以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。
複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはともに、例えば方形状に形成されている。なお、第1特図の種類と第2特図の種類は同じ(例えば、ともに「0」〜「9」を示す数字、及び、「−」を示す記号)であってもよいし、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば「00」〜「99」を示す数字(あるいは2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、画像表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される飾り図柄には、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい)で構成される。飾り図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。なお、飾り図柄は8種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
飾り図柄の可変表示が開始された後、可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでには、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「8」)である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である飾り図柄が表示される。あるいは、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rのうち少なくともいずれか1つ(例えば「左」の飾り図柄表示エリア5Lなど)において、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である飾り図柄が表示されるようにしてもよい。
画像表示装置5の表示領域には、始動入賞記憶表示エリア5Hが配置されている。始動入賞記憶表示エリア5Hでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。始動入賞記憶表示エリア5Hのおける保留記憶表示は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生したものであるか、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生したものであるかに応じて、その表示態様(例えば表示色や形状)を異ならせる。この実施の形態では、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を丸型の青色表示とし、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を丸型の赤色表示とする。
画像表示装置5の表示領域には、始動入賞記憶表示エリア5Hの左側方には、変動中特図表示エリア5Iが設けられている。変動中特図表示エリア5Iには、現在実行されている可変表示に対応した画像が表示される。第1始動入賞口に遊技球が進入したことに基づき第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームの実行中には、変動中特図表示エリア5Iに丸型で青色の画像が表示される。また、第2始動入賞口に遊技球が進入したことに基づき第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームの実行中には、変動中図柄表示エリア5Iに丸型で赤色の画像が表示される。即ち、第1または第2開始条件の成立とともに、始動入賞記憶表示エリア5Hから除去された表示がこの変動中特図表示エリア5Iにシフトして表示されることとなる。この、変動中特図表示エリア5Iの表示により、遊技者は第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bのいずれで特図ゲームが実行されているかを把握することができる。
図1に示す例では、始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1特図保留記憶数は、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第2特図保留記憶数は、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、普通電動役物用となるソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動領域(第2始動領域)第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすい拡大開放状態となる。なお、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態において、例えば第2始動入賞口を閉鎖することなどにより、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。このように、第2始動領域としての第2始動入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすい拡大開放状態と、遊技球が通過(進入)しにくいまたは通過(進入)できない通常開放状態とに変化する。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすくする。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えばカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットが設けられていればよい。例えば、傾倒方向センサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組み合わせた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサが設けられていればよい。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。
パチンコ遊技機1では、遊技領域に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球がゲートスイッチ21によって検出されたことといった、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。
この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームが開始される。また、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームが開始される。
第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームでは、特別図柄の可変表示を開始させた後、特図変動時間としての可変表示時間が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されれば、所定表示結果としての「小当り」となる。また、大当り図柄や小当り図柄とは異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示されれば「ハズレ」となる。
特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。特図ゲームでの可変表示結果が「小当り」になった後には、大当り遊技状態とは異なる特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。
この実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「2」の数字を示す特別図柄を小当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄としている。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄となるようにしてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「大当り」となった後、大当り遊技状態において、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間や0.1秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を開放状態とする。これにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とするラウンドが実行される。
ラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(例えば「15」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。なお、ラウンドの実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立(例えば大入賞口に遊技球が入賞しなかったことなど)により、ラウンドの実行が終了するようにしてもよい。
大当り遊技状態におけるラウンドのうち、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に長い時間(例えば29秒など)となるラウンドは、通常開放ラウンドともいう。一方、特別可変入賞球装置7を第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に短い時間(例えば0.1秒など)となるラウンドは、短期開放ラウンドともいう。
大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「3」、「7」の数字を示す特別図柄は通常開放ラウンド大当り図柄となり、「5」の数字を示す特別図柄は短期開放ラウンド大当り図柄となる。特図ゲームにおける確定特別図柄として通常開放ラウンド大当り図柄が導出された後に制御される通常開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態(通常開放大当り状態)では、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、第1期間となる所定の上限時間(例えば29秒間)が経過するまでの期間、あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが実行される。なお、通常開放大当り状態は、第1特定遊技状態ともいう。
特図ゲームにおける確定特別図柄として短期開放ラウンド大当り図柄が導出された後に制御される短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態(短期開放大当り状態)では、各ラウンドで特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる上限時間(大入賞口扉により大入賞口を開放状態とする期間の上限)が、通常開放大当り状態における第1期間よりも短い第2期間(例えば0.1秒間)となる。なお、短期開放大当り状態では、大入賞口の開放期間が第2期間となるように制御されればよく、それ以外の制御は通常開放大当り状態と同様に行われるようにしてもよい。あるいは、短期開放大当り状態では、ラウンドの実行回数が、通常開放大当り状態における第1ラウンド数(例えば「15」)よりも少ない第2ラウンド数(例えば「2」)となるようにしてもよい。
このような短期開放大当り状態では、大入賞口に遊技球が入賞すれば所定個数(例えば15個)の出玉(賞球)が得られる。しかし、大入賞口の開放期間は第2期間(0.1秒間など)であって、非常に短い。そのため、短期開放大当り状態は実質的には出玉(賞球)が得られない大当り遊技状態である。なお、短期開放大当り状態は、第2特定遊技状態ともいう。
また、短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態は、通常開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態に比べて、大入賞口の開放期間が短いものに限定されず、例えば大入賞口の開放期間(上限時間)は短期開放ラウンド特定遊技状態と通常開放ラウンド特定遊技状態とで同一である一方で、短期開放ラウンド特定遊技状態では大入賞口を開放状態とする上限回数(例えば2回)が通常開放ラウンド特定遊技状態での上限回数(例えば15回)に比べて少なくなるものであってもよい。すなわち、短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態は、各ラウンドで大入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい第1状態に変化させる期間が通常開放ラウンド特定遊技状態における第1期間よりも短い第2期間となることと、ラウンドの実行回数が通常開放ラウンド特定遊技状態における第1ラウンド数よりも少ない第2ラウンド数となることのうち、少なくともいずれか一方となるものであればよい。
小当り図柄となる「2」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として導出された後には、特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。この小当り遊技状態では、短期開放大当り状態と同様に特別可変入賞球装置7において大入賞口を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させる可変入賞動作が行われる。すなわち、小当り遊技状態では、例えば特別可変入賞球装置7を第2期間にわたり第1状態(開放状態)とする動作が繰り返し実行される。
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示状態が所定のリーチ状態となることがある。
ここで、リーチ状態とは、画像表示装置5の表示領域にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部又は一部の飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリア5Cなど)では飾り図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部又は一部で飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
また、リーチ状態となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の表示領域に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。なお、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ状態となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ態様では「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。
一例として、この実施の形態では、ノーマルリーチ、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったリーチ態様が予め設定されている。そして、スーパーリーチαやスーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ態様が出現した場合には、ノーマルリーチのリーチ態様が出現した場合に比べて、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高くなる。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出とは異なり、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、飾り図柄の可変表示態様などにより遊技者に報知するための可変表示演出が実行されることがある。この実施の形態では、「滑り」や「擬似連」といった可変表示演出が実行可能である。「滑り」や「擬似連」の可変表示演出は、主基板11の側で変動パターンが決定されることなどに対応して実行するか否かが決定されればよい。なお、「滑り」の可変表示演出は、主基板11の側で決定された変動パターンにかかわらず、演出制御基板12の側で実行するか否かが決定されてもよい。
「滑り」の可変表示演出では、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄を変動させてから、複数の飾り図柄表示エリア(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)にて飾り図柄を仮停止表示させた後、その仮停止表示した飾り図柄表示エリアのうち所定数(例えば「1」または「2」)の飾り図柄表示エリア(例えば「左」の飾り図柄表示エリア5Lと「右」の飾り図柄表示エリア5Rのいずれか一方または双方)にて飾り図柄を再び変動させた後に停止表示させることで、停止表示する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。こうして、「滑り」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに複数の飾り図柄を仮停止表示させた後、所定数の飾り図柄について可変表示を再度実行することにより、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態になるときと、リーチ状態とはならずに非リーチ組合せを構成する飾り図柄が停止表示されるときとがある。
「擬似連」の可変表示演出では、特図ゲームの第1開始条件と第2開始条件のいずれか一方が1回成立したことに対応して、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄を一旦仮停止表示させた後、全部の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄を再び変動(擬似連変動)させる演出表示を、所定回(例えば最大3回まで)行うことができる。擬似連変動の回数は、飾り図柄の可変表示が開始されてから全部の飾り図柄が最初に一旦仮停止するまでの初回変動を除く、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄が再変動する回数である。
「擬似連」の可変表示演出では、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、例えば予め定められた複数種類の擬似連チャンス目のうちいずれかを構成する飾り図柄が、所定表示結果として一旦は仮停止表示される。その後に、擬似連変動(再可変表示)が行われる。この実施の形態では、「擬似連」の可変表示演出において、擬似連変動(再変動)が1回〜3回行われることにより、第1開始条件あるいは第2開始条件が1回成立したことに基づき、飾り図柄の可変表示があたかも2回〜4回続けて開始されたかのように見せることができる。なお、「擬似連」の可変表示演出における擬似連変動(再変動)の回数は、例えば4回や5回といった、1回〜3回よりも多くの回数まで実行できるようにしてもよい。
こうした飾り図柄の可変表示動作を利用した可変表示演出としては、「滑り」や「擬似連」の他にも、例えば「発展チャンス目」や「発展チャンス目終了」、「チャンス目停止後滑り」といった、各種の演出動作が実行されてもよい。ここで、「発展チャンス目」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて、予め定められた特殊組合せに含まれる発展チャンス目を構成する飾り図柄を仮停止表示させた後、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態として所定のリーチ演出が開始される。これにより、発展チャンス目を構成する飾り図柄が仮停止表示されたときには、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となることや、リーチ状態となった後に可変表示結果が「大当り」となることに対する期待感が高められる。
また、「発展チャンス目終了」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始された後に、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて、発展チャンス目として予め定められた組合せの飾り図柄を、確定飾り図柄として導出表示させる演出表示が行われる。「チャンス目停止後滑り」の可変表示演出では、「擬似連」の可変表示演出と同様に、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて擬似連チャンス目となるハズレ組合せ(特殊組合せ)の飾り図柄を一旦仮停止表示させた後、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄を再び変動させる「擬似連」の可変表示演出とは異なり、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの一部にて飾り図柄を再び変動させることで、停止表示する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出あるいは「滑り」や「擬似連」などの可変表示演出とは異なり、例えば所定の演出画像を表示することや、メッセージとなる画像表示や音声出力、ランプ点灯などのように、飾り図柄の可変表示動作とは異なる演出動作により、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、スーパーリーチによるリーチ演出が実行される可能性があること、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、遊技者に予め報知するための予告演出が実行されることがある。予告演出となる演出動作は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となるより前(「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて飾り図柄が仮停止表示されるより前)に実行(開始)されるものであればよい。また、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを報知する予告演出には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後に実行されるものが含まれていてもよい。
予告演出のうちには、先読み予告演出となるものが含まる。先読み予告演出は、可変表示結果が「大当り」となる可能性などが予告される対象となる可変表示を開始するより前に、特図ゲームの保留情報などに基づいて実行可能となる予告演出である。特に、複数回の特図ゲームに対応して複数回実行される飾り図柄の可変表示にわたり、可変表示結果が「大当り」となる可能性などを連続して予告する先読み予告演出は、連続予告演出とも称される。
この実施の形態では、先読み予告演出として、始動入賞記憶表示エリア5Hにおいて特図保留記憶数を特定可能に表示する表示部位を、通常時における表示態様とは異なる表示態様に変化させることにより、予告対象となる可変表示において「大当り」となる可能性などを予告する先読み保留予告(保留表示予告)などが実行可能となっている。例えば、先読み保留予告は、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける保留記憶表示を、所定のタイミングにおいて通常の表示態様と異なる特別態様で表示する予告演出である。
始動入賞記憶表示エリア5Hにおける表示部位に加えて、変動中特図表示エリア5Iにおいても先読み予告演出が実行されるようにしてもよい。この実施の形態では、保留が消化されたことに対応して始動入賞記憶表示エリア5Hから除去された保留記憶表示は、この変動中特図表示エリア5Iにシフトして表示されることとなるが、始動入賞記憶表示エリア5Hにおいて特別態様で保留記憶表示がなされているときに、変動中特図表示エリア5Iにシフトする場合には、変動中特図表示エリア5Iにおける表示も特別態様とするようにしてもよい。このようにすることで、保留記憶数が少ない段階で先読み予告演出が実行された場合であっても、表示態様が特別態様に変化する機会を増やすことができ、遊技の興趣が向上する。
また、この実施の形態では、このような先読み予告演出とは別に、可変表示が実行されるときに、当該可変表示の変動パターンや可変表示結果に基づいて、当該可変表示結果が「大当り」となる可能性などが予告される変動中予告演出が実行されるようになっている。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「非リーチ」(「通常ハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、所定のリーチハズレ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示結果は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、通常開放ラウンド大当り図柄となる特別図柄のうち、「3」の数字を示す特別図柄といった通常大当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、複数種類の大当り組合せのうち、所定の通常大当り組合せ(「非確変大当り組合せ」ともいう)となる確定飾り図柄が停止表示される。通常大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。通常大当り組合せを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄は、通常図柄(「非確変図柄」ともいう)と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄が通常大当り図柄となることに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、通常大当り組合せの確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「非確変」(「通常大当り」ともいう)の可変表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。「非確変」の大当り種別で可変表示結果が「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時間短縮制御(時短制御)が行われる。時短制御が行われることにより、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示時間(特図変動時間)は、通常状態に比べて短縮される。通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態などとは異なる通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短制御は、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、通常開放ラウンド大当り図柄となる特別図柄のうち、「7」の数字を示す特別図柄といった確変大当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、飾り図柄の可変表示態様が「通常」である場合と同様のリーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、複数種類の大当り組合せのうち、所定の確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。確変大当り組合せを構成する図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄は、確変図柄と称される。特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される場合に、飾り図柄の可変表示結果として、通常大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがあるようにしてもよい。
確定飾り図柄が通常大当り組合せであるか確変大当り組合せであるかにかかわらず、特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「確変」の可変表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。「確変」の大当り種別で可変表示結果が「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確率変動制御(確変制御)が行われる。確変制御が行われることにより、各回の特図ゲームにおいて可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」となる確率は、通常状態に比べて高くなるように向上する。確変制御は、大当り遊技状態の終了後に可変表示結果が「大当り」となって再び大当り遊技状態に制御されるという条件が成立したときに、終了すればよい。なお、時短制御と同様に、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されたときに、確変制御を終了してもよい。また、大当り遊技状態の終了後に特図ゲームが開始されるごとに実行される確変転落抽選にて確変制御を終了させる「確変転落あり」の決定がなされたときに、確変制御を終了してもよい。
時短制御が行われるときには、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。このように、時短制御に伴い第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御としては、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。
高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、時短制御が行われる期間と同一であればよい。
時短制御と高開放制御がともに行われる遊技状態は、時短状態あるいは高ベース状態ともいう。また、確変制御が行われる遊技状態は、確変状態あるいは高確状態ともいう。確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態は、高確高ベース状態とも称される。確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態は、高確低ベース状態とも称される。なお、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態のみを、特に「確変状態」ということもあり、高確低ベース状態とは区別するために、時短付確変状態ということもある。一方、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態(高確低ベース状態)は、高確高ベース状態と区別するために、時短なし確変状態ということもある。確変制御が行われずに時短制御や高開放制御が行われる時短状態は、低確高ベース状態とも称される。確変制御や時短制御及び高開放制御がいずれも行われない通常状態は、低確低ベース状態とも称される。通常状態以外の遊技状態において時短制御や確変制御の少なくともいずれかが行われるときには、特図ゲームが頻繁に実行可能となることや、各回の特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」となる確率が高められることにより、遊技者にとって有利な状態となる。大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な遊技状態は、特別遊技状態とも称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、「5」の数字を示す特別図柄といった短期開放ラウンド大当り図柄が停止表示される場合や、「2」の数字を示す特別図柄といった小当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、開放チャンス目として予め定められた複数種類の確定飾り図柄の組合せのいずれかが停止表示されることがある。また、特図ゲームにおける確定特別図柄として、短期開放ラウンド大当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後などに、所定のリーチ組合せとなる確定飾り図柄(短期開放ラウンド大当り状態に対応したチャンス目となる確定飾り図柄)が停止表示されることもある。
特図ゲームにおける確定特別図柄が短期開放ラウンド大当り図柄となることに対応して、各種の確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「突確」(「突確大当り」あるいは「突然確変大当り」ともいう)の可変表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。「突確」の大当り種別で可変表示結果が「大当り」となったことに基づいて、短期開放大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確変制御が行われればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、「2」の数字を示す特別図柄といった小当り図柄が停止表示されて可変表示結果が「小当り」となったことに基づいて、小当り遊技状態に制御され、その終了後には、遊技状態の変更が行われず、可変表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御される。ただし、可変表示結果が「小当り」となる特図ゲームが実行されたときに、特別遊技状態における特図ゲームの実行回数が所定回数に達していれば、小当り遊技状態の終了後には、特別遊技状態が終了して通常状態となることがある。
飾り図柄の可変表示結果として開放チャンス目を構成する確定飾り図柄が導出表示された後に大入賞口が開放状態となる場合には、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」であることに基づき短期開放大当り状態に制御されたときと、可変表示結果が「小当り」であることに基づき小当り遊技状態に制御されたときとがある。一方、飾り図柄の可変表示結果としてリーチ組合せを構成する確定飾り図柄が導出表示された後に大入賞口が開放状態となるのは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」であることに基づき短期開放大当り状態に制御されたときのみである。したがって、開放チャンス目を構成する確定飾り図柄は、短期開放大当り状態及び小当り遊技状態のいずれに制御されることにも対応している一方で、リーチ組合せの確定飾り図柄は、短期開放大当り状態に制御されることに対応している。
確定飾り図柄が非確変大当り組合せや確変大当り組合せとなる飾り図柄の可変表示中には、再抽選演出が実行されることがある。再抽選演出では、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに通常大当り組合せとなる飾り図柄を仮停止表示させた後に、例えば「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて同一の飾り図柄が揃った状態で再び変動させ、確変大当り組合せとなる飾り図柄(確変図柄)と、通常大当り組合せとなる飾り図柄(通常図柄)のうちいずれかを、確定飾り図柄として停止表示(最終停止表示)させる。ここで、大当り種別が「非確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた飾り図柄を再変動させた後に通常大当り組合せとなる確定飾り図柄を導出表示する再抽選落選演出が行われる。これに対して、大当り種別が「確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた飾り図柄を再変動させた後に確変大当り組合せとなる確定飾り図柄を停止表示する再抽選当選演出が実行されることもあれば、再抽選落選演出が実行されることもある。
通常大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示された後には、大当り遊技状態の開始時や大当り遊技状態におけるラウンドの実行中、大当り遊技状態においていずれかのラウンドが終了してから次のラウンドが開始されるまでの期間、大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから次の可変表示ゲームが開始されるまでの期間などにて、確変状態に制御するか否かの確変報知演出となる大当り中昇格演出が実行されてもよい。なお、大当り中昇格演出と同様の報知演出が、大当り遊技状態の終了後における最初の可変表示ゲーム中などにて実行されてもよい。大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから実行される大当り中昇格演出を、特に「エンディング昇格演出」ということもある。
大当り中昇格演出には、確定飾り図柄が通常大当り組合せであるにもかかわらず遊技状態が確変状態となる昇格がある旨を報知する大当り中昇格成功演出と、確変状態となる昇格がない旨を報知する大当り中昇格失敗演出とがある。例えば、大当り中昇格演出では、画像表示装置5の表示領域にて飾り図柄を可変表示させて通常図柄と確変図柄のいずれかを演出表示結果として停止表示させること、あるいは、飾り図柄の可変表示とは異なる演出画像の表示を行うことなどにより、確変状態となる昇格の有無を、遊技者が認識できるように報知すればよい。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81、82に伝送するソレノイド回路111などが搭載されている。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。
図3(A)は、この実施の形態で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。なお、図3(A)に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
図3(A)に示す例において、コマンド8001Hは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第1変動開始コマンドである。コマンド8002Hは、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第2変動開始コマンドである。コマンド81XXHは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで可変表示される飾り図柄などの変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドである。ここで、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。変動パターン指定コマンドでは、指定する変動パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンド8CXXHは、特別図柄や飾り図柄などの可変表示結果を指定する可変表示結果通知コマンドである。可変表示結果通知コマンドでは、例えば図3(B)に示すように、可変表示結果が「ハズレ」であるか「大当り」であるかの決定結果(事前決定結果)や、可変表示結果が「大当り」となる場合の大当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果(大当り種別決定結果)に応じて、異なるEXTデータが設定される。より具体的には、コマンド8C00Hは、可変表示結果が「ハズレ」となる旨の事前決定結果を示す第1可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C01Hは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第2可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C02Hは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第3可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C03Hは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第4可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C04Hは、可変表示結果が「小当り」となる旨の事前決定結果を示す第5可変表示結果通知コマンドである。
コマンド8F00Hは、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで飾り図柄の変動停止(確定)を指定する図柄確定コマンドである。コマンド95XXHは、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドである。遊技状態指定コマンドでは、例えばパチンコ遊技機1における現在の遊技状態に応じて、異なるEXTデータが設定される。具体的な一例として、コマンド9500Hを時短制御と確変制御がいずれも行われない遊技状態(低確低ベース状態、通常状態)に対応した第1遊技状態指定コマンドとし、コマンド9501Hを時短制御が行われる一方で確変制御は行われない遊技状態(低確高ベース状態、時短状態)に対応した第2遊技状態指定コマンドとする。また、コマンド9502Hを確変制御が行われる一方で時短制御は行われない遊技状態(高確低ベース状態、時短なし確変状態)に対応した第3遊技状態指定コマンドとし、コマンド9503Hを時短制御と確変制御がともに行われる遊技状態(高確高ベース状態、時短付確変状態)に対応した第4遊技状態指定コマンドとする。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA0XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)である。コマンドA1XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態において、大入賞口が開放状態となっている期間であることを通知する大入賞口開放中通知コマンドである。コマンドA2XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態において、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であることを通知する大入賞口開放後通知コマンドである。コマンドA3XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態の終了時における演出画像の表示を指定する当り終了指定コマンドである。
当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、例えば可変表示結果通知コマンドと同様のEXTデータが設定されることなどにより、事前決定結果や大当り種別決定結果に応じて異なるEXTデータが設定されてもよい。あるいは、当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、事前決定結果及び大当り種別決定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、可変表示結果通知コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。大入賞口開放中通知コマンドや大入賞口開放後通知コマンドでは、例えば通常開放大当り状態や短期開放大当り状態におけるラウンドの実行回数(例えば「1」〜「15」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。
コマンドB100Hは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ22Aにより検出されて始動入賞(第1始動入賞)が発生したことに基づき、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドである。コマンドB200Hは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ22Bにより検出されて始動入賞(第2始動入賞)が発生したことに基づき、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドである。
コマンドC1XXHは、始動入賞記憶表示エリア5Hなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第1特図保留記憶数を通知する第1保留記憶数通知コマンドである。コマンドC2XXHは、始動入賞記憶表示エリア5Hなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第2特図保留記憶数を通知する第2保留記憶数通知コマンドである。第1保留記憶数通知コマンドは、例えば第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動条件が成立したことに基づいて、第1始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。第2保留記憶数通知コマンドは、例えば第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2始動条件が成立したことに基づいて、第2始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。また、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1開始条件と第2開始条件のいずれかが成立したときに、特図ゲームの実行が開始されることなどに対応して送信されるようにしてもよい。
第1保留記憶数通知コマンドは、第1始動入賞の発生により第1始動条件が成立したときに、第1特図保留記憶数の増加を通知するものとして送信される。また、第2保留記憶数通知コマンドは、第2始動入賞の発生により第2始動条件が成立したときに、第2特図保留記憶数の増加を通知するものとして送信される。
この実施の形態では、保留記憶情報として、第1始動入賞口と第2始動入賞口とのいずれに始動入賞したかを指定する第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドを送信するとともに、第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数を指定する第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドを送信する。なお、保留記憶数が増加したときに、第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数が増加したことを示す保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)を送信する一方、保留記憶数が減少したときに、第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数が減少したことを示す保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)を送信するようにしてもよい。
第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドに代えて、合計保留記憶数を通知する合計保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。すなわち、合計保留記憶数の増加(または減少)を通知するための合計保留記憶数通知コマンドが用いられてもよい。
コマンドC4XXH及びコマンドC6XXHは、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。このうち、コマンドC4XXHは、入賞時判定結果として、可変表示結果が「大当り」となるか否かや「小当り」となるか否か、大当り種別の判定結果を示す図柄指定コマンドである。また、コマンドC6XXHは、入賞時判定結果として、変動パターン種別決定用の乱数値MR3がいずれの決定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す変動カテゴリコマンドである。
この実施の形態では、入賞時乱数値判定処理(図14参照)において、始動入賞の発生に基づき、可変表示結果が「大当り」に決定されるか否かや「小当り」に決定されるか否か、大当りの種別、変動パターン種別決定用の乱数値MR3がいずれの決定値の範囲になるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、可変表示結果が「大当り」や「小当り」に決定されることを指定する値や、大当り種別を指定する値を設定し、演出制御基板12に対して送信する制御を行う。また、変動カテゴリコマンドのEXTデータに判定結果としての乱数値MR3が含まれる決定値の範囲を指定する値を設定し、演出制御基板12に対して送信する制御を行う。演出制御基板12に搭載された演出制御用CPU120は、図柄指定コマンドに設定されている値に基づいて、可変表示結果が「大当り」や「小当り」に決定されるか否か、大当り種別を認識できるとともに、変動カテゴリコマンドに設定されている値に基づいて、変動パターン種別決定用の乱数値MR3が所定範囲の決定値に含まれる場合には変動パターン種別を認識できる。
図柄指定コマンドの一例として、コマンドC400Hを可変表示結果が「ハズレ」となる場合に応じた第1図柄指定コマンドとし、コマンドC401Hを可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変」となる場合に応じた第2図柄指定コマンドとし、コマンドC402Hを可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」となる場合に応じた第3図柄指定コマンドとし、コマンドC403Hを可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となる場合に応じた第4図柄指定コマンドとし、コマンドC404Hを可変表示結果が「小当り」となる場合に応じた第5図柄指定コマンドとする。なお、図柄指定コマンドに設定されるEXTデータと、可変表示結果通知コマンドに設定されるEXTデータとを共通化してもよい。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
図4は、主基板11の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。図4に示すように、この実施の形態では、主基板11の側において、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3、変動パターン決定用の乱数値MR4、普図表示結果決定用の乱数値MR5のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。なお、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。
乱数回路104は、これらの乱数値MR1〜MR5の一部または全部を示す数値データをカウントするものであればよい。CPU103は、例えば図8に示す遊技制御カウンタ設定部154に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路104とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを更新することで、乱数値MR1〜MR5の一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。
特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「65535」の範囲の値をとる。大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合における飾り図柄の可変表示態様である大当り種別を「非確変」、「確変」、「突確」のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「100」の範囲の値をとる。
変動パターン種別決定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターン種別を、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「251」の範囲の値をとる。変動パターン決定用の乱数値MR4は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターンを、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「997」の範囲の値をとる。普図表示結果決定用の乱数値MR5は、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける可変表示結果を「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするかなどの決定を行うために用いられる乱数値であり、例えば「3」〜「13」の範囲の値をとる。
図5は、この実施の形態における変動パターンを示している。この実施の形態では、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。なお、可変表示結果が「ハズレ」で飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンは、非リーチ変動パターン(「非リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称され、可変表示結果が「ハズレ」で飾り図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンは、リーチ変動パターン(「リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称される。また、非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンは、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に対応したハズレ変動パターンに含まれる。可変表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンは、大当り変動パターンと称される。
大当り変動パターンやリーチ変動パターンには、ノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンと、スーパーリーチαまたはスーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンとがある。可変表示結果が「小当り」である場合に対応した変動パターンは、小当り変動パターンと称される。大当り変動パターンと小当り変動パターンは、可変表示結果が「大当り」または「小当り」となる場合に対応した当り変動パターンに含まれる。
図5に示す各変動パターンは、予め定められた複数の変動パターン種別のうち、少なくとも1つの変動パターン種別に含まれていてもよい。各変動パターン種別は、例えば飾り図柄の可変表示中に実行される演出動作の態様などに基づいて分類(グループ化)された単一または複数の変動パターンを含むように構成されてもよい。
一例として、複数の変動パターンをリーチ演出の種類(演出態様)で分類(グループ化)して、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならない変動パターンが含まれる変動パターン種別と、ノーマルリーチを伴う変動パターンが含まれる変動パターン種別と、スーパーリーチ(スーパーリーチαまたはスーパーリーチβ)を伴う変動パターンが含まれる変動パターン種別とに分けてもよい。また、スーパーリーチを伴う変動パターンについては、リーチ演出の内容(例えばスーパーリーチαであるかスーパーリーチβであるか)に応じて、異なる変動パターン種別に分類されるようにしてもよい。あるいは、所定の可変表示演出が実行されるか否かなどに応じて、異なる変動パターン種別に分類されるようにしてもよい。他の一例として、複数の変動パターンを飾り図柄の可変表示時間などに応じて、分類(グループ化)してもよい。複数の変動パターン種別のうちには、共通の変動パターンを含んで構成されたものがあってもよい。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、図5に示すような変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
図6は、ROM101に記憶される特図表示結果決定テーブルの構成例を示している。この実施の形態では、特図表示結果決定テーブルとして、図6(A)に示す第1特図表示結果決定テーブル130Aと、図6(B)に示す第2特図表示結果決定テーブル130Bとが、予め用意されている。第1特図表示結果決定テーブル130Aは、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームにおいて可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。第2特図表示結果決定テーブル130Bは、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。
第1特図表示結果決定テーブル130Aでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態または時短状態(低確状態)であるか、確変状態(高確状態)であるかに応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、「大当り」や「小当り」、「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられている。第2特図表示結果決定テーブル130Bでは、遊技状態が通常状態または時短状態(低確状態)であるか、確変状態(高確状態)であるかに応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、「大当り」や「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられている。
第1特図表示結果決定テーブル130Aや第2特図表示結果決定テーブル130Bにおいて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される決定値を示すテーブルデータは、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられる決定用データとなっている。第1特図表示結果決定テーブル130Aと第2特図表示結果決定テーブル130Bのそれぞれでは、遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態または時短状態(低確状態)であるときよりも多くの決定値が、「大当り」の特図表示結果に割り当てられている。これにより、パチンコ遊技機1において確変制御が行われる確変状態(高確状態)では、通常状態または時短状態(低確状態)であるときに比べて、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなる。すなわち、第1特図表示結果決定テーブル130Aと第2特図表示結果決定テーブル130Bのそれぞれでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態であるときに、通常状態や時短状態であるときに比べて大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなるように、決定用データが大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられている。
第1特図表示結果決定テーブル130Aの設定例では、所定範囲の決定値(「30000」〜「30099」の範囲の値)が「小当り」の特図表示結果に割り当てられている。その一方で、第2特図表示結果決定テーブル130Bの設定例では、「小当り」の特図表示結果に決定値が割り当てられていない。このような設定により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立したことに基づいて可変表示結果の判定を行う場合と、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立したことに基づいて可変表示結果の判定を行う場合とで、特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定される割合を、異ならせることができる。
特に、第2特図を用いた特図ゲームでは特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定されることがないので、例えば時短状態(低確高ベース状態)や確変状態(高確高ベース状態)といった、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい遊技状態において、賞球を得ることが困難な小当り遊技状態の頻発を回避して、遊技の間延びによる遊技興趣の低下を防止できる。なお、第2特図表示結果決定テーブル130Bにおいても、第1特図表示結果決定テーブル130Aにおける設定とは異なる所定範囲の決定値が、「小当り」の特図表示結果に割り当てられるようにしてもよい。例えば、第2特図表示結果決定テーブル130Bでは、第1特図表示結果決定テーブル130Aに比べて少ない決定値が、「小当り」の特図表示結果に割り当てられてもよい。こうして、時短状態や確変状態といった高ベース状態であるときには、通常状態や時短なし確変状態といった低ベース状態であるときよりも、小当り遊技状態に制御すると決定される割合が低くなるようにしてもよい。あるいは、第1開始条件と第2開始条件のいずれが成立したかにかかわらず、共通の特図表示結果決定テーブルを参照して、特図表示結果の決定を行うようにしてもよい。
図7は、ROM101に記憶される大当り種別決定テーブル131の構成例を示している。大当り種別決定テーブル131は、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定されたときに、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づき、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り種別決定テーブル131では、特図ゲームにおいて可変表示(変動)が行われた特別図柄が第1特図(第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲーム)であるか第2特図(第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲーム)であるかに応じて、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、「非確変」や「確変」、「突確」といった複数種類の大当り種別に割り当てられている。
大当り種別決定テーブル131の設定例では、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて、「突確」の大当り種別に対する決定値の割当てが異なっている。すなわち、変動特図が第1特図である場合には、所定範囲の決定値(「83」〜「100」の範囲の値)が「突確」の大当り種別に割り当てられる一方で、変動特図が第2特図である場合には、「突確」の大当り種別に対して決定値が割り当てられていない。このような設定により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合と、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合とで、大当り種別を「突確」に決定する割合を、異ならせることができる。特に、第2特図を用いた特図ゲームでは大当り種別を「突確」として短期開放大当り状態に制御すると決定されることがないので、例えば時短制御に伴う高開放制御により、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい遊技状態において、賞球を得ることが困難な短期開放大当り状態の頻発を回避して、遊技の間延びによる遊技興趣の低下を防止できる。
なお、変動特図が第2特図である場合にも、変動特図が第1特図である場合とは異なる所定範囲の決定値が、「突確」の大当り種別に割り当てられるようにしてもよい。例えば、変動特図が第2特図である場合には、変動特図が第1特図である場合に比べて少ない決定値が、「突確」の大当り種別に割り当てられてもよい。あるいは、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかにかかわらず、共通のテーブルデータを参照して、大当り種別の決定を行うようにしてもよい。
また、ROM101には、特図表示結果や、変動パターン種別決定用の乱数値MR3や、変動パターン決定用の乱数値MR4に基づいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照される変動パターン決定テーブルなどが記憶される。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部または全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特図プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。
このようなRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば図8に示すような遊技制御用データ保持エリア150が設けられている。図8に示す遊技制御用データ保持エリア150は、第1特図保留記憶部151Aと、第2特図保留記憶部151Bと、普図保留記憶部151Cと、遊技制御フラグ設定部152と、遊技制御タイマ設定部153と、遊技制御カウンタ設定部154と、遊技制御バッファ設定部155とを備えている。
第1特図保留記憶部151Aは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第1始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部151Aは、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第1始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部151Aに記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき所定の遊技価値が付与されるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
第2特図保留記憶部151Bは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第2始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部151Bは、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第2始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部151Bに記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき所定の遊技価値が付与されるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
なお、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第1始動条件の成立に基づく保留情報(第1保留情報)と、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第2始動入賞の成立に基づく保留情報(第2保留情報)とを、共通の保留記憶部にて保留番号と対応付けて記憶するようにしてもよい。この場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過(進入)したかを示す始動口データを保留情報に含め、保留番号と対応付けて記憶させればよい。
普図保留記憶部151Cは、通過ゲート41を通過した遊技球がゲートスイッチ21によって検出されたにもかかわらず、未だ普通図柄表示器20により開始されていない普図ゲームの保留情報を記憶する。例えば、普図保留記憶部151Cは、遊技球が通過ゲート41を通過した順に保留番号と対応付けて、その遊技球の通過に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された普図表示結果決定用の乱数値MR5を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
遊技制御フラグ設定部152には、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、遊技制御フラグ設定部152には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
遊技制御タイマ設定部153には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。例えば、遊技制御タイマ設定部153には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
遊技制御カウンタ設定部154には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するためのカウンタが複数種類設けられている。例えば、遊技制御カウンタ設定部154には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。ここで、遊技制御カウンタ設定部154には、遊技用乱数の一部または全部をCPU103がソフトウェアにより更新可能にカウントするためのランダムカウンタが設けられてもよい。
例えば、遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタには、乱数値MR2〜MR5を示す数値データが、ランダムカウント値として記憶され、CPU103によるソフトウェアの実行に応じて、定期的あるいは不定期に、各乱数値を示す数値データが更新される。CPU103がランダムカウント値を更新するために実行するソフトウェアは、ランダムカウント値を乱数回路104における数値データの更新動作とは別個に更新するためのものであってもよいし、乱数回路104から抽出された数値データの全部又は一部にスクランブル処理や演算処理といった所定の処理を施すことによりランダムカウント値を更新するためのものであってもよい。
遊技制御バッファ設定部155には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、遊技制御バッファ設定部155には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるI/O105は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
図2に示すように、演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。また、演出制御基板12には、リアルタイムクロック126も搭載されている。リアルタイムクロック126は、年/月/日/曜日や時/分/秒の情報を含む時刻情報を出力する機能を備える。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。
演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。さらに、演出制御基板12には、スティックコントローラ31Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、コントローラセンサユニット35Aから伝送するための配線や、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ35Bから伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。
一例として、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の演出装置(例えば画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9及び装飾用LED、演出用模型など)による演出動作を制御するために使用する演出制御パターンを複数種類格納した演出制御パターンテーブルが記憶されている。演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。演出制御パターンテーブルには、例えば特図変動時演出制御パターンと予告演出制御パターンと各種演出制御パターンとが格納されていればよい。
特図変動時演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、特図ゲームにおいて特別図柄の変動が開始されてから特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、飾り図柄の可変表示動作やリーチ演出、再抽選演出などにおける演出表示動作、あるいは、飾り図柄の可変表示を伴わない各種の演出表示動作といった、様々な演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。予告演出制御パターンは、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。
特図変動時演出制御パターンのうちには、例えばリーチ演出を実行する変動パターンごとに、それぞれのリーチ演出における演出態様を異ならせた複数種類のリーチ演出制御パターンが含まれてもよい。
図9(A)は、演出制御パターンの構成例を示している。特図変動時演出制御パターンや各種演出制御パターンといった、それぞれの演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値、表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データ、終了コードといった、各種の演出動作を制御するための制御データから構成され、時系列的に、各種の演出制御の内容や、演出制御の切換タイミング等が設定されていればよい。その他にも、演出制御パターンには、例えば遊技領域の内部または外部に設けられた可動部材における動作制御の内容等を指定する可動部材制御データなどが、含まれていてもよい。演出制御プロセスタイマ判定値は、演出制御用マイクロコンピュータ120に内蔵された演出制御用RAMの所定領域に設けられた演出制御プロセスタイマの値(演出制御プロセスタイマ値)と比較される値(判定値)であって、各演出動作の実行時間(演出時間)に対応した判定値が予め設定されている。なお、演出制御プロセスタイマ判定値に代えて、例えば主基板11から所定の演出制御コマンドを受信したことや、演出制御用マイクロコンピュータ120において演出動作を制御するための処理として所定の処理が実行されたことといった、所定の制御内容や処理内容に対応して、演出制御の切換タイミング等を示すデータが設定されていてもよい。
表示制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における各飾り図柄の変動態様を示すデータといった、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示態様を示すデータが含まれている。すなわち、表示制御データは、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を指定するデータである。音声制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における飾り図柄の可変表示動作に連動した効果音等の出力態様を示すデータといった、スピーカ8L、8Rからの音声出力態様を示すデータが含まれている。すなわち、音声制御データは、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作を指定するデータである。ランプ制御データには、例えば遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった、発光体の点灯動作態様を示すデータが含まれている。すなわち、ランプ制御データは発光体の点灯動作を指定するデータである。操作検出制御データには、例えば操作ボタン30といった操作部に対する操作を有効に検出する期間や、有効に検出した場合における演出動作の制御内容等を示すデータが含まれている。すなわち、操作検出制御データは、操作部に対する操作に応じた演出動作を指定するデータである。なお、これらの制御データは、全ての演出制御パターンに含まれなければならないものではなく、各演出制御パターンによる演出動作の内容に応じて、一部の制御データを含んで構成される演出制御パターンがあってもよい。
図9(B)は、演出制御パターンの内容に従って実行される各種の演出動作を説明するための図である。演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれる各種の制御データに従って、演出動作の制御内容を決定する。例えば、演出制御プロセスタイマ値が演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したときには、その演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた表示制御データにより指定される態様で飾り図柄を表示させるとともに、キャラクタ画像や背景画像といった演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させる制御を行う。また、音声制御データにより指定される態様でスピーカ8L、8Rから音声を出力させる制御を行うとともに、ランプ制御データにより指定される態様で遊技効果ランプ9や装飾用LED等の発光体を点滅させる制御を行い、操作検出制御データにより指定される操作有効期間にてスティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bに対する操作を受け付けて演出内容を決定する制御を行う。なお、演出制御プロセスタイマ判定値と対応していても制御対象にならない演出用部品に対応するデータには、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されてもよい。
図9(B)に示す演出動作は、飾り図柄の変動が開始されてから最終停止するまでの期間全体に対応しているが、これに限定されるものではなく、飾り図柄の可変表示中における一部の期間(例えば予告演出を実行する期間など)に対応して演出動作を実行するための演出制御パターンが設けられてもよい。あるいは、飾り図柄の可変表示中以外の所定期間(例えば大当り遊技状態においてラウンドを実行中の期間や、大当り遊技状態の終了時にエンディング演出を実行する期間など)に対応して演出動作を実行するための演出制御パターンが設けられてもよい。
演出制御用CPU120は、例えば飾り図柄の可変表示を開始するときなどに、変動パターン指定コマンドに示された変動パターンなどに基づいて演出制御パターン(特図変動時演出制御パターン)をセットする。また、演出制御用CPU120は、例えば予告演出といった所定演出の実行を開始するときなどに、対応する演出制御パターン(予告演出制御パターン)をセットする。ここで、演出制御パターンをセットする際には、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータを、ROM121から読み出してRAM122の所定領域に一時記憶させてもよいし、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータのROM121における記憶アドレスを、RAM122の所定領域に一時記憶させて、ROM121における記憶データの読出位置を指定するだけでもよい。その後、演出制御プロセスタイマ値が更新されるごとに、演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したか否かの判定を行い、合致した場合には、対応する各種の制御データに応じた演出動作の制御を行う。このように、演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれるプロセスデータ#1〜プロセスデータ#n(nは任意の整数)の内容に従って、演出装置(画像表示装置5、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9や装飾用LED等の発光体、演出用模型が備える可動部材など)の制御を進行させる。なお、各プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、演出制御プロセスタイマ判定値#1〜#nと対応付けられた表示制御データ#1〜表示制御データ#n、音声制御データ#1〜音声制御データ#n、ランプ制御データ#1〜ランプ制御データ#n、操作検出制御データ#1〜操作検出制御データ#nは、演出装置における演出動作の制御内容を示し、演出制御の実行を指定する演出制御実行データ#1〜演出制御実行データ#nを構成する。
こうしてセットした演出制御パターンに従った指令が、演出制御用CPU120から表示制御部123や音声制御基板13などに対して出力される。演出制御用CPU120からの指令を受けた表示制御部123では、例えば所定のVDP等がその指令に示される画像データをCGROM等の画像データメモリから読み出してVRAMに一時記憶させることなどにより展開させる。また、演出制御用CPU120からの指令を受けた音声制御基板13では、例えば音声合成用ICがその指令に示される音声データを音声データROMから読み出して音声RAM等に一時記憶させることなどにより展開させる。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、例えば図10(A)に示すような演出制御用データ保持エリア190が設けられている。図10(A)に示す演出制御用データ保持エリア190は、演出制御フラグ設定部191と、演出制御タイマ設定部192と、演出制御カウンタ設定部193と、演出制御バッファ設定部194とを備えている。
演出制御フラグ設定部191には、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示状態などといった演出動作状態や主基板11から伝送された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、演出制御フラグ設定部191には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
演出制御タイマ設定部192には、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示動作などといった各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。例えば、演出制御タイマ設定部192には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
演出制御カウンタ設定部193には、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。例えば、演出制御カウンタ設定部193には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。
演出制御バッファ設定部194には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、演出制御バッファ設定部194には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
この実施の形態では、図10(B)に示すような始動入賞時受信コマンドバッファ194Aを構成するデータが、演出制御バッファ設定部194の所定領域に記憶される。始動入賞時受信コマンドバッファ194Aには、合計保留記憶数の最大値(例えば「8」)に対応した格納領域(バッファ番号「1」〜「8」に対応した領域)が設けられている。第1始動入賞口や第2始動入賞口への始動入賞があったときには、始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンドまたは第2始動口入賞指定コマンド)や図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、及び保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンド)という4つのコマンドを1セットして、主基板11から演出制御基板12へと送信される。始動入賞時受信コマンドバッファ194Aには、これらの始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンドを対応付けて格納できるように記憶領域が確保されている。
演出制御用CPU120は、始動入賞時に受信した順番でコマンドを始動入賞時受信コマンドバッファ194Aの空き領域における先頭から格納していく。始動入賞時には、始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンドの順にコマンド送信が行われる。したがって、コマンド受信が正常に行われれば、図10(B)に示すように、バッファ番号「1」〜「8」のそれぞれに対応する格納領域に、始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンドの順に格納されていくことになる。なお、図10(B)では、バッファ番号「1」〜「6」に対応する格納領域にてコマンドが格納されている。
図10(B)に示す始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納されているコマンドは、飾り図柄の可変表示を開始するごとに、1つ目の格納領域(バッファ番号「1」に対応した領域)に格納されているものから削除され、以降の記憶内容がシフトされる。例えば図10(B)に示す格納状態において新たな飾り図柄の可変表示が開始された場合には、バッファ番号「1」に格納されている各コマンドが削除され、バッファ番号「2」に対応した領域にて格納されている各コマンドがバッファ番号「1」に対応した領域にシフトされ、バッファ番号「3」〜「6」のそれぞれに対応した領域にて格納されている各コマンドが、バッファ番号「2」〜「5」に対応した領域にシフトされる。
図10(B)に示す始動入賞時受信コマンドバッファ194Aのうち、バッファ番号「6」に対応した領域については、コマンド受信を正常に行えず、保留記憶数通知コマンドを取りこぼした場合の例が示されている。そのため、図10(B)に示す例では、バッファ番号「6」に対応して、本来、保留記憶数通知コマンドが格納されるべき4つ目の記憶領域における内容が「0000(H)」のままとなっている。
始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納される始動入賞時のコマンド(始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド及び保留記憶数通知コマンド)に基づいて、先読み予告演出を実行するか否かや、実行する場合における先読み予告パターンが決定される。このとき、始動入賞時のコマンドに取りこぼしや不整合が発生した場合には、それらのコマンドに対応する保留情報の可変表示が実行(消化)されるまで、先読み予告演出の設定が行われないように制限される。こうした先読み予告演出の設定が制限される期間(先読み予告制限中)に始動入賞時のコマンドを受信した場合に、その受信タイミングで先読み予告演出の設定が行われなかったものに対応して、未判定情報が「1」(あるいはオン状態)にセットされる。なお、先読み予告演出の実行を制限する場合には、所定期間内に発生した始動入賞に対応する可変表示を対象とする先読み予告演出について、全部の態様の先読み予告演出を実行しないようにしてもよいし、一部の態様の先読み予告演出を実行しないようにしてもよい。
図10(B)に示す始動入賞時受信コマンドバッファ194Aには、各バッファ番号(保留番号)に保留記憶表示の表示態様を示す「保留表示態様」が対応づけて記憶される。この「保留表示態様」の値が「0」である場合は通常の表示態様となり、「1」や「2」である場合は通常の表示態様とは異なる特別態様であることを示す。例えば、先読み保留予告が実行されている場合には特別態様となる。
次に、本実施の形態におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM101がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図11のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図11に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(ステップS11)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS12)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する(ステップS13)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる乱数値MR1〜MR5といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS14)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS15)。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS16)。CPU103は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする。
普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(ステップS17)。一例として、コマンド制御処理では、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図12は、特別図柄プロセス処理として、図11に示すステップS15にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。図13は、始動入賞判定処理として、図12のステップS101にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。
図13に示す始動入賞判定処理において、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(ステップS201)。このとき、第1始動口スイッチ22Aがオンであれば(ステップS201;Yes)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS202;No)、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値を、「1」に設定する(ステップS203)。
ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(ステップS201;No)、ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(ステップS202;Yes)、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bからの検出信号に基づき、第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(ステップS204)。このとき、第2始動口スイッチ22Bがオンであれば(ステップS204;Yes)、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(ステップS205)。CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS205にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS205;No)、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値を、「2」に設定する(ステップS206)。
ステップS203、S206の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファの格納値である始動口バッファ値に応じた特図保留記憶数を1加算するように更新する(ステップS207)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。このときには、合計保留記憶数も1加算するように更新する(ステップS208)。例えば、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新すればよい。
ステップS208の処理を実行した後に、CPU103は、乱数回路104や遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データを、抽出する(ステップS209)。こうして抽出した各乱数値を示す数値データは、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭に、保留情報としてセットされることで記憶される(ステップS210)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、第1特図保留記憶部151Aに乱数値MR1〜MR3を示す数値データがセットされる一方、始動口バッファ値が「2」であるときには、第2特図保留記憶部151Bに乱数値MR1〜MR3を示す数値データがセットされる。
特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データは、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否か、さらには可変表示結果を「大当り」とする場合の大当り種別を決定するために用いられる。変動パターン種別決定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示時間を含む変動パターンが属する変動パターン種別を決定するために用いられる。CPU103は、ステップS209の処理を実行することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果や可変表示時間を含む可変表示態様の決定に用いられる乱数値のうち、一部または全部を示す数値データを抽出する。
ステップS210の処理に続いて、始動口バッファ値に応じた始動口入賞指定コマンドの送信設定が行われる(ステップS211)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときにはROM101における第1始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタにより指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して第1始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときにはROM101における第2始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファのバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して第2始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。こうして設定された始動口入賞指定コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図11に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
ステップS211の処理に続いて、入賞時乱数値判定処理を実行する(ステップS212)。その後、例えばROM101における保留記憶数通知コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う(ステップS213)。こうして設定された保留記憶数通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図11に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
ステップS213の処理を実行した後には、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS214)。このとき、始動口バッファ値が「1」であれば(ステップS214;「1」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS215)、ステップS204の処理に進む。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには(ステップS214;「2」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS216)、始動入賞判定処理を終了する。これにより、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
図14は、入賞時乱数値判定処理として、図13のステップS212にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この実施の形態において、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるときには、特別図柄通常処理により、特図表示結果(特別図柄の可変表示結果)を「大当り」や「小当り」として大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御するか否かの決定が行われる。また、変動パターン設定処理において、飾り図柄の可変表示態様を抽象的に分類した変動パターン種別の決定や、飾り図柄の可変表示態様を具体的に規定する変動パターンの決定などが行われる。他方、これらの決定とは別に、遊技球が始動入賞口(第1始動入賞口または第2始動入賞口)にて検出されたタイミングで、CPU103がステップS212の入賞時乱数値判定処理を実行することにより、特図表示結果として大当り図柄や小当り図柄を導出表示すると決定される乱数値MR1であるか否かの判定や、飾り図柄の可変表示態様がスーパーリーチを伴う所定表示態様となるか否かの判定などを行う。これにより、始動入賞口に進入した遊技球の検出に基づく特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるより前に、特図表示結果が「大当り」や「小当り」となることや、飾り図柄の可変表示態様が所定表示態様となることを先読みし、この先読み結果に基づいて、演出制御基板12の側で演出制御用CPU120などにより、先読み予告演出を実行するか否かを、決定することができる。
図14に示す入賞時乱数値判定処理において、CPU103は、まず、例えば遊技制御フラグ設定部152などに設けられた時短フラグや確変フラグの状態を確認することなどにより、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を特定する(ステップS401)。CPU103は、確変フラグがオンであるときには確変状態であることを特定し、確変フラグがオフで時短フラグがオンであるときには時短状態であることを特定し、確変フラグと時短フラグがともにオフであるときには通常状態であることを特定すればよい。
ステップS401の処理に続いて、第1特図表示結果決定テーブル130Aまたは第2特図表示結果決定テーブル130Bを構成するテーブルデータから、始動口バッファ値(「1」または「2」)や現在の遊技状態に対応して特図表示結果の決定に用いられる特図表示結果決定用テーブルデータを選択する(ステップS402)。その後、図13のステップS209にて抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データが所定の大当り判定範囲内であるか否かを判定する(ステップS403)。大当り判定範囲には、ステップS402の処理により選択された特図表示結果決定用テーブルデータにおいて「大当り」の特図表示結果に割り当てられた個々の決定値が設定され、CPU103が乱数値MR1と各決定値とを逐一比較することにより、乱数値MR1と合致する決定値の有無を判定できればよい。あるいは、大当り判定範囲に含まれる決定値の最小値(下限値)と最大値(上限値)とを示す数値を設定して、CPU103が乱数値MR1と大当り判定範囲の最小値や最大値とを比較することにより、乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であるか否かを判定できればよい。このとき、乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であると判定されることにより、その乱数値MR1を含む保留データに基づく可変表示結果が「大当り」に決定されると判定(大当り始動判定)できる。
ステップS403にて大当り判定範囲内ではないと判定された場合には(ステップS403;No)、その乱数値MR1を示す数値データが所定の小当り判定範囲内であるか否かを判定する(ステップS404)。CPU103は、ステップS402の処理により選択された特図表示結果決定用テーブルデータにおいて「小当り」の特図表示結果に割り当てられた決定値について、大当り判定範囲の場合と同様の処理を実行することにより、乱数値MR1が小当り判定範囲の範囲内であるか否かを判定できればよい。ステップS404にて小当り判定範囲内ではないと判定された場合には(ステップS404;No)、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に応じた図柄指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS405)。一例として、CPU103は、図柄指定コマンドにおけるEXTデータを「00H」とするためのコマンドテーブルなどを設定すればよい。
ステップS405の処理に続いて、ステップS401の処理により特定された現在の遊技状態における時短制御の有無に応じて、ハズレ用の変動パターン種別判定閾値を設定する(ステップS406)。変動パターン種別判定閾値は、変動パターン種別決定用の乱数値MR3が含まれる決定値の範囲を特定し、変動パターン種別などに応じて予め設定された複数種類の変動カテゴリのうち、いずれに決定されるかを判定するために設定される判定値となる。この実施の形態では、少なくとも可変表示結果が「ハズレ」となる場合に、時短制御の有無や合計保留記憶数にかかわらず共通して「非リーチ」の可変表示態様となる変動カテゴリ(「非リーチ共通」の変動カテゴリ)、時短制御の有無や合計保留記憶数にかかわらず共通して「スーパーリーチ」の可変表示態様となる変動カテゴリ(「スーパーリーチ共通」の変動カテゴリ)、それら以外の「ハズレ」の変動カテゴリ(「その他のハズレ」の変動カテゴリ)が設けられる。そして、乱数値MR3に基づいて、このような変動カテゴリに決定されるか否かを判定できればよい。
ステップS404にて小当り判定範囲内であると判定された場合には(ステップS404;Yes)、可変表示結果が「小当り」となる場合に応じた図柄指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS407)。一例として、CPU103は、図柄指定コマンドにおけるEXTデータを「04H」とするためのコマンドテーブルなどを設定すればよい。ステップS407の処理に続いて、小当り用の変動パターン種別判定閾値を設定する(ステップS408)。例えば、ステップS408の処理では、「251」を小当り用の変動パターン種別判定閾値に設定する。ここで、「251」は、変動パターン種別決定用の乱数値MR3における最大値であり、乱数値MR3は常に小当り用の変動パターン種別判定閾値以下の値となる。すなわち、可変表示結果が「小当り」となる場合に応じた変動カテゴリは1つのみ設けられて、その変動カテゴリに決定されると判定される。
ステップS403にて大当り判定範囲内であると判定された場合には(ステップS403;Yes)、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づいて、大当り種別を判定する(ステップS409)。このとき、CPU103は、始動口バッファ値に対応して特定される変動特図(「1」に対応する「第1特図」または「2」に対応する「第2特図」)に応じて、大当り種別決定テーブル131を構成するテーブルデータから大当り種別決定用テーブルデータを選択する。そして、選択した大当り種別決定用テーブルデータを参照することにより、大当り種別が複数種別のいずれに決定されるかを判定する。こうしたステップS409の処理による判定結果に応じた図柄指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定が行われる(ステップS410)。一例として、ステップS409にて大当り種別が「確変」に決定されると判定した場合には図柄指定コマンドにおけるEXTデータを「01H」とし、大当り種別が「非確変」に決定されると判定した場合には図柄指定コマンドにおけるEXTデータを「02H」とし、大当り種別が「突確」に決定されると判定した場合には図柄指定コマンドにおけるEXTデータを「03H」とするためのコマンドテーブルなどを設定すればよい。ステップS410の処理に続いて、ステップS409の処理による判定結果に応じた変動パターン種別判定閾値を設定する(ステップS411)。
ステップS406、S408、S411の処理のいずれかを実行した後には、それぞれの処理にて設定された変動パターン種別判定閾値と、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データとを用いて、乱数値MR3が含まれる決定値の範囲に応じた変動カテゴリを判定する(ステップS412)。
なお、ステップS406、S408、S411の処理により、予め定められた変動パターン種別判定閾値を設定するものに代えて、変動パターン種別決定テーブルのいずれかを設定して、変動カテゴリとしていずれの変動パターン種別に決定されるかの判定を行うようにしてもよい。その後、ステップS412の処理による判定結果に応じた変動カテゴリコマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定を行ってから(ステップS413)、入賞時乱数値判定処理を終了する。
図14に示す入賞時乱数値判定処理では、可変表示結果が「大当り」や「小当り」となる場合でも一律に変動パターン種別決定用の乱数値MR3が含まれる決定値の範囲となる変動カテゴリの判定を行うようにしている。これに対して、可変表示結果が「大当り」や「小当り」に決定される場合には変動カテゴリの判定を行わないようにしてもよい。この場合、可変表示結果が「大当り」または「小当り」となることに応じた図柄指定コマンドを送信するとともに、可変表示結果が「大当り」または「小当り」であるときの変動パターン種別となることを包括的に示す変動カテゴリコマンドを送信するようにしてもよい。
図13に示す始動入賞判定処理や図14に示す入賞時乱数値判定処理では、図13におけるステップS211の処理を実行した後に、ステップS212にて図14に示す入賞時乱数値判定処理が実行されることで、図14におけるステップS405、S407、S410、S413の処理を実行し、さらに図13におけるステップS214の処理を実行する。これらの処理が実行されてから、図11に示すステップS17のコマンド制御処理を実行することにより、第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動条件や第2始動条件が成立したときには、始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンドまたは第2始動口入賞指定コマンド)、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンド)という4つのコマンドが1セットとして、1タイマ割込内に一括して送信される。なお、1タイマ割込内に一括して送信されるものに限定されず、タイマ割込毎にステップS17のコマンド制御処理により1つずつコマンドが順次に送信されてもよい。
図12のステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S120の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部151Aや第2特図保留記憶部151Bに記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。なお、この実施の形態では、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるようになっている(特図2優先消化ともいう)。そのため、特別図柄通常処理では、第1特図を用いた特図ゲームの実行条件、及び、第2特図を用いた特図ゲームの実行条件が成立している場合(第1特図保留記憶部151A及び第2特図保留記憶部151Bに保留データが記憶されている場合)には、第2特図を用いた特図ゲームの開始条件を優先的に成立させる制御が実行される。なお、これに対して、第1始動入賞口及び第2始動入賞口への遊技球の入賞順序を記憶し、入賞順に特図ゲームの開始条件を成立させるようにしてもよい(入賞順消化ともいう)。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かの事前決定結果などに基づき、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データを用いて変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定する処理や、変動パターン種別の決定結果に基づき、変動パターン決定用の乱数値MR4を示す数値データを用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターン設定処理が実行されて特別図柄の可変表示が開始されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS110の特別図柄通常処理やステップS111の変動パターン設定処理により、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄や特別図柄及び飾り図柄の可変表示時間を含む変動パターンが決定される。すなわち、特別図柄通常処理や変動パターン設定処理は、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3、変動パターン決定用の乱数値MR4を用いて、特別図柄や飾り図柄の可変表示態様を決定する処理を含んでいる。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。例えば、ステップS112の特別図柄変動処理が実行されるごとに、遊技制御タイマ設定部153に設けられた特図変動タイマにおける格納値である特図変動タイマ値を1減算あるいは1加算して、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームであるかにかかわらず、共通のタイマによって経過時間の測定が行われる。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。このように、ステップS112の特別図柄変動処理は、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動や、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動を、共通の処理ルーチンによって制御する処理となっていればよい。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフであり、小当りフラグがオンである場合には、特図プロセスフラグの値が“8”に更新される。また、大当りフラグと小当りフラグがともにオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、例えば大当り種別が「非確変」、「確変」、「突確」のいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定するようにしてもよい。一例として、大当り種別が「非確変」または「確変」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「15回」に設定することにより、通常開放大当り状態とする設定が行われればよい。一方、大当り種別が「突確」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.1秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「15回」に設定することにより、短期開放大当り状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に大当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、大入賞口開放回数最大値に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
ステップS118の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この小当り開放前処理には、可変表示結果が「小当り」となったことに基づき、小当り遊技状態において大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。一例として、可変表示結果が「小当り」となったときには、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となったときと同様に、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.1秒」に設定するとともに、大入賞口の開放回数を「15回」に設定することにより、小当り遊技状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“9”に更新される。
ステップS119の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この小当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対する駆動信号の供給を停止させる処理などが実行されればよい。
ステップS120の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“10”のときに実行される。この小当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、小当り遊技状態の終了を報知する演出動作が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理などが含まれている。ここで、小当り遊技状態が終了するときには、確変フラグや時短フラグの状態を変更しないようにして、小当り遊技状態となる以前のパチンコ遊技機1における遊技状態を継続させる。小当り遊技状態の終了時における待ち時間が経過したときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
図15は、図12のステップS117にて実行される大当り終了処理の一例を示すフローチャートである。図15に示す大当り終了処理において、CPU103は、まず、大当り終了時演出待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS321)。一例として、図12に示すステップS116の大当り開放後処理では、特図プロセスフラグの値を“7”に更新するときに、大当り終了時演出待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が遊技制御プロセスタイマにセットされる。この場合、ステップS321の処理では、例えば遊技制御プロセスタイマ値を1減算することなどにより更新し、更新後の遊技制御プロセスタイマ値が所定の待ち時間経過判定値(例えば「0」など)と合致したか否かに応じて、大当り終了時演出待ち時間が経過したか否かを判定すればよい。ステップS321にて大当り終了時演出待ち時間が経過していなければ(ステップS321;No)、そのまま大当り終了処理を終了する。
これに対して、ステップS321にて大当り終了時演出待ち時間が経過した場合には(ステップS321;Yes)、遊技制御バッファ設定部155に記憶されている大当り種別バッファ値を読み出して(ステップS322)、大当り種別が「非確変」、「確変」、「突確」のいずれであったかを特定する。このときには、特定された大当り種別が「非確変」であるか否かを判定する(ステップS323)。そして、大当り種別が「非確変」ではないと判定された場合には(ステップS323;No)、確変制御を開始するための設定を行う(ステップS324)。例えば、CPU103は、確変フラグをオン状態にセットする。
ステップS323にて大当り種別が「非確変」であると判定された場合や(ステップS323;Yes)、ステップS324の処理を実行した後には、時短制御を開始するための設定を行う(ステップS325)。例えば、CPU103は、時短フラグをオン状態にセットするとともに、時短制御中に実行可能な特図ゲームの上限値に対応して予め定められたカウント初期値(例えば「100」など)を、時短回数カウンタに設定する。なお、大当り種別が「突確」である場合には、短期開放大当り状態となる以前に時短制御が行われていたか否かに応じて、時短制御を開始する設定を行うか否かを異ならせてもよい。また、大当り種別が「確変」である場合には、時短回数カウント値の初期設定は行わず、次に特図表示結果が「大当り」となるまで、確変制御と時短制御の双方が継続して行われるように設定してもよい。その後、特図プロセスフラグの値を“0”に初期化してから(ステップS326)、大当り終了処理を終了する。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、図16のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図16に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS71)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。
次いで、演出制御用CPU120は、リアルタイムクロック126から時刻情報を読み出し(ステップS71A)、読み出した時刻情報に基づいて現在の時刻を特定し、特定した時刻に応じて時間計測タイマをセットする(ステップS71B)。この実施の形態では、毎時00分に時間計測タイマがタイムアウトするように時間計測タイマに値がセットされる。一般に、遊技店は10時頃開店することから、ステップS71Bでは、11:00にタイムアウトするように時間計測タイマをセットする。例えば、時刻情報に基づいて特定した現在の時刻が9:50であった場合には、ステップS71Bにおいて、11:00までの70分間に相当する値を時間計測タイマにセットする。
なお、この実施の形態では、リアルタイムクロック126及び時間計測タイマを用いて計時する場合を示しているが、計時方法は、この実施の形態で示したものに限定されない。例えば、リアルタイムクロック126を用いることなく、ステップS71Bや後述する時間計測処理のステップS74Aで一律に1時間に相当する値を時間計測タイマにセットして、遊技機への電源供給を開始してから1時間ごとに時間計測タイマがタイムアウトして後述する特定演出(一斉演出)が実行されるように構成してもよい。
その後、演出制御用CPU120は、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS72)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS72;No)、ステップS72の処理を繰り返し実行して待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えば演出制御バッファ設定部194に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。一例として、演出制御コマンドが2バイト構成である場合には、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)を順次に受信して演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
ステップS72にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS72;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS73)、コマンド解析処理を実行する(ステップS74)。ステップS74にて実行されるコマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
ステップS74にてコマンド解析処理を実行した後には、時間計測処理を行う(ステップS74A)。時間計測処理では、時間計測タイマを用いて時間計測を行う処理を実行する。ステップS74Aにて時間計測処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS75)。ステップS75の演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった装飾発光体における点灯動作、演出用模型における駆動動作といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。
ステップS75の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS76)、演出制御に用いる各種の乱数値として、演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。その後、ステップS72の処理に戻る。
図17は、図16に示す演出制御メイン処理における時間計測処理(ステップS74A)を示すフローチャートである。時間計測処理では、演出制御用CPU120は、まず、時間計測タイマの値を1減算し(ステップS851)、減算後の時間計測タイマがタイムアウトまであと「60秒」となったか否かを確認する(ステップS852)。タイムアウトまであと「60秒」であれば、特定演出前演出(第1のカウント演出)の開始条件が成立したことを示す前演出開始条件成立フラグをオン状態にセットする(ステップS853)。
ステップS852にて時間計測タイマがタイムアウトまであと「60秒」でないと判定された場合や(ステップS852;No)、ステップS853の処理を実行した後には、時間計測タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(ステップS854)。タイムアウトしていなければ、そのまま処理を終了する。時間計測タイマがタイムアウトしていれば、演出制御用CPU120は、特定演出の開始条件が成立したことを示す特定演出開始条件成立フラグをセットする(ステップS855)。
「特定演出(一斉演出)」とは、所定条件が成立したこと(例えば、毎時00分になったこと)に基づいて所定期間(例えば5分間)にわたって実行される演出であり、例えば、所定条件が成立したタイミングで、遊技店内に設置された複数台の遊技機において一斉に実行される演出(一斉演出)である。この特定演出は、後述する図30(E)〜(I)に示すように、例えばトラックなどのオブジェクトが登場するような態様の動画によって実行される演出である。この実施の形態では、毎時00分になったことに基づいて所定条件が成立し、所定期間(例えば5分間)にわたって所定の動画再生を、遊技店内に設置された複数台のパチンコ遊技機1において一斉に開始するような態様の演出が特定演出として実行される。具体的には、この実施の形態では、毎時00分になると時間計測タイマがタイムアウトして特定演出開始条件成立フラグがセットされ(ステップS854、S855参照)、特定演出開始条件成立フラグがセットされたことに基づいて、後述する特定演出処理(図22に示すステップS169参照)において特定演出が実行される。
また、「特定演出前演出」とは、特定演出が開始するタイミングを報知する演出(一斉演出前演出:一斉演出前カウント演出)であり、例えば、所定条件の成立(例えば特定演出の開始まであと「60秒」になること)に基づいて開始され、特定演出の開始までの数値(例えば残時間など)をカウント形式で報知する態様(例えば、「60」、「59」、…、「2」、「1」、「0」などのようにカウントダウン形式で報知する)で所定期間(例えば60秒間)実行される演出である。この実施の形態では、毎時00分となる60秒前に前演出開始条件成立フラグがセットされ(ステップS852、S853参照)、前演出開始条件成立フラグがセットされたことに基づいて、後述する特定演出前演出処理(図22に示すステップS168参照)において特定演出前演出が実行される。よって、遊技店内の複数台の遊技機において一斉に実行される特定演出の開始前に、特定演出前演出が開始されるので、遊技者は特定演出の開始時期を知ることができる。
次いで、演出制御用CPU120は、リアルタイムクロック126から時刻情報を読み出す(ステップS856)。次いで、演出制御用CPU120は、読み出した時刻情報に基づいて現在の時刻を特定し、特定した時刻に応じて時間計測タイマをセットする(ステップS857)。この実施の形態では、毎時00分に時間計測タイマがタイムアウトするように時間計測タイマに値がセットされる。例えば、時刻情報に基づいて特定した現在の時刻が11:00であった場合には、ステップS71Bにおいて、次の12:00までの60分間に相当する値を時間計測タイマにセットする。
なお、この実施の形態では、時間計測タイマをセットするごとにリアルタイムクロック126から時刻情報を読み出す場合を示しているが、遊技機への電源投入時のみリアルタイムクロック126から時刻情報を読み出して時間計測タイマをセットするようにし(ステップS71A、S71B参照)、電源投入後2回目以降に時間計測タイマをセットする場合には、リアルタイムクロック126から時刻情報を読み出すことなく、一律に60分間に相当する値を時間計測タイマにセットするようにしてもよい。そのようにすれば、ステップS856の処理は不要となる。ただし、この実施の形態では、時間計測タイマをセットするごとにリアルタイムクロック126から時刻情報を読み出すようにすることによって、より正確に毎時00分に時間計測タイマがタイムアウトして特定演出を開始できるようにしている。
図18は、演出制御プロセス処理として、図16のステップS75にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図18に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、まず、先読み予告設定処理(ステップS166)を実行する。先読み予告設定処理では、例えば先読み予告抽選の開始条件が成立したとき(例えば、低ベース状態にて保留4個になったとき)に先読み予告抽選を行い、それに当選した場合に先読み予告演出の種類を決定するなどの制御が含まれる先読み予告実行処理を実行する(ステップS167)。
図19は、図18のステップS166にて実行される先読み予告設定処理の一例を示すフローチャートである。図19に示す先読み予告設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、第1始動口入賞指定コマンド又は第2始動口入賞指定コマンドを新たに受信しているか否かを判定する(ステップS751)。いずれの入賞指定コマンドを受信していない場合(ステップS751;No)、先読み予告設定処理を終了する。なお、ステップS751では、第1始動口入賞指定コマンド又は第2始動口入賞指定コマンドの一方のみを新たに受信しているか否かを判定し、第1始動口への入賞に基づく先読み予告演出又は第2始動口への入賞に基づく先読み予告演出の一方を実行するものであってもよい。
入賞指定コマンドを受信した場合(ステップS751;Yes)には、演出制御用CPU120は、遊技状態が低ベース状態であるか否かを判定する(ステップS752)。なお、遊技状態は、主基板11から送信される遊技状態指定コマンドから特定すればよい。低ベース状態でない場合には(ステップS752;No)、先読み予告設定処理を終了する。即ち、この実施の形態では、低ベース状態であることが先読み予告演出を実行するための一つの条件となっている。
遊技状態が低ベース状態であれば(ステップS752;Yes)、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aを確認することなどにより、現在の特図保留記憶数(第1特図保留記憶数、あるいは合計保留記憶数)が4個であるか否かを判定する(ステップS753)。なおこの実施の形態では、低ベース状態においてのみステップS753の処理が実行される。従って、現在の特図保留記憶数は第1特図保留記憶数と等しくなることが原則である。例外的に、第2始動入賞口への入賞が発生して、第2特図保留記憶数が0でない場合には、現在の特図保留記憶数を合計保留記憶数としてもよい。また、第2特図保留記憶数が0でない場合であっても、現在の特図保留記憶数は第1特図保留記憶数としてもよい。
現在の特図保留記憶数が4個である場合には(ステップS753;Yes)、4個目の保留データ(適宜に「ターゲット」とも呼ぶ)に対して先読み予告演出(保留表示予告)を実行するか否かを判定する(ステップS754)。一例として、ステップS754の処理では、先読み予告演出の実行の有無を決定するための使用テーブルとして、予め用意された先読み予告決定テーブルを選択してセットする。先読み予告決定テーブルでは、予告対象となる可変表示に対応する始動入賞の発生に基づいて送信された変動カテゴリコマンドの指定内容などに応じて、先読み予告種別決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、先読み予告演出を実行しない場合に対応する決定結果や、先読み予告演出を実行する場合に対応する決定結果に、割り当てられていればよい。その後、演出制御用CPU120は、例えば乱数回路124や演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどから抽出した先読み予告決定用の乱数値を示す数値データに基づいて、先読み予告決定テーブルを参照することにより、先読み予告演出の有無を決定すればよい。
ステップS754の処理では、例えば図20(A)に示すような決定割合で、先読み予告演出の実行の有無が決定されればよい。図20(A)に示す決定割合の設定例では、変動カテゴリに応じて、先読み予告演出の有無の決定割合を異ならせている。図20(A)に示すように、変動カテゴリが「スーパーリーチ共通」や「小当り」である場合には、「非リーチ共通」や「その他のハズレ」である場合よりも、先読み予告演出が実行される割合(「実行あり」に決定される割合)が高くなっており、変動カテゴリが「大当り」である場合には、「非リーチ共通」や「その他のハズレ」である場合よりも、先読み予告演出が実行される割合が高くなっている。このような設定により、保留記憶表示の表示態様が特別態様となったことによって、予告対象の可変表示結果やスーパーリーチの有無を示唆することができる。
ステップS754において4個目の保留データ(ターゲット)に対して先読み予告演出を実行すると決定された場合(ステップS755;Yes)には、今回の変動の実行時に4個目の保留データ(ターゲット)に対しての先読み予告演出の種類を決定する先読み予告種類決定処理を実行する(ステップS756)。先読み予告種類決定処理では、例えば、先読みカウントダウン予告(第2のカウント演出)、先読み保留予告、その他の先読み予告の何れか一つが決定される。「その他の先読み予告」としては、例えば先読みチャンス目予告などがある。先読みチャンス目予告は、例えば飾り図柄が全て同色で揃うなどの飾り図柄が特殊な停止系でターゲット変動まで止まるものである。
ステップS756の処理では、例えば図20(B)に示すような決定割合で、先読み予告演出の種類が決定されればよい。図20(B)に示す決定割合の設定例では、先読み予告演出の種類ごとに決定割合を異ならせている。図20(B)に示すように、変動カテゴリが「ハズレ(スーパーリーチ共通)」や「小当り」である場合には、「先読みカウントダウン予告」や「先読み保留予告」よりも、「その他の先読み予告」が決定される割合が高くなっており、変動カテゴリが「大当り」である場合には、「その他の先読み予告」よりも、「先読みカウントダウン予告」や「先読み保留予告」が決定される割合が高くなっている。このような設定により、「先読みカウントダウン予告」や「先読み保留予告」が実行されることにより、予告対象の可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高いことを示唆することができる。また、「その他の先読み予告」が実行された場合でも、予告対象の可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)があることを示唆することができる。
ステップS756の後、演出制御用CPU120は、ステップS756において決定した先読み予告の種類が先読みカウントダウン予告であるか否かを判定する(ステップS757)。先読みカウントダウン予告であれば(ステップS757;Yes)、前演出実行中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS758)。前演出実行中フラグがセットされていない(すなわち、特定演出前演出の実行中でない)場合(ステップS758;No)には、演出制御用CPU120は、4個目の保留データに対して先読みカウントダウン予告の実行設定を行う(ステップS761)。また、前演出実行中フラグがセットされている(すなわち、特定演出前演出の実行中である)場合(ステップS758;Yes)には、演出制御用CPU120は、ステップS756において決定された先読みカウントダウン予告を、先読み保留予告に変更する(ステップS759)。なお、先読みカウントダウン予告を、先読み保留予告などの他の予告に変更せずに、先読みカウントダウン予告を単に実行しないようにしてもよい。
ところで、ステップS757において、ステップS756にて決定された先読み予告の種類が先読みカウントダウン予告でないとき(ステップS757;No)や、ステップS759において、ステップS756にて決定された先読み予告の種類が先読みカウントダウン予告から先読み保留予告に変更されたとき(ステップS759)には、演出制御用CPU120は、先読み予告の種類が先読み保留予告であるか否かを判定する(ステップS760)。先読み保留予告であれば(ステップS760;Yes)、演出制御用CPU120は、4個目の保留データに対して先読み保留予告の実行設定を行う(ステップS762)。また、先読み保留予告でなければ(ステップS760;No)、その他の先読み予告の実行設定を行う(ステップS763)。
ステップS761、ステップS762、又はステップS763のあと、演出制御用CPU120は、先読み予告実行中フラグをセットし(ステップS764)、先読み予告設定処理を終了する。
図21は、図18のステップS167にて実行される先読み予告実行処理の一例を示すフローチャートである。図21に示す先読み予告実行処理において、演出制御用CPU120は、まず、先読み予告演出実行中フラグがオン状態にセットされているか否かを判定する(ステップS771)。先読み予告演出実行中フラグがオン状態にセットされていなければ(ステップS771;No)、先読み予告実行処理を終了する。
先読み予告実行中フラグがセットされていれば(ステップS771;Yes)、演出制御用CPU120は、先読み予告演出制御データに基づいて先読み予告演出の演出制御を実行する(ステップS772)。そして、演出制御用CPU120は、先読み予告演出の終了タイミングとなったか否かを判定する(ステップS773)。終了タイミングであれば先読み予告実行中フラグをリセット(オフ状態にクリア)して(ステップS774)、先読み予告実行処理を終了する。先読み予告演出の終了タイミングでなければ(ステップS773;No)、先読み予告実行処理を終了する。
以上の先読み予告設定処理(S166)と先読み予告実行処理(S167)により、先読み予告演出が、先読みした4個目の保留データ(ターゲット)についての飾り図柄の可変表示結果が表示されるよりも前に適宜に実行されるようになっている。以下に、先読み予告演出としての先読みカウントダウン予告と先読み保留予告について説明する。
先読みカウントダウン予告については、4個目の保留データ(ターゲット)に対応する保留記憶表示が、飾り図柄の可変表示の開始によって左側に1つシフトするごとにカウントダウン表示を実行することに対応した先読み予告演出制御データがセットされ(ステップS761)、先読み予告実行処理(S167)のステップS772にて例えばターゲットまでの変動開始コマンド(第1変動開始コマンド又は第2変動開始コマンド)を受信するごとに数値をカウントダウンさせる先読みカウントダウン予告が実行されるようになっている。先読みカウントダウン予告は、後述する図29(E)〜(H)に示すように、ターゲットの保留記憶表示が保留3個目にシフトすると「3」、保留2個目にシフトすると「2」、保留1個目にシフトすると「1」、保留0個目にシフト(つまり変動中特図表示エリア5Iにシフト)すると「0」のように、飾り図柄の可変表示が開始されて保留が1つシフトするごとにカウントダウン方式にて数値を表示する先読み予告である。なお、図30(B)〜(D)に示す特定演出前演出での数値表示態様と、図29(E)〜(H)に示す先読みカウントダウン予告での数値表示態様とが共通の素材(データ)による数値表示態様としている。つまり、両者の数字部分が同じ表示態様(同じフォント)を用いている。このため、特定演出前演出と先読みカウントダウン予告とについて共通の素材(データ)を用いることができ、データ容量を削減することができる。
先読み保留予告については、今回の変動の実行時に4個目の保留データに対応する保留記憶表示が通常態様から特別態様に変化することに対応した先読み予告演出制御データがセットされ(ステップS762)、先読み予告実行処理(S167)のステップS772にて例えば始動入賞記憶表示エリア5Hにおける保留記憶表示を所定のタイミングにおいて特別態様で表示する先読み保留予告が実行されるようになっている。先読み保留予告は、後述する図30(C)に示すように、保留4個目の保留記憶表示が通常態様(例えば白色の表示)から特別態様(例えば黒色の表示)に変更して表示される先読み予告である。特別態様としては黒色以外の色(例えば、赤、レインボーなど)の表示であってもよく、形状を変化させてもよい。保留表示が1つシフトする毎に表示態様を変化させてもよい。
現在の特図保留記憶数が4個でない場合には(ステップS753;No)、先読み予告設定処理を終了する。なお、本実施の形態では、現在の特図保留記憶数(第1特図保留記憶数、あるいは合計保留記憶数)が4個である場合に先読みカウントダウン予告が実行可能であるが、保留3個以下の場合において、先読みカウントダウン予告が実行可能としたり、先読み予告種類(先読みカウントダウン予告を含む)を決定したりしてもよい。この場合でも、特定演出前演出中は先読みカウントダウン予告を制限(禁止)する。
以上のような先読み予告実行処理(ステップS167)を実行した後には、演出制御用CPU120は、特定演出前演出を実行する特定演出前演出処理(ステップS168)を実行し、特定演出を実行する特定演出処理(ステップS169)を実行する。
なお、この実施の形態では、図18に示すように特定演出前演出処理と特定演出処理とを個別に備える構成としているが、特定演出処理が特定演出前演出処理を含むものであってもよい。
次いで、演出制御用CPU120は、例えば演出制御フラグ設定部191などに設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170〜S177の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11からの第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示や、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定飾り図柄や各種の演出制御パターンを決定する処理などを含んでいる。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行う。こうした演出制御を行った後、例えば特図変動時演出制御パターンから飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、主基板11から伝送される図柄確定コマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示させる。特図変動時演出制御パターンから終了コードが読み出されたことに対応して確定飾り図柄を完全停止表示させるようにすれば、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応する可変表示時間が経過したときに、主基板11からの演出制御コマンドによらなくても、演出制御基板12の側で自律的に確定飾り図柄を導出表示して可変表示結果を確定させることができる。確定飾り図柄を完全停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、当り開始指定コマンドを受信したきに、その当り開始指定コマンドが大当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を大当り中演出処理に対応した値である“6”に更新する。これに対して、当り開始指定コマンドを受信したときに、その当り開始指定コマンドが小当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を小当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。また、当り開始指定コマンドを受信せずに、演出制御プロセスタイマがタイムアウトしたときには、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判断して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS174の小当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この小当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、小当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、小当り中演出処理では、例えば主基板11からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値を小当り終了演出に対応した値である“5”に更新する。
ステップS175の小当り終了演出処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この小当り終了演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、小当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS176の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、例えば主基板11からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“7”に更新する。
ステップS177のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ここで、図18に示す特定演出前演出処理(ステップS168)について図22を用いて説明する。図22は、特定演出前演出処理(ステップS168)を示すフローチャートである。特定演出前演出処理では、演出制御用CPU120は、まず、特定演出前演出の実行中であることを示す前演出実行中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS571)。前演出実行中フラグがセットされていない(すなわち、特定演出前演出の実行中でない)場合(ステップS571;No)には、演出制御用CPU120は、前演出開始条件成立フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS572)。前演出開始条件成立フラグがセットされていなければ、そのまま処理を終了する。
前演出開始条件成立フラグがセットされている(すなわち、特定演出前演出の開始条件が成立している)場合(ステップS572;Yes)には、演出制御用CPU120は、その前演出開始条件成立フラグをリセットする(ステップS573)。また、演出制御用CPU120は、RAM122に設けられている設定値格納領域からスピーカ8L、8Rの音量設定値と遊技効果ランプ9の輝度設定値とを読み出して特定演出前演出用の音量設定値及び輝度設定値に設定する(ステップS574)。
なお、この実施の形態では、後述するように、例えば客待ちデモンストレーション表示中において、遊技者の操作により、スピーカ8L、8Rの音量と遊技効果ランプ9の輝度とが設定可能であり、遊技者によって設定されたスピーカ8L、8Rの音量設定値及び遊技効果ランプ9の輝度設定値が、RAM122に設けられた設定値格納領域に格納される(後述する図24に示す可変表示開始待ち処理のステップS652〜S660参照)。
次いで、演出制御用CPU120は、ステップS605で読み出して特定演出前演出用に設定した音量設定値が所定値未満であるか否かを確認する(ステップS575)。前記のように遊技者の操作により音量設定値が所定値未満に変更されていることがあるからである。なお、この実施の形態では、ステップS575において、所定値としてスピーカ8L、8Rの音量最大値の70%に相当する値未満であるか否かを判定する。音量設定値が所定値未満であれば(ステップS575;Yes)、演出制御用CPU120は、ステップS574で読み出して設定した特定演出前演出用の音量設定値を所定値(本例では、70%に相当する値)に変更して再設定する(ステップS576)。
次いで、演出制御用CPU120は、ステップS574で読み出して特定演出前演出用に設定した輝度設定値が所定値未満であるか否かを確認する(ステップS577)。前記のように遊技者の操作により輝度設定値が所定値未満に変更されていることがあるからである。なお、この実施の形態では、ステップS577において、所定値として遊技効果ランプ9の輝度最大値の70%に相当する値未満であるか否かを判定する。輝度設定値が所定値未満であれば(ステップS577;Yes)、演出制御用CPU120は、ステップS574で読み出して設定した特定演出前演出用の輝度設定値を所定値(本例では、70%に相当する値)に変更して再設定する(ステップS578)。
次いで、演出制御用CPU120は、画像表示装置5の特定演出前演出実行領域(例えば表示画面の全領域)において、特定演出前演出の動画再生を開始する制御を行う(ステップS579)。この実施の形態では、画像表示装置5の表示画面の全領域が特定演出前演出実行領域とされ、ステップS610では、演出制御用CPU120は、画像表示装置5の全領域において、特定演出前演出用の動画再生を開始する制御を行う。この場合、演出制御用CPU120は、ステップS574、S576、S578で設定した音量及び輝度に従って動画再生を開始することによって、設定した音量で特定演出前演出の動画に対応した音をスピーカ8L、8Rから出力し、設定した輝度で特定演出前演出の動画に対応した発光パターンで遊技効果ランプ9を発光させる制御を行う。
そして、演出制御用CPU120は、前演出実行中フラグをセットし(ステップS580)、特定演出前演出の実行期間を計測するための前演出期間計測タイマに所定期間(本例では、60秒間)に相当する値をセットする(ステップS581)。
なお、この実施の形態では、ステップS574〜S578の処理が実行されることによって、遊技者によって設定された音量設定値や輝度設定値が所定値(本例では、70%に相当する値)以上であれば、その設定された音量設定値や輝度設定値に相当する音量や輝度で特定演出前演出が実行され、所定値未満であれば少なくとも所定値に相当する音量や輝度で特定演出前演出が実行されるようにし、必要以上に小さい音で特定演出前演出が実行されたり、必要以上に暗い輝度で特定演出前演出が実行されたりすることがないようにしている。
また、この実施の形態では、特定演出前演出の音量及び輝度を、遊技者によって設定された音量設定値及び輝度設定値に仮設定した後に(ステップS574参照)、音量設定値や輝度設定値が所定値未満であるか否かを判定し、所定値未満であれば所定値に相当する音量や輝度に変更して再設定する場合を示しているが、特定演出前演出の音量及び輝度の設定方法は、この実施の形態で示したものに限定されない。例えば、ステップS574で音量設定値及び輝度設定値を読み出すと、まず、読み込んだ音量設定値が所定値未満であるか否かを確認し、所定値未満であれば特定演出前演出の音量を所定値に相当する値に設定し、所定値以上であれば特定演出前演出の音量をそのまま読み込んだ音量設定値に設定するようにしてもよい。また、読み込んだ輝度設定値が所定値未満であるか否かを確認し、所定値未満であれば特定演出前演出の輝度を所定値に相当する値に設定し、所定値以上であれば特定演出前演出の輝度設定値をそのまま読み込んだ輝度設定値に設定するようにしてもよい。そのように構成すれば、音量や輝度の設定が1回で済み、後から再設定する必要をなくすことができる。
また、この実施の形態では、ステップS575〜S578の処理が実行されることによって、音量及び輝度の両方について所定値未満であるか否かを判定して再設定する場合を示しているが、音量または輝度のいずれか一方のみについて所定値未満であるか否かを判定して再設定するようにしてもよい。具体的には、ステップS575、S576の処理と、ステップS577、S578の処理とのいずれか一方のみを実行するように構成してもよい。
前演出実行中フラグがセットされていた場合には(ステップS571;Yes)、すなわち特定演出前演出の実行中であった場合には、演出制御用CPU120は、前演出期間計測タイマの値を1減算する(ステップS582)。次いで、演出制御用CPU120は、減算後の前演出期間計測タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(ステップS583)。タイムアウトしていなければ(ステップS583;No)、そのまま処理を終了する。前演出期間計測タイマがタイムアウトしている(すなわち、所定期間(本例では、60秒間)を経過し特定演出前演出の終了条件が成立している)場合(ステップS583;Yes)には、演出制御用CPU120は、画像表示装置5の特定演出前演出実行領域において実行中の特定演出前演出の動画再生を終了する制御を行う(ステップS584)。そして、演出制御用CPU120は、前演出実行中フラグをリセットする(ステップS585)。
続いて、特定演出前演出処理の後に実行される特定演出について図23を用いて説明する。図23は、特定演出処理(ステップS169)を示すフローチャートである。特定演出処理では、演出制御用CPU120は、まず、特定演出の終了条件が成立したことを示す演出終了条件成立フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS601)。演出終了条件成立フラグがセットされていなければ(ステップS601;No)、演出制御用CPU120は、特定演出の実行中であることを示す特定演出実行中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS602)。特定演出実行中フラグがセットされていない(すなわち、特定演出の実行中でない)場合(ステップS602;No)には、演出制御用CPU120は、特定演出開始条件成立フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS603)。特定演出開始条件成立フラグがセットされていなければ(ステップS603;No)、そのまま処理を終了する。
特定演出開始条件成立フラグがセットされている(すなわち、特定演出の開始条件が成立している)場合(ステップS603;Yes)には、演出制御用CPU120は、その特定演出開始条件成立フラグをリセットする(ステップS604)。また、演出制御用CPU120は、RAM122に設けられている設定値格納領域からスピーカ8L、8Rの音量設定値と遊技効果ランプ9の輝度設定値とを読み出して特定演出用の音量設定値及び輝度設定値に設定する(ステップS605)。
この実施の形態では、後述する客待ちデモンストレーション表示中における遊技者の操作により、スピーカ8L、8Rの音量と遊技効果ランプ9の輝度とが設定可能であり、遊技者によって設定されたスピーカ8L、8Rの音量設定値及び遊技効果ランプ9の輝度設定値が、RAM122に設けられた設定値格納領域に格納される(後述する図24に示す可変表示開始待ち処理のステップS652〜S660参照)。
次いで、演出制御用CPU120は、ステップS605で読み出して特定演出用に設定した音量設定値が所定値未満であるか否かを確認する(ステップS606)。前記のように遊技者の操作により音量設定値が所定値未満に変更されていることがあるからである。なお、この実施の形態では、ステップS606において、所定値としてスピーカ8L、8Rの音量最大値の70%に相当する値未満であるか否かを判定する。音量設定値が所定値未満であれば(ステップS606;Yes)、演出制御用CPU120は、ステップS605で読み出して設定した特定演出用の音量設定値を所定値(本例では、70%に相当する値)に変更して再設定する(ステップS607)。
次いで、演出制御用CPU120は、ステップS605で読み出して特定演出用に設定した輝度設定値が所定値未満であるか否かを確認する(ステップS608)。前記のように遊技者の操作により輝度設定値が所定値未満に変更されていることがあるからである。なお、この実施の形態では、ステップS608において、所定値として遊技効果ランプ9の輝度最大値の70%に相当する値未満であるか否かを判定する。輝度設定値が所定値未満であれば(ステップS608;Yes)、ステップS605で読み出して設定した特定演出用の輝度設定値を所定値(本例では、70%に相当する値)に変更して再設定する(ステップS609)。
次いで、演出制御用CPU120は、画像表示装置5の特定演出実行領域(例えば表示画面の全領域)において、特定演出の動画再生を開始する制御を行う(ステップS610)。この実施の形態では、画像表示装置5の表示画面の全領域が特定演出実行領域とされ、ステップS610では、画像表示装置5の全領域において、特定演出用の動画再生を開始する制御を行う。この場合、演出制御用CPU120は、ステップS605、S607、S609で設定した音量及び輝度に従って動画再生を開始することによって、設定した音量で特定演出の動画に対応した音をスピーカ8L、8Rから出力し、設定した輝度で特定演出の動画に対応した発光パターンで遊技効果ランプ9を発光させる制御を行う。
そして、演出制御用CPU120は、特定演出実行中フラグをセットし(ステップS611)、特定演出の実行期間を計測するための特定演出期間計測タイマに所定期間(本例では、5分間)に相当する値をセットする(ステップS612)。
なお、この実施の形態では、ステップS605〜S609の処理が実行されることによって、遊技者によって設定された音量設定値や輝度設定値が所定値(本例では、70%に相当する値)以上であれば、その設定された音量設定値や輝度設定値に相当する音量や輝度で特定演出が実行され、所定値未満であれば少なくとも所定値に相当する音量や輝度で特定演出が実行されるようにし、必要以上に小さい音で特定演出が実行されたり、必要以上に暗い輝度で特定演出が実行されたりすることがないようにしている。
また、この実施の形態では、特定演出の音量及び輝度を、遊技者によって設定された音量設定値及び輝度設定値に仮設定した後に(ステップS605参照)、音量設定値や輝度設定値が所定値未満であるか否かを判定し、所定値未満であれば所定値に相当する音量や輝度に変更して再設定する場合を示しているが、特定演出の音量及び輝度の設定方法は、この実施の形態で示したものに限定されない。例えば、ステップS605で音量設定値及び輝度設定値を読み出すと、まず、読み込んだ音量設定値が所定値未満であるか否かを確認し、所定値未満であれば特定演出の音量を所定値に相当する値に設定し、所定値以上であれば特定演出の音量をそのまま読み込んだ音量設定値に設定するようにしてもよい。また、読み込んだ輝度設定値が所定値未満であるか否かを確認し、所定値未満であれば特定演出の輝度を所定値に相当する値に設定し、所定値以上であれば特定演出の輝度設定値をそのまま読み込んだ輝度設定値に設定するようにしてもよい。そのように構成すれば、音量や輝度の設定が1回で済み、後から再設定する必要をなくすことができる。
また、この実施の形態では、ステップS606〜S609の処理が実行されることで、音量及び輝度の両方について所定値未満であるか否かを判定して再設定する場合を示しているが、音量または輝度のいずれか一方のみについて所定値未満であるか否かを判定して再設定するようにしてもよい。具体的には、ステップS606、S607の処理と、ステップS608、S609の処理とのいずれか一方のみを実行するように構成してもよい。
また、この実施の形態では、特定演出前演出処理のステップS574〜S578と、特定演出処理のステップS605〜S609との両方で、音量及び輝度を所定値に再設定しているが、何れか一方のみで再設定するようにしてもよい。その際、図24に示す可変表示開始待ち処理内のステップS658の前において、前演出実行中フラグ又は特定演出実行中フラグがセットされているか否かを判定するステップを設け、セットされている場合(つまり、特定演出前演出の実行中又は特定演出の実行中の場合)には、遊技者による音量及び輝度変更操作を禁止するようにしてもよい。また、特定演出前演出の開始から特定演出の終了まで、遊技者による音量及び輝度変更操作を禁止する場合には、図23に示す特定演出処理のステップS606〜S609を不要としてもよい。また、特定演出前演出処理では、音量及び輝度の再設定を行わず、音量及び輝度が所定値未満であってもそのまま実行し、特定演出処理のみで音量及び輝度を所定値に再設定する(ステップS605〜S609)ようにしてもよい。
特定演出実行中フラグがセットされていた場合には(ステップS602;Yes)、すなわち特定演出の実行中であった場合には、演出制御用CPU120は、特定演出期間計測タイマの値を1減算する(ステップS613)。次いで、演出制御用CPU120は、減算後の特定演出期間計測タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(ステップS614)。タイムアウトしていなければ(ステップS614;No)、そのまま処理を終了する。特定演出期間計測タイマがタイムアウトしている(すなわち、所定期間(本例では、5分間)を経過し特定演出の終了条件が成立している)場合(ステップS614;Yes)には、演出制御用CPU120は、演出プロセスフラグの値が“2”(可変表示中演出処理を示す値)となっているか否かを確認する(ステップS615)。演出プロセスフラグの値が可変表示中演出処理を示す値“2”となっている(すなわち、飾り図柄の可変表示中である)場合(ステップS615;Yes)には、演出制御用CPU120は、直ちには特定演出を終了せず、演出終了条件成立フラグのセットのみを行い(ステップS616)、処理を終了する。演出プロセスフラグの値が可変表示中演出処理を示す値でなければ(ステップS615;No)、ステップS619に移行する。
演出終了条件成立フラグがセットされていた場合には(ステップS601;Yes)、演出制御用CPU120は、図柄確定コマンドを受信したか否かを確認する(ステップS617)。図柄確定コマンドを受信していなければ(ステップS617;No)、そのまま処理を終了する。図柄確定コマンドを受信している(すなわち、飾り図柄の可変表示の停止タイミングとなっている)場合(ステップS617;Yes)には、演出制御用CPU120は、演出終了条件成立フラグをリセットする(ステップS618)。次いで、演出制御用CPU120は、画像表示装置5の特定演出実行領域において実行中の特定演出の動画再生を終了する制御を行う(ステップS619)。そして、演出制御用CPU120は、特定演出実行中フラグをリセットする(ステップS620)。
ステップS601、S614〜S620の処理が実行されることによって、この実施の形態では、飾り図柄の可変表示中以外のタイミングで所定期間(本例では、5分間)が経過して特定演出の終了条件が成立した場合には、ステップS619に移行して直ちに特定演出の実行が終了される。一方で、飾り図柄の可変表示中に所定期間(本例では、5分間)が経過して特定演出の終了条件が成立した場合には、直ちには特定演出の実行を終了せず、飾り図柄の可変表示を終了するタイミングまで待ってから(ステップS617参照)特定演出の実行が終了される。
なお、この実施の形態では、図18に示す演出制御プロセス処理においてステップS170〜S177の処理の前にステップS168の特定演出前演出処理とステップS169の特定演出処理とが実行されるので、特定演出前演出や特定演出の開始条件が成立していれば大当り遊技中であっても特定演出前演出や特定演出が実行される。この場合、画像表示装置5の表示画面の全体に特定演出前演出や特定演出が表示される状況下でその表示画面の一部に大当り遊技中の演出を表示するようにし、特定演出前演出や特定演出の実行を継続しつつ大当り遊技中の演出を重畳表示するようにすればよい。そして、例えば、大当り遊技中に所定期間(本例では、5分間)が経過して特定演出の終了条件が成立した場合には、その動画再生を終了して特定演出の実行を終了するとともに、大当り遊技中の演出を画像表示装置5の表示画面の一部表示から全体表示に復帰させればよい。また、画像表示装置5において大当り遊技中の演出が実行され、特定演出前演出や特定演出の動画再生を画像表示装置5の表示画面の一部に縮小表示することによって、特定演出前演出や特定演出の実行を継続するようにしてもよい。そして、例えば、大当り遊技中に、所定期間(本例では、5分間)が経過して特定演出の終了条件が成立した場合には、その縮小表示していた動画再生を終了して特定演出の実行を終了するようにすればよい。
また、特定演出処理の処理態様は、この実施の形態で示したものに限定されない。例えば、特定演出の開始から所定期間(本例では、5分間)が経過すると、飾り図柄の可変表示中であるか否かにかかわらず、直ちに特定演出の動画再生を終了するようにしてもよい。具体的には、図23に示す特定演出処理において、ステップS615の前後で図柄確定コマンドを受信したか否かを判定し、図柄確定コマンドを受信した場合には、そのままステップS619に移行して特定演出の動画再生を終了するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、可変表示中に所定期間が経過した場合に変動停止まで待ってから特定演出の動画再生を終了するようにしているが、さらに次の変動開始まで待ってから特定演出の動画再生を終了するようにしてもよい。この場合、例えば、ステップS615の前後で図柄確定コマンドを受信したか否かを判定し、図柄確定コマンドを受信した場合に、演出プロセスフラグの値が可変表示開始設定処理を示す値“1”であるか否かを判定するようにしてもよい。そして、演出プロセスフラグの値が可変表示開始設定処理を示す値“1”であれば特定演出の動画再生を終了するようにすることによって、次の変動開始まで待ってから特定演出の動画再生を終了するようにすればよい。または、例えば、ステップS615の前後で演出プロセスフラグの値が可変表示開始設定処理を示す値“1”であるか否かを判定し、演出プロセスフラグの値が可変表示開始設定処理を示す値“1”であれば、そのままステップS619に移行して特定演出の動画再生を終了することによって、次の変動開始まで待ってから特定演出の動画再生を終了するようにしてもよい。
図24は、図18に示された演出制御プロセス処理における可変表示開始待ち処理(ステップS171)を示すフローチャートである。可変表示開始待ち処理において、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS651)。変動パターン指定コマンド受信フラグがセットされていれば(ステップS651;Yes)、変動パターン指定コマンド受信フラグをリセットする(ステップS661)。そして、演出プロセスフラグの値を可変表示開始設定処理(ステップS171)に対応した値“1”に更新する(ステップS662)。
変動パターン指定コマンド受信フラグがセットされていない(すなわち、変動パターン指定コマンドを受信していない)場合(ステップS651;No)には、演出制御用CPU120は、客待ちデモンストレーション表示中であるか否かを確認する(ステップS652)。なお、客待ちデモンストレーション表示中であるか否かは、後述するステップS656で客待ちデモンストレーション表示を開始したときに、客待ちデモンストレーション表示中であることを示す客待ちデモ表示中フラグをセットし、ステップS652ではその客待ちデモ表示中フラグがセットされているか否かを確認するようにすればよい。
客待ちデモンストレーション表示中でなければ(ステップS652;No)、演出制御用CPU120は、客待ちデモ指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS653)。客待ちデモ指定コマンド受信フラグがセットされている(すなわち、客待ちデモ指定コマンドを受信している)場合(ステップS653;Yes)には、演出制御用CPU120は、客待ちデモ指定コマンドを受信してからの経過時間が30秒を経過したか否かを確認する(ステップS654)。なお、客待ちデモ指定コマンドを受信してからの経過時間が30秒を経過したか否かは、例えば、図16に示すコマンド解析処理(S74)内にて客待ちデモ指定コマンド受信フラグをセットしたときに(すなわち、客待ちデモ指定コマンドを受信したときに)、所定のタイマに30秒に相当する値をセットするようにし、ステップS654においてそのタイマがタイムアウトしたか否かを確認するようにすればよい。
客待ちデモ指定コマンドを受信してから30秒が経過していれば、演出制御用CPU120は、客待ちデモ指定コマンド受信フラグをリセットする(ステップS655)とともに、画像表示装置5において所定の客待ちデモンストレーション表示を開始する(ステップS656)。例えば、所定の客待ちデモンストレーション表示として、「デモ表示中」などの文字列を表示したり、所定の初期出目(例えば、「123」などの図柄の組み合わせや、「777」などの大当りを連想させる図柄の組み合わせ)を表示したり、所定のキャラクタを表示させたり、遊技機メーカのロゴタイプを表示させたりしてもよい。
なお、この実施の形態では、客待ちデモ指定コマンドを受信してから(すなわち、可変表示が途切れてから)30秒を経過したタイミングで客待ちデモンストレーション表示を開始する場合を示しているが、このような態様に限定されない。例えば、客待ちデモ指定コマンドを受信してから20秒や1分が経過したタイミングで客待ちデモンストレーション表示を開始するようにしてもよい。また、例えば、客待ちデモ指定コマンドを受信すると直ちに客待ちデモンストレーション表示を開始するようにしてもよい。
また、演出制御用CPU120は、客待ちデモンストレーション表示を開始すると、画像表示装置5において、音量や輝度の設定を行うための音量輝度設定画面の重畳表示も開始する(ステップS657)。
客待ちデモンストレーション表示中である場合には(ステップS652;Yes)、演出制御用CPU120は、スティックコントローラ31Aからの操作信号を入力したか否かを確認し(ステップS658)、操作信号を入力していれば(ステップS658;Yes)、操作に従って音量設定値及び輝度設定値を入力する(ステップS659)。そして、演出制御用CPU120は、入力した音量設定値及び輝度設定値を、RAM122に設けられた設定値格納領域に格納する(ステップS660)。
図25は、音量輝度設定画面の具体例を示す説明図である。図25(A)に示すように、この実施の形態では、例えば、「デモ表示中」など客待ちデモンストレーション表示中であることを示す表示とともに、「音量を設定してね!」などの表示を含む音量輝度設定画面が表示される。図25(A)に示す表示画面において、遊技者は、例えば、スティックコントローラ31Aを左右に傾倒操作することにより、音量を0〜100の中から選択操作し、スティックコントローラ31Aのトリガボタンを押引操作したりプッシュボタン31Bを押下操作したりすることによって選択中の音量の決定操作を行う。この場合、演出制御用CPU120は、スティックコントローラ31Aのコントローラセンサユニット35Aからの傾倒操作信号に基づいて音量を選択し、スティックコントローラ31Aのトリガセンサ125やプッシュボタン31Bのプッシュセンサ35Bからの信号を入力したことに基づいて、選択中の音量を音量設定値として入力する。
また、音量の設定が終わると、例えば、図25(B)に示すように、音量輝度設定画面が「輝度を設定してね!」などの表示を含む画面に切り換わる。図25(B)に示す表示画面において、遊技者は、例えば、スティックコントローラ31Aを左右に傾倒操作することにより、輝度を0〜100の中から選択操作し、スティックコントローラ31Aのトリガボタンを押引操作したりプッシュボタン31Bを押下操作したりすることによって選択中の輝度の決定操作を行う。この場合、演出制御用CPU120は、スティックコントローラ31Aのコントローラセンサユニット35Aからの傾倒操作信号に基づいて輝度を選択し、スティックコントローラ31Aのトリガセンサ125やプッシュボタン31Bのプッシュセンサ35Bからの信号を入力したことに基づいて、選択中の輝度を輝度設定値として入力する。
なお、この実施の形態では、遊技開始時の客待ちデモンストレーション表示中に遊技者の操作に従って音量や輝度の設定を行えるようにする場合を示しているが、遊技開始時に加えて、または遊技開始時に代えて、飾り図柄の可変表示中に音量や輝度の設定や変更を行えるようにしてもよい。この場合、例えば、後述する可変表示中演出処理においてステップS657〜S660と同様の処理を行うことによって、飾り図柄の可変表示中であっても音量や輝度の設定や変更を行えるようにすればよい。
図26は、可変表示開始設定処理として、図18のステップS171にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図26に示す可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば主基板11から伝送された可変表示結果通知コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、特図表示結果が「ハズレ」となるか否かを判定する(ステップS522)。特図表示結果が「ハズレ」となる旨の判定がなされたときには(ステップS522;Yes)、例えば主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、指定された変動パターンが飾り図柄の可変表示態様を「非リーチ」とする場合に対応した非リーチ変動パターンであるか否かを判定する(ステップS523)。
ステップS523にて非リーチ変動パターンであると判定された場合には(ステップS523;Yes)、非リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS524)。一例として、ステップS524の処理では、まず、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の左確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「左」の飾り図柄表示エリア5Lに停止表示される左確定飾り図柄を決定する。次に、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「右」の飾り図柄表示エリア5Rに停止表示される右確定飾り図柄を決定する。このときには、右確定図柄決定テーブルにおける設定などにより、右確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄の図柄番号とは異なるように、決定されるとよい。続いて、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cに停止表示される中確定飾り図柄を決定する。なお、ステップS524の処理では、変動図柄予告を実行中である場合に対応して、所定のチャンス目図柄となる非リーチ組合せの確定飾り図柄を決定すればよい。
ステップS523にて非リーチ変動パターンではないと判定された場合には(ステップS523;No)、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS525)。一例として、ステップS525の処理では、まず、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される左右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の左右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「左」と「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。さらに、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて停止表示される中確定飾り図柄を決定する。ここで、例えば中確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号と同一になる場合のように、確定飾り図柄が大当り組合せとなってしまう場合には、任意の値(例えば「1」)を中確定飾り図柄の図柄番号に加算または減算することなどにより、確定飾り図柄が大当り組合せとはならずにリーチ組合せとなるようにすればよい。あるいは、中確定飾り図柄を決定するときには、左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号との差分(図柄差)を決定し、その図柄差に対応する中確定飾り図柄を設定してもよい。
ステップS522にて特図表示結果が「ハズレ」ではないと判定されたときには(ステップS522;No)、特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」である場合、または、特図表示結果が「小当り」である場合であるか、これら以外の場合であるかを判定する(ステップS526)。「突確」または「小当り」であると判定されたときには(ステップS526;Yes)、例えば開放チャンス目といった、「突確」の場合や「小当り」の場合に対応した最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS527)。一例として、変動パターン指定コマンドにより変動パターンPC1−1〜PC1−3のいずれかが指定された場合に対応して、複数種類の開放チャンス目のうち、いずれかを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する。この場合には、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新されるチャンス目決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定のチャンス目決定テーブルを参照することなどにより、開放チャンス目のいずれかを構成する確定飾り図柄の組合せを決定すればよい。また、変動パターン指定コマンドにより変動パターンPC1−4または変動パターンPC1−5のいずれかが指定された場合には、例えばステップS525と同様の処理を実行することにより、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定すればよい。
ステップS526にて「突確」または「小当り」以外の「非確変」または「確変」であると判定されたときには(ステップS526;No)、大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS528)。一例として、ステップS528の処理では、まず、演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどにより更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、続いてROM121などに予め記憶された所定の大当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、画像表示装置5の画面上で「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。このときには、大当り種別が「非確変」、「確変」のいずれであるかや、大当り中における昇格演出の有無などに応じて、異なる飾り図柄を確定飾り図柄とする決定が行われるようにしてもよい。
具体的な一例として、大当り種別が「非確変」である場合には、複数種類の通常図柄のうちいずれか1つの飾り図柄を選択して、非確変大当り組合せを構成する確定飾り図柄に決定すればよい。また、大当り種別が「確変」である場合には、複数種類の通常図柄または確変図柄のうちからいずれか1つの飾り図柄を選択して、非確変大当り組合せまたは確変大当り組合せを構成する確定飾り図柄に決定すればよい。このとき、非確変大当り組合せの確定飾り図柄に決定された場合には、可変表示中の再抽選演出において確変状態に制御される旨の報知が行われず、大当り遊技状態に対応して実行される大当り中昇格演出などにより確変状態に制御される旨が報知されればよい。他方、確変大当り組合せの確定飾り図柄に決定された場合には、可変表示中の再抽選演出において、あるいは再抽選演出を実行することなく、確変状態に制御される旨の報知が行われる。
ステップS524、S525、S527、S528の処理のいずれかを実行した後には、先読み予告演出以外の変動中予告演出の実行の有無と、実行する場合における変動中予告演出の演出態様に対応した変動中予告パターンとを決定する(ステップS529)。一例として、ステップS529の処理では、先読み予告演出以外の変動中予告演出の有無と変動中予告パターンとを決定するための使用テーブルとして、予め用意された変動中予告決定テーブルを選択してセットする。変動中予告決定テーブルでは、可変表示結果通知コマンドから特定される可変表示結果や、変動パターン指定コマンドから特定される変動パターンなどに応じて、変動中予告種別決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、変動中予告演出を実行しない場合に対応する「実行なし」の決定結果や、変動中予告演出を実行する場合における複数の変動中予告パターンなどに、割り当てられていればよい。その後、演出制御用CPU120は、例えば乱数回路124や演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどから抽出した変動中予告決定用の乱数値を示す数値データに基づいて、変動中予告決定テーブルを参照することにより、変動中予告演出の有無と変動中予告パターンとを決定すればよい。
ステップS529の処理では、例えば、可変表示結果が「ハズレ(非リーチ)」、「ハズレ(リーチ)」、「大当り」、「小当り」のいずれであるかに応じて、変動中予告演出の有無や変動中予告パターンの決定割合を異ならせればよい。このようにすることで、先読み予告以外の変動中予告の実行の有無や、そのパターン(演出態様)に応じて、可変表示結果が「大当り」となることやリーチとなることを予告・示唆できるようになる。
ステップS529の処理を実行した後には、その他の可変表示中における演出の実行設定を行う(ステップS530)。一例として、ステップS530の処理では、先読み予告演出や変動中予告演出とは異なる演出を実行するための設定が行われてもよい。そのような演出としては、例えば可変表示の開始時や実行中における所定のタイミングにて、スピーカ8L、8Rから所定の効果音(例えばアラーム音やチャイム音、サイレン音など)が出力されるような態様の演出や、遊技効果ランプ9などに含まれるフラッシュランプが光るような態様の演出のうち、一部または全部を含む所定態様の演出を実行することにより、可変表示結果が「大当り」となることを直ちに告知(確定的に報知)する一発告知態様の演出が実行されてもよい。あるいは、そのような演出として、可変表示結果が「大当り」となることに対応した特別な演出画像(プレミアム画像)を表示する演出が実行されてもよい。
他の一例として、ステップS530の処理では、可変表示結果が「大当り」となる可能性などには関わらず、例えば賑やかしのために所定態様の演出を実行するための設定が行われてもよい。具体的には、遊技効果ランプ9に含まれる所定のランプが光るような態様の演出や所定の演出画像を表示する演出といった、所定態様の演出を実行できればよい。
その後、演出制御パターンを予め用意された複数パターンのいずれかに決定する(ステップS531)。このとき、演出制御用CPU120は、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンなどに対応して、複数用意された特図変動時演出制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。また、例えばキャラクタ予告を実行するための設定がなされた場合には、その設定に対応した予告演出制御パターンが選択されてもよい。
次いで、演出制御用CPU120は、RAM122に設けられている設定値格納領域からスピーカ8L、8Rの音量設定値と遊技効果ランプ9の輝度設定値とを読み込む(ステップS532A)。
次いで、演出制御用CPU120は、前演出実行中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS532B)。前演出実行中フラグがセットされている(すなわち、特定演出前演出の実行中である)場合(ステップS532B;Yes)には、演出制御用CPU120は、変動パターンとステップS532Aで読み込んだ音量設定値及び輝度設定値に応じた前演出用のプロセステーブルを選択する(ステップS532C)。また、演出制御用CPU120は、前演出用のプロセスデータに切替済みであることを示す前演出用切替済みフラグをセットする(ステップS532D)。
既に説明したように、特定演出前演出の実行中である場合には、画像表示装置5の特定演出前演出実行領域(本例では、画像表示装置5の全領域)において、特定演出前演出用の動画再生が実行されている。そのため、特定演出前演出の実行中に飾り図柄の可変表示が実行される場合には、ステップS532Cで選択した前演出用のプロセステーブルを用いて後述するステップS172の可変表示中演出処理のステップS544〜S546を実行することによって、画像表示装置5の特定演出前演出実行領域における下部右領域(本例では、画像表示装置5の表示画面の下部右領域)において飾り図柄の可変表示を縮小表示するとともに、保留がある場合には特定演出前演出実行領域における下部左領域(本例では、画像表示装置5の表示画面の下部左領域)において保留記憶表示を縮小表示する(保留記憶表示を縮小させることなく通常表示のままであってもよい)。
なお、既に説明したように、この実施の形態では、特定演出前演出に関しては音量設定値及び輝度設定値にかかわらず少なくとも所定値(本例では、音量や輝度の最大値の70%に相当する値)以上の音量及び輝度で特定演出前演出が実行されるのであるが、ステップS532Cで選択されたプロセステーブルに従って後述するステップS172の可変表示中演出処理のステップS542〜S546が実行されることによって特定演出前演出以外の他の演出(例えば、可変表示、予告演出、リーチ演出など)に関しては遊技者によって設定された音量設定値及び輝度設定値に応じた音量及び輝度で実行される。なお、特定演出前演出の実行期間では、前述した図19のステップS758、S759に示すように、予告演出のうちの先読みカウントダウン予告が実行されない。
次いで、演出制御用CPU120は、前演出実行中フラグがセットされていない(すなわち、特定演出前演出の実行中でない)場合(ステップS532B;No)には、特定演出実行中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS532E)。特定演出実行中フラグがセットされている(すなわち、特定演出の実行中である)場合(ステップS532E;Yes)には、演出制御用CPU120は、変動パターンとステップS532Aで読み込んだ音量設定値及び輝度設定値とに応じた特定演出用のプロセステーブルを選択する(ステップS532F)。また、演出制御用CPU120は、特定演出用のプロセスデータに切替済みであることを示す特定演出用切替済みフラグをセットする(ステップS532G)。一方、特定演出実行中フラグがセットされていない(すなわち、特定演出の実行中でない)場合(ステップS532E;No)には、演出制御用CPU120は、変動パターンとステップS532Aで読み込んだ音量設定値及び輝度設定値とに応じた通常用のプロセステーブルを選択する(ステップS532H)。
既に説明したように、特定演出の実行中である場合には、画像表示装置5の特定演出実行領域(本例では、画像表示装置5の全領域)において、特定演出用の動画再生が実行されている。そのため、特定演出の実行中に飾り図柄の可変表示が実行される場合には、ステップS532Fで選択した特定演出用のプロセステーブルを用いて後述するステップS172の可変表示中演出処理のステップS544〜S546を実行することによって、画像表示装置5の特定演出実行領域における下部右領域(本例では、画像表示装置5の表示画面の下部右領域)において飾り図柄の可変表示を縮小表示するとともに、保留がある場合には特定演出実行領域における下部左領域(本例では、画像表示装置5の表示画面の下部左領域)において保留記憶表示を縮小表示する(保留記憶表示を縮小させることなく通常表示のままであってもよい)。
一方で、特定演出前演出又は特定演出の実行中でなければ、ステップS532Hで選択した通常用のプロセステーブルを用いて後述するステップS172の可変表示中演出処理のステップS544〜S546を実行することによって、画像表示装置5の表示画面全体を用いて飾り図柄の可変表示を実行する。また、保留がある場合には、画像表示装置5の表示画面の下部左領域において保留記憶表示を通常表示する(保留記憶表示を縮小させるのではなく通常大きさで表示する)。
なお、既に説明したように、この実施の形態では、特定演出に関しては音量設定値及び輝度設定値にかかわらず少なくとも所定値(本例では、音量や輝度の最大値の70%に相当する値)以上の音量及び輝度で特定演出が実行されるのであるが、ステップS532Fで選択されたプロセステーブルに従って後述するステップS172の可変表示中演出処理のステップS542〜S546が実行されることによって特定演出以外の他の演出(例えば、可変表示、予告演出、リーチ演出など)に関しては遊技者によって設定された音量設定値及び輝度設定値に応じた音量及び輝度で実行される。
また、特定演出の実行を終了した後、次の飾り図柄の可変表示を開始する場合であれば、ステップS532Aで音量設定値及び輝度設定値を読み込んだ後、ステップS532Hで音量設定値及び輝度設定値に応じた通常用のプロセステーブルが選択されることになる。従って、特定演出を終了した後の次の可変表示の開始時にステップS532A、S532Hの処理が実行されることによって、特定演出中の音量及び輝度から、遊技者によって設定された音量及び輝度に復帰して可変表示及びその他の演出が実行されることになる。
ステップS532D、S532G、又は、S532Hの処理を実行した後には、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS533)。続いて、画像表示装置5における飾り図柄などの変動を開始させるための設定を行う(ステップS534)。このときには、例えばステップS531にて使用パターンとして決定された特図変動時演出制御パターンに含まれる表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDP等に対して伝送させることなどにより、画像表示装置5の画面上に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS535)、可変表示開始設定処理を終了する。
図27は、可変表示中演出処理として、図18のステップS172にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図27に示す可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば演出制御プロセスタイマ値などに基づいて、変動パターンに対応した可変表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS541)。一例として、ステップS541の処理では、演出制御プロセスタイマ値を更新(例えば1減算)し、更新後の演出制御プロセスタイマ値に対応して演出制御パターンから終了コードが読み出されたときなどに、可変表示時間が経過したと判定すればよい。
ステップS541にて可変表示時間が経過していない場合には(ステップS541;No)、演出制御用CPU120は、前演出実行中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS541A)。前演出実行中フラグがセットされている(すなわち、特定演出前演出の実行中である)場合(ステップS541A;Yes)には、演出制御用CPU120は、前演出用切替済みフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS541B)。前演出用切替済みフラグがセットされていなければ(ステップS541B;No)、演出制御用CPU120は、RAM122に設けられている設定値格納領域からスピーカ8L、8Rの音量設定値と遊技効果ランプ9の輝度設定値とを読み込む(ステップS541C)。また、演出制御用CPU120は、ステップS541Cで読み込んだ音量設定値及び輝度設定値に応じた前演出用のプロセスデータへの切替を行う(ステップS541D)。そして、演出制御用CPU120は、前演出用切替済みフラグをセットする(ステップS541F)。これにより、演出制御用CPU120は、切替後の前演出用のプロセスデータの内容に従って演出装置(演出用部品としての画像表示装置5、演出用部品としての各種ランプ及び演出用部品としてのスピーカ8L、8R)の制御を実行する。
ステップS541A〜S541Fの処理が実行されることによって、飾り図柄の変動表示の途中で特定演出前演出の実行が開始された場合には、前演出用のプロセスデータに切り替えられて特定演出前演出時の変動表示の態様に切り替えられる。具体的には、画像表示装置5の表示画面全体を用いて飾り図柄の変動表示を実行している状態から、画像表示装置5の表示画面全体に特定演出前演出の表示が実行され且つ表示画面の下部右領域(変動表示領域)において、飾り図柄の変動表示を実行している状態に切り替えられる。そして、一度切り替えが行われると、以降、ステップS541BでYesと判定されて、切り替え後の前演出用のプロセスデータに従って、後述するステップS542〜S546が実行されることによって、特定演出前演出時の態様で飾り図柄の変動表示が実行される。
前演出実行中フラグがセットされていない場合には(ステップS541A;No)、演出制御用CPU120は、特定演出実行中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS541G)。特定演出実行中フラグがセットされている(すなわち、特定演出の実行中である)場合(ステップS541G;Yes)には、演出制御用CPU120は、特定演出用切替済みフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS541H)。特定演出用切替済みフラグがセットされていなければ(ステップS541H;No)、演出制御用CPU120は、RAM122に設けられている設定値格納領域からスピーカ8L、8Rの音量設定値と遊技効果ランプ9の輝度設定値とを読み込む(ステップS541I)。また、演出制御用CPU120は、ステップS541Iで読み込んだ音量設定値及び輝度設定値に応じた特定演出用のプロセスデータへの切替を行う(ステップS541J)。そして、演出制御用CPU120は、特定演出用切替済みフラグをセットする(ステップS541K)。これにより、演出制御用CPU120は、切替後の特定演出用のプロセスデータの内容に従って演出装置(演出用部品としての画像表示装置5、演出用部品としての各種ランプ及び演出用部品としてのスピーカ8L、8R)の制御を実行する。
ステップS541G〜S541Kの処理が実行されることによって、飾り図柄の変動表示の途中で特定演出の実行が開始された場合には、特定演出用のプロセスデータに切り替えられて特定演出時の変動表示の態様に切り替えられる。具体的には、画像表示装置5の表示画面全体を用いて飾り図柄の変動表示を実行している状態から、画像表示装置5の表示画面全体に特定演出の表示が実行され且つ表示画面の下部右領域(変動表示領域)において、飾り図柄の変動表示を実行している状態に切り替えられる。そして、一度切り替えが行われると、以降、ステップS541HでYesと判定されて、切り替え後の特定演出用のプロセスデータに従って、後述するステップS542〜S546が実行されることによって、特定演出時の態様で飾り図柄の変動表示が実行される。
特定演出実行中フラグがされていない場合(ステップS541G;No)、特定演出用切替済みフラグがセットされている場合(ステップS541H;Yes)、ステップS541Fのあと、又は、ステップ541Kのあと、演出制御用CPU120は、予告演出を実行するための予告演出期間であるか否かを判定する(ステップS542)。予告演出期間は、例えば、図26のステップS529で選択された変動中予告パターンごとに予め定められていればよい。ステップS542にて予告演出期間であるときには(ステップS542;Yes)、予告演出を実行するための演出動作制御を行う(ステップS543)。
一例として、ステップS543の処理では、各変動中予告パターンに対応する予告演出制御パターンなどから読み出した演出制御実行データ(例えば表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データなど)に応じて、演出画像の表示や効果音の出力、ランプの点灯、演出用模型の動作などのうち、一部または全部を含めた所定の演出動作を行うために、各種指令を作成して表示制御部123や音声制御基板13、ランプ制御基板14などに対して伝送させればよい。
ステップS542にて予告演出期間ではないときや(ステップS542;No)、ステップS543の処理を実行した後には、リーチ演出を実行するためのリーチ演出期間であるか否かを判定する(ステップS544)。リーチ演出期間は、所定のリーチ演出に対応して選択されたリーチ演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。ステップS544にてリーチ演出期間であるときには(ステップS544;Yes)、リーチ演出を実行するための演出動作制御を行う(ステップS545)。
ステップS544にてリーチ演出期間ではないときや(ステップS544;No)、ステップS545の処理を実行した後には、例えば変動パターンに対応した特図変動時演出制御パターンにおける設定などに基づいて、その他、飾り図柄の可変表示動作を含めた演出動作制御を行ってから(ステップS546)、可変表示中演出処理を終了する。
ステップS541にて可変表示時間が経過した場合には(ステップS541;Yes)、主基板11から伝送される図柄確定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS547)。このとき、図柄確定コマンドの受信がなければ(ステップS547;No)、可変表示中演出処理を終了して待機する。なお、可変表示時間が経過した後、図柄確定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、図柄確定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理が実行されるようにしてもよい。
ステップS547にて図柄確定コマンドの受信があった場合には(ステップS547;Yes)、例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった、飾り図柄の可変表示において表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)を導出表示させる制御を行う(ステップS548)。また、当り開始指定コマンド受信待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS549)。そして、演出プロセスフラグの値を特図当り待ち処理に対応した値である“3”に更新してから(ステップS550)、可変表示中演出処理を終了する。
図28は、この実施の形態における音量及び輝度の設定態様の具体例を示す説明図である。図28では、遊技機A〜Cの3台の遊技機の設定例が示されているが、遊技機Aでは遊技者によって音量及び輝度ともに30%に相当する値に設定された場合が示され、遊技機Bでは遊技者によって音量が80%に相当する値に輝度が40%に相当する値に設定された場合が示され、遊技機Cでは遊技者によって音量が90%に相当する値に輝度が100%に相当する値に設定された場合が示されている。
図28に示すように、遊技機Aでは、特定演出前演出及び特定演出以外の変動表示その他の演出に関しては、遊技者によって設定された音量及び輝度に従って30%に相当する値の音量及び30%に相当する値の輝度で変動表示その他の演出が実行される(ステップS532C、S532F参照)。例えば、飾り図柄の変動表示や、その変動表示中に実行される予告演出、リーチ演出などについては、遊技者によって設定された音量に従って30%に相当する音量でスピーカ8L、8Rから演出音が出力され、遊技者によって設定された輝度に従って30%の輝度で遊技効果ランプ9が発光される。一方、特定演出前演出及び特定演出に関しては、音量設定値及び輝度設定値がともに所定値(本例では、70%に相当する値)未満であることから、音量及び輝度ともに遊技者によって設定された値ではなく所定値に相当する値(本例では、70%に相当する値)の音量及び輝度に変更されて特定演出が実行される(ステップS575〜S578、S606〜S609参照)。
また、図28に示すように、遊技機Bでは、特定演出前演出及び特定演出以外の変動表示その他の演出に関しては、遊技者によって設定された音量及び輝度に従って80%に相当する値の音量及び40%に相当する値の輝度で変動表示その他の演出が実行される(ステップS532C、S532F参照)。例えば、飾り図柄の変動表示や、その変動表示中に実行される予告演出、リーチ演出などについては、遊技者によって設定された音量に従って80%に相当する音量でスピーカ8L、8Rから演出音が出力され、遊技者によって設定された輝度に従って40%の輝度で遊技効果ランプ9が発光される。一方、特定演出前演出及び特定演出に関しては、音量設定値は所定値以上であるものの輝度設定値が所定値未満であることから、音量は遊技者によって設定された値(本例では、80%に相当する値)とするものの輝度は遊技者によって設定された値ではなく所定値に相当する値(本例では、70%に相当する値)の輝度に変更されて特定演出が実行される(ステップS575〜S578、S606〜S609参照)。
また、図28に示すように、遊技機Cでは、特定演出前演出及び特定演出以外の変動表示その他の演出に関しては、遊技者によって設定された音量及び輝度に従って90%に相当する値の音量及び100%に相当する値の輝度で変動表示その他の演出が実行される(ステップS532C、S532F参照)。例えば、飾り図柄の変動表示や、その変動表示中に実行される予告演出、リーチ演出などについては、遊技者によって設定された音量に従って90%に相当する音量でスピーカ8L、8Rから演出音が出力され、遊技者によって設定された輝度に従って100%の輝度で遊技効果ランプ9が発光される。一方、特定演出前演出及び特定演出に関しては、音量設定値及び輝度設定値ともに所定値以上であることから、音量は遊技者によって設定された値(本例では、90%に相当する値)且つ輝度は遊技者によって設定された値(本例では、100%に相当する値)で特定演出が実行される(ステップS575〜S578、S606〜S609参照)。
次に、パチンコ遊技機1における具体的な演出動作について説明する。図29は、特定演出前演出期間以外の期間に先読みカウントダウン予告が実行される場合の画像表示装置5における表示動作例を示している。
図29(A)に示すように、飾り図柄表示エリア(5L、5C、5R)において飾り図柄の可変表示が通常態様で実行され、左側の飾り図柄が停止し(図29(B)参照)、その後、飾り図柄がハズレ態様で変動停止したとする(図29(C)参照)。そして、このときに保留4個となり、先読み予告演出の抽選において先読みカウントダウン予告に当選したとする。そして、次の可変表示が開始され(図29(D)参照)、さらに次の可変表示が開始されると、図29(E)に示すように、保留4個目(ターゲット)が保留3個目にシフトし、先読みカウントダウン予告である数値「3」の表示が実行される。続いて、次の可変表示が開始されると、図29(F)に示すように、保留3個目(ターゲット)が保留2個目にシフトし、先読みカウントダウン予告である数値「2」の表示が実行される。続いて、次の可変表示が開始されると、図29(G)に示すように、保留2個目(ターゲット)が保留1個目にシフトし、先読みカウントダウン予告である数値「1」の表示が実行される。続いて、次の可変表示が開始されると、図29(H)に示すように、保留1個目(ターゲット)が除去され、先読みカウントダウン予告である数値「0」の表示が実行され、今回の可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高いことを示唆する。図29(I)に示すように、飾り図柄の可変表示が停止し、今回の可変表示結果が例えばハズレ態様で表示される。ここではハズレとしたが、先読みカウントダウン予告は大当り期待度が高い予告であるため、可変表示結果が「大当り」となる可能性が高い。
図30は、特定演出前演出の実行期間に重なる先読みカウントダウン予告が禁止されて特定演出前演出と特定演出とが実行される場合の画像表示装置5における表示動作例を示している。
図30(A)に示すように、飾り図柄表示エリア(5L、5C、5R)において飾り図柄の可変表示が通常態様で実行され、その後に、図30(B)に示すように特定演出前演出が開始され(特定演出の開始まであと60秒であることを示す数値「60秒」が表示される)、飾り図柄の可変表示と保留表示とが縮小態様に変更して表示される。特定演出前演出は、画像表示装置5の表示画面の全体領域に表示される。なお、特定演出前演出では、1秒刻みでカウントダウン表示する態様で特定演出前演出を実行してもよいが、この実施の形態では特定演出の開始まであと10秒となるまでは、5秒刻みでカウントダウン表示する態様としている。
そして、図30(C)に示すように、飾り図柄がハズレ態様で変動停止したとする。このときに保留4個となり、保留4個となったときに実行される先読み予告演出の抽選において先読みカウントダウン予告に当選したが、特定演出前演出の実行期間中であるために先読み保留予告に変更される。保留4個目の保留記憶表示が通常態様から特別態様(例えば白色の表示から黒色)に変更して表示される(図30(C)参照)。一方、特定演出前演出の開始から10秒が経過したため、特定演出前演出での「50秒」との表示が実行される。そして、特定演出前演出の開始から60秒が経過すると、図30(D)に示すように、特定演出前演出での「0秒」との表示が実行され、特定演出前演出が終了する。ここでは可変表示が2回実行されたため、特別態様で表示された4個目の保留記憶表示が2個目の保留記憶表示にシフトした状態となっている。また、特定演出前演出の実行期間では、図30(B)〜(D)に示すように先読みカウントダウン予告が禁止されている。カウント演出が重複する(つまり、特定演出前演出と先読みカウントダウン予告とが重複する)と、何れの演出か分かりづらくなるので、一方(ここでは、先読みカウントダウン予告)を実行しないようにしているのである。
このように、特定演出前演出ではなく、先読みカウントダウン予告を禁止する理由は、次の通りである。遊技店内に設置された複数台のパチンコ遊技機1に一斉に実行されることを目的とした特定演出(一斉演出)の報知を、一のパチンコ遊技機1(自機)のみ制限してしまうと、遊技者に違和感を与えてしまう。つまり、他の多数のパチンコ遊技機1が特定演出を実行しているのに、自機のみが特定演出が未実行であるとの違和感が発生するからである。このため、特定演出前演出ではなく、先読みカウントダウン予告を禁止している。
なお上記とは逆に、特定演出前演出を禁止し、先読みカウントダウン予告を実行するようにしてもよい。この場合は、大当り期待度を優先的に表示でき、遊技の興趣性を向上させることができる。
特定演出前演出の終了と同時に、特定演出が開始される(図30(E)参照)。特定演出は、画像表示装置5の表示画面の全体領域に表示される。この実施の形態では、特定演出の実行期間が5分間であるため、図30(F)〜(I)に示すように複数回の可変表示が実行される。図30(H)に示すように、次の可変表示が開始されると、特別態様で表示された2個目の保留記憶表示が1個目の保留記憶表示にシフトし、図30(I)に示すように、次の可変表示が開始されると、特別態様で表示された1個目の保留記憶表示が除去される。続いて、図30(J)に示すように、特定演出の開始から5分が経過したときに飾り図柄の可変表示中である場合には、「次回をお楽しみに!」などの繋ぎの表示を行うことによって特定演出の実行を継続させる(図23のステップS615参照)。
なお、図30(J)に示すような「次回をお楽しみに!」などの繋ぎの表示は動画再生ではなく、静止画の表示によって実現してもよい。この場合、動画が終わったタイミングで「次回をお楽しみに!」などの繋ぎの静止画の表示を開始し、変動表示を終了するときにその繋ぎの静止画の表示を終了するようにすればよい。
次いで、図30(K)に示すように例えばリーチの発生タイミングとなり、変動時間が終了すると、図30(L)に示すように、特定演出の動画再生が終了される(ステップS619参照)とともに、飾り図柄の変動表示を終了して飾り図柄の停止図柄が通常態様(つまり、縮小表示を解除した通常大きさの表示態様)で導出表示される。
なお、図30に示す例では、特定演出として動画再生を行う場合を示したが、この実施の形態で示したものに限定されない。例えば、画像表示装置5の背景画面を変更する態様で特定演出を実行することによって、飾り図柄の変動表示を縮小しなくても済むようにしてもよい。
ここで図29を用いて前述した先読みカウントダウン予告についてのタイムチャートを、図31(A)を用いて説明する。図31(A)は、特定演出前演出期間以外の期間に当選した場合の先読みカウントダウン予告を示すタイムチャートを示している。
図31(A)に示すように、特定演出前演出期間以外の期間において、4個目の保留データ(ターゲット)についての先読み抽選が先読みカウントダウン予告に当選している。このため、画像表示装置5での飾り図柄の可変表示は通常態様で実行され、ターゲットが1つシフトして飾り図柄の可変表示が開始される毎に、カウントダウン形式の数値「3」→「2」→「1」→「0」が表示される。
次に、図30を用いて前述した特定演出前演出の実行期間中に先読みカウントダウン予告に当選した場合についてのタイムチャートを、図31(B)を用いて説明する。図31(B)は、特定演出前演出期間に当選した先読みカウントダウン予告から変更された先読み保留予告を示すタイムチャートを示している。
図31(B)に示すように、特定演出前演出の実行期間では、画像表示装置5での飾り図柄の可変表示は通常態様から縮小態様に変更して実行される。また、特定演出前演出の実行期間において、4個目の保留データ(ターゲット)についての先読み抽選が先読みカウントダウン予告に当選しているので、先読みカウントダウン予告を先読み保留予告に変更して実行される。図31(B)では、当選した先読みカウントダウン予告が破線で示され、その実行が禁止され、代わりに実線で示す先読み保留予告が実行される。先読み保留予告は、画像表示装置5の表示画面の始動入賞記憶表示エリア5Hにおける4個目の保留記憶表示が通常態様から特別態様(例えば白色の表示から黒色)に変化し、飾り図柄の可変表示が開始される毎に、特別態様のターゲットが左側に1つシフトして表示される。
なお、特定演出前演出(第1のカウント演出)は一斉演出であり、先読みカウントダウン予告(第2のカウント演出)は大当り期待度を示す演出であるため、特定演出前演出(第1のカウント演出)と先読みカウントダウン予告(第2のカウント演出)とは互いに異なる内容を示唆する演出である。
以上、本実施の形態のパチンコ遊技機1によれば、特定演出前演出(第1のカウント演出)の実行に基づき(例えばステップS758にて前演出実行中フラグがセットされていれば)、先読みカウントダウン予告(第2のカウント演出)の実行を制限(本実施の形態では禁止)する(例えばステップS757〜S759の処理を実行する演出制御用CPU120など)ので、カウント演出(特定演出前演出と先読みカウントダウン予告)が分かり難くなることを防止でき、遊技の違和感を与えることを低減できる。
なお、本実施の形態では、特定演出前演出(第1のカウント演出)の実行に基づき、先読みカウントダウン予告(第2のカウント演出)の実行を禁止しているが、これに限定されない。例えば、特定演出前演出(第1のカウント演出)の実行に基づき、この特定演出前演出(第1のカウント演出)の実行を制限したり(例えば、特定演出前演出を縮小表示したり異なる表示態様を変更したりするなど)、特定演出前演出(第1のカウント演出)及び先読みカウントダウン予告(第2のカウント演出)の両方の実行を制限したり(例えば、後述する実施の形態2のように特定演出前演出及び先読みカウントダウン予告の両方を縮小表示に制限したり、互いに異なる表示態様を変更したりするなど)してもよい。この場合であっても、カウント演出が分かり難くなることを防止でき、遊技の違和感を与えることを低減できる。
また、計時手段(例えば、演出制御メイン処理内のステップS71A、S71B、S74Aの処理を実行する演出制御用CPU120など)の計時結果を契機として実行される特定演出の前に、特定演出前演出(第1のカウント演出)を実行する構成、つまり、計時手段による判定に基づいて第1のカウント演出が実行される構成において、先読みカウントダウン予告(第2のカウント演出)が、計時手段とは異なる手段による判定(例えば、抽選手段による抽選判定(例えば、ステップS754の処理を実行する演出制御用CPU120など)など)に基づいて実行されるようにすると、第1、第2のカウント演出(特定演出前演出と先読みカウントダウン予告)が重なって行われる可能性がある。このような構成の場合でも、第1のカウント演出と第2のカウント演出とが重なって行われないように制御する(例えばステップS758にて前演出実行中フラグがセットされていれば)、先読みカウントダウン予告(第2のカウント演出)の実行を制限する(例えばステップS757〜S759の処理を実行する演出制御用CPU120など)ので、特定演出前演出と先読みカウントダウン予告とが重なって行われないようにすることができ、カウント演出が分かり難くなることを防止でき、遊技の違和感を与えることを低減できる。
また、有利状態となる期待度(例えば、大当り期待度など)を示唆する先読みカウントダウン予告(第2のカウント演出)と、有利状態となる期待度に関係のない特定演出前演出(第1のカウント演出)とが重なって行われないように制御されるので、両カウント演出が重なり合って分かり難くなることを防止できる。
また、例えば特定演出前演出(第1のカウント演出)の実行中において、有利状態となる期待度を示唆する複数種類の演出(図20(B)に示すような先読み保留予告、その他の先読み予告など)の全てを禁止する場合には遊技の興趣性が低下してしまうことになる。これに対して、上記パチンコ遊技機1の構成によれば、特定演出前演出(第1のカウント演出)の実行中は、有利状態となる期待度を示唆する演出であって第2のカウント演出とは異なる所定演出(図20(B)に示すような先読み保留予告、その他の先読み予告など)の実行が可能であるので、特定演出前演出(第1のカウント演出)の実行中においても遊技の興趣性を確保することができる。また、特定演出前演出(第1のカウント演出)の実行中は、先読みカウントダウン予告(第2のカウント演出)の実行が禁止されるので、カウント演出同士が重なり合って分かり難くなるもののみ実行しないようにすることができる。つまり、両カウント演出が重なり合って分かり難くなることを防止できる。
また、特定演出前演出(第1のカウント演出)と先読みカウントダウン予告(第2のカウント演出)との演出態様は、一部共通のものを含むので、特定演出前演出(第1のカウント演出)と先読みカウントダウン予告(第2のカウント演出)とについて共通の素材(データ)を用いることができ、データ容量を削減することができる。
また、パチンコ遊技機1は、遊技者によって音量設定可能に構成され(例えば、ステップS657〜S660を実行する演出制御用CPU120など)、遊技者の設定した音量設定値を特定演出用の音量設定値に変更した音出力を行う特定演出が実行可能である(例えば、ステップS605〜S607、S610を実行する演出制御用CPU120など)ので、特定演出を好適に行えるようにすることができる。
また、パチンコ遊技機1は、遊技者によって輝度設定可能に構成され(例えば、ステップS657〜S660を実行する演出制御用CPU120など)、遊技者の設定した輝度設定値を特定演出用の輝度設定値に変更した輝度に従って遊技効果ランプ9の発光させる特定演出が実行可能である(例えば、ステップS605、S608〜S610を実行する演出制御用CPU120など)ので、特定演出を好適に行えるようにすることができる。
(実施の形態2)
ここで、特定演出前演出と先読みカウントダウン予告とが表示領域を分けて表示可能な実施の形態2のパチンコ遊技機1について、図32を用いて説明する。
図32(C)に示すように、特定演出前演出の実行期間中において、先読みカウントダウン予告に当選した場合であっても、図32(D)に示すように、特定演出前演出の表示領域を縮小し(例えば「53秒」の数値が縮小表示されている)、先読みカウントダウン予告の表示領域が特定演出前演出の表示領域に重ならないように先読みカウントダウン予告と特定演出前演出との両方とも表示し、図32(E)〜(G)に示すように特定演出前演出と先読みカウントダウン予告とが重ならないように表示すればよい。図32(E)〜(G)では、例えば「41秒」、「29秒」、「17秒」の特定演出前演出の数値がそれぞれ縮小表示されている。なお、図32では縮小表示された特定演出前演出の数値が破線で囲われた態様としているが、このような囲い表示がなくてもよい。また、先読みカウントダウン予告の「3」、「2」、「1」、「0」の数値も通常態様よりも縮小表示している。なお、特定演出前演出の表示と重ならないのであれば、先読みカウントダウン予告の「3」、「2」、「1」、「0」の数値を通常態様のままで表示してもよい。
例えば、図22に示すステップS579の前とステップS582の前とに、先読みカウントダウン予告に当選しているか否かを判定するステップを設け、かかるステップにて当選と判定されると特定演出前演出を縮小表示するステップを設けるようにすればよい。また、特定演出前演出の実行期間において実行される先読みカウントダウン予告の表示領域も縮小させてもよい。また、先読みカウントダウン予告の表示領域を、縮小表示した特定演出前演出の表示領域に重ならない領域に移動させて表示するようにしてもよい。
このように実施の形態2のパチンコ遊技機1によれば、第1のカウント演出は、第2のカウント演出実行中において、通常時とは異なる態様であって当該第2のカウント演出とは重なって行われない態様に制限して実行可能であるので、カウント演出同士が重なり合って分かり難くなるのを防止できる。また、有利状態の期待度(大当り期待度)を示唆する第2のカウント演出を優先的に実行することができ、遊技の興趣性の低下を防止することができる。
なお、特定演出前演出と先読みカウントダウン予告との表示態様を互いに異なる態様とし、両方とも表示するようにしてもよい。この場合でも、両者の表示態様が異なるので、カウント演出同士が分かり難くなるのを防止できる。
以上、本発明の実施の形態を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
ここで、変形例1のパチンコ遊技機1について説明する。上記実施の形態では、特定演出前演出の実行期間において先読みカウントダウン予告が当選した場合に、先読みカウントダウン予告を禁止しているが、図33に示すように、特定演出前演出の直前期間において先読みカウントダウン予告が当選した場合にも、先読みカウントダウン演出の後半部分と特定演出前演出とが重なって行われる可能性がある。例えば、図33の二点鎖線円内に示すように、先読みカウントダウン予告の後半部分である数値「1」、「0」の表示が、特定演出前演出の実行と重なって行われる。このため、図33に示す変形例1のパチンコ遊技機1では、特定演出前演出の直前期間(例えば5分間など)において先読みカウントダウン予告が当選した場合にも先読みカウントダウン予告を禁止する構成とする。
具体的には、特定演出前演出の直前期間(例えば5分間など)では直前期間フラグをセット(つまり、直前期間である)し、図19のステップS758において、前演出実行中フラグがセットされている場合は勿論のこと、直前期間フラグがセットされている場合にも、当選した先読みカウントダウン予告を先読み保留予告に変更(ステップS759)すればよい。あるいは、先読み保留予告などの他の予告に変更せずに先読みカウントダウン予告を実行しないようにしてもよい。
なお、特定演出前演出の直前期間としては、先読みカウントダウン予告が特定演出前演出に重なって行われることがないように予め長い時間に設定してもよい。また、ターゲット手前の全ての変動時間を計算して先読みカウントダウン予告の実行の有無を判定するようにしてもよい。
次に、変形例2のパチンコ遊技機1について説明する。上記実施の形態では、特定演出前演出の実行期間において先読みカウントダウン予告が当選した場合に、先読みカウントダウン予告を全面禁止しているが、図34に示すように先読みカウントダウン演出の後半部分は特定演出前演出に重ならない。つまり、図34の二点鎖線円内に示すように、先読みカウントダウン予告の後半部分である数値「1」、「0」の表示は、特定演出前演出の実行と重ならない。このため、図34に示す変形例2のパチンコ遊技機1では、特定演出前演出において先読みカウントダウン予告が当選した場合であっても先読みカウントダウン予告のうちで特定演出前演出と重ならない後半部分については実行可能な構成とする。
具体的には、図19のステップS758において、前演出実行中フラグがセットされている場合は、当選した先読みカウントダウン予告を一時的に禁止とし、先読みカウントダウン予告の実行期間中に特定演出前演出の実行期間が終了した否かを判定するステップを設け、特定演出前演出の実行期間が終了と判定した場合に、先読みカウントダウン予告のうち特定演出前演出と重なって行われない後半部分を実行するようにすればよい。
なお、上記の各実施の形態や変形例では、リアルタイムクロック126から取得した時刻情報に基づいて時間計測タイマをセットし、時間計測タイマをカウントダウンしていくことによって計時する場合を示しているが、上記の各実施の形態で示した態様に限定されない。例えば、時間計測タイマをカウントアップしていき、時間計測タイマの値が所定値となったことに基づいて特定演出の開始条件が成立したと判定するようにしてもよい。
また、上記の各実施の形態や変形例では、リアルタイムクロック126及び時間計測タイマを用いて計時する場合を示しているが、これに限定されない。例えば、リアルタイムクロック126を用いることなく、時間計測タイマのカウントダウンまたはカウントアップのみを行うことによって特定演出の開始タイミングを計時するようにしてもよい。また、逆に、時間計測タイマを用いることなく、リアルタイムクロック126からの時刻情報のみに基づいて特定演出の開始タイミングを判定するようにしてもよい。
なお、前述した各実施の形態及び変形例では、演出制御基板12が計時手段(例えば、リアルタイムクロック126や時間計測タイマなど)を備えているが、主基板11や電源基板が備える構成であってもよい。
なお、前述した各実施の形態及び変形例では、特定演出前演出や先読みカウントダウン予告がカウントダウン形式としているが、カウントアップ形式であってもよい。
なお、前述した各実施の形態及び変形例では、先読みカウントダウン予告(第2のカウント演出)は、抽選手段による抽選に当選すると実行されるものであるが、特定演出前演出(第1のカウント演出)と先読みカウントダウン予告(第2のカウント演出)の両方とも、抽選手段による抽選に当選すると実行されるものであってもよい。
なお、前述の各実施の形態では、先読みカウントダウン予告(第2のカウント演出)は、入賞時判定手段(始動入賞時受信コマンドバッファ194Aでのコマンド受信に基づき先読み予告設定処理(S166)を実行する演出制御用CPU120など)により実行可否を決定するものとしているが、変動開始時に実行可否を決定するものであってもよい。
例えば、図26に示す可変表示開始設定処理(ステップS171)中のステップ529の後に先読み予告設定処理を実行するようにしてよい。この場合には、4個目(変動開始時に1つ消化されるので変動開始後は3個目)の保留データについての先読み予告演出として例えば先読み保留予告に決定された場合には、図1に示す画像表示装置5の始動入賞記憶表示エリア5Hにおける3個目の保留記憶表示が通常態様から特別態様(例えば白色の表示から黒色)に変化する。また、4個目(変動開始時に1つ消化されるので変動開始後は3個目)の保留データについて先読みカウントダウン予告に決定された場合には、保留数が「3」→「2」→「1」→「0」に変更されることに同期して、図29(E)〜(H)に示すように先読みカウントダウン予告の数値「3」→「2」→「1」→「0」が表示される。
また、第2のカウント演出は、各実施の形態では先読みカウントダウン予告としているが、数値を報知する演出であればよく、数値を報知するステップアップ予告(SU予告)などであってもよい。また、第1のカウント演出も同様であり、数値を報知する演出であればよい。
また、上記実施の形態では、有利状態となる期待度(大当り期待度)を示唆する複数種類の演出として、例えば図20(B)に示すような先読み保留予告、その他の先読み予告(例えば先読みチャンス目予告など)を用いているが、これに限定されない。「その他の先読み予告」としては、変動開始時のエフェクト(光エフェクトなど)予告、役物(可動役物)が動作する予告などを含んだものであってもよい。
なお、先読みカウントダウン予告に関しては、図26に示す可変表示開始設定処理(ステップS171)内のステップS529にて先読みカウントダウン予告の設定も行われ、図27に示す可変表示中演出処理(ステップS172)内の予告演出動作制御(ステップS543)にて先読みカウントダウン予告が実行されるものであってもよいし、ステップS542の前などに先読みカウントダウン予告実行処理を配置するようにしてもよい。
また、図18に示す演出制御プロセス処理(ステップS75)内の先読み予告設定処理(ステップS166)を図26に示す可変表示開始設定処理(ステップS171)内のステップS529の後などに配置し、図21に示す先読み予告実行処理(ステップS167)をステップS542の前などに配置するようにしてもよい。
また、第1特図で大当りとなった場合と第2特図で大当りとなった場合とで、大当り後の遊技状態の有利度合い(確変制御や時短制御の割合や期間)が異なる遊技機に本発明を適用してもよい。例えば、大当り遊技状態の有利度合いは第1特図の方が有利となっているが、大当り後の遊技状態は第2特図の方が有利となっているような遊技機では、大当りとなる変動時に先読み予告演出が実行されて「大当り」となる第1特図の保留データがあることがわかった場合には、当該第1特図の保留データを消化させるか否かを、遊技者の好みに応じて選択可能となるといった遊技性が生まれ、遊技の興趣が向上する。
また、第1特図の可変表示と第2特図の可変表示を同時の実行する遊技機において本発明を適用する場合には、低確状態においては第2特図の変動時間が極めて長く(例えば10分)、高確状態(特別遊技状態)においては第2の変動時間が短く(例えば5秒)なるようにしてもよい。なお、この場合、高確状態(特別遊技状態)においては第1特図の変動時間が極めて長く(例えば10分)することで、高確状態においては第2特図の可変表示を多く実行させることができる。
また、上記実施の形態では、第2特図保留記憶部151Bにより、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第2始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない第2特図を用いた特図ゲームの保留データを記憶するようになっていが、第2特図を用いた特図ゲームの保留データは記憶されないようにしてもよい。この場合には、第2特図の停止時間に第2始動入賞が発生した場合には、第1特図の保留データがある場合でも、第2特図の可変表示が実行されるようにしてよい。
上記実施の形態においては、変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御基板(サブ側)に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターン指定コマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御基板に通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、主基板(メイン側)は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様(例えば前変動パターン)を示すコマンド(例えば前変動パターン指定コマンド)を送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様(例えば後変動パターン)を示すコマンド(例えば後変動パターン指定コマンド)を送信する様にしてもよい。
この場合、演出制御基板は2つのコマンドの組合せから導かれる可変表示時間(変動時間)に基づいて可変表示における演出制御を行うようにすればよい。尚、主基板の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御基板の方で選択を行う様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターン指定コマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、上記実施の形態では、先読み予告演出における保留記憶表示の特別態様は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生したものであるか、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生したものであるかによらず同じであったが、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生したものであるか、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生したものであるかに応じて、表示態様(色や形状など)を異ならせてもよい。
また、図14に示すステップS403の処理では、ステップS402の処理にて選択された特図表示結果決定用テーブルデータを用いた判定を行う。このように、可変表示結果が「大当り」に決定されるか否かの判定に用いられる大当り判定範囲を示す大当り判定用データとして、遊技状態が確変状態(高確状態)ではないときに所定数の大当り判定値を含んだ通常判定用データと、遊技状態が確変状態であるときに所定数よりも多数の大当り判定値を含んだ特別判定用データとが設けられ、始動入賞が発生したときの遊技状態が確変状態ではないときに通常判定用データを用いて可変表示結果を判定する一方、始動入賞が発生したときの遊技状態が確変状態であるときには特別判定用データを用いて可変表示結果を判定する。ここで、遊技状態が確変状態であるときに、始動入賞の発生に基づいて抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データを用いて可変表示結果が「大当り」に決定されると判定するとともに、大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データを用いて大当り種別が「非確変」に決定されて大当り遊技状態の終了後には確変制御が行われないと判定したときには、その判定の対象となった可変表示における表示結果に基づき確変制御が終了するまでの期間内に発生した始動入賞に基づく先読み予告演出の実行を制限してもよい。これにより、確変制御が終了するにもかかわらず、確変状態に対応した特別判定用データを用いて可変表示結果が「大当り」に決定される旨の判定結果に基づく先読み予告演出が実行されてしまうことを防止して、演出内容の整合性を保つことができる。
上記実施の形態では、第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出に基づいて第1特図を用いた特図ゲームが実行され、第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出に基づいて第2特図を用いた特図ゲームが実行されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過(進入)したかにかかわらず共通の特別図柄を用いた特図ゲームが実行されるものであってもよい。
その他にも、パチンコ遊技機1の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。
加えて、本発明の遊技機は、遊技者に景品として遊技球が払い出され、遊技者は払い出された遊技球(貸し球の場合もある)を遊技領域に発射して遊技が行われる遊技機であったが、プリペイドカードや会員カード等の遊技用記録媒体の記録情報より特定される大きさの遊技価値である度数を使用して、遊技に使用するための遊技得点を付与するとともに、付与された遊技得点または遊技による入賞により付与された遊技得点を使用して遊技機内に封入された遊技球を遊技領域に打ち込んで遊技者が遊技を行う遊技機にも本発明を適用することができる。
即ち、遊技領域に設けられた始動領域を遊技媒体が通過したことに基づいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報の可変表示を行い表示結果を導出表示する可変表示手段を備え、当該可変表示手段に予め定められた特定表示結果が導出表示されたときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機であるが、遊技得点が0でないときに遊技得点を使用して遊技機内に封入された遊技球を遊技領域に打ち込んで遊技が行われ、遊技球の打ち込みに応じて遊技得点を減算し、遊技領域に設けられた入賞領域に遊技球が入賞することに応じて遊技得点を加算する遊技機にも本発明を適用できる。そのような遊技機は、遊技得点の加算に使用可能な遊技用価値の大きさを特定可能な情報が記録された遊技用記録媒体を挿入するための遊技用記録媒体挿入口と、遊技用記録媒体挿入口に挿入された遊技用記録媒体に記録されている記録情報の読み出しを行う遊技用記録媒体処理手段を備えていてもよい。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
また、2種(いわゆる羽根物)や3種(いわゆる権利物)のパチンコ遊技機に、本願発明を適用してもよい。また、パチンコ遊技機に限定されずスロットマシンに本願発明を適用してもよい。
また、図柄の可変表示について、変動中に表示されるものは1種類の外れ図柄だけで、当該図柄の表示と消灯とを繰り返すことによって可変表示を繰り返すようにしてもよい。さらに変動中に表示されるものも、図柄の停止時に表示されるものでなくてもよい(例えば、表示機器が7セグメントなどの場合に、変動中は真ん中の横棒の点灯と消灯の繰り返しだが、表示結果としては真ん中の横棒だけが表示されることはない等)。
また、先読み演出を実行する構成として、主基板11側で先読み判定(例えばステップS212の入賞時乱数値判定処理など)し、主基板11での先読み判定結果のコマンドが送信され(例えばステップS17のコマンド制御処理など)、演出制御基板12側でその受信コマンドに基づいて先読み予告演出を実行する(例えば、図18の演出制御プロセス処理内に先読み予告設定処理と先読み予告実行処理とを設けるなど)構成としてもよい。また、これ以外の構成として、主基板11で乱数値を示すコマンド送信し(例えば入賞時乱数値を示すコマンドを送信する実行するCPU103など)、演出制御基板12側で大当り判定(例えば先読み判定を実行する演出制御用CPU120など)し、演出制御基板12側で先読み予告演出を実行する(前記先読み予告設定処理と先読み予告実行処理とを実行する演出制御用CPU120など)構成であってもよい。つまり、主基板11側ではなく、演出制御基板12側で先読み判定を行うようにしてもよい。