JP2720719B2 - 天板および脚柱の連結構造 - Google Patents

天板および脚柱の連結構造

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JP2720719B2 JP4211797A JP21179792A JP2720719B2 JP 2720719 B2 JP2720719 B2 JP 2720719B2 JP 4211797 A JP4211797 A JP 4211797A JP 21179792 A JP21179792 A JP 21179792A JP 2720719 B2 JP2720719 B2 JP 2720719B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、机やテーブルの組立て
を簡便に行うために好適に利用される天板および脚柱の
連結構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】簡易形の机やテーブルとして、天板のコ
ーナー部に脚柱を取り付けたものが知られている。この
場合の天板および脚柱の連結構造は、脚柱の上端部を天
板の下面に添設させ、ブラケットおよびボルトを介して
脚柱を天板に固定するようにしているのが通例である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、単にこのよ
うな構成のものでは、脚柱を天板にガタつきなく取り付
けるために多大な労力と時間を要するという不都合を伴
う。すなわち、特に脚柱にあっては側板等と違って天板
への添接面積が小さく、そのため脚柱と天板の間にこじ
れ力が発生し易い。したがって、それを防止するために
は、ブラケットを介して天板と脚柱の多数箇所を互いに
連結しなければならず、多数のボルトや部品が必要であ
って、作業が繁雑になるという不都合がある。その上、
このような構成のものでは、天板の下に潜り込んで下か
ら上にボルト締着作業を行うか、あるいは、天板をひっ
くり返してボルト締着作業を行った後再び天板を脚柱と
ともにひっくり返して元に戻すかの何れかの作業が必要
になり、作業が一層繁雑になるという不都合がある。
【0004】本発明は、かかる課題を有効に解決した天
板および脚柱の連結構造を提供することを目的としてい
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる目的を
達成するために、次のような構成を採用したものであ
る。
【0006】すなわち、本発明に係る天板および脚柱の
連結構造は、天板のコーナー部に脚柱を、テーパ係合部
を介して取り付けるようにしたものである。天板は、剛
性を有したものであり、脚柱は、上端部に前記天板のコ
ーナー部を挾む両側縁に沿う一対のアームを剛設してな
る。テーパ係合部は、前記天板の両側縁及び脚柱のアー
ムのいずれか一方に設けた凹形テーパ面と、他方に設け
た凸形テーパ面とを具備してなるもので、脚柱を天板に
対して一端側にスライドさせることによって、前記凹形
テーパ面と凸形テーパ面とが密着し得るように構成され
ている。そして、前記テーパ係合部を係合させた状態で
前記両アームを止着具により前記天板の各側縁にそれぞ
れ緊締結合してなることを特徴とする。
【0007】すなわち、本発明は、各アームに、該アー
ムの延出方向に伸びる単一の長孔をそれぞれ設けるとと
もに、前記天板の前記長孔に対応する部位にナット部を
設けておき、前記テーパ係合部を係合させた状態で前記
両アームの長孔に止着具たるボルトをそれぞれ挿入し、
それら各ボルトを対応する天板のナット部に螺着して前
記両アームを前記天板の各側縁にそれぞれ緊締結合して
なることを特徴としている。
【0008】テーパ係合部の具体的な実施の態様として
は、凹形テーパ面が、天板の両側縁に設けたV形溝内に
形成されており、凸形テーパ面が、アームに突設した突
条に形成されているものや、凹形テーパ面が、アームに
設けたV形溝内に形成されており、凸形テーパ面が、天
板の両側縁に突設した突条に形成されているもの等が挙
げられる。
【0009】
【作用】このような構成のものであれば、天板の下面に
脚柱を添接させ、その状態で脚柱を天板に対してスライ
ドさせることによって、脚柱のアームが天板のコーナー
部を挟む両側縁に接近し、テーパ係合部の凸形テーパ面
が凹形テーパ面に当接して、テーパ係合部を形成する。
この状態でアームを止着具により天板に緊締すると、凸
形テーパ面が、凹形テーパ面に食い込むようにして密着
し、アームが天板に固定される。アームは脚柱に剛着さ
れたものであるため、アームが天板に強連結されると、
脚柱が天板に対して傾動し得ないものとなり、有効な取
付強度が得られる。特に、本発明では、前記止着具とし
て各アームに対して1本づつのボルトを用いており、こ
れら各ボルトを各アームに設けた長孔を通して天板のナ
ット部に螺着するようにしているので、一方のアームの
ボルトと他方のアームのボルトとを少しづつ交互に締め
付けて行くことによって、交差している両アームをそれ
ぞれ天板のコーナー部を挟む両側縁に強くテーパ係合さ
せることが可能となる。しかも、前記ボルトの締着作業
は、起立姿勢のままで天板の高さ位置において各ボルト
を水平方向に締着するだけの簡略なものとなる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の一実施例を、図1〜図5を参
照して説明する。
【0011】この天板および脚柱の連結構造は、例え
ば、図1に示すような机Aに適用され、五角形をなす変
形天板1の側縁1a、1b間に形成された90°のコー
ナー部Cにおいて、天板1と脚柱2とを連結している。
【0012】図2は図1の机Aを矢印II方向から見たと
きの分解斜視図である。同図に示されるように、天板1
は、枠体11の内周にハニカム状のペーパコア12を配
設し、これら枠体11およびペーパコア12の上下両面
に金属鋼板13、14を添設した剛性の高いフラッシュ
構造をなしており、上面にはメラミン化粧板15を、ま
た側縁にはエッジ部材16をそれぞれ貼着している。反
使用端Q側の2側縁1a、1bのエッジ部材16および
枠体11には、V形溝17が形成されており、そのV形
溝17の斜面に本発明の凹形テーパ面17aを設定して
いる。また、前記両側縁1a、1bのコーナー近傍部に
はそれらの長手方向と直角な軸心を有するナット部18
を形成している。
【0013】脚柱2は、図2〜図4に示すように、四隅
の一箇所を長手方向に沿って切除した部分パイプ状をな
すもので、上端部にブラケット部材3を一体的に剛着し
ている。ブラケット部材3は、前記脚柱2の対角を横断
する位置に互いに突き合せて配設された一対の固定板3
1と、各固定板31のうち直角に分岐した一方の分岐端
31aから上方に屈曲して伸びる背板32と、各固定板
31のうち直角に分岐した他方の分岐端31bから更に
L字形に屈曲するパイプ取付板33とを具備してなる。
背板32にはその屈曲部分に形成される段部32aに天
板載設用の水平板34が剛着してあり、この水平板34
の2側縁から上方に向かって水平突条35を突設し、こ
の突条35の先端を前記背板32に剛着している。すな
わち、背板32と突条35とで天板1のコーナー部Cの
両側縁1a、1bに沿うアーム36を形成し、そのアー
ム36の突条35の斜面に本発明の凸形テーパ面36a
を設定している。この凸形テーパ面36aは前記凹形テ
ーパ面17aに対して密接に嵌合し得る形状のものにし
てあり、これらのテーパ面17a、36a同士がテーパ
係合部Tを形成するようになっている。また、前記アー
ム36には、前記水平板34上に天板1が載設された場
合に前記ナット部18に連続し得る部位にボルト挿通孔
36bが穿設してある。なお、パイプ取付部33のL字
部分と脚柱2の外面との間には開口部を上下方向に配向
したパイプ部材4が取付けられており、前記固定板31
の中央部にはU字形の切欠部31cが設けられていて、
これらパイプ部材4の内周および切欠部31cの内周が
配線引き回し空間を提供している。
【0014】次に、本実施例において天板1に脚柱2を
取り付ける手順について説明する。先ず、天板1の下面
に脚柱2の水平板34部分を添設させ、その状態で脚柱
2を天板1に対して使用端P側にスライドさせることに
より、脚柱2の一対のアーム36を天板1のコーナー部
Cを挾んだ両側縁1a、1bに接近させる。そして、凸
形テーパ面36aを凹形テーパ面17aに当接させ、テ
ーパ係合部Tを形成する。この状態でアーム36のボル
ト挿通孔36bに止着具たるボルトBを挿入し、天板1
に設けたナット部18に緊締すると、テーパ係合部Tの
凸形テーパ面36aと凹形テーパ面17aとが図5に示
すように食い込むように密着し、アーム36が天板1に
固定される。アーム36はブラケット部材3を介して脚
柱2に剛着されたものであるため、アーム36が天板1
に強連結されると、脚柱2が天板1に対して傾動し得な
いものとなる。
【0015】すなわち、この実施例では、脚柱2の各ア
ーム36に、該アーム36の延出方向に伸びる単一のボ
ルト挿通孔36bをそれぞれ設けるとともに、前記天板
1の前記ボルト挿通孔36bに対応する部位にナット部
18をそれぞれ設けている。そして、前記テーパ係合部
Tを緩く係合させた状態で前記両アーム36のボルト挿
通孔36bにボルトBをそれぞれ挿入し、それら各ボル
トBを対応する天板1のナット部18に螺合させ、一方
のアーム36のボルトBと、他方のアーム36のボルト
Bとを交互に締め付けて行けば、前記ボルト挿通孔36
bが図2等に示すようにアーム36の延出方向に伸びる
長孔をなしているため、一方のボルトBを締め付けると
他方のボルトBとアーム36とが微妙にアーム延出方向
に相対摺動し、他方ボルトBを締め付けると一方のボル
トBとアーム36とが微妙にアーム延出方向に相対摺動
するという動作を繰り返しながら、両アーム36が共通
の天板1にそれぞれ強く緊締されることになる。なお、
この状態の後、本実施例では天板の側縁1a、1bの外
側に側縁カバー5やコーナーカバー6を取付け、側縁1
a、1bとカバー5、6との間に配線引き回し空間を形
成し得るようにしてある。
【0016】しかして、本実施例は天板1をそれ自体で
剛性を発揮し得る構造にし、その天板1にテーパ係合部
Tを介して脚柱2を連結し2本のボルトBを締着するだ
けで構成されるため、机Aの製作や組立工数が従来に比
べて激減し、部品製作も少量で済み、生産コストの低廉
化にもつながることになる。しかも、天板1と脚柱2の
間のこじれ力はテーパ係合部Tの受圧面である凸形テー
パ面36a及び凹形テーパ面17aにおいて有効に受け
止められるため、この連結構造は長期に亘って脚柱2の
適正な取付強度を維持することが可能になる。さらに、
ボルトBの締着作業は、起立姿勢のままで天板1の高さ
位置においてボルトBを水平方向に締着するだけでよい
ため、従来に比べて机Aの組立作業をより一層簡略に行
うことが可能になる。
【0017】なお、本発明は上述した実施例のみに限定
されるものではない。例えば、図6および図7は側縁1
a、1b間に鈍角をなすコーナー部Cを有した変形天板
1を取り付けるための脚柱2およびブラケット部材3を
示しており、脚柱2に固設された一対のアーム36はコ
ーナー部Cの角度に等しい角度で拡開し、両側縁1a、
1bに対峙している。図面上、前記実施例と機能的に共
通する部分には同一符号が付してある。このように、本
発明は天板のコーナー部が鈍角である机や、さらには鋭
角である机にも適用が可能なものである。また、前記実
施例では凹形テーパ面が天板の両側縁に設けたV形溝内
に形成され、凸形テーパ面がアームに突設した突条に形
成されていたが、その逆の構造、すなわち、凹形テーパ
面をアームに設けたV形溝内に形成し、凸形テーパ面を
天板の両側縁に突設した突条に形成する構造によっても
よい。さらに、上記のものは何れも適用対象を机として
いるが、天板の四隅に4本の脚柱を備えたテーブル等に
も同様に適用が可能である。さらに、剛性のある他の天
板構造として、鋼板の下面に中空の補強桟部を備えたも
のや、木製であって側縁を形成する金属製の端材を有し
ているものなどを挙げることができる。
【0018】
【発明の効果】本発明に係る天板及び脚柱の連結構造
は、以上説明したように、天板をそれ自体で剛性を発揮
し得る構造にし、その天板のコーナー部にテーパ係合部
を介して脚柱を連結し、ボルトによりテーパ係合部を緊
締するだけで構成されるため、本発明が適用される家具
の製作や組立工数が従来に比べて激減し、連結に必要な
部品製作も少量で済み、生産コストの低廉化にもつなが
ることになる。また、このように簡単な連結構造であっ
ても、こじれ力がテーパ係合部の受圧面で有効に受け止
められるため、この連結構造は長期に亘って脚柱の適性
な取付強度を維持することが可能になる。特に、本発明
では交差するアームをそれぞれ1本のボルトにより剛性
のある天板のコーナー部を挟む部位にそれぞれ強力に緊
締固着し得るようにしているため、構造の複雑化を招く
ことなしに脚柱の取付強度を無理なく大幅に向上させる
ことができるものである。しかも、ボルトの締着作業
は、起立姿勢のままで天板の高さ位置においてボルト
水平方向に締着するだけで完了するため、組立作業が従
来に比べて一層簡便なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る天板および脚柱の連結
構造が適用された机の斜視図。
【図2】図1において矢印II方向から見た連結構造部分
の分解斜視図。
【図3】同実施例の脚柱を示す正面図。
【図4】同平面図。
【図5】同実施例のテーパ係合部を示す部分断面図。
【図6】本発明の他の実施例を示す図3に対応した図。
【図7】同実施例の図4に対応した図。
【符号の説明】
A…机 B…ボルト C…コーナー部 P…一端(使用端) T…テーパ係合部 1…天板 1a、1b…側縁 2…脚柱 17…V形溝 17a…凹形テーパ面 18…ナット部 35…突条 36…アーム 36a…凸形テーパ面36b…長孔(ボルト挿通孔)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】天板のコーナー部に脚柱を、テーパ係合部
    を介して取り付けるようにした天板および脚柱の連結構
    造であって、 天板は、剛性を有したものであり、 脚柱は、上端部に前記天板のコーナー部を挟む両側縁に
    沿う一対のアームを剛設してなり、 テーパ係合部は、前記天板の両側縁及び脚柱のアームの
    いずれか一方に設けた凹形テーパ面と、他方に設けた凸
    形テーパ面とを具備してなるもので、脚柱を天板に対し
    て一端側にスライドさせることによって、前記凹形テー
    パ面と凸形テーパ面とが密着し得るように構成されてお
    り、各アームに、該アームの延出方向に伸びる単一の長孔を
    それぞれ設けるとともに、前記天板の前記長孔に対応す
    る部位にナット部を設けておき、 前記テーパ係合部を係
    合させた状態で前記両アームの長孔にボルトをそれぞれ
    挿入し、それら各ボルトを対応する天板のナット部に螺
    着して前記両アームを前記天板の各側縁にそれぞれ緊締
    結合してなることを特徴とする天板および脚柱の連結構
    造。
  2. 【請求項2】凹形テーパ面が、天板の両側縁に設けたV
    形溝内に形成されており、凸形テーパ面が、アームに突
    設した突条に形成されていることを特徴とする請求項1
    記載の天板および脚柱の結合構造。
  3. 【請求項3】凹形テーパ面が、アームに設けたV形溝内
    に形成されており、凸形テーパ面が、天板の両側縁に突
    設した突条に形成されていることを特徴とする請求項1
    記載の天板および脚柱の連結構造。
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