JP7224213B2 - オレフィン系重合体およびその製造方法 - Google Patents

オレフィン系重合体およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、両末端に官能基を有する新規なオレフィン系重合体に関する。
ポリエチレンやポリプロピレンに代表されるポリオレフィン(オレフィン系重合体)は、生産に係るエネルギーが小さく、軽量かつリサイクル性にも優れることから、各産業界における、循環型社会を形成するための3R(Reduce、Reuse、Recycle)への取り組みのなかで、更に注目が高まっている。ポリオレフィンは、日用雑貨、台所用品、包装用フィルム、家電製品、機械部品、電気部品、自動車部品など、種々の分野で利用されている。
ポリオレフィンの主鎖や末端に官能基、たとえば二重結合、水酸基、カルボキシル基などを導入して、その他のモノマーやポリマーとの反応性を付加することにより、ポリオレフィンの特性を生かした新規用途の開発が期待できる。特に末端官能性ポリオレフィンは、ポリマー主鎖の特性を生かしつつ、種々の機能性を有する新規物質を創出することが期待されている。
末端に官能基をもつ直鎖状のポリオレフィンの製造方法としては、ポリマー分解法が知られている。例えば、適当な条件下でポリプロピレンを熱分解することにより、両末端にビニリデン基をもつポリプロピレンのオリゴマーが得られることが報告されている(例えば特許文献4、5、非特許文献2、3等参照)。
別の分解法としてポリブタジエンなどを官能基含有オレフィンの存在下、メタセシス触媒で分解し、両末端にビニル基をもつポリマーを合成する方法も知られている(例えば非特許文献4~6等参照)。しかしながらこのようなポリマー分解法では、官能基導入率を上げようとするとオリゴマー領域の低分子量しか得られず、ポリオレフィンのバルク特性を十分に発揮するには至らないという欠点があった。
さらに、ポリマー分解法、メタセシス重合法いずれの場合でも、分子量分布(Mw/Mn)は2前後となり、狭い分子量分布(Mw/Mn)のポリオレフィンを合成することは出来なかった。
片末端に官能基をもつ直鎖状のポリオレフィンの製造方法として、本出願人はサリチルアルジミン配位子を有する遷移金属化合物を利用して、新規な片末端ビニル基含有共重合体を製造する方法を提案している(特許文献6)。しかしながら、得られるポリオレフィンの数分子量は3,000未満、分子量分布(Mw/Mn)は1.5以上となり、高分子量且つ狭い分子量分布(Mw/Mn)のポリオレフィンを合成することは出来なかった。別の製造方法として、非特許文献7にはビニル末端基含有ポリエチレンの開示があるが、数平均分子量が2,000以下のオリゴマー領域の低分子量しか得られないという欠点があった。
高分子量且つ狭い分子量分布(Mw/Mn)を有するポリマーの製造方法としてリビング重合を利用する方法が有効であることは一般に良く知られている。高度に制御されたリビング重合の場合は、ポリマーの成長末端が反応性を定量的に保持しているため、その反応性を利用して、直接、官能基含有モノマーと反応させることにより、効率良く末端位置に官能基を持つポリマーを製造することが出来る。
しかしながら、オレフィン類をリビング重合で重合する場合においては、通常の条件では成長するポリマー鎖の連鎖移動反応が頻発するため、リビング重合でオレフィン重合体を製造することは非常に困難であった。これまでいくつかα-オレフィンをリビング重合した例が報告されているが、連鎖移動反応を制御するため、いずれも極めて低温で重合が行われており、その重合活性も低い値であり、分子量も高々数万程度であった。また多くの場合、重合可能なモノマーは限られており、特に工業的に重要なエチレン系の(共)重合体やブロック共重合体の製造は困難であった(例えば、非特許文献1等参照)。
このような状況のもと本出願人は、既に新しいオレフィン重合用触媒としてサリチルアルジミン配位子を有する遷移金属化合物を開示し(特許文献1参照)、更に該遷移金属化合物を利用し、リビング重合による新規な片末端官能基含有ポリオレフィンを製造する方法を提案している(特許文献1、2参照)。しかし、前記二つの公開情報の中には、片末端にビニル基を持つポリマーやその製造方法については何ら開示されていない。
特開平11-315109号公報 特開2005-097588号公報 特開2009-155655号公報 国際公開第2013/039152号 国際公開第2002/042340号 特開2003-073412号公報
「高分子」, 1988,(2),74-77 Macromolecules,28,7973(1995) Polymer Journal,28,817(1996) Macromolecules,28,1333(1995) Macromol.Chem.Phys.,215,1140(2014) Makromol.Chem.Rapid Commun.,14,323(1993) Angew.Chem.Int.Ed.,54,4631(2015)
本発明の目的は、前記問題点が解消された、すなわち、末端基の導入率が高く、且つ分子鎖の両末端に不飽和結合を有するオレフィン重合体の含有量が多く、高分子量及び狭分子量分布(Mw/Mn)の特徴を有する、種々な用途で有用な両末端官能性オレフィン系重合体を提供することにある。
本発明は、様々な用途で有用な両末端位に官能基を持つオレフィン系重合体、すなわち、下記要件(1)~(4)を満たすことを特徴とするオレフィン系重合体に係る。
(1)一般式(I)で表わされる両末端に不飽和結合を有するオレフィン重合体(V)を含有、
X-P-Y ・・・(I)
[上記式(I)において、Pは炭素原子及び水素原子のみから構成されるオレフィン由来の重合鎖を示し、X及びYは非共役ポリエンに由来する構成単位を含む構造を示し、互いに同一でも異なっていてもよく、夫々Pの末端に結合している。]
(2)含有するオレフィン系重合体のうち、全分子数に対する上記式(I)を有するオレフィン重合体(V)が80モル%以上、
(3)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で求められる数平均分子量(Mn)が3,000以上、
(4)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で求められる分子量分布(Mw/Mn)が1.5以下。
本発明によれば、分子量が高くかつ分子量分布の小さく、両末端に不飽和結合を有する新規なオレフィン重合体、および当該オレフィン重合体を多く含むオレフィン系重合体とその製造方法を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明は下記要件(1)~(4)を満たすオレフィン系重合体である。
(1)一般式(I)で表わされる両末端に不飽和結合を有するオレフィン重合体(V)を含有、
X-P-Y ・・・(I)
[上記式(I)において、Pは炭素原子及び水素原子のみから構成されるオレフィン由来の重合鎖を示し、X及びYは非共役ポリエンに由来する構成単位を含む構造を示し、互いに同一でも異なっていてもよく、夫々Pの末端に結合している。]
(2)含有するオレフィン系重合体のうち、全分子数に対する式(I)に該当するオレフィン重合体(V)が80モル%以上
(3)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で求められる数平均分子量(Mn)が3,000以上、
(4)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で求められる分子量分布(Mw/Mn)が1.5以下。
以下、これらの要件(1)~(4)について具体的に説明する。
なお、本発明のオレフィン系重合体は、上述のように両末端に不飽和結合を有するオレフィン重合体(V)を特定量含有するが、重合体に含まれる分子鎖の全てが両末端に不飽和結合を有するオレフィン重合体(V)ではなく、片末端にのみ不飽和結合を有するオレフィン重合体、および不飽和結合を有しないオレフィン重合体を含むので、重合体全体を指し示す場合は、「オレフィン系重合体」とした。
要件(1)
一般式(I)において、X及びYは非共役ポリエンに由来する構成単位を含む構造を示す基であり、X及びYは夫々Pの末端に結合している。非共役ポリエンは、好ましくは、オレフィン重合触媒により重合可能な炭素・炭素二重結合を1分子内に1個以上有する非共役ポリエンであり、より具体的には、下記、脂肪族ポリエンおよび脂環族ポリエンが含まれる。
脂肪族ポリエンの例には、1,4-ヘキサジエン、1,4-ペンタジエン、1,5-ヘキサジエン、1,5-ヘプタジエン、1,6-ヘプタジエン、1,6-オクタジエン、1,7-オクタジエン、1,7-ノナジエン、1,8-ノナジエン、1,8-デカジエン、1,9-デカジエン、1,10-ウンデカジエン、1,11-ドデカジエン、1,12-トリデカジエン、1,12-テトラデカジエン、1,13-テトラデカジエン、3-メチル-1,4-ヘキサジエン、4-メチル-1,4-ヘキサジエン、5-メチル-1,4-ヘキサジエン、4-エチル-1,4-ヘキサジエン、3,3-ジメチル-1,4-ヘキサジエン、5-メチル-1,4-ヘプタジエン、5-エチル-1,4-ヘプタジエン、5-メチル-1,5-ヘプタジエン、6-メチル-1,5-ヘプタジエン、5-エチル-1,5-ヘプタジエン、4-メチル-1,4-オクタジエン、5-メチル-1,4-オクタジエン、4-エチル-1,4-オクタジエン、5-エチル-1,4-オクタジエン、5-メチル-1,5-オクタジエン、6-メチル-1,5-オクタジエン、5-エチル-1,5-オクタジエン、6-エチル-1,5-オクタジエン、6-メチル-1,6-オクタジエン、7-メチル-1,6-オクタジエン、6-エチル-1,6-オクタジエン、6-プロピル-1,6-オクタジエン、6-ブチル-1,6-オクタジエン、4-メチル-1,4-ノナジエン、5-メチル-1,4-ノナジエン、4-エチル-1,4-ノナジエン、5-エチル-1,4-ノナジエン、5-メチル-1,5-ノナジエン、6-メチル-1,5-ノナジエン、5-エチル-1,5-ノナジエン、6-エチル-1,5-ノナジエン、6-メチル-1,6-ノナジエン、7-メチル-1,6-ノナジエン、6-エチル-1,6-ノナジエン、7-エチル-1,6-ノナジエン、7-メチル-1,7-ノナジエン、8-メチル-1,7-ノナジエン、7-エチル-1,7-ノナジエン、5-メチル-1,4-デカジエン、5-エチル-1,4-デカジエン、5-メチル-1,5-デカジエン、6-メチル-1,5-デカジエン、5-エチル-1,5-デカジエン、6-エチル-1,5-デカジエン、6-メチル-1,6-デカジエン、6-エチル-1,6-デカジエン、7-メチル-1,6-デカジエン、7-エチル-1,6-デカジエン、7-メチル-1,7-デカジエン、8-メチル-1,7-デカジエン、7-エチル-1,7-デカジエン、8-エチル-1,7-デカジエン、8-メチル-1,8-デカジエン、9-メチル-1,8-デカジエン、8-エチル-1,8-デカジエン、6-メチル-1,6-ウンデカジエン、9-メチル-1,8-ウンデカジエン、さらには1,7-オクタジエン、1,9-デカジエン等のα,ω-ジエンが含まれる。
脂環族ポリエンの例には、テトラヒドロインデン;5-メチレン-2-ノルボルネン、5-エチリデン-2-ノルボルネン、5-プロピリデン-2-ノルボルネン、5-ブチリデン-2-ノルボルネン、5-ビニル-2-ノルボルネン;5-アリル-2-ノルボルネン等の5-アルケニル-2-ノルボルネン;2,5-ノルボルナジエン、ジシクロペンタジエン(DCPD)、ビシクロ-(2.2.1)-ヘプタ-2,5-ジエン(2,5-ノルボナジエン)、テトラシクロ[4,4,0,12.5,17.10]デカ-3,8-ジエン、2-メチル-2,5-ノルボルナジエン、2-エチル-2,5-ノルボルナジエン、ビニルシクロヘキセン、1,4-シクロヘキサジエン、1,5-シクロオクタジエン、1,7-シクロドデカジエン等が含まれる。
これら非共役ポリエンとしては、1,4-ペンタジエン、1,5-ヘキサジエン、1,6-ヘプタジエン、1,7-オクタジエン、1,8-ノナジエン、1,9-デカジエン、1,10-ウンデカジエン、1,11-ドデカジエン、1,12-トリデカジエン、1,13-テトラデカジエン、テトラヒドロインデン、ビシクロ-(2.2.1)-ヘプタ-2,5-ジエン、ジシクロペンタジエン、5-メチレン-2-ノルボルネン、5-エチリデン-2-ノルボルネン、5-ビニル-2-ノルボルネン、ビニルシクロヘキセン、1,4-シクロヘキサジエン、1,5-シクロオクタジエン、1,7-シクロドデカジエンがより好ましい。
とくに、5-ビニル-2-ノルボルネン、5-エチリデン-2-ノルボルネンが反応性の観点よりさらに好ましい。
一般式(I)において、重合鎖Pは炭素原子及び水素原子のみから構成されるオレフィンを主成分とする重合鎖を示す。このようなオレフィン重合鎖の中では、エチレンと炭素数3~20のオレフィンから選ばれる少なくても1種に由来する構成単位からなり、エチレン由来の繰り返し単位が主鎖に含まれる全繰り返し単位に対して50~100mol%、好ましくは70~95mol%であり、炭素数3~20のオレフィン由来の繰り返し単位が主鎖に含まれる全繰り返し単位に対して0~50mol%、好まくは5~30mol%であるオレフィン重合鎖が好ましい。
ここで炭素原子数3~20のオレフィンとしては、例えばプロピレン、1-ブテン、2-ブテン、1-ペンテン、3-メチル-1-ブテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、3-メチル-1-ペンテン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコセンなどの炭素原子数3~20の直鎖状または分岐状のα-オレフィン;シクロペンテン、シクロヘプテン、ノルボルネン、5-メチル-2-ノルボルネン、テトラシクロドデセン、2-メチル1,4,5,8-ジメタノ-1,2,3,4,4a,5,8,8a-オクタヒドロナフタレンなどの炭素原子数3~20の環状オレフィン;また、炭素原子数3~20のオレフィンとして、ビニルシクロヘキサンも挙げられる。
好ましくは炭素原子数3~10のオレフィンであり、より好ましくは炭素原子数3~8のオレフィンであり、さらに好ましくは炭素原子数3~4、特に好ましくは炭素数3のオレフィンである。具体的には、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセンなどの直鎖状オレフィンや、4-メチル-1-ペンテン、3-メチル-1-ペンテン、3-メチル-1-ブテン等の分岐状オレフィンを挙げることができ、中でもプロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテンが好ましく、プロピレン、1-ブテンがより好ましく、プロピレンが特に好ましい。
さらにオレフィンとして、芳香族ビニル化合物、例えばスチレン、o-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン、o,p-ジメチルスチレン、o-エチルスチレン、m-エチルスチレン、p-エチルスチレンなどのモノもしくはポリアルキルスチレン;および3-フェニルプロピレン、α-メチルスチレンなどが挙げられる。これらのオレフィンは、単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。
要件(2)
本発明のオレフィン系重合体は、含有するオレフィン系重合体のうち全分子数に対し一般式(I)で表される両末端に不飽和結合を有するオレフィン重合体(V)が80モル%以上、好ましくは90モル%以上であり、含有するオレフィン重合体のうち20モル%以下が、好ましくは10モル%以下が、末端に官能基を持たないオレフィン重合体である。末端に不飽和結合を有するオレフィン重合体の含有量は1H-NMR及び高温ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)-粘度法等を用いて測定することができる。
上記範囲を満たすことは、本発明のオレフィン系重合体は、一般式(I)で表される両末端に不飽和結合を有するオレフィン重合体を十分な割合で含むことを意味し、それにより求める効果を十分に得ることができる。後述する好ましい遷移金属化合物(A)を含むオレフィン重合用触媒を用いることで、重合反応中にXに由来する末端不飽和結合が反応に寄与せず、上記範囲に調整しやすい。
[両末端に不飽和結合を有するオレフィン重合体の含有量の算出]
1H-NMRにおける4.8及び5.7ppm付近のシグナルは末端ビニル基のα及びβ炭素に結合している水素に由来し、0.8ppmのシグナルはプロピレンの側鎖メチル基に由来し、0.8~1.6ppmのシグナルはエチレンに由来する。それぞれのシグナル強度を絶対分子量へ補正し、主鎖に対する末端ビニル基のシグナル強度より、両末端に不飽和結合を有するオレフィン重合体の含有量を算出した。絶対分子量は高温ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)-粘度法等で算出できる。
要件(3)
本発明のオレフィン系重合体の数平均分子量(Mn)は、3,000以上、好ましくは5,000以上であり、さらに好ましくは10,000以上である。数平均分子量が3,000未満の前記範囲外にあると、分子の絡み合いが少なく、ポリマーとしての特性が発揮されない。数平均分子量は、高温ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)-粘度法を用いて測定することができる。
高温ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)-粘度法において、標準試料として単分散ポリスチレンは分子量が590~3,840,000を用い、粘度校正用として標準ポリスチレン(IV=1.01)を用い、公知の方法によりクロマトグラムを解析することで、数平均分子量Mnを算出した。
要件(4)
本発明のオレフィン系重合体の、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で求められる分子量分布(Mw/Mn)は、1.0~1.5の範囲にあり、好ましくは1.0~1.3である。分子量分布(Mw/Mn)が前記範囲内にあることで、分子量のそろった均一なポリマーであるといえ、さらに、オレフィン系重合体に含まれる両末端官能性オレフィン重合体(V)についても分子量分布(Mw/Mn)が比較的小さい範囲にあるといえるため、末端官能基の反応性が均一になる。分子量分布(Mw/Mn)は前記の高温ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)-粘度法を用いて測定することができる。後述する好ましい遷移金属化合物(A)を含むオレフィン重合用触媒を用いることで、重合反応中にXに由来する末端不飽和結合が反応に寄与せず、分子量分布(Mw/Mn)を上記範囲に調整しやすい。
オレフィン系重合体の製造方法
本発明のオレフィン系重合体の製造方法は、下記一般式(II)で表される遷移金属化合物(A)を含むオレフィン重合触媒の存在下で、以下に記述する工程を順次実施することにより効率良く得られる。
Figure 0007224213000001
(式中、Mは周期表第4~5族から選ばれる遷移金属原子を示し、mは1または2を示し、R1は芳香族炭化水素基、脂肪族炭化水素基または脂環族炭化水素基であって、フェニル基の場合には、窒素に結合した炭素原子の位置を1位としたときに、2位および6位の少なくとも1箇所にヘテロ原子もしくはヘテロ原子含有基から選ばれる1種以上の置換基を有しているか、または3位、4位および5位の少なくとも1箇所にフッ素原子を除くヘテロ原子、1個の炭素原子および2個以下のフッ素原子を含有するフッ素含有基、2個以上の炭素原子を含有するフッ素含有基、フッ素原子を除くヘテロ原子を含有する基から選ばれる少なくとも1種の置換基を有しており、フェニル基以外の芳香族炭化水素基、脂肪族炭化水素基または脂環族炭化水素基の場合には、ヘテロ原子、ヘテロ原子含有基から
選ばれる少なくとも1種の置換基を有しており、R2~R5は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン含有基、炭化水素基、炭化水素置換シリル基、酸素含有基、窒素含有基またはイオウ含有基を示し、R6は1つまたは複数の置基を有していてもよいフェニル基、1つまたは複数の置基を有していてもよいナフチル基、1つまたは複数の置基を有していてもよいビフェニル基、1つまたは複数の置基を有していてもよいターフェニル基および1つまたは複数の置基を有していてもよいフェナントリル基から選ばれる基を示し、nは、Mの価数を満たす数であり、Xは、酸素原子、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基またはスズ含有基を示し、Xで示される複数の基は互いに結合して環を形成してもよく、またnが2以上の場合は、Xで示される複数の基は互いに同一でも異なっていてもよい。)
以下に、上記一般式(II)で表される遷移金属化合物(A)の具体的な例を示すが、これら化合物に限定されるものではない。
Figure 0007224213000002
Figure 0007224213000003
Figure 0007224213000004
Figure 0007224213000005
以上のような遷移金属化合物(A)は、1種単独または2種以上組み合わせて用いられる。
[化合物(B)]
[(B-1)有機金属化合物]
本発明で用いられる(B-1)有機金属化合物として、具体的には特願2002-311685記載の周期表第1、2族および第12、13族の有機金属化合物が用いられる。
[(B-2)有機アルミニウムオキシ化合物]
本発明で用いられる(B-2)有機アルミニウムオキシ化合物として、従来公知のアルミノキサンであってもよく、また特開平2-78687号公報に例示されているようなベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物であってもよい。
[(B-3)遷移金属化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物]
本発明で用いられる遷移金属化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物(B-3)(以下、「イオン化イオン性化合物」という。)としては、特表平1-501950号公報、特表平1-502036号公報、特開平3-179005号公報、特開平3-179006号公報、特開平3-207703号公報、特開平3-207704号公報、USP-5321106号などに記載されたルイス酸、イオン性化合物、ボラン化合物およびカルボラン化合物などを挙げることができる。さらに、ヘテロポリ化合物およびイソポリ化合物も挙げることができる。具体的には、特願2002-311685記載のイオン化イオン性化合物が挙げられる。
従来公知のアルミノキサンは、例えば下記のような方法によって製造することができ、通常炭化水素溶媒の溶液として得られる。
(1)吸着水を含有する化合物または結晶水を含有する塩類、例えば塩化マグネシウム水和物、硫酸銅水和物、硫酸アルミニウム水和物、硫酸ニッケル水和物、塩化第1セリウム水和物などの炭化水素媒体懸濁液に、トリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物を添加して、吸着水または結晶水と有機アルミニウム化合物とを反応させる方法。
(2)ベンゼン、トルエン、エチルエーテル、テトラヒドロフランなどの媒体中で、トリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物に直接水、氷または水蒸気を作用させる方法。
(3)デカン、ベンゼン、トルエンなどの媒体中でトリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物に、ジメチルスズオキシド、ジブチルスズオキシドなどの有機スズ酸化物を反応させる方法。
アルミノキサンを調製する際に用いられる有機アルミニウム化合物として具体的には、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリn-ブチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリペンチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウムなどのトリn-アルキルアルミニウム; トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリsec-ブチルアルミニウム、トリ2-エチルヘキシルアルミニウムなどのトリ分岐鎖アルキルアルミニウム;トリシクロヘキシルアルミニウム、トリシクロオクチルアルミニウムなどのトリシクロアルキルアルミニウム;トリフェニルアルミニウム、トリトリルアルミニウムなどのトリアリールアルミニウム;(i-C49)xAly(C510)z(式中、x、y、zは正の数であり、z≧2xである。)などで表されるトリイソプレニルアルミニウムなどのトリアルケニルアルミニウム等を例示することができるが、これらの中では、トリアルキルアルミニウム、トリシクロアルキルアルミニウムが好ましく、トリメチルアルミニウムが特に好ましい。また、上記の有機アルミニウム化合物は、1種単独でまたは2種以上組み合せて用いられる。
本発明に係わる製造法においては、前記の遷移金属化合物(A)と、有機金属化合物(B-1)、有機アルミニウムオキシ化合物(B-2)、遷移金属化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物(B-3)、担体、および有機化合物から選ばれる少なくても1種以上を共存させることも可能である。
本発明においては、重合は溶解重合、懸濁重合などの液相重合法または気相重合法のいずれにおいても実施できる。
液相重合法において用いられる不活性炭化水素媒体として具体的には、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油などの脂肪族炭化水素; シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタンなどの脂環族炭化水素; ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素; エチレンクロリド、クロルベンゼン、ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素またはこれらの混合物などを挙げることができ、オレフィン自身を溶媒として用いることもできる。
前記の触媒の存在下で、本発明に係わる末端官能性ポリオレフィンを製造する場合、通常は工程1、工程2および工程3からなる操作は、各工程での生成物を単離することなく実施される。また、通常前記触媒は最初の工程1を開始する際に一括チャージされる。遷移金属化合物(A)は、反応容積1リットル当り、通常10-12~1モル、好ましくは10-10~10-1モルになるような量で用いられる。有機アルミニウムオキシ化合物(B)は、成分(B)中のアルミニウム原子と、遷移金属化合物(A)中の遷移金属原子(M)とのモル比(Al/M)が、通常10~500,000、好ましくは50~100,000となるような量で用いられる。
その他の任意成分としての有機金属化合物、遷移金属化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物、担体、有機化合物を併用する場合は、その使用量は前記の特開平11-315109号公報に記載された量が仕込まれる。
本発明の両末端に不飽和結合を有するオレフィン重合体(V)を所定量含むオレフィン系重合体は、オレフィン重合触媒の存在下で、次の工程1、工程2及び工程3をこの順番で実施することにより得られる。
[工程1] 非共役ポリエンを接触混合する工程。
[工程2] エチレンと炭素数3~20のオレフィンから選ばれる少なくとも1種のオレフィンを接触混合する工程。
[工程3]非共役ポリエンを接触混合する工程
工程1にて添加する非共役ポリエンの量について特に限定しないが、重合触媒のモル数に対して、1.0当量ないし1.2当量の過剰モル程度で十分である。非共役ポリエンの添加量が1.0当量より少ないと、末端官能基化率が低くなる。非共役ポリエンの添加量が1.2当量を超えると、末端だけでなく高分子鎖の側鎖に不飽和結合が導入されることがあるので、好ましくない。
工程3にて添加する非共役ポリエンの量について特に限定しないが、重合触媒のモル数に対して、10当量以上が好ましく、50当量以上がより好ましい。非共役ポリエンの添加量が10当量より少ないと、末端官能基化率が低くなるので好ましくない。
工程1は、通常-20~50℃、好ましくは0~40℃下で、1~300分、好ましくは5~200分接触させることによって完結させることができる。
また工程2においては、通常-20~50℃、好ましくは0~40℃下で、1~600分、好ましくは3~180分接触させて重合反応を進める。工程2における圧力は、通常常圧~100kg/cm2、好ましくは常圧~50kg/cm2の条件下であり、重合反応は、回分式、連続式のいずれの方法によっても行なうことができるが、連続式を採用する場合は管型フロー反応装置が分子量分布を制御する観点で好ましく、本発明においては回分式が特に好ましい。さらに重合を反応条件の異なる二段以上に分けて行なうことも可能である。
工程3は、通常-20~50℃、好ましくは0~40℃下で、1~300分、好ましくは5~200分接触させることによって完結させることができる。
本発明の両末端に不飽和結合を有するオレフィン重合体(V)を多量含むオレフィン系重合体は様々な用途に展開できる。例えば、官能基化の原料として、またグラフトポリマー、ブロックポリマー、および架橋体物性を制御する架橋材としての応用が期待されている。
以下、実施例に基づき本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例で得られたオレフィン系重合体およびオレフィン重合体の構造は、1H-NMR、高温GPC-粘度法を用いて決定した。各種測定および算出方法について述べる。
[各モノマーの組成比]
各モノマーの組成比はブルカー・バイオスピン製AVANCEIIIcryo-500型核磁気共鳴装置を用い、下記条件で測定することにより行った。主な測定条件は以下の通り。
・溶媒:オルトジクロロベンゼン―d4
・サンプル濃度:ca.33g/l-solvent
・パルス繰り返し時間:7.0秒
・積算回数:64回
・測定温度:120℃
・測定核:1H(500MHz)
上記1H-NMRスペクトルにて、0.8ppmのシグナルはプロピレンの側鎖メチル基に由来し、0.8~1.6ppmのシグナルはエチレンに由来する。それぞれのシグナル強度より、各モノマーの組成比を定量化した。
[分子量測定]
分子量及び分子量分布は高温GPC-粘度法を用いて測定した。主な測定条件は以下の通り。
装置:高温GPC装置PL-GPC220型(Polymer Laboratories社製)
検出器:示差屈折率計/GPC装置内蔵
ブリッジ型粘度計PL-BV400型(Polymer Laboratories社製)
カラム:TSKgel GMHHR-H(S)HT×2本+TSKgel GMHHR-M(S)×1本(東ソー株式会社製、1本当たり内径7.8mmφ×長さ300mm)
温度:140℃
移動相:1,2,4-トリクロロベンゼン(0.025%BHT含有)
注入量:0.5mL
試料濃度:1.0mg/mL
試料濾過:孔径1.0μm焼結フィルターにて濾過
上記において、絶対分子量の決定に必要な標準試料として、標準試料として単分散ポリスチレン(東ソー株式会社製 分子量590~3,840,000)、粘度較正用として標準ポリエチレン(NIST1475a IV=1.01)を用いた。
[両末端に不飽和結合を有するオレフィン重合体の含有量の算出]
前記1H-NMRにおける4.8及び5.7ppm付近のシグナルは末端ビニル基のα及びβ炭素に結合している水素に由来し、0.8ppmのシグナルはプロピレンの側鎖メチル基に由来し、0.8~1.6ppmのシグナルはエチレンに由来する。それぞれのシグナル強度より、主鎖に対する末端ビニル基の強度比を算出する。主鎖を前記高温GPC-粘度法にて測定した絶対分子量に合わせるようにその強度を補正し、両末端に不飽和結合を有するオレフィン重合体の含有量を算出した。
[実施例1]
充分に窒素置換した内容積500mLのガラス製反応器にトルエン250mL、メチルアルミノキサンをアルミニウム原子換算で3.0mmol装入した。ここに、5-ビニル-2-ノルボルネンを0.010mmol加えた。構造式が下記式で表されるチタン化合物を0.010mmol加え、25℃で10分間反応させた。その後、常圧のエチレンとプロピレンと窒素の混合ガス(ガス流量 エチレン:15L/h; プロピレン:15L/h;窒素:70L/h)を反応器へ吹き込み、25℃で5分間反応させた後、エチレンとプロピレンの供給を停止し、窒素(ガス流量100L/h)を流すことで溶存しているエチレンとプロピレンを脱気した。ここに5-ビニル-2-ノルボルネンを1.00mmolを加え、10分間反応させた後、メタノールを添加することにより重合を停止した。重合停止後、反応物を少量の塩酸を含む750mLのメタノール中に投入してポリマーを全量析出させ、濾過によりポリマーを回収した。ポリマーを80℃、12時間で減圧乾燥し、重合体を0.264g得た。チタニウム1mmol当たりの重合活性は26.4g、1H-NMRにより求めたポリマー中のプロピレン由来構造の比率は18mol%であった。その他の分析結果を表1に示す。
Figure 0007224213000006
[実施例2]
常圧のエチレンとプロピレンを反応器へ吹き込み、25℃で3分間反応させた事以外は実施例1と同様にし、重合体を0.119g得た。チタニウム1mmol当たりの重合活性は11.9g、1H-NMRにより求めたポリマー中のプロピレン由来構造の比率は18mol%であった。その他の分析結果を表1に示す。
[比較例1]
触媒を下記式の構造式で表されるチタン化合物に変更、重合条件を25℃で2分間に変更した事以外は実施例1と同様にし、0.135gの重合体を得た。チタニウム1mmol当たりの重合活性は13.5g、であった。また、1H-NMRにより求めたポリマー中のプロピレン由来構造の比率は6mol%であった。その他の分析結果を表1に示す。
Figure 0007224213000007
Figure 0007224213000008
表1に示される通り、実施例1及び実施例2のオレフィン系重合体は、数平均分子量(Mn)が3,000以上、分子量分布(Mw/Mn)が1.5以下であり、しかも、全分子数に対する両末端に不飽和結合を有するオレフィン重合体(V)の含有量が80%以上であるので、様々な用途への応用が可能である。
比較例1のオレフィン系重合体は、分子量分布(Mw/Mn)が1.55と広く、且つ、両末端に不飽和結合を有するオレフィン重合体(V)の含有量が60モル%と少なく、実施例に劣る結果を示した。
両末端に不飽和結合を有するオレフィン重合体を多量に含むオレフィン系重合体はこれそのもので、あるいは更なる変性処理を行うことによって、種々の用途で有用である。

Claims (6)

  1. 下記要件(1)~(4)を満たすことを特徴とするオレフィン系重合体。
    (1)一般式(I)で表わされる両末端に不飽和結合を有するオレフィン重合体(V)を含有、
    X-P-Y・・・(I)
    [上記式(I)において、Pは炭素原子及び水素原子のみから構成されるオレフィン由来の重合鎖を示し、X及びYは5-エチリデン-2-ノルボルネンまたは5-ビニル-2-ノルボルネンに由来する構成単位を含む構造を示し、互いに同一でも異なっていてもよく、夫々Pの末端に結合している。]
    (2)含有するオレフィン系重合体のうち、全分子数に対する上記式(I)を有するオレフィン重合体(V)が80モル%以上、
    (3)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で求められる数平均分子量(Mn)が3,000以上、
    (4)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で求められる分子量分布(Mw/Mn)が1.5以下。
  2. 重合鎖(P)がエチレンと炭素数3~20のオレフィンから選ばれる少なくとも1種のオレフィンから構成されることを特徴とする請求項1に記載のオレフィン系重合体。
  3. オレフィン重合触媒の存在下で、次の工程1、工程2および工程3をこの順番で実施することにより得られる請求項1又は2に記載のオレフィン系重合体を製造することを特徴とするオレフィン系重合体の製造方法。
    [工程1]5-エチリデン-2-ノルボルネンまたは5-ビニル-2-ノルボルネンを接触混合する工程。
    [工程2]エチレンと炭素数3~20のオレフィンから選ばれる少なくとも1種のオレフィンを接触混合する工程。
    [工程3]5-エチリデン-2-ノルボルネンまたは5-ビニル-2-ノルボルネンを接触混合する工程。
  4. オレフィン系重合触媒が、下記一般式(II)で表される遷移金属化合物(A)並びに、(B-1)有機金属化合物、(B-2)有機アルミニウムオキシ化合物、および(B-3)遷移金属化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物(B)を含む請求項に記載のオレフィン系重合体の製造方法。
    Figure 0007224213000009
    (式中、Mは周期表第4~5族から選ばれる遷移金属原子を示し、mは1または2を示し、R1は芳香族炭化水素基、脂肪族炭化水素基または脂環族炭化水素基であって、フェニル基の場合には、窒素に結合した炭素原子の位置を1位としたときに、2位および6位の少なくとも1箇所にヘテロ原子もしくはヘテロ原子含有基から選ばれる1種以上の置換基を有しているか、または3位、4位および5位の少なくとも1箇所にフッ素原子を除くヘテロ原子、1個の炭素原子および2個以下のフッ素原子を含有するフッ素含有基、2個以上の炭素原子を含有するフッ素含有基、フッ素原子を除くヘテロ原子を含有する基から選ばれる少なくとも1種の置換基を有しており、フェニル基以外の芳香族炭化水素基、脂肪族炭化水素基または脂環族炭化水素基の場合には、ヘテロ原子、ヘテロ原子含有基から選ばれる少なくとも1種の置換基を有しており、R2~R5は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン含有基、炭化水素基、炭化水素置換シリル基、酸素含有基、窒素含有基またはイオウ含有基を示し、R6は1つまたは複数の置基を有していてもよいフェニル基、1つまたは複数の置基を有していてもよいナフチル基、1つまたは複数の置基を有していてもよいビフェニル基、1つまたは複数の置基を有していてもよいターフェニル基および1つまたは複数の置基を有していてもよいフェナントリル基から選ばれる基を示し、nは、Mの価数を満たす数であり、Xは、酸素原子、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基またはスズ含有基を示し、Xで示される複数の基は互いに結合して環を形成してもよく、またnが2以上の場合は、Xで示される複数の基は互いに同一でも異なっていてもよい。)
  5. 前記一般式(II)で表される遷移金属化合物(A)において、Mがチタン原子であり、mが2であり、R6が1つまたは複数の置換基を有していてもよいフェニル基である請求項に記載のオレフィン系重合体の製造方法。
  6. 前記一般式(II)で表される遷移金属化合物(A)において、R1が窒素に結合した炭素原子の位置を1位としたときに、2位および6位の少なくとも1箇所にヘテロ原子もしくはヘテロ原子含有基から選ばれる1種以上の置換基を有しているフェニル基である請求項または請求項に記載のオレフィン系重合体の製造方法。
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