JP3556349B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は複数の感光体を有するデジタルカラー複写機、デジタルカラーファクシミリ、カラープリンタ等の画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
画像形成装置には、駆動機構により回転駆動される複数の感光体に対して独立して複数の書き込み手段により複数の異なった色の情報をそれぞれ走査線で書き込んで静電潜像を形成し、これらの静電潜像を複数の顕像化手段により異なった色の顕像にそれぞれ顕像化して転写材上に重ね合わせて転写してカラー画像を得るデジタルカラー複写機などのデジタルカラー画像形成装置がある。このデジタルカラー画像形成装置において、書き込み手段は半導体レーザ等からの書き込みビームからなる走査線で書き込みレンズ等からなる光学部品を介して感光体を走査することにより感光体に情報を書き込んで静電潜像を形成する。
【0003】
また、特開平2ー282763号公報には、画素クロックの周波数を偏向レーザビームの主走査方向位置に応じて変化させて各色間のfθ特性のバラツキを補正するカラー画像形成装置が記載されている。特開平2ー291573号公報には、転写紙搬送方向と直交する方向の少なくとも3箇所にテストトナー像を形成してその位置を像位置検出手段により検出し、画像の書き出し位置、倍率及びfθ特性を補正することにより、転写ずれのないカラー画像を形成するカラー画像形成装置が記載されている。
【0004】
特開平2ー297574号公報には、パターン画像の主走査方向の複数箇所での副走査方向の位置を位置検出手段により検出してレーザビーム走査装置の光学部品の機械的な変位によるビーム走査線の湾曲を補正することにより、ビーム走査線の軌跡が湾曲して生ずる色ずれを補正するカラー画像形成装置が記載されている。
【0005】
特開平6ー35287号公報には、スキュー(カラーレジずれ)に対する補正を反射鏡に取り付けられたステッピングモータを駆動制御することにより補正する多重画像出力装置におけるカラーレジずれの補正方法が記載されている。特開平6ー118325公報には、非球面結像反射鏡を変位調整することで走査線の曲がりを補正する光走査装置が記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記デジタルカラー画像形成装置では、駆動機構により回転駆動される複数の感光体に対して独立して複数の書き込み手段により複数の異なった色の情報をそれぞれ走査線で書き込んで静電潜像を形成し、これらの静電潜像を複数の顕像化手段により異なった色の顕像にそれぞれ顕像化して転写材上に重ね合わせて転写してカラー画像を得るので、各感光体の機械的な位置精度、各書き込み手段の走査線の各感光体に対する位置精度、書き込みレンズのばらつきに起因する、走査線の曲がり、傾き、倍率誤差、各感光体の速度誤差、機械全体の温度上昇による書き込み位置及び倍率の変動等により、各色の顕像のずれが発生し易く、これが最終的なカラー画像に色ムラ、色ズレとなって現われ、画像品質を劣化させる要因となっている。
【0007】
上記特開平2ー297574号公報記載のカラー画像形成装置や特開平6ー35287号公報記載の多重画像出力装置におけるカラーレジずれの補正方法では、走査線の曲がり、傾き(スキュー)を光学部品の機械的変位により補正しているが、感光体上で必要とされる各色の走査線の曲がり、傾きの精度は、1/2dot以下であって、例えば記録密度が400dpiの場合には±30μm程度であり、走査線の曲がり、傾きを書き込み手段の光学部品で補正する場合には数μm程度の精度で走査線の曲がり、傾きを補正しなければならず、非常に高価なものとなる。
【0008】
また、感光体を回転駆動する駆動機構の中にギア、ベルト等の減速機構が含まれている場合、そのバックラッシュや歯形の精度不良等により走査線の曲がり、傾きを正確に補正できないという不具合があった。更に、外部からの振動に対しても光学部品を回転部品を介してしか固定できないので、光学部品の固定は通常の固定よりも機械的に弱くなり、光学部品の固有振動数が低下することによりバンディングなどが発生しやすくなる等の不具合がある。
また、光学部品を変位させて走査線の曲がり、傾きを補正しようとすると、走査線の曲がり、傾きは補正できてもピントが最良のピント位置からはずれてしまって書き込みビーム径が不良となり、照度むら等により画像に悪影響を与えてしまう。
【0009】
特開平2ー282763号公報記載のカラー画像形成装置では、画素クロックの周波数を偏向レーザビームの主走査方向位置に応じて変化させて各色間のfθ特性のバラツキを補正しているが、画素クロックの周波数を1dot以下の単位で安定して変化させスイープすることは画素クロック自体が高速である場合には非常に難しくてコストがかかる。
【0010】
本発明は、機械的な変位による補正を行うことなく画像データの補間による補正を行うことにより、常に安定した補正を行うことができ、低コスト化を図ることができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、複数の感光体と、この複数の感光体にそれぞれ異なった色の画像データにより異なった色の情報を走査線で書き込んで静電潜像を形成する複数の書き込み手段と、前記複数の感光体上の各静電潜像を異なった色の顕像に顕像化する複数の顕像化手段とを有し、前記複数の感光体上の各顕像を転写材上に重ね合わせて転写してカラー画像を得る画像形成装置において、前記書き込み手段の走査線の曲がり及び傾きを測定する測定手段と、この測定手段の測定結果に応じて前記画像データを2次元的に補間して補正するリサンプリング手段とを備えたものである。
【0012】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の画像形成装置において、前記画像データを前記リサンプリング手段による補正の前にフィルタリング処理するフィルタリング手段を備えたものである。
【0013】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の画像形成装置において、前記画像データを前記リサンプリング手段による補正の後にフィルタリング処理するフィルタリング手段を備えたものである。
【0014】
請求項4記載の発明は、請求項1記載の画像形成装置において、前記リサンプリング手段は、前記測定手段の測定結果により前記書き込み手段の走査線の曲がり及び傾きを近似式によって近似し、この近似値に基づいて主走査方向の各ドットに対して前記画像データの副走査方向へのずれ量を決定するものである。
【0015】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の画像形成装置において、前記リサンプリング手段は前記近似式の係数を前記測定手段にて前記書き込み手段の走査線の曲がり及び傾きが測定される度に更新し、前記測定手段の前回の測定結果に対する今回の測定結果の変動量が基準値を越えた場合に異常信号を発生する手段を備えたものである。
【0016】
請求項6記載の発明は、請求項4記載の画像形成装置において、前記近似式の係数、もしくは、前記書き込み手段の走査線の曲がり及び傾きを外部から可変する手段を備えたものである。
【0017】
請求項7記載の発明は、請求項1記載の画像形成装置において、前記書き込み手段の書き込み有効範囲内にて主走査方向の倍率を測定する複数の倍率測定手段と、この複数の倍率測定手段における最両端の倍率測定手段の測定結果に基づいて前記書き込み手段の書き込みクロックを補正する手段とを備え、前記リサンプリング手段は前記複数の倍率測定手段における中間の倍率測定手段の測定結果に基づいて前記画像データを主走査方向に補間して補正するものである。
【0018】
請求項8記載の発明は、請求項1記載の画像形成装置において、出力カラーモードが前記複数の感光体のうちのいずれか1つを用いて1色の画像を得るモードである場合には前記リサンプリング手段が画像データ補間補正動作を行わないものである。
【0019】
請求項9記載の発明は、請求項1記載の画像形成装置において、前記画像データから画像種別を判定する像域判定手段を備え、前記リサンプリング手段は前記像域判定手段により判定された画像種別に応じて画像データ補間補正動作を行うものである。
【0020】
請求項10記載の発明は、請求項1記載の画像形成装置において、前記リサンプリング手段は、前記画像データを複数ライン分保持する第1の複数のラインメモリと、前記測定手段の測定結果に応じた補間パラメータを保持する第2の複数のラインメモリと、この第2の複数のラインメモリに保持されている補間パラメータと前記第1の複数のラインメモリに保持されている画像データにより各画素毎にその近傍の画像データと補間パラメータとを積算して加算することで画像データを副走査方向に若しくは2次元的に補間して補正する演算手段とを有するものである。
【0021】
【発明の実施の形態】
図2は請求項1、4、5、6、9、10記載の発明の一実施形態例を示す。
この実施形態例は、複数の感光体を有するデジタルカラー複写機からなるデジタルカラー画像形成装置の実施形態例であり、原稿画像を読み取るためのスキャナー部1と、このスキャナー部1から出力されるデジタルカラー画像信号を電気的に処理する画像処理部2と、この画像処理部2からのデジタルカラー画像信号に基づいて画像を転写紙からなる転写材上に形成するプリンタ部3とを有する。
【0022】
スキャナー部1においては、原稿載置台4の上に載置された原稿が蛍光灯からなる光源5により照明され、その反射光がミラー6〜8、結像レンズ9を経てダイクロイックプリズム10により、例えば赤(以下Rという)、緑(以下Gという)、青(以下Bという)の3種類の波長の光に分光されて各波長毎に(各色毎に)CCDからなる撮像素子11R、11G、11Bに入射すると共に、蛍光灯5及びミラー6〜8の移動により原稿の走査が行われる。CCD11R、11G、11Bは、ダイクロイックプリズム10からの入射光を各色のアナログ画像信号に変換し、この各色のアナログ画像信号は図示しないA/D変換器により各色のデジタル画像信号に変換されて画像処理部2に入力される。
【0023】
画像処理部2は、スキャナー部1からの各色のデジタル画像信号に対して所定の処理を施して複数の記録色のデジタル画像信号、例えばブラック(以下BKという)、イエロー(以下Yという)、マゼンタ(以下Mという)、シアン(以下Cという)のデジタル画像信号に変換し、プリンタ部3内のレーザ光出射装置からなる書き込み手段12BK、12Y、12M、12Cへ送る。
【0024】
なお、この実施形態例では、BK、Y、M、Cの4色の顕像を重ね合わせてフルカラー画像を得るが、3色の顕像を重ね合わせてフルカラー画像を得るようにしてもよい。この場合、プリンタ部3はBK、Y、M、Cの4色の顕像を形成する4組の記録装置13BK、13Y、13M、13Cのうちの1組の記録装置を省略することができる。
【0025】
プリンタ部3においては、4組の記録装置13BK、13Y、13M、13Cが並んで配置されている。Cの顕像を形成する記録装置13Cでは、感光体としての感光体ドラム14Cは、図示しない駆動機構により副走査方向へ回転駆動されて帯電チャージャからなる帯電手段15Cにより均一に帯電され、レーザ光出射装置12Cによる画像露光で静電潜像が形成される。
【0026】
ここに、レーザ光出射装置12Cは、画像処理部2からのCのデジタル画像信号により半導体レーザ駆動制御部で半導体レーザを駆動制御してCのデジタル画像信号により強度変調されたレーザビームを出射させ、このレーザビームを光偏向器で主走査方向へ繰り返して偏向して感光体ドラム14Cに走査線として照射することにより、感光体ドラム14CにCの情報を書き込んで静電潜像を形成する。この感光体ドラム14C上の静電潜像は顕像化手段としての現像装置16CによりCトナーからなる1成分現像剤もしくはCトナーとキャリアからなる2成分現像剤により現像されてCの顕像となる。
【0027】
同様に、他の記録装置13BK、13Y、13Mでは、それぞれ、感光体としての感光体ドラム14BK、14Y、14Mは、図示しない駆動機構により副走査方向へ回転駆動されて帯電チャージャからなる帯電手段15BK、15Y、15Mにより均一に帯電され、レーザ光出射装置12BK、12Y、12Mによる画像露光で静電潜像が形成される。
【0028】
レーザ光出射装置12BK、12Y、12Mは、それぞれ、画像処理部2からのBK、Y、Mの各デジタル画像信号によりそれぞれ半導体レーザ駆動制御部で半導体レーザを駆動制御してBK、Y、Mの各デジタル画像信号により強度変調されたレーザビームを出射させ、これらのレーザビームをそれぞれ光偏向器で主走査方向へ繰り返して偏向して感光体ドラム14BK、14Y、14Mに走査線として照射することにより、感光体ドラム14BK、14Y、14MにそれぞれBK、Y、Mの各情報を書き込んで静電潜像を形成する。この感光体ドラム14BK、14Y、14M上の各静電潜像は顕像化手段としての現像装置16BK、16Y、16MによりBKトナー、Yトナー、Mトナーの各1成分現像剤もしくはBKトナーおよびキャリア、Yトナーおよびキャリア、Mトナーおよびキャリアの各2成分現像剤によりそれぞれ現像されてBK、Y、Mの各顕像となる。
【0029】
例えば2つの給紙カセットを用いた2つの給紙部19の何れかから給紙コロ18により転写紙からなる転写材がレジストローラ20へ給紙され、レジストローラ20は転写紙をタイミングをとって転写ベルト21へ送出されて転写ベルト21により搬送される。転写ベルト21上の転写紙は、転写ベルト21と感光体ドラム14BK、14C、14M、14Yとのニップ部を通過する際に、転写手段としての転写チャージャ17BK、17C、17M、17Yにより感光体ドラム14BK、14C、14M、14Y上の各色の顕像が重ね合わせて転写されることでフルカラー画像が形成され、定着装置22によりフルカラー画像が定着されて排紙ローラ23により外部へカラーコピーとして排出される。
【0030】
また、感光体ドラム14BK、14C、14M、14Yはそれぞれ顕像転写後にクリーニング装置24BK、24C、24M、24Yによりクリーニングされて残留トナーが除去される。転写ベルト21は、駆動ローラ25及び従動ローラ26、27に張架されて駆動源により駆動ローラ25を介して回転駆動され、レジストローラ20からの転写紙を搬送する。クリーニング装置28は転写ベルト21を転写紙搬送後にクリーニングする。
【0031】
また、複数組の発光素子からなる照明光源29及び受光素子30からなる反射型フォトセンサ、スリット部材31及び複数の集光レンズ32は書き込み手段としてのレーザ光出射装置12BK、12C、12M、12Yの走査線の曲がり、傾きを随時測定する測定手段としての位置ズレ検出部33(図1参照)を構成するものである。スリット部材31のスリットは、複数組の発光素子29及び受光素子30に対応して複数個設けられて転写ベルト21の幅方向(主走査方向)へ配列され、若しくは、転写ベルト21の幅方向(主走査方向)及び搬送方向(副走査方向)へ2次元的にずらせて配置され、所定の測定パターンのライン幅、例えば0.1mm程度のラインと同程度のスリットとして設けられる。
【0032】
レーザ光出射装置12BK、12C、12M、12Yは、互いに異なる所定のタイミングで測定パターン発生回路からのBK、C、M、Yの各測定パターン画像信号によりそれぞれ半導体レーザ駆動制御部で半導体レーザを駆動制御してBK、C、M、Yの各測定パターン画像信号により強度変調されたレーザビームを出射させ、これらのレーザビームをそれぞれ光偏向器で主走査方向へ繰り返して偏向して感光体ドラム14BK、14C、14M、14Yに走査線として照射することにより、感光体ドラム14BK、14C、14M、14YにそれぞれBK、C、M、Yの各測定パターンを書き込んで各測定パターンの静電潜像を形成する。
【0033】
感光体ドラム14BK、14C、14M、14Y上の各測定パターンの静電潜像は、現像装置16BK、16C、16M、16Yによりそれぞれ現像されてBK、C、M、Yの各測定パターンの顕像となり、転写チャージャ17BK、17C、17M、17Yにより転写ベルト21に直接的に重ならないように転写されて転写紙には転写されない。転写ベルト21は各照明光源29からスリット部材31のスリットを通して光束が照射されてそれらの反射光がスリット部材31の各スリット及び各集光レンズ32を介して受光素子30で受光され、転写ベルト21上のBK、C、M、Yの各測定パターンの顕像の濃度が光学的に測定される。
【0034】
位置ズレ検出部33は、随時、受光素子30の出力信号を演算してレーザ光出射装置12BK、12C、12M、12Yの走査線の曲がり、傾きを求め、例えばスリット部材31の主走査方向へ配列された複数のスリットを通して受光する複数の受光素子の出力信号から各測定パターンの顕像の副走査方向への位置ずれを検出してレーザ光出射装置12BK、12C、12M、12Yの走査線の副走査方向への曲がり、傾きを検出し、若しくは、スリット部材31の主走査方向及び副走査方向へ2次元的に配列された複数のスリットを通して受光する複数の受光素子の出力信号から各測定パターンの顕像の主走査方向及び副走査方向への2次元的な位置ずれを検出してレーザ光出射装置12BK、12C、12M、12Yの走査線の主走査方向及び副走査方向への2次元的な曲がり、傾きを検出し、その結果を位置ズレデータとして出力する。
【0035】
図1は、この実施形態例の回路構成を示す。画像処理部2は、スキャナ部1からR、G、Bの各デジタル画像信号が入力され、かつ、外部装置34から外部コントローラ35を介してR、G、Bの各デジタル画像信号が入力される。画像処理部2では、スキャナ部1から入力されたR、G、Bの各デジタル画像信号又は外部装置34から外部コントローラ35を介して入力されたR、G、Bの各デジタル画像信号は空間フィルタ36によってモアレ除去処理等が行われ、色度座標変換回路37によってY、M、C、BKの記録色の各デジタル画像信号に変換される。なお、画像処理部2には外部からY、M、C、BKの各デジタル画像信号が直接送られて来る場合もある。
【0036】
Y、M、C、BKの各デジタル画像信号は変倍部38により変倍処理が行われてクリエイト部39でクリエイトが行われ、階調補正部40で階調補正が施される。この階調補正部40からのY、M、C、BKの各デジタル画像信号は、感光体間メモリ41によって第1の感光体ドラム14BKから各感光体ドラム14BK、14C、14M、14Yまでの距離に応じた時間だけそれぞれ保持される。
【0037】
一方、制御手段としてのシステム制御部42は、上記位置ズレ検出部33からの位置ズレデータより近似式によってレーザ光出射装置12BK、12C、12M、12Yの走査線の曲がり、傾きを近似して主走査方向の各ドットに対応した走査線の副走査方向へのズレ量を算出し、このズレ量に基づいて主走査方向の各ドット毎に、或いは主走査方向の複数ドット毎に補間パラメータを作成してズレ補正装置43の補間用メモリに格納する。
【0038】
ズレ補正装置43は感光体間メモリ41を経たY、M、C、BKの各デジタル画像信号を補間用メモリ内の補間パラメータにより副走査方向に若しくは2次元的に補間して補正し、プリンタ部3のレーザ光出射装置12BK、12C、12M、12Yへ送る。ここに、システム制御部42、ズレ補正装置43及び像域判定部44は位置ズレ検出部33の検出結果に応じて画像データを副走査方向に若しくは2次元的に補間して補正するリサンプリング手段を構成する。
【0039】
図4は上記ズレ補正装置43の1色分の構成を示す。ズレ補正装置43は、各色分の構成が同様な構成となっている。システム制御部42は、位置ズレ検出部33からの位置ズレデータに応じて近似式によって画像データの位置ズレの補間による補正(以下リサンプリングという)を行う位置の近傍の画素に重み付けを行い、その重み付けのデータを補間パラメータとして画素単位で、あるいは複数の画素単位でズレ補正装置43の補間用メモリに設定する。
【0040】
ズレ補正装置43は、補間パラメータを記憶する補間用メモリとして複数(m)ライン分のラインメモリ45と、感光体間メモリ41からの画像データをmライン分にわたり保持するnライン分のラインメモリ46と、演算手段としての補間データ演算回路47とを有する。ここに、nはn≧m+(走査線の副走査方向の曲がり、傾き量)に設定される。補間データ演算回路47は、ラインメモリ46内の画像データをラインメモリ45内の補間パラメータにより直線補間又は3次関数コンボリューション又はスプライン補間等でリサンプリングし(補間して補正し)、プリンタ部3のレーザ光出射装置12BK、12C、12M、12Yへ送る。
【0041】
次に、画像データをリサンプリングする具体的な例として、主走査方向の画素数を256ドット、主走査方向の補間マトリックスサイズを1×4とした場合の例を、説明の簡略化のために2色分の画像データについて説明する。ここで、図5に示すように1色目のレーザ光出射装置の走査線が曲がりにより主走査方向の中央(128ドット目)で副走査方向に+1ドットずれ、かつ、2色目のレーザ光出射装置の走査線が曲がりにより主走査方向の中央(128ドット目)で副走査方向に−1ドットずれていると位置ズレ検出部33によって検出された場合を想定する。なお、上記ドット数(256ドット)及び補間マトリックスサイズは、計算の便宜上のものであって、実際には適切な値が設定される。
【0042】
位置ズレ検出部33からの位置ズレデータはシステム制御部42に送られ、システム制御部42は位置ズレ検出部33からの位置ズレデータからリサンプリングを行うべきライン上の主走査方向に配列された各ドットに対応した走査線の副走査方向へのずれ量を例えば直線近似式によって求める。この場合、システム制御部42は、直線近似式を用いたが、2次式、3次式のような多項式やスプライン関数等を用いて位置ズレ検出部33からの位置ズレデータからリサンプリングを行うべきライン上で主走査方向に配列された各ドットに対応した走査線の副走査方向へのずれ量を求めるようにしてもよい。
【0043】
スプライン関数を用いた場合には、自由に曲線を設定できるので、局部的なレンズの誤差に対しても対応可能となる。直線近似式を用いた場合には、1色目、2色目の各走査線の副走査方向へのずれ量はリサンプリングを行うべきラインにおける主走査方向のドット位置をX、副走査方向への走査線ずれ量をYとすると、それぞれY=±X/128(0〜127ドットの範囲)、Y=−{±(X−128)/128}±1(128〜255ドットの範囲)として求められる。
【0044】
次に、システム制御部42は、リサンプリングを行うべきライン上で主走査方向に配列された各ドットに対応した走査線の副走査方向へのずれ量から例えば図6に示すようなsinc関数を用いて補間マトリックスを計算する。すなわち、システム制御部42は、リサンプリングを行うべきライン上で主走査方向に配列されている各ドットに対応した走査線の副走査方向へのずれ量より、リサンプリング点から副走査方向に隣接する±2ドット(補間マトリックスのサイズによる)までの距離を求めてその距離に相当するsinc関数の値(sinc関数のπの位置が1ドットに対応)を求めるという計算を行い、この計算を主走査方向の各ドット毎に順次に行ってその計算結果をズレ補正装置43の補間用メモリに補間パラメータとして格納する。図14はその計算結果の例を示す。
【0045】
図7は上記ズレ補正装置43の具体例を示す。感光体間メモリ41からの画像データは上記ラインメモリ46としての複数のラインメモリ460〜466に複数ライン分が保持される。この場合、ラインメモリ460〜466はライン番号カウンタ480〜486にセットされているライン番号の画像データを保持する。今、画像データのリサンプリング点のアドレスは主走査方向アドレスがXで、副走査方向アドレスが画像データのYラインとY+1ラインとの間である場合を考える。ここに、ラインメモリ460にはY−2ライン目の画像データが格納されており、ラインメモリ461にはY−1ライン目の画像データが格納されており、ラインメモリ462〜465にはそれぞれY〜Y+3ライン目の各画像データが格納されている。
【0046】
また、補間用ラインメモリ450〜456には各ラインの画像データに対する重み付けの補間パラメータが書き込まれている。この補間パラメータの重み付けは、上述のようにsinc関数に従うものであり、リサンプリングを行うラインからこれに隣接する±2ラインまでの距離以上離れたラインに対応する重みが0となるように設定されている。
【0047】
ラインメモリ460のX番目の値(主走査方向アドレスXの画像データ)に対応する補間パラメータは補間用ラインメモリ450のX番目に格納されており、この両者がリードされて積算回路490で積算される。同様に、ラインメモリ461〜465のX番目の値とこれに対応する補間用ラインメモリ451〜455のX番目の補間パラメータが順次にリードされて積算回路491〜495で積算される。この場合、補間用ラインメモリ451〜455はカラムクロックに同期して順次にX番目の補間パラメータを出力し、ラインセレクタ50はラインメモリ460〜465のX番目の値を順次に選択して積算回路490〜495へ出力する。
【0048】
この時、感光体間メモリ41からのY+4ライン目の画像データがラインメモリ466のX番地に書き込まれる。積算回路490〜496の積算値は、加算回路51で加算され、リサンプリングされた画像データとしてプリンタ部3のレーザ光出射装置12Cへ送られる。同様に、X+1番目以降の画像データがリサンプリングされる。したがって、注目画素及びその近傍の複数の画素の画像データと補間パラメータとがそれぞれ積算されて加算されることにより、画像データの位置ズレが補正されることになる。
【0049】
1ライン分の画像データが主走査方向の最終アドレスの画像データまでリサンプリングされると、次の1ライン分の画像データのリサンプリングが開始される。この時、ラインメモリ461〜466はライン番号カウンタ481〜486によってライン番号がずらされて(Y−2)〜(Y+3)ラインの画像データが格納されていることになり、ラインメモリ460は(Y+4)ラインの画像データが格納されていることになる。
【0050】
このように常にリサンプリング点の近傍の6ライン分の画像データがリードされて画像データのリサンプリングが行われる。この時、リサンプリングされた画像データの桁あふれが発生した場合には、その桁あふれが無効とされて画像データが最大値又は最小値に設定される。
【0051】
図9は図5に示すように1色目のレーザ光出射装置の走査線が曲がりにより主走査方向の中央(128ドット目)で副走査方向に+1ドットずれた場合におけるズレ補正装置43からの位置ズレ補正後の画像データを示し、図10は2色目のレーザ光出射装置の走査線が曲がりにより主走査方向の中央(128ドット目)で副走査方向に−1ドットずれた場合におけるズレ補正装置43からの位置ズレ補正後の画像データを示す。ここに、図8はズレ補正装置43による位置ズレ補正の前の画像データを示す。
【0052】
これらの2色の画像データで形成された2色の顕像を重ね合わせて合成した場合の合成画像とその各ドットの状態は、レーザ光出射装置の走査線の曲がり、傾きが無い場合には図12と図15(a)に示すようになり、レーザ光出射装置の走査線の曲がり、傾きが有ってその補正を行わない場合には図13と図15(b)に示すようになり、レーザ光出射装置の走査線の曲がり、傾きが有ってその補正を上述のように行った場合には図14と図15(c)に示すようになる。
【0053】
また、図1に示すように像域判定部44はスキャナ部1、外部装置34からのデジタル画像信号より画像の種別を判定し、システム制御部42は像域判定部44の判定結果から画像が例えば黒1色のみにて形成されている画像種別の像域を有する場合にはその画像種別の像域でズレ補正装置43にスルーモードであることを通告して画像データのリサンプリングを行わせずに画像データをそのまま通過させる。このことで、ラインズレ補正の不要な画像部に対して補正を行わないことでリサンプリングに伴うMTFの劣化を防止することができる。
【0054】
また、操作部52はシステム制御部42に対して補間パラメータの設定、補正、リセットが可能であり、システム制御部42は操作部52により補間パラメータを設定し、又は位置ズレ検出部33による測定結果から求めた補間パラメータを補正し或いはリセットするための入力信号が入力された場合にはその入力信号に応じた補間パラメータをズレ補正装置43の補間用メモリ45に格納し、又は補間用メモリ45内の補間パラメータを操作部52からの入力信号に応じて補正したりリセットしたりする。
【0055】
例えばシステム制御部42は、操作部52からの入力信号に応じて上記近似式の係数、位置ズレ検出部33により測定されたレーザ光出射装置12BK、12C、12M、12Yの走査線の曲がり、傾きの設定、補正、リセットを行う。従って、ユーザはプリンタ部3により出力された最終画像を確認しながら操作部52で補間パラメータを微調整することにより、位置ズレ検出部33の定常的な測定誤差をキャンセルし、より正確なラインズレ補正を行うことができる。
【0056】
また、システム制御部42は、位置ズレ検出部33による測定直後の走査線の曲がり、傾き量と、位置ズレ検出部33による測定直前の走査線の曲がり、傾き量とを比較してその差が基準値を越えた場合には異常信号を発生し、例えば上記近似式の係数を位置ズレ検出部33にて走査線の曲がり、傾きが測定される度に更新して位置ズレ検出部33の前回の測定結果に対する今回の測定結果の変動量が基準値を越えた場合に異常信号を発生し、位置ズレ検出部33の再測定等の処置を行う。このことで、転写ベルト21上のキズ等による位置ズレ検出部33の誤動作を防止することができる。
【0057】
この実施形態例は、請求項1記載の発明の実施形態例であって、複数の感光体としての感光体ドラム14BK、14C、14M、14Yと、この複数の感光体14BK、14C、14M、14Yにそれぞれ異なった色の画像データにより異なった色の情報を走査線で書き込んで静電潜像を形成する複数の書き込み手段としてのレーザ光出射装置12BK、12C、12M、12Yと、複数の感光体14BK、14C、14M、14Y上の各静電潜像を異なった色の顕像に顕像化する複数の顕像化手段としての現像装置16BK、16C、16M、16Yとを有し、複数の感光体14BK、14C、14M、14Y上の各顕像を転写紙からなる転写材上に重ね合わせて転写してカラー画像を得るカラー画像形成装置において、書き込み手段12BK、12C、12M、12Yの走査線の曲がり、傾きを測定する測定手段としての位置ズレ検出部33と、この測定手段33の測定結果に応じて前記画像データを副走査方向に若しくは2次元的に補間して補正するリサンプリング手段としてのシステム制御部42及びズレ補正装置43とを備えたので、機械的な変位による補正を行うことなく画像データの補間による補正を行うことで、常に安定した補正を行うことができ、低コスト化を図ることができる。
【0058】
また、この実施形態例は、請求項4記載の発明の実施形態例であって、請求項1記載の画像形成装置において、リサンプリング手段としてのシステム制御部42及びズレ補正装置43は、測定手段としての位置ズレ検出部33の測定結果により書き込み手段としてのレーザ光出射装置12BK、12C、12M、12Yの走査線の曲がり、傾きを近似式によって近似し、この近似値に基づいて主走査方向の各ドットに対して画像データの副走査方向への補正位置を決定するので、測定手段33の個数を最小限にして低コスト化を図ることができる。
【0059】
また、この実施形態例は、請求項5記載の発明の実施形態例であって、請求項4記載のカラー画像形成装置において、リサンプリング手段としてのシステム制御部42及びズレ補正装置43は前記近似式の係数を測定手段33にて書き込み手段12BK、12C、12M、12Yの走査線の曲がり、傾きが測定される度に更新し、測定手段33の前回の測定結果に対する今回の測定結果の変動量が基準値を越えた場合に異常信号を発生する手段としてのシステム制御部42を備えたので、機械の温度上昇による走査線のずれを精度良く補正することができ、かつ、測定手段33のキズ等による誤測定を防止することができる。
【0060】
また、この実施形態例は、請求項6記載の発明の実施形態例であって、請求項4記載の画像形成装置において、前記近似式の係数、もしくは、書き込み手段12BK、12C、12M、12Yの走査線の曲がり、傾きを外部から可変する手段としての操作部52を備えたので、測定手段33に異常が発生した場合でも正常な動作を行わせることができる。また、テストパターン等の実際の出力画像を基に近似式の係数を補正するようにすれば測定手段33自体に含まれる測定誤差を解消することができる。
【0061】
また、この実施形態例は、請求項9記載の発明の実施形態例であって、請求項1記載の画像形成装置において、画像データから画像種別を判定する像域判定手段としての像域判定部44を備え、リサンプリング手段としてのシステム制御部42及びズレ補正装置43は像域判定手段44により判定された画像種別に応じて画像データ補間補正動作を行うので、リサンプリングを行わないことで、リサンプリングに伴うMTFの劣化を防止することができる。
【0062】
また、この実施形態例は、請求項10記載の発明の実施形態例であって、請求項1記載の画像形成装置において、リサンプリング手段としてのシステム制御部42及びズレ補正装置43は、画像データを複数ライン分保持する第1の複数のラインメモリ460〜466と、測定手段33の測定結果に応じた補間パラメータを保持する第2の複数のラインメモリ451〜456と、この第2の複数のラインメモリ451〜456に保持されている補間パラメータと第1の複数のラインメモリ460〜466に保持されている画像データにより各画素毎にその近傍の画像データと補間パラメータとを積算して加算することで画像データを副走査方向に若しくは2次元的に補間して補正する演算手段としての補間データ演算回路47とを有するので、リサンプリングのアルゴリズムによらない演算手段を提供でき、3次関数コンボリューション法によるリサンプリングが可能となり、補間パラメータを保持するラインメモリを節約することができる。
【0063】
本発明の他の実施形態例は、上記実施形態例において、ズレ補正装置43の前にフィルタリング回路が設けられてこのフィルタリング回路が感光体間メモリ41からの画像データの高調波成分を取り除き、また、ズレ補正装置43の後にエッジ強調フィルタからなるフィルタリング回路が設けられてこのフィルタリング回路がズレ補正装置43からの画像データをフィルタリング処理する。この実施形態例は請求項2、3記載の発明の実施形態例である。
このように、この実施形態例は、請求項2記載の発明の実施形態例であって、画像データをリサンプリング手段としてのシステム制御部42及びズレ補正装置43による補正の前にフィルタリング処理するフィルタリング手段としてのフィルタリング回路を備えたので、画像データのエッジ部等の高調波成分を取り除いてリサンプリング処理時のモアレやエッジ部での色のにじみを防止することができる。
【0064】
また、この実施形態例は請求項3記載の発明の実施形態例であって、請求項1記載の画像形成装置において、画像データをリサンプリング手段による補正の後にフィルタリング処理するフィルタリング手段としてのエッジ強調フィルタを備えたので、リサンプリング手段の補正によるシャープ性及びMTFの劣化を回復することができる。
【0065】
請求項7記載の発明の一実施形態例は、上記実施形態例において、位置ズレ検出部33が転写ベルト21上のレーザ光出射装置12BK、12C、12M、12Yの書き込み有効範囲内にて各色の顕像の主走査方向の倍率を測定する複数の倍率測定手段を兼ね、システム制御部42がその複数の倍率測定手段における主走査方向最両端の倍率測定手段の測定結果に基づいてレーザ光出射装置12BK、12C、12M、12Yの書き込みクロック(画素クロック)を補正する。ここに、レーザ光出射装置12BK、12C、12M、12Yは、それぞれ書き込みクロックに同期して画像処理部2からの各色のデジタル画像信号により半導体レーザ駆動制御部で半導体レーザを駆動制御する。
【0066】
また、位置ズレ検出部33は、複数の照明光源29から転写ベルト21へ光束を照射してそれらの反射光をスリット部材31の複数のスリット及び複数の集光レンズ32を介して受光素子30で受光するので、各色の顕像の主走査方向の倍率を測定する複数の倍率測定手段を構成している。また、システム制御部42は上記複数の倍率測定手段における主走査方向中間の倍率測定手段の測定結果に基づいて補間パラメータを可変することで、ズレ補正装置43に画像データを主走査方向にリサンプリングさせる。ここに、マトリックスサイズは例えば4×4に設定され、画像データが主走査方向及び服走査方向へ2次元的にリサンプリングされることになって色ズレの低減を図ることができる。
【0067】
このように、請求項7記載の発明の実施形態例では、請求項1記載の画像形成装置において、書き込み手段としてのレーザ光出射装置12BK、12C、12M、12Yの書き込み有効範囲内にて主走査方向の倍率を測定する複数の倍率測定手段としての位置ズレ検出部33と、この複数の倍率測定手段における最両端の倍率測定手段の測定結果に基づいて書き込み手段12BK、12C、12M、12Yの書き込みクロックを補正する手段としてのシステム制御部42とを備え、リサンプリング手段としてのシステム制御部42及びズレ補正装置43は複数の倍率測定手段における中間の倍率測定手段の測定結果に基づいて画像データを主走査方向に補間して補正するので、画素クロックを一定に保ったままで精度良くレンズのfθ特性を補正することができる。
【0068】
請求項8記載の発明の一実施形態例は、上記実施形態例において、出力カラーモードが複数の感光体14BK、14C、14M、14Yのうちのいずれか1つを用いて1色の画像を得る単色モードである場合にはシステム制御部42がズレ補正装置43にリサンプリングを行わせないようにしたものである。
【0069】
この請求項8記載の発明の実施形態例では、請求項1記載の画像形成装置において、出力カラーモードが複数の感光体14BK、14C、14M、14Yのうちのいずれか1つを用いて1色の画像を得る単色モードである場合にはリサンプリング手段としてのシステム制御部42及びズレ補正装置43がリサンプリングを行わないので、単色モード時に画質劣化の少ない画像を得ることができる。
なお、本発明は、上記実施形態例に限定されるものではなく、例えばデジタルカラー複写機以外のデジタルカラーファクシミリ、カラープリンタ等の画像形成装置に同様に適用することができ、また、感光体上の各色の顕像を中間転写体に重ねて転写した後に転写紙に転写する場合などにも適用できる。
【0070】
【発明の効果】
以上のように請求項1記載の発明によれば、複数の感光体と、この複数の感光体にそれぞれ異なった色の画像データにより異なった色の情報を走査線で書き込んで静電潜像を形成する複数の書き込み手段と、前記複数の感光体上の各静電潜像を異なった色の顕像に顕像化する複数の顕像化手段とを有し、前記複数の感光体上の各顕像を転写材上に重ね合わせて転写してカラー画像を得る画像形成装置において、前記書き込み手段の走査線の曲がり、傾きを測定する測定手段と、この測定手段の測定結果に応じて前記画像データを副走査方向に若しくは2次元的に補間して補正するリサンプリング手段とを備えたので、機械的な変位による補正を行うことなく画像データの補間による補正を行うことで、常に安定した補正を行うことができ、低コスト化を図ることができる。
【0071】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の画像形成装置において、前記画像データを前記リサンプリング手段による補正の前にフィルタリング処理するフィルタリング手段を備えたので、画像データのエッジ部等の高調波成分を取り除いてリサンプリング処理時のモアレやエッジ部での色のにじみを防止することができる。
【0072】
請求項3記載の発明によれば、請求項1記載の画像形成装置において、前記画像データを前記リサンプリング手段による補正の後にフィルタリング処理するフィルタリング手段を備えたので、リサンプリング手段の補正によるシャープ性及びMTFの劣化を回復することができる。
【0073】
請求項4記載の発明によれば、請求項1記載の画像形成装置において、前記リサンプリング手段は、前記測定手段の測定結果により前記書き込み手段の走査線の曲がり、傾きを近似式によって近似し、この近似値に基づいて主走査方向の各ドットに対して前記画像データの副走査方向への補正位置を決定するので、測定手段の個数を最小限にして低コスト化を図ることができる。
【0074】
請求項5記載の発明によれば、請求項4記載の画像形成装置において、前記リサンプリング手段は前記近似式の係数を前記測定手段にて前記書き込み手段の走査線の曲がり、傾きが測定される度に更新し、前記測定手段の前回の測定結果に対する今回の測定結果の変動量が基準値を越えた場合に異常信号を発生する手段を備えたので、機械の温度上昇による走査線のずれを精度良く補正することができ、かつ、測定手段のキズ等による誤測定を防止することができる。
【0075】
請求項6記載の発明によれば、請求項4記載の画像形成装置において、前記近似式の係数、もしくは、前記書き込み手段の走査線の曲がり、傾きを外部から可変する手段を備えたので、測定手段に異常が発生した場合でも正常な動作を行わせることができる。また、テストパターン等の実際の出力画像を基に近似式の係数を補正すれば測定手段自体に含まれる測定誤差を解消することができる。
【0076】
請求項7記載の発明によれば、請求項1記載の画像形成装置において、前記書き込み手段の書き込み有効範囲内にて主走査方向の倍率を測定する複数の倍率測定手段と、この複数の倍率測定手段における最両端の倍率測定手段の測定結果に基づいて前記書き込み手段の書き込みクロックを補正する手段とを備え、前記リサンプリング手段は前記複数の倍率測定手段における中間の倍率測定手段の測定結果に基づいて前記画像データを主走査方向に補間して補正するので、画素クロックを一定に保ったままで精度良くレンズのfθ特性を補正することができる。
【0077】
請求項8記載の発明によれば、請求項1記載の画像形成装置において、出力カラーモードが前記複数の感光体のうちのいずれか1つを用いて1色の画像を得るモードである場合には前記リサンプリング手段が画像データ補間補正動作を行わないので、単色モード時に画質劣化の少ない画像を得ることができる。
【0078】
請求項9記載の発明によれば、請求項1記載の画像形成装置において、前記画像データから画像種別を判定する像域判定手段を備え、前記リサンプリング手段は前記像域判定手段により判定された画像種別に応じて画像データ補間補正動作を行うので、リサンプリング手段による補正を行わないことで、リサンプリング手段による補正に伴うMTFの劣化を防止することができる。
【0079】
請求項10記載の発明によれば、請求項1記載の画像形成装置において、前記リサンプリング手段は、前記画像データを複数ライン分保持する第1の複数のラインメモリと、前記測定手段の測定結果に応じた補間パラメータを保持する第2の複数のラインメモリと、この第2の複数のラインメモリに保持されている補間パラメータと前記第1の複数のラインメモリに保持されている画像データにより各画素毎にその近傍の画像データと補間パラメータとを積算して加算することで画像データを副走査方向に若しくは2次元的に補間して補正する演算手段とを有するので、リサンプリングのアルゴリズムによらない演算手段を提供でき、3次関数コンボリューション法によるリサンプリング手段の補正が可能となり、補間パラメータを保持するラインメモリを節約することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1、4、5、6、9、10記載の発明の一実施形態例の回路構成を示すブロック図である。
【図2】同実施形態例の概略を示す断面を示す図である。
【図3】同実施形態例の一部を示す裏面図である。
【図4】同実施形態例におけるズレ補正装置の1色分の構成を示すブロック図である。
【図5】1色目及び2色目のレーザ光出射装置の走査線が曲がった状態の例を示す図である。
【図6】sinc関数を示す特性曲線図である。
【図7】同実施形態例におけるズレ補正装置の具体例を示すブロック図である。
【図8】同実施形態例のズレ補正装置による位置ズレ補正の前の画像データを示す図である。
【図9】同実施形態例におけるレーザ光出射装置の走査線が曲がりにより主走査方向の中央で副走査方向に+1ドットずれた場合の位置ズレ補正後の画像データを示す図である。
【図10】同実施形態例におけるレーザ光出射装置の走査線が曲がりにより主走査方向の中央で副走査方向に−1ドットずれた場合の位置ズレ補正後の画像データを示す図である。
【図11】同実施形態例の補間マトリックスの例を示す図である。
【図12】2色の画像データで形成された2色の顕像を重ね合わせて合成した場合の合成画像をレーザ光出射装置の走査線の曲がり、傾きが無い場合について示す図である。
【図13】2色の画像データで形成された2色の顕像を重ね合わせて合成した場合の合成画像をレーザ光出射装置の走査線の曲がり、傾きが有ってその補正を行わない場合について示す図である。
【図14】2色の画像データで形成された2色の顕像を重ね合わせて合成した場合の合成画像をレーザ光出射装置の走査線の曲がり、傾きが有ってその補正を上記実施形態例で行った場合について示す図である。
【図15】2色の画像データで形成された2色の顕像を重ね合わせて合成した場合の合成画像の各ドットの状態を示す図である。
【符号の説明】
12BK、12C、12M、12Y レーザ光出射装置
14BK、14C、14M、14Y 感光体ドラム
33 位置ズレ検出部
42 システム制御部
43 ズレ補正装置
44 像域判定部
45 補間用ラインメモリ
46 ラインメモリ
47 補間データ演算回路
490〜495 積算回路
51 加算回路
52 操作部
Claims (10)
- 複数の感光体と、この複数の感光体にそれぞれ異なった色の画像データにより異なった色の情報を走査線で書き込んで静電潜像を形成する複数の書き込み手段と、前記複数の感光体上の各静電潜像を異なった色の顕像に顕像化する複数の顕像化手段とを有し、前記複数の感光体上の各顕像を転写材上に重ね合わせて転写してカラー画像を得る画像形成装置において、前記書き込み手段の走査線の曲がり及び傾きを測定する測定手段と、この測定手段の測定結果に応じて前記画像データを2次元的に補間して補正するリサンプリング手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
- 請求項1記載の画像形成装置において、前記画像データを前記リサンプリング手段による補正の前にフィルタリング処理するフィルタリング手段を備えたことを特徴とする画像形成装置。
- 請求項1記載の画像形成装置において、前記画像データを前記リサンプリング手段による補正の後にフィルタリング処理するフィルタリング手段を備えたことを特徴とする画像形成装置。
- 請求項1記載の画像形成装置において、前記リサンプリング手段は、前記測定手段の測定結果により前記書き込み手段の走査線の曲がり及び傾きを近似式によって近似し、この近似値に基づいて主走査方向の各ドットに対して前記画像データの副走査方向へのずれ量を決定することを特徴とする画像形成装置。
- 請求項4記載の画像形成装置において、前記リサンプリング手段は前記近似式の係数を前記測定手段にて前記書き込み手段の走査線の曲がり及び傾きが測定される度に更新し、前記測定手段の前回の測定結果に対する今回の測定結果の変動量が基準値を越えた場合に異常信号を発生する手段を備えたことを特徴とする画像形成装置。
- 請求項4記載の画像形成装置において、前記近似式の係数、もしくは、前記書き込み手段の走査線の曲がり及び傾きを外部から可変する手段を備えたことを特徴とする画像形成装置。
- 請求項1記載の画像形成装置において、前記書き込み手段の書き込み有効範囲内にて主走査方向の倍率を測定する複数の倍率測定手段と、この複数の倍率測定手段における最両端の倍率測定手段の測定結果に基づいて前記書き込み手段の書き込みクロックを補正する手段とを備え、前記リサンプリング手段は前記複数の倍率測定手段における中間の倍率測定手段の測定結果に基づいて前記画像データを主走査方向に補間して補正することを特徴とする画像形成装置。
- 請求項1記載の画像形成装置において、出力カラーモードが前記複数の感光体のうちのいずれか1つを用いて1色の画像を得るモードである場合には前記リサンプリング手段が画像データ補間補正動作を行わないことを特徴とする画像形成装置。
- 請求項1記載の画像形成装置において、前記画像データから画像種別を判定する像域判定手段を備え、前記リサンプリング手段は前記像域判定手段により判定された画像種別に応じて画像データ補間補正動作を行うことを特徴とする画像形成装置。
- 請求項1記載の画像形成装置において、前記リサンプリング手段は、前記画像データを複数ライン分保持する第1の複数のラインメモリと、前記測定手段の測定結果に応じた補間パラメータを保持する第2の複数のラインメモリと、この第2の複数のラインメモリに保持されている補間パラメータと前記第1の複数のラインメモリに保持されている画像データにより各画素毎にその近傍の画像データと補間パラメータとを積算して加算することで画像データを副走査方向に若しくは2次元的に補間して補正する演算手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
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- 1995-09-25 JP JP24644595A patent/JP3556349B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8159722B2 (en) | 2008-02-26 | 2012-04-17 | Ricoh Company, Limited | Image forming apparatus and image forming method |
US8488203B2 (en) | 2009-03-18 | 2013-07-16 | Ricoh Company, Limited | Image forming apparatus, image forming method, and computer program product that performs skew correction |
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JPH0990695A (ja) | 1997-04-04 |
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