異常による停台「ヨコ停台」と、経糸13や耳糸51の異常による停台「タテ停台」とに分けて、それらを横軸上にグラフィック表示するとともに、本発明における緯糸の飛走を変動させる要因に関する情報である変動要因情報を「運転情報」の欄に表示している。
上記の停台情報の表示について、図示の例では、それぞれの停台回数が1回だけか複数回かを表示形態から視覚によって容易に判別できるように、すなわち停台回数を視認可能な表示態様で表示を行っている。なお、この表示例では、「ヨコ停台」と「タテ停台」との和(合計の停台回数)は表示されていないが、必要に応じて適切な表示態様によって表示することもできる。また、「ヨコ停台」と「タテ停台」とに分けることなく、両者の和のみを表示することもできる。
また、「ヨコ停台」に関しては、緯糸カラー(糸種)別に、選択されているカラーの緯入れ時に発生した緯入れ不良による停台回数が表示される。このため、停台回数は、糸種別に認識できるものとなっている。
さらに、上記停台情報の表示態様について詳しく説明すると、表示画面61において、「ヨコ停台」及び「タテ停台」の表示は、統計値の大きさをグラフィック表示ための時間軸(X軸)に対して平行であって、当該時間軸の目盛りに対応する補助の軸上において、各サンプリング期間毎に当該サンプリング期間(1000ピック)中に発生した停台回数として表示される。ここでの補助の軸の時間目盛り(ピック)は、前記時間軸の時間目盛り(ピック)「−10」、「−20」、「−30」・・・と同じ間隔の目盛りであるから、停台回数(「ヨコ停台」及び「タテ停台」)は、統計値表示用の時間軸と同じ時間軸上に表示されているとみなされる。もっとも、グラフィック表示ための時間軸(X軸)に停台表示用の余白が確保できるならば、それらの停台回数は、時間軸(X軸)に対して平行な補助の軸を利用することなく、前記時間軸上の余白に直接に表示することもできる。
因みに、「ヨコ停台」は、第1の緯糸フィーラ21からの緯止め信号S2と第2の緯糸フィーラ22からの緯止め信号S3との和(合計)となっている。「ヨコ停台」の内容は、既述の通り、緯入れ不良によるものであるが、給糸切れに伴う停台を含むものであってもよい。給糸切れに伴う停台を含むものとする場合には、図示しないが、給糸体3と測長貯留装置5との間の緯糸4の経路上等に給糸切れセンサを設置し、それらの給糸切れセンサの信号を第1の緯糸フィーラ21および第2の緯糸フィーラ22の信号と同様に積算処理することになる。
また、「タテ停台」は、ドロッパ装置50からの経止め信号S10と耳組み装置52からの経止め信号S11との和(合計)となっている。経糸(地経糸)13の切断による停止は、ドロッパ停止とも呼ばれ、耳糸(レノ糸)51の切断による停止は、レノ切れ停止とも呼ばれる。キャッチコードのある織機では、キャッチコード切れも「タテ停台」に含められる。
このように、設定・表示部41は、第1の表示機能によって、停台の発生状況を停台の発生回数が視認可能な状態で表示している。この表示によって、統計値に異常が現れた原因が停台によるものか否かを容易に判別することができる。しかも、停台の発生状況(停台回数)を緯糸4の異常に伴う停台と経糸13の異常に伴う停台とに分けて表示しているため、停台原因によって統計値に与える影響が異なることを考慮することによって、作業者は、統計値に異常が現れた原因が停台によるものか否かをより正確に判別することができる。
なお、図3及び図4に示す停台情報の表示態様によると、各サンプリング期間毎の停台回数は棒線状にグラフィック表示され、その回数は、図3に補助的に図示した円内の部分の拡大説明図に見られるように、その棒線の数(太さ)によって視覚的に判断できるものとなっている。詳しくは、図示の棒線状のグラフィック画像では、停台回数が2回以上となった場合に、1回分の棒線が間隔をおかずに横軸方向(X軸方向)にその回数分だけ並べられるため、停台回数が1回の場合と2回以上の場合とで、視覚的には棒線の太さが大きくなった形態として視認される。ただし、停台回数が2回以上の場合において、1回の停台に対応する棒線状の表示を間隔をおいて並べられるものとしてもよく、その場合には、停台回数は、棒線の数として確認することになる。
また、図示の例では、表示画面61上での各サンプル期間内で表示可能な範囲に制限があり、最大で時間軸の方向に3目盛り(3ドット)分、つまり3回分までの表示が可能となっている。このため、停台回数が4回以上でも、その表示は3回と同じ表示のままとなっている。具体的には、各サンプリング期間(1000ピック)に対応する表示範囲は、X軸方向(時間の経過方向)に3ドット(dot)分であり、停台1回に対応する上記表示(棒線)は、横軸(X軸)方向に1ドット、高さ(Y軸)方向に17ドットのグラフィック画像である。従って図3及び図4の表示例において、表示範囲には、停台回数の最大値として3回分までが表示可能となっている。
そのように、図示の例では、停台回数について最大値として3回分までしか表示できないものとなっている。しかし、実際の製織において、最大で1000ピックの1サンプリング期間において、同じ停台原因(ヨコ停台又はタテ停台)で3回以上を超える停台は、そもそも異常であって実際には殆ど発生することがないため、実用上支障ない。
なお、停台回数の表示ついて、サンプリング期間に対応する表示範囲と同じ幅を持つブロック状のグラフィック画像が、停台回数に応じてY軸方向へ積み重ねられ、高さの変化による棒グラフにより表示するものであってもよく、また、停台回数を数字で表示するものとしてもよい。このようにすれば、表示される時間軸の範囲を狭めることなく、多くの停台回数を表示することが可能となる。
従って、停台回数の表示については、上記のような最大の停台回数を設定せずに、大きな数の停台回数を表示可能としておき、実際の停台回数をそのまま表示することもできる。このように、前述の停台回数の視認可能な状態での表示とは、表示可能な停台回数を制限する場合と、表示可能な停台回数を制限しない場合の何れの態様も含む。
つぎに、図示の表示画面61中における変動要因情報の表示について、図示の例では、統計値のグラフの表示欄と「タテ停台」の表示欄との間に「運転情報」と記した表示欄が設けられており、この表示欄に緯糸4の飛走を変動させる要因に関する情報である上記変動要因情報が表示されるようになっている。この「運転情報」の表示欄は、時間軸(横軸)に対して平行な補助の時間軸上に設けられ、そこに上記変動要因情報に対応する記号「P」、「R」、「W」が表示されようになっている。これらの記号の意味は、図3での凡例ボタン32をタッチすることによって、図4のように小さなウインドウを開き、そのウインドウ内の運転情報説明画面35の表記から分かるようになっている。
運転情報説明画面35の表記において、「P」(パッケージセンサ)は、給糸体3の切り換わりに関する情報であり、パッケージセンサ39からの検出信号S4に基づいて給糸体3を交換した時点を表す。「R」(ヨコ制御リセット)は、緯入れ制御の実行によって緯糸4の到達角度に応じて緯入れ条件、特に緯入れ開始タイミングを変更した後に、変更されたその緯入れ条件を初期値に戻すためのリセット操作を行ったことに関する情報であって、上記緯入れ条件を初期値に戻した時点を表す。さらに、「W」(パターン変更)は、製織条件の変更に関する情報の一例として、経糸13の開口パターンを変更した時点を表す。これらの運転情報は、いずれも製織条件の変更情報であるが、特に、緯糸の飛走を変動させる要因に関する情報つまり変動要因情報である。
上記の緯入れ制御について詳記すると、織機によっては、検出された緯糸4の到達角度に基づいて緯入れ開始タイミング(係糸ピン8の開放タイミング及び/又はメインノズル10の噴射開始タイミング)等の緯入れ条件を制御し、緯糸4の到達タイミングをほぼ一定化する自動制御の機能を持つものがある。また、前述のように、製織の進行に伴う給糸体3の巻き径の減少に応じて緯糸4の到達タイミングが変化する傾向にあるため、上記のような自動制御機能を持つ織機では、給糸体3の巻き径の減少に応じて上記緯入れ条件が制御されることになる。
そして、前記の緯入れ制御のリセット操作(ヨコ制御のリセット)は、製織の進行に伴って給糸体3の残糸量が所定量以下となって、又は給糸体3の緯糸4が消尽されて、給糸体3が別の新たな給糸体3に切り換えられることに伴い、自動制御によって変更された上記緯入れ条件を初期値に戻す操作をいう。
パッケージセンサ39からの検出信号S4は、主制御部36の入力となっており、主制御部36は、検出信号S4の入力に伴って織機の停止制御を実行する。そして、給糸体3の交換が作業者によって、又は自動的に行われ、その後、主制御部36は織機を再起動して製織を再開させる。その際、前記した自動制御によって変更された緯入れ開始タイミングを初期値に戻すリセット操作は、給糸体3の交換が作業者によって行われる織機では、作業者がリセットボタンを操作することによって行われる。
また、給糸体3を自動的に交換する機能を有する織機では、検出信号S4が緯入れ制御器31に入力されることにより、リセット操作は緯入れ制御器31の内部処理で行われる。ここで、パッケージセンサ39からの検出信号S4の発生に伴って緯入れ開始タイミングのリセット操作が行われることから、検出信号S4は、緯糸4の飛走を変動させる要因に関する情報、すなわち変動要因情報とみなすことができる。そして、この変動要因情報としての検出信号S4は、主制御部36及び緯入れ制御部31に加え、設定・表示部41の入力ともなる。
なお、図1に想像線で示すように、順に使用される2以上の給糸体3の緯糸4の終端と始端とを糸結びした所謂ピックテールの状態として連続的に緯入れ可能とした給糸体3を使用する場合、上記のパッケージセンサ39に代え、ピックテールの状態の2つの給糸体3の間に設けらるピックテールセンサ(継ぎ目センサ)39aが使用される。このピックテールセンサ39aの検出信号は、上記パッケージセンサ39からの検出信号S4の代わりに、給糸体3の切り換わりを示す信号となり、変動要因情報として主制御装置36等へ入力される。
上記の変動要因情報は、図示のものに限らず、他の製織条件、例えば緯入れパターン、緯糸密度、織機の回転数の変更に関する情報を記号化して表示するようにしてもよい。また、変動要因情報として表示される記号は、図示のようなアルファベット1文字によるものに限らず、他の識別可能な記号や文字列等であってもよい。さらに、その変動要因情報の記号は、後述の図5及び図6の拡大表示画面62に表示できるようにしてもよい。図3及び図4の表示画面61のように、統計値表示と変動要因情報の表示とが単一の表示画面61中に表示される場合はもちろん、表示画面61中に統計値表示を行い、表示画面61中に開かれる別のウインドウの運転情報説明画面35に変動要因情報の表示を行う場合も、統計値表示及び変動要因情報の表示は同一画面上の表示となる。
つぎに、図5ないし図7は、設定・表示部41の第2の表示機能によって、表示画面61の特定の範囲の拡大表示画面62の例を示している。図3又は図4の表示画面61において、作業者が時間軸上で期間を指定すると、設定・表示部41は、指定により設定された期間における到達タイミングの統計値に関する表示及び停台回数の表示を、図5ないし図7のように、別の拡大表示画面62によって大きく表示する機能(第2の表示機能)を有している。なお、図示の例では、前述の運転情報に関する表示は示されていないが、この運転情報に関する表示についても、拡大表示画面62に表示するようにしてもよい。
図5ないし図7の例は、拡大表示前の表示画面61に代えて別の拡大表示画面62を置き換えて表示する態様としている。しかし、この拡大表示画面62は、拡大前の表示画面61を残したままその画面の上にずらした状態で重ねて表示してもよいし、拡大表示前の表示画面61と並べて2分割画面として表示してもよい。さらに図示の拡大表示では、停台の発生状況を示す停台回数を停台原因別、すなわち、その停台原因を検出した検出器(センサ)の種類別に表示するものとなっている。ただし、例示の表示期間は、あくまでも一例であって、時間軸上での表示期間を狭めて、X軸方向の目盛りの間隔を大きく取れば、さらに詳細に表示可能となる。なお、図5の拡大表示画面62は、右下の閉じるボタン55をタッチすることによって、図3の表示画面61に戻る。
既述のように、画面表示器47はタッチパネル式で設定入力手段37を兼用している。このため、作業者は、表示画面61の特定の位置をタッチすることによって時間軸上の拡大表示させたい範囲を設定するようになっている。このとき表示画面61のタッチ部分は、設定入力手段37として機能することになる。具体的には、作業者が時間軸上において、拡大表示させたい部分の中間部付近の画面をタッチすることにより、それに対応する1時点が指定された状態となり、その指定された時点を基準とした前後の予め設定された期間からなる拡大期間が設定される。
ただし、この期間の設定については、拡大表示させたい期間の中間点を基準の時点として指定するものに限らず、期間の始め又は終わりを基準となる時点として指定し、それに基づいて拡大表示させたい期間が設定されるものであってもよい。また、指定された1つの時点と予め設定された期間とに基づいて拡大表示させたい期間を設定するのに代え、期間の始めと終わりの2時点を指定して期間を設定するものであってもよい。さらには、期間設定の元となる前記時点(中間点、始点、終点)の指定は、タッチパネル式で表示画面をタッチするものに限らず、ピック番号等の数値を入力して指定(設定)するものとしてもよい。
なお、ここでは、期間設定のための前記指定動作(期間設定操作)が同時に拡大表示の操作を兼ねている。換言すれば、期間設定操作を行うだけで自動的に拡大表示が行われるようになっている。ただし、これらの期間設定操作と拡大表示操作とは、別々の操作として行うこともでき、さらには、拡大表示の操作のときに拡大率の設定も任意に変更できるようにするとよい。
また拡大表示する期間は、前記のように、作業者によって任意に指定された時点に基づいて設定される。すなわち、拡大表示させたい期間を任意に設定可能とするものに限らず、設定・表示部41に予め特定の期間、例えば、現時点を起点としてそれ以前の所定の期間を設定値(過去の時間値あるいは過去のピック数の数値)によって予め設定しておき、前記の期間設定操作を行わずに、拡大表示の操作を行うことにより、設定された所定の期間における表示を拡大して表示させることも可能である。そして、この場合は拡大表示操作が同時に期間設定操作を兼ねていることになる。
さらに、図5において、作業者が拡大表示画面62の右上の「凡例」と表記されている凡例ボタン53をタッチすると、図6に示す様に、同じ画面上に小さな解説用のウインドウが表示され、そのウインドウに解説画面58が表れ、そこに必要事項が表示される。具体的には、解説画面58内の停台回数の表示枠59内には、表示態様を異にして表示された停台回数を表す各表示記号と各停台原因との対応関係が表示される。
図示の例では、各停台原因は、各停台原因を検出するための検出器(センサ)の名称(H1フィーラ、H2フィーラ、ドロッパ及びレノ)で表示されている。ちなみに、上記のH1フィーラは、第1の緯糸フィーラ21及びセンサ24に対応しており、H1フィーラの検知結果に基づく織機の停止はH1停止とも呼ばれている。また、上記のH2フィーラは第2の緯糸フィーラ22及びセンサ25に対応しており、H2フィーラの検知結果に基づく織機の停止はH2停止とも呼ばれている。
また、解説画面58の到達角度の表示枠60内には、統計値、すなわちグラフ表示用の各線種と最大値/最小値、平均及び標準偏差との対応関係が表記される。図6において、解説画面58は右下の閉じるボタン56をタッチすることにより閉じる。
このように、時間軸上で指定された範囲が拡大表示されると共に、前記停台の発生状況が停台原因別に表示されるため、作業者は、統計値の異常を視覚的に確認し易くなり、その原因の判別を具体的な停台原因を考慮できるために、さらに正確に判別を行えるようになる。
作業者は、表示内容を確認した結果、統計値の異常が現れた原因を織機の停台によるものと容易に判別できれば、今後の製織にそれ程影響を及ぼさないと判断でき、見過ごすことも可能である。逆に統計値に異常が現れているにも拘わらず、そのサンプリング期間において、統計値に影響する程の回数の停台が発生していない場合、その原因が停台では無いと判断でき、緯糸4あるいは装置の異常等が原因ではないかと推測できる。このような表示によれば、統計値に異常として現れた原因が停台か否かが容易に判断でき、それに基づいて原因の特定がより短時間で行えるものとなる。
つぎに、図7は、製織条件(特に、緯入れ条件)の設定値の変更に関する情報を「入力履歴」として表示する例である。図5の拡大表示画面62において、作業者が拡大表示画面62の右上の入力履歴ボタン63をタッチすると、図7に示す様に、同じ画面上に小さな入力履歴表示用のウインドウが表示され、そのウインドウ内の入力履歴の表示画面64内に製織条件(図示の例では、一例としての緯入れ条件)の設定値の変更に関しての「入力履歴」が表示される。表示画面64では、拡大表示されている期間において作業者の入力によって行われた緯入れ条件の設定値の変更に関する情報が、時間的に古いものほど画面の下に位置するような順で履歴として表示される。ただし、後述するように、この緯入れ条件の設定値の変更に関する情報(以下、「設定変更情報」ともいう)の表示に関しては、「拡大表示」や「期間指定」は必須ではなく、必要に応じて行われる。
なお、図5において、その画面下に示されているのように、1サンプリング期間が1000ピックに設定されているとすると、図7で拡大表示される期間は、カラーC1の緯糸4の緯入れに関する現在から11サンプリング期間前までの期間、言い換えると、カラーC1の緯糸4が11000ピック緯入れされる間の期間である。これは、織機の製織期間でいえば、例えば、4色の緯糸4が均等に選択されて緯入れされるとすると、上記期間は、その織機において44000ピックの緯入れが行われる期間である。そして、表示される入力履歴に含まれる緯入れ条件の設定変更情報は、このカラーC1の緯糸4による11000ピックの緯入れが行われる期間に応じた織機の製織期間において行われた緯入れ条件の設定値の変更に関する情報となる。
図7の入力履歴には、上記の期間において作業者の入力操作によって変更された緯入れ条件の設定値に関する情報が表示されている。また図7の例では、上記入力履歴の表示画面64が、統計値表示の表示画面62とは別ウインドウで、表示画面62に重ねた状態で表示される。このように図7の例では、図5の拡大表示画面62に別のウインドウを開き、そのウインドウの表示画面64に、緯入れ条件の設定変更情報として入力履歴を表示しているが、そのような表示態様も統計値表示と入力履歴とを同一画面上に表示しているといえる。なお、入力履歴を表示する表示画面64は、上記のように拡大表示画面62に重ねた形態で表示するのに代えて、拡大表示画面と並べて同一画面上に表示することもできる。さらには、図3又は図4の表示画面61において期間を指定し、その指定された期間における入力履歴を表示画面61と同一画面上に表示することも可能である。
因みに、入力履歴の表示画面64上において、ボタン23は表示中の画面をスクロールさせるためのボタンであり、画面を下方向に移動させるときに用いる。また、閉じるのボタン65は入力履歴の表示画面64のウインドウを閉じて、前の表示画面62のみに戻すときに利用する。
図示の入力履歴に関する表示例について、各表示の内容は次の通りである。表示画面64中の「サブ1」、「補助メイン」、「メイン」、「係止ピン」は、設定変更された対象装置を表し、1番目のグループのサブノズル11、補助メインノズル10a、主メインノズル10b、係止ピン8をそれぞれ表している。これらは、いずれも前記の緯入れ制御を実行したときの結果による変更であり、緯糸4の到達角度の変動に基づく緯入れ条件の変更に相当している。なお、各グループのサブノズル11は、メインノズル10に近いグループから1番目、2番目・・となる。
入力履歴の表示画面64において、「C1」、「C2」は、それぞれカラー1、カラー2に対応しており、多色の緯入れ装置1で緯入れされる複数の緯糸4のうちのどの緯糸に対する設定値かを表している。3以上のメインノズル10を使用して緯入れを行う場合(同じ緯糸4を2以上のメインノズル10ら緯入れする場合も含む。)は、更に「C3」、「C4」 ・・となる。
「ON」、「OFF」は、緯入れ用のノズル(メインノズル10、サブノズル11)であれば、それぞれ噴射開始タイミング、噴射終了タイミングを表す。係止ピン8の場合に、「ON」は後退することによって緯糸4を解舒可能な状態とするタイミング、「OFF」はドラム7に進出し、緯糸4を係止可能な状態とするタイミングを表す。
また、「65→70」、「185→190」等の表記において、各数字は織機の主軸33の回転角度θ(クランク角度)を表し、設定値がクランク角度65°から70°へ、クランク角度185°から190°へ変更されたことを表す。
最も右側の〔−2〕、〔−6〕等は、その設定変更が行われた時期を表し、〔−2〕は現在よりも2つ前のサンプリング期間において設定変更が行われたことを表す。すなわち、複数の変更情報を履歴的に表示する場合には、どの時点でその設定変更が行われたかを把握できるようにする必要があるため、図示の例における緯入れ条件の変更情報は、対象装置や、その設定値だけでなく、変更が行われた時期(時間)に関する情報(時期情報)も含んでいる。
以上の定義付けから、例えば「サブ1 C1 ON 65 → 70 〔−2〕」は、カラー1に関する統計値の2サンプリング期間前において、カラー1の緯糸4を緯入れするときに、第1グループのサブノズル11群の噴射開始タイミングがクランク角度65°から70°に変更されたことを表す。
ところで、図示の入力履歴表示では、緯糸4のカラー別ではなく、異なる緯糸4のための緯入れ条件の設定変更情報が混在しており、前述の期間に行われた緯入れ条件の設定値の変更に関する情報の全てが履歴として表示されている。このように、表示される入力履歴は、表示している統計値表示に対応する緯糸4の緯入れに対する緯入れ条件の設定値の変更情報のみが表示されるものに限らず、別の緯糸4の緯入れに対する緯入れ条件の変更情報を含むものであってもよい。また、緯入れに関するもの(緯入れ条件)以外の製織条件の設定変更情報も入力履歴に含めて表示するものもであってもよい。
だだし、上記のように、入力履歴の表示画面64中において、表示している統計値表示とは関係の無い製織条件の設定値の変更情報も表示されると、作業者が表示事項から誤った判断を行ってしまうことも考えられる。例えば、カラーC1の緯糸4に関する統計値表示上で統計値に異常がみられたために入力履歴を表示させた場合、カラーC1の緯糸4の緯入れに対する緯入れ条件の変更情報のみを確認したいにも関わらず、他の変更情報が同じ表示画面上に多く表示されていると、その確認に時間を要してしまう可能性がある。また、統計値に異常が現れたのと同じサンプリング期間に別の緯糸4の緯入れに対する緯入れ条件が変更されていた場合に、その変更情報をカラーC1の緯糸4に関するものと誤認してしまうおそれもある。そこで、誤認の防止のために、入力履歴として表示する製織条件の設定変更情報を、表示している統計値表示に対応する緯糸4の緯入れに対応する情報のみとするか、あるいは、他の緯糸4の緯入れに対する製織条件の設定値の変更情報は表示されないようにしてもよい。また、表示数を絞るべく、特定の製織条件(例えば、メインノズル10やサブノズル11の噴射タイミング)を指定可能とし、その指定された製織条件の設定値の変更情報に関する入力履歴のみを表示するようにしてもよい。
以上の具体例によれば、製織稼働中において、図3の表示画面61上で緯糸4の到達時期(到達角度)に関する統計値(平均値、最大値・最小値、標準偏差)に異常が現れた場合に、作業者は、その表示画面61の時間軸上で異常なグラフ特性(平均値の折れ線グラフA、最大値と最小値とを結んだ棒状のグラフB、標準偏差の折れ線グラフC)から異常状況や異常箇所を確認するとともに、その同一画面上の運転情報の欄から緯糸4の飛走を変動させる要因に関する情報(変動要因情報)、すなわち「P」(パッケージセンサ)、「R」(ヨコ制御リセット)、「W」(パターン変更)の有無を確認して、これらを時間軸上で対比する。
これらの時間軸上の対比によって、統計値の異常原因が、表示れた「P」(パッケージセンサ)、「R」(ヨコ制御リセット)又は「W」(パターン変更)の情報に起因するものか否かが容易に特定できる。このように、緯糸4の到達時期(到達角度)に関する統計値に加え、変動要因情報が同一の表示画面61の時間軸上で直接対比できるから、統計値の異常の因果関係の特定が、種々の原因を想定しなくても、多くの手間を要せず、表示画面61上から視覚的に確実に行えることになる。
特に、給糸体3の切り換わり時や、緯入れ条件(緯入れ開始のタイミング)のリセットときに、緯糸4の飛走が変動する傾向があるが、その時の変動原因と到達時期に関する統計値のグラフィック表示とが時間軸上で時系列的に対比でき、両者の対応関係が視覚的に読み取れるから、因果関係が短時間うちに容易に特定できる。
この対比に際して、時間軸上での対応関係の特定が充分でない場合に、作業者は、表示画面61上において期間を指定し、図5のようなサンプリング期間の拡大画面表示62を表示し、異常の発生時点を点検することもでき、さらに必要に応じて、凡例ボタン53や入力履歴ボタン63をタッチし、解説画面58や、入力履歴の表示画面64を表示して、それらの画面から停台情報(ヨコ停台・タテ停台)や、入力履歴(緯入れ条件の変更)情報の確認を行う。
これらの情報から、作業者は、到達角度に関する統計値に異常が現れたサンプリング期間において、その異常な統計値に対応して、緯糸4の飛走を変動させる要因に関する設定値が変更されていた場合に、その設定値の変更(変更後の設定値)に問題があったと推認することができる。特に、そのサンプリング期間において、前述の停台状況に関する表示から確認できる織機の停台や、緯糸4(給糸体3)の切り換わりに伴う変動要因情報に問題となり得る原因が無ければ、上記変動要因以外の原因として、入力履歴の情報から作業者によって行われた製織条件(緯入れ条件)の設定値の変更を原因の有力な候補として判断することができ、必要に応じて入力履歴の表示画面64を参照し、異常の原因を探る。
このように、図示の具体例によると、緯糸4の到達時期(到達角度)に関する統計値、及び変動要因情報の他に、これらと同時に停台情報(ヨコ停台・タテ停台)が表示され、さらに必要に応じて、入力履歴(緯入れ条件)が視認できる。従って、統計値の異常の原因が、変動要因情報、停台情報、入力履歴の観点から時系列上で総合的に特定できることになる。
なお、前述の具体例で示した入力履歴などの表示態様については、以下のように変形して実施できる。
前述の具体例では、拡大表示のために期間を設定し、その設定期間内における入力履歴を表示するものとしたが、これに代えて、時間軸上において任意の時点を指定可能とし、その指定により設定した時点に最も近い時点で行われた設定変更から順に、設定された数の設定変更に関する情報を入力履歴として表示するようにしてもよい。この場合、指定された時点よりも前に行われた設定変更のみであってもよいし、その前後に行われた設定変更に関する設定数だけ入力履歴として表示するものであってもよい。
なお、期間の指定について、図示の例では、現在を起点として期間を指定するものとしてあるが、過去の任意の期間を指定し、その期間における入力履歴を表示するようにしてもよい。また、期間や特定の時点の指定を省略し、例えば、履歴表示のボタン操作により、現在を起点としたそれ以前の特定の期間、または特定の数の変更情報が入力履歴として表示されるようにすることもできる。
また、入力履歴の表示について、図示の例では、緯入れに関する製織条件の設定値の変更に関する情報のみが入力履歴として表示されているが、他の製織条件として、前述の緯入れパターン、経糸開口パターン、緯糸密度、織機の回転数等の設定変更に関する情報を入力履歴の表示画面64の表示事項に含めてもよい。すなわち、本発明における緯糸の飛走を変動させる要因に関する情報のうちの製織条件の変更に関する情報に含まれる情報であって作業者によって設定が変更される情報を前述の入力履歴中に含めて表示するようにしてもよい。
さらに、入力履歴の表示について、前述の具体例では、指定された範囲における入力履歴として表示される各設定変更情報が、何時の時点(サンプリング期間)で設定変更が行われたかを情報(時間情報)として含んでいる。しかし、指定される期間が狭い範囲、例えば特定の1サンプリング期間であれば、この時間情報を省略することができる。また、変更された設定値に関する情報を省略し、どの製織条件が何時変更されたかのみを情報として表示するものであってもよい。この場合、別の表示画面によって詳細な情報(設定値、詳細な時期、変更した作業者等)を表示できるようにしてもよい。
本発明は、エアージェット織機に限らず、ウオータジェット織機にも適用可能である。また、流体噴射式織機に限らず、レピア織機等の他の無杼織機にも適用可能である。
空気噴射式織機の緯入れ装置1の要部の説明図である。 設定・表示部41の構成例のブロック線図である。 設定・表示部41表示画面による統計値、停台回数及び運転情報の表示例の説明図である。 図3の表示画面に運転情報のウインドウを開いた状態の説明図である。 図3の表示画面で特定の期間を拡大した状態の表示画面の説明図である。 図5の表示画面で凡例のウインドウを開いた状態の説明図である。 図5の表示画面で入力履歴のウインドウを開いた状態の説明図である。
1 緯入れ装置 2 ホルダ
3 給糸体 4 緯糸
5 測長貯留装置 6 回転糸ガイド
7 ドラム 8 係止ピン
9 操作器 10 メインノズル
10a補助メインノズル 10b 主メインノズル
11 サブノズル 12 圧力空気
13 経糸 14 開口
15 圧力空気 16 筬
17 織布 18 織り前
19 給糸カッタ 20 制御装置
21 第1の緯糸フィーラ 22 第2の緯糸フィーラ
23 スクロールボタン 24 センサ
25 センサ 26 圧力空気源
27 圧力調整弁 28 電磁開閉弁
29 圧力調整弁 30 電磁開閉弁
31 緯入れ制御部 32 凡例ボタン
33 主軸 34 エンコーダ
35 運転情報説明画面 36 主制御部
37 設定入力手段 38 統計値算出部
39 パッケージセンサ 40 統計値算出手段
39aピックテールセンサ
41 設定・表示部 42 緯糸選択信号発生部
43 選択ボタン 44 スクロールボタン
45 給糸体マーク 46 記憶部
47 画面表示器 48 ポート
49 処理部 50 ドロッパ装置
51 耳糸 52 耳組み装置
53 凡例ボタン 54 演算手段
55 閉じるボタン 56 閉じるボタン
57 表示枠 58 解説画面
59 停台回数の表示枠 60 到達角度の表示枠
61 表示画面 62 拡大表示画面
63 入力履歴ボタン 64 入力履歴の表示画面
65 閉じるボタン
A 平均値の折れ線グラフ
B 最大値と最小値とを結んだ棒状のグラフ
C 標準偏差の折れ線グラフ
θ 回転角度
C1、C2 カラー
S1 正常な緯入れの糸信号
S2、S3 緯止め信号
S4 検出信号
S8 緯糸選択信号
S9 表示データ信号

Claims (1)

  1. 緯入れ毎に検出された緯糸の到達時期に基づいて所定のサンプリング期間毎の前記到達時期に関する統計値を算出し、製織の経過に伴って順次算出された前記統計値を時系列的に記憶していくと共に、その記憶された前記統計値の大きさを時間軸上で経時的にグラフィック表示する表示装置を備えた織機において、
    緯糸の飛走を変動させる要因に関する情報としての緯糸の到達角度に応じて緯入れ条件を変更する緯入れ制御を実行する織機における変更された緯入れ条件を初期値に戻すリセット操作が行われたことに関する情報、緯入れパターンの変更に関する情報、経糸開口パターンの変更に関する情報、緯糸密度の変更に関する情報、及び織機の回転数の変更に関する情報のうちの少なくとも1つを、前記統計値の表示画面と同一画面上に表示する、
    ことを特徴とする織機の緯入れ状況表示方法。
JP2013023365A 2013-02-08 2013-02-08 織機の緯入れ状況表示方法 Pending JP2013122107A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013023365A JP2013122107A (ja) 2013-02-08 2013-02-08 織機の緯入れ状況表示方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013023365A JP2013122107A (ja) 2013-02-08 2013-02-08 織機の緯入れ状況表示方法

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008230433A Division JP5550822B2 (ja) 2008-09-09 2008-09-09 織機の緯入れ状況表示方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2013122107A true JP2013122107A (ja) 2013-06-20

Family

ID=48774231

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013023365A Pending JP2013122107A (ja) 2013-02-08 2013-02-08 織機の緯入れ状況表示方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2013122107A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016126608A (ja) * 2015-01-06 2016-07-11 オムロン株式会社 管理装置、表示装置、管理装置の制御方法、制御プログラムおよび記録媒体
US9828994B2 (en) * 2013-09-19 2017-11-28 Mitsubishi Electric Corporation Scroll compressor having a scroll wrap with tiered inner end

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004100061A (ja) * 2002-09-06 2004-04-02 Tsudakoma Corp 織機の不良内容表示方法および織機の不良内容表示装置
JP2006009233A (ja) * 2004-05-24 2006-01-12 Tsudakoma Corp 織機の緯入れ状況表示装置

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004100061A (ja) * 2002-09-06 2004-04-02 Tsudakoma Corp 織機の不良内容表示方法および織機の不良内容表示装置
JP2006009233A (ja) * 2004-05-24 2006-01-12 Tsudakoma Corp 織機の緯入れ状況表示装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9828994B2 (en) * 2013-09-19 2017-11-28 Mitsubishi Electric Corporation Scroll compressor having a scroll wrap with tiered inner end
JP2016126608A (ja) * 2015-01-06 2016-07-11 オムロン株式会社 管理装置、表示装置、管理装置の制御方法、制御プログラムおよび記録媒体

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5550822B2 (ja) 織機の緯入れ状況表示方法
JP5398176B2 (ja) 織機の緯入れ状況表示方法及びその表示装置
EP2733243B1 (en) Air jet loom comprising an apparatus for showing compressed air flow rate
JP4429190B2 (ja) 織機の緯入れ状況表示装置
JP4889087B2 (ja) 流体噴射式織機における給糸体不良の判定方法
EP1700940B1 (en) Information display system for textile machine
JP2008019515A (ja) 流体噴射式織機の緯入装置
JP4953393B2 (ja) 織機の緯入れ状況表示装置
JP5177666B2 (ja) 織機の緯入れ状況表示方法
JP3982809B2 (ja) 織機の不良内容表示装置
JP2013122107A (ja) 織機の緯入れ状況表示方法
JP4022136B2 (ja) 緯糸打ち出しタイミングの算出方法及び緯入れ条件設定方法
JP4111864B2 (ja) 流体噴射式織機の噴射圧力設定方法、噴射圧力設定装置および緯入れ装置
JP2006070410A (ja) 織機における設定値の設定方法
CN103966739A (zh) 流体喷射式织机的纬纱监视方法和纬纱监视装置
JP2005336624A (ja) 織機の設定装置
JP2010203007A (ja) 多色緯入れ織機における緯入れ条件の設定方法
JP6283489B2 (ja) 織機用の情報表示方法および情報表示装置
CN101838881B (zh) 多色引纬织机的引纬条件的设定方法
JP2005273076A (ja) 織機のスタート制御装置およびスタート制御方法
JPH0525753A (ja) 織機のスキツプフイーラ装置
JP2011058147A (ja) タオル織機の緯入れ制御方法
JP2014194100A (ja) 水噴射式織機用の緯入れ情報の表示方法および装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20131211

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140225

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140313

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20140819