JP2000063639A - α−オレフィン/共役ジエン系共重合体組成物 - Google Patents

α−オレフィン/共役ジエン系共重合体組成物

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JP2000063639A
JP2000063639A JP10229114A JP22911498A JP2000063639A JP 2000063639 A JP2000063639 A JP 2000063639A JP 10229114 A JP10229114 A JP 10229114A JP 22911498 A JP22911498 A JP 22911498A JP 2000063639 A JP2000063639 A JP 2000063639A
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olefin
conjugated diene
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copolymer
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JP10229114A
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Keiji Okada
圭司 岡田
Kenichi Morisono
賢一 森園
Makoto Mitani
誠 三谷
Junji Saito
純治 斉藤
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【解決手段】 ポリエステル樹脂またはポリアミド樹
脂、および芳香族基含有ポリマーから選ばれる熱可塑性
樹脂[A]1〜99重量部と、[B]α−オレフィン/共役ジ
エン系共重合体1〜99重量部と、[C]無機充填剤0〜
40重量部とからなり、上記[B]が炭素数2〜12のα
−オレフィンと、式(α)の共役ジエン単量体とを共重
合させて得られ、(i)共役ジエン単量体に由来する構成
単位含量が0.01〜30モル%であり、(ii)共重合体
中の共役ジエンに由来する1,2−シクロペンタン骨格
が1モル%以下であり、(iii)135℃デカリン中で測
定した極限粘度[η]が0.1〜10dl/gであるラ
ンダム共重合体であるα−オレフィン/共役ジエン系共
重合体組成物 (Rは、水素原子、炭素数が1〜3のアルキル基または
アリール基。) 【効果】 低温特性に優れ、架橋効率が良好で高速加硫
可能であり、該組成物から耐衝撃性、熱安定性等に優れ
た成形体を提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、α−オレフィン/共役ジ
エン系共重合体組成物に関し、さらに詳しくは、低温特
性に優れ、架橋効率が良好で高速加硫可能であり、該組
成物から耐衝撃性、熱安定性等に優れた成形体を提供し
得るようなα−オレフィン/共役ジエン系共重合体組成
物に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】ポリアミド樹脂、芳香族ポリエス
テル樹脂は、その優れた耐熱性、機械強度、成形性等か
ら多様な用途に広く使用されている。しかし、使用目的
によっては、耐衝撃性、耐寒性が不足する場合があり、
そのような場合には、ポリアミド樹脂などを他の樹脂、
例えば、共役ジエン系重合体などの熱可塑性エラストマ
ーとブレンドして用いることがある。
【0003】この共役ジエン系重合体は、その優れた耐
衝撃性、耐寒性からポリアミド樹脂その他の樹脂の改質
材として広く用いられているものである。この共役ジエ
ン系重合体は、上記のような優れた改質性能を有する一
方で、共役ジエン系重合体主鎖中に多くの2重結合を含
むため、この2重結合部分が酸化劣化を起こし、共役ジ
エン系重合体をポリオレフィン系樹脂に配合してなる組
成物の耐候性、熱安定性を低下させ、使用環境、成形条
件によっては充分な改質性能が発揮されず、ポリアミド
樹脂などへの共役ジエン系重合体の配合により逆に物性
を低下させる場合もあった。このため共役ジエン系重合
体をポリアミド樹脂などに配合して得られる樹脂組成物
の物性の向上が強く望まれている。
【0004】このような共役ジエン系重合体組成物の耐
候性、耐熱性のさらなる向上を図るためには、共役ジエ
ン系重合体の主鎖中の2重結合数を極力減少させること
が望ましい。しかも、この共役ジエン系重合体の主鎖中
の2重結合数が減少すると、その分反応性の高い側鎖の
ビニル基含量が増加し、共役ジエン系重合体またはこの
重合体が配合されたポリオレフィン系組成物に、化学架
橋、化学修飾を施す場合においても架橋効率および修飾
効率の向上が期待できる。
【0005】このような見地から本発明者らは、耐候
性、熱安定性、架橋効率、化学修飾効率に優れた共役ジ
エン系重合体組成物を得るべく鋭意検討した結果、ポリ
アミド樹脂、芳香族ポリエステル樹脂などに、特定のα
−オレフィン/共役ジエン系共重合体を配合してなる組
成物は、耐衝撃性、耐寒性、耐候性、熱安定性に優れ、
しかも化学架橋効率、化学修飾効率等に優れることを見
出して、先に特願平9-209977号として提案し
た。
【0006】しかしながら、本発明者らがさらに研究を
重ねたところ、このα−オレフィン/共役ジエン系共重
合体組成物中のα−オレフィン/共役ジエン系共重合体
には、ジエン単位とエチレン単位とから形成されたシク
ロペンタン骨格が存在し、その量は全ジエン単位のかな
りの量を占めているが、このようにジエン単位由来の二
重結合がシクロペンタン骨格に変換された状態で共重合
体中に存在していると、この共重合体と前記ポリアミド
樹脂、芳香族ポリエステル樹脂などの熱可塑性樹脂等と
をアロイ化すると低温特性を損ない、耐衝撃性を低下さ
せることなどを見出した。
【0007】このため、本発明者らは、さらに鋭意研究
した結果、ポリエステル樹脂またはポリアミド樹脂、お
よび芳香族基含有ポリマーから選ばれる熱可塑性樹脂
[A]と、α−オレフィン/共役ジエン系共重合体[B]と、
必要により無機充填剤[C]とからなるα−オレフィン/
共役ジエン系共重合体組成物であって、上記共重合体
[B]が、α- オレフィンと共役ジエン単量体とをランダ
ム共重合させて得られ、得られた共重合体中に、共役ジ
エンに由来する1,2−シクロペンタン骨格が実質上存
在しないようなものからなる組成物は、架橋効率がよく
高速加硫可能であり、耐寒性に優れ、該組成物から耐衝
撃性、熱安定性などの特性を有する成形体が得られるこ
となどを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に伴う
問題点を解決しようとするものであって、低温特性に優
れ、架橋効率が良好で高速加硫可能であり、該組成物か
ら耐衝撃性、熱安定性、耐候安定性、化学修飾性等に優
れた成形体を提供し得るようなα−オレフィン/共役ジ
エン系共重合体組成物を提供することを目的としてい
る。
【0009】
【発明の概要】本発明に係るα−オレフィン/共役ジエ
ン系重合体組成物は、<A-1>ポリエステル樹脂またはポ
リアミド樹脂(これらの樹脂は繰返し単位中に芳香族環
を有していてもよい)、および<A-2>芳香族基含有ポリ
マー(但し、芳香族環を有する上記<A-1>ポリエステル
樹脂および芳香族環を有するポリアミド樹脂を除く)か
ら選ばれる熱可塑性樹脂[A]1〜99重量部と、[B]α−
オレフィン/共役ジエン系共重合体1〜99重量部と、
[C]無機充填剤0〜40重量部[但し[A]と[B]と[C]との
合計を100重量部とする]とからなり、上記[B]α−
オレフィン/共役ジエン系共重合体が、少なくとも1種
の炭素数2〜12のα−オレフィンと、下記式(α)で
表される共役ジエン単量体と、必要により用いられるこ
れらと共重合可能な単量体とを共重合させて得られ、
(i)共役ジエン単量体に由来する構成単位含量が0.0
1〜30モル%であり、(ii)共重合体中の共役ジエンに
由来する1,2−シクロペンタン骨格が1モル%以下で
あり、(iii)135℃デカリン中で測定した極限粘度
[η]が0.1〜10dl/gであるランダム共重合体
であることを特徴としている。
【0010】
【化2】
【0011】(式(α)中、Rは、水素原子、炭素数が
1〜3のアルキル基またはアリール基である。)。本発
明においては、上記<A-1>ポリエステル樹脂が、芳香族
ポリエステルであり、上記<A-1>ポリアミド樹脂が、芳
香族ポリアミド、脂肪族ポリアミド、脂環族ポリアミド
あるいはこれらの混合物、あるいはこれらの共重合物で
あり、上記<A-2>芳香族基含有ポリマーが、ポリフェニ
レンエーテル系樹脂、芳香族ポリカーボネートのうちの
何れか1種または2種以上であることが好ましい。
【0012】本発明においては、上記α−オレフィン
が、エチレン単独であるか、またはエチレンと炭素
数3〜12のα−オレフィンとの組み合わせであり、
の場合はエチレン/炭素数3〜12のα−オレフィン
(モル比)が、99/1〜40/60であることが好ま
しい。
【0013】本発明においては、上記共重合可能な単量
体が芳香族ビニル化合物であり、該共重合体には芳香族
ビニル化合物から導かれる単位が0.1〜60モル%の
量で含まれていることが好ましい。
【0014】本発明においては、上記芳香族ビニル化合
物がスチレンであることが好ましい。本発明において
は、共役ジエン単量体(α)が1,3−ブタジエンまた
はイソプレンであることが好ましい。
【0015】本発明においては、前記[B]不飽和性オレ
フィン系共重合体に共役ジエンに由来する1,2ーシク
ロペンタン骨格が実質的に存在しないことが好ましい。
本発明においては、前記[B]α−オレフィン/共役ジエ
ン系重合体が、その1部または全てが不飽和カルボン酸
またはその誘導体にてグラフト変性されているものであ
ることが好ましい。
【0016】本発明に係る上記α−オレフィン/共役ジ
エン系共重合体組成物では、含まれる[B]α−オレフィ
ン/共役ジエン系共重合体のガラス転移温度が低く、該
組成物は低温特性に優れ、架橋効率が良好で高速加硫可
能であり、該組成物から耐衝撃性、熱安定性、耐候安定
性、化学修飾性等に優れた成形体を得ることができる。
【0017】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係るα−オレフィ
ン/共役ジエン系共重合体組成物について具体的に説明
する。
【0018】本発明に係るα−オレフィン/共役ジエン
系共重合体組成物は、<A-1>ポリエステル樹脂またはポ
リアミド樹脂(これらの樹脂は繰返し単位中に芳香族環
を有していてもよい)、および<A-2>芳香族基含有ポリ
マー(但し、芳香族環を有する上記<A-1>ポリエステル
樹脂および芳香族環を有するポリアミド樹脂を除く)か
ら選ばれる熱可塑性樹脂[A]と、[B]α−オレフィン/共
役ジエン系共重合体と、必要により用いられる[C]無機
充填剤とからなっている。
【0019】この[B]α−オレフィン/共役ジエン系共
重合体は、少なくとも1種の炭素数2〜12のα−オレ
フィンと、下記式(α)で表される共役ジエン単量体
と、必要によりこれらと共重合可能な単量体とを共重合
させて得られるランダム共重合体である。
【0020】
【化3】
【0021】(式(α)中、Rは、水素原子、炭素数が
1〜3のアルキル基またはアリール基である。)。ま
ず、本発明に係るα−オレフィン/共役ジエン系共重合
体組成物中に含まれる上記[A]熱可塑性樹脂、[B]α−オ
レフィン/共役ジエン系共重合体(不飽和性オレフィン
系共重合体)、[C]充填剤について順次説明する。
【0022】[[A]熱可塑性樹脂]本発明で用いられる
[A]熱可塑性樹脂は、<A-1>ポリエステル樹脂またはポリ
アミド樹脂(これらの樹脂は、繰返し単位中に芳香族環
を有していてもよい。)、および<A-2>芳香族基含有ポ
リマー(但し、芳香族環を有する上記<A-1>ポリエステ
ル樹脂、ポリアミド樹脂を除く)から選ばれるものであ
る。
【0023】このような[A]熱可塑性樹脂として、具体
的には下記のようなものが挙げられる。 <A-1>(イ)ポリエステル樹脂または(ロ)ポリアミド樹脂に
属する熱可塑性樹脂 (イ)ポリエステル樹脂:芳香族ジカルボン酸由来の芳香
環を有するポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレ
ンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、
ポリブチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレンテレ
フタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレ
ート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタ
レート等の芳香族ポリエステル類、およびビスフェノー
ル−Aポリカーボネート等の芳香族ポリカーボネート
類。
【0024】(ロ)ポリアミド樹脂:ポリカプロアミド
(ナイロン6)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイ
ロン46)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン
66)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン61
0)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン61
2)、ポリウンデカメチレンアジパミド(ナイロン11
6)、ポリウンデカンアミド(ナイロン11)、ポリド
デカンアミド(ナイロン12)等の脂肪族ポリアミド
類;芳香族ジカルボン酸由来の芳香環を有するポリトリ
メチルヘキサメチレンテレフタルアミド、ポリヘキサメ
チレンイソフタルアミド、ポリヘキサメチレンテレフタ
ル/イソフタルアミド等の芳香族ポリアミド類、および
芳香族ジアミン由来の芳香環を有するポリメタキシリレ
ンアジパミド、ポリウンデカメチレンテレフタルアミ
ド、ポリウンデカメチレンヘキサヒドロテレフタルアミ
ド等の芳香族ポリアミド類;ポリビス(4−アミノシク
ロヘキシル)メタンドデカミド、ポリビス(3−メチル
−4−アミノシクロヘキシル)メタンドデカミド等の脂
環族ポリアミド類;などの他に、上記ポリアミドの混合
物、上記ポリアミドの共重合物など。
【0025】<A-2>芳香族基含有ポリマーに属する熱可
塑性樹脂 (ハ)ポリエーテル樹脂:ポリ(2,6−ジメチル−1,
4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−エ
チル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−
ジエチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−
エチル−6−nープロピル−1,4−フェニレン)エー
テル、ポリ(2,6−ジn-プロピル−1,4−フェニ
レン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−n-ブチル−
1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−エチル−6
−イソプロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ
(2−メチル−6−クロロ−1,4−フェニレン)エー
テル、ポリ(2−メチル−6−ヒドロキシエチル−1,
4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−ク
ロロエチル−1,4−フェニレン)エーテル等の芳香環
を有するポリフェニレンエーテル系樹脂。
【0026】(ニ)ポリフェニレンスルフィド、(ホ)ポリ
(芳香族ビニル化合物):上記ポリ(芳香族ビニル化合
物)製造用の芳香族ビニル化合物としては、具体的に、
スチレン;o-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メ
チルスチレン、o,p-ジメチルスチレン、o-エチルスチレ
ン、m-エチルスチレン、p-エチルスチレンなどのモノも
しくはポリアルキルスチレン;メトキシスチレン、エト
キシスチレン、ビニル安息香酸、ビニル安息香酸メチ
ル、ビニルベンジルアセテート、ヒドロキシスチレン、
o-クロロスチレン、p-クロロスチレン、ジビニルベンゼ
ンなどの官能基含有スチレン誘導体;3-フェニルプロピ
レン、4-フェニルブテン、α−メチルスチレンなどが挙
げられる。これらのうちではスチレンまたは4-メトキシ
スチレンが好ましい。
【0027】これらのポリ(芳香族ビニル化合物)は、
アイソタクチック、シンジオタクチック、アタクチック
の何れでもよい。これらのポリ(芳香族ビニル化合物)
のうちで、アイソタクチック、アタクチックのポリスチ
レンでは、ベンゼン中で測定した極限粘度[η](30
℃)が0.1〜3.0dl/gであることが好ましい。
【0028】(ヘ)エチレン・5−芳香族基置換ノルボル
ネン共重合体:このエチレン・5−芳香族基置換ノルボ
ルネン共重合体中の芳香族基としては、具体的には、フ
ェニル、2−メチルフェニル、3−メチルフェニル、4
−メチルフェニル、2,3−ジメチルフェニル、2,4
−ジメチルフェニル、3,4−ジメチルフェニル、各種
トリメチルフェニル、2−エチルフェニル、3−エチル
フェニル、4−エチルフェニル、2,3−ジエチルフェ
ニル、2,4−ジエチルフェニル、3,4−ジエチルフ
ェニル、各種トリエチルフェニル等のアルキル置換フェ
ニル基;メトキシフェニル、エトキシフェニル、カルボ
キシフェニル、ビニルフェニル、ヒドロキシフェニル、
クロロフェニル等の官能基含有フェニル基;が挙げられ
る。
【0029】これらの芳香族基を有するエチレン・5−
芳香族基置換ノルボルネン共重合体は、デカリン(13
5℃)中で測定した極限粘度[η]が0.1〜2.0d
l/gであることが好ましい。
【0030】(ト)芳香族ビニル化合物・アルキル(メ
タ)アクリレート共重合体(芳香族ビニル化合物として
は、上記のものが挙げられる。) (チ)芳香族ビニル化合物・アクリロニトリル共重合体
(芳香族ビニル化合物としては、上記のものが挙げられ
る。) これらの[A]熱可塑性樹脂のうちで、<A-1>では、芳香族
ポリアミド、ナイ ロン6などの脂肪族ポリアミド、ポ
リエチレンテレフタレートなどの芳香族ポリエステルが
好ましく、特に芳香族ポリアミド、芳香族ポリエステル
が望ましい。
【0031】また、これらの[A]熱可塑性樹脂のうちで<
A-2>芳香族基含有ポリマーとしては、特にポリスチレ
ン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィ
ドが好ましい。
【0032】上記[A]熱可塑性樹脂のうちで、<A-1>ポリ
エステル(ポリカーボネートも含む)は、25℃のo-
クロロフェノール中で測定した固有粘度が0.2〜2.
0dl/gの範囲にあることが好ましい。
【0033】また、上記<A-1>ポリアミドは、25℃の
濃度96%の硫酸中で測定した固有粘度が0.2〜6.
0dl/gの範囲にあることが好ましい。また上記<A-2
>ポリフェニレンエーテル系樹脂は、30℃のクロロホ
ルム溶液中で測定した極限粘度[η]が0.2〜1.0
dl/gの範囲にあることが好ましい。
【0034】上記のような固有粘度を有するポリエステ
ル、ポリアミドあるいは上記のような極限粘度[η]を
有するポリフェニレンエーテル系樹脂と、後述するα−
オレフィン/共役ジエン系共重合体とをブレンドする
と、耐衝撃性、耐寒性、耐候性、熱安定性に優れ、しか
も化学架橋効率、化学修飾効率等に優れたα−オレフィ
ン/共役ジエン系共重合体組成物が得られる。
【0035】本発明に係るα−オレフィン/共役ジエン
系共重合体組成物においては、上記熱可塑性樹脂[A]と
して<A-1>ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂等を用い
る場合には、該組成物中に含有される下記[B]α−オレ
フィン/共役ジエン系共重合体としては、変性α−オレ
フィン/共役ジエン系共重合体が好ましい。
【0036】また、上記<A-1>ポリエステル樹脂、ポリ
アミド樹脂等を用いる場合において、これら熱可塑性樹
脂<A-1>が、芳香環を有している場合には、下記[B]α−
オレフィン/共役ジエン系共重合体には、芳香族ビニ
ル化合物単位が含まれていることが好ましく、また該
[B]α−オレフィン/共役ジエン系共重合体は、変性物
であることがさらに好ましく、とくに該変性物は不飽和
カルボン酸変性物であることが望ましい。
【0037】また、上記熱可塑性樹脂[A]として<A-2>芳
香族基含有ポリマーを用いる場合には、下記[B]α−オ
レフィン/共役ジエン系共重合体としては、未変性物で
あっても、変性物であってもよいが、[B]α−オレフィ
ン/共役ジエン系共重合体として未変性物を用いる場合
には、この[B]α−オレフィン/共役ジエン系共重合体
としては、芳香族ビニル化合物単位を有するものを用い
ることが望ましい。
【0038】[[B]α−オレフィン/共役ジエン系重合
体]このα−オレフィン/共役ジエン系共重合体(「共
重合体」、「不飽和性オレフィン系共重合体」とも言
う)は、前述したように少なくとも1種の炭素数2〜1
2のα−オレフィンと、下記式(α)で表される共役ジ
エン単量体と、必要により、これらα−オレフィンおよ
び共役ジエン単量体(α)と共重合可能な単量体とを共
重合させて得られるランダム共重合体である。
【0039】以下、このようなα−オレフィン/共役ジ
エン系共重合体のうちでも特に好ましいものについてさ
らに詳説する。このようなα−オレフィン/共役ジエン
系共重合体を調製する際に用いられるα−オレフィンと
しては、炭素数が2〜12の範囲にあれば特に限定され
ず、直鎖状であっても、分岐を有していてもよい。
【0040】このようなα−オレフィンとしては、具体
的には、例えば、エチレン、プロピレン、1―ブテン、
2−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテ
ン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウン
デセン、1−ドデセン、3−メチル−1−ブテン、3−
メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4
−メチル−1―ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキ
セン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−エチル−
1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセン等が挙げられ
る。これらのα−オレフィンは、1種または2種以上組
み合わせて用いることができる。
【0041】特に上記α−オレフィンを1種単独で用い
る場合には、さらに炭素数2〜5のものが好ましく、と
くにエチレンが好ましい。また上記α−オレフィンを2
種以上組み合わせて用いる場合は、エチレンと、他のα
−オレフィンとの組み合わせが好ましく、そのモル比
(エチレン/炭素数3以上のα−オレフィン)は、99
/1〜40/60であることが好ましく、得られる共重
合体のガラス転移温度Tgを下げることができる点を考
慮すると、さらには、そのモル比が90/10〜60/
40であることが好ましく、さらに該モル比が85/1
5〜70/30であることが、より好ましい。
【0042】共役ジエン単量体としては、下記式(α)
で表されるものが用いられる。
【0043】
【化4】
【0044】(式(α)中、Rは、水素原子、炭素数が
1〜3のアルキル基またはアリール基である。)。この
ような共役ジエン単量体としては、具体的には、1,3-ブ
タジエン、イソプレン、2-エチル-1,3- ブタジエン、2-
プロピル-1,3- ブタジエン、2-ブチル-1,3- ブタジエ
ン、2-ペンチル-1,3- ブタジエン、2-ヘキシル-1,3- ブ
タジエン、2-ヘプチル-1,3- ブタジエン、2-オクチル-
1,3- ブタジエン、2-フェニル-1,3- ブタジエン等が挙
げられる。これらのうちでは、1,3-ブタジエン、イソプ
レン(2-メチル-1,3-ブタジエン)が共重合性に優れる
点で特に好ましい。共役ジエン単量体は、単独であるい
は2種以上組合わせて用いることができる。
【0045】必要により用いられ、上記α−オレフィン
および共役ジエン単量体と共重合可能な他の単量体とし
ては、具体的には、芳香族ビニル化合物、非共役ジエ
ン、不飽和カルボン酸エステル、ビニルエステル等を挙
げることができるが、中でも芳香族ビニル化合物が、得
られる共重合体組成物と他樹脂との相溶性、またα−オ
レフィン/共役ジエン系共重合体の製造の容易さの点か
ら好ましい。
【0046】前述したように、特に[A]熱可塑性樹脂と
して、<A-2>芳香族基含有ポリマーを用いる場合には、
[B]α−オレフィン/共役ジエン系共重合体には、共重
合可能な単量体として、この芳香族ビニル化合物が好ま
しい。
【0047】上記芳香族ビニル化合物としては、具体的
に、例えば、スチレン;o-メチルスチレン、m-メチルス
チレン、p-メチルスチレン、o,p-ジメチルスチレン、o-
エチルスチレン、m-エチルスチレン、p-エチルスチレン
などのモノもしくはポリアルキルスチレン;メトキシス
チレン、エトキシスチレン、ビニル安息香酸、ビニル安
息香酸メチル、ビニルベンジルアセテート、ヒドロキシ
スチレン、o-クロロスチレン、p-クロロスチレン、ジビ
ニルベンゼンなどの官能基含有スチレン誘導体;アリル
ベンゼン(3-フェニルプロピレン)、α−メチルスチレ
ン(2-フェニルプロピレン)、4-フェニルブテン-1、3-
フェニルブテン-1、4-(4-メチルフェニル)ブテン-1、
4-(3-メチルフェニル)ブテン-1、4-(2-メチルフェニ
ル)ブテン-1、4-(4-エチルフェニル)ブテン-1、4-
(4-ブチルフェニル)ブテン-1、5-フェニルペンテン-
1、4-フェニルペンテン-1、3-フェニルペンテン-1、5-
(4-メチルフェニル)ペンテン-1、4-(2-メチルフェニ
ル)ペンテン-1、3-(4-メチルフェニル)ペンテン-1、
6-フェニルヘキセン-1、5-フェニルヘキセン-1、4-フェ
ニルヘキセン-1、3-フェニルヘキセン-1、6-(4-メチル
フェニル)ヘキセン-1、5-(2-メチルフェニル)ヘキセ
ン-1、4-(4-メチルフェニル)ヘキセン-1、3-(2-メチ
ルフェニル)ヘキセン-1、7-フェニルヘプテン-1、6-フ
ェニルヘプテン-1、5-フェニルヘプテン-1、4-フェニル
ヘプテン-1、8-フェニルオクテン-1、7-フェニルオクテ
ン-1、6-フェニルオクテン-1、5-フェニルオクテン-1、
4-フェニルオクテン-1、3-フェニルオクテン-1、10- フ
ェニルデセン-1等のフェニル置換アルケン類などが挙げ
られる。
【0048】これらの芳香族ビニル化合物のうち、スチ
レン、アリルベンゼン(3-フェニルプロピレン)、4-フ
ェニルブテン-1、4-メトキシスチレンが好ましく、特
に、スチレン、4-フェニルブテン-1が好ましく用いられ
る。
【0049】これらの芳香族ビニル化合物は、単独でま
たは2種以上組合わせて用いることができる。また、本
発明においては、本発明の目的を損なわない範囲で、エ
チリデンノルボルネン、ジシクロペンタジエン等の非共
役ジエンや非共役トリエンを共重合することができる。
【0050】[B]α−オレフィン/共役ジエン系共重合
体は、炭素数が2〜20のα- オレフィンから導かれる
構成単位と、共役ジエン単量体から導かれる構成単位と
が、それぞれランダムに配列して結合し、共役ジエン単
量体に起因する2重結合構造を有するとともに、主鎖
は、実質的に線状構造となっている。
【0051】これらの共重合体が実質的に線状構造を有
しており実質的にゲル状架橋重合体を含有しないこと
は、これらの共重合体が有機溶媒に溶解し、不溶分を実
質的に含まないことにより確認することができる。たと
えば極限粘度[η]を測定する際に、該共重合体が13
5℃、デカリンに完全に溶解することにより確認するこ
とができる。
【0052】本発明で用いられる[B]α−オレフィン/
共役ジエン系共重合体は、炭素数2〜20のα- オレフ
ィン由来の構成単位;共役ジエン由来の1,2付加体
(3,4付加体を含む)、1,4付加体の各構成単位;
を有している。しかしながら、この[B]α−オレフィン
/共役ジエン系共重合体では、主鎖中に共役ジエン由来
の5員環(シクロペンタン環)の構造を実質的に有して
いない。
【0053】[B]α−オレフィン/共役ジエン系共重合
体中においては、上記共役ジエン単量体から導かれた
1,2付加体(3,4付加体を含む)は、共重合体中の
側鎖に2重結合を形成しており、1,4付加体は、共重
合体中の主鎖にシスあるいはトランスの2重結合を形成
している。
【0054】この共重合体においては、上記1,2付加
体(3,4付加体を含む)由来の側鎖の2重結合と1,
4付加体由来の主鎖の2重結合とは、その比(1,2付
加体由来の側鎖の2重結合/1,4付加体由来の主鎖の
2重結合)が、5/95〜99/1(モル比)、好まし
くは10/90〜99/1になるような量で存在してい
ることが望ましい。
【0055】このような量比で共重合体中に上記2重結
合が存在していると、共重合体の耐候性、耐熱性、架橋
効率、耐寒性、変性効率が向上するため望ましい。
【0056】[B]α−オレフィン/共役ジエン系共重合
体を構成する各成分から誘導される構成単位の含有割合
が、上記のような範囲内にあると、α−オレフィン/共
役ジエン系共重合体組成物から得られる加硫物は、耐動
的疲労性に優れ、防振性、制振性および低温特性のバラ
ンスに特に優れている。上記のように該重合体の主鎖中
には、該共重合体主鎖中の隣接する少なくとも2個の炭
素原子を介して形成された5員環(シクロペンタン環)
や、シクロプロパン環は少量しか存在せず、実質上存在
していないとみなし得る。
【0057】なお、本発明で用いられる[B]α−オレフ
ィン/共役ジエン系共重合体中に少量共存する5員環に
は、シスとトランスの二種がある。
【0058】なお、この5員環生成のメカニズムは明ら
かではないが、エチレンと、1,3-ブタジエン(共役ジエ
ン単量体)とから形成されるα- オレフィンと共役ジエ
ンとが反応して形成されるオリゴマー鎖あるいはプレポ
リマー鎖に、たとえば共役ジエンが1,2付加あるいは
3,4付加した後、エチレン(α- オレフィン)が付加
し、さらに分子内環化により5員環が生成するのであろ
うと考えられる。
【0059】[B]α−オレフィン/共役ジエン系共重合
体が、例えば、エチレン/プロピレン/スチレン/1,3-
ブタジエンの場合には、ヘキサクロロブタジエン溶剤、
110℃、100MHzの条件下で日本電子社製NMR
で測定することによって、1,4付加体、5員環構造
は、Makromol. Chem. 192, 2591-2601(1991)に記載され
たケミカルシフトより同定した。
【0060】また1,2付加体の同定および定量は、1
H−NMR、13C−NMRおよび1Hと13Cの2次元N
MRにより行うことができる。
【0061】
【化5】
【0062】各、ケミカルシフトを下記表1に示す。
【0063】
【表1】
【0064】またスチレンは、Makromol. Chem. Phys.
197, 1071-1083 (1996)およびMacromolecules. 28, 466
5-4667 (1995)のケミカルシフトより同定した。なお、
各成分の比率および共役ジエンの構造の量比は13C−N
MRおよび/または1H−NMRの各ピークの面積比よ
り求めた。
【0065】[B]α−オレフィン/共役ジエン系共重合
体のポリマー鎖中には、共役ジエンに由来する1,2-シク
ロペンタン骨格の含有量が1モル%以下、好ましくは実
質的に含まないとみなせる含有量(0.1モル%未満)
しか含まれていない。なお、1,2-シクロペンタン骨格の
含有量が0.1モル%未満の場合、検出限界以下とみな
し全共役ジエン単位の計算には含めない。
【0066】また、この[B]α−オレフィン/共役ジエ
ン系共重合体におけるジエンの他の挿入形式(1,4 ci
s、1,4-trans、1,2-vinyl)の割合は、任意である。な
おこの割合は、Die Makromolekulare Chemie 誌 192
巻、2591-2601頁(1991年)記載の方法で、13C−NM
Rおよび 1H−NMRにより測定する。
【0067】本発明で用いられる[B]α−オレフィン/
共役ジエン系共重合体は、エチレン(イ)から導かれる構
成単位と、炭素数が3〜20のα- オレフィン(ロ)から
導かれる構成単位とのモル比(エチレン/α- オレフィ
ン)が99/1〜40/60、好ましくは95/5〜5
0/50、さらに好ましくは90/10〜55/45の
範囲にある。
【0068】さらに、[B]α−オレフィン/共役ジエン
系共重合体においては、エチレン(イ)から導かれる構成
単位と炭素数が3〜20のα- オレフィン(ロ)から導か
れる構成単位との合計量と、共役ジエン単量体(ハ)から
導かれる構成単位とのモル比[(エチレン(イ)+α- オ
レフィン(ロ))/共役ジエン単量体(ハ)]が99.99/
0.01〜70/30、好ましくは99.5/0.5〜
80/20、さらに好ましくは99/1〜90/10の
範囲にある。
【0069】[B]α−オレフィン/共役ジエン系共重合
体は、135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が
通常0.1〜10dl/g、好ましくは1.0〜7.0
dl/gの範囲にあることが望ましい。極限粘度[η]
は、[B]α−オレフィン/共役ジエン系共重合体の分子
量の尺度であり、極限粘度が前記範囲内である共重合体
を用いた場合、耐候性、熱安定性、耐オゾン性、耐熱老
化性、低温特性、耐動的疲労性等に優れた組成物が得ら
れる。
【0070】また、[B]α−オレフィン/共役ジエン系
共重合体は、DSCで測定した融点が好ましくは110
℃以下、より好ましくは70℃以下、さらに好ましくは
40℃以下であることが望ましい。[B]α−オレフィン
/共役ジエン系共重合体は、単一のガラス転移温度を有
し、かつ示差走査熱量計(DSC)で測定したガラス転
移温度Tgは、好ましくは25℃以下、より好ましくは
10℃以下、さらに好ましくは0℃以下であることが望
ましい。共重合体のガラス転移温度が前記範囲内にある
と、耐寒性、低温特性に優れた組成物を得ることができ
る。
【0071】さらに、[B]α−オレフィン/共役ジエン
系共重合体は、GPCにより測定したMw/Mn(M
w:重量平均分子量、Mn:数平均分子量)の値は、5
以下であることが好ましい。
【0072】本発明では、[B]α−オレフィン/共役ジ
エン系共重合体は、各構成単位のモル比、極限粘度
[η]およびヨウ素価のうち、少なくとも1つが前記範
囲内にあることが好ましく、2つ以上が前記範囲内にあ
ることがより好ましく、特に各構成単位のモル比、極限
粘度[η]およびヨウ素価のすべてが前記範囲内にある
ことが好ましい。
【0073】[B]α−オレフィン/共役ジエン系共重合
体は上記のような共役ジエン単量体を共重合成分として
いるので、架橋効率が高くなり、少量の有機加酸化物で
タイトに架橋が進行し、成形性と成形体のゴム弾性との
バランスが良くなる。
【0074】このα−オレフィン/共役ジエン系共重合
体が、α−オレフィンと共役ジエンとからなる2元系共
重合である場合、エチレンに代表されるα-オレフィン
から導かれる構成単位は99.99〜70モル%、好ま
しくは99.9〜85モル%の量で含まれており、共役
ジエンから誘導される構成単位は、残部量(α−オレフ
ィン単位と共役ジエン単位の合計100モル%)で含ま
れている。
【0075】また、このα−オレフィン/共役ジエン系
共重合体が、α−オレフィンと共役ジエンと芳香族ビニ
ル化合物(好ましくはスチレン)とからなる3元系共重
合である場合、スチレンに代表される芳香族ビニル化合
物から導かれる構成単位は、0.1〜60モル%、好ま
しくは0.1〜40モル%、さらに好ましくは0.5〜
30モル%の量で含まれている。
【0076】このような量でスチレンが共重合体中に含
まれていると、得られる組成物を成型した場合に剛性と
耐衝撃性に優れる。また、成型品が特にフィルムである
場合には、透明性、ひずみ復元性などにも優れる傾向が
ある。なお、前述の[A]熱可塑性樹脂との相溶性の見地
からは、このα−オレフィン/共役ジエン系共重合体中
の芳香族ビニル化合物の含量が高い方が好ましいが、上
記範囲を超えた場合、α−オレフィン/共役ジエン系共
重合体のガラス転移温度Tgが高くなるため、耐衝撃
性、耐寒性の改質性能が低下する傾向がある。
【0077】またこの3元系共重合体では、エチレンに
代表されるα-オレフィンから導かれる構成単位は10
〜99.89モル%、好ましくは45〜99.8モル
%、さらに好ましくは99.4〜55モル%の量で含ま
れている(α−オレフィン単位と共役ジエン単位と芳香
族ビニル化合物単位との合計100モル%)。
【0078】[α−オレフィン/共役ジエン系共重合体
の製造]このα−オレフィン/共役ジエン系共重合体
は、少なくとも1種の炭素数2〜12のα−オレフィン
と、上記式(α)で表される共役ジエン単量体と、必要
により共重合可能な他の単量体好ましくは芳香族ビニル
化合物とを下記に示すオレフィン重合用触媒の存在下に
ランダム共重合させて得られる。
【0079】本発明で好ましく用いられる第1のオレフ
ィン重合用触媒は、(A)下記一般式(I)で表される
遷移金属化合物と、(B)(B-1) 有機金属化合物、(B-
2) 有機アルミニウムオキシ化合物、および(B-3) 遷移
金属化合物と反応してイオン対を形成する化合物から選
ばれる少なくとも1種の化合物とからなっている。
【0080】
【化6】
【0081】(式(I)中、Mは周期律表第3〜11族
の遷移金属原子を示し、mは、1〜6の整数を示し、R
1〜R6は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原
子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残
基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含
有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有
基、またはスズ含有基を示し、これらのうちの2個以上
が互いに連結して環を形成していてもよく、また、mが
2以上の場合にはR1〜R6で示される基のうち2個の基
が連結されていてもよく(但し、R1同士が結合される
ことはない)、nは、Mの価数を満たす数であり、X
は、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、酸素含有
基、イオウ含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミ
ニウム含有基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環
式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、ま
たはスズ含有基を示し、nが2以上の場合は、Xで示さ
れる複数の基は互いに同一でも異なっていてもよく、ま
たXで示される複数の基は互いに結合して環を形成して
もよい。)本発明では、前記一般式(I)においてR6
が、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残
基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含
有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有
基、またはスズ含有基であるであることが好ましい。
【0082】前記遷移金属化合物(A)において、Mは
周期律表第3〜5族および第9族から選ばれる少なくと
も1種の遷移金属原子であることが好ましい。
【0083】本発明で用いられる第1のオレフィン重合
用触媒では、前記遷移金属化合物(A)と、(B-1) 有機
金属化合物、(B-2) 有機アルミニウムオキシ化合物およ
び(B-3) 遷移金属化合物と反応してイオン対を形成する
化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物(B)に加
えて、担体(C)を含んでいてもよい。
【0084】また、本発明においては、下記のような第
2のオレフィン重合用触媒を用いることもでき、この第
2のオレフィン重合用触媒は、(A')下記一般式(I
I)で表される遷移金属化合物と、(B)(B-1) 有機金
属化合物、(B-2) 有機アルミニウムオキシ化合物、およ
び(B-3) 遷移金属化合物(A')と反応してイオン対を
形成する化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物と
からなっている。
【0085】
【化7】
【0086】(式中、Mは周期律表第3〜11族の遷移
金属原子を示し、R1〜R10は、互いに同一でも異なっ
ていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、
ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ
素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ケイ素含有基、
ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示し、これら
のうちの2個以上が互いに連結して環を形成していても
よく、nは、Mの価数を満たす数であり、Xは、水素原
子、ハロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、イオウ含
有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有
基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残
基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含
有基を示し、nが2以上の場合は、Xで示される複数の
基は互いに同一でも異なっていてもよく、またXで示さ
れる複数の基は互いに結合して環を形成してもよく、Y
は、酸素、硫黄、炭素、窒素、リン、ケイ素、セレン、
スズおよび硼素からなる群より選ばれた少なくとも1種
の元素を含む2価の結合基を示し、炭化水素基である場
合には炭素原子3個以上からなる基である。)上記結合
基Yは特に制限されるものではないが、好ましくは主鎖
が原子3個以上、より好ましくは4個以上20個以下、
特に好ましくは4個以上10個以下で構成された構造を
有する。なお、この結合基は置換基を有していてもよ
い。
【0087】前記一般式(II)において、R6またはR
10の少なくとも一方は、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘ
テロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素
含有基、イオウ含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲ
ルマニウム含有基、またはスズ含有基であることが好ま
しい。
【0088】以下、本発明で好ましく用いられる第1の
オレフィン重合用触媒について、さらに具体的に説明す
る。第1のオレフィン重合用触媒 本発明で好ましく用いられる第1のオレフィン重合用触
媒は、上記のように(A)下記一般式(I)で表される
遷移金属化合物と、(B)(B-1) 有機金属化合物、(B-
2) 有機アルミニウムオキシ化合物、および(B-3) 遷移
金属化合物と反応してイオン対を形成する化合物から選
ばれる少なくとも1種の化合物とから形成されている。
【0089】まず、本発明のオレフィン重合用触媒を形
成する各触媒成分について説明する。(A)遷移金属化合物 本発明で用いられる(A)遷移金属化合物は、下記一般
式(I)で表される化合物である。
【0090】
【化8】
【0091】(なお、ここでN……Mは、一般的には配
位していることを示すが、本発明においては配位してい
てもしていなくてもよい。) 式(I)中、Mは周期律表第3〜11族の遷移金属原子
(3族にはランタノイドも含まれる)を示し、好ましく
は3〜9族(3族にはランタノイドも含まれる)の金属
原子であり、より好ましくは3〜5族および9族の金属
原子であり、特に好ましくは4族または5族の金属原子
である。具体的には、スカンジウム、チタン、ジルコニ
ウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、コ
バルト、ロジウム、イットリウム、クロム、モリブデ
ン、タングステン、マンガン、レニウム、鉄、ルテニウ
ムなどであり、好ましくはスカンジウム、チタン、ジル
コニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタ
ル、コバルト、ロジウムなどであり、より好ましくは、
チタン、ジルコニウム、ハフニウム、コバルト、ロジウ
ム、バナジウム、ニオブ、タンタルなどであり、特に好
ましくはチタン、ジルコニウム、ハフニウムである。
【0092】mは、1〜6、好ましくは1〜4の整数を
示す。R1〜R6は、互いに同一でも異なっていてもよ
く、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式
化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、
イオウ含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウ
ム含有基、またはスズ含有基を示し、これらのうちの2
個以上が互いに連結して環を形成していてもよい。
【0093】ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭
素、ヨウ素が挙げられる。炭化水素基として具体的に
は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブ
チル、イソブチル、sec-ブチル、 tert-ブチル、ネオペ
ンチル、n-ヘキシルなどの炭素原子数が1〜30、好ま
しくは1〜20の直鎖状または分岐状のアルキル基;ビ
ニル、アリル、イソプロペニルなどの炭素原子数が2〜
30、好ましくは2〜20の直鎖状または分岐状のアル
ケニル基;エチニル、プロパルギルなど炭素原子数が2
〜30、好ましくは2〜20の直鎖状または分岐状のア
ルキニル基;シクロプロピル、シクロブチル、シクロペ
ンチル、シクロヘキシル、アダマンチルなどの炭素原子
数が3〜30、好ましくは3〜20の環状飽和炭化水素
基;シクロペンタジエニル、インデニル、フルオレニル
などの炭素数5〜30の環状不飽和炭化水素基;フェニ
ル、ベンジル、ナフチル、ビフェニル、ターフェニル、
フェナントリル、アントラセニルなどの炭素原子数が6
〜30、好ましくは6〜20のアリール基;トリル、is
o-プロピルフェニル、t-ブチルフェニル、ジメチルフェ
ニル、ジ-t-ブチルフェニルなどのアルキル置換アリー
ル基などが挙げられる。
【0094】上記炭化水素基は、水素原子がハロゲンで
置換されていてもよく、たとえば、トリフルオロメチ
ル、ペンタフルオロフェニル、クロロフェニルなどの炭
素原子数1〜30、好ましくは1〜20のハロゲン化炭
化水素基が挙げられる。
【0095】また、上記炭化水素基は、他の炭化水素基
で置換されていてもよく、たとえば、ベンジル、クミル
などのアリール基置換アルキル基などが挙げられる。さ
らにまた、上記炭化水素基は、ヘテロ環式化合物残基;
アルコシキ基、アリーロキシ基、エステル基、エーテル
基、アシル基、カルボキシル基、カルボナート基、ヒド
ロキシ基、ペルオキシ基、カルボン酸無水物基などの酸
素含有基;アミノ基、イミノ基、アミド基、イミド基、
ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、ニトロ基、ニトロソ基、
シアノ基、イソシアノ基、シアン酸エステル基、アミジ
ノ基、ジアゾ基、アミノ基がアンモニウム塩となったも
のなどの窒素含有基;ボランジイル基、ボラントリイル
基、ジボラニル基などのホウ素含有基;メルカプト基、
チオエステル基、ジチオエステル基、アルキルチオ基、
アリールチオ基、チオアシル基、チオエーテル基、チオ
シアン酸エステル基、イソチアン酸エステル基、スルホ
ンエステル基、スルホンアミド基、チオカルボキシル
基、ジチオカルボキシル基、スルホ基、スルホニル基、
スルフィニル基、スルフェニル基などのイオウ含有基;
ホスフィド基、ホスホリル基、チオホスホリル基、ホス
ファト基などのリン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウ
ム含有基、またはスズ含有基を有していてもよい。
【0096】これらのうち、特に、メチル、エチル、n-
プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-
ブチル、t-ブチル、ネオペンチル、n-ヘキシルなどの炭
素原子数1〜30、好ましくは1〜20の直鎖状または
分岐状のアルキル基;フェニル、ナフチル、ビフェニ
ル、ターフェニル、フェナントリル、アントラセニルな
どの炭素原子数6〜30、好ましくは6〜20のアリー
ル基;これらのアリール基にハロゲン原子、炭素原子数
1〜30、好ましくは1〜20のアルキル基またはアル
コキシ基、炭素原子数6〜30、好ましくは6〜20の
アリール基またはアリーロキシ基などの置換基が1〜5
個置換した置換アリール基などが好ましい。
【0097】酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、
イオウ含有基、リン含有基としては、上記例示したもの
と同様のものが挙げられる。ヘテロ環式化合物残基とし
ては、ピロール、ピリジン、ピリミジン、キノリン、ト
リアジンなどの含窒素化合物、フラン、ピランなどの含
酸素化合物、チオフェンなどの含硫黄化合物などの残
基、およびこれらのヘテロ環式化合物残基に炭素原子数
が1〜30、好ましくは1〜20のアルキル基、アルコ
キシ基などの置換基がさらに置換した基などが挙げられ
る。
【0098】ケイ素含有基としては、シリル基、シロキ
シ基、炭化水素置換シリル基、炭化水素置換シロキシ基
など、具体的には、メチルシリル、ジメチルシリル、ト
リメチルシリル、エチルシリル、ジエチルシリル、トリ
エチルシリル、ジフェニルメチルシリル、トリフェニル
シリル、ジメチルフェニルシリル、ジメチル-t-ブチル
シリル、ジメチル(ペンタフルオロフェニル)シリルな
どが挙げられる。これらの中では、メチルシリル、ジメ
チルシリル、トリメチルシリル、エチルシリル、ジエチ
ルシリル、トリエチルシリル、ジメチルフェニルシリ
ル、トリフェニルシリルなどが好ましい。特にトリメチ
ルシリル、トリエチルシリル、トリフェニルシリル、ジ
メチルフェニルシリルが好ましい。炭化水素置換シロキ
シ基として具体的には、トリメチルシロキシなどが挙げ
られる。
【0099】ゲルマニウム含有基およびスズ含有基とし
ては、前記ケイ素含有基のケイ素をゲルマニウムおよび
スズに置換したものが挙げられる。次に上記で説明した
1〜R6の例について、より具体的に説明する。
【0100】酸素含有基のうち、アルコキシ基として
は、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキ
シ、n-ブトキシ、イソブトキシ、tert-ブトキシなど
が、アリーロキシ基としては、フェノキシ、2,6-ジメチ
ルフェノキシ、2,4,6-トリメチルフェノキシなどが、ア
シル基としては、ホルミル基、アセチル基、ベンゾイル
基、p-クロロベンゾイル基、p-メトキシベンゾイル基な
どが、エステル基としては、アセチルオキシ、ベンゾイ
ルオキシ、メトキシカルボニル、フェノキシカルボニ
ル、p-クロロフェノキシカルボニルなどが好ましく例示
される。
【0101】窒素含有基のうち、アミノ基としては、ジ
メチルアミノ、エチルメチルアミノ、ジフェニルアミノ
などが、アミド基としては、アセトアミド、N-メチルア
セトアミド、N-メチルベンズアミドなどが、イミド基と
しては、アセトイミド、ベンズイミドなどが、イミノ基
としては、メチルイミノ、エチルイミノ、プロピルイミ
ノ、ブチルイミノ、フェニルイミノなどが好ましく例示
される。
【0102】イオウ含有基のうち、アルキルチオ基とし
ては、メチルチオ、エチルチオ等が、アリールチオ基と
しては、フェニルチオ、メチルフェニルチオ、ナフチル
チオ等が、チオエステル基としては、アセチルチオ、ベ
ンゾイルチオ、メチルチオカルボニル、フェニルチオカ
ルボニルなどが、スルホンエステル基としては、スルホ
ン酸メチル、スルホン酸エチル、スルホン酸フェニルな
どが、スルホンアミド基としては、フェニルスルホンア
ミド、N-メチルスルホンアミド、N-メチル-p-トルエン
スルホンアミドなどが好ましく挙げられる。
【0103】なお、R6 は水素以外の置換基であること
が好ましい。すなわち、R6 はハロゲン原子、炭化水素
基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、ホウ素含有
基、イオウ含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基
またはスズ含有基が好ましい。
【0104】R6 として好ましい炭化水素基としては、
メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチ
ル、イソブチル、sec-ブチル、 tert-ブチル、チオペン
チル、n-ヘキシルなどの炭素原子数が1〜30、好まし
くは1〜20の直鎖状または分岐状のアルキル基;シク
ロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘ
キシル、アダマンチルなどの炭素原子数が3〜30、好
ましくは3〜20の環状飽和炭化水素基;フェニル、ベ
ンジル、ナフチル、ビフェニリル、トリフェニリルなど
の炭素原子数が6〜30、好ましくは6〜20のアリー
ル基;および、これらの基に炭素原子数が1〜30、好
ましくは1〜20のアルキル基またはアルコキシ基、炭
素原子数が1〜30、好ましくは1〜20のハロゲン化
アルキル基、炭素原子数が6〜30、好ましくは6〜2
0のアリール基またはアリーロキシ基、ハロゲン、シア
ノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基などの置換基がさらに置
換した基などが好ましく挙げられる。
【0105】R6 として好ましい炭化水素置換シリル基
としては、メチルシリル、ジメチルシリル、トリメチル
シリル、エチルシリル、ジエチルシリル、トリエチルシ
リル、ジフェニルメチルシリル、トリフェニルシリル、
ジメチルフェニルシリル、ジメチル-t-ブチルシリル、
ジメチル(ペンタフルオロフェニル)シリルなどが挙げ
られる。特に好ましくは、トリメチルシリル、トリエチ
ルフェニル、ジフェニルメチルシリル、イソフェニルシ
リル、ジメチルフェニルシリル、ジメチル-t-ブチルシ
リル、ジメチル(ペンタフルオロフェニル)シリルなどが
挙げられる。
【0106】本発明では、R6 としては特に、イソプロ
ピル、イソブチル、sec-ブチル、 tert-ブチル、ネオペ
ンチルなどの炭素原子数が3〜30、好ましくは3〜2
0の分岐状アルキル基、およびこれらの基の水素原子を
炭素原子数が6〜30、好ましくは6〜20のアリール
基で置換した基(クミル基など)、アダマンチル、シク
ロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘ
キシルなどの炭素原子数が3〜30、好ましくは3〜2
0の環状飽和炭化水素基から選ばれる基であることが好
ましく、あるいはフェニル、ナフチル、フルオレニル、
アントラニル、フェナントリルなどの炭素原子数6〜3
0、好ましくは6〜20のアリール基、または炭化水素
置換シリル基であることも好ましい。
【0107】R1 〜R6 は、これらのうちの2個以上の
基、好ましくは隣接する基が互いに連結して脂肪環、芳
香環または、窒素原子などの異原子を含む炭化水素環を
形成していてもよく、これらの環はさらに置換基を有し
ていてもよい。
【0108】また、mが2以上の場合には、R1 〜R6
で示される基のうち2個の基が連結されていてもよい。
ただし、R1 同士は結合されることはない。さらに、m
が2以上の場合にはR1 同士、R2 同士、R3 同士、R
4 同士、R5 同士、R6同士は、互いに同一でも異なっ
ていてもよい。
【0109】nは、Mの価数を満たす数であり、具体的
には0〜5、好ましくは1〜4、より好ましくは1〜3
の整数である。Xは、水素原子、ハロゲン原子、炭化水
素基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、ホウ素
含有基、アルミニウム含有基、リン含有基、ハロゲン含
有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニ
ウム含有基、またはスズ含有基を示す。なお、nが2以
上の場合には、互いに同一であっても、異なっていても
よい。
【0110】ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭
素、ヨウ素が挙げられる。炭化水素基としては、前記R
1〜R6で例示したものと同様のものが挙げられる。
【0111】具体的には、メチル、エチル、プロピル、
ブチル、ヘキシル、オクチル、ノニル、ドデシル、アイ
コシルなどのアルキル基;シクロペンチル、シクロヘキ
シル、ノルボルニル、アダマンチルなどの炭素原子数が
3〜30のシクロアルキル基;ビニル、プロペニル、シ
クロヘキセニルなどのアルケニル基;ベンジル、フェニ
ルエチル、フェニルプロピルなどのアリールアルキル
基;フェニル、トリル、ジメチルフェニル、トリメチル
フェニル、エチルフェニル、プロピルフェニル、ビフェ
ニル、ナフチル、メチルナフチル、アントリル、フェナ
ントリルなどのアリール基などが挙げられるが、これら
に限定されるものではない。また、これらの炭化水素基
には、ハロゲン化炭化水素、具体的には炭素原子数1〜
20の炭化水素基の少なくとも一つの水素がハロゲンに
置換した基も含まれる。
【0112】これらのうち、炭素原子数が1〜20のも
のが好ましい。ヘテロ環式化合物残基としては、前記R
1〜R6で例示したものと同様のものが挙げられる。
【0113】酸素含有基としては、前記R1〜R6で例示
したものと同様のものが挙げられ、具体的には、ヒドロ
キシ基;メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシな
どのアルコシキ基;フェノキシ、メチルフェノキシ、ジ
メチルフェノキシ、ナフトキシなどのアリーロキシ基;
フェニルメトキシ、フェニルエトキシなどのアリールア
ルコキシ基;アセトキシ基;カルボニル基などが挙げら
れるが、これらに限定されるものではない。
【0114】イオウ含有基としては、前記R1〜R6で例
示したものと同様のものが挙げられ、具体的には、メチ
ルスルフォネート、トリフルオロメタンスルフォネー
ト、フェニルスルフォネート、ベンジルスルフォネー
ト、p-トルエンスルフォネート、トリメチルベンゼンス
ルフォネート、トリイソブチルベンゼンスルフォネー
ト、p-クロルベンゼンスルフォネート、ペンタフルオロ
ベンゼンスルフォネートなどのスルフォネート基;メチ
ルスルフィネート、フェニルスルフィネート、ベンジル
スルフィネート、p-トルエンスルフィネート、トリメチ
ルベンゼンスルフィネート、ペンタフルオロベンゼンス
ルフィネートなどのスルフィネート基;アルキルチオ
基;アリールチオ基などが挙げられるが、これらに限定
されるものではない。
【0115】窒素含有基として具体的には、前記R1
6で例示したものと同様のものが挙げられ、具体的に
は、アミノ基;メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチ
ルアミノ、ジプロピルアミノ、ジブチルアミノ、ジシク
ロヘキシルアミノなどのアルキルアミノ基;フェニルア
ミノ、ジフェニルアミノ、ジトリルアミノ、ジナフチル
アミノ、メチルフェニルアミノなどのアリールアミノ基
またはアルキルアリールアミノ基などが挙げられるが、
これらに限定されるものではない。
【0116】ホウ素含有基として具体的には、BR
4(Rは水素、アルキル基、置換基を有してもよいアリ
ール基、ハロゲン原子等を示す)が挙げられる。リン含
有基として具体的には、トリメチルホスフィン、トリブ
チルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィンなどの
トリアルキルホスフィン基;トリフェニルホスフィン、
トリトリルホスフィンなどのトリアリールホスフィン
基;メチルホスファイト、エチルホスファイト、フェニ
ルホスファイトなどのホスファイト基(ホスフィド
基);ホスホン酸基;ホスフィン酸基などが挙げられる
が、これらに限定されるものではない。
【0117】ケイ素含有基として具体的には、前記R1
〜R6で例示したものと同様のものが挙げられ、具体的
には、フェニルシリル、ジフェニルシリル、トリメチル
シリル、トリエチルシリル、トリプロピルシリル、トリ
シクロヘキシルシリル、トリフェニルシリル、メチルジ
フェニルシリル、トリトリルシリル、トリナフチルシリ
ルなどの炭化水素置換シリル基;トリメチルシリルエー
テルなどの炭化水素置換シリルエーテル基;トリメチル
シリルメチルなどのケイ素置換アルキル基;トリメチル
シリルフェニルなどのケイ素置換アリール基などが挙げ
られる。
【0118】ゲルマニウム含有基として具体的には、前
記R1〜R6で例示したものと同様のものが挙げられ、具
体的には、前記ケイ素含有基のケイ素をゲルマニウムに
置換した基が挙げられる。
【0119】スズ含有基として具体的には、前記R1
6で例示したものと同様のものが挙げられ、より具体
的には、前記ケイ素含有基のケイ素をスズに置換した基
が挙げられる。
【0120】ハロゲン含有基として具体的には、P
6、BF4などのフッ素含有基、ClO4、SbCl6など
の塩素含有基、IO4などのヨウ素含有基が挙げられる
が、これらに限定されるものではない。
【0121】アルミニウム含有基として具体的には、A
lR4(Rは水素、アルキル基、置換基を有してもよいア
リール基、ハロゲン原子等を示す)が挙げられるが、こ
れらに限定されるものではない。
【0122】なお、nが2以上の場合は、Xで示される
複数の基は互いに同一でも異なっていてもよく、またX
で示される複数の基は互いに結合して環を形成してもよ
い。前記一般式(I)で表される遷移金属化合物におい
て、mが2であり、R1 〜R6 で示される基のうち2個
の基(但し、R1 同士を除く)が連結されてい る化合
物は、たとえば下記一般式(I-a-2)で表される化合物
である。
【0123】
【化9】
【0124】以下に、上記一般式(I)で表される遷移
金属化合物の具体的な例を示す が、これらに限定され
るものではない。なお、下記具体例においてMは遷移金
属元素であり、個々には、Sc(III) 、Ti(III) 、T
i(IV)、Zr(III) 、Zr(IV)、Hf(IV)、V(IV)、N
b(V) 、Ta(V) 、Co(II)、Co(III) 、Rh(II)、
Rh(III) 、Rh(IV)を示すが、これらに限定されるも
のではない。これらのなかでは特に、Ti(IV) 、Zr
(IV) 、Hf(IV)が好ましい。
【0125】Xは、Cl、Br等のハロゲン、もしくは
メチル等のアルキル基を示すが、これらに限定されるも
のではない。また、Xが複数ある場合は、これらは同じ
であっても、異なっていても良い。
【0126】nは金属Mの価数により決定される。例え
ば、2種のモノアニオン種が金属に結合している場合、
2価金属ではn=0、3価金属ではn=1、4価金属で
はn=2、5価金属ではn=3になる。たとえば金属が
Ti(IV)の場合はn=2であり、Zr(IV)の場合は
n=2であり、Hf(IV)の場合はn=2である。
【0127】
【化10】
【0128】
【化11】
【0129】
【化12】
【0130】
【化13】
【0131】
【化14】
【0132】
【化15】
【0133】
【化16】
【0134】
【化17】
【0135】
【化18】
【0136】
【化19】
【0137】
【化20】
【0138】
【化21】
【0139】
【化22】
【0140】
【化23】
【0141】
【化24】
【0142】
【化25】
【0143】
【化26】
【0144】
【化27】
【0145】
【化28】
【0146】なお、上記例示中、Meはメチル基、Et
はエチル基、iPrはi-プロピル基、tBuはtert- ブ
チル基、Phはフェニル基を示す。遷移金属化合物の一般的製造方法 一般式(I)、(II)で表される遷移金属化合物の製法
は、特に限定されることなく、たとえば以下のようにし
て製造することができる。
【0147】まず、本発明で用いられる遷移金属化合物
を構成する配位子は、サリチルアルデヒド類化合物を、
式R1−NH2 の第1級アミン類化合物(R1 は前記の
意味を有する)、例えばアニリン類化合物もしくはアル
キルアミン類化合物と反応させることにより得られる。
具体的には、両方の出発化合物を溶媒に溶解する。溶媒
としては、このような反応に普通のものを使用できる
が、なかでもメタノール、エタノール等のアルコール溶
媒、またはトルエン等の炭化水素溶媒が好ましい。次い
で、得られた溶液を室温から還流条件で、約1〜48時
間撹拌すると、対応する配位子が良好な収率で得られ
る。
【0148】配位子化合物を合成する際、触媒として、
蟻酸、酢酸、トルエンスルホン酸等の酸触媒を用いても
よい。また、脱水剤として、モレキュラシーブス、硫酸
マグネシウムまたは硫酸ナトリウムを用いたり、ディー
ンシュタークにより脱水を行うと、反応進行に効果的で
ある。
【0149】次に、こうして得られた配位子を遷移金属
M含有化合物と反応させることで、対応する遷移金属化
合物を合成することができる。具体的には、合成した配
位子を溶媒に溶解し、必要に応じて塩基と接触させてフ
ェノキサイド塩を調製した後、金属ハロゲン化物、金属
アルキル化物等の金属化合物と低温下で混合し、−78
℃から室温、もしくは還流条件下で、約1〜48時間撹
拌する。溶媒としては、このような反応に普通のものを
使用できるが、なかでもエーテル、テトラヒドロフラン
(THF)等の極性溶媒、トルエン等の炭化水素溶媒な
どが好ましく使用される。また、フェノキサイド塩を調
製する際に使用する塩基としては、n-ブチルリチウム等
のリチウム塩、水素化ナトリウム等のナトリウム塩等の
金属塩や、トリエチルアミン、ピリジン等の有機塩基が
好ましいが、この限りではない。
【0150】また、化合物の性質によっては、フェノキ
サイド塩調製を経由せず、配位子と金属化合物とを直接
反応させることで、対応する遷移金属化合物を合成する
こともできる。
【0151】さらに、合成した遷移金属化合物中の金属
Mを、常法により別の遷移金属と交換することも可能で
ある。また、例えばR1 〜R6 の何れかがHである場合
には、合成の任意の段階において、H以外の置換基を導
入することができる。
【0152】以上のような遷移金属化合物(A)は、1
種単独または2種以上組み合わせて用いられる。また、
上記遷移金属化合物(A)以外の遷移金属化合物,例え
ば窒素、酸素、硫黄、硼素または燐などのヘテロ原子を
含有する配位子からなる公知の遷移金属化合物と組み合
わせて用いることもできる。
【0153】(B-1) 有機金属化合物 本発明で用いられる(B-1) 有機金属化合物として、具体
的には下記のような周期律表第1、2族および第12、
13族の有機金属化合物が挙げられる。
【0154】(B-1a) 一般式 Ra mAl(ORb)n p
q (式中、Ra およびRb は、互いに同一でも異なってい
てもよく、炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の
炭化水素基を示し、Xはハロゲン原子を示し、mは0<
m≦3、nは0≦n<3、pは0≦p<3、qは0≦q
<3の数であり、かつm+n+p+q=3である。)で
表される有機アルミニウム化合物。
【0155】(B-1b) 一般式 M2 AlRa 4 (式中、M2 はLi、NaまたはKを示し、Ra は炭素
原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示
す。)で表される周期律表第1族金属とアルミニウムと
の錯アルキル化物。
【0156】(B-1c) 一般式 Ra b 3 (式中、Ra およびRb は、互いに同一でも異なってい
てもよく、炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の
炭化水素基を示し、M3 はMg、ZnまたはCdであ
る。)で表される周期律表第2族または第12族金属の
ジアルキル化合物。
【0157】前記(B-1a)に属する有機アルミニウム化合
物としては、次のような化合物などを例示できる。 一般式 Ra m Al(ORb)3-m (式中、Ra およびRb は、互いに同一でも異なってい
てもよく、炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の
炭化水素基を示し、mは好ましくは1.5≦m≦3の数
である。)で表される有機アルミニウム化合物、 一般式 Ra m AlX3-m (式中、Ra は炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜
4の炭化水素基を示し、Xはハロゲン原子を示し、mは
好ましくは0<m<3である。)で表される有機アルミ
ニウム化合物、 一般式 Ra m AlH3-m (式中、Ra は炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜
4の炭化水素基を示し、mは好ましくは2≦m<3であ
る。)で表される有機アルミニウム化合物、 一般式 Ra m Al(ORb )n q (式中、Ra およびRb は、互いに同一でも異なってい
てもよく、炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の
炭化水素基を示し、Xはハロゲン原子を示し、mは0<
m≦3、nは0≦n<3、qは0≦q<3の数であり、
かつm+n+q=3である。)で表される有機アルミニ
ウム化合物。
【0158】(B-1a)に属する有機アルミニウム化合物と
してより具体的にはトリメチルアルミニウム、トリエチ
ルアルミニウム、トリn-ブチルアルミニウム、トリプロ
ピルアルミニウム、トリペンチルアルミニウム、トリヘ
キシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリ
デシルアルミニウムなどのトリn-アルキルアルミニウ
ム;トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルア
ルミニウム、トリsec-ブチルアルミニウム、トリ tert-
ブチルアルミニウム、トリ2-メチルブチルアルミニウ
ム、トリ3-メチルブチルアルミニウム、トリ2-メチルペ
ンチルアルミニウム、トリ3-メチルペンチルアルミニウ
ム、トリ4-メチルペンチルアルミニウム、トリ2-メチル
ヘキシルアルミニウム、トリ3-メチルヘキシルアルミニ
ウム、トリ2-エチルヘキシルアルミニウムなどのトリ分
岐鎖アルキルアルミニウム;トリシクロヘキシルアルミ
ニウム、トリシクロオクチルアルミニウムなどのトリシ
クロアルキルアルミニウム;トリフェニルアルミニウ
ム、トリトリルアルミニウムなどのトリアリールアルミ
ニウム;ジイソブチルアルミニウムハイドライドなどの
ジアルキルアルミニウムハイドライド;(i-C49)x
Aly(C510)z (式中、x、y、zは正の数であ
り、z≧2xである。)などで表されるトリイソプレニ
ルアルミニウムなどのトリアルケニルアルミニウム;イ
ソブチルアルミニウムメトキシド、イソブチルアルミニ
ウムエトキシド、イソブチルアルミニウムイソプロポキ
シドなどのアルキルアルミニウムアルコキシド;ジメチ
ルアルミニウムメトキシド、ジエチルアルミニウムエト
キシド、ジブチルアルミニウムブトキシドなどのジアル
キルアルミニウムアルコキシド;エチルアルミニウムセ
スキエトキシド、ブチルアルミニウムセスキブトキシド
などのアルキルアルミニウムセスキアルコキシド;Ra
2.5Al(ORb)0.5などで表される平均組成を有する部
分的にアルコキシ化されたアルキルアルミニウム;ジエ
チルアルミニウムフェノキシド、ジエチルアルミニウム
(2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノキシド)、エチルア
ルミニウムビス(2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノキシ
ド)、ジイソブチルアルミニウム(2,6-ジ-t-ブチル-4-
メチルフェノキシド)、イソブチルアルミニウムビス
(2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノキシド)などのジア
ルキルアルミニウムアリーロキシド;ジメチルアルミニ
ウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジブチ
ルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムブロミ
ド、ジイソブチルアルミニウムクロリドなどのジアルキ
ルアルミニウムハライド;エチルアルミニウムセスキク
ロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、エチルア
ルミニウムセスキブロミドなどのアルキルアルミニウム
セスキハライド;エチルアルミニウムジクロリド、プロ
ピルアルミニウムジクロリド、ブチルアルミニウムジブ
ロミドなどのアルキルアルミニウムジハライドなどの部
分的にハロゲン化されたアルキルアルミニウム;ジエチ
ルアルミニウムヒドリド、ジブチルアルミニウムヒドリ
ドなどのジアルキルアルミニウムヒドリド;エチルアル
ミニウムジヒドリド、プロピルアルミニウムジヒドリド
などのアルキルアルミニウムジヒドリドなどその他の部
分的に水素化されたアルキルアルミニウム;エチルアル
ミニウムエトキシクロリド、ブチルアルミニウムブトキ
シクロリド、エチルアルミニウムエトキシブロミドなど
の部分的にアルコキシ化およびハロゲン化されたアルキ
ルアルミニウムなどを挙げることができる。
【0159】また(B-1a)に類似する化合物も使用するこ
とができ、たとえば窒素原子を介して2以上のアルミニ
ウム化合物が結合した有機アルミニウム化合物を挙げる
ことができる。このような化合物として具体的には、
(C25)2AlN(C25)Al(C25)2 などを挙げ
ることができる。
【0160】前記(B-1b)に属する化合物としては、Li
Al(C25)4、LiAl(C715)4 などを挙げるこ
とができる。またその他にも、(B-1) 有機金属化合物と
しては、メチルリチウム、エチルリチウム、プロピルリ
チウム、ブチルリチウム、メチルマグネシウムブロミ
ド、メチルマグネシウムクロリド、エチルマグネシウム
ブロミド、エチルマグネシウムクロリド、プロピルマグ
ネシウムブロミド、プロピルマグネシウムクロリド、ブ
チルマグネシウムブロミド、ブチルマグネシウムクロリ
ド、ジメチルマグネシウム、ジエチルマグネシウム、ジ
ブチルマグネシウム、ブチルエチルマグネシウムなどを
使用することもできる。
【0161】また重合系内で上記有機アルミニウム化合
物が形成されるような化合物、たとえばハロゲン化アル
ミニウムとアルキルリチウムとの組合せ、またはハロゲ
ン化アルミニウムとアルキルマグネシウムとの組合せな
どを使用することもできる。
【0162】(B-1) 有機金属化合物のなかでは、有機ア
ルミニウム化合物が好ましい。上記のような(B-1) 有機
金属化合物は、1種単独でまたは2種以上組み合わせて
用いられる。
【0163】(B-2) 有機アルミニウムオキシ化合物 本発明で用いられる(B-2) 有機アルミニウムオキシ化合
物は、従来公知のアルミノキサンであってもよく、また
特開平2−78687号公報に例示されているようなベ
ンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物であって
もよい。
【0164】従来公知のアルミノキサンは、たとえば下
記のような方法によって製造することができ、通常、炭
化水素溶媒の溶液として得られる。 (1)吸着水を含有する化合物または結晶水を含有する
塩類、たとえば塩化マグネシウム水和物、硫酸銅水和
物、硫酸アルミニウム水和物、硫酸ニッケル水和物、塩
化第1セリウム水和物などの炭化水素媒体懸濁液に、ト
リアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物
を添加して、吸着水または結晶水と有機アルミニウム化
合物とを反応させる方法。 (2)ベンゼン、トルエン、エチルエーテル、テトラヒ
ドロフランなどの媒体中で、トリアルキルアルミニウム
などの有機アルミニウム化合物に直接水、氷または水蒸
気を作用させる方法。 (3)デカン、ベンゼン、トルエンなどの媒体中でトリ
アルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物
に、ジメチルスズオキシド、ジブチルスズオキシドなど
の有機スズ酸化物を反応させる方法。
【0165】なお該アルミノキサンは、少量の有機金属
成分を含有してもよい。また回収された上記のアルミノ
キサンの溶液から溶媒または未反応有機アルミニウム化
合物を蒸留して除去した後、溶媒に再溶解またはアルミ
ノキサンの貧溶媒に懸濁させてもよい。
【0166】アルミノキサンを調製する際に用いられる
有機アルミニウム化合物として具体的には、前記(B-1a)
に属する有機アルミニウム化合物として例示したものと
同様の有機アルミニウム化合物を挙げることができる。
【0167】これらのうち、トリアルキルアルミニウ
ム、トリシクロアルキルアルミニウムが好ましく、トリ
メチルアルミニウムが特に好ましい。上記のような有機
アルミニウム化合物は、1種単独でまたは2種以上組み
合せて用いられる。
【0168】アルミノキサンの調製に用いられる溶媒と
しては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、シメ
ンなどの芳香族炭化水素、ペンタン、ヘキサン、ヘプタ
ン、オクタン、デカン、ドデカン、ヘキサデカン、オク
タデカンなどの脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シク
ロヘキサン、シクロオクタン、メチルシクロペンタンな
どの脂環族炭化水素、ガソリン、灯油、軽油などの石油
留分または上記芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、脂環
族炭化水素のハロゲン化物とりわけ、塩素化物、臭素化
物などの炭化水素溶媒が挙げられる。さらにエチルエー
テル、テトラヒドロフランなどのエーテル類を用いるこ
ともできる。これらの溶媒のうち特に芳香族炭化水素ま
たは脂肪族炭化水素が好ましい。
【0169】また本発明で用いられるベンゼン不溶性の
有機アルミニウムオキシ化合物は、60℃のベンゼンに
溶解するAl成分がAl原子換算で通常10%以下、好
ましくは5%以下、特に好ましくは2%以下であるも
の、すなわち、ベンゼンに対して不溶性または難溶性で
あるものが好ましい。
【0170】本発明で用いられる有機アルミニウムオキ
シ化合物としては、下記一般式(IV)で表されるボロン
を含んだ有機アルミニウムオキシ化合物を挙げることも
できる。
【0171】
【化29】
【0172】式中、R17は炭素原子数が1〜10の炭化
水素基を示す。R18は、互いに同一でも異なっていても
よく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数が1〜10
の炭化水素基を示す。
【0173】前記一般式(IV)で表されるボロンを含ん
だ有機アルミニウムオキシ化合物は、下記一般式(V)
で表されるアルキルボロン酸と R17−B−(OH)2 …(V) (式中、R17は前記と同じ基を示す。) 有機アルミニウム化合物とを、不活性ガス雰囲気下に不
活性溶媒中で、−80℃〜室温の温度で1分〜24時間
反応させることにより製造できる。
【0174】前記一般式(V)で表されるアルキルボロ
ン酸の具体的なものとしては、メチルボロン酸、エチル
ボロン酸、イソプロピルボロン酸、n-プロピルボロン
酸、n-ブチルボロン酸、イソブチルボロン酸、n-ヘキシ
ルボロン酸、シクロヘキシルボロン酸、フェニルボロン
酸、3,5-ジフルオロボロン酸、ペンタフルオロフェニル
ボロン酸、3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニルボ
ロン酸などが挙げられる。
【0175】これらの中では、メチルボロン酸、n-ブチ
ルボロン酸、イソブチルボロン酸、3,5-ジフルオロフェ
ニルボロン酸、ペンタフルオロフェニルボロン酸が好ま
しい。
【0176】これらは1種単独でまたは2種以上組み合
わせて用いられる。
【0177】このようなアルキルボロン酸と反応させる
有機アルミニウム化合物として具体的には、前記(B-1a)
に属する有機アルミニウム化合物として例示したものと
同様の有機アルミニウム化合物を挙げることができる。
【0178】これらのうち、トリアルキルアルミニウ
ム、トリシクロアルキルアルミニウムが好ましく、特に
トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、ト
リイソブチルアルミニウムが好ましい。これらは1種単
独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。
【0179】上記のような (B-2)有機アルミニウムオキ
シ化合物は、1種単独でまたは2種以上組み合せて用い
られる。(B-3) 遷移金属化合物と反応してイオン対を形成する化
合物 本発明で用いられる遷移金属化合物と反応してイオン対
を形成する化合物(B-3) (以下、「イオン化イオン性化
合物」という。)は、前記遷移金属化合物(A)と反応
してイオン対を形成する化合物であり、このような化合
物としては、特開平1−501950号公報、特開平1
−502036号公報、特開平3−179005号公
報、特開平3−179006号公報、特開平3−207
703号公報、特開平3−207704号公報、USP
−5321106号などに記載されたルイス酸、イオン
性化合物、ボラン化合物およびカルボラン化合物などを
挙げることができる。さらに、ヘテロポリ化合物および
イソポリ化合物も挙げることができる。
【0180】具体的には、ルイス酸としては、BR
3 (Rは、フッ素、メチル基、トリフルオロメチル基な
どの置換基を有していてもよいフェニル基またはフッ素
である。)で示される化合物が挙げられ、たとえばトリ
フルオロボロン、トリフェニルボロン、トリス(4-フル
オロフェニル)ボロン、トリス(3,5-ジフルオロフェニ
ル)ボロン、トリス(4-フルオロメチルフェニル)ボロ
ン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボロン、トリス
(p-トリル)ボロン、トリス(o-トリル)ボロン、トリ
ス(3,5-ジメチルフェニル)ボロンなどが挙げられる。
【0181】イオン性化合物としては、たとえば下記一
般式(VI)で表される化合物が挙げられる。
【0182】
【化30】
【0183】式中、R19としては、H+ 、カルボニウム
カチオン、オキソニウムカチオン、アンモニウムカチオ
ン、ホスホニウムカチオン、シクロヘプチルトリエニル
カチオン、遷移金属を有するフェロセニウムカチオンな
どが挙げられる。
【0184】R20〜R23は、互いに同一でも異なってい
てもよく、有機基、好ましくはアリール基または置換ア
リール基である。前記カルボニウムカチオンとして具体
的には、トリフェニルカルボニウムカチオン、トリ(メ
チルフェニル)カルボニウムカチオン、トリ(ジメチル
フェニル)カルボニウムカチオンなどの三置換カルボニ
ウムカチオンなどが挙げられる。
【0185】前記アンモニウムカチオンとして具体的に
は、トリメチルアンモニウムカチオン、トリエチルアン
モニウムカチオン、トリプロピルアンモニウムカチオ
ン、トリブチルアンモニウムカチオン、トリ(n-ブチ
ル)アンモニウムカチオンなどのトリアルキルアンモニ
ウムカチオン;N,N-ジメチルアニリニウムカチオン、N,
N-ジエチルアニリニウムカチオン、N,N-2,4,6-ペンタメ
チルアニリニウムカチオンなどのN,N-ジアルキルアニリ
ニウムカチオン;ジ(イソプロピル)アンモニウムカチ
オン、ジシクロヘキシルアンモニウムカチオンなどのジ
アルキルアンモニウムカチオンなどが挙げられる。
【0186】前記ホスホニウムカチオンとして具体的に
は、トリフェニルホスホニウムカチオン、トリ(メチル
フェニル)ホスホニウムカチオン、トリ(ジメチルフェ
ニル)ホスホニウムカチオンなどのトリアリールホスホ
ニウムカチオンなどが挙げられる。
【0187】R19としては、カルボニウムカチオン、ア
ンモニウムカチオンなどが好ましく、特にトリフェニル
カルボニウムカチオン、N,N-ジメチルアニリニウムカチ
オン、N,N-ジエチルアニリニウムカチオンが好ましい。
【0188】またイオン性化合物として、トリアルキル
置換アンモニウム塩、N,N-ジアルキルアニリニウム塩、
ジアルキルアンモニウム塩、トリアリールホスフォニウ
ム塩などを挙げることもできる。
【0189】トリアルキル置換アンモニウム塩として具
体的には、たとえばトリエチルアンモニウムテトラ(フ
ェニル)ホウ素、トリプロピルアンモニウムテトラ(フ
ェニル)ホウ素、トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラ
(フェニル)ホウ素、トリメチルアンモニウムテトラ
(p-トリル)ホウ素、トリメチルアンモニウムテトラ
(o-トリル)ホウ素、トリ(n-ブチル)アンモニウムテ
トラ(ペンタフルオロフェニル)ホウ素、トリプロピル
アンモニウムテトラ(o,p-ジメチルフェニル)ホウ素、
トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラ(m,m-ジメチルフ
ェニル)ホウ素、トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラ
(p-トリフルオロメチルフェニル)ホウ素、トリ(n-ブ
チル)アンモニウムテトラ(3,5-ジトリフルオロメチル
フェニル)ホウ素、トリ(n-ブチル)アンモニウムテト
ラ(o-トリル)ホウ素などが挙げられる。
【0190】N,N-ジアルキルアニリニウム塩として具体
的には、たとえばN,N-ジメチルアニリニウムテトラ(フ
ェニル)ホウ素、N,N-ジエチルアニリニウムテトラ(フ
ェニル)ホウ素、N,N-2,4,6-ペンタメチルアニリニウム
テトラ(フェニル)ホウ素などが挙げられる。
【0191】ジアルキルアンモニウム塩として具体的に
はは、たとえばジ(1-プロピル)アンモニウムテトラ
(ペンタフルオロフェニル)ホウ素、ジシクロヘキシル
アンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素などが挙げられ
る。
【0192】さらにイオン性化合物として、トリフェニ
ルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)
ボレート、N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(ペン
タフルオロフェニル)ボレート、フェロセニウムテトラ
(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルカ
ルベニウムペンタフェニルシクロペンタジエニル錯体、
N,N-ジエチルアニリニウムペンタフェニルシクロペンタ
ジエニル錯体、下記式(VII)または(VIII)で表され
るホウ素化合物などを挙げることもできる。
【0193】
【化31】
【0194】(式中、Etはエチル基を示す。)
【0195】
【化32】
【0196】ボラン化合物として具体的には、たとえば
デカボラン(14);ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニ
ウム〕ノナボレート、ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニ
ウム〕デカボレート、ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニ
ウム〕ウンデカボレート、ビス〔トリ(n-ブチル)アン
モニウム〕ドデカボレート、ビス〔トリ(n-ブチル)ア
ンモニウム〕デカクロロデカボレート、ビス〔トリ(n-
ブチル)アンモニウム〕ドデカクロロドデカボレートな
どのアニオンの塩;トリ(n-ブチル)アンモニウムビス
(ドデカハイドライドドデカボレート)コバルト酸塩
(III)、ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕ビス
(ドデカハイドライドドデカボレート)ニッケル酸塩
(III)などの金属ボランアニオンの塩などが挙げられ
る。
【0197】カルボラン化合物として具体的には、たと
えば4-カルバノナボラン(14)、1,3-ジカルバノナボ
ラン(13)、6,9-ジカルバデカボラン(14)、ドデ
カハイドライド-1-フェニル-1,3-ジカルバノナボラン、
ドデカハイドライド-1-メチル-1,3-ジカルバノナボラ
ン、ウンデカハイドライド-1,3-ジメチル-1,3-ジカルバ
ノナボラン、7,8-ジカルバウンデカボラン(13)、2,
7-ジカルバウンデカボラン(13)、ウンデカハイドラ
イド-7,8-ジメチル-7,8-ジカルバウンデカボラン、ドデ
カハイドライド-11-メチル-2,7-ジカルバウンデカボラ
ン、トリ(n-ブチル)アンモニウム1-カルバデカボレー
ト、トリ(n-ブチル)アンモニウム1-カルバウンデカボ
レート、トリ(n-ブチル)アンモニウム1-カルバドデカ
ボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウム1-トリメチル
シリル-1-カルバデカボレート、トリ(n-ブチル)アン
モニウムブロモ-1-カルバドデカボレート、トリ(n-ブ
チル)アンモニウム6-カルバデカボレート(14)、ト
リ(n-ブチル)アンモニウム6-カルバデカボレート(1
2)、トリ(n-ブチル)アンモニウム7-カルバウンデカ
ボレート(13)、トリ(n-ブチル)アンモニウム7,8-
ジカルバウンデカボレート(12)、トリ(n-ブチル)
アンモニウム2,9-ジカルバウンデカボレート(12)、
トリ(n-ブチル)アンモニウムドデカハイドライド-8-
メチル-7,9-ジカルバウンデカボレート、トリ(n-ブチ
ル)アンモニウムウンデカハイドライド-8-エチル-7,9-
ジカルバウンデカボレート、トリ(n-ブチル)アンモニ
ウムウンデカハイドライド-8-ブチル-7,9-ジカルバウン
デカボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウムウンデカ
ハイドライド-8-アリル-7,9-ジカルバウンデカボレー
ト、トリ(n-ブチル)アンモニウムウンデカハイドライ
ド-9-トリメチルシリル-7,8-ジカルバウンデカボレー
ト、トリ(n-ブチル)アンモニウムウンデカハイドライ
ド-4,6-ジブロモ-7-カルバウンデカボレートなどのアニ
オンの塩;トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(ノナハ
イドライド-1,3-ジカルバノナボレート)コバルト酸塩
(III)、トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(ウンデカ
ハイドライド-7,8-ジカルバウンデカボレート)鉄酸塩
(III)、トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(ウンデカ
ハイドライド-7,8-ジカルバウンデカボレート)コバル
ト酸塩(III)、トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(ウ
ンデカハイドライド-7,8-ジカルバウンデカボレート)
ニッケル酸塩(III)、トリ(n-ブチル)アンモニウムビ
ス(ウンデカハイドライド-7,8-ジカルバウンデカボレ
ート)銅酸塩(III)、トリ(n-ブチル)アンモニウムビ
ス(ウンデカハイドライド-7,8-ジカルバウンデカボレ
ート)金酸塩(III)、トリ(n-ブチル)アンモニウムビ
ス(ノナハイドライド-7,8-ジメチル-7,8-ジカルバウン
デカボレート)鉄酸塩(III)、トリ(n-ブチル)アンモ
ニウムビス(ノナハイドライド-7,8-ジメチル-7,8-ジカ
ルバウンデカボレート)クロム酸塩(III)、トリ(n-ブ
チル)アンモニウムビス(トリブロモオクタハイドライ
ド-7,8-ジカルバウンデカボレート)コバルト酸塩(II
I)、トリス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕ビス(ウ
ンデカハイドライド-7-カルバウンデカボレート)クロ
ム酸塩(III)、ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕
ビス(ウンデカハイドライド-7-カルバウンデカボレー
ト)マンガン酸塩(IV)、ビス〔トリ(n-ブチル)アン
モニウム〕ビス(ウンデカハイドライド-7-カルバウン
デカボレート)コバルト酸塩(III)、ビス〔トリ(n-ブ
チル)アンモニウム〕ビス(ウンデカハイドライド-7-
カルバウンデカボレート)ニッケル酸塩(IV)などの金
属カルボランアニオンの塩などが挙げられる。
【0198】ヘテロポリ化合物は、ケイ素、リン、チタ
ン、ゲルマニウム、ヒ素もしくは錫からなる原子と、バ
ナジウム、ニオブ、モリブデンおよびタングステンから
選ばれる1種または2種以上の原子からなっている。具
体的には、リンバナジン酸、ゲルマノバナジン酸、ヒ素
バナジン酸、リンニオブ酸、ゲルマノニオブ酸、シリコ
ノモリブデン酸、リンモリブデン酸、チタンモリブデン
酸、ゲルマノモリブデン酸、ヒ素モリブデン酸、錫モリ
ブデン酸、リンタングステン酸、ゲルマノタングステン
酸、錫タングステン酸、リンモリブドバナジン酸、リン
タングストバナジンン酸、ゲルマノタングストバナジン
ン酸、リンモリブドタングストバナジン酸、ゲルマノモ
リブドタングストバナジン酸、リンモリブドタングステ
ン酸、リンモリブドニオブ酸、これらの酸の塩、例えば
周期律表第Ia族またはIIa族の金属、具体的には、リ
チウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウ
ム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロン
チウム、バリウム等との塩、およびトリフェニルエチル
塩等の有機塩、およびイソポリ化合物を使用できるが、
この限りではない。
【0199】ヘテロポリ化合物およびイソポリ化合物と
しては、上記の化合物の中の1種に限らず、2種以上用
いることができる。上記のような (B-3)イオン化イオン
性化合物は、1種単独でまたは2種以上組み合せて用い
られる。
【0200】本発明で用いられる遷移金属化合物を触媒
とする場合、助触媒成分としてのメチルアルミノキサン
などの有機アルミニウムオキシ化合物(B-2)とを併用
すると、オ レフィン化合物に対して非常に高い重合活
性を示す。また助触媒成分としてトリフェニルカルボニ
ウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートな
どのイオン化イオン性化合物(B-3)を用いると良好な
活性で非常に分子量の高いオレフィン重合体が得られ
る。
【0201】また、本発明で用いられるオレフィン重合
用触媒は、上記遷移金属化合物(A)、(B-1) 有機金属
化合物、(B-2) 有機アルミニウムオキシ化合物、および
(B-3) イオン化イオン性化合物から選ばれる少なくとも
1種の化合物(B)とともに、必要に応じて無機または
有機の化合物であって、顆粒状ないしは微粒子状の固体
を担体(C)として用いることもできる。
【0202】本発明では、重合は溶解重合、懸濁重合な
どの液相重合法または気相重合法のいずれにおいても実
施できる。液相重合法において用いられる不活性炭化水
素媒体として具体的には、プロパン、ブタン、ペンタ
ン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカ
ン、灯油などの脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シク
ロヘキサン、メチルシクロペンタンなどの脂環族炭化水
素;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水
素;エチレンクロリド、クロルベンゼン、ジクロロメタ
ンなどのハロゲン化炭化水素またはこれらの混合物など
を挙げることができ、オレフィン自身を溶媒として用い
ることもできる。
【0203】上記のようなオレフィン重合用触媒を用い
て、オレフィンの重合を行うに際して、成分(A)は、
反応容積1リットル当り、通常10-12 〜10-2モル、
好ましくは10-10 〜10-3モルとなるような量で用い
られる。本発明では、成分(A)を、比較的薄い濃度で
用いた場合であっても、高い重合活性でオレフィンを重
合することができる。
【0204】成分(B-1) は、成分(B-1) と、成分(A)
中の遷移金属原子(M)とのモル比〔(B-1) /M〕が、
通常0.01〜100000、好ましくは0.05〜5
0000となるような量で用いられる。成分(B-2) は、
成分(B-2) 中のアルミニウム原子と、成分(A)中の遷
移金属原子(M)とのモル比〔(B-2) /M〕が、通常1
0〜500000、好ましくは20〜100000とな
るような量で用いられる。成分(B-3) は、成分(B-3)
と、成分(A)中の遷移金属原子(M)とのモル比〔(B
-3) /M〕が、通常1〜10、好ましくは1〜5となる
ような量で用いられる。
【0205】また、このようなオレフィン重合触媒を用
いたオレフィンと共役ジエン単量体との重合温度は、通
常−50〜+200℃、好ましくは0〜170℃の範囲
である。重合圧力は、通常常圧〜100kg/cm2
好ましくは常圧〜50kg/cm2 の条件下であり、重
合反応は、回分式、半連続式、連続式のいずれの方法に
おいても行うことができる。さらに重合を反応条件の異
なる2段以上に分けて行うことも可能である。
【0206】得られるα−オレフィン/共役ジエン系共
重合体(オレフィン重合体)の分子量は、重合系に水素
を存在させるか、または重合温度を変化させることによ
って調節することができる。さらに、使用する成分
(B)の違いにより調節することもできる。
【0207】本発明で用いられるα−オレフィン/共役
ジエン系共重合体は、変性されたものであってもよく、
α-オレフィン/共役ジエン系共重合体は、主鎖と側鎖
に2重結合を有することより、各種変性が可能である。
過酸化物変性により、2重結合をエポキシ化し、共重合
体中に反応性に富むエポキシ基を導入することができ
る。これにより熱硬化型樹脂としての利用、または反応
性樹脂として利用も可能となる。さらには、ディールス
アルダー反応、マイケル付加反応等にも2重結合は利用
可能である。その他、主鎖の2重結合を選択的に水素添
加し飽和にすることで、耐熱性、耐オゾン性もさらに向
上する。
【0208】このような変性α−オレフィン/共役ジエ
ン系共重合体は、その一部または全部を不飽和カルボン
酸、その誘導体、または芳香族ビニル化合物で変性され
ていてもよく、その変性量は0.01〜30重量%の範
囲であることが好ましい。
【0209】特にα−オレフィン/共役ジエン系共重合
体中には、側鎖に2重結合が存在するため、変性に際し
て使用されるラジカル開始剤の低減がはかれる。これに
対して側鎖2重結合の存在しない樹脂では、水素を引き
抜き反応により生成するラジカルを開始点としている。
開始剤すべてが水素引き抜き反応を誘起しないため、多
量の開始剤が必要となり、また分解反応も併発するため
一般に分子量が低下する。
【0210】しかしながら、このα−オレフィン/共役
ジエン系共重合体中には、側鎖に末端2重結合が存在す
るためラジカル開始剤の使用量を低減することができる
と同時に、発生するラジカルは2重結合と反応するた
め、分解反応が抑制され、ひいては分子量の低下も抑え
られる。
【0211】変性に用いられるモノマー(以下、「グラ
フトモノマー」という。)としては、不飽和カルボン
酸、その誘導体、または芳香族ビニル化合物が挙げられ
る。不飽和カルボン酸としては、具体的には、アクリル
酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸
などが挙げられる。また不飽和カルボン酸の誘導体とし
ては、酸無水物、エステル、アミド、イミド、金属塩な
どが挙げられ、具体的には、無水マレイン酸、無水シト
ラコン酸、無水イタコン酸、アクリル酸メチル、メタク
リル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチ
ル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル
酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、マレイン酸モ
ノエチルエステル、マレイン酸ジエチルエステル、フマ
ル酸モノメチルエステル、フマル酸ジメチルエステル、
イタコン酸モノメチルエステル、イタコン酸ジエチルエ
ステル、アクリルアミド、メタクリルアミド、マレイン
酸モノアミド、マレイン酸ジアミド、マレイン酸-N-モ
ノエチルアミド、マレイン酸-N,N-ジエチルアミド、マ
レイン酸-N-モノブチルアミド、マレイン酸-N,N-ジブチ
ルアミド、フマル酸モノアミド、フマル酸ジアミド、フ
マル酸-N- モノエチルアミド、フマル酸-N,N-ジエチル
アミド、フマル酸-N-モノブチルアミド、フマル酸-N,N-
ジブチルアミド、マレイミド、N-ブチルマレイミド、N-
フェニルマレイミド、アクリル酸ナトリウム、メタクリ
ル酸ナトリウム、アクリル酸カリウム、メタクリル酸カ
リウムなどが挙げられる。これらのグラフトモノマーの
中では無水マレイン酸を使用することが好ましい。
【0212】芳香族ビニル化合物としては具体的に、ス
チレン;o-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチ
ルスチレン、o,p-ジメチルスチレン、o-エチルスチレ
ン、m-エチルスチレン、p-エチルスチレンなどのモノも
しくはポリアルキルスチレン;メトキシスチレン、エト
キシスチレン、ビニル安息香酸、ビニル安息香酸メチ
ル、ビニルベンジルアセテート、ヒドロキシスチレン、
o-クロロスチレン、p-クロロスチレン、ジビニルベンゼ
ンなどの官能基含有スチレン誘導体;3-フェニルプロピ
レン、4-フェニルブテン、α−メチルスチレンなどが挙
げられる。これらのなかではスチレンまたは4-メトキシ
スチレンが好ましい。
【0213】グラフトモノマーをα−オレフィン/共役
ジエン系共重合体にグラフト共重合して変性共重合体を
製造するには、公知の種々の方法を採用することができ
る。例えば、α−オレフィン/共役ジエン系共重合体お
よびグラフトモノマーを溶媒の存在下または不存在下
で、ラジカル開始剤を添加してまたは添加せずに高温で
加熱することによってグラフト共重合を行なう方法があ
る。
【0214】グラフト率が0.01〜30重量%の一部
または全部が変性されたグラフト変性α−オレフィン/
共役ジエン系共重合体を製造するには、工業的製造上か
らは、グラフト率のより高いグラフト変性α−オレフィ
ン/共役ジエン系共重合体を製造しておき、次に未変性
α−オレフィン/共役ジエン系共重合体にこのグラフト
変性α−オレフィン/共役ジエン系共重合体を混合して
グラフト率を調整する方法(この方法により得られたも
のを「一部が変性されたグラフト変性α−オレフィン/
共役ジエン系共重合体」という。)が、組成物中のグラ
フトモノマーの濃度を適当に調整できるため好ましい方
法であるが、最初からα−オレフィン/共役ジエン系共
重合体に所定量のグラフトモノマーを配合してグラフト
しても差し支えない(この方法により得られたものを
「全部が変性されたグラフト変性α−オレフィン/共役
ジエン系共重合体」という。)。
【0215】α−オレフィン/共役ジエン系共重合体へ
のグラフトモノマーによる変性量は、上記のような樹脂
組成物全体におけるグラフト率が0.01〜30重量
%、特に0.05〜10重量%の範囲にあることが好ま
しい。
【0216】[[C]充填剤]充填剤[C]としては、特に制
限なく一般に用いられるものを必要に応じて用いること
ができる。
【0217】無機充填剤として、具体的には、微粉末タ
ルク、カオリナイト、焼成クレー、バイオフィライト、
セリサイト、ウォラスナイトなどの珪酸塩、沈降性炭酸
カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムな
どの炭酸塩、水産化アルミニウム、水酸化マグネシウム
などの水酸化物、酸化亜鉛、亜鉛華、酸化マグネシウム
などの酸化物、含水珪酸カルシウム、含水珪酸アルミニ
ウム、含水珪酸、無水珪酸などの合成珪酸または珪酸塩
などの粉末状充填剤;マイカなどのフレーク状充填剤;
塩基性硫酸マグネシウムウィスカー、チタン酸カルシウ
ムウィスカー、ホウ酸アルミニウムウィスカー、セピオ
ライト、PMF(Processed Mineral Fiber)、ゾノト
ライト、チタン酸カリ、エレスタダイトなどの繊維状充
填剤;ガラスバルン、フライアッシュバルンなどのバル
ン状充填剤;などを挙げることができる。
【0218】これらの充填剤は、1種または2種以上組
み合わせて用いることができる。
【0219】本発明に係るα−オレフィン/共役ジエン
系重合体組成物に、[C]充填剤が含有されない場合に
は、[A]熱可塑性樹脂は、[A]熱可塑性樹脂と[B]α−オ
レフィン/共役ジエン系共重合体との合計を100重量
部とするとき、1〜99重量部、好ましくは30〜95
重量部、より好ましくは40〜90重量部、さらに好ま
しくは50〜85重量部の量で、また、[B]α−オレフ
ィン/共役ジエン系共重合体は、残部量すなわち、99
〜1重量部、好ましくは70〜5重量部、より好ましく
は60〜10重量部、さらに好ましくは50〜15重量
部の量で含まれていることが望ましい。
【0220】本発明に係るα−オレフィン/共役ジエン
系重合体組成物に、[C]充填剤が含有されている場合に
は、[A]熱可塑性樹脂は、[A]熱可塑性樹脂と[B]α−オ
レフィン/共役ジエン系共重合体と[C]充填剤との合計
を100重量部とするとき、1〜99重量部、好ましく
は20〜90重量部、より好ましくは40〜85重量
部、さらに好ましくは50〜80重量部の量で、また、
[B]α−オレフィン/共役ジエン系共重合体は、99重
量部〜1重量部未満、好ましくは70〜3重量部、より
好ましくは40〜85重量部、さらに好ましくは40〜
10重量部の量で含まれていることが望ましい。
【0221】また、[C]充填剤は、残部量、すなわち、
0を超えて〜40重量部、好ましくは2〜30重量部、
より好ましくは5〜30重量部、さらに好ましくは10
〜25重量部の量で含まれていることが望ましい。
【0222】上記何れの場合も、熱可塑性樹脂[A]を上
記のような量で用いると、耐衝撃性、耐寒性に優れると
ともに、剛性、強度、耐熱性、成形性に優れたα−オレ
フィン/共役ジエン系重合体組成物が得られる。また、
[B]α−オレフィン/共役ジエン系共重合体を上記のよ
うな量で用いると、低温特性に優れ、耐衝撃性、耐候傷
性、熱安定性に優れるとともに、剛性、強度、耐熱性に
優れた成形体を提供でき、しかも成形性に優れたα−オ
レフィン/共役ジエン系共重合体組成物が得られる。
【0223】また、[C]充填剤が上記のような量で含ま
れていると、剛性、表面外観、耐熱性等に優れた組成物
が得られる。 [α−オレフィン/共役ジエン系共重合体組成物の製
造]本発明に係るα−オレフィン/共役ジエン共重合体
組成物は、上記[A]熱可塑性樹脂、[B]α−オレフィン/
共役ジエン系共重合体および[C]充填剤を、通常の樹脂
組成物の製造に用いられる1軸押出機、2軸押出機、バ
ンバリミキサー、ロール、ブラベンダー、ニーダー等を
用いて、溶融混練することにより得られる。
【0224】このようなα−オレフィン/共役ジエン系
共重合体組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で
核剤、酸化防止剤、塩酸吸収剤、耐熱安定剤、光安定
剤、紫外線吸収剤、滑剤、帯電防止剤、難燃剤、顔料、
染料、分散剤、銅害防止剤、中和剤、発泡剤、可塑剤、
気泡防止剤、架橋剤、架橋助剤、架橋促進剤、過酸化物
などの流れ性改良剤、ヘウェルド強度改良剤、加工助
剤、耐候安定剤、ブルーミング防止剤などの添加剤が含
まれていてもよい。
【0225】これらの任意成分は、2種以上組み合わせ
て用いても良い。また本発明に係るα−オレフィン/共
役ジエン系共重合体組成物には、上記以外の熱可塑性樹
脂が配合されていてもよい。
【0226】熱可塑性樹脂は溶融成形可能な樹脂であ
り、具体的には、ポリオレフィン系樹脂が挙げられる。
ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリ-1-ブテン、ポリメチルペンテン、ポリ
メチルブテンなどのオレフィン単独重合体;エチレン・
α−オレフィン共重合体、エチレン・環状オレフィンラ
ンダム共重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合
体などのオレフィン共重合体などが挙げられる。なお、
ポリオレフィン系樹脂は炭素原子数が3以上のオレフィ
ンから得られるポリオレフィンである場合には、アイソ
タクチック重合体であってもよくシンジオタクチック重
合体であってもよい。これらのなかでは、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、エチレン・環状オレフィンランダ
ム共重合体が好ましく、特にポリプロピレンを主体とし
た重合体が好ましい。これらのポリオレフィン系樹脂の
製造に用いられる触媒としては、チーグラー・ナッタ型
触媒、メタロセン触媒などの従来公知の触媒を用いるこ
とができる。
【0227】これらの熱可塑性樹脂を本発明に係るα−
オレフィン/共役ジエン系共重合体組成物に含有させれ
ば、上記熱可塑性樹脂を単独で用いるよりも耐衝撃性、
耐寒性、耐候性、耐熱安定性などの点で改質されたもの
が期待できる。
【0228】このようなα−オレフィン/共役ジエン系
共重合体組成物は、フィルム、シート、チューブ、射出
成型体、押出し成型体、ブロー成型体などに成型して種
々の用途に用いることができる。具体的には、自動車部
品;船舶・航空機部品;一般工業用部品;土木建材用部
品;文具・事務用部材;電気通信機械部品、家具;装身
具;冷蔵庫、冷暖房機械器具、扇風機などの家庭用品の
部材;収納箱、パレットなどの運送・積載用機械器具な
どの用途に広く用いることができる。
【0229】
【発明の効果】本発明に係るα−オレフィン/共役ジエ
ン系重合体組成物は、低温特性に優れ、架橋効率が良好
で高速加硫可能であり、該組成物から耐衝撃性、熱安定
性、化学架橋性、化学修飾性等に優れた成形体を得るこ
とができる。
【0230】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるも
のではない。
【0231】以下、物性試験条件等を記す。 [融点(Tm)およびガラス転移温度(Tg)]DSC
の吸熱曲線を求め、最大ピーク位置の温度をTmとす
る。
【0232】測定は、試料をアルミパンに詰め、10℃
/分で200℃まで昇温し、200℃で5分間保持した
のち、20℃/分で−150℃まで降温し、ついで10
℃/分で昇温する際の吸熱曲線より求めた。
【0233】なおDSC測定時の吸熱ピークから、単位
重さ当たりの融解熱量を求め、これをポリエチレンの結
晶の融解熱量70cal/gで除して求めることにより、
結晶化度(%)を求めることができる。 [極限粘度[η]]135℃、デカリン中で測定した。 [Mw/Mn]GPC(ゲルパーミエーションクロマト
グラフィー)を用い、オルトジクロロベンゼン溶媒で、
140℃で測定した。
【0234】
【合成例1】(触媒合成) <配位子(L)の合成> 充分に窒素置換した100mlの反
応器にエタノール40ml、アニリン0.71g(7.62mmol)およ
び3-t-ブチルサリチルアルデヒド1.35g(7.58mmol)を装
入し、室温で24時間攪拌を続けた。反応液を減圧濃縮し
て溶媒を除去し、再度エタノール40mlを加えて室温で12
時間攪拌を続けた。この反応液を減圧濃縮することでL1
で示される橙色オイルの化合物(L)を1.83g(7.23mmol、
収率95%)得た。
【0235】
【化33】
【0236】1H-NMR(CDCl3):1.47(s,9H) 6.88(dd,1H)
7.24-7.31(m,4H) 7.38-7.46(m,3H)8.64(s,1H) 13.95(s,
1H) IR(neat):1575, 1590, 1610cm-1 FD-質量分析:253<触媒(M)の合成> 充分に乾燥し、アルゴン置換した
200mlの反応器に化合物(L);1.53g(6.04mmol)とテ
トラヒドロフラン60mlを仕込み、−78℃に冷却し攪拌し
た。これにn-ブチルリチウム4.1ml(1.55mmol/ml n-ヘ
キサン溶液、6.34mmol)を5分かけて滴下し、その後ゆ
っくりと室温まで昇温し、さらに室温で4時間攪拌し
た。これにテトラヒドロフラン10mlを加えた混合溶液
を、−78℃に冷却した四塩化ジルコニウム0.70g(純度9
9.9%品、3.02mmol)のテトラヒドロフラン30ml溶液に徐
々に添加した。添加後、ゆっくりと室温まで昇温した。
室温で二時間攪拌した後、還流下4時間攪拌を続けた。
【0237】この反応液を減圧濃縮し、析出した固体を
塩化メチレン50mlで洗浄し、グラスフィルターで不溶物
を除去した。ろ液を減圧濃縮し、析出した固体をジエチ
ルエーテル30mlで溶解した後、窒素下−20℃で1日静置
すると、黄色の結晶が析出した。固体をろ別し、ヘキサ
ンで洗浄後、減圧乾燥させることにより下記式で示され
る蛍黄色結晶の化合物(M)を1.09g(1.63mmol、収率5
4%)得た。
【0238】
【化34】
【0239】1H-NMR(CDCl3):1.33(s,18H) 6.78-7.42(m,
16H) 8.12(s,2H) IR(KBr):1550, 1590, 1605cm-1 FD-質量分析:664(M+) 元素分析:Zr;13.5%(13.7)C;61.0%(61.2) H;5.5% N;
4.2%(4.2) (カッコ)内は計算値 融点:287℃(ポリマーの合成) 充分に窒素置換した内容積1リット
ルのガラス製オートクレーブに、トルエン500mlを装入
し、さらに系内にエチレン50リットル/h、プロピレン
150リットル/h及びブタジエン20リットル/hの混合
ガスで液相、及び気相を飽和させた。その後、トリイソ
ブチルアルミニウム0.25mmol、トリフェニルカルベニウ
ムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート0.00
6mmolのあらかじめ混合した溶液を加え、重合を開始し
た。50℃にて30分間重合を行った後、少量のイソブタノ
ールを添加することにより重合を停止した。
【0240】得られたポリマー溶液を、少量の塩酸を含
む1.5リットルのメタノール中に加えてポリマーを析出
させた。これをメタノールで洗浄後、130℃にて10時間
減圧乾燥すると、エチレン/プロピレン/ブタジエン共
重合体3.25gが得られた。
【0241】得られたエチレン/プロピレン/ブタジエ
ン共重合体の135℃デカリン中で測定した[η]が1.8dl
/g、エチレン含量は69.1モル%、プロピレン含量は2
5.1モル%、ブタジエンに基づく構成単位が5.8モル%で
あった。ブタジエンに基づく構成単位の詳細と、耐寒性
の目安として測定したガラス転移温度(Tg)の値を表2
に示す。
【0242】
【参考合成例1】減圧乾燥及び充分窒素置換した容量2
リットルの撹拌翼付SUS製オートクレーブに、23℃
でトルエン288mlと、予め調製しておいた、トリイ
ソブチルアルミニウムを1.0mMの量で、(ジメチル
(t-ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペン
タジエニル)シラン)ジクロライドチタンを0.002
mMの量で含むトルエン溶液0.075mlを、窒素で
オートクレーブに圧入した。
【0243】続いて撹拌下にエチレンを供給して6kg
/cm2Gまで加圧した後脱圧し、この加圧脱圧操作を
3回繰り返した。その後、エチレン常圧下でプロピレン
を5500ml(23℃、1気圧)と、1,3−ブタジ
エンを3g相当分気体で挿入し、次いで冷却して温度を
20℃に下げた。その後、系内をエチレンで6kg/c
2Gに加圧し、トリフェニルカルベニウムテトラ(ペ
ンタフルオロフェニル)ボレートのトルエン溶液(0.
002mM/ml)を1.5ml窒素でオートクレーブ
に圧入して、エチレンとプロピレンと1,3−ブタジエ
ンの共重合を開始した。
【0244】その後、オートクレーブを内温20℃にな
るように温度調整し、かつ圧力が8kg/cm2Gとな
るようにエチレンの供給を行った。重合開始5分後、オ
ートクレーブにポンプでメタノール5mlを挿入し重合
を停止し、オートクレーブを大気圧まで脱圧した。ポリ
マー溶液を0.1N塩酸水溶液で洗浄後、水相を除去し
蒸留水で2回洗浄し、重合溶液を油水分離した。重合溶
液に2リットルのメタノールを撹拌しながら注ぎ、析出
した溶媒を含むゴム鞠状の重合体を130℃、13時
間、350mmHgで乾燥し、共重合体1.7gを得
た。
【0245】得られたエチレン/プロピレン/ブタジエ
ン共重合体の135℃デカリン中で測定した[η]が1.
7dl/g、エチレン含量は68.9モル%、プロピレ
ン含量は25.3モル%、ブタジエンに基づく構成単位
が5.8モル%であった。ブタジエンに基づく構成単位
の詳細と、耐寒性の目安として測定したガラス転移温度
(Tg)の値を表2に示す。
【0246】
【表2】
【0247】表2中の融点(Tm)およびガラス転移温
度(Tg)は、次の要領で求めた。すなわち、DSCの
吸熱曲線を求め、最大ピーク位置の温度を融点(Tm)
とする。
【0248】測定は、試料をアルミパンに詰め、10℃
/分で200℃まで昇温し、200℃で5分間保持した
のち、20℃/分で−150℃まで降温し、次いで10
℃/分で昇温する際の吸熱曲線より求めた。
【0249】また、表2中のMw/Mnは、GPC(ゲ
ルパーミエーションクロマトグラフィー)を用い、オル
トジクロロベンゼン溶媒で、140℃で測定した。
【0250】(樹脂ブレンド実験)熱可塑性樹脂、充填
材としては、上記合成例1で得られた(B−1),参考
合成例で得られた(B−2)の他に、以下の原料を用い
た。
【0251】[A]熱可塑性樹脂 (A−1)ポリエチレンテレフタレート:三井石油化学
工業株式会社製、「三井PETJ125」 (A−2)ナイロン6:東レ株式会社製、「東レナイロ
ンCM1007」 [B]αオレフィン・共役ジエン共重合体 (B−1)上記の通り (B−2)上記の通り (B−3)上記エチレン・プロピレン・ブタジエン共重
合体(B−1)の無水マレイン酸変成物 (1)無水マレイン酸含量:3.5重量% (2)極限粘度[η]:1.7dl/g (3)Tg:−50℃ (4)Mw/Mn:2.7 (B−4)SBR:スチレン・ブタジエン共重合ゴム 100℃におけるムーニー粘度100、スチレン24w
t% [C]充填剤 タルク:平均粒径2.5μm
【0252】
【実施例1〜3、参考例1、比較例1】上記の原料を表
3に示す重量比で配合し、2軸押出機を用いて250℃
で150rpmの条件で混練し、ペレタイザーによりペ
レット化することにより、α−オレフィン/共役ジエン
系重合体組成物のペレットを調製した。
【0253】次に、このペレットから射出成形機を用い
て試験片を250℃で成形した。得られた試験片を用い
て下記のようにして耐衝撃性および熱安定性を測定し
た。結果を表3に示す。
【0254】<耐衝撃性>ASTM−D785に準拠
し、23℃のアイゾット衝撃値で評価した。 <熱安定性>70℃のギアオーブン中で1週間経過前後
の試験片の耐衝撃性を測定し、その変化率により評価し
た。
【0255】
【表3】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明で用いられる第1のオレフィン
重合用触媒の調製工程を示す。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 51/06 C08L 51/06 69/00 69/00 71/12 71/12 77/00 77/00 (72)発明者 三谷 誠 山口県玖珂郡和木町和木六丁目1番2号 三井化学株式会社内 (72)発明者 斉藤 純治 山口県玖珂郡和木町和木六丁目1番2号 三井化学株式会社内 Fターム(参考) 4J002 BB10W BB10X BB14W BB15W BB16W BB17W BB19W BC02X BC03X BC06X BC07X BC08X BC09X BC11X BC12X BN03W BN05W BN06W CF05X CF06X CF07X CF08X CG01X CH07X CL01X CL03X CN01X DE076 DE106 DE146 DE186 DE236 DJ006 DJ036 DJ046 DJ056 DK006 DL006 FA016 FA046 FA066 FA106 FD016 GC00 GL00 GM00 GN00 GQ00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】<A-1>ポリエステル樹脂またはポリアミド
    樹脂(これらの樹脂は繰返し単位中に芳香族環を有して
    いてもよい)、および <A-2>芳香族基含有ポリマー(但し、芳香族環を有する
    上記<A-1>ポリエステル樹脂および芳香族環を有するポ
    リアミド樹脂を除く)から選ばれる熱可塑性樹脂[A]1
    〜99重量部と、 [B]α−オレフィン/共役ジエン系共重合体1〜99重
    量部と、 [C]無機充填剤0〜40重量部[但し[A]と[B]と[C]との
    合計を100重量部とする]とからなり、 上記[B]α−オレフィン/共役ジエン系共重合体が、 少なくとも1種の炭素数2〜12のα−オレフィンと、
    下記式(α)で表される共役ジエン単量体と、必要によ
    り用いられるこれらと共重合可能な単量体とを共重合さ
    せて得られ、 (i)共役ジエン単量体に由来する構成単位含量が0.0
    1〜30モル%であり、 (ii)共重合体中の共役ジエンに由来する1,2−シクロ
    ペンタン骨格が1モル%以下であり、 (iii)135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が
    0.1〜10dl/gであるランダム共重合体であるこ
    とを特徴とするα−オレフィン/共役ジエン系共重合体
    組成物: 【化1】 (式(α)中、Rは、水素原子、炭素数が1〜3のアル
    キル基またはアリール基である。)。
  2. 【請求項2】上記<A-1>ポリエステル樹脂が、芳香族ポ
    リエステルであり、 上記<A-1>ポリアミド樹脂が、芳香族ポリアミド、脂肪
    族ポリアミド、脂環族ポリアミドあるいはこれらの混合
    物、あるいはこれらの共重合物であり、 上記<A-2>芳香族基含有ポリマーが、ポリフェニレンエ
    ーテル系樹脂、芳香族ポリカーボネートのうちの何れか
    1種または2種以上であることを特徴とする請求項1に
    記載のα−オレフィン/共役ジエン系共重合体組成物。
  3. 【請求項3】上記α−オレフィンが、エチレン単独で
    あるか、またはエチレンと炭素数3〜12のα−オレ
    フィンとの組み合わせであり、の場合はエチレン/炭
    素数3〜12のα−オレフィン(モル比)が、99/1
    〜40/60であること特徴とする請求項1〜2の何れ
    かに記載のα−オレフィン/共役ジエン系共重合体組成
    物。
  4. 【請求項4】上記共重合可能な単量体が芳香族ビニル化
    合物であり、該共重合体には芳香族ビニル化合物から導
    かれる単位が0.1〜60モル%の量で含まれているこ
    とを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のα−オレ
    フィン/共役ジエン系共重合体組成物。
  5. 【請求項5】上記[B]α−オレフィン/共役ジエン系共
    重合体に共役ジエンに由来する1,2ーシクロペンタン
    骨格が実質的に存在しないことを特徴とする請求項1〜
    4の何れかに記載のα−オレフィン/共役ジエン系共重
    合体組成物。
  6. 【請求項6】前記[B]α−オレフィン/共役ジエン系重
    合体が、その1部または全てが不飽和カルボン酸または
    その誘導体にてグラフト変性されているものであること
    を特徴とする請求項1〜5記載の何れかに記載のα−オ
    レフィン/共役ジエン系重合体組成物。
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