JP4133386B2 - 天板付家具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、異形天板の支持体への取り付け作業及びその取り付けを適正に行い得るようにした天板付家具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近時のオフィスにおけるOA化の進展に伴って、机上におけるデスクワークはペーパー作業からコンピュータを使用した作業へとその大半が移行した。そして、このような作業形態の変化に伴って、天板付家具は、往来の矩形天板から次第にL字形天板などの異形天板を採用したものが増えている。
【0003】
しかして、従来の天板付家具は、矩形天板の左右2箇所を支持体に取り付けて構成されるのが通例であり、その取付作業の便を向上させるべく、例えば特許文献1に示されるように、支持体に矩形天板を載せ置き、この矩形天板を支持体に対し相対的にスライド移動させることによって、矩形天板と支持体との間に介在させたダルマ孔と段付ピン等からなるスライド係合機構を通じて当該矩形天板の左右を支持体の対応部位に係り合わせる構造を採用して、作業効率の向上を図っていた。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−164739号 公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、L字形その他の異形天板も、矩形天板と同様、スライド操作によって支持体に取り付ける手法を採用できれば、その取付作業の効率化が図れることは言うまでもない。
【0006】
しかしながら、異形天板は、当該天板の使用縁や反使用縁が様々な角度や形状をなしている場合や、左右の支持体、スライド係合機構が異なる方向に配置される場合等があるので、スライド方向を誤って設定すると、異形天板のスライド移動のバランスが崩れ、左右の動きが不均等となって作業上及び取付上の支障が生じ易いものとなる。
【0007】
本発明は、このような異形天板の支持体への取り付け作業及びその取り付け状態を適正化することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、かかる目的を達成するために、次のような構成を採用したものである。
【0009】
すなわち、本発明の天板付家具は、支持体に平面視L字形をなす異形天板を載せ置き、この異形天板を支持体に対し相対的にスライド移動させることによって、異形天板の少なくとも2箇所を支持体の対応部位に、その間に介在させたスライド係合機構を介して同時に接続する場合においては、前記スライド移動方向を、異形天板の使用縁側又は反使用縁側の内角を二等分する方向に設定したものであって、異形天板の反使用縁側にパネルを取り付けるようにしているとともに、天板の反使用縁側をパネルの前面に突き当てた状態から使用縁側に向かうスライド移動方向に天板を移動させ、天板の反使用縁とパネルの前面とを離間させるようにしている
【0010】
このようにすれば、異形天板をその使用縁や反使用縁を把持して操作する際、L字形に屈曲したその左右両領域にスライド動作全体を通してバランスよく均等に操作力を与えることができるので、異形天板が回転等の作業上好ましくない動作をすることを極力有効に回避することができる。
【0011】
また、支持体に平面視部分円弧状(扇形などを含む)をなす異形天板を載せ置き、この異形天板を支持体に対し相対的にスライド移動させることによって、異形天板の少なくとも2箇所を支持体の対応部位に、その間に介在させたスライド係合機構を介して同時に接続する場合においては、前記スライド移動方向を、弧の中間位置から円弧中心に向かう方向に設定すればよい。
【0012】
さらに、天板形状以外の要素として、スライド係合機構が所定角度をなして平面視ハの字形または逆ハの字形に一対に配置されている場合には、スライド移動方向を前記両スライド係合機構のなす角を二等分する方向に設定すればよい。このような設定は、雲形天板等のように異形天板側に二等分すべき対象を捉えにくい場合等にも有効である。
さらにまた、天板形状以外の要素として、支持体が所定角度をなして平面視ハの字形または逆ハの字形に配置した一対の支持要素を具備する場合には、スライド移動方向を前記両支持要素のなす角を二等分する方向に設定すればよい。このような設定も、雲形天板等のように異形天板側に二等分すべき対象を捉えにくい場合等に有効である。
【0013】
スライド係合機構の好ましい実施の一態様としては、天板または支持体の一方に設けた突出部と、この突出部を挿入すべく他方に設けた係合孔とを具備し、スライド始端位置で天板を支持体に載せ置いた際に突出部の突出端側を係合孔に挿入し、天板のスライド終端位置で突出部を係合孔に上下方向に係り合わせるようにしているものが挙げられる。
【0014】
作業性を無理なく高めるためには、支持体の全部又は一部に、引出しを備えた袖構造を採用しておくことが好ましい。
【0015】
異形天板の反使用縁が壁面に沿って配置される場合には、壁面との間に配線類を落とし込むことのできる空間を形成する凹所を当該異形天板に設け、その凹所を、異形天板をスライド移動させる際の操作箇所として利用可能にしていることが望ましい。
【0016】
この場合、複数の凹所を、異形天板のスライド移動の中心線に対して両側に対称的に設けておくことが特に有効となる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
【0018】
この実施形態の天板付家具1は、図1に示すように支持体2に異形天板3を載せ置き、この異形天板3を支持体2に対し図8に矢印で示すように相対的にスライド移動させることによって、異形天板3の少なくとも2箇所を支持体2の対応部位に、その間に介在させたスライド係合機構5を介して同時に接続するようにしたものである。
【0019】
図1に示す支持体2は、主たる支持要素である一対の袖構造体4と、補助的な支持要素であるコーナー脚6とを具備する。袖構造体4は、図1、図2、図4、図5及び図6等に示すように、上壁4A、底壁4B、側壁及4C及び背壁4Dによって5面を閉止し前面側を開口させた収納空間を形成してなる筐体40と、この筐体40の収納空間に出し入れ可能に収容される上下3組の引出し4E1,4E2,4E3とを備えた自立性のあるものである。背壁4Dには、後上方に向けて突出するオプション取付部材4Fが取り付けてある。コーナー脚6は、図1に示すように角パイプ状のもので、直交2面における前記オプション取付部材4Fの対応位置にオプション取付部材6Aを有している。そして、一対の袖構造体4を所定角度(90°)向きを変えて離間配置し、かつコーナー脚6の直交2面のうちの各面が各々最寄の袖構造体4の背壁4Dとそれぞれ面一となる位置に配置して、各袖構造体4とコーナー脚6との上端部間にそれぞれ角パイプ状のフレーム部材7を架け渡して固定することにより、これら一対の袖構造体4とコーナー脚6とを相互に接続して構造物として一体化している。
【0020】
一方、異形天板3は、図2、図3、図8等に示すように、前記一対の袖構造体4及びコーナー脚6の上方をほぼ覆う大きさの平面視L字形をなす木製のものである。反使用縁3bは直交2辺をなし、各辺の中間部やコーナー部等には、それぞれ使用縁3a側に凹む凹所3C,3Dが設けてある。また、この異形天板3の使用縁3a側は、袖構造体4に支持される端部領域が対応する反使用縁3bの辺と平行をなし、コーナー脚6と対面する中央領域はコーナー脚6側に向けて大きく抉った形状をなし、これら中央領域と端部領域との間が滑らかに連続させてある。このような異形天板形状は、主として中央領域に着座した者が、コーナー部にPCのモニターやキーボード等を無理なく有効活用でき、また、左右両側に位置する天板面3Aをサイドデスク的に有効利用できる環境を提供するためのものである。しかしてこの異形天板3は、反使用縁3bの直交2辺がなす内角を2等分する直線を境にして、平面視左右対称形状をなしている。
【0021】
そして、本実施形態は前記スライド係合機構5を、袖構造体4の上壁4Aに取り付けた天板取付部材5Aと、天板3の下面3Bに取り付けた係合部材5Bとの間に構成している。
【0022】
天板取付部材5Aは、図1〜図6等に示すように、袖構造体4の上壁4Aの内側に収まる平面形状をなす底板5A1と、この底板5A1の左右両縁より起立する起立片5A2及び前縁より起立する起立片5A4とを具備するスチール製のもので、左右の起立片5A2の前後2箇所に、起立端から相寄る向きに水平片5A3を形成し、前側の起立片5A4にも前方へ突出させた水平片5A5を形成している。一方、係合部材5Bは、図1〜図3並びに図7等に示すように、底板5B1及び起立片5B2によってチャネル構造をなしその起立端から相離れる向きに取付片5B3を突出させてなるもので、この係合部材5Bを異形天板3の下面3Bに対して、当該異形天板3の所定取付位置において前記袖構造体4の天板取付部材5Aに対向することとなる部位に取り付けている。この係合部材5Bは、その長手方向を天板3の反使用縁3b側の辺に平行な方向(換言すれば、袖構造体4の幅方向、引出し4E1、4E2,4E3の出し入れと直交する方向)に合致させて配置される。
【0023】
そして、天板取付部材5Aの底壁5A1における後端部側に左右一対の取付孔(図示省略)を設けて突出部たる段付ピン8を上方からねじ込んで取り付ける一方、係合部材5Bの底板5B1に前記一対の取付孔と同一ピッチで長手方向2箇所に係合孔たるダルマ孔5B4を形成して、スライド始端位置P(図8参照)で異形天板3を袖構造体4に載せ置いた際に図7(a)に想像線で示すように段付ピン8の突出端側の頭部81をダルマ孔5B4の大径な挿脱口5B41に挿入し、天板3のスライド終端位置Q(図8参照)で前記頭部81を同図(b)、(c)、(d)に示すように前記挿脱口5B4の隣接位置に設けた規制部たる小孔5B42、5B43の何れか一方に引き込んで上下方向に係り合わせるようにしている。小孔5B42,5B43は段付ピン8の軸部82よりも開口が大きく頭部81よりも開口が小さく設定されており、挿脱口5B41の略中心から小孔5B42,5B43の略終端までの距離は、異形天板3をスライド移動させる距離に対応している。
【0024】
その際、この天板付家具1が異形天板3を2箇所において支持すべく袖構造体4を所定角度(90°)向きを変えて配置していることより、袖構造体4に取り付ける天板取付部材5Aや異形天板3の対応部位に取り付ける係合部材5Bの配置方向も図1、図2、図9等に明らかなように同一角度(90°)異なってくる。そこで、このような状況下においても、これら天板取付部材5Aや支持部材5Bを各袖構造体4に共通部材として使用して袖構造体4の段付ピン8と異形天板3側のダルマ孔5B4との係合を有効に実現することができるように、且つそのスライド係合を均等に行うことができるように、係合部材5Bに設けるダルマ孔5B4の形状及び向きに工夫を凝らしている。
【0025】
先ず、この実施形態は、スライド移動方向を、図8に示すように異形天板3の使用縁3aや反使用縁3bの内角を二等分する二等分線方向(45°方向)に設定する。使用縁3aの内角は直線をなす端部領域の角度に相当する。これは、スライド係合機構5が所定角度(90°)をなして平面視ハの字形に一対に配置されている点に着目すれば、スライド移動方向は前記両スライド係合機構5のなす角を二等分する二等分線(以下「中心線CL」)方向であるとも言える。そして、そのために必要な要件として、着座者から見て右側の袖構造体4の対応部位に位置する係合部材5Bのダルマ孔5B4と、左側の袖構造体4の対応部位に位置する係合部材5Bのダルマ孔5B4とは、ともに挿脱口5B41から前記中心線CL方向に向いている必要がある。右側の係合部材5Bと左側の係合部材5Bとは90°配置が異なるから、仮に図10に示すように1つの挿脱口5B41ついて1つのみの小孔5B42を有する一般的なダルマ孔5B4の場合について右側の係合部材5Bを右、左何れに旋回させて左側の係合部材5Bとして使用しても、小孔5B42は二等分線と直交する方向を向き、二等分線方向を向くことはない。そこで、本実施形態は図3、図7、図8等に示すように、係合部材5Bのダルマ孔5B4に90°異なる方向にもう1つ小孔5B43を設けた二股形状を採用し、この係合部材5Bを90°回転させて左側の係合部材5Bとして配置したときに、そのもう一つの小孔5B43を前記中心線CL方向を向かせるようにしている。
【0026】
なお、この実施形態は、前記オプション取付部材4F、6Aを利用して、図1、図8、図9等に示すように、異形天板3の反使用縁3bの2辺にそれぞれパネル9を取り付け、またコーナー部にコーナーボックス10を取り付けるようにしている。パネル9を取り付けることにより、前記凹所3C,3Dは、異形天板3とパネル9の前面9Bとの間に配線類を落とし込むための空間として機能する。
【0027】
また、この天板付家具1は、異形天板3をスライド始端位置Pに誘導する位置決め機能と、異形天板3をスライド終端位置Qに固定する固定機能とを備えている。位置決め機能は、前記パネル9やコーナーボックス10を利用することによって働くもので、図8に想像線で示すように、異形天板3の反使用縁3b側のコーナー部及び2辺をコーナーボックス10やパネル9の前面9Bに突き当てることをもって、左右の袖構造体4におけるダルマ孔5B4の挿脱口5B41と段付ピン8とが合致する位置決めがなされるように設定している。段付ピン8が挿脱口5B41に挿入されると、異形天板3の天板面3Aが沈み込んでパネル9の上端9Aと略同一高さとなるようにして、目視と操作感によってスライド操作の準備ができたことを確認できるようになっている。また、固定機能は、図1〜図3等に示すように、前記袖構造体4の上壁4Aに設けた天板取付部材5Aの前端側における起立片5A4と、異形天板3の下面3Bの対応部位に設けた起立片11Aを有する被固定部材11との協働作用により働くもので、異形天板3をスライド終端位置Qまで移動させたとき、両起立片同士5A4、11Aが突き当たるか若しくは近接して対面する位置関係にそれらを設定している。そして、袖構造体4の前端側から固定部材の起立片5A4にねじ11Bを挿し通して被固定部材11の起立片11Aに締めこむことによって、異形天板3をそのスライド終端位置Qに固定するようにしている。
【0028】
次に、この実施形態における異形天板3の支持体2への取付手順について説明する。
【0029】
先ず、異形天板3を、本来固定すべき位置よりも後方に変位させて支持体2に載せ置く。このとき、異形天板3の反使用縁3b側のコーナー部をパネル9のコーナー部に突き当てれば、ダルマ孔5B4の挿脱口5B41と段付ピン8とを合致させる位置決めがなされ、載せ置いて異形天板3が沈み込んだときに段付ピン8の頭部81をダルマ孔5B4の挿脱口5B41に挿入することができる。次に、異形天板3に設けられた配線落とし込み用の凹所3D,3C等を利用し、その適宜部位を把持して、これを前記中心線方向にスライド移動させる。常に中心線方向に移動させることが好ましいが、段付ピン8とダルマ孔5B4の間にはクリアランスが存在し、そのクリアランスから多少の蛇行は許容されるため、操作し易ければその許容範囲で図8に矢印で示すようにジグザグに操作して、右側の袖構造体4における係合と左側の袖構造体4における係合とを交互に進行させるようにしてもよい。そして、異形天板3がスライドし得なくなった位置、すなわちスライド終端位置Qにまで移動したときに、袖構造体4の正面側からねじ止めすることによって、図8及び図9に示すように異形天板3の支持体2への取り付け作業を完了することができる。
【0030】
以上のようにして、本実施形態の天板付家具1は、支持体2に平面視L字形をなす異形天板3を載せ置き、この異形天板3を支持体2に対し相対的にスライド移動させることによって、異形天板3の少なくとも2箇所を支持体2の対応部位に、その間に介在させたスライド係合機構5を介して同時に接続するものであり、前記スライド移動方向を、異形天板3の使用縁側3a又は反使用縁3b側の内角を二等分する方向に設定したので、異形天板3をその使用縁3aや反使用縁3bを把持して操作する際、L字形に屈曲したその左右両領域にスライド動作全体を通してバランスよく均等に操作力を与えることができることになり、異形天板3が回転等の作業上好ましくない動作をすることを極力有効に回避して、取付作業及び取付状態の適性化を有効に実現することが可能となる。
【0031】
また、この実施形態は、スライド係合機構5を所定角度をなして平面視逆ハの字形に一対に配置したものであるが、異形天板3のスライド移動方向を前記両スライド係合機構5のなす角を二等分する方向に設定したものでもあるため、左右何れかのスライド係合機構5の係合動作が先行してバランスが崩れ、噛み付くなどして抜き差しならない状態に陥ることも有効に回避することができるようになる。
【0032】
さらに、この実施形態は、支持体2が所定角度(90°)をなして平面視ハの字形または逆ハの字形に配置した一対の支持要素たる袖構造体4を具備するものであるが、異形天板3のスライド移動方向を前記両袖構造体4のなす角を二等分する方向に設定したものでもあるため、天板荷重を一対の支持要素に均等な条件で作用させることができ、荷重偏位に基づいて異形天板3が予期せぬ動作をすることも有効に回避することができるようになる。
【0033】
そして、スライド係合機構5を、天板3または支持体2の一方に設けた突出部8と、この突出部8を挿入すべく他方に設けた係合孔5B4とを具備し、スライド始端位置Pで天板3を支持体2に載せ置いた際に突出部8の突出端側を係合孔5B4に挿入し、天板3のスライド終端位置Qで突出部8を係合孔5B4に上下方向に係り合わせる構造としたため、簡易にして異形天板3の取付作業に係る労力を大幅に軽減できる優れた効果が奏される。
【0034】
また、この実施形態の支持体2の一部に、引出し4E1,4E2,4E3を備えた袖構造体4を採用しているため、異形天板3を安定的に支持して取付作業の安定化を向上させ、同時に家具としての機能も有効に高めることができる。
【0035】
さらにまた、この実施形態は、異形天板3の反使用縁3bにパネル9を取り付けるものであって、壁面9Bとの間に配線類を落とし込むことのできる空間を形成する凹所3C,3Dを異形天板3に設けているが、その凹所3C,3Dを、異形天板3をスライド移動させる際の操作箇所として利用できるようにしているため、作業の便を無理なく有効に高めることが可能となる。
【0036】
この場合、複数の凹所3C,3Dを、異形天板3のスライド移動の中心線CLに対して両側に対称的に設けているため、操作力の均等な入力という点で本発明の本旨に沿うものである。
【0037】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、各部の具体的な構成は、上述した実施形態のみに限定されるものではない。
【0038】
例えば、支持要素は、袖構造体4以外に側板や脚構造体等であってもよく、また支持体は支持要素に分割されず全体として一体をなすものであってもよい。また、天板付家具は、内角が90°の異形天板以外に、例えば120°、135°の異形天板を使用するものに本発明を適用しても、上記と同等の作業効果を上げることができる。
【0039】
支持体は、必ずしも一対の支持要素に分割されていなくともよい。
【0040】
さらに、図11に示すような扇形の異形天板12などにおいては、同異形天板12のスライド移動方向を、弧の中間位置から同図に矢印で示すように円弧中心Mに向かう方向に設定すれば上記と同様の作用効果を得ることができる。
【0041】
その他の構成も、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【0042】
【発明の効果】
本発明は、以上説明した構成であるから、L字形その他の異形天板をスライド操作によって支持体に取り付けるに際して、比較的無造作に操作しても、その作業を適正に行い、的確な取付状態を得ることができる有用な天板付家具として提供することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る天板付家具を、支持体に異形天板を取り付ける前の状態において示す斜視図。
【図2】同正面図。
【図3】異形天板の下面を係合部材等とともに示す分解斜視図。
【図4】同実施形態の支持要素たる袖構造体を示す平面図。
【図5】同正面図。
【図6】同側面図。
【図7】同実施形態の係合部材をこれに設けられた係合孔たるダルマ孔と突出部たる段付ピンの相互作用と共に示す説明図。
【図8】同実施形態に係る天板付家具を、支持体に異形天板を取り付けた状態において示す平面図。
【図9】同正面図。
【図10】同実施形態の作用効果を説明するために参照する図。
【図11】本発明の他の実施形態を示す図。
【符号の説明】
1…天板付家具
2…支持体
3…異形天板
3a…使用縁
3b…反使用縁
3C…凹所
3D…凹所
4…袖構造(袖構造体)
5…スライド係合機構
5B4…係合孔(ダルマ孔)
8…突出部(段付ピン)
81…突出端部(頭部)
12…異形天板(扇形天板)
P…スライド始端位置
Q…スライド終端位置

Claims (8)

  1. 支持体に平面視L字形をなす異形天板を載せ置き、この異形天板を支持体に対し相対的にスライド移動させることによって、異形天板の少なくとも2箇所を支持体の対応部位に、その間に介在させたスライド係合機構を介して同時に接続するようにし、
    前記スライド移動方向を、異形天板の使用縁側又は反使用縁側の内角を二等分する方向に設定したものであって、
    異形天板の反使用縁側にパネルを取り付けるようにしているとともに、天板の反使用縁側をパネルの前面に突き当てた状態から使用縁側に向かうスライド移動方向に天板を移動させ、天板の反使用縁とパネルの前面とを離間させるようにしていることを特徴とする天板付家具。
  2. 支持体に平面視部分円弧状をなす異形天板を載せ置き、この異形天板を支持体に対し相対的にスライド移動させることによって、異形天板の少なくとも2箇所を支持体の対応部位に、その間に介在させたスライド係合機構を介して同時に接続するようにし、
    前記スライド移動方向を、弧の中間位置から円弧中心に向かう方向に設定しているものであって、
    異形天板の反使用縁側にパネルを取り付けるようにしているとともに、天板の反使用縁側をパネルの前面に突き当てた状態から使用縁側に向かうスライド移動方向に天板を移動させ、天板の反使用縁とパネルの前面とを離間させるようにしていることを特徴とする天板付家具。
  3. 支持体に異形天板を載せ置き、この異形天板を支持体に対し相対的にスライド移動させることによって、異形天板の少なくとも2箇所を支持体の対応部位に、その間に介在させたスライド係合機構を介して同時に接続するようにし、
    前記スライド係合機構が所定角度をなして平面視ハの字形または逆ハの字形に一対に配置されており、スライド移動方向を前記両スライド係合機構のなす角を二等分する方向に設定しているものであって、
    異形天板の反使用縁側にパネルを取り付けるようにしているとともに、天板の反使用縁側をパネルの前面に突き当てた状態から使用縁側に向かうスライド移動方向に天板を移動させ、天板の反使用縁とパネルの前面とを離間させるようにしていることを特徴とする天板付家具。
  4. 支持体に異形天板を載せ置き、異形天板を支持体に対し相対的にスライド移動させることによって、異形天板の少なくとも2箇所を支持体の対応部位に、その間に介在させたスライド係合機構を介して同時に接続するようにし、
    支持体が所定角度をなして平面視ハの字形または逆ハの字形に配置した一対の支持要素を具備するものであり、スライド移動方向を前記両支持要素のなす角を二等分する方向に設定しているものであって、
    異形天板の反使用縁側にパネルを取り付けるようにしているとともに、天板の反使用縁側をパネルの前面に突き当てた状態から使用縁側に向かうスライド移動方向に天板を移動させ、天板の反使用縁とパネルの前面とを離間させるようにしていることを特徴とする天板付家具。
  5. スライド係合機構が、天板または支持体の一方に設けた突出部と、この突出部を挿入すべく他方に設けた係合孔とを具備し、スライド始端位置で天板を支持体に載せ置いた際に突出部の突出端側を係合孔に挿入し、天板のスライド終端位置で突出部を係合孔に上下方向に係り合わせるようにしている請求項1、2、3又は4記載の天板付家具。
  6. 支持体の全部又は一部が、引出しを備えた袖構造をなす請求項1、2、3、4又は5記載の天板付家具。
  7. 異形天板の反使用縁が壁面に沿って配置される場合において、壁面との間に配線類を落とし込むことのできる空間を形成する凹所を当該異形天板に設け、その凹所を、異形天板をスライド移動させる際の操作箇所として利用可能にしている請求項1、2 、3、4、5又は6記載の天板付家具。
  8. 複数の凹所を、異形天板のスライド移動の中心線に対して両側に対称的に設けている請求項7記載の天板付家具。
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