JP3530020B2 - オレフィン重合用触媒、遷移金属化合物、オレフィンの重合方法およびα−オレフィン・共役ジエン共重合体 - Google Patents

オレフィン重合用触媒、遷移金属化合物、オレフィンの重合方法およびα−オレフィン・共役ジエン共重合体

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JP3530020B2 JP13270698A JP13270698A JP3530020B2 JP 3530020 B2 JP3530020 B2 JP 3530020B2 JP 13270698 A JP13270698 A JP 13270698A JP 13270698 A JP13270698 A JP 13270698A JP 3530020 B2 JP3530020 B2 JP 3530020B2
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正 利 二田原
清 明 杉
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は新規なオレフィン重合用触
媒、および遷移金属化合物および該オレフィン重合用触
媒を用いたオレフィンの重合方法に関するものである。
【0002】また本発明は、分子量分布が狭く、ゴムと
して好適に用いられるα−オレフィン・共役ジエン共重
合体を提供することを目的としている。
【0003】
【発明の技術的背景】オレフィン重合用触媒としては、
いわゆるカミンスキー触媒がよく知られている。この触
媒は非常に重合活性が高く、分子量分布が狭い重合体が
得られるという特徴がある。このようなカミンスキー触
媒に用いられる遷移金属化合物としては、たとえばビス
(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド(特
開昭58ー19309号公報参照)や、エチレンビス
(4,5,6,7-テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジク
ロリド(特開昭61−130314号公報参照)などが
知られている。また重合に用いる遷移金属化合物が異な
ると、オレフィン重合活性や得られたポリオレフィンの
性状が大きく異なることも知られている。さらに最近新
しいオレフィン重合用触媒としてジイミン構造の配位子
を持った遷移金属化合物(国際公開特許第962301
0号参照)が提案されている。
【0004】ところで一般にポリオレフィンは、機械的
特性などに優れているため、各種成形体用など種々の分
野に用いられているが、近年ポリオレフィンに対する物
性の要求が多様化しており、様々な性状のポリオレフィ
ンが望まれている。また生産性の向上も望まれている。
【0005】このような状況のもと、オレフィン重合活
性に優れ、しかも優れた性状を有するポリオレフィンを
製造しうるようなオレフィン重合用触媒の出現が望まれ
ている。
【0006】また、チーグラー・ナッタ重合触媒を用い
ると、数種のα−オレフィンと非共役ジエンとの共重合
が進行することはよく知られている。この共重合体はゴ
ムとして有用であることから、様々な種類のものが製造
されている。しかしここに用いられる非共役ジエンは、
一般に高価であり、反応性も低いことから、安価で反応
性の高いジエン成分が求められていた。
【0007】このようなジエン成分としては、1,3-ブタ
ジエンやイソプレンなどの共役ジエンが挙げられる。こ
れらの共役ジエンは、従来用いられている非共役ジエン
に比べ安価で反応性も高いが、これまでのチーグラー・
ナッタ重合触媒を用いて共重合を行うと、活性が大幅に
低下することや、組成分布や分子量分布の広い不均一な
共重合体しか得られないという問題点があった。またバ
ナジウム化合物を用いるチーグラー・ナッタ触媒系で
は、比較的均一な共重合体が得られるものの、その重合
活性は非常に低いレベルであった。そこで近年、活発に
研究が行われ、高い重合活性を示すことが知られている
いわゆるメタロセン触媒を用いたエチレンとブタジエン
との共重合が検討されている(特表平1−501633
号公報)。
【0008】しかしこの場合、ポリマー中に取り込まれ
たジエンユニットとエチレンとからシクロペンタン骨格
がポリマー鎖中に生成し、その割合は全ジエンユニット
の50%以上となることが報告されている。このように
ジエンユニットの二重結合がシクロペンタン骨格に変換
されることは、この共重合体をゴムとして用いる場合に
欠かせない加硫と呼ばれる操作の際に著しく不利であ
る。またこのシクロペンタン骨格は共重合体のガラス転
移温度を上昇させる効果があり、ゴムとしての低温特性
を損なうことから、好ましくない骨格である。
【0009】このような状況のもと、分子量分布が狭
く、組成が均一で、ポリマー鎖中にシクロペンタン骨格
をほとんど含まないα−オレフィンと共役ジエンとの共
重合体の出現が強く望まれている。
【0010】
【発明の目的】本発明は、優れたオレフィン重合活性を
有するオレフィン重合用触媒、このような触媒に有用な
新規な遷移金属化合物および該触媒を用いたオレフィン
の重合方法を提供することを目的としている。
【0011】また本発明は、分子量分布が狭く、ポリマ
ー鎖中にシクロペンタン骨格をほとんど含まないα−オ
レフィン・共役ジエン共重合体を提供することを目的と
している。
【0012】
【発明の概要】本発明に係る第1のオレフィン重合用触
媒は、(A)下記一般式(I)で表される遷移金属化合
物と、(B)(B-1) 有機金属化合物、(B-2) 有機アルミ
ニウムオキシ化合物、および(B-3) 遷移金属化合物と反
応してイオン対を形成する化合物から選ばれる少なくと
も1種の化合物とからなることを特徴としている。
【0013】
【化9】
【0014】(式中、Mは周期律表第3〜11族の遷移
金属原子を示し、mは、1〜6の整数を示し、R1〜R6
は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハ
ロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素
含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リ
ン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、または
スズ含有基を示し、これらのうちの2個以上が互いに連
結して環を形成していてもよく、また、mが2以上の場
合にはR1〜R6で示される基のうち2個の基が連結され
ていてもよく(但し、R1同士が結合されることはな
い)、nは、Mの価数を満たす数であり、Xは、水素原
子、ハロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、イオウ含
有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有
基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残
基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含
有基を示し、nが2以上の場合は、Xで示される複数の
基は互いに同一でも異なっていてもよく、またXで示さ
れる複数の基は互いに結合して環を形成してもよい。) 本発明では、前記一般式(I)においてR6が、ハロゲ
ン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有
基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含
有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ
含有基であるであることが好ましい。
【0015】本発明では、前記一般式(I)で表される
遷移金属化合物は、下記一般式(I-a)で表される遷移
金属化合物であることが好ましい。
【0016】
【化10】
【0017】(式中、Mは周期律表第3〜11族の遷移
金属原子を示し、mは、1〜3の整数を示し、R1 〜R
6 は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、
ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、炭
化水素置換シリル基、炭化水素置換シロキシ基、アルコ
キシ基、アルキルチオ基、アリーロキシ基、アリールチ
オ基、アシル基、エステル基、チオエステル基、アミド
基、イミド基、アミノ基、イミノ基、スルホンエステル
基、スルホンアミド基、シアノ基、ニトロ基、カルボキ
シル基、スルホ基、メルカプト基またはヒドロキシ基を
示し、これらのうちの2個以上が互いに連結して環を形
成していてもよく、また、mが2以上の場合にはR1
6で示される基のうち2個の基が連結されていてもよ
く(但し、R1同士が結合されることはない)、nは、
Mの価数を満たす数であり、Xは、水素原子、ハロゲン
原子、炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含
有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、リン含有
基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含
有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示し、
nが2以上の場合は、Xで示される複数の基は互いに同
一でも異なっていてもよく、またXで示される複数の基
は互いに結合して環を形成してもよい。) 前記一般式(I-a)においてR6は、ハロゲン原子、炭化
水素基、ヘテロ環式化合物残基、炭化水素置換シリル
基、炭化水素置換シロキシ基、アルコキシ基、アルキル
チオ基、アリーロキシ基、アリールチオ基、アシル基、
エステル基、チオエステル基、アミド基、イミド基、ア
ミノ基、イミノ基、スルホンエステル基、スルホンアミ
ド基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、スルホ
基、メルカプト基またはヒドロキシ基であることが好ま
しい。
【0018】また、前記一般式(I)で表される遷移金
属化合物は、下記一般式(I-a-1)で表される遷移金属
化合物であることが好ましい。
【0019】
【化11】
【0020】(式中、Mは周期律表第3〜11族の遷移
金属原子を示し、mは、1〜3の整数を示し、R1 〜R
6 は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、
ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、炭
化水素置換シリル基、炭化水素置換シロキシ基、アルコ
キシ基、アルキルチオ基、アリーロキシ基、アリールチ
オ基、アシル基、エステル基、チオエステル基、アミド
基、イミド基、アミノ基、イミノ基、スルホンエステル
基、スルホンアミド基、シアノ基、ニトロ基またはヒド
ロキシ基を示し、これらのうちの2個以上が互いに連結
して環を形成していてもよく、また、mが2以上の場合
にはR1〜R6で示される基のうち2個の基が連結されて
いてもよく(但し、R1同士が結合されることはな
い)、nは、Mの価数を満たす数であり、Xは、水素原
子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、
炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有
基、イオウ含有基またはケイ素含有基を示し、nが2以
上の場合は、Xで示される複数の基は互いに同一でも異
なっていてもよく、またXで示される複数の基は互いに
結合して環を形成してもよい。) 前記一般式(I-a-1)においてR6は、ハロゲン原子、炭
化水素基、ヘテロ環式化合物残基、炭化水素置換シリル
基、炭化水素置換シロキシ基、アルコキシ基、アルキル
チオ基、アリーロキシ基、アリールチオ基、アシル基、
エステル基、チオエステル基、アミド基、イミド基、ア
ミノ基、イミノ基、スルホンエステル基、スルホンアミ
ド基、シアノ基、ニトロ基またはヒドロキシ基であるこ
とが好ましい。
【0021】本発明では、前記一般式(I)で表される
遷移金属化合物は、下記一般式(I-b)で表される遷移
金属化合物であることが好ましい。
【0022】
【化12】
【0023】(式中、Mは周期律表第3〜11族の遷移
金属原子を示し、mは、1〜6の整数を示し、R1〜R6
は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハ
ロゲン原子、炭化水素基、炭化水素置換シリル基、アル
コキシ基、アリーロキシ基、エステル基、アミド基、ア
ミノ基、スルホンアミド基、ニトリル基またはニトロ基
を示し、これらのうちの2個以上の基が互いに連結して
環を形成していてもよく、また、mが2以上の場合には
1〜R6で示される基のうち2個の基が連結されていて
もよい(但し、R1同士が結合されることはない)。) 前記一般式(I-b)においてR6は、ハロゲン原子、炭化
水素基、炭化水素置換シリル基、アルコキシ基、アリー
ロキシ基、エステル基、アミド基、アミノ基、スルホン
アミド基、シアノ基またはニトロ基であることが好まし
い。
【0024】前記遷移金属化合物(A)において、Mは
周期律表第3〜5族および第9族から選ばれる少なくと
も1種の遷移金属原子であることが好ましい。
【0025】本発明に係る第1のオレフィン重合用触媒
では、前記遷移金属化合物(A)と、(B-1) 有機金属化
合物、(B-2) 有機アルミニウムオキシ化合物および(B-
3) 遷移金属化合物と反応してイオン対を形成する化合
物から選ばれる少なくとも1種の化合物(B)に加え
て、担体(C)を含んでいてもよい。
【0026】本発明に係る第1のオレフィンの重合方法
は、前記のような触媒の存在下に、オレフィンを重合ま
たは共重合させることを特徴としている。また、本発明
に係る第2のオレフィン重合用触媒は、(A')下記一
般式(II)で表される遷移金属化合物と、(B)(B-1)
有機金属化合物、(B-2) 有機アルミニウムオキシ化合
物、および(B-3) 遷移金属化合物(A')と反応してイ
オン対を形成する化合物から選ばれる少なくとも1種の
化合物とからなることをとしている。
【0027】
【化13】
【0028】(式中、Mは周期律表第3〜11族の遷移
金属原子を示し、R1〜R10は、互いに同一でも異なっ
ていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、
ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ
素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ケイ素含有基、
ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示し、これら
のうちの2個以上が互いに連結して環を形成していても
よく、nは、Mの価数を満たす数であり、Xは、水素原
子、ハロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、イオウ含
有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有
基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残
基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含
有基を示し、nが2以上の場合は、Xで示される複数の
基は互いに同一でも異なっていてもよく、またXで示さ
れる複数の基は互いに結合して環を形成してもよく、Y
は、酸素、硫黄、炭素、窒素、リン、ケイ素、セレン、
スズおよび硼素からなる群より選ばれた少なくとも1種
の元素を含む2価の結合基を示し、炭化水素基である場
合には炭素原子3個以上からなる基である。) 前記一般式(II)において、R6またはR10の少なくと
も一方は、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合
物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオ
ウ含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含
有基、またはスズ含有基であることが好ましい。
【0029】前記一般式(II)で表される遷移金属化合
物は、下記一般式(II-a)で表される遷移金属化合物で
あることが好ましい。
【0030】
【化14】
【0031】(式中、Mは周期律表第3〜11族の遷移
金属原子を示し、R1〜R10は、互いに同一でも異なっ
ていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、
炭化水素置換シリル基、アルコキシ基、アリーロキシ
基、エステル基、アミド基、アミノ基、スルホンアミド
基、ニトリル基またはニトロ基を示し、これらのうちの
2個以上が互いに連結して環を形成していてもよく、n
は、Mの価数を満たす数であり、Xは、水素原子、ハロ
ゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子
数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基、イオ
ウ含有基、またはケイ素含有基を示し、nが2以上の場
合には、Xで示される複数の基は互いに同一でも異なっ
ていてもよく、また2個以上のXが互いに連結して環を
形成していてもよく、Yは、酸素、硫黄、炭素、窒素、
リン、ケイ素、セレン、スズおよび硼素からなる群より
選ばれた少なくとも1種の元素を含む2価の結合基を示
し、炭化水素基である場合には炭素原子3個以上からな
る基である。) 前記一般式(II-a)において、R6またはR10の少なく
とも一方は、ハロゲン原子、炭化水素基、炭化水素置換
シリル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、エステル
基、アミド基、アミノ基、スルホンアミド基、シアノ基
またはニトロ基であることが好ましい。
【0032】前記遷移金属化合物(A')において、M
はが周期律表第4または5族の遷移金属原子であること
が好ましい。本発明に係る第2のオレフィン重合用触媒
では、前記遷移金属化合物(A')と、(B-1)有機金属化
合物、(B-2)有機アルミニウムオキシ化合物および(B-3)
イオン化イオン性化合物から選ばれる少なくとも1種の
化合物(B)に加えて、担体(C)を含んでいてもよ
い。
【0033】本発明に係る第2のオレフィンの重合方法
は、前記オレフィン重合用触媒の存在下にオレフィンを
重合または共重合することを特徴としている。本発明に
係る新規な遷移金属化合物は、下記一般式(III)で表
される。
【0034】
【化15】
【0035】(式中、Mは周期律表第4または5族の遷
移金属原子を示し、mは、1〜3の整数を示し、R
1は、炭化水素基、炭化水素置換シリル基、炭化水素置
換シロキシ基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリー
ロキシ基、アリールチオ基、エステル基、チオエステル
基、スルホンエステル基またはヒドロキシ基を示し、R
2〜R5は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原
子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残
基、炭化水素置換シリル基、炭化水素置換シロキシ基、
アルコキシ基、アルキルチオ基、アリーロキシ基、アリ
ールチオ基、エステル基、チオエステル基、アミド基、
イミド基、アミノ基、イミノ基、スルホンエステル基、
スルホンアミド基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル
基、スルホ基、メルカプト基またはヒドロキシ基を示
し、R6は、ハロゲン原子、炭化水素基、炭化水素置換
シリル基、炭化水素置換シロキシ基、アルコキシ基、ア
ルキルチオ基、アリーロキシ基、アリールチオ基、エス
テル基、チオエステル基、アミド基、イミド基、イミノ
基、スルホンエステル基、スルホンアミド基またはシア
ノ基を示し、R1〜R6のうちの2個以上が互いに連結し
て環を形成していてもよく、また、mが2以上の場合に
はR1〜R6で示される基のうち2個の基が連結されてい
てもよく(但し、R1同士が結合されることはない)、
nは、Mの価数を満たす数であり、Xは、ハロゲン原
子、炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有
基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、リン含有基、
ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有
基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示し、n
が2以上の場合は、Xで示される複数の基は互いに同一
でも異なっていてもよく、またXで示される複数の基は
互いに結合して環を形成してもよい。) 前記遷移金属化合物は、下記一般式(III-a)で表され
るものが好ましい。
【0036】
【化16】
【0037】(式中、Mは周期律表第4または5族の遷
移金属原子を示し、mは、1〜3の整数を示し、R1
5は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭化水素
基、アルコキシ基または炭化水素置換シリル基を示し、
6は、ハロゲン原子、炭化水素基、炭化水素置換シリ
ル基、アルコキシ基、アルキルチオ基またはシアノ基を
示し、R1〜R6のうちの2個以上が互いに連結して環を
形成していてもよく、また、mが2以上の場合にはR1
〜R6で示される基のうち2個の基が連結されていても
よく(但し、R1同士が結合されることはない)、n
は、Mの価数を満たす数であり、Xは、ハロゲン原子、
炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、
ハロゲン含有基またはケイ素含有基を示し、nが2以上
の場合は、Xで示される複数の基は互いに同一でも異な
っていてもよく、またXで示される複数の基は互いに結
合して環を形成してもよい。) 上記一般式(III-a)中、mは2であることが好まし
い。
【0038】本発明に係る第3のオレフィン重合用触媒
は、前記遷移金属化合物(A")と、(B)(B-1) 有機金
属化合物、(B-2) 有機アルミニウムオキシ化合物、およ
び(B-3) 遷移金属化合物(A)と反応してイオン対を形
成する化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物とか
らなることを特徴としている。
【0039】前記第3のオレフィン重合触媒は、前記遷
移金属化合物(A")と、(B-1)有機金属化合物、(B-2)有
機アルミニウムオキシ化合物および(B-3)遷移金属化合
物と反応してイオン対を形成する化合物から選ばれる少
なくとも1種の化合物(B)に加えて、担体(C)を含
んでいてもよい。
【0040】本発明に係る第3のオレフィンの重合方法
は、前記オレフィン重合用触媒の存在下にオレフィンを
重合または共重合することを特徴としている。本発明に
係るα−オレフィン・共役ジエン共重合体は、分子量分
布(Mw/Mn)の値が3.5以下であり、α−オレフ
ィンから導かれる構成単位の含量が1〜99.9モル%
の範囲にあり、共役ジエンからから導かれる構成単位の
含量が99〜0.1モル%の範囲にあり、かつポリマー
鎖中に共役ジエンに由来する1,2-シクロペンタン骨格の
含有量が1モル%以下、好ましくは1,2-シクロペンタン
骨格を実質的に含まないことを特徴としている。
【0041】また本発明に係るα−オレフィン・共役ジ
エン共重合体は、α−オレフィンから導かれる構成単位
の含量が50〜99.9モル%の範囲にあり、共役ジエ
ンからから導かれる構成単位の含量が50〜0.1モル
%の範囲にあることが好ましい。
【0042】さらに本発明に係るα−オレフィン・共役
ジエン共重合体は、α−オレフィンがエチレンおよび/
またはプロピレンであり、共役ジエンがブタジエンおよ
び/またはイソプレンであることが好ましい。
【0043】
【発明の具体的な説明】以下、本発明におけるオレフィ
ン重合用触媒およびこの触媒を用いたオレフィンの重合
方法について具体的に説明する。
【0044】なお、本明細書において「重合」という語
は、単独重合だけでなく、共重合をも包含した意味で用
いられることがあり、「重合体」という語は、単独重合
体だけでなく、共重合体をも包含した意味で用いられる
ことがある。
【0045】第1のオレフィン重合用触媒 本発明に係る第1のオレフィン重合用触媒は、(A)下
記一般式(I)で表される遷移金属化合物と、(B)(B
-1) 有機金属化合物、(B-2) 有機アルミニウムオキシ化
合物、および(B-3) 遷移金属化合物と反応してイオン対
を形成する化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物
とから形成されている。
【0046】まず、本発明のオレフィン重合用触媒を形
成する各触媒成分について説明する。(A)遷移金属化合物 本発明で用いられる(A)遷移金属化合物は、下記一般
式(I)で表される化合物である。
【0047】
【化17】
【0048】(なお、ここでN……Mは、一般的には配
位していることを示すが、本発明においては配位してい
てもしていなくてもよい。) 式(I)中、Mは周期律表第3〜11族の遷移金属原子
(3族にはランタノイドも含まれる)を示し、好ましく
は3〜9族(3族にはランタノイドも含まれる)の金属
原子であり、より好ましくは3〜5族および9族の金属
原子であり、特に好ましくは4族または5族の金属原子
である。具体的には、スカンジウム、チタン、ジルコニ
ウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、コ
バルト、ロジウム、イットリウム、クロム、モリブデ
ン、タングステン、マンガン、レニウム、鉄、ルテニウ
ムなどであり、好ましくはスカンジウム、チタン、ジル
コニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタ
ル、コバルト、ロジウムなどであり、より好ましくは、
チタン、ジルコニウム、ハフニウム、コバルト、ロジウ
ム、バナジウム、ニオブ、タンタルなどであり、特に好
ましくはチタン、ジルコニウム、ハフニウムである。
【0049】mは、1〜6、好ましくは1〜4の整数を
示す。R1〜R6は、互いに同一でも異なっていてもよ
く、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式
化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、
イオウ含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウ
ム含有基、またはスズ含有基を示し、これらのうちの2
個以上が互いに連結して環を形成していてもよい。
【0050】ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭
素、ヨウ素が挙げられる。炭化水素基として具体的に
は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブ
チル、イソブチル、sec-ブチル、 tert-ブチル、ネオペ
ンチル、n-ヘキシルなどの炭素原子数が1〜30、好ま
しくは1〜20の直鎖状または分岐状のアルキル基;ビ
ニル、アリル、イソプロペニルなどの炭素原子数が2〜
30、好ましくは2〜20の直鎖状または分岐状のアル
ケニル基;エチニル、プロパルギルなど炭素原子数が2
〜30、好ましくは2〜20の直鎖状または分岐状のア
ルキニル基;シクロプロピル、シクロブチル、シクロペ
ンチル、シクロヘキシル、アダマンチルなどの炭素原子
数が3〜30、好ましくは3〜20の環状飽和炭化水素
基;シクロペンタジエニル、インデニル、フルオレニル
などの炭素数5〜30の環状不飽和炭化水素基;フェニ
ル、ベンジル、ナフチル、ビフェニル、ターフェニル、
フェナントリル、アントラセニルなどの炭素原子数が6
〜30、好ましくは6〜20のアリール基;トリル、is
o-プロピルフェニル、t-ブチルフェニル、ジメチルフェ
ニル、ジ-t-ブチルフェニルなどのアルキル置換アリー
ル基などが挙げられる。
【0051】上記炭化水素基は、水素原子がハロゲンで
置換されていてもよく、たとえば、トリフルオロメチ
ル、ペンタフルオロフェニル、クロロフェニルなどの炭
素原子数1〜30、好ましくは1〜20のハロゲン化炭
化水素基が挙げられる。
【0052】また、上記炭化水素基は、他の炭化水素基
で置換されていてもよく、たとえば、ベンジル、クミル
などのアリール基置換アルキル基などが挙げられる。さ
らにまた、上記炭化水素基は、ヘテロ環式化合物残基;
アルコシキ基、アリーロキシ基、エステル基、エーテル
基、アシル基、カルボキシル基、カルボナート基、ヒド
ロキシ基、ペルオキシ基、カルボン酸無水物基などの酸
素含有基;アミノ基、イミノ基、アミド基、イミド基、
ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、ニトロ基、ニトロソ基、
シアノ基、イソシアノ基、シアン酸エステル基、アミジ
ノ基、ジアゾ基、アミノ基がアンモニウム塩となったも
のなどの窒素含有基;ボランジイル基、ボラントリイル
基、ジボラニル基などのホウ素含有基;メルカプト基、
チオエステル基、ジチオエステル基、アルキルチオ基、
アリールチオ基、チオアシル基、チオエーテル基、チオ
シアン酸エステル基、イソチアン酸エステル基、スルホ
ンエステル基、スルホンアミド基、チオカルボキシル
基、ジチオカルボキシル基、スルホ基、スルホニル基、
スルフィニル基、スルフェニル基などのイオウ含有基;
ホスフィド基、ホスホリル基、チオホスホリル基、ホス
ファト基などのリン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウ
ム含有基、またはスズ含有基を有していてもよい。
【0053】これらのうち、特に、メチル、エチル、n-
プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-
ブチル、t-ブチル、ネオペンチル、n-ヘキシルなどの炭
素原子数1〜30、好ましくは1〜20の直鎖状または
分岐状のアルキル基;フェニル、ナフチル、ビフェニ
ル、ターフェニル、フェナントリル、アントラセニルな
どの炭素原子数6〜30、好ましくは6〜20のアリー
ル基;これらのアリール基にハロゲン原子、炭素原子数
1〜30、好ましくは1〜20のアルキル基またはアル
コキシ基、炭素原子数6〜30、好ましくは6〜20の
アリール基またはアリーロキシ基などの置換基が1〜5
個置換した置換アリール基などが好ましい。
【0054】酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、
イオウ含有基、リン含有基としては、上記例示したもの
と同様のものが挙げられる。ヘテロ環式化合物残基とし
ては、ピロール、ピリジン、ピリミジン、キノリン、ト
リアジンなどの含窒素化合物、フラン、ピランなどの含
酸素化合物、チオフェンなどの含硫黄化合物などの残
基、およびこれらのヘテロ環式化合物残基に炭素原子数
が1〜30、好ましくは1〜20のアルキル基、アルコ
キシ基などの置換基がさらに置換した基などが挙げられ
る。
【0055】ケイ素含有基としては、シリル基、シロキ
シ基、炭化水素置換シリル基、炭化水素置換シロキシ基
など、具体的には、メチルシリル、ジメチルシリル、ト
リメチルシリル、エチルシリル、ジエチルシリル、トリ
エチルシリル、ジフェニルメチルシリル、トリフェニル
シリル、ジメチルフェニルシリル、ジメチル-t-ブチル
シリル、ジメチル(ペンタフルオロフェニル)シリルな
どが挙げられる。これらの中では、メチルシリル、ジメ
チルシリル、トリメチルシリル、エチルシリル、ジエチ
ルシリル、トリエチルシリル、ジメチルフェニルシリ
ル、トリフェニルシリルなどが好ましい。特にトリメチ
ルシリル、トリエチルシリル、トリフェニルシリル、ジ
メチルフェニルシリルが好ましい。炭化水素置換シロキ
シ基として具体的には、トリメチルシロキシなどが挙げ
られる。
【0056】ゲルマニウム含有基およびスズ含有基とし
ては、前記ケイ素含有基のケイ素をゲルマニウムおよび
スズに置換したものが挙げられる。次に上記で説明した
1〜R6の例について、より具体的に説明する。
【0057】アルコキシ基として具体的には、メトキ
シ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブト
キシ、イソブトキシ、 tert-ブトキシなどが挙げられ
る。アルキルチオ基として具体的には、メチルチオ、エ
チルチオ等が挙げられる。
【0058】アリーロキシ基として具体的には、フェノ
キシ、2,6-ジメチルフェノキシ、2,4,6-トリメチルフェ
ノキシなどが挙げられる。アリールチオ基として具体的
には、フェニルチオ、メチルフェニルチオ、ナフチルチ
オ等が挙げられる。
【0059】アシル基として具体的には、ホルミル基、
アセチル基、ベンゾイル基、p−クロロベンゾイル基、
p-メトキシベンゾイル基などが挙げられる。エステル基
として具体的には、アセチルオキシ、ベンゾイルオキ
シ、メトキシカルボニル、フェノキシカルボニル、p-ク
ロロフェノキシカルボニルなどが挙げられる。
【0060】チオエステル基として具体的には、アセチ
ルチオ、ベンゾイルチオ、メチルチオカルボニル、フェ
ニルチオカルボニルなどが挙げられる。アミド基として
具体的には、アセトアミド、N-メチルアセトアミド、N-
メチルベンズアミドなどが挙げられる。
【0061】イミド基として具体的には、アセトイミ
ド、ベンズイミドなどが挙げられる。アミノ基として具
体的には、ジメチルアミノ、エチルメチルアミノ、ジフ
ェニルアミノなどが挙げられる。
【0062】イミノ基として具体的には、メチルイミ
ノ、エチルイミノ、プロピルイミノ、ブチルイミノ、フ
ェニルイミノなどが挙げられる。スルホンエステル基と
して具体的には、スルホン酸メチル、スルホン酸エチ
ル、スルホン酸フェニルなどが挙げられる。
【0063】スルホンアミド基として具体的には、フェ
ニルスルホンアミド、N-メチルスルホンアミド、N-メチ
ル-p-トルエンスルホンアミドなどが挙げられる。な
お、R6 は水素以外の置換基であることが好ましい。す
なわち、R6 はハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式
化合物残基、酸素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有
基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基またはスズ含有
基が好ましい。特にR6 は、ハロゲン原子、炭化水素
基、ヘテロ環式化合物残基、炭化水素置換シリル基、炭
化水素置換シロキシ基、アルコキシ基、アルキルチオ
基、アリーロキシ基、アリールチオ基、アシル基、エス
テル基、チオエステル基、アミド基、アミノ基、イミド
基、イミノ基、スルホンエステル基、スルホンアミド
基、シアノ基、ニトロ基またはヒドロキシ基であること
が好ましい。
【0064】R6 として好ましい炭化水素基としては、
メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチ
ル、イソブチル、sec-ブチル、 tert-ブチル、チオペン
チル、n-ヘキシルなどの炭素原子数が1〜30、好まし
くは1〜20の直鎖状または分岐状のアルキル基;シク
ロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘ
キシル、アダマンチルなどの炭素原子数が3〜30、好
ましくは3〜20の環状飽和炭化水素基;フェニル、ベ
ンジル、ナフチル、ビフェニリル、トリフェニリルなど
の炭素原子数が6〜30、好ましくは6〜20のアリー
ル基;および、これらの基に炭素原子数が1〜30、好
ましくは1〜20のアルキル基またはアルコキシ基、炭
素原子数が1〜30、好ましくは1〜20のハロゲン化
アルキル基、炭素原子数が6〜30、好ましくは6〜2
0のアリール基またはアリーロキシ基、ハロゲン、シア
ノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基などの置換基がさらに置
換した基などが好ましく挙げられる。
【0065】R6 として好ましい炭化水素置換シリル基
としては、メチルシリル、ジメチルシリル、トリメチル
シリル、エチルシリル、ジエチルシリル、トリエチルシ
リル、ジフェニルメチルシリル、トリフェニルシリル、
ジメチルフェニルシリル、ジメチル-t-ブチルシリル、
ジメチル(ペンタフルオロフェニル)シリルなどが挙げ
られる。特に好ましくは、トリメチルシリル、トリエチ
ルフェニル、ジフェニルメチルシリル、イソフェニルシ
リル、ジメチルフェニルシリル、ジメチル-t-ブチルシ
リル、ジメチル(ペンタフルオロフェニル)シリルなどが
挙げられる。
【0066】本発明では、R6 としては特に、イソプロ
ピル、イソブチル、sec-ブチル、 tert-ブチル、ネオペ
ンチルなどの炭素原子数が3〜30、好ましくは3〜2
0の分岐状アルキル基、およびこれらの基の水素原子を
炭素原子数が6〜30、好ましくは6〜20のアリール
基で置換した基(クミル基など)、アダマンチル、シク
ロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘ
キシルなどの炭素原子数が3〜30、好ましくは3〜2
0の環状飽和炭化水素基から選ばれる基であることが好
ましく、あるいはフェニル、ナフチル、フルオレニル、
アントラニル、フェナントリルなどの炭素原子数6〜3
0、好ましくは6〜20のアリール基、または炭化水素
置換シリル基であることも好ましい。
【0067】R1 〜R6 は、これらのうちの2個以上の
基、好ましくは隣接する基が互いに連結して脂肪環、芳
香環または、窒素原子などの異原子を含む炭化水素環を
形成していてもよく、これらの環はさらに置換基を有し
ていてもよい。
【0068】また、mが2以上の場合には、R1 〜R6
で示される基のうち2個の基が連結されていてもよい。
ただし、R1 同士は結合されることはない。さらに、m
が2以上の場合にはR1 同士、R2 同士、R3 同士、R
4 同士、R5 同士、R6同士は、互いに同一でも異なっ
ていてもよい。
【0069】nは、Mの価数を満たす数であり、具体的
には0〜5、好ましくは1〜4、より好ましくは1〜3
の整数である。Xは、水素原子、ハロゲン原子、炭化水
素基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、ホウ素
含有基、アルミニウム含有基、リン含有基、ハロゲン含
有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニ
ウム含有基、またはスズ含有基を示す。なお、nが2以
上の場合には、互いに同一であっても、異なっていても
よい。
【0070】ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭
素、ヨウ素が挙げられる。炭化水素基としては、前記R
1〜R6で例示したものと同様のものが挙げられる。具体
的には、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシ
ル、オクチル、ノニル、ドデシル、アイコシルなどのア
ルキル基;シクロペンチル、シクロヘキシル、ノルボル
ニル、アダマンチルなどの炭素原子数が3〜30のシク
ロアルキル基;ビニル、プロペニル、シクロヘキセニル
などのアルケニル基;ベンジル、フェニルエチル、フェ
ニルプロピルなどのアリールアルキル基;フェニル、ト
リル、ジメチルフェニル、トリメチルフェニル、エチル
フェニル、プロピルフェニル、ビフェニル、ナフチル、
メチルナフチル、アントリル、フェナントリルなどのア
リール基などが挙げられるが、これらに限定されるもの
ではない。また、これらの炭化水素基には、ハロゲン化
炭化水素、具体的には炭素原子数1〜20の炭化水素基
の少なくとも一つの水素がハロゲンに置換した基も含ま
れる。
【0071】これらのうち、炭素原子数が1〜20のも
のが好ましい。ヘテロ環式化合物残基としては、前記R
1〜R6で例示したものと同様のものが挙げられる。
【0072】酸素含有基としては、前記R1〜R6で例示
したものと同様のものが挙げられ、具体的には、ヒドロ
キシ基;メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシな
どのアルコシキ基;フェノキシ、メチルフェノキシ、ジ
メチルフェノキシ、ナフトキシなどのアリーロキシ基;
フェニルメトキシ、フェニルエトキシなどのアリールア
ルコキシ基;アセトキシ基;カルボニル基などが挙げら
れるが、これらに限定されるものではない。
【0073】イオウ含有基としては、前記R1〜R6で例
示したものと同様のものが挙げられ、具体的には、メチ
ルスルフォネート、トリフルオロメタンスルフォネー
ト、フェニルスルフォネート、ベンジルスルフォネー
ト、p-トルエンスルフォネート、トリメチルベンゼンス
ルフォネート、トリイソブチルベンゼンスルフォネー
ト、p-クロルベンゼンスルフォネート、ペンタフルオロ
ベンゼンスルフォネートなどのスルフォネート基;メチ
ルスルフィネート、フェニルスルフィネート、ベンジル
スルフィネート、p-トルエンスルフィネート、トリメチ
ルベンゼンスルフィネート、ペンタフルオロベンゼンス
ルフィネートなどのスルフィネート基;アルキルチオ
基;アリールチオ基などが挙げられるが、これらに限定
されるものではない。
【0074】窒素含有基として具体的には、前記R1
6で例示したものと同様のものが挙げられ、具体的に
は、アミノ基;メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチ
ルアミノ、ジプロピルアミノ、ジブチルアミノ、ジシク
ロヘキシルアミノなどのアルキルアミノ基;フェニルア
ミノ、ジフェニルアミノ、ジトリルアミノ、ジナフチル
アミノ、メチルフェニルアミノなどのアリールアミノ基
またはアルキルアリールアミノ基などが挙げられるが、
これらに限定されるものではない。
【0075】ホウ素含有基として具体的には、BR
4(Rは水素、アルキル基、置換基を有してもよいアリ
ール基、ハロゲン原子等を示す)が挙げられる。リン含
有基として具体的には、トリメチルホスフィン、トリブ
チルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィンなどの
トリアルキルホスフィン基;トリフェニルホスフィン、
トリトリルホスフィンなどのトリアリールホスフィン
基;メチルホスファイト、エチルホスファイト、フェニ
ルホスファイトなどのホスファイト基(ホスフィド
基);ホスホン酸基;ホスフィン酸基などが挙げられる
が、これらに限定されるものではない。
【0076】ケイ素含有基として具体的には、前記R1
〜R6で例示したものと同様のものが挙げられ、具体的
には、フェニルシリル、ジフェニルシリル、トリメチル
シリル、トリエチルシリル、トリプロピルシリル、トリ
シクロヘキシルシリル、トリフェニルシリル、メチルジ
フェニルシリル、トリトリルシリル、トリナフチルシリ
ルなどの炭化水素置換シリル基;トリメチルシリルエー
テルなどの炭化水素置換シリルエーテル基;トリメチル
シリルメチルなどのケイ素置換アルキル基;トリメチル
シリルフェニルなどのケイ素置換アリール基などが挙げ
られる。
【0077】ゲルマニウム含有基として具体的には、前
記R1〜R6で例示したものと同様のものが挙げられ、具
体的には、前記ケイ素含有基のケイ素をゲルマニウムに
置換した基が挙げられる。
【0078】スズ含有基として具体的には、前記R1
6で例示したものと同様のものが挙げられ、より具体
的には、前記ケイ素含有基のケイ素をスズに置換した基
が挙げられる。
【0079】ハロゲン含有基として具体的には、P
6、BF4などのフッ素含有基、ClO4、SbCl6など
の塩素含有基、IO4などのヨウ素含有基が挙げられる
が、これらに限定されるものではない。
【0080】アルミニウム含有基として具体的には、A
lR4(Rは水素、アルキル基、置換基を有してもよいア
リール基、ハロゲン原子等を示す)が挙げられるが、こ
れらに限定されるものではない。
【0081】なお、nが2以上の場合は、Xで示される
複数の基は互いに同一でも異なっていてもよく、またX
で示される複数の基は互いに結合して環を形成してもよ
い。遷移金属化合物(I-a) このような式(I)で表される遷移金属化合物として
は、下記一般式(I-a)で表される化合物が好ましい。
【0082】
【化18】
【0083】式(I-a)中、Mは周期律表第3〜11族
の遷移金属原子を示し、前記と同様のものが挙げられ
る。mは、1〜3の整数であり、好ましくは2である。
【0084】R1〜R6は、互いに同一でも異なっていて
もよく、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ
環式化合物残基、炭化水素置換シリル基、炭化水素置換
シロキシ基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリーロ
キシ基、アリールチオ基、アシル基、エステル基、チオ
エステル基、アミド基、イミド基、アミノ基、イミノ
基、スルホンエステル基、スルホンアミド基、シアノ
基、ニトロ基、カルボキシル基、スルホ基、メルカプト
基またはヒドロキシ基を示し、これらのうちの2個以上
が互いに連結して環を形成していてもよい。これらの基
としては、前記と同様のものが挙げられる。
【0085】なお、mが2以上の場合にはR1〜R6で示
される基のうち2個の基が連結されていてもよい。但
し、R1同士が結合されることはない。nは、Mの価数
を満たす数であり、具体的には、0〜5、好ましくは1
〜4、より好ましくは1〜3の整数である。
【0086】Xは、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素
基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、ホウ素含
有基、アルミニウム含有基、リン含有基、ハロゲン含有
基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウ
ム含有基、またはスズ含有基を示す。具体的には、前記
と同様のものが挙げられる。
【0087】なお、nが2以上の場合は、Xで示される
複数の基は互いに同一でも異なっていてもよく、またX
で示される複数の基は互いに結合して環を形成してもよ
い。このような遷移金属化合物として、特に下記一般式
(I-a-1)で示される化合物が好ましい。
【0088】
【化19】
【0089】式(I-a-1)中、R1〜R6、MおよびXと
しては、前記と同様のものが挙げられるが、特に、以下
のものが好ましい。Mは周期律表第3〜11族の遷移金
属原子を示し、好ましくは3〜5族及び9族の金属原子
であり、好ましくはスカンジウム、チタン、ジルコニウ
ム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、コバ
ルト、ロジウムなどであり、より好ましくはチタン、ジ
ルコニウム、ハフニウム、コバルト、ロジウムなどであ
り、特に好ましくはチタン、ジルコニウム、ハフニウム
である。
【0090】mは、1〜3の整数である。R1 〜R
6 は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、
ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、炭
化水素置換シリル基、炭化水素置換シロキシ基、アルコ
キシ基、アルキルチオ基、アリーロキシ基、アリールチ
オ基、チオエステル基、エステル基、アシル基、アミド
基、イミド基、アミノ基、イミノ基、スルホンエステル
基、スルホンアミド基、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキ
シ基などを示す。これらの中では特に、水素原子、ハロ
ゲン原子、炭化水素基、炭化水素置換シリル基、アルコ
キシ基、アリーロキシ基、エステル基、アミド基、アミ
ノ基、スルホンアミド基、シアノ基またはニトロ基が好
ましい。
【0091】ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭
素、ヨウ素が挙げられる。炭化水素基として具体的に
は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブ
チル、イソブチル、sec-ブチル、 tert-ブチル、ペンチ
ル、ヘキシルなどの炭素原子数が1〜20の直鎖状また
は分岐状のアルキル基;ビニル、アリル、イソプロペニ
ルなどの炭素原子数が2〜20の直鎖状または分岐状の
アルケニル基;エチニル、プロパルギルなど炭素原子数
が2〜20の直鎖状または分岐状のアルキニル基;シク
ロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘ
キシル、アダマンチルなどの炭素原子数が3〜20の環
状飽和炭化水素基;フェニル、ベンジル、ナフチル、ビ
フェニリル、トリフェニリルなどの炭素原子数が6〜2
0のアリール基;シクロペンタジエニル、インデニル、
フルオレニルなどの炭素原子数が5〜20の環状不飽和
炭化水素基;および、これらの基に炭素原子数が1〜2
0のアルキル基、炭素原子数が1〜20のハロゲン化ア
ルキル基、炭素原子数が6〜20のアリール基、炭素原
子数が1〜20のアルコキシ基、炭素原子数が6〜20
のアリーロキシ基、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、ヒ
ドロキシ基などの置換基がさらに置換した基などが挙げ
られる。これらの中では特に、メチル、エチル、n-プロ
ピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチ
ル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシルなどの炭素原子
数が1〜20の直鎖もしくは分岐状のアルキル基;フェ
ニル、ナフチルなどの炭素原子数が6〜20のアリール
基;これらのアリール基に前記炭素原子数が1〜20の
アルキル基、炭素原子数が6〜20のアリール基、炭素
原子数が1〜20のアルコキシ基、炭素原子数が6〜2
0のアリーロキシ基などの置換基が1〜5個置換した置
換アリール基などが好ましい。
【0092】ヘテロ環式化合物残基としては、ピロー
ル、ピリジン、ピリミジン、キノリン、トリアジンなど
の含窒素化合物、フラン、ピランなどの含酸素化合物、
チオフェンなどの含硫黄化合物などの残基、およびこれ
らのヘテロ環式化合物残基に炭素原子数が1〜20のア
ルキル基、アルコキシ基などの置換基がさらに置換した
基などが挙げられる。
【0093】炭化水素置換シリル基として具体的には、
メチルシリル、ジメチルシリル、トリメチルシリル、エ
チルシリル、ジエチルシリル、トリエチルシリル、ジフ
ェニルメチルシリル、トリフェニルシリル、ジメチルフ
ェニルシリル、ジメチル-t-ブチルシリル、ジメチル
(ペンタフルオロフェニル)シリルなどが挙げられる。
これらの中では特に、メチルシリル、ジメチルシリル、
トリメチルシリル、エチルシリル、ジエチルシリル、ト
リエチルシリル、トリフェニルシリルなどが好ましい。
【0094】炭化水素置換シロキシ基として具体的に
は、トリメチルシロキシなどが挙げられる。アルコキシ
基として具体的には、メトキシ、エトキシ、n-プロポキ
シ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、イソブトキシ、 ter
t-ブトキシなどが挙げられる。
【0095】アルキルチオ基として具体的には、メチル
チオ、エチルチオ等が挙げられる。アリーロキシ基とし
て具体的には、フェノキシ、2,6-ジメチルフェノキシ、
2,4,6-トリメチルフェノキシなどが挙げられる。
【0096】アリールチオ基として具体的には、フェニ
ルチオ、メチルフェニルチオ、ナフチルチオ等が挙げら
れる。アシル基として具体的には、ホルミル基、アセチ
ル基、ベンゾイル基、p−クロロベンゾイル基、p-メト
キシベンゾイル基などが挙げられる。
【0097】エステル基として具体的には、アセチルオ
キシ、ベンゾイルオキシ、メトキシカルボニル、フェノ
キシカルボニル、p-クロロフェノキシカルボニルなどが
挙げられる。
【0098】チオエステル基として具体的には、アセチ
ルチオ、ベンゾイルチオ、メチルチオカルボニル、フェ
ニルチオカルボニルなどが挙げられる。アミド基として
具体的には、アセトアミド、N-メチルアセトアミド、N-
メチルベンズアミドなどが挙げられる。
【0099】イミド基として具体的には、アセトイミ
ド、ベンズイミドなどが挙げられる。アミノ基として具
体的には、ジメチルアミノ、エチルメチルアミノ、ジフ
ェニルアミノなどが挙げられる。
【0100】イミノ基として具体的には、メチルイミ
ノ、エチルイミノ、プロピルイミノ、ブチルイミノ、フ
ェニルイミノなどが挙げられる。スルホンエステル基と
して具体的には、スルホン酸メチル、スルホン酸エチ
ル、スルホン酸フェニルなどが挙げられる。
【0101】スルホンアミド基として具体的には、フェ
ニルスルホンアミド、N-メチルスルホンアミド、N-メチ
ル-p-トルエンスルホンアミドなどが挙げられる。な
お、R6 は水素以外の置換基であることが好ましい。す
なわちR6 は、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式
化合物残基、炭化水素置換シリル基、炭化水素置換シロ
キシ基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリーロキシ
基、アリールチオ基、アシル基、エステル基、チオエス
テル基、アミド基、イミド基、アミノ基、イミノ基、ス
ルホンエステル基、スルホンアミド基、シアノ基、ニト
ロ基またはヒドロキシ基であることが好ましい。
【0102】R6 として好ましい炭化水素基としては、
メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチ
ル、イソブチル、sec-ブチル、 tert-ブチル、ペンチ
ル、ヘキシルなどの炭素原子数が1〜20の直鎖状また
は分岐状のアルキル基;シクロプロピル、シクロブチ
ル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アダマンチルな
どの炭素原子数が3〜20の環状飽和炭化水素基;フェ
ニル、ベンジル、ナフチル、ビフェニリル、トリフェニ
リルなどの炭素原子数が6〜20のアリール基;およ
び、これらの基に炭素原子数が1〜20のアルキル基、
炭素原子数が1〜20のハロゲン化アルキル基、炭素原
子数が6〜20のアリール基、アルコキシ基、アリーロ
キシ基、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基
などの置換基がさらに置換した基などが好ましく挙げら
れる。
【0103】R6 として好ましい炭化水素置換シリル基
としては、メチルシリル、ジメチルシリル、トリメチル
シリル、エチルシリル、ジエチルシリル、トリエチルシ
リル、ジフェニルメチルシリル、トリフェニルシリル、
ジメチルフェニルシリル、ジメチル-t-ブチルシリル、
ジメチル(ペンタフルオロフェニル)シリルなどが挙げ
られる。
【0104】本発明では、R6 としては特に、イソプロ
ピル、イソブチル、sec-ブチル、 tert-ブチルなどの炭
素原子数が3〜20の分岐状アルキル基、およびこれら
の基の水素原子を炭素原子数が6〜20のアリール基で
置換した基(クミル基など)、アダマンチル、シクロプ
ロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシ
ルなどの炭素原子数が3〜20の環状飽和炭化水素基か
ら選ばれる基であることが好ましく、あるいは炭化水素
置換シリル基であることも好ましい。
【0105】R1 〜R6 は、これらのうちの2個以上の
基、好ましくは隣接する基が互いに連結して脂肪環、芳
香環または、窒素原子などの異原子を含む炭化水素環を
形成していてもよく、これらの環はさらに置換基を有し
ていてもよい。
【0106】また、mが2以上の場合には、R1 〜R6
で示される基のうち2個の基が連結されていてもよい。
ただし、R1 同士は結合されることはない。さらに、m
が2以上の場合にはR1 同士、R2 同士、R3 同士、R
4 同士、R5 同士、R6同士は、互いに同一でも異なっ
ていてもよい。
【0107】nは、Mの価数を満たす数であり、具体的
には1〜3の整数である。Xは、水素原子、ハロゲン原
子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜
20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有
基、ケイ素含有基などを示し、nが2以上の場合は互い
に同一でも異なっていてもよい。
【0108】ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭
素、ヨウ素が挙げられる。炭素原子数が1〜20の炭化
水素基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アル
ケニル基、アリールアルキル基、アリール基などが挙げ
られ、より具体的には、メチル、エチル、プロピル、ブ
チル、ヘキシル、オクチル、ノニル、ドデシル、アイコ
シルなどのアルキル基;シクロペンチル、シクロヘキシ
ル、ノルボルニル、アダマンチルなどのシクロアルキル
基;ビニル、プロペニル、シクロヘキセニルなどのアル
ケニル基;ベンジル、フェニルエチル、フェニルプロピ
ルなどのアリールアルキル基;フェニル、トリル、ジメ
チルフェニル、トリメチルフェニル、エチルフェニル、
プロピルフェニル、ビフェニル、ナフチル、メチルナフ
チル、アントリル、フェナントリルなどのアリール基が
挙げられる。
【0109】炭素原子数が1〜20のハロゲン化炭化水
素基としては、前記炭素原子数が1〜20の炭化水素基
にハロゲンが置換した基が挙げられる。酸素含有基とし
ては、ヒドロキシ基;メトキシ、エトキシ、プロポキ
シ、ブトキシなどのアルコキシ基;フェノキシ、メチル
フェノキシ、ジメチルフェノキシ、ナフトキシなどのア
リーロキシ基;フェニルメトキシ、フェニルエトキシな
どのアリールアルコキシ基などが挙げられる。
【0110】イオウ含有基としては、前記酸素含有基の
酸素がイオウに置換した置換基、ならびにメチルスルフ
ォネート、トリフルオロメタンスルフォネート、フェニ
ルスルフォネート、ベンジルスルフォネート、p-トルエ
ンスルフォネート、トリメチルベンゼンスルフォネー
ト、トリイソブチルベンゼンスルフォネート、p-クロル
ベンゼンスルフォネート、ペンタフルオロベンゼンスル
フォネートなどのスルフォネート基;メチルスルフィネ
ート、フェニルスルフィネート、ベンジルスルフィネー
ト、p-トルエンスルフィネート、トリメチルベンゼンス
ルフィネート、ペンタフルオロベンゼンスルフィネート
などのスルフィネート基が挙げられる。
【0111】ケイ素含有基としては、メチルシリル、フ
ェニルシリルなどのモノ炭化水素置換シリル基;ジメチ
ルシリル、ジフェニルシリルなどのジ炭化水素置換シリ
ル基;トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリプロ
ピルシリル、トリシクロヘキシルシリル、トリフェニル
シリル、ジメチルフェニルシリル、メチルジフェニルシ
リル、トリトリルシリル、トリナフチルシリルなどのト
リ炭化水素置換シリル基;トリメチルシリルエーテルな
どの炭化水素置換シリルのシリルエーテル基;トリメチ
ルシリルメチルなどのケイ素置換アルキル基;トリメチ
ルシリルフェニルなどのケイ素置換アリール基などが挙
げられる。
【0112】Xで示される基としては、これらのうち、
ハロゲン原子、炭素原子数が1〜20の炭化水素基また
はスルホネート基であることが好ましい。またnが2以
上の場合は、Xで示される基は互いに同一でも異なって
いてもよく、あるいは互いに連結して環を形成していて
もよい。
【0113】前記一般式(I-a-1)で表される遷移金属
化合物において、mが2であり、R1〜R6 で示される
基のうち2個の基(但し、R1 同士を除く)が連結され
ている化合物は、たとえば下記一般式(I-a-2)で表さ
れる化合物である。
【0114】
【化20】
【0115】式(I-a-2)中、M、R1 〜R6 、Xは、
それぞれ前記一般式(I)の場合と同じであり、R11
16はR1 〜R6 と同じである。特に好ましくは以下の
ような基が挙げられる。
【0116】R1〜R16は、互いに同一でも異なってい
てもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテ
ロ環式化合物残基、炭化水素置換シリル基、炭化水素置
換シロキシ基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリー
ロキシ基、アリールチオ基、アシル基、エステル基、チ
オエステル基、アミド基、イミド基、アミノ基、イミノ
基、スルホンエステル基、スルホンアミド基、シアノ
基、ニトロ基などを示し、具体的にはR1 〜R6 と同様
の原子または基を示す。R1〜R16のうちの2個以上の
基、好ましくは隣接する基は互いに連結して脂肪族環、
芳香族環または、窒素原子などの異原子を含む炭化水素
環を形成していてもよい。
【0117】Y' は、R1 〜R6 から選ばれる少なくと
も1つ以上の基と、R11〜R16から選ばれる少なくとも
1つ以上の基とを結合する(ただし、R1 とR11とが結
合する場合を除く。)結合基または単結合である。
【0118】Y' で示される結合基としては、酸素、硫
黄、炭素、窒素、リン、ケイ素、セレン、スズ、硼素な
どの中から選ばれる少なくとも1種の元素を含む基が挙
げられ、具体的には−O−、−S−、−Se−などのカ
ルコゲン原子含有基;−NH−、−N(CH3)2 −、−
PH−、−P(CH3)2 −などの窒素またはリン原子含
有基;−CH2 −、−CH2 −CH2 −、−C(CH3)
2 −などの炭素原子数が1〜20の炭化水素基;ベンゼ
ン、ナフタレン、アントラセンなどの炭素原子数が6〜
20の環状不飽和炭化水素残基;ピリジン、キノリン、
チオフェン、フランなどのヘテロ原子を含む炭素原子数
が3〜20のヘテロ環式化合物残基;−SiH2−、−
Si(CH3)2 −などのケイ素原子含有基、−SnH
2 −、−Sn(CH3)2 −などのスズ原子含有基;−BH
−、−B(CH3)−、−BF−などの硼素原子含有基な
ど、あるいは単結合が挙げられる。
【0119】以下に、上記一般式(I-a-1)で表される
遷移金属化合物の具体的な例を示すが、これらに限定さ
れるものではない。なお、下記具体例においてMは遷移
金属元素であり、個々には、Sc(III) 、Ti(III) 、
Ti(IV)、Zr(III) 、Zr(IV)、Hf(IV)、V(IV)、
Nb(V) 、Ta(V) 、Co(II)、Co(III) 、Rh(I
I)、Rh(III) 、Rh(IV)を示すが、これらに限定され
るものではない。これらのなかでは特に、Ti(IV) 、
Zr(IV) 、Hf(IV)が好ましい。
【0120】Xは、Cl、Br等のハロゲン、もしくは
メチル等のアルキル基を示すが、これらに限定されるも
のではない。また、Xが複数ある場合は、これらは同じ
であっても、異なっていても良い。
【0121】nは金属Mの価数により決定される。例え
ば、2種のモノアニオン種が金属に結合している場合、
2価金属ではn=0、3価金属ではn=1、4価金属で
はn=2、5価金属ではn=3になる。たとえば金属が
Ti(IV)の場合はn=2であり、Zr(IV)の場合は
n=2であり、Hf(IV)の場合はn=2である。
【0122】
【化21】
【0123】
【化22】
【0124】
【化23】
【0125】
【化24】
【0126】
【化25】
【0127】
【化26】
【0128】
【化27】
【0129】
【化28】
【0130】
【化29】
【0131】
【化30】
【0132】
【化31】
【0133】
【化32】
【0134】
【化33】
【0135】
【化34】
【0136】
【化35】
【0137】
【化36】
【0138】
【化37】
【0139】
【化38】
【0140】
【化39】
【0141】なお、上記例示中、Meはメチル基、Et
はエチル基、iPrはi-プロピル基、tBuはtert- ブ
チル基、Phはフェニル基を示す。さらにTiを中心金
属とする場合についてより具体的に例示すると、以下の
ようなものが挙げられる。また、これらの化合物におい
てチタンをジルコニウム、ハフニウム、コバルトまたは
ロジウムに置き換えた化合物も挙げられる。
【0142】
【化40】
【0143】
【化41】
【0144】
【化42】
【0145】
【化43】
【0146】
【化44】
【0147】
【化45】
【0148】
【化46】
【0149】
【化47】
【0150】
【化48】
【0151】
【化49】
【0152】
【化50】
【0153】本発明に係るオレフィン重合用触媒におい
て、(A)成分として後述するような一般式(III)の
新規な遷移金属化合物を用いることが特に好ましい。遷移金属化合物(I-b) また、本発明では(A)遷移金属化合物として、下記一
般式(I-b)で表される遷移金属化合物を用いることもで
きる。
【0154】
【化51】
【0155】式(I-b)中、Mは周期表第3〜11族の遷
移金属原子を示し、好ましくは第3〜5族または第9
族、特に好ましくは第4族または第5族の遷移金属原子
であり、特にチタン、ジルコニウム、ハフニウム、コバ
ルトまたはロジウムである。
【0156】mは、1〜6の整数、好ましくは1〜4の
整数である。R1 〜R6 は、互いに同一でも異なってい
てもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、炭化
水素置換シリル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、エ
ステル基、アミド基、アミノ基、スルホンアミド基、シ
アノ基、ニトロ基を示す。
【0157】これらの基のうち、特に、ハロゲン原子、
炭化水素基、炭化水素置換シリル基、アルコキシ基、ア
リーロキシ基、エステル基、アミド基、アミノ基、スル
ホンアミド基、シアノ基、ニトロ基が好ましい。
【0158】これらの基R1 〜R6 としては、前記一般
式(I)および(I-a)で表される遷移金属化合物におい
て例示したものと同様のものが挙げられる。また、mが
2以上の場合には、R1〜R6は、これらのうちの2個以
上の基、好ましくは隣接する基が互いに連結して環を形
成してもよい。但し、R1同士が連結されることはな
い。
【0159】以下に、上記一般式(I-b)で表される遷移
金属化合物の具体的な例を示すが、これらに限定される
ものではない。
【0160】
【化52】
【0161】
【化53】
【0162】本発明では、上記のような化合物におい
て、コバルト金属をチタン、ジルコニウム、ハフニウ
ム、鉄、銅、ロジウムなどの金属に置き換えた遷移金属
化合物を用いることもできる。
【0163】以上のような遷移金属化合物(A)は、1
種単独または2種以上組み合わせて用いられる。また、
上記遷移金属化合物(A)以外の遷移金属化合物,例え
ば窒素、酸素、硫黄、硼素または燐などのヘテロ原子を
含有する配位子からなる公知の遷移金属化合物と組み合
わせて用いることもできる。
【0164】他の遷移金属化合物 上記遷移金属化合物(A)以外の遷移金属化合物とし
て、具体的には、下記のような遷移金属化合物を用いる
ことができるが、この限りではない。 (a-1)下記式で表される遷移金属イミド化合物(I-c)
【0165】
【化54】
【0166】式中、Mは、周期表第8〜10族の遷移金
属原子を示し、好ましくはニッケル、パラジウムまたは
白金である。R21〜R24は、互いに同一でも異なってい
てもよく、炭素数1〜50の炭化水素基、炭素数1〜5
0のハロゲン化炭化水素基、炭化水素置換シリル基また
は窒素、酸素、リン、イオウおよびケイ素から選ばれる
少なくとも1種の元素を含む置換基で置換された炭化水
素基を示す。
【0167】R21〜R24で表される基は、これらのうち
の2個以上、好ましくは隣接する基が互いに連結して環
を形成していてもよい。qは0〜4の整数を示す。
【0168】Xは、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子
数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲ
ン化炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、ケイ素含
有基または窒素含有基を示し、qが2以上の場合には、
Xで示される複数の基は互いに同一であっても、異なっ
ていてもよい。 (a-2)下記式で表される遷移金属アミド化合物(I-d)
【0169】
【化55】
【0170】式中、Mは、周期表第3〜6族の遷移金属
原子を示し、チタン、ジルコニウムまたはハフニウムで
あることが好ましい。R'およびR"は、互いに同一でも
異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜50の炭化
水素基、炭素数1〜50のハロゲン化炭化水素基、炭化
水素置換シリル基、または、窒素、酸素、リン、硫黄お
よびケイ素から選ばれる少なくとも1種の元素を有する
置換基を示す。
【0171】mは、0〜2の整数である。nは、1〜5
の整数である。Aは、周期表第13〜16族の原子を示
し、具体的には、ホウ素、炭素、窒素、酸素、ケイ素、
リン、硫黄、ゲルマニウム、セレン、スズなどが挙げら
れ、炭素またはケイ素であることが好ましい。nが2以
上の場合には、複数のAは、互いに同一でも異なってい
てもよい。
【0172】Eは、炭素、水素、酸素、ハロゲン、窒
素、硫黄、リン、ホウ素およびケイ素から選ばれる少な
くとも1種の元素を有する置換基である。mが2の場
合、2個のEは、互いに同一でも異なっていてもよく、
あるいは互いに連結して環を形成していてもよい。
【0173】pは、0〜4の整数である。Xは、水素原
子、ハロゲン原子、炭素原子数が1〜20の炭化水素
基、炭素原子数が1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸
素含有基、イオウ含有基、ケイ素含有基または窒素含有
基を示す。なおpが2以上の場合には、Xで示される複
数の基は、互いに同一でも異なっていてもよい。これら
のうち、Xはハロゲン原子、炭素原子数が1〜20の炭
化水素基またはスルホネート基であることが好ましい。 (a-3)下記式で表される遷移金属ジフェノキシ化合物(I-
e)
【0174】
【化56】
【0175】式中、Mは周期律表第3〜11族の遷移金
属原子を示し、lおよびmはそれぞれ0または1の整数
であり、AおよびA'は炭素原子数1〜50の炭化水素
基、炭素原子数1〜50のハロゲン化炭化水素、また
は、酸素、硫黄またはケイ素を含有する置換基を持つ炭
化水素基、または炭素原子数1〜50のハロゲン化炭化
水素基であり、AとA'は同一でも異なっていてもよ
い。
【0176】Bは、炭素原子数0〜50の炭化水素基、
炭素原子数1〜50のハロゲン化炭化水素基、R12
で表される基、酸素または硫黄であり、ここで、R1
よびR2は炭素原子数1〜20の炭化水素基または少な
くとも1個のヘテロ原子を含む炭素原子数1〜20の炭
化水素基であり、Zは炭素、窒素、硫黄、リンまたはケ
イ素を示す。
【0177】nは、Mの価数を満たす数である。Xは、
水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水
素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸
素含有基、イオウ含有基、ケイ素含有基または窒素含有
基を示し、nが2以上の場合は、Xで示される複数の基
は互いに同一でも異なっていてもよく、あるいは互いに
結合して環を形成してもよい。 (a-4)下記式で表される少なくとも1個のヘテロ原子を
含むシクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む遷
移金属化合物(I-f)
【0178】
【化57】
【0179】式中、Mは周期律表3〜11族の遷移金属
原子を示す。Xは、周期律表第13、14または15族
の原子を示し、Xのうちの少なくとも1つは炭素以外の
元素である。
【0180】aは、0または1を示す。Rは、互いに同
一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、
炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、炭化水素基置換シ
リル基、または窒素、酸素、リン、イオウおよびケイ素
から選ばれる少なくとも1種の元素を含む置換基で置換
された炭化水素基を示し、2個以上のRが互いに連結し
て環を形成していてもよい。
【0181】bは、1〜4の整数であり、bが2以上の
場合、各[( (R)a5 −X5 ]基は同一でも異なって
いてもよく、さらにR同士が架橋していてもよい。c
は、Mの価数を満たす数である。
【0182】Yは、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子
数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲ
ン化炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、ケイ素含
有基または窒素含有基を示す。
【0183】cが2以上の場合は、Yで示される複数の
基は互いに同一でも異なっていてもよく、またYで示さ
れる複数の基は互いに結合して環を形成してもよい。 (a-5)式RB(Pz)3MXn で表される遷移金属化合物 式中、Mは, 周期律表3〜11族遷移金属化合物を示
し、Rは水素原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基ま
たは炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基を示
し、Pzは、ピラゾイル基または置換ピラゾイル基を示
す。
【0184】nは、Mの価数を満たす数である。Xは、
水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水
素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸
素含有基、イオウ含有基、ケイ素含有基または窒素含有
基を示す。nが2以上の場合は、Xで示される複数の基
は互いに同一でも異なっていてもよく、あるいは互いに
結合して環を形成してもよい。 (a-6) 下記式で示される遷移金属化合物(I-g)
【0185】
【化58】
【0186】式中、Y1 およびY3 は、互いに同一であ
っても異なっていてもよく、周期律表第15族の元素で
あり、Y2 は周期律表第16族の元素である。R21〜R
28は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、
ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素
原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基、
イオウ含有基またはケイ素含有基を示し、これらのうち
2個以上が互いに連結して環を形成していてもよい。 (a-7) 下記式(I-h)で表される化合物とVIII族の遷移金
属原子との化合物
【0187】
【化59】
【0188】式中、R31〜R34は、互いに同一でも異な
っていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数
1〜20の炭化水素基または炭素原子数1〜20のハロ
ゲン化炭化水素基であり、これらのうち2個以上が互い
に連結して環を形成していてもよい。 (a-8) 下記式(I-i)で示される遷移金属化合物
【0189】
【化60】
【0190】式中、Mは、周期律表第3〜11族の遷移
金属原子を示し、mは、0〜3の整数であり、nは、0
または1の整数であり、pは、1〜3の整数であり、q
は、Mの価数を満たす数である。
【0191】R41〜R48は、互いに同一でも異なって
いてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜
20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭
化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、ケイ素含有基ま
たは窒素含有基を示し、これらのうちの2個以上が互い
に連結して環を形成していてもよい。
【0192】Xは、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子
数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲ
ン化炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、ケイ素含
有基または窒素含有基を示し、qが2以上の場合は、X
で示される複数の基は互いに同一でも異なっていてもよ
く、またはXで示される複数の基は互いに結合して環を
形成してもよい。
【0193】Yは、ボラータベンゼン環を架橋する基で
あり、炭素、ケイ素またはゲルマニウムを示す。Aは、
周期律表第14、15または16族の元素を示す。
【0194】(B-1) 有機金属化合物 本発明で用いられる(B-1) 有機金属化合物として、具体
的には下記のような周期律表第1、2族および第12、
13族の有機金属化合物が用いられる。
【0195】 (B-1a) 一般式 Ra mAl(ORb)n p q (式中、Ra およびRb は、互いに同一でも異なってい
てもよく、炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の
炭化水素基を示し、Xはハロゲン原子を示し、mは0<
m≦3、nは0≦n<3、pは0≦p<3、qは0≦q
<3の数であり、かつm+n+p+q=3である。)で
表される有機アルミニウム化合物。
【0196】(B-1b) 一般式 M2 AlRa 4 (式中、M2 はLi、NaまたはKを示し、Ra は炭素
原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示
す。)で表される周期律表第1族金属とアルミニウムと
の錯アルキル化物。
【0197】(B-1c) 一般式 Ra b 3 (式中、Ra およびRb は、互いに同一でも異なってい
てもよく、炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の
炭化水素基を示し、M3 はMg、ZnまたはCdであ
る。)で表される周期律表第2族または第12族金属の
ジアルキル化合物。
【0198】前記(B-1a)に属する有機アルミニウム化合
物としては、次のような化合物などを例示できる。 一般式 Ra m Al(ORb)3-m (式中、Ra およびRb は、互いに同一でも異なってい
てもよく、炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の
炭化水素基を示し、mは好ましくは1.5≦m≦3の数
である。)で表される有機アルミニウム化合物、 一般式 Ra m AlX3-m (式中、Ra は炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜
4の炭化水素基を示し、Xはハロゲン原子を示し、mは
好ましくは0<m<3である。)で表される有機アルミ
ニウム化合物、 一般式 Ra m AlH3-m (式中、Ra は炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜
4の炭化水素基を示し、mは好ましくは2≦m<3であ
る。)で表される有機アルミニウム化合物、 一般式 Ra m Al(ORb )n q (式中、Ra およびRb は、互いに同一でも異なってい
てもよく、炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の
炭化水素基を示し、Xはハロゲン原子を示し、mは0<
m≦3、nは0≦n<3、qは0≦q<3の数であり、
かつm+n+q=3である。)で表される有機アルミニ
ウム化合物。
【0199】(B-1a)に属する有機アルミニウム化合物と
してより具体的にはトリメチルアルミニウム、トリエチ
ルアルミニウム、トリn-ブチルアルミニウム、トリプロ
ピルアルミニウム、トリペンチルアルミニウム、トリヘ
キシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリ
デシルアルミニウムなどのトリn-アルキルアルミニウ
ム;トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルア
ルミニウム、トリsec-ブチルアルミニウム、トリ tert-
ブチルアルミニウム、トリ2-メチルブチルアルミニウ
ム、トリ3-メチルブチルアルミニウム、トリ2-メチルペ
ンチルアルミニウム、トリ3-メチルペンチルアルミニウ
ム、トリ4-メチルペンチルアルミニウム、トリ2-メチル
ヘキシルアルミニウム、トリ3-メチルヘキシルアルミニ
ウム、トリ2-エチルヘキシルアルミニウムなどのトリ分
岐鎖アルキルアルミニウム;トリシクロヘキシルアルミ
ニウム、トリシクロオクチルアルミニウムなどのトリシ
クロアルキルアルミニウム;トリフェニルアルミニウ
ム、トリトリルアルミニウムなどのトリアリールアルミ
ニウム;ジイソブチルアルミニウムハイドライドなどの
ジアルキルアルミニウムハイドライド;(i-C49)x
Aly(C510)z (式中、x、y、zは正の数であ
り、z≧2xである。)などで表されるトリイソプレニ
ルアルミニウムなどのトリアルケニルアルミニウム;イ
ソブチルアルミニウムメトキシド、イソブチルアルミニ
ウムエトキシド、イソブチルアルミニウムイソプロポキ
シドなどのアルキルアルミニウムアルコキシド;ジメチ
ルアルミニウムメトキシド、ジエチルアルミニウムエト
キシド、ジブチルアルミニウムブトキシドなどのジアル
キルアルミニウムアルコキシド;エチルアルミニウムセ
スキエトキシド、ブチルアルミニウムセスキブトキシド
などのアルキルアルミニウムセスキアルコキシド;Ra
2.5Al(ORb)0.5などで表される平均組成を有する部
分的にアルコキシ化されたアルキルアルミニウム;ジエ
チルアルミニウムフェノキシド、ジエチルアルミニウム
(2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノキシド)、エチルア
ルミニウムビス(2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノキシ
ド)、ジイソブチルアルミニウム(2,6-ジ-t-ブチル-4-
メチルフェノキシド)、イソブチルアルミニウムビス
(2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノキシド)などのジア
ルキルアルミニウムアリーロキシド;ジメチルアルミニ
ウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジブチ
ルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムブロミ
ド、ジイソブチルアルミニウムクロリドなどのジアルキ
ルアルミニウムハライド;エチルアルミニウムセスキク
ロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、エチルア
ルミニウムセスキブロミドなどのアルキルアルミニウム
セスキハライド;エチルアルミニウムジクロリド、プロ
ピルアルミニウムジクロリド、ブチルアルミニウムジブ
ロミドなどのアルキルアルミニウムジハライドなどの部
分的にハロゲン化されたアルキルアルミニウム;ジエチ
ルアルミニウムヒドリド、ジブチルアルミニウムヒドリ
ドなどのジアルキルアルミニウムヒドリド;エチルアル
ミニウムジヒドリド、プロピルアルミニウムジヒドリド
などのアルキルアルミニウムジヒドリドなどその他の部
分的に水素化されたアルキルアルミニウム;エチルアル
ミニウムエトキシクロリド、ブチルアルミニウムブトキ
シクロリド、エチルアルミニウムエトキシブロミドなど
の部分的にアルコキシ化およびハロゲン化されたアルキ
ルアルミニウムなどを挙げることができる。
【0200】また(B-1a)に類似する化合物も使用するこ
とができ、たとえば窒素原子を介して2以上のアルミニ
ウム化合物が結合した有機アルミニウム化合物を挙げる
ことができる。このような化合物として具体的には、
(C25)2AlN(C25)Al(C25)2 などを挙げ
ることができる。
【0201】前記(B-1b)に属する化合物としては、Li
Al(C25)4、LiAl(C715)4 などを挙げるこ
とができる。またその他にも、(B-1) 有機金属化合物と
しては、メチルリチウム、エチルリチウム、プロピルリ
チウム、ブチルリチウム、メチルマグネシウムブロミ
ド、メチルマグネシウムクロリド、エチルマグネシウム
ブロミド、エチルマグネシウムクロリド、プロピルマグ
ネシウムブロミド、プロピルマグネシウムクロリド、ブ
チルマグネシウムブロミド、ブチルマグネシウムクロリ
ド、ジメチルマグネシウム、ジエチルマグネシウム、ジ
ブチルマグネシウム、ブチルエチルマグネシウムなどを
使用することもできる。
【0202】また重合系内で上記有機アルミニウム化合
物が形成されるような化合物、たとえばハロゲン化アル
ミニウムとアルキルリチウムとの組合せ、またはハロゲ
ン化アルミニウムとアルキルマグネシウムとの組合せな
どを使用することもできる。
【0203】(B-1) 有機金属化合物のなかでは、有機ア
ルミニウム化合物が好ましい。 上記のような(B-1) 有機金属化合物は、1種単独でまた
は2種以上組み合わせて用いられる。
【0204】(B-2) 有機アルミニウムオキシ化合物 本発明で用いられる(B-2) 有機アルミニウムオキシ化合
物は、従来公知のアルミノキサンであってもよく、また
特開平2−78687号公報に例示されているようなベ
ンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物であって
もよい。
【0205】従来公知のアルミノキサンは、たとえば下
記のような方法によって製造することができ、通常、炭
化水素溶媒の溶液として得られる。 (1)吸着水を含有する化合物または結晶水を含有する
塩類、たとえば塩化マグネシウム水和物、硫酸銅水和
物、硫酸アルミニウム水和物、硫酸ニッケル水和物、塩
化第1セリウム水和物などの炭化水素媒体懸濁液に、ト
リアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物
を添加して、吸着水または結晶水と有機アルミニウム化
合物とを反応させる方法。 (2)ベンゼン、トルエン、エチルエーテル、テトラヒ
ドロフランなどの媒体中で、トリアルキルアルミニウム
などの有機アルミニウム化合物に直接水、氷または水蒸
気を作用させる方法。 (3)デカン、ベンゼン、トルエンなどの媒体中でトリ
アルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物
に、ジメチルスズオキシド、ジブチルスズオキシドなど
の有機スズ酸化物を反応させる方法。
【0206】なお該アルミノキサンは、少量の有機金属
成分を含有してもよい。また回収された上記のアルミノ
キサンの溶液から溶媒または未反応有機アルミニウム化
合物を蒸留して除去した後、溶媒に再溶解またはアルミ
ノキサンの貧溶媒に懸濁させてもよい。
【0207】アルミノキサンを調製する際に用いられる
有機アルミニウム化合物として具体的には、前記(B-1a)
に属する有機アルミニウム化合物として例示したものと
同様の有機アルミニウム化合物を挙げることができる。
【0208】これらのうち、トリアルキルアルミニウ
ム、トリシクロアルキルアルミニウムが好ましく、トリ
メチルアルミニウムが特に好ましい。上記のような有機
アルミニウム化合物は、1種単独でまたは2種以上組み
合せて用いられる。
【0209】アルミノキサンの調製に用いられる溶媒と
しては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、シメ
ンなどの芳香族炭化水素、ペンタン、ヘキサン、ヘプタ
ン、オクタン、デカン、ドデカン、ヘキサデカン、オク
タデカンなどの脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シク
ロヘキサン、シクロオクタン、メチルシクロペンタンな
どの脂環族炭化水素、ガソリン、灯油、軽油などの石油
留分または上記芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、脂環
族炭化水素のハロゲン化物とりわけ、塩素化物、臭素化
物などの炭化水素溶媒が挙げられる。さらにエチルエー
テル、テトラヒドロフランなどのエーテル類を用いるこ
ともできる。これらの溶媒のうち特に芳香族炭化水素ま
たは脂肪族炭化水素が好ましい。
【0210】また本発明で用いられるベンゼン不溶性の
有機アルミニウムオキシ化合物は、60℃のベンゼンに
溶解するAl成分がAl原子換算で通常10%以下、好
ましくは5%以下、特に好ましくは2%以下であるも
の、すなわち、ベンゼンに対して不溶性または難溶性で
あるものが好ましい。
【0211】本発明で用いられる有機アルミニウムオキ
シ化合物としては、下記一般式(IV)で表されるボロン
を含んだ有機アルミニウムオキシ化合物を挙げることも
できる。
【0212】
【化61】
【0213】式中、R17は炭素原子数が1〜10の炭化
水素基を示す。R18は、互いに同一でも異なっていても
よく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数が1〜10
の炭化水素基を示す。
【0214】前記一般式(IV)で表されるボロンを含ん
だ有機アルミニウムオキシ化合物は、下記一般式(V)
で表されるアルキルボロン酸と R17−B−(OH)2 …(V) (式中、R17は前記と同じ基を示す。) 有機アルミニウム化合物とを、不活性ガス雰囲気下に不
活性溶媒中で、−80℃〜室温の温度で1分〜24時間
反応させることにより製造できる。
【0215】前記一般式(V)で表されるアルキルボロ
ン酸の具体的なものとしては、メチルボロン酸、エチル
ボロン酸、イソプロピルボロン酸、n-プロピルボロン
酸、n-ブチルボロン酸、イソブチルボロン酸、n-ヘキシ
ルボロン酸、シクロヘキシルボロン酸、フェニルボロン
酸、3,5-ジフルオロボロン酸、ペンタフルオロフェニル
ボロン酸、3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニルボ
ロン酸などが挙げられる。これらの中では、メチルボロ
ン酸、n-ブチルボロン酸、イソブチルボロン酸、3,5-ジ
フルオロフェニルボロン酸、ペンタフルオロフェニルボ
ロン酸が好ましい。これらは1種単独でまたは2種以上
組み合わせて用いられる。
【0216】このようなアルキルボロン酸と反応させる
有機アルミニウム化合物として具体的には、前記(B-1a)
に属する有機アルミニウム化合物として例示したものと
同様の有機アルミニウム化合物を挙げることができる。
【0217】これらのうち、トリアルキルアルミニウ
ム、トリシクロアルキルアルミニウムが好ましく、特に
トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、ト
リイソブチルアルミニウムが好ましい。これらは1種単
独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。
【0218】上記のような (B-2)有機アルミニウムオキ
シ化合物は、1種単独でまたは2種以上組み合せて用い
られる。(B-3) 遷移金属化合物と反応してイオン対を形成する化
合物 本発明で用いられる遷移金属化合物と反応してイオン対
を形成する化合物(B-3) (以下、「イオン化イオン性化
合物」という。)は、前記遷移金属化合物(A)と反応
してイオン対を形成する化合物であり、このような化合
物としては、特開平1−501950号公報、特開平1
−502036号公報、特開平3−179005号公
報、特開平3−179006号公報、特開平3−207
703号公報、特開平3−207704号公報、USP
−5321106号などに記載されたルイス酸、イオン
性化合物、ボラン化合物およびカルボラン化合物などを
挙げることができる。さらに、ヘテロポリ化合物および
イソポリ化合物も挙げることができる。
【0219】具体的には、ルイス酸としては、BR
3 (Rは、フッ素、メチル基、トリフルオロメチル基な
どの置換基を有していてもよいフェニル基またはフッ素
である。)で示される化合物が挙げられ、たとえばトリ
フルオロボロン、トリフェニルボロン、トリス(4-フル
オロフェニル)ボロン、トリス(3,5-ジフルオロフェニ
ル)ボロン、トリス(4-フルオロメチルフェニル)ボロ
ン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボロン、トリス
(p-トリル)ボロン、トリス(o-トリル)ボロン、トリ
ス(3,5-ジメチルフェニル)ボロンなどが挙げられる。
【0220】イオン性化合物としては、たとえば下記一
般式(VI)で表される化合物が挙げられる。
【0221】
【化62】
【0222】式中、R19としては、H+ 、カルボニウム
カチオン、オキソニウムカチオン、アンモニウムカチオ
ン、ホスホニウムカチオン、シクロヘプチルトリエニル
カチオン、遷移金属を有するフェロセニウムカチオンな
どが挙げられる。
【0223】R20〜R23は、互いに同一でも異なってい
てもよく、有機基、好ましくはアリール基または置換ア
リール基である。前記カルボニウムカチオンとして具体
的には、トリフェニルカルボニウムカチオン、トリ(メ
チルフェニル)カルボニウムカチオン、トリ(ジメチル
フェニル)カルボニウムカチオンなどの三置換カルボニ
ウムカチオンなどが挙げられる。
【0224】前記アンモニウムカチオンとして具体的に
は、トリメチルアンモニウムカチオン、トリエチルアン
モニウムカチオン、トリプロピルアンモニウムカチオ
ン、トリブチルアンモニウムカチオン、トリ(n-ブチ
ル)アンモニウムカチオンなどのトリアルキルアンモニ
ウムカチオン;N,N-ジメチルアニリニウムカチオン、N,
N-ジエチルアニリニウムカチオン、N,N-2,4,6-ペンタメ
チルアニリニウムカチオンなどのN,N-ジアルキルアニリ
ニウムカチオン;ジ(イソプロピル)アンモニウムカチ
オン、ジシクロヘキシルアンモニウムカチオンなどのジ
アルキルアンモニウムカチオンなどが挙げられる。
【0225】前記ホスホニウムカチオンとして具体的に
は、トリフェニルホスホニウムカチオン、トリ(メチル
フェニル)ホスホニウムカチオン、トリ(ジメチルフェ
ニル)ホスホニウムカチオンなどのトリアリールホスホ
ニウムカチオンなどが挙げられる。
【0226】R19としては、カルボニウムカチオン、ア
ンモニウムカチオンなどが好ましく、特にトリフェニル
カルボニウムカチオン、N,N-ジメチルアニリニウムカチ
オン、N,N-ジエチルアニリニウムカチオンが好ましい。
【0227】またイオン性化合物として、トリアルキル
置換アンモニウム塩、N,N-ジアルキルアニリニウム塩、
ジアルキルアンモニウム塩、トリアリールホスフォニウ
ム塩などを挙げることもできる。
【0228】トリアルキル置換アンモニウム塩として具
体的には、たとえばトリエチルアンモニウムテトラ(フ
ェニル)ホウ素、トリプロピルアンモニウムテトラ(フ
ェニル)ホウ素、トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラ
(フェニル)ホウ素、トリメチルアンモニウムテトラ
(p-トリル)ホウ素、トリメチルアンモニウムテトラ
(o-トリル)ホウ素、トリ(n-ブチル)アンモニウムテ
トラ(ペンタフルオロフェニル)ホウ素、トリプロピル
アンモニウムテトラ(o,p-ジメチルフェニル)ホウ素、
トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラ(m,m-ジメチルフ
ェニル)ホウ素、トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラ
(p-トリフルオロメチルフェニル)ホウ素、トリ(n-ブ
チル)アンモニウムテトラ(3,5-ジトリフルオロメチル
フェニル)ホウ素、トリ(n-ブチル)アンモニウムテト
ラ(o-トリル)ホウ素などが挙げられる。
【0229】N,N-ジアルキルアニリニウム塩として具体
的には、たとえばN,N-ジメチルアニリニウムテトラ(フ
ェニル)ホウ素、N,N-ジエチルアニリニウムテトラ(フ
ェニル)ホウ素、N,N-2,4,6-ペンタメチルアニリニウム
テトラ(フェニル)ホウ素などが挙げられる。
【0230】ジアルキルアンモニウム塩として具体的に
はは、たとえばジ(1-プロピル)アンモニウムテトラ
(ペンタフルオロフェニル)ホウ素、ジシクロヘキシル
アンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素などが挙げられ
る。
【0231】さらにイオン性化合物として、トリフェニ
ルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)
ボレート、N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(ペン
タフルオロフェニル)ボレート、フェロセニウムテトラ
(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルカ
ルベニウムペンタフェニルシクロペンタジエニル錯体、
N,N-ジエチルアニリニウムペンタフェニルシクロペンタ
ジエニル錯体、下記式(VII)または(VIII)で表され
るホウ素化合物などを挙げることもできる。
【0232】
【化63】
【0233】(式中、Etはエチル基を示す。)
【0234】
【化64】
【0235】ボラン化合物として具体的には、たとえば
デカボラン(14);ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニ
ウム〕ノナボレート、ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニ
ウム〕デカボレート、ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニ
ウム〕ウンデカボレート、ビス〔トリ(n-ブチル)アン
モニウム〕ドデカボレート、ビス〔トリ(n-ブチル)ア
ンモニウム〕デカクロロデカボレート、ビス〔トリ(n-
ブチル)アンモニウム〕ドデカクロロドデカボレートな
どのアニオンの塩;トリ(n-ブチル)アンモニウムビス
(ドデカハイドライドドデカボレート)コバルト酸塩
(III)、ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕ビス
(ドデカハイドライドドデカボレート)ニッケル酸塩
(III)などの金属ボランアニオンの塩などが挙げられ
る。
【0236】カルボラン化合物として具体的には、たと
えば4-カルバノナボラン(14)、1,3-ジカルバノナボ
ラン(13)、6,9-ジカルバデカボラン(14)、ドデ
カハイドライド-1-フェニル-1,3-ジカルバノナボラン、
ドデカハイドライド-1-メチル-1,3-ジカルバノナボラ
ン、ウンデカハイドライド-1,3-ジメチル-1,3-ジカルバ
ノナボラン、7,8-ジカルバウンデカボラン(13)、2,
7-ジカルバウンデカボラン(13)、ウンデカハイドラ
イド-7,8-ジメチル-7,8-ジカルバウンデカボラン、ドデ
カハイドライド-11-メチル-2,7-ジカルバウンデカボラ
ン、トリ(n-ブチル)アンモニウム1-カルバデカボレー
ト、トリ(n-ブチル)アンモニウム1-カルバウンデカボ
レート、トリ(n-ブチル)アンモニウム1-カルバドデカ
ボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウム1-トリメチル
シリル-1-カルバデカボレート、トリ(n-ブチル)アン
モニウムブロモ-1-カルバドデカボレート、トリ(n-ブ
チル)アンモニウム6-カルバデカボレート(14)、ト
リ(n-ブチル)アンモニウム6-カルバデカボレート(1
2)、トリ(n-ブチル)アンモニウム7-カルバウンデカ
ボレート(13)、トリ(n-ブチル)アンモニウム7,8-
ジカルバウンデカボレート(12)、トリ(n-ブチル)
アンモニウム2,9-ジカルバウンデカボレート(12)、
トリ(n-ブチル)アンモニウムドデカハイドライド-8-
メチル-7,9-ジカルバウンデカボレート、トリ(n-ブチ
ル)アンモニウムウンデカハイドライド-8-エチル-7,9-
ジカルバウンデカボレート、トリ(n-ブチル)アンモニ
ウムウンデカハイドライド-8-ブチル-7,9-ジカルバウン
デカボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウムウンデカ
ハイドライド-8-アリル-7,9-ジカルバウンデカボレー
ト、トリ(n-ブチル)アンモニウムウンデカハイドライ
ド-9-トリメチルシリル-7,8-ジカルバウンデカボレー
ト、トリ(n-ブチル)アンモニウムウンデカハイドライ
ド-4,6-ジブロモ-7-カルバウンデカボレートなどのアニ
オンの塩;トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(ノナハ
イドライド-1,3-ジカルバノナボレート)コバルト酸塩
(III)、トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(ウンデカ
ハイドライド-7,8-ジカルバウンデカボレート)鉄酸塩
(III)、トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(ウンデカ
ハイドライド-7,8-ジカルバウンデカボレート)コバル
ト酸塩(III)、トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(ウ
ンデカハイドライド-7,8-ジカルバウンデカボレート)
ニッケル酸塩(III)、トリ(n-ブチル)アンモニウムビ
ス(ウンデカハイドライド-7,8-ジカルバウンデカボレ
ート)銅酸塩(III)、トリ(n-ブチル)アンモニウムビ
ス(ウンデカハイドライド-7,8-ジカルバウンデカボレ
ート)金酸塩(III)、トリ(n-ブチル)アンモニウムビ
ス(ノナハイドライド-7,8-ジメチル-7,8-ジカルバウン
デカボレート)鉄酸塩(III)、トリ(n-ブチル)アンモ
ニウムビス(ノナハイドライド-7,8-ジメチル-7,8-ジカ
ルバウンデカボレート)クロム酸塩(III)、トリ(n-ブ
チル)アンモニウムビス(トリブロモオクタハイドライ
ド-7,8-ジカルバウンデカボレート)コバルト酸塩(II
I)、トリス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕ビス(ウ
ンデカハイドライド-7-カルバウンデカボレート)クロ
ム酸塩(III)、ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕
ビス(ウンデカハイドライド-7-カルバウンデカボレー
ト)マンガン酸塩(IV)、ビス〔トリ(n-ブチル)アン
モニウム〕ビス(ウンデカハイドライド-7-カルバウン
デカボレート)コバルト酸塩(III)、ビス〔トリ(n-ブ
チル)アンモニウム〕ビス(ウンデカハイドライド-7-
カルバウンデカボレート)ニッケル酸塩(IV)などの金
属カルボランアニオンの塩などが挙げられる。
【0237】ヘテロポリ化合物は、ケイ素、リン、チタ
ン、ゲルマニウム、ヒ素もしくは錫からなる原子と、バ
ナジウム、ニオブ、モリブデンおよびタングステンから
選ばれる1種または2種以上の原子からなっている。具
体的には、リンバナジン酸、ゲルマノバナジン酸、ヒ素
バナジン酸、リンニオブ酸、ゲルマノニオブ酸、シリコ
ノモリブデン酸、リンモリブデン酸、チタンモリブデン
酸、ゲルマノモリブデン酸、ヒ素モリブデン酸、錫モリ
ブデン酸、リンタングステン酸、ゲルマノタングステン
酸、錫タングステン酸、リンモリブドバナジン酸、リン
タングストバナジンン酸、ゲルマノタングストバナジン
ン酸、リンモリブドタングストバナジン酸、ゲルマノモ
リブドタングストバナジン酸、リンモリブドタングステ
ン酸、リンモリブドニオブ酸、これらの酸の塩、例えば
周期律表第Ia族またはIIa族の金属、具体的には、リ
チウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウ
ム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロン
チウム、バリウム等との塩、およびトリフェニルエチル
塩等の有機塩、およびイソポリ化合物を使用できるが、
この限りではない。
【0238】ヘテロポリ化合物およびイソポリ化合物と
しては、上記の化合物の中の1種に限らず、2種以上用
いることができる。上記のような (B-3)イオン化イオン
性化合物は、1種単独でまたは2種以上組み合せて用い
られる。
【0239】本発明に係る遷移金属化合物を触媒とする
場合、助触媒成分としてのメチルアルミノキサンなどの
有機アルミニウムオキシ化合物(B-2)とを併用する
と、オレフィン化合物に対して非常に高い重合活性を示
す。また助触媒成分としてトリフェニルカルボニウムテ
トラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどのイ
オン化イオン性化合物(B-3)を用いると良好な活性で
非常に分子量の高いオレフィン重合体が得られる。
【0240】また、本発明に係るオレフィン重合用触媒
は、上記遷移金属化合物(A)、(B-1) 有機金属化合
物、(B-2) 有機アルミニウムオキシ化合物、および(B-
3) イオン化イオン性化合物から選ばれる少なくとも1
種の化合物(B)とともに、必要に応じて後述するよう
な担体(C)を用いることもできる。
【0241】(C)担体 本発明で用いられる(C)担体は、無機または有機の化
合物であって、顆粒状ないしは微粒子状の固体である。
【0242】このうち無機化合物としては、多孔質酸化
物、無機塩化物、粘土、粘土鉱物またはイオン交換性層
状化合物が好ましい。多孔質酸化物として、具体的には
SiO2、Al23、MgO、ZrO、TiO2、B
23、CaO、ZnO、BaO、ThO2など、または
これらを含む複合物または混合物を使用、例えば天然ま
たは合成ゼオライト、SiO2-MgO、SiO2-Al2
3、SiO2-TiO2 、SiO2-V25 、SiO2-C
23、SiO2-TiO2-MgOなどを使用することが
できる。これらのうち、SiO2および/またはAl2
3を主成分とするものが好ましい。
【0243】なお、上記無機酸化物は、少量のNa2
3、K2CO3、CaCO3、MgCO3、Na2SO4
Al2(SO4)3、BaSO4、KNO3、Mg(NO3)2
Al(NO3)3 、Na2O、K2O、Li2Oなどの炭酸
塩、硫酸塩、硝酸塩、酸化物成分を含有していても差し
支ない。
【0244】このような多孔質酸化物は、種類および製
法によりその性状は異なるが、本発明に好ましく用いら
れる担体は、粒径が10〜300μm、好ましくは20
〜200μmであって、比表面積が50〜1000m2
/g、好ましくは100〜700m2/gの範囲にあ
り、細孔容積が0.3〜3.0cm3/gの範囲にある
ことが望ましい。このような担体は、必要に応じて10
0〜1000℃、好ましくは150〜700℃で焼成し
て使用される。
【0245】無機塩化物としては、MgCl2、MgB
2、MnCl2、MnBr2等が用いられる。無機塩化
物は、そのまま用いてもよいし、ボールミル、振動ミル
により粉砕した後に用いてもよい。また、アルコールな
どの溶媒に無機塩化物を溶解させた後、析出剤によって
を微粒子状に析出させたものを用いることもできる。
【0246】本発明で用いられる粘土は、通常粘土鉱物
を主成分として構成される。また、本発明で用いられる
イオン交換性層状化合物は、イオン結合などによって構
成される面が互いに弱い結合力で平行に積み重なった結
晶構造を有する化合物であり、含有するイオンが交換可
能なものである。大部分の粘土鉱物はイオン交換性層状
化合物である。また、これらの粘土、粘土鉱物、イオン
交換性層状化合物としては、天然産のものに限らず、人
工合成物を使用することもできる。
【0247】また、粘土、粘土鉱物またはイオン交換性
層状化合物として、粘土、粘土鉱物、また、六方細密パ
ッキング型、アンチモン型、CdCl2型、CdI2型な
どの層状の結晶構造を有するイオン結晶性化合物などを
例示することができる。
【0248】このような粘土、粘土鉱物としては、カオ
リン、ベントナイト、木節粘土、ガイロメ粘土、アロフ
ェン、ヒシンゲル石、パイロフィライト、ウンモ群、モ
ンモリロナイト群、バーミキュライト、リョクデイ石
群、パリゴルスカイト、カオリナイト、ナクライト、デ
ィッカイト、ハロイサイトなどが挙げられ、イオン交換
性層状化合物としては、α−Zr(HAsO4)2・H
2O、α−Zr(HPO4)2、α−Zr(KPO4)2・3H2
O、α−Ti(HPO4)2、α−Ti(HAsO4)2・H2
O、α−Sn(HPO4)2・H2O、γ―Zr(HP
4)2、γ−Ti(HPO4)2、γ−Ti(NH4PO4)2
2Oなどの多価金属の結晶性酸性塩などが挙げられ
る。
【0249】このような粘土、粘土鉱物またはイオン交
換性層状化合物は、水銀圧入法で測定した半径20オン
グストローム以上の細孔容積が0.1cc/g以上のも
のが好ましく、0.3〜5cc/gのものが特に好まし
い。ここで、細孔容積は、水銀ポロシメーターを用いた
水銀圧入法により、細孔半径20〜3×104Åの範囲
について測定される。
【0250】半径20Å以上の細孔容積が0.1cc/
gより小さいものを担体として用いた場合には、高い重
合活性が得られにくい傾向がある。本発明で用いられる
粘土、粘土鉱物には、化学処理を施すことも好ましい。
化学処理としては、表面に付着している不純物を除去す
る表面処理、粘土の結晶構造に影響を与える処理など、
何れも使用できる。化学処理として具体的には、酸処
理、アルカリ処理、塩類処理、有機物処理などが挙げら
れる。酸処理は、表面の不純物を取り除くほか、結晶構
造中のAl、Fe、Mgなどの陽イオンを溶出させるこ
とによって表面積を増大させる。アルカリ処理では粘土
の結晶構造が破壊され、粘土の構造の変化をもたらす。
また、塩類処理、有機物処理では、イオン複合体、分子
複合体、有機誘導体などを形成し、表面積や層間距離を
変えることができる。
【0251】本発明で用いられるイオン交換性層状化合
物は、イオン交換性を利用し、層間の交換性イオンを別
の大きな嵩高いイオンと交換することにより、層間が拡
大した状態の層状化合物であってもよい。このような嵩
高いイオンは、層状構造を支える支柱的な役割を担って
おり、通常、ピラーと呼ばれる。また、このように層状
化合物の層間に別の物質を導入することをインターカレ
ーションという。インターカレーションするゲスト化合
物としては、TiCl4、ZrCl4などの陽イオン性無
機化合物、Ti(OR)4、Zr(OR)4、PO(OR)3
B(OR)3などの金属アルコキシド(Rは炭化水素基な
ど)、[Al134(OH)24]7+、[Zr4(OH)14]2+
[Fe3O(OCOCH3)6]+などの金属水酸化物イオンな
どが挙げられる。これらの化合物は単独でまたは2種以
上組み合わせて用いられる。また、これらの化合物をイ
ンターカレーションする際に、Si(OR)4、Al(O
R)3、Ge(OR)4などの金属アルコキシド(Rは炭化
水素基など)などを加水分解して得た重合物、SiO2
などのコロイド状無機化合物などを共存させることもで
きる。また、ピラーとしては、上記金属水酸化物イオン
を層間にインターカレーションした後に加熱脱水するこ
とにより生成する酸化物などが挙げられる。
【0252】本発明で用いられる粘土、粘土鉱物、イオ
ン交換性層状化合物は、そのまま用いてもよく、またボ
ールミル、ふるい分けなどの処理を行った後に用いても
よい。また、新たに水を添加吸着させ、あるいは加熱脱
水処理した後に用いてもよい。さらに、単独で用いて
も、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0253】これらのうち、好ましいものは粘土または
粘土鉱物であり、特に好ましいものはモンモリロナイ
ト、バーミキュライト、ペクトライト、テニオライトお
よび合成雲母である。
【0254】有機化合物としては、粒径が10〜300
μmの範囲にある顆粒状ないしは微粒子状固体を挙げる
ことができる。具体的には、エチレン、プロピレン、1-
ブテン、4-メチル-1-ペンテンなどの炭素原子数が2〜
14のα−オレフィンを主成分として生成される(共)
重合体またはビニルシクロヘキサン、スチレンを主成分
として生成される(共)重合体、およびびそれらの変成
体を例示することができる。
【0255】本発明に係る第一のオレフィン重合用触媒
は、上記遷移金属化合物(A)、(B-1) 有機金属化合
物、(B-2) 有機アルミニウムオキシ化合物、および(B-
3) イオン化イオン性化合物から選ばれる少なくとも1
種の化合物(B)、必要に応じて担体(C)と共に、必
要に応じて後述するような特定の有機化合物(D)を含
むこともできる。
【0256】(D)有機化合物成分 本発明において、(D)有機化合物成分は、必要に応じ
て、重合性能および生成ポリマーの物性を向上させる目
的で使用される。このような有機化合物としては、アル
コール類、フェノール性化合物、カルボン酸、リン化合
物およびスルホン酸塩等が挙げられるが、この限りでは
ない。
【0257】アルコール類およびフェノール性化合物と
しては、通常、R31−OHで表されるものが使用され、
ここで、R31は炭素原子数1〜50の炭化水素基または
炭素原子数1〜50のハロゲン化炭化水素基を示す。
【0258】アルコール類としては、R31がハロゲン化
炭化水素のものが好ましい。また、フェノール性化合物
としては、水酸基のα,α'-位が炭素数1〜20の炭化
水素で置換されたものが好ましい。
【0259】カルボン酸としては、通常、R32−COO
Hで表されるものが使用される。R32は炭素原子数1〜
50の炭化水素基または炭素原子数1〜50のハロゲン
化炭化水素基を示し、特に、炭素原子数1〜50のハロ
ゲン化炭化水素基が好ましい。
【0260】燐化合物としては、P−O−H結合を有す
る燐酸類、P−OR、P=O結合を有するホスフェー
ト、ホスフィンオキシド化合物が好ましく使用される。
スルホン酸塩としては、下記一般式(IX)で表されるも
のが使用される。
【0261】
【化65】
【0262】式中、Mは周期律表1−14族の元素であ
る。R33は水素、炭素原子数1〜20の炭化水素基また
は炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基である。
【0263】Xは水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数
が1〜20の炭化水素基、炭素原子数が1〜20のハロ
ゲン化炭化水素基である。mは1〜7の整数であり、n
は1≦n≦7である。
【0264】図1に、本発明に係る第一のオレフィン重
合触媒の調製工程を示す。重合の際、各成分の使用法、
添加順序は任意に選ばれるが、以下のような方法が例示
される。
【0265】(1)成分(A)と、(B-1) 有機金属化合
物、(B-2) 有機アルミニウムオキシ化合物および(B-3)
イオン化イオン性化合物から選ばれる少なくとも1種の
成分(B)(以下単に「成分(B)」という。)とを任
意の順序で重合器に添加する方法。
【0266】(2)成分(A)と成分(B)とを予め接触
させた触媒を重合器に添加する方法。 (3)成分(A)と成分(B)を予め接触させた触媒成
分、および成分(B)を任意の順序で重合器に添加する
方法。この場合、成分(B)は、同一でも異なっていて
もよい。
【0267】(4)成分(A)を担体(C)に担持した触
媒成分、および成分(B)を任意の順序で重合器に添加
する方法。 (5)成分(A)と成分(B)とを担体(C)に担持した
触媒を重合器に添加する方法。
【0268】(6)成分(A)と成分(B)とを担体
(C)に担持した触媒成分、および成分(B)を任意の
順序で重合器に添加する方法。この場合、成分(B)
は、同一でも異なっていてもよい。
【0269】(7)成分(B)を担体(C)に担持した触
媒成分、および成分(A)を任意の順序で重合器に添加
する方法。 (8)成分(B)を担体(C)に担持した触媒成分、成分
(A)、および成分(B)を任意の順序で重合器に添加
する方法。この場合、成分(B)は、同一でも異なって
いてもよい。
【0270】(9)成分(A)を担体(C)に担持した成
分、および成分(B)を担体(C)に担持した成分を任意の
順序で重合器に添加する方法。 (10)成分(A)を担体(C)に担持した成分、成分(B)を
担体(C)に担持した成分、および成分(B)を任意の順序
重合器に添加する方法。この場合、成分(B)は、同一
でも異なっていてもよい。
【0271】(11)成分(A)、成分(B)、および有機化合
物成分(D)を任意の順序で重合器に添加する方法。 (12)成分(B)と成分(D)をあらかじめ接触させた成分、
および成分(A) を任意の順序で重合器に添加する方
法。
【0272】(13)成分(B)と成分(D)を担体(C)に担
持した成分、および成分(A) を任意の順序で重合器に
添加する方法。 (14)成分(A)と成分(B)を予め接触させた触媒成
分、および成分(D)を任意の順序で重合器に添加する
方法。
【0273】(15)成分(A)と成分(B)を予め接触さ
せた触媒成分、および成分(B)、成分(D)を任意の順
序で重合器に添加する方法。 (16)成分(A)と成分(B)を予め接触させた触媒成
分、および成分(B)と成分(D)をあらかじめ接触させた
成分を任意の順序で重合器に添加する方法。
【0274】(17)成分(A)を担体(C)に担持した成
分、成分(B)、および成分(D)を任意の順序で重合器
に添加する方法。 (18)成分(A)を担体(C)に担持した成分、および成分
(B)と成分(D)をあらかじめ接触させた成分を任意の順
序で重合器に添加する方法。
【0275】(19)成分(A)と成分(B)と成分(D)を
予め任意の順序で接触させた触媒成分を重合器に添加す
る方法。 (20)成分(A)と成分(B)と成分(D)を予め接触させ
た触媒成分、および成分(B)を任意の順序で重合器に
添加する方法。この場合、成分(B)は、同一でも異な
っていてもよい。
【0276】(21)成分(A)と成分(B)と成分(D)を
担体(C)に担持した触媒を重合器に添加方法。 (22)成分(A)と成分(B)と成分(D)を担体(C)に
担持した触媒成分、および成分(B)を任意の順序で重
合器に添加する方法。この場合、成分(B)は、同一で
も異なっていてもよい。
【0277】上記の担体(C)に成分(A)および成分
(B)が担持された固体触媒成分はオレフィンが予備重
合されていてもよい。本発明に係る第1のオレフィンの
重合方法では、上記のようなオレフィン重合触媒の存在
下に、オレフィンを重合または共重合することによりオ
レフィン重合体を得る。
【0278】本発明では、重合は溶解重合、懸濁重合な
どの液相重合法または気相重合法のいずれにおいても実
施できる。液相重合法において用いられる不活性炭化水
素媒体として具体的には、プロパン、ブタン、ペンタ
ン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカ
ン、灯油などの脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シク
ロヘキサン、メチルシクロペンタンなどの脂環族炭化水
素;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水
素;エチレンクロリド、クロルベンゼン、ジクロロメタ
ンなどのハロゲン化炭化水素またはこれらの混合物など
を挙げることができ、オレフィン自身を溶媒として用い
ることもできる。
【0279】上記のようなオレフィン重合用触媒を用い
て、オレフィンの重合を行うに際して、成分(A)は、
反応容積1リットル当り、通常10-12 〜10-2モル、
好ましくは10-10 〜10-3モルとなるような量で用い
られる。本発明では、成分(A)を、比較的薄い濃度で
用いた場合であっても、高い重合活性でオレフィンを重
合することができる。
【0280】成分(B-1) は、成分(B-1) と、成分(A)
中の遷移金属原子(M)とのモル比〔(B-1) /M〕が、
通常0.01〜100000、好ましくは0.05〜5
0000となるような量で用いられる。成分(B-2) は、
成分(B-2) 中のアルミニウム原子と、成分(A)中の遷
移金属原子(M)とのモル比〔(B-2) /M〕が、通常1
0〜500000、好ましくは20〜100000とな
るような量で用いられる。成分(B-3) は、成分(B-3)
と、成分(A)中の遷移金属原子(M)とのモル比〔(B
-3) /M〕が、通常1〜10、好ましくは1〜5となる
ような量で用いられる。
【0281】成分(D)は成分(B)に対して、成分(B-1)
の場合は、モル比〔(D)/(B-1)〕が通常0.01〜
10、好ましくは0.1〜5となるような量で、成分(B
-2)の場合は、成分(D)と成分(B-2)中のアルミニウ
ム原子とのモル比〔(D)/(B-2)〕が通常0.001
〜2、好ましくは0.005〜1となるような量で、成
分(B-3)の場合は、モル比〔(D)/(B-3)〕が通常0.
01〜10、好ましくは0.1〜5となるような量で用
いられる。
【0282】また、このようなオレフィン重合触媒を用
いたオレフィンの重合温度は、通常−50〜+200
℃、好ましくは0〜170℃の範囲である。重合圧力
は、通常常圧〜100kg/cm2 、好ましくは常圧〜
50kg/cm2 の条件下であり、重合反応は、回分
式、半連続式、連続式のいずれの方法においても行うこ
とができる。さらに重合を反応条件の異なる2段以上に
分けて行うことも可能である。
【0283】得られるオレフィン重合体の分子量は、重
合系に水素を存在させるか、または重合温度を変化させ
ることによって調節することができる。さらに、使用す
る成分(B)の違いにより調節することもできる。
【0284】このようなオレフィン重合触媒により重合
することができるオレフィンとしては、炭素原子数が2
〜30、好ましくは2〜20の直鎖状または分岐状のα
−オレフィン、たとえばエチレン、プロピレン、1-ブテ
ン、2-ブテン、1-ペンテン、3-メチル-1-ブテン、1-ヘ
キセン、4-メチル-1-ペンテン、3-メチル-1-ペンテン、
1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、
1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコセン;炭素
原子数が3〜30、好ましくは3〜20の環状オレフィ
ン、たとえばシクロペンテン、シクロヘプテン、ノルボ
ルネン、5-メチル-2-ノルボルネン、テトラシクロドデ
セン、2-メチル1,4,5,8-ジメタノ-1,2,3,4,4a,5,8,8a-
オクタヒドロナフタレン;極性モノマー、たとえば、ア
クリル酸、メタクリル酸、フマル酸、無水マレイン酸、
イタコン酸、無水イタコン酸、ビシクロ(2,2,1)-5-ヘプ
テン-2,3-ジカルボン酸無水物などのα,β−不飽和カ
ルボン酸、およびこれらのナトリウム塩、カリウム塩、
リチウム塩、亜鉛塩、マグネシウム塩、カルシウム塩な
どの金属塩;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、ア
クリル酸n-プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリ
ル酸n-ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸 ter
t-ブチル、アクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸
メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n-プロピ
ル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n-ブチ
ル、メタクリル酸イソブチルなどのα,β−不飽和カル
ボン酸エステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、カ
プロン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニ
ル、ステアリン酸ビニル、トリフルオロ酢酸ビニルなど
のビニルエステル類;アクリル酸グリシジル、メタクリ
ル酸グリシジル、イタコン酸モノグリシジルエステルな
どの不飽和グリシジルなどを挙げることができる。ま
た、ビニルシクロヘキサン、ジエンまたはポリエンなど
を用いることもできる。ジエンまたはポリエンとして
は、炭素原子数が4〜30、好ましくは4〜20であり
二個以上の二重結合を有する環状又は鎖状の化合物が用
いられる。具体的には、ブタジエン、イソプレン、4-メ
チル-1,3-ペンタジエン、1,3-ペンタジエン、1,4-ペン
タジエン、1,5-ヘキサジエン、1,4-ヘキサジエン、1,3-
ヘキサジエン、1,3-オクタジエン、1,4-オクタジエン、
1,5-オクタジエン、1,6-オクタジエン、1,7-オクタジエ
ン、エチリデンノルボルネン、ビニルノルボルネン、ジ
シクロペンタジエン;7-メチル-1,6- オクタジエン、4-
エチリデン-8- メチル-1,7-ノナジエン、5,9-ジメチル-
1,4,8- デカトリエン;さらに芳香族ビニル化合物、例
えばスチレン、o-メチルスチレン、m-メチルスチレン、
p-メチルスチレン、o,p-ジメチルスチレン、o-エチルス
チレン、m-エチルスチレン、p-エチルスチレンなどのモ
ノもしくはポリアルキルスチレン;メトキシスチレン、
エトキシスチレン、ビニル安息香酸、ビニル安息香酸メ
チル、ビニルベンジルアセテート、ヒドロキシスチレ
ン、o-クロロスチレン、p-クロロスチレン、ジビニルベ
ンゼンなどの官能基含有スチレン誘導体;および3- フ
ェニルプロピレン、4-フェニルプロピレン、α- メチル
スチレンなどが挙げられる。
【0285】本発明に係る第1のオレフィン重合用触媒
は、高い重合活性を示し、また分子量分布の狭い重合体
を得ることができる。さらに、2種以上のオレフィンを
共重合したときに、組成分布が狭いオレフィン共重合体
を得ることができる。
【0286】また、本発明に係るオレフィン重合用触媒
は、α−オレフィンと共役ジエンとの共重合に用いるこ
ともできる。ここで用いられるα−オレフィンとして
は、上記と同様の炭素原子数が2〜30、好ましくは2
〜20の直鎖状または分岐状のα−オレフィンが挙げら
れる。なかでもエチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ペ
ンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテ
ンが好ましく、エチレン、プロピレンが特に好ましい。
これらのα−オレフィンは、1種単独でまたは2種以上
組合わせて用いることができる。
【0287】また共役ジエンとしては、たとえば1,3-ブ
タジエン、イソプレン、クロロプレン、1,3-シクロヘキ
サジエン、1,3-ペンタジエン、4-メチル-1,3-ペンタジ
エン、1,3-ヘキサジエン、1,3-オクタジエンなどの炭素
原子数が4〜30、好ましくは4〜20の脂肪族共役ジ
エンが挙げられる。これらの共役ジエンは、1種単独で
または2種以上組合わせて用いることができる。
【0288】本発明では、α−オレフィンと共役ジエン
とを共重合させるに際して、さらに非共役ジエンまたは
ポリエンを用いることができ、非共役ジエンまたはポリ
エンとしては、1,4-ペンタジエン、1,5-ヘキサジエン、
1,4-ヘキサジエン、1,4-オクタジエン、1,5-オクタジエ
ン、1,6-オクタジエン、1,7-オクタジエン、エチリデン
ノルボルネン、ビニルノルボルネン、ジシクロペンタジ
エン、7-メチル-1,6-オクタジエン、4-エチリデン-8-
メチル-1,7- ノナジエン、5,9-ジメチル-1,4,8- デカト
リエン等を挙げることができる。
【0289】第2のオレフィン重合用触媒 次に、本発明に係る第2のオレフィン重合用触媒につい
て説明する。本発明に係る第2のオレフィン重合用触媒
は、(A')下記一般式(II)で表される遷移金属化合
物と、(B)(B-1) 有機金属化合物、(B-2) 有機アルミ
ニウムオキシ化合物、および(B-3) 遷移金属化合物
(A')と反応してイオン対を形成する化合物から選ば
れる少なくとも1種の化合物とから形成されている。
【0290】まず、本発明のオレフィン重合用触媒を形
成する各成分について説明する。(A')遷移金属化合物 本発明で用いられる(A')遷移金属化合物は、下記一
般式(II)で表される遷移金属化合物である。
【0291】
【化66】
【0292】(式中、Mは周期表第3〜11族の遷移金
属原子を示し、R1〜R10は、互いに同一でも異なって
いてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘ
テロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素
含有基、イオウ含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲ
ルマニウム含有基、またはスズ含有基を示し、これらの
うちの2個以上が互いに連結して環を形成していてもよ
く、nは、Mの価数を満たす数であり、Xは、水素原
子、ハロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、イオウ含
有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有
基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残
基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含
有基を示し、nが2以上の場合は、Xで示される複数の
基は互いに同一でも異なっていてもよく、またXで示さ
れる複数の基は互いに結合して環を形成してもよく、Y
は、酸素、硫黄、炭素、窒素、リン、ケイ素、セレン、
スズおよび硼素からなる群より選ばれた少なくとも1種
の元素を含む2価の結合基を示し、炭化水素基である場
合には炭素原子3個以上からなる基である。
【0293】一般式(II)において、R6またはR10
少なくとも一方、特に両方が、ハロゲン原子、炭化水素
基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、
ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ケイ素含有
基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基であること
が好ましい。
【0294】一般式(II)において、M、R1〜R10
よびXとしては、一般式(I)の化合物について挙げた
M、R1〜R6およびXと同じ基を用いることができる。
Yの具体例は、後に記載する。
【0295】一般式(II)で表される遷移金属化合物
は、下記一般式(II-a)で表される遷移金属化合物であ
ることが好ましい。
【0296】
【化67】
【0297】式中、Mは、周期律表第3〜11族の遷移
金属原子を示し、好ましくは第4族または第5族、より
好ましくは第4族、例えばチタン、ジルコニウム、ハフ
ニウムなど、特にチタンである。
【0298】R1〜R10は、互いに同一でも異なってい
てもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、炭化
水素置換シリル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、エ
ステル基、アミド基、アミノ基、スルホンアミド基、ニ
トリル基またはニトロ基を示し、これらのうちの2個以
上、好ましくは隣接する基が互いに連結して環を形成し
ていてもよい。
【0299】nは、Mの価数を満たす数であり、一般的
に0〜4、好ましくは1〜4、より好ましくは1〜3の
整数である。Xは、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子
数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲ
ン化炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、またはケ
イ素含有基を示し、nが2以上の場合には、Xで示され
る複数の基は互いに同一でも異なっていてもよく、また
2個以上のXが互いに連結して環を形成していてもよ
い。
【0300】Yは、酸素、硫黄、炭素、窒素、リン、ケ
イ素、セレン、スズおよび硼素からなる群より選ばれた
少なくとも1種の元素を含む2価の結合基を示し、炭化
水素基である場合には炭素原子3個以上からなる基であ
る。
【0301】これらの結合基は、好ましくは主鎖が原子
3個以上、より好ましくは4個以上20個以下、特に好
ましくは4個以上10個以下で構成された構造を有す
る。なお、これらの結合基は置換基を有していてもよ
い。
【0302】一般式(II-a)において、R6またはR10
の少なくとも一方、特に両方が、ハロゲン原子、炭化水
素基、炭化水素置換シリル基、アルコキシ基、アリーロ
キシ基、エステル基、アミド基、アミノ基、スルホンア
ミド基、ニトリル基またはニトロ基であることが好まし
い。
【0303】一般式(II-a)において、XおよびR1
10の具体例としては、一般式(I)および(I-a)に
おいて説明したXおよびR1〜R6と同様の基が挙げられ
る。Xとしては、特に、ハロゲン原子、炭素原子数が1
〜20の炭化水素基またはスルホネート基が好ましい。
nが2以上の場合、2個以上のXが互いに連結して形成
する環は、芳香族環であっても、脂肪族環であってもよ
い。
【0304】2価の結合基(Y)として具体的には、−
O−、−S−、−Se−などのカルコゲン原子;−NH
−、−N(CH3)−、−PH−、−P(CH3)−などの
窒素またはリン原子含有基;−SiH2−、−Si(C
3)2−などのケイ素原子含有基;−SnH2−、−Sn
(CH3)2−などのスズ原子含有基;−BH−、−B
(CH3)−、−BF−などの硼素原子含有基などが挙げ
られる。炭化水素基としては−(CH2)4−、−(C
2)5−、−(CH2)6−などの炭素原子数が3〜20の
飽和炭化水素基、シクロヘキシリデン基、シクロヘキシ
レン基などの環状飽和炭化水素基、これらの飽和炭化水
素基の一部が1〜10個の炭化水素基、フッ素、塩素、
臭素などのハロゲン、酸素、硫黄、窒素、リン、ケイ
素、セレン、スズ、硼素などのヘテロ原子で置換された
基、ベンゼン、ナフタレン、アントラセンなどの炭素原
子数が6〜20の環状炭化水素の残基、ピリジン、キノ
リン、チオフェン、フランなどのヘテロ原子を含む炭素
原子数が3〜20の環状化合物の残基などが挙げられ
る。
【0305】以下に、上記一般式(II)で表される遷移
金属化合物の具体的な例を示すが、これらに限定される
ものではない。
【0306】
【化68】
【0307】
【化69】
【0308】なお、上記例示中、Meはメチル基を示
し、Phはフェニル基を示す。本発明では、上記のよう
な化合物において、チタン金属をジルコニウム、ハフニ
ウムなどのチタン以外の金属に置き換えた遷移金属化合
物を用いることもできる。
【0309】本発明に係る第2のオレフィン重合用触媒
において、遷移金属化合物(A')は、前記遷移金属化
合物(A)の場合と同様に、他の遷移金属化合物と組み
合わせて使用することも可能であり、具体的には、前記
例示した(a-1)〜(a-8)の化合物が挙げられる。
【0310】また、本発明に係る第2のオレフィン重合
用触媒に用いられる有機金属化合物(B-1)、有機アルミ
ニウムオキシ化合物(B-2)、および遷移金属化合物
(A')と反応してイオン対を形成する化合物(B-3)とし
ては、前記したものと同様のものが挙げられる。
【0311】また、本発明に係る第2のオレフィン重合
用触媒では、前記第1のオレフィン重合用触媒と同様
に、上記遷移金属化合物(A')、(B-1) 有機金属化合
物、(B-2) 有機アルミニウムオキシ化合物、および(B-
3) イオン化イオン性化合物から選ばれる少なくとも1
種の化合物(B)とともに、必要に応じて前記したよう
な担体(C)を用いることもできる。さらに、必要に応
じて、前記したような特定の有機化合物(D)を用いる
こともできる。
【0312】図2に、本発明に係る第2のオレフィン重
合用触媒の調製工程を示す。本発明に係る第2のオレフ
ィン重合用触媒は、本発明に係る第1のオレフィン重合
用触媒について記載したのと同様の条件で、同様のモノ
マーの重合に使用することができる。
【0313】本発明に係る第2のオレフィン重合方法に
おいては、各成分の使用法、添加順序は任意に選ばれる
が、前記第1のオレフィン重合方法の場合と同様の方法
が例示される。
【0314】新規な遷移金属化合物 本発明に係る新規な遷移金属化合物は、下記一般式(II
I)で表される。
【0315】
【化70】
【0316】式(III)中、Mは周期律表第4または5
族の遷移金属原子を示し、mは、1〜3の整数を示し、
1は、炭化水素基、炭化水素置換シリル基、炭化水素
置換シロキシ基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリ
ーロキシ基、アリールチオ基、エステル基、チオエステ
ル基、スルホンエステル基またはヒドロキシ基を示し、
2〜R5は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素
原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残
基、炭化水素置換シリル基、炭化水素置換シロキシ基、
アルコキシ基、アルキルチオ基、アリーロキシ基、アリ
ールチオ基、エステル基、チオエステル基、アミド基、
イミド基、アミノ基、イミノ基、スルホンエステル基、
スルホンアミド基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル
基、スルホ基、メルカプト基またはヒドロキシ基を示
し、R6は、ハロゲン原子、炭化水素基、炭化水素置換
シリル基、炭化水素置換シロキシ基、アルコキシ基、ア
ルキルチオ基、アリーロキシ基、アリールチオ基、エス
テル基、チオエステル基、アミド基、イミド基、イミノ
基、スルホンエステル基、スルホンアミド基またはシア
ノ基を示し、R1〜R6のうちの2個以上が互いに連結し
て環を形成していてもよく、また、mが2以上の場合に
はR1〜R6で示される基のうち2個の基が連結されてい
てもよく(但し、R1同士が結合されることはない)、
nは、Mの価数を満たす数であり、Xは、ハロゲン原
子、炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有
基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、リン含有基、
ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有
基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示し、n
が2以上の場合は、Xで示される複数の基は互いに同一
でも異なっていてもよく、またXで示される複数の基は
互いに結合して環を形成してもよい。
【0317】一般式(III)の遷移金属化合物のうち、
下記一般式(III-a)で表されるものが好ましい。
【0318】
【化71】
【0319】式(III-a)中、Mは周期律表第4または
5族の遷移金属原子を示し、具体的には、チタン、ジル
コニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル
である。
【0320】mは、1〜3の整数、好ましくは2を示
し、R1〜R5は、互いに同一でも異なっていてもよく、
炭化水素基、アルコキシ基または炭化水素置換シリル基
を示し、R6は、ハロゲン原子、炭化水素基、炭化水素
置換シリル基、アルコキシ基、アルキルチオ基またはシ
アノ基を示し、R1〜R6のうちの2個以上が互いに連結
して環を形成していてもよく、また、mが2以上の場合
にはR1〜R6で示される基のうち2個の基が連結されて
いてもよく(但し、R1同士が結合されることはな
い)、nは、Mの価数を満たす数であり、Xは、ハロゲ
ン原子、炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素
含有基、ハロゲン含有基またはケイ素含有基を示し、n
が2以上の場合は、Xで示される複数の基は互いに同一
でも異なっていてもよく、またXで示される複数の基は
互いに結合して環を形成してもよい。これらのうち、X
はハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭
素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有
基、イオウ含有基、ケイ素含有基であることが好まし
い。
【0321】一般式(III-a)におけるR1〜R6および
Xの個々の例としては、前記一般式(I)で挙げたもの
と同じ基を挙げることができる。新規な遷移金属化合物
としては、以下のものが例示される。
【0322】
【化72】
【0323】
【化73】
【0324】
【化74】
【0325】遷移金属化合物の一般的製造方法 一般式(I)、(II)および(III)で表される遷移金
属化合物は、特に限定されることなく、たとえば以下の
ようにして製造することができる。
【0326】まず、本発明に係る遷移金属化合物を構成
する配位子は、サリチルアルデヒド類化合物を、式R1
−NH2 の第1級アミン類化合物(R1 は前記の意味を
有する)、例えばアニリン類化合物もしくはアルキルア
ミン類化合物と反応させることにより得られる。具体的
には、両方の出発化合物を溶媒に溶解する。溶媒として
は、このような反応に普通のものを使用できるが、なか
でもメタノール、エタノール等のアルコール溶媒、また
はトルエン等の炭化水素溶媒が好ましい。次いで、得ら
れた溶液を室温から還流条件で、約1〜48時間撹拌す
ると、対応する配位子が良好な収率で得られる。
【0327】配位子化合物を合成する際、触媒として、
蟻酸、酢酸、トルエンスルホン酸等の酸触媒を用いても
よい。また、脱水剤として、モレキュラシーブス、硫酸
マグネシウムまたは硫酸ナトリウムを用いたり、ディー
ンシュタークにより脱水を行うと、反応進行に効果的で
ある。
【0328】次に、こうして得られた配位子を遷移金属
M含有化合物と反応させることで、対応する遷移金属化
合物を合成することができる。具体的には、合成した配
位子を溶媒に溶解し、必要に応じて塩基と接触させてフ
ェノキサイド塩を調製した後、金属ハロゲン化物、金属
アルキル化物等の金属化合物と低温下で混合し、−78
℃から室温、もしくは還流条件下で、約1〜48時間撹
拌する。溶媒としては、このような反応に普通のものを
使用できるが、なかでもエーテル、テトラヒドロフラン
(THF)等の極性溶媒、トルエン等の炭化水素溶媒な
どが好ましく使用される。また、フェノキサイド塩を調
製する際に使用する塩基としては、n-ブチルリチウム等
のリチウム塩、水素化ナトリウム等のナトリウム塩等の
金属塩や、トリエチルアミン、ピリジン等の有機塩基が
好ましいが、この限りではない。
【0329】また、化合物の性質によっては、フェノキ
サイド塩調製を経由せず、配位子と金属化合物とを直接
反応させることで、対応する遷移金属化合物を合成する
こともできる。
【0330】さらに、合成した遷移金属化合物中の金属
Mを、常法により別の遷移金属と交換することも可能で
ある。また、例えばR1 〜R6 の何れかがHである場合
には、合成の任意の段階において、H以外の置換基を導
入することができる。
【0331】一般式 (III)、好ましくは一般式(III-a)
で表される本発明に係る新規な遷移金属化合物は、たと
えば、オレフィン重合用触媒として好適に用いることが
できる。
【0332】新規な遷移金属化合物をオレフィン重合用
触媒として用いると、高い重合活性で、分子量分布が狭
いオレフィン(共)重合体を合成できる。α−オレフィン・共役ジエン共重合体 本発明に係るα−オレフィン・共役ジエン共重合体は、
α−オレフィンから誘導される構成単位が1〜99.9
モル%、共役ジエンから誘導される構成単位が99〜
0.1モル%、好ましくはα−オレフィンから誘導され
る構成単位が50〜99.9モル%、共役ジエンから誘
導される構成単位が50〜0.1モル%であることが望
ましい。
【0333】本発明に係るα−オレフィン・共役ジエン
共重合体のポリマー鎖中には、共役ジエンに由来する1,
2-シクロペンタン骨格の含有量が1モル%以下、好まし
くは実質的に含まないとみなせる含有量(0.1モル%
未満)である。なお、1,2-シクロペンタン骨格の含有量
が0.1モル%未満の場合、検出限界以下とみなし全共
役ジエン単位の計算には含めない。
【0334】ここで用いられるα−オレフィンとして
は、上記と同様の炭素原子数が2〜30、好ましくは2
〜20の直鎖状または分岐状のα−オレフィンが挙げら
れる。なかでもエチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ペ
ンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテ
ンが好ましく、エチレン、プロピレンが特に好ましい。
これらのα−オレフィンは、1種単独でまたは2種以上
組合わせて用いることができる。
【0335】また共役ジエンとしては、たとえば1,3-ブ
タジエン、イソプレン、クロロプレン、1,3-シクロヘキ
サジエン、1,3-ペンタジエン、4-メチル-1,3-ペンタジ
エン、1,3-ヘキサジエン、1,3-オクタジエンなどの炭素
原子数が4〜30、好ましくは4〜20の脂肪族共役ジ
エンが挙げられる。これらの共役ジエンは、1種単独で
または2種以上組合わせて用いることができる。
【0336】本発明では、α−オレフィンと共役ジエン
とを共重合させるに際して、さらに非共役ジエンまたは
ポリエンを用いることができ、非共役ジエンまたはポリ
エンとしては、1,4-ペンタジエン、1,5-ヘキサジエン、
1,4-ヘキサジエン、1,4-オクタジエン、1,5-オクタジエ
ン、1,6-オクタジエン、1,7-オクタジエン、エチリデン
ノルボルネン、ビニルノルボルネン、ジシクロペンタジ
エン、7-メチル-1,6-オクタジエン、4-エチリデン-8-
メチル-1,7- ノナジエン、5,9-ジメチル-1,4,8- デカト
リエン等を挙げることができる。
【0337】さらに、本発明に係るα−オレフィン・共
役ジエン共重合体のポリマー鎖中において、全ジエン単
位含量に対する1,2-シクロペンタン骨格の割合が20モ
ル%以下、好ましくは10モル%以下である。また、こ
のα−オレフィン・共役ジエン共重合体におけるジエン
の他の挿入形式(1,4-cis、1,4-trans、1,2-vinyl)の
割合は、任意である。なおこの割合は、Die Makromolek
ulare Chemie, 192 巻、2591頁(1991年)に記載の方法
で、13C−NMRおよび 1H−NMRにより測定するこ
とができる。
【0338】また、α−オレフィン・共役ジエン共重合
体は、3.5以下の分子量分布(Mw/Mn)の値を示
し、均一な組成分布を有し、分子量は重量平均分子量
(Mw)で1000以上、好ましくは5000以上であ
る。
【0339】本発明において、α−オレフィン・共役ジ
エン共重合体は、主鎖または側鎖に2重結合を有するこ
とにより、各種変性が可能である。例えば過酸化物変性
により、2重結合をエポキシ化し、共重合体中に反応性
に富むエポキシ基を導入することができる。これによ
り、熱硬化型樹脂としての利用、または反応性樹脂とし
ての利用も可能となる。さらには、ディールスアルダー
反応、マイケル付加反応等にも2重結合は利用可能であ
る。その他、主鎖に2重結合を有する場合には、2重結
合を選択的に水素添加し、飽和することによって、耐熱
性、耐オゾン性もさらに向上する。
【0340】本発明において、α−オレフィン・共役ジ
エン系共重合体の一部または全部を不飽和カルボン酸、
その誘導体、または芳香族ビニル化合物で変性してもよ
く、その変性量は0.01〜30重量%の範囲であるこ
とが好ましい。
【0341】変性に用いられるモノマー(以下、「グラ
フトモノマー」という。)としては、不飽和カルボン
酸、その誘導体、または芳香族ビニル化合物が挙げられ
る。不飽和カルボン酸としては、具体的には、アクリル
酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸
などが挙げられる。また不飽和カルボン酸の誘導体とし
ては、酸無水物、エステル、アミド、イミド、金属塩な
どが挙げられ、具体的には、無水マレイン酸、無水シト
ラコン酸、無水イタコン酸、アクリル酸メチル、メタク
リル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチ
ル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル
酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、マレイン酸モ
ノエチルエステル、マレイン酸ジエチルエステル、フマ
ル酸モノメチルエステル、フマル酸ジメチルエステル、
イタコン酸モノメチルエステル、イタコン酸ジエチルエ
ステル、アクリルアミド、メタクリルアミド、マレイン
酸モノアミド、マレイン酸ジアミド、マレイン酸-N-モ
ノエチルアミド、マレイン酸-N,N-ジエチルアミド、マ
レイン酸-N-モノブチルアミド、マレイン酸-N,N-ジブチ
ルアミド、フマル酸モノアミド、フマル酸ジアミド、フ
マル酸-N- モノエチルアミド、フマル酸-N,N-ジエチル
アミド、フマル酸-N-モノブチルアミド、フマル酸-N,N-
ジブチルアミド、マレイミド、N-ブチルマレイミド、N-
フェニルマレイミド、アクリル酸ナトリウム、メタクリ
ル酸ナトリウム、アクリル酸カリウム、メタクリル酸カ
リウムなどが挙げられる。これらのグラフトモノマーの
中では無水マレイン酸を使用することが好ましい。
【0342】芳香族ビニル化合物としては具体的に、ス
チレン;o-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチ
ルスチレン、o,p-ジメチルスチレン、o-エチルスチレ
ン、m-エチルスチレン、p-エチルスチレンなどのモノも
しくはポリアルキルスチレン;メトキシスチレン、エト
キシスチレン、ビニル安息香酸、ビニル安息香酸メチ
ル、ビニルベンジルアセテート、ヒドロキシスチレン、
o-クロロスチレン、p-クロロスチレン、ジビニルベンゼ
ンなどの官能基含有スチレン誘導体;3-フェニルプロピ
レン、4-フェニルブテン、α−メチルスチレンなどが挙
げられる。これらのなかではスチレンまたは4-メトキシ
スチレンが好ましい。
【0343】グラフトモノマーをα−オレフィン・共役
ジエン系共重合体にグラフト共重合して変性共重合体を
製造するには、公知の種々の方法を採用することができ
る。例えば、α−オレフィン・共役ジエン系共重合体お
よびグラフトモノマーを溶媒の存在下または不存在下
で、ラジカル開始剤を添加してまたは添加せずに高温で
加熱することによってグラフト共重合を行なう方法があ
る。反応に際し、グラフトモノマーは、2種以上併用し
てもよい。
【0344】グラフト率が0.01〜30重量%の一部
または全部が変性されたグラフト変性α−オレフィン・
共役ジエン系共重合体を製造するには、工業的製造上か
らは、グラフト率のより高いグラフト変性α−オレフィ
ン・共役ジエン系共重合体を製造しておき、次に未変性
α−オレフィン・共役ジエン系共重合体にこのグラフト
変性α−オレフィン・共役ジエン系共重合体を混合して
グラフト率を調整する方法が、組成物中のグラフトモノ
マーの濃度を適当に調整できるため好ましい方法である
が、最初からα−オレフィン・共役ジエン系共重合体を
所定量のグラフトモノマーでグラフト変性しても差し支
えない。
【0345】α−オレフィン・共役ジエン系共重合体へ
のグラフトモノマーによる変性量は、上記のような樹脂
組成物全体におけるグラフト率が0.01〜30重量
%、特に0.05〜10重量%の範囲にあることが好ま
しい。
【0346】本発明に係るα−オレフィン・共役ジエン
系共重合体(上記の変性物を含む)は、(i)ポリオレフ
ィン樹脂、および必要に応じ(ii)充填剤とブレンドして
樹脂組成物とし、種々の用途に使用できる。
【0347】(i)ポリオレフィン樹脂 本発明に係るα−オレフィン・共役ジエン系共重合体に
ブレンドできる(i)ポリオレフィン樹脂としては、結晶
性ポリオレフィンであっても、非晶性ポリオレフィンで
あってもよく、また複数種のポリオレフィン樹脂の混合
物であってもよい。
【0348】結晶性ポリオレフィンとしては、炭素原子
数が2〜20のα−オレフィンまたは環状オレフィンの
単独重合体または共重合体が挙げられる。また、非晶性
ポリオレフィンとしては、1種類以上の炭素原子数が2
〜20のα−オレフィンと1種類以上の環状オレフィン
との共重合体が挙げられる。
【0349】この炭素原子数が2〜20のα−オレフィ
ンとしては、エチレン、プロピレン、1-ブテン、2ーブテ
ン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、
4,4ージメチル-1-ペンテン、3-メチル-1-ペンテン、4-メ
チル-1-ヘキセン、3-エチル-1-ヘキセン、4-エチル-1-
ヘキセン、4,4-ジメチル-1-ヘキセン、1-オクテン、3-
メチル-1-ブテン、1-ノネン、1-デセン、1−ウンデセ
ン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-
オクタデセン、1-エイコセンなどが挙げられる。
【0350】環状オレフィンとしては、シクロペンテ
ン、シクロヘプテン、シクロヘキセン、ノルボルネン、
5-エチル-2-ノルボルネン、テトラシクロドデセン、2-
エチル-1,4,5,8-ジメタノ-1,2,3,4,4a,5,8,8a-オクタヒ
ドロナフタレンなどが挙げられる。
【0351】結晶性ポリオレフィン樹脂の具体的な例と
しては、下記の(1)〜(11)に示すような(共)重
合体が挙げられ、特に下記の(3)および(5)が好ま
しい。 (1)エチレン単独重合体(製法は、低圧法、高圧法の
いずれでも良い) (2)エチレンと、20モル%以下の他のα−オレフィ
ンまたはビニルモノマー(例:酢酸ビニル、エチルアク
リレートなど)または環状オレフィンとの共重合体 (3)プロピレン単独重合体 (4)プロピレンと20モル%以下の他のα−オレフィ
ンとのランダム共重合体 (5)プロピレンと30モル%以下の他のα−オレフィ
ンとのブロック共重合体 (6)1-ブテン単独重合体 (7)1-ブテンと20モル%以下の他のα−オレフィン
とのランダム共重合体 (8)4-メチル-1-ペンテン単独重合体 (9)4-メチル-1-ペンテンと20モル%以下の他のα
−オレフィンとのランダム共重合体 (10)シクロペンテン単独重合体 (11)シクロペンテンと20モル%以下の他のα−オ
レフィンとのランダム共重合体など。
【0352】上記(1)〜(11)における「他のα−
オレフィン」としては、上記例示のα−オレフィンのう
ちでは好ましくは、エチレン、プロピレン、1-ブテン、
4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテンが用い
られる。また、環状オレフィンとしては、好ましくは、
シクロペンテン、シクロヘキセン、ノルボルネン、テト
ラシクロドデセンが用いられる。
【0353】このような結晶性ポリオレフィン樹脂は、
メルトフローレート(ASTM D1238-65T に従い23
0℃、2.16kg荷重の条件下に測定)が0.01〜
100g/10分、好ましくは0.3〜70g/10分の範
囲にあることが望ましい。また、X線回折法により求め
た結晶化度は通常5〜100%、好ましくは20〜80
%の範囲にあることが望ましい。
【0354】このような結晶性ポリオレフィン樹脂は、
従来より公知の方法により製造することができる。非晶
性ポリオレフィン樹脂の具体的な例としては、以下のよ
うな(共)重合体を挙げることができる。 (1)ノルボルネンの単独重合体 (2)エチレンとノルボルネンの共重合体、またはエチ
レンとノルボルネンと他のα−オレフィンとの共重合体 (3)エチレンとテトラシクロドデセンの共重合体、ま
たはエチレンとテトラシクロドデセンと他のα−オレフ
ィンとの共重合体など。
【0355】(ii)充填剤 本発明に係るα−オレフィン・共役ジエン系共重合体に
ブレンドできる (ii)充填剤としては、特に制限なく一
般に用いられるものを必要に応じて用いることができ
る。
【0356】無機充填剤として、具体的には、微粉末タ
ルク、カオリナイト、焼成クレー、パイロフィライト、
セリサイト、ウォラスナイトなどの珪酸塩、沈降性炭酸
カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムな
どの炭酸塩、水産化アルミニウム、水酸化マグネシウム
などの水酸化物、酸化亜鉛、亜鉛華、酸化マグネシウム
などの酸化物、含水珪酸カルシウム、含水珪酸アルミニ
ウム、含水珪酸、無水珪酸などの合成珪酸または珪酸塩
などの粉末状充填剤;マイカなどのフレーク状充填剤;
塩基性硫酸マグネシウムウィスカー、チタン酸カルシウ
ムウィスカー、ホウ酸アルミニウムウィスカー、セピオ
ライト、PMF(Processed Mineral Fiber)、ゾノト
ライト、チタン酸カリ、エレスタダイトなどの繊維状充
填剤;ガラスバルン、フライアッシュバルンなどのバル
ン状充填剤;などを挙げることができる。
【0357】これらの充填剤は、1種または2種以上組
み合わせて用いることができる。本発明に係るα−オレ
フィン・共役ジエン系共重合体に、前記(i)ポリオレフ
ィン樹脂および(ii)充填剤をブレンドする場合、得られ
る組成物の合計量を100重量部とするとき、α−オレ
フィン・共役ジエン系共重合体は10〜90重量部、好
ましくは15〜80重量部、さらに好ましくは20〜7
5重量部の量で含有されていることが望ましい。
【0358】α−オレフィン・共役ジエン系共重合体を
上記のような範囲の量で用いると、耐衝撃性、耐候性、
熱安定性に優れるとともに、剛性、強度、耐熱性に優れ
た成形体を提供し得る、成形性に優れたα−オレフィン
・共役ジエン系共重合体組成物が得られる。
【0359】(i)ポリオレフィン樹脂は、得られる組成
物の合計量を100重量部とするとき、1〜99重量
部、好ましくは10〜85重量部、さらに好ましくは2
0〜80重量部の量で含有されていることが望ましい。
【0360】(i)ポリオレフィン樹脂を上記のような範
囲の量で用いると、耐衝撃性、耐寒性に優れるととも
に、剛性、強度、耐熱性、成形性に優れたα−オレフィ
ン/共役ジエン系重合体組成物が得られる。
【0361】(ii)充填剤は、得られる組成物の合計量を
100重量部とするとき、0〜40重量部、好ましくは
0〜30重量部の範囲の量で含有されていることが望ま
しい。このような量で(ii)充填剤を用いると、剛性、表
面外観、耐熱性等に優れた組成物が得られる。
【0362】さらに、本発明に係るα−オレフィン・共
役ジエン系共重合体には、本発明の目的を損なわない範
囲で、核剤、酸化防止剤、塩酸吸収剤、耐熱安定剤、光
安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、帯電防止剤、難燃剤、顔
料、染料、分散剤、銅害防止剤、中和剤、発泡剤、可塑
剤、気泡防止剤、架橋剤、架橋助剤、架橋促進剤、過酸
化物などの流れ性改良剤、ウェルド強度改良剤、加工助
剤、耐候安定剤、ブルーミング防止剤などの添加剤を添
加してもよい。これら任意の添加剤は、2種以上組み合
わせて用いてもよい。
【0363】
【発明の効果】本発明に係るオレフィン重合用触媒は、
オレフィンに対して高い重合活性を有する。
【0364】本発明に係るオレフィンの重合方法によれ
ば、高い重合活性で、分子量分布が狭いオレフィン
(共)重合体を製造できる。また、α−オレフィンと共
役ジエンとを共重合したときに、ポリマー鎖中に1,2-シ
クロペンタン骨格を含まない共重合体が製造できる。
【0365】本発明に係る新規な遷移金属化合物は、オ
レフィン重合用触媒として有用であり、高い重合活性で
分子量分布が狭いオレフィン(共)重合体を与える。本
発明に係るα−オレフィン・共役ジエン共重合体は、分
子量分布が狭く、ポリマー鎖中にシクロペンタン骨格を
ほとんど含まない。
【0366】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説
明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものでは
ない。
【0367】合成実施例で得られた化合物の構造は、27
0MHz 1H-NMR (日本電子 GSH-270)、FT-IR(SHIMAZU FTIR
-8200D)、FD-質量分析(日本電子SX-102A)、金属含有量
分析(乾式灰化・希硝酸溶解後、ICP法により分析;SHI
MAZU ICPS-8000)、炭素、水素、窒素含有量分析(ヘラ
ウス社CHNO型)等を用いて決定した。
【0368】また、合成実施例1および2で得られた化
合物A-1 および化合物B-1 は、さらにX線結晶構造解析
により構造を決定した。測定は Rigaku AFC7R 四軸回折
計を用いて、Mo-Kα線照射により行った。また、構造解
析には直接法(SIR92) を用い、構造最適化はTeXan 結晶
構造解析プログラムにより行った。
【0369】なお、本実施例において、極限粘度[η]
は、135℃デカリン中で測定した。分子量分布(Mw
/Mn)は、o-ジクロルベンゼンを溶媒として、140
℃におけるゲルパーミエーションクロマトグラフィー
(GPC)により測定して求めた。
【0370】以下に具体的な配位子合成例を示す。
【0371】
【配位子合成例1】配位子(L1)の合成 充分に窒素置換した100mlの反応器にエタノール40ml、
アニリン0.71g(7.62mmol)および3-t-ブチルサリチル
アルデヒド1.35g(7.58mmol)を装入し、室温で24時間撹
拌を続けた。反応液を減圧濃縮して溶媒を除去し、再度
エタノール40mlを加えて室温で12時間撹拌を続けた。こ
の反応液を減圧濃縮してL1で示される橙色オイルの化合
物を1.83g( 7.23mmol,収率95%)得た。
【0372】
【化75】
【0373】1H-NMR(CDCl3): 1.47(s,9H) 6.88(dd,1H)
7.24-7.31(m,4H) 7.38-7.46(m,3H) 8.64(s,1H) 13.95
(s,1H) IR(neat) : 1575, 1590, 1610 cm-1 FD-質量分析 : 253
【0374】
【配位子合成例2】配位子(L2)の合成 充分に窒素置換した100mlの反応器にエタノール30ml、
α-ナフチルアミン1.43g(9.99mmol)および3-t-ブチル
サリチルアルデヒド1.40g(7.86mmol)を装入し、モレキ
ュラーシーブス3Aを5g添加後、還流下8時間撹拌し、さ
らに室温で12時間撹拌を続けた。この反応液を減圧濃縮
し、シリカゲルカラムにより精製して、L2で示される橙
色オイルの化合物を2.35g( 7.75mmol,収率98%)得た。
【0375】
【化76】
【0376】1H-NMR(CDCl3): 1.50(s,9H)6.90-7.90(m,1
1H) 8.30-8.50(m,1H) 13.90(s,1H) FD-質量分析 : 303
【0377】
【配位子合成例3】配位子(L3)の合成 充分に窒素置換した100mlの反応器にエタノール30ml、
t-ブチルアミン0.90g(12.0mmol)および3-t-ブチルサ
リチルアルデヒド1.78g(10.0mmol)を装入し、モレキュ
ラーシーブス3Aを5g添加後、室温で12時間撹拌を続け
た。この反応液を減圧濃縮し、シリカゲルカラムにより
精製することで、L3で示される蛍黄色オイルの化合物を
2.17g( 9.3mmol,収率93%)得た。
【0378】
【化77】
【0379】1H-NMR(CDCl3): 1.20(s,9H) 1.42(s,9H)
6.50-7.50(m,3H) 8.38(s,1H) 13.80(s,1H) FD-質量分析 : 233
【0380】
【配位子合成例4〜42】上記配位子合成例と同様の方
法で、以下の配位子 L4 〜L42 を合成した。なお、構造
同定は1H-NMR、FD-質量分析により行った。
【0381】
【化78】
【0382】
【化79】
【0383】
【化80】
【0384】以下に本発明に係る遷移金属化合物の具体
的な合成例を示す。
【0385】
【合成実施例1】化合物A-1 の合成:充分に乾燥、アル
ゴン置換した300mlの反応器に、化合物L1;1.785g(7.05
mmol)とジエチルエーテル100mlを仕込み、-78℃に冷却
し、撹拌した。これにn-ブチルリチウム4.78ml(1.55mm
ol/ml n-ヘキサン溶液、7.40mmol)を5分かけて滴下
し、その後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹
拌を続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を、-7
8℃に冷却した四塩化チタン溶液7.05ml(0.5mmol/mlヘ
プタン溶液、3.53mmol)とジエチルエーテル40mlの混合
溶液に徐々に滴下した。
【0386】滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しな
がら撹拌を続けた。さらに室温で8時間撹拌した後、こ
の反応液をグラスフィルターで濾過し、さらに得られた
固体を塩化メチレン50mlで溶解洗浄し、不溶物を除去し
た。ろ液を減圧濃縮し、析出した固体を塩化メチレン10
mlに溶解し、ペンタン70mlを撹拌しながらゆっくり添加
した。この混合液を室温静置して赤褐色の結晶を析出さ
せた。この結晶をガラスフィルターでろ別し、ペンタン
で洗浄後、減圧乾燥させることにより下記式で示される
赤褐色結晶の化合物A-1 を1.34g(2.15mmol収率61%)得
た。
【0387】
【化81】
【0388】1H-NMR(CDCl3) : 1.35(s,18H) 6.82-7.43
(m,16H) 8.07(s,2H) IR(KBr) : 1550, 1590, 1600 cm-1 FD-質量分析 : 622(M+)元素分析 : Ti;7.7%(7.7) C;65.8%(65.5) H;6.0%(5.8) N;4.5%(4.5) ( )内は計算
値 融点 : 265℃ X線結晶構造解析 : 得られた化合物A-1の構造を図3に
示す。
【0389】
【合成実施例2】化合物B-1の合成:充分に乾燥、アル
ゴン置換した200mlの反応器に化合物L1;1.53g(6.04mmo
l)とテトラヒドロフラン60mlを仕込み、-78℃に冷却し
撹拌した。これにn-ブチルリチウム4.1ml(1.55mmol/ml
n-ヘキサン溶液、6.34mmol)を5分かけて滴下し、その
後ゆっくりと室温まで昇温し、さらに室温で4時間撹拌
した。これにテトラヒドロフランを10mlを加えた混合溶
液を、-78℃に冷却した四塩化ジルコニウム 0.70g(純度
99.9%品、3.02mmol)のテトラヒドロフラン30ml溶液に徐
々に添加した。添加後、ゆっくりと室温まで昇温した。
室温で2時間撹拌した後、還流下4時間撹拌を続けた。
【0390】この反応液を減圧濃縮し、析出した固体を
塩化メチレン50mlで洗浄し、グラスフィルターで不溶物
を除去した。ろ液を減圧濃縮し、析出した固体をジエチ
ルエーテル30mlで溶解した後、窒素下、-20℃で1日静
置すると、黄色の結晶が析出した。固体をろ別し、ヘキ
サンで洗浄後、減圧乾燥させることにより下記式で示さ
れる蛍黄色結晶の化合物B-1 を1.09g(1.63mmol、収率5
4%)得た。
【0391】
【化82】
【0392】1H-NMR(CDCl3): 1.33(s,18H) 6.78-7.42
(m,16H) 8.12(s,2H) IR(KBr) : 1550, 1590, 1605 cm-1 FD-質量分析 : 664(M+) 元素分析 : Zr;13.5%(13.7) C;61.0%(61.2) H;5.5%(5.4) N;4.2%(4.2) ( )内は計
算値 融点 : 287℃ X線結晶解析 : 得られた化合物B-1の構造を図4に示
す。
【0393】
【合成実施例3】化合物C-1の合成:充分に乾燥、アル
ゴン置換した100mlの反応器に化合物L1;0.66g(2.60mmo
l)とジエチルエーテル8mlを仕込み、-78℃に冷却し撹拌
した。これにn-ブチルリチウム1.81ml(1.55mmol/ml n-
ヘキサン溶液、2.80mmol)を5分かけて滴下し、その後
ゆっくりと室温まで昇温し、さらに室温で2時間撹拌し
た。これにテトラヒドロフラン10mlを加えた混合溶液
を、-78℃に冷却した四塩化ハフニウム0.385g(純度99.9
%品、3.02mmol)をテトラヒドロフラン10ml溶液に徐々に
添加した。添加後、ゆっくりと室温まで昇温した。室温
で2時間撹拌した後、50℃で加熱しながらさらに2時間
撹拌を続けた。
【0394】この反応液を減圧濃縮し、析出した固体を
塩化メチレン20mlで洗浄し、グラスフィルターで不溶物
を除去した。ろ液を減圧濃縮し、析出した固体をジエチ
ルエーテル10mlに室温下1時間リスラリーし、固体をろ
別した。この固体をヘキサンで洗浄後、減圧乾燥するこ
とで、下記式で示される蛍黄白色結晶の化合物C-1 を0.
33g(0.40mmol、収率33%)得た。
【0395】
【化83】
【0396】1H-NMR(CDCl3): 1.30(s,18H) 6.70-7.50
(m,16H) 8.18(s,2H) FD-質量分析 : 754(M+) 元素分析 : Hf;23.5%(23.7) C;54.4%(54.2) H;4.8%(4.8) N;3.6%(3.7) ( )内は計
算値 融点 : 277℃
【0397】
【合成実施例4】化合物D-1の合成:充分に乾燥、アル
ゴン置換した100mlの反応器に化合物L1;0.61g(2.40mmo
l)とジエチルエーテル10mlを仕込み、-78℃に冷却し撹
拌した。これにn-ブチルリチウム1.61ml(1.55mmol/ml
n-ヘキサン溶液、2.50mmol)を5分かけて滴下し、その
後ゆっくりと室温まで昇温し、さらに室温で4時間撹拌
した。-78℃に冷却した四塩化ハフニウム0.385g(純度9
9.9%品、3.02mmol)の無水ジエチルエーテル10ml溶液に
徐々に添加した。添加後、ゆっくりと室温まで昇温し、
さらに室温で4時間撹拌を続けた。
【0398】この反応液を減圧濃縮した後、析出した固
体を塩化メチレン20mlで洗浄し、グラスフィルターで不
溶物を除去した。ろ液を減圧濃縮し、析出した固体をジ
エチルエーテル1mlで溶解後、この溶液に撹拌しながら
ヘキサン10mlをゆっくり加えると、黒緑色の固体が析出
した。この固体をろ別し、ヘキサンで室温で1時間リス
ラリー洗浄した後、減圧乾燥することで、下記式で示さ
れる黒紺色粉末の化合物D-1を0.55g(0.88mmol、収率73
%)得た。
【0399】
【化84】
【0400】1H-NMR(CDCl3):(常磁性金属錯体のため測
定不可) FD-質量分析 : 625(M+) 元素分析 : V;8.4%(8.1) C;65.3%(65.2) H;5.5%(5.8) N;4.5%(4.8) ( )内は計
算値
【0401】
【合成実施例5】化合物E-1の合成:充分に乾燥、アル
ゴン置換した100mlの反応器に化合物L1;0.61g(2.40mmo
l)とジエチルエーテル10mlを仕込み、-78℃に冷却し撹
拌した。これにn-ブチルリチウム1.60ml(1.55mmol/ml
n-ヘキサン溶液、2.50mmol)を5分かけて滴下し、その
後ゆっくりと室温まで昇温し、さらに室温で4時間撹拌
した。これにテトラヒドロフラン5mlを加えた混合溶液
を、-78℃に冷却した五塩化ニオブ0.34g(純度95%品、1.
20mmol)のテトラヒドロフラン10ml溶液に徐々に添加し
た。添加後、ゆっくりと室温まで昇温した後、さらに室
温で15時間撹拌を続けた。
【0402】この反応液を減圧濃縮し、析出した固体を
塩化メチレン20mlで洗浄し、グラスフィルターで不溶物
を除去した。ろ液を減圧濃縮し、析出した固体をジエチ
ルエーテル3mlで溶解した。この溶液に撹拌下、室温で
ヘキサン12mlをゆっくり滴下すると黒色の固体が析出し
た。この固体をろ別し、ヘキサンで室温下1時間リスラ
リー洗浄後、減圧乾燥することで、下記式で示される蛍
黄白色の化合物E-1 を0.36g(0.51mmol、収率43%)得
た。
【0403】
【化85】
【0404】1H-NMR(CDCl3): 1.46(s,18H) 7.20-7.50
(m,16H) 8.65(s,2H) FD-質量分析 : 702(M+) 元素分析 : Nb;13.0%(13.2) C;58.4%(58.0) H;5.0%(5.2) N;3.9%(4.0) ( )内は計
算値
【0405】
【合成実施例6】化合物F-1の合成:充分に乾燥、アル
ゴン置換した100mlの反応器に化合物L1;0.61g(2.40mmo
l)とトルエン10mlを仕込み、-40℃に冷却し撹拌した。
これに五塩化タンタル0.43g(純度99.99%品、1.20mmol)
を固体のまま徐々に添加した。添加後、ゆっくりと室温
まで昇温した後、さらに60℃に加温しで16時間撹拌を続
けた。
【0406】この反応液に塩化メチレン30mlを加え、不
溶物を濾過した。ろ液をを減圧濃縮し、これにヘキサン
8mlを加えると、橙色の粘稠オイルが分離した。このオ
イル部を分液し、ジエチルエーテル1mlに溶解させた。
この溶液を撹拌しながらヘキサン9mlをゆっくり滴下す
ると山吹色の固体が析出した。この固体をろ別し、ヘキ
サンで室温下1時間リスラリー洗浄後、減圧乾燥するこ
とで、下記式で示される山吹色粉末の化合物F-1 を0.15
g(0.26mmol、収率22%)得た。
【0407】
【化86】
【0408】1H-NMR(CDCl3): 1.50(s,9H) 6.80-7.75(m,
8H) 8.23(s,1H) FD-質量分析 : 575(M+) 元素分析 : Ta;31.0%(31.5) C;58.4%(58.0) H;3,3%(3.2) N;4.5%(4.8) ( )内は計
算値
【0409】
【合成実施例7】化合物A-2 の合成:充分に乾燥、アル
ゴン置換した100mlの反応器に、化合物L2;0.91g(3.0mm
ol)とジエチルエーテル20mlを仕込み、-78℃に冷却し、
撹拌した。これにn-ブチルリチウム1.90ml(1.54mmol/m
l n-ヘキサン溶液、3.3mmol)を5分かけて滴下し、その
後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を続
け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を-78℃に冷
却後、四塩化チタン溶液3.0ml(0.5mmol/mlヘプタン溶
液、1.50mmol)とジエチルエーテル10mlとの混合液に徐
々に滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温し
ながら撹拌を続けた。さらに室温で8時間撹拌した後、
この反応液をグラスフィルターで濾過した。得られた固
体を塩化メチレン50mlで溶解洗浄し、不溶物を濾過して
除去した。ろ液を減圧濃縮し、析出した固体をジエチル
エーテルとヘキサンで再沈し、減圧乾燥させることによ
り下記式で示される茶褐色結晶の化合物A-2 を0.53g
(0.73mmol収率49%)得た。
【0410】
【化87】
【0411】1H-NMR(CDCl3):0.86(s,18H) 6.85-7.05(m,
6H) 7.15-7.30(m,4H) 7.35-7.90(m,10H) 8.45(s,2H) FD-質量分析 : 722(M+) 元素分析 : Ti;6.6%(6.6) C;69.9%(69.7) H;5.5%(5.6) N;3.4%(3.9) ( )内は計算
【0412】
【合成実施例8】化合物B-2 の合成:充分に乾燥、アル
ゴン置換した100mlの反応器に、化合物L2;0.91g(3.0mm
ol)とジエチルエーテル20mlを仕込み、-78℃に冷却し、
撹拌した。これにn-ブチルリチウム1.94ml(1.55mmol/m
l n-ヘキサン溶液、3.0mmol)を5分かけて滴下し、その
後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を続
け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を、-78℃に
冷却した四塩化ジルコニウム(0.35g,1.50mmol)のテト
ラヒドロフラン10ml溶液に徐々に滴下した。滴下終了
後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。さ
らに室温で8時間撹拌した後、この反応液を濃縮乾固し
たのち、固体を塩化メチレン50mlで溶解洗浄し、不溶物
を濾過して除去した。ろ液を減圧濃縮し、析出した固体
をジエチルエーテルとヘキサンで再沈し、減圧乾燥させ
ることにより下記式で示される黄色結晶の化合物B-2 を
0.21g(0.73mmol収率18%)得た。
【0413】
【化88】
【0414】1H-NMR(CDCl3):1.11-1.70(m,18H) 6.80-8.
30(m,20H) 8.33-8.48(m,2H) FD-質量分析 : 766(M+) 元素分析 : Zr;12.1%(11.9)
( )内は計算値
【0415】
【合成実施例9】化合物A-3 の合成:充分に乾燥、アル
ゴン置換した100mlの反応器に、化合物L3;0.70g(3.0mm
ol)とジエチルエーテル30mlを仕込み、-78℃に冷却し、
撹拌した。これにn-ブチルリチウム1.90ml(1.54mmol/m
l n-ヘキサン溶液、3.3mmol)を5分かけて滴下し、その
後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を続
け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を-78℃に冷
却後、四塩化チタン溶液3.0ml(0.5mmol/mlヘプタン溶
液、1.50mmol)を徐々に滴下した。滴下終了後、ゆっく
りと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。さらに室温で
15時間撹拌した後、この反応液をグラスフィルターで濾
過した。得られた固体を塩化メチレン50mlで溶解洗浄
し、不溶物を濾過して除去した。ろ液を減圧濃縮し、析
出した固体をジエチルエーテルとヘキサンで再沈し、減
圧乾燥させることにより下記式で示される黄褐色結晶の
化合物A-3 を0.15g(0.26mmol収率17%)得た。
【0416】
【化89】
【0417】1H-NMR(CDCl3): 1.20(s,18H) 1.41(s,18H)
6.85-7.05(m,2H) 7.20-7.80(m,4H)8.58(s,2H) FD-質量分析 : 582(M+) 元素分析 : Ti;8.2%(8.2) C;62.1%(61.8) H;7.1%(7.6) N;4.7%(4.8) ( )内は計算
【0418】
【合成実施例10】化合物B-3 の合成:充分に乾燥、ア
ルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L3;0.70g(3.0
mmol)テトラヒドロフラン30mlを仕込み、-78℃に冷却
し、撹拌した。これにn-ブチルリチウム1.90ml(1.54mm
ol/ml n-ヘキサン溶液、3.3mmol)を5分かけて滴下し、
その後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を
続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を-78℃に
冷却し、四塩化ジルコニウム(0.38g,1.65mmol)を固体
のまま添加した。添加終了後、ゆっくりと室温まで昇温
しながら撹拌を続けた。さらに室温で15時間撹拌した後
反応液を溶媒留去し、得られた固体を塩化メチレン50ml
で溶解洗浄し、不溶物を濾過して除去した。ろ液を減圧
濃縮し、析出した固体を塩化メチレンとヘキサンで再沈
し、減圧乾燥させることにより下記式で示される黄色粉
末の化合物B-3 を0.31g(0.50mmol収率30%)得た。
【0419】
【化90】
【0420】1H-NMR(CDCl3):1.34(s,18H) 1.44(s,18H)
6.79(dd,2H) 7.11(d,2H) 7.27(d,2H)8.34(s,2H) FD-質量分析 : 626(M+) 元素分析 : Zr;15.0%(14.6) C;52.9(57.5) H;7.2(7.1) N;4.7(4.8) ( )内は計
算値
【0421】
【合成実施例11】化合物A-4 の合成:充分に乾燥、ア
ルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L4;0.50g(2.0
2mmol)とジエチルエーテル30mlを仕込み、-78℃に冷却
し、撹拌した。これにn-ブチルリチウム1.36ml(1.54mm
ol/ml n-ヘキサン溶液 2.09mmol)を5分かけて滴下し、
その後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を
続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を-78℃に
冷却し、四塩化チタン溶液2.00ml(0.5mmol/mlヘプタン
溶液、1.00mmol)を徐々に滴下した。滴下終了後、ゆっ
くりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。さらに室温
で8時間撹拌した後、この反応液をグラスフィルターで
濾過した。得られた固体を塩化メチレン50mlで溶解洗浄
し、不溶物を濾過して除去した。ろ液を減圧濃縮し、析
出した固体を塩化メチレンとヘキサンで再沈し、減圧乾
燥させることにより下記式で示される濃茶色粉末の化合
物A-4 を0.34g(0.56mmol収率56%)得た。
【0422】
【化91】
【0423】1H-NMR(CDCl3): 7.00-7.90(m,22H) 8.35-
8.55(m,2H) FD-質量分析 : 610(M+) 元素分析 : Ti;7.8%(7.8) C;62.4%(66.8) H;4.9%(4.4) N;4.2%(4.6) ( )内は計算
【0424】
【合成実施例12】化合物B-4 の合成:充分に乾燥、ア
ルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L4;0.46g(1.8
6mmol)とジエチルエーテル30mlを仕込み、-78℃に冷却
し、撹拌した。これにn-ブチルリチウム1.30ml(1.54mm
ol/ml n-ヘキサン溶液、2.00mmol)を5分かけて滴下
し、その後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹
拌を続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を-78
℃に冷却し、四塩化ジルコニウム(0.21g,0.91mmol)を
固体のまま添加した。添加終了後、ゆっくりと室温まで
昇温しながら撹拌を続けた。さらに室温で16時間撹拌し
た後ジエチルエーテルを20ml追加し、グラスフィルター
で不溶物を除去した。得られたろ液を減圧濃縮し、析出
した固体をジエチルエーテルとヘキサンで再沈し、減圧
乾燥させることにより下記式で示される黄鶯色粉末の化
合物B-4 を0.25g(0.38mmol収率42%)得た。
【0425】
【化92】
【0426】1H-NMR(CDCl3): 6.90-7.95(m,22H) 8.40-
8.60(m,2H) FD-質量分析 : 652(M+) 元素分析 : Zr;14.3%(13.9)
( )内は計算値
【0427】
【合成実施例13】化合物A-5 の合成:充分に乾燥、ア
ルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L5;0.83g(3.0
0mmol)とジエチルエーテル30mlを仕込み、-78℃に冷却
し、撹拌した。これにn-ブチルリチウム2.00ml(1.54mm
ol/ml n-ヘキサン溶液3.08mmol)を5分かけて滴下し、
その後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を
続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を、-78℃
に冷却した四塩化チタン溶液3.00ml(0.5mmol/mlヘプタ
ン溶液、1.50mmol)に徐々に滴下した。滴下終了後、ゆ
っくりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。さらに室
温で15時間撹拌した後、この反応液をグラスフィルター
で濾過した。ろ液を減圧濃縮し、析出した固体を塩化メ
チレンとヘキサンで再沈させ、減圧乾燥させて下記式で
示される黄土色粉末の化合物A-5 を0.07g(0.10mmol収
率7%)得た。
【0428】
【化93】
【0429】FD-質量分析 : 666(M+) 元素分析 : Ti;7.3%(7.2) ( )内は計算
【0430】
【合成実施例14】化合物B-5 の合成:充分に乾燥、ア
ルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L5;0.50g(1.8
2mmol)とテトラヒドロフラン15mlを仕込み、-78℃に冷
却し、撹拌した。これにn-ブチルリチウム1.36ml(1.54
mmol/ml n-ヘキサン溶液、2.09mmol)を5分かけて滴下
し、その後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹
拌を続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を-78
℃に冷却し、四塩化ジルコニウム・2THF錯体(0.38
g,1.00mmol)のテトラヒドロフラン10ml溶液を滴下し
た。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌
を続けた。さらに室温で10時間、50℃で4時間撹拌し
た後、グラスフィルターで不溶物を除去した。得られた
溶液を減圧濃縮し、析出した固体を塩化メチレン、ジエ
チルエーテルとヘキサンで再沈し、減圧乾燥させること
により下記式で示される黄鶯色粉末の化合物B-5 を0.04
g(0.05mmol収率5%)得た。
【0431】
【化94】
【0432】FD-質量分析 : 710(M+) 元素分析 : Zr;13.3%(12.8)
( )内は計算値
【0433】
【合成実施例15】化合物A-6 の合成:充分に乾燥、ア
ルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L6;0.93g(3.0
1mmol)とジエチルエーテル30mlを仕込み、-78℃に冷却
し、撹拌した。これにn-ブチルリチウム2.1ml(1.54mmo
l/ml n-ヘキサン溶液3.23mmol)を5分かけて滴下し、そ
の後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を続
け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を-78℃に冷
却し、四塩化チタン溶液3.0ml(0.5mmol/mlヘプタン溶
液、1.50mmol)を徐々に滴下した。滴下終了後、ゆっく
りと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。さらに室温で
15時間撹拌した後、この反応液をグラスフィルターで濾
過した。ろ液を減圧濃縮し、析出した固体を-78℃でヘ
キサン再結晶し、減圧乾燥させて下記式で示される茶色
粉末の化合物A-6 を0.41g(0.56mmol収率37%)得た。
【0434】
【化95】
【0435】1H-NMR(CDCl3): 1.21(s,18H) 1.30(s,18H)
6.70-7.70(m,14H) 8.08(s,2H) FD-質量分析 : 734(M+) 元素分析 : Ti;6.6%(6.5) C;67.9%(68.6) H;7.4%(7.1) N;3.9%(3.8) ( )内は計算
【0436】
【合成実施例16】化合物B-6 の合成:充分に乾燥、ア
ルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L6;0.93g(3.0
1mmol)とジエチルエーテル30mlを仕込み、-78℃に冷却
し、撹拌した。これにn-ブチルリチウム2.1ml(1.54mmo
l/ml n-ヘキサン溶液、3.23mmol)を5分かけて滴下し、
その後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を
続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を-78℃に
冷却し、四塩化ジルコニウム(0.35g,1.50mmol)を固体
のまま添加した。添加終了後、ゆっくりと室温まで昇温
しながら撹拌を続けた。さらに室温で14時間撹拌した後
塩化メチレンを20ml追加し、グラスフィルターで不溶物
を除去した。ろ液を減圧濃縮し、析出した固体を-78℃
でヘキサン再結晶し、減圧乾燥させることにより下記式
で示される鶯色粉末の化合物B-6 を0.55g(0.71mmol収
率47%)得た。
【0437】
【化96】
【0438】1H-NMR(CDCl3): 1.20-1.80(m,36H) 6.70-
7.70(m,14H) 7.80-7.90(m,2H) FD-質量分析 : 776(M+) 元素分析 : Zr;11.2%(11.7)
( )内は計算値
【0439】
【合成実施例17】化合物A-7 の合成:充分に乾燥、ア
ルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L7;1.0g(3.66
mmol)とジエチルエーテル20mlを仕込み、-78℃に冷却し
撹拌した。これにn-ブチルリチウム2.48ml(1.55mmol/m
l n-ヘキサン溶液3.84mmol)を5分かけて滴下し、その
後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を続
け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を、-78℃に
冷却した四塩化チタン溶液3.66ml(0.5mmol/mlヘプタン
溶液、1.83mmol)とジエチルエーテル20ml混合液に徐々
に滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しな
がら撹拌を続けた。さらに室温で15時間撹拌した後、こ
の反応液をグラスフィルターで濾過した。ろ液を減圧濃
縮し、析出した固体をヘキサンにリスラリーしたのち、
ヘキサンを濾別することによって洗浄し、減圧乾燥させ
ることにより下記式で示される茶色粉末の化合物A-7 を
0.95g(1.43mmol収率78%)得た。
【0440】
【化97】
【0441】1H-NMR(CDCl3): 6.90-7.90(m,26H) 8.00
(s,2H) FD-質量分析 : 662(M+) 元素分析 : Ti;6.5%(6.5) C;62.0%(62.2) H;3.7%(3.8) N;3.8%(3.8) ( )内は計算
【0442】
【合成実施例18】化合物B-7 の合成:充分に乾燥、ア
ルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L7;1.0g(3.66
mmol)とジエチルエーテル20mlを仕込み、-78℃に冷却し
撹拌した。これにn-ブチルリチウム2.48ml(1.55mmol/m
l n-ヘキサン溶液、3.84mmol)を5分かけて滴下し、そ
の後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を続
け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を、-78℃に
冷却した四塩化ジルコニウム(0.41g,1.77mmol)のジエ
チルエーテル30ml混合液に滴下した。滴下終了後、ゆっ
くりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。さらに室温
で15時間撹拌した後塩化メチレンを20ml追加し、グラス
フィルターで不溶物を除去した。ろ液を減圧濃縮し、析
出した固体をヘキサンにリスラリーしたのち、ヘキサン
を濾別することによって洗浄し、減圧乾燥させることに
より下記式で示される黄緑色粉末の化合物B-7 を0.94g
(1.33mmol収率73%)得た。
【0443】
【化98】
【0444】1H-NMR(CDCl3): 7.00-7.90(m,26H) 8.20
(s,2H) FD-質量分析 : 704(M+) 元素分析 : Zr;11.5%(11.7)
( )内は計算値
【0445】
【合成実施例19】化合物A-8 の合成:充分に乾燥、ア
ルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L8;1.0g(2.93
mmol)とジエチルエーテル20mlを仕込み、-78℃に冷却し
撹拌した。これにn-ブチルリチウム2.0ml(1.55mmol/ml
n-ヘキサン溶液3.10mmol)を5分かけて滴下し、その後
ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を続けリ
チウム塩溶液を調製した。この溶液を、-78℃に冷却し
た四塩化チタン溶液2.9ml(0.5mmol/mlヘプタン溶液、
1.45mmol)とジエチルエーテル20mlの混合溶液に徐々に
滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しなが
ら撹拌を続けた。さらに室温で15時間撹拌した後、この
反応液をグラスフィルターで濾過した。ろ液を減圧濃縮
し、析出した固体をヘキサンにリスラリーしたのち、ヘ
キサンを濾別することによって洗浄し、減圧乾燥させて
下記式で示される茶色粉末の化合物A-8 を1.06g(1.33m
mol収率91%)得た。
【0446】
【化99】
【0447】1H-NMR(CDCl3): 0.90-1.70(m,18H) 3.40-
3.80(m,4H) 7.00-7.70(m,20H) 7.80-8.20(m,2H) FD-質量分析 : 798(M+) 元素分析 : Ti;6.0%(6.0) ( )内は計
算値
【0448】
【合成実施例20】化合物B-8 の合成:充分に乾燥、ア
ルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L8;1.0g(2.93
mmol)とジエチルエーテル20mlを仕込み、-78℃に冷却し
撹拌した。これにn-ブチルリチウム2.0ml(1.55mmol/ml
n-ヘキサン溶液、3.10mmol)を5分かけて滴下し、その
後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を続
け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を、-78℃に
冷却した四塩化ジルコニウム(0.34g,1.44mmol)のジエ
チルエーテル20ml混合液に滴下した。滴下終了後、ゆっ
くりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。さらに室温
で8時間撹拌した後ジエチルエーテルを20ml追加した
後、グラスフィルターで不溶物を除去した。ろ液を減圧
濃縮し、析出した固体をヘキサンにリスラリーしたの
ち、ヘキサンを濾別することによって洗浄し、減圧乾燥
させることにより下記式で示される黄緑色粉末の化合物
B-8 を1.02g(1.21mmol収率83%)得た。
【0449】
【化100】
【0450】1H-NMR(CDCl3): 0.90-1.80(m,18H) 3.40-
3.90(m,4H) 6.40-7.90(m,20H) 8.00-8.30(m,2H) FD-質量分析 : 842(M+) 元素分析 : Zr;11.1%(10.8)
( )内は計算値
【0451】
【合成実施例21】化合物A-9 の合成:充分に乾燥、ア
ルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L9;0.50g(1.2
3mmol)とジエチルエーテル15mlを仕込み、-78℃に冷却
し撹拌した。これにn-ブチルリチウム0.84ml(1.55mmol
/ml n-ヘキサン溶液1.30mmol)を5分かけて滴下し、そ
の後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を続
け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を、-78℃に
冷却した四塩化チタン溶液1.2ml(0.5mmol/mlヘプタン
溶液、0.60mmol)とジエチルエーテル15mlの混合溶液に
徐々に滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温
しながら撹拌を続けた。さらに室温で8時間撹拌した
後、この反応液をグラスフィルターで濾過した。ろ液を
減圧濃縮し、析出した固体をヘキサンにリスラリーした
のち、ヘキサンを濾別することによって洗浄し、減圧乾
燥させることにより下記式で示される茶色粉末の化合物
A-9 を0.33g(0.36mmol収率58%)得た。
【0452】
【化101】
【0453】1H-NMR(CDCl3): 1.70-1.90(m,18H) 6.60-
7.80(m,34H) FD-質量分析 : 926(M+) 元素分析 : Ti;5.3%(5.2) ( )内は計
算値
【0454】
【合成実施例22】化合物B-9 の合成:充分に乾燥、ア
ルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L9;0.50g(1.2
3mmol)とジエチルエーテル15mlを仕込み、-78℃に冷却
し撹拌した。これにn-ブチルリチウム0.84ml(1.55mmol
/ml n-ヘキサン溶液、1.30mmol)を5分かけて滴下し、
その後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を
続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を、-78℃
に冷却した四塩化ジルコニウム(0.14g,0.60mmol)とジ
エチルエーテル15mlの混合溶液を滴下した。滴下終了
後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。さ
らに室温で15時間撹拌した後溶媒を留去し、得られた固
体を塩化メチレン50mlジエチルエーテル10mlで溶解した
後、グラスフィルターで不溶物を除去した。ろ液を減圧
濃縮し、析出した固体をヘキサンにリスラリーしたの
ち、ヘキサンを濾別することによって洗浄し、減圧乾燥
させることにより下記式で示される淡黄色粉末の化合物
B-9 を0.19g(0.20mmol収率32%)得た。
【0455】
【化102】
【0456】1H-NMR(CDCl3): 1.28-1.52(m,18H) 6.70-
7.76(m,34H) FD-質量分析 : 970(M+) 元素分析 : Zr;9.6%(9.4)
( )内は計算値
【0457】
【合成実施例23】化合物A-10の合成:充分に乾燥、ア
ルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L10;0.32g(1.
03mmol)とジエチルエーテル10mlを仕込み、-78℃に冷却
し撹拌した。これにn-ブチルリチウム0.77ml(1.55mmol
/ml n-ヘキサン溶液1.19mmol)を5分かけて滴下し、そ
の後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を続
け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を、-78℃に
冷却した四塩化チタン溶液1.0ml(0.5mmol/mlヘプタン
溶液、0.50mmol)とジエチルエーテル10ml混合溶液に徐
々に滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温し
ながら撹拌を続けた。さらに室温で15時間撹拌した後、
この反応液をグラスフィルターで濾過した。ろ液を減圧
濃縮し、析出した固体を塩化メチレンとヘキサンで再沈
し、減圧乾燥させることにより下記式で示される茶色粉
末の化合物A-10を0.16g(0.22mmol収率43%)得た。
【0458】
【化103】
【0459】1H-NMR(CDCl3): 0.40-0.90(m,30H) 6.60-
7.80(m,18H) FD-質量分析 : 739(M+) 元素分析 : Ti;5.3%(5.2) ( )内は計
算値
【0460】
【合成実施例24】化合物A-11の合成:充分に乾燥、ア
ルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L11;0.68g(2.
40mmol)とジエチルエーテル30mlを仕込み、-78℃に冷却
し撹拌した。これにn-ブチルリチウム1.49ml(1.61mmol
/ml n-ヘキサン溶液2.40mmol)を5分かけて滴下し、そ
の後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を続
け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を、-78℃に
冷却した四塩化チタン溶液2.4ml(0.5mmol/mlヘプタン
溶液、1.20mmol)ジエチルエーテル15ml混合溶液に徐々
に滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しな
がら撹拌を続けた。さらに室温で15時間撹拌した後、こ
の反応液の溶媒を留去し、析出した固体を塩化メチレン
50mlに溶解し、不溶物をグラスフィルターで濾過した。
ろ液を減圧濃縮し、析出した固体を0℃で塩化メチレン
とヘキサンで再沈し、減圧乾燥させることにより赤茶色
粉末の化合物A-11を0.37g(0.54mmol収率45%)得た。
【0461】
【化104】
【0462】1H-NMR(CDCl3): 1.20-1.40(m,9H) 1.50-1.
55(m,9H) 3.70-3.85(m,6H) 6.52-7.40(m,14H) 8.05-8.20(m,2H) FD-質量分析 : 682(M+) 元素分析 : Ti;7.0%(7.0) ( )内は計
算値
【0463】
【合成実施例25】化合物B-11の合成:充分に乾燥、ア
ルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L11;0.64g(2.
26mmol)とジエチルエーテル20mlを仕込み、-78℃に冷却
し撹拌した。これにn-ブチルリチウム1.40ml(1.61mmol
/ml n-ヘキサン溶液、2.26mmol)を5分かけて滴下し、
その後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を
続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を、-78℃
に冷却した四塩化ジルコニウム・2THF(0.42g,1.10
mmol)のテトラヒドロフラン20ml溶液にゆっくり滴下し
た。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌
を続けた。さらに室温で15時間撹拌した後反応液を溶媒
留去した。得られた固体を塩化メチレン50mlで溶解し、
不溶物をグラスフィルターで不溶物を除去した。ろ液を
減圧濃縮し、析出した固体を塩化メチレンとヘキサンで
再沈し、減圧乾燥させることにより下記式で示される黄
緑色粉末の化合物B-11を0.25g(0.34mmol収率31%)得
た。
【0464】
【化105】
【0465】1H-NMR(CDCl3): 1.20-1.60(m,18H) 3.66-
3.86(m,6H) 6.50-7.50(m,14H) 8.05-8.20(m,2H) FD-質量分析 : 726(M+) 元素分析 : Zr;12.4%(12.6)
( )内は計算値
【0466】
【合成実施例26】化合物A-12の合成:充分に乾燥、ア
ルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L12;1.0g(2.3
1mmol)とジエチルエーテル20mlを仕込み、-78℃に冷却
し撹拌した。これにn-ブチルリチウム1.56ml(1.55mmol
/ml n-ヘキサン溶液2.42mmol)を5分かけて滴下し、そ
の後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を続
け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を、-78℃に
冷却した四塩化チタン溶液2.3ml(0.5mmol/mlヘプタン
溶液、1.15mmol)ジエチルエーテル20ml混合溶液に徐々
に滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しな
がら撹拌を続けた。さらに室温で15時間撹拌した後、不
溶物をグラスフィルターで濾過した。ろ液を減圧濃縮
し、析出した固体をヘキサンにリスラリーしたのち、ヘ
キサンを濾別することにより洗浄し、減圧乾燥させるこ
とにより赤茶色粉末の化合物A-12を0.45g(0.45mmol収
率40%)得た。
【0467】
【化106】
【0468】1H-NMR(CDCl3): 1.30-2.20(m,24H) 6.20-
7.40(m,34H) 7.50-7.70(m,2H) FD-質量分析 : 982(M+) 元素分析 : Ti;5.0%(4.9) ( )内は計
算値
【0469】
【合成実施例27】化合物B-12の合成:充分に乾燥、ア
ルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L12;1.0g(2.3
1mmol)とジエチルエーテル20mlを仕込み、-78℃に冷却
し撹拌した。これにn-ブチルリチウム1.56ml(1.55mmol
/ml n-ヘキサン溶液、2.42mmol)を5分かけて滴下し、
その後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を
続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を、-78℃
に冷却した四塩化ジルコニウム(0.27g,1.15mmol)とジ
エチルエーテル20ml混合液にゆっくり滴下した。滴下終
了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。
さらに室温で15時間撹拌した後、不溶物をグラスフィル
ターで不溶物を除去した。ろ液を減圧濃縮し、析出した
固体をジエチルエーテル、ヘキサン、ヘプタン、ペンタ
ンで再沈、リスラリー洗浄し、減圧乾燥させることによ
り下記式で示される黄緑色粉末の化合物B-12を0.02g
(0.02mmol収率1%)得た。
【0470】
【化107】
【0471】1H-NMR(CDCl3): 1.20-2.10(m,24H) 6.20-
7.40(m,34H) 7.50-8.00(m,2H) FD-質量分析 : 1026(M+) 元素分析 : Zr;9.1%(8.9)
( )内は計算値
【0472】
【合成実施例28】化合物A-13の合成:充分に乾燥、ア
ルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L13;1.10g(3.
26mmol)とジエチルエーテル22mlを仕込み、-78℃に冷却
し撹拌した。これにn-ブチルリチウム2.2ml(1.55mmol/
ml n-ヘキサン溶液3.41mmol)を5分かけて滴下し、その
後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を続
け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を、-78℃に
冷却した四塩化チタン溶液3.26ml(0.5mmol/mlヘプタン
溶液、1.13mmol)とジエチルエーテル22ml混合液に徐々
に滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しな
がら撹拌を続けた。さらに室温で15時間撹拌した後、こ
の反応液の不溶物をグラスフィルターで濾過した。ろ液
を減圧濃縮し、析出した固体をジエチルエーテルとペン
タンで再沈し、減圧乾燥させることにより赤茶色粉末の
化合物A-13を0.22g(0.28mmol収率17%)得た。
【0473】
【化108】
【0474】1H-NMR(CDCl3): 0.60-2.41(m,44H) 6.70-
7.60(m,34H) 7.91-8.10(m,2H) FD-質量分析 : 790(M+) 元素分析 : Ti;6.3%(6.1) ( )内は計
算値
【0475】
【合成実施例29】化合物B-13の合成:充分に乾燥、ア
ルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L13;1.03g(3.
02mmol)とジエチルエーテル20mlを仕込み、-78℃に冷却
し撹拌した。これにn-ブチルリチウム2.0ml(1.55mmol/
ml n-ヘキサン溶液、3.10mmol)を5分かけて滴下し、そ
の後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を続
け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を、-78℃に
冷却した四塩化ジルコニウム(0.35g,1.50mmol)のジエ
チルエーテル20ml混合液にゆっくり滴下した。滴下終了
後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。さ
らに室温で15時間撹拌した後、グラスフィルターで不溶
物を除去した。ろ液を減圧濃縮し、析出した固体をペン
タン再から結晶し、減圧乾燥させることにより下記式で
示される黄緑色粉末の化合物B-13を0.27g(0.32mmol収
率21%)得た。
【0476】
【化109】
【0477】1H-NMR(CDCl3): 0.30-2.32(m,44H) 6.70-
7.60(m,14H) 7.90-8.20(m,2H) FD-質量分析 : 834(M+) 元素分析 : Zr;10.9%(10.9)
( )内は計算値
【0478】
【合成実施例30】化合物A-14の合成:充分に乾燥、ア
ルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L14;0.98g(2.
97mmol)とジエチルエーテル30mlを仕込み、-78℃に冷却
し撹拌した。これにn-ブチルリチウム2.0ml(1.61mmol/
ml n-ヘキサン溶液3.22mmol)を5分かけて滴下し、その
後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を続
け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を、-78℃に
冷却した四塩化チタン溶液3.0ml(0.5mmol/mlヘプタン
溶液、1.50mmol)とジエチルエーテル15ml混合液に徐々
に滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しな
がら撹拌を続けた。さらに室温で15時間撹拌した後、こ
の反応液の不溶部をろ別し、ろ物をジエチルエーテル30
ml及び塩化メチレン50mlに溶解し、不溶物をグラスフィ
ルターで濾過した。ろ液を減圧濃縮し、析出した固体を
ジエチルエーテルで再結晶し、減圧乾燥させることによ
り黒褐色粉末の化合物A-14を0.66g(0.85mmol収率57%)
得た。
【0479】
【化110】
【0480】1H-NMR(CDCl3): 1.41(s,18H) 6.70-7.90
(m,24H) 8.18(s,2H) FD-質量分析 : 774(M+) 元素分析 : Ti;6.2%(6.2) ( )内は計
算値
【0481】
【合成実施例31】化合物B-14の合成:充分に乾燥、ア
ルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L14;1.01g(3.
05mmol)とジエチルエーテル20mlを仕込み、-78℃に冷却
し撹拌した。これにn-ブチルリチウム2.0ml(1.61mmol/
ml n-ヘキサン溶液、3.22mmol)を5分かけて滴下し、そ
の後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を続
け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を、-78℃に
冷却した四塩化ジルコニウム(0.36g,1.52mmol)のテト
ラヒドロフラン溶液にゆっくり滴下した。滴下終了後、
ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。さらに
室温で8時間撹拌した後、不溶部をグラスフィルターで
除去した。ろ液を濃縮乾固し、析出した固体を塩化メチ
レンとヘキサンで再沈し、減圧乾燥させることにより下
記式で示される蛍黄色粉末の化合物B-14を0.61g(0.74m
mol収率49%)得た。
【0482】
【化111】
【0483】1H-NMR(CDCl3): 1.41(s,18H) 6.80-7.90
(m,24H) 8.24(s,2H) FD-質量分析 : 818(M+) 元素分析 : Zr;11.0%(11.1)
( )内は計算値
【0484】
【合成実施例32】化合物A-15の合成:充分に乾燥、ア
ルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L15;0.40g(1.
01mmol)とジエチルエーテル10mlを仕込み、-78℃に冷却
し撹拌した。これにn-ブチルリチウム0.77ml(1.55mmol
/ml n-ヘキサン溶液1.19mmol)を5分かけて滴下し、そ
の後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を続
け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を、-78℃に
冷却した四塩化チタン溶液1.0ml(0.5mmol/mlヘプタン
溶液、0.50mmol)とジエチルエーテル10ml混合液に徐々
に滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しな
がら撹拌を続けた。さらに室温で15時間撹拌した後、不
溶物をグラスフィルターで濾過した。ろ液を減圧濃縮
し、析出した固体をジエチルエーテルとヘキサンで再沈
し、減圧乾燥させることにより赤茶色粉末の化合物A-15
を0.19g(0.21mmol収率42%)得た。
【0485】
【化112】
【0486】1H-NMR(CDCl3): 0.60-1.30(m,6H) 6.50-
7.80(m,36H) 7.80-7.90(m,2H) FD-質量分析 : 900(M+) 元素分析 : Ti;5.5%(5.3) ( )内は計
算値
【0487】
【合成実施例33】化合物B-15の合成:充分に乾燥、ア
ルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L15;0.40g(1.
02mmol)とテトラヒドロフラン10mlを仕込み、-78℃に冷
却し撹拌した。これにn-ブチルリチウム0.77ml(1.55mm
ol/ml n-ヘキサン溶液、1.19mmol)を5分かけて滴下
し、その後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹
拌を続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を-78
℃に冷却後、四塩化ジルコニウム(0.12g,0.50mmol)を
固体のまま添加した。添加終了後、ゆっくりと室温まで
昇温しながら撹拌を続けた。さらに室温で15時間撹拌し
た後反応液を溶媒留去した。得られた固体を塩化メチレ
ン50mlで溶解し、不溶物をグラスフィルターで不溶物を
除去した。ろ液を減圧濃縮し、析出した固体をジエチル
エーテルとヘキサンで再沈し、減圧乾燥させることによ
り下記式で示される灰白色粉末の化合物B-15を0.20g
(0.21mmol収率42%)得た。
【0488】
【化113】
【0489】1H-NMR(CDCl3): 0.70-1.00(m,6H) 6.60-
7.60(m,36H) 7.70-7.80(m,2H) FD-質量分析 : 944(M+) 元素分析 : Zr;9.4%(9.6)
( )内は計算値
【0490】
【合成実施例34】化合物A-16の合成:充分に乾燥、ア
ルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L16;1.0g(4.7
3mmol)とジエチルエーテル20mlを仕込み、-78℃に冷却
し撹拌した。これにn-ブチルリチウム3.2ml(1.55mmol/
ml n-ヘキサン溶液4.96mmol)を5分かけて滴下し、その
後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を続
け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を、-78℃に
冷却した四塩化チタン溶液4.7ml(0.5mmol/mlヘプタン
溶液、2.35mmol)とジエチルエーテル20ml混合液に徐々
に滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しな
がら撹拌を続けた。さらに室温で15時間撹拌した後、反
応液をろ過し、ろ物を塩化メチレン50mlで溶解させた。
溶解液中の不溶物を除去したのち、溶解液を減圧濃縮し
て固体を析出させ、塩化メチレンとヘキサンで再沈し、
減圧乾燥させることにより薄茶色粉末の化合物A-16を0.
96g(1.78mmol収率75%)得た。
【0491】
【化114】
【0492】1H-NMR(CDCl3): 1.90(s,6H) 6.50-7.30
(m,16H) 7.90(s,2H) FD-質量分析 : 538(M+) 元素分析 : Ti;9.0%(8.9) ( )内は計
算値
【0493】
【合成実施例35】化合物B-16の合成:充分に乾燥、ア
ルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L16;1.0g(4.7
3mmol)とジエチルエーテル20mlを仕込み、-78℃に冷却
し撹拌した。これにn-ブチルリチウム3.2ml(1.55mmol/
ml n-ヘキサン溶液、4.96mmol)を5分かけて滴下し、そ
の後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を続
け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を、-78℃に
冷却した四塩化ジルコニウム(0.55g,2.36mmol)とジエ
チルエーテル20ml混合液に滴下した。滴下終了後、ゆっ
くりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。さらに室温
で15時間撹拌した後反応液をろ過した。ろ液からの溶媒
を留去し、固体を析出させ、ジエチルエーテル、塩化メ
チレンとヘキサンで再結晶し、減圧乾燥させることによ
り下記式で示される黄緑色粉末の化合物B-16を0.49g
(0.84mmol収率36%)得た。
【0494】
【化115】
【0495】1H-NMR(CDCl3): 2.00(s,6H) 6.40-7.40
(m,16H) 8.10(s,2H) FD-質量分析 : 582(M+) 元素分析 : Zr;15.9%(15.7)
( )内は計算値
【0496】
【合成実施例36】化合物A-17の合成:充分に乾燥、ア
ルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L17;1.0g(2.7
7mmol)とジエチルエーテル20mlを仕込み、-78℃に冷却
し撹拌した。これにn-ブチルリチウム1.87ml(1.55mmol
/ml n-ヘキサン溶液2.90mmol)を5分かけて滴下し、そ
の後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を続
け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を、-78℃に
冷却した四塩化チタン溶液2.76ml(0.5mmol/mlヘプタン
溶液、1.38mmol)とジエチルエーテル20ml混合液に徐々
に滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しな
がら撹拌を続けた。さらに室温で15時間撹拌した後、不
溶物をグラスフィルターで濾過した。ろ液を減圧濃縮
し、析出した固体をヘキサンにリスラリーしたのち、ヘ
キサンを濾別することにより洗浄し、減圧乾燥させるこ
とにより茶色粉末の化合物A-17を0.15g(0.18mmol収率1
3%)得た。
【0497】
【化116】
【0498】1H-NMR(CDCl3): 3.20-3.80(m,4H) 6.90-
7.81(m,30H) 8.15(s,2H) FD-質量分析 : 838(M+) 元素分析 : Ti;5.9%(5.7) ( )内は計
算値
【0499】
【合成実施例37】化合物B-17の合成:充分に乾燥、ア
ルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L17;1.0g(2.7
7mmol)とジエチルエーテル20mlを仕込み、-78℃に冷却
し撹拌した。これにn-ブチルリチウム1.87ml(1.55mmol
/ml n-ヘキサン溶液、2.90mmol)を5分かけて滴下し、
その後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を
続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を、-78℃
に冷却した四塩化ジルコニウム(0.32g,1.37mmol)とジ
エチルエーテル20ml混合液に滴下した。滴下終了後、ゆ
っくりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。さらに室
温で15時間撹拌した後、反応液をグラスフィルターで不
溶物を除去した。ろ液を減圧濃縮し、析出した固体をヘ
キサンにリスラリーしたのち、ヘキサンを濾別すること
により洗浄し、減圧乾燥させることにより下記式で示さ
れる黄緑色粉末の化合物B-17を0.71g(0.88mmol収率58
%)得た。
【0500】
【化117】
【0501】1H-NMR(CDCl3): 3.30-3.80(m,4H) 6.71-
7.72(m,30H) 8.25(s,2H) FD-質量分析 : 882(M+) 元素分析 : Zr;10.6%(10.3)
( )内は計算値
【0502】
【合成実施例38】化合物A-18の合成:充分に乾燥、ア
ルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L18;0.59g(2.
20mmol)とジエチルエーテル10mlを仕込み、-78℃に冷却
し撹拌した。これにn-ブチルリチウム1.49ml(1.55mmol
/ml n-ヘキサン溶液2.31mmol)を5分かけて滴下し、そ
の後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を続
け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を、-78℃に
冷却した四塩化チタン溶液2.2ml(0.5mmol/mlヘプタン
溶液、1.10mmol)とテトラヒドロフラン10ml混合液に徐
々に滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温し
ながら撹拌を続けた。さらに室温で15時間撹拌した後、
濃縮乾固し、得られた固体を塩化メチレン20mlに溶解す
る。不溶物をグラスフィルターで濾過後ろ液を減圧濃縮
し、析出した固体を-78℃でジエチルエーテルとヘキサ
ンで再沈し、減圧乾燥させることにより茶色粉末の化合
物A-18を0.27g(0.41mmol収率37%)得た。
【0503】
【化118】
【0504】1H-NMR(CDCl3): 1.22(s,18H) 2.40(s,6H)
6.44-7.80(m,14H) 8.21(s,2H) FD-質量分析 : 650(M+) 元素分析 : Ti;7.1%(7.4) ( )内は計
算値
【0505】
【合成実施例39】化合物B-18の合成:充分に乾燥、ア
ルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L18;0.60g(2.
25mmol)とジエチルエーテル10mlを仕込み、-78℃に冷却
し撹拌した。これにn-ブチルリチウム1.52ml(1.55mmol
/ml n-ヘキサン溶液、2.36mmol)を5分かけて滴下し、
その後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を
続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を-78℃に
冷却した四塩化ジルコニウム(0.26g,1.12mmol)のテト
ラヒドロフラン10ml溶液に滴下した。滴下終了後、ゆっ
くりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。さらに室温
で8時間撹拌した後反応液を溶媒留去した。得られた固
体を塩化メチレン20mlで溶解し、不溶物をグラスフィル
ターで除去した。ろ液を減圧濃縮し、析出した固体をジ
エチルエーテルとヘキサンで再沈し、減圧乾燥させるこ
とにより下記式で示される黄緑色粉末の化合物B-18を0.
16g(0.24mmol収率21%)得た。
【0506】
【化119】
【0507】1H-NMR(CDCl3): 1.13(s,18H) 2.39(s,6H)
6.50-7.75(m,14H) 8.26(s,2H) FD-質量分析 : 694(M+) 元素分析 : Zr;13.1%(13.1)
( )内は計算値
【0508】
【合成実施例40】化合物B-19の合成:充分に乾燥、ア
ルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L19;0.70g(2.
25mmol)とジエチルエーテル10mlを仕込み、-78℃に冷却
し撹拌した。これにn-ブチルリチウム1.52ml(1.55mmol
/ml n-ヘキサン溶液、2.36mmol)を5分かけて滴下し、
その後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を
続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を-78℃に
冷却した四塩化ジルコニウム(0.26g,1.12mmol)のテト
ラヒドロフラン10ml溶液に滴下した。滴下終了後、ゆっ
くりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。さらに室温
で15時間撹拌した後、反応液から溶媒を留去させた。得
られた固体を塩化メチレン20mlで溶解し、不溶物をグラ
スフィルターで除去した。ろ液を減圧濃縮し、析出した
固体をジエチルエーテルとヘキサンで再沈し、減圧乾燥
させることにより下記式で示される黄緑色粉末の化合物
B-19を0.16g(0.20mmol収率18%)得た。
【0509】
【化120】
【0510】1H-NMR(CDCl3): 1.43(s,18H) 1.47(s,18H)
6.90-7.60(m,14H) 8.40(s,2H) FD-質量分析 : 778(M+) 元素分析 : Zr;12.1%(11.7)
( )内は計算値
【0511】
【合成実施例41】化合物B-20の合成:充分に乾燥、ア
ルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L20;0.63g(2.
25mmol)とジエチルエーテル10mlを仕込み、-78℃に冷却
し撹拌した。これにn-ブチルリチウム1.52ml(1.55mmol
/ml n-ヘキサン溶液、2.36mmol)を5分かけて滴下し、
その後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を
続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を-78℃に
冷却した四塩化ジルコニウム(0.26g,1.12mmol)のテト
ラヒドロフラン10ml溶液に滴下した。滴下終了後、ゆっ
くりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。さらに室温
で15時間撹拌した後反応液を溶媒留去した。得られた固
体を塩化メチレン25mlで溶解し、不溶物をグラスフィル
ターで除去した。ろ液を減圧濃縮し、析出した固体をジ
エチルエーテルとヘキサンで再沈し、減圧乾燥させるこ
とにより下記式で示される黄色粉末の化合物B-20を0.35
g(0.48mmol収率43%)得た。
【0512】
【化121】
【0513】1H-NMR(CDCl3): 1.40(s,18H) 1.50(s,18H)
2.21(s,12H) 6.70-7.40(m,12H) 8.33(s,2H) FD-質量分析 : 720(M+) 元素分析 : Zr;12.8%(12.6)
( )内は計算値
【0514】
【合成実施例42】化合物A-21の合成:充分に乾燥、ア
ルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L21;0.80g(2.
50mmol)とジエチルエーテル10mlを仕込み、-78℃に冷却
し撹拌した。これにn-ブチルリチウム1.7ml(1.55mmol/
ml n-ヘキサン溶液2.64mmol)を5分かけて滴下し、その
後ゆっくりと0℃まで昇温し、0℃で4時間撹拌を続け、
リチウム塩溶液を調製した。この溶液を、-78℃に冷却
した四塩化チタン溶液2.5ml(0.5mmol/mlヘプタン溶
液、1.25mmol)とジエチルエーテル10ml混合液に徐々に
滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しなが
ら撹拌を続けた。さらに室温で8時間撹拌した後、濃縮
乾固し、得られた固体をジエチルエーテル50mlと塩化メ
チレン60mlに溶解する。不溶物をグラスフィルターで濾
過した後、ろ液を減圧濃縮し、析出した固体をジエチル
エーテルで再結晶し、減圧乾燥させることにより赤褐色
粉末の化合物A-21を0.07g(0.09mmol収率8%)得た。
【0515】
【化122】
【0516】1H-NMR(CDCl3): 1.34(s,18H) 6.75-7.75
(m,14H) 8.10(s,2H) FD-質量分析 : 758(M+) 元素分析 : Ti;6.5%(6.3) ( )内は計
算値
【0517】
【合成実施例43】化合物B-21の合成:充分に乾燥、ア
ルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L21;1.03g(3.
20mmol)とジエチルエーテル10mlを仕込み、-78℃に冷却
し撹拌した。これにn-ブチルリチウム2.0ml(1.61mmol/
ml n-ヘキサン溶液、3.22mmol)を5分かけて滴下し、そ
の後ゆっくりと-15℃まで昇温し、-15℃で2時間撹拌を
続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を-78℃に
冷却した四塩化ジルコニウム(0.36g,1.54mmol)のテト
ラヒドロフラン10ml溶液に滴下した。滴下終了後、ゆっ
くりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。さらに室温
で15時間撹拌後、反応液を溶媒留去した。これをトルエ
ン20mlに溶解し、還流条件下でさらに3時間反応を続け
た。反応液から溶媒を留去し、得られた固体を塩化メチ
レン50mlで溶解し、不溶物をグラスフィルターで除去し
た。ろ液を減圧濃縮し、析出した固体をジエチルエーテ
ルとヘキサンで再沈し、減圧乾燥させることにより下記
式で示される黄土色粉末の化合物B-21を0.33g(0.41mmo
l収率27%)得た。
【0518】
【化123】
【0519】1H-NMR(CDCl3): 1.24(s,18H) 6.80-7.78
(m,14H) 8.15(s,2H) FD-質量分析 : 802(M+) 元素分析 : Zr;11.7%(11.4)
( )内は計算値
【0520】
【合成実施例44】化合物A-22の合成:充分に乾燥、ア
ルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L22;0.50g(1.
77mmol)とジエチルエーテル40mlを仕込み、-78℃に冷却
し撹拌した。これにn-ブチルリチウム1.20ml(1.55mmol
/ml n-ヘキサン溶液1.86mmol)を5分かけて滴下し、そ
の後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を続
け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を、-78℃に
冷却した四塩化チタン溶液1.77ml(0.5mmol/mlヘプタン
溶液、0.89mmol)とジエチルエーテル50ml混合液に徐々
に滴下した。
【0521】滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しな
がら撹拌を続けた。さらに室温で15時間撹拌した後、反
応液をグラスフィルターで濾過し、ろ物をジエチルエー
テルで洗浄後、塩化メチレンに溶解した。溶解液中の不
溶物を除去した後、溶解液を減圧濃縮し、析出した固体
を-78℃でジエチルエーテルとヘキサンで再沈し、減圧
乾燥させることにより茶色粉末の化合物A-22を0.31g
(0.45mmol収率51%)得た。
【0522】
【化124】
【0523】1H-NMR(CDCl3): 0.70-1.80(m,18H) 3.50-
4.00(m,6H) 6.40-7.70(m,14H) 8.05(s,2H) FD-質量分析 : 682(M+) 元素分析 : Ti;7.3%(7.0) ( )内は計
算値
【0524】
【合成実施例45】化合物B-22の合成:充分に乾燥、ア
ルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L22;0.50g(1.
77mmol)とジエチルエーテル25mlを仕込み、-78℃に冷却
し撹拌した。これにn-ブチルリチウム1.20ml(1.55mmol
/ml n-ヘキサン溶液、1.86mmol)を5分かけて滴下し、
その後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を
続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を-78℃に
冷却した四塩化ジルコニウム(0.21g,0.99mmol)のジエ
チルエーテル10ml、テトラヒドロフラン60ml混合溶液に
滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しなが
ら撹拌を続けた。さらに室温で15時間撹拌した後反応液
を溶媒留去した。得られた固体をヘキサン70mlでリスラ
リーし、グラスフィルターで不溶物を分別した。ろ滓を
ジエチエルエーテル100ml、ヘキサン70mlで溶解し、溶
解液中の不溶物を取り除いた後、溶解液を減圧濃縮す
る。析出した固体をヘキサンで洗浄し、減圧乾燥させる
ことにより下記式で示される黄緑色粉末の化合物B-22を
0.08g(0.11mmol収率11%)得た。
【0525】
【化125】
【0526】1H-NMR(CDCl3): 1.40(s,18H) 3.75(s,6H)
6.40-7.70(m,14H) 8.10(s,2H) FD-質量分析 : 726(M+) 元素分析 : Zr;12.3%(12.6)
( )内は計算値
【0527】
【合成実施例46】化合物A-23の合成:充分に乾燥、ア
ルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L23;1.01g(4.
33mmol)とジエチルエーテル22mlを仕込み、-78℃に冷却
し撹拌した。これにn-ブチルリチウム2.9ml(1.55mmol/
ml n-ヘキサン溶液4.50mmol)を5分かけて滴下し、その
後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を続
け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を、-78℃に
冷却した四塩化チタン溶液4.25ml(0.5mmol/mlヘプタン
溶液、2.13mmol)とジエチルエーテル20ml混合液に徐々
に滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しな
がら撹拌を続けた。さらに室温で15時間撹拌した後、反
応液を濾別し、ろ液を濃縮乾固して、固体を得た。得ら
れた固体を塩化メチレン、ジエチルエーテルとヘキサン
で再沈し、減圧乾燥させることにより茶色粉末の化合物
A-23を0.26g(0.44mmol収率21%)得た。
【0528】
【化126】
【0529】1H-NMR(CDCl3): 0.82-1.40(m,12H) 2.90-
3.30(m,2H) 6.60-7.40(m,16H) 8.10(s,2H) FD-質量分析 : 594(M+) 元素分析 : Ti;8.0%(8.0) ( )内は計
算値
【0530】
【合成実施例47】化合物B-23の合成:充分に乾燥、ア
ルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L23;1.02g(4.
25mmol)とジエチルエーテル20mlを仕込み、-78℃に冷却
し撹拌した。これにn-ブチルリチウム3.43ml(1.55mmol
/ml n-ヘキサン溶液、5.32mmol)を5分かけて滴下し、
その後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を
続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を-78℃に
冷却した四塩化ジルコニウム(0.50g,2.15mmol)とジエ
チルエーテル20ml混合液に滴下した。滴下終了後、ゆっ
くりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。さらに室温
で15時間撹拌した後、グラスフィルターで不溶物を除去
した。ろ液を減圧濃縮し、析出した固体をジエチルエー
テル、塩化メチレンとヘキサンで再沈し、減圧乾燥させ
ることにより下記式で示される黄緑色粉末の化合物B-23
を0.61g(0.96mmol収率45%)得た。
【0531】
【化127】
【0532】1H-NMR(CDCl3): 0.80-1.30(m,12H) 2.90-
3.25(m,2H) 6.72-7.43(m,16H) 8.20(s,2H) FD-質量分析 : 638(M+) 元素分析 : Zr;14.0%(14.3)
( )内は計算値
【0533】
【合成実施例48】化合物A-24の合成:充分に乾燥、ア
ルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L24;0.52g(2.
05mmol)とジエチルエーテル40mlを仕込み、-78℃に冷却
し撹拌した。これにn-ブチルリチウム1.36ml(1.55mmol
/ml n-ヘキサン溶液2.11mmol)を5分かけて滴下し、そ
の後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を続
け、リチウム塩スラリーを調製した。この溶液を-78℃
に冷却した四塩化チタン溶液2.04ml(0.5mmol/mlヘプタ
ン溶液、1.02mmol)とジエチルエーテル40ml、テトラヒ
ドロフラン20ml混合液に徐々に滴下した。滴下終了後、
ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。さらに
室温で15時間撹拌した後、反応液を溶媒留去した。得ら
れた固体をジエチルエーテル100mlでリスラリーし、グ
ラスフィルターで不溶物を分別し、ろ滓をジエチルエー
テルで洗浄後、塩化メチレンに溶解し、溶解液中の不溶
物を除去した後、溶解液を減圧濃縮し、析出した固体を
ヘキサンで洗浄し、減圧乾燥させることにより橙色粉末
の化合物A-24を0.12g(0.19mmol収率19%)得た。
【0534】
【化128】
【0535】1H-NMR(CDCl3): 0.80-2.30(m,18H) 6.30-
9.20(m,14H) 8.35(brs,2H) FD-質量分析 : 624(M+) 元素分析 : Ti;8.1%(7.7) ( )内は計
算値
【0536】
【合成実施例49】化合物B-24の合成:充分に乾燥、ア
ルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L24;0.76g(2.
99mmol)とジエチルエーテル40mlを仕込み、-78℃に冷却
し撹拌した。これにn-ブチルリチウム1.91ml(1.61mmol
/ml n-ヘキサン溶液、3.08mmol)を5分かけて滴下し、
その後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を
続け、リチウム塩スラリーを調製した。この溶液を-78
℃に冷却した四塩化ジルコニウム・2THF錯体(0.56
3g,1.49mmol)のテトラヒドロフラン80ml混合溶液に滴
下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら
撹拌を続けた。さらに室温で15時間撹拌した後、トルエ
ン50mlを加えて80℃で10時間、90℃で30時間加熱攪拌し
た。反応液を溶媒留去し、得られた固体をジエチルエー
テル150mlでリスラリーし、グラスフィルターで不溶物
を分別した。ろ物をジエチエルエーテルで洗浄後、塩化
メチレンで溶解し、溶解液中の不溶物を取り除いた後、
溶解液を減圧濃縮する。析出した固体をヘキサンで洗浄
し、減圧乾燥させることにより下記式で示される黄色粉
末の化合物B-24を0.43g(0.64mmol収率43%)得た。
【0537】
【化129】
【0538】1H-NMR(CDCl3): 0.60-2.30(m,18H) 6.30-
9.40(m,14H) 8.35(brs,2H) FD-質量分析 : 668(M+) 元素分析 : Zr;13.2%(13.6)
( )内は計算値
【0539】
【合成実施例50】化合物A-25の合成:充分に乾燥、ア
ルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L25;0.50g(1.
93mmol)とジエチルエーテル20mlを仕込み、-78℃に冷却
し撹拌した。これにn-ブチルリチウム1.42ml(1.55mmol
/ml n-ヘキサン溶液2.20mmol)を5分かけて滴下し、そ
の後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を続
け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を-78℃に冷
却した四塩化チタン溶液1.93ml(0.5mmol/mlヘプタン溶
液、0.97mmol)とジエチルエーテル50ml混合液に徐々に
滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しなが
ら撹拌を続けた。さらに室温で15時間撹拌した後、反応
液をグラスフィルターで濾過し、ろ物をジエチルエーテ
ルで洗浄後、塩化メチレンに溶解した。溶解液中の不溶
物を除去した後、溶解液を減圧濃縮し、析出した固体を
ヘキサンで洗浄し、減圧乾燥させることにより赤茶色粉
末の化合物A-25を0.11g(0.17mmol収率18%)得た。
【0540】
【化130】
【0541】1H-NMR(CDCl3): 1.65(s,18H) 0.50-2.40
(m,20H) 3.85(brdt,2H) 6.90-7.70(m,6H) 8.20(s,2H) FD-質量分析 : 634(M+) 元素分析 : Ti;7.6%(7.5) ( )内は計
算値
【0542】
【合成実施例51】化合物B-25の合成:充分に乾燥、ア
ルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L25;0.50g(1.
93mmol)とジエチルエーテル20mlを仕込み、-78℃に冷却
し撹拌した。これにn-ブチルリチウム1.42ml(1.55mmol
/ml n-ヘキサン溶液、2.20mmol)を5分かけて滴下し、その
後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を続
け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を-78℃に冷
却した四塩化ジルコニウム(0.23g,0.99mmol)のジエチ
ルエーテル50ml溶液に滴下した。滴下終了後、ゆっくり
と室温まで昇温しながら撹拌を続けた。さらに室温で15
時間撹拌した後、反応液をグラスフィルターでろ過し、
ろ液を減圧濃縮した。析出した固体をヘキサンで洗浄
し、減圧乾燥させて下記式で示される黄土色粉末の化合
物B-25を0.28g(0.41mmol収率43%)得た。
【0543】
【化131】
【0544】1H-NMR(CDCl3): 1.65(s,18H) 0.70-2.50
(m,20H) 3.85(brdt,2H) 6.70-7.70(m,6H) 8.25(s,2H) FD-質量分析 : 678(M+) 元素分析 : Zr;13.3%(13.4)
( )内は計算値
【0545】
【合成実施例52】化合物A-26の合成:充分に乾燥、ア
ルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L26;0.61g(2.
28mmol)とジエチルエーテル10mlを仕込み、-78℃に冷却
し撹拌した。これにn-ブチルリチウム1.6ml(1.55mmol/
ml n-ヘキサン溶液2.48mmol)を5分かけて滴下し、その後ゆ
っくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を続け、リ
チウム塩溶液を調製した。この溶液を、-78℃に冷却し
た四塩化チタン溶液2.2ml(0.5mmol/mlヘプタン溶液、
1.10mmol)とテトラヒドロフラン10ml混合液に徐々に滴
下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら
撹拌を続けた。さらに室温で12時間撹拌した後、反応液
中の不溶物をグラスフィルターで濾過し、得られたろ液
を減圧濃縮し、析出した固体を-78℃でジエチルエーテ
ルとヘキサンで再沈させ、減圧乾燥させて褐色粉末の化
合物A-26を0.36g(0.55mmol収率51%)得た。
【0546】
【化132】
【0547】1H-NMR(CDCl3): 1.33(s,18H) 2.14(s,6H)
6.60-7.68(m,14H) 8.03(s,2H) FD-質量分析 : 650(M+) 元素分析 : Ti;7.4%(7.3) ( )内は計
算値
【0548】
【合成実施例53】化合物B-26の合成:充分に乾燥、ア
ルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L26;0.61g(2.
28mmol)とジエチルエーテル10mlを仕込み、-78℃に冷却
し撹拌した。これにn-ブチルリチウム1.6ml(1.55mmol/
ml n-ヘキサン溶液、2.48mmol)を5分かけて滴下し、そ
の後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を続
け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を-78℃に冷
却した四塩化ジルコニウム(0.27g,1.15mmol)のジエチ
ルエーテル10ml溶液に滴下した。滴下終了後、ゆっくり
と室温まで昇温しながら撹拌を続けた。さらに室温で12
時間撹拌した後、不溶物をグラスフィルターで除去し
た。ろ液を減圧濃縮して析出した固体をジエチルエーテ
ルとヘキサンで再沈させ、減圧乾燥させることにより下
記式で示される黄緑色粉末の化合物B-26を0.14g(0.20m
mol収率18%)得た。
【0549】
【化133】
【0550】1H-NMR(CDCl3): 1.31(s,18H) 2.14(s,6H)
6.69-7.65(m,14H) 8.09(s,2H) FD-質量分析 : 694(M+) 元素分析 : Zr;13.1%(13.1)
( )内は計算値
【0551】
【合成実施例54】化合物A-27の合成:充分に乾燥、ア
ルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L27;0.30g(1.
00mmol)とジエチルエーテル10mlを仕込み、-78℃に冷却
し撹拌した。これにn-ブチルリチウム0.65ml(1.55mmol
/ml n-ヘキサン溶液1.00mmol)を5分かけて滴下し、そ
の後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を続
け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を、-78℃に
冷却した四塩化チタン溶液1.0ml(0.5mmol/mlヘプタン
溶液、0.50mmol)とジエチルエーテル10ml混合液に徐々
に滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しな
がら撹拌を続けた。室温で12時間撹拌、次いで還流下1
時間撹拌した後、反応液中の不溶物をグラスフィルター
で濾過した。ろ液を減圧濃縮して析出した固体をジエチ
ルエーテルとヘキサンで再沈させ、減圧乾燥して橙色粉
末の化合物A-27を0.18g(0.25mmol収率50%)得た。
【0552】
【化134】
【0553】1H-NMR(CDCl3): 1.13(s,18H) 1.25(brd,6
H) 1.28(brd,6H) 3.29(brdq,2H) 6.45-6.70(m,2H) 6.80
-7.20(m,4H) 7.20-7.50(m,8H) 8.23(s,2H) FD-質量分析 : 706(M+) 元素分析 : Ti;6.8%(6.8) ( )内は計
算値
【0554】
【合成実施例55】化合物B-27の合成:充分に乾燥、ア
ルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L27;0.95g(3.
20mmol)とジエチルエーテル10mlを仕込み、-78℃に冷却
し撹拌した。これにn-ブチルリチウム2.08ml(1.55mmol
/ml n-ヘキサン溶液、3.22mmol)を5分かけて滴下し、
その後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を
続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を-78℃に
冷却した四塩化ジルコニウム(0.37g,1.60mmol)のテト
ラヒドロフラン10ml溶液に滴下した。滴下終了後、ゆっ
くりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。室温で12時
間撹拌、次いで還流下6時間撹拌後、反応液を溶媒留去
した。得られた固体を塩化メチレン50mlで溶解し、不溶
物をグラスフィルターで不溶物を除去した。ろ液を減圧
濃縮し、析出した固体を塩化メチレンとヘキサンで再沈
させ、減圧乾燥して下記式で示される黄色粉末の化合物
B-27を0.18g(0.24mmol収率15%)得た。
【0555】
【化135】
【0556】1H-NMR(CDCl3): 1.10(s,18H) 1.10-1.40
(m,12H) 3.20-3.30(m,2H) 6.30-6.60(m,2H) 6.70-7.10-
7.60(m,8H) 8.28(s,2H) FD-質量分析 : 750(M+) 元素分析 : Zr;12.0%(12.2) C;63.5%(64.0) H;6.6%(6.4) N;3.5%(3.7) ( )内は
計算値
【0557】
【合成実施例56】化合物A-28の合成:充分に乾燥、ア
ルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L28;0.50g(1.
37mmol)とジエチルエーテル40mlを仕込み、-78℃に冷却
し撹拌した。これにn-ブチルリチウム0.92ml(1.55mmol
/ml n-ヘキサン溶液1.43mmol)を5分かけて滴下し、そ
の後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を続
け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を-78℃に冷
却した四塩化チタン溶液1.37ml(0.5mmol/mlヘプタン溶
液、0.69mmol)とジエチルエーテル40ml混合液に徐々に
滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しなが
ら撹拌を続けた。さらに室温で8時間撹拌した後、反応
液をグラスフィルターで濾過し、ろ滓をジエチルエーテ
ルで洗浄して、不溶物を濾過して取り除き、ろ液を減圧
濃縮し、析出した固体をヘキサンで洗浄し、減圧乾燥し
て茶色粉末の化合物A-28を0.17g(0.20mmol収率29%)得
た。
【0558】
【化136】
【0559】1H-NMR(CDCl3): 0.70-1.40(m,54H) 6.65-
7.75(m,12H) 8.35(s,2H) FD-質量分析 : 846(M+) 元素分析 : Ti;5.5%(5.7) ( )内は計
算値
【0560】
【合成実施例57】化合物B-28の合成:充分に乾燥、ア
ルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L28;0.50g(1.
37mmol)とジエチルエーテル40mlを仕込み、-78℃に冷却
し撹拌した。これにn-ブチルリチウム0.92ml(1.55mmol
/ml n-ヘキサン溶液、1.43mmol)を5分かけて滴下し、
その後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を
続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を-78℃に
冷却した四塩化ジルコニウム(0.16g,0.69mmol)の無水
ジエチルエーテル20ml、テトラヒドロフラン50ml混合溶
液に滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温し
ながら撹拌を続けた。さらに室温で12時間撹拌した
後、反応液から溶媒を留去させた。得られた固体をジエ
チルエーテルでリスラリーし、グラスフィルターで不溶
物を取り除いた後、ろ液を減圧濃縮した。析出した固体
を-78℃においてヘキサンで再沈し、減圧乾燥させるこ
とにより下記式で示される黄色粉末の化合物B-28を0.26
g(0.29mmol収率43%)得た。
【0561】
【化137】
【0562】1H-NMR(CDCl3): 0.80-1.30(m,54H) 6.65
(m,12H) 8.35(s,2H) FD-質量分析 : 890(M+) 元素分析 : Zr;9.9%(10.2)
( )内は計算値
【0563】
【合成実施例58】化合物A-29の合成:充分に乾燥、ア
ルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L29;0.60g(1.
79mmol)とジエチルエーテル40mlを仕込み、-78℃に冷却
し撹拌した。これにn-ブチルリチウム1.17ml(1.55mmol
/ml n-ヘキサン溶液1.81mmol)を5分かけて滴下し、そ
の後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を続
け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を-78℃に冷
却した四塩化チタン溶液1.79ml(0.5mmol/mlヘプタン溶
液、0.90mmol)とジエチルエーテル50ml混合液に徐々に
滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しなが
ら撹拌を続けた。さらに室温で12時間撹拌した後、反応
液をグラスフィルターで濾過し、不溶物を除去した後、
ろ液を減圧濃縮し、析出した固体をヘキサンで洗浄し、
減圧乾燥して赤茶色粉末の化合物A-29を0.10g(0.13mmo
l収率14%)得た。
【0564】
【化138】
【0565】1H-NMR(CDCl3): 0.80-2.30(m,20H) 1.55
(s,18H) 3.65(brdt,2H) 6.60-8.10(m,16H) FD-質量分析 : 786(M+) 元素分析 : Ti;6.4%(6.1) ( )内は計
算値
【0566】
【合成実施例59】化合物B-29の合成:充分に乾燥、ア
ルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L29;0.50g(1.
48mmol)とジエチルエーテル40mlを仕込み、-78℃に冷却
し撹拌した。これにn-ブチルリチウム1.02ml(1.61mmol
/ml n-ヘキサン溶液、1.64mmol)を5分かけて滴下し、
その後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を
続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を-78℃に
冷却した四塩化ジルコニウム・2THF錯体(0.26g,0.
69mmol)のテトラヒドロフラン40ml溶液に滴下した。滴
下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌を続け
た。さらに室温で8時間撹拌した後、トルエン70mlを加
え、80℃で20時間加熱攪拌を行った。反応液から溶媒を
留去させ、得られた固体をジエチルエーテル50mlでリス
ラリーし、グラスフィルターでろ過して不溶物を取り除
いた後、ろ液を減圧濃縮して、再度固体を析出させた。
析出した固体は、-78℃においてヘキサンで再沈させ、
減圧乾燥させることにより下記式で示される黄白色粉末
の化合物B-29を0.04g(0.05mmol収率7%)得た。
【0567】
【化139】
【0568】1H-NMR(CDCl3): 0.90-1.90(m,20H) 1.55
(s,18H) 3.25(brdt,2H) 6.40-7.90(m,16H) FD-質量分析 : 830(M+) 元素分析 : Zr;11.3%(11.0)
( )内は計算値
【0569】
【合成実施例60】化合物A-30の合成:充分に乾燥、ア
ルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L30;0.51g(1.
86mmol)とジエチルエーテル50mlを仕込み、-78℃に冷却
し撹拌した。これにn-ブチルリチウム1.20ml(1.61mmol
/ml n-ヘキサン溶液1.93mmol)を5分かけて滴下し、そ
の後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を続
け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を-78℃に冷
却した四塩化チタン溶液1.85ml(0.5mmol/mlヘプタン溶
液、0.93mmol)とテトラヒドロフラン60ml溶液に徐々に
滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しなが
ら撹拌を続けた。さらに室温で8時間撹拌した後、反応
液を60℃に昇温して8時間加熱攪拌した。
【0570】反応液から溶媒を留去させて、固体を析出
させ、得られた固体をジエチルエーテルでリスラリー
し、グラスフィルターで濾過し、ろ滓をジエチルエーテ
ルで洗浄した後、塩化メチレンに溶解した。溶解液中の
不溶物を濾過して除去した後、ろ液を減圧濃縮し、析出
した固体をヘキサンで洗浄し、減圧乾燥させることによ
り赤橙色粉末の化合物A-30を0.14g(0.21mmol収率23%)
得た。
【0571】
【化140】
【0572】1H-NMR(CDCl3): 1.10-2.10(m,20H) 1.45
(s,18H) 2.40(s,6H) 3.85(brdt,2H) 6.70-7.70(m,6H) FD-質量分析 : 662(M+) 元素分析 : Ti;7.1%(7.2) ( )内は計
算値
【0573】
【合成実施例61】化合物B-30の合成:充分に乾燥、ア
ルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L30;0.51g(1.
86mmol)とジエチルエーテル50mlを仕込み、-78℃に冷却
し撹拌した。これにn-ブチルリチウム1.20ml(1.61mmol
/ml n-ヘキサン溶液、1.93mmol)を5分かけて滴下し、
その後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を
続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を-78℃に
冷却した四塩化ジルコニウム(0.22g,0.94mmol)のテト
ラヒドロフラン60ml溶液に滴下した。滴下終了後、ゆっ
くりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。さらに室温
で12時間撹拌した後、トルエン60mlを加え、85℃で12時
間加熱攪拌を行った。
【0574】反応液から溶媒を留去させ、得られた固体
をジエチルエーテル100mlでリスラリーし、グラスフィ
ルターでろ過し、不溶物を取り除いた後、ろ液を減圧濃
縮した。析出した固体をヘキサンで洗浄し、減圧乾燥さ
せることにより下記式で示される乳白色粉末の化合物B-
30を0.10g(0.14mmol収率15%)得た。
【0575】
【化141】
【0576】1H-NMR(CDCl3): 0.80-2.10(m,20H) 1.45
(s,18H) 2.40(s,6H) 3.75(brdt,2H) 6.50-7.80(m,6H) FD-質量分析 : 704(M+) 元素分析 : Zr;13.3%(12.9)
( )内は計算値
【0577】
【合成実施例62】化合物A-31の合成:充分に乾燥、ア
ルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L31;1.00g(4.
22mmol)とジエチルエーテル20mlを仕込み、-78℃に冷却
し撹拌した。これにn-ブチルリチウム2.75ml(1.61mmol
/ml n-ヘキサン溶液4.43mmol)を5分かけて滴下し、そ
の後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を続
け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を、-78℃に
冷却した四塩化チタン溶液4.22ml(0.5mmol/mlヘプタン
溶液、2.11mmol)とジエチルエーテル20ml混合液に徐々
に滴下した。
【0578】滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しな
がら撹拌を続けた。室温で12時間撹拌した後、反応液を
グラスフィルターで濾過した。ろ滓を塩化メチレン50ml
で溶解し、溶解液中の不溶物を除去した後、溶解液を減
圧蒸発乾固して、得られた固体を塩化メチレンとジエチ
ルエーテルで再沈させ、減圧乾燥させて茶色粉末の化合
物A-31を0.90g(1.55mmol収率72%)得た。
【0579】
【化142】
【0580】1H-NMR(CDCl3): 6.70-7.40(m,16H) 7.90-
8.20(m,2H) FD-質量分析 : 578(M+) 元素分析 : Ti;8.0%(8.3) ( )内は計
算値
【0581】
【合成実施例63】化合物B-31の合成:充分に乾燥、ア
ルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L31;1.20g(5.
18mmol)とジエチルエーテル24mlを仕込み、-78℃に冷却
し撹拌した。これにn-ブチルリチウム3.38ml(1.61mmol
/ml n-ヘキサン溶液、5.44mmol)を5分かけて滴下し、
その後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を
続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を-78℃に
冷却した四塩化ジルコニウム(0.60g,2.57mmol)とジエ
チルエーテル24ml混合液に滴下した。滴下終了後、ゆっ
くりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。室温で12時
間撹拌した後、反応液をグラスフィルターでろ過した。
ろ物を塩化メチレン60mlで溶解したのち、溶解液中の不
溶物を除去したのち、溶解液を減圧濃縮し、析出した固
体を塩化メチレンとヘキサンで再沈させ、減圧乾燥させ
て下記式で示される緑色粉末の化合物B-31を0.20g(0.3
2mmol収率12%)得た。
【0582】
【化143】
【0583】1H-NMR(CDCl3): 6.70-7.45(m,16H) 7.90-
8.25(m,2H) FD-質量分析 : 621(M+) 元素分析 : Zr;14.9%(14.6) ( )内
は計算値
【0584】
【合成実施例64】化合物A-32の合成:充分に乾燥、ア
ルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L32;1.00g(5.
05mmol)とジエチルエーテル50mlを仕込み、-78℃に冷却
し撹拌した。これにn-ブチルリチウム3.25ml(1.63mmol
/ml n-ヘキサン溶液5.30mmol)を5分かけて滴下し、そ
の後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を続
け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を-78℃に冷
却し、四塩化チタン溶液2.52ml(0.5mmol/mlヘプタン溶
液、1.26mmol)を徐々に滴下した。滴下終了後、ゆっく
りと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。さらに室温で
12時間撹拌した後、反応液をグラスフィルターで濾過
し、ろ物をジエチルエーテルで洗浄後、塩化メチレンに
溶解し、溶解液中の不溶物を除去した後、溶解液を減圧
濃縮し、析出した固体をヘキサンで洗浄し、減圧乾燥さ
せて橙色粉末の化合物A-32を0.23g(0.45mmol収率18%)
得た。
【0585】
【化144】
【0586】FD-質量分析 : 512(M+)
【0587】
【合成実施例65】化合物A-33の合成:充分に乾燥、ア
ルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L33;1.09g(4.
39mmol)とジエチルエーテル70mlを仕込み、-78℃に冷却
し撹拌した。これにn-ブチルリチウム2.80ml(1.63mmol
/ml n-ヘキサン溶液4.56mmol)を5分かけて滴下し、そ
の後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を続
け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を-78℃に冷
却し、四塩化チタン溶液8.78ml(0.5mmol/mlヘプタン溶
液、4.39mmol)を徐々に滴下した。滴下終了後、ゆっく
りと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。さらに室温で
12時間撹拌した後、反応液をグラスフィルターで濾過
し、ろ物をジエチルエーテルで洗浄後、塩化メチレンに
溶解し、溶解液中の不溶物を除去した後、溶解液を減圧
濃縮し、析出した固体をジエチルエーテルで洗浄し、減
圧乾燥させて茶色粉末の化合物A-33を0.22g(0.36mmol
収率16%)得た。
【0588】
【化145】
【0589】FD-質量分析 : 612(M+)
【0590】
【合成実施例66】化合物A-34の合成:充分に乾燥、ア
ルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L34;0.60g(2.
13mmol)とジエチルエーテル40mlを仕込み、-78℃に冷却
し撹拌した。これにn-ブチルリチウム2.75ml(1.63mmol
/ml n-ヘキサン溶液4.48mmol)を5分かけて滴下し、そ
の後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を続
け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を-78℃に冷
却し、四塩化チタン・テトラヒドロフラン錯体0.71g
(2.13mmol)を徐々に添加した。滴下終了後、ゆっくり
と室温まで昇温しながら撹拌を続けた。さらに室温で8
時間撹拌した後、反応液をグラスフィルターで濾過し、
ろ物をジエチルエーテルで洗浄後、塩化メチレンに溶解
した。溶解液中の不溶物を除去した後、溶解液を減圧濃
縮し、析出した固体をヘキサンで洗浄し、減圧乾燥させ
て赤色粉末の化合物A-34を0.19g(0.48mmol収率23%)得
た。
【0591】
【化146】
【0592】FD-質量分析 : 398(M+)
【0593】
【合成実施例67】化合物A-35の合成:充分に乾燥、ア
ルゴン置換した100mlの反応器に、水素化ナトリウム0.1
9g(60wt%品4.75mmol)とテトラヒドロフラン50mlを仕
込み、室温で攪拌しながら化合物L35;1.00g(2.30mmol)
とテトラヒドロフラン20ml溶液を5分かけて滴下し、そ
の後ゆっくりと室温まで昇温し、50℃で2時間撹拌を続
け、ナトリウム塩溶液を調製した。この溶液を室温で攪
拌した四塩化チタン・テトラヒドロフラン錯体0.77g
(2.31mmol)とテトラヒドロフラン50ml溶液に徐々に滴
下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら
撹拌を続けた。さらに室温で8時間撹拌した後、反応液
をグラスフィルターで濾過し、ろ物をジエチルエーテル
で洗浄後、不溶物を濾過して除去した後、ろ液を減圧濃
縮し、析出した固体をジエチルエーテルでリスラリー
し、反応液をグラスフィルターで濾過し、ろ滓をジエチ
ルエーテルで洗浄した後、塩化メチレンに溶解した。溶
解液中の不純物を除去した後、溶解液を減圧濃縮し、析
出した固体をヘキサンで洗浄し、減圧乾燥させることに
より赤橙色粉末の化合物A-35を1.10g(2.00mmol収率87
%)得た。
【0594】
【化147】
【0595】FD-質量分析 : 550(M+)
【0596】
【合成実施例68】化合物A-36の合成:充分に乾燥、ア
ルゴン置換した100mlの反応器に、水素化ナトリウム0.1
9g(60wt%品4.75mmol)とテトラヒドロフラン50mlを仕
込み、室温で攪拌しながら化合物L36;1.00g(2.23mmol)
とテトラヒドロフラン20ml溶液を5分かけて滴下し、そ
の後ゆっくりと室温まで昇温し、50℃で2時間撹拌を続
け、ナトリウム塩溶液を調製した。この溶液を-78℃に
冷却し、四塩化チタン溶液4.50ml(0.5mmol/mlヘプタン
溶液、2.25mmol)を徐々に滴下した。滴下終了後、ゆっ
くりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。さらに室温
で8時間撹拌した後、反応液をグラスフィルターで濾過
し、ろ物をジエチルエーテルで洗浄した後、塩化メチレ
ンに溶解した。溶解液中の不溶物を除去した後、溶解液
を減圧濃縮し、析出した固体をヘキサンで洗浄し、減圧
乾燥させることにより橙色粉末の化合物A-36を0.55g
(0.97mmol収率44%)得た。
【0597】
【化148】
【0598】FD-質量分析 : 564(M+)
【0599】
【合成実施例69】化合物B-37の合成:充分に乾燥、ア
ルゴン置換した100mlの反応器に、水素化ナトリウム0.3
0g(60wt%品7.50mmol)とテトラヒドロフラン50mlを仕
込み、室温で攪拌しながら化合物L37;1.00g(3.16mmol)
とテトラヒドロフラン20ml溶液を5分かけて滴下し、そ
の後ゆっくりと室温まで昇温し、60℃で2時間撹拌を続
け、ナトリウム塩溶液を調製した。この溶液を室温で攪
拌した四塩化ジルコニウム・2THF錯体1.19g(3.15m
mol)とテトラヒドロフラン50ml溶液に徐々に滴下し
た。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌
を続けた。さらに室温で8時間撹拌した後、反応液をグ
ラスフィルターで濾過し、ろ物をテトラヒドロフランで
洗浄後、不溶物を濾過して除去した後、ろ液の溶媒を3
分の1程減圧濃縮し、析出した固体をグラスフィルター
で濾過し、析出物を冷テトラヒドロフランで洗浄し、減
圧乾燥させて黄色粉末の化合物B-37を1.00g(2.10mmol
収率66%)得た。
【0600】
【化149】
【0601】FD-質量分析 : 474(M+)
【0602】
【合成実施例70】化合物B-38の合成:充分に乾燥、ア
ルゴン置換した100mlの反応器に、水素化ナトリウム0.2
3g(60wt%品5.75mmol)とテトラヒドロフラン50mlを仕
込み、室温で攪拌しながら化合物L38;1.00g(2.73mmol)
とテトラヒドロフラン20ml溶液を5分かけて滴下し、そ
の後ゆっくりと室温まで昇温し、50℃で2時間撹拌を続
け、ナトリウム塩溶液を調製した。この溶液を室温で攪
拌した四塩化ジルコニウム・2THF錯体1.03g(2.73m
mol)とテトラヒドロフラン50ml溶液に徐々に滴下し
た。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌
を続けた。さらに室温で8時間撹拌した後、反応液をグ
ラスフィルターで濾過し、ろ物をテトラヒドロフランで
洗浄後、不溶物を濾過して除去した後、ろ液を2時間放
置することにより固体を析出させた。この析出固体をグ
ラスフィルターで濾過し、ろ物を冷テトラヒドロフラン
で洗浄し、減圧乾燥させて黄色粉末の化合物B-38を1.15
g(2.18mmol収率80%)得た。
【0603】
【化150】
【0604】FD-質量分析 : 524(M+)
【0605】
【合成実施例71】化合物A-39の合成:充分に乾燥、ア
ルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L39;0.50g(1.
87mmol)とジエチルエーテル50mlを仕込み、-78℃に冷却
し撹拌した。これにn-ブチルリチウム1.20ml(1.61mmol
/ml n-ヘキサン溶液1.93mmol)を5分かけて滴下し、そ
の後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を続
け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を-78℃に冷
却した四塩化チタン溶液1.87ml(0.5mmol/mlヘプタン溶
液、0.94mmol)とジエチルエーテル70ml混合液に徐々に
滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しなが
ら撹拌を続けた。さらに室温で8時間撹拌した後、反応
液をグラスフィルターで濾過し、ろ物をジエチルエーテ
ルで洗浄後、塩化メチレンに溶解させた。溶解液中の不
溶物を除去した後、溶解液を減圧濃縮し、析出した固体
をヘキサンで洗浄し、減圧乾燥させることにより赤色粉
末の化合物A-39を0.11g(0.17mmol収率18%)得た。
【0606】
【化151】
【0607】1H-NMR(CDCl3): 1.65(s,18H) 4.65(d,2H)
5.00(d,2H) 6.75-7.70(m,16H) 7.75(s,2H) FD-質量分析 : 650(M+) 元素分析 : Ti;7.2%(7.3) ( )内は計
算値
【0608】
【合成実施例72】化合物B-39の合成:充分に乾燥、ア
ルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L39;0.50g(1.
87mmol)とジエチルエーテル40mlを仕込み、-78℃に冷却
し撹拌した。これにn-ブチルリチウム1.20ml(1.61mmol
/ml n-ヘキサン溶液、1.93mmol)を5分かけて滴下し、
その後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を
続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を-78℃に
冷却した四塩化ジルコニウム・2THF錯体(0.352g,
0.93mmol)のテトラヒドロフラン50ml混合溶液に滴下し
た。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌
を続けた。さらに室温で8時間撹拌した後、反応液を60
℃で3時間加熱攪拌した後、反応液から溶媒を留去させ
た。得られた固体をジエチルエーテル50mlでリスラリー
し、グラスフィルターで不溶物を分別した。ろ物をジエ
チエルエーテル100mlで洗浄後、塩化メチレンに溶解
し、不溶物を取り除いた後、ろ液を減圧濃縮した。析出
した固体をヘキサンで洗浄し、減圧乾燥させることによ
り下記式で示される黄白色粉末の化合物B-39を0.30g
(0.43mmol収率46%)得た。
【0609】
【化152】
【0610】1H-NMR(CDCl3): 1.60(s,18H) 4.65(d,2H)
4.95(d,2H) 6.70-7.70(m,16H) 7.85(s,2H) FD-質量分析 : 694(M+) 元素分析 : Zr;12.9%(13.1)
( )内は計算値
【0611】
【合成実施例73】化合物A-40の合成:充分に乾燥、ア
ルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L40;0.58g(2.
02mmol)とジエチルエーテル40mlを仕込み、-78℃に冷却
し撹拌した。これにn-ブチルリチウム1.50ml(1.61mmol
/ml n-ヘキサン溶液2.42mmol)を5分かけて滴下し、そ
の後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を続
け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を-78℃に冷
却した四塩化チタン溶液2.00ml(0.5mmol/mlヘプタン溶
液、1.00mmol)とジエチルエーテル80ml混合液に徐々に
滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しなが
ら撹拌を続けた。さらに室温で8時間撹拌した後、反応
液をグラスフィルターで濾過し、不溶物を除去した後、
ろ液を減圧濃縮し、析出した固体を-78℃においてヘキ
サンで再沈させ、減圧乾燥して赤橙色粉末の化合物A-40
を0.19g(0.28mmol収率28%)得た。
【0612】
【化153】
【0613】1H-NMR(CDCl3): 0.80-1.80(m,18H) 6.50-
7.90(m,14H) 8.00-8.20(m,2H) FD-質量分析 : 692(M+) 元素分析 : Ti;7.0%(6.9) ( )内は計
算値
【0614】
【合成実施例74】化合物B-40の合成:充分に乾燥、ア
ルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L40;0.58g(2.
02mmol)とジエチルエーテル40mlを仕込み、-78℃に冷却
し撹拌した。これにn-ブチルリチウム1.50ml(1.61mmol
/ml n-ヘキサン溶液、2.42mmol)を5分かけて滴下し、
その後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を
続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を-78℃に
冷却した四塩化ジルコニウム・2THF錯体(0.38g,1.
00mmol)のテトラヒドロフラン80ml混合溶液に滴下し
た。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌
を続けた。さらに室温で8時間撹拌した後、反応液から
溶媒を留去させた。得られた固体をジエチルエーテル15
0mlでリスラリーし、グラスフィルターで不溶物を取り
除いた後、ろ液を減圧濃縮した。析出した固体を-78℃
においてヘキサンで再沈し、減圧乾燥させることにより
下記式で示される黄色粉末の化合物B-40を0.23g(0.31m
mol収率31%)得た。
【0615】
【化154】
【0616】1H-NMR(CDCl3): 0.80-1.70(m,18H) 6.50
-7.90(m,14H) 8.20(s,2H) FD-質量分析 : 734(M+) 元素分析 : Zr;12.2%(12.4)
( )内は計算値
【0617】
【合成実施例75】化合物A-41の合成:充分に乾燥、ア
ルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L41;0.50g(1.
15mmol)とジエチルエーテル10mlを仕込み、-78℃に冷却
し撹拌した。これにn-ブチルリチウム1.47ml(1.61mmol
/ml n-ヘキサン溶液2.36mmol)を5分かけて滴下し、そ
の後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を続
け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を、-78℃に
冷却した四塩化チタン溶液2.3ml(0.5mmol/mlヘプタン
溶液、1.15mmol)とジエチルエーテル10ml混合液に徐々
に滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しな
がら撹拌を続けた。室温で8時間撹拌した後、反応液か
ら溶媒を留去させ、得られた固体を塩化メチレン25mlに
溶解した。溶解液中の不溶物をグラスフィルターを用い
て濾過した後、溶解液を減圧濃縮し、析出した固体をジ
エチルエーテル、塩化メチレンとヘキサンで再沈させ、
減圧乾燥させることにより橙色粉末の化合物A-41を0.49
g(0.93mmol収率76%)得た。
【0618】
【化155】
【0619】FD-質量分析 : 525(M+) 元素分析 : Ti;8.9%(9.1) ( )内は計
算値
【0620】
【合成実施例76】化合物B-41の合成:充分に乾燥、ア
ルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L41;0.50g(1.
15mmol)とジエチルエーテル10mlを仕込み、-78℃に冷却
し撹拌した。これにn-ブチルリチウム1.47ml(1.61mmol
/ml n-ヘキサン溶液、2.36mmol)を5分かけて滴下し、
その後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を
続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を-78℃に
冷却した四塩化ジルコニウム・2THF錯体(0.43g,1.
15mmol)のテトラヒドロフラン10ml溶液に滴下した。滴
下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌を続け
た。室温で8時間撹拌、次いで還流下12時間撹拌後、
反応液を溶媒留去した。得られた固体を塩化メチレン25
mlに溶解させ、溶解液から不溶物をグラスフィルターで
除去した。溶解液を減圧濃縮して析出した固体を塩化メ
チレン、ジエチルエーテルとヘキサンで再沈させ、減圧
乾燥させて下記式で示される黄色粉末の化合物B-41を0.
36g(0.63mmol収率51%)得た。
【0621】
【化156】
【0622】1H-NMR(CDCl3): 1.41(s,18H) 2.10(s,2H)
3.70(s,2H) 6.94(t,2H) 7.30(dd,2H)7.50(dd,2H) 8.39
(s,2H) FD-質量分析 : 568(M+) 元素分析 : Zr;16.2%(16.0)
( )内は計算値
【0623】
【合成実施例77】化合物A-42の合成:充分に乾燥、ア
ルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L42;0.500g
(1.22mmol)とジエチルエーテル10mlを仕込み、-78℃に
冷却し撹拌した。これにn-ブチルリチウム1.52ml(1.61
mmol/ml n-ヘキサン溶液2.45mmol)を5分かけて滴下
し、その後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹
拌を続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を、-7
8℃に冷却した四塩化チタン溶液2.45ml(0.5mmol/mlヘ
プタン溶液、1.23mmol)とジエチルエーテル10ml混合液
に徐々に滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇
温しながら撹拌を続けた。室温で8時間撹拌した後、反
応液を溶媒留去し、得られた固体を塩化メチレン25mlに
溶解した。溶解液から不溶物をグラスフィルターで濾過
した後、溶解液を減圧濃縮し、析出した固体をジエチル
エーテル、塩化メチレンとヘキサンで再沈させ、減圧乾
燥させることにより赤茶色粉末の化合物A-42を0.25g
(0.45mmol収率40%)得た。
【0624】
【化157】
【0625】FD-質量分析 : 552(M+) 元素分析 : Ti;9.0%(8.7) ( )内は計
算値
【0626】
【合成実施例78】化合物B-42の合成:充分に乾燥、ア
ルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L42;0.50g(1.
22mmol)とジエチルエーテル10mlを仕込み、-78℃に冷却
し撹拌した。これにn-ブチルリチウム1.52ml(1.61mmol
/ml n-ヘキサン溶液、2.45mmol)を5分かけて滴下し、
その後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を
続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を-78℃に
冷却した四塩化ジルコニウム・2THF錯体(0.46g,1.
22mmol)のテトラヒドロフラン10ml溶液に滴下した。滴
下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌を続け
た。室温で8時間撹拌、次いで還流下6時間撹拌後、反応
液から溶媒を留去させた。得られた固体を塩化メチレン
25mlに溶解させ、溶解液中の不溶物をグラスフィルター
で不溶物を除去した。溶解液を減圧濃縮し、析出した固
体を塩化メチレン、ジエチルエーテルとヘキサンで再沈
させ、減圧乾燥させることにより下記式で示される黄色
粉末の化合物B-42を0.22g(0.37mmol収率32%)得た。
【0627】
【化158】
【0628】FD-質量分析 : 596(M+) 元素分析 : Zr;15.5%(15.3)
( )内は計算値 なお、以上の遷移金属化合物合成における操作はすべて
アルゴン、もしくは窒素雰囲気下行い、溶媒は市販の無
水溶媒を用いた。
【0629】以下に本発明に係る重合方法の具体的な実
施例を示す。
【0630】
【実施例1】充分に窒素置換した内容積500mlのガ
ラス製オートクレーブにトルエン250mlを装入し、
エチレン100リットル/hrで液相および気相をエチレ
ンで飽和させた。その後、メチルアルミノキサン(MA
O)をアルミニウム原子換算で1.1875mmol、引き
続き、前記合成実施例1で得られた化合物A-1 を0.0
0475mmol加え重合を開始した。常圧のエチレンガス
雰囲気下、25℃で30分間反応させた後、少量のイソ
ブタノールを添加することにより重合を停止した。重合
終了後、反応物を大量のメタノールに投入してポリマー
を全量析出させた後、塩酸を加えてグラスフィルターで
濾過した。ポリマーを80℃、10時間で減圧乾燥した
後、ポリエチレン(PE)を8.02g得た。
【0631】重合活性は3400g/mmol-Ti・hrであり、
得られたポリエチレンの極限粘度[η]は8.44dl
/gであった。
【0632】
【実施例2】充分に窒素置換した内容積500mlのガ
ラス製オートクレーブに、トルエン250mlを装入
し、エチレン100リットル/hrで液相、及び気相を飽
和させた。その後、メチルアルミノキサンをアルミニウ
ム原子換算で1.25mmol、化合物A-1 を0.00
5mmol加え、重合を開始した。50℃にて10分間
重合を行った後、少量のイソブタノールを添加すること
により重合を停止した。
【0633】得られたポリマ−懸濁液を、少量の塩酸を
含む1.5リットルのメタノール中に加えてポリマーを
析出させた。グラスフィルターでろ過し溶媒を除いた
後、メタノールで洗浄し、80℃にて10時間減圧乾燥
した。得られたポリエチレンは、3.30gであり、重
合活性は3960g/mmol-Ti・hrであり、極限粘度[η]
は6.37dl/gであった。
【0634】
【実施例3】重合温度を75℃にした以外は実施例2と
同様に重合を行った。結果を表1に示す。
【0635】
【実施例4】重合温度を25℃にし、かつエチレンとと
もに水素を2リットル/hrで供給した以外は、実施例2
と同様に重合を行った。結果を表1に示す。
【0636】
【実施例5】充分に窒素置換した内容積500mlのガ
ラス製オートクレーブにトルエン250mlを装入し、
液相および気相をエチレン100リットル/hr で飽和さ
せた。その後、トリイソブチルアルミニウム(TIB
A)を0.25mmol、引き続き化合物A-1 を0.0
05mmol、トリフェニルカルベニウムテトラキス
(ペンタフルオロフェニル)ボレート(TrB)を0.
006mmol加え重合を開始した。常圧のエチレンガ
ス雰囲気下、25℃で1時間反応させた後、少量のイソ
ブタノールを添加することにより重合を停止した。重合
終了後、反応物を大量のメタノールに投入してポリマー
を全量析出させた後、塩酸を加えてグラスフィルターで
濾過した。ポリマーを80℃にて10時間減圧乾燥した
後、ポリエチレン(PE)を0.50g得た。
【0637】重合活性は100g/mmol-Ti・hrであり、極
限粘度[η]は10.6dl/gであった。
【0638】
【実施例6】充分に窒素置換した内容積500mlのガ
ラス製オートクレーブに、トルエン250mlを装入
し、エチレン100リットル/hrで液相及び気相を飽和
させた。その後、トリイソブチルアルミニウム0.25
mmol、化合物A-1 を0.005mmol、トリフェ
ニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニ
ル)ボレートを0.006mmol加え、重合を開始し
た。75℃にて30分間重合を行った後、少量のイソブ
タノールを添加することにより重合を停止した。
【0639】得られたポリマ−懸濁液を、少量の塩酸を
含む1.5リットルのメタノール中に加えてポリマーを
析出させた。グラスフィルターでろ過して溶媒を除いた
後、メタノールで洗浄し、80℃にて10時間減圧乾燥
した。得られたポリエチレンは、0.71gであり、重
合活性は280g/mmol-Ti・hrであり、極限粘度[η]は
7.22dl/gであった。
【0640】
【実施例7】充分に窒素置換した内容積500mlのガ
ラス製オートクレーブに、トルエン250mlを装入
し、エチレン100リットル/hrで液相、及び気相を飽
和させた。その後、メチルアルミノキサンをアルミニウ
ム原子換算で2.5mmol、引き続き、前記合成実施例2
で得られたジルコニウム化合物B-1 を0.005mmol加
え重合を開始した。常圧のエチレンガス雰囲気下、25
℃で5分間反応させた後、少量のイソブタノールを添加
することにより重合を停止した。重合終了後、反応物を
大量のメタノールに投入してポリマーを全量析出させた
後、塩酸を加えてグラスフィルターで濾過した。ポリマ
ーを80℃にて10時間減圧乾燥した後、ポリエチレン
を6.10g得た。
【0641】重合活性は14600g/mmol-Zr・hrであ
り、極限粘度[η]は0.30dl/gであった。
【0642】
【実施例8〜24】重合条件を表1に示すように変えた
以外は、実施例7と同様にしてエチレンの重合を行っ
た。結果を表1に示す。
【0643】
【実施例25】充分に窒素置換した内容積500mlの
ガラス製オートクレーブに、トルエン250mlを装入
し、エチレン100リットル/hrで液相及び気相を飽和
させた。その後、トリイソブチルアルミニウムを0.2
5mmolを加えた後、トリイソブチルアルミニウムを
0.05mmol、化合物B-1 を0.005mmolお
よびトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフル
オロフェニル)ボレート0.006mmol予め混合し
た溶液を加え重合を開始した。常圧のエチレンガス雰囲
気下、25℃で5分間重合を行った後、少量のイソブタ
ノールを添加することにより重合を停止した。得られた
ポリマー溶液を、少量の塩酸を含む1.5リットルのメ
タノール中に加えてポリマーを析出させた。メタノール
で洗浄後、80℃にて10時間減圧乾燥した。得られた
ポリエチレンは、0.99gであり、重合活性は238
0g/mmol-Zr・hrであり、極限粘度[η]は22.4dl
/gであった。
【0644】
【実施例26】充分に窒素置換した内容積500mlの
ガラス製オートクレーブに、トルエン250mlを装入
し、エチレン100リットル/hrで液相及び気相を飽和
させた。その後、トリイソブチルアルミニウムを0.2
5mmol、次いで化合物B-1を0.0005mmo
l、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフル
オロフェニル)ボレートを0.001mmol加え重合
を開始した。常圧のエチレンガス雰囲気下、25℃で1
0分間反応させた。重合終了後、反応物を大量のメタノ
ールに投入してポリマーを全量析出させた後、塩酸を加
えてグラスフィルターで濾過した。ポリマーを80℃に
て10時間減圧乾燥した後、ポリエチレンを0.34g
得た。
【0645】重合活性は4080g/mmol-Zr・hrであり、
極限粘度[η]は12.6dl/gであった。
【0646】
【実施例27〜31】重合条件を表1に示すように変え
た以外は、実施例26と同様にしてエチレンの重合を行
った。結果を表1に示す。
【0647】
【表1】
【0648】
【実施例32〜36】表2に示す化合物を用いて、表2
に示すように重合条件を変えた以外は、実施例7と同様
にしてエチレンの重合を行った。結果を表2に示す。
【0649】
【表2】
【0650】
【実施例37〜52】表3に示す化合物を用いて、表3
に示すような重合条件で、助触媒としてメチルアルミノ
キサンを用いた場合には、実施例7と同様にしてエチレ
ンの重合を行った。また、助触媒としてトリイソブチル
アルミニウムおよびトリフェニルカルベニウムテトラキ
ス(ペンタフルオロフェニル)ボレートを用いた場合に
は、実施例26と同様にしてエチレンの重合を行った。
【0651】結果を表3に示す。
【0652】
【表3】
【0653】
【実施例53〜78】表4に示す化合物を用いて、表4
に示すような重合条件で、助触媒としてメチルアルミノ
キサンを用いた場合には実施例7と同様にしてエチレン
の重合を行った。また、助触媒としてトリイソブチルア
ルミニウムおよびトリフェニルカルベニウムテトラキス
(ペンタフルオロフェニル)ボレートを用いた場合に
は、実施例26と同様にしてエチレンの重合を行った。
【0654】結果を表4に示す。
【0655】
【表4】
【0656】
【実施例79〜111】表5に示す化合物を用いて、表
5に示すような重合条件で、助触媒としてメチルアルミ
ノキサンを用いた場合には実施例7と同様にしてエチレ
ンの重合を行った。また、助触媒としてトリイソブチル
アルミニウムおよびトリフェニルカルベニウムテトラキ
ス(ペンタフルオロフェニル)ボレートを用いた場合に
は、実施例26と同様にしてエチレンの重合を行った。
【0657】結果を表5に示す。
【0658】
【表5】
【0659】
【実施例112〜121】表6に示す化合物を用いて、
表6に示すような重合条件で、助触媒としてメチルアル
ミノキサンを用いた場合には実施例7と同様にしてエチ
レンの重合を行った。また、助触媒としてトリイソブチ
ルアルミニウムおよびトリフェニルカルベニウムテトラ
キス(ペンタフルオロフェニル)ボレートを用いた場合
には、実施例26と同様にしてエチレンの重合を行っ
た。
【0660】結果を表6に示す。
【0661】
【表6】
【0662】
【実施例122〜130】表7に示す化合物を用いて、
表7に示すような重合条件で、助触媒としてメチルアル
ミノキサンを用いた場合には実施例7と同様にしてエチ
レンの重合を行った。また、助触媒としてトリイソブチ
ルアルミニウムおよびトリフェニルカルベニウムテトラ
キス(ペンタフルオロフェニル)ボレートを用いた場合
には、実施例26と同様にしてエチレンの重合を行っ
た。
【0663】結果を表7に示す。
【0664】
【表7】
【0665】
【実施例131】充分に窒素置換した内容積500ml
のガラス製オートクレーブに、トルエン250mlを装
入し、エチレン50リットル/hr、プロピレン150リ
ットル/hrの混合ガスで液相および気相を飽和させた。
その後、メチルアルミノキサンをアルミニウム原子換算
で1.25mmol、化合物A-1 を0.005mmol加え、共
重合を開始した。25℃で15分間共重合を行った後、
少量のイソブタノールを添加することにより重合を停止
した。
【0666】得られたポリマー懸濁液を、少量の塩酸を
含む1.5リットルのメタノール中に加えてポリマーを
析出させた。グラスフィルターでろ過して溶媒を除いた
後、メタノールで洗浄し、80℃にて10時間減圧乾燥
した。得られたエチレン・プロピレン共重合体は、0.
95gであり、重合活性は760g/mmol-Ti・hrであり、
IRにより測定したプロピレン含量は4.67mol%であ
り、極限粘度[η]は2.21dl/gであった。
【0667】
【実施例132】充分に窒素置換した内容積500ml
のガラス製オートクレーブに、トルエン250mlを装
入し、エチレン100リットル/hr、プロピレン100
リットル/hrの混合ガスで液相および気相を飽和させ
た。その後、トリイソブチルアルミニウムを0.25m
mol加えた後、トリイソブチルアルミニウムを0.0
25mmol、化合物B-1 を0.0025mmolおよ
びトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオ
ロフェニル)ボレート(TrB)を0.005mmol
あらかじめ混合した溶液を加え、共重合を開始した。5
0℃で5分間共重合を行った後、少量のイソブタノール
を添加することにより重合を停止した。
【0668】得られたポリマー溶液を、少量の塩酸を含
む1.5リットルのメタノール中に加えてポリマーを析
出させた。析出したポリマーはメタノールで洗浄したの
ち、130℃にて10時間減圧乾燥した。得られたエチ
レン・プロピレン共重合体は、1.63gであり、重合
活性は7820g/mmol-Zr・hrであり、IRにより測定し
たプロピレン含量は20.7mol%であり、極限粘度
[η]は13.4dl/gであった。
【0669】
【実施例133】化合物B-1 を用いて、モノマーの流量
をエチレン50リットル/hr、プロピレン150リット
ル/hr に変え、かつ重合温度および触媒量を表8に示す
ように変えた以外は、実施例132と同様にして、共重
合を行った。
【0670】結果を表8に示す。
【0671】
【実施例134〜149】表8に示す化合物を用いて、
実施例131と同様にして共重合を行った。結果を表8
に示す。
【0672】
【表8】
【0673】
【実施例150】充分に窒素置換した内容積500ml
のガラス製オートクレーブにトルエン250mlを装入
し、さらに系内にエチレン100リットル/hとブタジ
エン20リットル/hを流通させた。10分後、メチル
アルミノキサンをアルミニウム原子換算で5.0mmo
l、引き続き、チタン化合物A-1 を0.01mmol加
え重合を開始した。常圧でエチレンとブタジエンの混合
ガスを流通させながら、25℃で20分間反応させた
後、少量のメタノールを加え重合を停止した。反応物を
大量の塩酸-メタノールに投入してポリマーを全量析出
後、グラスフィルターで濾過した。80℃、10時間減
圧乾燥すると、エチレン/ブタジエン共重合体0.53
gが得られた。
【0674】チタン1mmol当たりの重合活性は14
9gであり、得られた共重合体の極限粘度[η]は1.
46dl/gであった。またNMR分析より共重合体の
全ブタジエンユニットの含量は0.9モル%(1,4-シス
体と1,4-トランス体が合わせて0.8モル%、1,2-viny
l 体が0.1モル%、シクロペンタン骨格は0.1モル
%未満(検出限界以下))であった。
【0675】
【実施例151】実施例150においてチタン化合物A-
1 にかえて、ジルコニウム化合物B-1 を用い、重合時間
を5分とした他は同様の操作で重合を行った。得られた
共重合体の収量は、2.65gであった。
【0676】ジルコニウム1mmol当たりの重合活性
は3180gであり、得られた共重合体の極限粘度
[η]は0.70dl/gであった。またNMR分析よ
り共重合体の全ブタジエンユニットの含量は1.2mo
l%(1,4-シス体と1,4-トランス体が合わせて1.1モ
ル%、1,2-vinyl 体が0.1モル%、シクロペンタン骨
格は0.1モル%未満(検出限界以下))であった。
【0677】
【実施例152】実施例151で重合時間を20分間、
エチレンの流量を20リットル/h、ブタジエンの流量
を80リットル/hにした他は同様の操作で重合を行っ
た。得られた共重合体の収量は、0.74gであった。
【0678】ジルコニウム1mmol当たりの重合活性
は446gであり、得られた共重合体の極限粘度[η]
は0.87dl/gであった。またNMR分析より共重
合体のブタジエンユニットの含量は5.3mol%(1,
4-シス体と1,4-トランス体が合わせて4.7モル%、1,
2-vinyl 体が0.6モル%、シクロペンタン骨格は0.
1モル%未満(検出限界以下))であった。
【0679】
【実施例153】実施例151で重合時間を5分間、エ
チレンの流量を50リットル/h、ブタジエンの流量を
50リットル/hにした以外は、実施例151と同様の
操作で重合を行った。得られた共重合体の収量は、0.
57gであった。
【0680】ジルコニウム1mmol当たりの重合活性
は342gであり、得られた共重合体の極限粘度[η]
は0.34dl/gであった。またNMR分析より共重
合体のブタジエンユニットの含量は2.4mol%(1,
4-シス体と1,4-トランス体が合わせて2.3モル%、1,
2-vinyl 体が0.1モル%、シクロペンタン骨格は0.
1モル%未満(検出限界以下))であった。
【0681】
【実施例154】実施例153において、重合温度を5
0℃とした以外は実施例153と同様の操作で重合を行
った。得られた共重合体の収量は、0.627gであっ
た。
【0682】重合活性は1488g/mmol-Zr・hrであり、
得られた共重合体の極限粘度[η]は0.16dl/g
であった。またNMR分析より共重合体のブタジエンユ
ニットの含量は3.3mol%(1,4-シス体と1,4-トラ
ンス体が合わせて3.2モル%、1,2-vinyl 体が0.1
モル%、シクロペンタン骨格は0.1モル%未満(検出
限界以下))であった。
【0683】
【実施例155】実施例153において、重合温度を5
0℃、エチレンの流量を40リットル/hr、ブタジエン
の流量を60リットル/hrとした以外は、実施例153
と同様の操作で重合を行った。得られた共重合体の収量
は0.37gであった。
【0684】重合活性は888g/mmol-Zr・hrであり、得
られた共重合体の極限粘度[η]は0.17dl/gで
あった。またNMR分析より共重合体のブタジエンユニ
ットの含量は4.8mol%(1,4-シス体と1,4-トラン
ス体が合わせて4.6モル%、1,2-vinyl 体が0.2モ
ル%、シクロペンタン骨格は0.1モル%未満(検出限
界以下))であった。
【0685】
【実施例156】実施例153において、重合温度を6
0℃、エチレンの流量を40リットル/hr、ブタジエン
の流量を60リットル/hrとした以外は、実施例153
と同様の操作で重合を行った。得られた共重合体の収量
は0.417gであった。
【0686】重合活性は984g/mmol-Zr・hrであり、得
られた共重合体の極限粘度[η]は0.12dl/gで
あった。またNMR分析より共重合体のブタジエンユニ
ットの含量は5.8mol%(1,4-シス体と1,4-トラン
ス体が合わせて5.6モル%、1,2-vinyl 体が0.2モ
ル%、シクロペンタン骨格は0.1モル%未満(検出限
界以下))であった。GPCにより測定した分子量分布
(Mw/Mn)は1.85であった。
【0687】
【実施例157】実施例153において、重合温度を5
0℃、エチレンの流量を30リットル/hr、ブタジエン
の流量を70リットル/hrとした以外は、実施例153
と同様の操作で重合を行った。得られた共重合体の収量
は0.24gであった。
【0688】重合活性は576g/mmol-Zr・hrであり、得
られた共重合体の極限粘度[η]は0.14dl/gで
あった。またNMR分析より共重合体のブタジエンユニ
ットの含量は6.6mol%(1,4-シス体と1,4-トラン
ス体が合わせて6.3モル%、1,2-vinyl 体が0.2モ
ル%、シクロペンタン骨格は0.1モル%未満(検出限
界以下))であった。GPCにより測定した分子量分布
(Mw/Mn)は2.05であった。
【0689】
【実施例158】充分に窒素置換したSUS製1リット
ルオートクレーブに、ヘプタン500mlを装入し、5
0℃にして、エチレンで、液相および気相を飽和させ
た。その後、メチルアルミノキサンをアルミニウム原子
換算で1.25mmol、化合物A-1 を0.001mm
olを加え、エチレン圧力8kg/cm2-G にて15分
間重合を行った。
【0690】得られたポリマー懸濁液に少量の塩酸を含
む1.5リットルのメタノールを加えてポリマーを析出
させ、グラスフィルターで濾過し、溶媒を除いた後、メ
タノールで洗浄し、80℃にて10時間減圧乾燥した。
得られたポリエチレンは11.22gであり、重合活性
は44.9kg/mmol-Ti・hrであり、極限粘度[η]は
7.91dl/gであった。
【0691】
【実施例159〜162】実施例158において、表9
に示した化合物を用いて、表9に示すように重合条件を
変えた以外は、実施例158と同様にして重合を行っ
た。
【0692】結果を表9に示す。
【0693】
【表9】
【0694】
【実施例163】固体触媒成分の調製 250℃で10時間乾燥したシリカ10kgを154リ
ットルのトルエンで懸濁状にした後、0℃まで冷却し
た。その後メチルアルミノキサン溶液(Al=1.33
モル/リットル)57.5リットルを1時間で滴下し
た。この際系内の温度を0℃に保った。引き続き0℃で
30分間反応させ、次いで1.5時間かけて95℃まで
昇温し、その温度で20時間反応させた。その後60℃
まで降温し、上澄み液をデカンテーション法によって除
去した。得られた固体触媒成分をトルエンで2回洗浄し
た後、トルエンで再懸濁化して固体触媒成分(A)を得
た(全容積200リットル)。
【0695】このようにして得られた固体触媒成分
(A)の懸濁液22.4mlを200mlのガラス製フ
ラスコへ移し、更にトルエン175mlと化合物A−1
のトルエン溶液(Ti=0.01mmol/リットル)
4.8mlとを加え、室温で2時間攪拌した。この懸濁
液をヘキサン200mlで3回洗浄し、ヘキサンを加え
て200mlの懸濁液として固体触媒成分(B)を得
た。
【0696】重合 十分に窒素置換したSUS製2リットルオートクレーブ
に、ヘプタン1リットルを装入し、50℃にしてエチレ
ンで気相と液相を飽和させた。その後、トリイソブチル
アルミニウム1.0mmol、固体触媒成分(B)を、
含有するTi原子に換算して0.005mmol加え、
エチレン圧力8kg/cm2-G にて90分間重合を行っ
た。
【0697】得られたポリマー懸濁液をグラスフィルタ
ーでろ過し、ヘキサン500mlで2回洗浄し、80℃
にて10時間減圧乾燥した。得られたポリエチレンは
8.96gであり、重合活性は1790g/mmol-Ti・h
r 、極限粘度[η]は11.7dl/gであった。
【0698】
【実施例164】充分に窒素置換した200ml反応器
に、ヘプタン60ml、1-ヘキセン40mlを加え、2
5℃で撹拌した。ついでトリイソブチルアルミニウム
0.25mmolを加えた後、あらかじめ混合しておい
たトリイソブチルアルミニウム0.1mmol、化合物
A−1を0.01mmol、トリフェニルカルベニウム
テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート0.0
12mmolの溶液を加え、重合を開始した。25℃で
1時間反応を行った後、少量のイソブタノールを添加す
ることにより重合を停止した。
【0699】得られたポリマー懸濁液を、アセトン1リ
ットル中に少しずつ加えてポリマーを析出させ、溶媒と
分離した後、130℃にて10時間減圧乾燥した。得ら
れたポリヘキセンは3.15gであり、重合活性は31
5g/mmol-Ti・hr、GPC(ポリスチレン換算)で測定し
た分子量は、Mw=146万、Mw/Mn=2.06で
あった。
【0700】
【実施例165】充分に窒素置換した500ml反応器
に、トルエン250mlを加え、25℃で液相および気
相をエチレンで飽和させた。その後、ブタジエン80リ
ットル/hrを流通させながらトリイソブチルアルミニウ
ムを1.0mmol、引き続きチタン化合物A-1 を0.
01mmol、トリフェニルカルベニウムテトラキス
(ペンタフルオロフェニル)ボレートを0.02mmo
l加え重合を開始した。25℃で20分間反応させたの
ち、少量のイソブタノールを添加することにより重合を
停止した。重合終了後、反応物を大量のメタノールに投
入してポリマーを全量析出させた後、塩酸を加えてグラ
スフィルターで濾過した。ポリマーを80℃にて10時
間減圧乾燥したのち、ポリブタジエン1.481gが得
られた。
【0701】重合活性は444g/mmol-Ti・hrであり、得
られたポリブタジエンの分子量はMw=176万(ポリ
スチレン換算)であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る第1のオレフィン重合用
触媒の調製工程を示す。
【図2】図2は、本発明に係る第2のオレフィン重合用
触媒の調製工程を示す。
【図3】図3は、合成実施例1で製造された遷移金属化
合物A−1のX線結晶構造解析から得られた構造を示
す。
【図4】図4は、合成実施例2で製造された遷移金属化
合物B−1のX線結晶構造解析から得られた構造を示
す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平10−50541 (32)優先日 平成10年3月3日(1998.3.3) (33)優先権主張国 日本(JP) 前置審査 (72)発明者 松 居 成 和 山口県玖珂郡和木町和木六丁目1番2号 三井化学株式会社内 (72)発明者 斎 藤 純 治 山口県玖珂郡和木町和木六丁目1番2号 三井化学株式会社内 (72)発明者 二田原 正 利 山口県玖珂郡和木町和木六丁目1番2号 三井化学株式会社内 (72)発明者 杉 清 明 山口県玖珂郡和木町和木六丁目1番2号 三井化学株式会社内 (72)発明者 槇 尾 晴 之 山口県玖珂郡和木町和木六丁目1番2号 三井化学株式会社内 (72)発明者 筒 井 俊 之 山口県玖珂郡和木町和木六丁目1番2号 三井化学株式会社内 (56)参考文献 特開 平11−171931(JP,A) 特公 昭42−796(JP,B1) 特表 平6−509981(JP,A) Pier Giorgio Cozz i, Emma Gallo, and Carlo Floriani,(H ydroxyphenyl)oxazo line:A Novel and r emarkably Facile E ntry into the Area of Chiral Cationi c Alkylz,Orgnometa llics,1995年,14/10,4994− 4996 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 4/60 - 4/70

Claims (17)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)下記一般式(I)で表される遷移金
    属化合物と、 (B)(B-1) 有機金属化合物、(B-2) 有機アルミニウム
    オキシ化合物、および(B-3) 遷移金属化合物(A)と反
    応してイオン対を形成する化合物から選ばれる少なくと
    も1種の化合物とからなることを特徴とするオレフィン
    重合用触媒; 【化1】 (式中、Mは周期律表 3,4,5,6 族および 8 の遷移金属
    原子を示し、mは、1〜6の整数を示し、R1〜R6は、
    互いに同一でも異なっていてもよく、 1 は、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物
    残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ
    含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有
    基、またはスズ含有基を示し、 2 〜R6は、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘ
    テロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素
    含有基、イオウ含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲ
    ルマニウム含有基、またはスズ含有基を示し[(但し、R
    6が水素である場合は、 2 は水素原子または炭化水素基
    である)]、これらのうちの2個以上が互いに連結して環
    を形成していてもよく、また、mが2以上の場合にはR
    1〜R6で示される基のうち2個の基が連結されていても
    よく(但し、R1同士が結合されることはない)、n
    は、Mの価数を満たす数であり、Xは、水素原子、ハロ
    ゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、窒
    素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、リン含
    有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素
    含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示
    し、nが2以上の場合は、Xで示される複数の基は互い
    に同一でも異なっていてもよく、またXで示される複数
    の基は互いに結合して環を形成してもよい。)
  2. 【請求項2】前記一般式(I)においてR6が、ハロゲ
    ン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有
    基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含
    有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ
    含有基である請求項1に記載のオレフィン重合用触媒。
  3. 【請求項3】前記一般式(I)で表される遷移金属化合
    物が下記一般式(I-a)で表される遷移金属化合物であ
    ることを特徴とする請求項1に記載のオレフィン重合用
    触媒; 【化2】 (式中、Mは周期律表 3,4,5,6 族および 8 の遷移金属
    原子を示し、mは、1〜3の整数を示し、R1 〜R
    6 は、互いに同一でも異なっていてもよく、 1 は、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物
    残基、炭化水素置換シリル基、炭化水素置換シロキシ
    基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリーロキシ基、
    アリールチオ基、アシル基、エステル基、チオエステル
    基、アミド基、イミド基、アミノ基、イミノ 基、スルホ
    ンエステル基、スルホンアミド基、シアノ基、ニトロ
    基、カルボキシル基、スルホ基、メルカプト基またはヒ
    ドロキシ基を示しR 2 〜R6は、水素原子、ハロゲン原
    子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、炭化水素置換
    シリル基、炭化水素置換シロキシ基、アルコキシ基、ア
    ルキルチオ基、アリーロキシ基、アリールチオ基、アシ
    ル基、エステル基、チオエステル基、アミド基、イミド
    基、アミノ基、イミノ基、スルホンエステル基、スルホ
    ンアミド基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、ス
    ルホ基、メルカプト基またはヒドロキシ基を示し[(但
    し、R6が水素である場合は、 2 は水素原子または炭化
    水素基である)]、これらのうちの2個以上が互いに連結
    して環を形成していてもよく、また、mが2以上の場合
    にはR1〜R6で示される基のうち2個の基が連結されて
    いてもよく(但し、R1同士が結合されることはな
    い)、nは、Mの価数を満たす数であり、Xは、水素原
    子、ハロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、イオウ含
    有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有
    基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残
    基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含
    有基を示し、nが2以上の場合は、Xで示される複数の
    基は互いに同一でも異なっていてもよく、またXで示さ
    れる複数の基は互いに結合して環を形成してもよい。)
  4. 【請求項4】前記一般式(I-a)においてR6が、ハロゲ
    ン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、炭化水素
    置換シリル基、炭化水素置換シロキシ基、アルコキシ
    基、アルキルチオ基、アリーロキシ基、アリールチオ
    基、アシル基、エステル基、チオエステル基、アミド
    基、イミド基、アミノ基、イミノ基、スルホンエステル
    基、スルホンアミド基、シアノ基、ニトロ基、カルボキ
    シル基、スルホ基、メルカプト基またはヒドロキシ基で
    ある請求項3に記載のオレフィン重合用触媒。
  5. 【請求項5】前記一般式(I)で表される遷移金属化合
    物が下記一般式(I-a-1)で表される遷移金属化合物で
    あることを特徴とする請求項1に記載のオレフィン重合
    用触媒; 【化3】 (式中、Mは周期律表 3,4,5,6 族および 8 の遷移金属
    原子を示し、mは、1〜3の整数を示し、R1 〜R
    6 は、互いに同一でも異なっていてもよく、 1 はハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残
    基、炭化水素置換シリル基、炭化水素置換シロキシ基、
    アルコキシ基、アルキルチオ基、アリーロキシ基、アリ
    ールチオ基、アシル基、エステル基、チオエステル基、
    アミド基、イミド基、アミノ基、イミノ基、スルホンエ
    ステル基、スルホンアミド基、シアノ基、ニトロ基また
    はヒドロキシ基を示し 、 R2〜R6は水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテ
    ロ環式化合物残基、炭化水素置換シリル基、炭化水素置
    換シロキシ基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリー
    ロキシ基、アリールチオ基、アシル基、エステル基、チ
    オエステル基、アミド基、イミド基、アミノ基、イミノ
    基、スルホンエステル基、スルホンアミド基、シアノ
    基、ニトロ基またはヒドロキシ基を示し[(但し、R6
    水素である場合は、 2 は水素原子または炭化水素基で
    ある)]、 これらのうちの2個以上が互いに連結して環を形成して
    いてもよく、また、mが2以上の場合にはR1〜R6で示
    される基のうち2個の基が連結されていてもよく(但
    し、R1同士が結合されることはない)、nは、Mの価
    数を満たす数であり、Xは、水素原子、ハロゲン原子、
    炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20
    のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基ま
    たはケイ素含有基を示し、nが2以上の場合は、Xで示
    される複数の基は互いに同一でも異なっていてもよく、
    またXで示される複数の基は互いに結合して環を形成し
    てもよい。)
  6. 【請求項6】前記一般式(I-a-1)においてR6が、ハロ
    ゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、炭化水
    素置換シリル基、炭化水素置換シロキシ基、アルコキシ
    基、アルキルチオ基、アリーロキシ基、アリールチオ
    基、アシル基、エステル基、チオエステル基、アミド
    基、イミド基、アミノ基、イミノ基、スルホンエステル
    基、スルホンアミド基、シアノ基、ニトロ基またはヒド
    ロキシ基である請求項5に記載のオレフィン重合用触
    媒。
  7. 【請求項7】前記一般式(I)で表される遷移金属化合
    物が、下記一般式(I-b)で表される遷移金属化合物で
    あることを特徴とする請求項1に記載のオレフィン重合
    用触媒; 【化4】 (式中、Mは周期律表 3,4,5,6 族および 8 の遷移金属
    原子を示し、mは、1〜6の整数を示し、R1〜R6は、
    互いに同一でも異なっていてもよく、 1 は、ハロゲン原子、炭化水素基、炭化水素置換シリ
    ル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、エステル基、ア
    ミド基、アミノ基、スルホンアミド基、ニトリル基また
    はニトロ基を示し、1〜R6は、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、炭
    化水素置換シリル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、
    エステル基、アミド基、アミノ基、スルホンアミド基、
    ニトリル基またはニトロ基を示し[(但し、R6が水素で
    ある場合は、 2 は水素原子または炭化水素基であ
    )]、これらのうちの2個以上の基が互いに連結して環
    を形成していてもよく、また、mが2以上の場合にはR
    1〜R6で示される基のうち2個の基が連結されていても
    よい(但し、R1同士が結合されることはない)。)
  8. 【請求項8】前記一般式(I-b)においてR6が、ハロゲ
    ン原子、炭化水素基、炭化水素置換シリル基、アルコキ
    シ基、アリーロキシ基、エステル基、アミド基、アミノ
    基、スルホンアミド基、シアノ基またはニトロ基である
    ことを特徴とする請求項7に記載のオレフィン重合用触
    媒。
  9. 【請求項9】遷移金属化合物(A)において、Mが周期
    律表第3〜5族から選ばれる少なくとも1種の遷移金属
    原子であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに
    記載のオレフィン重合用触媒。
  10. 【請求項10】請求項1ないし9のいずれかに記載の遷
    移金属化合物(A)と、(B-1) 有機金属化合物、(B-2)
    有機アルミニウムオキシ化合物およひ(B-3) イオン化イ
    オン性化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物
    (B)に加えて、担体(C)を含むことを特徴とするオ
    レフィン重合用触媒。
  11. 【請求項11】請求項1ないし10のいずれかに記載の
    オレフィン重合用触媒の存在下にオレフィンを重合また
    は共重合することを特徴とするオレフィンの重合方法。
  12. 【請求項12】下記一般式(III)で表されることを特
    徴とする遷移金属化合物; 【化5】 (式中、Mは周期律表第4または5族の遷移金属原子を
    示し、mは、1〜3の整数を示し、R1は、炭化水素
    基、炭化水素置換シリル基、炭化水素置換シロキシ基、
    アルコキシ基、アルキルチオ基、アリーロキシ基、アリ
    ールチオ基、エステル基、チオエステル基、スルホンエ
    ステル基またはヒドロキシ基を示し、R2〜R5は、互い
    に同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原
    子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、炭化水素置換
    シリル基、炭化水素置換シロキシ基、アルコキシ基、ア
    ルキルチオ基、アリーロキシ基、アリールチオ基、エス
    テル基、チオエステル基、アミド基、イミド基、アミノ
    基、イミノ基、スルホンエステル基、スルホンアミド
    基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、スルホ基、
    メルカプト基またはヒドロキシ基を示し、R6は、ハロ
    ゲン原子、炭化水素基、炭化水素置換シリル基、炭化水
    素置換シロキシ基、アルコキシ基、アルキルチオ基、ア
    リーロキシ基、アリールチオ基、エステル基、チオエス
    テル基、アミド基、イミド基、イミノ基、スルホンエス
    テル基、スルホンアミド基またはシアノ基を示し、R1
    〜R6のうちの2個以上が互いに連結して環を形成して
    いてもよく、また、mが2以上の場合にはR1〜R6で示
    される基のうち2個の基が連結されていてもよく(但
    し、R1同士が結合されることはない)、nは、Mの価
    数を満たす数であり、Xは、ハロゲン原子、炭化水素
    基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、ホウ素含
    有基、アルミニウム含有基、リン含有基、ハロゲン含有
    基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウ
    ム含有基、またはスズ含有基を示し、nが2以上の場合
    は、Xで示される複数の基は互いに同一でも異なってい
    てもよく、またXで示される複数の基は互いに結合して
    環を形成してもよい。)
  13. 【請求項13】下記一般式(III-a)で表されることを
    特徴とする請求項12に記載の遷移金属化合物; 【化6】 (式中、Mは周期律表第4または5族の遷移金属原子を
    示し、mは、1〜3の整数を示し、R1〜R5は、互いに
    同一でも異なっていてもよく、炭化水素基、アルコキシ
    基または炭化水素置換シリル基を示し、R6は、ハロゲ
    ン原子、炭化水素基、炭化水素置換シリル基、アルコキ
    シ基、アルキルチオ基またはシアノ基を示し、R1〜R6
    のうちの2個以上が互いに連結して環を形成していても
    よく、また、mが2以上の場合にはR1〜R6で示される
    基のうち2個の基が連結されていてもよく(但し、R1
    同士が結合されることはない)、nは、Mの価数を満た
    す数であり、Xは、ハロゲン原子、炭化水素基、酸素含
    有基、イオウ含有基、窒素含有基、ハロゲン含有基また
    はケイ素含有基を示し、nが2以上の場合は、Xで示さ
    れる複数の基は互いに同一でも異なっていてもよく、ま
    たXで示される複数の基は互いに結合して環を形成して
    もよい。)
  14. 【請求項14】mが2であることを特徴とする請求項1
    3に記載の遷移金属化合物。
  15. 【請求項15】請求項12ないし14のいずれかに記載
    の遷移金属化合物(A")と、(B)(B-1) 有機金属化
    合物、(B-2) 有機アルミニウムオキシ化合物、および(B
    -3) 遷移金属化合物(A)と反応してイオン対を形成す
    る化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物とからな
    ることを特徴とするオレフィン重合用触媒。
  16. 【請求項16】請求項15に記載の遷移金属化合物(A
    ")と、(B-1)有機金属化合物、(B-2)有機アルミニウム
    オキシ化合物および(B-3)遷移金属化合物(A")と反応
    してイオン対を形成する化合物から選ばれる少なくとも
    1種の化合物(B)に加えて、担体(C)を含むことを
    特徴とするオレフィン重合用触媒。
  17. 【請求項17】請求項15または16に記載のオレフィ
    ン重合用触媒の存在下にオレフィンを重合または共重合
    することを特徴とするオレフィンの重合方法。
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