JP3578549B2 - ハイブリッド駆動車両 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、電気エネルギー駆動と燃料エネルギー駆動を適宜使い分けるハイブリッド駆動車両に関する。
【0002】
【従来の技術】
このようなハイブリッド駆動車両は公知であり、例えば特表平5−502638号がある。
【0003】
このハイブリッド駆動車両は車体前部に前輪車軸を駆動する内燃式のエンジン、車体中央部に燃料タンク、車体後部に後輪車軸を駆動するモータ及びバッテリをそれぞれ分散配置してある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、バッテリと燃料タンクを分散配置すると重量分散による車体慣性モーメントの増大を招く。
【0005】
また、取付部材が個別になるため、組立やメンテナンスに手間がかかり、製作コストも増大する。そのうえ、車体全体のコンパクト化を妨げる。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため本願発明は、電気エネルギー駆動と燃料エネルギー駆動を適宜使い分けるハイブリッド駆動車両であって燃料タンクを車体へ偏って配置したものにおいて、前輪及び後輪をそれぞれ車体の左右に備え、車室を形成する車体を支持するための車体フレームに、その車体フレ−ムを構成するフレーム部材で囲まれた空間を設け、この同一の空間内で前記前輪と後輪の間に、バッテリ及び燃料タンクを共通に支持するための支持部材を前記車体フレームへ着脱自在に設け、この支持部材上の空間内にて、前記バッテりの一部を偏って配置し、この偏って配置されたバッテリの一部に対して前記燃料タンクを前記支持部材上における同一の空間内の反対側へ配置したことを特徴とする。
【0007】
また、上記請求項1において、前記共通の支持部材をトレーとすることができる。
【0009】
【発明の効果】
バッテリと燃料タンクを集中配置するのでマスの集中ができ、車体全体をコンパクトにできる。
さらに、バッテリと燃料タンクを配設するため共通の支持部材を前後輪の間に配置し、
かつこの共通の支持部材上にて、バッテリのうち一部を偏って配置し、この偏って配置されたバッテリの一部に対して燃料タンクを前記共通の支持部材上の反対側に配置したので、車体中央部へマスの集中を図ることができ、慣性モーメントを小さくして運動性能を向上できる。
【0010】
かつ、取付部材を共通にできるので、組立やメンテナンスの手間が省け、製作コストを低くできる。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1は本願発明の適用された小型4輪車両の側面図、図2は車体フレームの斜視図、図3は懸架装置部分を示す平面図、図4は同側面図、図5はパワーユニット部分の拡大側面図である。
【0013】
図1において、この小型車両は、左右各一対づつ設けられる前輪1及び後輪2の間に配設された車体フレーム3にバッテリ4を支持するとともに、車体フレーム3の上に車室を構成する一体構造の車体5を支持している。
【0014】
車体5の左右側面には大きな開口部が形成され、内部は居住用の車室をなす。車室内にはシートクッション6及びシートバック7が設けられている。前方にハンドル8が配置されている。
【0015】
前輪1は左右一対のリーディングアーム10を介して車体フレーム3の前方にピボット点11を中心に揺動自在に支持され、かつリーディングアーム10と一対のフロントクッションアーム12と車体フレーム3の側面間にフロントクッション13が取り付けられている。
【0016】
後輪2を支持するスイング式パワーユニット14は、左右一対のトレーリングアーム15を介して車体フレーム3の後部へピボット点16を中心に揺動自在に支持され、トレーリングアーム15と車体フレーム3の後端部との間にリヤクッション17が取付けられている。
【0017】
スイング式パワーユニット14には後述するハイブリッド式駆動部18が設けられている。
【0018】
図2に示すように、フレーム部材3は、アルミ角パイプ等の高剛性の金属で略四辺形に構成された矩形枠部20とその前方に形成された衝撃吸収部30を有する。
【0019】
矩形枠部20は前後のクロスメンバ21a、21b及び両側のサイドメンバ22で略四辺形状に形成される。
【0020】
クロスメンバ21aの左右両端部にはピボット支持アーム23が斜め下方へ突出し、かつ中間部にも一対のピボット支持アーム24が設けられ、これらの隣り合う一対の支持ア−ム23と24間にリーデイングアーム10の後端部が軸着される。
【0021】
左右のサイドメンバ22には、それぞれ上部にキャビン5の取付用ステー25、下部にトレ−40の取付用ステー26が設けられ、また外側面中間部にはフロントクッション13の後端部を支持するためのクッションブラケット27が取付けられている。
【0022】
クロスメンバ21bの両端上部には斜め上がり後方へ突出するクッションブラケット28が設けられ、ここにリヤクッション17の前端部が連結され、左右両端の下部から斜め下がりに後方へステー29が突出し、ここにトレーリングアーム15が軸支される。
【0023】
クロスメンバ21a、クロスメンバ21b及び左右のサイドメンバ22で囲まれた略四角形の収容空間内へは、トレー40が吊り下げ支持される。
【0024】
トレー40は略四角形の容器状をなし、その縁部には外方へ突出する取付フランジ41が形成され、ここをサイドメンバ22上のステー26へ入れて、ボルト42及びナット43で取付けられる。
【0025】
衝撃吸収部30はクロスメンバ21aの両端部から斜め上がり前方へ延出する左右一対のサイドビーム31とこれらの中間部において平行し、かつ斜め上がり後方へ延びるセンタービーム32を有する。
【0026】
サイドビーム31とセンタービーム32の各先端部はバンパ33へ取付けられ、センタービーム32の後端部は左右のサイドビーム31から湾曲して上下方向へ延びる連結部材34で支持されている。
【0027】
これらセンタービーム32の後端面と左右の連結部材34の後面との上には一枚の衝撃分散プレート35が取付けられている。
【0028】
左右のサイドビーム31の中間部側面には、支持アーム24の延出部の先端部が取付けられている。
【0029】
図3及び図4に示すように、トレー40内には、前部に動力用のバッテリ4が横一列に並べて複数配設されている。このバッテリ4の後方には左側に寄せてサブバッテリ44が配設されている。
【0030】
これらのバッテリは、それぞれが予め形成されたケース内へ収容固定されている。トレー40の後部右側には、燃料タンク45が配設され、その底部に設けられたストレーナ46及びサイドメンバ22の下部に支持されたオイルポンプ47を介してハイブリッド式動力部18へ供給するようになっている。
【0031】
トレー40を収容する収容空間は左前輪1と右後輪2並びに右前輪1と左後輪2をそれぞれ結ぶ各対角線の交わる位置にある。
【0032】
図3乃至図5に示すように、スイング式パワーユニット14は、底部にロアアーム50が設けられ、その前端部中央に設けられたリンクアーム51で、同じくクロスメンバ21bの背面中央部に設けられたリムアーム52とピボットブッシュ53を介して取付けられる。
【0033】
ピボットブッシュ53は、トレーリングアーム15のピボット軸54と同軸取付けされ、これらの中心はピボット点16を構成する。
【0034】
各トレーリングアーム15及びロアアーム50は後端をクロスパイプ55で連結されて一体化し、ハイブリッド駆動部18を構成する電気モータ56、内燃式エンジン57、ミッション58が支持され、これらで車軸59を駆動回転するようになっている。
【0035】
これらのハイブリッド駆動部18の上方を囲むように、ロアアーム50とクロスパイプ55を前後に連結するアーチ状フレーム60が設けられ、その上にエアクリーナ61、気化器62が支持されている。ハイブリッド駆動部18の後部にもマフラー63(図5参照、なお図3では省略)が支持されている。
【0036】
このように、前後輪を結ぶ対角線の交わる車体中央部に位置する矩形枠部20内の同一空間へバッテリ4,44及び燃料タンク45を集中配置するとともに、対角線の交わる位置を挟んでバッテリ4、44と燃料タンク45を配置したので、スペース効率よく異なるエネルギー源を共存させ、マスの集中を図って、慣性モーメントを小さくし、運動性能を向上させることができ、車体全体をコンパクトにできる。
【0037】
かつ、トレー40の様な取付部材を共通にできるので、組立やメンテナンスの手間が省け、製作コストを低くできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の適用された小型4輪車両の側面図
【図2】車体フレームの斜視図
【図3】懸架装置部分を示す平面図
【図4】同側面図
【図5】パワーユニット部分の拡大側面図
【符号の説明】
3:車体フレーム、4:バッテリ、18:ハイブリッド駆動部、20:矩形枠部、40:トレー、44:サブバッテリ、45:燃料タンク
Claims (2)
- 電気エネルギー駆動と燃料エネルギー駆動を適宜使い分けるハイブリッド駆動車両であって燃料タンクを車体の一側へ偏って配置したものにおいて、前輪及び後輪をそれぞれ車体の左右に備え、車室を形成する車体を支持するための車体フレームに、その車体フレ−ムを構成するフレーム部材で囲まれた空間を設け、この同一の空間内で前記前輪と後輪の間に、バッテリ及び燃料タンクを共通に支持するための支持部材を前記車体フレームの下方へ着脱自在に設け、この支持部材上の空間内にて、前記バッテリの一部を偏って配置し、この偏って配置されたバッテリの一部に対して前記燃料タンクを前記支持部材上における同一の空間内の反対側へ配置したことを特徴とするハイブリッド駆動車両。
- 前記共通の支持部材がトレーであることを特徴とする請求項1記載のハイブリッド駆動車両。
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