JP3370484B2 - 織機の集中制御装置の織機状態データ送信方法 - Google Patents

織機の集中制御装置の織機状態データ送信方法

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JP3370484B2
JP3370484B2 JP15538295A JP15538295A JP3370484B2 JP 3370484 B2 JP3370484 B2 JP 3370484B2 JP 15538295 A JP15538295 A JP 15538295A JP 15538295 A JP15538295 A JP 15538295A JP 3370484 B2 JP3370484 B2 JP 3370484B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、織機の集中制御装置に
おいて、各織機の状態データを送信する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】織機の制御対象として、よこ入れ制御や
回転数制御がある。よこ入れ制御として、下記の複数の
従来技術が存在する。まず、特開昭59−71459号
公報のものはよこ糸到達タイミングの平均値と基準値と
の差に比例した制御量でよこ入れノズルの噴射タイミン
グや噴射圧力を補正することを示している。また、特開
昭62−222974号公報のものは、よこ糸到達タイ
ミングの平均値と基準値との差に比例した制御量で測長
装置の解舒タイミングを補正することを開示している。
特開昭63−182448号公報のものは、よこ糸到達
タイミングのばらつき値(標準偏差、最大値、最小値)
と基準値との差により、よこ入れノズルの噴射圧力を制
御することを開示している。さらに、特開平3−906
52号公報のものは、よこ止まり、給糸替り等が発生し
たら、よこ入れノズル噴射タイミング、噴射圧力、測長
装置の解舒タイミングの補正量をリセットすることを開
示している。
【0003】また、回転数制御の従来例としては、下記
のものがある。特公昭64−3969号公報のものは、
よこ糸到達タイミングの平均値と基準値との差に比例し
た制御量で、織機の回転数を制御することを開示してい
る。また、特開平1−314759号公報のものは、織
機の稼働率、単位当りの織機の停台回数により織機回転
数を制御することを示している。
【0004】上記の従来技術において、制御量の算出の
ために参照する織機の状態データは制御結果を表す値で
あり、正確である必要がある。例えば織機のよこ入れ制
御において、織機上で状態の変化、例えばよこ止まりや
給糸替りなどが発生すると、従来は変化前の蓄積したデ
ータを含んで制御量などの必要なデータを算出するた
め、変化後の織機の状態データ(よこ糸到達角度の平均
値、標準偏差やばらつき値)がすぐに得られなかった。
なお、平均値や標準偏差は、それぞれ下記の式によって
求められる。
【0005】 平均値 X=(W1+W2+・・+Wn)/n W1,W2,・・,Wn・・状態データ 標準偏差S=√{(1/n)×〔(W1−X)2 +(W
2−X)2 +・・+(Wn−X)2 〕}
【0006】つまり、データ収集中に、よこ入れ条件が
変わることによって、母集団自体が変化してしまうと、
これらの値は無効になる。この場合、データの信頼性を
高めるためには、母集団を区切って計算すべきである。
このため、変化を検出したら集積したデータを破棄し、
必要なデータ数が集まった時点で、織機の状態データを
出力することも考えられるが、データ収集が完了するま
でに時間がかかり、制御の追従性が悪いものとなる。
【0007】また、前記特開平3−90652号公報の
技術のように、よこ止まりなどの変化が発生したら、制
御量を初期値に戻す技術があるが、初期値がもともとず
れていると、この状態から制御装置は試行錯誤を繰り返
すため、制御が最適な状態に収束するまでに、かなりの
時間がかかった。
【0008】一方、中央制御装置のデータ要求信号が織
機の状態データの蓄積期間とは非同期状態で出力される
制御方式の場合、蓄積データが必要なデータ数に達して
いない状態で算出された織機の状態データが中央制御装
置に読み込まれると、それらの織機のデータから算出さ
れる制御データの信頼性が低くなり、適切な制御は不可
能となる。
【0009】
【発明の目的】したがって、本発明の目的は、蓄積デー
タから適正な制御量を早く算出できるようにし、また必
要なデータ数に達していない状態データを得たときに、
状態データの不足情報を得ることで、中央制御装置側で
適切な判断をできるようにすることである。
【0010】
【発明の解決手段】上記目的の下に、本発明は、中央制
御装置が複数の織機を制御する構成であって、各織機が
所定の収集周期毎の状態データを蓄積し、それらの蓄積
した状態データから織機状態データを算出し、中央制御
装置が該当する織機に対し発する織機状態データの読み
出し命令に応じて、その織機が織機状態データを中央制
御装置へ送信し、中央制御装置が送信された織機状態デ
ータに基づき算出した制御データをその該当する織機に
送信し、その織機がこの送信された制御データにより制
御を行う構成で、その中央制御装置と各織機との間の一
連の制御動作が非同期状態で行われる織機集中制御装置
において、データ収集の開始からの経過期間が設定され
た上記収集周期にに達しない時点で織機状態データの読
み出し命令を受けたとき、所定の収集周期に達していな
い旨の情報と共にデータ収集開始後の1収集周期に満
たない織機状態データを中央制御装置に対して送信する
ようにしている(請求項1)。
【0011】ここで、上記データ収集の開始は、織機上
での状態の変化が検出された時点である(請求項2)
か、または制御データが変更された時点である(請求項
3)。また、上記中央制御装置に送信する織機状態デー
タは、データの収集開始時点で、これまで蓄積した状態
データを破棄し、その後蓄積した状態データを基にして
演算した値である(請求項4)。
【0012】
【実施例】図1は、織機集中制御装置1の構成を示して
いる。中央制御装置2は、多数の織機3に対してデータ
バス4を介して接続されている。各織機3は、所定期間
にわたって状態データを蓄積し、その結果から織機状態
データを算出しており、中央制御装置2から読み出し命
令を受けたとき、中央制御装置2に対して織機状態デー
タを送信する。中央制御装置2は、送信された織機状態
データに基づき、所定の演算で算出した制御データを該
当する織機3に送信する。そこで、各織機3は、送信さ
れた制御データにより制御対象すなわちよこ入れ制御や
回転数制御を実行していく。
【0013】ところで、これらの制御で中央制御装置2
が複数の織機3を制御する理由は、この制御対象に応じ
た制御規則が、織物やその製織条件に関連があり、さら
に、その制御規則に基づいた制御結果に応じて、適宜そ
の制御規則を調整する必要があるため、各織機3毎に独
立した構成とすると、その都度その制御規則(データ)
を各織機3に設定しなければならず作業性が悪く、さら
にコストも嵩むので、全体を制御する装置でこの処理を
一括して行ったほうが都合が良いからである。
【0014】この構成では、中央制御装置2と各織機3
との間の一連の制御は、その制御対象に応じた所定周期
で各織機3に対し、非同期状態で行われる。例えば、よ
こ入れ制御であれば、速応性が要求されるので短い周期
で、回転数制御であれば、速応性があまり要求されない
ので、比較的長い周期で一連の制御が行われる。
【0015】図2は、各織機3の制御系を示している。
この制御系は、制御対象をよこ入れ制御、回転数制御ま
たはそれらの組み合わせを制御可能なものとして組み立
てられている。よこ糸5は、糸結びの状態の給糸体6、
7から供給され、測長貯留装置8によって1ピックのよ
こ入れに必要な長さだけ測定され、かつよこ入れ時点ま
で係止ピン9によって係止され、貯留されている。な
お、給糸体6から給糸体7への給糸替りは、給糸替りセ
ンサ30によって検出される。
【0016】よこ入れタイミングで、ソレノイド10が
係止ピン9を後退させ、よこ入れノズル11は、たて糸
12の開口13内に向けてよこ入れ用の流体を噴射する
ことによって、解舒状態のよこ糸5を開口13の内部に
よこ入れする。このよこ入れ過程で、多数の補助ノズル
14は、よこ糸5の飛走経路に沿って、よこ入れ方向の
空気を噴射することによって飛走中のよこ糸5をさらに
加勢する。なお、よこ入れ用の流体は、圧力源15から
供給路16を経て、それぞれ圧力調整弁17、18、開
閉弁19、20を介してよこ入れノズル11および補助
ノズル14に供給される。
【0017】そして、通信端末器25は、データバス4
を介して中央制御装置2に接続されている他、圧力補正
部21、角度補正部22、状態データ算出器23、およ
び織機回転数制御部24にそれぞれ接続されている。圧
力補正部21は、圧力コントローラ26を介して圧力調
整弁17、18を制御する他、状態データ算出器23に
必要なデータとして補正の有無データを送信する。
【0018】また角度補正部22は、タイミングコント
ローラ27を介して、開閉弁19、20の開閉タイミン
グ、係止ピン9の解舒(後退)・係止(進出)タイミン
グを制御するほか、補正の有無データを送信する。タイ
ミングコントローラ27は、織機の主軸33に連結され
た角度検出器28に接続されている。
【0019】よこ入れ状態は、よこ糸到達側のフィーラ
29によって検出され、よこ糸到達信号は、状態データ
算出器23および織機制御回路31の入力となる。織機
制御回路31は、織機3の運転停止の一連の制御信号
(停台原因信号)を発生させるもので、例えば、フィー
ラ29からのよこ糸到達信号が入力されなかったとき、
織機3を停止させることもできる。
【0020】状態データ算出器23は、圧力補正部2
1、角度補正部22、回転数制御部24からの補正の有
無データ、フィーラ29からのよこ糸到達信号、給糸替
りセンサ30からの給糸替り信号、織機制御回路31か
らの停台原因などの信号および角度検出器28からの角
度信号などを入力し、織機状態データとして、例えばよ
こ入れ制御であればよこ糸到達角度の平均値、ばらつき
値などを算出して、通信端末器25に送り込む。
【0021】ここで、状態データ算出器23は、所定の
期間例えば単位時間あるいは、単位ピック間蓄積した状
態データ(具体的にはよこ糸到達角度、原因別の停台回
数、よこ入れピック数、停台時間など)から織機の状態
データ(すなわち、よこ糸到達角度の平均値、ばらつき
値<標準偏差、MAX値、MIN値>、所定期間の停台
回数、稼働率など)を算出する。
【0022】例えば、よこ入れ制御(よこ入れタイミン
グ制御)時には、よこ糸到達角度を収集し、織機状態デ
ータとしてよこ糸到達角度の平均値を算出する。そし
て、給糸替りセンサ30からの給糸替り信号が入力され
たとき、あるいは、織機上や、中央制御装置2からよこ
入れ制御データ(よこ入れタイミング)の変更指令によ
り、角度補正部22から補正の有無データが出力された
とき、状態データ算出器23は、これまで収集したよこ
糸到達角度データを破棄し、新たにこの収集を開始し、
所定の周期毎によこ糸到達角度の平均値を算出記憶す
る。
【0023】また、よこ入れ制御(圧力制御)時には、
状態データ算出器23は、よこ糸到達角度の平均値とば
らつき値を算出し、織機上、あるいは中央制御装置2か
らのよこ入れ制御データ(よこ入れ圧力)の変更指令に
より、圧力補正部21から補正の有無データが出力され
たとき、状態データ算出器23は、同様に蓄積データを
破棄し、新たによこ糸到達角度データの収集を開始し、
所定期間毎によこ糸到達角度の平均値、ばらつき値を算
出記憶する。
【0024】また、織機回転数制御時には、状態データ
算出器23は、稼働率、停台回数を算出し、織機上、あ
るいは中央制御装置2からの織機回転数変更指令によ
り、回転数制御部24から補正の有無データが出力され
たとき、状態データ算出器23は、所定期間に蓄積した
織機原因別の停台回数、よこ入れピック数、停台時間な
どの状態データを破棄し、新たにこれらの収集を開始
し、稼働率、停台回数を算出記憶する。
【0025】そして、通信端末器25からの織機状態デ
ータ読み出し命令を受けたとき、状態データ算出器23
は、その記憶したデータを通信端末器25に出力し、通
信端末器25を介して、中央制御装置2に送信される。
【0026】次に、図3は、中央制御装置2と特定の織
機3との間のデータの伝達形式を示している。Aは、中
央制御装置2から織機3に対して与えられる織機状態デ
ータの読み出し命令であり、Bは、織機3から中央制御
装置2に与えられる織機状態データの送信状態を示し、
Cは、中央制御装置2から織機3に対する制御データの
送信状態を示し、さらにDは、織機3から中央制御装置
2に与えられるデータ収集開始からの経過期間の情報
(時間・ピック数などの織機回転数)の送信を示してい
る。通常の制御では、A→B→Cの順序で交信を行って
いる。しかし、例えば給糸替りなどが発生し、織機3の
側で必要なデータ数が蓄積されていないとき、A→D・
(B)→Cの順序で交信を行う。
【0027】次に、図4は、織機状態データ送信方法の
順序を示している。中央制御装置2は、制御対象に応じ
て、所定の周期毎に織機状態データを読み出すとき、特
定の織機3に対して織機状態データの読み出し命令を発
生する。その織機3の状態データ算出器23は、通信端
末器25を介し、読み出し命令を受信したとき、次のス
テップで蓄積されている状態データが必要なデータ数に
達しているかどうかの判断を行う。蓄積されている状態
データ数が必要なデータ数に達していないとき、つまり
Yesのとき、状態データ算出器23は、それらの状態
データからよこ入れ到達タイミングのばらつき値、平均
値などの織機状態データを算出し、通信端末器25を介
して中央制御装置2に計算した織機状態データを送信し
て、通常時の送信を終了する。前記の判断ステップで、
蓄積されている状態データ数が必要なデータ数に達して
いないとき、つまりNoのとき、状態データ算出器23
は、次のステップで、必要なデータ数に達していない旨
の情報例えばピック数データを通信端末器25を経て中
央制御装置2に送る他、必要に応じ、次のステップで蓄
積されている状態データをもとに織機状態データを算出
し、その演算値を通信端末器25を介して中央制御装置
2に送信して、一連の制御を終了する。前記の判断ステ
ップのほか、以下の既述で、「必要なデータ数に達して
いないとき」あるいは「必要なデータ数に満たないと
き」とは、段落番号0008で記載したように、「デー
タの収集開始からの経過期間が所定の周期に達しておら
ず、信頼性の高い算出結果を得るのに必要とされる充分
なデータ数に達していないとき、」の意味である。
【0028】中央制御装置2は、これらの状態データに
基づいて、当該織機3について最適な制御データを所定
の計算によって求め、その求めた制御データを対応の織
機3に送り込む。つまり、中央制御装置2では、読みと
った織機状態データにより、制御データを算出し、織機
3に送信する処理が行われる。
【0029】例えば、よこ入れ制御(よこ入れタイミン
グ制御)の場合では、従来技術の特公平6−33540
号公報のように制御データ算出処理、すなわち、織機3
から読み出したよこ糸到達角度の平均値の偏差(制御
量)に応じて、所定の計算により、制御データ(修正し
たよこ入れタイミング)を算出する処理が、中央制御装
置2で行われる。
【0030】仮に、中央制御装置2は、必要なデータ数
に達していない旨の情報を受け取ったとき、通常と異な
る制御データの算出方法を採ることで、適切な制御量を
算出することができる。なぜなら、このとき送られたよ
こ入れピック数をもとに、例えばその織機状態データの
信頼度や、よこ入れピック数に応じた重みを考慮して制
御量を計算することができるからである。以上により、
当該織機3は、中央制御装置2が算出し送信したこの制
御データに基づいて、新たに制御を行っていくことにな
る。
【0031】また、中央制御装置2は、図1のように、
その選択した織機3以外に、さらに複数の織機3が接続
されており、これらの織機3にも同様の処理を行うこと
で、同時に複数の織機制御を行うことができる。
【0032】このように、特定の織機3の状態データ算
出器23は、必要なデータ数に達していない旨の情報の
他に、制御データ変更後で1収集周期に満たない織機状
態データを送信する。ここで、必要なデータ数に達して
いない旨の情報は、データ収集開始から経過期間(時
間、ピック数などの織機回転数)であり、またこのとき
送信する織機状態データは、上記の通り、蓄積した状態
データをもとにした演算値、例えばよこ糸到達角度の平
均値やばらつき値や、停台回数、稼働率などである。
【0033】中央制御装置2の制御対象は、既に述べた
ように、各織機3のよこ入れ制御(測長貯留装置の解舒
タイミング制御、よこ入れノズルの噴射タイミング制
御、よこ入れノズル噴射圧力の制御)、織機の回転数制
御、またはよこ入れ制御と回転数制御との組み合わせ制
御である。
【0034】それらの制御についての織機状態データを
再計算する条件、通常時に送信する状態データ、必要な
データ数に満たないときに送信する情報は、下記の表1
に示す表の通りである。
【0035】
【表1】
【0036】具体的な制御態様は、下記の通りである。 (1)測長貯留装置の解舒タイミングおよびよこ入れノ
ズルの噴射タイミングの制御 通常時に、織機3は、中央制御装置2から織機状態デー
タの読み出し命令を受けたとき、算出した織機状態デー
タとしてよこ糸到達角度の平均値を送信する。給糸替り
や解舒タイミング、噴射タイミングを変更した後、算出
に必要なピック数の蓄積データがない状態で、織機3が
織機状態データの読み出し命令を受けたとき、織機3
は、蓄積データが必要数に達していない旨の情報(例え
ばYES/NO、あるいは蓄積データ数)のみを送信す
るか、またはこれらと同時に、その状態で算出したよこ
糸到達角度の平均値を送信する。
【0037】(2)よこ入れノズルの噴射圧力の制御 通常時に、ある織機3が中央制御装置2から織機状態デ
ータの読み出し命令を受けたとき、算出したよこ糸到達
角度の平均値とばらつきの値(標準偏差、最大値、最小
値のうち少なくとも1つ以上)とを送信する。給糸替り
や前記タイミング、圧力を変更した後、算出に必要なピ
ック数の蓄積データがない状態で、織機状態データの読
み出し命令を受けたとき、当該織機3は、蓄積データが
必要数に達していない旨の情報、(例えばYES/N
O、あるいは蓄積データ数)のみを送信するか、または
これらの情報とともにその状態で算出した織機状態デー
タを送信する。
【0038】(3)上記(1)のタイミング制御と
(2)の圧力制御との組み合わせ制御 例えば、タイミング制御は、短い周期で実行し、圧力制
御は長い周期で実行する場合、制御量算出に使用する状
態データ(平均値)の蓄積期間がそれぞれ異なることも
ある。例えば、圧力制御用の蓄積データが必要数に満た
ない状態で、タイミング制御用の状態データと圧力制御
用の状態データの読み出し命令を受けたとき、圧力制御
用データ送信時に、上記(2)のようにその旨のデータ
を送信してもよい。
【0039】(4)織機の回転数制御 上記(3)の状態データすなわち、よこ糸到達角度の平
均値、ばらつき値の他に織機の稼働率を織機状態データ
として使用する場合、織機稼働率は織機3の運転時間に
より変化する。すなわち、作業者が修復処理するまで、
時間がかかり、織機3の停台時間が長くなると、この稼
働率は低くなる。この場合、稼働率算出に必要な運転ピ
ック数が所定の値に達していなければ、その旨の情報を
送信することで、必要以上に回転数を下げるようなこと
が発生しない。
【0040】よこ入れ制御(噴射タイミング制御)の実
施例を示す、図5の従来例では、給糸替りが発生し、制
御量の急変が予測されるときでも、状態データの収集が
所定の時間またはピック数にわたって蓄積された後に、
中央制御装置2が新たな制御量の計算を開始するため、
よこ入れ(噴射タイミング)制御が給糸替り後の新たな
よこ糸5に対して適切なよこ入れ状態に達するまで長い
時間が必要となる。これに対して、図5の本発明の方法
によると、給糸替わりが発生した時点で、織機3は、こ
れまで蓄積した状態データを破棄し、再度その状態デー
タの蓄積を開始し、その後中央制御装置2は、織機状態
データ読み出し時には、状態データの収集が所定の時間
またはピック数に達していないこと、またその後蓄積し
た状態データに基づいて算出された新たな織機状態デー
タを読みとり、それに基づく制御データで織機3の制御
を行うので、よこ入れ制御は、新たな給糸に対応したよ
こ入れノズルの噴射タイミングに速やかに補正され、結
果として、目標よこ糸到達角度に達することから、制御
の応答性が従来のものに比較して早くなる。
【0041】以上のように中央制御装置が複数の織機を
制御する例として、よこ入れ制御、織機の回転数制御を
上げたが、この他にも例えば以下の制御もできる。 (1)たて糸張力制御 たて止まり回数や、稼働率、よこ糸到達角度の平均値や
ばらつき値などにより、たて糸張力を変更する。 (2)開口制御 たて糸到達角度の平均値やばらつき値、よこ止まり回数
などにより、開口装置の開口タイミング、開口曲線を変
更する。
【0042】これらの制御は、この制御対象に応じた制
御周期に基づき、適宜実行されるものである。これらの
制御をそれぞれ単独で実施しても、あるいはこれらのう
ち複数を組み合わせて実施しても良く、特に限定されな
い。
【0043】
【発明の効果】本発明では、下記の効果が得られる。制
御データ変更後に蓄積したデータで算出した織機状態デ
ータと、その算出に必要なデータ数に達していない旨の
情報とを送信できるので、これに基づき適切な制御量を
算出し、早く最適な状態に制御を収束させることができ
る。したがって、誤った制御量の算出による制御の行き
過ぎや、織機状態データ算出が遅れて整定時間が長くな
る等によって生じる織機停台の誘発がなくなり、織機の
稼働率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】織機集中制御装置のブロック線図である。
【図2】織機の制御系のブロック線図である。
【図3】中央制御装置と各織機との間の交信状況の説明
図である。
【図4】織機側での織機状態データ送信状況のフローチ
ャート図である。
【図5】従来のよこ入れ制御と本発明の方法によるよこ
入れ制御の比較説明図である。
【符号の説明】
1 織機集中制御装置 2 中央制御装置 3 織機 4 データバス 5 よこ糸 6 給糸体 7 給糸体 8 測長貯留装置 9 係止ピン 10 ソレノイド 11 よこ入れノズル 12 たて糸 13 開口 14 補助ノズル 15 圧力源 16 供給路 17 圧力調整弁 18 圧力調整弁 19 開閉弁 20 開閉弁 21 圧力補正部 22 角度補正部 23 状態データ算出器 24 織機回転数制御部 25 通信端末器 26 圧力コントローラ 27 タイミングコントローラ 28 角度検出器 29 フィーラ 30 給糸替りセンサ 31 織機制御回路 32 主軸モータ 33 主軸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D03D 51/00 D03D 47/28 - 47/32

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中央制御装置が複数の織機を制御する構
    成であって、各織機が所定の収集周期毎の状態データを
    蓄積し、それらの蓄積した状態データから織機状態デー
    タを算出し、中央制御装置が該当する織機に対し発する
    織機状態データの読み出し命令に応じて、その織機が織
    機状態データを中央制御装置へ送信し、中央制御装置が
    送信された織機状態データに基づき算出した制御データ
    をその該当する織機に送信し、その織機がこの送信され
    た制御データにより制御を行う構成で、その中央制御装
    置と各織機との間の一連の制御動作が非同期状態で行わ
    れる織機集中制御装置において、データ収集の開始からの経過期間が設定された上記収集
    周期に に達しない時点で織機状態データの読み出し命令
    を受けたとき、所定の収集周期に達していない旨の情報
    と共にデータ収集開始後の1収集周期に満たない織機
    状態データを中央制御装置に対して送信することを特徴
    とする織機の集中制御装置の織機状態データ送信方法。
  2. 【請求項2】 上記データ収集の開始が、織機上での状
    態の変化が検出された時点であることを特徴とする請求
    項1記載の織機の集中制御装置の織機状態データ送信方
    法。
  3. 【請求項3】 上記データ収集の開始が、制御データが
    変更された時点であることを特徴とする請求項記載の
    織機の集中制御装置の織機状態データ送信方法。
  4. 【請求項4】 上記中央制御装置に送信する織機状態デ
    ータは、データの収集開始時点で、これまで蓄積した状
    態データを破棄し、その後蓄積した状態データを基にし
    演算した値であることを特徴とする請求項2または請
    求項3記載の織機の集中制御装置の織機状態データ送信
    方法。
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