以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。
まず、遊技機の一例である第1種パチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機を正面からみた正面図、図2は遊技盤の前面を示す正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤を除く。)とを含む構造体である。
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4と打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、それぞれが識別情報としての図柄を可変表示する複数の可変表示部を含む可変表示装置(特別可変表示部)9が設けられている。可変表示装置9には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの可変表示部(図柄表示エリア)がある。また、可変表示装置9には、始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち始動記憶数を表示する4つの特別図柄始動記憶表示エリア(始動記憶表示エリア)18が設けられている。有効始動入賞がある毎に、表示色を変化させる(例えば青色表示から赤色表示に変化させる)始動記憶表示エリアを1増やす。そして、可変表示装置9の可変表示が開始される毎に、表示色が変化している始動記憶数表示エリアを1減らす(すなわち表示色をもとに戻す)。この例では、図柄表示エリアと始動記憶表示エリアとが区分けされて設けられているので、可変表示中も始動記憶数が表示された状態とすることができる。なお、始動記憶表示エリアを図柄表示エリアの一部に設けるようにしてもよく、この場合には、可変表示中は始動記憶数の表示を中断するようにすればよい。また、この例では、始動記憶表示エリアを可変表示装置9に設けるようにしているが、始動記憶数を表示する表示器(特別図柄始動記憶表示器)を可変表示装置9とは別個に設けるようにしてもよい。
可変表示装置9の下方には、始動入賞口14としての可変入賞球装置15が設けられている。始動入賞口14に入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、始動口スイッチ14aによって検出される。また、始動入賞口14の下部には開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられている。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。
可変入賞球装置15の下部には、特定遊技状態(大当り状態)においてソレノイド21によって開状態とされる開閉板20が設けられている。開閉板20は大入賞口を開閉する手段である。開閉板20から遊技盤6の背面に導かれた入賞球のうち一方(V入賞領域)に入った入賞球はV入賞スイッチ22で検出され、開閉板20からの入賞球はカウントスイッチ23で検出される。遊技盤6の背面には、大入賞口内の経路を切り換えるためのソレノイド21Aも設けられている。
ゲート32に遊技球が入賞しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄始動記憶が上限に達していなければ、所定の乱数値が抽出される。そして、普通図柄表示器10において表示状態が変化する可変表示を開始できる状態であれば、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。普通図柄表示器10において表示状態が変化する可変表示を開始できる状態でなければ、普通図柄始動記憶の値が1増やされる。普通図柄表示器10の近傍には、普通図柄始動記憶数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄始動記憶表示器41が設けられている。ゲート32への入賞がある毎に、普通図柄始動記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。なお、特別図柄と普通図柄とを一つの可変表示装置で可変表示するように構成することもできる。その場合には、特別可変表示部と普通可変表示部とは1つの可変表示装置で実現される。
この実施の形態では、左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、可変表示は所定時間(例えば29秒)継続する。そして、可変表示の終了時に左側のランプが点灯すれば当りとなる。当りとするか否かは、ゲート32に遊技球が入賞したときに抽出された乱数の値が所定の当り判定値と一致したか否かによって決定される。普通図柄表示器10における可変表示の表示結果が当りである場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になって遊技球が入賞しやすい状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態に変化する。
さらに、確変状態では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数とのうちの一方または双方が高められ、遊技者にとってさらに有利になる。また、確変状態等の所定の状態では、普通図柄表示器10における可変表示期間(変動時間)が短縮されることによって、遊技者にとってさらに有利になるようにしてもよい。
遊技盤6には、複数の入賞口29,30,33,39が設けられ、遊技球の入賞口29,30,33への入賞は、それぞれ入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aによって検出される。遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球を吸収するアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けられている。さらに、遊技領域7における各構造物(大入賞口等)の周囲には装飾LEDが設置されている。天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cおよび装飾用LEDは、遊技機に設けられている装飾発光体の一例である。
そして、この例では、左枠ランプ28bの近傍に、賞球残数があるときに点灯する賞球ランプ51が設けられ、天枠ランプ28aの近傍に、補給球が切れたときに点灯する球切れランプ52が設けられている。さらに、図1には、パチンコ遊技機1に隣接して設置され、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするカードユニット50も示されている。
カードユニット50には、使用可能状態であるか否かを示す使用可表示ランプ151、カード内に記録された残額情報に端数(100円未満の数)が存在する場合にその端数を打球供給皿3の近傍に設けられる度数表示LEDに表示させるための端数表示スイッチ152、カードユニット50がいずれの側のパチンコ遊技機1に対応しているのかを示す連結台方向表示器153、カードユニット50内にカードが投入されていることを示すカード投入表示ランプ154、記録媒体としてのカードが挿入されるカード挿入口155、およびカード挿入口155の裏面に設けられているカードリーダライタの機構を点検する場合にカードユニット50を解放するためのカードユニット錠156が設けられている。
打球発射装置から発射された遊技球は、打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。打球が始動入賞口14に入り始動口スイッチ14aで検出されると、図柄の可変表示を開始できる状態であれば、可変表示装置9において特別図柄が可変表示(変動)を始める。図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、始動記憶数を1増やす。
可変表示装置9における特別図柄の可変表示は、一定時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄の組み合わせが大当り図柄(特定表示態様)であると、大当り遊技状態に移行する。すなわち、開閉板20が、一定時間経過するまで、または、所定個数(例えば10個)の打球が入賞するまで開放する。そして、開閉板20の開放中に打球がV入賞領域に入賞しV入賞スイッチ22で検出されると、継続権が発生し開閉板20の開放が再度行われる。継続権の発生は、所定回数(例えば15ラウンド)許容される。
停止時の可変表示装置9における特別図柄の組み合わせが確率変動を伴う大当り図柄(確変図柄)の組み合わせである場合には、次に大当りとなる確率が高くなる。すなわち、確変状態という遊技者にとってさらに有利な状態となる。
次に、パチンコ遊技機1の裏面の構造について図3を参照して説明する。図3は、遊技機を裏面から見た背面図である。
図3に示すように、遊技機裏面側では、可変表示装置9を制御する図柄制御基板80を含む可変表示制御ユニット49、遊技制御用マイクロコンピュータ等が搭載された遊技制御基板(主基板)31が設置されている。また、球払出制御を行う払出制御用マイクロコンピュータ等が搭載された払出制御基板37が設置されている。さらに、遊技盤6に設けられている各種装飾LEDおよび普通図柄始動記憶表示器41、装飾ランプ25、枠側に設けられている天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28c、賞球ランプ51および球切れランプ52を点灯制御するランプ制御手段が搭載されたランプ制御基板35、スピーカ27からの音発生を制御する音制御手段が搭載された音制御基板70も設けられている。また、DC30V、DC21V、DC12VおよびDC5Vを作成する電源回路が搭載された電源基板910や発射制御基板91が設けられている。
遊技機裏面において、上方には、各種情報を遊技機外部に出力するための各端子を備えたターミナル基板160が設置されている。ターミナル基板160には、少なくとも、球切れ検出スイッチの出力を導入して外部出力するための球切れ用端子、賞球個数信号を外部出力するための賞球用端子および球貸し個数信号を外部出力するための球貸し用端子が設けられている。また、中央付近には、主基板31からの各種情報を遊技機外部に出力するための各端子を備えた情報端子盤34が設置されている。
さらに、各基板(主基板31や払出制御基板37等)に含まれる記憶内容保持手段(例えば、電力供給停止時にもその内容を保持可能な変動データ記憶手段すなわちバックアップRAM)に記憶されたバックアップデータをクリアするための操作手段としてのクリアスイッチ921が搭載されたスイッチ基板190が設けられている。スイッチ基板190には、クリアスイッチ921と、主基板31等の他の基板と接続されるコネクタ922が設けられている。
貯留タンク38に貯留された遊技球は誘導レールを通り、賞球ケース40Aで覆われた球払出装置に至る。球払出装置の上部には、遊技媒体切れ検出手段としての球切れスイッチ187が設けられている。球切れスイッチ187が球切れを検出すると、球払出装置の払出動作が停止する。球切れスイッチ187は遊技球通路内の遊技球の有無を検出するスイッチであるが、貯留タンク38内の補給球の不足を検出する球切れ検出スイッチ167も誘導レールにおける上流部分(貯留タンク38に近接する部分)に設けられている。球切れ検出スイッチ167が遊技球の不足を検知すると、遊技機設置島に設けられている補給機構から遊技機に対して遊技球の補給が行われる。
入賞にもとづく景品としての遊技球や球貸し要求にもとづく遊技球が多数払い出されて打球供給皿3が満杯になり、さらに遊技球が払い出されると、遊技球は余剰球受皿4に導かれる。さらに遊技球が払い出されると、満タンスイッチ48(図3において図示せず)がオンする。その状態では、球払出装置内の払出モータの回転が停止して球払出装置の動作が停止するとともに発射装置の駆動も停止する。
図4は、主基板31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図4には、払出制御基板37、ランプ制御基板35、音制御基板70、発射制御基板91および図柄制御基板80も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する基本回路53と、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、V入賞スイッチ22、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a、満タンスイッチ48、球切れスイッチ187、賞球カウントスイッチ301Aおよびクリアスイッチ921からの信号を基本回路53に与えるスイッチ回路58と、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、開閉板20を開閉するソレノイド21および大入賞口内の経路を切り換えるためのソレノイド21Aを基本回路53からの指令に従って駆動するソレノイド回路59とが搭載されている。
なお、図4には示されていないが、カウントスイッチ短絡信号もスイッチ回路58を介して基本回路53に伝達される。また、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、V入賞スイッチ22、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a、満タンスイッチ48、球切れスイッチ187、賞球カウントスイッチ301A等のスイッチは、センサと称されているものでもよい。すなわち、遊技球を検出できる遊技媒体検出手段(この例では遊技球検出手段)であれば、その名称を問わない。スイッチと称されているものがセンサと称されているもの等でもよいこと、すなわち、スイッチが遊技媒体検出手段の一例であることは、他の実施の形態でも同様である。
また、基本回路53から与えられるデータに従って、大当りの発生を示す大当り情報、可変表示装置9における図柄の可変表示開始に利用された始動入賞球の個数を示す有効始動情報、確率変動が生じたことを示す確変情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64が搭載されている。
基本回路53は、ゲーム制御用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段(変動データを記憶する手段)としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54,RAM55はCPU56に内蔵されている。すなわち、CPU56は、1チップマイクロコンピュータである。なお、1チップマイクロコンピュータは、少なくともRAM55が内蔵されていればよく、ROM54およびI/Oポート部57は外付けであっても内蔵されていてもよい。
また、RAM(CPU内蔵RAMであってもよい。)55の一部または全部が、電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。
遊技球を打撃して発射する打球発射装置は発射制御基板91上の回路によって制御される駆動モータ94で駆動される。そして、駆動モータ94の駆動力は、操作ノブ5の操作量に従って調整される。すなわち、発射制御基板91上の回路によって、操作ノブ5の操作量に応じた速度で打球が発射されるように制御される。
この実施の形態では、ランプ制御基板35に搭載されているランプ制御手段が、遊技盤に設けられている普通図柄始動記憶表示器41および装飾ランプ25の表示制御を行うとともに、枠側に設けられている天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28c、賞球ランプ51および球切れランプ52の表示制御を行う。なお、各ランプはLEDその他の種類の発光体でもよく、この実施の形態および他の実施の形態で用いられているLEDも他の種類の発光体でもよい。すなわち、ランプやLEDは発光体の一例である。また、特別図柄を可変表示する可変表示装置9および普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10の表示制御は、図柄制御基板80に搭載されている表示制御手段によって行われる。
図5は、図柄制御基板80内の回路構成を、可変表示装置9の一実現例であるLCD(液晶表示装置)82、普通図柄表示器10、主基板31の出力ポート(ポート0,2)570,572および出力バッファ回路620,62Aとともに示すブロック図である。出力ポート(出力ポート2)572からは8ビットのデータが出力され、出力ポート570からは1ビットのストローブ信号(INT信号)が出力される。また、この実施の形態では、コマンドデータをパラレル通信(この例では8ビットパラレル)によって送信する構成としているが、シリアル通信によってやりとりされるようにしてもよい。
表示制御用CPU101は、制御データROM102に格納されたプログラムに従って動作し、主基板31からノイズフィルタ107および入力バッファ回路105Bを介してINT信号が入力されると、入力バッファ回路105Aを介して表示制御コマンドを受信する。入力バッファ回路105A,105Bとして、例えば汎用ICである74HC540,74HC14を使用することができる。なお、表示制御用CPU101がI/Oポートを内蔵していない場合には、入力バッファ回路105A,105Bと表示制御用CPU101との間に、I/Oポートが設けられる。
そして、表示制御用CPU101は、受信した表示制御コマンドに従って、LCD82に表示される画面の表示制御を行う。具体的には、表示制御コマンドに応じた指令をVDP(ビデオディスプレイプロセッサ)103に与える。VDP103は、キャラクタROM86から必要なデータを読み出す。VDP103は、入力したデータに従ってLCD82に表示するための画像データを生成し、R,G,B信号および同期信号をLCD82に出力する。
なお、図5には、VDP103をリセットするためのリセット回路83、VDP103に動作クロックを与えるための発振回路85、および使用頻度の高い画像データを格納するキャラクタROM86も示されている。キャラクタROM86に格納される使用頻度の高い画像データとは、例えば、LCD82に表示される人物、動物、または、文字、図形もしくは記号等からなる画像などである。
入力バッファ回路105A,105Bは、主基板31から図柄制御基板80へ向かう方向にのみ信号を通過させることができる。従って、図柄制御基板80側から主基板31側に信号が伝わる余地はない。すなわち、入力バッファ回路105A,105Bは、入力ポートともに不可逆性情報入力手段を構成する。図柄制御基板80内の回路に不正改造が加えられても、不正改造によって出力される信号が主基板31側に伝わることはない。
高周波信号を遮断するノイズフィルタ107として、例えば3端子コンデンサやフェライトビーズが使用されるが、ノイズフィルタ107の存在によって、表示制御コマンドに基板間でノイズが乗ったとしても、その影響は除去される。また、主基板31のバッファ回路620,62Aの出力側にもノイズフィルタを設けてもよい。
なお、図示はしないが、主基板31とランプ制御基板35との間のランプ制御コマンドの信号送受信部分の構成や、主基板31と音制御基板70との間の音制御コマンドの信号送信部分の構成は、上述した図5に示した主基板31と図柄制御基板80との間の表示制御コマンドの信号送受信部分と同様に構成される。
次に遊技機の動作について説明する。図6は、主基板31における遊技制御手段(CPU56およびROM,RAM等の周辺回路)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され、リセット端子の入力レベルがハイレベルになると、CPU56は、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスレジスタの初期化を行う(ステップS4)。また、内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化(ステップS5)を行った後、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS6)。
この実施の形態で用いられるCPU56は、I/Oポート(PIO)およびタイマ/カウンタ回路(CTC)も内蔵している。また、CTCは、2本の外部クロック/タイマトリガ入力CLK/TRG2,3と2本のタイマ出力ZC/TO0,1を備えている。
この実施の形態で用いられているCPU56には、マスク可能な割込のモードとして以下の3種類のモードが用意されている。なお、マスク可能な割込が発生すると、CPU56は、自動的に割込禁止状態に設定するとともに、プログラムカウンタの内容をスタックにセーブする。
割込モード0:割込要求を行った内蔵デバイスがRST命令(1バイト)またはCALL命令(3バイト)をCPUの内部データバス上に送出する。よって、CPU56は、RST命令に対応したアドレスまたはCALL命令で指定されるアドレスの命令を実行する。リセット時に、CPU56は自動的に割込モード0になる。よって、割込モード1または割込モード2に設定したい場合には、初期設定処理において、割込モード1または割込モード2に設定するための処理を行う必要がある。
割込モード1:割込が受け付けられると、常に0038(h)番地に飛ぶモードである。
割込モード2:CPU56の特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。すなわち、割込番地は、上位アドレスが特定レジスタの値とされ下位アドレスが割込ベクタとされた2バイトで示されるアドレスである。従って、任意の(飛び飛びではあるが)偶数番地に割込処理を設置することができる。各内蔵デバイスは割込要求を行うときに割込ベクタを送出する機能を有している。
よって、割込モード2に設定されると、各内蔵デバイスからの割込要求を容易に処理することが可能になり、また、プログラムにおける任意の位置に割込処理を設置することが可能になる。さらに、割込モード1とは異なり、割込発生要因毎のそれぞれの割込処理を用意しておくことも容易である。上述したように、この実施の形態では、初期設定処理のステップS2において、CPU56は割込モード2に設定される。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ921の出力信号の状態を1回だけ確認する(ステップS7)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(ステップS11〜ステップS15)。
クリアスイッチ921がオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS8)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。この例では、バックアップフラグ領域に「55H」が設定されていればバックアップあり(オン状態)を意味し、「55H」以外の値が設定されていればバックアップなし(オフ状態)を意味する。
バックアップありを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う(ステップS9)。ステップS9では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理にて同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と表示制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行う(ステップS10)。そして、バックアップRAM領域に保存されていたPC(プログラムカウンタ)の退避値がPCに設定され、そのアドレスに復帰する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否かを確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS11)。また、所定の作業領域(例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄左中右図柄バッファ、特別図柄プロセスフラグ、払出コマンド格納ポインタ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグ)に初期値を設定する作業領域設定処理を行う(ステップS12)。さらに、球払出装置97からの払出が可能であることを指示する払出許可状態指定コマンド(以下、払出可能状態指定コマンドという。)を払出制御基板37に対して送信する処理を行う(ステップS13)。また、他のサブ基板(ランプ制御基板35、音制御基板70、図柄制御基板80)を初期化するための初期化コマンドを各サブ基板に送信する処理を実行する(ステップS14)。初期化コマンドとして、可変表示装置9に表示される初期図柄を示すコマンド(図柄制御基板80に対して)や賞球ランプ51および球切れランプ52の消灯を指示するコマンド(ランプ制御基板35に対して)等がある。
そして、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるようにCPU56に設けられているCTCのレジスタの設定が行われる(ステップS15)。すなわち、初期値として2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。
初期化処理の実行(ステップS11〜S15)が完了すると、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)が繰り返し実行される。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態とされ(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態とされる(ステップS19)。表示用乱数とは、可変表示装置9に表示される図柄を決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、大当りとするか否かを決定するための乱数を発生するためのカウンタ(大当り決定用乱数発生カウンタ)等のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技制御処理において、大当り決定用乱数発生カウンタのカウント値が1周すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、表示用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態とされるのは、表示用乱数更新処理が後述するタイマ割込処理でも実行されることから、タイマ割込処理における処理と競合してしまうのを避けるためである。すなわち、ステップS17の処理中にタイマ割込が発生してタイマ割込処理中で表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新してしまったのでは、カウント値の連続性が損なわれる場合がある。しかし、ステップS17の処理中では割込禁止状態にしておけば、そのような不都合が生ずることはない。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、レジスタの退避処理(ステップS20)を行った後、図7に示すステップS21〜S32の遊技制御処理を実行する。遊技制御処理において、CPU56は、まず、スイッチ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ24a等のスイッチの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次いで、パチンコ遊技機1の内部に備えられている自己診断機能によって種々の異常診断処理が行われ、その結果に応じて必要ならば警報が発せられる(エラー処理:ステップS22)。
次に、遊技制御に用いられる大当り判定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(ステップS23)。CPU56は、さらに、表示用乱数および初期値用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(ステップS24,S25)。
図8は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1:大当りを発生させるか否か決定する(大当り判定用=特別図柄決定用)
(2)ランダム2−1〜2−3:左右中のはずれ図柄決定用
(3)ランダム3:大当り時の図柄の組合せを決定する(大当り図柄決定用=特別図柄判定用)
(4)ランダム4:はずれの場合にリーチとするか否か決定する(リーチ判定用)
(5)ランダム5:リーチ時の変動パターンを決定する(変動パターン決定用)
なお、遊技効果を高めるために、上記(1)〜(5)の乱数以外の乱数(例えば、初期値決定用乱数)も用いられている。また、例えば各乱数に定期的に初期値(例えば各乱数毎にそれぞれ定められている初期値)を設定するなどして、上記(1)〜(5)の乱数が互いに同期しないように構成されていることが望ましい。
ステップS23では、CPU56は、(1)の大当り判定用乱数、(3)の大当り図柄判定用乱数および(4)のリーチ判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数である。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。特別図柄プロセス制御では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。また、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
次いで、CPU56は、特別図柄に関する表示制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して表示制御コマンドを送出する処理を行う(特別図柄コマンド制御処理:ステップS28)。また、普通図柄に関する表示制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して表示制御コマンドを送出する処理を行う(普通図柄コマンド制御処理:ステップS29)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS30)。
また、CPU56は、所定の条件が成立したときにソレノイド回路59に駆動指令を行う(ステップS31)。可変入賞球装置15または開閉板20を開状態または閉状態としたり、大入賞口内の遊技球通路を切り替えたりするために、ソレノイド回路59は、駆動指令に応じてソレノイド16,21,21Aを駆動する。
そして、CPU56は、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS32)。具体的には、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの何れかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に賞球個数を示す払出制御コマンドを出力する。払出制御基板37に搭載されている払出制御用CPU371は、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。次いで、CPU56は、始動入賞記憶数を確認し、前回確認したときと比べて現在の始動入賞記憶数が変化していた場合に、可変表示装置9における該当する始動記憶表示エリア18の点灯色を変化させることを指定する表示制御コマンドをコマンド送信テーブルに設定する記憶処理を実行する(ステップS33)。なお、普通図柄始動記憶表示器41の保留ランプの点灯/消灯を指定する場合にも、始動記憶表示エリア18の点灯色を変化させることを指定する際に用いられるモジュールと共通のモジュールが使用される。その後、レジスタの内容を復帰させ(ステップS34)、割込許可状態に設定する(ステップS35)。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
図9は、この実施の形態で用いられる左右中図柄の一例を示す説明図である。図9に示すように、この実施の形態では、左右中図柄として表示される各図柄は、左右中で同一の10図柄である。図柄番号0の図柄が表示されると、次に、図柄番号9の図柄が表示される。そして、左右中図柄が、例えば、「1」、「3」、「5」、「7」または「9」で揃って停止すると高確率状態となる。すなわち、それらが確変図柄となる。
図10は、CPU56が実行する特別図柄プロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。図10に示す特別図柄プロセス処理は、図7のフローチャートにおけるステップS26の具体的な処理である。CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う際に、変動短縮タイマ減算処理(ステップS310)および入賞確認処理(ステップS311)を行った後に、内部状態に応じて、ステップS301〜S307のうちのいずれかの処理を行う。変動短縮タイマは、特別図柄の変動時間が短縮される場合に、変動時間を設定するためのタイマである。
入賞確認処理(ステップS311):始動入賞口14に打球入賞して始動口スイッチ14aがオンするのを待つ。始動口スイッチ14aがオンすると、始動入賞記憶数が満タンでなければ、始動入賞記憶数を+1するとともに、大当り決定用乱数等の各乱数を抽出し、大当りとするかはずれとするか、図柄の変動パターンとするかなどの判定を行う。
停止図柄設定処理(ステップS301):特別図柄の可変表示を開始できる状態になるのを待つ。特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、始動入賞記憶数を確認する。始動入賞記憶数が0でなければ、図柄の変動パターンを決定するとともに、左右中図柄の停止図柄を決定する。停止図柄は、大当り、はずれ、リーチなどの特別図柄変動待ち処理(ステップS311)での判定結果や、可変表示開始時の制御状態にもとづいて決定される。処理を終えると、内部状態(プロセスフラグ)をステップS302に移行するように更新する。
全図柄変動開始処理(ステップS302):可変表示装置9において全図柄が変動開始されるように制御する。このとき、図柄制御基板80に対して、左右中最終停止図柄と変動態様(変動パターン)を指令する情報とが送信される。処理を終えると、内部状態(プロセスフラグ)をステップS303に移行するように更新する。
全図柄停止待ち処理(ステップS303):所定時間(ステップS310の変動短縮タイマで示された時間)が経過すると、可変表示装置9において表示される全図柄が停止される。そして、停止図柄が大当り図柄の組み合わせである場合には、内部状態(プロセスフラグ)をステップS304に移行するように更新する。そうでない場合には、内部状態をステップS301に移行するように更新する。
大入賞口開放開始処理(ステップS304):大入賞口を開放する制御を開始する。具体的には、カウンタやフラグを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放する。また、プロセスタイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、大当りフラグ(大当り中であることを示すフラグ)のセットを行う。処理を終えると、内部状態(プロセスフラグ)をステップS305に移行するように更新する。
大入賞口開放中処理(ステップS305):大入賞口ラウンド表示の表示制御コマンドデータを図柄制御基板80に送出する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。最終的な大入賞口の閉成条件が成立したら、内部状態をステップS306に移行するように更新する。
特定領域有効時間処理(ステップS306):V入賞スイッチ22の通過の有無を監視して、大当り遊技状態継続条件の成立を確認する処理を行う。大当り遊技状態継続の条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態をステップS304に移行するように更新する。また、所定の有効時間内に大当り遊技状態継続条件が成立しなかった場合、または、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態をステップS307に移行するように更新する。
大当り終了処理(ステップS307):大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知するための表示を行う。その表示が終了したら、内部状態をステップS301に移行するように更新する。
図11は入賞確認処理(ステップS311)を示すフローチャートである。打球が遊技盤6に設けられている始動入賞口14に入賞すると、始動口スイッチ14aがオンする。入賞確認処理において、CPU56は、図11に示すように、スイッチ回路58を介して始動口スイッチ14aがオンしたことを判定すると(ステップS41)、始動入賞記憶数が最大値である4に達しているかどうか確認する(ステップS42)。始動入賞記憶数が4に達していなければ、始動入賞記憶数を1増やし(ステップS43)、大当り判定用乱数等の各乱数の値を抽出する(ステップS44)。次いで、CPU56は、抽出した大当り判定用乱数の値にもとづいて、高確率時および低確率時の条件で大当たり/はずれの判定を行う(ステップS45)。また、CPU56は、ステップS45にてはずれと判定した場合には、抽出したリーチ判定用乱数の値にもとづいてリーチとするか否かの判定を行う(ステップS46)。そして、ステップS45にて大当りと判定した場合、およびステップS46にてリーチと判定した場合には、ステップS44にて抽出した変動パターン決定用乱数(ランダム5)の値に従って図柄の変動パターンを選択する処理を行う(ステップS47)。なお、ステップS47では、ステップS45における高確率時での判定結果および低確率時での判定結果それぞれの場合について変動パターンの選択を行う。また、リーチにもならないはずれの場合には、あらかじめ定められている所定の変動パターンとする。
図柄の変動パターンの選択を行うと、CPU56は、その選択結果(以下の説明において判定結果ということもある)を示すデータ(入賞時判定結果情報)を入賞時判定結果情報保存領域に記憶する(ステップS48)。本例では、入賞時判定結果情報保存領域は、例えばRAM55のバックアップ領域に、始動入賞記憶数にそれぞれ対応して複数(すなわち、本例では始動入賞記憶数の最大値と同じ個数である4個)設けられている。ステップS48では、現在の始動入賞記憶数(ステップS43で加算した後の数)に対応して設けられている入賞時判定結果情報保存領域に、選択結果を示すデータを保存する。なお、選択結果を示すデータには、例えば、大当りとするか否かを特定するためのフラグ(大当り判定結果フラグ)、リーチとするか否かを特定するためのフラグ(リーチ判定結果フラグ)、および変動パターンを特定するための情報(例えば後述する変動パターンコマンドのEXTデータに相当するデータ)が含まれる。また、選択結果を示すデータには、本例では、高確率時の判定条件(選択条件)に従って判定された結果と、低確率時の判定条件に従って判定された結果とを示すそれぞれの情報が含まれる。
一般に、ランダム性の向上のために入賞発生時に大当り判定用乱数などの各種の乱数が抽出されるが(可変表示を開始するときに抽出すると、可変表示は一定期間で行われるので同期してしまう可能性がある)、本例では、抽出した大当り判定用乱数の値やリーチ判定用乱数の値を保存しないで、大当りとするか否かを特定するためのデータやリーチとするか否かを特定するためのデータを保存する構成としているので、入賞時判定結果情報保存領域の記憶容量が小さくて済む。大当り判定用乱数の値やリーチ判定用乱数の値を保存する場合には、乱数が取り得る範囲の値を保存できる記憶領域を用いる必要がある。本例では、大当り判定用乱数およびリーチ判定用乱数は、ともに0〜299の範囲の値とされている(図8参照)。従って、抽出した大当り判定用乱数の値やリーチ判定用乱数の値を保存するためには、大当り判定用乱数の値を記憶保持する記憶領域と、リーチ判定用乱数の値を記憶保持する記憶領域とが、それぞれ2バイトの記憶容量を必要とすることになる。本例では判定結果を示すデータを記憶する構成とし、判定結果を示すデータにフラグを用いるようにしているので、大当りとするか否かを特定するためのデータ(大当り判定結果フラグ)を格納する記憶領域や、リーチとするか否かを特定するためのデータ(リーチ判定結果フラグ)を格納する記憶領域として、それぞれ1バイトの記憶容量を持つ記憶領域を用いることが可能となる。よって、入賞時判定結果情報保存領域の容量を小さくすることができるのである。なお、始動入賞記憶数の最大値が大きければ大きい程、上記の効果がより発揮されるようになる。
なお、上記の例では始動入賞記憶数に対応する各入賞時判定結果情報保存領域における大当りとするか否かを特定するためのデータを格納する領域と、リーチとするか否かを特定するためのデータを格納する領域とを、それぞれ1バイトで構成とするようにしていたが、始動入賞記憶数に対応する記憶領域をビット単位とする構成としてもよい。例えば、1バイトの記憶領域において、始動入賞記憶数=N(例えばN=1〜4)とビット(N−1)とが対応付けされ、各ビットにリーチ判定結果フラグを示すデータが記憶されるようにすればよい。上記のように構成すれば、入賞時判定結果情報保存領域の容量をさらに小さくすることができる。なお、始動入賞記憶数に対応する記憶領域をビット単位で構成する場合には、可変表示が実行される毎に各ビットのデータがシフトされるようにすればよい(ステップS54参照)。また、始動入賞記憶数の最大値が大きければ大きい程、上記の効果は大となる。
そして、CPU56は、入賞時判定結果コマンドに関するコマンド送信テーブルをセットし(ステップS49)、コマンドセット処理をコールする(ステップS50)。ステップS49では、入賞時判定結果コマンドが格納されているコマンド送信テーブル(ROM)の先頭アドレスが、コマンド送信テーブルのアドレスとして設定される。入賞時判定結果コマンドに関するコマンド送信テーブルには、後述するINTデータ、コマンドの1バイト目のデータ、およびコマンドの2バイト目のデータが設定されている。なお、入賞時判定結果コマンドは、打球が始動入賞口14に入賞したことにもとづいて行われた変動パターンの選択(ステップS47での選択)のうち、低確率時の選択条件に従って選択された変動パターンを指定するコマンドである。この実施の形態では、ステップS49にて始動入賞記憶数を指定する始動入賞記憶数指定コマンドに関するコマンド送信テーブルもセットされ、ステップS50にて始動入賞記憶数指定コマンドも送信される。この例では、ステップS49およびステップS50の処理が、始動入賞記憶数指定コマンドが送信されたあとに入賞時判定結果コマンドが送信されるように構成される。
図12は、停止図柄設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。停止図柄設定処理において、CPU56は、特別図柄の変動を開始することができる状態(具体的にはプロセスフラグの値がステップS301を示す値となっている場合)であれば(ステップS51)、始動入賞記憶数の値を確認する(ステップS52)。始動入賞記憶数が0でなければ、始動入賞記憶数=1に対応する入賞時判定結果情報保存領域に格納されている入賞時判定結果情報を読み出すとともに(ステップS53)、始動入賞記憶数の値を1減らし、かつ、各入賞時判定結果情報保存領域の値をシフトする(ステップS54)。すなわち、始動入賞記憶数=n(n=2,3,4)に対応する入賞時判定結果情報保存領域に格納されている各入賞時判定結果情報を、始動入賞記憶数=n−1に対応する入賞時判定結果情報保存領域に格納する。
次いで、CPU56は、現在の制御状態(確変状態、通常状態)にもとづいて、ステップS53で読み出した入賞時判定結果情報に含まれる低確率時の選択条件にもとづいて選択されている変動パターンと、高確率時の選択条件にもとづいて選択されている変動パターンのいずれを用いるかを決定する(ステップS55)。現在の制御状態が確変状態であれば、高確率時の選択条件にもとづいて選択されている変動パターンを用いることに決定する。現在の制御状態が確変状態でなければ(通常状態であれば)、低確率時の選択条件にもとづいて選択されている変動パターンを用いることに決定する。
変動パターンを決定すると、CPU56は、ステップS53で読み出した入賞時判定結果情報のうちステップS55で決定された変動パターンに関連する大当り判定結果フラグやリーチ判定結果フラグ(具体的には、決定された変動パターンの選択(ステップS47参照)の際に用いられた大当り判定結果やリーチ判定結果を示す各フラグを意味する)の状態にもとづいて、ステップS55で決定された変動パターンに合致した左中右の特別図柄を決定する。本例では、大当り判定結果フラグの状態により大当りと判定されていたことを確認した場合には(ステップS56のY)、大当り図柄決定用乱数(ランダム3)を抽出しその値に従って大当り図柄を決定する(ステップS57)。この実施の形態では、抽出されたランダム3の値に応じた大当り図柄テーブルに設定されている図柄番号の各図柄が、大当り図柄として決定される。大当り図柄テーブルには、複数種類の大当り図柄の組み合わせのそれぞれに対応した左右中の図柄番号が設定されている。
大当り判定結果フラグの状態によりはずれと判定されていたことを確認した場合には、リーチ判定結果フラグの状態によりリーチと判定されていたか否かを確認する(ステップS58)。リーチと判定されていたことを確認した場合には、CPU56は、大当りとはしないがリーチとする場合の停止図柄の決定を行う(ステップS59)。この実施の形態では、ランダム2−1の乱数を抽出しその値に従って左図柄を決定し、ランダム2−2の乱数を抽出しその値に従って中図柄を決定し、ランダム2−3の乱数を抽出しその値に従って右図柄を決定する(ステップS59)。なお、ここでは、左右図柄が一致するように停止図柄を決定し、リーチとなるようにする。また、決定された中図柄が左右図柄と一致した場合には、中図柄に対応した乱数の値に1加算した値に対応する図柄を中図柄の停止図柄として、大当り図柄と一致しないようにする。
ステップS58にてリーチと判定されていないことを確認した場合には、CPU56は、リーチにもならないはずれとする場合の停止図柄の決定を行う(ステップS60)。この実施の形態では、ランダム2−1の乱数を抽出しその値に従って左図柄を決定し、ランダム2−2の乱数を抽出しその値に従って中図柄を決定するとともに、ランダム2−3の乱数を抽出しその値に従って右図柄を決定する(ステップS60)。なお、ここでは、左右図柄が一致しないように停止図柄を決定し、リーチにもならないはずれとなるようにする。
そして、CPU56は、ステップS55にて決定された変動パターンを指定する変動パターンコマンドに関するコマンド送信テーブルをセットし(ステップS64)、コマンドセット処理をコールする(ステップS65)。ステップS64では、変動パターンコマンドが格納されているコマンド送信テーブル(ROM)の先頭アドレスが、コマンド送信テーブルのアドレスとして設定される。変動パターンコマンドに関するコマンド送信テーブルには、後述するINTデータ、コマンドの1バイト目のデータ、およびコマンドの2バイト目のデータが設定されている。なお、ステップS64では、左中右の停止図柄を指定する図柄指定コマンドに関するコマンド送信テーブルもセットされ、ステップS65にて図柄指定コマンドも送信される。コマンドセット処理についてはあとで詳しく説明する。なお、ここでは一連の処理についてまとめて説明したが、厳密には、上述したステップS51〜ステップS60の処理が停止図柄設定処理であり、上記ステップS64およびステップS65の処理は全図柄変動開始処理(ステップS302)にて実行される処理である。
なお、高確率状態である場合に、はずれ時の変動パターンとして変動時間が短縮されたものを使用するようにしてもよい。このようにすれば、時間あたりの変動回数を多くすることができ、遊技者に対して大当りとなる機会を多く与えることができるようになる。
以上のようにして、始動入賞があったときに図柄変動の表示態様が大当りとするか、リーチ態様とするか、はずれとするか判定されるとともに、その判定結果にもとづいて変動パターンが選択され、図柄の変動開始が可能となったときに演出に用いる変動パターンが決定されるとともにそれぞれの停止図柄の組合せが決定される。
図13は、ステップS45の大当り判定処理の一例を示すフローチャートである。ステップS45において、CPU56は、まず、低確率時の判定条件にもとづいて大当り/はずれの判定を行う(ステップS45a)。本例では、大当り判定用乱数は0〜299の範囲の値をとることにする。図13に示すように、低確率時には例えばその値が「3」である場合に「大当り」と決定し、それ以外の値である場合には「はずれ」と決定する(ステップS45a)。次いで、CPU56は、高確率時の判定条件にもとづいて大当り/はずれの判定を行う(ステップS45b)。この例では、高確率時には例えばその値が「3」,「7」,「79」,「103」,「107」のいずれかである場合に「大当り」と決定し、それ以外の値である場合には「はずれ」と決定する(ステップS45b)。
上記のように、本例では、確変状態であるか否かにかかわらず、低確率時の判定条件にもとづく大当り/はずれの判定、および高確率時の判定条件にもとづく大当り/はずれの判定を行う。また、高確率時および低確率時それぞれの判定条件で判定された大当り/はずれの判定結果(その後のリーチ/非リーチの判定結果も含む)にもとづいて、別個に変動パターンの選択を行う。そして、上述したステップS48では、低確率時の判定条件にもとづく大当り/はずれの判定結果、および高確率時の判定条件にもとづく大当り/はずれの判定結果が認識可能な状態で、大当り判定結果フラグが該当する入賞時判定結果情報保存領域に保存される。従って、大当り判定結果フラグは、例えば、2ビットで構成され、「00」であれば低確率時および高確率時ともに「はずれ」、「01」であれば低確率時および高確率時ともに「大当り」、「10」であれば低確率時は「はずれ」で高確率時は「大当り」であることを示すようにすればよい。なお、上述したステップS48では、低確率時の選択条件(低確率時の判定条件で判定された大当りやリーチの判定結果にもとづいて選択するという条件)にもとづく変動パターンの選択結果、および高確率時の選択条件(高確率時の判定条件で判定された大当りやリーチの判定結果にもとづいて選択するという条件)にもとづく変動パターンの選択結果が認識可能な状態で、関連する大当り判定結果フラグが保存されている入賞時判定結果情報保存領域に保存される。
次に、主基板31から図柄制御基板80に対する表示制御コマンドの送出について説明する。図示はしないが、この実施の形態では、表示制御コマンドは、表示制御信号D0〜D7の8本の信号線で主基板31から図柄制御基板80に送信される。また、主基板31と図柄制御基板80との間には、ストローブ信号を送信するための表示制御INT信号の信号線も配線されている。
遊技制御手段から他の電気部品制御基板(サブ基板)に制御コマンドを出力しようとするときに、コマンド送信テーブルの先頭アドレスの設定が行われる。図14(A)は、コマンド送信テーブルの一構成例を示す説明図である。1つのコマンド送信テーブルは3バイトで構成され、1バイト目にはINTデータが設定される。また、2バイト目のコマンドデータ1には、制御コマンドの1バイト目のMODEデータが設定される。そして、3バイト目のコマンドデータ2には、制御コマンドの2バイト目のEXTデータが設定される。
なお、EXTデータそのものがコマンドデータ2の領域に設定されてもよいが、コマンドデータ2には、EXTデータが格納されているテーブルのアドレスを指定するためのデータが設定されるようにしてもよい。例えば、コマンドデータ2のビット7(ワークエリア参照ビット)が0であれば、コマンドデータ2にEXTデータそのものが設定されていることを示す。そのようなEXTデータはビット7が0であるデータである。この実施の形態では、ワークエリア参照ビットが1であれば、EXTデータとして、送信バッファの内容を使用することを示す。なお、ワークエリア参照ビットが1であれば、他の7ビットが、EXTデータが格納されているテーブルのアドレスを指定するためのオフセットであることを示すように構成することもできる。
図14(B)は、INTデータの一構成例を示す説明図である。INTデータにおけるビット0は、払出制御基板37に払出制御コマンドを送出すべきか否かを示す。ビット0が「1」であるならば、払出制御コマンドを送出すべきことを示す。従って、CPU56は、例えば賞球処理(タイマ割込処理のステップS32)において、INTデータに「01(H)」を設定する。また、INTデータにおけるビット1は、表示出制御基板80に表示制御コマンドを送出すべきか否かを示す。ビット1が「1」であるならば、表示制御コマンドを送出すべきことを示す。従って、CPU56は、例えば特別図柄コマンド制御処理(タイマ割込処理のステップS28)において、INTデータに「02(H)」を設定する。
INTデータのビット2,3は、それぞれ、ランプ制御コマンド、音制御コマンドを送出すべきか否かを示すビットであり、CPU56は、それらのコマンドを送出すべきタイミングになったら、特別図柄プロセス処理等で、ポインタが指しているコマンド送信テーブルに、INTデータ、コマンドデータ1およびコマンドデータ2を設定する。それらのコマンドを送出するときには、INTデータの該当ビットが「1」に設定され、コマンドデータ1およびコマンドデータ2にMODEデータおよびEXTデータが設定される。
この実施の形態では、払出制御コマンドについて、図14(C)に示すように、リングバッファおよび送信バッファが用意されている。そして、賞球処理において、賞球払出条件が成立すると、成立した条件に応じた賞球個数が順次リングバッファに設定される。また、賞球個数に関する払出制御コマンド送出する際に、リングバッファから1個のデータが送信バッファに転送される。なお、図14(C)に示す例では、リングバッファには、12個分の払出制御コマンドに相当するデータが格納可能になっている。すなわち、12個のバッファがある。なお、リングバッファにおけるバッファの数は、賞球を発生させる入賞口の数に対応した数であればよい。同時入賞が発生した場合でも、それぞれの入賞にもとづく払出制御コマンドのデータの格納が可能だからである。
図15は、主基板31から他の電気部品制御基板に送出される制御コマンドのコマンド形態の一例を示す説明図である。この実施の形態では、制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」とされる。このように、電気部品制御基板へのコマンドとなる制御コマンドは、複数のデータで構成され、先頭ビットによってそれぞれを区別可能な態様になっている。なお、図15に示されたコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
図16は、図柄制御基板80に対する制御コマンドを構成する8ビットの制御信号とINT信号(ストローブ信号)との関係を示すタイミング図である。図16に示すように、MODEまたはEXTのデータが出力ポートに出力されてから、所定期間が経過すると、CPU56は、データ出力を示す信号であるINT信号をオン状態にする。また、そこから所定期間が経過するとINT信号をオフ状態にする。
なお、ここでは、表示制御コマンドについて説明したが、他のサブ基板に送出される各制御コマンドも、図15および図16に示された形態と同一である。
図17は、図柄制御基板80に送出される表示制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図17に示す例において、コマンド8000(H)〜80XX(H)(X=4ビットの任意の値)は、特別図柄を可変表示する可変表示装置9における特別図柄の変動パターンを指定する表示制御コマンドである。なお、変動パターンを指定するコマンドは変動開始指示も兼ねている。
コマンド8F00(H)および8F01(H)は、電源投入時に送出される特別図柄電源投入時指定コマンドおよび普通図柄電源投入時指定コマンドである。なお、普通図柄電源投入時指定コマンドは、表示制御手段が普通図柄変動制御を行う場合に用いられ、普通図柄表示器10がランプ制御手段で制御される場合には、図柄制御基板80には送出されない。表示制御手段は、特別図柄電源投入時指定コマンドを受信すると、初期表示を行う制御を開始する。
コマンド91XX(H)、92XX(H)および93XX(H)は、特別図柄の左中右の停止図柄を指定する表示制御コマンドである。コマンド9500(H)〜95XX(H)は、入賞時判定として判定された結果に含まれる特別図柄の変動パターンを示すコマンドである。本例では、コマンド95XX(H)のEXTデータは、コマンド80XX(H)のEXTデータに対応して定められている。すなわち、コマンド80XX(H)が示す変動パターンと、コマンド95XX(H)が示す変動パターンとは、EXTデータの値が同じであれば同一の変動パターンを指定することになる。このように、本例ではコマンド95XX(H)およびコマンド80XX(H)にEXTデータが共通に設定されている。なお、本例では、コマンド9500(H)〜95XX(H)が示す変動パターンは、表示制御手段での予告演出の決定などの判断材料として用いられ、当該変動パターンにもとづいて特別図柄の可変表示が実行されるわけではない。また、コマンドA000(H)は、特別図柄の可変表示の停止を指示する表示制御コマンド(確定コマンド)である。
コマンドBXXX(H)は、大当り遊技開始から大当り遊技終了までの間に送出される表示制御コマンドである。コマンドB300(H)は、大当り遊技中において、所定のタイミングで所定の回数(例えば各ラウンド間に大当り図柄が表示されるようなタイミングで、ラウンド数−1回)送出されるコマンドであり、大当り図柄の表示を指定する表示制御コマンド(大当り図柄表示コマンド)である。また、コマンドCXXX(H)は、特別図柄の変動および大当り遊技に関わらない可変表示装置9の表示状態に関する表示制御コマンドである。そして、コマンドD000(H)〜D400(H)は、普通図柄の変動パターンに関する表示制御コマンドである。
コマンドD5XX(H)は、可変表示装置9における始動入賞記憶数を表示する表示エリアにおいて、表示色を変化させる始動記憶表示エリア18の個数を示す表示制御コマンドである。例えば、表示制御手段は、各始動記憶表示エリア18のうち「XX(H)」で指定される個数の始動記憶表示エリア18の表示色を変化させる。すなわち、コマンドD5XX(H)は、保留個数という情報を報知するために設けられている表示エリアの制御を指示するコマンドである。なお、表示色を変化させる始動記憶表示エリア18の個数に関するコマンドが、表示色を変化させるエリアの個数の増減を示すように構成されていてもよい。
図柄制御基板80の表示制御手段は、主基板31の遊技制御手段から上述した表示制御コマンドを受信すると図17に示された内容に応じて可変表示装置9および普通図柄表示器10の表示状態を変更する。
図18は、遊技の制御を行う主基板31からランプ制御基板35に送出されるランプ制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。ランプ制御コマンドもMODEとEXTの2バイト構成である。図18に示す例において、コマンド80XX(H)(X=4ビットの任意の値)は、可変表示装置9における特別図柄の変動パターンに対応したランプ・LED(遊技機に設けられている各発光体)の制御パターンを指定するランプ制御コマンドである。また、図示はしないが、コマンドA0XX(H)は、特別図柄の可変表示の停止時のランプ・LED表示制御パターンを指示するランプ制御コマンドであり、コマンドBXXX(H)は、大当り遊技開始から大当り遊技終了までの間のランプ・LED表示制御パターンを指示するランプ制御コマンドである。そして、コマンドC000(H)は、客待ちデモンストレーション時のランプ・LED表示制御パターンを指示するランプ制御コマンドである。
なお、コマンド8XXX(H)、9XXX(H),AXXX(H)、BXXX(H)およびCXXX(H)は、遊技進行状況に応じて遊技制御手段から送出されるランプ制御コマンドである。ランプ制御手段は、主基板31の遊技制御手段から上述したランプ制御コマンドを受信すると図18に示された内容に応じてランプ・LEDの表示状態を変更する。なお、コマンド8XXX(H)、9XXX(H),AXXX(H)、BXXX(H)およびCXXX(H)は、表示制御コマンドや音声制御コマンドと例えば共通の制御状態において共通に用いられる。
コマンドE0XX(H)は、普通図柄始動記憶表示器41の点灯個数を示すランプ制御コマンドである。例えば、ランプ制御手段は、普通図柄始動記憶表示器41における「XX(H)」で指定される個数の表示器を点灯状態とする。すなわち、コマンドE0XX(H)は、保留個数という情報を報知するために設けられている発光体の制御を指示するコマンドである。なお、普通図柄始動記憶表示器41の点灯個数に関するコマンドが点灯個数の増減を示すように構成されていてもよい。
コマンドE200(H)およびE201(H)は、賞球ランプ51の表示状態に関するランプ制御コマンドであり、コマンドE300(H)およびE301(H)は、球切れランプ52の表示状態に関するランプ制御コマンドである。ランプ制御手段は、主基板31の遊技制御手段から「E201(H)」のランプ制御コマンドを受信すると賞球ランプ51の表示状態を賞球残がある場合としてあらかじめ定められた表示状態とし、「E200(H)」のランプ制御コマンドを受信すると賞球ランプ51の表示状態を賞球残がない場合としてあらかじめ定められた表示状態とする。また、主基板31の遊技制御手段から「E300(H)」のランプ制御コマンドを受信すると球切れランプ52の表示状態を球あり中の表示状態とし、「E301(H)」のランプ制御コマンドを受信すると球切れランプ52の表示状態を球切れ中の表示状態とする。すなわち、コマンドE200およびE201(H)は、未賞球の遊技球があることを遊技者等に報知するために設けられている発光体を制御することを示すコマンドであり、コマンドE300(H)およびE301(H)は、補給球が切れていることを遊技者や遊技店員に報知するために設けられている発光体を制御することを示すコマンドである。
図19は、遊技を制御する主基板31から音声制御基板70に送出される音声制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。音声制御コマンドもMODEとEXTの2バイト構成である。図19に示す例において、コマンド80XX(H)(X=4ビットの任意の値)は、特別図柄の変動期間における音発生パターンを指定する音声制御コマンドである。コマンドBXXX(H)は、大当り遊技開始から大当り遊技終了までの間における音発生パターンを指定する音声制御コマンドである。その他のコマンドは、特別図柄の変動および大当り遊技に関わらない音声制御コマンドである。例えば、コマンドC000(H)は、客待ちデモンストレーション時の音発生パターンを指定する音声制御コマンドである。音声制御基板70の音声制御手段は、主基板31の遊技制御手段から上述した音声制御コマンドを受信すると図19に示された内容に応じて音声出力状態を変更する。
図20は、コマンドセット処理の処理例を示すフローチャートである。コマンドセット処理は、コマンド出力処理とINT信号出力処理とを含む処理である。コマンドセット処理において、CPU56は、まず、コマンド送信テーブルのアドレスをスタック等に退避する(ステップS331)。そして、ポインタが指していたコマンド送信テーブルのINTデータを引数1にロードする(ステップS332)。引数1は、後述するコマンド送信処理に対する入力情報になる。また、コマンド送信テーブルを指すアドレスを+1する(ステップS333)。従って、コマンド送信テーブルを指すアドレスは、コマンドデータ1のアドレスに一致する。
そこで、CPU56は、コマンドデータ1を読み出して引数2に設定する(ステップS334)。引数2も、後述するコマンド送信処理に対する入力情報になる。そして、コマンド送信処理ルーチンをコールする(ステップS335)。
図21は、コマンド送信処理ルーチンを示すフローチャートである。コマンド送信処理ルーチンにおいて、CPU56は、まず、引数1に設定されているデータすなわちINTデータを、比較値として決められているワークエリアに設定する(ステップS351)。次いで、送信回数=4を、処理数として決められているワークエリアに設定する(ステップS352)。そして、払出制御信号を出力するためのポート1のアドレスをIOアドレスにセットする(ステップS353)。この実施の形態では、ポート1のアドレスは、払出制御信号を出力するための出力ポートのアドレスである。また、ポート2〜4のアドレスが、表示制御信号、ランプ制御信号、音声制御信号を出力するための出力ポートのアドレスである。
次に、CPU56は、比較値を1ビット右にシフトする(ステップS354)。シフト処理の結果、キャリービットが1になったか否か確認する(ステップS355)。キャリービットが1になったということは、INTデータにおける最も右側のビットが「1」であったことを意味する。この実施の形態では4回のシフト処理が行われるのであるが、例えば、払出制御コマンドを送出すべきことが指定されているときには、最初のシフト処理でキャリービットが1になる。
キャリービットが1になった場合には、引数2に設定されているデータ、この場合にはコマンドデータ1(すなわちMODEデータ)を、IOアドレスとして設定されているアドレスに出力する(ステップS356)。最初のシフト処理が行われたときにはIOアドレスにポート1のアドレスが設定されているので、そのときに、払出制御コマンドのMODEデータがポート1に出力される。
次いで、CPU56は、IOアドレスを1加算するとともに(ステップS357)、処理数を1減算する(ステップS358)。加算前にポート1を示していた場合には、IOアドレスに対する加算処理によって、IOアドレスにはポート2のアドレスが設定される。ポート2は、表示制御コマンドを出力するためのポートである。そして、CPU56は、処理数の値を確認し(ステップS359)、値が0になっていなければ、ステップS354に戻る。ステップS354で再度シフト処理が行われる。
2回目のシフト処理ではINTデータにおけるビット1の値が押し出され、ビット1の値に応じてキャリーフラグが「1」または「0」になる。従って、表示制御コマンドを送出すべきことが指定されているか否かのチェックが行われる。同様に、3回目および4回目のシフト処理によって、ランプ制御コマンドおよび音制御コマンドを送出すべきことが指定されているか否かのチェックが行われる。このように、それぞれのシフト処理が行われるときに、IOアドレスには、シフト処理によってチェックされる制御コマンド(払出制御コマンド、表示制御コマンド、ランプ制御コマンド、音制御コマンド)に対応したIOアドレスが設定されている。
よって、キャリーフラグが「1」になったときには、対応する出力ポート(ポート1〜ポート4)に制御コマンドが送出される。すなわち、1つの共通モジュールで、各電気部品制御手段に対する制御コマンドの送出処理を行うことができる。
また、このように、シフト処理のみによってどの電気部品制御手段に対して制御コマンドを出力すべきかが判定されるので、いずれの電気部品制御手段に対して制御コマンドを出力すべきか判定する処理が簡略化されている。
次に、CPU56は、シフト処理開始前のINTデータが格納されている引数1の内容を読み出し(ステップS360)、読み出したデータをポート0に出力する(ステップS361)。この実施の形態では、ポート0のアドレスは、各制御信号についてのINT信号を出力するためのポートであり、ポート0のビット0〜4が、それぞれ、払出制御INT信号、表示制御INT信号、ランプ制御INT信号、音制御INT信号を出力するためのポートである。INTデータでは、ステップS351〜S359の処理で出力された制御コマンド(払出制御コマンド、表示制御コマンド、ランプ制御コマンド、音制御コマンド)に応じたINT信号の出力ビットに対応したビットが「1」になっている。従って、ポート1〜ポート4のいずれかに出力された制御コマンド(払出制御コマンド、表示制御コマンド、ランプ制御コマンド、音制御コマンド)に対応したINT信号がハイレベルになる。
次いで、CPU56は、ウェイトカウンタに所定値を設定し(ステップS362)、その値が0になるまで1ずつ減算する(ステップS363,S364)。この処理は、図16のタイミング図に示されたINT信号(制御信号INT)のオン期間を設定するための処理である。ウェイトカウンタの値が0になると、クリアデータ(00)を設定して(ステップS365)、そのデータをポート0に出力する(ステップS366)。よって、INT信号はローレベルになる。そして、ウェイトカウンタに所定値を設定し(ステップS362)、その値が0になるまで1ずつ減算する(ステップS368,S369)。この処理は、図16のタイミング図に示された1つ目のINT信号の立ち下がりからEXTデータ出力開始までの期間を設定するための処理である。ただし、ここで設定される実際の期間は、ステップS367〜S369で作成される時間に、その後の処理時間(この時点でMODEデータが出力されている場合にはEXTデータを出力するまでに要する制御にかかる時間)が加算された期間となる。このように、INT信号の立ち下がりからEXTデータ出力開始までの期間が設定されることによって、連続してコマンドが送出される場合であっても、一のコマンドの出力完了後、次にコマンドの送出が開始されるまでに所定期間がおかれることになり、コマンドを受信する電気部品制御手段の側で、容易に連続するコマンドの区切りを識別することができ、各コマンドは確実に受信される。
従って、ステップS367でウェイトカウンタに設定される値は、1つ目のINT信号の立ち下がりからEXTデータ出力開始までの期間が、制御コマンド受信対象となる全ての電気部品制御手段(サブ基板に搭載されているCPU等)が確実にコマンド受信処理を行うのに十分な期間になるような値である。また、ウェイトカウンタに設定される値は、その期間が、ステップS351〜S359の処理に要する時間よりも長くなるような値である。
以上のようにして、制御コマンドの1バイト目のMODEデータが送出される。そこで、CPU56は、図20に示すステップS336で、コマンド送信テーブルを指す値を1加算する。従って、3バイト目のコマンドデータ2の領域が指定される。CPU56は、指し示されたコマンドデータ2の内容を引数2にロードする(ステップS337)。また、コマンドデータ2のビット7(ワークエリア参照ビット)の値が「0」であるか否か確認する(ステップS339)。0でなければ、送信バッファの内容を引数2にロードする(ステップS341)。なお、ワークエリア参照ビットの値が「1」であるときに拡張データを使用するように構成されている場合には、コマンド拡張データアドレステーブルの先頭アドレスをポインタにセットし、そのポインタにコマンドデータ2のビット6〜ビット0の値を加算してアドレスを算出する。そして、そのアドレスが指すエリアのデータを引数2にロードする。
送信バッファには賞球個数を特定可能なデータが設定されているので、引数2にそのデータが設定される。なお、ワークエリア参照ビットの値が「1」であるときに拡張データを使用するように構成されている場合には、コマンド拡張データアドレステーブルには、電気部品制御手段に送出されうるEXTデータが順次設定される。よって、ワークエリア参照ビットの値が「1」であれば、コマンドデータ2の内容に応じたコマンド拡張データアドレステーブル内のEXTデータが引数2にロードされる。
次に、CPU56は、コマンド送信処理ルーチンをコールする(ステップS342)。従って、MODEデータの送出の場合と同様のタイミングでEXTデータが送出される。
以上のようにして、2バイト構成の制御コマンド(払出制御コマンド、表示制御コマンド、ランプ制御コマンド、音制御コマンド)が、対応する電気部品制御手段に送信される。電気部品制御手段ではINT信号の立ち上がりを検出すると制御コマンドの取り込み処理を開始するのであるが、いずれの電気部品制御手段についても、取り込み処理が完了する前に遊技制御手段からの新たな信号が信号線に出力されることはない。すなわち、各電気部品制御手段において、確実なコマンド受信処理が行われる。なお、各電気部品制御手段は、INT信号の立ち下がりで制御コマンドの取り込み処理を開始してもよい。また、INT信号の極性を図16に示された場合と逆にしてもよい。
また、この実施の形態では、賞球処理において、賞球払出条件が成立すると賞球個数を特定可能なデータが、同時に複数のデータを格納可能なリングバッファに格納され、賞球個数を指定する払出制御コマンドを送出する際に、読出ポインタが指しているリングバッファの領域のデータが送信バッファに転送される。従って、同時に複数の賞球払出条件の成立があっても、それらの条件成立にもとづく賞球個数を特定可能なデータがリングバッファに保存されるので、各条件成立にもとづくコマンド出力処理は問題なく実行される。
さらに、この実施の形態では、1回の賞球処理内で払出停止状態指定コマンドまたは払出可能状態指定コマンドと賞球個数を示すコマンドとの双方を送出することができる。すなわち、2ms毎に起動される1回の制御期間内において、複数のコマンドを送出することができる。また、この実施の形態では、各制御手段への制御コマンド(表示制御コマンド、ランプ制御コマンド、音制御コマンド、払出制御コマンド)毎に、それぞれ複数のリングバッファが用意されているので、例えば、表示制御コマンド、ランプ制御コマンドおよび音制御コマンドのリングバッファに制御コマンドを特定可能なデータが設定されている場合には、1回のコマンド制御処理で複数の表示制御コマンド、ランプ制御コマンドおよび音制御コマンドを送出するように構成することも可能である。すなわち、同時に(遊技制御処理すなわち2msタイマ割込処理の起動周期での意味)、複数の制御コマンドを送出することができる。遊技演出の進行上、それらの制御コマンドの送出タイミングは同時に発生するので、このように構成されているのは便利である。ただし、払出制御コマンドは、遊技演出の進行とは無関係に発生するので、一般には、表示制御コマンド、ランプ制御コマンドおよび音制御コマンドと同時に送出されることはない。
次に、リーチ予告時や大当り予告時に、可変表示装置9に表示されるリーチ予告表示や大当り予告表示の表示態様の一例について説明する。
図22および図23は、この実施の形態において可変表示装置9に各種の演出表示などを行うために用いられるキャラクタの例を示す説明図である。この例では、(A)キャラクタAおよび(B)キャラクタBが用いられる。この例では、キャラクタA,Bが、大当り予告用のキャラクタとして用いられる。また、キャラクタAは、リーチ予告用のキャラクタとしても用いられる。
この実施の形態では、複数のリーチ予告態様があり、例えば、キャラクタAの目が光るように表示されると(リーチ予告1)、またはキャラクタAが吹き出しで予告すると(リーチ予告2)、リーチ予告が行われたことになる。キャラクタAは、リーチを成立させるためのキャラクタとしても用いられ、所定の条件が成立すると、キャラクタAの足が右図柄を蹴るように表示されて左右図柄が同一図柄で停止する表示制御が行われる。なお、この実施の形態では、リーチ予告の際の吹出しの内容によって、次回以降の可変表示においてリーチが出現する可能性があることを予告するリーチ予告態様(リーチ予告3および4)がある。
また、この例では、キャラクタA,Bが、リーチ動作中に、吹き出しによって大当り予告を行うように表示される。この実施の形態では、複数の大当り予告態様(大当り予告1および2)があり、大当り予告1の態様は単独で用いられるが、大当り予告2の態様は大当り予告1の表示がなされてから所定時間が経過すると表示される。なお、この実施の形態では、リーチ動作中であるか否かにかかわらず表示され得る大当り予告態様がある(大当り予告3および4)。大当り予告3および4は、それぞれ、次回以降の可変表示の表示結果が大当りとなる可能性があることを予告する大当り予告である。
なお、この実施の形態では、リーチ予告および大当り予告として、それぞれ4つずつの態様が使用されるが、さらに多くの種類を用いてもよい。また、この実施の形態では、キャラクタの吹き出しによって予告がなされるが、予告の態様は、遊技者が予告されていることが認識可能であれば、どのような態様によってもよい。例えば、通常とは異なるキャラクタの動作や通常とは異なる図柄の変動態様によってもよい。さらに、確変図柄で大当りが生ずる可能性が高い場合に用いられる予告を、確変大当り予告としてもよい。また、大当りが発生する確率の高い予告と、大当りが発生する確率が低い予告とに分け、確率が低い方の予告をリーチ予告と定義づけてもよい。以上のようなキャラクタA,Bによる予告演出に対応した演出が、音、発光体においても同期して行われる。
図柄制御基板80における表示制御用CPU101は、主基板31から表示制御コマンドを受信すると、各変動パターンにおいてあらかじめ決められている背景やキャラクタを画面上に表示する制御を行う。なお、あらかじめ決められている態様でキャラクタの移動表示が行われたり、あらかじめ決められているタイミングで背景やキャラクタの切替も行われるが、それらも表示制御用CPU101が独自に制御する。
図24は、表示制御用CPU101が実行するメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また表示制御の起動間隔を決めるための2msタイマの初期設定等を行うための初期化処理が行われる(ステップS701)。その後、この実施の形態では、表示制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)の確認を行うループ処理に移行する。そして、図25に示すように、タイマ割込が発生すると、表示制御用CPU101は、タイマ割込フラグをセットする(ステップS711)。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、表示制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の可変表示制御処理を実行する。
なお、この実施の形態では、タイマ割込は2ms毎にかかるとする。すなわち、可変表示制御処理は、2ms毎に起動される。また、この実施の形態では、タイマ割込処理ではフラグセットのみがなされ、具体的な可変表示制御処理はメイン処理において実行されるが、タイマ割込処理で可変表示制御処理を実行してもよい。
可変表示制御処理において、表示制御用CPU101は、まず、受信した表示制御コマンドを解析する(コマンド解析実行処理:ステップS704)。次いで表示制御用CPU101は、表示制御プロセス処理を行う(ステップS705)。表示制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態に対応したプロセスを選択して実行する。そして、表示用乱数を更新する処理が実行される(ステップS706)。この実施の形態では、表示用乱数として、リーチ予告決定用乱数や大当り予告決定用乱数を含む各種の乱数が用いられる。その後、ステップS702のタイマ割込フラグの確認を行う処理に戻る。
次に、主基板31からの表示制御コマンド受信処理について説明する。図26は、主基板31から受信した表示制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の表示制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよく、例えば、図柄指定コマンド格納領域を3個(2×3=6バイトのコマンド受信バッファ)、それ以外の変動パターン指定などのコマンド格納領域を1個(2×1=2バイトのコマンド受信バッファ)のようなバッファ構成としてもよい。音声制御手段や、ランプ制御手段においても同様に、リングバッファ形式でないバッファ形式としてもよい。この場合、表示制御手段、音声制御手段、ランプ制御手段は、変動パターンなどの格納領域に格納される最新のコマンドにもとづき制御される。これにより、主基板31からの指示に迅速に対応することができる。
図27は、割込処理による表示制御コマンド受信処理を示すフローチャートである。主基板31からの表示制御用のINT信号は表示制御用CPU101の割込端子に入力されている。例えば、主基板31からのINT信号がオン状態になると、表示制御用CPU101において割込がかかる。そして、図27に示す表示制御コマンドの受信処理が開始される。
表示制御コマンドの受信処理において、表示制御用CPU101は、まず、各レジスタをスタックに退避する(ステップS670)。なお、割込が発生すると表示制御用CPU101は自動的に割込禁止状態に設定するが、自動的に割込禁止状態にならないCPUを用いている場合には、ステップS670の処理の実行前に割込禁止命令(DI命令)を発行することが好ましい。次いで、表示制御コマンドデータの入力に割り当てられている入力ポートからデータを読み込む(ステップS671)。そして、2バイト構成の表示制御コマンドのうちの1バイト目であるか否か確認する(ステップS672)。
1バイト目であるか否かは、受信したコマンドの先頭ビットが「1」であるか否かによって確認される。先頭ビットが「1」であるのは、2バイト構成である表示制御コマンドのうちのMODEデータ(1バイト目)のはずである(図15参照)。そこで、表示制御用CPU101は、先頭ビットが「1」であれば、有効な1バイト目を受信したとして、受信したコマンドを受信バッファ領域におけるコマンド受信個数カウンタが示す受信コマンドバッファに格納する(ステップS673)。
表示制御コマンドのうちの1バイト目でなければ、1バイト目を既に受信したか否か確認する(ステップS674)。既に受信したか否かは、受信バッファ(受信コマンドバッファ)に有効なデータが設定されているか否かによって確認される。
1バイト目を既に受信している場合には、受信した1バイトのうちの先頭ビットが「0」であるか否か確認する。そして、先頭ビットが「0」であれば、有効な2バイト目を受信したとして、受信したコマンドを、受信バッファ領域におけるコマンド受信個数カウンタ+1が示す受信コマンドバッファに格納する(ステップS675)。先頭ビットが「0」であるのは、2バイト構成である表示制御コマンドのうちのEXTデータ(2バイト目)のはずである(図15参照)。なお、ステップS674における確認結果が1バイト目を既に受信したである場合には、2バイト目として受信したデータのうちの先頭ビットが「0」でなければ処理を終了する。
ステップS675において、2バイト目のコマンドデータを格納すると、コマンド受信個数カウンタに2を加算する(ステップS676)。そして、コマンド受信カウンタが12以上であるか否か確認し(ステップS677)、12以上であればコマンド受信個数カウンタをクリアする(ステップS678)。その後、退避されていたレジスタを復帰し(ステップS679)、割込許可に設定する(ステップS680)。
表示制御コマンドは2バイト構成であって、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)とは、受信側で直ちに区別可能に構成されている。すなわち、先頭ビットによって、MODEとしてのデータを受信したのかEXTとしてのデータを受信したのかを、受信側において直ちに検出できる。よって、上述したように、適正なデータを受信したのか否かを容易に判定することができる。なお、このことは、払出制御コマンド、ランプ制御コマンドおよび音制御コマンドについても同様である。
図28は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された表示制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、受信コマンドバッファに格納されているコマンドの内容が確認される。
コマンド解析処理において、表示制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS681)。格納されているか否かは、コマンド受信カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、表示制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS682)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+1しておく。
読み出した受信コマンドが左図柄指定コマンドであれば(ステップS683)、そのコマンドのEXTデータを左停止図柄格納エリアに格納し(ステップS684)、対応する有効フラグをセットする(ステップS685)。なお、左図柄指定コマンドであるか否かは、2バイトの表示制御コマンドのうちの1バイト目(MODEデータ)によって直ちに認識できる。
読み出した受信コマンドが中図柄指定コマンドであれば(ステップS686)、表示制御用CPU101は、そのコマンドのEXTデータを中停止図柄格納エリアに格納し(ステップS687)、対応する有効フラグをセットする(ステップS688)。読み出した受信コマンドが右図柄指定コマンドであれば(ステップS689)、そのコマンドのEXTデータを右停止図柄格納エリアに格納し(ステップS690)、対応する有効フラグをセットする(ステップS691)。なお、左中右停止図柄格納エリアは、図柄制御基板80が備える例えばRAMに設けられている。
読み出した受信コマンドが変動パターンコマンド(図柄制御基板80に出力されるパターンコマンド)であれば(ステップS692)、表示制御用CPU101は、そのコマンドのEXTデータを変動パターン格納エリアに格納し(ステップS693)、変動パターン受信フラグをセットする(ステップS694)。なお、変動パターン格納エリアは、図柄制御基板80が備える例えばRAMに設けられている。
読み出した受信コマンドが始動入賞記憶数指定コマンドであれば(ステップS695)、表示制御用CPU101は、受信したコマンドのEXTデータが示す始動入賞記憶数を保存するとともに(ステップS696)。なお、始動入賞記憶数は、図柄制御基板80が備える例えばRAMの所定の領域に保存される。具体的には、ステップS696では、保存されている始動入賞記憶数が1加算される処理が実行される。表示制御用CPU101は、始動入賞記憶数が1加算されると、表示色を変化させる始動記憶表示エリア18を1増やす。
読み出した受信コマンドが入賞時判定結果コマンドであれば(ステップS697)、表示制御用CPU101は、受信した入賞時判定結果コマンドが示す判定結果情報を、現在の始動入賞記憶数に対応する入賞時判定結果情報格納エリアに格納する(ステップS698)。なお、上述したステップS49の処理にて説明したように、入賞時判定結果コマンドは、対応する始動入賞記憶数指定コマンドよりもあとに送信されるので、現在の始動入賞記憶数は、入賞時判定結果コマンドが特定する判定の起因となった始動入賞が加味された値となっている。入賞時判定結果情報格納エリアは、図柄制御基板80が備える例えばRAMに、始動入賞記憶数にそれぞれ対応して複数(すなわち、本例では始動入賞記憶数の最大値と同じ個数である4個)設けられている。本例では、入賞時判定結果コマンドが示す判定結果情報には変動パターンを示す情報が含まれるので、その変動パターンを示す情報が入賞時判定結果情報格納エリアに格納される。そして、ステップS682にて読み出した受信コマンドがその他の表示制御コマンドである場合には、受信コマンドに対応するフラグをセットする(ステップS699)。
この実施の形態では、始動入賞記憶数に対応する各入賞時判定結果情報格納エリアには、判定結果を示す情報として、変動パターンを特定する情報が格納される。変動パターンを特定する情報には、大当りか否か、リーチか否かなどの情報が含まれる。しかし、判定結果を示す情報に、大当りとするか否かを特定するためのデータ(大当り判定フラグ)や、リーチとするか否かを特定するためのデータ(リーチ判定結果フラグ)を含むようにして、それらの情報も各入賞時判定結果情報格納エリアに格納されるようにしてもよい。
図29は、表示制御用CPU101が扱う表示用乱数を示す説明図である。図29に示すように、この実施の形態では、表示用乱数として、リーチ予告用乱数および大当り予告用乱数がある。これらの表示用乱数は、上述した表示用乱数更新処理(ステップS706)にて更新される。リーチ予告用乱数はリーチ予告を行うか否か決定するためのものであり、大当り予告用乱数は大当り予告を行うか否か決定するためのものである。この例では、リーチ予告用乱数および大当り予告用乱数は、それぞれ1バイト構成とされ、同一の範囲である0〜255の値を取る。なお、リーチ予告用乱数と大当り予告用乱数とが、互いに異なる範囲の値を取るように構成されていてもよい。また、この実施の形態では、ランプ制御用CPU351が扱う発光体用乱数、および音制御用CPU701が扱う音用乱数は、それぞれ、図29に示す表示用乱数と同一の範囲をとるようにされている。従って、この実施の形態では、表示用乱数と同様に、発光体用乱数としてリーチ予告用乱数および大当り予告用乱数があり、音用乱数としてリーチ予告用乱数および大当り予告用乱数がある。
図30は、予告演出決定用テーブルの構成例を示す説明図である。予告演出決定用テーブルは、複数(ここでは4つ)設けられている。また、各予告演出決定用テーブルは、抽出されたリーチ予告用乱数とリーチ予告とが関係付けされているリーチ予告演出決定用テーブル(各予告演出決定用テーブルの(A))と、抽出された大当り予告用乱数と大当り予告とが関係付けされている大当り予告演出決定用テーブル(各予告演出決定用テーブルの(B))とを含む。この実施の形態では、リーチとするか否かや大当りとするか否かは、入賞時判定結果情報にもとづいて判定される。この実施の形態では、図柄制御基板80に入賞時判定結果情報を示す表示制御コマンドが送出される際に、ランプ制御基板35および音制御基板70に対しても、入賞時判定結果情報を示す制御コマンドが、主基板31から送出される。従って、図柄制御基板80以外の各基板35,70においても大当りとするか否かを判定することができる。なお、左右中図柄の停止図柄を示す表示制御コマンドにもとづいて判定するようにしてもよい。
予告演出決定用テーブルWは、今回の可変表示演出においてリーチあるいは大当たりとなる場合、または、今後実行される可変表示演出にてリーチおよび大当りとすることが決定されている場合に設定されるテーブルである。予告演出決定用テーブルXは、今回の可変表示演出においてリーチあるいは大当たりとならない場合であって、次回の可変表示演出にてリーチまたは大当りとすることが決定されている場合に設定されるテーブルである。予告演出決定用テーブルYは、今回の可変表示演出においてリーチあるいは大当たりとならない場合であって、2回あとの可変表示演出にてリーチまたは大当りとすることが決定されている場合に設定されるテーブルである。予告演出決定用テーブルZは、今回の可変表示演出においてリーチあるいは大当たりとならない場合であって、3回あとの可変表示演出にてリーチまたは大当りとすることが決定されている場合に設定されるテーブルである。この例では、図30に示す複数の予告演出決定用テーブルが各基板80,35,70に設けられており、使用する予告演出決定用テーブルを同期して変更し、各基板80,35,70にて対応した予告演出決定用テーブルを使用する構成とされる。なお、予告演出決定用テーブルの構成は、図30に示す構成に限られるものではない。使用する予告演出決定用テーブルの変更については、後で詳しく説明する。
リーチ予告について説明すると、表示制御用CPU101は、可変表示演出を実行する際に、リーチ予告用乱数を読み出し(抽出し)、その値に応じて、設定されている予告演出決定用テーブルを用いて、リーチ予告なし、リーチ予告1〜リーチ予告4のうちの何れかに決定する。具体的には、設定されている予告演出決定用テーブルにおいて、抽出されたリーチ予告用乱数の値と同値の比較値が割り当てられている演出に決定される。
例えば、今回の可変表示演出にてリーチを行う場合には、本例では予告演出決定用テーブルWが設定されているはずなので、128/256の確率でリーチ予告を行わないことが決定され、72/256の確率でリーチ予告1の態様でリーチ予告を行うことが決定され、56/256の確率でリーチ予告2の態様でリーチ予告を行うことが決定されるように、それぞれの演出に対してそれぞれの割合に応じた数の比較値が割り当てられる。例えば、比較値が0〜255である場合には、0〜31のうちの16個をリーチ予告なしに、9個をリーチ予告1に、7個をリーチ予告2に割り当てて、その後も順次32個ずつ割合に応じて各演出に比較値を割り当てるようにすればよい。
今回の可変表示演出にてリーチにもならないはずれとする場合には、本例では、今後実行される可変表示演出にてリーチおよび大当りとすることが決定されているか否か、また、リーチおよび大当りとすることが決定されているのは何回後の可変表示演出かによって、予告演出決定用テーブルW〜予告演出決定用テーブルZのいずれかが設定されている。例えば、予告演出決定用テーブルWが設定されている場合には、240/256の確率でリーチ予告を行わないことが決定され、16/256の確率でリーチ予告1の態様でリーチ予告を行うことが決定されるように、それぞれの演出に対してそれぞれの割合に応じた数の比較値が割り当てられる。例えば、比較値が0〜255である場合には、0〜15のうちの15個をリーチ予告なしに、1個をリーチ予告1に割り当てて、その後も順次16個ずつ割合に応じて各演出に比較値を割り当てるようにすればよい。
大当り予告について説明すると、表示制御用CPU101は、可変表示演出を実行する際に、大当り予告用乱数を読み出し(抽出し)、その値に応じて設定されている予告演出決定用テーブルを用いて、大当り予告なし、大当り予告1〜大当り予告4のうちの何れかに決定する。具体的には、設定されている予告演出決定用テーブルにおいて、抽出された大当り予告用乱数の値と同値の比較値が割り当てられている演出に決定される。
例えば、今回の可変表示演出にて大当りとする場合には、本例では予告演出決定用テーブルWが設定されているはずなので、80/256の確率でリーチ予告を行わないことが決定され、96/256の確率で大当り予告1の態様で大当り予告を行うことが決定され、80/256の確率で大当り予告2の態様で大当り予告を行うことが決定されるように、それぞれの演出に対してそれぞれの割合に応じた数の比較値が割り当てられる。例えば、比較値が0〜255である場合には、0〜15のうちの5個を大当り予告なしに、6個を大当り予告1に、5個を大当り予告2に割り当てて、その後も順次16個ずつ割合に応じて各演出に比較値を割り当てるようにすればよい。
また、今回の可変表示演出にて大当りとしない場合には、本例では、今後実行される可変表示演出にてリーチおよび大当りとすることが決定されているか否か、また、リーチおよび大当りとすることが決定されているのは何回後の可変表示演出かによって、予告演出決定用テーブルW〜予告演出決定用テーブルZのいずれかが設定されている。例えば、予告演出決定用テーブルWが設定されている場合には、244/256の確率で大当り予告を行わないことが決定され、12/256の確率で大当り予告1の態様で大当り予告を行うことが決定されるように、それぞれの演出に対してそれぞれの割合に応じた数の比較値が割り当てられる。例えば、比較値が0〜255である場合には、0〜63のうちの61個を大当り予告なしに、3個を大当り予告1に割り当てて、その後も順次64個ずつ割合に応じて各演出に比較値を割り当てるようにすればよい。
図31は、図24に示されたメイン処理における表示制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。表示制御プロセス処理では、表示制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S805のうちのいずれかの処理が行われる。各処理において、以下のような処理が実行される。
表示制御コマンド受信待ち処理(ステップS800):コマンド受信割込処理によって、変動時間を特定可能な表示制御コマンド(変動パターンコマンド)を受信したか否か確認する。具体的には、変動パターンコマンドが受信されたことを示すフラグがセットされたか否か確認する。そのようなフラグは、受信コマンドバッファに格納された受信コマンドが、変動パターンコマンドである場合にセットされる。
リーチ予告、大当り予告決定処理(ステップS801):リーチ予告および大当り予告を行うか否か決定するとともに、予告を行うことに決定した場合には予告の種類を決定する。
全図柄変動開始処理(ステップS802):左右中図柄の変動が開始されるように制御する。
図柄変動中処理(ステップS803):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度や背景、キャラクタ)の切替タイミングを制御するとともに、変動時間の終了を監視する。また、左右図柄の停止制御を行う。
全図柄停止待ち設定処理(ステップS804):変動時間の終了時に、全図柄停止を指示する表示制御コマンド(確定コマンド)を受信していたら、図柄の変動を停止して停止図柄(確定図柄)を表示する制御を行う。
大当り表示処理(ステップS805):変動時間の終了後、確変大当り表示または通常大当り表示の制御を行う。
図32は、表示制御コマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。表示制御コマンド受信待ち処理において、表示制御用CPU101は、まず、コマンド無受信タイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS811)。コマンド無受信タイマは、所定期間以上主基板31から図柄の変動を示す表示制御コマンドを受信しなかったときにタイムアウトとする。タイムアウトした場合には、表示制御用CPU101は、可変表示装置9にデモンストレーション画面を表示する制御を行う(ステップS812)。
コマンド無受信タイマがタイムアウトしていなければ、表示制御用CPU101は、変動時間を特定可能な表示制御コマンドを受信したか否か確認する(ステップS813)。この実施の形態では、変動時間を特定可能な表示制御コマンドは、図17に示された変動パターン指定コマンド(変動パターン指定#1〜変動パターン指定XX−1)のいずれかである。変動時間を特定可能な表示制御コマンドを受信した場合には、表示制御プロセスフラグの値をリーチ予告、大当り予告決定処理(ステップS801)に対応した値に変更する(ステップS814)。
特別図柄を変動させるときに、主基板31から図柄制御基板80に最初に送信される表示制御コマンドは、変動時間を示すコマンドと左右中図柄の停止図柄を指定するコマンドである。それらは、確定コマンドバッファに格納されている。
図33は、リーチ予告、大当り予告決定処理(ステップS801)を示すフローチャートである。リーチ予告、大当り予告決定処理において、表示制御用CPU101は、まず、始動入賞記憶数=1に対応する入賞時判定結果情報格納エリアに格納されている入賞時判定結果情報などにもとづいて予告演出決定用テーブル設定処理を行うとともに(ステップS821)、保存している始動入賞記憶数の値を1減らし(ステップS822)、かつ、各入賞時判定結果情報格納エリアの値をシフトする(ステップS823)。すなわち、始動入賞記憶数=n(n=2,3,4)に対応する入賞時判定結果情報格納エリアに格納されている各入賞時判定結果情報を、始動入賞記憶数=n−1に対応する入賞時判定結果情報格納エリアに格納する。
次いで、表示制御用CPU101は、リーチ予告を行うか否か決定する(ステップS824)。次いで、変動時間を特定可能な表示制御コマンド(変動パターンコマンド)の内容にもとづいて、リーチにもならないはずれか否か判断する(ステップS825)。なお、左中右の停止図柄指定コマンドの内容にもとづいて判断するようにしてもよい。
リーチにもならないはずれであれば、左右の停止図柄が異なっているものであるか否か確認する(ステップS826)。一致していた場合には、右停止図柄を1図柄ずらしたものとする(ステップS827)。そして、左右中の停止図柄を所定の記憶エリアに格納する(ステップS828)。また、監視タイマに本例では7.9秒を設定する(ステップS829)。7.9秒は、例えばリーチにもならないはずれ時の変動時間(例えば7.8秒)に対して余裕を持たせた値であり、監視タイマがタイムアウトする前に全図柄停止を指定するコマンドを受信できなかったときには所定の処理が行われる。
ステップS825において、リーチにもならないはずれでなければ、左右の停止図柄が同一か否か確認する(ステップS830)。異なっていた場合には、右停止図柄を左停止図柄と同じものにする(ステップS831)。そして、左右中の停止図柄を所定の記憶エリアに格納する(ステップS832)。また、表示制御用CPU101は、表示制御コマンドに応じた変動時間に所定時間(例えば0.1秒)を加算した値を監視タイマに設定する(ステップS833)。そして、大当り予告を行うか否か決定する(ステップS834)。
以上のように、この実施の形態では、表示制御用CPU101は、可変表示を開始させる際に主基板31から送出された変動パターンと受信した左右中停止図柄とが矛盾しているときには停止図柄を補正する。従って、何らかの原因で左右中停止図柄に誤りが生じたととしてもその誤りは是正される。誤りとは、例えば、主基板31から図柄制御基板80に至るケーブルにノイズが乗ってコマンドにビット誤りが生じたような場合である。この結果、遊技制御手段が決定したはずれ/リーチと矛盾するような確定図柄の表示がなされることが防止される。
さらに、再変動ありの場合となしの場合とで変動時間を異ならせ、再変動を行う変動パターンでは確変図柄で確定するように構成した場合に、主基板31から受信したコマンドが再変動ありを指示し、主基板31から受信した停止図柄が確変図柄でなかったときには、表示制御用CPU101が確変図柄に補正するようにしてもよい。例えば、主基板31から停止図柄として「7」、「6」、「7」を示すコマンドを受信した場合に、「7」、「7」、「7」に補正する。
そして、表示制御用CPU101は、選択された変動パターンに応じたプロセステーブルを使用することを決定する(ステップS835)。各プロセステーブルには、その変動パターン中の各変動状態(変動速度やその速度での変動期間等)が設定されている。また、各プロセステーブルはROMに設定されている。そして、表示制御用CPU101は、表示制御プロセスフラグの値を全図柄変動開始処理(ステップS802)に対応した値に変更する(ステップS836)。
図34は、上述したステップS821の予告演出決定用テーブル設定処理を示すフローチャートである。予告演出決定用テーブル設定処理において、表示制御用CPU101は、変動時間を特定可能な表示制御コマンド(変動パターンコマンド)の内容にもとづいて、今回の可変表示演出にて大当りまたはリーチとするか否かを確認する(ステップS821a)。今回の可変表示演出にて大当りまたはリーチとしない場合には、表示制御用CPU101は、次回以降の可変表示演出において大当りまたはリーチとすることが決定されているか否か確認する(ステップS821b)。この確認は、始動入賞記憶数=2〜4に対応するそれぞれの入賞時判定結果情報格納エリアに格納されている有効な入賞時判定結果情報にもとづいて行われる。有効な入賞時判定結果情報とは、未だ実行される前であって次回以降に実行される可変表示演出に関する入賞時判定結果情報を意味する。具体的には、本例では、1を除く現在の始動入賞記憶数の値以下の数に対応する入賞時判定結果情報格納エリアに格納されている入賞時判定結果情報のことである。例えば、現在の始動入賞記憶数が3である場合には、始動入賞記憶数=2,3に対応する各入賞時判定結果情報格納エリアに格納されているそれぞれの入賞時判定結果情報が、有効な入賞時判定結果情報とされる。
ステップS821aにて今回の可変表示演出にて大当りまたはリーチとすることが確認された場合、または、ステップS821bにて次回以降の可変表示演出において大当りまたはリーチとすることが決定されていないことが確認された場合には、表示制御用CPU101は、予告演出決定用テーブルWを使用するテーブルとして設定する(ステップS821c)。ステップS821bにて次回以降の可変表示演出において大当りまたはリーチとすることが決定されている場合、表示制御用CPU101は、次回の可変表示演出で大当りまたはリーチとすることが決定されている場合(始動入賞記憶数=2に対応する入賞時判定結果情報格納エリアに格納されている入賞時判定結果情報に、大当りあるいはリーチとすることを示す情報が含まれていた場合)には、予告演出決定用テーブルXを使用するテーブルとして設定する(ステップS821d,ステップS821e)。
また、2回後の可変表示演出で大当りまたはリーチとすることが決定されている場合(始動入賞記憶数=3に対応する入賞時判定結果情報格納エリアに格納されている入賞時判定結果情報に、大当りあるいはリーチとすることを示す情報が含まれていた場合)には、予告演出決定用テーブルYを使用するテーブルとして設定する(ステップS821f,ステップS821g)。さらに、3回後の可変表示演出で大当りまたはリーチとすることが決定されている場合(始動入賞記憶数=4に対応する入賞時判定結果情報格納エリアに格納されている入賞時判定結果情報に、大当りあるいはリーチとすることを示す情報が含まれていた場合)には、予告演出決定用テーブルZを使用するテーブルとして設定する(ステップS821h,ステップS821i)。
図35は、ステップS824のリーチ予告決定処理を示すフローチャートである。リーチ予告決定処理において、表示制御用CPU101は、まず、リーチ予告決定用乱数を抽出する(ステップS824a)。また、変動時間を特定可能な表示制御コマンド(変動パターンコマンド)の内容にもとづいて、今回の可変表示演出においてリーチとするのかはずれとするのかを確認する(ステップS824b)。
はずれとする場合には、表示制御用CPU101は、設定されているリーチ予告演出決定用テーブルにおけるはずれ時用テーブル(図30にて「はずれ時」と示されているテーブル)を用いて、リーチ予告を行うか否か決定し、予告を行う場合には予告の態様を決定する(ステップS824c)。また、リーチとする場合には、表示制御用CPU101は、本例では、リーチ予告演出決定用テーブルWにおけるリーチ時用テーブル(図30にて「リーチ時」と示されているテーブル)を用いて、リーチ予告を行うか否か決定し、予告を行う場合には予告の態様を決定する(ステップS824d)。この例では、今回の可変表示演出においてリーチとする場合には、常にリーチ予告演出決定用テーブルWのリーチ時用テーブルが用いられる構成としているが、リーチとする場合に複数のリーチ時用テーブルから1のリーチ時用テーブルを選択して用いる構成としてもよい。
そして、リーチ予告を行うことに決定した場合には(ステップS824e)、リーチ予告開始時間決定用タイマをスタートする(ステップS824f)。なお、リーチ予告開始時間決定用タイマは、図柄の変動開始からリーチ予告発生までの時間を決定するタイマである。
図36は、ステップS834の大当り予告決定処理を示すフローチャートである。大当り予告決定処理において、表示制御用CPU101は、まず、大当り予告決定用乱数を抽出する(ステップS834a)。また、変動時間を特定可能な表示制御コマンド(変動パターンコマンド)の内容にもとづいて、今回の可変表示演出において大当りとするのかはずれとするのかを確認する(ステップS834b)。
はずれとする場合には、表示制御用CPU101は、設定されている大当り予告演出決定用テーブルにおけるはずれ時用テーブル(図30にて「はずれ時」と示されているテーブル)を用いて、大当り予告を行うか否か決定し、予告を行う場合には予告の態様を決定する(ステップS834c)。また、大当りとする場合には、表示制御用CPU101は、本例では、大当り予告演出決定用テーブルWにおける大当り時用テーブル(図30にて「大当り時」と示されているテーブル)を用いて、大当り予告を行うか否か決定し、予告を行う場合には予告の態様を決定する(ステップS834d)。この例では、今回の可変表示演出において大当りとする場合には、常に大当り予告演出決定用テーブルWの大当り時用テーブルが用いられる構成としているが、大当りとする場合に複数の大当り時用テーブルから1の大当り時用テーブルを選択して用いる構成としてもよい。
そして、大当り予告を行うことに決定した場合には(ステップS834e)、大当り予告開始時間決定用タイマをスタートする(ステップS834f)。なお、大当り予告開始時間決定用タイマは、図柄の変動開始から大当り予告発生までの時間を決定するタイマである。
ここで、変動時間を示す変動パターンコマンドおよび左右中図柄の停止図柄を指定するコマンドの送出形態について説明する。変動時間を示す変動パターンコマンドおよび左右中図柄の停止図柄を指定するコマンドは、上述した表示制御コマンド制御処理において送信される。これらのコマンドが送出される際には、例えば図37に示すように、CPU56によって、コマンド送信個数カウンタが指しているコマンド送信テーブルに、INTデータ、コマンドデータ1およびコマンドデータ2が設定される。まず、上記3つのデータによって構成される1つ目のコマンドデータ(コマンド送信テーブル+0に設定されている変動パターンを指定するためのコマンドデータ)が送信される。次いで、次の2msの間(この実施の形態では、CPU56の内蔵CTCが繰り返しタイマ割込を発生する繰り返し周期が2msに設定されるため)に実行される表示制御コマンド制御処理において、次のコマンドデータ(コマンド送信テーブル+1に設定されている特別図柄左停止図柄を指定するためのコマンドデータ)が送信される。そして、このような処理が繰返されて、特別図柄コマンド送信ポインタが終了コードを指し示すと、特別図柄コマンド送信ポインタにて有効にコマンド送信テーブルが指定されるまでコマンドデータが送信されない状態となる。このようにして送信されたコマンドデータは、上述したコマンド受信処理によって受信され、受信コマンドバッファに格納される。なお、図37に示すコマンドを示す各値は一例であり、特別図柄左中右図柄を示す81(H)、82(H)、83(H)は、それぞれ、例えば「1」、「2」、「3」を可変表示装置9に表示させるためのコマンドである。
図38は、表示制御プロセス処理における全図柄変動開始処理(ステップS802)を示すフローチャートである。全図柄変動開始処理において、表示制御用CPU101は、まず、変動時間タイマをスタートする(ステップS840)。次いで、特別図柄の変動を開始し(ステップS841)、表示制御プロセスフラグの値を図柄変動中処理に対応した値にする(ステップS842)。
図39は、図柄変動中処理(ステップS803)を示すフローチャートである。図柄変動中処理において、表示制御用CPU101は、リーチ予告開始時間決定用タイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS851)。タイムアウトしていたら、既に決定されているリーチ予告態様による表示が行われるようにVDP103を制御する(ステップS852)。また、大当り予告開始時間決定用タイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS853)。タイムアウトしていたら、決定されている大当り予告(大当り予告1、3、または4)の態様による表示が行われるようにVDP103を制御する(ステップS854)。
そして、大当り予告2による予告が行われることに決定していた場合には(ステップS855)、大当り予告2開始時間決定用タイマをスタートする(ステップS856)。この実施の形態では、大当り予告2は大当り予告1の発展形であるとしているので、大当り予告2による予告は、大当り予告1による予告がなされてから所定時間後(大当り予告2開始時間決定用タイマのタイムアウトまで)に行われる。
また、表示制御用CPU101は、大当り予告2開始時間決定用タイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS857)。タイムアウトしていたら、大当り予告2の態様による表示が行われるようにVDP103を制御する(ステップS858)。
次いで、表示制御用CPU101は、変動時間タイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS859)。変動時間タイマがタイムアウトした場合には、表示制御プロセスフラグの値を全図柄停止待ち処理(ステップS804)に対応した値に変更する(ステップS860)。
図40は、全図柄停止待ち処理(ステップS804)を示すフローチャートである。全図柄停止待ち処理において、表示制御用CPU101は、全図柄停止を指示する表示制御コマンドを受信しているか否か確認する(ステップS871)。全図柄停止を指示する表示制御コマンドを受信していれば、記憶されている停止図柄で図柄を停止させる制御を行う(ステップS872)。そして、次の表示制御コマンドの受信までの時間を監視するために、コマンド無受信タイマをスタートさせる(ステップS873)。
全図柄停止を指定する表示制御コマンドを受信していない場合には、監視タイマがタイムアウトしているかどうか確認する(ステップS875)。タイムアウトした場合には、何らかの異常が発生したと判断して、可変表示装置9にエラー画面を表示する制御を行う(ステップS876)。
ステップS873の処理を行ったら、ステップS872にて大当り図柄を表示した場合には、表示制御用CPU101は、表示制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS805)に対応した値に設定する(ステップS874)。なお、ステップS872にて大当り図柄を表示しない場合(はずれ図柄を表示した場合)には、表示制御用CPU101は、表示制御プロセスフラグの値を表示制御コマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に設定する。
図41は、大当り表示処理(ステップS805)を示すフローチャートである。大当り表示処理において、表示制御用CPU101は、確変大当りか否か判定する(ステップS881)。表示制御用CPU101は、例えば、確定図柄にもとづいて確変大当りか否かを判定することができる。確変大当りであれば、表示制御用CPU101は、例えば、「確変大当り」を可変表示装置9に表示させる表示制御を行う(ステップS882)。具体的には、「確変大当り」の表示指示をVDP103に通知する。すると、VDP103は、指示された表示の画像データを作成する。また、画像データを背景画像と合成する。確変大当りでなければ、表示制御用CPU101は、例えば、「大当り」を可変表示装置9に表示させる表示制御を行う(ステップS883)。
その後、大当り表示処理では、主基板31から送信される大当り遊技状態における表示制御コマンドにもとづいて可変表示装置9の表示制御を行う。例えば、ラウンド数の表示等が行われる。また、主基板31から大当り遊技の終了を示す表示制御コマンドを受信すると(ステップS884)、表示制御プロセスフラグの値を表示制御コマンド受信待ち(ステップS800)に対応した値に設定する(ステップS885)。
図42は、上述した本例の遊技機における特徴部分の構成を示すブロック図である。図42に示すように、本例の遊技機は、識別情報を可変表示可能な可変表示手段9aを備え、あらかじめ定められている可変表示の実行条件が成立した後、可変表示の開始条件の成立にもとづいて識別情報の可変表示を開始し、当該識別情報の可変表示の表示結果が特定の表示結果となった場合に遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御可能となる遊技機であって、遊技の進行を制御する遊技制御手段561と、遊技制御手段561からのコマンドにもとづいて、識別情報の可変表示に応じた演出を実行可能な演出手段802を制御する演出制御手段801とを備え、遊技制御手段561は、可変表示の開始条件の成立時に、識別情報の可変表示に応じた演出の内容をそれぞれ示す複数種類の演出パターンのうち1の演出パターンを特定可能な演出パターンコマンドを送信し、演出制御手段801は、遊技制御手段561からの演出パターンコマンドにもとづいて、演出手段802を制御して識別情報の可変表示に応じた演出を実行させ、遊技制御手段561は、可変表示の実行条件の成立時に複数種類の演出パターンのうちいずれの演出パターンとするかを選択(ステップS400)する実行条件成立時選択手段562と、実行条件成立時選択手段562による選択結果を特定可能な選択結果コマンドを当該選択された実行条件の成立にもとづく可変表示の開始条件が成立する以前に送信する選択結果コマンド送信手段563とを含み、選択結果コマンド送信手段563は、選択結果コマンドとして、実行条件成立時選択手段562によって選択された演出パターンを特定可能なコマンドを送信し、演出制御手段801は、受信した選択結果コマンドにもとづいて、当該選択された実行条件の成立にもとづく可変表示の開始条件が成立する以前に、演出手段802により所定の演出を実行可能であることを特徴とするものである。
以上説明したように、遊技制御手段(CPU56)が、始動入賞口に遊技球が入賞したことにもとづいて可変表示装置9における識別情報の表示態様の決定に関わる判定の一部(特別図柄の可変表示の変動パターンの選択など)を行い、その判定結果(選択結果)を示す入賞時判定結果コマンドを図柄制御基板80に向けて送信する構成とするとともに、図柄制御基板80が、受信した入賞時判定結果コマンドが示す判定結果にもとづいて予告演出の内容を決定する構成としたので、入賞時に行われた判定結果にもとづく演出を実行する場合における遊技制御手段の制御負担を軽減することができる。
なお、始動入賞口に遊技球が入賞したことにもとづいて実行される判定(特別図柄の可変表示の変動パターンの選択など)は、上述した実施の形態のように入賞したあと直ぐに実行するようにしてもよく、入賞したあと所定の遅延期間経過後に実行するようにしてもよい。また、入賞時判定結果コマンドを図柄制御基板80に向けて送信する時期は、入賞したことにもとづく判定(特別図柄の可変表示の変動パターンの選択など)がなされたあと直ぐであってもよく、また、判定がなされたあと所定の遅延期間を経過した後であってもよい。ただし、少なくとも、当該入賞にもとづく可変表示が開始される前までに上記の判定およびコマンド送信が完了している構成とする必要がある(意味のない処理を行うことになるため)。なお、当該入賞にもとづく可変表示の前に実行される可変表示が存在する場合に、その可変表示が開始される以前に上記の判定およびコマンド送信が完了していれば、予告演出などで入賞時の判定結果が加味される。
また、上述したように、識別情報の可変表示が開始されるときに識別情報の表示態様の決定に関わる判定の一部(停止図柄の決定など)を行う構成とされているので、遊技制御手段の制御負担を時間的に分散させることが可能となる。
また、上述したように、入賞時判定結果情報に図柄の変動パターンを示す情報を含み、変動パターンを示す情報には大当りとするか否かを示す情報が含まれているので、今後大当りが発生するということを図柄制御基板80に対して事前に通知することが可能となる。従って、図柄制御基板80は、今後大当りが発生するということを加味して予告演出を行うことができるようになる。
また、上述したように、入賞時判定結果情報に図柄の変動パターンを示す情報を含み、変動パターンを示す情報にはリーチとするか否かを示す情報が含まれているので、今後リーチが発生するということを図柄制御基板80に対して事前に通知することが可能となる。従って、図柄制御基板80は、今後リーチとなることを加味して予告演出を行うことができるようになる。
また、上述したように、遊技制御手段が、始動入賞口に遊技球が入賞したことにもとづいて大当りの判定を行う際に、確変状態であるか否かにかかわらず、低確率状態における判定条件と、高確率状態における判定条件との両方の判定を行う構成としたので、可変表示の開始時における変動パターンの決定(ステップS55)の際に、現在の制御状態に応じた変動パターンを選択するだけで実際の制御状態に合致した変動パターンを決定することができる。また、入賞時には確変状態であったが、可変表示開始時には確変状態でなくなっている場合に、高確率の判定条件で大当りを決定してしまうようなことがなく、大当りを過剰に発生させてしまうことを防止することができる。さらに、入賞時判定結果コマンドにて送信されるデータは、低確率状態における判定条件で判定した結果を示すデータとしているので、誤った情報により図柄制御基板80にて過剰に予告演出を行うことが決定されることを防止することができる。
また、上述したように、遊技制御手段が、始動入賞口14への入賞にもとづく入賞確認処理(図11参照)を、タイマ割込にもとづく一連の処理(定期処理)により実行するように構成されているので、連続して入賞があった場合であっても確実に入賞検出することができる。従って、連続して入賞があった場合などにもとづく誤動作などの不具合を防止することができ、入賞確認処理の確実性を向上させることができる。
また、上述したように、入賞時判定結果コマンドのEXTデータの内容と、変動パターンコマンドのEXTデータの内容とを共通の内容とする構成としたので、2つの分類のコマンドのEXTデータを共通化することができ、コマンドの種類情報の解析などを行う際の制御負担を軽減することが可能となる。
また、本例では、表示制御手段は、入賞時判定結果コマンドが特定する情報を予告演出の決定などのために用い、入賞時判定結果コマンドが特定する変動パターンに従った特別図柄の可変表示演出を実行することはない。すなわち、表示制御手段が、常に、変動パターンコマンドが特定する変動パターンに従って特別図柄の可変表示演出を実行する構成としている。従って、可変表示開始時の制御状態に応じた適切な演出を実行することができ、可変表示演出に不整合が生じてしまうことを防止することができる。
また、上述したように、表示制御手段が、受信した入賞時判定結果コマンドが示す入賞時判定結果情報にもとづいて、独自演出である予告演出の内容(予告演出を実行するか否か、および実行する予告演出の態様)を決定する構成としたので、未だ開始されていない将来実行される可変表示に係る情報を加味して独自演出を決定することができる。
また、上述したように、表示制御手段が、受信した入賞時判定結果コマンドが示す入賞時判定結果情報を入賞時判定結果情報格納エリアに格納し、入賞時判定結果情報格納エリアに記憶されている情報にもとづいて予告演出の内容を決定する構成とされているので、予告演出を決定するための制御を簡単な構成で行うことができるようになる。
また、上述したように、表示制御手段が、受信した入賞時判定結果コマンドが示す情報を始動入賞記憶数に応じて設けられている複数の入賞時判定結果情報格納エリアに順次記憶する構成とされているので、入賞時判定結果情報を今後実行される可変表示毎に別個に記憶させることができる。
また、上述したように、表示制御手段が、始動入賞記憶数に応じて設けられている複数の入賞時判定結果情報格納エリアの記憶内容を、識別情報の可変表示の実行の際にシフトする構成としているので、始動入賞記憶可能な最大値分の格納エリアを設ければよく、入賞時判定結果情報を記憶する記憶領域の容量を低減させることが可能となる。
また、上述したように、予告演出決定用テーブルを決定確率が異なる複数種類設け、入賞時判定結果コマンドが示す判定結果に応じた所定の予告演出決定用テーブルを用いて予告演出の内容を決定する構成としたので、予告演出決定用テーブルを変更するだけで決定確率を異ならせることができ、表示制御手段の制御負担が軽減される。
なお、上述した実施の形態では、入賞時判定結果情報に図柄の変動パターンを示す情報を含み、将来実行される可変表示演出での変動パターンを示す情報にもとづいて図柄制御基板80にて予告演出の内容を決定する構成とされているので、将来実行される可変表示の詳細な内容にもとづいて予告演出を行うことが可能となる。
すなわち、図柄制御基板80は、入賞時判定結果情報に含まれている変動パターンを示す情報にもとづいて、例えば、通常大当り(確変状態に移行しない大当り)か否か、確変大当りか否か、リーチか否か、スーパーリーチか否か、リーチ演出の内容(どの種類のリーチか、リーチ演出においてどのようなキャラクタが出現しどのような動作を行うのか、リーチ演出においてそのような背景が出現するのか、などの演出の内容)、再抽選がなされる演出が実行されるか否かなど、将来実行される具体的な可変表示演出の内容を認識することができる。よって、図柄制御基板80は、近い将来実行される具体的な可変表示演出の内容を加味して、これらか実行する可変表示演出に関連して独自のキャラクタを出現させるなどの独自演出を実行することができる。
例えば、今回の可変表示演出の次の可変表示演出でキャラクタAが出現するリーチ演出が実行されることが決定されている場合には、今回の可変表示演出において、次回のリーチ演出で出現するキャラクタAを登場させたリーチ予告を行うことができる。この場合、次回の可変表示演出でキャラクタAが出現するリーチ演出が実行されたあと大当りとなる場合には、今回の可変表示演出でキャラクタAが出現するリーチ予告が実行される確率を高くし、次回の可変表示演出でキャラクタAが出現するリーチ演出が実行されたあとはずれとなる場合には、今回の可変表示演出でキャラクタAが出現するリーチ予告が実行される確率を低くするようにしてもよい。具体的には、図柄制御基板80は、入賞時判定結果情報に含まれている変動パターンを示す情報にもとづいて、次回の可変表示演出でキャラクタAが出現するリーチ演出が実行されたあと大当りとなることを確認した場合には、今回の可変表示演出を実行する際に、あらかじめ用意されているキャラクタAが出現するリーチ予告演出の選択確率が高く設定(100%を含む)されている予告演出決定用テーブルを用いて、リーチ予告を行うか否かを決定するようにすればよい。一方、次回の可変表示演出でキャラクタAが出現するリーチ演出が実行されたあとはずれとなることを確認した場合には、今回の可変表示演出を実行する際に、あらかじめ用意されているキャラクタAが出現するリーチ予告演出の選択確率が低く設定(0%を含む)されている予告演出決定用テーブルを用いて、リーチ予告を行うか否かを決定するようにすればよい。上記のように構成すれば、前回の可変表示演出におけるリーチ予告の際に出現したキャラクタを、今回の可変表示演出におけるリーチ演出で再び出現させることで、今回の可変表示の表示結果が大当りとなる可能性が高い(100%を含む)ことを遊技者に認識させることができ、遊技の興趣を向上させることが可能となる。
また、例えば、今回の可変表示演出の数回あとの可変表示演出で大当りとなることが決定されている場合に、大当りとなるまでの複数回の可変表示演出において、一定の法則に従ってキャラクタを出現させるリーチ予告を行うようにすることができる。この場合、例えば2回後の可変表示演出でキャラクタC(例えばカエル)が出現する演出が実行されたあと大当りとなる場合には、今回の可変表示演出でキャラクタA(例えばオタマジャクシ)が出現するリーチ予告を実行し、次回の可変表示演出でキャラクタB(例えば手と足が生えてきたオタマジャクシ)が出現するリーチ予告を実行し、2回後の可変表示演出(大当りとなる演出)でキャラクタC(例えばカエル)が出現するリーチ予告を実行する(この予告演出は実行しない構成としてもよい)などして、一定の法則に従って順次キャラクタを登場させるようにすればよい。具体的には、図柄制御基板80は、入賞時判定結果情報に含まれている変動パターンを示す情報にもとづいて、2回後の可変表示演出で所定のキャラクタによる演出が実行されたあと大当りとなることを確認した場合には、今回の可変表示演出を実行する際に、あらかじめ用意されている今回を含む3回の可変表示演出において一定の法則に従って順次キャラクタを出現(例えば大当りとなる可変表示演出において出現するキャラクタにつながるように順次キャラクタを出現させる)させる連続予告演出が所定の確率で選択され得る予告演出決定用テーブル(あらかじめ用意されているテーブルである)を用いて、その連続予告演出を行うか否かを決定するようにすればよい。連続予告演出を行うことを決定した場合には、その後数回の可変表示演出において、あらかじめ決定されている予告演出が順次実行される。上記のように構成すれば、複数回の連続する可変表示演出において、一定の法則に従ってキャラクタを順次出現させることで、今回の可変表示(上記の例ではカエルが出現する可変表示)の表示結果が大当りとなる可能性が高い(100%を含む)ことを遊技者に認識させることができ、遊技の興趣を向上させることが可能となる。なお、上記の連続演出を最終的(上記の例ではカエルが出現する可変表示)にはずれとなる場合に選択され得るようにしてもよいが、その場合には最終的に大当りとなる場合よりも選択される確率が低くなるようにすればよい。
また、例えば、今回の可変表示演出の数回あとの可変表示演出でリーチとなったあとはずれとなることが決定されている場合に、その演出が実行されるまでの複数回の可変表示演出において、一定の法則が最終的に崩れるように順次キャラクタを出現させるリーチ予告を行うようにすることができる。この場合、例えば2回後の可変表示演出でリーチとなったあとはずれとなる場合には、今回の可変表示演出でキャラクタA(例えばオタマジャクシ)が出現するリーチ予告を実行し、次回の可変表示演出でキャラクタB(例えば手と足が生えてきたオタマジャクシ)が出現するリーチ予告を実行し、2回後の可変表示演出でキャラクタD(例えばワニ)が出現するリーチ予告を実行するなどして、一定の法則が最終的に崩れるように順次キャラクタを登場させるようにすればよい。具体的には、図柄制御基板80は、入賞時判定結果情報に含まれている変動パターンを示す情報にもとづいて、2回後の可変表示演出でリーチとなったあとはずれとなることを確認した場合には、今回の可変表示演出を実行する際に、あらかじめ用意されている今回を含む3回の可変表示演出において一定の法則が最終的に崩れるように順次キャラクタを出現させる連続予告演出が所定の確率で選択され得る予告演出決定用テーブル(あらかじめ用意されているテーブルである)を用いて、その連続予告演出を行うか否かを決定するようにすればよい。連続予告演出を行うことを決定した場合には、その後数回の可変表示演出において、あらかじめ決定されている予告演出が順次実行される。上記のように構成すれば、複数回の連続する可変表示演出において、一定の法則が最終的に崩れるようにキャラクタを順次出現させることで、今回の可変表示(上記の例ではワニが出現する可変表示)で出現するキャラクタが何であるかを遊技者に期待させるようにすることが可能となり、遊技の興趣を向上させることが可能となる。なお、上記の連続演出を最終的(上記の例ではワニが出現する可変表示)に大当りとなる場合に選択され得るようにしてもよいが、その場合には最終的にはずれとなる場合よりも選択される確率を低くするようにすればよい。
また、上述した実施の形態では、演出制御手段として、主として表示制御手段(表示制御用CPU101)について説明したが、例えばランプ制御手段(ランプ制御用CPU351)や音制御手段(音制御用CPU701)についても、上述した表示制御手段と同様の処理を実行する構成とすることができる。この場合、各演出制御手段が同期して予告演出決定用テーブルを設定することができるので、ランプ制御手段による発光体演出や音制御手段による音声出力演出を、表示制御手段による可変表示演出と同期して行うことができる。
また、上述した各実施の形態では、入賞時判定結果コマンドが示す判定結果にもとづいて、特別図柄の可変表示の際に予告演出を実行する構成としていたが、始動記憶数表示エリア18の表示態様を変化させることで予告演出を行う構成としてもよい。例えば、表示色を大当りやリーチの予告を示す色に変化させたり、表示色が変化した始動記憶数表示エリア18の増え方(順番)を異ならせたりするようにすればよい。このように構成すれば、演出制御手段による独自演出の内容を多様化させることができる。
また、上述した各実施の形態において、始動記憶数表示エリア18に始動入賞記憶数に対応した数の図柄を表示する構成としてもよい。この場合、例えば始動記憶数表示エリア18に始動入賞記憶数に対応した数の卵の図柄を表示する構成とし、その卵にひびが入っている場合にはその回の可変表示に関するリーチ予告を意味し、その卵が割れてひなが生まれている場合にはその回の可変表示に関する大当り予告を意味するようにして予告演出を行うようにすることが考えられる。
また、上述した実施の形態では、予告演出を行うか否かを図柄制御基板80にて独自に決定する構成としていたが、主基板31が決定し、その決定結果を示すコマンドを図柄制御基板80に向けて送信するように構成されていてもよい。
また、上述した実施の形態では、今回の可変表示演出において大当りにもリーチにもならず、かつ次回以降の可変表示演出において大当りまたはリーチとなる場合には、予告演出決定用テーブルX〜予告演出決定用テーブルZのいずれかが常に設定される構成としていたが、そのような場合であっても、所定確率で予告演出決定用テーブルWが設定されるような構成としてもよい。このように、入賞時判定結果コマンドが示す判定結果に応じて、所定確率で所定の予告演出決定用テーブル(予告演出決定用テーブルX〜予告演出決定用テーブルZ)を用いる構成とすれば、予告演出が実行される確率を低下させることができるので、予告演出がなされない場合における遊技者の注目度の減退を防止することができる。また、上記のような構成とした場合、所定の予告演出決定用テーブル(予告演出決定用テーブルX〜予告演出決定用テーブルZ)が設定された場合は常に何らかの予告演出がなされるようにされていても、常に予告演出が実行される状態でないようにすることができるので、予告演出がなされない場合における遊技者の注目度の減退を防止することができる。
また、上述した実施の形態では、今回の可変表示演出において大当りにもリーチにもならず、かつ次回以降の可変表示演出において大当りまたはリーチとなる場合であっても、予告演出がなされない場合があるような構成とされていたが、そのような場合であれば常に何らかの予告演出が実行されるように構成されていてもよい。また、今回の可変表示演出において大当りにもリーチにもならない場合であっても、次回以降の可変表示演出において大当りまたはリーチとなることが決定されている場合には、次回以降の可変表示で大当りやリーチとなる可能性があることを予告する演出を行うようにしてもよい。
また、上述した実施の形態では、入賞時判定結果情報に変動パターンを示す情報を含む構成としていた。この変動パターンを示す情報には、リーチとするか否かを示す情報を含む他、リーチとする場合にさらにリーチ態様(例えば、特別な演出がなされない通常のリーチの態様、スーパーリーチと呼ばれる一般に派手なリーチ演出がなされるリーチの態様)を示す情報を含むことは勿論である。すなわち、入賞確認処理(図11参照)では、遊技制御手段によって、識別情報の表示態様を予め定められている特定リーチ態様(スーパーリーチ)とするか否かの判定が行われ、その後に出力する入賞時判定結果コマンドが特定する変動パターンを示す情報に、特定リーチ態様とするか否かの情報が含まれる。よって、上述した実施の形態では、今後スーパーリーチが発生するということを図柄制御基板80に対して事前に通知することが可能な構成となっている。従って、図柄制御基板80は、今後スーパーリーチとなることを加味して予告演出を行うことができる。
また、上述した実施の形態では、始動入賞記憶数を示すコマンド(例えば始動入賞記憶数指定コマンド)を入賞時判定結果コマンドとは別個に設け、別個に送受する構成とし、別個のコマンドにより役割分担が明確になされ、コマンドにもとづく制御の確実性を向上させることができるようにしていたが、入賞時判定結果コマンドが示すデータの中に始動入賞記憶数を示す情報が含まれるように構成されていてもよい。このように構成すれば、始動入賞記憶数を示すコマンドを別個に送受する必要をなくすことができ、コマンドの数を少なくすることができる。
また、上述した実施の形態では、可変表示装置9の表示領域の一部に始動入賞記憶数を報知するための表示領域を設ける構成としていたが、始動入賞記憶数を報知するための始動記憶表示器を可変表示装置9とは別個に設ける構成としてもよい。その場合、始動記憶表示器を、表示制御基板80が制御する構成としても、ランプ制御基板35が制御する構成としてもよい。
また、上述した実施の形態では、入賞確認処理(図11参照)にて変動パターンを選択する処理を行う構成としていたが、入賞確認処理にて、停止図柄の判定などの他の判定処理をも行う構成としてもよい。
また、上述した実施の形態では、始動入賞にもとづく判定処理(ステップS44〜ステップS47)を実行したあとは常に入賞時判定結果コマンドを送信する構成としていたが、始動入賞にもとづく判定の結果が所定の結果である場合にのみ入賞時判定結果コマンドを送信する構成とされていてもよい。この場合、例えば、判定処理において、大当りとする判定がなされた場合、あるいはリーチとする判定がなされた場合にのみ、入賞時判定結果コマンドを送信するようにすればよい。このように構成すれば、コマンドの送信に関する遊技制御手段の制御負担が軽減される。また、コマンドの受信に関する表示制御手段の制御(例えば入賞時判定結果情報格納エリアに入賞時判定結果情報を記憶させる処理)の負担も軽減される。なお、上記のような構成とする場合に、始動入賞にもとづく判定の結果が所定の結果である場合に常に入賞時判定結果コマンドを送信するようにしてもよく、始動入賞にもとづく判定の結果が所定の結果である場合に所定確率で選択的に入賞時判定結果コマンドを送信するようにしてもよい。
また、上述した実施の形態では、遊技制御手段からの入賞時判定結果コマンドを受信した場合には、表示制御手段が常に入賞時判定結果情報格納エリアに入賞時判定結果情報を記憶させる処理を行う構成としていたが、受信した入賞時判定結果コマンドが特定する判定結果が所定の結果である場合にのみ入賞時判定結果情報の記憶処理を行う構成とされていてもよい。この場合、例えば、受信した入賞時判定結果コマンドが特定する判定結果が、大当りとすることを示す情報である場合、あるいはリーチとすることを示す情報である場合にのみ、入賞時判定結果情報の記憶処理を行うようにすればよい。このように構成すれば、コマンドの受信に関する表示制御手段の制御負担が軽減される。
また、上述した各実施の形態では、入賞時判定結果コマンドにもとづいて、演出制御基板80,35,70がリーチ予告演出や大当り予告演出を実行する構成としていたが、予告演出に限らず、他の演出を実行するようにしてもよい。例えば、可変表示装置9において可変表示の開始から表示結果を表示するまでの全体の演出(例えば、各演出制御基板80,35,70において抽選を行って、演出パターンAまたは演出パターンBの何れかを抽選して決定する)、大当り中の演出(例えば、大当り中の演出がストーリー展開するもので、各演出制御基板80,35,70において抽選を行って、大当り中にストーリーの内容を複数のストーリーの中から抽選して決定する)、確変や時短を選択する演出(各演出制御基板80,35,70において抽選を行って、確変か否かまたは時短回数を報知するための演出ゲーム内容を複数種類の演出ゲームの内から決定する。例えば、あみだくじ演出を行った結果で確変か否かを報知するゲームと、ダルマ落とし演出を行った結果で確変か否かを報知するゲームとが予め用意され、このいずれの演出を行うかを抽選して決定する)などの各種の演出を同期して実行するようにしてもよい。
また、上述した実施の形態では、リーチ予告や大当り予告の予告演出をキャラクタによって行う構成(図22、図23参照)としていたが、予告演出はどのような形態のものであってもよく、例えば、すべり演出(低速変動状態において数図柄分高速変動させる演出)や、もどり演出(図柄の停止位置を通り過ぎたあと逆向きに変動させる演出)などのような特別図柄の変動態様を変化させることで予告演出を行うようにしてもよい。また、背景を変化させることによって予告演出を行うようにしてもよい。
また、上述した実施の形態では、始動入賞記憶数を最大4個であるとしていたが、他の数であってもよい。
また、上述した実施の形態では、表示制御手段が始動入賞記憶数に応じた入賞時判定結果情報格納エリアを備える構成としたが、表示制御手段は少なくとも保留の中に大当りやリーチがあるか否か、および大当りやリーチとなるのは何個目の保留であるかを認識できればよいため、例えば、大当りやリーチがあるか否かを示すフラグと、それが何個目であるかを示すカウンタ(例えば入賞時判定結果コマンドに含まれる始動入賞記憶数に応じてセットされ、可変表示が開始される毎に減算されるカウンタ)とを備える構成としてもよい。なお、単に保留の中に大当りやリーチがあるか否かにもとづいて独自演出を行う構成としてもよく、この場合には、表示制御手段は大当りやリーチがあるか否かを示すフラグを備えるだけで足りる。
また、表示制御手段が実行する独自演出は、上述した予告演出などの各種演出以外に、入賞時判定結果コマンドを受信したことにもとづいて所定確率で行う演出を含む。例えば、大当りを示す入賞時判定結果コマンドを受信した場合に、所定確率であらかじめ定められている大当り保留音を鳴らすような演出を行ってもよい。これにより、入賞時判定結果コマンドが特定する判定結果(入賞時判定結果情報)を記憶する必要がなく、演出制御手段の制御負担が軽減される。
また、上述した実施の形態では、可変表示毎に予告演出の内容を決定する構成としていたが、例えば3回後に大当りとなる場合に、今回の可変表示演出を含めて4回連続で同一の予告演出を実行するようにしてもよい。この場合、特定のキャラクタを連続して表示させたり、特定の色の背景を出現させたり、特定の音を出力させたりするようにすればよい。
なお、リーチや大当りとなることを示す判定結果情報を得ていない場合に、上述した各予告演出を実行する構成としてもよい。
また、上述した実施の形態では、保留個数毎に予告演出決定用テーブルを備える構成としていたが、複数の保留個数に共通の予告演出決定用テーブルを用いる構成としてもよい。この場合、例えば、保留個数が2個または3個のときに設定される予告演出決定用テーブルを用いるようにすればよい。
また、上述した実施の形態において、決定された演出の種類(例えば、リーチ予告・大当り予告・確変予告などの予告の種類、リーチ予告1・リーチ予告2などのリーチ予告の種類、大当り予告1・大当り予告2などの大当り予告の種類。)に応じて演出を実行するために用いる電気部品を異ならせるようにしてもよい。例えば、リーチ予告1による演出を行う場合には可変表示装置9とスピーカ27により演出を行い、リーチ予告2による演出を行う場合には可変表示装置9と発光体により演出を行うようにすればよい。また、例えば、リーチ予告1による演出を行う場合には可変表示装置9と各枠ランプ28a〜28cにより演出を行い、リーチ予告2による演出を行う場合には可変表示装置9と装飾ランプ25により演出を行うようにすればよい。このように構成すれば、演出を多様化させることが可能となる。
また、上述した実施の形態では、入賞確認処理(図11参照)における判定処理(ステップS44〜ステップS48)が、始動入賞口への入賞があった場合に開始されるようにしていたが、例えば複数個の入賞がなければ可変表示が開始されない構成とされているような場合には、その複数個の入賞があったことを条件に判定処理を開始するようにしてもよい。また、所定の可変入賞装置(例えば第2種可変入賞球装置)が有利な状態となっている期間(例えば開放動作を実行したときから所定期間が経過するまでの期間)にのみ入賞が認められる構成とされているような場合には、当該期間中に遊技球が入賞したことを条件に判定処理を開始するようにしてもよい。
また、上述した実施の形態では、主基板31から各演出制御基板(図柄制御基板80、ランプ制御基板35、音制御基板70)に制御コマンドを送信し、各演出制御基板が受信した制御コマンドにもとづいて演出手段(可変表示装置9、ランプ・LEDなどの発光体、スピーカ27)を制御する遊技機について説明したが、各演出制御基板の一部の機能(例えば図柄制御基板80の有する機能)を有する主演出制御基板を設ける構成とし、主基板31からの制御コマンドにもとづいて、主演出制御基板が、各演出制御基板に制御コマンドを送信するように構成された遊技機であっても、本発明を適用することができる。すなわち、上記のような構成の遊技機では、主基板31から各演出制御基板に対して直接的に制御コマンドは出力されないが、主基板31からの制御コマンドにもとづいて主演出制御基板が出力した制御コマンドを受信するので、各演出制御基板は、主基板31が出力する制御コマンドにもとづいて演出手段の制御を行っていることになる。また、上記のような構成とされた場合、主演出制御基板と各演出制御基板をまとめて1つの演出制御手段(複数の演出制御基板によって構成される演出制御手段)とみなすことができるので、主基板31からの制御コマンドにもとづいて、そのひとかたまりの基板が演出手段の制御を行うとみなすことができる。従って、上記のような、主基板31からの制御コマンドにもとづいて各種の制御を行い、さらに他のサブ基板に対して制御コマンドを出力するサブ基板が存在するように構成としても、本発明を適用することができるのである。
また、上述した実施の形態では、特別図柄の可変表示を行う際に次回以降の可変表示の内容を加味して予告演出を実行する場合を例に説明したが、普通図柄の可変表示を行う際に次回以降の可変表示の内容を加味して予告演出を実行するようにしてもよい。この場合、例えばゲート32に遊技球が入賞しゲートスイッチ32aで検出された場合に、当り/はずれの判定処理を実行し、その判定結果を示すコマンドを送信する構成とすればよい。
なお、上述した実施の形態において、「特定遊技状態」とは、所定の遊技価値が付与された遊技者にとって有利な状態を意味する。具体的には、「特定遊技状態」は、例えば、例えば可変入賞球装置の状態が打球が入賞しやすい遊技者にとって有利な状態(大当り遊技状態)、遊技者にとって有利な状態となるための権利が発生した状態、景品遊技媒体払出の条件が成立しやすくなる状態などの、所定の遊技価値が付与された状態である。
また、上述した実施の形態において、「特別遊技状態」とは、大当りとなりやすい遊技者にとって有利な状態を意味する。具体的には、「特別遊技状態」は、例えば、特別図柄が大当り図柄で揃う確率が高確率状態とされる確変状態、単位時間あたりの普通図柄の変動回数が高められる時短状態、可変入賞球装置15の開成期間や開成回数が高められる開放延長状態などの大当りとなる確率が高められている高確率状態である。なお、時短状態は、可変入賞球装置15の開放回数が高められていることから単位時間あたりの入賞回数が増加し、単位時間あたりの特別図柄の可変表示回数が高められるので、大当りとなる確率が高められている状態といえる。また、同様に、開放延長状態は、可変入賞球装置15の開成期間や開成回数が高められていることから単位時間あたりの入賞回数が増加し、単位時間あたりの特別図柄の可変表示回数が高められるので、大当りとなる確率が高められている状態といえる。
さらに、上記の各実施の形態のパチンコ遊技機1は、始動入賞にもとづいて可変表示装置9に可変表示される特別図柄の停止図柄が所定の図柄の組み合わせになると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になる第1種パチンコ遊技機であったが、始動入賞にもとづいて開放する電動役物の所定領域への入賞があると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になる第2種パチンコ遊技機や、始動入賞にもとづいて可変表示される図柄の停止図柄が所定の図柄の組み合わせになると開放する所定の電動役物への入賞があると所定の権利が発生または継続する第3種パチンコ遊技機であっても、本発明を適用できる。