JPH0352860Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、取付用のフレームによつて洗面器を
洗面カウンターに取りつけた取付構造に関するも
のであつて、洗面器の洗面カウンターへの仮固定
作業が容易かつ確実になるように改良したもので
ある。

〔従来の技術〕 洗面器を洗面カウンターに取り付ける手段の一
つに、取付用フレームを用いるものがある。この
フレーム式取付構造は、第４図に示す如く、洗面
カウンター１２と、洗面器１０と、洗面器取付用
のフレーム１４とより構成される。洗面カウンタ
ー１２には洗面器取付用の切欠部１３が形成され
ている。洗面器１０は、平面形状が前記切欠部１
３よりも小さくなされて前記切欠部１３に嵌め込
まれる。フレーム１４は、平面形状が前記切欠部
１３とほぼ同形状で且つやや大きくなされてお
り、洗面器１０と洗面カウンター１２との間に介
装される。

次に、上記フレーム１４によつて洗面器１０を
洗面カウンター１２に取りつけた状態を、第５図
の正面断面図によつて説明する。同図において１
２は洗面カウンター、１０は洗面器、１４はフレ
ームである。そしてフレーム１４は、洗面カウン
ター１２と洗面器１０との間に介装されている。
当該フレーム１４は、水平部１５と該水平部１５
の下面１５ａに垂設された垂下部１６とからなる
断面Ｔ字状の部材である。前記水平部１５は洗面
カウンター１２と洗面器１０との間の隙間を被覆
している。美観の向上を図るため、水平部上面１
５ｂは化粧仕上げされる。前記垂下部１６は、洗
面カウンター１２の切欠部内周面１７と洗面器１
０の周縁部側面１８ａとの間に挿入されている。
垂下部１６には、フレーム１４を洗面カウンター
１２へ固定すると共に洗面器１０をフレーム１４
へ固定するための固定治具２０が取りつけられて
いる。該固定治具２０にはフレーム固定用螺子２
１及び洗面器固定用螺子２２がそれぞれ螺着され
ている。フレーム固定用螺子２１を洗面カウンタ
ー下面１２ａへ締め付けて洗面カウンター１２を
水平部下面１５ａとの間で挟持することにより、
フレーム１４は洗面カウンター１２に固定され
る。同様に、洗面器１０のフレーム１４への取り
つけも、固定治具２０の洗面器固定用螺子２２を
洗面器周縁部１８の下面１８ｂへ締め付け、水平
部下面１５ａとの間で洗面器１０の周縁部１８を
挟持することによりなされる。

なお、所望により洗面カウンター下面１２ａと
フレーム固定用螺子２１との間に角材３０等を介
在させてもよい。また、フレーム水平部１５の下
面１５ａにシール剤２３を塗布して漏水防止をは
かることも行われている。

次に、洗面器１０の洗面カウンター１２への取
付手順を説明する。最初に洗面器１０とフレーム
１４とを仮固定して一体化する。この仮固定手段
は、第６図ａ及びｂに示す如く、上縁面１９へフ
レーム１４を被冠させた洗面器１０の上面に洗面
カウンター１２の切欠部１３寸法よりも長寸法の
角材３１を添わせると共に、排水口２５の下端面
２６に短寸法の角材３２を添わせる。そして、ワ
イヤ４０等を上下の角材３１，３２間に架け渡し
て締め付けることにより、角材３１，３２間に洗
面器１０を挟持するというものである。

このようにしてフレーム１４に仮固定した洗面
器１０を洗面カウンターの切欠部１３に上方側か
ら嵌め込み、フレーム１４の水平部１５を前記切
欠部１３の上縁面１３ａに係止させる。次いで洗
面器１０が所定の取付位置となるように位置合わ
せ等を行つた後、フレーム１４の垂下部１６に前
述の固定治具２０を取着し、フレーム１４の洗面
カウンター１２への固定と、洗面器１０のフレー
ム１４への固定とを行う。

洗面器１０とフレーム１４との仮固定手段は、
前記のもののほか、第７図ａ及びｂに示す、垂下
部１６の適所に切り起こし部３５を形成したフレ
ーム１４を使用する手段も採用されている。この
場合は、洗面器１０にフレーム１４を被冠した
後、前記切り起こし部３５を同図ｂに示す如くド
ライバー５０等で押し曲げ、洗面器周縁部１８の
下面１８ｂを支持して仮止めする（第８図参照）。

〔考案が解決しようとする問題点〕

上述した洗面器とフレームとの仮固定手段のう
ち、角材間に洗面器を挟持する手段においては、
角材を洗面器の上下に添わせたのち上下の角材間
にワイヤを架け渡して締め付ける工程と、洗面器
の取りつけを終えたのちに角材を取り外す工程と
いう二つの煩雑な工程を行わなくてはならなかつ
た。しかも、この仮固定手段は、ワイヤの締め付
けが緩いときには、洗面器が洗面カウンターに対
して傾いたり平面位置にずれが生じたりする。こ
のような場合には、洗面器の姿勢が悪いからフレ
ームへの固定が不十分になるばかりでなく、固定
治具自身の姿勢が損なわれてフレームと洗面カウ
ンターとの締付不良をもたらす。その結果、洗面
器のがたつきや漏水を引き起こすという欠点があ
つた。

また、切り起こし部を設けたフレームを用いる
仮固定手段においては、ドライバー等で切り起こ
し部を押し曲げるのに相当な力が要求されるのみ
ならず、ドライバー等の先端を洗面器に衝突させ
て洗面器を破損するおそれがあるという問題があ
つた。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、手間が掛からず且つ確実堅固な洗面
器とフレームとの仮固定ができる洗面器のフレー
ム式取付構造を提供するものである。これを実施
例を示す第３図に従つて説明する。

本考案の主要部は、洗面器取付用の切欠部１３
が形成された洗面カウンター１２と、平面形状が
前記切欠部１３よりも小さくなされて前記切欠部
１３に嵌め込まれた洗面器１０と、平面形状が前
記切欠部１３とほぼ同形状で且つやや大きくなさ
れ洗面器１０と洗面カウンター１２との間に介装
された洗面器取付用のフレーム１とから構成さ
れ、該フレーム１が前記洗面カウンター１２に固
定されると共に該フレーム１に洗面器１０が固定
されてなる。

本考案の特色はフレーム１にある。その特徴
は、洗面カウンター１２と洗面器１０との間の隙
間をに被覆する水平部２と該水平部２の下面２ａ
に垂設され洗面カウンター１２の切欠部内周面１
７と洗面器１０の周縁部側面１１ｃとの間に挿入
される垂下部３と該垂下部３の下端に内側上方へ
向けて折曲形成された弾性を有する仮固定用折返
し片４とから成り、前記洗面器１０の周縁部１１
が前記フレーム１における折返し片４の先端４ａ
と水平部２の下面２ａとの間で挟持されているこ
とである。

〔作用〕

フレーム１を無理嵌めする如くにして洗面器１
０に被着させると、フレーム垂下部３に設けられ
た仮固定用折返し片４とフレーム水平部下面２ａ
との間に、洗面器１０の周縁部１１が挟持され
る。前記折返し片４は、洗面器周縁部１１の下面
を支持して洗面器１０を適正な姿勢に保持すると
共に、洗面器１０の離脱を阻止して、これをフレ
ーム１と強固に一体化させる。要するに、上記構
成の取付構造を採用することにより、洗面器１０
とフレーム１との仮固定が容易且つ確実になり、
その後の本固定作業が簡単になる。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面に従つて説明す
る。第１図は、本考案の特徴である洗面器取付用
フレーム１を下側から見た状態を示すものであ
り、同図において２は水平部、３は垂下部であ
り、断面Ｔ字状になされている。水平部下面２ａ
に垂設された垂下部３の下端部３ａに、洗面器仮
固定用の折返し片４が設けられている。この折返
し片４は、垂下部３の下端部３ａから折り返され
て先端部４ａが斜め上方を向くようになされてい
る。折返し片４の先端部４ａと水平部下面２ａと
の間隔は、使用する洗面器の周縁部高さに合わせ
て調節される。該折返し片４は、力を加えて折曲
角度を変化させても、力を取り除けば元の角度に
復帰するような弾力性を有するものである。また
折返し片４を設ける位置は、少なくとも３点又は
それ以上の個所であつてほぼ均等的に分散するよ
うな位置であることが望ましい。

垂下部３の周面３ｂには、固定治具装着用の取
付孔５が適宜間隔に穿設されている。従つて、洗
面器のフレーム１への固定位置及びフレーム１の
洗面カウンターへの固定位置がそれぞれ最適とな
るように、固定治具の取着位置を選択することが
可能である。

なお上記実施例のフレーム１は、厚さ0.8mm程
度のステンレス鋼材をプレス成形して製作したも
のであるが、フレーム製作方法はこれに限定され
るものではない。鋳込み成形法や垂下部を水平部
下面へ溶接する方法等の適宜手段を採用すること
も可能である。また、フレーム１の材質にはアル
ミニウム又はアルミニウム合金等を使用すること
もできる。

次に、洗面器をフレームへ仮固定する手順を説
明する。第２図に示すように、床面Ｆ等にフレー
ム１を上下をひつくり返して載置する。洗面器１
０を同様に上下をひつくり返して上方からフレー
ム１に無理嵌めする。あまり大きな力を加えなく
ても、自重により洗面器１０は折返し片４を押し
曲げてフレーム１内に嵌まり込む。一点鎖線で示
すように、洗面器周縁部１１の上面１１ａがフレ
ーム１の水平部下面２ａに当接するまで押し下げ
ると、折返し片４が元の状態に復帰し、その先端
部４ａが洗面器１０の周縁部下面１１ｂに係合す
る。このようにして、わずか一動作で洗面器周縁
部１１がフレーム１の水平部２と折返し片４との
間に挟持され、洗面器１０はフレーム１に仮固定
される。折返し片４は、洗面器１０の抜け方向に
対向しているので洗面器１０の脱落が生じること
はない。また、洗面器１０とフレーム１との位置
関係も適正に保持される。

上述の如くにしてフレーム１と一体化した洗面
器１０を、洗面カウンター１２に取り付けて本固
定する。すなわち第３図に示すように、洗面器１
０を洗面カウンター１２の上方から切欠部１３に
嵌め込み、フレーム１の水平部２を切欠部上縁面
１３ａに係止させる。そして、洗面器１０が適正
な取付位置となるように位置合わせをしたのち、
フレーム垂下部３に適宜の固定治具２０を取りつ
け、フレーム１の洗面器１０への固定と、フレー
ム１の洗面カウンター１２への固定とを行えばよ
い。

〔考案の効果〕

以上述べた如く本考案によれば、洗面器とフレ
ームとの仮固定をわずか一動作で行える。しか
も、フレームに折返し片を設けてあるので、洗面
器が脱落したりフレームに対して傾いたりするこ
とはない。従つて、洗面器の洗面カウンターへの
取付作業が極めて簡単になると共に、適正な位置
において強固な締付状態を得られるので、洗面器
のがたつきや漏水をきたすことがない。

角材、ワイヤ等の治具を使用する従来の仮固定
手段と比べれば、これらの治具が不要となるばか
りでなく、治具の取付作業、取り外し作業が不要
になるという利点がある。また、切り起こし部を
設けたフレームを用いる仮固定手段と比べれば、
ドライバー等で切り起こし部を押し曲げるという
手間も労力も要らず、洗面器をドライバー等で傷
つけるおそれもない。

要するに、本考案は、作業性に富み、堅固な取
付状態が得られ、仕上がりが美麗な洗面器のフレ
ーム式取付構造を提供するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図は本考案の実施例を示すもの
であつて、第１図は洗面器取付用フレームの斜視
図、第２図は洗面器のフレームへの仮固定作業を
説明する側断面図、第３図は洗面器が取りつけら
れた状態を示す正面断面図である。第４図乃至第
６図はいずれも従来例に係るものであつて、第４
図は洗面器のフレーム式取付構造を示す分解斜視
図、第５図は洗面器が取りつけられた状態を示す
正面断面図、第６図ａは洗面器とフレームとの仮
固定手段を示す分解斜視図、同図ｂはその断面図
である。第７図及び第８図は異なる従来例に係る
ものであつて、第７図ａ及びｂは洗面器取付用フ
レームの拡大部分断面図、第８図は洗面器のフレ
ームへの仮固定状態を示す拡大部分断面図であ
る。 １……洗面器取付用フレーム、２……水平部、
２ａ……水平部下面、２ｂ……水平部上面、３…
…垂下部、３ａ……垂下部下端部、３ｂ……垂下
部周面、４……仮固定折返し片、４ａ……折返し
片先端部、１０……洗面器、１１……洗面器周縁
部、１１ａ……周縁部上面、１１ｂ……周縁部下
面、１１ｃ……周縁部側面、１２……洗面カウン
ター、１３……切欠部、１３ａ……切欠部上縁
面、１７……切欠部内周面、２０……固定治具。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 洗面器取付用の切欠部が形成された洗面カウン
   ターと、平面形状が上記切欠部よりも小さく製作
   され上記切欠部に嵌め込まれる洗面器と、平面形
   状が上記切欠部とほぼ同形状で且つやや大きく製
   作された洗面器取付用のフレームとより構成さ
   れ、前記洗面カウンターの切欠部に固定された前
   記フレームへ前記洗面器を固定してなる洗面器の
   取付構造であつて、前記フレームは、洗面カウン
   ターの上面と洗面器の上面との間の隙間を被覆す
   る水平部と該水平部の下面に垂設され洗面カウン
   ターの切欠部内周面と洗面器の周縁部側面との間
   へ挿入される垂下部と該垂下部の下端に内側上方
   へ向けて折曲形成された弾性を有する仮固定用折
   返し片とから成り、前記洗面器の周縁部が前記フ
   レームにおける折返し片の先端と水平部の下面と
   の間で挟持されていることを特徴とする洗面器の
   フレーム式取付構造。