以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、コイン遊技機等のその他の遊技機であってもよく、始動領域を遊技媒体が通過したことに基づく変動表示の実行条件が成立した後、変動表示の開始を許容する開始条件の成立に基づいて、識別情報の変動表示を実行し表示結果を導出表示する変動表示部を備え、該変動表示部に導出表示された表示結果が予め定められた特定表示結果となったときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御し、予め定められた特別状態発生条件が成立したことに基づいて通常状態としての低確率状態よりも変動表示の表示結果が前記特定表示結果となる確率が向上した高確率状態に制御する遊技機であれば、どのような遊技機であってもよい。
〔第1実施形態〕
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、遊技媒体としての遊技球を遊技領域7に打込んで所定の遊技が行なわれる遊技機である。縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠(図示せず)とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取付けられる機構板(図示せず)と、それらに取付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、遊技領域7の下部左側に設けられた第1特別図柄表示器8a(第1変動表示部)での第1特別図柄、および、遊技領域7の下部右側に設けられた第2特別図柄表示器8b(第2変動表示部)での第2特別図柄のそれぞれの変動表示に同期した演出図柄の変動表示を行なう演出図柄表示領域がある。演出表示装置9は、各々が識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄の変動表示を行なう変動表示部としての変動表示装置に相当する。演出図柄表示領域には、たとえば「左」,「中」,「右」の3つの装飾用(演出用)の識別情報を変動表示する表示領域としての図柄表示エリアがある。図柄表示エリアには「左」,「中」,「右」の各図柄表示エリア9L,9C,9Rがあるが、これら図柄表示エリアの位置は、演出表示装置9の表示画面において固定的でなくてもよい。また、図柄表示エリア9L,9C,9Rの3つの領域は、隣接していてもよく、離れていてもよい。
第1特別図柄表示器8aで変動表示される第1特別図柄、および、第2特別図柄表示器8bで変動表示される第2特別図柄のそれぞれは、各々が識別可能な複数種類の識別情報である。この実施の形態において、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。このような小型の表示器は、たとえば方形状に形成されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれにおける変動表示は、主基板に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出表示装置9での演出図柄等の画像表示は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。これらマイクロコンピュータにより、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置で演出表示を実行させる制御が行なわれる。これにより、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
なお、本実施の形態において、演出表示装置9は、液晶表示装置を用いた例について説明するが、これに限らず、CRT、プラズマ表示やエレクトロルミネセンスあるいはドットマトリックス表示を利用したもの等、その他の画像表示式のものであってもよい。
また、本実施の形態において、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、7セグメントLEDを用いた例について説明するが、これに限らず、液晶表示装置、CRT、プラズマ表示やエレクトロルミネセンスあるいはドットマトリックス表示を利用したもの等、画像表示式のものであってもよい。また、特別図柄表示器8は、回転ドラム式の表示装置等、機械式のものであってもよい。
また、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(たとえば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、たとえば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を変動表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(変動表示部)と総称することがある。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞(通過)可能な第2始動入賞口(第2始動口)14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞しやすい、遊技球が通過しやすい)、遊技者にとって有利な状態(第1状態)になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態は、遊技者にとって不利な状態(第2状態)であり、遊技球が第2始動入賞口14に入賞しない(遊技球が通過しない)。したがって、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。第1始動入賞口13は通称「ヘソ」と呼ばれ、第1始動入賞口13への入賞は「ヘソ入賞」と呼ばれる。また、可変入賞球装置15は通称「電チュー」と呼ばれ、可変入賞球装置15の第2始動入賞口14への入賞は「電チュー入賞」と呼ばれる。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい、遊技球が通過しにくい))ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには、可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。具体的には、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行なう可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行なう可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件(遊技球が第1始動入賞口13に入賞したこと)または第2始動条件(遊技球が第2始動入賞口14に入賞したこと)が成立した後、変動表示の開始条件(たとえば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、予め定められた変動表示時間が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。以下の説明においては、第1始動入賞口13に入賞したことを第1始動入賞と呼ぶ場合があり、第2始動入賞口14に入賞したことを第2始動入賞と呼ぶ場合がある。始動条件は成立しているが開始条件が成立していない変動表示に関するデータは、開始条件が成立するまで保留記憶データとして保留して記憶される。具体的に、保留記憶データは、後述する遊技制御用マイクロコンピュータ560のRAM55の所定領域に記憶される。
入賞とは、入賞口等の予め入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことであり、当該領域を遊技球が通過したことを含む概念である。始動条件(第1始動条件,第2始動条件)は、少なくとも、遊技球が始動領域(第1始動入賞口13,第2始動入賞口14)を遊技球が通過したことに基づいて成立するものであればよい。つまり、始動条件は、第1始動入賞口13,第2始動入賞口14の構成のような通過した遊技球が始動領域内部に取込まれる構成における遊技球の当該通過に基づいて成立するものであってもよく、通過ゲートのような通過した遊技球が内部に取込まれずに遊技領域7を流下する構成における遊技球の当該通過に基づいて成立するものであってもよい。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を停止表示させることである(いわゆる再変動の前の停止を除く。)。また、この実施の形態では、第1始動入賞口13への入賞と第2始動入賞口14への入賞とのうち第2始動入賞口14への入賞を優先させ、変動表示の開始条件を成立させる。つまり、第2始動入賞の保留記憶データがあるときには、第1始動入賞の変動表示の開始条件よりも第2始動入賞の変動表示の開始条件が優先して成立させられる。たとえば第2始動入賞口14への入賞を優先させる場合には、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態であれば、第1保留記憶数が0でない場合でも、第2保留記憶数が0になるまで、第2特別図柄の変動表示を続けて実行する。なお、第1始動入賞口13への入賞を優先させ、変動表示の開始条件を成立させるようにしてもよい。また、第1始動入賞口13への入賞および第2始動入賞口14への入賞に関わりなく、始動入賞が生じた順に変動表示の開始条件を成立させるようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aの近傍には、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての第1飾り図柄の変動表示を行なう第1飾り図柄表示器9aが設けられている。この実施の形態では、第1飾り図柄表示器9aは、2つのLEDで構成されている。第1飾り図柄表示器9aは、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。また、第2特別図柄表示器8bの近傍には、第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての第2飾り図柄の変動表示を行なう第2飾り図柄表示器9bが設けられている。第2飾り図柄表示器9bは、2つのLEDで構成されている。第2飾り図柄表示器9bは、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。
なお、第1飾り図柄と第2飾り図柄とを、飾り図柄と総称することがある。また、第1飾り図柄表示器9aと第2飾り図柄表示器9bとを、飾り図柄表示器と総称することがある。
飾り図柄の変動(変動表示)は、2つのLEDが交互に点灯する状態を継続することによって実現される。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、第1飾り図柄表示器9aにおける第1飾り図柄の変動表示とは同期している。第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、第2飾り図柄表示器9bにおける第2飾り図柄の変動表示とは同期している。同期とは、変動表示の開始時点および終了時点が同じであって、変動表示の期間が同じであることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第1飾り図柄表示器9aにおいて大当りを想起させる側のLEDが点灯されたままになる。第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第2飾り図柄表示器9bにおいて大当りを想起させる側のLEDが点灯されたままになる。なお、第1飾り図柄表示器9aおよび第2飾り図柄表示器9bの機能を、演出表示装置9で実現するようにしてもよい。すなわち、第1飾り図柄および第2飾り図柄が、演出表示装置9の表示画面において画像として変動表示されるように制御してもよい。
第1飾り図柄表示器9aの側方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
第2飾り図柄表示器9bの側方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(以下、合算保留記憶表示部18cという。)が設けられている。合計数を表示する合算保留記憶表示部18cが設けられているので、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。なお、合算保留記憶表示部18cが設けられているので、第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2特別図柄保留記憶表示器18bは、設けられていなくてもよい。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の変動表示を行なう。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、それに対応した演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期して行なわれる。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、それに対応した演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期して行なわれる。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときとには、演出表示装置9において大当りを想起させるような特定表示結果としての演出図柄の組合せが停止表示される。演出表示装置9において、特定表示結果としての演出図柄の組合せとしては、たとえば左,中,右の図柄表示エリア9L,9C,9Rで7,7,7という同じ図柄の組合せ(ゾロ目)が停止表示される。
また、演出表示装置9の周囲の飾り部において、上側には、回転動作をする星形状の可動部材84が設けられている。可動部材84は、演出表示装置9の周囲の飾り部というような遊技者に視認可能な位置に設けられ、所定の演出に応じて動作する部材である。より具体的に、可動部材84は、モータ88の回転軸に取付けられ、モータ88が回転することにしたがって駆動され、回転動作をする。可動部材84は、予め定められた動作条件が成立したときに動作させられる。
演出表示装置9の周囲の飾り部において、右側には、上演出LED85a、中演出LED85bおよび下演出LED85cが設けられている。上演出LED85a、中演出LED85bおよび下演出LED85cは、特定演出としての擬似連の演出(1回の変動期間中におけるそれぞれの再変動期間(初回変動の期間も含む。)において関連する表示演出が実行されるような演出)が実行されるときに点滅する。ここで、擬似連とは、本来は1つの保留記憶に対応する1回の変動であるものの複数の保留記憶に対応する複数回の変動が連続して行なわれているように見せる演出表示である擬似連続変動を示す略語である。
また、擬似連とは、1の始動入賞に対して、あたかも複数回の図柄の変動表示(可変表示)が実行されたかのように見せるために、1の始動入賞に対して決定された変動時間内にて、全部の図柄列(左,中,右)について仮停止と、再変動とを所定回数実行する特殊な変動パターン(変動表示パターンともいう)のことを指す。たとえば、再変動の繰返し実行回数(初回変動およびその後の再変動を含む合計の変動回数であり、擬似連変動回数ともいう)が多い程、大当りとなる信頼度(大当りとなるときとはずれとなるときとを含むすべての選択割合に対して大当りとなるときに選択される割合の度合い、大当りとなる割合の程度、すなわち、大当りとなる信頼性の度合い)が高くなる。より具体的には、大当りと決定されたときに選択される割合が高くなる。擬似連の変動パターンにおいては、演出表示装置9において仮停止される図柄の組合せが、仮停止図柄の組合せと呼ばれる。仮停止図柄の組合せは、大当り図柄の組合せ以外の図柄の組合せよりなる複数種類のチャンス目(以下、擬似連チャンス目という)のうちからいずれかの擬似連チャンスに決定される。また、擬似連変動を実行した場合には、必ず最終的にリーチ状態として何らかのリーチ演出を実行するようにしてもよい。
ここで、リーチ状態は、演出表示装置9の表示領域において停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄の変動が継続している表示状態、または、全部もしくは一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。言い換えると、リーチとは、複数の変動表示領域において識別情報が特定表示結果を構成しているが少なくとも一部の変動表示領域が変動表示中である状態をいう。この実施形態において、リーチ状態は、たとえば、左,中,右の図柄表示エリア9L,9C,9Rで、左→中→右の図柄の順序で演出図柄が停止する場合には、左,中の図柄表示エリア9L,9Cで同じ図柄が停止し、右の図柄表示エリア9Rで図柄が停止していない状態で形成される。リーチ状態が形成されるときの左,中の図柄表示エリア9L,9Cで停止された図柄は、リーチ形成図柄、または、リーチ図柄と呼ばれる。
そして、リーチ状態における表示演出が、リーチ演出表示(リーチ演出)である。また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(演出図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、演出表示装置9の背景画像の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチに比べて、大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別(特定)のリーチをスーパーリーチという。さらに、擬似連変動を実行した場合は、再変動の繰返し実行回数(擬似連変動回数)によって演出の発生割合が変化するものでもよい。たとえば、再変動の実行回数が2回まで行くと「リーチ確定」、再変動の実行回数が3回まで行くと「スーパーリーチ確定」、再変動の実行回数が4回まで行くと「大当り確定」となるようなものでもよい。
擬似連において仮停止する図柄としては、たとえば、「1」「3」「5」の奇数目、「3」「4」「5」の並び目のようにゾロ目ではないが特徴のある出目よりなる仮停止図柄が選択される。このような仮停止図柄を表示することにより、遊技者に擬似連をアピールすることができ、仮停止する際、および、または、再変動する際に擬似連をアピールすることができる。
また、演出表示装置9の周囲の飾り部において、左側には、モータ86の回転軸に取付けられ、モータ86が回転すると移動する可動部材78が設けられている。可動部材78は、擬似連の演出が実行されるときに動作する。なお、上演出LED85a、中演出LED85bおよび下演出LED85cの近傍には、各LEDの取付部分を振動させる振動モータ(図示せず)が設けられている。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、ソレノイド21によって開閉される開閉板を用いた特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は、開閉板によって開閉される大入賞口が設けられている。特別可変入賞球装置20の左側に第1特別図柄表示器8aが設けられており、特別可変入賞球装置20の右側に第2特別図柄表示器8bが設けられている。特別可変入賞球装置20は、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときとにそれぞれ生起する特定遊技状態としての大当り遊技状態において、開閉板が遊技者にとって有利な開状態(第1の状態)に制御され、大当り遊技状態以外の状態において開閉板が遊技者にとって不利な閉状態(第2の状態)に制御される。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。特別可変入賞球装置20は、遊技者にとって不利な第2の状態(閉状態)として、入賞はしにくいものの、入賞することが可能である状態であってもよい。
遊技領域6には、遊技球の入賞に基づいて予め決められている所定数の景品遊技球(賞球)の払出を行なうための入賞口(普通入賞口)29,30,33,39も設けられている。入賞口29,30,33,39に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aで検出される。
遊技盤6の右側方には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(たとえば、「○」および「×」)を変動表示する。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10での変動表示が開始される。この実施の形態では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって変動表示が行なわれ、たとえば、変動表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率(大当り確率)が高い状態である確変状態(高確率状態ともいう)では、所定期間に亘り、特別図柄の変動時間が短縮され、それに加えて、普通図柄の変動表示時間(変動開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御(普通図柄短縮制御)、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率を高める制御(普通図柄確変制御)、可変入賞球装置15の開放時間を長くする制御(開放時間延長制御)、および、可変入賞球装置15の開放回数を増加させる制御(開放回数増加制御)が行なわれる時短状態に制御される場合(後述する確変大当り、第2突確大当り)と、そのような時短状態に制御されない場合(後述する第1突確大当り)とがある。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED25が設けられている。遊技盤6の遊技領域7の下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26が設けられている。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
打球供給皿3の上面における手前側の中央位置といった、パチンコ遊技機1の遊技機用枠における所定位置には、押下操作等により遊技者が操作可能な操作ボタン130が設置されている。なお、操作ボタン130は、押下操作が可能なものに限定されず、たとえば回転型セレクタのような回転操作が可能なものであってもよいし、タッチパネルのように接触操作や押圧操作が可能なものであってもよいし、レバー型スイッチのような傾動操作が可能なものであってもよい。また、操作ボタン130に代えて、たとえば赤外線センサやCCDセンサ、CMOSセンサのように、遊技者による所定の操作行為を検出できるセンサを用いてもよい。すなわち、操作ボタン130は、遊技者による所定の操作行為を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるものであればよい。
パチンコ遊技機1には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第1特別図柄の変動表示を開始させるための第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、第1飾り図柄表示器9aにおいて第1飾り図柄の変動表示が開始され、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄、第1飾り図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第2特別図柄の変動表示を開始させるための第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、第2飾り図柄表示器9bにおいて第2飾り図柄の変動表示が開始され、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄、第2飾り図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおける特別図柄の変動表示は、変動表示が行なわれるごとに設定された変動表示時間が経過したときに停止する。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bでの特別図柄の表示結果(停止図柄)が、特定表示結果としての大当り図柄(大当り表示結果ともいう)であると、大当りとなる。大当りとなったときには、パチンコ遊技機1の遊技状態が、通常遊技状態から、遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行する。大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が開放状態と閉鎖状態とを繰返す繰返し継続制御が行なわれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置20が開放されている状態が、ラウンドと呼ばれる。
具体的に、大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となるラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。本実施の形態の場合、繰返し継続制御における特別可変入賞球装置20の開放状態は、開放回数の上限値が、すべての種類の大当りで同じであり、たとえば、9ラウンドのような所定回数に設定される。
この実施の形態の場合、どの大当りでも、大当りとなったときの繰返し継続制御における開放回数は同じである。具体的に、各大当りは、最終ラウンドが第9ラウンドであり、第9ラウンドとなるまで継続権が成立する9ラウンド大当り(以下、9R大当りという場合がある)である。そして、大当りは、次のように類別されている。
9R大当りは、各ラウンドにおける開放状態の時間(開放時間)の最大値が、所定の長期間(29秒間)に設定された9R長期大当りと、当該所定の長期間よりも短い期間(0.5秒間)に設定された9R短期大当りとの複数種類の大当り種別に分けられる。
9R長期大当りの場合は、最終ラウンドを除き、特別可変入賞球装置20が開放状態となってから、29秒間経過するまで、または、10個(所定個数)の遊技球が入賞するまでという2つの条件のうちいずれかが成立したときに、開放状態の終了条件が成立して特別可変入賞球装置20が閉鎖状態となるとともに、継続権が成立する。これにより、9R長期大当りにおいては、特別可変入賞球装置20を開放する制御の制御として、必ず第9ラウンドまで進ませる制御が行なわれる。
9R短期大当りの場合は、最終ラウンドを除き、特別可変入賞球装置20が開放状態となってから、0.5秒間経過するまで、または、10個(所定個数)の遊技球が入賞するまでという2つの条件のうちいずれかが成立したときに、開放状態の終了条件が成立して特別可変入賞球装置20が閉鎖状態となるとともに、継続権が成立する。これにより、9R短期大当りにおいては、特別可変入賞球装置20を開放する制御の制御として、必ず第9ラウンドまで進ませる制御が行なわれる。
なお、継続権の発生により継続する特別可変入賞球装置20の開放状態は、開放回数の上限値が、たとえば確変大当りと突確大当りとで異なる等、大当りの種類により異なり、たとえば15ラウンドまたは2ラウンドのような所定回数に設定されるようにしてもよい。
また、9R長期大当りは、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御されない通常大当りと、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御される確変大当りとの複数種類の大当り種別に分けられる。
また、9R短期大当りは、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御される突然確変大当り(以下、突確大当りという略称で示す)と呼ばれる。9R短期大当りの大当り遊技状態では、特別可変入賞球装置20の大入賞口は9回開放状態になるが、開放時間がたとえば0.5秒というように極めて短い。そして、9R短期大当りの大当り遊技状態の終了後には、確変状態に制御される。よって、遊技者は、9R短期大当りについて、開放時間が長期間(29秒間)に設定された9R長期大当りの場合と比べて、大当りが発生したことを感じずに、あたかも、突然に遊技状態が確変状態(突然確変状態)になったかのように感じる。したがって、このような短期大当りは、突然確変大当りと呼ばれ、さらに、突確大当りという略称で呼ばれる。
大当りにすることに決定されている場合には、特定の表示結果として、特別図柄(たとえば、「1」,「3」,「5」または、「7」というような大当り図柄)が停止表示される。そのときには、演出表示装置9において、特定の演出図柄の組合せ(「左」,「中」,「右」の演出図柄として、後述する突確大当りを除く大当りの種別については、たとえば、「7,7,7」というようなゾロ目となる大当り図柄の組合せ、また、突確大当りの種別については、たとえば、「1,2,3」というようなチャンス目となる突確大当り図柄の組合せ)が停止表示される。また、小当りとすることに決定されている場合には、所定の特別図柄(たとえば、「2」というような小当り図柄)が停止表示される。そのときには、演出表示装置9において、突確大当り図柄の組合せと同じ図柄の組合せが停止表示される。また、はずれにすることに決定されている場合には、大当り図柄以外の特別図柄(たとえば、「−」というはずれ図柄)が停止表示される。そのときには、演出表示装置9において、大当りの演出図柄の組合せおよび小当りの演出図柄の組合せ以外の演出図柄の組合せが停止表示される。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bでの変動表示の停止時における第1特別図柄または第2特別図柄の表示結果が、大当り図柄のうち予め定められた特別な大当り図柄としての確変図柄(たとえば、「7」)である場合には、大当り遊技状態に制御されることに加え、大当り遊技状態終了後に、遊技者にとって有利な特別遊技状態として、大当り遊技状態後に大当りになる確率が、大当り遊技状態と異なる通常状態である通常遊技状態(後述する低確低ベース状態)よりも高くなる確率変動状態(以下、確変状態と呼ぶ)という遊技者にとって有利な状態になる。9R長期大当りのうち、大当り遊技状態の終了後に確変状態となるものは、確変大当りと呼ばれる。以下、確変状態は、高確率状態(高確状態と略称で呼ぶ場合もある)ともいう。また、非確変状態(確変状態以外の状態)は、低確率状態(低確状態と略称で呼ぶ場合もある)ともいう。確変状態は、たとえば、次に変動表示結果として大当り図柄が導出表示されるまで継続する。また、大当り遊技状態に制御されたり、確変状態に制御されたりするような遊技者にとって有利な状態にされることは、遊技価値を付与するとも呼ばれる。遊技価値とは、たとえば、遊技機の遊技領域に設けられた可変入賞球装置の状態が打球が入賞しやすい遊技者にとって有利な状態になることや、所定の入賞が発生しやすい遊技者にとって有利な状態になることや、遊技者にとって有利な状態になるための権利を発生させたりすることや、遊技者にとって有利な大当り遊技状態になるための確率を向上させたりする(確変状態にする)ことや、遊技媒体の払出の条件が成立しやすくなる状態になることである。
なお、特別遊技状態は、次のような遊技状態であってもよい。a第1,第2特別図柄の変動時間短縮制御(変動開始から表示結果の導出表示までの時間が変動時間短縮制御状態以外の通常状態での当該時間よりも短縮される制御)が行なわれる状態、b普通図柄の変動時間短縮制御が行なわれる状態、c普通図柄の当りの発生確率を向上させる制御が行なわれる状態、d普通図柄が当りとなったときに可変入賞球装置15が開放される回数を増加させる開放回数増加制御が行なわれる状態、e可変入賞球装置15の1回の開放時間を延長させる開放時間延長制御。特別遊技状態としては、確変状態および前記a〜前記eのうちのいずれかの単独制御、または、確変状態および前記a〜eのうちから2つ〜5つの状態が適宜組合わされた制御でもよい。つまり、前述したような制御を実行する対象となる特別遊技状態としては、図26のS347で大当りの種別が確変大当りまたは突確大当りに決定されたときというような、予め定められた特別遊技状態発生条件が成立したときに、特定遊技状態に加えて遊技者に有利な特別状態を付与する特別遊技状態であれば、どのような特別遊技状態であってもよい。
9R長期大当りのうち、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bでの変動表示の停止時における第1特別図柄または第2特別図柄の表示結果が、大当り図柄のうち予め定められた通常図柄(たとえば、「5」)である場合には、大当り遊技状態後に大当りになる確率が、確変状態とならない。このような9R長期大当りの大当り遊技状態の終了後に確変状態とならないものは、通常大当りと呼ばれる。以下の説明においては、大当りの種類を特定せずに単に「大当り」と示すときは、これら複数種類の大当りを代表して示す場合である。
9R長期大当りについては、通常大当りと確変大当りとを問わず、大当り遊技状態が終了した後、遊技状態が時短状態に制御される。そのようにすれば、第1特別図柄または第2特特別図柄の変動表示時間が短縮されるので、保留記憶数が早期に消化され、第1保留記憶数および第2保留記憶数のそれぞれの上限(たとえば「4」)を超えて発生した始動入賞が無効になってしまう状態を減少でき、短期間に頻繁に表示結果を導出表示して早期に大当り表示結果を導出表示しやすくなるので、時間効率的な観点で変動表示の表示結果が大当り図柄の表示結果となりやすくなり、遊技者にとって有利な遊技状態となる。
9R長期大当りの大当り遊技状態終了後の時短状態においては、普通図柄に関する特別遊技状態として、普通図柄の変動表示時間(変動開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御(普通図柄短縮制御)、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率を高める制御(普通図柄確変制御)、可変入賞球装置15の開放時間を長くする制御(開放時間延長制御)、および、可変入賞球装置15の開放回数を増加させる制御(開放回数増加制御)が行なわれる。このような時短状態は、たとえば、所定回数(たとえば、100回)の特別図柄の変動表示が実行されること、および、変動表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに終了する。なお、大当り状態が終了した後に、時短状態にせずに通常状態になるようにしてもよい。なお、普通図柄に関する特別遊技状態としては、普通図柄短縮制御、普通図柄確変制御、開放時間延長制御、および、開放回数増加制御のうちいずれか1つ、または、いずれか複数を組合せた制御を行なうようにしてもよい。
このような普通図柄に関する特別遊技状態となる時短状態においては、非時短状態と比べて、普通図柄の変動表示時間が短縮され、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、当り時における可変入賞球装置15の開放時間が長くされ、当り時における可変入賞球装置15の1度の開放回数が多くされることに基づいて、通常遊技状態と比べて可変入賞球装置15が開放状態となりやすい。したがって、時短状態では、第2始動入賞口14への入賞(始動入賞が有効である場合と無効である場合との両方を含む)が生じやすくなるため、遊技領域7へ打込んだ遊技球数(打込球数)に対して、入賞に応じた賞球として払出される遊技球数(払出球数)の割合が、通常遊技状態と比べて多くなる。一般的に、発射球数に対する入賞による払出球数の割合は、「ベース」と呼ばれる。たとえば、100球の打込球数に対して40球の払出球数があったときには、ベースは40(%)となる。この実施の形態の場合では、たとえば通常遊技状態のような非時短状態よりもベースが高い時短状態を高ベース状態と呼び、逆に、そのような高ベース状態と比べてベースが低い通常遊技状態のような非時短状態を低ベース状態と呼ぶ。また、高ベース状態は、可変入賞球装置15が開状態になる頻度が高い高頻度状態であり、低ベース状態は、高ベース状態よりも可変入賞球装置15が開状態になる頻度が低い低頻度状態であるといえる。
なお、9R長期大当りの大当り遊技状態終了後においては、特別図柄の時短制御を行なわず、普通図柄短縮制御、普通図柄確変制御、開放時間延長制御、および、開放回数増加制御のうちいずれか1つ、または、いずれか複数を組合せた制御を行なうようにしてもよい。
また、第1特別図柄表示器8aでの変動表示の停止時における第1特別図柄の表示結果が、大当り図柄のうち予め定められた第1突確図柄(たとえば、「1」)である場合には、大当り遊技状態後に大当りになる確率が確変状態となり、かつ、時短状態とならない第1突確大当りとなる。第1特別図柄表示器8aでの変動表示の停止時における第1特別図柄の表示結果が、大当り図柄のうち予め定められた第2突確図柄(たとえば、「3」)である場合には、大当り遊技状態後に大当りになる確率が確変状態となり、かつ、時短状態となる第2突確大当りとなる。
また、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bでの変動表示の停止時における第1特別図柄または第2特別図柄の表示結果が、小当り図柄(たとえば、「2」)である場合には、小当り遊技状態に制御される前の制御状態が継続される小当りとなる。小当りとなったときには、第1突確大当りおよび第2突確大当りとなったときと実質的に同じ開放パターン(開放時間0.5秒)で大入賞口が9回開放状態になる小当り遊技状態に制御される。これにより、遊技者は、大入賞口の開放パターンから、小当りであったのか第1突確大当りまたは第2突確大当りであったのかを特定することができない。また、小当りとなったときには、前述のようなベース状態が小当り前と変化しない。その結果、小当りとなって小当り遊技が行なわれたときにも、遊技者に対して突確大当りが発生したかのような印象を抱かせることができる。すなわち、小当りを突確大当りのいわゆる偽(ガセ)の当りとして用いることができる。また、小当りは、大入賞口の開放パターンに基づいて、確変になったのか否かを特定できないような状態(いわゆる潜伏確変状態)を作ることができる。これにより、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、9R短期大当りおよび小当りで用いられる短期の開放時間は、0.5秒に限られるものではなく、0.2秒等のその他の短期間に設定されてもよい。
なお、本実施の形態の場合、第2特別図柄表示器8bについては、小当りとなる表示結果を停止表示することを可能にし、小当り遊技状態に制御されるようにしてもよい。なお、小当りとなったときには、小当り遊技状態に制御される前の制御状態が継続されるが、時短状態が終了するときの変動表示時(時短状態開始後100回目の変動表示時)において小当りが発生したときは、小当り遊技状態の発生前の状態が時短状態であっても、時短状態における変動表示回数の消化による時短状態の終了条件の成立(時短状態開始後100回目の変動表示実行)により、小当り遊技状態後に制御状態が通常状態に変化する。
なお、大当り状態が終了した後に、時短状態にせずに通常状態になるようにしてもよい。
特別可変入賞球装置20を所定期間(29秒間)開状態に変化させることを所定回数(9回)行なうことにより終了し、大当り遊技状態終了後、通常遊技状態または確変状態に制御される9R長期大当りを第1遊技状態として定義した場合、突確大当りは、次のように定義される。
第2遊技状態としての突確大当りは、特別可変入賞球装置20を所定期間(29秒間)よりも短い期間(0.5秒間)開状態に変化させることにより終了し、大当り遊技状態終了後、確変状態に制御されるものであればよい。つまり、第2遊技状態は、特別可変入賞球装置20を、第1遊技状態における特別可変入賞球装置20の1回の開放時間よりも短い期間開放状態に制御される遊技状態であればよい。
確変状態ではなく、かつ、時短状態ではない状態は、低確率状態かつ低ベース状態であり、低確低ベース状態と呼ばれる。確変大当りは、大当り遊技状態の終了後に確変状態になり、かつ、時短状態になることにより、高確率状態、かつ、高ベース状態となる大当りである。このような、高確率状態かつ高ベース状態となった状態は、高確高ベース状態と呼ばれる。通常大当りは、大当り遊技状態の終了後に確変状態にならず、かつ、時短状態になる大当りである。このような、低確率状態かつ高ベース状態となった状態は、低確高ベース状態と呼ばれる。第1突確大当りは、大当り遊技状態の終了後に確変状態になり、かつ、時短状態にならない大当りである。このような、高確率状態かつ低ベース状態となった状態は、高確低ベース状態と呼ばれる。第2突確大当りは、大当り遊技状態の終了後に確変状態になり、かつ、時短状態になる大当りである。
このように、確変大当りおよび通常大当りのような9R長期大当りとなったときに加えて、9R短期大当りのうち第2突確大当りとなったときには、大当り遊技状態の終了後に所定回数(100回)の変動表示が行なわれるまで、時短状態となることに基づいて高ベース状態となる。また、変動表示が所定回数(100回)行なわれるまでに次回の大当りが発生したときには、その時点で時短状態が終了する。また、9R短期大当りのうち第1突確大当りとなったときには、大当り遊技状態の終了後に、確変状態となるが、時短状態とならないので、低ベース状態となる。また、小当りとなったときには、大当りとなる確率およびベースが変更されない。なお、大当り遊技状態の終了後に高確高ベース状態に制御される大当り(確変大当り、第2突確大当り)については、変動表示回数とは関係なく、時短状態を次回の大当りが発生するまで継続させる制御をするようにしてもよい。
確変状態(高確率状態)と非確変状態(低確率状態)とのどちらの状態であるかは、確変状態においてセットされるフラグである確変フラグがセットされているか否かに基づいて判断される。また、時短状態(高ベース状態)と非時短状態(低ベース状態)とのどちらの状態であるかは、時短状態においてセットされるフラグである時短フラグがセットされているか否かに基づいて判断される。
演出表示装置9において変動表示される演出図柄は、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおける第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示の装飾効果を高めるために、第1特別図柄および第2特別図柄のそれぞれの変動表示と所定の関係を有して変動表示される装飾的な意味合いがある図柄である。このような図柄についての所定の関係には、たとえば、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bでの第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示が開始されたときに演出図柄の変動表示が開始する関係、および、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示の終了時に第1特別図柄または第2特別図柄の表示結果が導出表示されるときに演出図柄の表示結果が導出表示されて演出図柄の変動表示が終了する関係等が含まれる。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにより予め定められた大当り図柄が表示結果として導出表示されるときには、演出表示装置9により、左,中,右図柄がゾロ目(9R長期大当りのとき)、または、ゾロ目以外の図柄の組合せにより構成されたチャンス目(突確大当り)となる大当り図柄の組合せが表示結果として導出表示される。ここで、チャンス目は、前述したゾロ目以外の図柄の組合せにより構成される図柄の組合せであり、遊技者にチャンスをもたらす表示結果として予め定められている。また、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにより予め定められた小当り図柄が表示結果として導出表示されるときには、演出表示装置9により突確大当りの場合と同様のチャンス目よりなる小当り図柄の組合せが表示結果として導出表示される。このような特別図柄による大当り図柄の表示結果および演出図柄による大当り図柄の組合せの表示結果は、大当り表示結果という。また、特別図柄による小当り図柄の表示結果および演出図柄による小当り図柄の組合せの表示結果は、小当り表示結果という。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bと演出表示装置9とは変動表示結果が前述したような対応関係になるため、以下の説明においては、これらをまとめて変動表示部と呼ぶ場合がある。
また、演出表示装置9については、大当りとなることを予告する報知をする予告演出である大当り予告が行なわれる場合がある。予告演出としては、第1予告演出である先読み予告と、第2予告演出である今回予告とが行なわれる場合がある。先読み予告は、保留記憶データに基づく変動表示が行なわれる際よりも前の段階で保留記憶データを先読みし、その先読み判定結果に応じて、大当りを発生させる契機となる変動表示よりも前に行なわれる変動表示において、大当りとなることを報知する予告である。ここで、先読みとは、変動を開始するときに乱数の抽出値に基づいて各種遊技制御に関わる判定を行なうタイミングに先立って、乱数の抽出値を読出し、読出した抽出値に基づいて後に判定されるであろう判定結果を判定すること(たとえば、抽出値が所定の判定値と合致するか否かを判定すること)をいう。また、先読み判定結果とは、先読みによって得た判定結果をいう。本実施の形態では、始動入賞時に抽出した乱数の値に基づいて、始動入賞時に早々と、大当り判定結果(はずれ、大当り、小当り)、大当り種別判定結果(突確大当り、通常大当り、確変大当り)、変動パターン種別(リーチの有無も含む)を先読みして先読み判定結果を得るための制御が実行される。このような先読み予告は、複数回の変動表示に亘って連続的に行なわれるものであり、連続予告とも呼ばれる。また、今回予告は、大当りを発生させる契機となる変動表示(今回の変動表示)において、大当りとなることを報知する変動予告演出としての予告(大当りとなりやすことを予告してもよい)である。なお、先読み予告としては、連続予告を行なわず、1回の変動表示において予告報知を行なう予告演出をするものであってもよい。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切替え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行なうことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう。
なお、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての(後述する演出制御用マイクロコンピュータ100)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、飾り図柄を変動表示する第1飾り図柄表示器9aおよび第2飾り図柄表示器9bの表示制御と、演出図柄を変動表示する演出表示装置9の表示制御とを行なう。また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段は、操作ボタン130からの操作検出信号が入力され、その信号に応じて、後述する予告演出等の各種演出を行なう。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板35を介して、遊技盤6に設けられている装飾LED25、および枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行なうとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行なう。
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101、および演出図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMは電源バックアップされていない。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(この実施の形態では演出制御用マイクロコンピュータ100にROMが設けられている)に格納されたプログラムにしたがって動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドに基づいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行なわせる。
また、操作ボタン130からの操作信号が、入力ポート107を介して演出制御用マイクロコンピュータ100に入力される。演出制御用マイクロコンピュータ100は、後述するように、操作ボタン130からの操作信号に基づいて、たとえば予告演出等の遊技の演出を行なう。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行なうVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドにしたがってCGROM(図示せず)から必要なデータを読出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(演出図柄を含む)、および背景画像のデータを予め格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読出す。そして、VDP109は、読出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、たとえばダイオードやトランジスタが使用される。図3には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図2に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
また、演出制御用CPU101は、出力ポート106を介して、可動部材78を動作させるためにモータ86を駆動する。また、演出制御用CPU101は、上演出LED85a、中演出LED85bおよび下演出LED85cの近傍に設けられ、各LEDの取付部分を振動させる振動モータ87a,87b,87cを出力ポート106を介して駆動する。振動モータ87aは、上演出LED85aを振動させる。振動モータ87bは、中演出LED85bを振動させ、振動モータ87cは下演出LED85cを振動させる。また、演出制御用CPU101は、出力ポート106を介して、可動部材84を動作させるためにモータ88を駆動する。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、LEDを駆動する信号に基づいて枠LED28等の枠側に設けられている発光体に電流を供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾LED25、上演出LED85a、中演出LED85bおよび下演出LED85cに電流を供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(たとえば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、パチンコ遊技機1の動作について説明する。図4は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。パチンコ遊技機1に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになる。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS(以下、単にSと呼ぶ)1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行なう。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(S1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(S2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(S3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化等)を行なった後(S4)、RAM55をアクセス可能状態に設定する(S5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(たとえば、電源基板に搭載されている。)の出力信号の状態を確認する(S6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(S10〜S15)。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、パチンコ遊技機1への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(たとえばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行なわれたか否か確認する(S7)。そのような保護処理が行なわれていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、たとえば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行なわれたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行なう(S8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行なう。よって、S8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態とを電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(S41〜S43の処理)を行なう。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(S42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。S41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、たとえば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグ等)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分等である。
また、CPU56は、電力供給復旧時に、電力供給が復旧したことを示すコマンドとしての停電復旧指定コマンド(停電復旧1指定コマンド)を演出制御基板80に送信する(S43)。そして、S14に移行する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行なう(S10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(たとえば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値または予め決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(たとえば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S11)、初期化時設定テーブルの内容を順次RAM55における作業領域に設定する(S12)。
S11およびS12の処理によって、特別図柄プロセスフラグ等制御状態に応じて選択的に処理を行なうためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)を演出制御基板80に送信する(S13)。たとえば、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、パチンコ遊技機1の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行なう。なお、初期化処理において、CPU56は、客待ちデモンストレーション指定(デモ指定)コマンドも送信する。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(S14)。CPU56は、たとえば、乱数回路設定プログラムにしたがって処理を実行することによって、乱数回路503に大当り判定用乱数(ランダムR)の値を更新させるための設定を行なう。
そして、CPU56は、所定時間(たとえば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう(S15)。すなわち、初期値としてたとえば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(S10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(S17)および初期値用乱数更新処理(S18)を繰返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(S16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(S19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、変動パターン等を決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄の当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)等のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、パチンコ遊技機1に設けられている変動表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ等のカウント値が1周(乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、本実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560においては、大当り判定用乱数発生カウンタとして、内蔵されている乱数回路503によるハードウェア乱数を用いる。したがって、大当り判定用乱数については、このような初期値の設定は行なわれない。ただし、遊技制御用マイクロコンピュータ560が大当り判定用乱数発生カウンタとしてソフトウェア乱数を用いる場合には、当該カウンタについて、前述のような初期値用乱数を用いた初期値の設定を行なうようにしてもよい。このようにした場合には、大当り判定用乱数発生カウンタが最大値まで歩進した後の初期値がランダムな値となるので、大当りの判定値と同じ乱数値を不正に狙って取出して大当りを発生させる不正行為が行なわれにくくなるようにすることができる。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図5に示すS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。電源断信号は、たとえば電源基板に搭載されている電源監視回路920が、パチンコ遊技1に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号を入力し、それらの状態判定を行なうスイッチ処理を実行する(S21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう表示制御処理を実行する(S22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、S32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通当り図柄決定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する判定用乱数更新処理を行なう(S23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する初期値用乱数更新処理(S24)および表示用乱数更新処理(S25)を実行する。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行なう(S26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行なう(S27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する演出制御コマンド制御処理を行なう(S28)。
さらに、CPU56は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行なう(S29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号に基づく賞球個数の設定等を行なう賞球処理を実行する(S30)。具体的にCPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aのいずれかがオンしたことに基づく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する出力処理を実行する(S31)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行なうための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(S32)。CPU56は、たとえば、特別図柄プロセス処理でセットされる開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおける第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示を実行する。
なお、S32において、開始フラグがセットされたことに基づいて特別図柄の変動を開始するのではなく、特別図柄プロセスフラグの値が変動パターン決定後の特別図柄変動中処理を示す値(具体的には3)となった(または、表示結果特定コマンド送信処理を示す値(具体的には2)となった)ことに基づいて、特別図柄の変動を開始するようにしてもよい。そして、特別図柄プロセスフラグの値が特別図柄停止処理を示す値(具体的には4)となったことに基づいて、特別図柄の変動を停止するようにしてもよい。そのようにすれば、開始フラグおよび終了フラグを不要とすることができ、RAM55の必要容量を低減することができる。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(S33)。CPU56は、たとえば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(たとえば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
なお、S33において、開始フラグがセットされたことに基づいて普通図柄の変動を開始するのではなく、普通図柄プロセスフラグの値が普通図柄変動中処理を示す値となったことに基づいて、普通図柄の変動を開始するようにしてもよい。そして、普通図柄プロセスフラグの値が普通図柄停止処理を示す値となったことに基づいて、普通図柄の変動を停止するようにしてもよい。そのようにすれば、開始フラグおよび終了フラグを不要とすることができ、RAM55の必要容量を低減することができる。その後、割込許可状態に設定し(S34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるS21〜S33(S29を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理ではたとえば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
図6は、遊技制御に用いる乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。ランダムRは、大当りにするか否か、および、小当りにするか否かを判定する、大当り・小当り判定用のランダムカウンタである。ランダムRは、10MHzで1ずつ更新され、0から加算更新されてその上限である65535まで加算更新された後再度0から加算更新される。
ランダム2は、大当りの種別(確変大当り、第1突確大当り、第2突確大当り、通常大当り)を判定(決定)する大当り種別判定用の乱数を発生するためのランダムカウンタにより生成される乱数である。ランダム3は、変動パターンの種別(種類)を決定する変動パターン種別判定用の乱数を発生するためのランダムカウンタにより生成される乱数である。ランダム4は、変動パターン(変動時間)を決定する変動パターン判定用の乱数を発生するためのランダムカウンタにより生成される乱数である。ランダム5は、普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する普通図柄当り判定用の乱数を発生するためのランダムカウンタにより生成される乱数である。ランダム6は、ランダム5の初期値を決定するランダム5初期値決定用の乱数を発生するためのランダムカウンタにより生成される乱数である。ランダム7は、第1突確大当りおよび第2突確大当りのような突確大当りの大当り遊技状態における特別可変入賞球装置20の開放パターンを決定する突確開放パターン判定用の乱数を発生するためのランダムカウンタにより生成される乱数である。なお、大当りの種別と開放パターンとを予め対応付けておき、対応付けた大当り種別および開放パターンと、所定のランダムカウンタの判定値との関係を示すデータテーブルを設け、当該ランダムカウンタの抽出値に基づいて、大当りの種別および開放パターンを一度に選択決定するようにしてもよい。このようにすれば、前述のランダム2とランダム7とを共通のランダムカウンタで代用することができる。
ランダム2,5,7は、2msec毎に1ずつ加算される。ランダム3,4,6は、2msec毎および割り込み処理の余り時間に1ずつ加算される。このようなランダムR,1〜7のそれぞれは、所定の数値範囲内の数値データを所定の更新周期で順次更新することにより、当該数値範囲内の数値データから1つの数値データを抽出可能とするカウンタにより実現される。
図5に示された遊技制御処理におけるS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(ランダム2)の大当り種別判定用乱数、(ランダム5)の普通図柄当り判定用乱数、および、突確開放パターン判定用乱数(ランダム7)を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行なう。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム3、ランダム4)または初期値用乱数(ランダム6)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。また、大当り種別判定用乱数についても、前述のような初期値用乱数を用いた初期値の設定を行なうようにしてもよい。このようにした場合には、大当り種別判定用乱数発生カウンタが最大値まで歩進した後の初期値がランダムな値となるので、確変となる大当り種別の判定値と同じ乱数値を不正に狙って取出し、確変となる種別の大当りを発生させる不正行為が、行なわれにくくなるようにすることができる。
なお、変動パターン種別判定用乱数(ランダム3)や変動パターン判定用乱数(ランダム4)を更新する場合に、遊技制御用マイクロコンピュータ560が搭載する乱数回路503が発生するハードウェア乱数の値を用いて加算値を決定し、決定した加算値を加算することによって変動パターン種別判定用乱数(ランダム3)と変動パターン判定用乱数(ランダム4)との少なくとも一方を更新してもよい。そのようにすれば、変動パターン種別判定用乱数(ランダム3)と変動パターン判定用乱数(ランダム4)との少なくとも一方を更新するための加算値用のソフトウェア乱数を発生させる等の処理を不要とすることができる。そのため、遊技制御用マイクロコンピュータ560の処理負担を増大させることなく、変動パターン種別判定用乱数(ランダム3)や変動パターン判定用乱数(ランダム4)をランダムに更新することができる。ここで、変動パターン種別とは、変動パターンを種類によって区別すること、または、その区別をいい、本実施の形態では、予め定められた条件に基づいて、変動パターンの種類をいくつかのグループに分けた区別をいい、変動パターンの大まかな振分けを示すものである。より具体的に、本実施の形態では、変動パターンを、たとえば、リーチの有無、および、リーチの種類(ノーマルリーチ、スーパーリーチ等)等の変動表示の種類によって区別した変動パターン種別を用いている。
図7は、大当り判定テーブル、および、大当り種別判定テーブル等の各種判定テーブルを示す説明図である。図7において、(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図7(A)の左欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定され、確変時大当り判定テーブルには、図7(A)の右欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定されている。図7(A)に示されるように、確変時であるときの方が、通常時であるときよりも、大当り判定値が多く設定されている。なお、ランダムRから抽出した値が「1000〜1080」または「13320〜13477」のいずれかの判定値と合致したときには、確変時であるか否かに関わらず、大当りと判定される。「1000〜1080」または「13320〜13477」の範囲内の判定値は、確率状態に関わらず、共通の大当り判定値である。
図7(B)は、ROM54に記憶されている小当り判定テーブルを示す説明図である。小当り判定テーブルには、第1特別図柄の小当り判定に用いられる第1特別図柄用判定テーブルと、第2特別図柄の小当り判定に用いられる第2特別図柄用判定テーブルとがある。第1特別図柄用判定テーブルには、図7(B)の左欄に記載されている各数値が小当り判定値に設定され、第2特別図柄用判定テーブルには、図7(B)の右欄に記載されている各数値が小当り判定値に設定されている。小当り判定は、ランダムRから抽出した値が、遊技状態に応じて設定されている小当り判定値と合致するか否かを判定することにより行なわれる。合致すると判定したときには、小当り遊技状態に制御される。図7(B)に示されるように、第1特別図柄用の方が、第2特別図柄用よりも、小当り判定値が多く設定されている。
図7(A),(B)に記載されている数値が大当り判定値または小当り判定値である。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値をランダムRの値とするのであるが、ランダムRの値が図7(A)に示すいずれかの大当り判定値に合致すると、特別図柄に関して大当り(通常大当り、確変大当り、第1突確大当り、または、第2突確大当り)にすることに決定する。また、ランダムRの値が図7(B)に示すいずれかの小当り判定値に合致すると、特別図柄に関して小当りにすることに決定する。なお、図7(A),(B)に示す「確率」は、各々、大当りまたは小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りまたは小当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態または小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄または小当りにするか否か決定するということでもある。
図7(C)は、ROM54に記憶されている第1特別図柄低確率時大当り種別判定テーブルを示す説明図である。第1特別図柄低確率時大当り種別判定テーブルは、通常状態である低確率時において第1特別図柄の変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム2)に基づいて、大当りの種別を「第1突確大当り」、「第2突確大当り」、「確変大当り」、「通常大当り」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。第1特別図柄低確率時大当り種別判定テーブルには、ランダム2の値と比較される数値であって、「第1突確大当り」、「第2突確大当り」、「確変大当り」、「通常大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。CPU56は、ランダム2の値が大当り種別判定値のいずれかに合致した場合に、大当りの種別を、合致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。
図7(D)は、ROM54に記憶されている第1特別図柄高確率時大当り種別判定テーブルを示す説明図である。第1特別図柄高確率時大当り種別判定テーブルは、確変状態である高確率時において第1特別図柄の変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム2)に基づいて、大当りの種別を「第1突確大当り」、「第2突確大当り」、「確変大当り」、「通常大当り」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。第1特別図柄高確率時大当り種別判定テーブルには、ランダム2の値と比較される数値であって、「第1突確大当り」、「第2突確大当り」、「確変大当り」、「通常大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。CPU56は、ランダム2の値が大当り種別判定値のいずれかに合致した場合に、大当りの種別を、合致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。
このような判定テーブルにおいて、低確率時と高確率時とで共通する点は、次の点である。第1突確大当りおよび第2突確大当りよりなる9R短期大当りと、確変大当りおよび通常大当りよりなる9R長期大当りとの選択比率が同じ比率に設定されている。さらに、確変大当りの選択率、および、通常大当りの選択率のそれぞれが同じ選択率に設定されている。さらに、確変大当り、第1突確大当り、および、第2突確大当りを含む確変状態となる大当りの選択率が同じ選択率に設定されている。一方、低確率時と高確率時とで相違する点は、次の点である。第1突確大当りの選択率および第2突確大当りの選択率のそれぞれが異なる選択率に設定されている。具体的は、低確率時においては、第1突確大当りの方が第2突確大当りよりも選択率が高くなり、高確率時においては、第2突確大当りの方が第1突確大当りよりも選択率が高くなるように、選択率が設定されている。
図7(E)は、ROM54に記憶されている第2特別図柄大当り種別判定テーブルを示す説明図である。第2特別図柄大当り種別判定テーブルは、第2特別図柄の変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム2)に基づいて、大当りの種別を「確変大当り」、「通常大当り」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。第2特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム2の値と比較される数値であって、「確変大当り」、「通常大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。CPU56は、ランダム2の値が大当り種別判定値のいずれかに合致した場合に、大当りの種別を、合致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。また、図7の(C)〜(E)に示すように、第1始動入賞口13への入賞の方が、第2始動入賞口14への入賞よりも高い割合で第2突確大当りに制御される。これにより、第1特別図柄の変動表示と、第2特別図柄の変動表示とで異なる割合で、突確大当りの大当り遊技状態後に高ベース状態に制御されるので、特別図柄別に突確大当りの大当り遊技状態終了後の制御内容に特徴付けをすることが可能となる。
第2特別図柄大当り種別判定テーブルにおいては、第1特別図柄大当り種別判定テーブルと異なり、「第1突確大当り」および「第2突確大当り」のような突確大当りに対応した判定値が設定されていない。したがって、第2特別図柄の変動表示結果に基づいて大当りとなるときには、「第1突確大当り」および「第2突確大当り」の大当り種別が選択されず、「突確大当り」に制御される場合がない。これにより、第1特別図柄と第2特別図柄とでは、変動表示結果に応じて制御される大当りの種別が一部異なる。このように第2特別図柄の変動表示において「第1突確大当り」および「第2突確大当り」が生じないようにすることにより、時短状態である場合には、可変入賞球装置15が設けられている第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される頻度が高くなるのであるから、「確変大当り」および「通常大当り」のような9R長期大当りとなる確率を高めることができ、出球率が向上し、遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、第1特別図柄の変動表示を行なう場合と第2特別図柄の変動表示を行なう場合とで、同様の構成(「第1突確大当り」、「第2突確大当り」、「確変大当り」、および、「通常大当り」のいずれかを選択可能な構成)の大当り種別判定テーブルを用い、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とのそれぞれにおいて、「第1突確大当り」、「第2突確大当り」、「確変大当り」、および、「通常大当り」のいずれかを大当り種別として決定するようにしてもよい。そのような大当り種別の決定をする場合には、第2特別図柄での「第1突確大当り」および「第2突確大当り」のそれぞれの選択率が、第1特別図柄での「第1突確大当り」および「第2突確大当り」のそれぞれの選択率よりも少ない割合となるようにしてもよく、第2特別図柄については、突確大当りのうち、「第1突確大当り」の選択率を「0」とし、所定の選択率で「第2突確大当り」のみを選択可能とする設定をしてもよい。
図8は、第1特別図柄および第2特別図柄について、大当り確率と、ランダム2(0〜19)と、選択される大当り種別との関係を示す図である。
第1特別図柄と第2特別図柄とでは、大当り確率の高低によらず、第1突確大当り、第2突確大当り、および、確変大当りよりなる確変状態となる大当りの選択率(合計80%)と、通常大当りよりなる確変状態とならない大当りの選択率(20%)との関係が同じとなるようにランダム2の判定値が設定されている。第1特別図柄および第2特別図柄のそれぞれの変動表示については、たとえば80%というような高確率で、確変状態となる大当りが選択される。したがって、いずれかの種別の大当りとなるときには、確変状態が発生する割合が高く、かつ、発生した確変状態が継続する割合が高くなるように、ランダム2の判定値が設定されている。
また、第2特別図柄については、大当り確率の高低によらず、確変大当りの選択率(80%)と通常大当りの選択率(20%)との関係が同じとなるようにランダム2の判定値が設定されている。第2特別図柄の変動表示については、確変状態であるか否かに関わらず、たとえば80%という一定の高確率で、大当り種別として確変大当りが選択される。したがって、低ベース時よりも電チュー入賞の頻度が高くなる高ベース時においては、大当り種別として確変大当りが選択される頻度が高くなる。
第1特別図柄については、大当り確率の高低によらず、確変大当りの選択率(20%)と通常大当りの選択率(20%)との関係が同じとなるようにランダム2の判定値が設定されている。第2特別図柄の変動表示については、確変状態であるか否かに関わらず、たとえば20%という一定の低確率で、大当り種別として確変大当りが選択される。第1特別図柄については、大当り確率の高低によらず、第2特別図柄と比べて、確変大当りの選択率が低くなるように、ランダム2の判定値が設定されている。したがって、第2特別図柄については、第1特別図柄と比べて、大当り種別として確変大当りが選択される頻度が高くなる。
また、第1特別図柄については、大当り確率の高低によらず、9R短期大当り(第1突確大当り、第2突確大当り)の合計選択率(合計60%)と9R長期大当り(確変大当り、通常大当り)の合計選択率(合計40%)との関係が同じとなるようにランダム2の判定値が設定されている。第1特別図柄については、大当り確率の高低によらず、第2特別図柄と比べて、9R短期大当りの選択率が高くなるように、ランダム2の判定値が設定されている。たとえば、第1特別図柄の9R短期大当りの選択率が60%に設定され、第2特別図柄の9R短期大当りの選択率が0%に設定されている。
また、第1特別図柄については、突確大当りの種別に関し、低確率状態(通常状態)であるときの第1突確大当りの選択率(50%)が、高確率状態(確変状態)であるときの第1突確大当りの選択率(10%)よりも高くなるようにランダム2の判定値が設定されている。逆に、第1特別図柄については、突確大当りの種別に関し、高確率状態(確変状態)であるときの第2突確大当りの選択率(50%)が、低確率状態(通常状態)であるときの第2突確大当りの選択率(10%)よりも高くなるようにランダム2の判定値が設定されている。したがって、第1特別図柄の変動表示について、低確率状態であるときには、第1突確大当りが選択される頻度が高く、高確率状態であるときには、第2突確大当りが選択される頻度が高くなる。
第1特別図柄の変動表示については、第1突確大当りおよび第2突確大当りに対してランダム2の判定値(0〜11)が次のように割振られている。ランダム2の「0,1」については、低確率時と高確率時とで共通に第1突確大当りに割当てられている。ランダム2の「0,1」については、低確率時と高確率時とで共通に第1突確大当りに割当てられている。ランダム2の「10,11」については、低確率時と高確率時とで共通に第2突確大当りに割当てられている。ランダム2の「2〜9」については、低確率時のときに第1突確大当りに割当てられ、高確率時のときに第2突確大当りに割当てられる。
なお、図7のような確変時と通常時とに分けて2つの大当り種別判定テーブルを設けず、次のような処理を行なうようにしてもよい。大当り判定時において、大当り確率の高低に関わらず、ランダム2の「0,1」については、第1突確大当りと決定し、ランダム2の「10,11」については、第2突確大当りと決定し、ランダム2の「2〜9」については、第1または第2突確大当りのいずれかを特定しない仮突確大当りと決定する種別判定をする。そして、仮突確大当りと決定したときには、その後、大当り遊技状態の開始時点等の所定のタイミングにおいて、現在の大当り確率が低確率時と高確率時とのどちらであるかを確認する処理を行ない、低確率時のときには第1突確大当りと決定し、高確率時のときには第2突確大当りと決定する。このような処理を行なう場合には、大当り種別判定テーブルを確変時と通常時とに分けずに1つの大当り種別判定テーブルを設けて、大当り種別の判定を行なえばよい。また、このような処理を行なう場合には、大当り種別判定テーブルを設けずに、制御プログラムの特定のステップにおいて前述のような判定を順次行なうようにすればよい。また、仮突確大当りと決定されたときには、大当り遊技状態が開始したときの遊技状態(低確率状態、高確率状態)を特定する情報を記憶する処理を、たとえば、特別図柄停止処理における所定のタイミング(たとえば、後述の図32のS133で大当りフラグがセットされていると判定されS134を実行する前)において行ない、大当り遊技状態の終了時に当該記憶情報を読出し、記憶情報が低確率状態を特定するときには第1突確大当りと判定して確変フラグのみをセットし、記憶情報が高確率時を特定するときには第2突確大当りと判定して確変フラグおよび時短フラグをセットするようにしてもよい。また、この例では、大当り種別を選択し、その選択した大当り種別に応じて特別図柄の表示結果を選択する例を示した。しかし、これに限らず、特別図柄決定用の乱数の判定値と、特別図柄の表示結果と、大当り種別との関係が予め定められたデータテーブルを設け、特別図柄決定用の乱数を抽出し、その抽出値に基づいて、対応関係にある特別図柄の表示結果と大当り種別とを一度に決定する処理を行なうようにしてもよい。このようにすれば、特別図柄の表示結果と大当り種別とを1つの計数手段を用いて決定することが可能となる。
次に、複数種類設けられた大当りおよび小当りについて、それぞれの特徴を説明する。図9は、各種の大当りおよび小当りのそれぞれの特徴を表形式で示す図である。
通常大当りについては、演出図柄の表示結果を、通常大当り表示結果用のゾロ目の組合せ(たとえば、左,中,右が「2,2,2」というようないずれかの偶数図柄の組合せ)とすることが決定される。通常大当りとなったときには、大当り遊技状態終了後に、低確高ベース状態に制御される。通常大当りとなったときの特別可変入賞球装置20の開放回数は9回である。高ベース状態は、特別図柄の変動表示が100回実行された後に終了し、低ベース状態に移行する。
確変大当りについては、演出図柄の表示結果を、確変大当り表示結果用のゾロ目の組合せ(たとえば、左,中,右が「7,7,7」というようないずれかの奇数図柄の組合せ)とすることが決定される。確変大当りとなったときには、大当り遊技状態終了後に、高確高ベース状態に制御される。確変大当りとなったときの特別可変入賞球装置20の開放回数は9回である。高ベース状態は、特別図柄の変動表示が100回実行された後に終了し、低ベース状態に移行する。確変大当りとなったときには、大当り遊技状態終了後に、確変状態である旨を報知する演出が行なわれる。なお、確変大当りとなったときにおける高ベース状態(時短状態)は、確変状態と同様に、次回の大当りが発生するまで継続する制御を行なうようにしてもよい。
第1突確大当りおよび第2突確大当りについては、演出図柄の表示結果を、たとえば左,中,右が「1,2,3」または「3,2,1」というような突確大当り表示結果用のチャンス目として予め定められた複数のチャンス目のうちいずれかとすることが決定される。第1突確大当りとなったとき、および、第2突確大当りとなったときの特別可変入賞球装置20の開放回数は9回である。第1突確大当りとなったときには、大当り遊技状態終了後に、高確低ベース状態に制御される。
小当りについては、演出図柄の表示結果を、たとえば左,中,右が「1,2,3」または「3,2,1」というような突確大当り表示結果用のチャンス目として予め定められた複数のチャンス目と同じチャンス目のうちいずれかとすることが決定される。小当りとなったときには、小当り遊技状態終了後に、大当り確率とベース状態とがともに、小当り遊技状態開始前に対して変更されない。小当りとなったときの特別可変入賞球装置20の開放回数は、突確大当りの場合と同じ9回である。
次に、第1突確大当り、第2突確大当り、および、小当りのときにおける特別可変入賞球装置20の開放パターンについて説明する。図10は、第1突確大当り、第2突確大当り、および、小当りのときにおける特別可変入賞球装置20の開放パターンの一例を示すタイミングチャートである。
図10を参照して、小当りのときの開放パターンは、(A)に示されるように、0.5秒間の開放状態への制御が、0.5秒間ずつの閉鎖状態を介して、9回行なわれる開放パターンである。第1突確大当りおよび第2突確大当りのそれぞれの開放パターンは、これら大当りとなるごとに、(B)の開放パターンAと(C)の開放パターンBとのうちからいずれかの開放パターンが選択され、実行される。
(B)の開放パターンAは、小当りの開放パターンと同様の開放パターンであり、0.5秒間の開放状態となるラウンドへの制御が、0.5秒間ずつの閉鎖状態を介して、9回行なわれる。(C)の開放パターンBは、第1ラウンド〜第8ラウンドは、開放パターンAと同様の開放パターンであり、第9ラウンドにおいては、0.5秒間の開放状態への制御が、0.5秒間の閉鎖状態を介して、2回行なわれる。つまり、開放パターンBでは、第9ラウンドにおいて、特別可変入賞球装置20が2回開放される。これにより、開放パターンBでは、合計10回特別可変入賞球装置20が開放される。
第1突確大当りおよび第2突確大当りのそれぞれについては、次に示すような割合で開放パターンが選択される。図11は、第1突確大当りおよび第2突確大当りのそれぞれにおける開放パターンを選択するときに用いる開放パターン判定テーブルを示す図である。
図11においては、(A)に第1突確大当りにおける開放パターンを選択するときに用いるデータテーブルである第1突確大当り時開放パターン判定テーブルが示され、(B)に第2突確大当りにおける開放パターンを選択するときに用いるデータテーブルである第2突確大当り時開放パターン判定テーブルが示されている。これらテーブルは、ROM54に記憶されている。
(A),(B)に示す各判定テーブルでは、開放パターンAおよび開放パターンBのそれぞれに、突確開放パターン判定用のランダム7の判定値が割振られており、所定のタイミングで抽出されたランダム7の数値データと一致する判定値が対応している開放パターンが選択され、大当り遊技状態における開放パターンとして用いられる。
(A)に示すように、第1突確大当りとなったときは、開放パターンAの方が開放パターンBよりも選択される割合が高い。また、(B)に示すように、第2突確大当りとなったときは、開放パターンAの方が開放パターンBよりも選択される割合が高い。また、開放パターンAが選択される割合は、第1突確大当りとなったときの方が第2突確大当りとなったときよりも高い。したがって、開放パターンAで特別可変入賞球装置20が制御されたときには、第1突確大当りである割合が高いと遊技者が判断することが可能となる。一方、開放パターンBで特別可変入賞球装置20が制御されたときには、第2突確大当りである割合が高いと遊技者が判断することが可能となる。
このように、9R短期大当りにおける開放パターンは、開放パターンAのように、小当りにおける開放パターンと同一のパターンとなる場合があるので、開放パターンを見るだけでは、突確大当りであるか小当りであるかを遊技者が判断不可能となる場合がある。このような場合、演出表示装置9では、潜伏確変状態を演出するための演出モードとしての潜伏モードに制御し、確変状態が潜伏しているかもしれないことを演出する表示を行なう場合がある。ここで、「確変状態が潜伏」とは、パチンコ遊技機1の外見的な動作状態では確変状態になっているか否かを特定しにくいが、パチンコ遊技機1の内部制御状態として確変状態に制御されていることで、あたかも確変状態が潜伏しているような動作状態を示している。
また、9R短期大当りにおける開放パターンは、開放パターンBのように、小当りにおける開放パターンと類似するパターン(開放パターンA)となる場合があるので、開放パターンを正確に観察しなければ、突確大当りであるか小当りであるかを遊技者が判断不可能となる場合がある。このような場合においても、演出表示装置9では、潜伏確変状態を演出するための演出モードとしての潜伏モードに制御し、確変状態が潜伏しているかもしれないことを演出する表示を行なう場合がある。
このような特別可変入賞球装置20の開放パターンを示すデータ(開放パターンデータ)は、ROM54において、各大当りの種別に対応付けられて記憶されている。たとえば、通常大当りおよび確変大当りのそれぞれに対応する開放パターンとしては、9R長期大当りの開放パターンデータが記憶されている。また、小当りに対応する開放パターンとしては、開放パターンAが記憶されている。また、第1突確大当りおよび第2突確大当りに対応する開放パターンとしては、前述したように決定される開放パターンAと開放パターンBとが記憶されており、前述のような選択決定に応じて、使用される開放パターンが決まる。開放パターンデータは、ラウンド回数を特定するデータ、各ラウンドにおける開放時間を特定するデータ、および、ラウンド間の閉鎖時間としてのインターバル時間を特定するデータを含み、開放パターンを特定する。開放パターンBについては、第9ラウンドにおいて大入賞口を2回開放するので、ラウンドの開放時間は、1回目の開放開始時から2回目の開放終了時までの時間が、開放時間を特定するデータとして設定されている。さらに、開放パターンBについては、開放パターンデータとして、第9ラウンドについて、1回目の開放終了時を特定する1回目開放終了時データと、2回目の開放開始時を特定する2回目開始時データとがさらに含まれている。
次に、擬似連の変動表示の変動パターンについて説明する。図12は、擬似連の変動表示の変動パターンの一例を示すタイミングチャートである。図12においては、一例として、再変動が3回行なわれる擬似連の変動パターンが示されている。
擬似連の変動パターンにおいては、変動表示の開始時が初回変動の開始時である。そして、1回の仮停止が行なわれた後、1回目の再変動が行なわれる。仮停止時には、演出表示装置9において、前述の擬似連チャンス目を形成する仮停止図柄の組合せが仮停止される。そして、擬似連の変動パターンにおいては、たとえば、変動パターンにおいて設定された回数分の仮停止および再変動が行なわれ、最後の再変動の終了時には、演出表示装置9において、前述の大当り判定または小当り判定の判定結果に応じ、最終停止図柄(確定停止図柄)として、大当り図柄の組合せ、または、はずれ図柄の組合せが停止表示される。また、リーチとなる変動パターンのときには、最後の再変動時において、演出表示装置9で、リーチ図柄が表示されてリーチ状態となり、リーチ演出が行なわれる。なお、リーチ演出は、最後の再変動時以外の再変動時に行なうようにしてもよい。
次に、パチンコ遊技機1で実行される大当り予告の予告演出の表示例を説明する。まず、先読み予告について説明する。先読み予告としては、当り予告と呼ばれる予告種別と、ボタン予告と呼ばれる予告種別との複数の予告種別を含む。当り予告およびボタン予告のそれぞれの予告種別は、複数の予告パターンが属するものであり、ランダムに選択された予告パターンで予告演出が行なわれる。
当り予告の予告種別では、所定のキャラクタおよび保留記憶表示等の画像を用いて、大当りとなることを予告する予告演出が行なわれる。ボタン予告の予告種別では、遊技者により操作ボタン130に対する操作がされたことを条件として、合算保留記憶表示部18cにおける保留記憶表示の表示態様を変化させる制御が行なわれる。
図13は、先読み予告演出として、当り予告が実行されたときの表示状態を示す表示画面図である。
図13(A)は、特別図柄の変動停止に対応して、「左」,「中」,「右」の図柄表示エリア9L,9C,9Rの全部で演出図柄が停止表示されて停止図柄が確定し、変動表示が終了している状態を示している。
図13(B)は、特別図柄の変動表示における特別図柄の変動開始等に対応して、「左」,「中」,「右」の図柄表示エリア9L,9C,9Rのすべてで演出図柄の変動が開始された状態を示している。
図13(C)は、図13(B)で開始した変動中に始動入賞して保留記憶表示が加算された状態を示している。図13(C)では、保留記憶が3個である旨が表示されている。なお、図13(C)で加算された保留記憶表示は、すでに記憶されている保留記憶表示の通常態様(たとえば白丸)と異なる態様(予告態様、たとえば黒丸)で表示されている。これは、図44で後述するように、通常態様と異なる態様で表示されている保留記憶を対象として、先読み予告が行なわれることを示している。なお、先読み予告が行なわれるときには、保留記憶表示を通常態様と同様の態様で表示するようにしてもよい。
図13(D)は、特別図柄の変動停止に対応して、「左」,「中」,「右」の図柄表示エリア9L,9C,9Rのすべてで確定演出図柄(確定した演出図柄)が停止表示されて変動表示が終了している状態を示している。
図13(E1)および(E2)は、特別図柄の変動開始に対応して新たに開始された演出図柄の変動中であって、いずれの図柄表示エリアにも演出図柄が停止されていないときに、先読み予告として当り予告が実行されたときの表示状態を示している。図13(E1)および(E2)は、ともに、“メモリの中に当りあるかも”といったメッセージが記されたプラカードを持ったキャラクタ((E1)ではキャラクタ91A,(E2)ではキャラクタ91B)が出現することにより、当り予告が実行されている。
なお、図13(E1)の当り予告と、(E2)の当り予告とは、出現するキャラクタの種類が異なっている。出現するキャラクタの種類は、図53で後述するように、大当りとなるか否かに応じて異なる割合で選択される。当り予告では、図13(E1)で示すキャラクタ91Aまたは(E2)で示すキャラクタ91Bを出現させる予告パターンで演出が行なわれる。これにより、予告の対象となる保留記憶に基づく変動表示が開始される前段階から大当りとなることを報知することができる。
なお、先読み予告演出が実行されて予告の対象となる変動表示となったとき、あるいは今回予告演出が実行されるときには、当り予告として、“当りかも”といった異なるメッセージが記されたプラカードを持ったキャラクタを出現させるようにしてもよい。
図13(G1)および(G2)は、当り予告の変形例について説明するための図である。大当り予告を行なう場合であって、当りの種別が確変状態となる大当り(確変大当り、第1突確大当りまたは第2突確大当り)であるときには、図13(G1)および(G2)で示す態様で大当り予告(以下、確変大当り予告という)を行なうようにし、当りの種別が確変状態となる大当り以外の当り(通常大当り、小当り)である場合には図13(E1)および(E2)で示す態様で確変大当り予告を行なうようにしてもよい。図13(G1)および(G2)では、ともに、“メモリの中にチャンスボーナスあるかも”といったメッセージが記されたプラカードを持ったキャラクタが出現することにより、確変大当り予告が実行されている。この場合は、「チャンスボーナス」という語が、確変状態になる大当りとなることを示している。
なお、図13(G1)の確変大当りの予告と、(G2)の確変大当りの予告とは、出現するキャラクタの種類が異なっている。キャラクタの種類により、9R長期大当りの確変大当りと、9R短期大当りの突確大当り(第1,第2突確大当り)とのうちいずれの大当りとなるかの信頼度を異ならせている。言い換えると、キャラクタの種類により確変状態となる大当りの種類(9R長期大当りの確変大当りと、9R短期大当りの突確大当り(第1,第2突確大当り)とのどちらかの種類)を特定する予告を行なっている。これにより、予告の対象となる保留記憶に基づく変動表示が開始される前段階から確変状態になる大当りとなることを報知することができる。また、9R長期大当りの確変大当りと、9R短期大当りの突確大当り(第1,第2突確大当り)とで当り予告におけるキャラクタを選択する割合を異ならせるのと同様に、9R長期大当りの確変大当りと、9R長期大当りの通常大当りとで当り予告におけるキャラクタの種類を選択する割合を異ならせようにしてもよい。
先読み予告演出は、予告の対象となる保留記憶に基づく変動表示が行われるときまで変動が行なわれるごとに繰返し実行される。このように複数回の変動表示に亘って連続して繰返し行なわれる予告は、前述のように、連続予告と呼ばれる。
なお、図13に示したような連続予告により先読み予告演出が行なわれるときには、先読み予告の対象となる保留記憶表示を、予告態様(黒丸)で表示する例を示した。しかし、これに限らず、連続予告により先読み予告演出が行なわれるときには、保留記憶表示を予告態様(黒丸)に変化させず、プラカードを持ったキャラクタを変動表示ごとに出現させる演出を用いた連続予告を実行するようにしてもよい。
なお、当り予告およびボタン予告のような先読み予告については、予告として、大当り予告を行なう例を示したが、確変大当りとなることを予告する確変予告を行なうようにしてもよい。また、先読み予告については、予告として、リーチとなることを予告するリーチ予告を行なうようにしてもよい。
図13に示したように、先読み予告の演出は、たとえば変動表示の開始時のように、演出図柄の変動表示が開始した後、まだすべての図柄が変動中である状態で実行される(図61に示す先読み予告および今回予告の制御タイミングを示すタイミングチャート参照)。また、前述した今回予告の演出は、たとえば、演出図柄のうちの少なくとも1つの図柄が停止したとき以後の所定のタイミングのように、先読み予告が実行されるタイミングとは異なるタイミングで実行される(図61参照)。これは、遊技者が予告演出が先読み予告と今回予告とのどちらであるかを識別しやすくなるようにするためである。なお、連続予告としての先読み予告はリーチ成立前のタイミングで実行され、今回予告はリーチ成立後のタイミングで実行される等、その他のタイミングで実行されるようにしてもよい。
今回予告としては、群予告と呼ばれる予告種別と、ステップアップ予告と呼ばれる予告種別との複数の予告種別を含む。群予告およびステップアップ予告のそれぞれの種別は、複数の予告パターンが属する種別であり、複数の予告パターンから選択された予告パターンで予告演出が行なわれる。
群予告とは、所定のキャラクタ画像の群を表示することにより予告をする予告演出をいう。群予告としては、たとえば、大当りとなる信頼度に応じて複数種類の群キャラクタ(群を構成するキャラクタ)を設けることにより、複数の予告パターンが設けられている。そして、群予告を行なうことが決定されたときには、複数の予告パターンのうちから、大当りとなる予告対象となる今回の変動表示が実行されるときに、今回の変動表示の結果が大当りとなるかはずれとなるかで異なる割合で、予告パターンを選択し、選択した予告パターンで予告演出が行なわれる。また、ステップアップ予告とは、複数段階の予告ステップにより予告演出がステップアップすることにより予告をする予告演出をいう。
このような今回予告の演出は、前述した先読み予告とは別個の処理により、実行するか否かの決定が行なわれる。また、今回予告の演出は、前述した先読み予告とは異なり、たとえば、演出図柄のすべての図柄が停止する前であって、少なくとも1つの図柄が停止したとき以後の所定のタイミングで実行される。これにより、先読み予告と、今回予告とは、実行されるタイミングが重複しないように設定されている。
なお、先読み予告と今回予告との実行タイミングは、異なるタイミングに設定されていれば、どのようなタイミングで行なわれてもよい。たとえば、今回予告をまだすべての図柄が変動中である状態で実行し、先読み予告を演出図柄のすべての図柄が停止する前であって、少なくとも1つの図柄が停止したとき以後の所定のタイミングで実行するようにしてもよい。また、リーチ状態となる前に先読み予告を実行し、リーチ状態となった後に今回予告を実行するようにしてもよい。逆に、リーチ状態となる前に今回予告を実行し、リーチ状態となった後に先読み予告を実行するようにしてもよい。また、先読み予告および今回予告のそれぞれを少なくとも1つの図柄が停止する前のタイミングで実行するようにしてもよい。その場合には、いずれか一方の予告を第1のタイミングで実行し、他方の予告を第1タイミングよりも後のタイミングで実行するようにすればよい。
先読み予告と今回予告の演出とは、実行するか否かが別個の処理により決定されるが、異なるタイミングで実行されるので、1回の変動表示において同時並列的に実行されるおそれがないため、遊技者が、予告演出の内容を明確に認識しやすいようにすることができる。
図13においては、演出図柄の背景画像の図示を省略しているが、演出図柄の背景画像は、複数の演出モードのそれぞれに対応して複数設けられており、演出モードに応じて選択されて表示される。演出モードとしては、通常モード、確変モード、第1潜伏モード、および、第2潜伏モードが設けられている。
通常モードは、第1,第2潜伏モード以外で低確率状態となっているときの演出モードである。たとえば、通常大当りの終了後に、演出モードは通常モードに制御される。確変モードは、第1,第2潜伏モード以外で高確率状態となっているときの演出モードである。たとえば、確変大当りの終了後、および、第2突確大当りの終了後に、演出モードは確変モードに制御される。
第1潜伏モードは、潜伏モードに含まれる第1,第2潜伏モードのうち、確変状態が潜伏していないときに第2潜伏モードよりも選択される割合が高い演出モードである。逆に、第2潜伏モードは、潜伏モードに含まれる第1,第2潜伏モードのうち、確変状態が潜伏しているときに第1潜伏モードよりも選択される割合が高い演出モードである。たとえば、第1突確大当り終了後、および、小当りの終了後に、演出モードは潜伏モードに制御される。
図14は、演出表示装置9に表示される背景画像の種類を説明するための図である。
図14(A)は、通常モードの背景画像である。通常モードの背景画像は、魚、海草、水等により海を想起させる画像(海画像)よりなる。
図14(B)は、確変モードの背景画像である。確変モードの背景画像は、山、鳥、雲等により山を想起させる画像(山画像)よりなる。
図14(C)は、第1潜伏モードの背景画像である。第1潜伏モードの背景画像は、月、星等により第1の夜空を想起させる画像(第1夜空画像)よりなる。
図14(D)は、第2潜伏モードの背景画像である。第2潜伏モードの背景画像は、星等により第2の夜空を想起させる画像(第2夜空画像)よりなる。第2潜伏モードの背景画像は、第1潜伏モードの背景画像と類似するが、一部が異なる画像であり、同種のモードである印象を遊技者に与えながらもモードが異なることを示すことが可能な画像である。
以上に示したような背景画像は、演出制御用マイクロコンピュータ100により制御される演出モードに応じて、変化させられる。
次に、図15〜図19を用いて、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、特別図柄および演出図柄の変動パターンを選択決定するために用いる変動パターンテーブルについて説明する。変動パターンテーブルとしては、ROM54に、通常状態はずれ時第1判定テーブル、通常状態はずれ時第2判定テーブル、時短状態はずれ時第1判定テーブル、時短状態はずれ時第2判定テーブル、通常状態9R長期大当り時判定テーブル、時短状態9R長期大当り時判定テーブル、通常状態9R短期大当り時判定テーブル、時短状態9R短期大当り時判定テーブル、通常状態小当り時判定テーブル、および、時短状態小当り時判定テーブルの複数手段のデータテーブルが記憶されており、選択的に用いられる。
通常状態はずれ時第1判定テーブルは、時短状態以外の通常状態において、大当り判定によりはずれとすることが決定され、かつ、保留記憶数(合算保留記憶数)が1〜3であるときに用いられる変動パターンテーブルである。通常状態はずれ時第2判定テーブルは、時短状態以外の通常状態において、大当り判定によりはずれとすることが決定され、かつ、保留記憶数(合算保留記憶数)が4〜8であるときに用いられる変動パターンテーブルである。通常状態はずれ時第1判定テーブルおよび通常状態はずれ時第2判定テーブルは、図15に示されている。図15において、(a)が通常状態はずれ時第1判定テーブルであり、(b)が通常状態はずれ時第2判定テーブルである。
時短状態はずれ時第1判定テーブルは、時短状態において、大当り判定によりはずれとすることが決定され、かつ、保留記憶数(合算保留記憶数)が1〜3であるときに用いられる変動パターンテーブルである。時短状態はずれ時第2判定テーブルは、時短状態において、大当り判定によりはずれとすることが決定され、かつ、保留記憶数(合算保留記憶数)が4〜8であるときに用いられる変動パターンテーブルである。時短状態はずれ時第1判定テーブルおよび時短状態はずれ時第2判定テーブルは、図16に示されている。図16において、(a)が時短状態はずれ時第1判定テーブルであり、(b)が時短状態はずれ時第2判定テーブルである。
通常状態9R長期大当り時判定テーブルは、時短状態以外の通常状態において、大当り判定および大当り種別判定により9R長期大当りとすることが決定されたときに用いられる変動パターンテーブルである。時短状態9R長期大当り時判定テーブルは、時短状態において、大当り判定および大当り種別判定により9R長期大当りとすることが決定されたときに用いられる変動パターンテーブルである。通常状態9R長期大当り時判定テーブルおよび時短状態9R長期大当り時判定テーブルは、図17に示されている。図17において、(a)が通常状態9R長期大当り時判定テーブルであり、(b)が時短状態9R長期大当り時判定テーブルである。
通常状態9R短期大当り時判定テーブルは、時短状態以外の通常状態において、大当り判定および大当り種別判定により突確大当りとすることが決定されたときに用いられる変動パターンテーブルである。時短状態9R短期大当り時判定テーブルは、時短状態において、大当り判定および大当り種別判定により突確大当りとすることが決定されたときに用いられる変動パターンテーブルである。通常状態9R短期大当り時判定テーブルおよび時短状態9R短期大当り時判定テーブルは、図18に示されている。図18において、(a)が通常状態9R短期大当り時判定テーブルであり、(b)が時短状態9R短期大当り時判定テーブルである。
通常状態小当り時判定テーブルは、時短状態以外の通常状態において、小当り判定により小当りとすることが決定されたときに用いられる変動パターンテーブルである。時短状態小当り時判定テーブルは、時短状態において、小当り判定により小当りとすることが決定されたときに用いられる変動パターンテーブルである。通常状態小当り時判定テーブルおよび時短状態小当り時判定テーブルは、図19に示されている。図19において、(a)が通常状態小当り時判定テーブルであり、(b)が時短状態小当り時判定テーブルである。
図15〜図19に示すテーブルのそれぞれは、ランダム3と変動パターン種別との関係を示す変動パターン種別判定テーブルと、各変動パターン種別についてランダム4と各種別に属する変動パターンとの関係を示す変動パターン判定テーブルとを含む。
図15に示す通常状態はずれ時第1判定テーブルおよび通常状態はずれ時第2判定テーブルのそれぞれにおいては、変動パターン種別により、変動パターンの大分類(種別)が特定される。このように、変動パターンは、変動パターンの演出の態様に基づいて複数種類の変動パターン種別に分類されている。
図15〜図19の各テーブルでの変動パターンの欄において、「擬似連なし」は、擬似連が行なわれない変動パターンである。「通常変動」はリーチとならずはずれとなる変動表示を示している。「滑り」は左,中,右図柄を変動させてから、2つ以上の図柄を仮停止表示させた後、その仮停止表示した図柄のうち所定数の図柄を再び変動させた後に停止表示させることによって、図柄が滑って停止表示するように演出図柄を変更させる演出表を行なう変動表示を示している。
また、「ノーマル」は変動中にリーチになるものの後述するスーパーリーチのときのようなキャラクタ等によるリーチ演出が行なわれることなく停止する変動パターンとしてのノーマルリーチを示している。「スーパーA」は、第1のキャラクタを用いたスーパーリーチの演出を行なう変動パターンとしてのスーパーリーチAを示している。「スーパーA」は、第2のキャラクタを用いたスーパーリーチの演出を行なう変動パターンとしてのスーパーリーチBを示している。
「特殊スーパーA」は、第1のキャラクタを用いてスーパーリーチAと同様の演出を「スーパーA」よりも短い変動時間で実行するスーパーリーチであって、変動表示中に一旦リーチ図柄の組合せを表示した後、図柄が差替えられることにより最終的に突確大当り図柄の組合せ、および、小当り図柄の組合せとしてのチャンス目を表示する特殊な変動パターンとしての特殊スーパーリーチAを示している。「特殊スーパーB」は、第2のキャラクタを用いてスーパーリーチBと同様の演出を「スーパーB」よりも短い変動時間で実行するスーパーリーチであって、変動表示中に一旦リーチ図柄の組合せを表示した後、図柄が差替えられることにより最終的に突確大当り図柄の組合せ、および、小当り図柄の組合せとしてのチャンス目を表示する特殊な変動パターンとして特殊スーパーリーチBを示している。
「擬似連1回」は、擬似連で再変動が1回行なわれる変動パターンである。「擬似連2回」は、擬似連で再変動が2回行なわれる変動パターンである。「擬似連3回」は、擬似連で再変動が3回行なわれる変動パターンである。「擬似連4回」は、擬似連で再変動が4回行なわれる変動パターンである。「はずれ」は、変動表示の最終的な表示結果が「はずれ」の表示結果となる変動パターンである。
これらの情報に基づいて、たとえば、「擬似連なし スーパーA はずれ」という変動パターンは、「擬似連とならない変動表示において、スーパーリーチAとなった後、はずれ表示結果となる変動パターン」であることが示される。
次に、複数の変動パターンにおける変動時間の長さの関係について説明する。擬似連で再変動が行なわれる変動パターンの変動時間の長さは、擬似連1回<擬似連2回<擬似連3回<擬似連4回というように、再変動回数が増える程長くなるように設定されている。また、「通常A」および「通常B」のそれぞれの変動パターン種別に属する変動パターンは、「ノーマルリーチ」、「スーパーリーチA」、および、「スーパーリーチB」のような「リーチ」の変動パターン種別に属する変動パターンよりも全般的に変動時間が短くなるように設定されている。また、「スーパーリーチA」、および、「スーパーリーチB」のような「スーパーリーチ」の変動パターン種別に属する変動パターンは、「ノーマルリーチ」の変動パターン種別に属する変動パターンよりも全般的に変動時間が長くなるように設定されている。
図15〜図19のテーブルにおいて、「ランダム3範囲」および「変動パターン種別」という記載がされた欄は、「ランダム3範囲」と「変動パターン種別」との関係を示す変動パターン種別判定テーブルを示す欄である。たとえば、図15(a)を例にとれば、「通常A」、「通常B」、「ノーマルリーチ」、「スーパーリーチA」、および、「スーパーリーチB」というような複数の変動パターン種別のそれぞれに、ランダム3(0〜109)のすべての値が、r1で示される数値範囲、r2で示される数値範囲、r3で示される数値範囲、r4で示される数値範囲、および、r5で示される数値範囲のような複数の数値範囲に分けて割振られている。たとえば、所定のタイミングで抽出したランダム3の値がr4の数値範囲のいずれかの数値と合致すると、変動パターン種別として「スーパーリーチA」とすることが決定される。
図15〜図19のそれぞれのテーブルにおいて、「ランダム4範囲」および「変動パターン」という記載がされた欄は、「ランダム4範囲」と「変動パターン」との関係を示す変動パターン判定テーブルを示す欄である。変動パターン種別判定テーブルの各種別に対応して示されている変動パターンが、各種別に属する変動パターンである。たとえば、図15(a)を例にとれば、「ノーマルリーチ」の種別に属する変動パターンは、「擬似連なしノーマルはずれ」、「擬似連1回ノーマルはずれ」、「擬似連2回ノーマルはずれ」、および、「滑りはずれ」である。各変動パターン種別に対応する複数の変動パターンのそれぞれに、ランダム4(0〜99)のすべての値が、複数の数値範囲に分けて割振られている。たとえば、「スーパーリーチA」の変動パターン種別とすることが決定されたときに、所定のタイミングで抽出したランダム4の値に応じて、「擬似連なし スーパーA
はずれ」等の当該種別に属する変動パターンが選択決定される。
「変動パターン種別」の欄において、「通常A」の種別は、「通常変動」の変動パターンが属する変動パターン種別であって、擬似連および滑りのような特別な演出が行なわれない変動パターン種別である。「通常B」の種別は、「通常変動」の変動パターンが属する変動パターン種別であって、擬似連および滑りのような特別な演出が行なわれる変動パターン種別である。また、「ノーマルリーチ」の種別は、ノーマルリーチの変動パターンが属する変動パターン種別である。また、「スーパーリーチA」の種別は、スーパーリーチAまたは特殊スーパーリーチAの変動パターンが属する変動パターン種別である。スーパーリーチAと特殊スーパーリーチAとは、リーチ状態における主な演出が実質的に同様の変動パターンであるので、同じ変動パターン種別に属する。「スーパーリーチB」の種別は、スーパーリーチBまたは特殊スーパーリーチBの変動パターンが属する変動パターン種別である。スーパーリーチBと特殊スーパーリーチBとは、リーチ状態における主な演出が実質的に同様の変動パターンであるので、同じ変動パターン種別に属する。
「スーパーリーチA」の種別および「スーパーリーチB」の種別を合せた「スーパーリーチ」の種別は、「ノーマルリーチ」の種別と比べて、はずれとなるときよりも大当りとなるときに選択される割合が高く設定されている。したがって、スーパーリーチが表示されたときには、ノーマルリーチが表示されたときよりも大当りとなる信頼度が高い。また、「スーパーリーチA」の種別および「スーパーリーチB」の種別のうち、「スーパーリーチB」の種別は、「スーパーリーチA」の種別と比べて、大当りとなるときに選択される割合が高く設定されている。したがって、スーパーリーチBが表示されたときには、スーパーリーチAが表示されたときよりも大当りとなる信頼度が高い。
図17に示す通常状態9R長期大当り時判定テーブルおよび時短状態9R長期大当り時判定テーブルのそれぞれでは、「ノーマルリーチ」、「スーパーリーチA」、および、「スーパーリーチB」というようなリーチとなる変動パターン種別が設けられているが、図15,図16,図18,図19に示すその他のテーブルと異なり、「通常変動」というリーチとならない変動パターン種別が設けられていない。「通常変動」の変動パターン種別が設けられていない理由は、本実施の形態では、9R長期大当りとなるときには、変動表示中において必ずリーチ状態となるからである。
図18に示す通常状態9R短期大当り時判定テーブルおよび時短状態9R短期大当り時判定テーブルのそれぞれでは、図17に示す通常状態9R長期大当り時判定テーブルおよび時短状態9R長期大当り時判定テーブルのそれぞれと異なり、「ノーマルリーチ」、「スーパーリーチA」、および、「スーパーリーチB」というようなリーチとなる変動パターン種別に加えて、「通常A」および「通常B」というようなリーチとならない変動パターン種別が設けられている。「通常A」および「通常B」の変動パターン種別が設けられている理由は、本実施の形態では、突確大当りまたは小当りとなるときには、変動表示中においてリーチ状態となる場合と、リーチ状態とならない場合とがあるからである。
図15〜図19に示すテーブルにおいて、通常状態はずれ時第1判定テーブル、通常状態はずれ時第2判定テーブル、通常状態9R長期大当り時第1判定テーブル、通常状態9R短期大当り時判定テーブル、および、通常状態小当り時判定テーブルのそれぞれは、時短状態ではない通常状態において変動パターンを決定するために用いられる。一方、時短状態において変動パターンを決定するときには、通常状態はずれ時第1判定テーブルの代わりに、時短状態はずれ時第1判定テーブルが用いられる。また、時短状態において変動パターンを決定するときには、通常状態はずれ時第2判定テーブルの代わりに、時短状態はずれ時第2判定テーブルが用いられる。また、時短状態において変動パターンを決定するときには、通常状態9R長期大当り時第1判定テーブルの代わりに、時短状態9R長期大当り時判定テーブルが用いられる。また、時短状態において変動パターンを決定するときには、通常状態9R短期大当り時判定テーブルの代わりに、時短状態9R短期大当り時判定テーブルが用いられる。また、時短状態において変動パターンを決定するときには、通常状態小当り時判定テーブルの代わりに、時短状態小当り時判定テーブルが用いられる。
図15〜図19に示す通常状態に用いるテーブルと、時短状態に用いるテーブルとの関係は、次のとおりである。たとえば、図15(b)の時短状態はずれ時第1判定テーブルの各変動パターン種別に属する変動パターンとしては、図15(a)の通常状態はずれ時第1判定テーブルの各変動パターン種別に属する変動パターンと比べて、実質的に同様の演出を行なう変動パターンが短い変動時間で設定されている。たとえば、図15(b)の「擬似連なし スーパーA はずれ 時短」は、図15(a)の「擬似連なし スーパーA はずれ」よりも短い変動時間でこれと実質的に同様の演出を行なう変動パターンである。そのような短い変動時間で実質的に同様の演出を行なう変動パターンは、「時短」という情報が特定されている。このような通常状態に用いるテーブルと、時短状態に用いるテーブルとの関係は、図15〜図19に示すその他の通常状態に用いるテーブルと時短状態に用いるテーブルとの間でも同様である。これにより、時短状態のときには、通常状態のときと比べて、変動時間が短い変動パターンが選択されやすい。したがって、時短状態のときには、通常状態のときと比べて1回の変動表示の平均的な変動時間が短くなり、保留記憶データを消化する効率が向上する。なお、各種の「リーチ」の変動表示に関しては、通常時と時短時とで同じパターン種類の変動表示のときには、変動時間が同じとなる変動パターンを設定してもよい。
また、図15、図16、図18、および、図19に示す時短状態に用いるテーブルは、対応関係にある通常状態に用いるテーブルに対して、「通常A」および「通常B」を合せた「通常」の変動パターン種別が選択される割合が高く設定されており、「ノーマルリーチ」、「スーパーリーチA」、および、「スーパーリーチB」を合せた「リーチ」の変動パターン種別が選択される割合が低く設定されている。これにより、時短状態のときには、通常状態のときと比べて、変動時間が短い変動パターンがより一層選択されやすい。したがって、時短状態のときには、通常状態のときと比べて1回の変動表示の平均的な変動時間がより一層短くなり、保留記憶データを消化する効率がより一層向上する。
なお、時短状態に用いるテーブルは、対応関係にある通常状態に用いるテーブルに対して、前述のような時短用の変動パターンを設けることのみで、変動時間が短い変動パターンが選択されやすいように設定してもよい。また、時短状態に用いるテーブルは、対応関係にある通常状態に用いるテーブルに対して、前述のように、「通常A」および「通常B」を合せた「通常」の変動パターン種別を選択する割合を高く設定する等、変動時間が同じ変動パターンを選択可能であるが、変動時間が短い変動パターンを選択する割合を高く設定することのみで変動時間が短い変動パターンが選択されやすいように設定してもよい。
また、図15に示すテーブルは、変動パターンを決定するときの保留記憶数に応じて選択的に使用される。具体的に、変動パターンを決定するときの保留記憶数が1〜3であるときには、(a)の通常状態はずれ時第1判定テーブルが用いられ、保留記憶数が4〜8であるときには、(b)の通常状態はずれ時第2判定テーブルが用いられる。同様に、図16に示すテーブルは、変動パターンを決定するときの保留記憶数に応じて選択的に使用される。具体的に、変動パターンを決定するときの保留記憶数が1〜3であるときには、(a)の時短状態はずれ時第1判定テーブルが用いられ、保留記憶数が4〜8であるときには、(b)の時短状態はずれ時第2判定テーブルが用いられる。
図15のテーブルにおいて、(a)の通常状態はずれ時第1判定テーブルに対し、(b)の通常状態はずれ時第2判定テーブルは、「通常A」および「通常B」を合せた「通常」の変動パターン種別が選択される割合が高く設定されており、「ノーマルリーチ」、「スーパーリーチA」、および、「スーパーリーチB」を合せた「リーチ」の変動パターン種別が選択される割合が低く設定されている。このような関係は、図16のテーブルにおける(a)の時短状態はずれ時第1判定テーブルと、(b)の時短状態はずれ時第2判定テーブルとの間でも同様である。これにより、保留記憶数が4〜8のように比較的多いときには、保留記憶数が1〜3のように比較的少ないときと比べて、変動時間が短い変動パターンが選択されやすい。したがって、保留記憶数が多いときには、保留記憶数が少ないときと比べて1回の変動表示の平均的な変動時間が短くなり、保留記憶データを消化する効率が向上する。
始動入賞時の先読み判定により変動パターン種別が判定されたときと、当該始動入賞後、当該始動入賞の保留記憶データに基づく変動表示開始時に当該変動表示における変動パターン種別として変動パターン種別が判定されたときとでは、保留記憶数が変化していることが多い。図15および図16に示すように、はずれとなるときには、時短状態であるか否か、および、保留記憶数がいくつであるかによらず、先読み予告の対象となる特定の変動パターン種別としてのスーパーリーチBの変動パターン種別が選択される判定値として共通の判定値が設定されている。これは、時短状態であるか否か、および、保留記憶数がいくつであるかによらず、先読み予告の対象となる変動パターン種別(スーパーリーチB)について、始動入賞時の先読み判定により判定された変動パターン種別と、当該始動入賞後、当該始動入賞の保留記憶データに基づく変動表示開始時に当該変動表示における変動パターン種別として判定された変動パターン種別とを一致させるためである。したがって、はずれとなることが決定された場合は、時短状態であるか否か、および、保留記憶数がいくつであるかによらず、先読み判定により判定される先読み予告の対象となる変動パターン種別(スーパーリーチB)については、始動入賞時の先読み判定により判定された変動パターン種別と、当該始動入賞後、当該始動入賞の保留記憶データに基づく変動表示開始時に当該変動表示における変動パターン種別として判定された変動パターン種別とが必ず一致することとなる。これにより、先読み予告の対象となる変動パターン種別については、時短状態であるか否か、および、保留記憶数の多少に関わらず共通の判定値が割振られていることにより、先読み判定を正確に行なうことができる。一方、先読み予告の対象とならないノーマルリーチ等の変動パターン種別については保留記憶情報の記憶数に応じて異なる判定値が割振られているので、保留記憶数の多少に応じて異なる割合で変動パターン種別を選択することが可能となるため、変動表示の実行効率を向上させることが可能となり、パチンコ遊技機1の稼動率を向上させることが可能となる。
図15および図16に示すようなはずれ時に用いられるテーブルに対し、図17および図18に示すような大当り時に用いられるテーブルは、「リーチ」の変動パターン種別に関し、「スーパーリーチA」、および、「スーパーリーチB」を合せた「スーパーリーチ」の変動パターン種別が、「ノーマルリーチ」の変動パターン種別よりも選択される割合が高く設定されている。したがって、「スーパーリーチ」の演出が行なわれたときには、「ノーマルリーチ」の演出が行なわれたときと比べて、大当りとなる信頼度が高く、遊技者の大当りへの期待感を高めることができる。
また、図17および図18に示す大当り時に用いられるテーブルにおいては、「スーパーリーチ」の変動パターン種別に関し、「スーパーリーチB」の変動パターン種別が、「スーパーリーチA」の変動パターン種別よりも選択される割合が高く設定されている。したがって、「スーパーリーチB」の演出が行なわれたときには、「スーパーリーチA」の演出が行なわれたときと比べて、大当りとなる信頼度が高く、遊技者の大当りへの期待感を高めることができる。
また、図17および図18に示す大当り時の判定テーブルに設定された変動パターンは、図15および図16のはずれ時の判定テーブルに設定された変動パターンと比べて次の点が異なる。
図17に示す9R長期大当り時の判定テーブルおよび図18に示す9R短期大当り時の判定テーブルのそれぞれにおいては、「ノーマルリーチ」の変動パターン種別に、「擬似連3回ノーマル」という擬似連3回の変動パターンが含まれている。したがって、擬似連においてノーマルリーチとなるときには、擬似連での再変動回数が3回のような所定回数になると所定回数未満のときよりも大当りになる割合が高く(たとえば、100%)なる。これにより、ノーマルリーチにおいて再変動回数が増えるにしたがって、遊技者の大当りへの期待感を高めることができる。
図17に示す9R長期大当り時の判定テーブルおよび図18に示す9R短期大当り時の判定テーブルのそれぞれにおいては、「スーパーリーチA」および「スーパーリーチB」のそれぞれの変動パターン種別に、擬似連4回の変動パターンが含まれている(はずれとなるときの最大の擬似連回数は3回)。したがって、変動表示において擬似連の再変動が4回実行されたときには、必ず大当りとなる。これにより、擬似連における再変動の回数が多いほど大当りとなりやすくなるように設定することができる。これにより、スーパーリーチにおいて再変動回数が増えるにしたがって、遊技者の大当りへの期待感を高めることができる。
また、図17および図18に示すような大当り時に用いられる変動パターンでは、図15および図16に示すようなはずれ時に用いられる変動パターンと比べて、擬似連となる変動パターンが選択される割合が高くなるように変動パターン判定値が割振られている。また、図17および図18に示すような大当り時に用いられる変動パターンでは、擬似連の変動パターンについて、再変動回数が多い程、選択される割合が高くなるように変動パターン判定値が割振られている。一方、図15および図16に示すようなはずれ時に用いられる変動パターンでは、擬似連の変動パターンについて、再変動回数が少ない程、選択される割合が高くなるように変動パターン判定値が割振られている。これにより、擬似連の変動パターンが実行されたときに、遊技者の大当りへの期待感を高め、さらに、擬似連での再変動回数が多くなるほど、遊技者の大当りへの期待感をより一層高めることができる。
また、図17に示す9R長期大当り時に用いるテーブルとしては、確変大当り時に用いるデータテーブルと、通常大当り時に用いるデータテーブルとを設け、確変状態であるか否かに基づいて、使い分けるようにしてもよい。具体的には、確変大当り時には、通常大当り時と比べて特定のスーパーリーチが選択される割合を高くする等、確変大当り時と通常大当り時とで変動パターンの選択割合が異なるように設定する。
また、図18に示す9R短期大当り時に用いるテーブルとしては、第1突確大当り時に用いるデータテーブルと、第2突確大当り時に用いるデータテーブルとを設け、第1突確大当りと第2突確大当りとのどちらであるかに基づいて、使い分けるようにしてもよい。具体的には、第2突確大当り時には、第1突確大当り時と比べて特定のスーパーリーチが選択される割合を高くする等、第1突確大当り時と第2突確大当り時とで変動パターンの選択割合が異なるように設定する。
また、図15および図16に示すような保留記憶数に応じて変動パターン種別の決定をする割合を異ならせるときの保留記憶数の閾値(たとえば、保留記憶数が所定個以上でテーブルを異ならせるときの所定値、たとえば、図15および図16でテーブル選択をするための閾値である保留記憶数「4」のような値)を、遊技状態に応じて異ならせるようにしてもよい。たとえば、保留記憶数が所定数以上のときに変動時間が長い変動パターン種別とする決定をする割合を低くするテーブルについて、確変状態においては、非確変状態よりも少ない保留記憶数が当該閾値となるように設定してもよい。
また、図15および図16に示すような保留記憶数に応じて変動パターン種別の決定をする割合を異ならせるときに用いるテーブルとしては、「1」,「2」,「3」・・・というような1つの保留記憶数別にテーブルを設け、これらテーブルを、保留記憶数に応じて変動パターン種別の決定をする割合が異なる(たとえば、保留記憶数が多い程変動時間が長い変動パターン種別とする決定をする割合が低くなる等)ようにデータが設定されたテーブルとしてもよい。具体的には、保留記憶数に応じて、変動パターン種別の決定をする判定値の数が異なるようにデータを設定すればよい。
なお、この実施の形態では、先読み判定処理としては、変動パターン種別について、先読み予告を行なうと判定するスーパーリーチBの種別を特定する判定値群を設け、これら判定値のうちのいずれかと、読出したランダム3とが一致するときに、先読み予告を行なうことに決定する例を示す。しかし、これに限らず、ランダム3の数値範囲内において、各変動パターン種別の選択範囲を変動パターン種別ごとに閾値で分けて特定し、読出したランダム3の数値がどの変動パターン種別の数値範囲に属するかで先読み判定結果としての変動パターン種別を決定するようにしてもよい。たとえば、はずれとなるときにおいては、保留記憶数が1〜3のときの各変動パターン種別の数値データの範囲と、保留記憶数が4〜8のときの各変動パターン種別の数値データの範囲とは、スーパーリーチBのようにすべて共通の範囲(たとえば、図15のスーパーリーチBの105〜109の範囲)にする場合と、「スーパーリーチA」、「ノーマルリーチ」、「通常A,B」のように、一部を共通の範囲(たとえば、図15において、スーパーリーチAの100〜104の範囲、ノーマルリーチの80〜96の範囲、通常Bの60〜69の範囲、通常Aの0〜49の範囲)にする場合とがある。したがって、先読み判定結果としては、たとえば、「スーパーリーチB」、「スーパーリーチA」、「スーパーリーチAまたはノーマルリーチ」、「ノーマルリーチ」、「ノーマルリーチまたは通常B」、「通常B」、「通常Aまたは通常B」、「通常A」のように、1つの変動パターン種別のみとなる判定結果と、2つの変動パターン種別のいずれかとなる判定結果とを得ることができる。このような場合には、これら判定結果のそれぞれに対応したコマンドを始動入賞指定コマンドとして送信するようにすればよい。
図20は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図20に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置9において変動表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図15〜図19に示された使用され得る変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。したがって、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、第1飾り図柄表示器9aまたは第2飾り図柄表示器9bにおいて飾り図柄変動表示を開始するように制御し、演出表示装置9において演出図柄の変動表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C06(H)は、当りとするか否か、および当りの種別(はずれ、通常大当り、確変大当り、第1突確大当り、第2突確大当り、小当り)を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C06(H)の受信に応じて飾り図柄および演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C06(H)を表示結果指定コマンドという。
図20に示す例では、変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動に対応した飾り図柄の変動表示(変動)と第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動に対応した飾り図柄の変動表示(変動)とで共通に使用でき、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示に伴って演出を行なう演出表示装置9等の演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の変動表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の変動表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。第1図柄変動指定コマンドおよび第2図柄変動指定コマンドのそれぞれは、特別図柄の変動表示の開始時において、変動パターンコマンドが送信された後に送信される。なお、第1特別図柄の変動表示を開始するのか第2特別図柄の変動表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。また、第1図柄変動指定コマンドおよび第2図柄変動指定コマンドのそれぞれは、変動パターンコマンドを送信する前に送信するようにしてもよい。
なお、コマンド8D01(H)(第1図柄変動指定コマンド)およびコマンド8D02(H)(第2図柄変動指定コマンド)は、演出制御用マイクロコンピュータ100が、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の変動表示時間中に装飾用(演出用)の図柄としての第1飾り図柄の変動表示を行なう第1飾り図柄表示器9aにおいて飾り図柄の変動を行なうのか、第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の変動表示時間中に第2飾り図柄の変動表示を行なう第2飾り図柄表示器9bにおいて飾り図柄の変動を行なうのかを判定するために使用される。
コマンド8F00(H)は、演出図柄(および飾り図柄)の変動表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、演出図柄および飾り図柄の変動表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001〜A003(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始または小当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンドまたは小当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。大当り開始指定コマンドまたは小当り開始指定コマンドには、大当りの種類または小当りに応じた大当り開始1指定コマンド(通常大当りのファンファーレ画面を表示することを指定)、大当り開始指定2指定コマンド(確変大当りのファンファーレ画面を表示することを指定)および小当り/突確開始指定コマンド(小当り、第1突確大当り、および、第2突確大当りで共通のファンファーレ画面を表示することを指定)がある。このようにコマンドが分けられたれたことにより、9R短期大当りである第1突確大当り、および、第2突確大当りと、9R短期大当りと同一または類似の開放パターンで特別可変入賞球装置20を制御する小当りとで、共通のファンファーレ画面を表示して、小当り、第1突確大当り、および、第2突確大当りのどの種別の当りになるかを遊技者に期待させるような制御を行なうことができる。なお、小当り、第1突確大当り、および、第2突確大当りのそれぞれとなるときは、変動パターンコマンドを受信したことに基づいて、変動表示の開始時から大入賞口の開放終了時(最終ラウンド時)までの一連の演出を実行するようにしてもよい。そのように演出を行なう場合には、変動パターンコマンド以外のコマンド(たとえば、ファンファーレ画面を表示することを指定するコマンド、および、大当り遊技の終了を指定するコマンド等)により演出を変化させないようにする。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、非確変大当り(通常大当り)であったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了1指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。コマンドA302(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、確変大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了2指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。コマンドA303(H)は、小当り、第1突確大当り、および、第2突確大当りで共通の終了画面である小当り/突確終了画面を表示すること、すなわち第1突確大当りの遊技の終了を指定するとともに、第1突確大当りであったことを指定する演出制御コマンド(突確1終了指定コマンド:エンディング3指定コマンド)である。コマンドA304(H)は、小当り/突確終了画面を表示すること、すなわち第2突確大当りの遊技の終了を指定するとともに、第2突確大当りであったことを指定する演出制御コマンド(突確2終了指定コマンド:エンディング4指定コマンド)である。コマンドA305(H)は、小当り/突確終了画面を表示すること、すなわち小当り遊技の終了を指定するとともに、小当りであったことを指定する演出制御コマンド(小当り終了指定コマンド:エンディング5指定コマンド)である。
コマンドC0XX(H)は、上位バイト(MODE)である「C0」により第1始動入賞があったことを指定し、下位バイト(EXT)である「XX」により前述したような先読み判定結果を指定する演出制御コマンド(第1始動入賞指定コマンド)である。コマンドC1XX(H)は、上位バイト(MODE)である「C1」により第2始動入賞があったことを指定し、下位バイト(EXT)である「XX」により先読み判定結果を指定する演出制御コマンド(第2始動入賞指定コマンド)である。第1始動入賞指定コマンドと第2始動入賞指定コマンドとを、始動入賞指定コマンドと総称することがある。
具体的に、第1始動入賞指定コマンドおよび第2始動入賞指定コマンドのそれぞれについては、下位バイトである「XX」により、たとえば、「はずれ、通常A」、「小当り、通常A」、「第1突確大当り、通常A」、「第2突確大当り、通常A」、「通常大当り、ノーマルリーチ」、「確変大当り、スーパーリーチB」というような、当り判定結果および大当り種別判定結果と、変動パターン種別とにより特定される先読み判定結果が指定される。より具体的に、先読み判定結果としては、「はずれ」、「小当り」、「第1突確大当り」、「第2突確大当り」、「通常大当り」、および、「確変大当り」というような当りはずれおよび当り種別を示すデータと、変動パターン種別判定結果により特定される「通常A」、「通常B」「ノーマルリーチ」、「スーパーリーチA」、および、「スーパーリーチB」というような変動パターン種別を示すデータとのすべての組合せのそれぞれに対応して一意な番号が付され、その番号で先読み判定結果が指定される。したがって、始動入賞指定コマンドとしては、第1始動入賞指定コマンドおよび第2始動入賞指定コマンドのそれぞれについて、先読み判定結果が指定されたコマンドが設けられており、先読み判定結果にしたがって、送信するコマンドが選択されるのである。「通常A」、「通常B」、「ノーマルリーチ」、および、「スーパーリーチA」のようなスーパーリーチB以外の変動パターン種別は、たとえば、はずれとなるときには、先読み判定時と変動表示開始時とで保留記憶数が変化するので、前述の第1判定テーブルと、第2判定テーブルとで各種別に設定された判定値が重複する部分のみを用いて、先読み判定を行なう。本実施の形態においては、後述するように当該始動入賞指定コマンドに基づき、当該始動入賞による変動表示開始前の段階から行なわれる予告としての先読み予告が実行される場合がある。なお、第1始動入賞指定コマンドおよび第2始動入賞指定コマンドのそれぞれについては、第1始動入賞または第2始動入賞があったことを指定するコマンドと、当該第1始動入賞または第2始動入賞のそれぞれについての先読み判定結果を指定するコマンドとの2つのコマンドを用いて、第1始動入賞または第2始動入賞があったこと、および、先読み判定結果を指定するようにしてもよい。
コマンドC300(H)は、合算保留記憶数を1減算することを指定する演出制御コマンド(保留記憶数減算指定コマンド)である。この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、合算保留記憶数を減算する場合には保留記憶数減算指定コマンドを送信するが、保留記憶数減算指定コマンドを使用せず、合算保留記憶数を減算するときに、減算後の合算保留記憶数を特定するための合算保留記憶数指定コマンドを送信して指定するようにしてもよい。
以上説明した演出制御コマンドは、2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、このようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。たとえば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図20に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、有効な始動入賞に基づいて保留記憶表示を行なう場合に、始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞時に前述した先読みを行なった場合には、当該先読み判定結果に応じた始動入賞指定コマンドを送信する。
始動入賞指定コマンドの下位バイトとしては、たとえば、すでに大当りとなることが先読み判定されているとき等、先読みの禁止状態に設定されているときで当該始動入賞に対する先読みが行なわれなかった場合に判定なしを特定する「00」が設定され、先読み判定結果がはずれで通常Aの変動種別と判定されたときに「01」が設定される。また、たとえば、先読み判定結果がはずれでスーパーリーチBの変動種別と判定されたときに「05」が設定される。また、先読み判定結果が通常大当りでスーパーリーチBの変動種別と判定されたときに「08」が設定される。その他の先読み判定結果についても同様に、一の先読み判定結果が特定されるように予め定められているデータが、始動入賞指定コマンドの下位バイトとして設定される。
演出制御用マイクロコンピュータ100では、当該始動入賞指定コマンドに基づき、保留記憶表示するための処理、先読み予告を実行するか否かを判定するための処理、および先読み予告種別を選択するための処理等を行なう。先読み予告とは、先読み判定結果に関する情報を、当該始動入賞に起因する変動表示開始前の段階から報知する演出をいう。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて特別図柄の変動表示を開始する度に、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。演出制御用マイクロコンピュータ100は、当該変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドに基づき、飾り図柄変動表示を開始するように制御するとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示を開始するように制御する。
図21は、演出制御用マイクロコンピュータ100が用いる乱数を示す説明図である。図21には、一例として、演出図柄の左停止図柄決定用のSR1−1、演出図柄の中停止図柄決定用のSR1−2、演出図柄の右停止図柄決定用のSR1−3、各種の演出決定用のSR2、滑り時仮停止図柄決定用のSR3、擬似連時第1仮停止図柄決定用のSR4−1、擬似連時第2仮停止図柄決定用のSR4−2、擬似連時第3仮停止図柄決定用のSR4−3、擬似連時第4仮停止図柄決定用のSR4−4、図柄停止順序決定用のSR5、第1予告演出の種別決定用のSR6、第1予告演出の予告パターン決定用のSR7、第2予告演出の種別決定用のSR8、第2予告演出の特定パターン決定用のSR9、第2予告演出の予告パターン決定用のSR10、潜伏モード決定用のSR11が示されている。
SR1−1,SR1−2,SR1−3は、演出図柄の左,中,右の停止図柄(仮停止図柄を除く最終的な停止図柄)をランダムに決定するために用いられる。SR2は、演出表示装置9で表示される画像による演出内容等の各種の演出内容をランダムに決定するために用いられる。SR3は、前述したような滑り演出が行なわれるときの仮停止図柄をランダムに決定するために用いられる。擬似連時第1仮停止図柄決定用のSR4−1〜擬似連時第4仮停止図柄決定用のSR4−4のそれぞれは、前述したような擬似連の演出が行なわれるときの第1回目の仮停止時の仮停止図柄〜第4回目の仮停止時の仮停止図柄を決定するために用いられる。
乱数SR5は、左,中,右の演出図柄の停止順序を複数の順序パターンのうちから選択決定するためのランダムカウンタである。
乱数SR6は、先読み予告として行なわれる第1予告演出の種別決定用の乱数を発生させるためのランダムカウンタである。ここで、パチンコ遊技機1では、大当り予告演出について、複数の予告パターンが属する予告種別が複数設けられており、予告演出の予告パターンを選択するときには、予告種別を選択するとともに、選択した予告種別に属する複数の予告パターンから1つの予告パターンが選択されることにより、予告演出を行なうために用いられる予告パターンが決定される。乱数SR7は、第1予告演出の予告パターン決定用の乱数を発生させるためのランダムカウンタである。
乱数SR8は、今回予告として行なわれる第2予告演出の種別決定用の乱数を発生させるためのランダムカウンタである。乱数SR9は、第2予告演出のうちの所定の予告演出(後述するステップアップ予告)において特定の演出種別(特定ステップアップ演出)を実行するか否かの決定に用いる乱数を発生させるためのためのランダムカウンタである。乱数SR10は、第2予告演出の予告パターン決定用の乱数を発生させるためのランダムカウンタである。
乱数SR11は、前述した潜伏モードを複数の潜伏モードのうちから選択するときに用いる乱数を発生させるためのランダムカウンタである。
このような乱数SR1−1〜SR11のそれぞれは、ソフトウェアによりカウント値を更新するランダムカウンタのカウントにより生成されるものであり、図21において対応付けられた範囲内でそれぞれ巡回更新され、それぞれについて定められたタイミングで抽出されることにより乱数として用いられる。
図22は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(S26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。
特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aがオンしているか否か、すなわち、第1始動入賞が発生しているか否かを判断する(S311)。第1始動入賞が発生していたら、第1始動口スイッチ通過処理を実行する(S312)。そして、CPU56は、第1始動口スイッチ13aがオンしていたか否かにかかわらず、第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしているか否か、すなわち、第2始動入賞が発生しているか否かを判断する(S313)。第2始動入賞が発生していたら、第2始動口スイッチ通過処理を実行する(S314)。そして、S300〜S310のうちのいずれかの処理を行なう。
S300〜S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(S300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の変動表示が開始できる状態になると、保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(合計保留記憶数)を確認する。保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数は合計保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合計保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(S301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(変動表示時間:変動表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の変動表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(S302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果特定コマンドを送信する制御を行なう。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(S303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(S301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS304に対応した値(この例では4)に更新する。
特別図柄停止処理(S304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信するための制御を行なう。そして、大当りフラグまたは小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS305またはS308に対応した値(この例では5または8)に更新する。大当りフラグも小当りフラグもがセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において演出図柄および飾り図柄が停止されるように制御する。また、大当りフラグがセットされているときには、現在が確変状態であるか否かによらず、確変フラグをリセット状態とする。また、また、大当りフラグがセットされているときには、現在が時短状態であるか否かによらず、時短フラグをリセット状態とする。
大入賞口開放前処理(S305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行なう。具体的には、カウンタ(たとえば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)等を初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによってラウンド中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。なお、大当りフラグおよび確変フラグがセットされていたときには、前述の特別図柄停止処理ではなく、当該大入賞口開放前処理において、確変フラグをリセットするようにしてもよい。また、時短フラグがセットされていたときには、前述の特別図柄停止処理ではなく、当該大入賞口開放前処理において、時短フラグをリセットするようにしてもよい。
大入賞口開放中処理(S306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、すべてのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(S307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御を行なう。また、遊技状態を示すフラグ(たとえば、確変フラグや時短フラグ)をセットする処理を行なう。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(S308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行なう。具体的には、カウンタ(たとえば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)等を初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口を開放する時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS309に対応した値(この例では9)に更新する。
小当り開放中処理(S309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。小当り遊技状態中の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するための制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残り開放回数がある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS308に対応した値(この例では8)に更新する。また、すべての開放を終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS310に対応した値(この例では10(10進数))に更新する。
小当り終了処理(S310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御を行なう。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図23は、S312の第1始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。図24は、S314の第2始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。図25は、第1始動口スイッチ通過処理および第2始動口スイッチ通過処理のそれぞれで呼出されて実行される入賞時演出処理を示すフローチャートである。図26は、図25の入賞時演出処理および図28の特別図柄通常処理において呼出されて実行される大当り判定処理を示すフローチャートである。図27は、第1始動口スイッチ通過処理および第2始動口スイッチ通過処理のそれぞれにおいて用いられる保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留記憶バッファ)の構成例を示す説明図である。
図23〜図27を用いて、第1始動口スイッチ処理および第2始動口スイッチ処理の内容を説明する。
図23の第1始動口スイッチ処理において、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値が4(上限値)であるか否かを確認する(S211)。第1保留記憶数カウンタは、第1始動入賞口13に始動入賞した第1始動入賞の数を示す第1保留記憶数をカウントするためのカウンタである。
S211において第1保留記憶数カウンタの値が4であれば、処理を終了する。一方、第1保留記憶数カウンタの値が4でなければ、CPU56は第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(S212)。
図27に示すように、保留記憶バッファとしては、第1始動入賞のデータを記憶するための第1保留記憶バッファと、第2始動入賞のデータを記憶するための第2保留記憶バッファとが設けられている。第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファに記憶された始動入賞のデータは、保留記憶データと呼ばれる。また、第1保留記憶バッファに記憶された始動入賞のデータは、第1保留記憶データと呼ばれ、第2保留記憶バッファに記憶された始動入賞のデータは、第2保留記憶データと呼ばれる。
次に、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(S213)。なお、S213の処理では、ランダムR(大当り判定用乱数)、ソフトウェア乱数であるランダム2、および、ランダム3(図6参照)が、保存領域に格納される。
そして、CPU56は、時短フラグがセットされているか否かに基づいて、現在が時短状態であるか否かを確認する(S214)。時短状態であるときには、保留記憶データを先読みしないようにするために、入賞時演出処理を実行せず、先読み判定結果を特定しない第1始動入賞指定コマンドを送信し(S219)、S218に進む。一方、時短状態でないときに、CPU56は、特別図柄プロセスフラグのデータが、大当り遊技状態においてなり得るデータ(大入賞開放前処理、大入賞口開放中処理、または、大当り終了処理を示すデータ)になっているか否かに基づいて、現在が大当り遊技状態中であるか否かを確認する(S215)。なお、小当り遊技状態中であるときに、第1始動入賞について、先読み判定が行なわれないようにしてもよい。
大当り遊技状態中であるときには、保留記憶データを先読みしないようにするために、入賞時演出処理を実行せず、先読み判定結果を特定しない第1始動入賞指定コマンドを送信し(S219)、S218に進む。このように、大当り遊技状態中であるときと、大当り遊技状態終了後の時短状態であるときとには、第1始動入賞について、先読み判定が行なわれない。大当り遊技状態の終了後の所定期間中において時短状態に制御されているときに、第1保留保留記憶バッファに対する先読み判定が禁止されるので、遊技者の射幸心を過度に刺激しないようにすることができる。具体的に、時短状態に制御されているときには、第2始動入賞による保留記憶データが第1始動入賞による保留記憶データよりも優先的に処理されるので、たとえば第1始動入賞に基づく大当りがストックされたまま第2始動入賞に基づく大当りが実行されると、大当りがストックされた状態で大当り遊技が進行するような演出が行なわれることとなるので、過度に遊技者の射幸心を刺激してしまうおそれがあるからである。さらに、このような先読み判定の禁止が行なわれるときが、時短状態に制御されているときであるので、遊技の興趣の低下を招くことなく、遊技者の射幸心を過度に刺激しないようにすることができる。また、大当り遊技状態中において第1保留保留記憶バッファに対する先読み判定が禁止されるので、遊技者の射幸心を過度に刺激しないようにすることができる。さらに、このような先読み判定の禁止が行なわれるときが、大当り遊技状態に制御されているときであるので、遊技の興趣の低下を招くことなく、遊技者の射幸心を過度に刺激しないようにすることができる。
なお、たとえば大当り遊技状態中および大当り遊技状態終了後の時短状態であるときのように、先読み判定を禁止するときには、先読み判定結果を示す始動入賞指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
一方、大当り遊技状態中ではないときに、CPU56は、サブルーチンプログラムとして、図25に示す入賞時演出処理を呼出して実行する(S216)。入賞時演出処理の内容は、後述する。入賞時演出処理においては、前述したような先読み判定が行なわれる。
入賞時演出処理の実行後に、CPU56は、入賞時演出処理により得られた先読み判定結果を特定した第1始動入賞指定コマンドを送信する制御を行ない(S217)、S218に進む。
S218において、CPU56は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計保留記憶数を示す合算保留記憶数カウンタの値を1増やし、処理を終了する。
S217,S219のように、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する場合に、CPU56は、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(予めROM54にコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(S29)において演出制御コマンドを送信する。
次に、第2始動口スイッチ処理の内容を説明する。図24の第2始動口スイッチ処理において、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値が4(上限値)であるか否かを確認する(S221)。第2保留記憶数カウンタは、第2始動入賞口14に始動入賞した第2始動入賞の数を示す第2保留記憶数をカウントするためのカウンタである。
S221において第2保留記憶数カウンタの値が4であれば、処理を終了する。一方、第2保留記憶数カウンタの値が4でなければ、CPU56は第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(S222)。
次に、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、図27に示すような第2保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(S223)。なお、S223の処理では、ランダムR(大当り判定用乱数)およびソフトウェア乱数であるランダム2、および、ランダム3(図6参照)が、保存領域に格納される。
そして、CPU56は、サブルーチンプログラムとして、図25に示す入賞時演出処理を呼出して実行する(S224)。入賞時演出処理の内容は、図25を用いて後述する。入賞時演出処理においては、前述したような先読み判定が行なわれる。
入賞時演出処理の実行後に、CPU56は、入賞時演出処理により得られた先読み判定結果を特定した第2始動入賞指定コマンドを送信する制御を行なう(S225)。
次に、CPU56は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計保留記憶数を示す合算保留記憶数カウンタの値を1増やし(S226)、処理を終了する。
S225のように、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する場合に、CPU56は、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(予めROM54にコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(S29)において演出制御コマンドを送信する。
次に、図25の入賞時演出処理の内容を説明する。入賞時演出処理において、CPU56は、第1始動口スイッチ通過処理のS213または第2始動口スイッチ通過処理のS223により第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保存された最新の保留記憶データを読出す(S230)。具体的に、S230では、入賞時演出処理が第1始動口スイッチ通過処理により呼出されて実行されるときには、第1保留記憶バッファの保留記憶データを読出し、入賞時演出処理が第2始動口スイッチ通過処理により呼出されて実行されるときには、第2保留記憶バッファの保留記憶データを読出す。そして、サブルーチンプログラムとして、図26に示す大当り判定処理を呼出して実行する(S231)。
ここで、図26を参照して、大当り判定処理の内容を説明する。大当り判定処理において、CPU56は、確変フラグがセットされているか否かに基づいて、確変状態中であるか否かを確認する(S341)。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行なわれる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的に、確変フラグは、確変大当りまたは突確大当り(第1突確大当り、第2突確大当り)とすることに決定されたときに、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、次の大当りが発生したときの大当り遊技の開始時においてリセットされる(次の大当りが確変となる大当りであっても、大当り遊技の開始前または開始時に一旦リセットされる)。
確変状態中であるときには、図7に示すような確変大当り判定値と、大当り判定用乱数および小当り判定用乱数として読出したランダムRとを比較し、それらが合致するか否かに基づいて、大当りとするか否かの判定、すなわち、大当り判定を行なう(S342)。図25の入賞演出処理により大当り判定処理が呼出されて実行されるときには、S230により読出された保留記憶データのうち大当り判定用乱数としてのランダムRがS342での大当り判定に用いられる。また、図28の特別図柄通常処理により大当り判定処理が呼出されて実行されるときには、後述するS55により読出された保留記憶データのうち大当り判定用乱数としてのランダムRがS342での大当り判定に用いられる。大当り判定において、大当り判定値とランダムRとが合致するときには、大当りとする決定が行なわれる。また、確変状態中でないときには、図7に示すような非確変大当り判定値と、S342の大当り判定の場合と同様に当り判定用乱数として読出したランダムRとを比較し、それらが合致するか否かに基づいて、大当り判定を行なう(S343)。
S342またはS343による大当り判定において、大当り判定値とランダムRとが合致して大当りとする決定が行なわれたときに、CPU56は、大当りフラグをセットする(S344)。そして、大当り判定をした特別図柄の種別(第1特別図柄と、第2特別図柄とのいずれかの種別)の情報、および、確変状態中であるか否かの情報(確変フラグにより示される情報)に応じて、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、図7(C)に示す第1特別図柄低確率時大当り種別判定テーブル、図7(D)に示す第1特別図柄高確率時大当り種別判定テーブル、または、図7(E)に示す第2特別図柄大当り種別判定テーブルを選択する(S345)。
そして、大当り判定をした特別図柄の種別(第1特別図柄と、第2特別図柄とのいずれかの種別)に応じて、図7に示すような大当り種別判定値と、大当り種別判定用の乱数として読出したランダム2とを比較し、大当り種別判定用の乱数として読出したランダム2の値と合致する値に対応した種別(「第1突確大当り」、「第2突確大当り」、「確変大当り」、または「通常大当り」)を大当りの種別に決定する(S346)。図25の入賞演出処理により大当り判定処理が呼出されて実行されるときには、S230により読出された保留記憶データのうち大当り種別判定用の乱数としてのランダム2がS346での大当り種別判定に用いられる。また、図28の特別図柄通常処理により大当り判定処理が呼出されて実行されるときには、後述するS55により読出された保留記憶データのうち大当り種別判定用の乱数としてのランダム2がS346での大当り種別判定に用いられる。また、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに記憶し(S347)、処理を終了する。たとえば、大当り種別バッファにおいては、大当り種別が「通常大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、大当り種別が「確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定され、大当り種別が「第1突確大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「03」が設定され、大当り種別が「第2突確大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「04」が設定される。なお、前述した第1,第2始動入賞指定コマンドとしては、下位バイト(EXT)に記憶する大当り種別を特定するデータとして、大当り種別バッファに記憶する大当り種別を示すデータと同じ値を設定したコマンドを送信するようにしてもよい。
一方、S342またはS343による大当り判定において、大当り判定値とランダムRとが合致せずに大当りとしない決定が行なわれたときに、CPU56は、大当り判定をした特別図柄(第1特別図柄と、第2特別図柄とのいずれかの種別)に応じて、図7に示すような小当り判定値と、前述のように大当り判定用の乱数および小当り判定用の乱数として読出したランダムRとを比較し、それらが合致するか否かに基づいて、小当りとするか否かの判定、すなわち、小当り判定を行なう(S348)。小当り判定において、小当り判定値とランダムRとが合致するときには、小当りとする決定が行なわれる。第1特別図柄の大当り判定で大当りとしない判定が行なわれたときには、第1特別図柄用の小当り判定値を用いて小当り判定が行なわれ、第2特別図柄の大当り判定で大当りとしない判定が行なわれたときには、第2特別図柄用の小当り判定値を用いて小当り判定が行なわれる。
S348による小当り判定において、小当り判定値とランダムRとが合致して小当りとする決定が行なわれたときに、CPU56は、小当りフラグをセットし(S349)、処理を終了する。
以上に説明したように、大当り判定処理においては、大当り判定、大当り種別判定、および、小当り判定を行なうことが可能である。このような大当り判定処理は、入賞時演出処理で読出されて実行される他、後述するように、変動開始時において大当り判定、大当り種別判定、および、小当り判定を行なう特別図柄通常処理においても、呼出されて実行される。
なお、前述したS343のステップについては、S341の前に実行し、非確変大当り判定値とランダムRとが合致するときにS344に進み、非確変大当り判定値とランダムRとが合致しないときにS341に進むようにしてもよい。このようにすれば、通常状態(非確変状態)であるときに大当り判定処理において実行される処理のステップ数を削減することができる。
次に、S231の大当り判定処理が実行された後に、図25の入賞時演出処理において実行される処理を説明する。大当り判定処理(S231)が実行された後、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(S232)。大当りフラグがセットされているときには、S231の大当り判定処理において判定された大当り種別に対応する変動パターン種別判定テーブルとして、通常状態か時短状態かの遊技状態に応じて(時短フラグに基づいて遊技状態を判断する)、図17および図18に示す通常状態9R長期大当り時判定テーブル、時短状態9R長期大当り時判定テーブル、通常状態9R短期大当り時判定テーブル、および、時短状態9R短期大当り時判定テーブルのいずれかの判定テーブルにおける変動パターン種別判定テーブルを選択し、変動パターン種別を決定するための判定テーブルとして設定する(S233)。そして、大当りフラグをリセットし(S234)、前述のように大当り種別バッファに記憶した大当り種別を示すデータを削除して、S241に進む。
S232により大当りフラグがセットされていないと確認されたときには、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(S236)。小当りフラグがセットされているときには、S231の大当り判定処理において判定された小当りに対応する変動パターン種別判定テーブルとして、通常状態か時短状態かの遊技状態に応じて(時短フラグに基づいて遊技状態を判断する)、図19に示す通常状態小当り時判定テーブル、および、時短状態小当り時判定テーブルのいずれかの判定テーブルにおける変動パターン種別判定テーブルを選択し、変動パターン種別を判定するための判定テーブルとして設定する(S237)。そして、小当りフラグをリセットし(S238)、S241に進む。
一方、S236により小当りフラグがセットされていないと確認されたときは、はずれとなるときであり、図15および図16に示す通常状態はずれ時第1判定テーブル、通常状態はずれ時第2判定テーブル、時短状態はずれ時第1判定テーブル、および、時短状態はずれ時第2判定テーブルのうち、特定の判定テーブル(たとえば、通常状態はずれ時第1判定テーブル)における変動パターン種別テーブルを選択し、はずれ時の変動パターン種別を判定するための判定テーブルとして設定し(S240)、S241に進む。S240により設定するテーブルは、前述のはずれ時に用いられるテーブルのうちのどのテーブルを用いてもよい。はずれ時の場合には、先読み予告を実行するか否かを判定するために、変動パターン種別がスーパーリーチBの変動パターン種別となるか否かを判定できればよく、各テーブルではスーパーリーチBの変動パターン種別に共通の判定値が設定されているので、どのテーブルを選択して用いてもよい。
次に、S241では、S233,S237,S240のいずれかで設定された変動パターン種別判定テーブルを用いて、変動パターン種別の判定値と、変動パターン種別判定用の乱数として読出したランダム3とを比較し、変動パターン種別判定用の乱数として読出したランダム3の値と合致する値に対応した変動パターン種別を、実行する変動パターン種別に選択する判定を行なう(S241)。なお、表示結果がはずれとなるときには、S241において、少なくとも変動パターン種別がスーパーリーチBの種別となるか否かを判定できればよいので、前述のような判定テーブルを用いずに、スーパーリーチBの種別の判定データをプログラムデータとして設定することにより予め定めておき、読出したランダム3が、プログラムデータとして設定されたスーパーリーチBの判定データの下限値から上限値の間にあるか否かを判定する処理を行なうことに基づいて、変動パターン種別がスーパーリーチBの種別となるか否かを判定してもよい。そして、S342,S343による大当り判定結果とS348による小当り判定結果とに基づく当りはずれの情報、S346による大当り種別の情報、および、S241による変動パターン種別の情報に基づいて、発生した始動入賞について、第1始動入賞と第2始動入賞とのどちらであるかという情報、および、前述の先読み判定結果を示す始動入賞指定コマンド(第1始動入賞指定コマンドまたは第2始動入賞指定コマンド)を選択して、当該コマンドを送信するためのデータをセットし(S242)、処理を終了する。なお、始動入賞指定コマンドとしては、大当りと判定されたときには当りはずれの情報と大当り種別の情報とを特定可能なコマンドであれば、変動パターン種別の情報を特定可能なコマンドを用いなくてもよい。また、S242の処理については、入賞時演出処理に設けるのではなく、第1始動入賞口スイッチ通過処理および第2始動入賞口スイッチ通過処理のそれぞれにおいて、入賞時演出処理の後に実行されるように設けてもよい。このようにすれば、どちらの通過処理が実行されているかに基づいて、発生した始動入賞が1始動入賞と第2始動入賞とのどちらであるかが認識できるので、発生した始動入賞について、第1始動入賞と第2始動入賞とのどちらであるかの判断を行なう必要がなくなる。
なお、図25の入賞時演出処理(始動入賞時に実行される図26の大当り判定処理も含む)においては、先読み予告を行なうために始動入賞時に実行されるときに、すべての判定およびデータの記憶をレジスタ上で行ない、RAMにデータを記憶させないように処理を行なうようにしてもよい。たとえば、図26のS342,S343,S345,S346,S348、および、図25のS232,S237,S240,S241等の判定処理は、制御プロセスに設定された閾値を用いて判定し、図26のS344,S347,S349、および、図25のS234,S225,S238等のデータのRAMへの記憶を行なわず、すべてレジスタ上での演算処理に基づいて、大当りまたは小当りであること、大当りの種別、および、変動パターンの種別を判定する処理を実行する。そして、そのような判定処理の結果に基づいて、S242で実行されるような始動入賞指定コマンドデータのセットを行なう。そのようにすれば、入賞時演出処理において大当りフラグまたは小当りフラグ等のフラグのためのデータの記憶、および、大当り種別データの記憶をせずに、始動入賞指定コマンドを送信することが可能となる。
図28は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(S300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認する(S51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば処理を終了する。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU56は、第2保留記憶バッファ(図27参照)に保留記憶データがあるか否か確認する(S52)。第2保留記憶バッファに保留記憶データがあれば、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(S54)。一方、第2保留記憶バッファに保留記憶データがなければ、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(S53)。
この実施の形態では、以下、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたか「第2」を示すデータが設定されたかに応じて、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示とを、共通の処理ルーチンを用いて実行する。特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたときには、第1保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示が行なわれる。一方、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されたときには、第2保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第2特別図柄表示器9aにおける第2特別図柄の変動表示が行なわれる。なお、ここでいう「共通の処理ルーチン」とは、ある特定の一連の処理を実現するためのプログラムであり、この実施の形態では、第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示を行なう一連の処理を実現するためのプログラムを指している。この実施の形態において、「共通の処理ルーチン」には、後述する特別図柄通常処理におけるS55〜S61の処理、S301の変動パターン設定処理、S302の表示結果特定コマンド送信処理、S303の特別図柄変動中処理およびS304の特別図柄停止処理が含まれる。
S52〜S54の制御により、第2保留記憶バッファ内に第2保留記憶のデータが1つでも存在すれば、その第2保留記憶のデータに基づいた第2特別図柄表示器8bの変動表示が、第1保留記憶のデータに基づいた第1特別図柄表示器8aの変動表示に優先して実行される。
このように第2保留記憶のデータに基づいた第2特別図柄表示器8bの変動表示を第1保留記憶のデータに基づいた第1特別図柄表示器8aの変動表示に優先して実行することにより、次のような効果を得ることができる。通常大当り、確変大当り、および、第2突確大当りの大当り遊技状態の終了後の所定期間中においては、時短制御が行なわれることにより、可変入賞球装置15において、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすくなる。したがって、大当り遊技状態の終了後の所定期間中には、それ以外のときに比べて、第2保留記憶のデータが発生しやすくなる。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファの両方に保留記憶データが記憶されている場合は、第1保留記憶データに基づいた第1特別図柄表示器8aの変動表示よりも第2保留記憶のデータに基づいた第2特別図柄表示器8bの変動表示が優先して実行されるので、大当り遊技状態の終了後の時短状態において発生しやすい保留記憶データを効率的に処理することができるから、大当り遊技状態の終了後の時短状態における第2特別図柄表示器8bの変動表示の実行効率を向上させることができる。
CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(S55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
そして、CPU56は、合算保留記憶数カウンタのカウント値をRAM55の所定の領域に保存した後(S57)、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(S58)。S58において合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する前には、CPU56は、変動パターン設定処理において、合算保留記憶数に応じて変動パターンを決定するために必要なデータとして、S58でカウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM55の所定の領域に保存する。このように保存したカウンタ値は、変動パターン設定処理において、変動パターンを決定するために用いられる。本実施形態の場合、CPU56は、合算保留記憶数に応じて、特別図柄の変動表示時間を短縮する制御(たとえば、合算保留記憶数が所定数以上になると変動表示時間を短縮する制御)をする。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、S300〜S310の処理を、第1特別図柄を対象にする場合と第2特別図柄を対象にする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、前述した図26に示す大当り判定処理を呼出して実行する(S59)。これにより、大当り判定と、大当り種別判定または小当り判定とが行なわれる。大当り判定処理においては、前述したように大当りとすることが決定されたときには、大当りフラグがセットされ、かつ、大当りの種別を示すデータが大当り種別バッファに記憶される。また、前述したように、小当りとすることが決定されたときには、小当りフラグがセットされる。大当り判定処理は、始動入賞時に実行される処理である第1始動口スイッチ通過処理および第2始動口スイッチ通過処理のそれぞれにおいて実行される入賞時演出処理と、特別図柄通常処理とで大当り判定等に共通使用される共通のサブルーチンプログラムである。このように、大当り判定等について、共通のサブルーチンプログラムを用いて行なうようにしたことにより、遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するプログラム容量を減らすことができる。
なお、始動入賞時に実行される処理である第1始動口スイッチ通過処理および第2始動口スイッチ通過処理のそれぞれにおいて実行される入賞時演出処理と、特別図柄通常処理とで、共通のサブルーチンプログラムを使用せずに、別個のプログラムにより前述のような大当り判定等を行なうようにしてもよい。
前述したように、可変入賞球装置15が設けられている第2始動入賞口14に対応する第2特別図柄については、大当り種別のうち、「第1突確大当り」および「第2突確大当り」を割振らないように設定されている。これにより、第2始動入賞口14への始動入賞については9R長期大当りが発生しやすくなり、遊技の興趣を向上させることができる。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する(S60)。具体的には、大当りフラグがセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。小当りフラグがセットされている場合には、小当り図柄となる「2」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「1」,「3」,「5」,「7」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。すなわち、大当り種別を「第1突確大当り」に決定した場合には、第1突確大当り図柄となる「1」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当り種別を「第2突確大当り」に決定した場合には、第2突確大当り図柄となる「3」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当り種別を「通常大当り」に決定した場合には、通常大当り図柄となる「5」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当り種別を「確変大当り」に決定した場合には、確変大当り図柄となる「7」を特別図柄の停止図柄に決定する。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(S301)に対応した値に更新する(S61)。
図29は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(S301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(S91)。
大当りフラグがセットされているときには、S59の大当り判定処理において判定された大当り種別に対応する変動パターン種別判定テーブルとして、通常状態か時短状態かの遊技状態に応じて(時短フラグに基づいて遊技状態を判断する)、図17および図18に示す通常状態9R長期大当り時判定テーブル、時短状態9R長期大当り時判定テーブル、通常状態9R短期大当り時判定テーブル、および、時短状態9R短期大当り時判定テーブルのいずれかの判定テーブルにおける変動種別テーブルを選択し、変動種別を決定するための判定テーブルとして設定し(S92)、S96に進む。
S91により大当りフラグがセットされていないと確認されたときには、小当りがセットされているか否かを確認する(S93)。小当りフラグがセットされているときには、S59の大当り判定処理において判定された小当りに対応する変動パターン種別判定テーブルとして、通常状態か時短状態かの遊技状態に応じて(時短フラグに基づいて遊技状態を判断する)、図19に示す通常状態小当り時判定テーブル、および、時短状態小当り時判定テーブルのいずれかの判定テーブルにおける変動種別テーブルを選択し、変動種別を決定するための判定テーブルとして設定し(S94)、S96に進む。
一方、S93により小当りフラグがセットされていないと確認されたときは、はずれとなるときであり、現在の保留記憶数として、合算保留記憶数カウンタから合算保留記憶数を読出す(S94a)。そして、読出した合算保留記憶数よりなる現在の保留記憶数、および、通常状態か時短状態かの遊技状態に応じて(時短フラグに基づいて遊技状態を判断する)、図15および図16に示す通常状態はずれ時第1判定テーブル、通常状態はずれ時第2判定テーブル、時短状態はずれ時第1判定テーブル、および、時短状態はずれ時第2判定テーブルのいずれかの判定テーブルにおける変動種別テーブルを選択し、変動種別を決定するための判定テーブルとして設定し(S95)、S96に進む。なお、S95においては、合算保留記憶数ではなく、第1特別図柄と第2特別図柄とのそれぞれの減殺の保留記憶数を用いて、変動種別テーブルを選択するようにしてもよい。
次に、S96では、S92,S94,S95のいずれかで設定された変動パターン種別判定テーブルを用いて、S55により読出されたランダム3から、変動パターン種別を選択決定する(S96)。図15および図16を用いて説明したように、先読み予告の対象となる変動パターン種別(スーパーリーチB)については、時短状態であるか否か、および、保留記憶数の多少に関わらず共通の判定値が割振られていることにより、表示結果がはずれとなることが決定された場合は、時短状態であるか否か、および、保留記憶数がいくつであるかによらず、始動入賞時の先読み判定により判定された変動パターン種別と、当該始動入賞後、当該始動入賞の保留記憶データに基づく変動表示開始時に当該変動表示における変動パターン種別として判定された変動パターン種別とが必ず一致することとなる。これにより、先読み判定を正確に行なうことができる。
次いで、CPU56は、S96で決定された変動パターン種別に応じた変動パターン判定テーブル(図15〜図19参照)を選択する(S97)。そして、CPU56は、変動パターン判定用の乱数であるランダム4を抽出し、S97により選択されたテーブルを用いて、抽出したランダム4に基づいて、変動パターンを決定する(S98)。
次いで、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)をセットする(S99)。これにより、変動パターンコマンドが図5のS28において、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。また、変動表示を開始する特別図柄に応じて、第1図柄変動指定コマンドまたは第2図柄変動指定コマンドをセットする(S99a)。具体的に、S99aでは、特別図柄ポインタで指定された方の特別図柄に対応する図柄変動指定コマンドをセットする。これにより、変動パターンコマンドが図5のS28において、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。第1図柄変動指定コマンドまたは第2図柄変動指定コマンドは、変動パターンコマンドが送信された後の送信タイミングで送信される。なお、前述のように、第1特別図柄の変動表示を開始するのか第2特別図柄の変動表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めることにより、S99aを設けず、第1図柄変動指定コマンドおよび第2図柄変動指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
そして、特別図柄ポインタで指定された方の特別図柄の変動を開始する(S100)。また、S32の特別図柄表示制御処理で参照される特別図柄に対応した開始フラグをセットする。また、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(S101)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(S302)に対応した値に更新する(S102)。
図30は、表示結果指定コマンド送信処理(S302)を示すフローチャートである。表示結果指定コマンド送信処理において、CPU56は、決定されている大当りの種別、小当り、はずれの情報に応じて、表示結果1指定〜表示結果6指定のいずれかの演出制御コマンド(図20参照)を送信するための制御を行なう。
表示結果指定コマンド送信処理において、CPU56は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(S110)。
大当りフラグがセットされている場合には、前述したS347で記憶された大当りの種別を示すデータに基づいて、大当りの種別に応じた表示結果指定コマンドをセットする(S111)。具体的に、大当りの種別が通常大当りであるときには、通常大当りを示す表示結果2指定コマンドを送信する制御を行なう。大当りの種別が確変大当りであるときには、確変大当りを示す表示結果3指定コマンドを送信する処理を行なう大当りの種別が第1突確大当りであるときには、第1突確大当りであることを示す表示結果4指定コマンドを送信する処理を行なう。大当りの種別が第2突確大当りであるときには、第2突確大当りであることを示す表示結果5指定コマンドを送信する処理を行なう。これにより、大当りの種別に応じた表示結果指定コマンドが図5のS28において、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。
S110において、大当りフラグがセットされていない場合には、S116に移行し、小当りフラグがセットされているか否か確認する。CPU56は、S116の処理で小当りフラグがセットされていることを確認したときには、表示結果6指定コマンドをセットする(S117)。小当りフラグがセットされていないときには、表示結果1指定コマンドをセットする(S118)。これにより、セットされた小当りまたははずれを指定する表示結果指定コマンドが図5のS28において、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。
そして、合算保留記憶数を1減算することを指定する保留記憶数減算指定コマンドを送信する(S119)。なお、保留記憶数減算指定コマンドを送信せずに、減算後の合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドを送信してもよい。また、CPU56は、送信した表示結果指定コマンドをRAM55における演出図柄種類格納領域に保存しておく。
その後、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(S303)に対応した値に更新する(S120)。
図31は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(S303)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(S125)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(S126)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(S304)に対応した値に更新する(S127)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
図32は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(S304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、S32の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動を終了させ、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに停止図柄を導出表示する制御を行なう(S131)。なお、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されている場合には第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動を終了させ、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されている場合には第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動を終了させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドをセットする(S132)。これにより、図柄確定指定コマンドが図5のS28において、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。そして、大当りフラグがセットされていない場合には、S139に移行する(S133)。
大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、確変フラグおよび時短フラグをリセットし(S134)、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当りの種別に応じた大当り開始指定コマンドをセットする(S135)。これにより、大当り開始指定コマンドが図5のS28において、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。具体的には、大当りの種別が通常大当りであるときには、大当り開始1指定コマンドを送信する。大当りの種別が確変大当りであるときには、大当り開始2指定コマンドを送信する。大当りの種別が第1突確大当りまたは第2突確大当りであるときには、小当り/突確開始指定コマンドを送信する。なお、大当りの種別が確変大当りまたは突確大当りであるか否かは、前述のS347によりRAM55に記憶された大当り種別を示すデータ(大当り種別バッファに記憶されているデータ)に基づいて判定される。
次に、ROM55において大当りの種別ごとに記憶されている特別可変入賞球装置20の開放パターンデータを、大当りの種別に応じて選択して読出し、RAM55に設けられた開放パターンデータ記憶領域に記憶する(S136)。具体的に、S136では、次のように開放パターンデータをROM54から読出す。通常大当りおよび確変大当りのそれぞれについては、9R長期大当りの開放パターンデータを読出す。第1突確大当りについては、ランダム7の値を読出し、図11(A)の第1突確大当り時開放パターンテーブルを用いて、前述のように開放パターンを選択決定し、決定した開放パターン(AまたはB)の開放パターンデータをROM54から読出す。第2突確大当りについては、ランダム7の値を読出し、図11(B)の第2突確大当り時開放パターンテーブルを用いて、前述のように開放パターンを選択決定し、決定した開放パターン(AまたはB)の開放パターンデータをROM54から読出す。
次に、大当り遊技状態中のラウンド回数をカウントするためにRAM55に設けられた開放回数カウンタに、大当り種別に応じてRAM55に記憶されている開放パターンデータに基づいて、ラウンド回数のデータを設定する(S137A)。ここで設定される開放回数カウンタのデータは、ラウンド数を示すが、9R長期大当りの開放パターンおよび開放パターンAについては実際の大入賞口の開放回数と一致し、開放パターンBについては実際の大入賞口の開放回数よりも1少ない数値となる(開放パターンBは第9ラウンドに2回開放されるため)。
また、大当り遊技状態の制御に用いるタイマである大入賞口制御タイマに、大当り表示時間に相当する値を設定する(S137B)。ここで、大当り表示時間は、通常大当りおよび確変大当りの場合は大当りが発生したこと、第1突確大当りおよび第2突確大当りの場合は突確大当りまたは小当りが発生したことを、たとえば演出表示装置9においてファンファーレ演出等により報知する時間である。以降、大入賞口開放前処理において、大入賞口制御タイマが1減算されて、0になると大入賞口が開放されてラウンドが開始される。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(S305)に対応した値に更新し(S138)、処理を終了する。
S139では、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否か確認する。時短フラグがセットされている場合には、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタの値を−1する(S140)。そして、時短回数カウンタの値が0になったか否かを確認し(S141)、時短回数カウンタの値が0になった場合には、時短フラグをリセットする(S142)。そして、小当りフラグがセットされているか否か確認する(S143)。小当りフラグがセットされている場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100に小当り/突確開始指定コマンドをセットする(S144)。これにより、小当り/突確開始指定コマンドが図5のS28において、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。
次に、小当りのときに用いる開放パターンAの開放パターンデータをROM54から読出し、RAM55に設けられた開放パターンデータ記憶領域に記憶する(S145)。
次に、開放回数カウンタに、小当りに応じてROM54に記憶した開放パターンデータに基づいて、ラウンド回数のデータを設定する(S146A)。
また、大当り遊技状態の制御に用いるタイマである大入賞口制御タイマに、小当り表示時間(突確大当りまたは小当りが発生したことを、たとえば演出表示装置9においてファンファーレ演出等により報知する時間)に相当する値を設定する(S146B)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開放前処理(S308)に対応した値に更新する(S147)し、処理を終了する。以降、小当り開放前処理において、大入賞口制御タイマが1減算されて、0になると大入賞口が開放されてラウンドが開始される。
また、S143で小当りフラグがセットされていないと判断された場合には、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新し(S148)、処理を終了する。
図33は、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放前処理(S305)を示すフローチャートである。大入賞口開放前処理において、CPU56は、大入賞口制御タイマの値を−1する(S401)。そして、大入賞口制御タイマの値が0であるか否かを確認し(S402)、大入賞口制御タイマの値が0になっていなければ、処理を終了する。
大入賞口制御タイマの値が0になっている場合には、CPU56は、大入賞口の開放中(ラウンド中)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A1XX(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S403)。なお、CPU56は、ラウンド数を、大当り遊技中のラウンド数をカウントするための開放回数カウンタの値を確認することにより認識する。そして、CPU56は、ソレノイド21を駆動して大入賞口(特別可変入賞球装置20)を開放する制御を行なうとともに(S404)、開放回数カウンタの値を−1する(S405)。これにより、各ラウンドにおいて、開放状態の開始時にラウンド数の計数値が更新される。
また、大入賞口制御タイマに、RAM55に記憶した開放パターンデータに基づいて、該当するラウンドの開放時間に応じた値を設定する(S406)。具体的に、S406では、開放回数カウンタの値により現在のラウンドを特定し、RAM55に記憶した開放パターンデータに基づいて、当該ラウンドの開放時間を設定する。9R長期大当りと9R短期大当りとでは前述のように開放時間が異なるので、S406において設定される開放時間が異なる。開放パターンBが選択されたときには、ラウンド中に大入賞口が2回開放されることを考慮して、第9ラウンドのみ、ラウンドの開放時間が、1回目の開放開始時から2回目の開放終了時までの時間に設定される。開放パターンBの第9ラウンドでは、1回目の開放状態と2回目の開放状態との間にインターバル状態(閉鎖時間)が存在するが、1ラウンドに1回のみ開放する開放時間の制御と共通の処理ステップを用いて大入賞口開放前処理を実行するために、S406では、第9ラウンドの場合のみ、大入賞口制御タイマに、ラウンドの開始時(1回目の開放開始時)からラウンドの終了時(2回目の開放終了時)までの時間を設定する。これにより、開放パターンBの第9ラウンドについては、大入賞口が1回だけ開放されるその他のラウンドと同様に、大入賞口制御タイマがタイムアップした時点でラウンドが終了するように制御される。
本実施形態の場合、大当りとなるときには、大当りの種別等に応じて開放パターンが選択され、S136において、当該大当りで実行する開放パターンデータがRAM55の開放パターンデータ記憶領域に記憶される。開放パターンBについては、開放パターンデータにおいて、第9ラウンドの1回目の開放開始時から2回目の開放終了時までの時間を特定する時間データに加えて、第9ラウンドの1回目の開放の終了時を特定する時間データ(1回目開放終了時データ)と、第9ラウンドの2回目の開放の開始時を特定する時間データ(2回目開放開始時データ)とが含まれている。これにより、図34に示す大入賞口開放中処理において、これらのデータを用いて1回目の開放の終了処理と、2回目の開放の開始処理とが行なわれる。さらに、前述のように、開放パターンBについては、S404により1回目の開放の開始処理が行なわれ、図34に示す大入賞口開放中処理において、大入賞口制御タイマを用いて2回目の開放の終了処理が行なわれることにより、ラウンド中に2回の大入賞口開放が実現される。
なお、この実施の形態では、開放パターンBの第9ラウンドについては、1回目開放終了時データおよび2回目開放開始時データとして、開放パターンデータ記憶領域に記憶されているデータを直接的に用いる例を示したが、開放パターンBの第9ラウンドの実行時において、大入賞口開放前処理において、1回目開放終了時データおよび2回目開放開始時データを開放パターンデータ記憶領域から読出し、大入賞口制御タイマのデータと同様に、第9ラウンドの制御を行なうためのデータとして設定するようにしてもよい。また、1回目の開放時間と、2回目の開放時間と、1回目の開放と2回目の開放との間のインターバル時間とをそれぞれを示すデータを用いて、開放パターンBの第9ラウンドにおける開放制御を行なうようにしてもよい。
このように、S406では、ラウンドが開始されるごとに、開放パターンデータに基づいて、ラウンドの最大継続時間(最大開放時間)が設定される。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放中処理(S306)に応じた値に更新する(S407)。
図34および図35は、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放中処理(S306)を示すフローチャートである。大入賞口開放中処理において、CPU56は、大入賞口制御タイマの値を−1する(S420)。
そして、CPU56は、大入賞口制御タイマの値が0になったか否か確認する(S421)。大入賞口制御タイマの値が0になっていないときは、開放パターンデータ記憶領域に開放パターンBが選択されているか否か確認する(S422)。
開放パターンBが選択されていないときは、後述するS432に進む。一方、開放パターンBが選択されているときは、大入賞口制御タイマの値が、開放パターンデータ記憶領域に記憶されている1回目開放終了時データに基づいて特定される第9ラウンドの1回目の開放終了時に相当する値である否か確認する(S423)。
S423において大入賞口制御タイマの値が第9ラウンドの1回目の開放終了時の値となっているときは、ソレノイド21を駆動して大入賞口を閉鎖する制御を行ない(S424)、S432に進む。これにより、開放パターンBの第9ラウンドにおいて、1回の開放状態が終了して閉鎖状態となり、2回目の開放状態前のインターバル時間が開始する。一方、S423において大入賞口制御タイマの値が第9ラウンドの1回目の開放終了時の値となっていないとき(第9ラウンドの1回目の開放終了時の前および後の両方を含む)は、大入賞口制御タイマの値が、開放パターンデータ記憶領域に記憶されている2回目開放終了時データに基づいて特定される第9ラウンドの2回目の開放開始時に相当する値である否か確認する(S425)。
S425において大入賞口制御タイマの値が第9ラウンドの2回目の開放開始時の値となっているときは、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放する制御を行ない(S426)、S432に進む。これにより、開放パターンBの第9ラウンドにおいて、2回の開放状態が開始する。2回目の開放状態の終了は、開放パターンB以外の開放パターンと同様に、S406により設定されたラウンド時間の経過時に、後述するS435において終了させられる。一方、S425において大入賞口制御タイマの値が第9ラウンドの2回目の開放開始時の値となっていないとき(第9ラウンドの2回目の開放開始時の前および後の両方を含む)は、S432に進む。
S432では、カウントスイッチ23がオンしたか否か確認する(S432)。カウントスイッチ23がオンしていなければ、処理を終了する。カウントスイッチ23がオンした場合には、大入賞口への遊技球の入賞個数をカウントするための入賞個数カウンタの値を+1する(S433)。そして、CPU56は、入賞個数カウンタの値が所定値(たとえば10)になっているか否か確認する(S434)。入賞個数カウンタの値が所定値になっていなければ、処理を終了する。なお、S421とS432との判定順は逆でもよい。
S421により大入賞口制御タイマの値が0になっているとき、または、S434により入賞個数カウンタの値が所定値になっているときには、CPU56は、ソレノイド21を駆動して大入賞口を閉鎖する制御を行なう(S435)。これにより、選択された開放パターンでの大入賞口の開放状態が完了する。S435においては、ラウンド中に大入賞口が1回開放される開放パターンAの場合は、その1回の開放が終了させられる。また、S435においては、ラウンド中に大入賞口が2回開放される開放パターンBの場合は、2回目の開放が終了させられることとなる。そして、入賞個数カウンタの値をクリアする(0にする)(S436)。
次いで、CPU56は、開放回数カウンタの値が0であるか否かを確認する(S438)。具体的に、S438では、実行するラウンド回数が残っているか否かを判断しているのである。開放回数カウンタの値が0でない場合には、大当り遊技状態をまだ継続する必要があるので、CPU56は、大入賞口の開放後(ラウンドの終了後)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する大入賞口開放後指定コマンド(A2XX(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S439)。そして、RAM55に記憶されている開放パターンデータにおけるインターバル時間を特定するデータに基づいて、大入賞口制御タイマに、ラウンドが終了してから次のラウンドが開始するまでの時間(インターバル期間)に相当する値を設定し(S440)、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(S305)に応じた値に更新する(S441)。
S438において開放回数カウンタの値が0である場合には、CPU56は、大当り種別を示すデータが確変大当りを示すデータであるときに、大当り終了2指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S442,S447)。なお、S442で確変大当りであるか否かは、具体的には、S74でRAM55における大当り種別バッファに設定した大当り種別を示すデータが確変大当りを示す値(本例では「02」)であるか否かを確認することにより判定できる。そして、CPU56は、大入賞口制御タイマに大当り終了時間(大当り遊技が終了したことをたとえば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定し(S449)、特別図柄プロセスフラグの値を大当り終了処理(S307)に応じた値に更新する(S450)。
CPU56は、大当り種別を示すデータが確変大当りを示すデータでなく、第1突確大当りを示すデータである場合には、突確1終了指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S443,S444)。なお、S443で第1突確大当りであるか否かは、具体的には、S74でRAM55における大当り種別バッファに設定した大当り種別を示すデータが第1突確大当りを示す値(本例では「03」)であるか否かを確認することにより判定できる。
S443で大当り種別を示すデータが第1突確大当りを示すデータでなく、第2突確大当りを示すデータである場合には、突確2終了指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S444A,S444B)。なお、S444で第2突確大当りであるか否かは、具体的には、S74でRAM55における大当り種別バッファに設定した大当り種別を示すデータが第2突確大当りを示す値(本例では「04」)であるか否かを確認することにより判定できる。
S444Aで大当り種別を示すデータが第2突確大当りを示すデータではないときには、消去法的に、大当り種別を示すデータが通常大当りを示すデータ(本例では「01」)である場合であるので、大当り終了1指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S445)。そして、S449に移行する。
図36は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(S307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大入賞口制御タイマの値を1減算する(S154)。そして、CPU56は、大入賞口制御タイマの値が0になっているか否か確認する(S155)。大入賞口制御タイマが0になっていなければ処理を終了する。大入賞口制御タイマが0になっていれば、大当りの種別が、確変大当り、第1突確大当り、または、第2突確大当りであったか否か確認する(S156)。
大当りの種別が、確変大当り、第1突確大当り、または、第2突確大当りであった場合には、確変フラグをセットして(S157)、遊技状態を確変状態に移行させる。そして、S158に進む。一方、大当りの種別が、確変大当り、第1突確大当り、または、第2突確大当りでなかった場合には、そのままS158に進む。
S158では、大当りの種別が、確変大当り、通常大当り、または、第2突確大当りであったか否か確認する(S158)。大当りの種別が、確変大当り、通常大当り、または、第2突確大当りであった場合には、時短フラグをセットし(S159)、時短回数カウンタにたとえば100をセットすること(S160)により、時短状態に移行させる。時短回数カウンタは、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示すものであるので、100がセットされることにより、以後ぶ変動表示が最大100回行なわれるまで時短状態が継続する。また、変動表示が100回行なわれるまでに次回の大当りが発生したときには、その時点で時短状態が終了する。そして、S161に進む。一方、大当りの種別が、確変大当り、通常大当り、または、第2突確大当りでなかった場合には、そのままS161に進む。そして、S161では、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新する(S161)。
なお、取り扱うタイマやフラグは異なるものの、S308の小当り開放前処理はS305の大当り開放前処理と同様の処理であり、S309の小当り開放中処理はS306のラウンド中処理と同様の処理であり、S310の小当り終了処理はS307の大当り終了処理と同様の処理である。ただし、小当り終了処理においては、大当り終了処理の場合と異なり、確変フラグおよび時短フラグのセットは行なわれない。したがって、小当りのときには、確変フラグおよび時短フラグのセット/リセットは行なわれない。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560(CPU56)が実行する普通図柄プロセス処理(S27)について説明する。図37は、普通図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、ゲート32を遊技球が通過してゲートスイッチ32aがオン状態となったことを検出すると(S911)、ゲートスイッチ通過処理(S912)を実行する。そして、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じてS900〜S903に示された処理のうちのいずれかの処理を実行する。
ゲートスイッチ通過処理(S912):CPU56は、ゲート通過記憶カウンタのカウント値(ゲート通過記憶数)が最大値(この例では「4」)に達しているか否か確認する。最大値に達していなければ、ゲート通過記憶カウンタのカウント値を+1する。なお、ゲート通過記憶カウンタの値に応じて普通図柄保留記憶表示器41のLEDが点灯される。そして、CPU56は、普通図柄当り判定用乱数(ランダム5)の値を抽出し、ゲート通過記憶数の値に対応した保存領域(普通図柄判定用バッファ)に格納する処理を行なう。
普通図柄通常処理(S900):CPU56は、普通図柄の変動を開始することができる状態(たとえば普通図柄表示器10において普通図柄の変動表示がなされておらず、かつ、普通図柄表示器10に当り図柄が導出表示されたことに基づく可変入賞球装置15の開閉動作中でもない場合)には、ゲート通過記憶数の値を確認する。具体的には、ゲート通過記憶数カウンタのカウント値を確認する。ゲート通過記憶数が0でなければ、当りとするか否か(普通図柄の停止図柄を当り図柄とするか否か)を普通図柄当り判定用のランダム5の抽出値に基づいて決定する。普通図柄通常処理においては、特別遊技状態としての時短状態であるときに、時短状態以外の通常遊技状態よりも、普通図柄の当りと判定する判定値を増加させる設定が行なわれる。これにより、時短状態においては、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる。さらに、普通図柄通常処理においては、時短状態であるときに、時短状態以外の通常遊技状態よりも、普通図柄の変動時間を短縮する設定が行なわれる。これにより、時短状態においては、普通図柄表示器10における変動時間が短縮される。そして、普通図柄プロセスタイマに普通図柄の変動時間をセットし、タイマをスタートさせる。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄変動処理(S901)を示す値(具体的には「1」)に更新する。
普通図柄変動処理(S901):CPU56は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認し、タイムアウトしていたら、普通図柄表示器10における普通図柄の変動を停止し、普通図柄プロセスタイマに普通図柄停止図柄表示時間をセットし、タイマをスタートさせる。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄停止処理(S902)を示す値(具体的には「2」)に更新する。
普通図柄停止処理(S902):CPU56は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたか否かを確認し、タイムアウトしていたら、普通図柄の停止図柄が当り図柄であるかどうかを確認する。当り図柄でなければ(はずれ図柄であれば)、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(S900)を示す値(具体的には「0」)に更新する。一方、普通図柄の停止図柄が当り図柄であれば、普通図柄プロセスタイマに普通電動役物作動時間をセットし、タイマをスタートさせる。また、現在の遊技状態が時短状態のような特別遊技状態であるか否かを確認し、特別遊技状態であれば、特別遊技状態のときの普通電動役物(可変入賞球装置15)の開放パターン(2秒×2回開放)を選択し、特別遊技状態以外の通常遊技状態であれば、通常遊技状態のときの普通電動役物(可変入賞球装置15)の開放パターン(1秒×1回開放)を選択し、選択した開放パターンを設定する。具体的には、特別遊技状態のときには、通常遊技状態のときよりも、可変入賞球装置15の開放時間が長く、かつ、開放回数が多い開放パターンが設定される。これにより、特別遊技状態においては、通常遊技状態よりも可変入賞球装置15の開放時間と開放回数とが時短状態でないときよりも高められる(多くされる)。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動役物作動処理(S903)を示す値(具体的には「3」)に更新する。
普通電動役物作動処理(S903):CPU56は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしていないことを条件に、普通電動役物(可変入賞球装置15)への遊技球の入賞個数(第2始動入賞口14への入賞個数)をカウントする普通電動役物入賞カウント処理を実行し、また、設定された開放パターンで普通電動役物の開放を行なう(可変入賞球装置15の開閉動作を実行する)普通電動役物開放パターン処理を実行する。そして、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトすると、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(S900)を示す値(具体的には「0」)に更新する。また、普通電動役物入賞カウント処理において、カウントした入賞個数がたとえば8個のような予め定められた上限個数となったときには、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトする前であっても、普通電動役物作動処理が終了され、可変入賞球装置15の開放状態が終了させられる。
次に、演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100の動作を説明する。図38は、演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(たとえば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(S702)を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(S703)、S704〜S710の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等をするコマンド解析処理を行なう(S704)。次に、受信した演出制御コマンドに基づいて、保留記憶データの内容および使用する順番を特定可能な情報をRAMの保留特定領域(演出側保留特定領域)に記憶させる保留記憶処理を行なう(S705)。次いで、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示部18cの表示状態の制御を行なう保留記憶表示制御処理を実行する(S706)。また、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行なう(S707)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
次いで、第1飾り図柄表示制御処理を行なう(S708)。第1飾り図柄表示制御処理では、第1飾り図柄表示器9aの表示制御を実行する。また、第2飾り図柄表示制御処理を行なう(S709)。第2飾り図柄表示制御処理では、第2飾り図柄表示器9bの表示制御を実行する。さらに、演出の態様等を決定するために用いられる乱数を生成するためのカウンタ(ランダムカウンタ)のカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S710)。その後、S702に移行する。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行する特別図柄プロセス処理のように、第1飾り図柄表示制御処理と第2飾り図柄表示制御処理とを共通化して、すなわち一つのプログラムモジュールで実現するようにして、演出制御用マイクロコンピュータ100が実行するプログラム容量を減らすようにしてもよい。
図39および図40は、コマンド解析処理(S704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、RAMに形成されているコマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(S611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読出す(S612)。なお、読出したら読出ポインタの値を+2しておく(S613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読出すからである。
コマンド受信バッファとして、たとえば、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。したがって、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号に基づく割込処理で受信され、コマンド受信バッファに保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドが、予め定められたコマンドのうち、どのコマンド(図20参照)であるのか解析する。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(S614)、演出制御用CPU101は、その変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(S615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(S616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(S617)、演出制御用CPU101は、その表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果6指定コマンドのいずれか)を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(S618)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(S621)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(S622)。
受信した演出制御コマンドが大当り開始1指定コマンドまたは大当り開始2指定コマンドであれば(S623)、演出制御用CPU101は、大当り開始1指定コマンド受信フラグまたは大当り開始2指定コマンド受信フラグをセットする(S624)。受信した演出制御コマンドが小当り/突確開始指定コマンドであれば(S625)、演出制御用CPU101は、小当り/突確開始指定コマンド受信フラグをセットする(S626)。
受信した演出制御コマンドが第1図柄変動指定コマンドであれば(S627)、第1図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする(S628)。受信した演出制御コマンドが第2図柄変動指定コマンドであれば(S629)、第2図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする(S630)。
受信した演出制御コマンドが電源投入指定コマンド(初期化指定コマンド)であれば(S631)、演出制御用CPU101は、初期化処理が実行されたことを示す初期画面を演出表示装置9に表示する制御を行なう(S632)。初期画面には、予め決められている演出図柄の初期表示が含まれる。
また、受信した演出制御コマンドが停電復旧指定コマンドであれば(S633)、予め決められている停電復旧画面(遊技状態が継続していることを遊技者に報知する情報を表示する画面)を表示する制御を行なう(S634)。
受信した演出制御コマンドが大当り終了1指定コマンドまたは大当り終了2指定コマンドであれば(S641)、演出制御用CPU101は、対応するフラグとして、大当り終了1指定コマンド受信フラグまたは大当り終了2指定コマンド受信フラグをセットする(S642)。受信した演出制御コマンドが突確1終了指定コマンドであれば(S643)、演出制御用CPU101は、小当り/突確終了指定コマンド受信フラグをセットする(S644)。
受信した演出制御コマンドが突確2終了指定コマンドであれば(S644A)、演出制御用CPU101は、突確2終了指定コマンド受信フラグをセットする(S644B)。受信した演出制御コマンドが小当り終了指定コマンドであれば(S644C)、演出制御用CPU101は、小当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(S644D)。
受信した演出制御コマンドが大入賞口開放中指定コマンドであれば(S645)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中フラグをセットする(S646)。また、受信した演出制御コマンドが大入賞口開放後指定コマンドであれば(S647)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放後フラグをセットする(S648)。
受信した演出制御コマンドが始動入賞指定コマンドであれば(S649)、演出制御用CPU101は、その始動入賞指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞指定コマンド格納領域に格納するとともに、保留記憶表示処理が未だなされていない始動入賞数を示す未処理数カウンタを1加算する(S650)。後述するように、未処理数カウンタの値に基づき、保留記憶数が加算表示される。
受信した演出制御コマンドが始動入賞指定コマンドでなく保留記憶数減算指定コマンド(図20のC300)である場合には(S651)、演出制御用CPU101は、保留記憶表示を減算更新させるための保留減算カウンタを1加算する処理を行なう(S652)。この保留減算カウンタの値に基づき、後述するように保留が減算表示される(S669〜S671参照)。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに対応する処理を実行し(S653)、S611に移行する。対応する処理とは、たとえば、受信したコマンドに対応するフラグをセットする処理が行なわれる。
図41は、S705の保留記憶処理の具体的制御内容を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、未処理数カウンタが「1」以上であるか否か判定する(S594)。この未処理数カウンタは、保留記憶表示処理が未だなされていない始動入賞数としての未処理数を計数する計数手段であり、始動入賞指定コマンドを受信する度にS650で「1」加算され、後述する保留記憶表示制御処理(図44)のS660〜S667が実行される毎に「1」減算されるものである。未処理数カウンタが「1」以上でない場合にはS601へ移行するが「1」以上である場合には、処理数カウンタを「1」加算し(S595)、始動入賞指定コマンド格納領域に格納されている始動入賞指定コマンドが第1始動入賞指定コマンドか否か判定する(S596)。この始動入賞指定コマンドは、S650により始動入賞指定コマンド格納領域に格納されるものであり、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信されてきた第1始動入賞指定コマンドまたは第2始動入賞指定コマンドが始動入賞指定コマンド格納領域に格納される。第1始動入賞指定コマンドであった場合には、図42に示すような演出制御用マイクロコンピュータ100のRAMに形成されている演出側保留特定領域で、最も後の処理順番の領域に、第1始動入賞を示すデータ「1・・・10」を含む演出側保留特定情報を記憶する処理が行なわれる(S597)。これは、第1始動入賞については、保留記憶データが発生した順番で処理されるからである。
ここで、演出側保留特定情報および演出側保留特定領域について説明する。図42は、演出側保留特定領域の構成を表形式で示す図である。演出側保留特定領域は、保留メモリカウンタの上限値(8)に対応して、記憶情報の有無、始動入賞の種別(第1始動入賞と第2始動入賞とのどちらの入賞であるか、および、先読み予告の対象に指定されているか否かを特定する種別)、および、先読み判定結果を含む演出側保留特定情報を8個分記憶する8個の記憶領域を有している。各記憶領域は、1バイトの記憶容量を有している。保留メモリカウンタは、発生した始動入賞のうち未だ変動表示に用いられていない始動入賞個数をカウントするものであり、後述するS666,S667により「1」ずつ加算され、S671により「1」ずつ減算される。この1バイトの記憶領域のうち、最上位の1ビットの記憶領域において、1バイトの記憶領域に、保留記憶に応じた情報が記憶されているか否かを示す記憶有無情報が記憶される。具体的に、最上位ビットが「1」であれば保留記憶に応じた情報が記憶されていることが示され、最上位ビットが「0」であれば保留記憶に応じた情報が記憶されていないことが示される。また、この1バイトの記憶領域のうち、所定の2ビット(下位2ビット)の記憶領域において、発生した始動入賞が第1始動入賞と第2始動入賞とのどちらの入賞であるか、および、先読み予告の対象に指定されているか否かを特定するための入賞種別情報が記憶される。
具体的に、「第1」または「第2」のどちらの始動入賞であることを示す情報は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信されてきた第1始動入賞指定コマンド(C0××)、第2始動入賞指定コマンド(C1××)に従って定まる。このような入賞種別情報は、前述のように2ビットのデータで構成されており、下位2ビットのうちの上位ビットが「1」の場合は「第1」を示し、上位ビットが「0」の場合は「第2」を示す。なお、最下位ビットが「1」の場合にはその記憶領域の演出側保留記憶特定情報が先読み予告の対象に指定されたことを示し(S666参照)、最下位ビットが「0」の場合にはその記憶領域の演出側保留記憶特定情報が先読み予告の対象に指定されていないことを示している。したがって、1バイトの記憶領域において、最上位ビットが「1」であるときに、下位2ビットの数値データに基づいて、第1特別図柄と第2特別図柄とのどちらの保留記憶の情報が記憶されており、その情報が先読み予告の対象に指定されているか否かを特定することができる。
さらに、このような1バイトの記憶領域のうち、前述した3ビット(記憶有無情報用の最上位1ビット+入賞種別情報用の下位2ビット)以外の5ビットの記憶領域において、受信した始動入賞指定コマンドが示す先読み判定結果(大当りおよび小当りの当り種別、スーパーリーチBの変動パターン種別等)を特定する数値データとしての先読み判定結果情報が記憶される。先読み判定結果情報としては、始動入賞指定コマンドが特定し得る複数種類の先読み判定結果のそれぞれについて対応付けられた複数の数値データのうちから、受信した始動入賞指定コマンドが示す先読み判定結果に対応する数値データが選択されて記憶される。
このような情報が記憶される演出側保留特定領域では、8個の記憶領域において、図42(A)〜(C)に示すように、始動入賞指定コマンドの受信順に「1」〜「8」の記憶領域に、各記憶領域において下位2ビットにより「第1始動入賞」または「第2始動入賞」であることを示された前述の演出側保留記憶特定情報が記憶される。図42では、説明を容易化するために、各記憶領域の演出側保留記憶特定情報を示すために、1バイトの保留記憶データ(「1・・・10」,「1・・・00」等)の前に「第1」または「第2」を示している。
演出側保留特定領域において、第1始動入賞の保留記憶データのみがあるときには、図42(A)に示すように、新たな第1始動入賞による保留記憶データ(「1・・・10」)は、最も後の処理順番の領域(この例では「3」の領域)に、記憶させられる。これにより、第1始動入賞による保留記憶データについては、保留記憶データが発生した順番で処理される。
また、第1始動入賞の保留記憶データのみがあるときにおいて、新たな第2始動入賞による保留記憶データ(「1・・・00」)が生じたときに、当該保留記憶データは、図42(B)に示すように、第1始動入賞による保留記憶データのうち最も前の処理順番のデータの1つ前の処理順番(すべての第1始動入賞の保留記憶データよりも優先した順番)の領域(この例では「1」の領域)に、記憶させられる。その場合、当該第1始動入賞による保留記憶データは、処理順番が1ずつ後に下げられる態様で、記憶領域が1ずつシフトされる。たとえば、第2始動入賞による保留記憶データを優先して変動表示に用いるために、「1」の領域に第2始動入賞による保留記憶データを挿入するために、第1始動入賞による保留記憶データ(「1・・・10」)が記憶されていた元の「1」,「2」,「3」の領域の各演出側保留記憶特定情報が、「2」,「3」,「4」の領域の各演出側保留記憶特定情報となるように、1つずつシフトされ、これにより空いた「1」の領域に第2始動入賞による保留記憶データが記憶される。
また、既に第2始動入賞による保留記憶データがあるときには、その保留記憶データの次の処理順番の領域に、当該新たな保留記憶データが記憶させられる。これにより、第2始動入賞による保留記憶データについては、第1始動入賞による保留記憶データとの関係では、発生順番に関係なく処理順番が優先され、かつ、第2始動入賞による保留記憶データとの関係では、発生順番にしたがった処理順番となる。
また、演出側保留特定領域において、演出側保留記憶特定情報が先読み予告の対象に指定されたときには、図42(C)の「5」の領域のデータ(「1・・・11」)に示すように、当該演出側保留記憶特定情報における下位2ビットよりなる入賞種別情報の下位ビットが「1」となることにより、先読み予告対象の保留記憶データが特定される。このように先読み予告対象の保留記憶データが特定されるときには、当該保留記憶データを図13で示すような予告態様(黒丸)で表示するために、後述する図44のS666において表示用のデータがセットされて、先読み予告対象の保留記憶データが予告態様(黒丸)で表示されることとなる。
前述したS596の判定結果が、第2始動入賞指定コマンドであった場合には、演出側保留特定領域に、入賞種別情報が第2始動入賞を示すデータ「1・・・00」を含む演出側保留特定情報を記憶する処理が行なわれる(S598)。具体的に、第2始動入賞指定コマンドに対応する保留記憶データは、前述したように、第1始動入賞による保留記憶データとの関係では発生順番に関係なく処理順番が優先され、かつ、第2始動入賞による保留記憶データとの関係では発生順番にしたがった処理順番となるような領域に記憶させられる。第2始動入賞による保留記憶データが記憶される前に第1始動入賞による保留記憶データが存在していたときには、当該第1始動入賞による保留記憶データは、処理順番が1ずつ後に繰下げられる態様で、記憶領域が1ずつシフトされる。
第2保留記憶を第1保留記憶よりも優先して変動表示を行なうパチンコ遊技機1においては、演出制御用マイクロコンピュータ100の側において、始動入賞指定コマンド(第1始動入賞指定コマンドおよび第2始動入賞指定コマンド)を受信した順番にしたがって保留記憶表示を行なうと、図13に示すような予告を行なうときの予告対象がどの順番の保留記憶データであるかを正確に示すことができなくなる場合がある。そこで、前述のように、第1保留記憶と第2保留記憶との間の優先順位(第2保留記憶を優先する)と、同種の保留記憶間の優先順位(先に発生したものが保留記憶を優先する)とに基づいて、演出制御用マイクロコンピュータ100の側において、演出側保留特定領域で第1保留記憶と第2保留記憶との別を特定して、保留記憶データの処理順番および先読み予告対象の有無を管理する。これにより、第2保留記憶を優先して変動表示を行なうパチンコ遊技機1において、図13に示すような予告態様での保留記憶表示に関し、予告対象がどの順番の保留記憶データであるかを正確に示すことができる。なお、本実施の形態では、保留記憶表示が第1保留記憶と第2保留記憶とのどちらであるかを視覚的に区別せずに保留記憶表示を行なう例を示した。しかし、これに限らず、前述のように演出制御用マイクロコンピュータ100において、各保留記憶表示が第1保留記憶であるか第2保留記憶であるかがデータにより特定されているので、そのデータに基づいて、たとえば、第1保留記憶と第2保留記憶とで表示色を異ならせる等、第1保留記憶と第2保留記憶とを視覚的に識別可能な態様で表示してもよい。なお、保留記憶表示において第1特別図柄と第2特別図柄とのどちらに対応する変動表示であるかを特定しない場合には、たとえば、図27に示す構成のように、第1特別図柄と第2特別図柄とで別々の記憶領域に保留記憶データを格納しておき、連続予告を実行するときに、現在の保留記憶数を確認して、連続予告を行なう保留記憶データを認識する処理を行なうようにしてもよい。このような構成を用いる場合、第1特別図柄を対象とする連続予告が行なわれるときにおいて、第2特別図柄による始動入賞が発生したときには、その始動入賞に基づく保留記憶データは、当該連続予告の予告対象となる第1特別図柄の保留記憶データによる変動表示が行なわれるまでの保留記憶数として加算する管理を行なう。
次に、未処理数カウンタと処理数カウンタとの値が等しいか否か判定する(S599)。通常は、始動入賞指定コマンドを1回受信した状態でこの保留記憶処理が実行されるために未処理数カウンタの値は「1」となっており、未処理数カウンタと処理数カウンタとの値が等しいと判定されてS600へ移行する。しかし、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とに同時に遊技球が入賞した場合には、未処理数カウンタの値が「2」となり、S599でNOの判断がなされ、S595〜S599の処理をもう1度繰返す。この同時始動入賞に伴う2つの始動入賞指定コマンドの連続的な受信時に備えて、始動入賞指定コマンド格納領域は、2つの始動入賞指定コマンドを格納できるようになっている。
次に、演出制御用CPU101は、処理数カウンタを「0」にクリア(初期化)する(S600)。
次に、演出制御用CPU101は、保留減算カウンタが「1」以上であるか否かの判断を行なう(S601)。この保留減算カウンタは、保留記憶数減算指定コマンドが送信されてきたことによりS652により「1」加算されるものである。この保留減算カウンタが「1」以上である場合には、演出制御用CPU101は、RAMに記憶されている演出側保留特定領域の記憶データ(演出側保留特定情報)のうち、最も処理順番が前のデータを消去し、残りのデータを1つずつ処理順番が前の領域にシフトする処理を行ない(S602)、処理を終了する。なお、S601において、保留減算カウンタの値が「2」以上であるときには、S602の後に、減算更新後の保留減算カウンタの値が「1」以上であるか否かを判定し、「1」以上であるときには、再びS601に処理を進め、保留減算カウンタの値が「0」になるまで、S601,S602の処理を繰返し行なうようにすればよい。
このような保留記憶処理の結果、演出制御用マイクロコンピュータ100のRAM内の演出側保留特定領域には、遊技制御用マイクロコンピュータ560の側で保留記憶データが処理される順番に対応した順番で、演出側保留特定情報として、第1保留記憶のデータを示すデータと、第2保留記憶のデータを示すデータとが記憶されることとなる。
図43は、飾り図柄(第1飾り図柄および第2飾り図柄)の変動表示の態様の一例を示す説明図である。この実施の形態では、第1飾り図柄表示器9aおよび第2飾り図柄表示器9bは、2つのLEDで構成されている。そして、図43に示すように、所定時間(たとえば、0.5秒)毎に交互に点灯する。特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、大当りを想起させる飾り図柄の表示結果として、上側のLEDが点灯している状態にする(図43(A)参照)。また、特別図柄の表示結果をはずれ図柄にする場合には、はずれを想起させる飾り図柄の表示結果として、下側のLEDが点灯している状態にする(図43(B)参照)。
図44は、S706の保留記憶表示制御処理を示すフローチャートである。まず、S650により加算される未処理数カウンタの値が1以上であるか否かを判定する(S660)。未処理数カウンタの値が「1」以上であると判定されたときには、保留記憶表示を行なうための処理が実行される。
S661においては、先読み予告実行中フラグ(第1,第2先読み予告実行中フラグのいずれか)、または、先読み予告フラグがセットされているか否かを判定する(S661)。先読み予告実行中フラグとは、先読み予告が既に実行されている旨を示すフラグであり、後述する図51のS686で、第1,第2先読み予告実行中フラグのいずれかがセットされる。先読み予告フラグとは、先読み予告演出を行なうことが決定されている旨を示すフラグであり、図44のS665でセットされる。
S661において先読み予告実行中フラグまたは先読み予告フラグがセットされていると判定されたときには、保留記憶数を特定するための保留メモリカウンタの値を1加算した後、図13の(A),(B)で示すような通常態様で保留記憶表示(たとえば、白丸の保留記憶表示)をするための表示用のデータがセットされ、このような通常態様での保留記憶表示が行なわれる(S667)。
一方、S661において先読み予告実行中フラグおよび先読み予告フラグのいずれもセットされていないと判定されたときには、対応する始動入賞指定コマンドが、通常大当り、確変大当り、第1突確大当り、および、第2突確大当りのような大当りを指定するコマンド、小当りを指定するコマンド、または、前述のスーパーリーチBの変動パターン種別を指定するコマンドであるか否かが判定される(S662)。これにより、始動入賞指定コマンドにより指定される保留記憶が、先読み予告の対象となるか否かが判断される。始動入賞指定コマンドが大当りを指定するコマンドであるか否か、および、始動入賞指定コマンドが小当りを指定するコマンドであるか否かの判断は、始動入賞指定コマンドにより示される先読み判定結果が、大当りまたは小当りのいずれを示すかを判定することにより行なわれる。始動入賞指定コマンドがスーパーリーチBの変動パターン種別を指定するコマンドであるか否かは、たとえば先読み判定結果がスーパーリーチBの変動パターン種別を示すか否かを判定することにより行なわれる。具体的に、先読み判定結果による変動パターン種別は、前述の演出側保留特定情報における先読み判定結果の情報を読出すことにより得られる。なお、先読み判定結果は、前述の始動入賞指定コマンド格納領域に格納されたコマンドが特定する先読み判定結果の情報を読出すことにより得るようにしてもよい。
S662において、大当りを指定するコマンド、小当りを指定するコマンド、または、スーパーリーチBの変動パターン種別を示すコマンドのいずれでもないと判定されたときには、S667へ移行する。S662において、大当りを指定するコマンド、小当りを指定するコマンド、または、スーパーリーチBの変動パターン種別を示すコマンドであると判定されたときには、図42に示すような演出側保留記憶特定情報(新たな始動入賞指定コマンドに基づく変動表示を含む情報)を用い、所定未だ変動表示が開始されていない変動表示の情報から所定の算出条件に基づいて、先読み予告を実行する変動表示回数としての先読み予告回数を算出する処理を行なう(S663)。S663では、具体的に、次のように先読み予告回数を算出する。S622により先読み予告の対象となると判定された保留記憶が第1特別図柄と第2特別図柄とのどちらの始動入賞を示すものであるか否かを演出側保留記憶特定情報に基づいて判定する。第1特別図柄の始動入賞であるときには、すべての演出側保留記憶特定情報のうち、第1特別図柄の保留記憶数データの合計数を先読み予告回数として算出する。これは、第1特別図柄を対象とした連続予告を実行するときには、第2特別図柄の変動表示が行なわれる期間中に連続予告の実行を制限するためである。また、第2特別図柄の始動入賞であるときには、すべての演出側保留記憶特定情報のうち、第2特別図柄の保留記憶数データの合計数を先読み予告回数として算出する。これは、第2特別図柄の変動表示が第1特別図柄の変動表示よりも優先して実行されるので、第2特別図柄を対象とした連続予告を実行するときには、第2特別図柄の変動表示が行なわれる期間中には第1特別図柄の変動表示が実行されないからである。
前述したように、演出制御用CPU101は、主基板31から送信されてきたコマンドに基づいて、図41の保留記憶処理により、図42(A)〜(C)に示すような演出側保留記憶特定情報を演出制御用マイクロコンピュータ100のRAMに記憶させている。S663の処理は、そのようにRAMに記憶された演出側保留記憶特定情報を利用して行なわれる。たとえば、図42(B)の演出側保留特定領域を参照して、演出側保留記憶特定情報が「1」〜「4」の記憶領域に図示されているように記憶されている状態で、たとえば第2始動入賞口14に始動入賞してその保留記憶が先読み予告の対象とされたときには、第2始動入賞に基づいた変動表示の方が優先して実行されるために、当該先読み予告の対象とされた変動表示が、演出側保留特定領域「1」に記憶されている「第2」で特定される演出側保留記憶特定情報に基づいた変動表示が実行された次の回で行われるので、先読み予告回数は、先読み予告の対象となる保留記憶も含めて「2」となる。一方、図42(B)のような状態で、たとえば第1始動入賞口13に始動入賞してその保留記憶が先読み予告の対象とされたときには、当該先読み予告の対象とされた変動表示が、「1」〜「4」の4つの演出側保留特定領域の演出側保留記憶特定情報で特定される保留記憶のうち、「1」の演出側保留特定領域での「第2」で特定される演出側保留記憶特定情報を除き、「2」〜「4」の3つの「第1」で特定される演出側保留記憶特定情報に基づいた変動表示が終了した次の回で行なわれるので、先読み予告回数は、先読み予告の対象となる保留記憶も含めて「4」となる。
S664においては、S663により算出された先読み予告回数が「2」以上であるか否かが判断される。2以上であると判定されたときには、今回の始動入賞に基づく変動表示以外に連続予告の実行対象となる未だ変動表示が開始されていない変動表示(大当りとなる予告対象よりも前に実行される変動表示)がある状況であり先読み予告を実行可能であるため、当該始動入賞指定コマンドの下位バイトのデータが先読み予告フラグとしてセットされる(S665)。これにより、先読み予告フラグに基づき、図18で示した先読み判定結果のいずれかを特定することができる。たとえば、先読み予告フラグに基づき、当りであるか、当りである場合にはいずれの種別であるか、およびリーチの種類がいずれであるかなどを特定することができる。
S664において2以上でないと判定されたときは、今回の始動入賞に起因する変動表示が次に行なわれるときであり、先読み予告演出が行なわれないようにするため、S667へ移行する。一方、S664において2以上であると判定されたときは、先読み予告演出が行なわれるようにするため、S666へ移行する。
S666においては、保留メモリカウンタの値を1加算した後、図13(C)で示すように、対象となる保留記憶を黒丸にする予告態様で保留記憶表示をするための表示用のデータがセットされ、このような予告態様での保留記憶表示が行なわれる。これにより、先読み予告演出の対象となる保留記憶を遊技者にわかりやすく報知することができる。また、S666においては、さらに、先読み予告の対象となる演出側保留特定情報の最下位ビット(始動入賞種別情報の下位ビット)を「1」にする処理を行なう(たとえば、図42(C)の保留メモリカウンタ「5」に対応する記憶領域の「第1(1・・・11)」参照)。これにより、先読み予告演出の対象となる保留記憶であることが入賞種別情報により特定される。次いで、未処理数カウンタの値を1減算し(S668)、再びS660へ移行する。
S660において未処理数カウンタの値が「1」以上でないと判定されたとき、すなわち未処理数が0であると判定されたときには、S652において加算される保留減算カウンタの値が「1」以上であるか否かが判定される(S669)。1以上でないと判定されたときには、そのまま保留記憶表示制御処理を終了する。1以上であると判定されたときには、保留メモリカウンタの値を減算した後、保留記憶表示を減算更新(1つシフト)する処理を行なう(S670)。次いで、保留減算カウンタの値を1減算し(S671)、保留記憶表示制御処理を終了する。なお、S669において、保留減算カウンタの値が「2」以上であるときには、S671の後に、減算更新後の保留減算カウンタの値が「1」以上であるか否かを判定し、「1」以上であるときには、再びS660に処理を進め、保留減算カウンタの値が「0」になるまで、S660,S669〜S670の処理を繰返し行なうようにすればよい。
なお、図41に示す保留記憶処理と、図44に示す保留記憶表示処理とは、前述したような別個のサブルーチンとして用いずに、両処理の機能を1つのサブルーチンにまとめて実行されるようにしてもよい。具体的には、図41において、S595,S600の処理を削除する。そして、図41において、S594で未処理カウンタが「1」以上であると判断された場合にS596に移行するように設定する。また、S597の終了後およびS598の終了後に実行する処理として、図44のS661〜S668の一連の処理を挿入する。また、S599の処理を、未処理数カウンタが「0」であるか否かを判断し、「0」でなければS596に進み、「0」であればS601に進むように設定する。さらに、図41のS602の後に、S670,S671の処理を挿入する。このようにすれば、未処理数が1以上であれば0になるまで保留記憶表示に関する処理および演出側保留記憶特定情報に関する処理を行なうことが可能となり、保留減算カウンタが1以上になったときに、保留記憶表示の消去に関する処理および演出側保留記憶特定情報の消去に関する処理を行なうことが可能となるので、当該1つのサブルーチンにより、図41に示す保留記憶処理の機能と、図44に示す保留記憶表示処理の機能とを兼ね備えることができる。また、前述した保留減算カウンタおよび保留メモリカウンタは、保留記憶表示の未処理数、および、演出側保留記憶特定情報の未処理数を示す計数手段である。したがって、保留記憶数が増加するときに、計数値が増加し、保留記憶数が減少するときに計数値が減少する保留記憶数増減カウンタで、これらカウンタを兼用すれば、カウンタ数を削減することができる。
図45は、図38に示された演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S807のうちのいずれかの処理を行なう。各処理において、以下のような処理を実行する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットし、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(S801):演出図柄および飾り図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(S802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替えタイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(S803):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことに基づいて、演出図柄(および飾り図柄)の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りまたは小当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(S805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(S805):ラウンド中の表示制御を行なう。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(S806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(S807)に対応した値に更新する。なお、いわゆる確変昇格演出を実行する遊技機では、確変昇格演出の実行を示す確変昇格演出実行中フラグがセットされている場合には確変昇格演出を実行する。
ラウンド後処理(S806):ラウンド間の表示制御を行なう。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(S805)に対応した値に更新する。
大当り終了処理(S807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
図46は、図45に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(S801)を示すフローチャートである。
演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、演出図柄の停止順序を決定するために、停止順序決定処理を行なう(S500)。停止順序決定処理の処理内容は、図49を用いて後述する。本実施形態の場合、演出図柄は、左,中,右図柄の順番で停止する順序が正順序として定められており、右,中,左図柄の順番で停止する順序が逆順序として定められている。前述の潜伏モード以外の状態では、演出図柄が正順序で停止表示される。また、潜伏モードの状態では、潜伏モード以外の状態と比べて、演出図柄が逆順序で停止表示される確率を高くする制御が行なわれ、さらに、当該潜伏モードにおいて、確変状態であるときには、確変状態でないときと比べて、演出図柄が逆順序で停止表示される確率を一層高くする制御が行なわれる。このようにすれば、演出図柄が逆順序で停止表示される頻度が高くなることにより、確変状態が潜伏している割合が高いことを示唆することができる。なお、停止順序の種類としては、正順序と逆順序との関係にあるものに限らず、たとえば、左,右,中図柄の順番で停止する第1の順序と、左,中,右図柄の順番で停止する第2の順序との組合せのように、停止する順番が異なるようなものであれば、どのような組合せを用いてもよい。
なお、潜伏モード以外の状態においても、ある確率で演出図柄を逆順序で停止させるようにし、潜伏モードにおいて、潜伏モード以外の状態と比べて、演出図柄が逆順序で停止表示される確率を高くする制御を行ない、さらに、潜伏モードにおいて、確変状態であるときには、確変状態でないときと比べて、演出図柄が逆順序で停止表示される確率を一層高くする制御を行なうようにしてもよい。
次に、演出制御用CPU101は、変動表示結果をはずれとすることに決定されているか否か確認する(S501)。はずれとすることに決定されているか否かは、たとえば、表示結果特定コマンド格納領域に表示結果1指定コマンドが格納されているか否かによって判定される。なお、はずれとすることに決定されているか否かは、大当りまたは小当りとするか否かを特定可能な変動パターンコマンドに基づいて、確認するようにしてもよい。はずれとすることに決定されている場合には、変動パターンコマンドとして、非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したか否か確認する(S502)。非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したか否かは、たとえば、変動パターンコマンド格納領域に格納されているデータによって判定される。
非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したと判定した場合、演出制御用CPU101は、予め定められたはずれ図柄決定用データテーブルを用いて、演出図柄のリーチにならないはずれの停止図柄を決定し(S504)、S516へ進む。はずれ図柄決定用データテーブルでは、複数種類の演出図柄のそれぞれに、SR1−1〜SR1−3のそれぞれの数値データが対応付けられている。S504の処理では、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、演出制御用マイクロコンピュータ100のROMに記憶されたはずれ図柄決定用データテーブルを用い、抽出した乱数に対応する図柄がそれぞれ左,中,右の演出図柄の変動表示結果となる停止図柄の組合せとして決定される。このように非リーチはずれの図柄の組合せを決定する場合において、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然大当り図柄の組合せ(確変大当り図柄の組合せ、通常大当り図柄の組合せ、突確大当り図柄の組合せ(この実施形態では小当り図柄の組合せと同じ))と一致する場合には、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。また、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然リーチ図柄となってしまう場合には、非リーチはずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、中図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
S502の処理で非リーチ変動パターンではないと判定した場合(リーチ変動パターンであると判定した場合)に、演出制御用CPU101は、リーチの組合せを構成する演出図柄の停止図柄を決定し(S505)、S516へ進む。S505の処理では、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、はずれ図柄決定用データテーブルを用い、SR1−1から抽出された乱数に対応する図柄がリーチ状態を形成する各演出図柄の停止図柄として決定され、SR1−2から抽出されたカウンタの値と合致する乱数に対応する図柄が最終停止図柄の停止図柄として決定される。リーチ図柄は、演出図柄の変動表示の停止順序が正順序であるときは、左,中の演出図柄の組合せとして決定し、演出図柄の変動表示の停止順序が逆順序であるときは、右,中の演出図柄の組合せとして決定する。そして、最終停止図柄は、演出図柄の変動表示の停止順序が正順序であるときは、右の演出図柄として決定し、演出図柄の変動表示の停止順序が逆順序であるときは、左の演出図柄として決定する。また、この場合も、偶然大当り図柄の組合せとなってしまうときには、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、中図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
はずれとすることに決定されていない場合に(S501)、演出制御用CPU101は、大当りおよび小当りを含む大当りおよび小当りの種別に応じて、大当りまたは小当りとなる図柄の組合せを構成する演出図柄の停止図柄を決定し(S503)、S516へ進む。
S503では、以下のように、大当りの種別に応じて大当り図柄の組合せを決定するか、または、小当りであることに応じて、小当りの図柄の組合せを決定する。
演出制御用CPU101は、表示結果2指定コマンド〜表示結果6指定コマンドのうちのどの表示結果指定コマンドが表示結果特定コマンド格納領域に格納されているかに基づいて、大当りの種別を判定するとともに、小当りであることを判定する。
確変大当りにすることに決定されていると判定したときには、確変大当り図柄決定用テーブルを用いて、確変大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右が「7,7,7」というようないずれかの奇数図柄の組合せ)を選択決定する。確変大当り図柄決定用テーブルは、予め定められた複数種類の確変大当り図柄のそれぞれに、SR1−1のそれぞれの数値データが対応付けられている。確変大当り図柄の組合せを決定するときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、確変大当り図柄決定用テーブルを用い、抽出した乱数に対応する図柄を、確変大当り図柄の組合せを構成する左,中,右の演出図柄の停止図柄の組合せとして決定する。このように決定された図柄が大当り遊技状態に制御される前の変動表示結果である最終停止図柄として用いられる。
また、演出制御用CPU101は、通常大当りにすることに決定されていると判定したときには、通常大当り図柄決定用テーブルを用いて、通常大当り図柄の組合(たとえば、左,中,右が「2,2,2」というようないずれかの偶数図柄のゾロ目の組合せ)を選択決定する。通常大当り図柄決定用テーブルは、予め定められた複数種類の通常大当り図柄のそれぞれに、SR1−1のそれぞれの数値データが対応付けられている。通常大当り図柄の組合せを決定するときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、通常大当り図柄決定用テーブルを用い、抽出した乱数に対応する図柄を、通常大当り図柄の組合せを構成する左,中,右の演出図柄の停止図柄の組合せとして決定する。
また、演出制御用CPU101は、第1突確大当りまたは第2突確大当りにすることに決定されていると判定したときには、突確図柄決定用テーブルを用いて、突確大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右が「1,2,3」というようなチャンス目の組合せ)を選択決定する。突確図柄決定用テーブルは、複数種類の突確図柄の組合せのそれぞれに、SR1−1のそれぞれの数値データが対応付けられている。突確大当り図柄の組合せを決定するときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、突確図柄決定用テーブルを用い、抽出した乱数に対応する図柄を、突確図柄の組合せを構成する左,中,右の演出図柄の停止図柄の組合せとして決定する。前述したように、突確大当りとなるときには、一旦リーチ図柄の組合せが表示された後、図柄の差替えが行なわれる場合がある。そのときのリーチ図柄は、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、通常大当り図柄決定用テーブルを用い、抽出した乱数に対応する図柄を、リーチ図柄を構成する演出図柄の組合せとして決定する。リーチ図柄は、演出図柄の変動表示の停止順序が正順序であるときは、左,中の演出図柄の組合せとして決定し、演出の変動表示の停止順序が逆順序であるときは、右,中の演出図柄の組合せとして決定する。
また、演出制御用CPU101は、小当りにすることに決定されていると判定したときには、小当り図柄決定用テーブルを用いて、小当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右が「1,2,3」というようなチャンス目の組合せ)を選択決定する。小当り図柄決定用テーブルは、複数種類の小当り図柄の組合せのそれぞれに、SR1−1のそれぞれの数値データが対応付けられている。小当り図柄の組合せを決定するときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、小当り図柄決定用テーブルを用い、抽出した乱数に対応する図柄を、小当り図柄の組合せを構成する左,中,右の演出図柄の停止図柄の組合せとして決定する。なお、小当り図柄決定テーブルにおける複数種類のチャンス目は、すべてが突確図柄決定用テーブルにおけるチャンス目と同じものであってもよく、一部が突確図柄決定用テーブルにおけるチャンス目と同じものであってもよい。また、小当り図柄決定テーブルにおける複数種類のチャンス目は、すべてが突確図柄決定用テーブルにおけるチャンス目と異なるが類似していて見分けがつきにくものであってもよい。前述したように、小当りとなるときには、突確大当りとなるときと同様に、一旦リーチ図柄の組合せが表示された後、図柄の差替えが行なわれる場合がある。そのときのリーチ図柄は、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、通常大当り図柄決定用テーブルを用い、抽出した乱数に対応する図柄を、リーチ図柄を構成する演出図柄の組合せとして決定する。
次に、演出制御用CPU101は、演出パターンを設定するための演出設定処理を実行する(S516)。そして、先読み予告の予告パターンを設定するための第1予告設定処理を実行した(S516a)後、今回予告の予告パターンを設定するための第2予告設定処理を実行する(S516b)。第2予告設定処理を実行した後、演出制御用CPU101は、演出制御パターンを複数種類の演出制御パターンうちのいずれかに決定する(S517)。演出制御用CPU101は、変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターン、S516の処理で決定した演出パターン、S516a,S516bの処理で決定した予告パターン等により指定された各種演出制御(演出動作)パターンに応じて、図柄変動制御パターンテーブルに格納されている複数種類の図柄変動制御パターンのうち、指定された各種演出動作パターンに対応するいずれかの演出制御パターンを使用パターンとして選択決定する。
演出制御用マイクロコンピュータ100におけるROMに記憶されている制御パターンテーブルには、たとえば、演出図柄の変動が開始されてから最終停止図柄となる確定演出図柄が停止表示されるまでの期間における、演出表示装置9の表示領域における演出図柄の変動表示動作、リーチ演出における演出表示動作、擬似連または滑りの演出による演出表示動作、および、予告演出における演出表示動作といった各種の演出動作の制御内容を示すデータが、図柄変動制御パターンとして複数種類格納されている。
また、各図柄変動制御パターンは、たとえば、演出制御プロセスタイマ設定値、演出制御プロセスタイマ判定値、演出表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、および、終了コードといった、演出図柄の変動表示に応じた各種の演出動作を制御するための制御データを含み、時系列的に、各種の演出制御の内容、および、演出制御の切替えタイミング等が設定されている。なお、図柄変動制御パターンテーブルとしては、演出図柄の演出動作を制御するための制御データよりなる図柄制御パターンテーブルと、演出図柄の演出動作とは別の予告演出の演出動作を制御するための制御データよりなる予告制御パターンテーブルとを設け、これら演出図柄の演出動作を制御するための制御データと、予告演出の演出動作を制御するための制御データとを組合せて用いることにより、1つの図柄変動制御パターンテーブルにより図柄の演出動作と予告の演出動作とを実行する場合と同様の演出動作を実行するように構成してもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、S517で選択した演出制御パターンに応じたプロセステーブルを選択する(S518)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマ(演出設定プロセスタイマ)をスタートさせる(S519)。
演出制御用CPU101は、S519の処理を実行したら、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1、可動部材制御データ1)にしたがって演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、演出用部品としてのスピーカ27、および演出用部品としての可動部材78,84)の制御を開始する(S520)。たとえば、表示制御実行データにしたがって、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像(演出図柄を含む。)を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行なわせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行なわせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。また、可動部材制御データにしたがって、可動部材78を動作させるための駆動信号を出力する。
そして、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(S521)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値にする(S522)。
図47は、潜伏モードにおいて演出図柄の停止順序を決定するために用いるデータテーブルを示す図である。図47において、(a)には潜伏モードにおいて確変状態が潜伏していない低確率状態であるときに演出図柄の停止順序を決定するために用いる非潜伏時停止順序決定テーブルが示され、(b)には潜伏モードにおいて確変状態が潜伏している高確率状態であるときに演出図柄の停止順序を決定するために用いる潜伏時停止順序決定テーブルが示されている。
(a)および(b)に示すテーブルでは、図柄停止順序決定用のSR5の値と、決定する停止順序との関係が示されている。(a)の非潜伏時停止順序決定テーブルでは、SR5の値が1〜29であるときに正順序が選択され、SR5の値が30〜53であるときに逆順序が選択されるようにデータが設定されている。(b)の潜伏時停止順序決定テーブルでは、SR5の値が1〜24であるときに正順序が選択され、SR5の値が25〜53であるときに逆順序が選択されるようにデータが設定されている。(b)の潜伏時停止順序決定テーブルでは、(a)の非潜伏時停止順序決定テーブルと比べて、停止順序が逆順序に決定される割合が高くなるようにデータが設定されている。これにより、潜伏モードにおいて確変状態が潜伏しているときには、変動表示において逆順序で演出図柄が停止する頻度が高まることにより、確変状態が潜伏していることを遊技者に示唆することが可能となる。
図47において、(a)の非潜伏時停止順序決定テーブルでは正順序の方が逆順序よりも選択されやすいようにデータが設定されており、(b)の潜伏時停止順序決定テーブルでは、逆順序の方が正順序よりも選択されやすいようにデータが設定されている。しかし、これに限らず、(b)の潜伏時停止順序決定テーブルでも正順序の方が逆順序よりも選択されやすいようにデータを設定し、(b)の潜伏時停止順序決定テーブルの方が(a)の非潜伏時停止順序決定テーブルよりも逆順序が選択されやすいようにデータを設定してもよい。そのようなデータの設定の具体例は、次のようなものである。たとえば、(a)の非潜伏時停止順序決定テーブルでは、SR5の値が1〜50であるときに正順序が選択され、SR5の値が51〜53であるときに逆順序が選択されるようにデータを設定する。そして、(b)の潜伏時停止順序決定テーブルでは、SR5の値が1〜45であるときに正順序が選択され、SR5の値が46〜53であるときに逆順序が選択されるようにデータを設定するこのように設定すれば、潜伏モードにおいて、基本的に正順序で変動表示が行なわれる割合が高く、潜伏モードにおいて確変状態が潜伏しているときには、確変状態が潜伏していないときと比べて逆順序で変動表示が行なわれる割合が高くなることとなる。
図48は、演出図柄変動開始処理における停止順序決定処理(S500)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、潜伏モードフラグがセットされているか否かを判断する(S701)。潜伏モードフラグは、S807の大当り終了演出処理において、第1突確大当りの終了時および小当りの終了時においてセットされるフラグであり、潜伏モードの状態であるときにセットされているフラグである。
S701で潜伏モードフラグがセットされていると判断されたときは、潜伏モードの状態ではないので、演出図柄の停止順序が正順序に決定され(S702)、処理を終了する。一方、S701で潜伏モードフラグがセットされていると判断されたときは、第1突確後潜伏フラグがセットされているか否かを判断する(S703)。第1突確後潜伏フラグは、S807の大当り終了演出処理において、第1突確大当りの終了時においてセットされるフラグであり、第1突確大当りの終了後に潜伏モードとなっているときにセットされているフラグである。なお、大当り後に確変状態となることを指定する演出制御コマンド(確変状態となっていることを指定する演出制御コマンドでもよい)を受信したことに基づいて、確変状態であることを示す確変状態フラグをセットすることにより、演出制御用マイクロコンピュータ100側において確変状態であるか否かを認識する構成の場合には、確変状態演出制御コマンドにより第1突確後潜伏フラグを設けず、S703において、確変状態フラグがセットされているか否かを判断し、確変状態フラグがセットされているときにS704に進み、確変状態フラグがセットされていないときにS705に進むようにしてもよい。このようにすれば、第1突確後潜伏フラグを用いる場合と同様の判断をS703において行なうことができ、制御に用いるフラグを削減することができる。
S703で第1突確後潜伏フラグがセットされていると判断されたときは、確変状態となっているので、図47(b)の潜伏時停止順序決定テーブルを用いて演出図柄の停止順序が決定され(S704)、処理が終了する。具体的に、S704では、図柄停止順序決定用のSR5を抽出し、潜伏時停止順序決定テーブルを用いて、その抽出値に対応して、正順序または逆順序が停止順序として決定される。
S703で第1突確後潜伏フラグがセットされていないと判断されたときは、確変状態となっていないので、図47(a)の非潜伏時停止順序決定テーブルを用いて演出図柄の停止順序が決定され(S705)、処理が終了する。具体的に、S705では、図柄停止順序決定用のSR5を抽出し、非潜伏時停止順序決定テーブルを用いて、その抽出値に対応して、正順序または逆順序が停止順序として決定される。
以上のような停止順序決定処理は、変動表示が1回行なわれるごとに実行される。これにより、変動表示が1回行なわれるごとに、停止順序が正順序と逆順序とのどちらかに決定される。このように停止順序が決定されると、その停止順序に応じて、図46のS505でリーチ図柄を決定するときに、左,中,右図柄のうちのどの図柄をリーチ図柄とするかが決定される。
なお、停止順序決定処理は、変動表示が5回行なわれるごとに1回実行される等、変動表示が複数回行なわれるごとに1回実行されてもよい。このようにすれば、たとえば逆順序が複数回数継続的に行なわれる等、遊技状態に応じて決定された停止順序が複数回継続して変動表示に用いられるので、潜伏モードにおいて確変状態が潜伏しているか否かの示唆を強調して行なうことができる。また、潜伏モードにおける非潜伏時停止順序決定テーブルおよび潜伏時停止順序決定テーブルを用いた演出図柄の停止順序の決定は、たとえば表示結果がリーチとならないはずれとなるときのように、表示結果がはずれとなるときにのみ行なうようにしてもよい。このようにすれば、たとえば、リーチを経てはずれになるときの演出制御の処理負担を軽減することができ、また、大当りとなるときの演出制御の処理負担を軽減することができる。また、たとえば表示結果がリーチとならずにはずれとなるときであっても、潜伏モードであるか否かについての遊技者の興味を引くことができる。
図49は、S516の演出設定処理を示すフローチャートである。演出設定処理において、演出制御用CPU101は、S1551において、「滑り」および「擬似連」のような仮停止図柄を決定する必要がある演出としての特定演出が行なわれるか否かを判定する(S1551)。特定演出が行なわれるか否かは、変動パターンコマンドにより「滑り」または「擬似連」であることが示されているか否かに応じて判断する。特定演出が行なわれないときには、演出設定処理を終了し、特定演出が行なわれるときには、次のように仮停止図柄を決定する。
演出制御用CPU101は、「滑り」の演出である場合には、滑り時仮停止図柄決定用の乱数SR3の値を抽出して、抽出した乱数SR3の値に基づいて仮停止図柄を決定する(S1552)。
S1552の処理において擬似連チャンス目を決定するときに、演出制御用CPU101は、演出制御用マイクロコンピュータ100のROMに記憶された擬似連時仮停止図柄決定用テーブルを用いて、仮停止図柄の組合せを決定する。擬似連時仮停止図柄決定用テーブルは、予め定められた複数種類の仮停止図柄の組合せのそれぞれに、SR4−1〜SR4−4のそれぞれの数値データが対応付けられている。SR4−1から抽出された数値データに基づいて決定された仮停止図柄が擬似連時第1仮停止図柄として決定される。SR4−2から抽出された数値データに基づいて決定された仮停止図柄が擬似連時第2仮停止図柄として決定される。SR4−3から抽出された数値データに基づいて決定された仮停止図柄が擬似連時第3仮停止図柄として決定される。SR4−4から抽出された数値データに基づいて決定された仮停止図柄が擬似連時第4仮停止図柄として決定される。
具体的に、「擬似連」の演出である場合には、擬似連のたとえば、擬似連3回の変動パターンのときには、擬似連時第1仮停止図柄決定用乱数SR4−1〜擬似連時第3仮停止図柄決定用乱数SR4−3を選択し、それぞれの乱数を抽出して、第1回目仮停止時の仮停止図柄〜第3回目仮停止時の仮停止図柄のそれぞれを決定する。
ここで、図50を参照して、通常変動(擬似連なし)の変動表示が行なわれるときと、擬似連の変動表示が行なわれるときとについて、予告演出が行なわれるタイミングについて説明する。図50は、通常変動(擬似連なし)の変動表示が行なわれるときの演出と、擬似連の変動表示が行なわれるときの演出とを対比して説明するためのタイミングチャートである。
図50(A)は、通常変動(擬似連なし)により変動表示が行なわれた場合のタイミングチャートである。タイミング1は、変動が開始されたときのタイミングを示している。タイミング2は、タイミング1から時間Tが経過して、確定演出図柄が停止表示されたときのタイミングを示している。タイミング3は、次の変動表示として擬似連の変動表示(予告演出を伴う)が開始されたときのタイミングを示している。
図50(B)は、擬似連1回の変動表示が行なわれた場合のタイミングチャートである。タイミング1〜2の間に示すように、初回変動が行なわれてチャンス目が停止された後、再変動が行なわれて確定演出図柄としてはずれ図柄が停止されている。図50(C)は、擬似連2回の変動表示が行なわれた場合のタイミングチャートである。タイミング1〜2の間に示すように、初回変動が行なわれてチャンス目が停止され、1回目の再変動が行なわれて再度チャンス目が停止され、さらに2回目の再変動が行なわれて確定演出図柄としてはずれ図柄が停止されている。
擬似連とならない通常変動の変動表示中に各種予告演出が実行される場合には、(A)に示すように変動表示中に1回予告演出が実行される。一方、擬似連の変動表示中に各種予告演出が実行される場合には、後述するように、当該擬似連における初回変動および初回変動以降の各再変動において当該予告演出が実行される。このため、タイミング1〜2の間において、変動回数に応じて、(B)では2回、(C)では3回、予告演出が実行されることになる。
図51は、S516aの第1予告設定処理を示すフローチャートである。
第1予告設定処理において、まず、先読み予告フラグがセットされているか否かを判定する(S682)。先読み予告フラグは、前述した保留記憶表示制御処理のS665においてセットされる。先読み予告フラグがセットされていると判定されたときには、図52に示す第1予告種別決定用テーブルを用いて、当り予告の種別とボタン予告の種別とのうちから先読み予告演出の種別を決定する(S683)。S683の処理においては、先読み予告としての第1予告種別決定用の乱数SR6の値を抽出し、前述のように選択された第1予告種別決定用テーブルのデータにしたがい、第1予告演出の予告種別を決定する。なお、S683においては、受信した第1始動入賞指定コマンドまたは第2始動入賞指定コマンドが示す先読み判定結果のそれぞれに対応して設定された割振りで第1予告種別のうちのいずれが選択決定される。S683では、演出側保留特定情報における先読み予告対象となっている保留記憶データの先読み判定結果の情報に基づいて、受信した第1始動入賞指定コマンドまたは第2始動入賞指定コマンドが示す先読み判定結果を判定する。なお、前述したように、先読み予告フラグのデータにおいても先読み判定結果の情報が記憶されているので、先読み予告フラグのデータが示す先読み判定結果の情報に基づいて、受信した第1始動入賞指定コマンドまたは第2始動入賞指定コマンドが示す先読み判定結果を判定するようにしてもよい。
次に、S684においては、S683で決定された予告種別に応じた予告パターンを決定する。S684の処理においては、予告パターン決定用の乱数SR6の値を抽出し、S683で決定された先読み予告の種別に対応する予告パターン決定用テーブル(図53の当り予告の予告パターン決定用テーブル、または、図示を省略するボタン予告の予告パターン決定用テーブル)を用いて、先読み予告の予告パターン(たとえば、当り予告については前述のキャラクタAを用いる予告パターンとキャラクタBを用いる予告パターンとのいずれか、ボタン予告については低信頼度予告パターンと中信頼度予告パターンと高信頼度予告パターンとのいずれか。)を決定する。S684において、予告パターンは、受信した第1始動入賞指定コマンドまたは第2始動入賞指定コマンドが示す先読み判定結果に含まれる表示結果に対応して設定された割振りで決定される。S684では、演出側保留特定情報における先読み予告対象となっている保留記憶データの先読み判定結果の情報に基づいて、受信した第1始動入賞指定コマンドまたは第2始動入賞指定コマンドが示す先読み判定結果に含まれる表示結果の情報を特定する。なお、前述したように、先読み予告フラグのデータにおいても先読み判定結果の情報が記憶されているので、先読み予告フラグのデータが示す先読み判定結果の情報に基づいて、受信した第1始動入賞指定コマンドまたは第2始動入賞指定コマンドが示す先読み判定結果に含まれる表示結果の情報を判定するようにしてもよい。
なお、S684においては、受信した変動パターンコマンドが示す変動パターンが擬似連である場合に、当該擬似連における初回変動および初回変動以降の各再変動において、該決定された予告パターンによる予告演出を実行するためのプロセスデータが設定される。なお、擬似連の変動表示中にボタン予告演出を行なうことが決定された場合には、擬似連の初回変動および初回変動以降の各再変動において、ボタン操作を有効に受付ける操作有効期間を設定するためのプロセスデータが設定される。また、擬似連の変動表示中にボタン予告演出を行なうことが決定された場合には、擬似連の初回変動および初回変動以降の各再変動のうち、いずれか1回の変動表示についてボタン操作を有効に受付ける操作有効期間を設定するためのプロセスデータを設定し、擬似連におけるいずれか1回の変動表示だけにおいてボタン予告演出が行なわれるようにしてもよい。
次に、S685においては、先読み予告フラグをリセットする。S686においては、予告種別(当り予告、ボタン予告)に対応する先読み予告のための処理が実行中であることを示すフラグである先読み予告実行中フラグをセットする。先読み予告実行中フラグとしては、先読み予告の対象となった保留記憶データが第1特別図柄(第1保留記憶)の種別のものであるときに用いられる第1先読み予告実行中フラグと、先読み予告の対象となった保留記憶データが第2特別図柄(第2保留記憶)の種別のものであるときに用いられる第2先読み予告実行中フラグとのどちらかがセットされる。具体的に、RAMに形成されている始動入賞指定コマンド格納領域に格納されている始動入賞指定コマンドが、第1始動入賞指定コマンドであるときは、第1特別図柄の変動表示を行なう保留記憶が先読み予告の対象となっているので、第1先読み予告実行中フラグがセットされ、第2始動入賞指定コマンドであるときは、第2特別図柄の変動表示を行なう保留記憶が先読み予告の対象となっているので、第2先読み予告実行中フラグがセットされる。そして、S686aにおいて、先読み予告回数カウンタの値を1減算して、処理を終了する。先読み予告回数カウンタは、前述のS663により算出された値が初期設定され、S686aおよび後述するS693により減算される。
一方、S682において先読み予告フラグがセットされていないと判定されたときには、前述の第1先読み予告実行中フラグがセットされているか否かを判定する(S687)。第1先読み予告実行中フラグがセットされていないと判定されたときには、前述の第2先読み予告実行中フラグがセットされているか否かを判定する(S688)。S687により第1先読み予告実行中フラグがセットされておらず、かつ、S688により第2先読み予告実行中フラグがセットされていないと判定されたときには、先読み予告が開始される予定もなく、かつ、先読み予告が実行中でもないときであるため、第1予告設定処理を終了する。
S687により第1先読み予告実行中フラグがセットされていると判定されたときには、開始される変動表示が第2特別図柄の変動表示であるか否かを判定する(S689)。具体的に、S689においては、変動表示の開始時に第2図柄変動指定コマンド(図20参照)を受信したときに、開始される変動表示が第2特別図柄の変動表示であると判定する。
また、S688により第2先読み予告実行中フラグがセットされていると判定されたときと、S689により開始される変動表示が第2特別図柄の変動表示ではないと判定されたとき(変動表示の開始時に第1図柄変動指定コマンドを受信したとき)とは、S690に進む。S690では、これから開始される変動表示がスーパーリーチAの変動表示であるか否かを判定する(S690)。具体的に、スーパーリーチAの変動表示であるか否かは、変動表示を開始するきっかけとして受信した変動パターンコマンドがスーパーリーチAを示す変動パターンコマンドであるか否かに基づいて判定する。
S690においてスーパーリーチAの変動表示であると判定されたときの処理は、後述する。一方、S690においてスーパーリーチAの変動表示ではないと判定されたときは、先読み予告としての連続予告を行なうために、S692に進む。
S692では、先読み予告について、今回の変動表示中においても前回の変動表示と同じ予告を行なうために、前回変動と同じ予告パターンに決定する(S692)。これにより、先読み予告の対象となる変動表示が終了するまで、同じ演出態様の先読み予告演出が連続して繰返し実行される。このように複数回の変動表示に亘り連続して実行される予告が、連続予告と呼ばれる。なお、先読み予告としては、連続予告として複数回の変動表示に亘り実行するのではなく、先読み予告の対象となる始動入賞による保留記憶情報が発生した後、新たに開始する1回の変動表示のみで予告を実行するようにしてもよい。
次に、S693においては、先読み予告回数カウンタの値を1減算する。なお、S692においては、実行する変動パターンが擬似連である場合に、当該擬似連における初回変動および初回変動以降の各再変動において、該決定された予告パターンによる予告演出を実行するためのプロセスデータが設定される。なお、擬似連の変動表示中にボタン予告演出を行なうことが決定された場合には、擬似連の初回変動および初回変動以降の各再変動において、ボタン操作を有効に受付ける操作有効期間を設定するためのプロセスデータが設定される。
次に、S694においては、S693において減算された先読み予告回数カウンタの値が「0」であるか否かが判定される。すなわち、今回の変動表示が予告対象の変動表示であるか否かが判定される。先読み予告回数カウンタの値が「0」でないと判定されたときには、処理を終了する。一方、先読み予告回数カウンタの値が「0」であると判定されたときには、今回の変動表示における予告で先読み予告演出が終了となるため、セット中の先読み予告実行中フラグをリセット(S695)し、第1予告設定処理を終了する。
また、前述のS690において、スーパーリーチAの変動表示であると判定されたときには、先読み予告演出を終了させるために、先読み予告回数カウンタをリセット(0にする)し(S696)、セット中の先読み予告実行中フラグをリセット(S695)して処理を終了する。
このように、先読み予告演出が実行されているときにおいて、スーパーリーチAの変動表示が開始されるときには、実行中の先読み予告演出が強制的に終了する。このような制御な制御が行なわれることにより、変動表示の演出に関して、必要に応じて先読み予告演出を停止させることができるので、先読み予告演出に関し、大当り遊技状態に対する遊技者の期待感を必要以上に煽るのを防ぐことができる。ここで、S690において、先読み予告演出を終了させる変動パターンとしてスーパーリーチBを対象としていないのは、次のような理由による。スーパーリーチBについては、前述したように、時短状態であるか否か、および、保留記憶数の多少に関わらず共通の判定値が割振られていることにより、先読み判定を正確に行なうことができるので、第2保留記憶に基づく変動表示が連続予告の実行中に割り込んで実行される場合を除き、連続予告中において予想外に発生することがない。したがって、スーパーリーチBについては、実行中の連続予告についての先読み判定が行なわれた時点で、予告対象の変動表示よりも前に実行されないことが予想されているので、敢えてS690において、先読み予告演出を終了させる変動パターンとされていない。これにより、S690においては、先読み予告演出を終了させる変動パターンとしてスーパーリーチAのみを対象として判断している。
また、S689により開始される変動表示が第2特別図柄の変動表示であると判定されたときは、前述のような連続予告の予告パターンを設定せずに、第1予告設定処理を終了する。これにより、第1保留記憶バッファの保留記憶データに基づいた連続予告演出が行なわれるときにおいて、第2保留記憶バッファに保留記憶データが記憶され、第1保留記憶データよりも優先して第2保留記憶データに基づく第2特別図柄の変動表示が実行されるときには、当該第2特別図柄の変動表示について、先読み予告としての連続予告を行なうことが禁止され、連続予告が一旦停止状態となる。このような制御が行なわれることにより、このような状態で第2特別図柄の変動表示が実行されるときに、連続予告が行なわれなくなるので、連続予告演出の対象が第2識別情報の変動表示ではないことが演出により明白に示されるため、連続予告演出の対象となる識別情報の変動表示を遊技者が認識しやすくなるようにすることができる。
また、図54の第2予告設定処理について後述するように、第1保留記憶バッファの保留記憶データに基づいた連続予告演出が行なわれるときにおいては、当該第1保留記憶データに基づく変動表示が実行される前に実行されるすべての変動表示に関して、今回予告が禁止される。したがって、第1保留記憶バッファの保留記憶データに基づいた連続予告演出が行なわれるときにおいて、第2保留記憶バッファに保留記憶データが記憶され、第1保留記憶データよりも優先して第2保留記憶データに基づく第2特別図柄の変動表示が実行されるときには、何らの予告演出も行なわれなくなるので、連続予告演出の対象が第2特別図柄の変動表示ではないことが演出により明白に示されるため、連続予告演出の対象となる特別図柄の変動表示を遊技者が認識しやすくなるようにすることができる。
なお、第1特別図柄を対象とした先読み判定による先読み予告演出が実行されているときにおいて、大当り表示結果となる第2特別図柄の変動表示が開始されるときには、実行中の先読み予告演出が強制的に終了することにより禁止されるようにしてもよい。このような制御が行なわれることにより、先読み予告演出の対象となっている第1保留記憶のデータに基づいた第1特別図柄表示器8aの変動表示よりも先に、大当り遊技状態に制御することを特定する保留記憶データに基づく第2特別図柄表示器8bの変動表示が優先して行なわれ、大当り遊技状態が発生しても、当該大当り遊技状態が終了した後まで、継続して当該先読み予告演出が実行されるのを防ぐことができる。これにより、大当り遊技状態が連続的に発生することに対する遊技者の期待感を必要以上に煽るのを防ぐことができる。
また、第1特別図柄を対象とした先読み判定により大当りとならない第1保留記憶データに基づく先読み予告演出が実行されているときにおいて、大当り表示結果となる第2特別図柄の変動表示、または、リーチはずれとなる変動表示が開始されるときには、実行中の先読み予告演出を強制的に終了させる制御を行なうようにしてもよい。
また、第1特別図柄を対象とした先読み判定により大当りとならない第1保留記憶データに基づく先読み予告演出が実行されているときにおいて、大当り表示結果となる第2特別図柄の変動表示が開始されるときには、実行中の先読み予告演出を強制的に終了させるが、リーチはずれとなる変動表示が開始されるときには、実行中の先読み予告演出を強制的に終了させない制御を行なうようにしてもよい。
また、第1特別図柄を対象とした先読み判定による先読み予告演出が実行されているときにおいて、大当り表示結果となる第2特別図柄の変動表示が開始されるときには、開始される変動が擬似連の変動表示であるか否かをさらに判断し、擬似連の変動表示であるときに、実行中の先読み予告を終了させるために、S696へ進むようにしてもよい。
また、第1特別図柄を対象とした先読み判定による先読み予告演出が実行されているときにおいて、開始される変動表示が第2特別図柄の変動表示、かつ、スーパーリーチBの変動表示であるか否かをさらに判断し、第2特別図柄の変動表示、かつ、スーパーリーチBの変動表示であるときには、実行中の先読み予告を終了させるために、S696へ進むようにしてもよい。
次に、第1予告種別決定用テーブルについて説明する。図52は、第1予告種別決定用テーブルを示す説明図である。
第1予告種別決定用テーブルは、第1予告演出の種別決定用の乱数SR6の値に基づいて、第1予告種別決定用の先読み予告を行なう第1予告演出の種別として、当り予告とボタン予告との種別のうちから、実行する予告演出の種別を選択決定するために用いられるデータテーブルである。第1予告種別決定用テーブルにおいては、受信した第1始動入賞指定コマンドまたは第2始動入賞指定コマンドが示す先読み判定結果に毎に定められた判定値にしたがって、予告演出の種別が決定されるように、先読み判定結果と、当り予告およびボタン予告のそれぞれの判定値との関係が示されている。先読み判定結果は、前述の演出側保留特定情報における先読み予告対象となっている保留記憶データの先読み判定結果の情報を読出すことにより得られる。なお、先読み判定結果は、前述の始動入賞指定コマンド格納領域に格納されたコマンドが特定する先読み判定結果の情報を読出すことにより得るようにしてもよい。
先読み判定結果としては、No1に示す「はずれ、かつ、スーパーリーチB」の先読み判定結果、No2に示す「小当り、かつ、いずれかの変動パターン種別」の先読み判定結果、No3に示す「第1突確大当り、かつ、いずれかの変動パターン種別」のパターン、No4に示す「第2突確大当り、かつ、いずれかの変動パターン種別」のパターン、No5に示す「通常大当り、かつ、いずれかの変動パターン種別」のパターン、および、No6に示す「確変大当り、かつ、いずれかの変動パターン種別」のパターンのそれぞれについて、当り予告およびボタン予告のそれぞれの判定値が割振られている。たとえば、「確変大当り、かつ、いずれかの変動パターン種別」とは、表示結果が確変大当りとなり、かつ、変動パターン種別がいずれかの変動パターン種別であることを意味している。
なお、大当りまたは小当りとなるときには、当りの種別に関係なく、先読み予告の対象となり得る例を説明したが、これに限らず、たとえば、大当りおよび小当りのうち、9R長期大当り(確変大当り、通常大当り)になるときに、先読み予告の対象となり得るようにしてもよい。また、9R短期大当り(第1突確大当り、第2突確大当り)および小当りになるときにのみ、先読み予告の対象となり得るようにしてもよい。また、大当りまたは小当りとなるときに当りの種別に関係なく先読み予告の対象となり得る例においては、9R短期大当り(第1突確大当り、第2突確大当り)および小当りとなるときと、9R長期大当り(確変大当り、通常大当り)になるときとで、先読み予告として行なう予告演出の種類が異なるようにしてもよい。
第1予告種別決定用テーブルにおいては、当り予告が、ボタン予告と比べて、当りとなるときに選択される割合が高いように判定値が設定されている。このような設定により、当り予告が実行されたときには、ボタン予告が実行されたときと比べて大当りとなる割合が高いことに基づいて、遊技者の期待感を向上させることができる。
また、第1予告種別決定用テーブルにおいては、当り予告に関し、大当りまたは小当りとなるときが、はずれとなるときと比べて、選択される割合が高いように判定値が設定されている。このような設定により、当り予告に関し、当りとなるときには、はずれとなるときと比べて選択される割合が高いことに基づいて、遊技者の期待感を向上させることができる。
また、第1予告種別決定用テーブルにおいては、当り予告に関し、9R長期大当り(確変大当り、通常大当り)となるときが、9R短期大当り(第1突確大当り、第2突確大当り)または小当りとなるときと比べて選択される割合が高いように判定値が設定されている。このような設定により、当り予告に関し、9R長期大当りとなるときが9R短期大当りまたは小当りとなるときよりも当り予告が選択される割合が高いことに基づいて、遊技者の期待感を向上させることができる。
また、第1予告種別決定用テーブルにおいては、ボタン予告に関し、大当りまたは小当りとなるときが、はずれとなるときと比べて、選択される割合が低いように判定値が設定されている。
また、第1予告種別決定用テーブルにおいては、ボタン予告に関し、9R長期大当り(確変大当り、通常大当り)となるときが、9R短期大当り(第1突確大当り、第2突確大当り)または小当りとなるときと比べて選択される割合が低いように判定値が設定されている。
なお、図52の第1予告種別決定用テーブルにおいては、判定値の振分けについて、ボタン予告の判定値の設定と、当り予告の判定値の設定とが逆であってもよい。また、図52の第1予告種別決定用テーブルにおいては、ボタン予告を設けなくてもよい。その場合には、演出態様が異なる当り予告を複数種類設け、所定の割合で選択した当り予告を用いて予告演出を行なうようにしてもよい。また、第1予告としてボタン予告を設けない場合には、図52における「ボタン予告」の欄を、「予告なし」の欄に置換え、第1予告演出の種別決定用のSR6の抽出値が、予告なしの欄に対応する数値データと合致するときに、第1予告を行なわないように決定するようにしてもよい。このように、「予告なし」を選択可能とする場合においては、同じ種類の始動入賞指定コマンドを受信したときであっても、そのときの保留記憶数が多くなる程、連続予告(この例では当り予告)を実行することを選択する割合が高くなるようにした方が望ましい。このようにする場合、大当りとなるときの方がはずれとなるときよりも連続予告を実行することを選択する割合が高くなるようにする。このように「予告なし」を選択可能とする場合においては、受信した始動入賞指定コマンドにより、大当り、小当り、または、はずれのスーパーリーチBとなることが特定されるときには、「当り予告」と「予告なし」とのいずれにするかの判定を行なうことなく、「当り予告」を実行する決定を行なうようにしてもよい。また、先読み予告としての第1予告については、図52に示すように、第1予告が実行されるときには、必ず、大当りまたは小当りとなるか、または、スーパーリーチBが実行される例を示した。しかし、これに限らず、第1予告演出が実行されるときであっても、一定の割合で、大当り、小当り、または、スーパーリーチBとならないように設定してもよい。具体的には、図52において、当り予告またはボタン予告を選択するコマンドとして、大当りまたは小当りとならず、かつ、スーパーリーチBともならない始動入賞指定コマンドを追加し、当該コマンドを受信したときについて、当り予告およびボタン予告のそれぞれにSR6の判定値を割振り、大当りまたは小当りとならず、かつ、スーパーリーチBともならない始動入賞指定コマンドを受信したときにも、当り予告またはボタン予告を実行させることが選択できるようにすればよい。
また、第1予告種別決定用テーブルとしては、小当り、突確大当り、通常大当り、および、確変大当りのそれぞれについて、変動パターン種別に応じて、ボタン予告と当り予告との判定地の振分けを異ならせるようにデータを設定するようにしてもよい。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560においては、大当りおよび小当りとする決定がされたときには、変動パターンの種別を決定せず、演出制御用マイクロコンピュータ100において、変動パターンの種別を決定するようにしてもよい。
次に、第1予告演出設定処理のS684で用いられる当り予告の予告パターン決定用テーブルについて説明する。図53は、当り予告の予告パターン決定用テーブルを示す説明図である。
当り予告の予告パターン決定用テーブルは、第1予告パターン決定用の乱数SR7の値に基づいて、第1予告演出における当り予告の予告パターンを複数の予告パターンのうちから選択決定するために用いられるデータテーブルである。当り予告の予告パターン決定用テーブルにおいては、実行される変動表示の表示結果が大当りとなるかはずれとなるかに応じて定められた判定値にしたがって、予告パターンが決定されるように、当り/はずれの表示結果と、予告パターンとの関係が示されている。当り予告の予告パターンとしては、たとえば、当り予告中に出現させるキャラクタの種類が異なるものが複数種類設けられている。当り/はずれの表示結果は、前述の演出側保留特定情報における先読み判定結果の情報を読出すことにより得られる。なお、先読み判定結果は、前述の始動入賞指定コマンド格納領域に格納されたコマンドが特定する先読み判定結果の情報を読出すことにより得るようにしてもよい。
表示結果がはずれとなる場合で、乱数SR7から抽出した値が、「1〜90」であるときにはキャラクタA(たとえば、図13(E1)に示すキャラクタ91A)が決定され、「91〜105」であるときにはキャラクタB(たとえば、図13(E2)に示すキャラクタ91B)が決定される。
表示結果が当りとなる場合で、乱数SR6から抽出した値が、「1〜10」であるときにはキャラクタAが決定され、「11〜105」であるときにはキャラクタBが決定される。
以上のように、図53に示す当り予告の予告パターン決定テーブルは、表示結果がはずれとなるときにキャラクタAが決定されやすく、表示結果が大当りまたは小当りとなるときにキャラクタBが決定されやすくなるように判定値が設定されている。これにより、キャラクタBを用いた予告パターンで当り予告が実行されたときには、キャラクタAを用いた予告パターンで当り予告が実行されたときよりも、大当りとなる割合が高いので、遊技者の期待感を向上させることができる。
なお、図13の(G1),(G2)に示すような確変大当りの予告が実行されるときには、確変大当りであるか否かに応じて定められた判定値にしたがい、キャラクタの種類が決定されるように構成してもよい。たとえば、第1予告種別決定用テーブルに示す当り予告に関し、確変大当りと確変大当り以外とに分けて乱数SR7の数値データを割振り、確変大当りとなるときが、確変大当り以外となるときと比べて、キャラクタAよりもキャラクタBが選択される割合が高いように判定値を設定してもよい。この場合には、キャラクタの種類により確変大当りであることに対する信頼度を異ならせることができる。また、確変大当り、通常大当り、第1突確大当り、第2突確大当り、小当りのような当りの種別に応じて選択割合が異なるように定められた判定値にしたがい、キャラクタの種類が決定されるように構成してもよい。この場合には、キャラクタの種類により遊技者にとって有利な大当りであることに対する信頼度を異ならせることができる。具体的には、図51〜図53に関して、大当りおよび小当りを含む当りの種別に応じてキャラクタの選択割合が異なるように定められた判定値にしたがい、キャラクタの種類が決定されるように構成してもよい。
また、ボタン予告の予告パターン決定テーブルは、低信頼度予告パターンと中信頼度予告パターンと高信頼度予告パターンとについて、表示結果が大当りとなるときに、表示結果がはずれとなるときと比べて信頼度が高い予告パターンが決定されやすくなるように判定値が設定されている。これにより、信頼度が高い予告パターンでボタン予告が実行される程、大当りとなる割合が高いので、遊技者の期待感を向上させることができる。
図54は、S516bの第2予告設定処理を示すフローチャートである。
第2予告設定処理において、まず、前述の第1先読み予告実行中フラグがセットされているか否かを判定する(S731)。
S731で第1先読み予告実行中フラグがセットされていないと判定されたときには、前述の第2先読み予告実行中フラグがセットされているか否かを判定する(S732)。S732で第2先読み予告実行中フラグがセットされていないと判定されたときには、図55に示す第2予告種別決定用テーブルを用いて、今回予告の予告演出の種別(予告なし、群予告、ステップアップ予告のうちのいずれかの種別)を決定し(S733)、S734に進む。S733の処理においては、第2予告種別決定用の乱数SR8の値を抽出し、第2予告種別決定用テーブルを用いて、乱数SR8の値に応じて今回予告の予告演出の種別を決定する。このように、S733では、今回予告の予告演出の種別を選択するときに、今回予告を実行しない(予告なし)選択が行なわれる場合もある。
図55に示す第2予告種別決定用テーブルを用いて、今回予告の予告演出の種別として、群予告の予告種別が選択されたときには、演出図柄のうちの少なくとも1つの図柄が停止したとき以後の所定のタイミングのように、先読み予告が実行されるタイミングとは異なるタイミング(図58参照)で、前述したような所定のキャラクタ画像の群を表示することにより予告をする予告演出が行なわれる。また、ステップアップ予告の予告種別が選択されたときには、演出図柄のうちの少なくとも1つの図柄が停止したとき以後の所定のタイミングのように、先読み予告が実行されるタイミングとは異なるタイミング(図58参照)で予告演出が行なわれる。
S734では、S733の種別判定の結果、予告なしが選択されたか否かを判定する(S734)。予告なしが選択されたときは、今回予告を実行しないので、処理を終了する。一方、予告なしが選択決定されていないとき、すなわち、群予告またはステップアップ予告の種別が選択決定されたときは、S733で決定された予告種別に応じた予告パターンを決定する(S735)。S735の処理においては、群予告の種別またはステップアップ予告の種別が選択されたときに、S733で決定された今回予告の種別に対応する予告パターン決定用テーブル(たとえば、図示を省略する群予告の予告パターン決定用テーブル、または、図56のステップアップ予告の予告パターン決定用テーブル)を用いて、今回予告に対応する予告パターンを決定し、処理を終了する。
また、前述のS731で第1先読み予告実行中フラグがセットされていると判定されたときには、今回予告の予告パターンをS733〜S735の処理により決定することなく、第2予告設定処理を終了する。これにより、第1保留記憶バッファに記憶された第1保留記憶データを対象とする連続予告が行なわれるときに、当該対象とする第1保留記憶データに基づく変動表示が実行される前に実行されるすべての変動表示に関して、今回予告の実行が禁止される。なお、図61に示すように、今回予告が実行されるタイミングと、先読み予告が実行されるタイミングとが異なるので、タイミングで実行される(図61参照)。
また、前述のS732で第2先読み予告実行中フラグがセットされていると判定されたときには、今回予告の予告パターンをS733〜S735の処理により決定することなく、第2予告設定処理を終了する。これにより、第2保留記憶バッファに記憶された第2保留記憶データを対象とする連続予告が行なわれるときに、当該対象とする第2保留記憶データに基づく変動表示が実行される前に実行されるすべての変動表示に関して、今回予告の実行が禁止される。
なお、図61に示すように、今回予告と先読み予告とが実行されるタイミングが異なるので、実行されている予告が今回予告であるか、先読み予告であるかを遊技者が識別可能であるので、第2予告設定処理においては、S731,S732のような処理を行なわないことにより、今回予告と先読み予告とを同じ変動表示において実行可能となるようにしてもよい。
高ベース状態(時短状態)のときは、低ベース状態と比べて、可変入賞球装置15が開放状態となる頻度が高いことにより第2始動入賞口14に入賞が生じる頻度が高くなり、第2特別図柄の変動表示が優先して実行される。したがって、高ベース状態では、第1始動入賞を予告対象とした連続予告を行なうことが決定されたときに、第2特別図柄の変動表示が優先して実行されることにより、連続予告が留保されたまま、遊技が進行することにより第2特別図柄の変動表示に基づく大当りが発生する等、遊技者の射幸心を過度に煽るおそれがある。このような悪影響を防ぐため、高ベース状態のときには、図23のS214およびS219に示すように、第1保留記憶についての先読み判定が行なわれない。したがって、低ベースのときに限り、第1保留記憶についての先読み判定が行なわれる。このような低ベース状態において、第1特別図柄について、図44のS662で大当り、小当り、または、スーパーリーチBのような連続予告をする変動パターン種別がコマンドで指定されていると判断すると、図44のS665で先読み予告フラグをセットして、図51のS686で第1先読み予告実行中フラグをセットすることにより連続予告が行なわれるので、このような低ベース時において第1特別図柄を対象とする連続予告が行なわれている状態で、第2特別図柄の変動表示を行なうときに、S731での判定により、第1先読み予告実行中フラグセット中により処理が終了することとなり、第1保留記憶を対象とする連続予告が行なわれるときに、第2特別図柄の変動表示について今回予告が禁止される。
また、低ベース状態のときに第2特別図柄の変動表示についての今回予告を行なうことが禁止されるため、第1特別図柄の変動表示を対象として実行される連続予告演出の存在をより一層明確に際立たせることができる。また、高ベース状態のときは、S733〜S735のような今回予告の予告パターンを決定する処理を行なわないことにより、変動表示を行なうごとに実行する必要がある処理ステップの実行数を低減でき、これにより、高ベース状態における演出制御用マイクロコンピュータ100の制御負担を軽減することができる。
なお、高ベース状態(時短状態)のときにも、第1保留記憶についての先読み判定を行ない、その判定結果に基づいて先読み予告(連続予告)を実行するようにしてもよい。
次に、第2予告種別決定用テーブルについて説明する。図55は、第2予告種別決定用テーブルを示す説明図である。
第2予告種別決定用テーブルは、第2予告演出の種別決定用の乱数SR8の値に基づいて、第2予告演出を実行するか否かの決定、および、第2予告演出の種別として、群予告とステップアップ予告との予告の種別のうちから実行する予告演出の種別を選択決定するために用いられるデータテーブルである。第2予告種別決定用テーブルにおいては、受信した変動パターンコマンドに対応する変動パターンのうち、いずれの変動パターンに属するかに応じて、変動パターン毎に定められた判定値にしたがって、第2予告演出を実行するか否かの決定、および、予告種別の決定がされるように、受信した変動パターンコマンドと、予告演出なし、群予告、および、ステップアップ予告のそれぞれの判定値との関係が示されている。
受信した変動パターンコマンドとしては、No1に示す「はずれ、かつ、擬似連なし」のパターン、No2に示す「はずれ、かつ、擬似連1回」のパターン、No3に示す「はずれ、かつ、擬似連2回」のパターン、No4に示す「はずれ、かつ、擬似連3回」のパターン、No5に示す「大当り又は小当り、かつ、擬似連なし」のパターン、No6に示す「大当り又は小当り、かつ、擬似連1回」のパターン、No7に示す「大当り又は小当り、かつ、擬似連2回」のパターン、No8に示す「大当り又は小当り、かつ、擬似連3回」のパターン、および、No9に示す「大当り又は小当り、かつ、擬似連4回」のパターンのそれぞれについて、予告なし、群予告およびステップアップ予告のそれぞれの判定値が割振られている。たとえば、「はずれ、かつ、擬似連1回」のパターンとは、表示結果がはずれとなり、かつ、擬似連1回の変動パターンを意味している。ここで、「当り」には、「通常大当り」、「確変大当り」、「第1突確大当り」、「第2突確大当り」、および、「小当り」という大当りおよび小当りが該当する。
第2予告種別決定用テーブルにおいては、群予告またはステップアップ予告として行なわれる今回予告を実行することが、予告なしの場合と比べて、大当りまたは小当りとなるときに選択される割合が高いように判定値が設定されている。このような設定により、群予告またはステップアップ予告により今回予告が実行されたときには、予告が実行されなかったときと比べて大当りとなる割合が高いことに基づいて、遊技者の期待感を向上させることができる。また、第2予告種別決定用テーブルにおいては、群予告がステップアップ予告と比べて、当りとなるときに選択される割合が高いように判定値が設定されている。このような設定により、群予告が実行されたときには、ステップアップ予告が実行されたときと比べて大当りとなる割合が高いことに基づいて、遊技者の期待感を向上させることができる。
また、第2予告種別決定用テーブルにおいては、群予告に関し、擬似連となるときが、擬似連とならないときと比べて、大当りまたは小当りとなるときに選択される割合が高いように判定値が設定されている。このような設定により、群予告に関し、擬似連となるときには、擬似連とならないときと比べて大当りとなる割合が高いことに基づいて、遊技者の期待感を向上させることができる。
また、第2予告種別決定用テーブルにおいては、群予告に関し、擬似連となるときのうち、擬似連の回数が多い程、大当りまたは小当りとなるときに選択される割合が高いように判定値が設定されている。このような設定により、群予告に関し、擬似連となるときにおいて、擬似連の回数が多い程大当りとなる割合が高いことに基づいて、遊技者の期待感を向上させることができる。
また、第2予告種別決定用テーブルにおいては、ステップアップ予告に関し、擬似連となるときが、擬似連とならないときと比べて、大当りまたは小当りとなるときに選択される割合が高いように判定値が設定されている。このような設定により、ステップアップ予告に関し、擬似連となるときには、擬似連とならないときと比べて大当りとなる割合が高いことに基づいて、遊技者の期待感を向上させることができる。
また、第2予告種別決定用テーブルにおいては、ステップアップ予告に関し、擬似連となるときのうち、擬似連の回数が多い程、当りとなるときに選択される割合が高いように判定値が設定されている。このような設定により、ステップアップ予告に関し、擬似連となるときにおいて、擬似連の回数が多い程大当りとなる割合が高いことに基づいて、遊技者の期待感を向上させることができる。
また、第2予告種別決定用テーブルにおいては、予告なしに関し、擬似連となるときが、擬似連とならないときと比べて、はずれとなるときに選択される割合が高いように判定値が設定されている。このような設定により、予告なしに関し、擬似連となるときには、擬似連とならないときと比べてはずれとなる割合が低いことに基づいて、遊技者の期待感を向上させることができる。
また、第2予告種別決定用テーブルにおいては、予告なしに関し、擬似連となるときのうち、擬似連の回数が多い程、はずれとなるときに選択される割合が低いように判定値が設定されている。このような設定により、予告なしに関し、擬似連となるときにおいて、擬似連の回数が多い程はずれとなる割合が低いことに基づいて、遊技者の期待感を向上させることができる。
なお、図55の第2予告種別決定用テーブルについては、前述したような、大当りまたは小当りの当りかはずれか、および、擬似連回数(有無を含む)で区別して、乱数SR8の値を割振ることにより、予告の有無、および、予告の種類を決定する例を示した。しかし、これに限らず、大当りまたは小当りの当りかはずれか、および、リーチの種別(ノーマルリーチ、スーパーリーチ等)で区別して、乱数SR8の値を割振ることにより、予告の有無、および、予告の種類を決定するようにしてもよい。また、大当りまたは小当りの当りかはずれか、および、その当りの種別(確変大当り、通常大当り、第1突確大当り、第2突確大当り、小当り等)で区別して、乱数SR8の値を割振ることにより、予告の有無、および、予告の種類を決定するようにしてもよい。
群予告の予告パターン決定用テーブルは、第2予告パターン決定用の乱数SR9の値に基づいて、第2予告演出における群予告の予告パターンを複数の予告パターンのうちから選択決定するために用いられるデータテーブルである。群予告の予告パターン決定用テーブルにおいては、実行される変動表示の表示結果が大当りとなるかはずれとなるかに応じて定められた判定値にしたがって、予告パターンが決定されるように、表示結果と、予告パターンとの関係が示されている。群予告の予告パターンとしては、たとえば、群予告中に群で出現させる群キャラクタの種類が異なるものが複数種類設けられている。
群予告の予告パターン決定テーブルは、表示結果がはずれとなるときに群キャラクタAが決定されやすく、表示結果が当りとなるときに群キャラクタBが決定されやすくなるように判定値が設定されている。これにより、群キャラクタBを用いた予告パターンで群予告が実行されたときには、群キャラクタAを用いた予告パターンで群予告が実行されたときよりも、大当りとなる割合が高いので、遊技者の期待感を向上させることができる。
なお、確変大当りであるか否かに応じて定められた判定値にしたがい、群キャラクタの種類が決定されるように構成してもよい。この場合には、群キャラクタの種類により確変大当りであることに対する信頼度を異ならせることができる。また、当りの種別に応じて定められた判定値にしたがい、群キャラクタの種類が決定されるように構成してもよい。この場合には、群キャラクタの種類により遊技者にとって有利な大当りであることに対する信頼度を異ならせることができる。
次に、第2予告演出設定処理のS735で用いられるステップアップ予告の予告パターン決定用テーブルについて説明する。図56は、ステップアップ予告の予告パターン決定用テーブルを示す説明図である。
ステップアップ予告の予告パターン決定用テーブルは、第2予告特定演出決定用の乱数SR9および第2予告パターン決定用の乱数SR10の値に基づいて、第2予告演出におけるステップアップ予告の予告パターンを複数の予告パターンのうちから選択決定するために用いられるデータテーブルである。
図56を参照して、ステップアップ予告の予告パターン決定用テーブルは、(a)〜(c)に示す3つのデータテーブルを含む。(a)には、潜伏モード以外の状態で用いられる通常時ステップアップ予告パターン決定テーブルが示されている。(b)には、潜伏モードにおいて確変状態が潜伏していない低確率状態であるときに用いられる非潜伏時ステップアップ予告パターン決定テーブルが示されている。(c)には、潜伏モードにおいて確変状態が潜伏している高確率状態であるとき用いられる潜伏時ステップアップ予告パターン決定テーブルが示されている。
(a)〜(c)に示すテーブルでは、第2予告特定演出決定用の乱数SR9と、決定するステップアップ種別(通常ステップアップ、特定ステップアップ)との関係が示されているとともに、決定したステップアップ種別における第2予告パターン決定用の乱数SR10の値と、決定する予告パターンとの関係が示されている。ここで、通常ステップアップとは、ステップアップ演出の標準となる基本的なステップアップパターンであり、たとえば、A〜DのステップがA→B→C→Dというように標準的にステップアップする演出をいう。一方、特定ステップアップとは、通常ステップアップとステップアップ順序が異なるステップアップパターンであり、たとえば、A〜DのステップがA→C→B→Dというように特定のステップアップパターンでステップアップする演出をいう。このようなステップアップ種別は、予め定められたタイミングで抽出されたSR9の値に基づき選択決定される。
通常ステップアップには、ステップがA→Bというように1段階ステップアップする第1予告パターンと、ステップがA→B→Cというように2段階ステップアップする第2予告パターンと、ステップがA→B→C→Dというように3段階ステップアップする第3予告パターンとが含まれる。通常ステップアップが選択決定されたときには、予め定められたタイミングで抽出されたSR10の値に基づき、第1〜第3予告パターンのうちいずれかが選択決定される。
特定ステップアップには、ステップがA→Cというように1段階ステップアップする第4予告パターンと、ステップがA→C→Bというように2段階ステップアップする第5予告パターンと、ステップがA→C→B→Dというように3段階ステップアップする第6予告パターンとが含まれる。特定ステップアップが選択決定されたときには、予め定められたタイミングで抽出されたSR10の値に基づき、第4〜第6予告パターンのうちいずれかが選択決定される。
(a)の通常時ステップアップ予告パターン決定テーブルでは、変動表示結果がはずれ表示結果となるときと、変動表示結果が大当りまたは小当りの表示結果となるときとの両方で、SR9の値にかかわらず、ステップアップ種別として通常ステップアップのみが選択決定される。そして、いずれの表示結果となるときにも、SR10の値に基づき、第1〜第3予告パターンのうちいずれかが選択決定される。変動表示結果がはずれ表示結果となるときには、第1予告パターン>第2予告パターン>第3予告パターンの順で選択される割合が高くなるようにデータテーブルが設定されている。一方、変動表示結果が大当りまたは小当りの表示結果となるときには、第3予告パターン>第2予告パターン>第1予告パターンの順で選択される割合が高くなるようにデータテーブルが設定されている。また、変動表示結果が大当りまたは小当りの表示結果となるときには、変動表示結果がはずれ表示結果となるときと比べて、第3予告パターンが選択される割合が高く、第2予告パターンが選択される割合が高く、第1予告パターンが選択される割合が低くなるようにデータテーブルが設定されている。したがって、通常ステップアップについては、ステップアップする段階数が多くなる程、大当りとなる割合が高くなりやすいので、遊技者の大当りへの期待感を高めることが可能となる。
(b)の非潜伏時ステップアップ予告パターン決定テーブルが、(a)の通常時ステップアップ予告パターン決定テーブルと異なるのは、変動表示結果がはずれ表示結果となるときには、SR9の値に基づいて、通常ステップアップと、特定ステップアップとのどちらかのステップアップ種別が選択されることである。そして、通常ステップアップの種別の方が、特定ステップアップの種別よりも選択される割合が高くなるようにデータテーブルが設定されている。そして、特定ステップアップの種別が選択されたときには、SR10の値に基づき、第4〜第6予告パターンのうちいずれかが選択決定される。具体的には、第4予告パターン>第5予告パターン>第6予告パターンの順で選択される割合が高くなるようにデータテーブルが設定されている。
(c)の潜伏時ステップアップ予告パターン決定テーブルが、(b)の非潜伏時ステップアップ予告パターン決定テーブルと異なるのは、変動表示結果がはずれ表示結果となるときに、特定ステップアップの種別の選択割合が高く設定されていること、および、変動表示結果が大当りまたは小当りの表示結果となるときに、特定ステップアップの種別のみが選択されることである。したがって、潜伏モードの状態であるときには、非潜伏モードの状態であるときと比べて、特定ステップアップの種別での予告パターンが選択される割合が高くなるように設定されている。また、(c)の潜伏時ステップアップ予告パターン決定テーブルでは、変動表示結果が大当りまたは小当りの表示結果となるときには、第6予告パターン>第5予告パターン>第4予告パターンの順で選択される割合が高くなるようにデータテーブルが設定されている。また、変動表示結果が大当りまたは小当りの表示結果となるときには、変動表示結果がはずれ表示結果となるときと比べて、第6予告パターンが選択される割合が高く、第5予告パターンが選択される割合が高く、第4予告パターンが選択される割合が低くなるようにデータテーブルが設定されている。したがって、特定ステップアップについても、ステップアップする段階数が多くなる程、大当りとなる割合が高くなりやすいので、遊技者の大当りへの期待感を高めることが可能となる。
これにより、特定ステップアップの種別の予告パターン(第4〜第6予告パターン)は、潜伏モードにおいて、非潜伏時(低確率状態時)と、潜伏時(高確率状態時)とのどちらの状態でも表示され得るが、潜伏時の方が非潜伏時よりも選択される割合が高くなるように設定されているので、ステップアップ予告が行なわれるときに、ステップアップの順番が通常とは異なる順番で行なわれる割合が高くなる程、確変が潜伏していることに対する遊技者の期待感を向上させることができる。
具体的に、変動表示結果がはずれ表示結果となるときにおいてSR9の値に基づき特定ステップアップの種別が選択されたときには、SR10の値に基づき、第4〜第6予告パターンのうちいずれかが選択決定される。具体的に、非潜伏時と同様に、第4予告パターン>第5予告パターン>第6予告パターンの順で選択される割合が高くなるようにデータテーブルが設定されている。
また、変動表示結果が大当りまたは小当りの表示結果となるときに、特定ステップアップの種別のみが選択される。その特定ステップアップの種別では、変動表示結果がはずれ表示結果となるときとは逆に、第6予告パターン>第5予告パターン>第4予告パターンの順で選択される割合が高くなるようにデータテーブルが設定されている。
次いで、図46を参照して、演出図柄変動開始処理の続きを説明する。演出制御用CPU101は、S517で選択した演出制御パターンに応じたプロセステーブルを選択する(S518)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマ(演出設定プロセスタイマ)をスタートさせる(S519)。
ここで、図57および図58を用いてプロセステーブルについて説明する。図57は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータにしたがって演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行なう。
プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、音番号データ、および、可動部材制御実行データの組合せが複数集まったデータとしてのプロセスデータにより構成されている。表示制御実行データには、演出図柄の変動表示の変動表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等(演出図柄の表示態様の他に演出表示装置9の表示画面における演出図柄以外の演出態様を含む。)が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。
また、プロセスタイマ設定値には、その演出態様での演出時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている態様で演出図柄を表示させるとともに表示画面に表示されるキャラクタ画像や背景を表示させる制御を行なう。
プロセステーブルにおいては、たとえば、前述した擬似連および滑りのような演出図柄の演出動作ごとに異なるプロセスデータが設定されており、さらに、前述のような予告(第1予告演出、第2予告演出を含む予告演出)を行なうか否かおよび予告パターンの演出動作に応じて異なるプロセスデータが設定されている。したがって、たとえば、ある変動パターンに基づく変動表示において予告演出を実行することが決定されたときには、その決定に応じて、当該変動パターンにおいて決定された予告パターンによる予告演出を実行可能なプロセスデータが選択されることとなる。
また、演出制御用CPU101は、ランプ制御実行データおよび音番号データに設定されている態様で発光体の点滅を制御するとともに、スピーカ27からの音出力を制御する。また、演出制御用CPU101は、可動部材制御データに設定されている態様で可動部材78、可動部材84、および、振動モータ87a,87b,87cのそれぞれを制御する。
図57に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各演出制御パターンに応じて用意されている。なお、プロセステーブルは、たとえば、前述した図柄変動制御パターンテーブルおよび各種演出制御パターンテーブル等を、より具体的に示したものに相当する。
図58は、プロセステーブルの内容にしたがって実行される演出を説明するための説明図である。演出制御用CPU101は、プロセステーブルにおける演出制御実行データにしたがって表示制御を実行する。すなわち、プロセスタイマ設定値に設定されたタイマ値に応じた時間が経過すると、プロセステーブルにおける次の演出制御実行データにしたがって、演出表示装置9、LED等の発光体、スピーカ27、可動部材78,84、および、振動モータ87a,87b,87cを制御する処理を繰返すことによって、1回の演出図柄の変動における演出が実現される。なお、変動期間中に制御対象にならない演出用部品に対応するデータ(たとえば、可動部材制御データ)には、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されている。
図57を参照して、演出制御用CPU101は、図46におけるS519の処理を実行したら、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1、可動部材制御データ1)にしたがって演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、演出用部品としてのスピーカ27、および演出用部品としての可動部材78,84と振動モータ87a,87b,87c)の制御を開始する(S520)。たとえば、表示制御実行データにしたがって、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像(演出図柄を含む。)を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行なわせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行なわせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。また、可動部材制御データにしたがって、可動部材78,84と振動モータ87a,87b,87cとを動作させるための駆動信号を出力する。
次に、擬似連演出の変動パターンを実現する際の変動期間とプロセステーブルとの関係について説明する。たとえば、一例として、2回の仮停止期間が設けられ、3回の変動(初回変動も含めて)が実行される場合について説明する。変動開始時から初回の仮停止時までの演出制御は、初回演出のプロセステーブルに設定されている演出制御実行データに基づいて実行され、初回の仮停止時から2回目の仮停止時までの演出制御は、2回目演出のプロセステーブルに設定されている演出制御実行データに基づいて実行され、2回目の仮停止時から図柄の最終停止時までの演出制御は、3回目演出のプロセステーブルに設定されている演出制御実行データに基づいて実行される。
擬似連演出の変動表示が行なわれる場合には、演出制御用CPU101は、S518において、1回目の変動に応じたプロセステーブルを選択する。なお、擬似連演出の変動表示が行なわれる場合に、演出制御用CPU101は、擬似連における仮停止および再変動を含み、変動開始から最後の再変動の停止までの一連の変動に応じたプロセスデータを用いて変動表示を行なうようにしてもよい。
さらに、図46を参照して、演出図柄変動開始処理の続きを説明する。演出制御用CPU101は、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(S521)。なお、変動時間タイマは、演出図柄の変動を開始してから最終停止図柄を停止表示するまでの変動時間を計測するためのタイマである。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値にし(S522)、処理を終了する。
図59は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(S802)を示すフローチャートである。
演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算するとともに(S841)、変動時間タイマの値を1減算する(S842)。そしてプロセスタイマがタイムアウトしているか否かを判断する(S843)。
プロセスタイマがタイムアウトするまで(S843N)は、S846に進む。S843においてプロセスタイマがタイムアウトしたと判断したときは(S843Y)、プロセスデータの切替えを行なう(S844)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(S844)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、音番号データおよび可動部材制御データ等のプロセスデータに基づいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更する等、次のプロセスデータの内容にしたがって、演出装置を制御する(S845)。これにより、前述のような第1予告演出および第2予告演出のような予告演出をすることが決定されたときには、決定された予告パターンによる予告演出を実行することができる。
このように、プロセスタイマを用いて時間管理を行なって、プロセスデータを順次切替えていくことにより、図57および図58に示すような変動表示制御を含む各種演出制御が行なわれる。
S846においては、操作ボタン130の操作に応じて演出をする操作演出処理が行なわれる。操作演出処理においては、まず、プロセスデータとして、ボタン予告演出を行なうプロセスデータが設定されているときに、ボタン予告演出における操作有効期間中であれば、操作ボタン130のボタン操作を有効として、ボタン操作に応じて、低信頼度予告パターンと中信頼度予告パターンと高信頼度予告パターンとのいずれかを選択決定して予告演出を行なうボタン操作後の予告演出を実行する。
ここで、演出表示装置9において表示されるボタン予告の演出内容を説明する。ボタン予告が行なわれるときには、演出表示装置9において操作ボタン130を操作することを要求する操作要求表示画像が表示され、ボタン操作がされたことに応じて、たとえば、的当てゲーム等の所定のゲームを実行する表示が行なわれる。そして、ゲームで勝利したときには、合算保留記憶表示部18cにおいて予告の対象となる保留記憶表示が変形し、大当りとなる信頼度を示す表示として「チャンス」という低信頼度予告表示と、「激熱」という中信頼度予告表示と、「フィーバー」という高信頼度予告表示とのいずれかが選択されて表示される。表示結果が大当りとなるときには、信頼度を示す表示として、高信頼度予告表示>中信頼度予告表示>低信頼度予告表示の順番で選択される割合を高くし、表示結果がはずれとなるときには、信頼度を示す表示として、低信頼度予告表示>中信頼度予告表示>高信頼度予告表示の順番で選択される割合を高くする。一方、ゲームで敗北したときには、保留記憶表示の変形表示、および、大当りとなる信頼度を示す表示が行なわれない。ボタン予告の演出においては、このような大当りとなる信頼度を示す表示が行なわれることにより、ゲームで勝利したときには、大当りとなる確率が高いことを認識することができるので、遊技者の興趣を向上させることができる。なお、ボタン操作がされたときに行なわれる予告表示の内容を選択する処理は、変動表示の開始時において行なっておくようにしてもよく、また、変動表示中の操作時において行なうようにしてもよい。また、ボタン操作がされたときに行なわれる予告表示の態様としては、所定のゲーム表示の実行を経て行なう例を示した。したがって、これに限らず、操作要求表示画像が表示されてボタン操作がされたときに、所定のゲーム表示等の演出表示を介さずに、直ちに、保留記憶表示の変形表示、および、大当りとなる信頼度を示す表示が行なわれるようにしてもよい。
操作有効期間中において、ボタン操作が行なわれないときには、操作要求表示画像をフェードアウトさせる表示が行なわれ、ゲームで敗北した画像が必ず表示される。これにより、遊技者がこのようなゲームで敗北した画像の固定的な選択決定を避けるために、ボタン操作を促進させることができ、遊技者の遊技への参加意欲を向上させることができる。なお、操作有効期間中にボタン操作が行なわれなかったときは、操作有効期間中にボタン操作が行なわれたときと比べて低い割合であるが、ゲームで勝利して前述のような大当りとなる信頼度を示す表示を選択決定可能とするようにしてもよい。また、操作有効期間の前後にボタン操作が行なわれたときは当該ボタン操作が無効である旨を示す表示が行なわれる。
次に、図59の説明に戻る。S847で、演出制御用CPU101は、変動時間タイマの値に基づいて、変動時間タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(S847)。変動時間タイマがタイムアウトしていれば(S847でY)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に応じた値に更新する(S849)。一方、変動時間タイマがタイムアウトしていないときは(S847でN)、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされているか否かを確認する(S848)。確定コマンド受信フラグがセットされていないときは(S848でN)、演出図柄変動中処理が終了する。一方、確定コマンド受信フラグがセットされているときは(S848でY)、S849に移行する。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても(S848でN)、図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、たとえば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターンコマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、演出図柄の変動を終了させることができる。
なお、「擬似連」の演出を含む変動パターンに基づいてS841〜S845の処理を実行する部分は、再変動演出を実行する再変動演出制御処理に相当する。
図60は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(S803)を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、まず、演出制御用CPU101は、演出図柄の停止図柄を表示していることを示す停止図柄表示フラグがセットされているか否かを確認する(S870)。停止図柄表示フラグがセットされていれば、S877に移行する。この実施の形態では、演出図柄の停止図柄として大当り図柄を表示した場合には、S876で停止図柄表示フラグがセットされる。そして、ファンファーレ演出を実行するときに停止図柄表示フラグがリセットされる。したがって、停止図柄表示フラグがセットされているということは、大当り図柄を停止表示したがファンファーレ演出をまだ実行していない段階であるので、S871〜S876の演出図柄の停止図柄を表示する処理を実行することなく、S877に移行する。
停止図柄表示フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、演出図柄の変動停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(S871)。確定コマンド受信フラグがセットされている場合には、決定されている停止図柄(はずれ図柄、小当り図柄または大当り図柄)を停止表示させる制御を行なう(S872)。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101が、遊技制御用マイクロコンピュータ560から図柄確定指定コマンドを受信したことに応じて演出図柄を停止表示する制御を行なうが、変動時間タイマがタイムアップしたことに基づいて演出図柄を停止表示するようにしてもよい。
次に、S872の処理で小当り図柄または大当り図柄を表示したか否かを確認する(S873)。S872の処理で小当り図柄または大当り図柄を表示しなかったと判断した場合(すなわち、はずれ図柄を表示した場合)には、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に応じた値に更新する(S874)。
一方、S872の処理で小当り図柄または大当り図柄を停止表示したと判断した場合には、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをセットし(S876)、大当り開始指定コマンドを受信したことを示す大当り開始指定コマンド受信フラグ(大当り開始1指定コマンド受信フラグまたは大当り開始2指定コマンド受信フラグ)または小当り/突確開始指定コマンドを受信したことを示す小当り/突確開始指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(S877)。大当り開始指定コマンド受信フラグまたは小当り/突確開始指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをリセットする(S878)。
次に、演出制御用CPU101は、通常大当りまたは確変大当りであるか否かを確認する(S878A)。具体的には、大当り開始1指定コマンド受信フラグがセットされているときに通常大当りであると判断し、大当り開始2指定コマンド受信フラグがセットされているときに確変大当りであると判断する。S878Aで通常大当りまたは確変大当りではないと判断したときには、後述するS879に進む。一方、S878で通常大当りまたは確変大当りであると判断したときには、小当り後潜伏フラグがセットされているか否かを確認する(S878B)。小当り後潜伏フラグは、現在の潜伏モードが小当り後の潜伏モードであることを示すフラグであって、後述するように、大当り終了演出処理において、小当り後に潜伏モードの状態となるときにセットされる。
S878Bで小当り後潜伏フラグがセットされていないと判断したときには、後述するS879に進む。一方、S878Bで小当り後潜伏フラグがセットされていると判断したときは、その他の状態では、表示されない特別なキャラクタである特別キャラクタ(たとえば、図13に示すキャラクタ91A,91Bのような所定のキャラクタとは形状が異なるキャラクタ、所定のキャラクタとは大きさが異なるキャラクタ、所定のキャラクタとは色彩が異なるキャラクタ、所定のキャラクタとは輝度が異なるキャラクタ、または、所定のキャラクタとは個体数が異なるキャラクタ等、所定のキャラクタとは異なるキャラクタであることが容易に識別可能なキャラクタとして予め定められたプレミアキャラクタ)を表示することを決定し、その特別キャラクタを表示するための制御データを設定し(S878C)、小当り後潜伏フラグをリセットして(図示省略)、S879に進む。これにより、小当り後に潜伏モードに制御されたときには、大当り表示の画面、すなわち、ファンファーレ画面を表示するときに、特別キャラクタが表示される。このような特別キャラクタが表示されるという特別な演出が行なわれることにより、潜伏モードにおいて確変状態が潜伏していなかったにも関わらず大当りが発生したことが報知されるので、遊技の興趣を向上させることできる。つまり、小当り後に潜伏モードに制御されたときには、第1突確大当り後に潜伏モードに制御されたときと比べて、大当りとなるか確率が低いが、そのような遊技者にとって不利な状況にも関わらず大当りが発生したという状況であるため、このような遊技者にとって喜ばしい状況を演出するために特別な演出が行なわれることとしたのである。
S879では、前述のファンファーレ画面を表示するファンファーレ演出を行なうために、S877により受信を確認したコマンドに基づいて、大当りおよび小当りを含む当りの種別に応じたファンファーレ演出を行なうためのプロセステーブルを選択する(S879)。
なお、演出制御用CPU101は、大当り開始指定コマンド受信フラグまたは小当り/突確開始指定コマンド受信フラグがセットされていた場合には、セットされていたフラグをリセットする。また、S879の処理では、演出制御用CPU101は、大当りおよび小当りの当り種別に対応するファンファーレ演出等のプロセステーブルを選択する。そして、プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをスタートさせ(S880)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1、可動部材制御データ1)にしたがって演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、演出用部品としてのスピーカ27、および演出用部品としての可動部材78,84、振動モータ87a,87b,87c)の制御を実行する(S881)。その後、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)に応じた値に更新する(S882)。
図61は、先読み予告(連続予告)および今回予告の制御タイミングを示すタイミングチャートである。図61のタイミングチャートの内容については、先読み予告および今回予告の制御タイミングを説明するために前述した。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ101により行なわれる予告演出の具体的な制御例を説明する。以下においては、制御状態が、第1先読み予告実行中フラグおよび第2先読み予告実行中フラグのいずれもセットされていない状態、すなわち、第1,第2特別図柄の変動表示に関して今回予告の実行が許可された状態から、第1先読み予告実行中フラグがセットされたことに基づいて、第1特別図柄の保留記憶データに基づく先読み予告の実行中の状態に変化したときの制御例を説明する。
たとえば、今回予告の動作が許可された状態において第2特別図柄の変動表示が行なわれるときに、図54のS733により群予告またはステップアップ予告による今回予告演出の予告種別が選択されたときには、S735により決定された予告パターンで今回予告が実行される。
そして、図44のS662により第1始動入賞指定コマンドが大当りを指定するコマンド、小当りを指定するコマンド、または、スーパーリーチBの変動パターン種別を指定していることに基づいてS665により先読み予告フラグがセットされたときに、図51のS683で選択された先読み予告演出の種別についてS684により予告パターンが決定され、S686により第1先読み予告実行中フラグがセットされ、決定された予告パターンで、先読み予告として連続予告が開始される。このように第1先読み予告実行中フラグがセットされて第1特別図柄の保留記憶データに基づく先読み予告の実行中状態となったときには、S687およびS689により、第2特別図柄の変動表示時について、先読み予告(連続予告)の動作が禁止状態にされる。これにより、このような状態で第2特別図柄の変動表示が行なわれるときには、先読み予告(連続予告)の動作が一旦停止状態にされる。つまり、第1特別図柄の保留記憶データに基づく先読み予告(連続予告)の動作は、第1特別図柄の変動表示が実行されるごとに連続的に実行され、第2特別図柄の変動表示が実行されるときに一旦停止状態とされる。
また、第1先読み予告実行中フラグがセットされているときには、図54のS731により、第2特別図柄の変動表示時に今回予告を実行することが禁止され、かつ、第1特別図柄の変動表示時にも今回予告を実行することが禁止される。つまり、第1先読み予告実行中フラグがセットされているときには、第1特別図柄および第2特別図柄のそれぞれの変動表示について今回予告の実行が禁止された状態にされる。これにより、第1特別図柄の保留記憶データに基づく先読み予告(連続予告)が実行される期間においては、その保留記憶データに基づく変動表示の開始条件が成立前に行なわれるすべての変動表示において、先読み予告(連続予告)以外の予告(今回予告)を行なうことが禁止される。
このように、第2特別図柄の変動表示に関しては、第1先読み予告実行中フラグがセットされているとき、すなわち、第1特別図柄の保留記憶データに基づく先読み予告(連続予告)が実行される期間においては、変動表示が実行されるときに、今回予告が実行されず、かつ、実行期間中の先読み予告(連続予告)も実行されない。
図62は、潜伏モードの種別を決定するために用いられる潜伏モード決定テーブルを示す図である。図62において、(A)には第1突確大当りの発生時にその後の潜伏モードを複数の潜伏モードのうちからいずれかの潜伏モードに選択決定するために用いられる第1突確大当り時潜伏モード決定テーブルが示され、(B)には小当りの発生時にその後の潜伏モードを複数の潜伏モードのうちからいずれかの潜伏モードに選択決定するために用いられる小当り時潜伏モード決定テーブルが示されている。
(A)および(B)に示すテーブルでは、潜伏モード決定用のSR11の値と、選択決定する潜伏モードとの関係が示されている。(A)の第1突確大当り時潜伏モード決定テーブルでは、(B)の小当り時潜伏モード決定テーブルと比べて、第2潜伏モードに決定される割合が高く、かつ、第1潜伏モードに決定される割合が低くなるようにデータが設定されている。これにより、潜伏モードが第1潜伏モードとなっているときには小当り後の確変状態が潜伏していない潜伏モードである割合が第2潜伏モードよりも高く、潜伏モードが第2潜伏モードとなっているときには第1突確大当り後の確変状態が潜伏している潜伏モードである割合が第1潜伏モードよりも高いと遊技者が判断することが可能となる。これにより、遊技者は、潜伏モードの種別により、潜伏モードにおいて確変状態が潜伏している割合が高いか否かを判断することが可能となる。
潜伏モードが第2潜伏モードとなっているときには、確変状態が潜伏している割合が高いと考えられるので、確変状態が潜伏していることに対する遊技者の期待感を高めることができ、一方、潜伏モードが第1潜伏モードとなっているときには、確変状態が潜伏している割合が低いと考えられるが、まったく確変状態とならないわけではないと考えられるので、確変状態が潜伏していることに対する遊技者の期待感を大きく損なわないようにすることができる。
また、図11のデータテーブルでは、潜伏モードに移行する第1突確大当りとなるときに、開放パターンAの方が開放パターンBよりも選択される割合が高い。また、図62のデータテーブルでは、潜伏モードに移行する第1突確大当りとなるときに、第2潜伏パターンの方が第1潜伏パターンよりも選択される割合が高い。したがって、たとえば、開放パターンAで大入賞口が開放し第1潜伏モードの背景画像が表示されたときよりも、開放パターンAで大入賞口が開放し第2潜伏モードの背景画像が表示されたときの方が、確変状態である割合が高い。このように、突確大当りにおける特別可変入賞球装置20の変化態様と、潜伏モードにおける背景画像のような共通の演出の種類との組合せにより、潜伏モードにおいて高確率状態である割合が異なるので、特別可変入賞球装置20の動作と潜伏モードにおける共通の演出の種類との関係性に基づいて、高確率状態である割合が高いか否かを遊技者が推測することが可能となるため、演出の組合せに基づいて、遊技の興趣をより一層向上させることができる。
なお、潜伏モードの背景画像は、第1潜伏モードの背景画像として図14(D)の第2夜空画像を用い、第2潜伏モードの背景画像として図14(C)の第1夜空画像を用いるようにしてもよい。第2潜伏モードの背景画像は、第1潜伏モードの背景画像よりも背景に示される星等の図形数が多い。第2潜伏モードの背景画像は、図形として星のみが示された第1潜伏モードの背景画像に対して、月および惑星の図形を付加した画像が第2潜伏モードの背景画像である。したがって、夜空を想起させる画像という同種の画像において、所定の画像(図形の画像)を付加することで、画像数の大小関係に基づいて、第2潜伏モードの背景画像の方が第1潜伏モードの背景画像よりも確変状態が潜伏している期待度が高いとことを遊技者に容易に認識させることができる。
図63は、大当り終了演出処理(S807)を示すフローチャートである。大当り終了演出処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、演出時間計測タイマの値を1減算するとともに(S971)、大当り遊技状態の終了時に行なわれるエンディング演出を管理する時間を計測するためにラウンド中処理においてセットされた演出時間計測タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(S972)。
演出時間計測タイマがタイムアウトしたときは(S972のY)、S981に進む。一方、演出時間計測タイマがタイムアウトしていないときは(S972のN)演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマの値を1減算する(S973)。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスデータnの内容(表示制御実行データn)にしたがって、演出装置(演出表示装置9、スピーカ27、ランプ28a〜28c等)を制御する処理を実行する(S976)。たとえば、演出表示装置9においてエンディング演出に応じた画像を表示させるために、プロセスデータnの内容(表示制御実行データn)にしたがってCGROMから画像データを読出し、読出した画像データをVDP109に出力するとともに制御信号を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行なわせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行なわせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
この場合、たとえば、大当りが終了することを表示したり、演出表示装置9の表示画面に所定のキャラクタを表示したりすることによって、大当りが終了することを報知する。
そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(S977)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替えを行なう(S978)。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(S979)。
次に、S972により演出時間計測タイマがタイムアウトしたと判断したときに進むS981では、突確1終了指定コマンド受信フラグがセットされているか否かに基づいて、第1突確大当りの終了時であるか否かを確認する(S981)。S981で第1突確大当りの終了時であると判断したときは、現在の潜伏モードが第1突確大当り後の潜伏モードであることを示す第1突確後潜伏フラグをセットし(S982)、後述するS985に進む。一方、S981で第1突確大当りの終了時ではないと判断したときは、小当り終了指定コマンド受信フラグがセットされているか否かに基づいて、小当りの終了時であるか否かを確認する(S983)。S983で小当りの終了時であると判断したときは、現在の潜伏モードが小当り後の潜伏モードであることを示す小当り後潜伏フラグをセットし(S984)、S985に進む。
S985では、潜伏モードの状態であることを示す潜伏モードフラグをセットする(S985)。そして、図62を用いて前述したような潜伏モードの選択決定方法により、潜伏モードの種別を第1潜伏モードと第2潜伏モードとのどちらかに選択決定する(S986)。具体的には、SR11から数値データを抽出し、第1突確後潜伏フラグがセットされているときには、第1突確大当り時潜伏モード決定テーブルを用いて、SR11の抽出値に基づいて、第1潜伏モードと第2潜伏モードとのどちらかを選択決定する。一方、小当り後潜伏フラグがセットされているときには、小当り時潜伏モード決定テーブルを用いて、SR11の抽出値に基づいて、第1潜伏モードと第2潜伏モードとのどちらかを選択決定する。
次に、S986での潜伏モードの種別の決定に応じて、第1潜伏モードの背景画像、または、第2潜伏モードの背景画像を以後に表示する背景画像とするための処理を行ない(S987)、後述するS992に進む。これにより、第1潜伏モードが選択決定されたときには、図14の(C)のような第1潜伏モードの背景画像が表示され、第2潜伏モードが選択決定されたときには、図14の(D)のような第2潜伏モードの背景画像が表示される。
また、S983により小当りの終了時ではないと判断したときは、第2突確大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされているか否かに基づいて、第2突確大当りの終了時であるか否かを確認する(S988)。S988で第2突確大当りの終了時であると判断したときは、確変モードの背景画像を以後に表示する背景画像とするための処理を行ない(S990)、後述するS992に進む。これにより、図14の(B)のような確変モードの背景画像が表示される。一方、S988により第2突確大当りの終了時ではないと判断したときは、大当り終了2指定コマンド受信フラグがセットされているか否かに基づいて、確変大当りの終了時であるか否かを確認する(S989)。
S989で確変大当りの終了時であると判断したときは、第2突確大当り終了時の場合と同様に、確変モードの背景画像を以後に表示する背景画像とするための処理を行ない(S990)、後述するS992に進む。これにより、図14の(B)のような確変モードの背景画像が表示される。一方、S989で確変大当りの終了時ではないと判断したときは、消去法的に、通常大当りの終了時であると判断できるため、通常モードの背景画像を以後に表示する背景画像とするための処理を行ない(S991)、S992に進む。これにより、図14の(A)のような通常モードの背景画像が表示される。
S992では、以降の処理に必要な所定フラグ(小当り後潜伏フラグ、第1突確後潜伏フラグ、および、潜伏モードフラグ)以外のフラグをリセットする(S992)。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に応じた値に更新し(S993)、処理を終了する。
以上のような大当り終了演出処理においては、大当りおよび小当りの種別に応じて、通常モードの背景画像、確変モードの背景画像、第1潜伏モードの背景画像、または、第2潜伏モードの背景画像を表示するための処理が行なわれる。このように背景画像を用いて確変状態であるか通常状態であるかを区別して表示することが可能となり、また、第1潜伏モードおよび第2潜伏モードの背景画像を選択して用いることにより、潜伏モードにおいて確変状態が潜伏しているか割合が高いか否かを区別して示すことが可能となる。
なお、S981における第1突確大当りの終了時であるか否かの確認は、変動表示の開始時に送信され、第1突確大当りの表示結果となることを特定可能なコマンド(たとえば、変動パターンコマンド、または、表示結果4指定コマンド)を受信したか否かに基づいて行なうようにしてもよい。また、S983における小当りの終了時であるか否かの確認は、変動表示の開始時に送信され、小当り表示結果となることを特定可能なコマンド(たとえば、変動パターンコマンド、または、表示結果6指定コマンド)を受信したか否かに基づいて行なうようにしてもよい。また、S988における第2突確大当りの終了時であるか否かの確認は、変動表示の開始時に送信され、第2突確大当りの表示結果となることを特定可能なコマンド(たとえば、変動パターンコマンド、または、表示結果5指定コマンド)を受信したか否かに基づいて行なうようにしてもよい。また、S989における確変大当りの終了時であるか否かの確認は、変動表示の開始時に送信され、確変大当りの表示結果となることを特定可能なコマンド(たとえば、変動パターンコマンド、または、表示結果3指定コマンド)を受信したか否かに基づいて行なうようにしてもよい。
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態を説明する。第2実施形態においては、大当りの種別を判定するその他の例を説明する。第1特別図柄に関して、ランダム2の「2」〜「9」のように、遊技状態が非確変状態(低確率状態)であるときに第1突確大当りの判定値に振分けられ、遊技状態が確変状態(高確率状態)であるときに第2突確大当りの判定値に振分けられる数値データに基づいて、変動表示開始時の大当り判定処理において、第1,第2の突確大当りのいずれかとなることのみ決定しておき、その後の大当り遊技状態の終了時において、変動表示時の大当り確率(確変状態、非確変状態)に応じて、第1突確大当りと第2突確大当りとのどちらにするかを決定する例を以下に説明する。
図64は、第2実施形態による第1特別図柄大当り種別判定テーブルを示す説明図である。第1特別図柄大当り種別判定テーブルは、図7(C)の第1特別図柄低確率時大当り種別判定テーブル、および、図7(D)の第1特別図柄高確率時大当り種別判定テーブルの代わりに用いられる。
第1特別図柄大当り種別判定テーブルは、低確率時および高確率時に大当り種別判定テーブルとして兼用されるデータテーブルである。第1特別図柄大当り種別判定テーブルでは、第1特別図柄の変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム2)に基づいて、大当りの種別を「突確大当りA(第1突確大当り)」、「突確大当りB(第1または第2突確大当り)」、「突確大当りC(第2突確大当り)」、「確変大当り」、「通常大当り」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
第1特別図柄大当り種別判定テーブルにおいて、「突確大当りA」に0,1の判定値が割振られ、「突確大当りB」に2〜9の判定値が割振られ、「突確大当りC」に10,11の判定値が割振られている。
「突確大当りA」に決定したときは、大当り確率の高低によらず、後に第1突確大当りとして確定する。その理由は、図8に示すように、0,1の判定値は、低確率状態と高確率状態とのどちらであっても第1突確大当りに割振られことに対応させるためである。
「突確大当りB」に決定したときは、大当り確率が高確率状態であるときに後で第2突確大当りとして確定し、一方、大当り確率が低確率状態であるときに後で第1突確大当りとして確定する。その理由は、図8に示すように、2〜9の判定値は、低確率状態であるときに第1突確大当りに割振られ、高確率状態であるときに第2突確大当りに割振られることに対応させるためである。
「突確大当りC」に決定したときは、大当り確率の高低によらず、後に第2突確大当りとして確定する。その理由は、図8に示すように、10,11の判定値は、低確率状態と高確率状態とのどちらであっても第2突確大当りに割振られることに対応させるためである。
このような突確大当りの種別の決定は、たとえば、次のように行なわれる。図26の特別図柄通常処理において、S345で第1特別図柄大当り種別判定テーブルを選択し、S346でランダム2の値に基づいて大当り種別を判定し、S347で大当りの種別を示すデータを大当り種別バッファに記憶する。S346で突確大当りA〜Cのいずれかにする判定がされたときには、S347において、突確大当りA〜Cのいずれであるかを特定可能に、突確大当りの種別を記憶する。
次に、第1突確大当りまたは第2突確大当りにおける開放パターンの選択方法について説明する。図65は、第2実施形態による開放パターン判定テーブルを示す図である。図柄するときに用いる開放パターン判定テーブルを示す図である。
図65においては、(A)に突確大当りAに対応する開放パターンを選択するときに用いるデータテーブルである突確大当りA開放パターン判定テーブルが示され、(B)に突確大当りCに対応する開放パターンを選択するときに用いるデータテーブルである突確大当りC開放パターン判定テーブルが示され、(C)に突確大当りBに対応する開放パターンを選択するときに用いるデータテーブルである突確大当りB開放パターン判定テーブルが示されている。これらテーブルは、ROM54に記憶されている。
突確大当りAとすることが決定されたときには、(A)に示す突確大当りA開放パターン判定テーブルを用いて、開放パターンが決定される。突確大当りAとすることが決定されたときには、大当り確率の高低に関わらず第1突確大当りとなるので、突確大当りA開放パターン判定テーブルは、図11の(A)に示す第1突確大当り時開放パターン判定テーブルと同じ構成にされている。
突確大当りCとすることが決定されたときには、(B)に示す突確大当りC開放パターン判定テーブルを用いて、開放パターンが決定される。突確大当りCとすることが決定されたときには、大当り確率の高低に関わらず第2突確大当りとなるので、突確大当りC開放パターン判定テーブルは、図11の(B)に示す第2突確大当り時開放パターン判定テーブルと同じ構成にされている。
突確大当りBとすることが決定されたときには、(C)に示す突確大当りB開放パターン判定テーブルを用いて、開放パターンが決定される。突確大当りB開放パターン判定テーブルでは、確変状態であるか否かに応じて、判定値の割振りが異なるように構成されている。具体的に、確変状態であるときには、図11の(A)に示す第1突確大当り時開放パターン判定テーブルと同じ判定値の割振りで判定がされ、非確変状態であるときには、図11の(B)に示す第2突確大当り時開放パターン判定テーブルと同じ判定値の割振りで判定がされるように構成されている。
より具体的に、突確大当りBとすることが決定されたときには、大当り確率が低確率状態であるときに第1突確大当りとなるので、突確大当りB開放パターン判定テーブルでは、非確変状態であるときには、第1突確大当り時開放パターン判定テーブルと同じ判定が行なわれる。また、突確大当りBとすることが決定されたときには、大当り確率が高確率状態であるときに第2突確大当りとなるので、突確大当りB開放パターン判定テーブルでは、確変状態であるときには、第2突確大当り時開放パターン判定テーブルと同じ判定が行なわれる。
このような開放パターン判定テーブルを用いた開放パターンの判定は、次のように行なわれる。たとえば、図28の特別図柄通常処理において、S61で、突確大当りA〜Cのいずれかに決定されているか否かを確認し、突確大当りA〜Cのいずれかに決定されているときは、S62において、突確大当りA〜Cの種類に応じて図65の(A)〜(C)のいずれかの開放パターン判定テーブルを選択し、ランダム7の抽出値に基づいて、開放パターンを決定する。突確大当りBと判定されたときには、S62における開放パターンの決定に際して、現在の大当り確率に基づいて、開放パターンの決定に用いる判定値が選択される。
図66は、第2実施形態による特別図柄停止処理を示すフローチャートである。第2実施形態の場合、図32の処理の代わりに、図66の処理が用いられる。図66の処理が図32の処理と異なるのは、S133とS134との間に、S133AおよびS133Bが設けられていることである。
S133で大当りフラグがセットされていると判断されたときは、確変フラグがセットされているか否かを確認する(S133A)。確変フラグがセットされていないと判断したときは、S135に進み、確変フラグがセットされていると判断したときは、変動時確変状態フラグをセットし(S133B)、S135に進む。変動時確変状態フラグは、前述のように大当り遊技状態の終了時において、変動表示時の大当り確率に応じて、第1突確大当りと第2突確大当りとのどちらにするかを決定するときに、変動表示時が確変状態であるか否を示す情報として用いられる。
図67は、第2実施形態による大入賞口開放中処理のS438以降の処理を示すフローチャートである。第2実施形態の場合、図35の処理の代わりに、図67の処理が用いられる。図67の処理が図35の処理と異なるのは、S442とS443との間に、S442A〜S442Fが設けられていることである。
S442で大当り種別が確変大当りではないと判断したときは、大当り種別バッファに記憶された大当り種別のデータに基づいて、大当り種別が突確大当りA,B,Cのうちのいずれかであるか否かを確認する(S442A)。S442Aにおいて、大当り種別が突確大当りA,B,Cのうちのいずれでもないと判断したときは、消去法的に通常大当りであるときなので、S445に進む。
一方、S442Aで大当り種別が突確大当りA,B,Cのうちのいずれかであると判断したときは、前述した変動時確変状態フラグがセットされているか否かを確認する(S442B)。
S442Bで変動時確変状態フラグがセットされていないと判断したときは、大当り種別バッファに記憶された大当り種別のデータに基づいて、突確大当りAまたは突確大当りBであるか否かを確認する(S442C)。一方、S442Bで変動時確変状態フラグがセットされていると判断したときは、大当り種別バッファに記憶された大当り種別のデータに基づいて、突確大当りBまたは突確大当りCであるか否かを確認する(S442D)。
S442Cで突確大当りAまたは突確大当りBであると判断したときと、S442Dで突確大当りBまたは突確大当りCではなく突確大当りAであると判断したときとには、第1突確大当りとすることを決定(確定)し、決定した大当りの種別を示すデータを大当り種別バッファに記憶し(S442E)、S443に進む。
一方、S442Cで突確大当りAまたは突確大当りBではなく突確大当りCであると判断したときと、S442Dで突確大当りBまたは突確大当りCであると判断したときとには、第2突確大当りとすることを決定(確定)し、決定した大当りの種別を示すデータを大当り種別バッファに記憶し(S442F)、S443に進む。
このように、S442A〜S442Fを実行することにより、変動表示時において「突確大当りA」に決定したときは、大当りの終了時において大当り確率の高低によらず第1突確大当りとして確定する。また、変動表示時において「突確大当りB」に決定したときは、大当りの終了時において、大当り確率が低確率状態であるときに第1突確大当りとして確定し、大当り確率が高確率状態であるときに第2突確大当りとして確定する。また、「突確大当りC」に決定したときは、大当りの終了時において大当り確率の高低によらず、第2突確大当りとして確定する。これにより、第1実施形態の図8に示された大当り種別の選択態様と同じ態様でランダム2に基づいて大当り種別を選択決定することができる。
第2実施形態の場合、突確大当りAに決定されたときには、確変状態であるか否かにかかわらす、第1突確大当りに確定するので、特別図柄の表示結果としては、第1実施形態で示した第1突確大当りの表示結果を表示する。また、突確大当りCに決定されたときには、確変状態であるか否かにかかわらす、第2突確大当りに確定するので、特別図柄の表示結果としては、第1実施形態で示した第2突確大当りの表示結果を表示する。また、突確大当りCに決定されたときには、確変状態であるか否かに応じて、大当りの終了時において第1突確大当りまたは第2突確大当りに確定するので、特別図柄の表示結果としては、第1突確大当りの表示結果および第2突確大当りの表示結果以外の突確大当りの表示結果(たとえば、「9」)を表示する。
第2実施形態の場合、突確大当りA〜Cに決定されたときには、第1突確大当りまたは第2突確大当りに確定するので、第1実施形態の場合と同様に、「1,2,3」というようなチャンス目となる突確大当り図柄の組合せの表示結果を表示する。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560の側では、突確大当りについての種別を「突確大当りA」、「突確大当りB」、および、「突確大当りC」のうちのいずれかを特定する演出制御コマンドを送信し、演出制御用マイクロコンピュータ100の側では、突確大当りについての種別が「突確大当りA」、「突確大当りB」、および、「突確大当りC」のうちのいずれであるかに基づいて、潜伏モードとするか否かを決定するようにしてもよい。
具体的に、遊技制御用マイクロコンピュータ560では、突確大当りに関連する処理について、図67の大入賞口開放中処理において、S442A〜S442Fを実行せず、大当り種別バッファに記憶された「突確大当りA」、「突確大当りB」、または、「突確大当りC」の種別を特定するデータに基づいて、当該種別を特定した突確終了指定コマンドを送信する。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560では、図36の大当り終了処理において、S442A〜S442Fと同様の処理を実行することにより、高ベース状態となる突確大当りと、低ベース状態となる突確大当りとのどちらになるかを判断して、時短状態に制御するか否かの判定を行なう。また、演出制御用マイクロコンピュータ100では、突確終了指定コマンド等の大当り後に確変状態となることを指定する演出制御コマンド(確変状態となることを指定する図柄指定コマンド、確変状態となることを指定する変動パターンコマンドでもよい)を受信したことに基づいて、確変状態であることを示す確変状態フラグをセットすることにより、演出制御用マイクロコンピュータ100側において確変状態であるか否かを認識し、「突確大当りA」、「突確大当りB」、または、「突確大当りC」の種別を特定する突確終了指定コマンドを受信したときに、当該コマンドが特定する突確大当りの種別の情報と、演出制御用マイクロコンピュータ100側で認識している確変状態か否かの情報とを用いて、前述したS442A〜S442Fと同様の処理を行なうことにより、高ベース状態となる突確大当りと、低ベース状態となる突確大当りとのどちらになるかを判断して、前述のような潜伏モードに制御するか否かの判定を行なうようにする。
なお、第2実施形態では、「突確大当りA」、「突確大当りB」、および、「突確大当りC」のいずれの種別が選択されたときにも、大当りの終了時において、高ベース状態となる突確大当りと、低ベース状態となる突確大当りとのどちらになるかを判断する例を示した。しかし、これに限らず、次のような処理を行なうようにしてもよい。「突確大当りA」については選択された時点で低ベースの突確大当りとなることが確定するので、前述したようなベース状態を決めるための処理を行なわずに、固定的に低ベースの突確大当りとして決定する。「突確大当りC」については選択された時点で高ベースの突確大当りとなることが確定するので、前述したようなベース状態を決めるための処理を行なわずに、固定的に高ベースの突確大当りとして決定する。そして、「突確大当りB」が選択されたときにのみ、前述のようなベース状態を決めるための処理を行なえばよい。そのようにすれば、制御内容が簡素化されるので、制御処理の処理負担を軽減することができる。
〔第3実施形態〕
次に、第3実施形態を説明する。第3実施形態においては、大当りの種別を判定するその他の例を説明する。ここでは、第1特別図柄に関して、ランダム2の「2」〜「9」が、遊技状態が非確変状態(低確率状態)であるときに第1突確大当りの判定値に振分けられ、遊技状態が確変状態(高確率状態)であるときに第2突確大当りの判定値ではなく確変大当りの判定値に振分けられる数値データに基づいて、大当り種別を決定する例を説明する。
図68は、第3実施形態による第1特別図柄および第2特別図柄について大当り確率と、ランダム2(0〜19)と、選択される大当り種別との関係を示す図である。
第3実施形態では、第1特別図柄および第2特別図柄について、大当り確率と、ランダム2(0〜19)と、選択される大当り種別との関係が、図8に示す関係ではなく、図68に示すような関係となる。図68が図8と異なるのは、図68における第1特別図柄についての高確率時でのランダム2の判定値の振分けに示すように、ランダム2の「2」〜「9」が、遊技状態が確変状態(高確率状態)であるときに第2突確大当りの判定値ではなく確変大当りの判定値に振分けられることである。
このような設定は、第1実施形態のように、大当り確率に応じた複数の大当り種別判定テーブル(図7参照)を設けて大当りの種別を決定することにより実現するようにしてもよく、第2実施形態のように、大当り確率によらず1つの大当り種別判定テーブル(図64参照)を設け、大当りの終了時に大当りの種別を確定することにより実現するようにしてもよい。
このように、第1特別図柄については、高確率状態となっているときに、低確率変動状態となっているときと比べて、大当りの種別が確変大当りに決定される割合が高くなるので、出玉が得られない9R短期大当りの発生が繰返すことにより遊技者が遊技に倦怠感を持つのを防ぐことができる。
〔第4実施形態〕
次に、第4実施形態を説明する。第4実施形態においては、ランダム2の判定値ごとに、特別図柄の大当り表示結果、大当り種別、および、開放パターンが一度に選択決定される例を説明する。
図69は、第4実施形態による遊技制御に用いる乱数を示す説明図である。図69に示す乱数は、図6に示す乱数の代わりに用いられる。図69に示す乱数が、図6に示されるものと異なるのは、次の点である。まず、ランダム2は、大当り図柄(大当り表示結果)の選択決定用に用いられる。また、突確開放パターン判定用の乱数であるランダム7が、設けられていない。
図70は、第4実施形態による特別図柄の大当り図柄(大当り表示結果)を決定するために用いる大当り図柄判定テーブルを示す図である。大当り図柄判定テーブルは、(A)の低確率時第1特別図柄大当り図柄判定テーブルと、(B)高確率時第1特別図柄大当り図柄判定テーブルと、(C)の第2特別図柄大当り図柄判定テーブルとを含む。(A)〜(C)の各大当り図柄判定テーブルにおいては、ランダム2が取り得る0〜8の数値データのそれぞれについて、大当り図柄、大当り種別、および、開放パターンが対応付けられている。
図70の(A)〜(C)のそれぞれの大当り図柄判定テーブルでは、第1実施形態〜第3実施形態の場合と同様の割合で、大当り種別が選択されるようにデータが設定されている。
第1特別図柄について大当りとすることが決定されたときにおいて、決定されたときの大当り確率が低確率であるときは、(A)の低確率時第1特別図柄大当り図柄判定テーブルを選択して、ランダム2の抽出値に基づいて、大当り図柄が決定され、その決定に対応して、大当り種別および開放パターンも一度に選択決定される。たとえば、ランダム2の抽出値が「1」のときには、特別図柄の大当り図柄が「2」に決定され、さらに、大当り種別が第1突確大当りに決定されるとともに、開放パターンが9R短期大当りのパターンAに決定される。この例では、特別図柄の大当り図柄として「1」〜「9」を用いるので、小当りとなるときの特別図柄の表示結果は「0」として決定する。
このような大当り図柄判定テーブルを用いる第4実施形態においては、ランダム2の判定値ごとに、特別図柄の大当り表示結果、大当り種別、および、開放パターンが対応付けられているので、ランダム2の抽出値に基づいて、大当り図柄を決定すると、それに対応して、大当り種別、および、開放パターンが一度に選択決定される。このように、1つのランダムカウンタの数値データに基づいて特別図柄の大当り表示結果、大当り種別、および、開放パターンが一度に決定されるので、これらの決定を行なうために必要とされる選択決定処理数を削減することができる。
以上に示した第4実施形態は、前述の第1〜第3実施形態のそれぞれに適用可能である。たとえば、第1実施形態において、図7の(C)〜(E)のデータテーブルおよび図11の(A),(B)のデータテーブルの代わりに、図70の(A)〜(C)のデータテーブルを用いて、大当りの種別と、開放パターンとを決定する。さらに、大当り図柄についても、図70の(A)〜(C)のデータテーブルを用いて一度に決定する。たとえば、図26のS346において、大当り種別のみを決定する代わりに、大当り図柄、大当り種別、および、開放パターンを一度に決定する。このようにすれば、大当り図柄を決定するステップ、および、開放パターンを決定するステップが不要となる。
また、第2実施形態において、図64のデータテーブル、および、図7(E)と同様のデータテーブルと、図65(A)〜(C)のデータテーブルとの代わりに、図70の(A)〜(C)のデータテーブルを用いて、大当りの種別と、開放パターンとを決定する。さらに、大当り図柄についても、図70の(A)〜(C)のデータテーブルを用いて一度に決定する。たとえば、図70において、ランダム2の「0」に対応する大当りを突確大当りA、ランダム2の「1」〜「3」に対応する大当りを突確大当りB、ランダム2の「4」に対応する大当りを突確大当りCとして選択できるようにしておき、図26の大当り判定処理のS346において、大当り種別のみを決定する代わりに、大当り図柄、大当り種別(突確大当りについてはA,B,Cのいずれかを選択)、および、開放パターンを一度に決定する。そして、図67の大当り開放中処理のS442A〜442Fにおいて、突確大当りA〜Cのいずれかを、変動時確変状態フラグがセットされているか否かに応じて、第1突確大当りまたは第2突確大当りとして決定する。このようにすれば、大当り図柄を決定するステップ、および、開放パターンを決定するステップが不要となる。
また、第3実施形態において、図65(A)〜(C)のデータテーブルのうち、(B)のデータテーブルについてランダム2の「1」〜「3」に対応する大当りの種別を確変大当りとしたものを用いて、図26のS346において、大当り種別のみを決定する代わりに、大当り図柄、大当り種別、および、開放パターンを一度に決定する。このようにすれば、大当り図柄を決定するステップ、および、開放パターンを決定するステップが不要となる。
〔第5実施形態〕
次に、第5実施形態を説明する。第5実施形態においては、第1突確大当り、第2突確大当り、および、小当りのときにおける特別可変入賞球装置20の開放パターンのその他の例を説明する。
図71は、第5実施形態による第1突確大当り、第2突確大当り、および、小当りのときにおける特別可変入賞球装置20の開放パターンの一例を示すタイミングチャートである。図71の開放パターンは、図10の開放パターンの代わりに用いられる。
図71の開放パターンが図10のものと異なるのは、開放パターンBについて、第9ラウンドが、2回開放するものではなく、開放時間がその他のラウンドよよりも長時間に制御されることである。このような開放パターンBは、たとえば、図33のS406において、第9ラウンドで大入賞口制御タイマに設定する時間を、1〜8ラウンドで大入賞口制御タイマに設定する時間よりも、長時間となるように、開放パターンデータを設定することにより実現可能となる。このような開放パターンを採用した場合にも、第1実施形態の開放パターンBの場合と同様に、開放パターンAと区別することが可能となり、第1実施形態で得られる効果と同様の効果を得ることができる。このような第5実施形態による開放パターンの制御は、第1実施形態〜第4実施形態のいずれにも適用可能である。
〔第6実施形態〕
次に、第6実施形態を説明する。第6実施形態においては、特別図柄を複数設けずに1つだけ設ける例を説明する。図72は、第6実施形態による主基板31における回路構成の一例を示すブロック図である。
図72の構成が、図2の構成と異なるのは、次の点である。2つの特別図柄表示器である第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bの代わりに、1つの特別図柄表示器8が設けられている。また、2つの飾り図柄表示器である第1飾り図柄表示器9aおよび第2飾り図柄表示器9bの代わりに、1つの飾り図柄表示器9が設けられている。
このような構成を採用する場合には、特別図柄表示器8における特別図柄の変動表示は、第1始動入賞口13の入賞、および、第2始動入賞口14への入賞のそれぞれに応じて実行されるようにすればよい。つまり、第1始動入賞口13の入賞に基づいて第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄を実行させるための各種制御と、第2始動入賞口14の入賞に基づいて第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄を実行させるための各種制御とをそれぞれ、特別図柄表示器8における特別図柄の変動表示について適用すればよい。たとえば、第1実施形態での大当り種別の割振りを例にとると、図8に示されているような大当り種別の割振りを、始動入賞口別に行ない、その大当り種別の割振りに基づいて、1つの特別図柄の変動表示に基づく大当りに関する制御を行なうようにすればよい。
なお、特別図柄を1つだけ設ける場合には、始動入賞口を1つだけ設けるようにしてもよい。その場合には、たとえば図7の(C),(D)で示したように、低確率時と高確率時とで第1突確大当りに振分ける割合と第2突確大当りに振分ける割合とが異なるように、データテーブルを設ければよい。
〔第7実施形態〕
次に、第7実施形態を説明する。第7実施形態においては、通常大当りおよび確変大当りのラウンド数と、第1突確大当りおよび第2突確大当りのラウンド数とを異なる回数に設定する例を説明する。
図73は、第7実施形態による各種の大当りおよび小当りのそれぞれの特徴を表形式で示す図である。図73が図9と異なる点は、次のとおりである。通常大当りおよび確変大当りのラウンド数が15ラウンドに設定されている。また、第1突確大当りおよび第2突確大当りのラウンド数が2ラウンドに設定されている。このように、第7実施形態では、通常大当りおよび確変大当りのラウンド数と、第1突確大当りおよび第2突確大当りのラウンド数とが異なる回数に設定されている。このようにラウンド数が設定された場合にも、突確大当りと小当りとのラウンド数が同じであれば、潜伏モードを実現することができる等、第1〜第7実施形態に示したような各種の制御を同様に実行することが可能である。
なお、上記の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27等)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(たとえば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35等、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、またはたとえば、簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行なうのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行なうことができる。
また、前述したように第2保留記憶データに基づく変動表示の開始条件を第1保留記憶データに基づく変動表示の開始条件よりも優先して成立させる制御、すなわち、第2特別図柄の変動表示を第1特別図柄の変動表示よりも優先して実行させる制御は、前述のような時短制御(高ベース状態にする制御)を行なわない遊技機において適用してもよい。
また、前述したように第1保留記憶データに基づく連続予告の実行期間中において第2保留記憶データに基づく変動表示が行なわれるときには、前述したような今回予告の実行を禁止するが、当該連続予告の実行を禁止しないようにしてもよい。
また、前述したような連続予告の実行期間中において予告対象となる保留記憶数データに基づく変動表示の実行前に実行されるすべての変動表示について今回予告の実行を禁止する制御は、特別図柄を1つだけ変動表示可能な遊技機においても同様に適用してもよい。
また、第2特別図柄の保留記憶データに基づく連続予告については、前述したような連続予告の実行期間中において予告対象となる保留記憶数データに基づく変動表示の実行前に実行されるすべての変動表示について今回予告の実行を禁止する制御を実行しないようにしてもよい。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 図15,図16に示すように、複数の変動パターンに判定値が割振られたデータテーブルよりなる複数の判定テーブルは、保留記憶記憶数に応じて複数設けられ、判定値として、スーパーリーチBのような特定の変動パターンについて保留記憶数に関わらず共通の判定値が割振られており、特定の変動パターン以外の変動パターンについては保留記憶数に応じて異なる判定値が割振られている。そして、特定の変動パターンとなるか否かを、実行条件が成立した変動表示の開始条件が成立する以前に判定されたことに基づいて、当該判定の対象となった変動表示の開始条件成立前から、特定の変動パターンとなることを複数回の変動表示に亘って連続して予告する連続予告が行なわれる。先読み判定の対象となる特別の変動パターン種別としてのスーパーリーチBについては、保留記憶数に関わらず共通の判定値が割振られているので、保留記憶数に関わらず先読み判定を正確に行なうことができる。また、先読み予告の対象とならない変動パターン種別については保留記憶数に応じて異なる判定値が割振られているので、保留記憶数の多少に応じて異なる割合で変動パターンを選択することが可能となるので、変動表示の実行効率を向上させることが可能となり、結果として遊技の興趣を向上させることができる。さらに、図7(D)の第1特別図柄高確率時大当り種別判定テーブルは、図7(C)の第1特別図柄低確率時大当り種別判定テーブルよりも、第2突確大当りに決定する割合が高いことを示したように、高確低ベース状態に制御されているときの方が、低確低ベース状態に制御されているときよりも高い割合で、突確大当りの大当り遊技状態後に高ベース状態に制御されるので、高確率状態に制御されれば、低ベース状態が継続しにくいようにすることができ、遊技者が倦怠感を持ちにくいようにして、遊技の興趣を一層向上させることができる。また、図7の(C)〜(E)に示すように、第1始動入賞口13への入賞の方が、第2始動入賞口14への入賞よりも高い割合で第2突確大当りに制御することを示したように、第1特別図柄の変動表示と、第2特別図柄の変動表示とで異なる割合で、突確大当りの大当り遊技状態後に高ベース状態に制御されるので、特別図柄別に突確大当りの大当り遊技状態終了後の制御内容に特徴付けをすることが可能となり、遊技の興趣をより一層向上させることができる。
(2) 図14の(C),(D)に示すように、潜伏モードで、高確率状態と低確率状態とで共通の演出を実行することにより、低ベース状態に制御されているときでも、当該共通の演出が実行されているときに、高確率状態となっているか、それとも低確率状態になっているかに対する遊技者の興味を引くことにより、遊技の興趣を一層向上させることができる。
(3) 図46のS500、図48のS704,S705のように、潜伏モードに制御されているときに変動表示結果を導出表示する場合に、潜伏モードに制御されていないときの変動表示における表示結果の導出表示順序と異なる導出表示順序で表示結果を導出表示することにより、高確率状態の可能性が示唆されるので、視覚的に遊技者の興味を引くことに基づいて、遊技の興趣をより一層向上させることができる。
(4) 図56に示すように、潜伏モードに制御されているときに潜伏モードに制御されていないときに行なわれるステップアップ演出と異なる順序で演出態様をステップアップさせることにより、高確率状態の可能性が示唆されるので、演出の進展態様が遊技者の興味を引くことに基づいて、遊技の興趣をより一層向上させることができる。
(5) 図11のデータテーブルでは、潜伏モードに移行する第1突確大当りとなるときに、開放パターンAの方が開放パターンBよりも選択される割合が高い。また、図62のデータテーブルでは、潜伏モードに移行する第1突確大当りとなるときに、第2潜伏パターンの方が第1潜伏パターンよりも選択される割合が高い。したがって、たとえば、開放パターンAで大入賞口が開放し第1潜伏モードの背景画像が表示されたときよりも、開放パターンAで大入賞口が開放し第2潜伏モードの背景画像が表示されたときの方が、確変状態である割合が高い。このように、突確大当りにおける特別可変入賞球装置20の変化態様と、潜伏モードにおける背景画像のような共通の演出の種類との組合せにより、潜伏モードにおいて高確率状態である割合が異なるので、特別可変入賞球装置20の動作と潜伏モードにおける共通の演出の種類との関係性に基づいて、高確率状態である割合が高いか否かを遊技者が推測することが可能となるため、演出の組合せに基づいて、遊技の興趣をより一層向上させることができる。
(6) 図60のS878A〜S878Cに示すように、低確率状態で潜伏モードに制御されているときにおいて、当該潜伏モード中に大当りに制御することが決定されたときに、高確率状態で潜伏モードに制御されたときには実行されない特別な演出が実行されるので、特別な演出により、このような状況を生じさせた自らの遊技に対する遊技者の満足感を向上させることができる。
(7) 図68のように、第1特別図柄について、高確率時(高確低ベース時)には、低確率時(低確低ベース時)よりも第1突確大当りおよび第2突確大当りが選択される割合が低く設定されているので、高確低ベース状態に制御されているときにおいて、低確低ベース状態に制御されているときよりも低い割合で、突確大当りとすることを決定するので、9R短期大当りが繰返して生じにくいようになるため、遊技者が遊技に対して倦怠感を持つことを防ぎ、遊技の興趣の低下を防ぐことができる。
(8) 図28のS52,S54に示すように、第2保留記憶バッファに第2保留記憶データが記憶されている場合は、第1特別図柄の変動表示を開始させる第1開始条件よりも第2特別図柄の変動表示を開始させる第2開始条件が優先して成立させられる。また、図44のS662,S665、図51のS686等に示すように、大当り遊技状態に制御する旨の保留記憶データが第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに記憶されたことに基づいて、当該保留記憶データに基づく変動表示の開始条件成立前から、連続予告演出が行なわれる。そして、図54のS731に示すように、第1保留記憶データに基づいた連続予告演出が行なわれるときにおいて、第2保留記憶データが記憶されており、第1保留記憶データに基づく変動表示の開始条件よりも第2保留記憶データに基づく変動表示の開始条件を優先して成立させられることに基づいて、当該第2保留記憶データに基づいた第2特別図柄の変動表示が、当該第1保留記憶データに基づいた第1特別図柄の変動表示よりも優先して実行されるときに、当該第2特別図柄の変動表示について、今回予告演出を行なうことが禁止される。このように、第1保留記憶データに基づいた連続予告演出が行なわれるときに、第2保留記憶データに基づいた第2特別図柄の変動表示が割込んで実行されるときでも、当該第2特別図柄の変動表示を対象とする今回予告演出が実行されなくなる。これにより、連続予告演出が第1特別図柄の変動表示と、第2特別図柄の変動表示とのどちらを対象として実行されたものであるかを遊技者が認識しやすくなるようにすることができる。さらに、当該第2特別図柄の変動表示を対象とする今回予告演出が実行されなくなることにより、第1特別図柄の変動表示を対象として実行されている先読み予告としての連続予告演出の存在が際立つので、連続予告演出が実行されていることを遊技者が認識しやすくなるようにすることができる。
(9) 図54のS731,S732に示すように、連続予告演出が行なわれるときにおいては、共通の判定値に該当する数値データが記憶された予告対象の保留記憶データに基づく変動表示の開始条件成立前のすべての変動表示において、今回予告を行なうことが禁止されるので、連続予告演出が実行されていることを遊技者がより一層認識しやすくなるようにすることができる。
(10) 図51において、S687で第1先読み予告実行中フラグがセットされており、かつ、S689で開始される変動表示が第2特別図柄であると判断されたときに処理を終了することにより第2特別図柄の変動表示中における連続予告演出の実行を禁止することを示したように、第1保留記憶データに基づいた連続予告演出が行なわれるときにおいて、第2保留記憶データに基づいた第2特別図柄の変動表示が実行されるときには、当該第2特別図柄の変動表示について、今回予告演出を行なうことが禁止されることに加えて、当該連続予告演出を行なうことが禁止される。これにより、このような状態で第2特別図柄の変動表示が実行されるときに、何らの予告演出も行なわれなくなるので、連続予告演出の対象が第2特別図柄の変動表示ではないことが演出により明白に示されるため、連続予告演出の対象となる特別図柄の変動表示を遊技者が認識しやすくなるようにすることができる。
(11) 図54のS731において、第1先読み予告実行中フラグがセットされているときに、第2予告設定処理を終了することにより、第1保留記憶データを対象とする連続予告が行なわれるときに、当該対象とする第1保留記憶データに基づく変動表示が実行される前に実行されるすべての変動表示に関して、今回予告を禁止することを示したように、第1保留記憶データに基づいた連続予告演出が行なわれるときにおいて、少なくとも、当該第1保留記憶データに基づく変動表示の開始条件成立前のすべての変動表示において、今回予告演出を行なうことが禁止されるので、連続予告演出が実行されていることを遊技者がより一層認識しやすくなるようにすることができる。
(12) 図23のS214およびS219に示すように、低ベース状態と比べて、第1始動入賞に基づく第1特別図柄の変動表示が生じる頻度が低い高ベース状態(時短状態)のときは、第1保留記憶データについての先読み判定が行なわれない。したがって、低ベースのときに限り、第1保留記憶データについての先読み判定が行なわれる。このような低ベース状態において、第1特別図柄について、図44のS662でスーパーリーチBのような連続予告をする変動パターン種別がコマンドで指定されていると判断すると、図44のS665で先読み予告フラグをセットして、図51のS686で第1先読み予告実行中フラグをセットすることにより連続予告が行なわれるので、このような低ベース時において第1特別図柄を対象とする連続予告が行なわれている状態で、第2特別図柄の変動表示を行なうときに、図54のS731により、第1先読み予告実行中フラグがセットされていることに応じて第2予告設定処理が終了することとなり、第1保留記憶データを対象とする連続予告が行なわれるときに、第2特別図柄の変動表示について今回予告が禁止される。第1始動入賞に基づく第1特別図柄の変動表示が生じる頻度は、第2始動入賞に基づく第2特別図柄の変動表示が優先されることに基づいて、低ベース状態の方が、高ベース状態と比べて高いので、第1保留記憶データに基づいた変動表示が行なわれる頻度が高いときに第2特別図柄の変動表示についての今回予告演出を行なうことが禁止されるため、第1特別図柄の変動表示を対象として実行される連続予告演出の存在をより一層明確に際立たせることができる。また、第1保留記憶データに基づいた変動表示が実行される頻度が低い高ベース状態のときは、図54のS733〜S735のような今回予告の予告パターンを決定する処理を行なわないことにより、変動表示を行なうごとに実行する必要がある処理ステップの実行数を低減でき、これにより、高ベース状態における演出制御用マイクロコンピュータ100の制御負担を軽減することができる。
(13) 図51のS690,S696,S695に示すように、スーパーリーチAの変動表示が開始されるときには、実行中の先読み予告演出が強制的に終了することにより禁止される。このような制御な制御が行なわれることにより、変動表示の演出に関して、必要に応じて先読み予告演出を停止させることができので、先読み予告演出に関し、大当り遊技状態に対する遊技者の期待感を必要以上に煽るのを防ぐことができる。
(14) このように第2保留記憶のデータに基づいた第2特別図柄表示器8bの変動表示を第1保留記憶のデータに基づいた第1特別図柄表示器8aの変動表示に優先して実行することにより、次のような効果を得ることができる。大当り遊技状態の終了後の所定期間中においては、時短制御が行なわれることにより、可変入賞球装置15において、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすくなる。したがって、大当り遊技状態の終了後の所定期間中には、それ以外のときに比べて、第2保留記憶のデータが発生しやすくなる。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファの両方に保留記憶データが記憶されている場合は、第1保留記憶データに基づいた第1特別図柄表示器8aの変動表示よりも第2保留記憶のデータに基づいた第2特別図柄表示器8bの変動表示が優先して実行されるので、大当り遊技状態の終了後の時短状態において発生しやすい保留記憶データを効率的に処理することができるから、大当り遊技状態の終了後の時短状態における第2特別図柄表示器8bの変動表示の実行効率を向上させることができる。図7に示すように、第1特別図柄表示器8aで実行される変動表示と、第2特別図柄表示器8bで実行される変動表示とで異なる割合で、ラウンド数が異なる大当りの種別が決定されるので、高ベース中(時短状態の制御が行なわれているとき)に大当り遊技状態となるか、低ベース中(時短状態の制御が行なわれていないとき)に大当り遊技状態となるかで、大当り遊技状態における特別可変入賞球装置20での遊技球の入賞のしやすさ、すなわち、出玉率という価値が異なることに基づいて、遊技の興趣を向上させることができる。具体的に、高ベース状態である場合には、可変入賞球装置15が設けられている第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される頻度が高くなるのであるから、低ベース状態である場合と比べて、9R長期大当りとなる確率を高めることができ、高ベース状態での大当り遊技状態が連続した場合には単位時間当りの出玉付与価値としての出球率が向上し、高ベース状態における遊技者の大当りへの期待感がより大きくなることにより、遊技に対する興趣を向上させることができる。
(15) 先読み予告と今回予告の演出とは、実行するか否かが別個の処理により決定されるが、異なるタイミングで実行されるので、1回の変動表示において予告に関する演出が重複して予告の内容が分かりにくくなるのを防ぐことができ、遊技者が混乱するのを防ぐことができる。
(16) また、図23のS215,S219等に示すように、大当り遊技状態中であるときには、保留記憶データを先読みしないようにするために、先読み判定を行なう入賞時演出処理を実行せず、先読み判定結果を特定しない第1始動入賞指定コマンドを送信する。このように、大当り遊技状態中であるときには、第1始動入賞について、先読み判定が行なわれない。大当り遊技状態中に、第1保留記憶バッファに対する先読み判定が禁止されるので、遊技者の射幸心を過度に刺激しないようにすることができる。さらに、このような先読み判定の禁止が行なわれるときが、大当り遊技状態に制御されているときであるので、遊技の興趣の低下を招くことなく、遊技者の射幸心を過度に刺激しないようにすることができる。
(17) また、図23のS214,S219等に示すように、大当り遊技状態終了後の時短状態であるときには、保留記憶データを先読みしないようにするために、先読み判定を行なう入賞時演出処理を実行せず、先読み判定結果を特定しない第1始動入賞指定コマンドを送信する。このように、大当り遊技状態終了後の時短状態であるときには、第1始動入賞について、先読み判定が行なわれない。大当り遊技状態の終了後の所定期間中において時短状態に制御されているときに、第1保留保留記憶バッファに対する先読み判定が禁止されるので、遊技者の射幸心を過度に刺激しないようにすることができる。さらに、このような先読み判定の禁止が行なわれるときが、時短状態に制御されているときであるので、遊技の興趣の低下を招くことなく、遊技者の射幸心を過度に刺激しないようにすることができる。
(18) また、図23のS214,S215,S219等に示すように、大当り遊技状態中、および、大当り遊技状態終了後の時短状態であるときには、保留記憶データを先読みしないようにするために、先読み判定を行なう入賞時演出処理を実行せず、先読み判定結果を特定しない第1始動入賞指定コマンドを送信する。このように、大当り遊技状態中、および、大当り遊技状態終了後の時短状態であるときには、第1始動入賞について、先読み判定が行なわれない。大当り遊技状態中、および、大当り遊技状態の終了後の所定期間中において時短状態に制御されているときに、第1保留保留記憶バッファに対する先読み判定が禁止されるので、遊技者の射幸心を過度に刺激しないようにすることができる。さらに、このような先読み判定の禁止が行なわれるときが、大当り遊技状態に制御されているとき、および、時短状態に制御されているときであるので、遊技の興趣の低下を招くことなく、遊技者の射幸心を過度に刺激しないようにすることができる。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) 上記の各実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
(2) 上記の各実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(たとえば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、またはたとえば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9および飾り図柄表示器9a,9bを制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の各実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行なうのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行なうことができる。
(3) 演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの変動パターンコマンドに基づいて、演出用部品としての演出表示装置9で、図柄変動指定コマンドで特定される特別図柄表示器に対応した予告演出を実行するように構成されているので、2つの特別図柄表示器(特別図柄表示器8a、特別図柄表示器8b)が設けられていても、遊技者に、遊技の進行状況(いずれの変動表示手段における変動表示に対応する演出が行なわれているのか等)を把握させやすくすることができる。
(4) 演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの変動パターンコマンドに基づいて、演出用部品としての演出表示装置9で、図柄変動指定コマンドで特定される特別図柄表示器に対応した変動態様による変動表示演出を実行するように構成されているので、2つの特別図柄表示器(第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b)が設けられていても、遊技者に、遊技の進行状況(いずれの特別図柄表示器における変動表示に対応する演出が行なわれているのか等)を把握させやすくすることができるとともに、遊技のバリエーションを豊富にすることができる。
(5) 上記の各実施の形態では、特別図柄表示器として第2飾り図柄表示器として2つのLEDからなる表示器が用いられていたが、飾り図柄表示器は、そのような構成のものに限られない。たとえば、1つ以上の7セグメントLEDで構成してもよい。また、飾り図柄表示器が設けられていない遊技機も、本発明を適用可能である。
(6) 前述した実施の形態は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
(7) 前述した実施の形態は、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機などの装置にも適用することができる。前述した実施の形態を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。そして、ゲームの実施形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行なうことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
(8) 前述した実施の形態においては、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを同じ種類の表示器(7セグメントLED)で構成する例を示した。しかし、これに限らず、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとは、異なる種類の表示器で構成するようにしてもよい。具体的には、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとは、一方を7セグメント表示器で構成し、他方をドットマトリックス表示器で構成してもよい。また、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとは、一方を7セグメント表示器で構成し、他方を前述の飾り図柄表示器9a,9bのようなLED表示器で構成してもよい。
(9) 前述した実施の形態においては、遊技球がゲート32を通過したことが検出されたときに変動表示される普通図柄表示器10における変動表示の表示結果が所定の表示結果(当り図柄)となったときに可変入賞球装置15が開状態に制御される例を示した。しかし、これに限らず、普通図柄表示器10を設けず、遊技球がゲート32を通過したことが検出されたときに、可変入賞球装置15が、開状態に制御されるようにしてもよい。
(10) 前述した実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、擬似連の具体的な変動パターン(変動回数等の変動に関する情報を特定する変動パターン)を決定して演出制御コマンドでその変動パターンを指示し、演出制御用マイクロコンピュータ100が、その演出制御コマンドに基づいて擬似連の具体的な変動パターン(変動回数等の変動に関する情報を特定する変動パターン)を認識し、擬似連の変動パターンでの変動表示を実行する例を示した。しかし、これに限らず、演出制御用マイクロコンピュータ100が、擬似連の具体的な変動パターン(再変動の報知演出を含む演出パターン)を決定するようにしてもよい。たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560の側において、決定した変動パターンを示す変動パターンコマンドを送信し、演出制御用マイクロコンピュータ100の側で、受信した変動パターンコマンドと対応して記憶された擬似連の有無、および、擬似連での変動回数の情報に基づいて、擬似連の具体的な変動パターンを決定すればよい。
(11) 前述した実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560が擬似連の変動回数を決定する例を示したが、これに限らず、演出制御用マイクロコンピュータ100が擬似連の変動回数を決定するようにしてもよい。たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、擬似連を実行するか否かを特定可能な変動パターンコマンドを送信し、演出制御用マイクロコンピュータ100が、擬似連を実行することが特定された変動パターンコマンドを受信したときに、擬似連の変動回数を決定する。
(12) 前述した実施の形態では、識別情報としての図柄を変動表示する表示装置として、特別図柄の表示装置、飾り図柄の表示装置、および、演出図柄の表示装置の3種類の表示装置を設けた例を示した。しかし、これに限らず、識別情報としての図柄を変動表示する表示装置として、前述した演出図柄を表示する演出表示装置9のような画像を表示する1つの表示装置のみを設け、その表示装置により、前述したような特別図柄、飾り図柄、および、演出図柄を1種類の図柄に統一して、当該図柄の変動表示および各種の演出画像の表示を行なうようにしてもよい。
(13) 前述した第1実施形態では、第1突確大当りと、第2突確大当りとで、演出図柄の変動表示結果を同じ表示結果とする例を示した。しかし、これに限らず、第1突確大当りと、第2突確大当りとではベースが異なるので、異なる表示結果を表示するようにしてもよい。また、前述した第2実施形態では、第1突確大当りと、第2突確大当りとで、演出図柄の変動表示結果を同じ表示結果とする例を示した。しかし、表示結果を表示する時点で、第1突確大当りが確定している場合(突確大当りA)と、第1突確大当りおよび第2突確大当りのいずれかに確定していない場合(突確大当りB)と、第2突確大当りが確定している場合(突確大当りC)とに分かれているので、それぞれの場合で、異なる表示結果を表示するようにしてもよい。また、第1特別図柄および第2特別図柄についても、第1突確大当りが確定している場合(突確大当りA)と、第1突確大当りおよび第2突確大当りのいずれかに確定していない場合(突確大当りB)と、第2突確大当りが確定している場合(突確大当りC)とのそれぞれの場合で、異なる表示結果を表示するようにしてもよい。
(14) 前述した実施の形態では、第1突確大当りと、第2突確大当りとの両方で、開放パターンAと、開放パターンBとのどちらかを選択できる例を示した。しかし、これに限らず、第2突確大当りについては、開放パターンAのみを選択し、第1突確大当りについては、開放パターンAと、開放パターンBとのどちらかを選択できるようにしてもよい。また、第1突確大当りについては開放パターンAとし、第2突確大当りについては開放パターンBとする決定をしてもよい。このようにすれば、大当りの種別を決定するときに開放パターンを一括的に決定することができる。
(15) 前述した実施の形態では、図60のS878A〜S878Cに示すように、低確率状態で潜伏モードに制御されているときにおいて、当該潜伏モード中に大当りに制御することが決定されたときに、高確率状態で潜伏モードに制御されたときには実行されない特別な演出を、変動表示の表示結果が表示された後に実行する例を示した。しかし、これに限らず、このような特別な演出は、変動表示が実行されているときに、たとえば、特別な予告演出として実行するようにしてもよい。
(16) 前述した実施の形態の図61において、表示する処理が行なわれる各種の背景画像は、時短状態の終了等の状態が変化する契機があるときには、そのタイミングに達したときに、背景画像の表示を終了させてもよいし、背景画像の表示を終了させなくてもよい。
(17) 前述した実施の形態において、潜伏モードは、9R短期大当りに制御されるとき以外に、9R長期大当りに制御されるときも実行してもよい。たとえば、通常大当りのときに必ず潜伏モードに移行し、確変大当りのときに、100%未満の所定の割合で潜伏モードに移行するようにしてもよい。そのようにすれば、遊技の興趣をより一層向上させることができる。具体的には、確変大当りとなることが決定されたときに、ランダムカウンタ等の選択手段を用いて、9R長期大当りの潜伏モードとするか否かの選択決定(ランダムな決定)を行ない、潜伏モードにすると決定されたときは、大当りの表示結果として、演出図柄の表示結果として通常大当りと同じ偶数図柄の組合せ(非確変表示結果)のいずれかを選択するようにし、9R長期大当りの潜伏モードの演出に移行させる制御を行ない、潜伏モードにしないと決定されたときは、確変大当りの図柄の組合せである奇数図柄の組合せのいずれかを選択し、確変大当りが確定した旨を示す演出モードに移行させる制御をすればよい。なお、このようにすれば、確変大当りのうち一部の大当りと、通常大当りとで9R長期大当りの潜伏モードを実現することができる。このような潜伏モードに関する制御は、演出制御用マイクロコンピュータ100で行なうのが好ましい。
(18) 突確大当りの種類として、大当り後に低確高ベース状態に制御される9R短期大当りである低確高ベース短期大当りを設けてもよい。そのような低確高ベース短期大当りを設けたときには、当該低確高ベース短期大当り後と、第2突確大当り(大当り後に低確高ベース状態に制御される)後とで潜伏モードでの演出を行なうようにしてもよい。つまり、これらの大当りは、大当り遊技状態の終了後においてベース状態が同じ高ベース状態であるので、大当り遊技状態の終了後において、図14のような潜伏モード画像を表示する等、同じ演出を行なえば、第1突確大当り後と小当り後とで実行する前述のような潜伏モードでの演出と同様の効果が得られる演出を行なうことができる。
(19) 前述した実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560では、新たな始動入賞により保留記憶数が増えるときに第1または第2始動入賞指定コマンドを送信し、変動表示の実行により保留記憶数が減るときに保留記憶数減算指定コマンドを送信する例を示した。演出制御用マイクロコンピュータ100では、第1または第2始動入賞指定コマンドを受信したことに応じて合算保留記憶数を増やし、保留記憶数減算指定コマンドを送信したことに応じて合算保留記憶数を減らす。これに限らず、保留記憶数を特定するコマンドとしては、保留記憶数が増えるタイミングと、保留記憶数が減るタイミングとのそれぞれのタイミングで合算保留記憶数を特定するコマンドを送信することにより、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100へ保留記憶数を知らせるようにしてもよい。また、保留記憶数を特定するコマンドとしては、第1特別図柄と第2特別図柄のそれぞれに分けて、保留記憶数が増えるタイミングと、保留記憶数が減るタイミングとのそれぞれのタイミングで合算保留記憶数を特定するコマンドを送信することにより、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100へ第1特別図柄と第2特別図柄のそれぞれの保留記憶数を知らせるようにしてもよい。
(20) 図25の入賞時演出処理において、変動パターン種別を判定する場合、変動パターン種別を判定するテーブルを用いずに、変動パターン種別を判定するための閾値データが設定された判定プログラムを用いて変動パターン種別を判定するようにしてもよい。そして、その判定結果を示すコマンドとしては、各閾値ごとに異なるコマンドを送信するようにすればよい。たとえば、図15のような判定値の割振りで判定をするのであれば、0〜49の第1の判定結果となったことを示すコマンド、・・・、105〜109の第5の判定結果となったことを示すコマンドというように、各閾値ごとに異なるコマンドを送信する。
(21) 図25の入賞時演出処理においては、大当り判定処理において、大当りまたは小当りとすることが決定されたときでも、決定した変動パターン種別を示すコマンドを送信する例を示した。しかし、演出制御用マイクロコンピュータ100が先読み予告に関する処理を行なうときに変動パターン種別の情報が必要となるのは、はずれのときであるので、大当りまたは小当りとすることが決定されたときには、決定した変動パターン種別を特定するコマンドを送信せず、小当りおよび大当りの種別を特定可能なコマンドを送信すればよい。その場合には、図52の第1予告種別決定テーブルにおいては、小当りおよび大当りのときには、変動パターン種別に関係なく、小当りおよび大当りの種別ごとに予告選択の割合が異なるようにデータが設定されていればよい。
(22) 図26の大当り判定処理においては、先読み予告を行なうために始動入賞時に実行されるときに、S344での大当りフラグ、または、S349での小当りフラグのセットをせずに、レジスタ上での演算処理に基づいて大当りまたは小当りであることを確認して、大当り種別の判定等の処理を実行するようにしてもよい。そのようにすれば、入賞時演出処理において大当りフラグまたは小当りフラグをリセットする必要がなくなる。
(23) 図29の変動パターン設定処理においては、はずれ時用の変動パターン種別判定テーブルを選択するときに、合算保留記憶数に応じて判定テーブルを選択する例を示した。しかし、これに限らず、第1特別図柄の保留記憶数と、第2特別図柄の保留記憶数との図柄ごとの保留記憶数に応じて判定テーブルを選択するようにしてもよい。
(24) 前述した実施の形態では、低ベースであるか高ベースであるかに関わらず、突確大当りとなるときには、低ベースとなる第1突確大当りと、高ベースとなる第2突確大当りとのどちらかに制御される例を示した。しかし、これに限らず、高ベース状態において、突確大当りとなるときには、高ベースとなる第2突確大当りのみに制御されるように構成してもよい。
以上の実施の形態には以下の発明が開示されている。
(1) 始動領域(第1始動入賞動入賞口13、第2始動入賞口14)を遊技媒体(遊技球)が通過したことに基づく変動表示の実行条件(第1始動入賞、第2始動入賞)が成立した後、変動表示の開始を許容する開始条件(大当り遊技中でなくかつ先に変動表示を開始した保留記憶に起因する変動表示が終了しているとき)の成立に基づいて、識別情報(第1特別図柄、第2特別図柄)の変動表示を実行し表示結果を導出表示する変動表示部(第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器9a、演出表示装置9)を備え、該変動表示部に導出表示された表示結果が予め定められた特定表示結果(大当り表示結果)となったときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御し、予め定められた特別状態発生条件が成立したこと(確率変動を伴う大当りとすることが決定されたとき)に基づいて通常状態としての低確率状態よりも変動表示の表示結果が前記特定表示結果となる確率が向上した高確率状態(確変状態)に制御する遊技機(パチンコ遊技機1)であって、
遊技媒体が前記始動領域を通過しやすい第1状態(開状態)と該第1状態よりも遊技媒体が通過しにくいまたは通過しない第2状態(閉状態)とに変化可能な可変入賞装置(可変入賞球装置15)と、
遊技媒体が入賞可能な第1状態(開状態)と該第1状態よりも遊技媒体が入賞しにくいまたは入賞しない第2状態(閉状態)とに変化可能であり、前記特定遊技状態に制御されたときに当該第1状態に制御される特別可変入賞装置(特別可変入賞球装置20)と、
前記可変入賞装置が前記第1状態になる頻度が高い高頻度状態(高ベース状態)、または、該高頻度状態よりも前記可変入賞装置が前記第1状態になる頻度が低い低頻度状態(低ベース状態)のいずれかに制御する状態制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560、図36のS158〜S160、図32のS139〜S142)と、
前記実行条件が成立したときに、前記特定遊技状態に制御するか否かを決定するための情報として、第1数値データ更新手段(乱数回路503)により更新される第1数値データ(ランダムR)を抽出するとともに、変動表示の変動パターンを決定するための情報として、第2数値データ更新手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560、図4のS17)により更新される第2数値データ(ランダム3)を抽出する数値データ抽出手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560、図23のS213,図24のS223)と、
前記実行条件が成立したが前記開始条件が成立していない変動表示について、前記数値データ抽出手段により抽出された前記第1数値データおよび前記第2数値データを含む数値情報を保留記憶情報として所定の上限数の範囲内で記憶可能な保留記憶手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560、RAM55、第1保留記憶バッファ、第2保留記憶バッファ、図23のS213、図24のS223)と、
前記保留記憶情報の記憶数に応じて複数設けられ、前記複数の変動パターンに対して判定値が割振られたデータテーブルよりなる複数の判定値テーブル(図15〜図19の変動パターンの判定テーブル)と、
前記開始条件が成立したことに基づいて、当該開始条件が成立した変動表示の前記実行条件が成立したときに前記数値データ抽出手段により抽出された前記第1数値データを用いて前記特定遊技状態に制御するか否かを決定するとともに、前記高確率状態に制御するか否かを決定する事前決定手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560、図28のS59、図26のS341〜S347)と、
該事前決定手段による決定に応じて、当該事前決定手段による決定の対象となった変動表示の前記実行条件が成立したときに前記数値データ抽出手段により抽出された前記第2数値データと、前記判定値テーブルとを用いて変動表示の変動パターンを選択する変動パターン選択手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560、図29のS96,S98)と、
前記実行条件が成立したときに、前記数値データ抽出手段により抽出された前記第2数値データと、前記判定値とに基づいて、複数の変動パターンのうちの特定の変動パターン(スーパーリーチB)となるか否かを、当該実行条件が成立した変動表示の前記開始条件が成立する以前に判定する実行条件成立時判定手段(演出制御用マイクロコンピュータ100、図25のS240,S241)と、
該実行条件成立時判定手段による判定に基づいて、当該判定の対象となった変動表示の前記開始条件成立前から、前記特定の変動パターンとなることを複数回の変動表示に亘って予告(連続予告を行なう先読み予告)を行なう先読み予告演出実行手段(演出制御用マイクロコンピュータ100、図44のS666、図46のS518、図51のS683,S684、図59のS845,S846)とを備え、
前記特定遊技状態は、
前記特別可変入賞装置を所定期間(29秒×9R)前記第1状態に変化させることにより終了し、前記特定遊技状態終了後、前記高確率状態に制御される第1特定遊技状態(確変大当り)と、
前記特別可変入賞装置を前記所定期間よりも短い期間(0.5秒×9R)前記第1状態に変化させることにより終了し、前記特定遊技状態終了後、前記高確率状態に制御される第2特定遊技状態(第1突確大当り、第2突確大当り)とを含み、
前記状態制御手段は、前記低頻度状態かつ前記高確率状態に制御されているときの方が、前記低頻度状態かつ前記低確率状態に制御されているときよりも高い割合で、前記第2特定遊技状態終了後に前記高頻度状態に制御し(図7(D)の第1特別図柄高確率時大当り種別判定テーブルは、図7(C)の第1特別図柄低確率時大当り種別判定テーブルよりも、第2突確大当りに決定する割合が高い。図8参照)、
前記複数の判定値テーブルは、前記判定値として、前記複数の変動パターンのうち特定の変動パターン(スーパーリーチB)については前記保留記憶情報の記憶数に関わらず共通の判定値が割振られており(たとえば、図15および図16の判定テーブルで、スーパーリーチBには、始動記憶数に関わらずランダム3の105〜109という同じ判定データが割振られている)、前記特定の変動パターン以外の変動パターンについては前記保留記憶情報の記憶数に応じて異なる判定値が割振られている(たとえば、図15および図16の判定テーブルで、通常、ノーマルリーチ、スーパーリーチAには、始動記憶数により異なるランダム3の判定データが割振られている)。
このような構成によれば、複数の変動パターンに判定値が割振られたデータテーブルよりなる複数の判定値テーブルは、保留記憶情報の記憶数に応じて複数設けられ、判定値として、特定の変動パターンについて保留記憶情報の記憶数に関わらず共通の判定値が割振られており、特定の変動パターン以外の変動パターンについては保留記憶情報の記憶数に応じて異なる判定値が割振られている。そして、特定の変動パターンとなるか否かを、実行条件が成立した変動表示の開始条件が成立する以前に判定されたことに基づいて、当該判定の対象となった変動表示の開始条件成立前から、特定の変動パターンとなることを複数回の変動表示に亘って予告が行なわれる。このように、特定の変動パターンについては、保留記憶情報の記憶数に関わらず共通の判定値が割振られているので、保留記憶情報の記憶数に関わらず特定の変動パターンとなるかを判定できる。また、特定の変動パターン以外の変動パターンについては保留記憶情報の記憶数に応じて異なる判定値が割振られているので、保留記憶数の多少に応じて異なる割合で変動パターンを選択することが可能となるので、識別情報の変動表示の実行効率を向上させることが可能となり、結果として遊技の興趣を向上させることができる。さらに、低頻度状態かつ高確率状態に制御されているときの方が、低頻度状態かつ低確率状態に制御されているときよりも高い割合で、第2特定遊技状態終了後に高頻度状態に制御されるので、高確率状態に制御されれば、低頻度状態が継続しにくいようにすることができ、遊技者が倦怠感を持ちにくいようにして、遊技の興趣を一層向上させることができる。
(2) 前記第2特定遊技状態の終了後に前記低頻度状態に制御されること(第1突確大当りに制御されること)を含む所定条件(小当りに制御されること等)が成立したことに基づいて、前記高確率状態と前記低確率状態とで共通の演出(図14の第1潜伏モードの背景画像または第2潜伏モードの背景画像の表示)を実行することにより、前記高確率状態の可能性を示唆する高確率示唆演出状態に制御する高確率示唆演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータ100、図63のS985〜S987)をさらに備える。
このような構成によれば、第2特定遊技状態の終了後に低頻度状態に制御されることを含む所定条件が成立したことに基づいて、高確率状態と低確率状態とで共通の演出を実行することにより、高確率状態の可能性を示唆する高確率示唆演出状態に制御されるので、低頻度状態に制御されているときでも、当該共通の演出が実行されているときに、高確率状態となっているか、それとも低確率状態になっているかに対する遊技者の興味を引くことにより、遊技の興趣を一層向上させることができる。
(3) 前記変動表示部は、所定の順序(正順序または逆順序)で表示結果を導出表示する複数の識別情報表示領域(演出表示装置9の各図柄表示エリア9L,9C,9R)を含み、
前記高確率示唆演出制御手段は、前記高確率示唆演出状態に制御されているときに前記識別情報の表示結果を導出表示する場合に、前記高確率示唆演出状態に制御されていないときの変動表示における前記識別情報の表示結果の導出表示順序(正順序)と異なる導出表示順序(逆順序)で表示結果を導出表示することにより、前記高確率状態の可能性を示唆する(図46のS500、図48のS704,S705)。
このような構成によれば、高確率示唆演出状態に制御されているときに識別情報の表示結果を導出表示する場合に、高確率示唆演出状態に制御されていないときの変動表示における識別情報の表示結果の導出表示順序と異なる導出表示順序で表示結果を導出表示することにより、高確率状態の可能性が示唆されるので、視覚的に遊技者の興味を引くことに基づいて、遊技の興趣をより一層向上させることができる。
(4) 前記高確率示唆演出制御手段は、前記高確率示唆演出状態に制御されているときに演出態様が所定の順序でステップアップするステップアップ演出を行なう場合に、前記高確率示唆演出状態に制御されていないときに行なわれるステップアップ演出(図56(a)のA→B→C→D)と異なる順序(図56(c)のA→C→B→D)で演出態様をステップアップさせることにより、前記高確率状態の可能性を示唆する。
このような構成によれば、高確率示唆演出状態に制御されているときに高確率示唆演出状態に制御されていないときに行なわれるステップアップ演出と異なる順序で演出態様をステップアップさせることにより、高確率状態の可能性が示唆されるので、演出の進展態様が遊技者の興味を引くことに基づいて、遊技の興趣をより一層向上させることができる。
(5) 前記第2特定遊技状態は、前記特別可変入賞装置を前記第1状態に変化させるときの変化態様を複数種類有し(図10の開放パターンA,B)、
前記高確率示唆演出状態は、前記共通の演出を複数種類有し(図14の第1潜伏モードの背景画像、第2潜伏モードの背景画像)、
前記第2特定遊技状態における前記特別可変入賞装置の変化態様と、前記高確率示唆演出状態における前記共通の演出の種類との組合せにより、前記高確率示唆演出状態において前記高確率状態である割合が異なる(図11のデータテーブルでは、潜伏モードに移行する第1突確大当りとなるときに、開放パターンAの方が開放パターンBよりも選択される割合が高い。また、図62のデータテーブルでは、潜伏モードに移行する第1突確大当りとなるときに、第2潜伏パターンの方が第1潜伏パターンよりも選択される割合が高い。したがって、たとえば、開放パターンAで大入賞口が開放し第1潜伏モードの背景画像が表示されたときよりも、開放パターンAで大入賞口が開放し第2潜伏モードの背景画像が表示されたときの方が、確変状態である割合が高い。)。
このような構成によれば、第2特定遊技状態における特別可変入賞装置の変化態様と、高確率示唆演出状態における共通の演出の種類との組合せにより、高確率示唆演出状態において前記高確率状態である割合が異なるので、特別可変入賞装置の動作と高確率示唆演出状態における共通の演出の種類との関係性に基づいて、高確率状態である割合が高いか否かを遊技者が推測することが可能となるため、演出の組合せに基づいて、遊技の興趣をより一層向上させることができる。
(6) 前記低確率状態で前記高確率示唆演出状態に制御されているときにおいて、当該高確率示唆演出状態中に前記事前決定手段により前記特定遊技状態に制御することが決定されたときに、前記高確率状態で前記高確率示唆演出状態に制御されたときには実行されない特別な演出(特別キャラクタを表示する演出)を実行する特別演出実行手段(演出制御用マイクロコンピュータ100、図60のS878A〜S878C)をさらに含む。
このような構成によれば、低確率状態で高確率示唆演出状態に制御されているときにおいて、当該高確率示唆演出状態中に特定遊技状態に制御することが決定されたときに、高確率状態で高確率示唆演出状態に制御されたときには実行されない特別な演出が実行されるので、特別な演出により、このような状況を生じさせた自らの遊技に対する遊技者の満足感を向上させることができる。
(7) 前記事前決定手段は、前記低頻度状態かつ前記高確率状態に制御されているときにおいて、前記低頻度状態かつ前記低確率状態に制御されているときよりも低い割合で、第2特定遊技状態とすることを決定する(図68のように、第1特別図柄について、高確率時(高確低ベース時)には、低確率時(低確低ベース時)よりも第1突確大当りおよび第2突確大当りが選択される割合が低く設定されている)。
このような構成によれば、低頻度状態かつ高確率状態に制御されているときにおいて、低頻度状態かつ低確率状態に制御されているときよりも低い割合で、第2特定遊技状態とすることを決定するので、第1特定遊技状態よりも特別可変入賞装置が第1状態に変化する期間が短い第2特定遊技状態が繰返して生じにくいようになるため、遊技者が遊技に対して倦怠感を持つことを防ぎ、遊技の興趣の低下を防ぐことができる。
(8) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。