JP3998760B2 - 多色画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の光ビームにより複数の感光体に潜像を形成し、これらの潜像を現像した後に重ね合わせて多色画像を形成するデジタル複写機、レーザプリンタなどの多色画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、記録すべき画像データによりそれぞれ変調した複数のレーザビームを複数の偏向器によりそれぞれ走査し、紙搬送方向に沿って配置された4つの感光体を帯電器により均一に帯電した後に上記複数の偏向器からの複数のレーザビームでそれぞれ露光して静電潜像を形成し、これらの静電潜像を現像器により現像して異なる色の画像とし、これらの画像を重ね合わせて多色画像(カラー画像)を形成するデジタル複写機やレーザプリンタが実用化されている。
【0003】
また、1つの感光体を帯電器により均一に帯電して1つのレーザビームで走査することにより1つの静電潜像を形成してこれを現像し、このような動作を順次に各色について繰り返すことで、複数色の画像を順次に形成し、この複数色の画像を重ね合わせて多色画像を形成するデジタル複写機やレーザプリンタが実用化されている。
【0004】
前者は、後者に比較して高速に多色画像を形成することができる反面、各レーザビームに対応した複数の走査装置が必要になり、装置が大掛かりなっていた。そこで、特開平6ー171157号公報に記載されているように各偏向器で2つずつのレーザビームを互いに反対の方向に偏向走査する多色画像形成装置が提案されている。
【0005】
また、少なくとも2つ以上のレーザ光源より射出されたレーザビームを1つの偏向器により偏向走査し、副走査方向に沿って配置された複数の感光体に偏向器からの少なくとも2つ以上のレーザビームを照射して多色画像を形成する多色画像形成装置が提案されている。
【0006】
図6はその一例を示す。この多色画像形成装置においては、光源としてレーザダイオード(以下LDという)からなるレーザ光源1〜4が用いられ、このLD1〜4は記録すべき各色の画像データにより光源変調手段としてのLD変調部で変調されて光ビーム(レーザビーム)を射出する。このLD1〜4から射出されたレーザビームは、コリメートレンズ5〜8及びシリンダレンズ9〜12を通過し、1つの偏向器13により同時に偏向走査される。
【0007】
この偏向器13は、ポリゴンミラーからなる回転多面鏡が用いられ、モータからなる駆動部により回転駆動される。このとき、LD1〜4からのレーザビームはポリゴンミラー13の2つの面にそれぞれ2ビームずつ入射し、すなわち、LD1、2からの1組のレーザビームがポリゴンミラー13の1つの面に入射してLD3、4からの他の1組のレーザビームがポリゴンミラー13の他の1つの面に入射する。
【0008】
ポリゴンミラー13は、その2組のレーザビームを副走査方向に対して互いに反対の方向にそれぞれ反射する。ポリゴンミラー13で反射されたレーザビームはそれぞれfθ特性を有する結像素子としての凹曲面鏡からなるfθミラー14、15に入射するが、このfθミラー14、15は光軸をずらした上下2層に構成され、LD1、3からのレーザビームがfθミラー14、15の上の層でそれぞれ反射されてLD2、4からのレーザビームがfθミラー14、15の下の層でそれぞれ反射される。
【0009】
fθミラー14、15で反射されたレーザビームは、ミラー16〜19により反射され、面倒れ補正系をなすトロイダルレンズ20〜23を透過する。トロイダルレンズ20、23からのレーザビームはミラー24、25で反射されて感光体26、29の面上にスポット状に結像され、トロイダルレンズ21、22からのレーザビームは感光体27、28の面上にスポット状に結像される。この時、感光体26、27をレーザビームで走査する方向と、感光体28、29をレーザビームで走査する方向とは、逆方向となる。
【0010】
感光体26〜29は、例えばドラム状の感光体が用いられて副走査方向に沿って配置され、駆動部により回転駆動され、帯電手段により均一に帯電された後に上記レーザビームの照射で露光されて画像が書き込まれることにより各色の静電潜像がそれぞれ形成される。この感光体26〜29上の静電潜像は、現像装置により各色のトナーで現像されて各色のトナー像となり、給紙装置から給送された転写紙からなる転写材上に転写手段により重ね合わせて転写されることでフルカラー画像が形成される。
【0011】
この転写紙上のフルカラー画像は定着装置により定着され、また、感光体26〜29はトナー像転写後にクリーニング装置によりクリーニングされて次の画像形成動作に備える。
【0012】
このように、感光体26〜29上に各色のトナー像を形成する感光体26〜29、帯電手段、LD1〜4、コリメートレンズ5〜8、シリンダレンズ9〜12、fθミラー14、15、ミラー16〜19、トロイダルレンズ20〜23、ミラー24、25、現像装置、クリーニング装置は、各色の画像を形成する画像形成ステーションを構成し、ポリゴンミラー13は各画像形成ステーションに用いられる。
【0013】
各色の形成画像が主走査方向に色ずれを起こさないようにホトダイオードなどの同期センサ30〜33が画像形成領域外で各感光体26〜29の結像面と光学的に同位置に配置され、この同期センサ30〜33はトロイダルレンズ20〜23からのレーザビームを検知して同期検知信号を出力する。各色の画像データはそれぞれ同期センサ30〜33からの同期検知信号に同期して上記LD変調部へ転送され、感光体26〜29上の主走査の書き込み開始位置が合わせられる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
上記図6に示した多色画像形成装置においては、転写紙を1回通過させるだけで多色画像を形成でき、しかも、偏向手段はポリゴンミラー13を1つしか使っていないので、装置を小型で、しかも低価で作ることができるという利点がある。しかしながら、感光体26、27をレーザビームで走査する方向と、感光体28、29をレーザビームで走査する方向とが互いに逆方向であるので、たとえ、感光体26〜29上の主走査方向の書き込み開始位置を合わせたとしても、温度等の環境の変化によりfθミラー14、15の曲率及びLD1〜4の波長が変化して結果的にレーザビームの走査速度が変わったときに、形成画像の倍率が変わり、感光体26、27と感光体28、29とで画像のずれが大きくなり、多色画像の色ずれが生ずる。
【0015】
本発明は、色ずれの無い多色画像を形成することができ、画像のずれが片側に片寄らないようにすることができ、温度変化による画像の倍率変動をも補正することができ、各装置に最適な、画像のずれ量を計算するための基準値を迅速に設定することができる多色画像形成装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、少なくとも2つ以上の光源より射出された複数の光ビームを1つの偏向手段で振り分けて、2組の光ビームが副走査方向に対して互いに反対の方向に走査されるように偏向走査し、これらの光ビームにより、副走査方向に沿って配置された複数の感光体をそれぞれ照射して多色画像を形成する多色画像形成装置において、前記複数の感光体における主走査方向の画像書き込み開始位置の決定に用いられ画像形成領域外に設けられて前記偏向手段からの複数の光ビームをそれぞれ検知する複数の同期検知センサと、前記感光体の走査終了端に設けられ前記偏向手段からの光ビームを検知する終端検知センサと、この終端検知センサからの検知信号及び前記同期検知センサからの検知信号により前記偏向手段からの光ビームが前記同期検知センサから前記終端検知センサまで走査される走査時間を計数する走査時間計測手段と、この走査時間計測手段で計測した走査時間に相当するカウンタ値xと、基準値x 0とにより主走査方向の書き込み開始位置のずれ量(x−x 0 )を計算するずれ量演算手段と、このずれ量演算手段で計算されたずれ量に基づいて、前記走査時間を計数した画像形成ステーションとは反対側の画像形成ステーションにおける画像データの読み出し開始タイミングをシフトする読み出し開始タイミングシフト手段とを具備するものであり、色ずれの無い多色画像を形成することができる。
【0017】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の多色画像形成装置において、前記読み出し開始タイミングシフト手段は、前記ずれ量演算手段で計算されたずれ量に基づいて、前記走査時間を計数した画像形成ステーションと、該画像形成ステーションとは反対側の画像形成ステーションにおける画像データの読み出し開始タイミングをシフトするものであり、画像のずれが片側に片寄らないようにすることができる。
【0019】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の多色画像形成装置において、前記読み出し開始タイミングシフト手段により各読み出し開始タイミングをシフトして書き込み開始位置を調整した後に前記走査時間計測手段により前記走査時間を計測し、その計測値を画像のずれ量を計算するための基準値として設定するものであり、各装置に最適な、画像のずれ量を計算するための基準値を迅速に設定することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
図4は本発明の第1実施形態の一部を示す。この第1実施形態は、請求項1に係る発明の実施形態である。この第1実施形態では、前述した図6に示す多色画像形成装置において、感光体26上の主走査方向の走査終了端に終端検知センサ34が配置され、この終端検知センサ34はトロイダルレンズ20からのレーザビームをミラー24を介して検知して終端検知信号を出力する。なお、終端検知センサ34は、感光体26の画像形成領域外で、主走査方向の走査終了側の任意の位置に配置してもよい。
【0021】
図1は第1実施形態の一部を示し、図3は第1実施形態の動作フローを示す。走査時間計測手段としてのカウンタ35は、同期検知センサ30からの同期検知信号が入力されてから終端検知センサ34からの終端検知信号が入力されるまでの間に基準クロックをカウントすることによって、LD1からのレーザビーム(以下ビーム1という)が同期検知センサ30から終端検知センサ34まで走査する走査時間をカウントする。
【0022】
ずれ量演算手段を構成するずれ量演算回路36は、ビーム1が同期検知センサ30から終端検知センサ34まで走査する走査時間に相当するカウンタ35のカウント値xと基準値x0との差を演算する。このずれ量演算回路36で算出したカウンタ35のカウント値と基準値との差が0でない時には、図2に示すようにビーム1の走査幅(同期検知センサ30から終端検知センサ34までの走査幅)が変動し、LD1、2からのレーザビーム(以下LD2からのレーザビームをビーム2という)と、LD3、4からのレーザビーム(以下ビーム3、4という)との間に走査時間としてΔtのずれが生じて基準クロックとしてΔxクロックのずれが生じ、画像のずれが生じていることを示している。
【0023】
そこで、シフト回路37は、ずれ量演算回路36で算出したカウンタ35のカウント値と基準値との差を基にしてLD3用の書込信号発生回路38からの書込開始信号を、ビーム1、2の書き込み開始位置とビーム3の書き込み終端位置とが合うようにシフトし、例えば、図2(c)に示すように書込信号発生回路38からの書込開始信号を、ビーム1、2の書き込み開始位置とビーム3の書き込み終端位置とが合うようにΔxだけ早める。
【0024】
さらに、シフト回路37は、ずれ量演算回路36で算出したカウンタ35のカウント値と基準値との差を基にしてLD4用の書込信号発生回路からの書込開始信号を、ビーム1、2の書き込み開始位置とビーム4の書き込み終端位置とが合うようにシフトし、例えば、図2(c)に示すようにLD4用の書込信号発生回路からの書込開始信号を、ビーム1、2の書き込み開始位置とビーム4の書き込み終端位置とが合うようにΔxだけ早める。
【0025】
書込信号発生回路38は、同期検知センサ32からの同期検知信号に同期してLD3用の書込開始信号をシフト回路37へ出力すると共に、基準クロックに同期して書込クロックをシフト回路37及びラインバッファ39へ出力する。ラインバッファ39は、1ライン分ずつ画像データが書き込まれ、シフト回路37からのLD3用の書込開始信号により書込信号発生回路38からの書込クロックに同期して画像データの読み出しを開始する。ラインバッファ39から読み出した画像データはビデオインターフェイス(I/F)を介してLD3用のLD変調部へ転送され、このLD変調部がラインバッファ39からの画像データによりLD3を変調する。
【0026】
この場合、シフト回路37はずれ量演算回路36で算出したカウンタ35のカウント値と基準値との差を基にして書込信号発生回路38からのLD3用の書込開始信号を、ビーム1、2の書き込み開始位置とビーム3の書き込み終端位置とが合うようにΔxだけ早めるが、書込信号発生回路38からのLD3用の書込開始信号をラインバッファ39のリードイネーブル信号としてシフトレジスタ等からなるシフト回路37によりそのリードイネーブル信号をずれ量演算回路36の算出値に基づいてビーム1、2の書き込み開始位置とビーム3の書き込み終端位置とが合うようにシフトさせてもよい。また、シフト回路37は、ラインバッファ39の読み出しアドレスをビーム1、2の書き込み開始位置とビーム3の書き込み終端位置とが合うようにずれ量演算回路36の算出値に基づいてシフト分だけ加算又は減算させるようにしてもよい。
【0027】
また、図示しないが、同様に、LD4用の書込信号発生回路は、同期検知センサ33からの同期検知信号に同期してLD4用の書込開始信号をシフト回路37へ出力すると共に、基準クロックに同期して書込クロックをシフト回路37及びLD4用のラインバッファへ出力する。LD4用のラインバッファは、1ライン分ずつ画像データが書き込まれ、シフト回路37からのLD4用の書込開始信号によりLD4用の書込信号発生回路からの書込クロックに同期して画像の読み出しを開始する。LD4用のラインバッファから読み出した画像データはビデオI/Fを介してLD4用のLD変調部へ転送され、このLD変調部がLD4用のラインバッファからの画像データによりLD4を変調する。
【0028】
また、同様に、LD1用の書込信号発生回路は、LD1用のラインバッファに対して、同期検知センサ30からの同期検知信号に同期して書込開始信号を出力すると共に、基準クロックに同期して書込クロックを出力する。LD1用のラインバッファは、1ライン分ずつ画像データが書き込まれ、LD1用の書込信号発生回路からの書込開始信号によりLD1用の書込信号発生回路からの書込クロックに同期して画像の読み出しを開始する。LD1用のラインバッファから読み出した画像データはビデオI/Fを介してLD1用のLD変調部へ転送され、このLD変調部がLD1用のラインバッファからの画像データによりLD1を変調する。
【0029】
同様に、LD2用の書込信号発生回路は、LD2用のラインバッファに対して、同期検知センサ31からの同期検知信号に同期して書込開始信号を出力すると共に、基準クロックに同期して書込クロックを出力する。LD2用のラインバッファは、1ライン分ずつ画像データが書き込まれ、LD2用の書込信号発生回路からの書込開始信号によりLD2用の書込信号発生回路からの書込クロックに同期して画像データの読み出しを開始する。LD2用のラインバッファから読み出した画像データはビデオI/Fを介してLD2用のLD変調部へ転送され、このLD変調部がLD2用のラインバッファからの画像データによりLD2を変調する。
【0030】
このように、この実施形態は、少なくとも2つ以上の光源としてのLD1〜4より射出された複数の光ビームを1つの偏向手段としてのポリゴンミラー13で振り分けて、2組の光ビームが副走査方向に対して互いに反対の方向に走査されるように偏向走査し、これらの光ビームにより、副走査方向に沿って配置された複数の感光体26〜29をそれぞれ照射して多色画像を形成する多色画像形成装置において、前記複数の感光体26〜29における主走査方向の画像書き込み開始位置の決定に用いられ画像形成領域外に設けられて前記偏向手段13からの複数の光ビームをそれぞれ検知する複数の同期検知センサ30〜33と、前記感光体26〜29の走査終了端に設けられ前記偏向手段13からの光ビームを検知する終端検知センサ34と、この終端検知センサ34からの検知信号及び前記同期検知センサ30からの検知信号により前記偏向手段13からの光ビームが前記同期検知センサ30から前記終端検知センサ34まで走査される走査時間を計数する走査時間計測手段としてのカウンタ35と、この走査時間計測手段35で計測した走査時間と、基準となる走査時間とにより書き込み走査幅のずれ量を計算するずれ量演算手段としてのずれ量演算回路36と、このずれ量演算手段36で計算されたずれ量に基づいて、前記走査時間を計数した画像形成ステーションとは反対側の画像形成ステーションにおける画像データの読み出し開始タイミングをシフトする読み出し開始タイミングシフト手段としてのシフト回路37とを具備するので、温度の変化により走査幅が変わっても画像のずれが小さくなり、色ずれの無い多色画像を形成することができる。
【0031】
本発明の第2実施形態は、請求項2に係る発明の一実施形態である。上記第1実施形態ではビーム3、ビーム4の書き込み開始位置をシフトしたが、第2実施形態では、図5に示すように、上記第1実施形態において、全てのビームを上記シフト量Δxの1/2だけシフトさせ、つまり、全てのビームの書き込み開始位置をΔx/2だけ早める。
【0032】
すなわち、シフト回路37は、書込信号発生回路38からの書込開始信号をΔx/2だけ早め、かつ、LD4用の書込信号発生回路からの書込開始信号をΔx/2だけ早めてLD4用のラインバッファへ出力する。また、LD1用の書込信号発生回路からの書込開始信号はシフト回路37によりΔx/2だけ早められてからLD1用のラインバッファへ出力され、LD2用の書込信号発生回路からの書込開始信号はシフト回路37によりΔx/2だけ早められてからLD2用のラインバッファへ出力される。この場合、全てのビームの書き込み開始位置はシフト量が左右均等になるので、各色の画像は転写紙の片側にずれることなく重ね合わされる。
【0033】
この第2実施形態は、請求項2に係る発明の一実施形態であって、請求項1記載の多色画像形成装置において、前記読み出し開始タイミングシフト手段37は、前記ずれ量演算手段36で計算されたずれ量に基づいて、前記走査時間を計数した画像形成ステーションと、該画像形成ステーションとは反対側の画像形成ステーションにおける画像データの読み出し開始タイミングをシフトするので、画像のずれが片側に片寄らないようにすることができ、多色画像の色ずれを少なくし、画像の転写紙上での位置を温度等の変化に対して一定に保ことができる。
【0038】
本発明の第3実施形態は、請求項3に係る発明の一実施形態である。この第3実施形態では、上記第1実施形態において、ビーム1が同期検知センサ30から終端検知センサ34まで走査する走査時間に相当するカウンタ35のカウント値xをラッチするラッチ回路が付加される。各画像形成ステーションにおいて、書き込み開始位置を調整した後に、走査時間をカウンタ35で計測して上記ラッチ回路でラッチする。このラッチ回路でラッチしたデータは上記基準値としてずれ量演算回路36に入力される。
【0039】
このようにすれば、各装置毎の最適な基準値を簡単に設定することができる。ずれ量演算回路36によるずれ量演算は画像書き込み開始前に行い、画像書き込み開始位置の補正量を確定したら、画像書き込み時はその補正値を保持するようにする。
【0040】
この第3実施形態は、請求項3に係る発明の一実施形態であって、請求項1記載の多色画像形成装置において、前記読み出し開始タイミングシフト手段37により各読み出し開始タイミングをシフトして書き込み開始位置を調整した後に前記走査時間計測手段35により前記走査時間を計測し、その計測値を画像のずれ量を計算するための基準値として設定するので、各装置に最適な、画像のずれ量を計算するための基準値を迅速に設定することができる。
【0041】
なお、上記第1実施形態ではビーム1の書き込み系(これを含む画像形成ステーション1)と対向するビーム3、4の書き込み開始位置を早めたが、ビーム1、ビーム2の書き込み開始位置を遅らせることも可能である。また、画像形成ステーション1のみで走査時間のずれを検出してこれを各画像形成ステーションの書き込み開始位置のずれ補正に共用したが、各画像形成ステーションで個別に走査時間のずれを検出してもよい。
【0042】
【発明の効果】
以上のように請求項1記載の発明によれば、少なくとも2つ以上の光源より射出された複数の光ビームを1つの偏向手段で振り分けて、2組の光ビームが副走査方向に対して互いに反対の方向に走査されるように偏向走査し、これらの光ビームにより、副走査方向に沿って配置された複数の感光体をそれぞれ照射して多色画像を形成する多色画像形成装置において、前記複数の感光体における主走査方向の画像書き込み開始位置の決定に用いられ画像形成領域外に設けられて前記偏向手段からの複数の光ビームをそれぞれ検知する複数の同期検知センサと、前記感光体の走査終了端に設けられ前記偏向手段からの光ビームを検知する終端検知センサと、この終端検知センサからの検知信号及び前記同期検知センサからの検知信号により前記偏向手段からの光ビームが前記同期検知センサから前記終端検知センサまで走査される走査時間を計数する走査時間計測手段と、この走査時間計測手段で計測した走査時間に相当するカウンタ値xと、基準値x 0とにより主走査方向の書き込み開始位置のずれ量(x−x 0 )を計算するずれ量演算手段と、このずれ量演算手段で計算されたずれ量に基づいて、前記走査時間を計数した画像形成ステーションとは反対側の画像形成ステーションにおける画像データの読み出し開始タイミングをシフトする読み出し開始タイミングシフト手段とを具備するので、温度の変化により走査幅が変わっても画像のずれが小さくなり、色ずれの無い多色画像を形成することができる。
【0043】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の多色画像形成装置において、前記読み出し開始タイミングシフト手段は、前記ずれ量演算手段で計算されたずれ量に基づいて、前記走査時間を計数した画像形成ステーションと、該画像形成ステーションとは反対側の画像形成ステーションにおける画像データの読み出し開始タイミングをシフトするので、画像のずれが片側に片寄らないようにすることができ、多色画像の色ずれを少なくし、画像記録位置を温度等の変化に対して一定に保ことができる。
【0045】
請求項3記載の発明によれば、請求項1記載の多色画像形成装置において、前記読み出し開始タイミングシフト手段により各読み出し開始タイミングをシフトして書き込み開始位置を調整した後に前記走査時間計測手段により前記走査時間を計測し、その計測値を画像のずれ量を計算するための基準値として設定するので、各装置に最適な、画像のずれ量を計算するための基準値を迅速に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態の一部を示すブロック図である。
【図2】 同第1実施形態を説明するための図である。
【図3】 同第1実施形態の動作フローを示すフローチャートである。
【図4】 同第1実施形態の一部を示す斜視図である。
【図5】 本発明の第2実施形態を説明するための図である。
【図6】 従来の多色画像形成装置の一部を示す斜視図である。
【符号の説明】
1〜4 LD
13 ポリゴンミラー
26〜29 感光体
30〜33 同期検知センサ
24 終端検知センサ
35 カウンタ
36 ずれ量演算回路
37 シフト回路
38 書込信号発生回路
39 ラインバッファ
Claims (3)
- 少なくとも2つ以上の光源より射出された複数の光ビームを1つの偏向手段で振り分けて、2組の光ビームが副走査方向に対して互いに反対の方向に走査されるように偏向走査し、これらの光ビームにより、副走査方向に沿って配置された複数の感光体をそれぞれ照射して多色画像を形成する多色画像形成装置において、前記複数の感光体における主走査方向の画像書き込み開始位置の決定に用いられ画像形成領域外に設けられて前記偏向手段からの複数の光ビームをそれぞれ検知する複数の同期検知センサと、前記感光体の走査終了端に設けられ前記偏向手段からの光ビームを検知する終端検知センサと、この終端検知センサからの検知信号及び前記同期検知センサからの検知信号により前記偏向手段からの光ビームが前記同期検知センサから前記終端検知センサまで走査される走査時間を計数する走査時間計測手段と、この走査時間計測手段で計測した走査時間に相当するカウンタ値xと、基準値x 0とにより主走査方向の書き込み開始位置のずれ量(x−x 0 )を計算するずれ量演算手段と、このずれ量演算手段で計算されたずれ量に基づいて、前記走査時間を計数した画像形成ステーションとは反対側の画像形成ステーションにおける画像データの読み出し開始タイミングをシフトする読み出し開始タイミングシフト手段とを具備することを特徴とする多色画像形成装置。
- 請求項1記載の多色画像形成装置において、前記読み出し開始タイミングシフト手段は、前記ずれ量演算手段で計算されたずれ量に基づいて、前記走査時間を計数した画像形成ステーションと、該画像形成ステーションとは反対側の画像形成ステーションにおける画像データの読み出し開始タイミングをシフトすることを特徴とする多色画像形成装置。
- 請求項1記載の多色画像形成装置において、前記読み出し開始タイミングシフト手段により各読み出し開始タイミングをシフトして書き込み開始位置を調整した後に前記走査時間計測手段により前記走査時間を計測し、その計測値を画像のずれ量を計算するための基準値として設定することを特徴とする多色画像形成装置。
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