JPH0415819Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、キヤビネツトの上に設けたカウンタ
ーに洗面器またはシンク等を一体的に組み込む構
成の水周り容器の取付け構造に関する。

〔従来の技術〕 従来、洗面器やシンク等の水周り容器の取付け
構造としては、比較的に間口の狭いキヤビネツト
の上に水周り容器を直接載せて固定したもの、及
び人工大理石等のカウンターに一体化したもの等
が広く一般に普及している。後者の場合、水周り
容器をカウンターの下面に吊り下げる構造とした
ものや、水周り容器の上端部の周面に外側へ突き
出るリムを設けてこれをカウンター面に載せるよ
うにしたもの及びカウンターと水周り容器とを一
体成型したもの等がある。

このような水周り容器の取付け構造において、
近来では、カウンターと水周り容器の上面とを同
じレベルとなるように配置するようにしたものが
ある。これは、第４図ａに示すように、カウンタ
ー１に取付口２を開け、この取付口２の形状に沿
うように洗面器３の上端の周囲を形成して組み込
んだものである。そして、第４図ｂ（同図ａのＩ
−Ｉ線矢視による断面図）のように、洗面器３と
取付口２との間の隙間を隠すと共にシールするた
めに、ステンレス板等を利用した環状のフレーム
４を両者の縁部の上面に設けている。

また、洗面器３は、その縁部の周囲を複数の吊
り金具５によつてカウンター１に固定される。こ
の吊り金具５は、２本のボルト７，８を下方から
螺合した支持プレート６を備えている。そして、
一方のボルト７をカウンター１の下面に予め固定
した木等の支持ブロツク９の下面に押圧し、且つ
他方のボルト８の上端を洗面器３の下面に押圧す
してこれを固定保持する。

更に、フレーム４は、吊り金具５の位置に対応
するように複数の係合孔４ａを設け、この係合孔
４ａ及び支持プレート６との間に連結ピース１０
を配置している。この連結ピース１０は、ボルト
７を利用して支持プレート６の上下レベルを調整
することにより、フレーム４をカウンター１及び
洗面器３に密着させることができる。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところが、カウンター１の前面側には、キヤビ
ネツトの幕板１１が位置し、カウンター１はこの
幕板１１によつて支持される。したがつて、フレ
ーム４の前縁部分を支持する吊り金具５を設ける
ために支持ブロツク９を幕板１１と取付口２との
間に設ける必要がある。

しかし、カウンター１の前面と取付口２との距
離が大きくなり、洗面器３はカウンター１の前縁
から奥側に配置しなければならない。このため、
洗面器３をカウンター１の前側に近い位置に寄せ
ることができず、使用するときには、特に子供等
の場合では大きく身を乗り出す必要があり、使い
勝手の面で難点がある。また、これを避けるため
に、洗面器３の前縁部分に備えるべき吊り金具５
を省くと、フレーム４に対する拘束力が弱くなつ
て、フレームが浮き上がり、シール不良等を招く
原因となつてしまう。なお、以上のような問題は
厨房設備におけるシンク等でも同様である。

そこで、本考案は、洗面器やシンク等の水周り
容器をカウンターの前縁に近づけて使いやすくす
ると共に、フレームの浮き上がりを完全に防止す
ることを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、以上の目的を達成するために、カウ
ンタに取付口を開け、該取付口に洗面器またはシ
ンク等の水周り容器の上端部を組み込むと共に吊
り金具によつて該水周り容器をカウンターに固定
し、更に前記取付口及び水周り容器の縁部上面を
覆う金属板のフレームを設けた水周り容器の取付
け構造において、前記カウンターの前面下部に位
置するキヤビネツトの幕板背面に取付けた固定座
と、上端部に前記フレームへの係合部と下端部に
前記幕板側に突設する下片を形成し、更に前記下
片の両端部から下方に伸延すると共に前面が幕板
背面に沿うアームを有するフツクとを備え、前記
フツクの係合部を前記フレームの下端に係合し、
更に前記フツクの下片に螺合したボルトで前記フ
ツクを前記固定座に取り付けたことを特徴とす
る。

〔実施例〕

以下、図面に示す実施例により本考案の特徴を
具体的に説明する。

なお、本実施例では、洗面化粧台に対する洗面
器の取付構造を挙げ、従来技術の項で述べた部材
と同じものには共通の符番によつて指示しその詳
細な説明を省略した。

第１図は本考案の一実施例を示す要部の縦断面
図である。

洗面器３は、第４図の従来例と同様に、その周
囲を７個の吊り金具５と１個の固定具２０によつ
て合計８個所のポイントでカウンター１の下面に
固定される。このために、吊り金具５を設けるカ
ウンター１の下面には、支持ブロツク９をその必
要とする位置に設けている。そして、これらの７
個の吊り金具５は、従来技術の項でのべたものと
全く同様であり、フレーム４を連結ピース１０に
より下方に引き下げてこれがカウンター１及び洗
面器３の縁部を覆うように固定している。

カウンター１の最も前端に位置する部分には、
フレーム４を下方に引き下げる固定具２０を設け
ている。この固定具２０は、第２図の分解斜視図
に示すように、幕板１１の背面にビス２１によつ
て連結された固定座２２、フレーム４の係合孔４
ａに上端が嵌め込まれるフツク２３及び該フツク
２３に下方から螺合されるボルト２４とから構成
される。

固定座２２は、ほぼＬ字状の縦断面を持ち、第
１図に示すように、奥側へ突き出た下片２２ａの
下面のボルト２４の上端が当接する。

一方、フツク２３は、第３図に示すように、上
片２３ｂの前面側に断面形状がＵ字状の係合片２
３ｃを一体化している。この係合片２３ｃは、た
とえば薄肉の金属板を素材として曲げ加工を施し
たものであり、スポツト溶接等により上片２３ｂ
に接合している。このような金属板を係合片２３
ｃの素材とすることにより、係合孔４ａに深く嵌
まり込む形状とすることができ、一旦装着した後
には係合が外れることがない。なお、係合片２３
ｃは、これに限られることなく上片２３ｂを前面
側にＵ字状に折り曲げた形状でもよいことは言う
までもない。

更に、フツク２３の下片２３ａは、その両端を
下方へ折り曲げて二股状のアーム２５を形成して
おり、その下片２３ａの中央部にボルト２４を上
下に進退可能に螺合している。

なお、固定座２２の下片２２ａの先端をフツク
２３の中間部の前面に当接させると共に、フツク
２３の下片２３ａの先端折曲部２５の前面部分が
幕板１１に当接しない寸法形状としておき、ボル
ト２４を上下に進退させるときに該折曲部２５の
前面部分が幕板１１の背面に食い込むことを防止
する。

上記構成において、洗面器３は、まずカウンタ
ー１の取付口２の周囲に配置した７個の吊り金具
５によつてカウンター１に固定される。このと
き、フレーム４の係合孔４ａ内には、連結ピース
１０の上端が嵌まり込み、ボルト７，８の操作に
よつてフレーム４を引き下げてカウンター１及び
洗面器３に密着するように固定する。

次いで、ボルト２４を螺合させたフツク２３の
上片２３ｂに接合した係合片２３ｃをフレーム４
の最前列の係合孔４ａに嵌める。そして更に、ボ
ルト２４を上側に締め上げてその上端を固定座２
２の下片２２ａの下面に当て、その反作用により
フツク２３を下方に引き下げる。

このフツク２３の下方への移動により、フレー
ム４はその前端部も含めてカウンター１及び洗面
器３の上面に密着する。

ここで、固定具２０は、その奥行き方向の寸法
が短く、しかも幕板１１に直に固定されているの
で、幕板１１からフレーム４までの距離が短くな
る。すなわち、カウンター１の前端からフレーム
４及び洗面器３までの間隔が小さくなり、結果的
に洗面器３を前面に位置させることができる。し
たがつて洗面器３を使用するとき、子供等のよう
に身長が低くても、大きく身を乗り出すことなく
楽な姿勢で洗顔等が行える。

また、洗面器３及びカウンター１のそれぞれの
縁部をカバーするフレーム４は、前端を含めて強
固に支持されるため、浮き上がりや撓み変形を生
じることはない。したがつて、フレーム４の下面
と洗面器３及びカウンター１の上面との間を適当
なシール剤で密封しておけば、経時後に水漏れ等
を生じることなく完全なシールが可能となる。

また、作業時には、前記アーム２５部分を指に
持つて上片２３ｂに接合した係合片２３ｃ部分を
フレーム４の係合孔４ａに引つ掛けて係合させた
後、ボルト２４を螺合する。このように、フツク
２３の上片２３ｂに接合した部材２３ｃをＵ字形
状としたことによつて、フレーム４の係合孔４ａ
への引つ掛け作業が容易となり、且つボルト２４
によつて締め上げても係合孔４ａからフツクが離
脱しにくくなる。

更に、下片２３ａの両側にアーム２５を設けた
ことにより、洗面器３と幕板１１との間の隙間が
狭い場合でも、このアーム２５を手先で取り扱え
ば係合片２３ｃと係合孔４ａとの掛け合わせも容
易となり、楽に組み立てることができる。

なお、本実施例においては、洗面化粧台におけ
る洗面器の取付け構造について述べたが、その他
にも台所等において、シンクを取り付ける場合に
も適用できることは言うまでもない。

〔考案の効果〕

以上に説明したように、本考案の水周り容器の
取付け構造においては、水周り容器の縁部を覆う
金属板のフレームの前端部を、キヤビネツトの幕
板の背面に取付けた固定具のフツクに係合させる
ことによつて該フレームを固定するようにしてい
る。また、フツクには下方に伸びるアームを設
け、このアームを水周り容器と幕板の背面との間
に位置させている。したがつて、水周り容器の取
付口よりも前側のカウンター下面に配置する従来
の固定具を利用した場合に比べて、フレームの前
端部を幕板に近い側に位置させることができる。
このため、カウンターの前端からフレーム及び水
周り容器までの距離が短くなり、子供のように身
長が低くても、大きく身を乗り出すことなく楽な
姿勢で使用できる。また、フレームの前端部も含
めてカウンター面に引き付けて固定できるので、
フレームの浮き上がりも防止できる。更に、フツ
クの下部に形成したアームの前面部を、幕板の背
面に沿わせながら上方に移動させてフレームにフ
ツクを取り付けることができ、水周り容器と幕板
との間が狭い場合でも、フレームとフツクとを簡
単に係合させることができ、水周り容器の取付け
作業が効率的に行える。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す要部の縦断面
図、第２図は固定具の分解斜視図、第３図は本考
案のフツクを示す斜視図、第４図は従来例を示す
ものである。 １……カウンター、２……取付口、３……洗面
器（水周り容器）、４……フレーム、４ａ……係
合孔、５……吊り金具、６……支持プレート、
７，８……ボルト、９……支持ブロツク、１０…
…連結ピース、１１……幕板、２０……固定具、
２１……ビス、２２……固定座、２３……フツ
ク、２４……ボルト、２５……アーム。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 カウンタ１に取付口２を開け、該取付口２に洗
   面器またはシンク等の水周り容器３の上端部を組
   み込むと共に吊り金具５によつて該水周り容器３
   をカウンター１に固定し、更に前記取付口２及び
   水周り容器３の縁部上面を覆う金属板のフレーム
   ４を設けた水周り容器の取付け構造において、 前記カウンター１の前面下部に位置するキヤビ
   ネツトの幕板１１背面に取付けた固定座２２と、
   上端部に前記フレーム４への係合部２３ｃと下端
   部に前記幕板１１側に突設する下片２３ａを形成
   し、更に前記下片２３ａの両端部から下方に伸延
   すると共に前面が幕板１１背面に沿うアーム２５
   を有するフツク２３とを備え、 前記フツク２３の係合部２３ｃを前記フレーム
   ４の下端に係合し、更に前記フツク２３の下片２
   ３ａに螺合したボルト２４で前記フツク２３を前
   記固定座２２に取り付けたことを特徴とする洗面
   器またはシンク等の水周り容器の取付け構造。