JP4263419B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に係り、特に、遊技制御手段から送信される指示コマンドに基づいて識別情報の可変表示を行う遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、パチンコ遊技機等の遊技機においては、遊技盤面のほぼ中央位置に設けられた特別図柄表示装置(可変表示装置)において複数種の特別図柄(識別情報)の変動表示を行い、その表示結果により大当りとするか否かを決定する、いわゆる特図ゲームを行うものが数多く提供されている。このような遊技機では、始動入賞口内に遊技球が入賞するタイミングで大当りとするか否かを判定するものが一般的であり、大当りとするか否かを判定する始動入賞を所定数記憶できるように構成されている。
【0003】
また、前述した遊技機では、リーチ表示態様や大当り表示態様が表示される旨を事前に報知する、いわゆる予告機能を備えたものがある。この予告としては、例えば、可変表示結果が確定する以前の段階で、特別図柄の可変表示態様や背景画像が変化したり、所定のキャラクタが登場又は変化したり、ランプ・LED等の発光体を明滅させたりすることによって行われる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、遊技制御手段から送信される識別情報の可変表示に関する指示コマンドは、一般に識別情報の変動開始時に送信されるようになっていたため、可変表示に関する指示コマンドには、前述した始動入賞の記憶数が反映されることはなかった。
【0005】
このため、リーチ表示態様とする指示コマンドが送信されると、遊技状態が変動表示時間を短くする動作状態であったとしても表示態様が確定するまでの時間が長くなってしまい、また、始動入賞の記憶中にリーチ表示態様又は大当り表示態様となるような記憶があったとしても、それ以前の表示態様には何ら作用を及ぼすこともなかった。
【0006】
また、始動入賞の記憶以前の表示態様に変化を与えようとする場合、始動入賞時に可変表示結果を示す指示コマンドを送信することが考えられる。しかし、可変表示結果を示す指示コマンドでは、可変表示結果が導出されるまでの可変表示態様をも加味して始動入賞の記憶以前の表示態様に変化を与えるようにすることはできない。
【0007】
本発明は、上記した問題点に鑑みなされたもので、その目的とするところは、始動入賞のタイミングで遊技制御手段から可変表示結果が導出されるまでの可変表示態様をも特定する指示コマンドを送信することにより、可変表示態様をも加味して他の始動入賞の記憶に基づく変動態様に変化を与える遊技機を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明による遊技機は、複数種類の識別情報(例えば左中右の特別図柄)を可変表示可能な可変表示装置(例えば可変表示装置9)を有し、識別情報の可変表示の実行条件が成立した後、可変表示の開始条件の成立にもとづいて識別情報の可変表示を開始し、表示結果があらかじめ定められた特定表示結果となったときに遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態(例えば大当り遊技状態)とする遊技機であって、遊技制御プログラムにもとづいて、遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えばCPU56を含む遊技制御手段)と、遊技制御手段から送信されるコマンドにもとづいて、可変表示装置における識別情報の可変表示制御を含む演出制御を行う演出制御手段(例えば、演出制御用CPU101を含む演出制御手段)とを備え、遊技制御手段は、可変表示の実行条件の成立時に、今回成立した可変表示の実行条件にもとづく識別情報の可変表示結果が特定表示結果となるか否かを判定する処理と、該特定表示結果となるか否かの判定結果にもとづいて今回成立した可変表示の実行条件にもとづく識別情報の可変表示においてリーチ演出表示を行うこととなるか否かを判定する処理と、特定表示結果となるか否かの判定結果およびリーチ演出表示を行うこととなるか否かの判定結果にもとづいて今回成立した可変表示の実行条件にもとづく識別情報の可変表示態様が特定表示結果となる期待度に基づいて分類された複数のカテゴリのうちいずれのカテゴリに属することとなるかを判定する処理とを行う実行条件成立時判定手段と、該実行条件成立時判定手段による判定時に、今回成立した可変表示の実行条件にもとづく識別情報の可変表示結果が特定表示結果となるか否かの判定結果と、今回成立した可変表示の実行条件にもとづく識別情報の可変表示においてリーチ演出表示を行うこととなるか否かの判定結果と、今回成立した可変表示の実行条件にもとづく識別情報の可変表示態様がいずれのカテゴリに属することとなるかの判定結果とを特定可能な判定結果コマンドを、実行条件成立時判定手段による1回の判定に対して1回のみ演出制御手段に向けて送信する条件成立時コマンド送信手段(例えば、遊技制御手段におけるステップS115,S126,S129,S131,S139,S147のコマンド作成処理を実行する部分で実現される)と、可変表示の開始条件の成立時に、特定表示結果を表示するか否かを決定する処理を行う開始条件成立時決定手段と、該開始条件成立時決定手段による決定結果を特定可能な決定結果コマンドを、開始条件成立時決定手段による1回の決定に対して1回のみ演出制御手段に向けて送信する可変表示開始時コマンド送信手段(例えば、遊技制御手段における変動開始時処理の結果に応じたコマンドを送信するコマンド作成処理を実行する部分で実現される)とを含み、遊技制御プログラムにて、開始条件成立時決定手段が特定表示結果を表示するか否かを決定するために用いるプログラムモジュールと実行条件成立時判定手段が特定表示結果となるか否かを判定するために用いるプログラムモジュールとが共通モジュールとして構成され、実行条件が成立したときに送信されるコマンドには、可変表示の実行条件は成立しているが未だ可変表示の開始条件が成立していない数である保留記憶数を特定可能な保留記憶数コマンド(例えば、始動入賞記憶数指定の演出制御コマンド:E0XX(H))と、判定結果コマンド(例えば、変動態様カテゴリ指定の演出制御コマンド:E50X(H))とが含まれ、演出制御手段は、特定表示結果となる可能性を予告する予告演出の実行回数を決定するために用いられる予告回数決定用数値データを更新する予告回数決定用数値データ更新手段と、判定結果コマンドで特定される判定結果と、保留記憶数コマンドで特定される保留記憶数と、予告回数決定用数値データ更新手段によって更新される予告回数決定用数値データとにもとづいて、予告演出の実行回数を決定する実行回数決定手段と、判定結果コマンドにもとづいて、判定結果コマンドに起因する実行条件の成立による識別情報の可変表示の開始以前の識別情報の可変表示において、実行回数決定手段によって決定された実行回数の識別情報の可変表示にわたって、予告演出を実行する制御を行う予告演出実行制御手段と、決定結果コマンドにもとづいて、今回成立した可変表示の実行条件にもとづく識別情報の可変表示結果を導出表示する制御を行う可変表示結果導出制御手段とを含むことを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。なお、本実施形態における遊技機としては、LCD(Liquid Crystal Display)等からなる可変表示装置により特図ゲームを行う遊技機であり、プリペイドカードによって球貸しを行うカードリーダ(CR:Card Reader )式の第1種パチンコ遊技機を例にとって説明する。しかし、適用対象となる遊技機は、これに限るものではなく、パチンコ遊技機等の弾球遊技機であっても、例えば、第2種あるいは第3種に分類される遊技機や、一般電役機、又はパチコンと呼ばれる確率設定機能付き弾球遊技機等であっても構わない。さらには、プリペイドカードによって球貸しを行うCR式パチンコ遊技機だけでなく、現金によって球貸しを行うパチンコ遊技機にも適用可能である。まず、CR式第1種パチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機を正面から見た正面図である。
【0013】
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤を除く。)と、を含む構造体である。
【0014】
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4と打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が形成されている。
【0015】
遊技領域7の中央付近には、それぞれが識別情報としての図柄を可変表示する複数の可変表示部を含む可変表示装置(特別可変表示部)9が設けられている。可変表示装置9には、例えば、「左」、「中」、「右」の3つの可変表示部(図柄表示エリア)がある。また、可変表示装置9には、始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち始動入賞記憶数を表示する4つの特別図柄始動記憶表示エリア(始動記憶表示エリア)18が設けられている。有効始動入賞(始動入賞記憶数が4未満のときの始動入賞)がある毎に、表示色を変化させる(例えば、青色表示から赤色表示に変化させる)始動記憶表示エリア18を1増やす。そして、可変表示装置9の可変表示が開始される毎に、表示色が変化している始動記憶表示エリア18を1減らす(すなわち表示色をもとに戻す)。この例では、図柄表示エリアと始動記憶表示エリア18とが区分けされて設けられているので、可変表示中も始動入賞記憶数が表示された状態とすることができる。なお、始動記憶表示エリア18を図柄表示エリアの一部に設けるようにしてもよく、この場合には、可変表示中は始動入賞記憶数の表示を中断するようにすればよい。また、この例では、始動記憶表示エリア18を可変表示装置9に設けるようにしているが、始動入賞記憶数を表示する表示器(特別図柄始動記憶表示器)を可変表示装置9とは別個に設けるようにしてもよい。
【0016】
可変表示装置9の下方には、始動入賞口14が配されている。始動入賞口14に入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、始動口スイッチ14aによって検出される。また、始動入賞口14の下部には開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられている。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。なお、図1には、スイッチやソレノイドは示されていない(図3参照)。
【0017】
可変入賞球装置15の下部には、特定遊技状態(大当り状態)においてソレノイド21によって開状態とされる開閉板20が設けられている。開閉板20は大入賞口を開閉する手段である。開閉板20から遊技盤6の背面に導かれた入賞球のうち一方(V入賞領域)に入った入賞球はV入賞スイッチ22で検出され、開閉板20からの入賞球はカウントスイッチ23で検出される。遊技盤6の背面には、大入賞口内の経路を切り換えるためのソレノイド21Aも設けられている。
【0018】
ゲート32に遊技球が入賞しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄始動入賞記憶が上限に達していなければ、所定の乱数値が抽出される。そして、普通図柄表示器10において表示状態が変化する可変表示を開始できる状態であれば、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。普通図柄表示器10において表示状態が変化する可変表示を開始できる状態でなければ、普通図柄始動入賞記憶の値が1増やされる。普通図柄表示器10の近傍には、普通図柄始動入賞記憶数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄始動記憶表示器41が設けられている。ゲート32への入賞がある毎に、普通図柄始動記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。なお、特別図柄と普通図柄とを一つの可変表示装置で可変表示するように構成することもできる。その場合には、特別可変表示部と普通可変表示部とは1つの可変表示装置で実現される。
【0019】
この実施の形態では、左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、可変表示は所定時間(例えば、29.2秒)継続する。そして、可変表示の終了時に左側のランプが点灯すれば当りとなる。当りとするか否かは、ゲート32に遊技球が入賞したときに抽出された乱数の値が所定の当り判定値と一致したか否かによって決定される。普通図柄表示器10における可変表示の表示結果が当りである場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になって遊技球が入賞しやすい状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態に変化する。
【0020】
さらに、確変状態では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数とのうちの一方又は双方が高められ、遊技者にとってさらに有利になる。また、確変状態等の所定の状態では、普通図柄表示器10における可変表示期間(変動時間)が短縮されることによって、遊技者にとってさらに有利になるようにしてもよい。
【0021】
可変表示装置9の上部には、遊技中に動作演出するための可動演出装置25Aが設けられている。また、遊技領域7の左右周辺には、遊技中に動作演出するための可動演出装置25B,25Cが設けられている。可動演出装置25A,25B,25Cは、それぞれ、ソレノイド25a,25b,25cのオン/オフ制御によって動作状態とされる。
【0022】
遊技盤6には、複数の入賞口29,30,33,39が設けられ、遊技球の入賞口29,30,33,39への入賞は、それぞれ入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aによって検出される。遊技領域7の下部には、入賞しなかった打球を吸収するアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、天枠ランプ28a、左枠ランプ28b及び右枠ランプ28cが設けられている。さらに、図示はしないが、遊技領域7における各構造物(大入賞口等)の周囲には装飾用LEDが設置されている。天枠ランプ28a、左枠ランプ28b及び右枠ランプ28c及び装飾用LEDは、遊技機に設けられている発光体の一例である。
【0023】
そして、この例では、左枠ランプ28bの近傍に、賞球残数があるときに点灯する賞球ランプ51が設けられ、天枠ランプ28aの近傍に、補給球が切れたときに点灯する球切れランプ52が設けられている。さらに、図1には、パチンコ遊技機1に隣接して設置され、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするカードユニット50も示されている。
【0024】
カードユニット50には、使用可能状態であるか否かを示す使用可表示ランプ151、カードユニット50が何れの側のパチンコ遊技機1に対応しているのかを示す連結台方向表示器153、カードユニット50内にカードが投入されていることを示すカード投入表示ランプ154、記録媒体としてのカードが挿入されるカード挿入口155、及びカード挿入口155の裏面に設けられているカードリーダライタの機構を点検する場合にカードユニット50を解放するためのカードユニット錠156が設けられている。
【0025】
打球発射装置から発射された遊技球は、打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。打球が始動入賞口14に入り始動口スイッチ14aで検出されると、図柄の可変表示を開始できる状態であれば、可変表示装置9において特別図柄が可変表示(変動)を始める。図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、始動入賞記憶数を1増やす。
【0026】
可変表示装置9における特別図柄の可変表示は、一定時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄の組合せが大当り図柄(特定表示態様)であると、大当り遊技状態に移行する。すなわち、開閉板20が、一定時間経過するまで、又は、所定個数(例えば、10個)の打球が入賞するまで開放する。そして、開閉板20の開放中に打球がV入賞領域に入賞しV入賞スイッチ22で検出されると、継続権が発生し開閉板20の開放が再度行われる。継続権の発生は、所定回数(例えば、15ラウンド)許容される。
【0027】
停止時の可変表示装置9における特別図柄の組合せが確率変動を伴う大当り図柄(確変図柄)の組合せである場合には、次に大当りとなる確率が高くなる。すなわち、確変状態という遊技者にとってさらに有利な状態(特別遊技状態)となる。
【0028】
次に、パチンコ遊技機1の裏面の構造について図2を参照して説明する。図2は、遊技機を裏面から見た背面図である。
【0029】
図2に示すように、遊技機裏面側では、可変表示装置9等を制御する演出制御基板80、遊技制御用マイクロコンピュータ等が搭載された遊技制御基板(主基板)31が設置されている。また、球払出制御を行う払出制御用マイクロコンピュータ等が搭載された払出制御基板37が設置されている。また、DC30V、DC21V、DC12V及びDC5Vを作成する電源回路が搭載された電源基板910や発射制御基板91が設けられている。さらに、操作ノブ5の操作量に応じた強さで遊技球を発射させる制御を行う発射制御用マイクロコンピュータ等が搭載された発射制御基板91が設けられている。なお、この例では、演出制御基板80は、可変表示装置9を制御する他、遊技盤6に設けられている各種装飾LED及び普通図柄始動記憶表示器41、枠側に設けられている天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28c、賞球ランプ51及び球切れランプ52を点灯制御し、スピーカ27からの音発生を制御するとともに、可動演出装置25A,25B,25Cの動作制御を行う。
【0030】
遊技機裏面において、上方には、各種情報を遊技機外部に出力するための各端子を備えたターミナル基板160が設置されている。ターミナル基板160には、少なくとも、球切れ検出スイッチの出力を導入して外部出力するための球切れ用端子、賞球個数信号を外部出力するための賞球用端子及び球貸し個数信号を外部出力するための球貸し用端子が設けられている。また、中央付近には、主基板31からの各種情報を遊技機外部に出力するための各端子を備えた情報端子盤34が設置されている。
【0031】
さらに、各基板(主基板31や払出制御基板37等)に含まれる記憶内容保持手段(例えば、電力供給停止時にもその内容を保持可能な変動データ記憶手段すなわちバックアップRAM)に記憶されたバックアップデータをクリアするための操作手段としてのクリアスイッチ921が搭載されたスイッチ基板190が設けられている。スイッチ基板190には、クリアスイッチ921と、主基板31等の他の基板と接続されるコネクタ922が設けられている。
【0032】
貯留タンク38に貯留された遊技球は誘導レールを通り、賞球ケース40Aで覆われた球払出装置に至る。球払出装置の上部には、遊技媒体切れ検出手段としての球切れスイッチ187が設けられている。球切れスイッチ187が球切れを検出すると、球払出装置の払出動作が停止する。球切れスイッチ187は遊技球通路内の遊技球の有無を検出するスイッチであるが、貯留タンク38内の補給球の不足を検出する球切れ検出スイッチ167も誘導レールにおける上流部分(貯留タンク38に近接する部分)に設けられている。球切れ検出スイッチ167が遊技球の不足を検知すると、遊技機設置島に設けられている補給機構から遊技機に対して遊技球の補給が行われる。
【0033】
入賞に基づく景品としての遊技球や球貸し要求に基づく遊技球が多数払い出されて打球供給皿3が満杯になり、さらに遊技球が払い出されると、遊技球は余剰球受皿4に導かれる。さらに遊技球が払い出されると、満タンスイッチ48(図2において図示せず)がオンする。その状態では、球払出装置内の払出モータの回転が停止して球払出装置の動作が停止するとともに発射装置の駆動も停止する。
【0034】
図3は、主基板31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図3には、払出制御基板37、演出制御基板80及び発射制御基板91も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する基本回路53と、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、V入賞スイッチ22、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a、満タンスイッチ48、球切れスイッチ187、賞球カウントスイッチ301A及びクリアスイッチ921からの信号を基本回路53に与えるスイッチ回路58と、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、開閉板20を開閉するソレノイド21及び大入賞口内の経路を切り換えるためのソレノイド21Aを基本回路53からの指令に従って駆動するソレノイド回路59とが搭載されている。
【0035】
なお、図3には示されていないが、カウントスイッチ短絡信号もスイッチ回路58を介して基本回路53に伝達される。また、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、V入賞スイッチ22、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a、満タンスイッチ48、球切れスイッチ187、賞球カウントスイッチ301A等のスイッチは、センサと称されているものでもよい。すなわち、遊技球を検出できる遊技媒体検出手段(この例では遊技球検出手段)であれば、その名称を問わない。スイッチと称されているものがセンサと称されているもの等でもよいこと、すなわち、スイッチが遊技媒体検出手段の一例であることは、他の実施の形態でも同様である。
【0036】
また、基本回路53から与えられるデータに従って、大当りの発生を示す大当り情報、可変表示装置9における図柄の可変表示開始に利用された始動入賞球の個数を示す有効始動情報、確率変動が生じたことを示す確変情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64が搭載されている。
【0037】
基本回路53は、ゲーム制御用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段(変動データを記憶する手段)としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56及びI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54,RAM55はCPU56に内蔵されている。すなわち、CPU56は、1チップマイクロコンピュータである。なお、1チップマイクロコンピュータは、少なくともRAM55が内蔵されていればよく、ROM54及びI/Oポート部57は外付けであっても内蔵されていてもよい。なお、CPU56はROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、CPU56が実行する(又は、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているCPUについても同様である。
【0038】
また、RAM(CPU内蔵RAMであってもよい。)55の一部又は全部が、電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間は、RAM55の一部又は全部の内容は保存される。
【0039】
遊技球を打撃して発射する打球発射装置は発射制御基板91上の回路によって制御される駆動モータ94で駆動される。そして、駆動モータ94の駆動力は、操作ノブ5の操作量に従って調整される。すなわち、発射制御基板91上の回路によって、操作ノブ5の操作量に応じた速度で打球が発射されるように制御される。
【0040】
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、遊技盤に設けられている普通図柄始動記憶表示器41及び装飾ランプ25の表示制御を行うとともに、枠側に設けられている天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28c、賞球ランプ51及び球切れランプ52の表示制御を行う。なお、各ランプはLEDその他の種類の発光体でもよく、この実施の形態、及び他の実施の形態で用いられているLEDも他の種類の発光体でもよい。すなわち、ランプやLEDは発光体の一例である。演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、特別図柄を可変表示する可変表示装置9及び普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10の表示制御を行う。
【0041】
各制御手段は遊技機に設けられている電気部品の制御を行うので、以下、各制御手段を電気部品制御手段といい、電気部品制御手段が搭載された基板を電気部品制御基板ということがある。電気部品とは、遊技機に設けられている部品(機構部品や回路等)であって電気的に動作するものである。電気部品制御手段として、例えば、電気部品としての球払出装置を制御する払出制御手段、電気部品としての演出用の可変表示装置等の制御を行う演出制御手段がある。なお、演出制御手段のうち、電気部品としての演出用の可変表示装置の制御を行う制御手段を表示制御手段と呼び、電気部品としての演出制御用の発光体(ランプやLED)の制御を行う制御手段を発光体制御手段と呼び、電気部品としての演出用のスピーカからの音発生の制御を行う制御手段を音制御手段と呼ぶことがある。
【0042】
図4は、演出制御基板80内の回路構成を示すブロック図である。図4では、主として、可変表示装置9の一実現例であるLCD(液晶表示装置)82や、普通図柄表示器10を制御するための回路構成が示されており、発光体、音及び可動演出装置を制御するための回路構成は省略されている。なお、図4には、主基板31の出力ポート(ポート0,2)570,572及び出力バッファ回路620,62Aも示されている。出力ポート(出力ポート2)572からは8ビットのデータが出力され、出力ポート570からは1ビットのストローブ信号(INT信号)が出力される。また、この実施の形態では、コマンドデータをパラレル通信(この例では8ビットパラレル)によって送信する構成としているが、シリアル通信によってやりとりされるようにしてもよい。
【0043】
演出制御用CPU101は、制御データROM102に格納されたプログラムに従って動作し、主基板31からノイズフィルタ107及び入力バッファ回路105Bを介してINT信号が入力されると、入力バッファ回路105Aを介して演出制御コマンドを受信する。入力バッファ回路105A,105Bとして、例えば、汎用ICである74HC540,74HC14を使用することができる。なお、演出制御用CPU101がI/Oポートを内蔵していない場合には、入力バッファ回路105A,105Bと演出制御用CPU101との間に、I/Oポートが設けられる。
【0044】
そして、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従って、LCD82に表示される画面の表示制御や、発光体の点灯/消灯制御等の各種の制御を行う。LCD82に表示される画面の表示制御は、具体的には、演出制御コマンドに応じた指令をVDP(ビデオディスプレイプロセッサ)103に与える。VDP103は、キャラクタROM86から必要なデータを読み出す。VDP103は、入力したデータに従ってLCD82に表示するための画像データを生成し、R,G,B信号及び同期信号をLCD82に出力する。
【0045】
なお、図4には、VDP103をリセットするためのリセット回路83、VDP103に動作クロックを与えるための発振回路85、及び使用頻度の高い画像データを格納するキャラクタROM86も示されている。キャラクタROM86に格納される使用頻度の高い画像データとは、例えば、LCD82に表示される人物、動物、又は、文字、図形もしくは記号等からなる画像等である。
【0046】
入力バッファ回路105A,105Bは、主基板31から演出制御基板80へ向かう方向にのみ信号を通過させることができる。したがって、演出制御基板80側から主基板31側に信号が伝わる余地はない。すなわち、入力バッファ回路105A,105Bは、入力ポートともに不可逆性情報入力手段を構成する。演出制御基板80内の回路に不正改造が加えられても、不正改造によって出力される信号が主基板31側に伝わることはない。
【0047】
高周波信号を遮断するノイズフィルタ107として、例えば、3端子コンデンサやフェライトビーズが使用されるが、ノイズフィルタ107の存在によって、演出制御コマンドに基板間でノイズが乗ったとしても、その影響は軽減される。また、主基板31のバッファ回路620,62Aの出力側にもノイズフィルタを設けてもよい。
【0048】
次に遊技機の動作について説明する。図5は、主基板31における遊技制御手段(CPU56及びROM,RAM等の周辺回路)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され、リセット端子の入力レベルがハイレベルになると、CPU56は、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
【0049】
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込み禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込みモードを割込みモード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスレジスタの初期化を行う(ステップS4)。また、内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)及びPIO(パラレル入出力ポート)の初期化(ステップS5)を行った後、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS6)。
【0050】
この実施の形態で用いられるCPU56は、I/Oポート(PIO)及びタイマ/カウンタ回路(CTC)も内蔵している。また、CTCは、2本の外部クロック/タイマトリガ入力CLK/TRG2,3と2本のタイマ出力ZC/TO0,1を備えている。
【0051】
この実施の形態で用いられているCPU56には、マスク可能な割込みのモードとして以下の3種類のモードが用意されている。なお、マスク可能な割込みが発生すると、CPU56は、自動的に割込み禁止状態に設定するとともに、プログラムカウンタの内容をスタックにセーブする。
【0052】
割込みモード0:割込み要求を行った内蔵デバイスがRST命令(1バイト)又はCALL命令(3バイト)をCPUの内部データバス上に送出する。よって、CPU56は、RST命令に対応したアドレス又はCALL命令で指定されるアドレスの命令を実行する。リセット時に、CPU56は自動的に割込みモード0になる。よって、割込みモード1又は割込みモード2に設定したい場合には、初期設定処理において、割込みモード1又は割込みモード2に設定するための処理を行う必要がある。
【0053】
割込みモード1:割込みが受け付けられると、常に0038(h)番地に飛ぶモードである。
【0054】
割込みモード2:CPU56の特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込みベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込み番地を示すモードである。すなわち、割込み番地は、上位アドレスが特定レジスタの値とされ下位アドレスが割込みベクタとされた2バイトで示されるアドレスである。したがって、任意の(飛び飛びではあるが)偶数番地に割込み処理を設置することができる。各内蔵デバイスは割込み要求を行うときに割込みベクタを送出する機能を有している。
【0055】
よって、割込みモード2に設定されると、各内蔵デバイスからの割込み要求を容易に処理することが可能になり、また、プログラムにおける任意の位置に割込み処理を設置することが可能になる。さらに、割込みモード1とは異なり、割込み発生要因毎のそれぞれの割込み処理を用意しておくことも容易である。上述したように、この実施の形態では、初期設定処理のステップS2において、CPU56は割込みモード2に設定される。
【0056】
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ921の出力信号の状態を1回だけ確認する(ステップS7)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(ステップS11〜ステップS15)。
【0057】
クリアスイッチ921がオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えば、パリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS8)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。この例では、バックアップフラグ領域に「55H」が設定されていればバックアップあり(オン状態)を意味し、「55H」以外の値が設定されていればバックアップなし(オフ状態)を意味する。
【0058】
バックアップありを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う(ステップS9)。ステップS9では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理にて同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
【0059】
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行う(ステップS10)。そして、バックアップRAM領域に保存されていたPC(プログラムカウンタ)の退避値がPCに設定され、そのアドレスに復帰する。
【0060】
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否かを確認しているが、何れか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとの何れかを、状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
【0061】
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS11)。また、所定の作業領域(例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄左中右図柄バッファ、特別図柄プロセスフラグ、払出コマンド格納ポインタ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグ等制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグ)に初期値を設定する作業領域設定処理を行う(ステップS12)。さらに、球払出装置97からの払出が可能であることを指示する払出可能状態指定コマンドを払出制御基板37に対して送信する処理を行う(ステップS13)。また、他のサブ基板(この例では演出制御基板80)を初期化するための初期化コマンドをサブ基板に送信する処理を実行する(ステップS14)。初期化コマンドとして、可変表示装置9に表示される初期図柄を示すコマンドや、賞球ランプ51及び球切れランプ52の消灯を指示するコマンド等がある。
【0062】
そして、2ms毎に定期的にタイマ割込みがかかるようにCPU56に設けられているCTCのレジスタの設定が行われる(ステップS15)。すなわち、初期値として2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。
【0063】
初期化処理の実行(ステップS11〜S15)が完了すると、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)及び初期値用乱数更新処理(ステップS18)が繰り返し実行される。表示用乱数更新処理及び初期値用乱数更新処理が実行されるときには割込み禁止状態とされ(ステップS16)、表示用乱数更新処理及び初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込み許可状態とされる(ステップS19)。表示用乱数とは、可変表示装置9に表示される図柄を決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、大当りとするか否かを決定するための乱数を発生するためのカウンタ(大当り決定用乱数発生カウンタ)等の、カウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技制御処理において、大当り決定用乱数発生カウンタのカウント値が1周すると、そのカウンタに初期値が設定される。
【0064】
なお、表示用乱数更新処理が実行されるときには割込み禁止状態とされるのは、表示用乱数更新処理が後述するタイマ割込み処理でも実行されることから、タイマ割込み処理における処理と競合してしまうのを避けるためである。すなわち、ステップS17の処理中にタイマ割込みが発生してタイマ割込み処理中で表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新してしまったのでは、カウント値の連続性が損なわれる場合がある。しかし、ステップS17の処理中では割込み禁止状態にしておけば、そのような不都合が生ずることはない。
【0065】
タイマ割込みが発生すると、CPU56は、レジスタの退避処理(ステップS20)を行った後、図6に示すステップS21〜S31の遊技制御処理を実行する。遊技制御処理において、CPU56は、まず、スイッチ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23及び入賞口スイッチ24a等のスイッチの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
【0066】
次に、遊技制御に用いられる大当り判定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(ステップS23)。CPU56は、さらに、表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(ステップS24)。
【0067】
図7は、各乱数を示す説明図である。各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1:大当りを発生させるか否か決定する(大当り判定用)
(2)ランダム2−1〜2−3(ランダム2):特別図柄の左中右のはずれ図柄決定用(特別図柄左中右)
(3)ランダム3:大当りを発生させる特別図柄の組合せを決定する(大当り図柄決定用)
(4)ランダム4:特別図柄の変動パターンを決定する(変動パターン決定用)
(5)ランダム5:大当りを発生させない場合にリーチとするか否かを決定する(リーチ判定用)
(6)ランダム6:普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(7)ランダム7:ランダム1の初期値を決定する(ランダム1初期値決定用)
(8)ランダム8:ランダム6の初期値を決定する(ランダム6初期値決定用)
【0068】
図6に示された遊技制御処理におけるステップS23では、CPU56は、(1)の大当り判定用乱数、(3)の大当り図柄決定用乱数、及び(6)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数又は初期値用乱数である。なお、遊技効果を高めるために、上記(1)〜(8)の乱数以外の普通図柄に関する乱数等も用いられている。
【0069】
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS25)。特別図柄プロセス制御では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。また、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
【0070】
次いで、CPU56は、特別図柄に関する演出制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して演出制御コマンドを送出する処理を行う(特別図柄コマンド制御処理:ステップS27)。また、普通図柄に関する演出制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して演出制御コマンドを送出する処理を行う(普通図柄コマンド制御処理:ステップS28)。
【0071】
さらに、CPU56は、例えば、ホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
【0072】
また、CPU56は、所定の条件が成立したときにソレノイド回路59に駆動指令を行う(ステップS30)。可変入賞球装置15又は開閉板20を開状態又は閉状態としたり、大入賞口内の遊技球通路を切り替えたりするために、ソレノイド回路59は、駆動指令に応じてソレノイド16,21,21Aを駆動する。
【0073】
そして、CPU56は、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号に基づく賞球個数の設定等を行う賞球処理を実行する(ステップS32)。具体的には、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの何れかがオンしたことに基づく入賞検出に応じて、払出制御基板37に賞球個数を示す払出制御コマンドを出力する。払出制御基板37に搭載されている払出制御用CPU371は、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。その後、レジスタの内容を復帰させ(ステップS32)、割込み許可状態に設定する(ステップS33)。
【0074】
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマ割込み処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込み処理では、例えば、割込みが発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
【0075】
図8は、この実施の形態で使用される左図柄、中図柄及び右図柄を示す説明図である。この実施の形態では、「1」〜「12」の図柄が、可変表示装置9において可変表示(変動)される。「1」〜「12」の図柄には、図柄番号0〜11の図柄番号が付されている。また、可変表示装置9における最終停止図柄(確定図柄)が揃った場合に大当りが発生する。そして、奇数の図柄で揃った場合に、大当りが発生する確率が向上した状態である高確率状態(確変状態)に変化する。
【0076】
図9は、CPU56が実行する特別図柄プロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。図9に示す特別図柄プロセス処理は、図6のフローチャートにおけるステップS25の具体的な処理である。CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う際に、変動短縮タイマ減算処理(ステップS310)及び入賞確認処理(ステップS311)を行った後に、内部状態に応じて、ステップS301〜S309のうちの何れかの処理を行う。変動短縮タイマは、特別図柄の変動時間が短縮される場合に、変動時間を設定するためのタイマである。
【0077】
入賞確認処理(ステップS311):始動入賞口14に打球入賞して始動口スイッチ14aがオンするのを待つ。始動口スイッチ14aがオンすると、始動入賞記憶数が満タンでなければ、始動入賞記憶数を+1するとともに、大当り決定用乱数等の各乱数を抽出し、大当りとするかはずれとするか等の判定を行う。
【0078】
特別図柄通常処理(ステップS301):特別図柄の可変表示を開始できる状態になるのを待つ。特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、始動入賞記憶数を確認する。始動入賞記憶数が0でなければ、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に移行するように更新する。
【0079】
停止図柄設定処理(ステップS302):大当り、はずれ、リーチとするか等を判定し、その判定結果や可変表示開始時の制御状態に基づいて、左中右図柄の停止図柄を決定する。処理を終えると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に移行するように更新する。
【0080】
変動パターン設定処理(ステップS303):停止図柄設定処理にて決定された停止図柄に基づいて、図柄の変動パターンを決定する。処理を終えると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に移行するように更新する。
【0081】
全図柄変動処理(ステップS304):可変表示装置9において全図柄が変動開始されるように制御する。このとき、演出制御基板80に対して、左中右最終停止図柄と変動態様(変動パターン)を指令する情報とが送信される。処理を終えると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に移行するように更新する。
【0082】
全図柄停止処理(ステップS305):所定時間(ステップS304でタイマにセットされる値に応じた時間)が経過すると、可変表示装置9において表示される全図柄が停止される。そして、停止図柄が大当り図柄の組み合わせである場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に移行するように更新する。そうでない場合には、内部状態をステップS301に移行するように更新する。
【0083】
大入賞口開放前処理(ステップS306):大入賞口を開放する制御を開始する。具体的には、カウンタやフラグを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放する。また、プロセスタイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、大当りフラグ(大当り中であることを示すフラグ)のセットを行う。処理を終えると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に移行するように更新する。
【0084】
大入賞口開放中処理(ステップS307):大入賞口ラウンド表示の演出制御コマンドデータを演出制御基板80に送出する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。最終的な大入賞口の閉成条件が成立したら、内部状態をステップS308に移行するように更新する。
【0085】
特定領域有効時間処理(ステップS308):V入賞スイッチ22の通過の有無を監視して、大当り遊技状態継続条件の成立を確認する処理を行う。大当り遊技状態継続の条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態をステップS306に移行するように更新する。また、所定の有効時間内に大当り遊技状態継続条件が成立しなかった場合、又は、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態をステップS309に移行するように更新する。
【0086】
大当り終了処理(ステップS309):大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知するための表示を行う。その表示が終了したら、内部状態をステップS301に移行するように更新する。
【0087】
図10は、この実施の形態で用いられる変動パターンの一例を示す説明図である。図10において、「EXT」とは、2バイト構成の演出制御コマンドにおける2バイト目のEXTデータを示す。また、「時間」は図柄の変動時間(識別情報の可変表示期間)を示す。
【0088】
図10に示す「通常変動」とは、リーチ態様を伴わない変動パターンである。「ノーマルリーチ」とは、リーチ態様を伴うが変動結果(停止図柄)が大当りを生じさせるものとならない変動パターンである。「リーチa」は、「ノーマルリーチ」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンである。また、リーチ態様が異なるとは、リーチ変動時間において異なった態様の変動態様(速度や回転方向等)やキャラクタ等が現れることをいう。例えば、「ノーマル」では単に1種類の変動態様によってリーチ態様が実現されるのに対して、「リーチa」では、変動速度や変動方向が異なる複数の変動態様を含むリーチ態様が実現される。
【0089】
「ノーマルリーチ」、「リーチa」、「リーチb」、「リーチc」、「リーチd」、「リーチe」、「リーチA」、「リーチB」、「リーチC」は、それぞれ異なるリーチ態様を持つ変動パターンである。なお、「ノーマルリーチ」、「リーチa」、「リーチb」、「リーチc」、「リーチd」、「リーチA」、「リーチB」では、大当りとなる場合と大当りとならない場合とがある。また、「リーチe」、「リーチC」では、常に大当りとなる。
【0090】
この実施の形態では、さらに、短縮表示パターンが用いられる。短縮表示パターンは、左中右の図柄の変動時間が、例えば、1.0秒という極めて短い変動パターンである。
【0091】
図11は、図10に示されている各リーチのカテゴリを示す説明図である。この例では、「リーチa」、「リーチb」、「リーチc」、「リーチd」及び「リーチe」は、それぞれ、「ノーマルリーチ」に所定の演出が付加されたリーチ態様を含む。すなわち、「リーチa」、「リーチb」、「リーチc」、「リーチd」及び「リーチe」は、それぞれ、ノーマルリーチのリーチ態様を発展させたリーチ態様とされている。また、「リーチA」は「リーチa」に所定の演出が付加されたリーチ態様を含み、「リーチB」は「リーチb」に所定の演出が付加されたリーチ態様を含み、「リーチC」は「リーチd」に所定の演出が付加されたリーチ態様を含む。すなわち、「リーチA」、「リーチB」、「リーチC」は、それぞれ、ノーマルリーチを発展させたリーチ態様をさらに発展させたリーチ態様とされている。
【0092】
この例では、各リーチは、発展形態に基づいて分類されたカテゴリの何れかに属する構成とされている。本例では、発展していく演出が何ら実行されないリーチが属する「ノーマルカテゴリ」と、ノーマルリーチから1段階発展した演出を行うリーチが属する「発展1カテゴリ」と、ノーマルリーチから2段階以上発展した演出を行うリーチが属する「発展2カテゴリ」とがある。図11に示すように、「ノーマルリーチ」は、「ノーマルカテゴリ」に属する。「リーチa」、「リーチb」、「リーチc」、「リーチd」及び「リーチe」は、それぞれ、「発展1カテゴリ」に属する。そして、「リーチA」、「リーチB」、「リーチC」は、それぞれ、「発展2カテゴリ」に属している。なお、ノーマルカテゴリに属するリーチが複数用意されていてもよい。
【0093】
図12は、各リーチの選択確率の例を示す説明図である。図12に示すように、リーチを行ったあとはずれとすることが決定されている場合には、100/150の確率で「ノーマルリーチ」が選択され、30/150の確率で「リーチa」が選択され、8/150の確率で「リーチb」が選択され、4/150の確率で「リーチc」が選択され、2/150の確率で「リーチd」が選択され、5/150の確率で「リーチA」が選択され、1/150の確率で「リーチB」が選択される。また、通常大当り(非確変大当り)とすることが決定されている場合には、10/150の確率で「ノーマルリーチ」が選択され、20/150の確率で「リーチa」が選択され、25/150の確率で「リーチb」が選択され、30/150の確率で「リーチc」が選択され、35/150の確率で「リーチd」が選択され、15/150の確率で「リーチA」が選択され、10/150の確率で「リーチB」が選択され、5/150の確率で「リーチC」が選択される。さらに、確変大当りとすることが決定されている場合には、2/150の確率で「ノーマルリーチ」が選択され、4/150の確率で「リーチa」が選択され、16/150の確率で「リーチb」が選択され、30/150の確率で「リーチc」が選択され、40/150の確率で「リーチd」が選択され、28/150の確率で「リーチe」が選択され、5/150の確率で「リーチA」が選択され、10/150の確率で「リーチB」が選択され、15/150の確率で「リーチC」が選択される。
【0094】
したがって、リーチCが出現した場合には常に大当りとなる。また、リーチeが出現した場合には、常に確変大当りとなる。なお、本例では、「発展1カテゴリ」に属する各リーチは、「ノーマルカテゴリ」に属するリーチよりも、その出現時に大当りとなる確率(大当り期待度)が高くなるように選択確率が設定されている。また、「発展2カテゴリ」に属する各リーチは、「発展1カテゴリ」に属する対応するリーチ(例えば、「リーチC」に対応する「リーチd」)よりも、その出現時に大当りとなる確率(大当り期待度)が高くなるように選択確率が設定されている。
【0095】
この例では、図12に示す選択確率で各リーチが出現する変動パターンが選択されるように、ランダム4の抽出値と比較される判定値が設定されている変動パターン判定用テーブルが設けられている。この変動パターン判定用テーブルは、特別図柄の表示結果(リーチ、大当り、確変大当り)に応じて複数種類設けられる。
【0096】
図13は入賞確認処理(ステップS311)を示すフローチャートである。打球が遊技盤6に設けられている始動入賞口14に入賞すると、始動口スイッチ14aがオンする。入賞確認処理において、CPU56は、スイッチ回路58を介して始動口スイッチ14aがオンしたことを判定すると(ステップS111)、始動入賞記憶数が最大値である4に達しているかどうか確認する(ステップS112)。始動入賞記憶数が4に達していなければ、始動入賞記憶数を1増やす(ステップS113)。
【0097】
次いで、CPU56は、始動入賞記憶指定のコマンド送信テーブルをセットし(ステップS114)、サブルーチンであるコマンド作成処理を実行する(ステップS115)。なお、コマンド送信テーブルをセットするとは、コマンド送信テーブルのアドレスを指定する処理(アドレスを所定のレジスタ等に設定する処理)である。そして、コマンド作成処理を実行することによって演出制御コマンド等が演出制御基板80等に送信される。この実施の形態では、演出制御手段に送信されうる各演出制御コマンドはROMのコマンド送信テーブルに格納されている。
【0098】
また、CPU56は、大当り判定用乱数等の各乱数の値を抽出し、それらを始動入賞記憶数の値に対応した保存領域(特別図柄判定用バッファ)に格納する(ステップS116)。なお、乱数を抽出するとは、乱数を生成させるためのカウンタからカウント値を読み出して、読み出したカウント値を乱数値とすることである。ステップS116では、図7に示された乱数のうち、ランダム1〜ランダム5が抽出される。
【0099】
次いで、CPU56は、再度、ランダム1(大当り判定用乱数)を生成するためのカウンタからランダム1を抽出し(ステップS117)、大当り判定モジュールを実行する。すなわち、大当り判定サブルーチンをコールする(ステップS118)。大当り判定モジュールにおいてランダム1の値に基づいて大当りではないと判定された場合には(ステップS119)、ランダム5(リーチ判定用乱数)を生成するためのカウンタからランダム5を抽出し(ステップS120)、リーチ判定モジュールを実行する。すなわち、リーチ判定サブルーチンをコールする(ステップS121)。
【0100】
大当り判定モジュールにおいて大当りであると判定されている場合には(ステップS119)、高確率状態に移行することが可能になる大当り(確変大当り)となるか否かの判定を行う(ステップS122)。具体的には、ステップS116で抽出した乱数のうちランダム3(大当り図柄決定用乱数)を用いて大当り図柄を決定し、決定された大当り図柄が奇数の図柄番号の図柄であれば確変大当りとなると判定する。なお、ランダム3の値に応じた大当り図柄テーブルに設定されている図柄番号の各図柄が大当り図柄として決定される。また、大当り図柄決定用乱数を用いて大当り図柄を決定した後に確変大当りとするのか否かを決定するのではなく、確変とするか否かを決定する乱数を用いて確変大当りとするのか否かを決定するようにしてもよい。
【0101】
確変大当りとしない場合には、ステップS116で抽出した乱数のうち変動パターン決定用乱数(ランダム4)を用いて、特別図柄の変動パターンが何れの変動パターンとなるかの判定を行う(ステップS123)。ここでは、変動パターン9〜13、及び15〜17のうちの何れかの変動パターン(図10参照)が、図12に示した非確変大当り時の設定確率に応じた確率で選択される。
【0102】
選択された変動パターンに含まれているリーチ態様のカテゴリがノーマルカテゴリであると判定された場合(すなわち、変動パターン9が選択された場合)には(ステップS124)、変動態様カテゴリ4指定のコマンド送信テーブルをセットし(ステップS125)、コマンド作成処理を実行する(ステップS126)。選択された変動パターンに含まれているリーチ態様のカテゴリが発展1カテゴリであると判定された場合(すなわち、変動パターン10〜13の何れかが選択された場合)には(ステップS127)、変動態様カテゴリ5指定のコマンド送信テーブルをセットし(ステップS128)、コマンド作成処理を実行する(ステップS129)。選択された変動パターンに含まれているリーチ態様のカテゴリが発展2カテゴリであると判定された場合(すなわち、変動パターン15〜17の何れかが選択された場合)には(ステップS127のN)、変動態様カテゴリ6指定のコマンド送信テーブルをセットし(ステップS130)、コマンド作成処理を実行する(ステップS131)。
【0103】
また、確変大当りとする場合には(ステップS122)、ステップS116で抽出した乱数のうち変動パターン決定用乱数(ランダム4)を用いて、特別図柄の変動パターンが何れの変動パターンとなるかの判定を行う(ステップS132)。ここでは、変動パターン9〜17のうちの何れかの変動パターン(図10参照)が、図12に示した確変大当り時の設定確率に応じた確率で選択される。
【0104】
選択された変動パターンに含まれているリーチ態様のカテゴリがノーマルカテゴリであると判定された場合(すなわち、変動パターン9が選択された場合)には(ステップS133)、変動態様カテゴリ7指定のコマンド送信テーブルをセットし(ステップS134)、コマンド作成処理を実行する(ステップS139)。選択された変動パターンに含まれているリーチ態様のカテゴリが発展1カテゴリであると判定された場合(すなわち、変動パターン10〜14の何れかが選択された場合)には(ステップS135)、変動態様カテゴリ8指定のコマンド送信テーブルをセットし(ステップS136)、コマンド作成処理を実行する(ステップS139)。選択された変動パターンに含まれているリーチ態様のカテゴリが発展2カテゴリであると判定された場合(すなわち、変動パターン15〜17の何れかが選択された場合)には(ステップS135のN)、変動態様カテゴリ9指定のコマンド送信テーブルをセットし(ステップS137)、コマンド作成処理を実行する(ステップS139)。
【0105】
ステップS118において大当りとしないように判定されたときには、リーチ判定モジュールにおいてリーチである(大当りとはしないがリーチとする、以下、はずれリーチともいう。)と判定されている場合には(ステップS140)、ステップS116で抽出した乱数のうち変動パターン決定用乱数(ランダム4)を用いて、特別図柄の変動パターンが何れの変動パターンとなるかの判定を行う(ステップS141)。ここでは、変動パターン2〜8のうちの何れかの変動パターン(図10参照)が、図12に示したはずれ時(リーチはずれ時)の設定確率に応じた確率で選択される。
【0106】
選択された変動パターンに含まれているリーチ態様のカテゴリがノーマルカテゴリであると判定された場合(すなわち、変動パターン2が選択された場合)には(ステップS142)、変動態様カテゴリ1指定のコマンド送信テーブルをセットし(ステップS143)、コマンド作成処理を実行する(ステップS147)。選択された変動パターンに含まれているリーチ態様のカテゴリが発展1カテゴリであると判定された場合(すなわち、変動パターン3〜6の何れかが選択された場合)には(ステップS144)、変動態様カテゴリ2指定のコマンド送信テーブルをセットし(ステップS145)、コマンド作成処理を実行する(ステップS147)。選択された変動パターンに含まれているリーチ態様のカテゴリが発展2カテゴリであると判定された場合(すなわち、変動パターン7〜8の何れかが選択された場合)には(ステップS144のN)、変動態様カテゴリ3指定のコマンド送信テーブルをセットし(ステップS146)、コマンド作成処理を実行する(ステップS147)。
【0107】
ステップS121においてリーチとしないように判定され、リーチにもならないはずれとすると判定されている場合には(ステップS140)、変動態様カテゴリ0指定のコマンド送信テーブルをセットし(ステップS138)、コマンド作成処理を実行する(ステップS139)。
【0108】
以上の処理によって、始動入賞記憶数が増えるときには、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段に対して、始動入賞記憶数指定の演出制御コマンドが送信され、また、変動態様カテゴリ0指定〜変動態様カテゴリ9指定の演出制御コマンドの何れかが送信される。以下、変動態様カテゴリ0指定〜変動態様カテゴリ9指定の各演出制御コマンドを、入賞時判定結果コマンド又は判定結果コマンドということがある。
【0109】
なお、変動態様カテゴリ0指定の演出制御コマンドは、リーチにもならないはずれと判定され、通常変動による可変表示演出が実行されることを指定するコマンドである。変動態様カテゴリ1指定〜変動態様カテゴリ3指定の演出制御コマンドは、それぞれ、大当りとはならないがリーチとなると判定されているとともに、実行されるリーチ演出のリーチ態様が何れのカテゴリに属するものであるかを指定するコマンドである。変動態様カテゴリ4指定〜変動態様カテゴリ6指定の演出制御コマンドは、それぞれ、非確変大当りとなると判定されているとともに、実行されるリーチ演出のリーチ態様が何れのカテゴリに属するものであるかを指定するコマンドである。変動態様カテゴリ7指定〜変動態様カテゴリ9指定の演出制御コマンドは、それぞれ、確変大当りとなると判定されているとともに、実行されるリーチ演出のリーチ態様が何れのカテゴリに属するものであるかを指定するコマンドである。
【0110】
また、この時点で判定される特別図柄の表示結果(確変大当り、非確変大当り、リーチ)や変動パターンは、可変表示装置9における可変表示開始を開始させるための条件(実行条件であって開始条件ではない)の成立に基づいて決定されたものである。可変表示装置9において可変表示を開始できる条件(開始条件)の成立したときには、あらためて、大当りとするか否か、また、はずれリーチとするか否か、何れの変動パターンとするかが決定される。そして、その決定結果に基づいて実際の可変表示の表示結果が導出される。ただし、可変表示の開始条件が成立したときに用いられる乱数値は、可変表示の実行条件が成立したときに抽出され保存領域に保存された値である。したがって、可変表示の開始条件が成立したときの確変大当りとするか否かと、非確変大当りとするか否かと、はずれリーチとするか否かと、選択される変動パターンの判定結果は、可変表示の実行条件が成立したときの決定結果と同じになる。
【0111】
そして、表示結果決定手段による数値データの抽出に相当するステップS116の処理と、実行条件成立時判定手段による識別情報の表示結果に関わる判定に相当するステップS117〜S121の処理とは1回のタイマ割込み処理内で完了する。したがって、可変表示の開始条件が成立したときの確変大当りとするか否かと、非確変大当りとするか否かと、はずれリーチとするか否かの決定結果は、可変表示の実行条件が成立したときの決定結果と同じになることが保証される。
【0112】
図15(A)は、大当り判定モジュールで用いられる大当り判定テーブルの一例を示す説明図である。また、図15(B)は、リーチ判定モジュールで用いられるリーチ判定テーブルの一例を示す説明図である。図15(A)に示すように、この実施の形態では、低確率時(非確変時)では大当り判定値は「3」であり、高確率時(確変時)では大当り判定値は「3」、「7」、「79」、「103」、「107」である。また、図15(B)に示すように、リーチ判定値は、「0」、「1」、「11」である。
【0113】
図16は、大当り判定モジュールを示すフローチャートである。大当り判定処理において、CPU56は、まず、そのときの状態が確変中であるか否か判定し(ステップS151)、確変中であれば、図15(A)に示された大当り判定テーブル中の高確率時のテーブルを使用することに決定する(ステップS152)。確変中でなければ、大当り判定テーブル中の低確率時のテーブルを使用することに決定する(ステップS153)。
【0114】
そして、抽出されているランダム1の値に一致する値が大当り判定テーブル中にあるか否か判定し(ステップS154,S155)、一致する値があれば大当りとすることにし(ステップS156)、一致する値がなければ大当りとしないことに決定する(ステップS157)。
【0115】
図17は、リーチ判定モジュールを示すフローチャートである。リーチ判定処理において、CPU56は、抽出されているランダム5の値に一致する値がリーチ判定テーブル中にあるか否か判定し(ステップS161,S162)、一致する値があればリーチすることにし(ステップS163)、一致する値がなければリーチしないことに決定する(ステップS164)。
【0116】
図18は、変動開始時処理を示すフローチャートである。図18に示す変動開始時処理は、特別図柄通常処理(ステップS301)、停止図柄設定処理(ステップS302)及び変動パターン設定処理(ステップS303)をまとめた処理である。変動開始時処理において、CPU56は、特別図柄の変動を開始することができる状態(特別図柄プロセスフラグの値がステップS301を示す値となっている場合)には(ステップS51)、始動入賞記憶数の値を確認する(ステップS52)。なお、特別図柄プロセスフラグの値がステップS301を示す値となっている場合とは、可変表示装置9において図柄の変動がなされていず、かつ、大当り遊技中でもない場合である。
【0117】
始動入賞記憶数が0でなければ、始動入賞記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出すとともに(ステップS53)、始動入賞記憶数の値を1減らし、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS54)。すなわち、始動入賞記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、始動入賞記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
【0118】
次いで、CPU56は、減算後の始動入賞記憶数指定のコマンド送信テーブルをセットし(ステップS55)、コマンド作成処理を実行する(ステップS56)。さらに、大当り判定モジュールを実行する(ステップS57)。ここでは、大当り判定モジュールにおいて、ステップS53で保存領域から読み出したランダム1の値に基づいて大当りとするか否かの判定が行われる。
【0119】
大当りとすることに決定した場合には(ステップS58)、CPU56は、大当り図柄用乱数(ランダム3)の値に従って大当り図柄を決定する(ステップS59)。この実施の形態では、ランダム3の値に応じた大当り図柄テーブルに設定されている図柄番号の各図柄が、大当り図柄として決定される。大当り図柄テーブルには、複数種類の大当り図柄の組み合わせに対応した左中右の図柄番号が設定されている。また、変動パターン決定用乱数(ランダム4)の値に基づいて特別図柄の変動パターンを決定する(ステップS60)。ここでは、変動パターン9〜17のうちの何れかの変動パターンが決定される(図10参照)。
【0120】
大当りとしないことに決定した場合には(ステップS58)、CPU56は、リーチ判定モジュールを実行する(ステップS61)。ここでは、リーチ判定モジュールにおいて、ステップS53で保存領域から読み出したランダム3の値に基づいて大当りとするか否かの判定が行われる。また、大当りとしない場合の停止図柄の決定を行う。この実施の形態では、ステップS52で読み出した値、すなわち抽出されているランダム2−1の値に従って左図柄を決定する(ステップS57)。リーチすることに決定した場合には、ランダム2−1の値に従って左右図柄を決定し、ランダム2−2の値に従って中図柄を決定する(ステップS63)。ここで、決定された中図柄が左右図柄と一致した場合には、中図柄に対応した乱数の値に1加算した値に対応する図柄を中図柄の停止図柄として、大当り図柄と一致しないようにする。そして、変動パターン決定用乱数(ランダム4)の値に基づいて特別図柄の変動パターンを決定する(ステップS64)。ここでは、変動パターン2〜8のうちの何れかの変動パターンが決定される(図10参照)。
【0121】
大当りとせずリーチにもしないことに決定した場合には、CPU56は、大当りとせずリーチにもしない場合の停止図柄の決定を行う。すなわち、ランダム2−1の値に従って左図柄を決定し、ランダム2−2の値に従って中図柄を決定するとともに、ランダム2−3の値に従って右図柄を決定する(ステップS65)。なお、ここでは、左右図柄が一致した場合には右図柄を1図柄ずらし、リーチにもならないはずれとなるようにする。そして、確変中か否かを確認する(ステップS66)。確変中であれば変動パターンをはずれ時短縮変動パターンとすることに決定する(ステップS67)。確変状態でなければランダム4の値に応じて変動パターンをはずれ時の通常変動パターンとすることに決定する(ステップS68)。なお、はずれ時短縮変動パターンは、左右中の図柄の変動時間が例えば、1.0秒という通常変動パターンよりも変動期間が短い変動パターンである。また、この実施の形態では、はずれ時短縮変動パターンではないはずれ時の変動パターンは変動パターン1のみであるから(図10参照)、ランダム4の値に基づく抽選を行わなくてもよい。
【0122】
以上のようにして、始動入賞があったときに図柄変動の表示態様が大当りとするか、リーチ態様とするか、はずれとするか判定されるとともに、その判定結果に基づいて変動パターンが選択され、図柄の変動開始が可能となったときに演出に用いる変動パターンが決定されるとともにそれぞれの停止図柄の組合せが決定される。また、遊技制御手段は、決定結果に基づく制御コマンド(変動パターンを特定可能な制御コマンド)を、演出制御手段に対して送信する処理を行う。
【0123】
次に、遊技制御手段から各電気部品制御手段に対する制御コマンドの送出方式について説明する。図19は、主基板31から演出制御基板80に送信される演出制御コマンドの信号線を示す説明図である。図19に示すように、この実施の形態では、演出制御コマンドは、演出制御信号D0〜D7の8本の信号線で主基板31から演出制御基板80に送信される。また、主基板31と演出制御基板80との間には、ストローブ信号を送信するための演出制御INT信号の信号線も配線されている。図19には、演出制御コマンドの例が示されているが、他の電気部品制御基板への制御コマンドも、8本の信号線と1本のINT信号の信号線によって送信される。
【0124】
遊技制御手段から他の電気部品制御基板(サブ基板)に制御コマンドを出力しようとするときに、コマンド送信テーブルの先頭アドレスの設定が行われる。図20は、コマンド送信テーブルの一構成例を示す説明図である。1つのコマンド送信テーブルは3バイトで構成され、1バイト目にはINTデータが設定される。また、2バイト目のコマンドデータ1には、制御コマンドの1バイト目のMODEデータが設定される。そして、3バイト目のコマンドデータ2には、制御コマンドの2バイト目のEXTデータが設定される。
【0125】
なお、EXTデータそのものがコマンドデータ2の領域に設定されてもよいが、コマンドデータ2には、EXTデータが格納されているテーブルのアドレスを指定するためのデータが設定されるようにしてもよい。例えば、コマンドデータ2のビット7(ワークエリア参照ビット)が0であれば、コマンドデータ2にEXTデータそのものが設定されていることを示す。そのようなEXTデータはビット7が0であるデータである。この実施の形態では、ワークエリア参照ビットが1であれば、EXTデータとして、送信バッファの内容を使用することを示す。なお、ワークエリア参照ビットが1であれば、他の7ビットが、EXTデータが格納されているテーブルのアドレスを指定するためのオフセットであることを示すように構成することもできる。
【0126】
図20に示すINTデータは、送出先を特定するための情報である。例えば、INTデータにおけるビット0は、払出制御基板37に払出制御コマンドを送出すべきか否かを示す。ビット0が「1」であるならば、払出制御コマンドを送出すべきことを示す。また、INTデータにおけるビット1は、図柄出制御基板80に演出制御コマンドを送出すべきか否かを示す。ビット1が「1」であるならば、演出制御コマンドを送出すべきことを示す。この例では、INTデータのビット2〜7は使用されず、常に「0」に固定された状態とされている。
【0127】
図21(A)は、主基板31から他の電気部品制御基板に送出される制御コマンドのコマンド形態の一例を示す説明図である。この実施の形態では、制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」とされる。このように、電気部品制御基板へのコマンドとなる制御コマンドは、複数のデータで構成され、先頭ビットによってそれぞれを区別可能な態様になっている。なお、図21(A)に示されたコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。また、図21(A)は演出制御基板80に送出される演出制御コマンドが例示されているが、他の電気部品制御基板に送出される制御コマンドも同一構成である。
【0128】
図21(B)に示すように、制御コマンドは、8ビットの制御信号CD0〜CD7(コマンドデータ)とINT信号(取込信号)とで構成される。演出制御基板80に搭載されている演出制御手段は、INT信号が立ち上がったことを検知して、割込み処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
【0129】
なお、制御コマンドは、電気部品制御手段が認識可能に1回だけ送出される。認識可能とは、この例では、INT信号のレベルが変化することであり、認識可能に1回だけ送出されるとは、例えば、演出制御信号の1バイト目及び2バイト目のそれぞれに応じてINT信号が1回だけパルス状(矩形波状)に出力されることである。
【0130】
図22及び図23は、演出制御基板80に送出される演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図22に示す例において、コマンド8000(H)〜8011(H)は、特別図柄を可変表示する可変表示装置9における特別図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンドである。また、コマンド8000(H)〜8011(H)は、可変表示装置9における特別図柄の変動パターンすなわち可変表示装置9における表示結果導出動作に関わる演出内容に対応したランプ・LED(遊技機に設けられている演出用のランプやLED等の発光手段)による演出パターンを指定する演出制御コマンドでもある。さらに、コマンド8000(H)〜8011(H)は、特別図柄の変動期間における音発生パターンを指定する演出制御コマンドでもある。なお、変動パターンを指定するコマンド(変動パターンコマンド)は変動開始指示も兼ねている。また、コマンド8011(H)は、可変表示装置9における短縮表示パターン、及び可変表示装置9における短縮表示パターンに対応したランプ・LEDによる演出パターンを指定するコマンドである。
【0131】
コマンド88XX(H)(X=4ビットの任意の値)は、普通図柄の変動パターンに関する演出制御コマンドである。コマンド89XX(H)は、普通図柄の停止図柄を指定する演出制御コマンドである。コマンド8A00(H)は、普通図柄の可変表示の停止を指示する演出制御コマンドである。
【0132】
コマンド91XX(H)、92XX(H)及び93XX(H)は、特別図柄の左中右の停止図柄を指定する演出制御コマンドである。「XX」には図柄番号が設定される。また、コマンドA000(H)は、特別図柄の可変表示の停止を指示する演出制御コマンドである。コマンドBXXX(H)は、大当り遊技開始から大当り遊技終了までの間に送出される演出制御コマンドである。そして、コマンドC000(H)〜EXXX(H)は、特別図柄の変動及び大当り遊技に関わらない可変表示装置9の表示状態に関する演出制御コマンドである。
【0133】
コマンドA000(H)は、特別図柄の可変表示の停止、及び特別図柄の可変表示停止時のランプ・LEDによる演出パターンを指示する演出制御コマンドであり、コマンドBXXX(H)は、大当り遊技開始から大当り遊技終了までの間の可変表示装置9の表示パターン、ランプ・LED表示パターン、及びスピーカ27による音発生パターンを指示する演出制御コマンドである。そして、コマンドC000(H)は、客待ちデモンストレーション時の可変表示装置9の表示パターン、ランプ・LED表示制御パターン、及びスピーカ27による音発生パターンを指示する演出制御コマンドである。
【0134】
コマンドE0XX(H)は、可変表示装置9における始動入賞記憶数を表示する表示エリアにおいて、表示色を変化させる始動記憶表示エリア18の個数を示す演出制御コマンドである。例えば、演出制御手段は、各始動記憶表示エリア18のうち「XX(H)」で指定される個数の始動記憶表示エリア18の表示色を変化させる。すなわち、コマンドE0XX(H)は、保留個数という情報を報知するために設けられている表示エリアの制御を指示するコマンドである。なお、表示色を変化させる始動記憶表示エリア18の個数に関するコマンドが、表示色を変化させるエリアの個数の増減を示すように構成されていてもよい。また、この実施の形態では、始動入賞記憶の上限値は4であるから、「XX」は0〜4の何れかである。
【0135】
コマンドE200(H)及びE201(H)は、賞球ランプ51の表示状態に関する演出制御コマンドであり、コマンドE300(H)及びE301(H)は、球切れランプ52の表示状態に関する演出制御コマンドである。演出制御手段は、遊技制御手段から「E201(H)」の演出制御コマンドを受信すると賞球ランプ51の表示状態を賞球残がある場合として予め定められた表示状態とし、「E200(H)」の演出制御コマンドを受信すると賞球ランプ51の表示状態を賞球残がない場合として予め定められた表示状態とする。また、「E300(H)」の演出制御コマンドを受信すると球切れランプ52の表示状態を球あり中の表示状態とし、「E301(H)」の演出制御コマンドを受信すると球切れランプ52の表示状態を球切れ中の表示状態とする。
【0136】
また、コマンドE400(H)は、高確率状態から低確率状態になったときに送信されるコマンドであり、コマンドE401(H)は、低確率状態から高確率状態になったときに送信されるコマンドである。
【0137】
図23に示すように、コマンドE5XX(H)は、始動入賞が生じたときに、コマンドE0XX(H)に続いて送信されるコマンドである。E500(H)は、始動入賞時の判定結果がはずれであった場合に送信される変動態様カテゴリ0指定の演出制御コマンドである。E501(H)は、始動入賞時に、大当りとはならないリーチであってノーマルカテゴリのリーチ態様にてリーチを行うと判定された場合に送信される変動態様カテゴリ1指定の演出制御コマンドである。E502(H)は、始動入賞時に、大当りとはならないリーチであって発展1カテゴリのリーチ態様にてリーチを行うと判定された場合に送信される変動態様カテゴリ2指定の演出制御コマンドである。E503(H)は、始動入賞時に、大当りとはならないリーチであって発展2カテゴリのリーチ態様にてリーチを行うと判定された場合に送信される変動態様カテゴリ3指定の演出制御コマンドである。E504(H)は、始動入賞時に、非確変大当りであってノーマルカテゴリのリーチ態様にてリーチを行うと判定された場合に送信される変動態様カテゴリ4指定の演出制御コマンドである。E505(H)は、始動入賞時に、非確変大当りであって発展1カテゴリのリーチ態様にてリーチを行うと判定された場合に送信される変動態様カテゴリ5指定の演出制御コマンドである。E506(H)は、始動入賞時に、非確変大当りであって発展2カテゴリのリーチ態様にてリーチを行うと判定された場合に送信される変動態様カテゴリ6指定の演出制御コマンドである。E507(H)は、始動入賞時に、確変大当りであってノーマルカテゴリのリーチ態様にてリーチを行うと判定された場合に送信される変動態様カテゴリ7指定の演出制御コマンドである。E508(H)は、始動入賞時に、確変大当りであって発展1カテゴリのリーチ態様にてリーチを行うと判定された場合に送信される変動態様カテゴリ8指定の演出制御コマンドである。E509(H)は、始動入賞時に、非確変大当りであって発展2カテゴリのリーチ態様にてリーチを行うと判定された場合に送信される変動態様カテゴリ9指定の演出制御コマンドである。
【0138】
演出制御基板80の演出制御手段は、主基板31の遊技制御手段から上述した演出制御コマンドを受信すると図22及び図23に示された内容に応じて可変表示装置9及び普通図柄表示器10の表示状態を変更し、ランプ・LEDの点灯/消灯状態を変更し、スピーカ27からの音声出力状態を変更する。
【0139】
図24は、特別図柄の可変表示に関する演出制御コマンドの送信タイミングを示すタイミング図である。遊技制御手段は、可変表示を開始させるときに、変動パターン指定の演出制御コマンドを送信し、続いて、左図柄指定、中図柄指定、右図柄指定の演出制御コマンドを送信する。そして、変動時間(可変表示期間)が終了すると、左右中図柄を最終停止(確定)させるために全図柄の停止を指示する特別図柄停止(A000(H))の演出制御コマンドを送信する。
【0140】
なお、この実施の形態では、可変表示の開始を示す可変表示開始指定コマンド及び可変表示態様を特定可能な可変表示態様指定コマンドは、変動パターン指定の演出制御コマンドで実現され、識別情報の表示結果を特定可能な識別情報指定コマンドは、左図柄指定、中図柄指定、右図柄指定の演出制御コマンドで実現され、可変表示の終了を示す可変表示終了指定コマンドは、特別図柄停止の演出制御コマンドで実現されている。また、この実施の形態では、変動パターン指定の演出制御コマンドが可変表示の開始を示す可変表示開始指定コマンド及び可変表示態様を特定可能な可変表示態様指定コマンドとして兼用されているが、可変表示開始指定コマンドと可変表示態様を特定可能な可変表示態様指定コマンドとを別にしてもよい。
【0141】
図25は、コマンド作成処理の処理例を示すフローチャートである。コマンド作成処理は、コマンド出力処理とINT信号出力処理とを含む処理である。コマンド作成処理は、遊技制御処理では、ステップS25の特別図柄プロセス処理、ステップS27の特別図柄コマンド制御処理、ステップS28の普通図柄コマンド制御処理等において、制御コマンドを作成する際にコールされる。
【0142】
コマンド作成処理において、CPU56は、まず、コマンド送信テーブルのアドレスをスタック等に退避する(ステップS331)。そして、ポインタが指していたコマンド送信テーブルのINTデータを引数1にロードする(ステップS332)。引数1は、後述するコマンド送信処理に対する入力情報になる。また、コマンド送信テーブルを指すアドレスを1加算する(ステップS333)。したがって、コマンド送信テーブルを指すアドレスは、コマンドデータ1のアドレスに一致する。
【0143】
次いで、CPU56は、コマンドデータ1を読み出して引数2に設定する(ステップS334)。引数2も、後述するコマンド送信処理に対する入力情報になる。そして、コマンド送信処理ルーチンをコールする(ステップS335)。
【0144】
図26は、コマンド送信処理ルーチンを示すフローチャートである。コマンド送信処理ルーチンにおいて、CPU56は、引数1に設定されているデータすなわちINTデータを、比較値として決められているワークエリアに設定する(ステップS351)。次いで、CPU56は、送信回数=2を、処理数として決められているワークエリアに設定する(ステップS352)。そして、払出制御信号を出力するためのポート1のアドレスをIOアドレスにセットする(ステップS353)。この実施の形態では、ポート1のアドレスは、払出制御信号を出力するための出力ポートのアドレスである。また、ポート2のアドレスが、演出制御信号を出力するための出力ポートのアドレスである。
【0145】
次に、CPU56は、比較値を1ビット右にシフトする(ステップS354)。シフト処理の結果、キャリービットが1になったか否か確認する(ステップS355)。キャリービットが1になったということは、INTデータにおける最も右側のビットが「1」であったことを意味する。この実施の形態では4回のシフト処理が行われるのであるが、例えば、払出制御コマンドを送出すべきことが指定されているときには、最初のシフト処理でキャリービットが1になる。
【0146】
キャリービットが1になった場合には、引数2に設定されているデータ、この場合にはコマンドデータ1(すなわちMODEデータ)を、IOアドレスとして設定されているアドレスに出力する(ステップS356)。最初のシフト処理が行われたときにはIOアドレスにポート1のアドレスが設定されているので、そのときに、払出制御コマンドのMODEデータがポート1に出力される。
【0147】
次いで、CPU56は、IOアドレスを1加算するとともに(ステップS357)、処理数を1減算する(ステップS358)。加算前にポート1を示していた場合には、IOアドレスに対する加算処理によって、IOアドレスにはポート2のアドレスが設定される。ポート2は、演出制御コマンドを出力するためのポートである。そして、CPU56は、処理数の値を確認し(ステップS359)、値が0になっていなければ、ステップS354に戻る。ステップS354で再度シフト処理が行われる。
【0148】
2回目のシフト処理ではINTデータにおけるビット1の値が押し出され、ビット1の値に応じてキャリーフラグが「1」又は「0」になる。したがって、演出制御コマンドを送出すべきことが指定されているか否かのチェックが行われる。このように、それぞれのシフト処理が行われるときに、IOアドレスには、シフト処理によってチェックされる制御コマンド(払出制御コマンド、演出制御コマンド)に対応したIOアドレスが設定されている。
【0149】
よって、キャリーフラグが「1」になったときには、対応する出力ポート(ポート1〜ポート2)に制御コマンドが送出される。すなわち、1つの共通モジュールで、各電気部品制御手段に対する制御コマンドの送出処理を行うことができる。
【0150】
また、このように、シフト処理のみによってどの電気部品制御手段に対して制御コマンドを出力すべきかが判定されるので、何れの電気部品制御手段に対して制御コマンドを出力すべきか判定する処理が簡略化されている。
【0151】
次に、CPU56は、シフト処理開始前のINTデータが格納されている引数1の内容を読み出し(ステップS360)、読み出したデータをポート0に出力する(ステップS361)。この実施の形態では、ポート0のアドレスは、各制御信号についてのINT信号を出力するためのポートであり、ポート0のビット0〜1が、それぞれ、払出制御INT信号、演出制御INT信号を出力するためのポートである。INTデータでは、ステップS351〜S359の処理で出力された制御コマンド(払出制御コマンド、演出制御コマンド)に応じたINT信号の出力ビットに対応したビットが「1」になっている。したがって、ポート1〜ポート2の何れかに出力された制御コマンド(払出制御コマンド、演出制御コマンド)に対応したINT信号がハイレベルになる。
【0152】
次いで、CPU56は、ウェイトカウンタに所定値を設定し(ステップS362)、その値が0になるまで1ずつ減算する(ステップS363,S364)。ウェイトカウンタの値が0になると、クリアデータ(00)を設定して(ステップS365)、そのデータをポート0に出力する(ステップS366)。よって、INT信号はローレベルになる。また、ウェイトカウンタに所定値を設定し(ステップS362)、その値が0になるまで1ずつ減算する(ステップS368,S369)。そして、ウェイトカウンタの値が0になると(ステップS369のY)、処理を終了する。
【0153】
以上のようにして、制御コマンドの1バイト目のMODEデータ(コマンド送信テーブルにおける2バイト目のデータ)が送出される。そこで、CPU56は、図25に示すステップS336で、コマンド送信テーブルを指す値を1加算する。したがって、コマンド送信テーブルにおける3バイト目のコマンドデータ2の領域が指定される。CPU56は、指し示されたコマンドデータ2の内容を引数2にロードする(ステップS337)。また、コマンドデータ2のビット7(ワークエリア参照ビット)の値が「0」であるか否か確認する(ステップS338)。0でなければ、コマンド拡張データアドレステーブルの先頭アドレスをポインタにセットし(ステップS339)、そのポインタにコマンドデータ2のビット6〜ビット0の値を加算してアドレスを算出する(ステップS340)。そして、そのアドレスが指すエリアのデータを引数2にロードする(ステップS341)。
【0154】
コマンド拡張データアドレステーブルには、各サブ基板の制御手段に送出されうるEXTデータが順次設定されている。よって、以上の処理によって、ワークエリア参照ビットの値が「1」であれば、コマンドデータ2の内容に応じたコマンド拡張データアドレステーブル内のEXTデータが引数2にロードされ、ワークエリア参照ビットの値が「0」であれば、コマンドデータ2の内容がそのまま引数2にロードされる。なお、コマンド拡張データアドレステーブルからEXTデータが読み出される場合でも、そのデータのビット7は「0」である。
【0155】
次に、CPU56は、コマンド送信処理ルーチンをコールする(ステップS342)。したがって、MODEデータの送出の場合と同様のタイミングでEXTデータが送出される。その後、CPU56は、コマンド送信テーブルのアドレスを復旧し(ステップS343)、コマンド送信テーブルを指す読出ポインタの値を更新する(ステップS344)。そして、さらに送出すべきコマンドがあれば(ステップS345)、ステップS331に戻る。
【0156】
以上のようにして、2バイト構成の制御コマンド(払出制御コマンド、演出制御コマンド)が、対応する電気部品制御手段に送信される。電気部品制御手段ではINT信号の立ち上がりを検出すると制御コマンドの取り込み処理を開始する。なお、各電気部品制御手段は、INT信号の立ち下がりで制御コマンドの取り込み処理を開始してもよい。また、INT信号の極性を図21(B)に示された場合と逆にしてもよい。
【0157】
図27は、可変表示装置9において実行される予告演出(大当りとなること、又はリーチとなる可能性があることを報知するための演出)の例を示す説明図である。図27(A)〜(C)に例示するように、この実施の形態では、可変表示装置9において、背景(図柄表示エリア以外の部分)に現れるキャラクタ等の表示による3種類の予告演出を行うことが可能である。図27(A)に示す予告A及び図27(B)に示す予告Bは、連続予告(保留予告:始動入賞発生時に実行される大当りとするか否かの抽選の結果に基づいて、以後の、複数回の特別図柄の可変表示において始動入賞記憶数を上限として連続して実行される予告演出)以外の予告演出であり、図27(C)に示す予告は、連続予告において用いられる予告演出である。
【0158】
次に、演出制御手段の動作を説明する。図28は、演出制御用CPU101が実行するメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔を決めるための2msタイマの初期設定等を行うための初期化処理が行われる(ステップS701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込みフラグの監視(ステップS702)の確認を行うループ処理に移行する。図29に示すように、タイマ割込みが発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込みフラグをセットする(ステップS711)。メイン処理において、タイマ割込みフラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
【0159】
この実施の形態では、タイマ割込みは2ms毎にかかる。すなわち、演出制御処理は、2ms毎に起動される。また、この実施の形態では、タイマ割込み処理ではフラグセットのみがなされ、具体的な演出制御処理はメイン処理において実行されるが、タイマ割込み処理で演出制御処理を実行してもよい。
【0160】
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析する(コマンド解析実行処理:ステップS704)。次いで演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態に対応したプロセスを選択して実行する。そして、演出制御基板80で用いられる各種の乱数カウンタを更新する処理を実行する(ステップS706)。さらに、演出制御用CPU101は、遊技演出装置25A,25B,25Cによる演出を行う場合に、演出制御基板80が備える図示しないソレノイド回路に駆動指令を行う(ステップS707)。遊技演出装置25A,25B,25Cを動作させるために、演出制御基板80が備える図示しないソレノイド回路は、駆動指令に応じてソレノイド25a,25b,25cを駆動する。その後、ステップS702のタイマ割込みフラグの確認を行う処理に戻る。
【0161】
次に、主基板31からの演出制御コマンド受信処理について説明する。図30は、主基板31から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。したがって、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよく、例えば、図柄指定コマンド格納領域を3個(2×3=6バイトのコマンド受信バッファ)、それ以外の変動パターン指定等のコマンド格納領域を1個(2×1=2バイトのコマンド受信バッファ)とするバッファ構成としてもよい。この場合、演出制御手段は、変動パターン等の格納領域に格納される最新のコマンドに基づき制御される。これにより、主基板31からの指示に迅速に対応することができる。
【0162】
図31は、割込み処理による演出制御コマンド受信処理を示すフローチャートである。主基板31からの演出制御用のINT信号は演出制御用CPU101の割込み端子に入力されている。例えば、主基板31からのINT信号がオン状態になると、演出制御用CPU101において割込みがかかる。そして、図31に示す演出制御コマンドの受信処理が開始される。
【0163】
演出制御コマンドの受信処理において、演出制御用CPU101は、まず、各レジスタをスタックに退避する(ステップS670)。なお、割込みが発生すると演出制御用CPU101は自動的に割込み禁止状態に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、ステップS670の処理の実行前に割込み禁止命令(DI命令)を発行することが好ましい。次いで、演出制御コマンドデータの入力に割り当てられている入力ポートからデータを読み込む(ステップS671)。そして、2バイト構成の演出制御コマンド中の1バイト目であるか否か確認する(ステップS672)。
【0164】
1バイト目であるか否かは、受信したコマンドの先頭ビットが「1」であるか否かによって確認される。先頭ビットが「1」であるのは、2バイト構成である演出制御コマンド中のMODEデータ(1バイト目)のはずである(図21(A)参照)。そこで、演出制御用CPU101は、先頭ビットが「1」であれば、有効な1バイト目を受信したとして、受信したコマンドを受信バッファ領域におけるコマンド受信個数カウンタが示す受信コマンドバッファに格納する(ステップS673)。
【0165】
演出制御コマンドのうちの1バイト目でなければ、1バイト目を既に受信したか否か確認する(ステップS674)。既に受信したか否かは、受信バッファ(受信コマンドバッファ)に有効なデータが設定されているか否かによって確認される。
【0166】
1バイト目を既に受信している場合には、受信した1バイトのうちの先頭ビットが「0」であるか否か確認する。そして、先頭ビットが「0」であれば、有効な2バイト目を受信したとして、受信したコマンドを、受信バッファ領域におけるコマンド受信個数カウンタ+1が示す受信コマンドバッファに格納する(ステップS675)。先頭ビットが「0」であるのは、2バイト構成である演出制御コマンド中のEXTデータ(2バイト目)のはずである(図21(A)参照)。なお、ステップS674における確認結果が1バイト目を既に受信したである場合には、2バイト目として受信したデータのうちの先頭ビットが「0」でなければ処理を終了する。
【0167】
ステップS675において、2バイト目のコマンドデータを格納すると、コマンド受信個数カウンタに2を加算する(ステップS676)。そして、コマンド受信カウンタが12以上であるか否か確認し(ステップS677)、12以上であればコマンド受信個数カウンタをクリアする(ステップS678)。その後、退避されていたレジスタを復帰し(ステップS679)、割込み許可に設定する(ステップS680)。
【0168】
演出制御コマンドは2バイト構成であって、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)とは、受信側で直ちに区別可能に構成されている。すなわち、先頭ビットによって、MODEとしてのデータを受信したのかEXTとしてのデータを受信したのかを、受信側において直ちに検出できる。よって、上述したように、適正なデータを受信したのか否かを容易に判定することができる。なお、このことは、払出制御コマンドについても同様である。
【0169】
図32及び図33は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、受信コマンドバッファに格納されているコマンドの内容が確認される。
【0170】
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+1しておく。
【0171】
受信した演出制御コマンドが特別図柄左指定の演出制御コマンド(91XX(H))であれば(ステップS613)、演出制御用CPU101は、「XX」で示される左図柄を示すデータを、RAMにおける左図柄格納領域に格納する(ステップS614)。また、特別図柄中指定の演出制御コマンド(92XX(H))であれば(ステップS616)、演出制御用CPU101は、「XX」で示される中図柄を示すデータを、RAMにおける中図柄格納領域に格納する(ステップS617)。そして、特別図柄右指定の演出制御コマンド(93XX(H))であれば(ステップS618)、演出制御用CPU101は、「XX」で示される右図柄を示すデータを、RAMにおける右図柄格納領域に格納する(ステップS619)。
【0172】
また、受信した演出制御コマンドが変動パターン指定の演出制御コマンドであれば(ステップS621)、演出制御用CPU101は、そのコマンドのEXTデータを変動パターンデータ格納領域に格納し(ステップS622)、変動パターン受信フラグをセットする(ステップS623)。
【0173】
受信した演出制御コマンドが始動入賞記憶数指定の演出制御コマンドであれば(ステップS631)、演出制御用CPU101は、RAMにおける始動入賞数記憶領域の始動入賞記憶数を演出制御コマンドで指定された数に更新する(ステップS632)。また、可変表示装置9において表示色が変化する始動記憶表示エリア18の数を更新する(ステップS633)。さらに、同期乱数カウンタの値を1加算する(ステップS634)。同期乱数カウンタとは、連続予告を実行するか否か決定するための同期乱数を生成するためのカウンタである。なお、この実施の形態では、同期乱数カウンタのカウント値は0〜126の範囲の値をとり、カウント値が127になったら、その値を0に戻す。
【0174】
また、受信した演出制御コマンドが変動態様カテゴリ指定コマンド(変動態様カテゴリ0指定コマンド〜変動態様カテゴリ9指定コマンドの何れか)であれば(ステップS635)、演出制御用CPU101は、同期乱数カウンタの値を+1するとともに(ステップS636)、同期乱数カウンタのカウント値を読み出すことによって同期乱数を抽出し(ステップS637)、連続予告の判定を行う(ステップS638)。
【0175】
そして、ステップS612で読み出した受信コマンドがその他の演出制御コマンドである場合には、受信コマンドに対応するフラグをセットする(ステップS639)。
【0176】
次に、連続予告の判定について説明する。図34及び図35は、始動入賞記憶数と連続予告の実行回数の関係の一例を示す説明図である。図34(A)は、変動態様カテゴリ0指定の演出制御コマンドを受信した場合の始動入賞記憶数と連続予告の実行回数の関係を示し、図34(B)は、変動態様カテゴリ1指定〜変動態様カテゴリ3指定の何れかの演出制御コマンドを受信した場合の始動入賞記憶数と連続予告の実行回数の関係を示し、図35(A)は、変動態様カテゴリ4指定〜変動態様カテゴリ6指定の何れかの演出制御コマンドを受信した場合の始動入賞記憶数と連続予告の実行回数の関係を示す。そして、図35(B)は、変動態様カテゴリ7指定〜変動態様カテゴリ9指定の何れかの演出制御コマンドを受信した場合の始動入賞記憶数と連続予告の実行回数の関係を示す。
【0177】
図34に示すように、この実施の形態では、変動態様カテゴリ0指定の演出制御コマンドを受信した場合には、同期乱数の値が29又は124(連続予告判定値)に一致すれば連続予告が実行可能である。変動態様カテゴリ1指定の演出制御コマンドを受信した場合には、同期乱数の値が7、29又は124(連続予告判定値)に一致すれば連続予告が実行可能であり、変動態様カテゴリ2指定の演出制御コマンドを受信した場合には、同期乱数の値が7、29、57、79,91又は124(連続予告判定値)に一致すれば連続予告が実行可能であり、変動態様カテゴリ3指定の演出制御コマンドを受信した場合には、同期乱数の値が7、29、57、79、87、91、103、107又は124(連続予告判定値)に一致すれば連続予告が実行可能である。
【0178】
また、図35に示すように、変動態様カテゴリ4指定の演出制御コマンドを受信した場合には、同期乱数の値が7〜21又は109〜126(連続予告判定値)に一致すれば連続予告が実行可能であり、変動態様カテゴリ5指定の演出制御コマンドを受信した場合には、同期乱数の値が7〜27又は105〜126(連続予告判定値)に一致すれば連続予告が実行可能であり、変動態様カテゴリ6指定の演出制御コマンドを受信した場合には、同期乱数の値が7〜37又は101〜126(連続予告判定値)に一致すれば連続予告が実行可能である。
【0179】
さらに、変動態様カテゴリ7指定の演出制御コマンドを受信した場合には、同期乱数の値が3〜63又は89〜126(連続予告判定値)に一致すれば連続予告が実行可能であり、変動態様カテゴリ8指定の演出制御コマンドを受信した場合には、同期乱数の値が3〜67又は85〜126(連続予告判定値)に一致すれば連続予告が実行可能であり、変動態様カテゴリ9指定の演出制御コマンドを受信した場合には、同期乱数の値が3〜71又は81〜126(連続予告判定値)に一致すれば連続予告が実行可能である。
【0180】
図36は、ステップS638で実行される連続予告の判定処理例を示すフローチャートである。連続予告の判定処理において、演出制御用CPU101は、まず、連続予告を実行中であるか否か判定する(ステップS661)。実行中であるか否かは、実行中にセットされている内部フラグである連続予告実行中フラグによって判定できる。連続予告の実行中であれば、今回ステップS635で受信したと判定された変動態様カテゴリ指定の演出制御コマンドの優先度が、実行中の連続予告を行うことに決定するきっかけとなった変動態様カテゴリ指定の演出制御コマンドの優先度よりも高いか否かを確認する(ステップS667)。
【0181】
この例では、はずれを示す変動態様カテゴリ0指定の演出制御コマンド、リーチを示す変動態様カテゴリ1指定〜変動態様カテゴリ3指定の演出制御コマンド、非確変大当りを示す変動態様カテゴリ4指定〜変動態様カテゴリ6指定の演出制御コマンド、確変大当りを示す変動態様カテゴリ7指定〜変動態様カテゴリ指定の演出制御コマンドの順番で、優先度が高くなるように予め設定されている。優先度の判定は、4段階の優先度を特定する内部フラグである優先度フラグによって判定される。優先度フラグは、例えば、2ビットデータで構成され、連続予告を行うことが決定されたときに、その決定のきっかけとなった変動態様カテゴリ指定の演出制御コマンドの優先度がセットされる。したがって、ステップS667では、今回ステップS635で受信したと判定された変動態様カテゴリ指定の演出制御コマンドの優先度と、優先度フラグが示す優先度とが比較される。
【0182】
なお、上記の例では、可変表示結果(リーチにもならないはずれ、大当りとならないリーチ、非確変大当り、確変大当り)によって優先度を異ならせているが、リーチの発展形態によって優先度を異ならせるようにしてもよい。この場合、リーチにならないはずれを示す変動態様カテゴリ0指定の演出制御コマンド、ノーマルカテゴリのリーチ演出が実行されることを示す変動態様カテゴリ1指定、4指定、7指定の演出制御コマンド、発展1カテゴリのリーチ演出が実行されることを示す変動態様カテゴリ2指定、5指定、8指定の演出制御コマンド、発展2カテゴリのリーチ演出が実行されることを示す変動態様カテゴリ3指定、6指定、9指定の演出制御コマンドの順番で、優先度が高くなるように予め設定するようにすればよい。
【0183】
ステップS661にて連続予告の実行中でなければ、又は、ステップS667にて優先度が高い(優先度が同じ場合は含まない)と判定されていれば、連続予告判定テーブルを選択する(ステップS662)。連続予告判定テーブルとは、図34に示された情報が設定されているテーブルであり、変動態様カテゴリ0指定の演出制御コマンドを受信した場合には図34(A)に示す情報に対応したテーブルが選択され、変動態様カテゴリ1指定〜変動態様カテゴリ3指定の演出制御コマンドを受信した場合には図34(B)に示す情報に対応したテーブルが選択され、変動態様カテゴリ4指定〜変動態様カテゴリ6指定の演出制御コマンドを受信した場合には図35(A)に示す情報に対応したテーブルが選択され、変動態様カテゴリ7指定〜変動態様カテゴリ9指定の演出制御コマンドを受信した場合には図35(B)に示す情報に対応したテーブルが選択される。
【0184】
そして、演出制御用CPU101は、抽出されている同期乱数の値と同じ連続予告判定値が連続予告判定テーブルに設定されているか否か確認し(ステップS663)、一致しているものがあれば、連続予告判定テーブルから対応する実行回数を抽出する。実行回数が0でなければ(ステップS664)、実行回数をRAMにおける実行回数バッファに格納し(ステップS665)、連続予告抽選済フラグセットするとともに(ステップS666)、連続予告を行うことを決定したきっかけとなった変動態様カテゴリ指定の演出制御コマンドの優先度を示すデータを優先度フラグにセットする(ステップS668)。さらに、演出制御用CPU101は、連続予告実行中フラグがセットされていればリセットする(ステップS669)。すなわち、ステップS667で優先度が高いと判定された後、その優先度の高い演出制御コマンドに基づいて連続予告を行うことが決定された場合には、連続予告実行中フラグがセットされている状態にあるため、ステップS669にてリセットしておく。
【0185】
以上の処理によって、同期乱数カウンタは、始動入賞記憶数指定、変動態様カテゴリ0指定〜変動態様カテゴリ9指定の演出制御コマンドを受信する度に歩進し、変動態様カテゴリ0指定〜変動態様カテゴリ9指定の演出制御コマンドを受信すると連続予告を行うか否かの抽選が実行される。そして、連続予告を行うことに決定された場合には、そのときの始動入賞記憶数に応じて予め決められた実行回数が決定される。
【0186】
後述するように、演出制御用CPU101は、0回でない実行回数が決定された後、可変表示装置9において特別図柄の可変表示を行う場合には、実行回数分の特別図柄の可変表示期間において予告演出(連続予告)を行う。
【0187】
図37は、図28に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S806のうちの何れかの処理が行われる。各処理において、以下のような処理が実行される。
【0188】
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):コマンド受信割込み処理によって、変動時間を特定可能な演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を受信したか否か確認する。具体的には、変動パターンコマンドが受信されたことを示すフラグ(変動パターン受信フラグ)がセットされたか否か確認する。変動パターン受信フラグは、コマンド解析処理によって、変動パターン指定の演出制御コマンドが受信されたことが確認された場合にセットされる(ステップS694)。
【0189】
予告選択処理(ステップS801):予告演出を行うか否かと、行う場合の予告演出の種類を決定する。
【0190】
全図柄変動開始処理(ステップS802):左中右図柄の変動が開始されるように制御する。
【0191】
図柄変動中処理(ステップS803):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替えタイミングを制御するとともに、変動時間の終了を監視する。また、左右図柄の停止制御を行う。
【0192】
全図柄停止待ち設定処理(ステップS804):変動時間の終了時に、全図柄停止を指示する演出制御コマンド(特別図柄停止の演出制御コマンド)を受信していたら、図柄の変動を停止し停止図柄(確定図柄)を表示する制御を行う。
【0193】
大当り表示処理(ステップS805):変動時間の終了後、確変大当り表示又は通常大当り表示の制御を行う。
【0194】
大当り遊技中処理(ステップS806):大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放前表示や大入賞口開放時表示の演出制御コマンドを受信したら、ラウンド数の表示制御等を行う。
【0195】
図38は、変動パターンテーブル毎に設定されているプロセスデータの一構成例を示す説明図である。プロセスデータは、プロセスタイマ設定値と演出制御実行テーブルの組合せが複数集まったデータで構成されている。各演出制御実行テーブルには、それぞれ、可変表示演出9等の表示制御の変動パターンを構成する各変動態様が記載されている表示制御実行データと、ランプ・LED等の表示制御の変動パターンを構成する各変動態様が記載されているランプ制御実行データと、スピーカ27等の音声出力制御の変動パターンを構成する各変動態様が記載されている音制御実行データとが含まれている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセスデータを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ演出制御実行テーブルに設定されている変動態様で図柄を変動表示させたり、発光体を点灯/消灯させたり、スピーカ27から音声出力させたりする制御を行う。
【0196】
図38に示すプロセスデータは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセスデータは、各変動パターンのそれぞれに応じて用意されている。
【0197】
図39は、図37に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターン受信フラグがセットされたか否か確認する(ステップS871)。セットされていたら、そのフラグをリセットする(ステップS872)。そして、演出制御プロセスフラグの値を予告選択処理(ステップS801)に対応した値に変更する(ステップS873)。
【0198】
図40は、図37に示された演出制御プロセス処理における予告選択処理(ステップS801)を示すフローチャートである。予告選択処理において、演出制御用CPU101は、連続予告を実行中であるか否か確認する(ステップS811)。実行中でなければ、連続予告抽選済フラグがセットされているか否か確認する(ステップS812)。連続予告抽選済フラグがセットされていれば、すなわち、連続予告を行うことに決定されていれば、連続予告抽選済フラグをリセットし(ステップS813)、実行回数バッファの内容を実行回数カウンタに設定する(ステップS814)。そして、連続予告実行中フラグをセットする(ステップS815)。
【0199】
また、決定した予告演出に対応した予告開始時間決定タイマをスタートする(ステップS816)。そして、演出制御プロセスフラグを全図柄変動開始処理(ステップS802)に対応した値に更新する(ステップS817)。予告開始時間決定タイマは、可変表示装置9において図柄の変動が開始されてから、予告演出を開始するタイミングを決定するためのタイマである。
【0200】
ステップS811において連続予告実行中であると確認したら、演出制御用CPU101は、実行回数カウンタを−1し(ステップS821)、実行回数カウンタが0でなければステップS816に移行する(ステップS822)。実行回数カウンタが0になった場合には、決定された実行回数分の連続予告が既に完了していることになる。その場合には、ステップS825に移行する。
【0201】
ステップS812において、連続予告抽選済フラグがセットされていないことを確認した場合には、予告A又は予告Bによる予告演出を行う。あるいは、予告演出を行わないことにする。具体的には、予告乱数カウンタから乱数値を抽出し(ステップS825)、乱数値に基づいて予告する/しないと、予告するならば、予告Aと予告Bのうち、何れの態様で予告演出を行うのかを決定する(ステップS826)。例えば、予告しない/予告A/予告Bのそれぞれに対応した判定値が設定されているテーブルをROMに用意しておき、乱数値と判定値とを比較することによって、予告する/しないと、予告するならば予告Aと予告Bのうち、何れの態様で予告演出を行うのかを決定する。予告A又は予告Bの予告演出を行うことに決定した場合には(ステップS827)、ステップS816に移行する。
【0202】
図41は、演出制御プロセス処理における全図柄変動開始処理(ステップS802)を示すフローチャートである。全図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、まず、使用する変動パターンテーブルを選択する(ステップS881)。次いで、選択された変動パターンテーブルに設定されているプロセスデータの最初のプロセスタイマをスタートし(ステップS882)、表示制御実行データ1の内容に従ってLCD82を制御し(ステップS883)、ランプ制御実行データ1の内容に従ってランプ・LEDを制御するとともに(ステップS884)、音制御実行データ1の内容に従ってスピーカ27を制御する(ステップS885)。
【0203】
そして、変動時間タイマをスタートし(ステップS886)、演出制御プロセスフラグの値を図柄変動中処理に対応した値にする(ステップS887)。
【0204】
図42は、演出制御プロセス処理における図柄変動中処理(ステップS803)を示すフローチャートである。図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、予告開始時間決定用タイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS830)。タイムアウトしていたら、既に決定されている予告演出に基づく表示が行われるようにVDP103を制御する(ステップS831)。ここで、予告演出を実行するためのパターンテーブル(タイマ設定値と制御実行テーブルの組み合わせが複数集まったデータ)を用いて予告演出を実行するようにしてもよいが、変動パターンテーブル毎に設定されているプロセスデータを、さらに、予告演出の種類に応じて細分化して設定しておき、実現される変動パターン及び実行される予告演出に応じたプロセスデータを使用するようにしてもよい。変動パターン及び予告演出に応じたプロセスデータを使用する場合には、予告演出の表示制御は、図柄の可変表示とともに、プロセスデータの内容に応じて実行される。
【0205】
演出制御手段は、予告演出の表示制御を、変動時間タイマがタイムアウトする前すなわち変動表示結果が確定する前に終了する。なお、この実施の形態では、変動パターン9〜17以外の変動パターン(変動パターン1〜8及び18)による特別図柄の変動では変動表示結果が大当り図柄とならないので(図10参照)、変動パターン1〜8及び18による特別図柄の変動中に実行される予告演出は、遊技制御手段から送信される指示コマンド(この例では変動パターン指定の演出制御コマンド)に基づいて、変動表示結果が確定する前に実行される、リーチ演出表示態様となる旨のリーチ予告報知に相当する。また、変動パターン9〜17による特別図柄の変動中に実行される予告演出は、遊技制御手段から送信される指示コマンドに基づいて、変動表示結果が確定する前に実行される、大当りとなる旨の大当り予告報知に相当する。さらに、リーチ予告報知に用いられる予告の種類と大当り予告報知に用いられる予告の種類とを別にし、変動パターン2〜変動パターン8(リーチとなるが左中右の確定図柄が揃わない変動パターン:図10参照)による特別図柄の変動中において、左右図柄が揃った後(リーチとなった後)の演出期間中で、大当り予告報知に用いられる種類の予告演出を行うようにしてもよい。そのような予告演出は実際には大当り遊技の発生を予告しているものではないが、遊技演出のバリエーションを豊富にするために効果的である。また、非確変大当り予告報知に用いられる予告の種類と確変大当り予告報知に用いられる予告の種類とを別にして、非確変大当り予告報知と確変大当り予告報知とを区別して実行するようにしてもよい。さらに、図34(B)に示す情報に対応したテーブルを使用した場合の予告演出をリーチ予告とし、図35(A)に示す情報に対応したテーブルを使用した場合の予告演出を大当り予告又は非確変大当り予告とし、図35(B)に示す情報に対応したテーブルを使用した場合の予告演出を確変大当り予告としてもよい。
【0206】
また、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS832)、演出制御実行テーブルの切替えを行う(ステップS833)。すなわち、プロセスデータにおいて、次に設定されているプロセスタイマをスタートさせるとともに(ステップS834)、その次に設定されている表示制御実行データの内容に従ってLCD82を制御する(ステップS835)。具体的には、演出制御用CPU101が表示制御実行データの内容に従ってVDP103を制御し、そのVDP103が表示制御実行データの内容に応じて可変表示装置9の表示状態を制御する。また、その次に設定されているランプ制御実行データの内容に従ってランプ・LEDを制御するとともに(ステップS836)、さらにその次に設定されている音制御実行データの内容に従ってスピーカ27を制御する(ステップS837)。
【0207】
そして、変動時間タイマがタイムアウトしていたら(ステップS838)、特別図柄停止の演出制御コマンドの受信を監視するための監視タイマをスタートさせ(ステップS839)、演出制御プロセスフラグの値を全図柄停止待ち処理に対応した値にする(ステップS840)。
【0208】
図43は、演出制御プロセス処理における全図柄停止待ち処理(ステップS804)を示すフローチャートである。全図柄停止待ち処理において、演出制御用CPU101は、全図柄停止を指示する演出制御コマンド(特別図柄停止の演出制御コマンド)を受信しているか否か確認する(ステップS841)。全図柄停止を指示する演出制御コマンドを受信していれば、記憶されている停止図柄で図柄を停止させる制御を行う(ステップS842)。
【0209】
そして、ステップS842で大当り図柄を表示した場合には、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS805)に対応した値に設定する(ステップS844)。そして、連続予告の実行回数を示す実行回数カウンタの値をクリアしておくとともに(ステップS846)、連続予告実行中フラグをリセットする(ステップS847)。ステップS842で大当り図柄を表示しない場合(はずれ図柄を表示した場合)には、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に設定する(ステップS844)。
【0210】
全図柄停止を指定する演出制御コマンドを受信していない場合には、監視タイマがタイムアウトしているかどうか確認する(ステップS848)。タイムアウトした場合には、何らかの異常が発生したと判断して、可変表示装置9にエラー画面を表示する制御を行う(ステップS849)。そして、ステップS843に移行する。
【0211】
図44は、表示制御プロセス処理における大当り表示処理(ステップS805)を示すフローチャートである。大当り表示処理において、演出制御用CPU101は、確変大当りか否か判定する(ステップS851)。演出制御用CPU101は、例えば、確定図柄に基づいて確変大当りか否かを判定することができる。確変大当りであれば、演出制御用CPU101は、例えば、「確変大当り」を可変表示装置9に表示させる表示制御を行う(ステップS852)。具体的には、「確変大当り」の表示指示をVDP103に通知する。すると、VDP103は、指示された表示の画像データを作成する。また、画像データを背景画像と合成する。確変大当りでなければ、演出制御用CPU101は、例えば、「大当り」を可変表示装置9に表示させる表示制御を行う(ステップS853)。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(ステップS806)に対応した値に設定する(ステップS854)。
【0212】
図45は、表示制御プロセス処理における大当り遊技中処理(ステップS806)を示すフローチャートである。大当り遊技中処理において、演出制御用CPU101は、主基板31から大当り終了表示の演出制御コマンドを受信したら(ステップS861)、可変表示装置9に大当りの終了を示す表示を行わせる制御を行った後(ステップS862)、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に設定する。なお、大当り遊技中処理において、演出制御用CPU101は、大入賞口開放前表示や大入賞口開放時表示の演出制御コマンドを受信したら、ラウンド数の表示制御等を行う。
【0213】
以上に説明したように、演出制御手段は、遊技制御手段が始動入賞時に判定した結果(始動入賞時に抽出した乱数の値に基づいて、大当りが発生するか否か、リーチするか否か、変動態様カテゴリ)に基づいて、連続予告(保留予告)を実行するか否かを決定し、実行する場合には実行回数を決定する。また、連続予告の実行中では、予告A及び予告Bの態様での予告演出は行われない(ステップS811からS821に移行するので)。また、大当りが発生した場合には、実行回数分の連続予告が完了していなくても連続予告は終了する(ステップS847参照)。さらに、連続予告が実行されている間に優先度の高い変動態様カテゴリ指定の演出制御コマンドを受信すると、再度連続予告を実行するか等の決定を行い、実行することが決定された場合には、優先度の高い受信コマンドに基づく連続予告を実行し、実行しないことが決定された場合には、実行中の連続予告がそのまま継続して行われる。
【0214】
例えば、可変表示装置9において図柄の変動が行われている場合に、始動入賞記憶数が「4」であることを示す演出制御コマンドと、変動態様カテゴリ5指定の演出制御コマンドとを受信した場合を想定する。そして、連続予告を行うか否かの判定において、連続予告することに決定され、実行回数が4であったとする。また、始動入賞記憶が1,2,3に対応する判定結果は大当りでなかったとする。その場合、現在行われている図柄の変動が終了した後、第4回目の図柄変動の結果大当りが発生する。また、現在行われている図柄の変動が終了した後、第1回目〜第4回目の図柄の変動が行われているときに連続予告演出が実行される。そして、第4回目の図柄変動の結果、大当りが発生する。すなわち、第4回目の図柄変動の結果大当りが発生することを、それ以前の回の図柄変動中において、遊技者に所定の報知(すなわち予告演出)を行うことができる。
【0215】
図34及び図35に例示されたように、始動入賞が発生したときに大当りとなると決定された場合には、大当りとならない場合に比べて、高い確率で連続予告が行われることが決定され、かつ、実行回数も多い。したがって、連続予告の信頼度(連続予告が実行された場合に、実際に大当りが発生する割合)は高く、遊技者は、連続予告の発生によって大当りの発生を強く期待することができる。さらに、非確変大当りとなる場合に比べて、確変大当りとなる場合には、より高い確率で連続予告が行われることが決定される。したがって、確変大当りとなる場合には、連続予告が実行される確率も高くなり、遊技者にとってより信頼性の高い連続予告が実現される。すなわち、演出制御手段は、将来、大当りや確変大当りが出現することを示唆するような保留記憶数に基づく演出を行うことができる。
【0216】
また、図34及び図35に例示されたように、始動入賞が発生したときに、発展1カテゴリのリーチ態様でリーチ演出が行われると決定された場合には、演出結果(確変大当り、非確変大当り、はずれリーチ)が同じであれば、ノーマルカテゴリのリーチ態様でリーチ演出が行われる場合に比べて、高い確率で連続予告が行われることが決定される(実行回数を多くするようにしてもよい)。また、発展1カテゴリのリーチ態様でリーチ演出が行われると決定された場合に比べて、発展2カテゴリのリーチ態様でリーチ演出が行われる場合には、より高い確率で連続予告が行われることが決定される(実行回数を多くするようにしてもよい)。すなわち、大当り信頼度が高いリーチ演出が実行されるときには、高い確率で連続予告が行われることが決定される。したがって、連続予告の信頼度(連続予告が実行された場合に、大当り信頼度や確変信頼度の高いリーチが出現する割合)は高く、遊技者は、連続予告の発生によって大当り信頼度の高いリーチの発生を強く期待することができる。すなわち、演出制御手段は、将来、大当りや確変大当りが出現することを示唆するような保留記憶数に基づく演出を、リーチ演出の発展形態を加味して行うことができる。
【0217】
このように、演出制御手段は、受信した変動態様カテゴリ指定の演出制御コマンドによって、大まかな変動パターンを把握することができ、その変動パターンにおける大当り信頼度に基く演出を行うことができる。
【0218】
また、連続予告の実行が完了するまでの間に、優先度の高い変動態様カテゴリ指定の演出制御コマンドを受信すると、再度連続予告を実行するか等の決定を行い、実行することに決定した場合には、優先度の高い受信コマンドに基づく連続予告を実行するので、行うことが決定されている連続予告の実行が完了していなくても、予め定められている優先度の高い変動態様カテゴリ指定の演出制御コマンドの受信に基づく連続予告を行うことができる。したがって、確変大当りや発展2カテゴリのリーチ演出等の発生を示す変動態様カテゴリ指定の演出制御コマンドの優先度を高めておけば、遊技者の大当りへの期待感をより高めることができるような予告演出を優先的に実行することができるようになる。
【0219】
そして、遊技制御手段において、始動入賞が発生したとき(可変表示の実行条件が成立したとき)と、新たな可変表示を開始できる状態になったとき(可変表示の開始条件が成立したとき)との双方のタイミングにおいて、大当りとするか否かの判定(識別情報の判定結果に関わる判定)とはずれリーチとするか否かの判定(識別情報の内容に関わる判定)とを判定するのであるが、何れのタイミングでも、1つの大当り判定モジュール及びリーチ判定モジュールが用いられる。また、1つの大当り判定テーブル及びリーチ判定テーブルが用いられる。したがって、連続予告を行うように構成した場合でも、連続予告を行わない場合に比べて、遊技制御手段におけるプログラム容量が増大することはない。すなわち、遊技制御手段におけるプログラム容量を増大させずに遊技演出の内容を豊富にすることができる。
【0220】
図46は、本発明の概要を示す概念図である。図46に示すように、遊技制御手段において、条件成立時コマンド送信手段56aは、可変表示装置9の変動開始条件の成立(例えば、始動入賞14A)時に演出制御手段101Aに対して遊技状態の指示コマンドを送信する。また、変動開始時コマンド送信手段56bは、可変表示装置9の変動開始時(例えば、可変表示装置9において図柄の変動や大当り遊技演出がなされなくなったとき。)に演出制御手段101Aに対して遊技状態の指示コマンドを送信する。条件成立時コマンド送信手段56aにより送信される指示コマンドには、変動開始条件が成立した変動表示の条件成立数(始動入賞記憶数)を示す条件成立数指示コマンドと、今回変動開始条件が成立した変動表示において大当りとなる期待度に基づいて分類されたカテゴリを指示する変動態様カテゴリ指示コマンドとが含まれる。変動開始時コマンド送信手段56bにより送信される指示コマンドには、可変表示の開始を指示する可変表示開始指示コマンドと、変動表示態様種別を指示する変動表示態様指示コマンドと、識別情報の変動表示結果を指示する変動表示結果指示コマンドと、可変表示の終了を指示する可変表示終了指示コマンドとが含まれる。
【0221】
なお、上記の実施の形態では、演出制御手段は始動入賞記憶数の表示制御も行い、遊技制御手段は、変動態様カテゴリ指定の各演出制御コマンドとは別個に、それらの演出制御コマンドを送信する前に始動入賞記憶数指定の演出制御コマンドを送信するように構成されていた。しかし、始動入賞記憶数指定の演出制御コマンドと、変動態様カテゴリ指定の各演出制御コマンドとを兼用するようにしてもよい。すなわち、保留記憶数コマンドが実行条件成立時判定手段による判定結果を特定可能な情報を含むように構成してもよい。例えば、E5XX(H)の演出制御コマンドにおける8ビットのEXTデータのうち4ビットを変動態様カテゴリ指定に割り当て、他の4ビットを始動入賞記憶数指定に割り当てる。
【0222】
また、上記の実施の形態では、遊技制御手段は、有効始動入賞発生時に始動入賞記憶数指定の演出制御コマンドと、変動態様カテゴリ指定の演出制御コマンドとを演出制御手段に送信したが、始動入賞記憶数指定の演出制御コマンドを除く入賞時判定結果コマンド(判定結果コマンド)を送信するようにしてもよい。そのように構成した場合には、始動入賞記憶数を加味した連続予告を行うことはできないが、始動入賞時における大当り等の判定の結果と、可変表示装置9において可変表示を行うときの判定の結果とは一致することが保証されているので、始動入賞記憶数指定の演出制御コマンド以外の入賞時判定結果コマンドを受信したことに基づいて予告演出を行うようにしても、予告演出の信頼性は高い。
【0223】
また、上記の実施の形態では、有効始動入賞時に決定されたリーチ演出の演出態様によって、連続予告が行われることが決定される確率を異ならせるようにしていたが、有効始動入賞時に決定されたリーチ演出の演出態様によって、連続予告として実行する予告演出の演出態様を異ならせるようにしてもよい。このように構成すれば、変動態様カテゴリ指定の演出制御コマンドによって特定される有効始動入賞時に決定されたリーチ演出の演出態様に基いて、多くのバリエーションの予告演出を行うことができ、変化に富んだ予告演出を行うことができるようになる。
【0224】
また、上記の実施の形態では、遊技制御手段は、始動入賞が発生したときに大当りと判定された場合には、「非確変大当り」を示す変動態様カテゴリ4指定〜変動態様カテゴリ6指定の何れかの演出制御コマンド、又は、「確変大当り」を示す変動態様カテゴリ7指定〜変動態様カテゴリ9指定の何れかの演出制御コマンドを、演出制御手段に送信したが、確変の有無を示す演出制御コマンドを用いずに、大当りを示す変動態様カテゴリ指定の演出制御コマンドを送信するようにしてもよい。そのように構成されている場合には、演出制御手段は、大当りを示す変動態様カテゴリ指定の演出制御コマンドを受信した場合には、例えば、図35(A)に示された情報を使用すればよい。
【0225】
さらに、入賞時判定結果コマンドとして、大当り(確変/非確変は問わない)を示す変動態様カテゴリ4指定〜変動態様カテゴリ6指定の演出制御コマンド及びはずれを示す変動態様カテゴリ0指定の演出制御コマンドのみを用いてもよい(すなわち、演出制御手段は、大当りの有無のみを認識する)。また、リーチを示す変動態様カテゴリ1指定〜変動態様カテゴリ3指定の演出制御コマンド及びはずれを示す変動態様カテゴリ0指定の演出制御コマンドのみを用いてもよい(すなわち、演出制御手段は、はずれリーチの有無のみを認識する)。
【0226】
また、上記の実施の形態では、変動態様カテゴリ4指定〜変動態様カテゴリ6指定の演出制御コマンドが非確変大当りに対応したコマンドであり、変動態様カテゴリ7指定〜変動態様カテゴリ9指定の演出制御コマンドが確変大当りに対応したコマンドであったが、確変/非確変を問わず大当りが発生すると判定した場合には変動態様カテゴリ4指定〜変動態様カテゴリ6指定の演出制御コマンドの何れかを送信し、確変大当りが発生する場合には、変動態様カテゴリ4指定〜変動態様カテゴリ6指定の演出制御コマンドの何れかとともに確変を指定する演出制御コマンドを送信するようにしてもよい。
【0227】
なお、上記の実施の形態では、入賞確認処理(図13参照)において変動パターンを選択する処理を行っていなかったが、入賞確認処理において、変動パターンを選択する処理も行うようにしてもよい。
【0228】
また、上記の実施の形態では、入賞時判定結果コマンドに基づいて、演出制御手段が連続予告演出を実行したが、連続予告演出に限らず、他の演出を実行するようにしてもよい。例えば、可変表示装置9において可変表示の開始から表示結果を表示するまでの全体の演出、大当り遊技中の演出(例えば、大当り遊技中の演出がストーリー展開するもので、演出制御手段において抽選を行って、大当り遊技中にストーリーの内容を複数のストーリーの中から抽選して決定する)や、確変や時短を選択する演出等の各種の演出を実行するようにしてもよい。
【0229】
また、上記の実施の形態では、連続予告及び予告A,Bの演出をキャラクタによって行ったが、予告演出はどのような形態のものであってもよく、例えば、すべり演出(低速変動状態において数図柄分高速変動させる演出)や、もどり演出(図柄の停止位置を通り過ぎたあと逆向きに変動させる演出)等のような特別図柄の変動態様を変化させることで予告演出を行うようにしてもよい。また、背景を変化させることによって予告演出を行うようにしてもよい。
【0230】
また、上記の実施の形態では、始動入賞記憶数を最大4個であるとしていたが、他の数であってもよい。
【0231】
また、上述した実施の形態では、入賞確認処理(図13参照)における判定処理(ステップS117〜ステップS121)が、始動入賞口への入賞があった場合に開始されたが、遊技機が、例えば、複数個の入賞がなければ可変表示が開始されない構成である場合には、複数個の入賞があったことを条件に判定処理を開始するようにしてもよい。また、所定の可変入賞装置(例えば、第2種可変入賞球装置)が有利な状態となっている期間(例えば、開放動作を実行したときから所定期間が経過するまでの期間)にのみ入賞が認められるような場合には、当該期間中に遊技球が入賞したことを条件に判定処理を開始するようにしてもよい。
【0232】
また、上記の実施の形態では、有効始動入賞時に、大当りとするか否か、大当りとする場合の大当り種別(非確変/確変)、及びリーチの発展形態のカテゴリを示す変動態様カテゴリ指定の演出制御コマンドを演出制御基板80に向けて送信する構成としていた。すなわち、変動態様カテゴリ指定の演出制御コマンドを、大当りとなる期待度に基いて分類されたカテゴリとして、リーチの発展形態のカテゴリ別に複数設ける構成としていた。しかし、大当りとなる期待度に基いて分類されたカテゴリであれば、各リーチを他の分別方法によって分類し、その分類毎に別個の変動態様カテゴリ指定の演出制御コマンドを設ける構成としてもよい。
【0233】
他の分別方法としては、例えば、図47に示すように、各リーチを、同一形態の変動態様とされているリーチによって構成される変動態様グループ毎に分類するようにすればよい。そして、変動態様グループ毎に別個の変動態様カテゴリ指定の演出制御コマンドを設けるようにすればよい。変動態様グループは、同一形態の変動態様のリーチ毎に分類されたグループであるが、この「同一形態の変動態様」とは、一度の可変表示演出で出現する一連のリーチ演出のうち、一連の演出の一部又は全部が出現する変動態様を意味する。すなわち、演出内容の一部が共通している複数のリーチは、同一の変動態様グループに属する。例えば、ノーマルリーチ、そのノーマルリーチの発展形であるリーチa、さらなる発展形であるリーチAは、それぞれ演出内容が共通している部分があるので、同一の変動態様グループに属する。なお、図47に示す例では、ノーマルリーチは他の全てのリーチとの共通部分を有するが、任意の一つの変動態様グループ(変動態様グループ1)に属するようにしている。
【0234】
また、図47に示す各リーチは、例えば、図12に示したような選択率で選択される。したがって、各変動態様グループ毎に、大当りとなる期待度が異なるようになっており、この例では、おおよそ、変動態様グループ1〜変動態様グループ5の順番で、段々と大当りとなる期待度が高くなるようになっている。よって、演出制御手段は、変動態様グループ毎に設けられている変動態様カテゴリ指定の演出制御コマンドによって、出現するリーチ演出の属する変動態様グループを認識することができ、今後実行される可変表示演出の変動態様グループを特定した予告演出を実行することができる。すなわち、演出制御手段は、将来、大当りや確変大当りが出現することを示唆するような保留記憶数に基づく演出を、変動態様グループにおける大当りとなる信頼度を考慮して行うことができる。
【0235】
なお、上述した実施の形態において、「特定遊技状態」とは、所定の遊技価値が付与された遊技者にとって有利な状態を意味する。具体的には、「特定遊技状態」は、例えば、可変入賞球装置の状態が打球が入賞しやすい遊技者にとって有利な状態(大当り遊技状態)、遊技者にとって有利な状態となるための権利が発生した状態、景品遊技媒体払出の条件が成立しやすくなる状態等の、所定の遊技価値が付与された状態である。
【0236】
また、上述した実施の形態において、「特別遊技状態」とは、大当りとなりやすい遊技者にとって有利な状態を意味する。具体的には、「特別遊技状態」は、例えば、特別図柄が大当り図柄で揃う確率が高確率状態とされる確変状態、単位時間あたりの普通図柄の変動回数が高められる時短状態、可変入賞球装置15の開成期間や開成回数が高められる開放延長状態等の大当りとなる確率が高められている高確率状態である。なお、時短状態は、可変入賞球装置15の開放回数が高められていることから単位時間あたりの入賞回数が増加し、単位時間あたりの特別図柄の可変表示回数が高められるので、大当りとなる確率が高められている状態といえる。また、同様に、開放延長状態は、可変入賞球装置15の開成期間や開成回数が高められていることから単位時間あたりの入賞回数が増加し、単位時間あたりの特別図柄の可変表示回数が高められるので、大当りとなる確率が高められている状態といえる。
【0237】
【発明の効果】
以上のように、請求項1記載の発明では、演出制御手段が、将来、特定表示結果が出現することを示唆するための保留記憶数に基づく信頼性の高い演出を行うことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 パチンコ遊技機を正面から見た正面図である。
【図2】 遊技機を裏面から見た背面図である。
【図3】 遊技制御基板(主基板)の回路構成例を示すブロック図である。
【図4】 演出制御基板の可変表示装置等を制御する部分の回路構成例を示すブロック図である。
【図5】 主基板におけるCPUが実行するメイン処理を示すフローチャートである。
【図6】 2msタイマ割込み処理を示すフローチャートである。
【図7】 各乱数を示す説明図である。
【図8】 左中右図柄の一例を示す説明図である。
【図9】 特別図柄プロセス処理を示すフローチャートである
【図10】 変動パターンの一例を示す説明図である。
【図11】 各リーチの関係の例を示す説明図である。
【図12】 各リーチの選択確率の例を示す説明図である。
【図13】 入賞確認処理を示すフローチャートである。
【図14】 入賞確認処理を示すフローチャートである。
【図15】 大当り判定テーブル及びリーチ判定テーブルの一例を示す説明図である。
【図16】 大当り判定モジュールを示すフローチャートである。
【図17】 リーチ判定モジュールを示すフローチャートである。
【図18】 変動開始時処理を示すフローチャートである。
【図19】 演出制御コマンドの信号線を示す説明図である。
【図20】 コマンド送信テーブル等の一構成例を示す説明図である。
【図21】 制御コマンドのコマンド形態及び制御コマンドを構成する8ビットの制御信号とINT信号との関係を示す説明図である。
【図22】 演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。
【図23】 演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。
【図24】 特別図柄の可変表示に関する演出制御コマンドの送信タイミングを示すタイミング図である。
【図25】 コマンド作成処理の処理例を示すフローチャートである。
【図26】 コマンド送信処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図27】 予告演出の例を示す説明図である。
【図28】 演出制御用CPUが実行するメイン処理を示すフローチャートである。
【図29】 タイマ割込み処理を示すフローチャートである。
【図30】 コマンド受信バッファの構成を示す説明図である。
【図31】 コマンド受信割込み処理を示すフローチャートである。
【図32】 コマンド解析処理を示すフローチャートである。
【図33】 コマンド解析処理を示すフローチャートである。
【図34】 始動入賞記憶数と連続予告の実行回数の関係の一例を示す説明図である。
【図35】 始動入賞記憶数と連続予告の実行回数の関係の一例を示す説明図である。
【図36】 連続予告の判定処理を示すフローチャートである。
【図37】 演出制御プロセス処理を示すフローチャートである。
【図38】 プロセスデータの一構成例を示す説明図である。
【図39】 変動パターンコマンド受信待ち処理を示すフローチャートである。
【図40】 予告選択処理を示すフローチャートである。
【図41】 全図柄変動開始処理を示すフローチャートである。
【図42】 図柄変動中処理を示すフローチャートである。
【図43】 全図柄停止待ち処理を示すフローチャートである。
【図44】 大当り表示処理を示すフローチャートである。
【図45】 大当り遊技中処理を示すフローチャートである。
【図46】 本発明の概要を示す概念図である。
【図47】 変動態様グループの分類状態の例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 パチンコ遊技機
9 可変表示装置
31 主基板
56 CPU
80 演出制御基板
101 演出制御用CPU
Claims (1)
- 複数種類の識別情報を可変表示可能な可変表示装置を有し、識別情報の可変表示の実行条件が成立した後、可変表示の開始条件の成立にもとづいて識別情報の可変表示を開始し、表示結果があらかじめ定められた特定表示結果となったときに遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態とする遊技機であって、
遊技制御プログラムにもとづいて、遊技の進行を制御する遊技制御手段と、
前記遊技制御手段から送信されるコマンドにもとづいて、前記可変表示装置における識別情報の可変表示制御を含む演出制御を行う演出制御手段とを備え、
前記遊技制御手段は、
前記可変表示の実行条件の成立時に、今回成立した可変表示の実行条件にもとづく識別情報の可変表示結果が前記特定表示結果となるか否かを判定する処理と、該特定表示結果となるか否かの判定結果にもとづいて今回成立した可変表示の実行条件にもとづく識別情報の可変表示においてリーチ演出表示を行うこととなるか否かを判定する処理と、前記特定表示結果となるか否かの判定結果および前記リーチ演出表示を行うこととなるか否かの判定結果にもとづいて今回成立した可変表示の実行条件にもとづく識別情報の可変表示態様が前記特定表示結果となる期待度に基づいて分類された複数のカテゴリのうちいずれのカテゴリに属することとなるかを判定する処理とを行う実行条件成立時判定手段と、
該実行条件成立時判定手段による判定時に、今回成立した可変表示の実行条件にもとづく識別情報の可変表示結果が前記特定表示結果となるか否かの判定結果と、今回成立した可変表示の実行条件にもとづく識別情報の可変表示において前記リーチ演出表示を行うこととなるか否かの判定結果と、今回成立した可変表示の実行条件にもとづく識別情報の可変表示態様がいずれのカテゴリに属することとなるかの判定結果とを特定可能な判定結果コマンドを、前記実行条件成立時判定手段による1回の判定に対して1回のみ前記演出制御手段に向けて送信する条件成立時コマンド送信手段と、
前記可変表示の開始条件の成立時に、前記特定表示結果を表示するか否かを決定する処理を行う開始条件成立時決定手段と、
該開始条件成立時決定手段による決定結果を特定可能な決定結果コマンドを、前記開始条件成立時決定手段による1回の決定に対して1回のみ前記演出制御手段に向けて送信する可変表示開始時コマンド送信手段とを含み、
前記遊技制御プログラムにて、
前記開始条件成立時決定手段が前記特定表示結果を表示するか否かを決定するために用いるプログラムモジュールと前記実行条件成立時判定手段が前記特定表示結果となるか否かを判定するために用いるプログラムモジュールとが共通モジュールとして構成され、
前記実行条件が成立したときに送信されるコマンドには、可変表示の実行条件は成立しているが未だ可変表示の開始条件が成立していない数である保留記憶数を特定可能な保留記憶数コマンドと、前記判定結果コマンドとが含まれ、
前記演出制御手段は、
前記特定表示結果となる可能性を予告する予告演出の実行回数を決定するために用いられる予告回数決定用数値データを更新する予告回数決定用数値データ更新手段と、
前記判定結果コマンドで特定される判定結果と、前記保留記憶数コマンドで特定される保留記憶数と、前記予告回数決定用数値データ更新手段によって更新される前記予告回数決定用数値データとにもとづいて、予告演出の実行回数を決定する実行回数決定手段と、
前記判定結果コマンドにもとづいて、前記判定結果コマンドに起因する実行条件の成立による識別情報の可変表示の開始以前の識別情報の可変表示において、前記実行回数決定手段によって決定された実行回数の識別情報の可変表示にわたって、前記予告演出を実行する制御を行う予告演出実行制御手段と、
前記決定結果コマンドにもとづいて、今回成立した可変表示の実行条件にもとづく識別情報の可変表示結果を導出表示する制御を行う可変表示結果導出制御手段とを含む
ことを特徴とする遊技機。
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