JP3587575B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、特定入賞口への入賞に基づいて、可変表示ゲームを行い、該可変表示ゲームの停止表示態様が大当たり停止表示態様となった場合に所定の遊技価値を付与する遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、遊技機、例えば、パチンコ遊技機等は、遊技領域の略中央に配置される可変表示装置に所定の図柄を可変表示して行われる可変表示ゲームの結果に応じて、遊技者に所定の遊技価値(例えば、大当り等の特別遊技状態)を付与することによって遊技の興趣を高めることができるようになっている。
【0003】
この可変表示ゲームは、例えば、特定入賞口(始動口等)への入賞などの所定の遊技条件が成立した場合に、可変表示装置中で各種図柄の変動表示を開始し、所定時間経過後に変動表示を停止して、その停止図柄の態様に応じて大当り等を発生させるなどして、遊技者に有利な遊技状態を提供するものである。
【0004】
そして、所定数を上限(例えば、4個を上限)として、特定入賞口への入賞回数を記憶して、その記憶回数分だけ前述のような可変表示ゲームが行われるように構成されたパチンコ遊技機が数多く存在している。
【0005】
従来このようなパチンコ遊技機では、例えば、可変表示装置の近傍に所定数(例えば、4個)のLEDやランプ等を配設し、そのLEDやランプ等を入賞記憶数に合わせて点灯或いは消灯することによって、遊技者に入賞記憶数を報知していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のように可変表示装置の近傍に設けたLED等を点灯,消灯することによって入賞記憶数を報知する方式は、視認性に劣り、遊技者が見逃すおそれがあるという問題があった。
【0007】
特に、遊技者は、可変表示装置において可変表示ゲームが行われている最中は、可変表示装置の表示部を注視しがちであるため、記憶数を示すLED等の点灯,消灯の状況を見落とし易いという難点があった。
【0008】
また、可変表示装置で行われる可変表示ゲームは、様々な工夫が凝らされて遊技の興趣の高揚が企図されているのに対して、記憶数の報知に関しては、旧態依然としてLEDやランプの点灯,消灯によるものが一般的であり、面白味に欠けるという問題点があった。
【0009】
一方で、昨今の可変表示装置は、表示部にCRTディスプレイや液晶ディスプレイ(LCD)を採用するものが多くなり、高度な表現を行うことが可能となってきており、これらのCRTディスプレイやLCDの表示機能や表示特性を記憶数表示にも活用したいという要望がある。
【0010】
この発明は、上記問題点の解決や要望を満たすためになされたもので、視認性に優れ、且つ、面白味のある斬新な表現で入賞の記憶数表示を行うことができると共に、遊技の興趣を一層高揚させることが可能な遊技機を提供することを主な目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、特定入賞口への遊技球の入賞に基づいて、可変表示ゲームを行い、該可変表示ゲームの停止表示態様が大当たり停止表示態様となった場合に所定の遊技価値を付与する遊技機において、
前記特定入賞口への遊技球の入賞に基づいて、所定の遊技価値を付与するか否かを決定する第1乱数値、及び、当該特定入賞口への遊技球の入賞記憶を報知する入賞記憶報知図柄を決定するための第2乱数値を、所定数を上限として記憶する入賞数記憶手段と、
前記入賞数記憶手段に記憶された第2乱数値に対応する所定の入賞記憶報知図柄を表示することで記憶数を報知する記憶報知図柄表示手段と、を設け、
前記可変表示ゲームの開始時に、前記第1乱数値と判定値とを比較判定し、当たりの場合は所定の遊技価値を付与する大当たり停止表示態様を決定すると共に、外れの場合は外れ停止表示態様を決定し、該決定された停止表示態様とする可変表示ゲームを行うように構成され、
前記記憶報知図柄表示手段は、前記入賞数記憶報知図柄の組み合わせに応じて、前記可変表示ゲームの停止表示態様が前記大当たり停止表示態様となる確率が高確率となるように前記第1乱数値の判定値を変更することを特徴とする。
【0012】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の遊技機において、前記記憶報知図柄表示手段は、前記入賞数記憶手段の記憶数をディクリメントする場合に、前記入賞記憶報知図柄を移動させて記憶内容を報知することを特徴とする。
【0013】
請求項3記載の発明は、請求項2に記載の遊技機において、前記記憶報知図柄表示手段は、前記可変表示ゲームが実行されるごとに、記憶数が1の場合に表示される位置に表示されている入賞記憶報知図柄を消去し、記憶数が2以上の場合に表示される位置に表示されている入賞記憶報知図柄を、消去された入賞記憶報知図柄が表示されていた位置方向に1つ宛順次移動させることを特徴とする。
【0016】
【作用】
本発明の作用は、次の通りである。
【0017】
請求項1に記載の発明によれば、入賞数記憶手段によって、特定入賞口への遊技球の入賞に基づいて、所定の遊技価値を付与するか否かを決定する第1乱数値、及び、当該特定入賞口への遊技球の入賞記憶を報知する入賞記憶報知図柄を決定するための第2乱数値を、所定数を上限として記憶され、記憶報知図柄表示手段によって、前記入賞数記憶手段に記憶された第2乱数値に対応する所定の入賞記憶報知図柄を表示することで記憶数を報知し、前記記憶報知図柄表示手段は、前記入賞記憶報知図柄の組み合わせに応じて、前記可変表示ゲームの停止表示態様が前記大当たり停止表示態様となる確率が高確率となるように前記第1乱数値の判定値が変更される。
【0018】
請求項2に記載の発明によれば、前記記憶報知図柄表示手段は、前記入賞数記憶手段の記憶数をディクリメントする場合に、前記入賞記憶報知図柄を移動させて記憶内容が報知される。
【0019】
請求項3に記載の発明によれば、前記可変表示ゲームが実行されるごとに、記憶報知図柄表示手段により、記憶数が1の場合に表示される位置に表示されている入賞記憶報知図柄が消去され、記憶数が2以上の場合に表示される位置に表示されている入賞記憶報知図柄が、消去された入賞記憶報知図柄が表示されていた位置方向に1つ宛順次移動される。
【0022】
【実施例】
以下に、本発明の好適な実施例を、図面を参照して説明する。
【0023】
図2及び図3は、本実施例に係る遊技機としてのパチンコ遊技機Pの要部構成を示すブロック図であり、図2は、役物制御装置2,入力制御部3及び出力制御部4の概略構成を示すブロック図、図3は、各種制御装置との接続状況を示すブロック図である。
【0024】
また、図4は、パチンコ遊技機Pの遊技盤の概略構成を示す正面図である。
【0025】
図2及び図3に示すように、本実施例におけるパチンコ遊技機Pは、大別して、遊技盤100の略中央に設けられる可変表示装置(特別図柄表示装置)1の表示を制御する表示制御装置GC、遊技制御回路を構成する役物制御装置2,入力制御部3と、出力制御部4と、排出制御装置5及び電源装置6とからなり、さらに、役物制御装置2は、制御中枢部2Aと、音声制御部2Bとから構成されている。
【0026】
なお、図2及び図3中、Bはバス(アドレス・バス,データ・バス,コントロール・バスを含む)、Kはパチンコ遊技機Pの各種データを収集,分析する管理装置である。
【0027】
役物制御装置2における制御中枢部2Aは、CPU(Central Processing Unit)210、ROM(Read Only Memory)211、RAM(Random Access Memory)212、分周回路213、クロック生成回路214から構成され、所定の設定確率に基づく一様乱数を生成する機能や、ホール(遊技店)の管理装置Kに対して、例えば、可変表示装置1に停止表示された図柄Cの態様を表わすコード信号、第1種始動口(第1種始動スイッチSW1)への入賞数、可変表示装置1における可変表示ゲームの実行回数、可変表示ゲームにおける大当り回数、大当り時のサイクルの継続回数、不正情報(入賞による不正、コネクタの抜けなど)等の各種情報を出力する機能等を有するものである。
【0028】
CPU210は、例えば、他の各種回路を制御する役物制御装置2の中枢を構成する8ビットのマイクロプロセッサであり、制御部(controller),演算部(ALU:arithmetic logical unit)といくつかのレジスタ(register)から構成され、後述するリセット信号に基づくリセット割込処理によって、ROM211内に格納されたプログラム処理手順に基づいて1シーケンス単位で各種プログラム処理を実行するものである。
【0029】
また、遊技に用いる乱数を必要とする場合に、本実施例では、リセットタイミングに合わせてカウントアップするケタ上がり方式のカウンタによって乱数を得ている。
【0030】
ROM211は、CPU210によって利用される各種制御プログラムやデータ等を格納する不揮発性のメモリであり、RAM212は、CPU210におけるプログラム処理実行中に利用されるプログラムデータ等を格納したり、遊技に関連するデータを一時的に記憶し、作業領域として利用される揮発性のメモリである。
【0031】
なお、RAM212内には、遊技球が第1種始動口102に入賞した時点における大当り乱数の抽選値を4つまで順次記憶する所定の記憶領域(特図保留エリア)が設けられており、この特図保留エリアにおける記憶数が、すなわち始動記憶数(保留記憶数)となる。
【0032】
分周回路213は、クロック生成回路214から出力されるクロックパルスを分周して約2msec毎にリセット信号を生成し、このリセット信号をCPU210に供給するものである。
【0033】
クロック生成回路214は、CPU210による動作の基準クロックとなるクロックパルスを生成するクロックジェネレータであり、生成されたクロック信号を、CPU210及び分周回路213に供給するものである。
【0034】
役物制御装置2における音声制御部2Bは、パチンコ遊技機Pの効果音を生成するサウンドジェネレータ220と、このサウンドジェネレータ220によって生成される音信号を低周波増幅するアンプ221と、このアンプ221により増幅された音信号を実際の音(例えば、可変表示ゲームにおけるBGMや効果音等)に変換して外部に出力するスピーカー222とから構成されている。
【0035】
入力制御部3は、例えば、第1種始動口102への遊技球の入賞等に代表される各種信号の入力を制御するためのものであり、図2や図3に示すように、第1種始動スイッチSW1、普図始動スイッチSW2、カウントスイッチSW3、継続スイッチSW4、入賞球検出スイッチSW5、ローパスフィルター10、バッファゲート11を備えている。
【0036】
第1種始動スイッチSW1は、パチンコ遊技機Pの遊技盤100の遊技領域101上の第1種始動口102内に設けられて遊技球の入賞を検出するためのスイッチであり、可変表示装置1における可変表示ゲームを開始するためのトリガとなるスイッチである。
【0037】
なお、第1種始動スイッチSW1への入賞は、4個を上限として、可変表示ゲーム始動の保留記憶としてRAM212内の特図保留エリアに一時的に記憶される。
【0038】
普図始動スイッチSW2は、遊技領域101上のスルーチャッカ(通過式の遊技球検出器)103,103内に設けられて遊技球の通過を検出するスイッチであり、普通図柄表示器17における普通図柄ゲームを開始するためのトリガとなるスイッチである。
【0039】
カウントスイッチSW3及び継続スイッチSW4は、ともに遊技領域101上の変動入賞装置(大入賞口)104内に設けられた近接スイッチによって構成され、カウントスイッチSW3は、変動入賞装置104内に入賞する全ての入賞球を検出するものであり、継続スイッチSW4は、変動入賞装置104内の特定領域を通過する通過球を検出するものである。
【0040】
入賞球検出スイッチSW5は、遊技領域101上の各入賞口へ入賞した全ての入賞球を検出するスイッチである。
【0041】
ローパスフィルター10は、第1種始動スイッチSW1、普図始動スイッチSW2、カウントスイッチSW3、継続スイッチSW4、入賞球検出スイッチSW5からの出力信号が入力されるとともに、遊技球の排出を制御する排出制御装置5から出力される要求信号が入力され、これら各信号をパルス波に整形してバッファゲート11に出力するものである。
【0042】
バッファゲート11は、ローパスフィルター10により整形されて入力されたパルス波を増幅してバスBを介して制御中枢部2Aに出力するものである。
【0043】
出力制御部4は、例えば、大当り時において、変動入賞装置(大入賞口)104を開放駆動等を制御するための信号等の出力を制御するためのものであり、図2に示すように、出力ポート12、ドライバー13、大入賞口ソレノイド14、始動口ソレノイド15、普通図柄記憶表示器16、普通図柄表示器17、装飾用のランプ・LED18、V入賞口の閉塞ソレノイド19を備えている。
【0044】
出力ポート12は、制御中枢部2AからバスBを介して入力される各種信号をドライバー13に出力するものである。
【0045】
ドライバー13は、出力ポート12から入力される各種信号に基づいて、例えば、ソレノイド14,15,19、ランプ・LED18等を駆動するための駆動制御信号を出力したり、排出制御装置5に対して排出制御信号(例えば、送信クロック信号,賞球データ信号等)を出力したり、表示制御装置GCに出力する表示データ信号(可変表示領域Wの表示情報等)や、ホール側の管理装置Kに出力する各種信号(例えば、始動口入賞信号,特別図柄回動信号,大当り信号,大当りサイクル継続信号等)を出力するものである。
【0046】
大入賞口ソレノイド14は、前記第1種始動口102への入賞タイミングで、RAM212内の所定の記憶領域に記憶される保留記憶データに基づいて可変表示ゲームが行われた結果、可変表示装置1に表示される停止図柄C(図1,図5参照)が特定のパターン(例えば、「777」)となって大当りした場合、変動入賞装置(大入賞口)を約29.5秒間、最大16回継続して開放するためのアクチュエータである。
【0047】
この大入賞口ソレノイド14の動作によって、遊技者に対して特別遊技(ボーナスゲーム)を行わせ、遊技者に多くの賞球獲得の機会を提供するものである。
【0048】
なお、この場合、変動入賞装置(大入賞口)104に遊技球が10個入賞した場合は、開放時間が約29.5秒以内であっても変動入賞装置(大入賞口)104の開放動作は停止するようになっている。
【0049】
始動口ソレノイド15は、スルーチャッカ103,103を遊技球が通過するタイミングでRAM212内の所定の記憶領域に記憶される情報に基づいて、後述の普通図柄表示器17に表示される図柄の変動及び停止を行い、普通図柄表示器17に表示される図柄が例えば「7」で停止して所謂小当りとなった場合、第1種始動口の電動チューリップを約1.5秒間、3回の開放動作を行い、遊技者に賞球獲得及び可変表示ゲーム開始の機会を与えるものである。
【0050】
普通図柄記憶表示器16は、普通図柄の可変表示の始動記憶を表示するものであり、普通図柄表示器17の左右近傍に設けられるLED106等で構成される。
【0051】
普通図柄表示器17は、遊技球発射装置(図示せず)により遊技領域101内に発射された遊技球がスルーチャッカ103,103を通過することを条件として、「1」,「3」,「5」,「7」の4図柄を変動表示し、所定時間後の停止図柄が「7」である場合、電動チューリップ役物107が約1.5秒間の開放を3回行う小当り状態を付与するものである。
【0052】
管理装置Kは、ホール内の一画に設けられる管理室に設置され、データ回線を介して複数台のパチンコ遊技機P,P,P・・・と接続されている。
【0053】
この管理装置Kは、少なくとも、各パチンコ遊技機Pから送信されてくる各停止図柄の情報を受信する受信手段、停止図柄に関する情報を蓄積する記憶手段、停止図柄の情報に基づいて各種演算を行う演算手段、停止図柄の情報や演算結果を表示する表示手段、各種データを印字する印刷手段等を備えたホストコンピュータなどで構成される。
【0054】
この管理装置Kは、各パチンコ遊技機Pから送信されてきた各停止図柄の情報に基づいて、各図柄の出現率や、大当りの発生率等を算出することができ、その演算結果は、遊技店の経営分析や、各パチンコ遊技機Pの特性分析等に役立てられる。
【0055】
排出制御装置5は、入賞球に基づく賞球を行うための各種制御処理を行うものである。
【0056】
電源装置6は、一般商用電源から変換された平均電圧24Vの交流電流を整流して直流電流(+33V,+12V,+5V)に変換し、これをパチンコ遊技機Pの各装置に供給する直流電源回路である。
【0057】
表示制御装置GCは、図5に示すように、可変表示装置1の表示部1Aの略中央の表示領域R1に、役物制御装置2から出力される表示データに基づいて特別図柄Cを変動表示させて可変表示ゲームを実行すると共に、その特別図柄Cの下方に位置する表示領域R2に、役物制御装置2から出力される保留記憶データに基づいて、所定の記憶報知図柄HC(HC1,HC2,HC3,HC4)を表示するものである。
【0058】
これにより、遊技者は、記憶報知図柄HCの表示数によって、現時点での保留記憶数を視認性良く把握することができる。
【0059】
また、後述するように、この記憶報知図柄HCの組合せに応じて、当たり確率を高めるなどの所定の遊技価値を遊技者に与える場合には、パチンコ遊技に対する興趣を一層高揚させることができるようになる。
【0060】
可変表示装置1の表示部1Aは、例えば、バックライトを備えた4インチサイズのカラー液晶ディスプレイ(LCD)等で構成され、表示制御装置GCからの制御信号により種々の文字や図柄等のキャラクターC,HCを表示できるようになっている。
【0061】
可変表示装置1で行われる可変表示ゲームは、図5に示すように、表示部(LCD)1Aの略中央の表示領域R1に、第1図柄(左図柄:C1)、第2図柄(中図柄:C2)、第3図柄(右図柄:C3)の三つの図柄を変動表示し、所定時間(5秒以上)経過後に、左図柄→中図柄→右図柄の順に、それぞれ、例えば、「0」,「1」,「2」,「3」,「4」,「5」,「6」,「7」,「8」,「9」,「桜」,「花」,「宝」,「月」,「光」の15図柄中のいずれかの図柄の1つを停止表示する。
【0062】
そして、停止時に3図柄が、「000」,「111」,「222」,「333」,「444」,「555」,「666」,「777」,「888」,「999」,「桜桜桜」,「花花花」,「宝宝宝」,「月月月」,「光光光」のいずれかの停止表示態様となった場合を大当たりとし、変動入賞装置(大入賞口)104を約29.5秒間開放するものである。
【0063】
このような大当たりの決定や、停止図柄の決定等は、役物制御部2によって生成される乱数に基づいて行われ、可変表示ゲームに偶然性を伴った確率的要素が盛り込まれて、パチンコ遊技に対する興趣を高揚させることができるようになっている。
【0064】
ここで、表示制御装置GCの構成について図6を参照して説明する。
【0065】
図6は、表示制御装置GCの概略構成を示すブロック図である。
【0066】
表示制御装置GCは、制御中枢部GC1と、画像出力部GC2と、音声出力部GC3とから構成され、役物制御装置2からの表示データ信号(表示情報)に基づいて、可変表示装置1の表示部1Aの表示領域R1に可変表示ゲームに用いられる特別図柄Cを表示すると共に、役物制御装置2からの保留記憶データ信号に基づいて、表示領域R2に保留記憶数を表わす記憶報知図柄HCを表示し、また、可変表示ゲームの雰囲気を盛り上げるため効果音等の音声を生成したりするものである。
【0067】
制御中枢部GC1は、CPU300、ROM301、RAM302から構成されている。
【0068】
CPU300は、例えば、前記CPU210と同様の8ビットのマイクロプロセッサーであり、前記出力ポート12及びドライバー13を介して役物制御装置2から送られてくる表示データ信号や保留記憶データ信号に基づいて、表示すべき画像(図柄や各種キャラクター)及び出力すべき音声を生成する処理、或いは、役物制御装置2で生成される乱数に基づいて表示すべき記憶報知図柄HCを選択する処理等を制御するものである。
【0069】
なお、CPU300の動作クロックは、独自に設けられるクロック生成回路307から得てもよいし、役物制御装置2の前記CPU210で用いられるクロックパルスの供給を受けるようにしてもよい。
【0070】
ROM301は、CPU300によって利用される表示制御用のプログラムや図柄データ、キャラクターデータ、音声データ等を記憶格納する不揮発性のメモリであり、RAM302は、CPU300におけるプログラム処理実行中に利用されるプログラムデータや、演算結果等を一時的に記憶したり、プログラム処理時の作業領域として利用される揮発性のメモリである。
【0071】
画像出力部GC2は、CPU300とは独立して画像処理制御を行うものであり、可変表示装置1に対して画像データを出力して表示部1Aを構成する液晶ディスプレイ(LCD)の画像表示を制御するビデオ・ディスプレイ・コントローラ(GDC:グラフィック専用のLSIチップ)303と、CPU300及びビデオ・ディスプレイ・コントローラ303によって演算処理されたグラフィック・データ(可変表示される各種図柄Cの表示データ及び各種記憶報知図柄HCの表示データ等)を一時的に格納するビデオ・メモリ(VRAM:Video RAM)304とから構成されている。
【0072】
音声出力部GC3は、可変表示ゲームを行う際の効果音やバックグラウンドミュージック(BGM)等の音データを生成するサウンドジェネレータ305と、その音声信号を増幅するアンプ306とから構成され、パチンコ遊技機Pに設けられるスピーカーSPに対してその音声信号を出力する。
【0073】
この表示制御装置GCの動作を図7,図8に示す表示例を参照して簡単に説明する。
【0074】
まず、役物制御装置2のCPU210の制御によって、例えば、第1種始動スイッチSW1の入力信号に基づいて、記憶表示図柄を決定する記憶報知図柄選択乱数より乱数を取得して記憶報知図柄情報記憶領域へ記憶すると共に、特図乱数生成領域より乱数値(可変表示ゲーム用)を取得し、特図乱数判定用記憶領域に記憶する。
【0075】
そして、各記憶情報に基づく制御信号が、出力ポート12とドライバー13を介してCPU300に入力される。
【0076】
CPU300は、その制御信号に基づく新たな記憶表示図柄用乱数値及び現在の保留記憶情報を受信する。
【0077】
詳しくは、保留記憶情報と、それに対応した記憶報知図柄情報を受信する。
【0078】
保留記憶情報が「1」で記憶報知図柄情報(記憶報知図柄選択乱数)が、例えば「A」の場合は、可変表示装置1の表示部1Aの表示領域R2の左から一番目に記憶報知図柄情報「A」に対応した図柄HC1を表示(図7(イ)参照)し、保留記憶情報が「2」で、記憶報知図柄情報(記憶報知図柄選択乱数)が、例えば「B」の場合は、可変表示装置1の表示部1Aの表示領域R2の左から二番目に記憶報知図柄情報「B」に対応した図柄HC2を表示(図7(ロ)参照)し、保留記憶情報が「3」で記憶報知図柄情報(記憶報知図柄選択乱数)が、例えば「D」の場合は、可変表示装置1の表示部1Aの表示領域R2の左から三番目に記憶報知図柄情報「D」に対応した図柄HC3を表示(図7(ハ)参照)し、保留記憶情報が「4」で記憶報知図柄情報(記憶報知図柄選択乱数)が、例えば「A」の場合は、可変表示装置1の表示部1Aの表示領域R2の左から四番目に記憶報知図柄情報「A」に対応した図柄HC4(HC1と同一図柄)を表示(図8(ニ)参照)する。
【0079】
また、保留記憶表示を更新する場合は、例えば、上記のように四つ保留記憶表示が表示されている場合、保留記憶情報「3」で記憶報知図柄情報が特定値(例えば「FF」)の場合に、一番左に表示されていたHC1が消去され(図8(ホ)参照)、順次左に移動する(HC4→HC3,HC3→HC2,HC2→HC1)。
【0080】
これにより、表示領域R2に表示される記憶報知図柄HCの表示数によって、現時点での保留記憶数を遊技者に視認性良く報知することができる。
【0081】
なお、この場合に、表示される記憶表示図柄HC1〜HC4のそれぞれのキャラクターは、役物制御装置2で生成される乱数に基づいて、CPU300で対応づけられた図柄が選択されて表示される(例えば、4種類のキャラクターの中から、一つが選択されて表示される。)
したがって、記憶表示図柄HC1〜HC4の表示態様には、所定の確率で、複数種類の組合せが生じることとなる。
【0082】
そして、この記憶表示図柄HC1〜HC4の組合せが、所定の組合せ(例えば、図8(ニ)に示すように、同一キャラクターが二つ以上出た組合せや、図5に示すように4つのキャラクターが全て出揃った組合せ等)となった場合に、可変表示ゲームにおいて「大当り」が生ずる確率を高確率に変更するように構成するならば、記憶表示図柄HC1〜HC4の組合せのランダム性を遊技内容に活用することができ、パチンコ遊技の興趣を一層高揚させることが可能となる。
【0083】
また、この記憶報知図柄HCの組合せを、遊技店における所謂ラッキーナンバー営業(遊技店が独自に指定した図柄で大当りとなった場合に、獲得した遊技球で継続して遊技を行わせる遊技形態)的に利用することもできる。
【0084】
即ち、例えば、大当たり時、または、大当たり終了時に、記憶報知図柄が4つとも同じキャラクターが揃う組み合わせになったような場合に、大当たりで獲得した遊技球によって当該遊技機で連続して遊技を行わせるようにしても良い。
【0085】
可変表示装置1の表示部1Aの表示領域R1では、役物制御装置2のCPU210より送出された表示図柄情報の制御信号に基づいて、ビデオ・ディスプレイ・コントローラ303の制御の下、各種図柄C(左図柄C1、中図柄C2、右図柄C3)が変動表示され、所定時間経過後に順次停止表示される可変表示ゲームが行われる。
【0086】
そして、この可変表示ゲームの結果、例えば、表示領域R1に停止表示された図柄配列が「777」等のゾロ目となった場合には、役物制御装置2のCPU210の制御の下、大当りゲームが実行される。
【0087】
そして、保留記憶数が「0」になるまで、同様の可変表示ゲームが、順次実行されることとなる。
【0088】
次に、図9〜図13に示すフローチャートを参照して、本実施例に係るパチンコ遊技機Pの制御手順を説明する。
【0089】
図9は、パチンコ遊技機Pの全体的な処理手順の概要を示すゼネラル・フローチャートである。
【0090】
この処理では、まず、ステップS1で最初の電源投入時であるか否かを判定し、最初の電源投入時である場合(Yesの場合)には、ステップS2に移行して、役物制御装置2のCPU210によって使用されるレジスタやRAM212の初期化を行う初期化処理を実行した後、リセット割り込み待ちの状態となる。
【0091】
一方、上記ステップS1の処理において、最初の電源投入時でない場合(Noの場合)にはステップS3に進んで、確率設定を行うか否かがチェックされ、確率設定が行われる場合(Yesの場合)には、後述する確率設定処理が行われた後に、リセット割り込み待ちの状態となる。
【0092】
ここで、確率設定処理とは、役物制御装置2に設けられた確率モードを設定するキースイッチの鍵穴に専用キーを挿入し、左に回した状態でパチンコ遊技機Pの電源がオンされた場合に行われ、専用キーを中立の位置に戻し、右に1ステップ可動を反復することにより、基準となる確率値を1/269,1/289,1/308の中からいずれか1つを選択するという処理である。
【0093】
また、上記ステップS3の処理において、確率設定が行われない場合(Noの場合)には、ステップS5に移行して、制御中枢部2Aから排出制御装置5に賞球データ等に関する賞球制御処理が行われ、次いで、ステップS6に進んで、可変表示ゲームにおける大当り,リーチ,ハズレのいずれかを決定するために、ケタ上がり方式のカウンタに基づいてゲーム内容に関与する新たな乱数を生成して乱数の更新を行う乱数更新処理が実行される。
【0094】
続いてステップS7に移行して、第1種始動スイッチSW1の入賞監視処理、普図始動スイッチSW2の通過監視処理、カウントスイッチSW3の入賞監視処理、継続スイッチSW4の入賞監視処理、入賞球検出スイッチSW5の入賞監視処理等を行うための各種スイッチにおける入力を監視するスイッチ入力監視処理(SW入力処理)が行われてからステップS8に進む。
【0095】
ステップS8では、役物制御装置2のCPU210において各種処理(ステップS801〜S804)を効率良く行うためにタイムシェアリング方式の時分割処理が行われる。
【0096】
即ち、イベントカウンタの値に基づく時分割処理が行われ、そのイベントカウンタの値は、シーケンスの実行回数がカウントされることにより設定される。
【0097】
この時分割処理により、イベントカウンタ値が「0」の場合には、ステップS801で特別図柄のゲーム処理(特図ゲーム処理:後述の通常処理、図柄変動処理、リーチ処理、大当り処理等を含む)が実行され、カウンタ値が「1」の場合には、ステップS802で各種モードに対応するテーブルデータを表示制御装置に送信する送信コマンド編集処理が実行され、カウンタ値が「2」の場合には、ステップS803で図柄の変動、停止の制御を行う図柄制御編集処理が実行され、カウンタ値が「3」の場合には、ステップS804で制御中枢部2Aから表示制御装置GCに対して表示データを転送するデータ転送処理が順次実行される。
【0098】
次いで、ステップS9で普通図柄ゲームに関する普図普電処理が行われてからステップS10に移行して、ソレノイド・外部情報処理(第1種始動口102内にどのくらいの割合で入賞しているかを測定するために、ホールの管理装置Kへ出力される始動口入賞のオン・オフデータや、停止図柄に関するデータ、大当り中であることを知らせる大当り信号等が出力される処理)が行われた後、ステップS11に進む。
【0099】
そして、ステップS11で、出力処理が行われた後にステップS12に進み、遊技状態に応じて遊技盤面101に配置されたLEDやランプ等の表示データを設定する処理であるランプ・LED処理が行われる。
【0100】
次にステップS13に移行して音出力処理が行われた後に、ステップS14で、カウントスイッチSW3、継続スイッチSW4においてノーカウント不正や玉詰まり不正等の不正が行われているか否かが監視され、不正が行われていると判断した場合には不正を報知する不正監視・不正処理が行われてから、制御中枢部2AのCPU210はリセット割り込み待ちの状態となり、リセット信号に基づいてリセット割り込み待ちの状態から復帰するようになっている。
【0101】
次に、前記ステップS7のSW入力処理の内第1種始動スイッチSW1の入力処理について、図10のフローチャートを参照して説明する。
【0102】
この処理では、まず、ステップS701で始動入賞有りか否か、即ち、前記第1種始動口102内の第1種始動スイッチSW1で入賞球の検出信号が出力されたか否かが判定され、「No」の場合にはそのまま図9のメイン処理に戻り、「Yes」の場合にはステップS702に進む。
【0103】
ステップS702では、現時点における始動記憶(保留記憶)が“4”であるか否かが判定され、「Yes」の場合には、新たな記憶の追加は出来ないものとして、そのまま図9のメイン処理に戻り、「No」の場合(即ち、記憶数が“3”以下の場合)にはステップS703に移行して、始動記憶数を「+1」インクリメントしてからステップS704に進む。
【0104】
ステップS704では、可変表示ゲームで用いる乱数を、特別図柄の乱数生成領域より抽出してからステップS705に移行し、抽出した乱数をRAM212内の特別図柄乱数判定用記憶領域へ格納してからステップS706に進む。
【0105】
ステップS706では、記憶報知図柄HCを選択するための乱数を抽出してステップS707に移行し、抽出した乱数をRAM212内の記憶報知図柄情報記憶領域へ格納してから図9のメイン処理へ戻る。
【0106】
このSW入力処理によって、可変表示装置1において行われる可変表示ゲームの始動記憶(保留記憶)が更新され、この始動記憶数に基づいて、可変表示装置1の表示部1Aの表示領域R2に表示される記憶報知図柄HCの表示数が決定されることとなる。
【0107】
したがって、可変表示装置1の表示部1Aの表示領域R2において、例えば、始動記憶数が“1”の場合には、左側から一番目に記憶報知図柄HC1を表示し、始動記憶数が“2”の場合には左側から一番目と二番目に記憶報知図柄HC1,HC2を表示し、始動記憶数が“3”の場合には、一番目〜三番目に記憶報知図柄HC1〜HC3を表示し、始動記憶数が“4”の場合には、一番目〜四番目に記憶報知図柄HC1〜HC4を表示して、遊技者にその記憶報知図柄HCの表示数によって始動記憶数(保留記憶数)を報知することが可能となる。
【0108】
また、ステップS706とステップS707の処理に基づいて、表示領域R2に表示されるべき記憶報知図柄HCのキャラクターが、複数種類の中からランダムに選択されることとなる。
【0109】
即ち、ROM301内に予め格納されている例えば4種類のキャラクターの中から、乱数値に対応するキャラクターが一つ選択され、その選択されたキャラクターが記憶報知図柄HCとして表示領域R2に表示出力されることとなる。
【0110】
次に、図9の前記ステップS801の特図ゲーム処理の一環として行われる通常処理の処理手順を図11を参照して説明する。
【0111】
図11は、図9に示す特図ゲーム処理に含まれる通常処理のフローチャートである。
【0112】
この通常処理では、まず、ステップP1で、RAM212の特図保留エリア内の始動記憶(保留記憶)の有無が判定され、始動記憶がない場合(「No」の場合)には直ちに図9のメイン処理に復帰して、ステップS9以降の処理に進み、始動記憶がある場合(「Yes」の場合)には、ステップP2で始動記憶数を「1」ディクリメントしてからステップP3に移行し、RAM212内の特図保留エリア(特図乱数判定用記憶領域)より乱数を取得して、ステップP4に進む。
【0113】
ステップP4では、現在のパチンコ遊技機Pにおける可変表示ゲームでの遊技状態が確率変動中、すなわち、高確率状態であるか否かが判定され、低確率状態である場合(判定結果が「No」である場合)には、ステップP5に進んで通常確率中の乱数判定値として“07”を1つだけ選択し、高確率状態である場合(判定結果が「Yes」である場合)には、ステップP6に移行して確率アップ中の乱数判定値として“07”,“22”,“75”,“124”,“189”の5つを選択して、確率変動時には、通常時と比較して確率が5倍にアップするようになっている。
【0114】
次いで、ステップP7に進んで、上記ステップP3で取得された乱数値と乱数判定値とを比較してからステップP8に移行する。
【0115】
ステップP8では、取得された乱数が当り値であるか否かが判定され、当り値ではなかった場合(判定結果が「No」の場合)には、ステップP9に進んで、RAM212のハズレ図柄格納領域に記憶されているハズレ図柄により停止図柄が決定され、当り値であった場合(判定結果が「Yes」の場合)には、ステップP10に移行してRAM212の大当り図柄格納領域に記憶されている当り図柄により停止図柄が決定される。
【0116】
そして、ステップP11でイベントカウンタ値が「図柄変動処理」(なお、本処理の詳細は省略する)に変更された後にメイン処理に復帰し、図9のステップS9以降の処理を実行する。
【0117】
この通常処理により、始動記憶の有無が確認され、始動記憶が有る場合には、乱数に応じて大当りの発生確率が変更され、また、可変表示装置1の表示部1Aの表示領域R1で行われる可変表示ゲームで表示される図柄が決定されることとなる。
【0118】
なお、前記ステップP3,P4の処理に代えて、或いは、ステップP3,P4の処理と並行して、「記憶報知図柄情報記憶領域より記憶報知図柄情報を取得する」 → 「記憶報知図柄情報が所定の組合せに一致するかを判定する」 → 「一致する場合には確率をアップし、不一致の場合は通常確率にする」という処理を行うように構成するならば、可変表示装置1の表示部1Aの表示領域R2に表示される記憶報知図柄の組合せに応じて、大当り発生の確率を変更することができるようになり、遊技に対する興趣を高めることができる。
【0119】
次に、図9の前記ステップS802の送信コマンド編集処理の処理手順を図12に示すフローチャートを参照して説明する。
【0120】
この送信コマンド編集処理では、ステップT1で各種モードデータに対応するテーブルデータを算出する。
【0121】
データの具体的な内容は、例えば、表1,表2に示すように、動作状態を示すモードデータと、各モードでの図柄及びその表示位置を示すデータ1〜データ6と、保留記憶情報を示す情報としてのデータ7,データ8とがそれぞれ1バイトづつ、合計9バイトのデータとして、役物制御装置2から表示制御装置GCに転送される。
【0122】
【表1】
Figure 0003587575
【0123】
【表2】
Figure 0003587575
【0124】
即ち、例えば、モードが01H(通常回転)であれば、データ1に「左図柄番号」、データ2に「左図柄位置」、データ3に「中図柄番号」、データ4に「中図柄位置」、データ5に「右図柄番号」、データ6に「右図柄位置」、データ7に「特別図柄の記憶情報」、データ8に「記憶報知図柄情報(例えば、記憶報知図柄のキャラクターを指定するために選択された乱数値)」というように、データ番号に対する各情報の格納領域への割り付けを算出して設定するものである。
【0125】
以下、表1に示すように、モード02H(連続回転),03H(ハズレ停止),04H(リーチハズレ:リーチ状態からハズレとなった場合),05H(リーチハズレ停止:リーチ状態からハズレとなってハズレ図柄を停止表示する場合),06H(リーチ大当り:リーチ状態から大当りとなった場合),07H(リーチ大当り停止:リーチ状態から大当りとなって大当り図柄を停止表示する場合)の各モードについても、データ1〜データ8に所定の情報が割り付けられる。
【0126】
また、表2に示す場合では、例えば、モードが08H(呼び込み)であれば、データ1に「左図柄番号」、データ2に「DC:disconnection ;データなし状態」、データ3に「中図柄番号」、データ4に「08H」、データ5に「右図柄番号」、データ6に「DC」、データ7に「特別図柄の記憶情報」、データ8に「記憶報知図柄情報」というように、データ番号に対する各情報の格納領域への割り付けを算出して設定するものである。
【0127】
なお、データ4でモードデータを再送信するようにしているため、動作モードの確実な伝達を行うことができる。
【0128】
以下、表2に示すように、モード09H(ファンファーレ),0AH(インターバル),0BH(大当り前半),0CH(大当り後半),0DH(大当り終了),0EH(不正)の各モードについても、データ1〜データ8に所定の情報が割り付けられる。
【0129】
次に、図12のステップT2では、上記テーブルデータより使用する情報を取得してからステップT3に移行する。
【0130】
即ち、例えば、本発明に直接関連する始動記憶数を特図記憶情報エリアから取得し、記憶報知図柄の情報を記憶図柄情報記憶エリアより取得する。
【0131】
ステップT3では、取得した情報(例えば、始動記憶数や記憶図柄情報)をRAM212のデータ転送領域に表1または表2の形式(フォーマット)でセットしてから図9のメイン処理に戻り、ステップS9以降の処理を実行する。
【0132】
この送信コマンド編集処理により、表示制御装置GCは、役物制御装置2から転送されてくる情報(始動記憶数(保留記憶数)や記憶図柄情報)に基づいて、その記憶に相当する記憶報知図柄HCを選択されたキャラクターで表示出力することができ、記憶報知図柄HCの表示数による斬新な記憶数報知を行うことができるようになる。
【0133】
次に、図9の前記ステップS803の図柄制御編集処理の制御手順について図13に示すフローチャートを参照して説明する。
【0134】
この処理では、まず、ステップQ1で制御データテーブルの算出を行ってからステップQ2に進み、その制御データテーブルに従って制御データを取得してからステップQ3に移行する。
【0135】
ステップQ3では、可変表示装置1の表示部1Aの表示領域R1における図柄の表示位置を更新してからステップQ4に進み、図柄ポイント位置(一つの図柄を水平方向の短冊状に分割した表示ポイントであり、この表示ポイントを順次移動することにより特別図柄Cの変動表示を行う)を更新して図9のメイン処理に戻り、ステップS9以降の処理を行う。
【0136】
この図柄制御編集処理によって、役物制御装置2から送出される制御データに基づいて、表示制御装置1の表示部1Aの表示領域R1に特別図柄を表示して可変表示ゲームが行われる。
【0137】
なお、上記図柄制御編集処理と同じような処理を、表示領域R2の記憶報知図柄HCの表示に適用して、各種キャラクターに所定の動作を行わせる動画(アニメーション表示)として表現して、記憶報知図柄HCに面白味を付加できるようにしてもよい。
【0138】
なお、特別図柄や記憶表示図柄以外の表示、即ち、その他のキャラクターや文字等の表示については、表示制御装置1によって制御される。
【0139】
以上述べたように、本実施例に係るパチンコ遊技機Pによれば、可変表示ゲームの始動記憶数について、可変表示装置1の表示部1Aの表示領域R2における記憶表示図柄HCの表示数によって、今までにない斬新なイメージの報知を行うことができる。
【0140】
しかも、遊技者は、可変表示ゲームが行われる可変表示装置1の表示部1Aを注視するだけで、記憶報知図柄HCによって容易に記憶数を把握することができ、視認性も良好であるから、パチンコ遊技に集中することができる。
【0141】
また、記憶報知図柄の組合せに応じて、大当りの発生確率を変動させるようにした場合には、パチンコ遊技に対する興趣を一層高揚させることができる。
【0142】
なお、本実施例では、可変表示装置1の表示部1Aに液晶ディスプレイ(LCD)を用いる場合について述べたが、これに限られるものではなく、CRTディスプレイ等で構成する場合であってもよい。
【0143】
また、本実施例では、遊技機としてパチンコ遊技機Pに本発明を適用した場合について説明したが、これに限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で他のアミューズメントゲーム機等にも適用可能である。
【0144】
また、本実施例では、記憶報知図柄HCを4種類のキャラクターから選択する場合について述べたが、これに限られるものではなく、キャラクターの数は任意に変更できることは勿論である。
【0145】
さらにまた、本実施例では、記憶報知図柄HCを、可変表示装置1の表示部1Aの表示領域R1の下方の表示領域R2に表示出力する場合について述べたが、これに限定されるものではなく、表示部1A内であれば任意の位置(例えば、縦方向等)に記憶報知図柄HCの表示領域を設けることが可能である。
【0146】
また、本実施例では、記憶報知図柄HCによる保留記憶数の上限が4個である場合いついて述べたが、これに限られるものではなく、4個以下或いは4個以上の記憶数を上限とした場合にも、それに見合った数の記憶報知図柄HCを表示領域R2に表示することにより、視認性良く記憶数の報知を行うことができる。
【0147】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、入賞数記憶手段によって、特定入賞口への遊技球の入賞に基づいて、所定の遊技価値を付与するか否かを決定する第1乱数値、及び、当該特定入賞口への遊技球の入賞記憶を報知する入賞記憶報知図柄を決定するための第2乱数値を、所定数を上限として記憶され、記憶報知図柄表示手段によって、前記入賞数記憶手段に記憶された第2乱数値に対応する所定の入賞記憶報知図柄を表示することで、記憶数を報知し、前記記憶報知図柄表示手段は、前記入賞記憶報知図柄の組み合わせに応じて、前記可変表示ゲームの停止表示態様が前記大当たり停止表示態様となる確率が高確率となるように前記第1乱数値の判定値が変更される。
その結果、従来のようなLED等の点灯、消灯による記憶報知に代えて、第2乱数値に応じて記憶数を表す入賞記憶報知図柄を複数種にわたって表示することができるので , 視認性が良く、しかも斬新なイメージの記憶数報知を行うことができると共に、変化に富んで面白味のある記憶数表示が可能となる。
また、記憶数を表す入賞記憶報知図柄の組み合わせによって可変表示ゲームの停止表示態様が大当たり停止表示態様となる確率が高確率に変更されるので、記憶数を表す入賞記憶報知図柄の組み合わせによって当たり確率を高めることができ、遊技に対する興趣を一層高揚させることができる。
【0148】
請求項2に記載の発明によれば、入賞数記憶手段の記憶数をディクリメントする場合に、前記入賞記憶報知図柄を移動させて記憶内容が報知されるので、視認性が良く、しかも斬新なイメージの記憶数報知を行うことができる。
【0149】
請求項3に記載の発明によれば、可変表示ゲームが実行されるごとに、記憶報知図柄表示手段により、記憶数が1の場合に表示される位置に表示されている入賞記憶報知図柄が消去され、記憶数が2以上の場合に表示される位置に表示されている入賞記憶報知図柄が、消去された入賞記憶報知図柄が表示されていた位置方向に順次繰り上げ移動されることによって記憶数表示が更新されたことを容易に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例に係るパチンコ遊技機Pの原理図である。
【図2】本実施例のパチンコ遊技機Pの要部構成を示すブロック図である。
【図3】図2に続く、本実施例のパチンコ遊技機Pの要部構成を示すブロック図である。
【図4】本実施例のパチンコ遊技機Pの遊技盤100の概略構成を示す正面図である。
【図5】可変表示装置1の表示部1Aにおける表示領域R1,R2の表示例を示す説明図である。
【図6】本実施例のパチンコ遊技機Pにおける表示制御装置GCの構成を示すブロック図である。
【図7】(イ)〜(ハ)は、可変表示装置1の表示部1Aにおける表示領域R2の表示例を示す説明図である。
【図8】(ニ),(ホ)は、可変表示装置1の表示部1Aにおける表示領域R2の表示例を示す説明図である。
【図9】役物制御装置2における全体的なメイン処理の概要を示すゼネラル・フローチャートである。
【図10】図9のステップS7のSW入力処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図11】図9のステップS801の特図ゲーム処理の一環として行われる通常処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図12】図9のステップS802の送信コマンド編集処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図13】図9のステップS803の図柄制御編集処理の処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
P パチンコ遊技機
1 可変表示装置
1A 表示部(液晶ディスプレイ:LCD)
2 役物制御装置
2A 制御中枢部
2B 音声出力部
3 入力制御部
4 出力制御部
5 排出制御装置
6 電源装置
10 ローパスフィルタ
11 バッファゲート
12 出力ポート
13 ドライバー
SW1 第1種始動スイッチ
SW2 普図始動スイッチ
SW3 カウントスイッチ
SW4 継続スイッチ
SW5 入賞球検出スイッチ
210 CPU
211 ROM
212 RAM
213 分周回路
214 クロック生成回路
220 サウンドジェネレータ
221 アンプ
222 スピーカー
GC 表示制御装置
GC1 制御中枢部
GC2 画像出力部
GC3 音声出力部
300 CPU
301 ROM
302 RAM
303 ビデオ・ディスプレイ・コントローラ(VDC)
304 ビデオ・メモリ(VRAM)
305 サウンドジェネレータ
606 アンプ
SP スピーカー
B バス
K 管理装置
R1 表示領域
R2 表示領域
C 特別図柄(C1:左図柄,C2:中図柄,C3:右図柄)
HC 記憶報知図柄(HC1,HC2,HC3,HC4)

Claims (3)

  1. 特定入賞口への遊技球の入賞に基づいて、可変表示ゲームを行い、該可変表示ゲームの停止表示態様が大当たり停止表示態様となった場合に所定の遊技価値を付与する遊技機において、
    前記特定入賞口への遊技球の入賞に基づいて、所定の遊技価値を付与するか否かを決定する第1乱数値、及び、当該特定入賞口への遊技球の入賞記憶を報知する入賞記憶報知図柄を決定するための第2乱数値を、所定数を上限として記憶する入賞数記憶手段と、
    記入賞数記憶手段に記憶された第2乱数値に対応する所定の入賞記憶報知図柄を表示することで記憶数を報知する記憶報知図柄表示手段と、を設け、
    前記可変表示ゲームの開始時に、前記第1乱数値と判定値とを比較判定し、当たりの場合は所定の遊技価値を付与する大当たり停止表示態様を決定すると共に、外れの場合は外れ停止表示態様を決定し、該決定された停止表示態様とする可変表示ゲームを行うように構成され、
    前記記憶報知図柄表示手段は、前記入賞記憶報知図柄の組み合わせに応じて、前記可変表示ゲームの停止表示態様が前記大当たり停止表示態様となる確率が高確率となるように前記第1乱数値の判定値を変更することを特徴とする遊技機。
  2. 前記記憶報知図柄表示手段は、前記入賞数記憶手段の記憶数をディクリメントする場合に、前記入賞記憶報知図柄を移動させて記憶内容を報知することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
  3. 前記記憶報知図柄表示手段は、前記可変表示ゲームが実行されるごとに、記憶数が1の場合に表示される位置に表示されている入賞記憶報知図柄を消去し、記憶数が2以上の場合に表示される位置に表示されている入賞記憶報知図柄を、消去された入賞記憶報知図柄が表示されていた位置方向に1つ宛順次移動させることを特徴とする請求項2記載の遊技機。
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