JP3590125B2 - 固定金具およびその固定金具による水栓ジョイントエルボの固定構造 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、建物内の浴室、トイレ、洗面室等の壁面に水栓を取り付ける場合に使用する水栓継手に関し、特にはその水栓継手を構成する水栓ジョイントエルボを壁板に固定するための固定金具および、その固定金具による水栓ジョイントエルボの固定構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の従来技術としては、例えば特公平4−65935号公報、特開平3−9187号公報、特開平3−161621号公報、および実開平5−83063号公報に開示されているものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の技術は、いずれも壁の内部に水栓ジョイントボックスを取り付けるものであり、この水栓ジョイントボックスを使用するとコストが嵩む上に、取り付けに手間がかかり、特に特公平4−65935号のものは、水栓の更新時に一旦水栓ジョイントボックスのロックナットを開放するため、水栓ジョイントボックスの固定に熟練を要するという問題点があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上述の問題点を解決するため本発明においては、挿入された給水または給湯用の送水管を固定する固定リングを一端部に有すると共に、外ねじ部およびその外ねじ部の基部に形成された略矩形板状の座板と内部に形成された水栓接続用のねじ孔とを他端部に有する水栓ジョイントエルボを壁板に固定するための固定金具を、L型金具と止め金具とよりなるものとし、前記L型金具は、帯板をL型に折り曲げて垂直板部と水平板部とを有するように形成され、前記垂直板部には、前記水栓ジョイントエルボの前記他端部を挿通される開口と、前記水栓ジョイントエルボの前記座板をビス止めするためのねじ孔と、当該垂直板部を前記壁板にねじ止めするためのねじ孔とが設けられ、前記水平板部には、前記水栓ジョイントエルボの前記固定リングに挿入される前記送水管にかぶせられる蛇腹状の鞘管を挿通される孔が設けられており、また前記止め金具は、平面形状が略コ字状をなすと共に、凹欠溝が設けられた上面板とその上面板の側縁部を折り曲げて形成された押さえばねとを有し、前記L型金具の前記水平板部に装着されて、それら上面板と押さえばねとで前記水平板部を挟圧すると共に、前記水平板部の前記孔内に挿通された前記鞘管の谷部を前記上面板の前記凹欠溝の内周縁部と前記水平板部の前記孔の内周縁部とに嵌合させてその鞘管を前記L型金具に固定する。
【0005】
また本発明においては、前記本発明の固定金具による水栓ジョイントエルボの固定構造を、挿入された給水または給湯用の送水管を固定する固定リングを一端部に有すると共に、外ねじ部およびその外ねじ部の基部に形成された略矩形板状の座板と内部に形成された水栓接続用のねじ孔とを他端部に有する水栓ジョイントエルボを用い、前記垂直板部の前記ねじ孔によって前記L型金具を壁板にねじ止めし、送水管を前記L型金具の前記水平板部の前記孔に挿通して前記水栓ジョイントエルボの前記固定リングに挿入すると共に、その水栓ジョイントエルボの前記座板および前記外ねじ部を前記L型金具の前記垂直板部の前記開口に挿通して前記壁板の開口に通し、前記送水管を覆う鞘管を前記L型金具の前記水平板部の前記孔に挿通して前記止め金具によってその水平板部に固定し、前記水栓ジョイントエルボの前記座板を前記L型金具の前記垂直板部の前記ねじ孔に、水栓の取り付け側からビス止めし、前記壁板の前記開口を覆う防水リングを前記水栓ジョイントエルボの前記外ねじ部にロックナットで締め付けて固定することにて構成する。
【0009】
【作用】
上述した本発明の固定金具によれば、水栓ジョイントボックスを使用せず、水栓ジョイントエルボをL型金具に固定し、このL型金具を浴室、トイレ、洗面室等の裏側の壁板の所定位置に正確に固定できるようにしたから、施工が容易であると共に、水栓の固定が確実であり、また水栓ジョイントボックスを使用しないからコストも低下する。また鞘管の谷部を止め金具の上面板の凹欠溝の内周縁部とL型金具の水平板部の孔の内周縁部とに嵌合させて鞘管をL型金具に固定するようにしたから、送水管の更新時においても、水栓ジョイントエルボの固定リングと送水管を外すことによって送水管を更新し得て、その更新を迅速容易に行うことができる。
【0010】
また、上述した本発明の水栓ジョイントエルボの固定構造によっても、鞘管を止め金具によってL型金具の水平板部に固定するようにしたから、送水管の更新時に、水栓ジョイントエルボの固定リングと送水管を外すことによって送水管を更新し得て、その更新を迅速容易に行うことができる。
【0014】
【実施例】
以下、図面について本発明の実施例を説明する。図中1は建物内の浴室、トイレ、洗面室等の水栓を取り付けようとする壁板で、1aはその表面の壁板(例えば塩ビ鋼板、タイル、フレキ、FRP)、1bは壁板1aの裏面に添接した壁板調整部材(例えばベニヤ板、集成材)である。2は壁板1に取り付ける水栓の一例を示すものであり、また3は壁板1の裏側に設けた送水管(PB管)で、4は送水管3にかぶせた蛇腹状の鞘管(CD管)である。壁板1aの厚さは各ユニットバスメーカーによって異なるので、壁板調整部材1bの厚さを変えることによって壁板1の全体としての厚さW(図1参照)を一定範囲内に納まるように調整する。壁板調整部材1bとして使用するベニヤ板の規格品としては、例えば9mm、12mm、15mmの板厚のものがよく使用される。
【0015】
本実施例においては、図3に詳細に示すように、エルボの一端部に、挿入した送水管3を固定する固定リング5aを有し、エルボの他端部に、外周に外ねじを形成した外ねじ部5bを有すると共に、その他端部の内部に水栓接続用のねじ孔5cを設け、この外ねじ部5bの基部に略矩形板状の座板5dを鍔状に突設すると共に、この座板5dの両側にそれぞれビス挿通孔5eを設けて水栓ジョイントエルボ5を構成する。
【0016】
また、図4に詳細に示すように、鋼板製の帯板をL型に折り曲げ、その垂直板部6aを壁板1の裏面に4個の孔6bを介してねじ止めできるようにし、その中央部に前記水栓ジョイントエルボ5の固定リング5a側を挿通できる開口6cを有すると共に、この開口6cの両側縁部にそれぞれ前記水栓ジョイントエルボ5の座板5dをビス止めできるねじ孔6dを有し、水平板部6eに前記水栓ジョイントエルボ5の固定リング5aに接続した送水管3にかぶせた蛇腹状の鞘管4(図1,2参照)を嵌合する孔6fを設けてL型金具6を構成する。
【0017】
また、図5に詳細に示すように、ばね鋼板を素材として、平面形状が略コ字状で、その凹欠溝7aの開口側でない側縁部を一方に折り曲げて押さえばね7bを形成して、この押さえばね7bと上面板7cとの間で、前記L型金具6の水平板部6eを挟圧できるようにして止め金具7を形成する。
【0018】
また、図6はゴム等の弾性物製のシートから形成したリング状の止水マット8を示すもので、図7は止水マット8を介して壁板1に接合するリング状の防水リング9であり、図8は水栓ジョイントエルボ5の外ねじ部5bと螺合する八角のロックナット10を示すものである。なお11(図1参照)はロックナット10を覆うようにロックナット10にかぶせる化粧カップである。
【0019】
上述の如く構成した水栓継手において、本発明の実施例の固定金具は、上述したL型金具6と止め金具7とによって構成する。また本発明の実施例の水栓ジョイントエルボの固定構造は、上述した水栓ジョイントエルボ5と防水リング9とロックナット10とL型金具6と止め金具7とによって構成する。
【0020】
なお、前記した水栓継手を使用して、前記水栓ジョイントエルボ5の固定リング5aに各現場において定められている所定長の送水管3を接続すると共に、この送水管3に所定長の鞘管4をかぶせ、この鞘管4をL型金具6の水平板部6eに設けた孔6fに挿通すると共に、水栓ジョイントエルボ5を座板5dとビス12(図1参照)を介して前記L型金具6の垂直板部6aに固定したものを、ユニットとして工場においてあらかじめ組み立てておくと便利である。
【0021】
また、前記した水栓ジョイントエルボ取り付け用の壁板1に設けた開口1cの幅(径)と、前記水栓ジョイントエルボ5の略矩形板状の座板5dの幅を、両者の嵌合時において隙間がない程度に近似させておけば、水栓継手を壁板1に取り付ける場合に、水栓ジョイントエルボ5の外ねじ部5bを壁板1の開口1cに挿入した時に開口1cと水栓ジョイントエルボ5の芯ずれを防止することができる。
【0022】
また、壁板1の厚さを厚さの異なるベニヤ板等の壁板調整部材1bを表面の壁板1aに添着することによって、壁板1の全体の厚さを常に略一定にすれば、この壁板1に取り付ける水栓ジョイントエルボ5の寸法が一種類で足りるから、施工上有利になる。
【0023】
【発明の効果】
上述のように本発明の固定金具によれば、水栓ジョイントボックスを使用せず、水栓ジョイントエルボ5をL型金具6に固定し、このL型金具6を浴室、トイレ、洗面室等の裏側の壁板1に固定できるようにしたから、施工が容易であると共に、水栓2の固定が確実であり、また水栓ジョイントボックスを使用しないからコストも低下する。さらに蛇腹状の鞘管4の谷部4aを止め金具7の凹欠溝7aの内周縁部とL型金具6の孔6fの内周縁部とに嵌合させて鞘管4をL型金具6に固定するようにしたから、送水管3の更新時においても、水栓ジョイントエルボ5の座板5dとL型金具6を外し、L型金具6の開口6cから水栓ジョイントエルボ5を取り出すと共に、水栓ジョイントエルボ5の固定リング5aと送水管3を外すことによって送水管3を更新し得て、更新が迅速容易にできるという効果が得られる。
【0024】
また、上述のように本発明の水栓ジョイントエルボの固定構造によっても、蛇腹状の鞘管4の谷部4aを止め金具7の凹欠溝7aの内周縁部とL型金具6の孔6fの内周縁部とに嵌合させて鞘管4をL型金具6に固定するようにしたから、送水管3の更新時に、水栓ジョイントエルボ5の固定リング5aと送水管3を外すことによって送水管3を更新し得て、その更新を迅速容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の水栓継手を壁に取り付けた状態を示す立断面図である。
【図2】図1のA矢視図である。
【図3】(a)は、水栓ジョイントエルボの一部を断面で示す側面図であり、
(b)は、(a)のB矢視図である。
【図4】(a)は、L型金物の側面図であり、
(b)は、その正面図であり、
(c)は、(b)の平面図である。
【図5】(a)は、止め金具の側面図であり、
(b)は、その下面図である。
【図6】(a)は、止水マットの正面図であり、
(b)は、その断面図である。
【図7】(a)は、防水リングの正面図であり、
(b)は、その断面図である。
【図8】(a)は、ロックナットの正面図であり、
(b)は、その側面図である。
【符号の説明】
1 壁板
1a 表面の壁板
1b 壁板調整部材(ベニヤ板)
1c 開口
2 水栓
3 送水管
4 鞘管
4a 谷部
5 水栓ジョイントエルボ
5a 固定リング
5b 外ねじ部
5c ねじ孔
5d 座板
5e ビス挿通孔
6 L型金具
6a 垂直板部
6b 孔
6c 開口
6d ねじ孔
7 止め金具
7a 凹欠溝
7b 押さえばね
7c 上面板
8 止水マット
9 防水リング
10 ロックナット
11 化粧カップ
12,13 ビス
【産業上の利用分野】
本発明は、建物内の浴室、トイレ、洗面室等の壁面に水栓を取り付ける場合に使用する水栓継手に関し、特にはその水栓継手を構成する水栓ジョイントエルボを壁板に固定するための固定金具および、その固定金具による水栓ジョイントエルボの固定構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の従来技術としては、例えば特公平4−65935号公報、特開平3−9187号公報、特開平3−161621号公報、および実開平5−83063号公報に開示されているものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の技術は、いずれも壁の内部に水栓ジョイントボックスを取り付けるものであり、この水栓ジョイントボックスを使用するとコストが嵩む上に、取り付けに手間がかかり、特に特公平4−65935号のものは、水栓の更新時に一旦水栓ジョイントボックスのロックナットを開放するため、水栓ジョイントボックスの固定に熟練を要するという問題点があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上述の問題点を解決するため本発明においては、挿入された給水または給湯用の送水管を固定する固定リングを一端部に有すると共に、外ねじ部およびその外ねじ部の基部に形成された略矩形板状の座板と内部に形成された水栓接続用のねじ孔とを他端部に有する水栓ジョイントエルボを壁板に固定するための固定金具を、L型金具と止め金具とよりなるものとし、前記L型金具は、帯板をL型に折り曲げて垂直板部と水平板部とを有するように形成され、前記垂直板部には、前記水栓ジョイントエルボの前記他端部を挿通される開口と、前記水栓ジョイントエルボの前記座板をビス止めするためのねじ孔と、当該垂直板部を前記壁板にねじ止めするためのねじ孔とが設けられ、前記水平板部には、前記水栓ジョイントエルボの前記固定リングに挿入される前記送水管にかぶせられる蛇腹状の鞘管を挿通される孔が設けられており、また前記止め金具は、平面形状が略コ字状をなすと共に、凹欠溝が設けられた上面板とその上面板の側縁部を折り曲げて形成された押さえばねとを有し、前記L型金具の前記水平板部に装着されて、それら上面板と押さえばねとで前記水平板部を挟圧すると共に、前記水平板部の前記孔内に挿通された前記鞘管の谷部を前記上面板の前記凹欠溝の内周縁部と前記水平板部の前記孔の内周縁部とに嵌合させてその鞘管を前記L型金具に固定する。
【0005】
また本発明においては、前記本発明の固定金具による水栓ジョイントエルボの固定構造を、挿入された給水または給湯用の送水管を固定する固定リングを一端部に有すると共に、外ねじ部およびその外ねじ部の基部に形成された略矩形板状の座板と内部に形成された水栓接続用のねじ孔とを他端部に有する水栓ジョイントエルボを用い、前記垂直板部の前記ねじ孔によって前記L型金具を壁板にねじ止めし、送水管を前記L型金具の前記水平板部の前記孔に挿通して前記水栓ジョイントエルボの前記固定リングに挿入すると共に、その水栓ジョイントエルボの前記座板および前記外ねじ部を前記L型金具の前記垂直板部の前記開口に挿通して前記壁板の開口に通し、前記送水管を覆う鞘管を前記L型金具の前記水平板部の前記孔に挿通して前記止め金具によってその水平板部に固定し、前記水栓ジョイントエルボの前記座板を前記L型金具の前記垂直板部の前記ねじ孔に、水栓の取り付け側からビス止めし、前記壁板の前記開口を覆う防水リングを前記水栓ジョイントエルボの前記外ねじ部にロックナットで締め付けて固定することにて構成する。
【0009】
【作用】
上述した本発明の固定金具によれば、水栓ジョイントボックスを使用せず、水栓ジョイントエルボをL型金具に固定し、このL型金具を浴室、トイレ、洗面室等の裏側の壁板の所定位置に正確に固定できるようにしたから、施工が容易であると共に、水栓の固定が確実であり、また水栓ジョイントボックスを使用しないからコストも低下する。また鞘管の谷部を止め金具の上面板の凹欠溝の内周縁部とL型金具の水平板部の孔の内周縁部とに嵌合させて鞘管をL型金具に固定するようにしたから、送水管の更新時においても、水栓ジョイントエルボの固定リングと送水管を外すことによって送水管を更新し得て、その更新を迅速容易に行うことができる。
【0010】
また、上述した本発明の水栓ジョイントエルボの固定構造によっても、鞘管を止め金具によってL型金具の水平板部に固定するようにしたから、送水管の更新時に、水栓ジョイントエルボの固定リングと送水管を外すことによって送水管を更新し得て、その更新を迅速容易に行うことができる。
【0014】
【実施例】
以下、図面について本発明の実施例を説明する。図中1は建物内の浴室、トイレ、洗面室等の水栓を取り付けようとする壁板で、1aはその表面の壁板(例えば塩ビ鋼板、タイル、フレキ、FRP)、1bは壁板1aの裏面に添接した壁板調整部材(例えばベニヤ板、集成材)である。2は壁板1に取り付ける水栓の一例を示すものであり、また3は壁板1の裏側に設けた送水管(PB管)で、4は送水管3にかぶせた蛇腹状の鞘管(CD管)である。壁板1aの厚さは各ユニットバスメーカーによって異なるので、壁板調整部材1bの厚さを変えることによって壁板1の全体としての厚さW(図1参照)を一定範囲内に納まるように調整する。壁板調整部材1bとして使用するベニヤ板の規格品としては、例えば9mm、12mm、15mmの板厚のものがよく使用される。
【0015】
本実施例においては、図3に詳細に示すように、エルボの一端部に、挿入した送水管3を固定する固定リング5aを有し、エルボの他端部に、外周に外ねじを形成した外ねじ部5bを有すると共に、その他端部の内部に水栓接続用のねじ孔5cを設け、この外ねじ部5bの基部に略矩形板状の座板5dを鍔状に突設すると共に、この座板5dの両側にそれぞれビス挿通孔5eを設けて水栓ジョイントエルボ5を構成する。
【0016】
また、図4に詳細に示すように、鋼板製の帯板をL型に折り曲げ、その垂直板部6aを壁板1の裏面に4個の孔6bを介してねじ止めできるようにし、その中央部に前記水栓ジョイントエルボ5の固定リング5a側を挿通できる開口6cを有すると共に、この開口6cの両側縁部にそれぞれ前記水栓ジョイントエルボ5の座板5dをビス止めできるねじ孔6dを有し、水平板部6eに前記水栓ジョイントエルボ5の固定リング5aに接続した送水管3にかぶせた蛇腹状の鞘管4(図1,2参照)を嵌合する孔6fを設けてL型金具6を構成する。
【0017】
また、図5に詳細に示すように、ばね鋼板を素材として、平面形状が略コ字状で、その凹欠溝7aの開口側でない側縁部を一方に折り曲げて押さえばね7bを形成して、この押さえばね7bと上面板7cとの間で、前記L型金具6の水平板部6eを挟圧できるようにして止め金具7を形成する。
【0018】
また、図6はゴム等の弾性物製のシートから形成したリング状の止水マット8を示すもので、図7は止水マット8を介して壁板1に接合するリング状の防水リング9であり、図8は水栓ジョイントエルボ5の外ねじ部5bと螺合する八角のロックナット10を示すものである。なお11(図1参照)はロックナット10を覆うようにロックナット10にかぶせる化粧カップである。
【0019】
上述の如く構成した水栓継手において、本発明の実施例の固定金具は、上述したL型金具6と止め金具7とによって構成する。また本発明の実施例の水栓ジョイントエルボの固定構造は、上述した水栓ジョイントエルボ5と防水リング9とロックナット10とL型金具6と止め金具7とによって構成する。
【0020】
なお、前記した水栓継手を使用して、前記水栓ジョイントエルボ5の固定リング5aに各現場において定められている所定長の送水管3を接続すると共に、この送水管3に所定長の鞘管4をかぶせ、この鞘管4をL型金具6の水平板部6eに設けた孔6fに挿通すると共に、水栓ジョイントエルボ5を座板5dとビス12(図1参照)を介して前記L型金具6の垂直板部6aに固定したものを、ユニットとして工場においてあらかじめ組み立てておくと便利である。
【0021】
また、前記した水栓ジョイントエルボ取り付け用の壁板1に設けた開口1cの幅(径)と、前記水栓ジョイントエルボ5の略矩形板状の座板5dの幅を、両者の嵌合時において隙間がない程度に近似させておけば、水栓継手を壁板1に取り付ける場合に、水栓ジョイントエルボ5の外ねじ部5bを壁板1の開口1cに挿入した時に開口1cと水栓ジョイントエルボ5の芯ずれを防止することができる。
【0022】
また、壁板1の厚さを厚さの異なるベニヤ板等の壁板調整部材1bを表面の壁板1aに添着することによって、壁板1の全体の厚さを常に略一定にすれば、この壁板1に取り付ける水栓ジョイントエルボ5の寸法が一種類で足りるから、施工上有利になる。
【0023】
【発明の効果】
上述のように本発明の固定金具によれば、水栓ジョイントボックスを使用せず、水栓ジョイントエルボ5をL型金具6に固定し、このL型金具6を浴室、トイレ、洗面室等の裏側の壁板1に固定できるようにしたから、施工が容易であると共に、水栓2の固定が確実であり、また水栓ジョイントボックスを使用しないからコストも低下する。さらに蛇腹状の鞘管4の谷部4aを止め金具7の凹欠溝7aの内周縁部とL型金具6の孔6fの内周縁部とに嵌合させて鞘管4をL型金具6に固定するようにしたから、送水管3の更新時においても、水栓ジョイントエルボ5の座板5dとL型金具6を外し、L型金具6の開口6cから水栓ジョイントエルボ5を取り出すと共に、水栓ジョイントエルボ5の固定リング5aと送水管3を外すことによって送水管3を更新し得て、更新が迅速容易にできるという効果が得られる。
【0024】
また、上述のように本発明の水栓ジョイントエルボの固定構造によっても、蛇腹状の鞘管4の谷部4aを止め金具7の凹欠溝7aの内周縁部とL型金具6の孔6fの内周縁部とに嵌合させて鞘管4をL型金具6に固定するようにしたから、送水管3の更新時に、水栓ジョイントエルボ5の固定リング5aと送水管3を外すことによって送水管3を更新し得て、その更新を迅速容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の水栓継手を壁に取り付けた状態を示す立断面図である。
【図2】図1のA矢視図である。
【図3】(a)は、水栓ジョイントエルボの一部を断面で示す側面図であり、
(b)は、(a)のB矢視図である。
【図4】(a)は、L型金物の側面図であり、
(b)は、その正面図であり、
(c)は、(b)の平面図である。
【図5】(a)は、止め金具の側面図であり、
(b)は、その下面図である。
【図6】(a)は、止水マットの正面図であり、
(b)は、その断面図である。
【図7】(a)は、防水リングの正面図であり、
(b)は、その断面図である。
【図8】(a)は、ロックナットの正面図であり、
(b)は、その側面図である。
【符号の説明】
1 壁板
1a 表面の壁板
1b 壁板調整部材(ベニヤ板)
1c 開口
2 水栓
3 送水管
4 鞘管
4a 谷部
5 水栓ジョイントエルボ
5a 固定リング
5b 外ねじ部
5c ねじ孔
5d 座板
5e ビス挿通孔
6 L型金具
6a 垂直板部
6b 孔
6c 開口
6d ねじ孔
7 止め金具
7a 凹欠溝
7b 押さえばね
7c 上面板
8 止水マット
9 防水リング
10 ロックナット
11 化粧カップ
12,13 ビス
Claims (2)
- 挿入された給水または給湯用の送水管(3)を固定する固定リング(5a)を一端部に有すると共に、外ねじ部(5b)およびその外ねじ部の基部に形成された略矩形板状の座板(5d)と内部に形成された水栓接続用のねじ孔(5c)とを他端部に有する水栓ジョイントエルボ(5)を壁板(1)に固定するための固定金具であって、
帯板をL型に折り曲げて垂直板部(6a)と水平板部(6e)とを有するように形成され、前記垂直板部(6a)には、前記水栓ジョイントエルボ(5)の前記他端部を挿通される開口(6c)と、前記水栓ジョイントエルボ(5)の前記座板(5d)をビス止めするためのねじ孔(6d)と、当該垂直板部(6a)を前記壁板(1)にねじ止めするためのねじ孔(6b)とが設けられ、前記水平板部(6e)には、前記水栓ジョイントエルボ(5)の前記固定リング(5a)に挿入される前記送水管(3)にかぶせられる蛇腹状の鞘管(4)を挿通される孔(6f)が設けられたL型金具(6)と、
平面形状が略コ字状をなすと共に、凹欠溝(7a)が設けられた上面板(7c)とその上面板の側縁部を折り曲げて形成された押さえばね(7b)とを有し、前記L型金具(6)の前記水平板部(6e)に装着されて、それら上面板(7c)と押さえばね(7b)とで前記水平板部(6e)を挟圧すると共に、前記水平板部(6e)の前記孔(6f)内に挿通された前記鞘管(4)の谷部(4a)を前記上面板(7c)の前記凹欠溝(7a)の内周縁部と前記水平板部(6e)の前記孔(6f)の内周縁部とに嵌合させてその鞘管(4)を前記L型金具(6)に固定する止め金具(7)と、
よりなる固定金具。 - 請求項1記載の固定金具による水栓ジョイントエルボの固定構造であって、
挿入された給水または給湯用の送水管(3)を固定する固定リング(5a)を一端部に有すると共に、外ねじ部(5b)およびその外ねじ部の基部に形成された略矩形板状の座板(5d)と内部に形成された水栓接続用のねじ孔(5c)とを他端部に有する水栓ジョイントエルボ(5)を用い、
前記垂直板部(6a)の前記ねじ孔(6b)によって前記L型金具(6)を壁板(1)にねじ止めし、
送水管(3)を前記L型金具(6)の前記水平板部(6e)の前記孔(6f)に挿通して前記水栓ジョイントエルボ(5)の前記固定リング(5a)に挿入すると共に、その水栓ジョイントエルボ(5)の前記座板(5d)および前記外ねじ部(5b)を前記L型金具(6)の前記垂直板部(6a)の前記開口(6c)に挿通して前記壁板(1)の開口(1c)に通し、
前記送水管(3)を覆う鞘管(4)を前記L型金具(6)の前記水平板部(6e)の前記孔(6f)に挿通して前記止め金具(7)によってその水平板部に固定し、
前記水栓ジョイントエルボ(5)の前記座板(5d)を前記L型金具(6)の前記垂直板部(6a)の前記ねじ孔(6d)に、水栓(2)の取り付け側からビス止めし、
前記壁板(1)の前記開口(1c)を覆う防水リング(9)を前記水栓ジョイントエルボ(5)の前記外ねじ部(5b)にロックナット(10)で締め付けて固定することを特徴とする水栓ジョイントエルボの固定構造。
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