JP4177680B2 - 天板付家具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、天板の取付作業を好適に行うことができる天板付家具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、天板を脚や袖構造体等の支持体に装着するに際して、天板を支持体に載せ置いた位置から所定方向へスライドさせ、そのスライドの終端位置で天板を支持体に固定するような構成を有する天板付家具が考えられている。このようなものとしては、例えば、天板の下面における反使用縁部にダルマ孔を形成する一方で、それに対応する支持体の上端部に上方へ突出させた段付ピンを設けておき、段付ピンの頭部がダルマ孔の大径部に挿入された位置で天板を支持体に載せ置き、その位置をスライド始端位置として天板を前方へ引き出すことによって段付ピンをダルマ孔の小径部へと移動させ、段付ピンと小径部とが上下方向に係り合って天板が上動不能となった位置をスライド終端位置として、その位置で天板を支持体にネジ止めするように構成したものが挙げられる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−164739号公報(図9等)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このような構成のものであると、天板を支持体に載せ置く際には目標となるべきものが何も存在せず、天板のスライド始端位置への位置決めが極めて難しい。したがって、現実の操作では、天板の下面を段付ピンの頭部上面に載せ置いた状態で段付ピンがダルマ孔の大径部に挿入される位置を手探りで探し出し、段付ピンの頭部が大径部の開口を通過したところで一挙に天板が位置決めされることとなっていた。このような天板の位置決めの困難さは、天板が大型で重重量になるほど顕著であり、また、矩形天板よりも異形天板の方が顕著であって、段付ピンやダルマ孔の損壊、天板や支持体の損傷の原因ともなり得る。
【0005】
そこで本発明は、以上のような問題に鑑みて、天板を支持体に載せ置く際の位置決めを容易にすることができ、各部の損傷を招かないようにした天板付家具を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明の天板付家具の一つは、自立性を有し天板を支持する支持体と、天板を支持体に載せ置いたスライド始端位置と支持体に固定すべきスライド終端位置との間で支持体に対して相対的にスライド移動させるスライド係合機構とを具備するものであって、支持体に、天板の少なくとも一端側に対応させて天板の下面よりも上方へ突出させた位置決め部材を設け、天板を支持体に載せ置く際に該天板の一端を前記位置決め部材に当接させた位置を天板のスライド始端位置と合致させるように構成しているとともに、位置決め部材を、天板の反使用縁側に配置し、天板を支持体に載せ置く際に該天板の反使用縁を位置決め部材に当接させるようにし、天板が、所定角度をなして屈曲する二辺からなる反使用縁を有する異形天板であり、該異形天板の反使用縁を構成する二辺に対応する位置にそれぞれ前記位置決め部材を配置し、さらに天板の反使用縁側の二辺を位置決め部材に同時に突き当てることにより天板をスライド始端位置に位置決めするようにしているとともに、このスライド始端位置から前記スライド終端位置への前記スライド移動の方向が、天板が位置決め部材から漸次離間する方向であることを特徴としている。
【0007】
このような天板付家具であると、天板を支持体に載せ置く際には、天板の一端部を位置決め部材に当てることで少なくともその端部側においては天板のスライド始端位置への位置決めがなされることになる。このように位置決めがなされると、スライド係合機構によって天板をスライドの終端位置まで簡単に移動させることができる。したがって、天板を持ったままスライド始端位置を無目標に探る必要がなく、目視と操作感とによって天板を配置すべき位置が容易に分かり、スライド係合機構の機構部品や天板自体あるいは支持体の損傷を防止しつつ、天板の取り付けのための作業性を著しく向上することができる。ただし、位置決め部材は、少なくとも支持体において天板の一端側に設けてあればよく、例えば天板の他の端部側にも位置決め部材を設けることができるのは勿論である。このようにすると、天板を支持体に載置する際には、二方向以上においての天板のスライド始端位置への位置決めを容易に行うことができる。また本発明では、天板の形状が、一般的な平面視矩形のものに限らず、例えば平面視L字形、扇形等の異形天板の場合も同様のメリットが得られる。さらに、天板のスライド移動方向は、天板が位置決め部材から漸次離間する方向となるのはいうまでもない。
【0008】
また、位置決め部材を、天板の反使用縁側に配置しているので、天板を支持体に載せ置く際に該天板の反使用縁を位置決め部材に当接することになって、スライド始端位置への天板の位置決めが容易となる。
【0009】
さらに、天板が、所定角度をなして屈曲する二辺からなる反使用縁を有する異形天板であって、異形天板の反使用縁を構成する二辺に対応する位置にそれぞれ前記位置決め部材を配置しているので、この異形天板を支持体に取り付ける際にスライド始端位置へ確実に位置決めすることができる。すなわち、異形天板の反使用縁を構成する二辺は一直線状にはなく異なる角度をなしているので、これら二辺を対応する各位置決め部材に同時に当接させることで、天板のスライド始端位置への位置決めが一挙にできることとなる。また、位置決め部材は異形天板の反使用縁側にあるため、側端部に天板に対する障害物を存在させず、複数の天板を、側端部同士を当接させて配置することもできる。特に異形天板としては、使用縁側も異なる角度をなす二辺からなる平面視L字形をなすものを適用してもよい。
【0010】
また、以上のような異形天板を有する天板付家具の場合、支持体を、異形天板の両側端部をそれぞれ支持する一対の端部支持部材と、異形天板の反使用縁を構成する二辺が交差するコーナー部に配置されるコーナー脚と、各端部支持部材をコーナー脚に連結するフレーム部材とを具備するものとし、これら端部支持部材によって異形天板の両側端部を同時に支持するように構成することで、スライド始端位置への天板の位置決めと同時に、歪みが生じやすいコーナー脚と各フレーム部材との連結部分の矯正を行うことができる。
【0011】
安定した自立性を有する端部支持部材の一例としては引出しを備えた袖構造体が挙げられ、一対の端部支持部材の一方または双方をこの袖構造体とすることができる。
【0012】
また、位置決め部材として好適なものには、支持体に起立姿勢で天板の反使用縁側に設けられた背面パネルを挙げることができる。このような背面パネルを位置決め部材として利用すると、天板の反使用縁を背面パネルと面同士で当接させることができるため、天板のより確実な位置決めが可能となる。
【0013】
また、本発明の天板付家具の他の一つは、天板と、自立性を有し天板を支持する支持体と、天板を支持体に載せ置いたスライド始端位置と支持体に固定すべきスライド終端位置との間で支持体に対して相対的にスライド移動させるスライド係合機構とを具備するものであって、前記支持体に、天板の少なくとも一端側に対応させて天板の下面よりも上方へ突出させた位置決め部材を設け、天板を支持体に載せ置く際に該天板の一端を前記位置決め部材に当接させた位置を天板のスライド始端位置と合致させるように構成しているとともに、スライド係合機構が、天板又は支持体の一方に設けた突出部と、この突出部を挿入すべく他方に設けた係合孔とを具備し、スライド始端位置で天板を支持体に載せ置いた際に突出部の突出端側を係合孔に挿入し、天板のスライド終端位置で突出部を係合孔に上動不能に係り合わせるようにしているとともに、前記スライド始端位置から前記スライド終端位置への前記スライド移動の方向が、天板が位置決め部材から漸次離間する方向であることを特徴としている。
このようなものであれば、スライド係合機構が、スライド始端位置で天板を支持体に載せ置いた際に突出部の突出端側を係合孔に挿入し、天板のスライド終端位置で突出部を係合孔に上動不能に係り合わせるようにしている構造を採用しているため、簡単な構造で天板の取付作業に係る労力を大幅に軽減できる。
【0014】
より詳細には、スライド係合機構を、支持体に設けた前記突出部たる段付ピンと、この段付ピンを挿入すべく係合部材に設けた前記係合孔たるダルマ孔とを具備するものとし、スライド始端位置で天板を支持体に載せ置いた際に段付ピンの突出端側をダルマ孔の挿脱口に挿入し、天板のスライド終端位置で段付ピンの突出端側をダルマ孔の挿脱口の隣接位置にある小孔側に引き込んで上下方向に係り合わせるように構成することが好適である。
【0015】
その他、本発明は、円形、楕円形等の無端形状の天板にも適用可能である。具体的には、支持体に、天板の縁部のうち少なくとも二点以上に対応させて天板の下面よりも上方へ突出させた位置決め部材を設け、天板を支持体に載せ置く際に該天板の縁部を前記位置決め部材に当接させた位置を天板のスライド始端位置と合致させるように構成するとよい。このような天板付家具の構成は、無端形状の天板のみならず、矩形天板、扇形天板、L字形天板等に適用できるのは勿論である。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0017】
この実施形態の天板付家具1は、図1に示すように支持体2に異形天板3を載せ置き、この異形天板3を支持体2に対し図8に矢印で示すように相対的にスライド移動させることによって、異形天板3の少なくとも2箇所を支持体2の対応部位に、その間に介在させたスライド係合機構5を介して同時に接続するようにしたものである。
【0018】
図1に示す支持体2は、主たる支持要素である袖構造体4と、補助的な支持要素であるコーナー脚6とを具備する。袖構造体4は、図1、図2、図4、図5及び図6等に示すように、上壁4A、底壁4B、側壁及4C及び背壁4Dによって5面を閉止し前面側を開口させた収納空間を形成してなる筐体40と、この筐体40の収納空間に出し入れ可能に収容される上下3組の引出し4E1,4E2,4E3とを備えた自立性のあるものである。背壁4Dには、後上方に向けて突出するオプション取付部材4Fが取り付けてある。コーナー脚6は、図1に示すように角パイプ状のもので、直交2面における前記オプション取付部材4Fの対応位置にオプション取付部材6Fを有している。そして、一対の袖構造体4を所定角度(90°)向きを変えて離間配置し、かつコーナー脚6の直交2面のうちの各面が各々最寄の袖構造体4の背壁4Dとそれぞれ面一となる位置に配置して、各袖構造体4とコーナー脚6と上端部間にそれぞれ角パイプ状のフレーム部材7を架け渡して固定することにより、これら一対の袖構造体4とコーナー脚6とを相互に接続して構造物として一体化している。また、この実施形態は、前記オプション取付部材4F、6Aを利用して、図1、図8、図9等に示すように、異形天板3の反使用縁3bの2辺3b1,3b2にそれぞれ位置決め部材たる背面パネル9を取り付け、またコーナー部にコーナーボックス10を取り付けるようにしている。
【0019】
一方、異形天板3は、図2、図3、図8等に示すように、前記一対の袖構造体4及びコーナー脚6の上方をほぼ覆う大きさの平面視L字形をなす木製のものである。反使用縁3bは相互に直交する2辺3b1、3b2からなり、各辺3b1、3b2の中間部やコーナー部等には、それぞれ使用縁3a側に凹む凹所3C、3Dが設けてある。これら凹所3C,3Dは、上述した背面パネル9を取り付けたことにより、異形天板3と背面パネル9の壁面9Bとの間に配線類を落とし込むための空間として機能する。また、この異形天板3の使用縁3a側は、袖構造体4に支持される端部領域が対応する反使用縁3bの辺と平行をなし、コーナー脚6と対面する中央領域はコーナー脚6側に向けて大きく抉った形状をなし、これら中央領域と端部領域との間が滑らかに連続させてある。このような異形天板形状は、主として中央領域に着座した者が、コーナー部にPCのモニターやキーボード等を無理なく有効活用でき、また、左右両側に位置する天板面3Aをサイドデスク的に有効利用できる環境を提供するためのものである。しかしてこの異形天板3は、反使用縁3bの直交2辺がなす内角を2等分する直線を境にして、平面視左右対称形状をなしている。
【0020】
そして、本実施形態は前記スライド係合機構5を、袖構造体4の上壁4Aに取り付けた天板取付部材5Aと、天板3の下面3Bに取り付けた係合部材5Bとの間に構成している。
【0021】
天板取付部材5Aは、図1〜図6等に示すように、袖構造体4の上壁4Aの内側に収まる平面形状をなす底板5A1と、この底板5A1の左右両縁より起立する起立片5A2及び前縁より起立する起立片5A4とを具備するスチール製のもので、左右の起立片5A2の前後2箇所に、起立端から相寄る向きに水平片5A3を形成し、前側の起立片5A4にも前方へ突出させた水平片5A5を形成している。一方、係合部材5Bは、図1〜図3並びに図7等に示すように、底板5B1及び起立片5B2によってチャネル構造をなしその起立端から相離れる向きに取付片5B3を突出させてなるもので、この係合部材5Bを異形天板3の下面3Bに対して、当該異形天板3の所定取付位置において前記袖構造体4の天板取付部材5Aに対向することとなる部位に取り付けている。この係合部材5Bは、その長手方向を天板3の反使用縁3b側の辺に平行な方向(換言すれば、袖構造体4の幅方向、引出し4E1、4E2,4E3の出し入れと直交する方向)に合致させて配置される。
【0022】
そして、天板取付部材5Aの底壁5A1における後端部側に左右一対の取付孔(図示省略)を設けて突出部たる段付ピン8を上方からねじ込んで取り付ける一方、係合部材5Bの底板5B1に前記一対の取付孔と同一ピッチで長手方向2箇所に係合孔たるダルマ孔5B4を形成して、異形天板3のスライド始端位置Pで異形天板3を袖構造体4に載せ置いた際に図7(a)に想像線で示すように段付ピン8の突出端側の頭部81をダルマ孔5B4の大径な挿脱口5B41に挿入し、異形天板3のスライド終端位置Qで前記頭部81を同図(b)、(c)、(d)に示すように前記挿脱口5B4の隣接位置に設けた規制部たる小孔5B42、5B43の何れか一方に引き込んで上下方向に係り合わせるようにしている。小孔5B42,5B43は段付ピン8の軸部82よりも開口が大きく頭部81よりも開口が小さく設定されており、挿脱口5B41の略中心から小孔5B42,5B43の略終端までの距離は、異形天板3をスライド移動させる距離に対応している。
【0023】
その際、この天板付家具1が異形天板3を2箇所において支持すべく袖構造体4を所定角度(90°)向きを変えて配置していることより、袖構造体4に取り付ける天板取付部材5Aや異形天板3の対応部位に取り付ける係合部材5Bの配置方向も図1、図2、図9等に明らかなように同一角度(90°)異なってくる。そこで、このような状況下においても、これら天板取付部材5Aや支持部材5Bを各袖構造体4に共通部材として使用して袖構造体4の段付ピン8と異形天板3側のダルマ孔5B4との係合を有効に実現することができるように、且つそのスライド係合を均等に行うことができるように、係合部材5Bに設けるダルマ孔5B4の形状及び向きに工夫を凝らしている。
【0024】
先ず、この実施形態は、スライド移動方向を、図8に示すように異形天板3の使用縁3aや反使用縁3bの内角を二等分する二等分線方向(45°方向)に設定する。使用縁3aの内角は直線をなす端部領域の角度に相当する。これは、スライド係合機構5が所定角度(90°)をなして平面視ハの字形に一対に配置されている点に着目すれば、スライド移動方向は前記両スライド係合機構5のなす角を二等分する二等分線方向であるとも言える。そして、そのために必要な要件として、着座者から見て右側の袖4構造体の対応部位に位置する係合部材5Bのダルマ孔5B4と、左側の袖構造体4の対応部位に位置する係合部材5Bのダルマ孔5B4とは、ともに挿脱口5B41から前記二等分線方向に向いている必要がある。そこで、本実施形態は図3、図7、図8等に示すように、係合部材5Bのダルマ孔5B4に90°異なる方向にもう1つ小孔5B43を設けた二股形状を採用し、この係合部材5Bを90°回転させて左側の係合部材5Bとして配置したときに、そのもう一つの小孔5B43を前記二等分線方向を向かせるようにしている。
【0025】
また、この天板付家具1は、異形天板3をスライド始端位置Pに誘導する位置決め機能と、異形天板3をスライド終端位置Qに固定する固定機能とを備えている。位置決め機能は、前記背面パネル9やコーナーボックス10を利用することによって働くもので、図8に想像線で示すように、異形天板3の反使用縁3b側のコーナー部及び2辺3b1,3b2をコーナーボックス10や背面パネル9の前面9Bに突き当てることをもって、左右の袖構造体4におけるダルマ孔5B4の挿脱口5B41と段付ピン8とが合致する位置決めがなされるように設定している。段付ピン8が挿脱口5B41に挿入されると、異形天板3の天板面3Aが沈み込んで背面パネル9の上端9Aと略同一高さとなるようにして、目視と操作感によってスライド操作の準備ができたことを確認できるようになっている。また、固定機能は、図1〜図3等に示すように、前記袖構造体4の上壁4Aに設けた天板取付部材5Aの前端側における起立片5A4と、異形天板3の下面3Bの対応部位に設けた垂下片11Aを有する被固定部材11との協働作用により働くもので、異形天板3をスライド終端位置Qまで移動させたとき、起立片5A4と垂下片11Aとが突き当たるか若しくは近接して対面する位置関係にそれらを設定している。そして、袖構造体4の前端側から固定部材の起立片5A4にねじ11Bを挿し通して被固定部材11の垂下片11Aに締めこむことによって、異形天板3をそのスライド終端位置Qに固定するようにしている。
【0026】
次に、この実施形態における異形天板3の支持体2への取付手順について説明する。
【0027】
先ず、異形天板3を、本来固定すべき位置よりも後方に変位させて支持体2に載せ置く。このとき、図8に想像線で示すように異形天板3の反使用縁3bを構成する2辺3b1,3b2ないし反使用縁3b側のコーナー部を背面パネル9の前面9Bないしコーナーボックス10に突き当てれば、ダルマ孔5B4の挿脱口5B41と段付ピン8とを合致させるスライド始端位置Pに位置決めがなされ、載せ置いて異形天板3が沈み込んだときに段付ピン8の頭部81をダルマ孔5B4の挿脱口5B41に挿入することができる。次に、異形天板3に設けられた配線落とし込み用の凹所3D,3C等を利用し、その適宜部位を把持して、これを前記中心線方向にスライド移動させる。常に中心線方向に移動させることが好ましいが、段付ピン8とダルマ孔5B4の間にはクリアランスが存在し、そのクリアランスから多少の蛇行は許容されるため、操作し易ければその許容範囲で図8に矢印で示すようにジグザグに操作して、右側の袖構造体4における係合と左側の袖構造体4における係合とを交互に進行させるようにしてもよい。そして、異形天板3がスライドし得なくなった位置、すなわちスライド終端位置Qにまで移動したときに、袖構造体4の正面側からねじ11Bを用いて天板取付部材5Aの起立片5A4と異形天板3の下面3Bに設けた被固定部材11の垂下片11Aとを止着することによって、図8及び図9に示すように異形天板3の支持体2への取り付け作業を完了することができる。
【0028】
以上のようにして、本実施形態の天板付家具1は、支持体2に平面視L字形をなす異形天板3を載せ置き、この異形天板3を支持体2に対し相対的にスライド移動させることによって、異形天板3の少なくとも2箇所を支持体2の対応部位に、その間に介在させたスライド係合機構5を介して同時に接続するものであり、異形天板3を支持体2に載せ置く際に、この異形天板3の反使用縁3bを背面パネル9に、具体的には反使用縁3bを構成する2辺3b1,3b2及びコーナー部を背面パネル9の前面9Bとコーナーボックス10とに当接させることで、異形天板3がスライド始端位置Pに位置付けられるように構成したので、無目標に異形天板3の置き場を探ることなく、目視と段付ピン8がダルマ孔5B4の挿脱口5B41に入り込む操作感とによって、異形天板3の載置を始めとする取付作業を簡便に行うことができる。また、フレーム部材7はネジ止め等により袖構造体4とコーナー脚6との間を連結しているため、異形天板3を載せ置く前には2本のフレーム部材7同士がちょうど90°をなしているとは限らないが、異形天板3を支持体2に載せ置いた際に反使用縁3bを背面パネル9に突き当てることで、フレーム部材7同士の連結の歪みを容易に矯正することができる。
【0029】
また、この実施形態の支持体2の一部に、引出し4E1,4E2,4E3を備えた袖構造体4を採用しているため、異形天板3を安定的に支持して取付作業の安定化を向上させ、同時に家具としての機能も有効に高めることができる。さらに異形天板3を支持体2に載せ置く際にその反使用縁3bを突き当てるための位置決め部材として背面パネル9を採用していることから、面同士の当接が可能となり、異形天板3の位置決めを確実に行うことができる。
【0030】
さらに本実施形態では、スライド係合機構5を、天板3または支持体2の一方に設けた突出部たる段付ピン8と、この段付ピン8を挿入すべく他方に設けた係合孔あるダルマ孔5B4とを具備し、スライド始端位置Pで天板3を支持体2に載せ置いた際に段付ピン8の突出端側をダルマ孔5B4に挿入し、天板3のスライド終端位置Qで段付ピン8をダルマ孔5B4に上下方向に係り合わせる構造としたため、簡易にして異形天板3の取付作業に係る労力を大幅に軽減できる優れた効果が奏される。そして特に異形天板3のスライド移動方向を、異形天板3の使用縁側3a又は反使用縁3b側の内角を二等分する方向に設定したので、異形天板3をその使用縁3aや反使用縁3bを把持して操作する際、L字形に屈曲したその左右両領域にスライド動作全体を通してバランスよく均等に操作力を与えることができることになり、異形天板3が回転等の作業上好ましくない動作をすることを極力有効に回避して、取付作業及び取付状態の適性化を有効に実現することが可能となる。
【0031】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、各部の具体的な構成は、上述した実施形態のみに限定されるものではない。
【0032】
例えば、支持要素は、袖構造体4以外に側板や脚構造体等であってもよく、また支持体は支持要素に分割されず全体として一体をなすものであってもよい。また、天板付家具は、内角が90°の異形天板以外に、例えば120°、135°の異形天板を使用するものに本発明を適用しても、上記と同等の作業効果を上げることができる。さらに支持体は、必ずしも一対の支持要素に分割されていなくともよい。さらに天板には、上述した平面視L字形状の異形天板3に限らず、一般的な平面視矩形天板をはじめとして、平面視台形状、五角形状、扇形等の種々の異形天板をも適用することができる。また位置決め部材としては、背面パネルに限らず、支持体から天板の下面よりも上方まで上方に突出するものであれば、フランジや照明器具等の支持用ポール等を利用することも可能である。特に、天板として円形天板や楕円形天板等の平面視無端形状のものを適用する場合には、背面パネルを設けること自体が想定しにくいが、それら天板の縁部のうち二点以上に対応する位置に設けたフランジなどであれば好適な位置決め部材として利用することができる。
【0033】
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【0034】
【発明の効果】
本発明は、以上に詳述したとおり、天板をスライド移動させて支持体に固定する前に、この天板の縁部を支持体に設けた位置決め部材に当接させることで、天板をスライド始端位置に配置することができるように構成した天板付家具である。このため本発明に寄れば、従来のように手探りで支持体に対して天板を載せ置く位置を探らなくても、目視で確実に天板をスライド始端位置に配置することができるので、天板の取付作業が著しく向上するのみならず、スライドのための機構部品などに損傷を招くことがない優れた天板付家具を提供することができるものである。
また、本発明に係る天板付家具の構成の一つによれば、位置決め部材を、天板の反使用縁側に配置しているので、天板を支持体に載せ置く際に該天板の反使用縁を位置決め部材に当接することになって、スライド始端位置への天板の位置決めが容易となる。さらに、天板が、所定角度をなして屈曲する二辺からなる反使用縁を有する異形天板であって、異形天板の反使用縁を構成する二辺に対応する位置にそれぞれ前記位置決め部材を配置しているので、この異形天板を支持体に取り付ける際にスライド始端位置へ確実に位置決めすることができる。すなわち、異形天板の反使用縁を構成する二辺は一直線状にはなく異なる角度をなしているので、これら二辺を対応する各位置決め部材に同時に当接させることで、天板のスライド始端位置への位置決めが一挙にできることとなる。
一方、本発明に係る天板付家具の構成の他の一つによれば、スライド係合機構が、スライド始端位置で天板を支持体に載せ置いた際に突出部の突出端側を係合孔に挿入し、天板のスライド終端位置で突出部を係合孔に上動不能に係り合わせるようにしている構造を採用しているため、簡単な構造で天板の取付作業に係る労力を大幅に軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る天板付家具を、支持体に異形天板を取り付ける前の状態において示す斜視図。
【図2】同正面図。
【図3】異形天板の下面を係合部材等とともに示す分解斜視図。
【図4】同実施形態の支持要素たる袖構造体を示す平面図。
【図5】同正面図。
【図6】同側面図。
【図7】同実施形態の係合部材をこれに設けられた係合孔たるダルマ孔と突出部たる段付ピンの相互作用と共に示す説明図。
【図8】同実施形態に係る天板付家具を、支持体に異形天板を取り付けた状態において示す平面図。
【図9】同正面図。
【符号の説明】
1…天板付家具
2…支持体
3…天板(異形天板)
3b…反使用縁
4…袖構造体
5…スライド係合機構
5B4…係合孔(ダルマ孔)
5B41…挿脱孔
5B42…小孔
5B43…小孔
6…コーナー脚
7…フレーム部材
8…突出部(段付ピン)
9…背面パネル
P…天板(スライド始端位置)
Q…天板(スライド終端位置)
Claims (8)
- 天板と、自立性を有し天板を支持する支持体と、天板を支持体に載せ置いたスライド始端位置と支持体に固定すべきスライド終端位置との間で支持体に対して相対的にスライド移動させるスライド係合機構とを具備するものであって、
前記支持体に、天板の少なくとも一端側に対応させて天板の下面よりも上方へ突出させた位置決め部材を設け、天板を支持体に載せ置く際に該天板の一端を前記位置決め部材に当接させた位置を天板のスライド始端位置と合致させるように構成しているとともに、
位置決め部材を、天板の反使用縁側に配置し、天板を支持体に載せ置く際に該天板の反使用縁を位置決め部材に当接させるようにし、
天板が、所定角度をなして屈曲する二辺からなる反使用縁を有する異形天板であり、該異形天板の反使用縁を構成する二辺に対応する位置にそれぞれ前記位置決め部材を配置し、
さらに天板の反使用縁側の二辺を位置決め部材に同時に突き当てることにより天板をスライド始端位置に位置決めするようにしているとともに、前記スライド始端位置から前記スライド終端位置への前記スライド移動の方向が、天板が位置決め部材から漸次離間する方向であることを特徴とする天板付家具。 - 前記異形天板が、平面視L字形をなすものである請求項1記載の天板付家具。
- 支持体を、異形天板の両側端部をそれぞれ支持する一対の端部支持部材と、異形天板の反使用縁を構成する二辺が交差するコーナー部に配置されるコーナー脚と、各端部支持部材をコーナー脚に連結するフレーム部材とを具備するものとし、これら端部支持部材によって異形天板の両側端部を同時に支持するようにしている請求項1又は2記載の天板付家具。
- 一対の端部支持部材の一方または双方が、引出しを備えた袖構造体である請求項3記載の天板付家具。
- 位置決め部材が、支持体に起立姿勢で天板の反使用縁側に設けられた背面パネルである請求項1、2、3又は4記載の天板付家具。
- 天板と、自立性を有し天板を支持する支持体と、天板を支持体に載せ置いたスライド始端位置と支持体に固定すべきスライド終端位置との間で支持体に対して相対的にスライド移動させるスライド係合機構とを具備するものであって、
前記支持体に、天板の少なくとも一端側に対応させて天板の下面よりも上方へ突出させた位置決め部材を設け、天板を支持体に載せ置く際に該天板の一端を前記位置決め部材に当接させた位置を天板のスライド始端位置と合致させるように構成しているとともに、
スライド係合機構が、天板又は支持体の一方に設けた突出部と、この突出部を挿入すべく他方に設けた係合孔とを具備し、スライド始端位置で天板を支持体に載せ置いた際に突出部の突出端側を係合孔に挿入し、天板のスライド終端位置で突出部を係合孔に上動不能に係り合わせるようにしているとともに、前記スライド始端位置から前記スライド終端位置への前記スライド移動の方向が、天板が位置決め部材から漸次離間する方向であることを特徴とする天板付家具。 - スライド係合機構を、支持体に設けた前記突出部たる段付ピンと、この段付ピンを挿入すべく係合部材に設けた前記係合孔たるダルマ孔とを具備するものとし、スライド始端位置で天板を支持体に載せ置いた際に段付ピンの突出端側をダルマ孔の挿脱口に挿入し、天板のスライド終端位置で段付ピンの突出端側をダルマ孔の挿脱口の隣接位置にある小孔側に引き込んで上下方向に係り合わせるようにしている請求項6記載の天板付家具。
- 天板と、自立性を有し天板を支持する支持体と、天板を支持体に載せ置いたスライド始端位置と支持体に固定すべきスライド終端位置との間で支持体に対して相対的にスライド移動させるスライド係合機構とを具備するものであって、
前記支持体に、天板の縁部のうち少なくとも二点以上に対応させて天板の下面よりも上方へ突出させた位置決め部材を設け、天板を支持体に載せ置く際に該天板の縁部を前記位置決め部材に当接させた位置を天板のスライド始端位置と合致させるように構成しているとともに、
位置決め部材を、天板の反使用縁側に配置し、天板を支持体に載せ置く際に該天板の反使用縁を位置決め部材に当接させるようにし、
天板が、所定角度をなして屈曲する二辺からなる反使用縁を有する異形天板であり、該異形天板の反使用縁を構成する二辺に対応する位置にそれぞれ前記位置決め部材を配置し、
さらに天板の反使用縁側の二辺を位置決め部材に同時に突き当てることにより天板をスライド始端位置に位置決めするようにしているとともに、前記スライド始端位置から前記スライド終端位置への前記スライド移動の方向が、天板が位置決め部材から漸次離間する方向であることを特徴とする天板付家具。
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