JPH11107120A - 流体噴射式織機の緯入れ制御装置 - Google Patents

流体噴射式織機の緯入れ制御装置

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JPH11107120A
JPH11107120A JP27314497A JP27314497A JPH11107120A JP H11107120 A JPH11107120 A JP H11107120A JP 27314497 A JP27314497 A JP 27314497A JP 27314497 A JP27314497 A JP 27314497A JP H11107120 A JPH11107120 A JP H11107120A
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JP27314497A
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Mitsuhiro Ara
光弘 荒
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Nissan Texsys Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】流体噴射式織機の緯入れ制御をより精密に行え
るようにすること。 【解決手段】緯入装置1で緯入れされた緯糸を複数タイ
ミングで検出して織機主軸2の回転角度に基づいて出力
する検出手段3−1…3−nと、目標設定手段4−1…
4−mと、検出値(角度信号)と目標値(角度)とを比
較して、緯入装置1の操作量を制御する制御手段5とを
備えた流体噴射式織機の緯入れ制御装置である。そし
て、1つの検出値の絶対値と目標値に基づいて、操作量
を制御する絶対操作量と、2つの検出値の差として得ら
れる相対値と目標値に基づいて操作量を制御する相対操
作量を選択するようにして、複数の操作量を制御する
際、絶対操作量同士が制御されて制御作用が相互干渉し
ない構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、流体噴射式織機の緯入
れ装置制御装置に関し、特に最適な緯入れ条件を自動的
に調整できるようにした緯入れ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】緯入れの移送速度の制御として、緯糸測
長装置の測長爪の解除タイミングの制御、緯入れメイン
ノズル、緯入れメインノズルよりも緯糸測長装置側に設
けられたノズル、(ブースータノズル)の噴射圧力の制
御及び、補助ノズルの噴射圧力の制御が行われており、
これらの制御を自動的に行なうものとして以下のものが
ある。
【0003】測長ドラムの測長爪の解除タイミングを自
動的に制御するものとしては、測長ドラムの1巻目の解
舒タイミング(CY1:ドラムの1回目の解舒タイミン
グ)を検出して、この解舒信号に基づいて測長爪の解除
タイミングを制御する技術がある(実公平3−3254
2号公報参照)。
【0004】これは、緯糸測長装置のドラムに巻付けて
貯留した緯糸を緯入れを開始するまで係止する測長爪
と、緯糸を流体噴射により経糸開口へ緯入れする緯入れ
ノズルとを備えた流体噴射式織機において、緯入れ時に
ドラム回りを巻戻される緯糸の通過タイミングを検出す
る巻戻し検出器と、検出された通過タイミングと予め定
めた基準値とを比較してその差に応じて測長爪の係止解
除タイミングを変更する係止解除タイミング変更手段を
設けたものである。
【0005】この流体噴射式織機の緯入れ制御装置は、
緯入れ時にドラム回りを巻戻され緯糸の最初の解舒タイ
ミング(CY1)に応じて測長爪の係止解除タイミング
を変更することにより、緯入れ開始時の緯糸飛走タイミ
ングを即座に適切な値にすることができ、緯入れミスを
防止するようにしたものである。
【0006】また、緯入の自動制御に関する技術の他の
例として、ドラムから巻戻される緯糸の解舒タイミング
(例えば3巻目の解舒タイミング)を検出して緯入れメ
インノズルの圧力を制御する技術がある(特開昭61−
34255号公報参照)。
【0007】これは、ドラムに複数回巻付けて貯留した
緯糸を流体噴射により経糸開口内へ緯入れする緯入れノ
ズルを備え、緯糸の解舒タイミングを測定する装置と、
測定されたタイミング(例えば4巻目の解舒タイミン
グ)と、基準(目標)タイミングとを比較してその差に
応じ緯入れノズル(主ノズル等)への供給流体の圧力を
制御するものものである。
【0008】さらに、緯糸の解舒タイミング(CYn)
と緯糸の反緯入れ側への到達タイミング(F1)との相
対値を検出して、ノズル(主ノズルまたは補助ノズル)
の圧力制御を行なうものがある(特開昭61−3425
9号公報参照)。
【0009】これは、ノズルにより緯入れされた緯糸
が、所定長解舒されたことを検出し、ドラムの最終回目
(例えば3回目)の解舒タイミング(CY3)を出力す
る解舒タイミング検出装置と、反ノズル側の所定位置に
緯糸の先端部が到達したことを検出し到達信号(F1)
を発信する到達信号発生装置と、これらの検出装置から
の検出信号(CY3,F1)の差(相対値)が予め定め
られ所定値を越えたときに変更信号を発信する演算装置
を備え、演算装置からの変更信号を受け、ノズルへの噴
射流体の供給圧力を変更する圧力調整装置とを備えてな
る流体噴射式織機の緯入れ制御装置である。
【0010】この装置によれば、両検出器の検出信号に
基づいて相対値を算出して、この相対値を所定値と比較
して、その差に基づいて圧力調整装置により上記ノズル
への供給圧力を変更することにより、緯糸が飛走すると
きの蛇行量を的確に把握して緯糸の飛走状態を制御し、
これにより布品位を確保することができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】近年、織機はますます
高速化し、そのために確実に緯入れを行なうためには、
緯入れ制御を高精度に行なうことが望まれている。この
要望にこたえ、本願出願人は、上述した複数の検出量
(CY1,CY3,F1等)を検知して、検知量に関連
する操作量を複数制御することを試みた。
【0012】即ち、緯糸の解舒タイミング(CY1,C
Y3)及び緯糸の到達タイミング(F1)を検出量とし
操作量として、上述した測長爪の解除タイミングを制御
したり、メインノズル、或いはメインノズル夜売りも上
流側(測長装置側)に設けたノズル(ブースタノズル)
の噴射圧力、補助ノズルの噴射圧力をそれぞれ変更し
た。
【0013】しかしながら、これらの検出量(CY1,
CY3,F1)は、それぞれ測定する個所や時間が異な
るものではあるが、飛走体である同じ緯糸の速度に関す
る測定を行っているものであるから、互いに相関性が高
く、それぞれの検出量が目標値となるように各操作量を
変更すると、それぞれの操作量の変更が重畳して、相互
干渉をして、総合的には過剰な操作量となってしまい、
制御精度が安定せず、ハンチングを生じてしまうという
問題がある。
【0014】これは、一つの検出量に基づいて、操作量
を変更すると、緯入れ時のその後の検出量も変化するた
めであると考えられる。例えば、図16に示すように、
一回目の緯糸解舒タイミング(CY1)が基準となる織
機主軸角度(例えば80°)である時(図16中符号A
で示した)からΔCY1だけ緯入れ解舒タイミングを早
めると、その後の緯入れ解舒タイミング(CY2,CY
3)もその分進み、更に緯入れ到達タイミング(F1)
も早くなる(同符号B)。
【0015】同様に、一回目の緯糸解舒タイミング(C
Y1)をΔCY1’だけ遅らせると、その後の緯入れ解
舒タイミング(CY2,CY3)もその分遅れ、さら
に、緯入れ到達タイミング(F1)も次々に遅れていく
(同符号C)。
【0016】従って、全体に緯入れタイミングが早まっ
ている場合(例えばBの状態)、最初の緯糸解舒信号
(CY1)に基づいて測長爪の解舒タイミングΔCY1
だけ遅らせ、同様に最後に解舒されたときのの緯糸解舒
信号(CY3)に基づいてメインノズル(又はブースタ
ノズル)の噴射圧力を低くしたとすると相互に緯入れタ
イミングをおそくした効果が加算され(相互干渉)、目
標とした値(同図符号A)を越えて緯入れタイミングが
遅くなってしまうという(同図符号C)問題がある。
【0017】そこで、本発明は、流体噴射式織機の緯入
れ制御装置において、流体噴射式織機の緯入れ制御をよ
り精密に行えるようにするために複数の検出手段により
緯糸を検知して複数の操作量を制御するようにしたと
き、複数の制御作用が相互干渉することなく、有効な制
御を行えるようにした流体噴射式織機の緯入れ制御装置
を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本出願において上記の課
題を解決するための手段は、以下のものである。
【0019】請求項1に記載の発明は、緯入装置1を複
数のタイミングで検出し、織機主軸2の回転角度を基準
とした検出値を出力する検出手段3−1…3−nと、こ
の検出手段3−1…3−nにより検出するタイミングに
対応させて、上記織機主軸2を基準とした目標値を設定
する目標設定手段4−1…4−mと、上記検出値と目標
値とを比較して、緯入装置の操作量を制御する制御手段
5とを備えた流体噴射式織機の緯入れ制御装置であっ
て、上記制御装置5は、上記検出手段が検出した検出値
の絶対値と、上記目標設定手段に設定された目標値とを
比較してこの絶対値に関連する緯入装置の操作量を決定
する絶対操作量制御手段と、上記検出手段により検出さ
れた2つの検出値の差として得られる相対値と、上記目
標設定手段に入力された当該相対値に相当目標値の相対
値とを比較してこの相対値に関連する緯入装置の操作量
を制御する相対操作量制御手段と、絶対操作量と相対操
作量のいずれか一方を選択する選択手段とを備えたこと
を特徴とする流体噴射式織機の緯入れ制御装置である。
【0020】請求項1に記載の発明によれば、絶対操作
量制御手段は、1つの検出値の絶対値と目標値とに基づ
いて1つの操作量を制御する。相対操作量制御手段は、
2つの検出手段の検出量の差として得られる相対値と、
目標値とを比較して他の操作量を制御する。従って、絶
対操作量が変更されると、相対値は、この絶対値の変動
とともに変化する。このため、複数の操作量を制御する
際に一方が絶対操作量を制御するときには、他方は相対
操作量が選択される。これにより絶対操作量どうしが制
御されて制御作用が相互干渉する問題がなく、緯入れタ
イミングは適正なものとなり、ハンチング等は発生しな
い。
【0021】請求項2に記載の発明は、緯入装置により
緯入れされた緯糸複数のタイミングを検出し織機主軸の
回転角度を基準とし検出値として出力する検出手段と、
上記織機主軸を基準として上記織機の検出タイミングに
対応する目標値を設定する目標値設定手段と、上記検出
値と目標値とを比較して、緯入装置の操作量を制御する
制御手段とを備えた流体噴射式織機の緯入れ制御装置で
あって、上記制御手段は、上記緯入装置の各操作量に制
御優先順位を設ける優先順位設定手段を備え、上記制御
手段は、上記操作量の制御を所定周期で行なうと共に、
上記優先順位に基づいて上記操作量の制御周期を異なる
値として設定したことを特徴とする流体噴射式織機の緯
入れ制御装置である。
【0022】請求項2に記載の発明は、優先順位設定手
段によって設定された操作量の制御周期は優先順位順
に、優先順位が高いものほど制御周期が短いものとして
設定されている。優先順位の高い操作量は、制御手段に
よって、頻繁に変更制御され、優先順位の低い操作量
は、優先順位の高い操作量より変更制御のの間隔が大き
いものとなる。
【0023】従って、優先順位の高い制御量が変更制御
された後のピッキングで、下位の操作量が制御される。
このため、上位の操作量の変更制御と、下位の操作量の
変更制御が相互干渉することなく全体として緯入れタイ
ミングは適正なものとなり、ハンチング等は発生しな
い。
【0024】請求項3に記載の発明は、緯入装置により
緯入れされた緯糸を複数のタイミングで検出し、織機主
軸の回転角度を基準とした検出値を出力する検出手段
と、上記織機主軸を基準として上記検出タイミングに対
応する目標値を設定する目標設定手段と、上記検出値と
目標値とを比較して、緯入装置の操作量を制御する制御
手段とを備えた流体噴射式織機の緯入れ制御装置であっ
て、上記制御手段は緯入れ手段の各操作量に制御優先順
位を設ける優先順位設定手段を備え、制御手段は、上記
操作量の制御を所定の許容範囲を越えた場合に行なうと
共に、上記優先順位に基づいて各操作量を制御する許容
範囲を異なる値として設定したこと特徴とする流体噴射
式織機の緯入れ制御装置である。
【0025】請求項3に記載の発明によれば、優先順位
設定手段によって設定された操作量の非制御許容値は優
先順位順に、優先順位が高いものほど制御許容値が少な
いものとして設定されている。優先順位の高い操作量
は、制御手段によって、その非制御許容値を越える度に
変更制御される。一方、優先順位の低い操作量は、優先
順位の高い操作量よりその非制御許容値が大きいため変
更の間隔制御が大きいもの、すなわち感度が鈍いとな
る。
【0026】また、優先順位の低い操作量の変更制御
は、優先順位の高い操作量が先に変更制御される。この
とき下位の操作量は感度が鈍いので通常は制御されな
い。このためまた、優先順位の高い操作量が変更制御さ
れても、緯入れ状態が不適切なときには、下位の操作量
も許容範囲を越えて変更制御されることになる。このよ
うに上位と下位の操作量の変動制御が相互干渉すること
なく全体として緯入れタイミングは適正なものとなり、
ハンチング等は発生しない。
【0027】
【発明の実施の形態】以下本発明に係る流体噴射式織機
の緯入れ制御装置について説明する。先ず、図14を参
照して織機の全体的構造について説明する。
【0028】緯糸測長装置40は、静止状態に保持した
ドラム41と、織機主軸から斜め先方に突出し、かつ連
通する巻き付け腕42と、ドラム41の周面に設けた図
外の穴に対し電磁アクチュエータ43により駆動されて
突入・退出する測長爪44とを有し、突入状態の測長爪
44により、経糸Yを係止しつつ、巻付け腕42の回転
により緯糸Yをドラム41巻き付けて測長貯留する。そ
して、所定の爪抜き時期(緯入れ開始時期)で測長爪4
4を退出させ、メインノズル20と補助ノズル30の空
気噴射により図示しない固定ガイドを介してドラム41
上の緯糸Yを引き出させて、緯入れさせる。尚、図14
中符号45は緯糸をドラムに供給する給糸体を、22,
32はエアタンク、23,33は圧力調整弁を示してい
る。
【0029】本例では、これらのノズル20,30によ
り射出された緯糸Yは、図示しない筬の筬羽に形成した
凹部の列による、糸案内通略を飛走し、ここで所定の間
隔を以て5ブロック(No.1〜No.5)配置した補助ノズ
ル25により緯入れ側から反緯入れ側へとリレー式に吹
き送られて緯入れされる。
【0030】補助ノズル25は、数本(図15では5
本)ずつグループ化され空気圧供給源24に圧力調整弁
27を介して接続されたサージタンク28から、各電磁
開閉弁26を介して、空気が供給される。従って、補助
ノズル25の噴射圧力(補助ノズル25へ供給する空気
の圧力)は圧力制御弁27への電圧制御により制御可能
であり、補助ノズル25の噴射開始時期及び噴射終了時
期は各電磁開閉弁26により制御される。尚、補助ノズ
ル25は5つのグループとして図示してあり、各グルー
プには、緯入れ側から反緯入れ側に亘って、便宣的にN
o.1からNo.5の符号を付してある。
【0031】主制御装置50はマイクロコンピュータで
制御されており、入力インターフェースである検出器5
0aには、上記織機主軸の回転角度を検出するアングル
センサ51と、緯糸解舒センサ52と、緯糸到達センサ
53とから出力される信号が入力される。
【0032】前記アングルセンサ51は、織機主軸の回
転角度(以下、織機主軸回転角度という)に対応した信
号を出力する。
【0033】前記緯糸解舒センサ52は、ドラム40の
近傍で緯入れ時にドラム40回りを解舒される緯糸Yの
通過を検出する。尚、緯糸Yの通通による緯糸解舒信号
は、ドラムが40が1周解舒される毎に得られるので、
1ピック分がn巻(例えば3巻)であるとすると、緯入
れ終了までn回得られる(以降n=3として説明を行な
う。)。
【0034】前記緯糸到達センサ53は、緯糸案内通路
の反緯入れ側にて緯入れされた緯糸Yの到達を検出する
ものである。すなわち、これら緯糸解舒センサ52と緯
糸到達センサ53とが、緯糸の飛走状況を検出する検出
手段を構成している。
【0035】ここで、主制御装置50は、これらの制御
入力を基に所定の演算処理を行って、圧力調整弁23,
33を駆動してメインノズル20及びブースタノズル3
0の噴射圧力を制御し、電磁開閉弁21,31を駆動し
てメインノズル20及びブースタノズル30の噴射時期
を制御し、又、電磁アクチュエータ43を駆動して測長
爪12の作動を制御する。更に、圧力調整弁27を介し
て補助ノズル25の噴射圧力を制御し、電磁開閉弁26
を駆動して補助ノズル25の噴射時期を制御する。
【0036】ここで、メインノズル20,ブースタノズ
ル30及び補助ノズル25の噴射、及び測長爪44の作
動の制御は、主制御装置50によって、織機主軸に設け
られたアングルセンサ51からの信号を基準とする緯糸
解舒センサ52から出力される緯糸解舒信号、及び緯糸
到達センサ53からの緯糸到達信号を基準として行われ
る。
【0037】即ち、図15に示すように、アングルセン
サ51が検出する織機主軸角度が0°から、180°に
かけて筬を織前から後退させ、180°から360°に
いたるまでに筬打を行なう。この織機主軸角度の進行に
伴い噴射開始時期になったときに、電磁開閉弁21,3
1をON(開)にしてブースタノズル30及びメインノ
ズル20から所定圧力の圧縮空気を噴射させる(図15
ではブースタノズル30の噴射時期は示していない)。
【0038】次に、測長爪44の爪抜き時期(緯入れ開
始時期)になったときに、電磁アクチュエータ43をO
Nにして測長爪44を抜き出し、これにより緯入れを開
始させる。緯入れ中は、緯糸Yの先端の飛走に伴って、
その位置にあるグループの補助ノズル25のNo.1〜
No.5の空気噴射を行わせるべく、各グループ毎に、
織機主軸角度が噴射開始時期になったときに、電磁開閉
弁26をON(開)にして補助ノズル25のから所定圧
力の室気噴射を開始させる。そして、噴射終了時期にな
ったときに、電磁開閉弁27をOFF(閉)にして補助
ノズル25の空気噴射を終了させる。
【0039】また、噴射終了時期になったときに、電磁
開閉弁21をOFF(閉)にしてメインノズル20の空
気噴射を終了させる。
【0040】そして、緯糸解舒センサ44からの3回目
の解舒信号が来たときに、電磁アクチュエータ43をO
FFにして測長爪44を突入させる。これにより、ドラ
ム3巻分の長さが緯入れされた時点で緯糸Yが測長爪1
2に係止されて緯入れが終了する。
【0041】本例において、測長爪44の係止解除タイ
ミングと、緯入れメインノズル20並びにブースタノズ
ル30の空気噴射圧力及び、補助ノズル25の噴射圧力
の制御は主制御装置50で行われる。
【0042】即ち、主制御装置50は、各検出器51,
52,53からの信号が入力される検出器50aと、目
標設定手段である記憶器50cと、CPUで構成され演
算装置を構成する演算器50cと、測長爪44の係止解
除タイミングと、緯入れメインノズル20並びにブース
タノズル30の空気噴射圧力及び、補助ノズル25の噴
射圧力を指定する緯入れ条件指令器50dとを備えてい
る。これらの各種手段によって緯糸の到達タイミングの
設定制御が実行され、操作量として各種の作動手段を駆
動する駆動回路55に制御信号を出力する。
【0043】〔第1の実施の形態〕次に本発明にかかる
流体噴射式織機の緯入れ制御装置の実施の形態の第1の
例を説明する。
【0044】図2乃至図9は、本発明の第1の実施の形
態に係る流体噴射式織機の緯入れ制御装置を示すもので
ある。この例は、請求項に記載した手段に相当する。
【0045】本例では主制御装置50は図2に示すよう
な機能を備える。図2において、101は緯糸蓄留測長
装置40のドラム41の1巻目の緯糸解舒タイミング
(例えば織機主軸回転角度80°)を設定する1巻目解
舒タイミング設定器、102は同じドラム41の最後
(例えば3巻目)の緯糸解舒タイミング(同180°)
を設定する3巻目解舒タイミング設定器、103は織機
の緯糸の反緯入れ側への到達タイミング(同240°)
を設定する到達タイミング設定器を表している。これら
の設定器101,102,103は、目標設定手段とし
ての上記記憶器50cに相当する。
【0046】また、同図において111は測長爪タイミ
ング制御器であり、上記1巻目解舒タイミング設定器1
01の設定値と、上記緯糸解舒センサ52の1回めの緯
糸解舒信号(CY1)とを比較してその差を加算機13
3で測定し、この値に基づいて測長ソレノイド43の動
作タイミングを制御する。
【0047】この測長爪タイミング制御器111は、絶
対操作量制御手段として作動する。
【0048】112は、メイン・ブースタノズル圧力制
御器であり、目標設定手段としての上記1巻目解舒タイ
ミング設定器101と3巻目解舒タイミング設定器10
2との差の目標値(例えば180°−80°=100
°)と、検出手段のしての緯糸解舒センサ52により検
出されるの1回目の解舒信号(CY1)と3回目の解舒
信号(CY3)との差である相対値とを比較して、解舒
タイミングをPDI制御(後に詳細に説明する)により
調整する。メインノズル20及びブースタノズル30
(メインノズル20またはブースタノズル30の何れか
一方でもよい。この例では両ノズル20,30を制御す
るものとする)の空気噴射圧力を決定して両ノズル2
0,30の空気噴射圧力を設定する空気圧調整弁23,
33の圧力調整を行う。
【0049】尚、このメイン・ブースタノズル圧力制御
器112は、主制御装置50の設定により、ドラムの3
巻目の解舒タイミングを絶対値とし、メインノズル20
及びブースタノズル30の空気噴射圧力を設定する空気
圧調整弁23,33の圧力調整を行うこともできるもの
として構成される。
【0050】さらに、同図において113は、補助ノズ
ル圧力制御器であり、通常は上記3巻目解舒タイミング
設定器102と到達タイミング設定器103と設定値の
差の目標値(例えば240°−180°=60°)を、
緯糸解舒センサ52の3回目の解舒信号(CY3)と緯
糸到達センサ53の検出値(F1)との差(相対値)と
比較してPID制御を行ない補助ノズル25の空気噴射
圧力を設定する空気圧力調整弁27の圧力調整を行うも
のである。
【0051】ここで、図中121,122,123,1
24,125、126は主制御装置50の設定により、
絶対操作量と相対操作量とをどの検出手段からの信号に
基づいて制御するかを選択する目標値変換器を示してい
る。また、図中131,132,138は、各設定器を
示している。101,102,103は設定されたそれ
ぞれの値の差を求める加算器、133、134,135
は設定された値絶対値あるいは相対値と、各センサ5
2,53が検出した角度信号の差値(相対値)との差を
求める加算機を示している。
【0052】メイン・ブースタノズル圧力制御器112
は、主制御装置50の設定により、ドラムの3巻目の解
舒タイミングを絶対値として、メインノズル20及びブ
ースタノズル30の空気噴射圧力を設定する空気圧調整
弁23,33の圧力調整を行う。
【0053】これらの制御は、それぞれ入力された目標
値に到達するように制御されるものであり、例えばPI
D(比例、微分、積分)制御が使用される。ここで、P
ID制御は、自動制御として公知の手法であり、以下の
式に基づいて操作量を定めるものである。
【0054】即ち、PID制御では、圧力の変動分をΔ
Pmとし、変動値をMATn(nは今回、n−1は前
回、n−2は前々回とする)とすると、今回の変更量Δ
Pmは以下のように与えられる。 ΔPm=Kp(MAT(n-1)-MATn)+Ki*ER+Kd(MAT(n-1)- MAT(n-
2)-MATn) Kpは比例ゲイン係数、Kiは積分ゲイン定数、Kdは
微分ゲイン定数を表している。この例は圧力の変更量に
ついて示したが、各タイミングの補正方法は、他の方法
であってもよく、本発明に係る流体噴射式織機の緯入れ
制御装置はこのPID制御に限られない。
【0055】次に上述した本発明に係る流体噴射式織機
の緯入れ制御装置の実施の第1の例の作動を説明する。
図3乃至図9は図2に示した流体噴射式織機の緯入れ制
御装置の作動を示すフローチャートである。この例は、
図2に示した測長爪タイミング制御器111(制御器
1)、メイン・ブースタ圧力設定器112(制御器2)
及び補助ノズル圧力設定器113(制御器3)を記載の
順に優先順位を付け(制御器1、制御器2、制御器3の
順に優先されるものとする)、この順位の上位のものか
ら選択した1つの制御器を絶対値に基づいて制御するも
のとし、下位の制御器を相対値に基づいて制御できるも
のとしたものである。
【0056】図3に示したフローチャートに基づいて第
1の例を説明する。この例は測長爪解除タイミングの制
御を行うのに際して、緯入れ解舒センサ52からの1回
目の緯入れ解舒絶対値(CY1)を絶対値として1巻目
解舒信号設定器101に設定された値とを比較して測長
爪ソレノイド43の作動を制御するものである。
【0057】この本例では、先ず織機の各設定器10
1,102,103に目標値として織機主軸の回転角度
に基づいた目標値を設定すると共に、織機の回転数、織
り幅、織り入れ1回分のドラムからの解舒数、糸種等の
初期値を入力する(SA1)。これらの値は、製織され
る織布に応じて技術者の経験によって設定される。ま
た、予め定められたルックアップテーブルを参照するこ
とにより定めることもできる。
【0058】そして、制御器1である測長爪タイミング
制御器111をON状態とする(SA2)。これによ
り、1巻目解舒タイミング設定器101に設定された設
定値と緯糸解舒センサ52が検出した1巻目の解舒タイ
ミングとが測長爪タイミング制御器111に入力され、
測長爪ソレノイド43が駆動されることとなる。
【0059】この制御により、図4に示すように、目標
値(CY10)と初期値が設定され(SB1)、緯糸解
舒センサ52でドラムの1巻目解舒タイミング(CY
1)が検出され(SB2)、この検出した1巻目解舒タ
イミング(CY1)と目標値(CY10)との差の絶対
値に基づいて、測長爪42を駆動するタイミングの補正
量ΔThを上記PIDの手法によって計算する(SB
4)。そして、この補正値ΔThを前回の測長爪の解舒
タイミングTh(t−1)に加えた値Th=Th(t−
1)+ΔThの値を次の測長爪の解舒信号として与える
(SB5)。
【0060】次に、制御器2であるメイン・ブースタノ
ズル圧力制御器112をONにすると(SA3)、目標
値変換器121,123とが導通状態となり(SA4,
SA5)、更に制御器3である補助ノズル圧力制御器が
ON状態となると(SA6)と目標値変換器123,1
24が導通状態となる(SA7,SA8)。制御器3で
ある補助ノズル圧力制御器113がOFF状態となると
(SA6)と目標値変換器123,124は作動しな
い。
【0061】これにより、メイン・ブースタノズル制御
器112に加算機131から3回目解舒タイミング設定
器102の設定値と1回目解舒タイミング設定器102
の設定値との差が入力されるとともに、加算機136か
ら緯糸解舒センサ52からの3回目解舒タイミングと1
回目解舒タイミング差が入力される。
【0062】この制御により、図5に示すように、目標
値(CY30:3回目の目標解舒タイミング,CY1
0:1回目の目標解舒タイミング)と初期値とが設定さ
れ(SC1)、緯糸解舒センサ52で得られたドラムの
1回目の解舒タイミング(CY1)と3巻目解舒タイミ
ング(CY3)の差と上記目標値の差が得られ、この絶
対値(|(CY30−CY10)−(CY3−CY1)
|)が予め定めた正の定数Y2とが比較(SC3)され
る。この絶対値が定数Y2より大きい場合には、ブース
タノズルの噴射圧力の補正量ΔPmを上記PIDの手法
によって計算する(SC4)。
【0063】次に、この補正値ΔPmを前回の噴射圧力
Pm(t−1)に加えた値Pm=Pm(t−1)+ΔP
mの値を次の噴射圧力として得る(SC5)。
【0064】これらの入力値により、空気圧力制御弁2
3,33はそれぞれの設定値が設定され、適正な空気圧
力で緯糸Yを緯入れすることができる。
【0065】また補助ノズル制御器113に加算機13
5から3回目解舒タイミング設定器102の設定値と到
達タイミング設定器103の設定値との差が入力される
とともに、加算機137から緯糸解舒センサ52からの
3回目解舒タイミングと緯糸到達センサ53からの反緯
入れ側への緯糸到達タイミングとの差が入力される。こ
れにより、補助ノズル圧力制御器113は補助ノズル圧
力調整弁27を調整して、適正な空気圧力で緯糸Yを緯
入れすることができる。
【0066】次に、上記制御器1である測長爪タイミン
グ制御器111をON状態とせず、測長爪タイミング制
御器111の設定値を固定し、初期値に設定された所定
のタイミングで測長爪を係止する場合について説明す
る。
【0067】この場合には、制御器1である測長爪タイ
ミング制御器111をOFF状態として制御器2をON
状態とする(SA2,SA9)。この状態において制御
器3である補助ノズル圧力制御器113をONにしなけ
れば、そのまま3巻目解舒タイミング設定器102の設
定値と緯糸解舒センサ52の検出値とが絶対値として比
較され、メイン・ブースタ圧力設定弁の制御がされる。
【0068】即ち、図6に示すように、制御器2である
メイン・ブースタ圧力制御器112と、制御器3である
補助ノズル圧力制御器が共にON状態となると(SA
9,SA10)、目標値変換器122,124が導通状
態となる(SA11,SA12)。
【0069】この制御により、3回目解舒の目標値(C
Y30)と初期値が設定され(SD1)、緯糸解舒セン
サ52でドラムの3巻目解舒タイミング(CY3)が検
出される(SC2)。検出された3巻目解舒タイミング
(CY3)と目標値(CY30)との差の絶対値(|C
Y30−CY3|)が予め定めた正の定数Y1(制御許
容範囲)と比較(SD3)され、絶対値が定数Y1より
大きい場合には、ブースタノズルの噴射圧力の補正量Δ
Pmを上記PIDの手法によって計算される(SD
4)。
【0070】即ち、この補正値ΔPmを前回の噴射圧力
pm(t−1)に加えた値Pm=Pm(t−1)+ΔP
mの値を次の噴射圧力として与えるのである(SD
5)。この制御により、メイン・ブースタノズル制御器
112に加算機131から3回目解舒タイミング設定器
102の設定値が絶対値として直接入力されるととも
に、加算機136から緯糸解舒センサ52からの3回目
解舒タイミングが入力される。
【0071】これらの入力値により、メイン・ブースタ
ノズルの空気圧力調整弁23,33(図2においては1
12,113で示されている。)はそれぞれの空気圧力
調整弁23,33を調整して、適正な空気圧力で緯糸Y
を緯入れすることとなる。
【0072】また、補助ノズル制御器113には加算機
128から1回目解舒タイミング設定器101の設定値
と到達タイミング設定器103の設定値との差が入力さ
れるとともに、加算機137から緯糸解舒センサ52か
らの3回目解舒タイミングと緯糸到達センサ53からの
反緯入れ側への緯糸到達タイミングとの差が入力され
る。これにより、補助ノズル圧力制御器113は補助ノ
ズル圧力調整弁27を調整して、適正な空気圧力で緯糸
Yを緯入れすることとなる。
【0073】更に、制御器1である測長爪タイミング制
御器111をON状態とし(SA2)、制御器2である
メイン・ブースタノズル圧力制御器をOFF状態とした
(SA3)場合について説明する。メイン・ブースタノ
ズルの噴射圧力を一定として初期値に設定された所定の
圧力で緯入れを行なう場合である。制御器1である測長
爪タイミング制御器111は、上述したように絶対値に
基づいて制御される。制御器3である補助ノズル圧力制
御器113がON状態となると(SA9,SA10)、
目標値変換器125,126がON状態となる(SA1
4,SA15)。
【0074】これにより、制御器1である測長爪タイミ
ング制御装置111は絶対値で制御され、補助ノズル圧
力制御器113は3回目解舒信号(CY3)と反緯入れ
側の緯入れ到達信号(F1)との差である相対値で制御
される。
【0075】図8は、制御器3である補助ノズル圧力制
御器113を相対値に基づいて制御した場合を示すもの
である。この場合は、3巻目解舒タイミング設定器10
2に目標値CY30を設定し、さらに到達タイミング設
定器103に到達目標値F10を設定値として設定する
(SF1)。そして、緯糸解舒センサ52の3回目の緯
糸解舒検出値(CY3)と緯糸れ到達信号(F1)との
差と上記設定値の差の絶対値(|(F10−CY30)
−(F1−CY3)|)とが予めらた値Z2と比較さ
れ、その値が所定値Z2より大きい場合には、補助ノズ
ルの圧力設定値が上記PIDの計算に算出され(SF
4)、補助ノズルの圧力調整弁27の制御がされる(S
F5)。
【0076】図9は、制御器3である補助ノズル圧力制
御器113を相対値に基づいて制御した他の場合を示す
ものである。この場合は、1巻目解舒タイミング設定器
101に目標値CY10を設定し、さらに到達タイミン
グ設定器103に到達目標値F10を設定値として設定
する(SG1)。そして、緯糸解舒センサ52の1回目
の緯糸解舒検出値(CY1)と緯糸れ到達信号(F1)
との差と上記設定値の差の絶対値(|(F10−CY1
0)−(F1−CY1)|)とが絶対値として比較され
(SG3)、補助ノズル圧力設定弁の制御がされる(S
G4,SG5)。
【0077】次に本発明の第2の実施の形態について説
明する。本例は、本発明の請求項2に対応するものであ
る。本例は、図10に示すように、1回目解舒タイミン
グ設定器211、メイン・ブースタ圧力設定器212及
び補助ノズル圧力設定器213を記載の順に優先順位を
付け(制御器1、制御器2、制御器3の順に優先される
ものとする)、この順位の上位のものか頻繁な制御タイ
ミングで制御を行なうものとしたものである。
【0078】図10において、211は測長爪タイミン
グ制御器、212はメイン・ブースタ圧力制御器、21
3はサブノズル圧力制御器である。また、231はメイ
ン・ブースタ圧力制御器211の制御タイミングを設定
するタイマー1、232はメイン・ブースタ圧力制御器
212の制御タイミングを設定したタイマー2、233
は補助ノズル圧力調整器213の制御タイミングを設定
したタイマー3を示している。
【0079】その他上述した実施の形態1に示したもの
と同一のものについては、同一の符号を付してその詳細
な説明は省略する。図11に示したタイミングチャート
に基づいて本例に係る流体噴射式織機の緯入れ制御装置
の動作を説明する。
【0080】この例は測長爪解除タイミングの制御を行
うのに際して、各制御器に優先順位を付して、図11
(1),(2),(3)に示すように優先順に、タイマ
ー1は毎ピックの度に、またタイマー2は例えば5ピッ
クに一回、さらにタイマー3は10ピックに1回サンプ
リグを行なうように制御タイミング信号を発するように
したものである。この制御タイミングは一例として示し
たもので、実際の制御タイミングとは異なる場合があ
る。
【0081】各制御器211,212,213は、これ
らの制御タイミング信号がON状態になったときにそれ
ぞれの制御を行なうものであり、測長爪タイミング制御
器211は測長爪のソレノイド43の係止タイミング
を、メイン・ブースタ圧力制御器212はメイン・ブー
スタの空気圧力設定弁23,33の緯入れ圧力を、補助
ノズル圧力制御器213は補助ノズル圧力設定弁27の
設定圧力を制御する。
【0082】この例によれば、先ず織機の各設定器20
1,202,203に目標値として織機主軸の回転角度
に基づいた目標値が設定される。
【0083】すると、優先順位の高い駆動手段は、頻繁
にその操作量が変更され、優先順位の低い駆動手段は、
優先順位の高い駆動手段よりその操作量の変更の間隔が
大きいものとなる。
【0084】このため、優先順位の高い駆動手段の操作
量は、頻繁にその値が変更されるものとなり、この変更
に従って下位の駆動手段の検出信号に影響を与える。即
ち上位の検出信号によって定まる操作量の変更によっ
て、下位の駆動手段の操作量の変更は少ないものとな
る。そして、全体として緯入れタイミングは適正なもの
となり、ハンチング等は発生しないものとなる。
【0085】次に本発明の第3の実施の形態について説
明する。本例は、本発明の請求項3に対応するものであ
る。本例は、図12に示すように、1回目解舒タイミン
グ設定器301、メイン・ブースタ圧力設定弁302及
び補助ノズル圧力設定弁303の操作量に記載の順に優
先順位を付け(制御器1、制御器2、制御器3の順に優
先されるものとする)たものである。
【0086】図12において、301は測長爪タイミン
グ制御器、302はメイン・ブースタ圧力制御器、30
3はサブノズル圧力制御器である。また、301はメイ
ン・ブースタ圧力制御器311の非制御許容量設定値を
設定する非制御許容量設定器1、302はメイン・ブー
スタ圧力制御器312の非制御許容量設定値を設定した
非制御許容量設定器2、333は補助ノズル圧力調整器
213の非制御許容量設定値を設定する非制御許容量設
定器3を示している。
【0087】その他上述した実施の形態1に示したもの
と同一のものについては、同一の符号を付してその詳細
な説明は省略する。
【0088】図13に示したタイミングチャートに基づ
いて本例に係る流体噴射式織機の緯入れ制御装置の動作
を説明する。
【0089】この例は測長爪解除タイミングの制御を行
うのに際して、制御器1、制御器2、制御器3の順に優
先順位を付して、優先順位が高い順に非制御許容値の幅
を少ないものとしたものである。
【0090】即ち本例では、図13に示すように、各制
御器に関する非制御許容値を各制御器311,312,
313に供給する非制御許容量設定記331,332,
333を備えている。これらの非制御許容量設定記33
1,332,333は、検出値(CY1,CY3,F
1)の±0.5%に設定することとしている。例えば、
非制御許容値設定記1から測長爪の解除タイミングを即
定する。そして測長爪タイミング制御器311(制御器
1)には非制御許容値を(80°×0.5%=)0.4
°とした非制御容値設定記1(331)を接続してい
る。また、制御器312(制御器2)には非制御許容量
を(180°×0.5%=)0.9°とした非制御容値
設定記2(332)を接続している。そして、制御器3
13(制御器3)については(240°×0.5%=)
1.2°の許容量を設定している。
【0091】従って、本例によれば、先ず織機の各設定
器301,302,303に目標値として織機主軸の回
転角度に基づいた目標値が設定される。
【0092】すると、優先順位の高い操作量が設定され
た駆動手段は、その操作量が変更され、優先順位の低い
駆動手段は、優先順位の高い駆動手段よりその操作量の
変更の間隔が大きいものとなる。
【0093】従って、優先順位の高い駆動手段の操作量
は、非制御許容値設定記が狭いものであるから、頻繁に
その値が変更されるものとなる。この変更に従って、下
位の駆動手段の検出信号に影響を与える。
【0094】即ち、上位の検出信号によって定まる操作
量の変更によって、下位の駆動手段の操作量の変更はそ
の変更の機会が少ないものとなる。図13(4)に示す
ように織機主軸の回転角度を基準として測長爪44の解
除タイミングが遅れたとする。そして、この値が、非制
御許容値(80°×0.5%=)0.4°を越えたとき
には、制御器1である測長爪タイミング制御器311は
図13(5)に示すように、測長爪44の係止タイミン
グを早める。
【0095】そして、測長爪44の係止タイミングが早
まり、測長爪44の係止タイミングが非制御許容値の範
囲となったとき測長爪タイミング制御器は図13(5)
に示すように、測長爪44の係止タイミングを現在の状
態のままとする。
【0096】さらに、測長爪44の解除タイミングが早
まり、この値が、非制御許容値を越えたときには、制御
器1である測長爪タイミング制御器311は測長爪44
の係止タイミングを遅くする。
【0097】測長爪44の係止タイミングが早まり、測
長爪44の係止タイミングの変化量が非制御許容値の範
囲となったときには測長爪44の係止タイミングを現在
の状態のまま略一定である。
【0098】このような状態のとき、メイン・ブースタ
圧力制御記312を制御する3回目の緯糸解除タイミン
グ(CY3)の値は、図13(2)に示すように、非制
御許容量の範囲にある可能性が高い。そしてこの非制御
許容量(180°×0.5%=0.9°)を越えたと
き、図13(6)に示すように、制御記2であるメイン
・ブースタ圧力制御送致312が作動して、緯入れメイ
ンノズル20,緯入れブースタノズル30の緯入れ空気
圧力を上昇させる。
【0099】さらに、緯入れ圧力が上昇し、3回目の緯
糸解除タイミング(CY3)が非制御許容範囲に戻った
時緯入れメインノズル20,緯入れブースタノズル30
の緯入れ空気圧力をそのまま一定とする。また、このよ
うな状態のとき、緯入れ到達タイミングが変化し、図1
3(1)に示すようににこの値変化量が、非制御許容値
(240°×0.5%=1.2°)を越えたときには、
制御器3である補助ノズル圧力制御記313は、図13
(7)に示すように補助ノズル圧力設定弁27の設定値
を変化させて、補助ノズルの空気噴射圧力を変化(上
昇)させる。
【0100】そして、補助ノズル27の空気噴射圧力が
高まり、緯糸の蛇行がなくなり、緯糸の反緯入れ側への
到達タイミング(F1)が非制許容値内の範囲となった
ときには補助ノズル25への空気供給圧力を現在の状態
のまま一定とする。
【0101】
【発明の効果】以上説明したように、本出願に係る発明
によれば、以下の効果を奏する。
【0102】請求項1に記載の発明によれば、絶対操作
量制御手段は、1つの検出値の絶対値と目標値とに基づ
いて1つの操作量を決定する。相対操作量制御手段は、
2つの検出手段の検出量の差として得られる相対値と、
目標値とを比較して他の操作量を決定する。従って、絶
対操作量が変更されると、相対角度信号は、この絶対角
度の変動とともに変化する。このため、複数の操作量を
制御する際に、一方が絶対操作量を制御するときには、
他方は相対操作量が選択される。これにより、絶対操作
量同士が制御されて制御作用が相互干渉する問題がな
く、緯入れタイミングは適正なものとなり、ハンチング
等は発生しない。
【0103】請求項2に記載の発明によれば、優先順位
設定手段によって設定された操作量の制御周期は優先順
位順に、優先順位が高いものほど制御周期が短いものと
して設定されている。優先順位の高い操作量は、制御手
段によって、頻繁に変更制御され、優先順位の低い操作
量は、優先順位の高い操作量より変更制御の間隔が大き
いものとなる。従って、優先順位の高い操作量が変更制
御された後のピックで、下位の操作量が制御される。こ
のため、上位の操作量の変更制御と、下位の操作量の変
更制御が相互干渉することなく全体として緯入れタイミ
ングは適正なものとなり、ハンチング等は発生しない。
【0104】請求項3に記載の発明によれば、優先順位
設定手段によって設定された操作量の非制御許容値は優
先順位順に、優先順位が高いものほど制御許容値が少な
いものとして設定されている。優先順位の高い操作量
は、制御手段によって、その非制御許容値を越える度に
変更制御される。一方、優先順位の低い操作量は、優先
順位の高い操作量よりその非制御許容値が大きいため変
更制御の間隔が大きい、すなわち感度が鈍いものとな
る。
【0105】また、優先順位の低い操作量の変更制御
は、優先順位の高い操作量が先に変更制御される。この
とき下位の操作量は感度が鈍いので、通常は制御されな
い。このため、また、優先順位の高い操作量が変更制御
されても、緯入れ状態が不適なときには、下位の操作量
も許容範囲が越えたことにより変更制御されることにな
る。このように上位と下位の操作量の変更制御が相互干
渉することなく、全体として緯入れタイミングは適正な
ものとなり、ハンチング等は発生しない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る流体噴射式織機の緯入れ制御装置
の概念ブロック図である。
【図2】本発明に係る流体噴射式織機の緯入れ制御装置
の第1の実施の形態を示すブロック図である。
【図3】図2に示した流体噴射式織機の緯入れ制御装置
の作動の状態を示すフローチャートである。
【図4】図2に示した流体噴射式織機の緯入れ制御装置
の制御器の作動の状態を示すフローチャートである。
【図5】図2に示した流体噴射式織機の緯入れ制御装置
の制御器の作動の状態を示すフローチャートである。
【図6】図2に示した流体噴射式織機の緯入れ制御装置
の制御器の作動の状態を示すフローチャートである。
【図7】図2に示した流体噴射式織機の緯入れ制御装置
の制御器の作動の状態を示すフローチャートである。
【図8】図2に示した流体噴射式織機の緯入れ制御装置
の制御器の作動の状態を示すフローチャートである。
【図9】図2に示した流体噴射式織機の緯入れ制御装置
の制御器の作動の状態を示すフローチャートである。
【図10】本発明に係る流体噴射式織機の緯入れ制御装
置の第2の実施の形態を示すブロック図である。
【図11】図10に示した流体噴射式織機の緯入れ制御
装置の作動を示すタイミングチャートである。
【図12】本発明に係る流体噴射式織機の緯入れ制御装
置の第3の実施の形態を示すブロック図である。
【図13】図12に示した流体噴射式織機の緯入れ制御
装置の作動を示すタイミングチャートである。
【図14】本発明が適用される流体噴射式織機を示すブ
ロック図である。
【図15】図14に示した流体噴射式織機の作動を示す
タイミングチャートである。
【図16】従来の流体噴射式織機の緯入れ制御装置作動
の状態を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
1 緯入れ装置 2 織機主軸 3−1…3−n 検出手段 4−1…4−m 設定手段 5 制御手段

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】緯入装置により緯入れされた緯糸を複数の
    タイミングで検出し、織機主軸の回転角度を基準とした
    検出値を出力する検出手段と、 上記織機主軸の回転角度を基準として上記緯糸の検出タ
    イミングに対応する目標値を設定する目標設定手段と、 上記検出値と目標値とを比較して、緯入装置の操作量を
    設定する制御手段とを備えた流体噴射式織機の緯入れ制
    御装置であって、 上記制御装置は、 上記検出手段が検出した検出値の絶対値と、上記目標設
    定手段に設定された目標値とを比較してこの絶対値に関
    連する緯入装置の操作量を制御する絶対操作量制御手段
    と、 上記検出手段により検出された2つの検出値の差として
    得られる相対値と、上記目標設定手段に入力された目標
    値の相対値とを比較してこの相対値に関連する緯入装置
    の操作量を制御する相対操作量制御手段と、 絶対操作量と相対操作量のいずれか一方を選択する選択
    手段と、 を備えたことを特徴とする流体噴射式織機の緯入れ制御
    装置。
  2. 【請求項2】緯入装置により緯入れされた緯糸を複数の
    タイミングで検出し、織機主軸の回転角度を基準とした
    検出値を出力する検出手段と、 上記織機主軸を基準として上記織機の検出タイミングに
    対応する目標値を設定する目標設定手段と、 上記検出値と目標値とを比較して、緯入装置の操作量を
    制御する制御手段とを備えた流体噴射式織機の緯入れ制
    御装置であって、 上記制御手段は、上記緯入れ装置の各操作量に制御優先
    順位を設ける優先順位設定手段を備え、 制御手段は、上記操作量の制御を所定周期で行なうと共
    に、 上記優先順位に基づいて上記操作量の制御周期を異なる
    値として設定したことを特徴とする流体噴射式織機の緯
    入れ制御装置。
  3. 【請求項3】緯入装置により緯入れされた緯糸を複数の
    タイミングで検出し、織機主軸の回転角度を基準とした
    検出値を出力する検出手段と、 上記織機主軸を基準として上記検出タイミングに対応す
    る目標値を設定する目標設定手段と、 上記検出値と目標値とを比較して、緯入装置の操作量を
    制御する制御手段とを備えた流体噴射式織機の緯入れ制
    御装置であって、 上記制御手段は緯入れ手段の各操作量に制御優先順位を
    設ける優先順位設定手段を備え、 制御手段は、上記操作量の制御を所定の許容範囲を越え
    た場合に行なうと共に、 上記優先順位に基づいて各操作量を制御する許容範囲を
    異なる値として設定したこと特徴とする流体噴射式織機
    の緯入れ制御装置。
JP27314497A 1997-10-06 1997-10-06 流体噴射式織機の緯入れ制御装置 Pending JPH11107120A (ja)

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