JP3736974B2 - 遊技機の制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、遊技に関する制御を所定周期の割り込み毎にリセットする遊技機の制御装置に関し、特に外部からの静電気の影響を受けにくくした改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、遊技に関する制御(遊技制御)を、所定時間周期の割り込み毎に遊技プログラムの初期番地から繰り返す遊技機の制御装置が知られている。例えば弾球遊技機(パチンコ遊技機)においては、遊技制御装置を一定周期の割り込み毎に強制的にリセットすることにより、遊技制御装置の演算処理装置は、例えば遊技に使用される大量の金属製遊技球が帯びた静電気の影響で誤動作した場合でも、複数単位の遊技制御にわたって暴走するには至らないようになっている。
【0003】
ところで、このような遊技制御装置では、電源投入時に、所定の初期化処理(RAMの初期化、演算処理装置(CPU)のレジスタの初期化等の処理)を実行する必要がある。このため、遊技制御装置の演算処理装置は、割り込みが電源投入後最初のものであるか否かを判定し、割り込みが電源投入後最初のものであるときに初期化処理を実行するようにしている。
【0004】
具体的には、演算処理装置内のRAMには所定の検査領域が備えられ、この検査領域に初期化処理においてRAM検査データを格納しておくことにより、検査領域に正しい値のRAM検査データが格納されていれば、割り込みが電源投入後2回目以降のものであると判定して、そのまま遊技制御を行う。一方、検査領域のRAM検査データが正しい値でない場合には、遊技の進行状況にかかわらず初期化処理を行う。
【0005】
この場合、従来の遊技制御装置では、図6のRAM領域メモリマップに示すように、RAMのワークエリアの破壊を検出できるように、RAMの記憶領域のうちワークエリアとなる記憶領域102(0001H番地〜00DF番地)の前後の番地(0000H番地、0000H番地)の記憶領域101、103がそれぞれ第1の検査領域、第2の検査領域として割り当てられ、これらにそれぞれRAM検査第1データ、RAM検査第2データが格納されるようになっていた。すなわち、従来の遊技制御装置では、第1の検査用領域は、RAMの先頭番地の記憶領域101に配置されるようになっていた。なお、RAMの残りの領域104(00番地〜00FF番地)はスタック領域となる。
【0006】
なお、遊技制御装置においては、従来から、図6のように0000H番地〜00FF番地にかけてにRAM領域を配設することが多い。これは、遊技制御装置のCPUとして、0000H番地〜00FF番地へのアクセス命令が、他の番地へのアクセス命令に比較して短いプログラムで記述できるものが採用されていることから、頻繁にアクセスされるRAM領域を、0000H番地〜00FF番地に配設することが、プログラム作成上、効率的であることに基づいている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、RAMの記憶領域が特定の番地に配置されていると、外部からの静電気の作用によって影響を受ける恐れがある。
【0008】
具体例で説明すると、例えば、演算処理装置(CPU)が8ビット仕様で、アドレス空間の0000H番地からFFFFH番地の間をアクセス可能である場合に、RAM領域を0000H番地〜00FFH番地に割り当て、他のアドレス領域には、ROMやI/Oポートなどの他のデバイスを割り当てたとする。なお、RAM、ROM、I/Oポートなどのデバイスは、演算処理装置とアドレスバスで接続されている。
【0009】
このような遊技制御装置を動作させた場合に、アドレスバスに静電気が作用するとアドレスバスの総てのビットが瞬間的にハイレベルとなってしまう現象が生じることがある。そして、この現象をアドレス空間のFFFFH番地(最終番地)およびこれに続く0000H番地(先頭番地)へのアクセス命令と誤認した演算処理装置が、FFFFH番地のアドレス領域と0000H番地のRAM領域へデータを書き込んでしまう恐れがあった。
【0010】
すなわち、RAMの検査領域が、アクセス可能なアドレス空間の先頭番地や最終番地に割り当てられていると、外部からの影響でこれらの領域のデータが書き換えられてしまいやすく、これでは、検査領域のデータが書き換えられるたびに、ゲームの進行状況にかかわらず初期化処理が実行されてしまい、ゲームの進行に支障を来す恐れがあった。
【0011】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、外部からの静電気の影響を受けにくい遊技機の制御装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
第1の発明では、所定の周期で割り込み信号を出力する割り込み信号出力手段と、この割り込み信号の受信毎に新たな単位の遊技制御を実行する演算処理装置と、この演算処理装置とアドレスバスを介して接続されるRAMとを備え、前記演算処理装置は前記割り込み信号の受信毎にRAMの検査領域内のデータを確認しこのデータが所定の値でない場合に初期化処理を実行するとともに、この初期化処理において前記RAMの検査領域に所定の値を書き込む遊技機の制御装置において、前記演算処理装置のアドレス空間におけるRAM領域に、前記アドレスバスの総てのビットが同一の信号レベルとなったときにアクセスされ得る番地が含まれるようにする一方、前記RAMの検査領域は、前記アドレスバスの総てのビットが同一の信号レベルとなったときにアクセスされ得るRAMの番地以外の番地に割り当てられる。
【0013】
第2の発明では、前記アドレスバスの総てのビットが同一の信号レベルとなったときにアクセスされ得るRAMの番地には、前記割り込み信号の受信に関連した周期で更新される周期的更新情報のみが割り当てられ得る。
【0014】
第3の発明では、所定の周期で割り込み信号を出力する割り込み信号出力手段と、この割り込み信号の受信毎に新たな単位の遊技制御を実行する演算処理装置と、この演算処理装置とアドレスバスを介して接続されるRAMとを備え、遊技者に遊技価値を付与可能な遊技に関する制御を行う遊技機の制御装置において、前記演算処理装置のアドレス空間におけるRAM領域に、前記アドレスバスの総てのビットが同一の信号レベルとなったときにアクセスされ得る番地が含まれるようにする一方、前記アドレスバスの総てのビットが同一の信号レベルとなったときにアクセスされ得る番地には、前記遊技価値の付与に関連しないデータのみが割り当てられ得る。
【0015】
【発明の作用および効果】
第1の発明では、アドレスバスの総てのビットが同一の信号レベルとなったときにアクセスされ得る番地はRAM領域に含まれるが、RAMの検査領域は、このアドレスバスの総てのビットが同一の信号レベルとなったときにアクセスされ得る番地以外の番地に割り当てられているので、外部からの静電気の作用によりアドレスバスの総てのビットが瞬間的に同一レベル(ハイレベル)となり、これをアクセス命令と誤認した演算処理装置がRAMに書き込みを行ってしまったとしても、検査領域に書き込みが行われることはない。したがって、検査領域に記憶された所定の値は正しい値のまま保たれ、不必要な初期化処理がなされてゲームの進行に悪影響が与えられてしまうことはない。
【0016】
第2の発明では、アドレスバスの総てのビットが同一の信号レベルとなったときにアクセスされ得るRAMの番地には、周期的更新情報が記憶されるので、外部からの影響で書き換えられてしまったとしても、たかだか更新の途中の値が替わってしまうに過ぎず、遊技の進行に実質的な影響を与えることはない。また、アドレスバスの総てのビットが同一の信号レベルとなったときにアクセスされ得るRAMの番地も、周期的更新情報の記憶領域として有効利用することができる。
【0017】
第3の発明では、アドレスバスの総てのビットが同一の信号レベルとなったときにアクセスされ得る番地はRAM領域に含まれるが、アドレスバスの総てのビットが同一の信号レベルとなったときにアクセスされ得るRAMの番地には、遊技者への遊技価値(例えば賞球、メダル、得点等)の付与に関連しないデータが割り当てられているので、たとえ外部からの静電気の影響でこのRAMの番地のデータが書き換えられてしまったとしても、少なくとも遊技の核心である遊技価値の付与に関連する部分では、遊技の進行に悪影響が発生することはない。また、アドレスバスの総てのビットが同一の信号レベルとなったときにアクセスされ得るRAMの番地も、遊技価値の付与に関連しないデータの記憶領域として有効利用することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて、本発明の実施の形態について説明する。
【0019】
図1は、本実施の形態の弾球遊技機(パチンコ遊技機)の遊技盤1の正面図である。
【0020】
この遊技盤1の表面において、ガイドレール2で囲われた部分が遊技領域3となる。遊技領域3のほぼ中央には、遊技の進行に対応した画像を表示する画像表示装置(特別図柄表示装置)4が備えられる。画像表示装置4の表示画面部分は、例えばLCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等から構成される(本実施形態ではLCDを用いている)。
【0021】
画像表示装置4の下方には、特別変動入賞装置(大入賞口)5が配設される。
【0022】
この特別変動入賞装置5の直ぐ上方には、電動式ゲート(普通変動入賞装置)6を有する始動口7が配設され、始動口7には入賞球を検出する特別図柄始動スイッチ(特別図柄始動センサ)30(図2参照)が設けられる。始動口7への遊技球の入賞タイミングは、入賞記憶として遊技制御装置20(図2参照)に記憶されるとともに、この入賞記憶の数が、画像表示装置4の上部の特別図柄記憶表示器8に表示される。遊技制御装置20は、この入賞記憶に基づき、大当たり発生の抽選を行う。
【0023】
また、この大当たりの抽選のたびに、画像表示装置4の画像表示は、表示制御装置40(図2参照)により制御され可変状態とされる。具体的には、表示画面の複数の領域(例えば3つの領域)のそれぞれに表示された識別情報(特別図柄)が変動(例えばスクロール)させられる。そして、抽選により遊技が大当たり状態となると、変動した各識別情報が所定の組み合わせで停止するとともに、特別変動入賞装置5が、所定期間にわたって、球を受け入れない閉状態(遊技者に不利な状態)から球を受け入れやすい開状態(遊技者に有利な状態)に変換され、遊技者により多くの賞球獲得のチャンスが与えられる。
【0024】
特別変動入賞装置5内には、特別変動入賞装置5への入賞球数をカウントするカウントスイッチ(カウントセンサ)31(図2参照)ならびに特別変動入賞装置5内に設けられた継続入賞口への入賞球を検出する継続スイッチ(継続センサ)32(図2参照)が備えられる。
【0025】
上記の開状態は、このカウントスイッチ31により検出される特別変動入賞装置5への所定数(例えば10個)の入賞または所定時間の経過(例えば30秒)を1単位(1ラウンド)として実行される。そして、各ラウンドにおいて特別変動入賞装置5への所定数の入賞があり、かつ継続スイッチ32により検出される継続入賞口への入賞がある限り、ラウンドは所定の上限値(例えば16ラウンド)まで繰り返されるようになっている。
【0026】
始動口7の基部には、例えば一桁の数字である普通図柄を表示する普通図柄表示器10が配設される。そして、普通図柄始動スイッチ(普通図柄始動センサ)33(図2参照)により検出される、遊技領域に配設された通過口11への遊技球の通過(普通図柄始動記憶)に基づき、普通図柄表示器10における可変表示および遊技制御装置20における普通図柄に関する抽選が行われる。この普通図柄に関する抽選が当たりとなると、普通図柄表示器10が所定の当たり図柄で停止するとともに、始動口7の電動ゲート6が開かれる。なお、通過口11を遊技球が通過したタイミングを示す普通図柄始動記憶は、遊技制御装置20に記憶され、その記憶数は、普通図柄表示器8の回りの普通図柄記憶表示器12に表示されようになっている。
【0027】
遊技領域3には、以上の構成のほかに、一般入賞口13、14、遊技球の転動誘導部材(風車)15、サイドランプ16を初めとする装飾ランプ71(図2参照)等が配設される。このサイドランプ16は異常報知ランプを兼ねており、点滅により不正行為等の異常発生を報知する。なお、遊技領域3に配設される遊技釘の大部分および複数の装飾LED72(図2参照)は、図示から省略されている。
【0028】
遊技機の下部には、図示されない打球発射装置の操作部が配設され、その操作によって遊技球(パチンコ球)が1個ずつ遊技領域へ打ち出される。
【0029】
図2は、弾球遊技機の制御系を示すブロック構成図である。
【0030】
図示されるように、遊技制御装置20は、図示されないアドレスバスによりROM21A、RAM21Bと接続された演算処理装置(CPU)21と、入力インターフェイス22、出力インターフェイス23、発振器24、リセット信号生成回路25等から構成される。
【0031】
なお、演算処理装置21は8ビット仕様のもので、アドレス空間の0000H番地からFFFF番地の間がアクセス可能となっている。そして、0000H番地〜00FF番地のアドレス領域が、RAM21Bの占有領域として割り当てられ、その他のアドレス領域は、ROM21A、入力インターフェース22、出力インターフェース23、使用禁止領域などで占有されている。
【0032】
演算処理装置21には、始動口7の特別図柄始動スイッチ30、特別変動入賞装置5内のカウントスイッチ31および継続スイッチ32、通過口11の普通図柄始動ゲートスイッチ33、セーフセンサ34からの信号が入力される。ここで、セーフセンサ34とは、各入賞装置(特別変動入賞装置5、始動口7、一般入賞口13、14)に入賞した遊技球(入賞球)が、図示されないセーフユニットに集められて来たときに、この入賞球を検出するセンサである。
【0033】
演算処理装置21は、これらの検出信号に基づいて、ROM21Aに格納されたプログラム(遊技プログラム)により、所定のシーケンスを単位として、弾球遊技機における遊技の統括的な制御(遊技制御)を行う。
【0034】
具体的に、演算処理装置21は、大当たりの抽選(上記の入賞記憶に基づいて、始動口7への遊技球の入賞が大当たりのタイミングにおいてなされた否かの判定)、表示制御装置40への指令信号(表示指令情報)の送信による画像表示装置4の表示制御、普通図柄表示器10、特別図柄記憶表示器8、普通図柄記憶表示器12の各表示の制御、特別変動入賞装置5の駆動用ソレノイド(特別変動入賞装置ソレノイド)35および始動口7の電動式ゲート6の駆動用ソレノイド(普通変動入賞装置ソレノイド)36への制御信号の送信による特別変動入賞装置5、電動式ゲート6の開閉制御、装飾ランプ71、装飾LED72の点滅動作の制御、音制御装置50への指令信号(音指令情報)の送信によるスピーカ51からの音声出力の制御、球排出制御装置60への賞球指令情報の送信による球排出装置61からの賞球および貸球の排出の制御を行う。なお、演算処理装置21からの上記各種制御信号は、出力インターフェース23のポートに出力され、通信用フォーマットに変換されてから、各種制御装置に送信される。
【0035】
リセット信号生成回路25は、発振回路24のクロックパルスを分周して一定周期(例えば、2msec)のリセット割込信号を生成し、演算処理装置21のリセット端子に入力する。演算処理装置21は、このリセット割込信号の入力毎に、遊技プログラムを予め定めた所定番地から実行する。前述した遊技制御の1シーケンスの処理は、このリセット割込信号の割込時間(信号周期)内に納まるように構成されている。
【0036】
なお、上述の形態では、演算処理装置21はリセット割り込み信号により遊技プログラムを所定番地から実行するようになっているが、これはリセット割り込みではない割り込み信号を用いても行い得る。また、この割り込み信号は演算処理装置21外部から入力されるものに限らず、演算処理装置21内部で発生させた割り込み信号を用いてもよい。さらに、演算処理装置21内でソフト的に割り込みをかけるように構成してもよい。
【0037】
遊技制御装置20は、遊技店のホールコンピュータ(中央管理装置)80に接続され、大当たりが発生したときの大当たり信号、確率変動状態への移行を示す確率変動信号、画像表示装置4における図柄停止を示す図柄停止信号、異常信号等が、ホールコンピュータ80に送信される。
【0038】
図3には、RAM21Bのメモリマップを示す。
【0039】
図示されるように、本実施の形態のRAM21Bでは、その先頭番地(0000H番地)の記憶領域91は、異常報知ランプ点滅タイマのタイマ値が記憶される領域となる。ここで異常報知ランプ点滅タイマとは、詳しくは図5のフローチャートとともに後述するように、異常報知ランプ16を点滅させるための指令信号(異常報知ランプ出力データ)を生成するために使用されるもので、発光装置出力情報編集処理(図4、図5参照)のたびに+1づつ更新されて行くカウンタである。
【0040】
この記憶領域91に続く番地(0001H番地)の記憶領域92が第1の検査領域となり、ここにRAM検査第1データが格納される。そして、この検査領域92に続く領域93(0002H番地〜00DF番地)がワークエリアとなり、さらに、このワークエリアに続く番地(000H番地)の記憶領域94が第2の検査領域となり、ここにRAM検査第1データが格納される。この第2の検査領域以降の記憶領域95(001H番地〜00FFH番地)はスタック領域となる。
【0041】
このように、本実施の形態では、RAM検査第1、第2データが記憶される検査領域は記憶領域92、94に割り当てられ、いずれもアドレス空間の先頭番地(0000H番地)あるいは最終番地(FFFF番地)、すなわちアドレスバスの総てのビットが同一レベルとなったときにアクセスされ得る番地に設けられることはない。したがって、第1、第2の検査領域のRAM検査第1、第2データは外部からの静電気の影響で書き換えられてしまう恐れが少なく、不必要な初期化処理がなされてゲームの進行に悪影響が与えられてしまうことはない。
【0042】
また、RAM21Bの先頭番地(0000H番地)の記憶領域91には、異常報知ランプ点滅タイマが記憶されるが、図5のフローチャートとともに後述するように、このタイマ値は所定周期で次々と更新され、この更新が異常発生時における異常報知ランプ16の点滅に対応するものに過ぎず、タイマ値自体が遊技の進行(特に遊技者に遊技価値を付与する処理である大当たりの決定に関する処理等)に何らかの影響を与えるものではない。したがって、外部からの静電気の影響で、この先頭番地(0000H番地)の記憶領域91のデータが誤って書き換えられてしまっても、ゲームの進行に対して、不必要な初期化処理を初めとする何らかの悪影響を与える恐れはない。
【0043】
なお、RAM21Bのアドレスバスの総てのビットが同一レベルとなったときにアクセスされ得る番地の記憶領域(本実施の形態では、RAM21Bの先頭番地の記憶領域91)には、異常報知ランプ点滅タイマ以外の、リセット割り込み信号の周期(例えば2ミリ秒)あるいはこの周期と関連した周期(例えばイベントカウンタが一巡する16ミリ秒)ごとに更新される任意の周期的更新情報(例えば特別図柄乱数カウンタ、普通図柄乱数カウンタなど)を割り当てることもできる。すなわち、周期的更新情報は所定の周期で次々と書き換えられて行くものであるので、外部からの影響で書き換えられてしまったとしても、たかだか更新の途中の値が替わってしまうに過ぎず、遊技の進行が中断したり初期化されたりするものではないので、遊技の進行に実質的な影響を与えることはない。
【0044】
また、RAM21Bのアドレスバスの総てのビットが同一レベルとなったときにアクセスされ得る番地の記憶領域には、周期的更新情報以外にも、遊技者への遊技価値(本実施の形態では賞球)の付与に関連するデータ(例えば賞球排出に関連するデータ、特別図柄乱数カウンタ、普通図柄乱数カウンタ、乱数記憶領域、特別図柄ゲーム処理番号、普通図柄ゲーム処理番号等)以外のデータを割り当てるようにしてもよい。これにより、RAM21Bのアドレスバスの総てのビットが同一レベルとなったときにアクセスされ得る番地の記憶領域データが、外部からの影響で書き換えられてしまったとしても、少なくとも遊技の核心である遊技価値の付与(本実施の形態では賞球排出)に関連する部分では、遊技の進行に悪影響が発生することはない。また、RAM21Bのアドレスバスの総てのビットが同一レベルとなったときにアクセスされ得る番地の記憶領域も、遊技制御を行うための領域の一つとして有効利用できるので、RAM21Bの記憶領域を無駄にすることがないとともに、演算処理装置21として、0000H番地〜00FF番地へのアクセス命令が、他の番地へのアクセス命令に比較して短いプログラムで記述できるものを採用した場合には、効率的にプログラム作成を行うことができる。
【0045】
さらに、RAM21Bのアドレスバスの総てのビットが同一レベルとなったときにアクセスされ得る番地の記憶領域は、未使用の領域としてもよい。
【0046】
図4は、遊技制御装置20における遊技制御の処理手順を示すフローチャートである。前述したように、この遊技制御は一定周期(例えば2ミリ秒周期)のリセット割り込み毎に繰り返される。
【0047】
ステップS1では電源投入判定処理が実行され、リセット信号生成回路25からのリセット割り込み信号が電源投入後の最初のものであるか否かが判定される。具体的には、演算処理装置21のRAM21Bの第1と第2の検査用データ領域に所定のRAM検査第1データとRAM検査第2データが格納されているか否かを判定する。そして、このRAM21Bの第1、第2の検査用データ領域の少なくとも一方に所定値が格納されていない場合には、リセット割り込み信号が電源投入後の最初のものであるとして、ステップS2に進み、初期化処理を行う。一方、RAM21Bの第1、第2の検査用データ領域に所定値が格納されていれば、リセット割り込み信号が電源投入後の最初のものではないとして、ステップS3に進む。
【0048】
ステップS2の初期化処理では、RAM21Bの第1、第2の検査用データ領域に所定のRAM検査第1データ、RAM検査第2データを格納する処理や、演算処理装置21のレジスタを初期化する処理が実行され、そのままルーチン終了する。
【0049】
ステップS3では、スイッチ読み込み処理が実行され、各種センサ(特別図柄始動センサ30、カウントセンサ31、継続センサ32、普通図柄始動センサ33、セーフセンサ34)から入力インターフェース22のポートに入力された検出データがチャタリング除去等の処理がなされて演算処理装置21内へ読み込まれる。
【0050】
続くステップS4では、ポート出力処理が実行され、演算処理装置21のバッファ内の各種制御用出力データ(後述するステップS19の各種出力情報合成編集処理で編集されたポート別出力データ)が、出力インターフェース23のポートに出力される。
【0051】
続くステップS5では、スイッチ読み込み情報対応処理が実行される。このスイッチ読み込み情報対応処理では、特別図柄始動センサ30の入賞処理(特別図柄始動センサ30による始動口7への入賞検出に基づいて大当たり抽選のための特別図柄乱数カウンタのカウンタ値を所定の記憶領域に保存する処理)、普通図柄始動センサ33の入賞処理、カウントセンサ31による検出に基づく大入賞口への入賞個数を計数、継続センサ32による検出に基づくラウンド継続を行うかどうかの判断等が実行される。
【0052】
ステップS6では、賞球指令情報編集処理が実行され、球排出制御装置60に送信される賞球指令情報が編集される。
【0053】
ステップS7では第1の各種乱数更新処理が実行され、特別図柄乱数カウンタおよび普通図柄乱数カウンタが+1更新される。
【0054】
ステップS8ではイベントカウンタ更新処理が実行され、演算処理装置21内に備えられたイベントカウンタのカウンタ値を+1更新する。ここで、イべントカウンタとは、その値により後述するステップS9〜ステップS20の時分割処理の処理内容を決定するものであり、例えば0〜7の範囲で循環して更新される8進カウンタからなる。
【0055】
S9〜ステップS20の時分割処理においては、イベントカウンタの値に応じて、ステップS9の特別図柄ゲーム進行制御処理、ステップS10の特別図柄変動制御処理、ステップS11〜ステップS12の普通図柄ゲーム進行制御処理およびメカ装置出力情報編集処理、ステップS13〜ステップS14の普通図柄変動制御処理および発光装置出力情報編集処理、ステップS15〜ステップS16のカウントスイッチ関連異常監視処理および営業用情報編集処理、ステップS17の音指令情報ポート出力処理、ステップS18〜ステップS19の表示指令情報編集処理および各種出力情報合成編集処理、ステップS20の表示指令情報ポート出力処理が、選択的に実行される。
【0056】
ステップS9の特別図柄ゲーム進行制御処理では、特別図柄ゲーム処理番号に基づいて、特別図柄に関するゲーム(大当たりに関するゲーム)の進行を制御する各種処理が実行される。ここで、特別図柄ゲーム処理番号とは、特別図柄に関するゲームの進行状態に応じて切り換えられる番号であり、例えば、特別図柄が変動しているゲーム状態には処理番号1が、特別図柄の変動が停止してから大当たりの判定(大当たりフラグが立っているか否かの判定)までのゲーム状態には処理番号2が、大当たり状態(変動入賞装置5開放の各ラウンドおよびそのインターバル期間)には処理番号3が、その他のゲーム状態には処理番号0が、それぞれ割り当てられている。
【0057】
ステップS10の特別図柄変動制御処理では、特別図柄の更新処理(具体的には、画像表示装置4に表示されている各図柄に対応するポインタである特別図柄図柄現在表示図柄ポインタの更新処理)が実行される。なお、この特別図柄の更新処理の態様は、特別図柄ゲーム処理番号に応じて変更される。
【0058】
ステップS11の普通図柄ゲーム進行制御処理では、普通図柄に関するゲームの進行状態を表す普通図柄ゲーム処理番号に基づいて、普通図柄に関するゲームの進行が制御される。続くステップS12のメカ装置出力情報編集処理では、特別変動入賞装置ソレノイド35、普通変動入賞装置ソレノイド36を制御するためのメカ装置出力データの編集がなされる。
【0059】
ステップS13の普通図柄変動制御処理では、普通図柄の更新処理(普通図柄現在表示図柄ポインタの更新処理)が実行される。この普通図柄の更新処理の態様は、普通図柄ゲーム処理番号に応じて変更される。続くステップS14の発光装置出力情報編集処理では、装飾ランプ71の点滅動作を制御するための装飾ランプ出力データの更新処理、装飾LED72の点滅動作を制御するための装飾LED出力データの更新処理、異常報知ランプ16の異常報知動作を制御するための異常報知ランプ出力データの更新処理、普通図柄表示器10への表示を制御するための普通図柄出力データの設定処理がそれぞれ実行される。なお、この発光装置出力情報編集処理の詳しい内容は、図5のフローチャートとともに後述する。
【0060】
ステップS15のカウントスイッチ関連異常監視処理では、カウントスイッチ31に関連する不正行為等の異常発生の監視処理がなされる。続くステップS16の営業用情報編集処理では、ホールコンピュータ80に送信される営業用情報出力データの編集がなされる。
【0061】
ステップS17の音指令情報ポート出力処理では、特別図柄ゲーム処理番号に応じて音制御装置50への音指令情報が選択され、出力インターフェース23のポートに出力される。
【0062】
ステップS18の表示指令情報編集処理では、表示制御装置40に出力される表示指令情報を編集する。続くステップS19の各種出力情報合成編集処理では、演算処理装置21内の営業用情報出力データ格納バッファ、装飾ランプ出力データ格納バッファ、装飾LED出力データ格納バッファ、異常報知ランプ出力データ格納バッファ、普通図柄出力データ格納バッファ、メカ装置出力データ格納バッファに記憶されている各種出力データを合成編集して、ポート別出力データ格納バッファの各ビットに割り振る処理が実行される。具体的には、ゲームが正常状態の場合には、営業用情報出力データ、装飾ランプ出力データ、装飾LED出力データ、普通図柄出力データ、メカ装置出力データが合成編集されてポート別出力データ格納バッファに格納される出力データが生成される。一方、ゲームに不正等の異常状態が発生した場合には、営業用情報出力データと異常報知ランプ出力データが合成編集されてポート別出力データ格納バッファに格納される出力データが生成される。ポート別出力データ格納バッファに記憶された出力データは、前述したように、ステップS4の出力処理において出力インターフェース23のポートに出力される。
【0063】
ステップS20の表示指令情報ポート出力処理では、ステップS18の表示指令情報編集処理で編集されて演算処理装置21の表示指令情報格納バッファに記憶されている表示指令情報を、出力インターフェース23のポートに出力する。
【0064】
ステップS21の第2の各種乱数更新処理はS9〜ステップS20の時分割処理に引き続いて実行される処理であり、次回のリセット割り込み信号までの残余時間にわたって、この第2の各種乱数更新処理(例えば演出関連乱数の更新処理)が繰り返される。
【0065】
図5は、発光装置出力情報編集処理(図4のフローチャートのステップS14の処理)の処理手順を示すフローチャートである。
【0066】
ステップS31では、異常報知ランプ点滅タイマ(図3参照)を+1更新する。
【0067】
続くステップS32では、異常報知ランプ点滅タイマのビット0=0であるか否かの判定がなされる。
【0068】
このステップS32の判定でビット0=0であると判定されたときには、ステップS33において異常報知ランプ出力バッファにONデータ(異常報知ランプ16の点灯を指示するデータ)を設定してステップS35に進む。一方、ステップS32の判定でビット0=0でない(ビット0=1)と判定されたときには、ステップS34において異常報知ランプ出力バッファにOFFデータ(異常報知ランプ16の消灯と指示するデータ)を設定してステップS35に進む。
【0069】
このように、異常報知ランプ16への出力データは、所定の周期(例えば2×8=16ミリ秒周期)で発光装置出力情報編集処理が繰り返されるたびに、ステップS31で異常報知ランプ点滅タイマが+1づつ更新されるにしたがって、点灯と消灯を指示するデータに交互に変換され、異常時にこの出力データが異常報知ランプ16に出力されると、異常報知ランプ16はこれにしたがって点滅動作を行うようになっている。したがって、異常報知ランプ点滅タイマのタイマ値は、たとえ外部からの静電気の影響で書き換えられてしまったとしても、たかだか異常時における異常報知ランプ16の点滅の点灯と消灯のタイミングが入れ替わるだけで、遊技の進行に対しても、また異常状態の報知に対しても、実質的に何の影響もない。
【0070】
ステップS35では装飾ランプ出力バッファの設定処理が、続くステップS36では装飾LED出力バッファの設定処理がそれぞれ実行され、ルーチン終了する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の弾球遊技機の遊技盤を示す正面図である。
【図2】同じく制御系を示すブロック構成図である。
【図3】同じく遊技制御装置内のRAMのメモリマップである。
【図4】同じく遊技制御装置による遊技制御の処理手順を示すフローチャートである。
【図5】同じく発光装置出力情報編集処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図6】従来の弾球遊技機の遊技制御装置内のRAMのメモリマップである。
【符号の説明】
16 異常報知ランプ
20 遊技制御装置
21 演算処理装置
21B RAM
24 発振器
25 リセット信号生成回路
91 先頭番地の記憶領域
92 第1の検査領域が割り当てられる記憶領域
93 ワークエリアが割り当てられる記憶領域
94 第2の検査領域が割り当てられる記憶領域
95 スタック領域が割り当てられる記憶領域

Claims (3)

  1. 所定の周期で割り込み信号を出力する割り込み信号出力手段と、
    この割り込み信号の受信毎に新たな単位の遊技制御を実行する演算処理装置と、
    この演算処理装置とアドレスバスを介して接続されるRAMとを備え、
    前記演算処理装置は前記割り込み信号の受信毎にRAMの検査領域内のデータを確認しこのデータが所定の値でない場合に初期化処理を実行するとともに、この初期化処理において前記RAMの検査領域に所定の値を書き込む遊技機の制御装置において、
    前記演算処理装置のアドレス空間におけるRAM領域に、前記アドレスバスの総てのビットが同一の信号レベルとなったときにアクセスされ得る番地が含まれるようにする一方、
    前記RAMの検査領域は、前記アドレスバスの総てのビットが同一の信号レベルとなったときにアクセスされ得る番地以外の番地に割り当てられることを特徴とする遊技機の制御装置。
  2. 前記アドレスバスの総てのビットが同一の信号レベルとなったときにアクセスされ得るRAMの番地には、前記割り込み信号の受信に関連した周期で更新される周期的更新情報のみが割り当てられ得ることを特徴とする請求項1に記載の遊技機の制御装置。
  3. 所定の周期で割り込み信号を出力する割り込み信号出力手段と、
    この割り込み信号の受信毎に新たな単位の遊技制御を実行する演算処理装置と、
    この演算処理装置とアドレスバスを介して接続されるRAMとを備え、
    遊技者に遊技価値を付与可能な遊技に関する制御を行う遊技機の制御装置において、
    前記演算処理装置のアドレス空間におけるRAM領域に、前記アドレスバスの総てのビットが同一の信号レベルとなったときにアクセスされ得る番地が含まれるようにする一方、
    このアドレスバスの総てのビットが同一の信号レベルとなったときにアクセスされ得る番地には、前記遊技価値の付与に関連しないデータのみが割り当てられ得ることを特徴とする遊技機の制御装置。
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