JP3874751B2 - オレフィン重合用触媒およびオレフィンの重合方法 - Google Patents

オレフィン重合用触媒およびオレフィンの重合方法 Download PDF

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本発明は新規なオレフィン重合用触媒、および遷移金属化合物および該オレフィン重合用触媒を用いたオレフィンの重合方法に関するものである。
また本発明は、分子量分布が狭く、ゴムとして好適に用いられるα−オレフィン・共役ジエン共重合体を提供することを目的としている。
オレフィン重合用触媒としては、いわゆるカミンスキー触媒がよく知られている。この触媒は非常に重合活性が高く、分子量分布が狭い重合体が得られるという特徴がある。このようなカミンスキー触媒に用いられる遷移金属化合物としては、たとえばビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド(特開昭58ー19309号公報参照、特許文献1)や、エチレンビス(4,5,6,7-テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド(特開昭61−130314号公報参照、特許文献2)などが知られている。また重合に用いる遷移金属化合物が異なると、オレフィン重合活性や得られたポリオレフィンの性状が大きく異なることも知られている。さらに最近新しいオレフィン重合用触媒としてジイミン構造の配位子を持った遷移金属化合物(国際公開特許第9623010号参照、特許文献3)が提案されている。
ところで一般にポリオレフィンは、機械的特性などに優れているため、各種成形体用など種々の分野に用いられているが、近年ポリオレフィンに対する物性の要求が多様化しており、様々な性状のポリオレフィンが望まれている。また生産性の向上も望まれている。
このような状況のもと、オレフィン重合活性に優れ、しかも優れた性状を有するポリオレフィンを製造しうるようなオレフィン重合用触媒の出現が望まれている。
また、チーグラー・ナッタ重合触媒を用いると、数種のα−オレフィンと非共役ジエンとの共重合が進行することはよく知られている。この共重合体はゴムとして有用であることから、様々な種類のものが製造されている。しかしここに用いられる非共役ジエンは、一般に高価であり、反応性も低いことから、安価で反応性の高いジエン成分が求められていた。
このようなジエン成分としては、1,3-ブタジエンやイソプレンなどの共役ジエンが挙げられる。これらの共役ジエンは、従来用いられている非共役ジエンに比べ安価で反応性も高いが、これまでのチーグラー・ナッタ重合触媒を用いて共重合を行うと、活性が大幅に低下することや、組成分布や分子量分布の広い不均一な共重合体しか得られないという問題点があった。またバナジウム化合物を用いるチーグラー・ナッタ触媒系では、比較的均一な共重合体が得られるものの、その重合活性は非常に低いレベルであった。そこで近年、活発に研究が行われ、高い重合活性を示すことが知られているいわゆるメタロセン触媒を用いたエチレンとブタジエンとの共重合が検討されている(特表平1−501633号公報、特許文献4)。
しかしこの場合、ポリマー中に取り込まれたジエンユニットとエチレンとからシクロペンタン骨格がポリマー鎖中に生成し、その割合は全ジエンユニットの50%以上となることが報告されている。このようにジエンユニットの二重結合がシクロペンタン骨格に変換されることは、この共重合体をゴムとして用いる場合に欠かせない加硫と呼ばれる操作の
際に著しく不利である。またこのシクロペンタン骨格は共重合体のガラス転移温度を上昇させる効果があり、ゴムとしての低温特性を損なうことから、好ましくない骨格である。
このような状況のもと、分子量分布が狭く、組成が均一で、ポリマー鎖中にシクロペンタン骨格をほとんど含まないα−オレフィンと共役ジエンとの共重合体の出現が強く望まれている。
特開昭58−19309号公報 特開昭61−130314号公報 国際公開特許第9623010号 特表平1−501633号公報
本発明は、優れたオレフィン重合活性を有するオレフィン重合用触媒、このような触媒に有用な新規な遷移金属化合物および該触媒を用いたオレフィンの重合方法を提供することを目的としている。
また本発明は、分子量分布が狭く、ポリマー鎖中にシクロペンタン骨格をほとんど含まないα−オレフィン・共役ジエン共重合体を提供することを目的としている。
本発明に係るα−オレフィン・共役ジエン共重合体は、分子量分布(Mw/Mn)の値が3.5以下であり、α−オレフィンから導かれる構成単位の含量が1〜99.9モル%の範囲にあり、共役ジエンからから導かれる構成単位の含量が99〜0.1モル%の範囲にあり、かつポリマー鎖中に共役ジエンに由来する1,2-シクロペンタン骨格の含有量が1モル%以下、好ましくは1,2-シクロペンタン骨格を実質的に含まないことを特徴としている。
また本発明に係るα−オレフィン・共役ジエン共重合体は、α−オレフィンから導かれる構成単位の含量が50〜99.9モル%の範囲にあり、共役ジエンからから導かれる構成単位の含量が50〜0.1モル%の範囲にあることが好ましい。
さらに本発明に係るα−オレフィン・共役ジエン共重合体は、α−オレフィンがエチレンおよび/またはプロピレンであり、共役ジエンがブタジエンおよび/またはイソプレンであることが好ましい。
本発明に係るオレフィン重合用触媒は、オレフィンに対して高い重合活性を有する。
本発明に係るオレフィンの重合方法によれば、高い重合活性で、分子量分布が狭いオレフィン(共)重合体を製造できる。また、α−オレフィンと共役ジエンとを共重合したときに、ポリマー鎖中に1,2-シクロペンタン骨格を含まない共重合体が製造できる。
本発明に係る新規な遷移金属化合物は、オレフィン重合用触媒として有用であり、高い重合活性で分子量分布が狭いオレフィン(共)重合体を与える。
本発明に係るα−オレフィン・共役ジエン共重合体は、分子量分布が狭く、ポリマー鎖中にシクロペンタン骨格をほとんど含まない。
以下、本発明におけるオレフィン重合用触媒およびこの触媒を用いたオレフィンの重合方法について具体的に説明する。
なお、本明細書において「重合」という語は、単独重合だけでなく、共重合をも包含した意味で用いられることがあり、「重合体」という語は、単独重合体だけでなく、共重合体をも包含した意味で用いられることがある。
第1のオレフィン重合用触媒
本発明に係る第1のオレフィン重合用触媒は、
(A)下記一般式(I)で表される遷移金属化合物と、
(B)(B-1) 有機金属化合物、
(B-2) 有機アルミニウムオキシ化合物、および
(B-3) 遷移金属化合物と反応してイオン対を形成する化合物
から選ばれる少なくとも1種の化合物とから形成されている。
まず、本発明のオレフィン重合用触媒を形成する各触媒成分について説明する。
(A)遷移金属化合物
本発明で用いられる(A)遷移金属化合物は、下記一般式(I)で表される化合物である。
Figure 0003874751
(なお、ここでN……Mは、一般的には配位していることを示すが、本発明においては配位していてもしていなくてもよい。)
式(I)中、Mは周期律表第3〜11族の遷移金属原子(3族にはランタノイドも含まれる)を示し、好ましくは3〜9族(3族にはランタノイドも含まれる)の金属原子であり、より好ましくは3〜5族および9族の金属原子であり、特に好ましくは4族または5族の金属原子である。具体的には、スカンジウム、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、コバルト、ロジウム、イットリウム、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、レニウム、鉄、ルテニウムなどであり、好ましくはスカンジウム、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、コバルト、ロジウムなどであり、より好ましくは、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、コバルト、ロジウム、バナジウム、ニオブ、タンタルなどであり、特に好ましくはチタン、ジルコニウム、ハフニウムである。
mは、1〜6、好ましくは1〜4の整数を示す。
1〜R6は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示し、これらのうちの2個以上が互いに連結して環を形成していてもよい。
ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
炭化水素基として具体的には、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、 tert-ブチル、ネオペンチル、n-ヘキシルなどの炭素原子数が1〜30、好ましくは1〜20の直鎖状または分岐状のアルキル基;
ビニル、アリル、イソプロペニルなどの炭素原子数が2〜30、好ましくは2〜20の直鎖状または分岐状のアルケニル基;
エチニル、プロパルギルなど炭素原子数が2〜30、好ましくは2〜20の直鎖状または分岐状のアルキニル基;
シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アダマンチルなどの炭素原子数が3〜30、好ましくは3〜20の環状飽和炭化水素基; シクロペンタジエニル、インデニル、フルオレニルなどの炭素数5〜30の環状不飽和炭化水素基;
フェニル、ベンジル、ナフチル、ビフェニル、ターフェニル、フェナントリル、アントラセニルなどの炭素原子数が6〜30、好ましくは6〜20のアリール基;
トリル、iso-プロピルフェニル、t-ブチルフェニル、ジメチルフェニル、ジ-t-ブチル
フェニルなどのアルキル置換アリール基などが挙げられる。
上記炭化水素基は、水素原子がハロゲンで置換されていてもよく、たとえば、トリフルオロメチル、ペンタフルオロフェニル、クロロフェニルなどの炭素原子数1〜30、好ましくは1〜20のハロゲン化炭化水素基が挙げられる。
また、上記炭化水素基は、他の炭化水素基で置換されていてもよく、たとえば、ベンジル、クミルなどのアリール基置換アルキル基などが挙げられる。
さらにまた、上記炭化水素基は、ヘテロ環式化合物残基;アルコシキ基、アリーロキシ基、エステル基、エーテル基、アシル基、カルボキシル基、カルボナート基、ヒドロキシ基、ペルオキシ基、カルボン酸無水物基などの酸素含有基;アミノ基、イミノ基、アミド基、イミド基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、ニトロ基、ニトロソ基、シアノ基、イソシアノ基、シアン酸エステル基、アミジノ基、ジアゾ基、アミノ基がアンモニウム塩となったものなどの窒素含有基;ボランジイル基、ボラントリイル基、ジボラニル基などのホウ素含有基;メルカプト基、チオエステル基、ジチオエステル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、チオアシル基、チオエーテル基、チオシアン酸エステル基、イソチアン酸エステル基、スルホンエステル基、スルホンアミド基、チオカルボキシル基、ジチオカルボキシル基、スルホ基、スルホニル基、スルフィニル基、スルフェニル基などのイオウ含有基;ホスフィド基、ホスホリル基、チオホスホリル基、ホスファト基などのリン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を有していてもよい。
これらのうち、特に、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、t-ブチル、ネオペンチル、n-ヘキシルなどの炭素原子数1〜30、好ましくは1〜20の直鎖状または分岐状のアルキル基;フェニル、ナフチル、ビフェニル、ターフェニル、フェナントリル、アントラセニルなどの炭素原子数6〜30、好ましくは6〜20のアリール基;これらのアリール基にハロゲン原子、炭素原子数1〜30、好ましくは1〜20のアルキル基またはアルコキシ基、炭素原子数6〜30、好ましくは6〜20のアリール基またはアリーロキシ基などの置換基が1〜5個置換した置換アリール
基などが好ましい。
酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基としては、上記例示したものと同様のものが挙げられる。
ヘテロ環式化合物残基としては、ピロール、ピリジン、ピリミジン、キノリン、トリアジンなどの含窒素化合物、フラン、ピランなどの含酸素化合物、チオフェンなどの含硫黄化合物などの残基、およびこれらのヘテロ環式化合物残基に炭素原子数が1〜30、好ましくは1〜20のアルキル基、アルコキシ基などの置換基がさらに置換した基などが挙げられる。
ケイ素含有基としては、シリル基、シロキシ基、炭化水素置換シリル基、炭化水素置換シロキシ基など、具体的には、メチルシリル、ジメチルシリル、トリメチルシリル、エチルシリル、ジエチルシリル、トリエチルシリル、ジフェニルメチルシリル、トリフェニルシリル、ジメチルフェニルシリル、ジメチル-t-ブチルシリル、ジメチル(ペンタフルオ
ロフェニル)シリルなどが挙げられる。これらの中では、メチルシリル、ジメチルシリル、トリメチルシリル、エチルシリル、ジエチルシリル、トリエチルシリル、ジメチルフェニルシリル、トリフェニルシリルなどが好ましい。特にトリメチルシリル、トリエチルシリル、トリフェニルシリル、ジメチルフェニルシリルが好ましい。炭化水素置換シロキシ基として具体的には、トリメチルシロキシなどが挙げられる。
ゲルマニウム含有基およびスズ含有基としては、前記ケイ素含有基のケイ素をゲルマニウムおよびスズに置換したものが挙げられる。
次に上記で説明したR1〜R6の例について、より具体的に説明する。
アルコキシ基として具体的には、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、イソブトキシ、 tert-ブトキシなどが挙げられる。
アルキルチオ基として具体的には、メチルチオ、エチルチオ等が挙げられる。
アリーロキシ基として具体的には、フェノキシ、2,6-ジメチルフェノキシ、2,4,6-トリメチルフェノキシなどが挙げられる。
アリールチオ基として具体的には、フェニルチオ、メチルフェニルチオ、ナフチルチオ等が挙げられる。
アシル基として具体的には、ホルミル基、アセチル基、ベンゾイル基、p−クロロベンゾイル基、p-メトキシベンゾイル基などが挙げられる。
エステル基として具体的には、アセチルオキシ、ベンゾイルオキシ、メトキシカルボニル、フェノキシカルボニル、p-クロロフェノキシカルボニルなどが挙げられる。
チオエステル基として具体的には、アセチルチオ、ベンゾイルチオ、メチルチオカルボニル、フェニルチオカルボニルなどが挙げられる。
アミド基として具体的には、アセトアミド、N-メチルアセトアミド、N-メチルベンズアミドなどが挙げられる。
イミド基として具体的には、アセトイミド、ベンズイミドなどが挙げられる。 アミノ
基として具体的には、ジメチルアミノ、エチルメチルアミノ、ジフェニルアミノなどが挙げられる。
イミノ基として具体的には、メチルイミノ、エチルイミノ、プロピルイミノ、ブチルイミノ、フェニルイミノなどが挙げられる。
スルホンエステル基として具体的には、スルホン酸メチル、スルホン酸エチル、スルホン酸フェニルなどが挙げられる。
スルホンアミド基として具体的には、フェニルスルホンアミド、N-メチルスルホンアミド、N-メチル-p-トルエンスルホンアミドなどが挙げられる。
なお、R6 は水素以外の置換基であることが好ましい。すなわち、R6 はハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基またはスズ含有基が好ましい。特にR6 は、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、炭化水素置換シリル基、炭化水素置換シロキシ基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリーロキシ基、アリールチオ基、アシル基、エステル基、チオエステル基、アミド基、アミノ基、イミド基、イミノ基、スルホンエステル基、スルホンアミド基、シアノ基、ニトロ基またはヒドロキシ基であることが好ましい。
6 として好ましい炭化水素基としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、 tert-ブチル、チオペンチル、n-ヘキシルなどの炭素原子数が1〜30、好ましくは1〜20の直鎖状または分岐状のアルキル基;シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アダマンチルなどの炭素原子数が3〜30、好ましくは3〜20の環状飽和炭化水素基;フェニル、ベンジル、ナフチル、ビフェニリル、トリフェニリルなどの炭素原子数が6〜30、好ましくは6〜20のアリール基;および、これらの基に炭素原子数が1〜30、好ましくは1〜20のアルキル基またはアルコキシ基、炭素原子数が1〜30、好ましくは1〜20のハロゲン化アルキル基、炭素原子数が6〜30、好ましくは6〜20のアリール基またはアリーロキシ基、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基などの置換基がさらに置換した基などが好ましく挙げられる。
6 として好ましい炭化水素置換シリル基としては、メチルシリル、ジメチルシリル、トリメチルシリル、エチルシリル、ジエチルシリル、トリエチルシリル、ジフェニルメチルシリル、トリフェニルシリル、ジメチルフェニルシリル、ジメチル-t-ブチルシリル、
ジメチル(ペンタフルオロフェニル)シリルなどが挙げられる。特に好ましくは、トリメチルシリル、トリエチルフェニル、ジフェニルメチルシリル、イソフェニルシリル、ジメチルフェニルシリル、ジメチル-t-ブチルシリル、ジメチル(ペンタフルオロフェニル)シ
リルなどが挙げられる。
本発明では、R6 としては特に、イソプロピル、イソブチル、sec-ブチル、 tert-ブチル、ネオペンチルなどの炭素原子数が3〜30、好ましくは3〜20の分岐状アルキル基、およびこれらの基の水素原子を炭素原子数が6〜30、好ましくは6〜20のアリール基で置換した基(クミル基など)、アダマンチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどの炭素原子数が3〜30、好ましくは3〜20の環状飽和炭化水素基から選ばれる基であることが好ましく、あるいはフェニル、ナフチル、フルオレニル、アントラニル、フェナントリルなどの炭素原子数6〜30、好ましくは6〜20のアリール基、または炭化水素置換シリル基であることも好ましい。
1 〜R6 は、これらのうちの2個以上の基、好ましくは隣接する基が互いに連結して
脂肪環、芳香環または、窒素原子などの異原子を含む炭化水素環を形成していてもよく、これらの環はさらに置換基を有していてもよい。
また、mが2以上の場合には、R1 〜R6 で示される基のうち2個の基が連結されていてもよい。ただし、R1 同士は結合されることはない。さらに、mが2以上の場合にはR1 同士、R2 同士、R3 同士、R4 同士、R5 同士、R6同士は、互いに同一でも異なっ
ていてもよい。
nは、Mの価数を満たす数であり、具体的には0〜5、好ましくは1〜4、より好ましくは1〜3の整数である。
Xは、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示す。なお、nが2以上の場合には、互いに同一であっても、異なっていてもよい。
ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
炭化水素基としては、前記R1〜R6で例示したものと同様のものが挙げられる。具体的には、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、オクチル、ノニル、ドデシル、アイコシルなどのアルキル基;シクロペンチル、シクロヘキシル、ノルボルニル、アダマンチルなどの炭素原子数が3〜30のシクロアルキル基;ビニル、プロペニル、シクロヘキセニルなどのアルケニル基;ベンジル、フェニルエチル、フェニルプロピルなどのアリールアルキル基;フェニル、トリル、ジメチルフェニル、トリメチルフェニル、エチルフェニル、プロピルフェニル、ビフェニル、ナフチル、メチルナフチル、アントリル、フェナントリルなどのアリール基などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これらの炭化水素基には、ハロゲン化炭化水素、具体的には炭素原子数1〜20の炭化水素基の少なくとも一つの水素がハロゲンに置換した基も含まれる。
これらのうち、炭素原子数が1〜20のものが好ましい。
ヘテロ環式化合物残基としては、前記R1〜R6で例示したものと同様のものが挙げられる。
酸素含有基としては、前記R1〜R6で例示したものと同様のものが挙げられ、具体的には、ヒドロキシ基;メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシなどのアルコシキ基;フェノキシ、メチルフェノキシ、ジメチルフェノキシ、ナフトキシなどのアリーロキシ基;フェニルメトキシ、フェニルエトキシなどのアリールアルコキシ基;アセトキシ基;カルボニル基などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
イオウ含有基としては、前記R1〜R6で例示したものと同様のものが挙げられ、具体的には、メチルスルフォネート、トリフルオロメタンスルフォネート、フェニルスルフォネート、ベンジルスルフォネート、p-トルエンスルフォネート、トリメチルベンゼンスルフォネート、トリイソブチルベンゼンスルフォネート、p-クロルベンゼンスルフォネート、ペンタフルオロベンゼンスルフォネートなどのスルフォネート基;メチルスルフィネート、フェニルスルフィネート、ベンジルスルフィネート、p-トルエンスルフィネート、トリメチルベンゼンスルフィネート、ペンタフルオロベンゼンスルフィネートなどのスルフィネート基;アルキルチオ基;アリールチオ基などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
窒素含有基として具体的には、前記R1〜R6で例示したものと同様のものが挙げられ、具体的には、アミノ基;メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジブチルアミノ、ジシクロヘキシルアミノなどのアルキルアミノ基;フェニルアミノ、ジフェニルアミノ、ジトリルアミノ、ジナフチルアミノ、メチルフェニルアミノなどのアリールアミノ基またはアルキルアリールアミノ基などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ホウ素含有基として具体的には、BR4(Rは水素、アルキル基、置換基を有してもよ
いアリール基、ハロゲン原子等を示す)が挙げられる。
リン含有基として具体的には、トリメチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィンなどのトリアルキルホスフィン基;トリフェニルホスフィン、トリトリルホスフィンなどのトリアリールホスフィン基;メチルホスファイト、エチルホスファイト、フェニルホスファイトなどのホスファイト基(ホスフィド基);ホスホン酸基;ホスフィン酸基などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ケイ素含有基として具体的には、前記R1〜R6で例示したものと同様のものが挙げられ、具体的には、フェニルシリル、ジフェニルシリル、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリプロピルシリル、トリシクロヘキシルシリル、トリフェニルシリル、メチルジフェニルシリル、トリトリルシリル、トリナフチルシリルなどの炭化水素置換シリル基;トリメチルシリルエーテルなどの炭化水素置換シリルエーテル基;トリメチルシリルメチルなどのケイ素置換アルキル基;トリメチルシリルフェニルなどのケイ素置換アリール基などが挙げられる。
ゲルマニウム含有基として具体的には、前記R1〜R6で例示したものと同様のものが挙げられ、具体的には、前記ケイ素含有基のケイ素をゲルマニウムに置換した基が挙げられる。
スズ含有基として具体的には、前記R1〜R6で例示したものと同様のものが挙げられ、より具体的には、前記ケイ素含有基のケイ素をスズに置換した基が挙げられる。
ハロゲン含有基として具体的には、PF6、BF4などのフッ素含有基、ClO4、SbCl6などの塩素含有基、IO4などのヨウ素含有基が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
アルミニウム含有基として具体的には、AlR4(Rは水素、アルキル基、置換基を有してもよいアリール基、ハロゲン原子等を示す)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
なお、nが2以上の場合は、Xで示される複数の基は互いに同一でも異なっていてもよく、またXで示される複数の基は互いに結合して環を形成してもよい。
遷移金属化合物(I-a)
このような式(I)で表される遷移金属化合物としては、下記一般式(I-a)で表され
る化合物が好ましい。
Figure 0003874751
式(I-a)中、Mは周期律表第3〜11族の遷移金属原子を示し、前記と同様のものが
挙げられる。
mは、1〜3の整数であり、好ましくは2である。
1〜R6は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、炭化水素置換シリル基、炭化水素置換シロキシ基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリーロキシ基、アリールチオ基、アシル基、エステル基、チオエステル基、アミド基、イミド基、アミノ基、イミノ基、スルホンエステル基、スルホンアミド基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、スルホ基、メルカプト基またはヒドロキシ基を示し、これらのうちの2個以上が互いに連結して環を形成していてもよい。これらの基としては、前記と同様のものが挙げられる。
なお、mが2以上の場合にはR1〜R6で示される基のうち2個の基が連結されていてもよい。但し、R1同士が結合されることはない。
nは、Mの価数を満たす数であり、具体的には、0〜5、好ましくは1〜4、より好ましくは1〜3の整数である。
Xは、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示す。具体的には、前記と同様のものが挙げられる。
なお、nが2以上の場合は、Xで示される複数の基は互いに同一でも異なっていてもよく、またXで示される複数の基は互いに結合して環を形成してもよい。 このような遷移金属化合物として、特に下記一般式(I-a-1)で示される化合物が好ましい。
Figure 0003874751
式(I-a-1)中、R1〜R6、MおよびXとしては、前記と同様のものが挙げられるが、
特に、以下のものが好ましい。
Mは周期律表第3〜11族の遷移金属原子を示し、好ましくは3〜5族及び9族の金属原子であり、好ましくはスカンジウム、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、コバルト、ロジウムなどであり、より好ましくはチタン、ジルコニウム、ハフニウム、コバルト、ロジウムなどであり、特に好ましくはチタン、ジルコニウム、ハフニウムである。
mは、1〜3の整数である。
1 〜R6 は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、炭化水素置換シリル基、炭化水素置換シロキシ基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリーロキシ基、アリールチオ基、チオエステル基、エステル基、アシル基、アミド基、イミド基、アミノ基、イミノ基、スルホンエステル基、スルホンアミド基、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基などを示す。これらの中では特に、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、炭化水素置換シリル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、エステル基、アミド基、アミノ基、スルホンアミド基、シアノ基またはニトロ基が好ましい。
ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
炭化水素基として具体的には、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、 tert-ブチル、ペンチル、ヘキシルなどの炭素原子数が1〜20の直鎖状または分岐状のアルキル基;ビニル、アリル、イソプロペニルなどの炭素原子数が2〜20の直鎖状または分岐状のアルケニル基;エチニル、プロパルギルなど炭素原子数が2〜20の直鎖状または分岐状のアルキニル基;シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アダマンチルなどの炭素原子数が3〜20の環状飽和炭化水素基;フェニル、ベンジル、ナフチル、ビフェニリル、トリフェニリルなどの炭素原子数が6〜20のアリール基;シクロペンタジエニル、インデニル、フルオレニルなどの炭素原子数が5〜20の環状不飽和炭化水素基;および、これらの基に炭素原子数が1〜20のアルキル基、炭素原子数が1〜20のハロゲン化アルキル基、炭素原子数が6〜20のアリール基、炭素原子数が1〜20のアルコキシ基、炭素原子数が6〜20のアリーロキシ基、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基などの置換基がさらに置換した基などが挙げられる。これらの中では特に、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、 tert-ブチル、ペンチル、ヘキシルなどの炭素原子数が1〜20の直鎖もしくは分岐状のアルキル基;フェニル、ナフチルなどの炭素原子数が6〜20のアリール基;これらのアリール基に前記炭素原子数が1〜20のアルキル基、炭素原子数が6〜20のアリール基、炭素原子数が1〜20のアルコキシ基、炭素原子数が6〜20のアリーロキシ基などの置換基が1〜5個置換した置換アリール基などが好ましい。
ヘテロ環式化合物残基としては、ピロール、ピリジン、ピリミジン、キノリン、トリアジンなどの含窒素化合物、フラン、ピランなどの含酸素化合物、チオフェンなどの含硫黄化合物などの残基、およびこれらのヘテロ環式化合物残基に炭素原子数が1〜20のアルキル基、アルコキシ基などの置換基がさらに置換した基などが挙げられる。
炭化水素置換シリル基として具体的には、メチルシリル、ジメチルシリル、トリメチルシリル、エチルシリル、ジエチルシリル、トリエチルシリル、ジフェニルメチルシリル、トリフェニルシリル、ジメチルフェニルシリル、ジメチル-t-ブチルシリル、ジメチル(
ペンタフルオロフェニル)シリルなどが挙げられる。これらの中では特に、メチルシリル、ジメチルシリル、トリメチルシリル、エチルシリル、ジエチルシリル、トリエチルシリル、トリフェニルシリルなどが好ましい。
炭化水素置換シロキシ基として具体的には、トリメチルシロキシなどが挙げられる。
アルコキシ基として具体的には、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、イソブトキシ、 tert-ブトキシなどが挙げられる。
アルキルチオ基として具体的には、メチルチオ、エチルチオ等が挙げられる。 アリーロキシ基として具体的には、フェノキシ、2,6-ジメチルフェノキシ、2,4,6-トリメチルフェノキシなどが挙げられる。
アリールチオ基として具体的には、フェニルチオ、メチルフェニルチオ、ナフチルチオ等が挙げられる。
アシル基として具体的には、ホルミル基、アセチル基、ベンゾイル基、p−クロロベンゾイル基、p-メトキシベンゾイル基などが挙げられる。
エステル基として具体的には、アセチルオキシ、ベンゾイルオキシ、メトキシカルボニル、フェノキシカルボニル、p-クロロフェノキシカルボニルなどが挙げられる。
チオエステル基として具体的には、アセチルチオ、ベンゾイルチオ、メチルチオカルボニル、フェニルチオカルボニルなどが挙げられる。
アミド基として具体的には、アセトアミド、N-メチルアセトアミド、N-メチルベンズアミドなどが挙げられる。
イミド基として具体的には、アセトイミド、ベンズイミドなどが挙げられる。 アミノ基として具体的には、ジメチルアミノ、エチルメチルアミノ、ジフェニルアミノなどが挙げられる。
イミノ基として具体的には、メチルイミノ、エチルイミノ、プロピルイミノ、ブチルイミノ、フェニルイミノなどが挙げられる。
スルホンエステル基として具体的には、スルホン酸メチル、スルホン酸エチル、スルホン酸フェニルなどが挙げられる。
スルホンアミド基として具体的には、フェニルスルホンアミド、N-メチルスルホンアミド、N-メチル-p-トルエンスルホンアミドなどが挙げられる。
なお、R6 は水素以外の置換基であることが好ましい。すなわちR6 は、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、炭化水素置換シリル基、炭化水素置換シロキシ基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリーロキシ基、アリールチオ基、アシル基、エステル基、チオエステル基、アミド基、イミド基、アミノ基、イミノ基、スルホンエステル基、スルホンアミド基、シアノ基、ニトロ基またはヒドロキシ基であることが好ましい。
6 として好ましい炭化水素基としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、 tert-ブチル、ペンチル、ヘキシルなどの炭素原子数が1〜20の直鎖状または分岐状のアルキル基;シクロプロピル、シクロブチル、シ
クロペンチル、シクロヘキシル、アダマンチルなどの炭素原子数が3〜20の環状飽和炭化水素基;フェニル、ベンジル、ナフチル、ビフェニリル、トリフェニリルなどの炭素原子数が6〜20のアリール基;および、これらの基に炭素原子数が1〜20のアルキル基、炭素原子数が1〜20のハロゲン化アルキル基、炭素原子数が6〜20のアリール基、アルコキシ基、アリーロキシ基、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基などの置換基がさらに置換した基などが好ましく挙げられる。
6 として好ましい炭化水素置換シリル基としては、メチルシリル、ジメチルシリル、トリメチルシリル、エチルシリル、ジエチルシリル、トリエチルシリル、ジフェニルメチルシリル、トリフェニルシリル、ジメチルフェニルシリル、ジメチル-t-ブチルシリル、
ジメチル(ペンタフルオロフェニル)シリルなどが挙げられる。
本発明では、R6 としては特に、イソプロピル、イソブチル、sec-ブチル、 tert-ブチルなどの炭素原子数が3〜20の分岐状アルキル基、およびこれらの基の水素原子を炭素原子数が6〜20のアリール基で置換した基(クミル基など)、アダマンチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどの炭素原子数が3〜20の環状飽和炭化水素基から選ばれる基であることが好ましく、あるいは炭化水素置換シリル基であることも好ましい。
1 〜R6 は、これらのうちの2個以上の基、好ましくは隣接する基が互いに連結して脂肪環、芳香環または、窒素原子などの異原子を含む炭化水素環を形成していてもよく、これらの環はさらに置換基を有していてもよい。
また、mが2以上の場合には、R1 〜R6 で示される基のうち2個の基が連結されていてもよい。ただし、R1 同士は結合されることはない。さらに、mが2以上の場合にはR1 同士、R2 同士、R3 同士、R4 同士、R5 同士、R6同士は、互いに同一でも異なっ
ていてもよい。
nは、Mの価数を満たす数であり、具体的には1〜3の整数である。
Xは、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、ケイ素含有基などを示し、nが2以上の場合は互いに同一でも異なっていてもよい。
ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
炭素原子数が1〜20の炭化水素基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリールアルキル基、アリール基などが挙げられ、より具体的には、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、オクチル、ノニル、ドデシル、アイコシルなどのアルキル基;シクロペンチル、シクロヘキシル、ノルボルニル、アダマンチルなどのシクロアルキル基;ビニル、プロペニル、シクロヘキセニルなどのアルケニル基;ベンジル、フェニルエチル、フェニルプロピルなどのアリールアルキル基;フェニル、トリル、ジメチルフェニル、トリメチルフェニル、エチルフェニル、プロピルフェニル、ビフェニル、ナフチル、メチルナフチル、アントリル、フェナントリルなどのアリール基が挙げられる。
炭素原子数が1〜20のハロゲン化炭化水素基としては、前記炭素原子数が1〜20の炭化水素基にハロゲンが置換した基が挙げられる。
酸素含有基としては、ヒドロキシ基;メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシなどのアルコキシ基;フェノキシ、メチルフェノキシ、ジメチルフェノキシ、ナフトキシなど
のアリーロキシ基;フェニルメトキシ、フェニルエトキシなどのアリールアルコキシ基などが挙げられる。
イオウ含有基としては、前記酸素含有基の酸素がイオウに置換した置換基、ならびにメチルスルフォネート、トリフルオロメタンスルフォネート、フェニルスルフォネート、ベンジルスルフォネート、p-トルエンスルフォネート、トリメチルベンゼンスルフォネート、トリイソブチルベンゼンスルフォネート、p-クロルベンゼンスルフォネート、ペンタフルオロベンゼンスルフォネートなどのスルフォネート基;メチルスルフィネート、フェニルスルフィネート、ベンジルスルフィネート、p-トルエンスルフィネート、トリメチルベンゼンスルフィネート、ペンタフルオロベンゼンスルフィネートなどのスルフィネート基が挙げられる。
ケイ素含有基としては、メチルシリル、フェニルシリルなどのモノ炭化水素置換シリル基;ジメチルシリル、ジフェニルシリルなどのジ炭化水素置換シリル基;トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリプロピルシリル、トリシクロヘキシルシリル、トリフェニルシリル、ジメチルフェニルシリル、メチルジフェニルシリル、トリトリルシリル、トリナフチルシリルなどのトリ炭化水素置換シリル基;トリメチルシリルエーテルなどの炭化水素置換シリルのシリルエーテル基;トリメチルシリルメチルなどのケイ素置換アルキル基;トリメチルシリルフェニルなどのケイ素置換アリール基などが挙げられる。
Xで示される基としては、これらのうち、ハロゲン原子、炭素原子数が1〜20の炭化水素基またはスルホネート基であることが好ましい。
またnが2以上の場合は、Xで示される基は互いに同一でも異なっていてもよく、あるいは互いに連結して環を形成していてもよい。
前記一般式(I-a-1)で表される遷移金属化合物において、mが2であり、R1 〜R6
で示される基のうち2個の基(但し、R1 同士を除く)が連結されている化合物は、たとえば下記一般式(I-a-2)で表される化合物である。
Figure 0003874751
式(I-a-2)中、M、R1 〜R6 、Xは、それぞれ前記一般式(I)の場合と同じであ
り、R11〜R16はR1 〜R6 と同じである。特に好ましくは以下のような基が挙げられる。
1〜R16は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭化水
素基、ヘテロ環式化合物残基、炭化水素置換シリル基、炭化水素置換シロキシ基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリーロキシ基、アリールチオ基、アシル基、エステル基、チオエステル基、アミド基、イミド基、アミノ基、イミノ基、スルホンエステル基、スルホンアミド基、シアノ基、ニトロ基などを示し、具体的にはR1 〜R6 と同様の原子または
基を示す。R1〜R16のうちの2個以上の基、好ましくは隣接する基は互いに連結して脂
肪族環、芳香族環または、窒素原子などの異原子を含む炭化水素環を形成していてもよい。
Y' は、R1 〜R6 から選ばれる少なくとも1つ以上の基と、R11〜R16から選ばれる少なくとも1つ以上の基とを結合する(ただし、R1 とR11とが結合する場合を除く。)結合基または単結合である。
Y' で示される結合基としては、酸素、硫黄、炭素、窒素、リン、ケイ素、セレン、スズ、硼素などの中から選ばれる少なくとも1種の元素を含む基が挙げられ、具体的には−O−、−S−、−Se−などのカルコゲン原子含有基;−NH−、−N(CH3)2 −、−PH−、−P(CH3)2 −などの窒素またはリン原子含有基;−CH2 −、−CH2 −CH2 −、−C(CH3)2 −などの炭素原子数が1〜20の炭化水素基;ベンゼン、ナフタレン、アントラセンなどの炭素原子数が6〜20の環状不飽和炭化水素残基;ピリジン、キノリン、チオフェン、フランなどのヘテロ原子を含む炭素原子数が3〜20のヘテロ環式化合物残基;−SiH2−、−Si(CH3)2 −などのケイ素原子含有基、−SnH2
、−Sn(CH3)2 −などのスズ原子含有基;−BH−、−B(CH3)−、−BF−などの硼素原子含有基など、あるいは単結合が挙げられる。
以下に、上記一般式(I-a-1)で表される遷移金属化合物の具体的な例を示すが、これ
らに限定されるものではない。
なお、下記具体例においてMは遷移金属元素であり、個々には、Sc(III) 、Ti(III) 、Ti(IV)、Zr(III) 、Zr(IV)、Hf(IV)、V(IV)、Nb(V) 、Ta(V) 、Co(II)、Co(III) 、Rh(II)、Rh(III) 、Rh(IV)を示すが、これらに限定されるものではない。これらのなかでは特に、Ti(IV) 、Zr(IV) 、Hf(IV)が好ましい。
Xは、Cl、Br等のハロゲン、もしくはメチル等のアルキル基を示すが、これらに限定されるものではない。また、Xが複数ある場合は、これらは同じであっても、異なっていても良い。
nは金属Mの価数により決定される。例えば、2種のモノアニオン種が金属に結合している場合、2価金属ではn=0、3価金属ではn=1、4価金属ではn=2、5価金属ではn=3になる。たとえば金属がTi(IV)の場合はn=2であり、Zr(IV)の場合はn=2であり、Hf(IV)の場合はn=2である。
Figure 0003874751
Figure 0003874751
Figure 0003874751
Figure 0003874751
Figure 0003874751
Figure 0003874751
Figure 0003874751
Figure 0003874751
Figure 0003874751
Figure 0003874751
Figure 0003874751
Figure 0003874751
Figure 0003874751
Figure 0003874751
Figure 0003874751
Figure 0003874751
Figure 0003874751
Figure 0003874751
Figure 0003874751
なお、上記例示中、Meはメチル基、Etはエチル基、iPrはi-プロピル基、tBuはtert- ブチル基、Phはフェニル基を示す。
さらにTiを中心金属とする場合についてより具体的に例示すると、以下のようなものが挙げられる。また、これらの化合物においてチタンをジルコニウム、ハフニウム、コバルトまたはロジウムに置き換えた化合物も挙げられる。
Figure 0003874751
Figure 0003874751
Figure 0003874751
Figure 0003874751
Figure 0003874751
Figure 0003874751
Figure 0003874751
Figure 0003874751
Figure 0003874751
Figure 0003874751
Figure 0003874751
本発明に係るオレフィン重合用触媒において、(A)成分として後述するような一般式(III)の新規な遷移金属化合物を用いることが特に好ましい。
遷移金属化合物(I-b)
また、本発明では(A)遷移金属化合物として、下記一般式(I-b)で表される遷移金属
化合物を用いることもできる。
Figure 0003874751
式(I-b)中、Mは周期表第3〜11族の遷移金属原子を示し、好ましくは第3〜5族ま
たは第9族、特に好ましくは第4族または第5族の遷移金属原子であり、特にチタン、ジルコニウム、ハフニウム、コバルトまたはロジウムである。
mは、1〜6の整数、好ましくは1〜4の整数である。
1 〜R6 は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、炭化水素置換シリル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、エステル基、アミド基、アミノ基、スルホンアミド基、シアノ基、ニトロ基を示す。
これらの基のうち、特に、ハロゲン原子、炭化水素基、炭化水素置換シリル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、エステル基、アミド基、アミノ基、スルホンアミド基、シアノ基、ニトロ基が好ましい。
これらの基R1 〜R6 としては、前記一般式(I)および(I-a)で表される遷移金属化
合物において例示したものと同様のものが挙げられる。
また、mが2以上の場合には、R1〜R6は、これらのうちの2個以上の基、好ましくは隣接する基が互いに連結して環を形成してもよい。但し、R1同士が連結されることはな
い。
以下に、上記一般式(I-b)で表される遷移金属化合物の具体的な例を示すが、これらに
限定されるものではない。
Figure 0003874751
Figure 0003874751
本発明では、上記のような化合物において、コバルト金属をチタン、ジルコニウム、ハフニウム、鉄、銅、ロジウムなどの金属に置き換えた遷移金属化合物を用いることもできる。
以上のような遷移金属化合物(A)は、1種単独または2種以上組み合わせて用いられる。また、上記遷移金属化合物(A)以外の遷移金属化合物,例えば窒素、酸素、硫黄、硼素または燐などのヘテロ原子を含有する配位子からなる公知の遷移金属化合物と組み合わせて用いることもできる。
他の遷移金属化合物
上記遷移金属化合物(A)以外の遷移金属化合物として、具体的には、下記のような遷移金属化合物を用いることができるが、この限りではない。
(a-1)下記式で表される遷移金属イミド化合物(I-c)
Figure 0003874751
式中、Mは、周期表第8〜10族の遷移金属原子を示し、好ましくはニッケル、パラジウムまたは白金である。
21〜R24は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素数1〜50の炭化水素基、炭素数1〜50のハロゲン化炭化水素基、炭化水素置換シリル基または窒素、酸素、リン、イオウおよびケイ素から選ばれる少なくとも1種の元素を含む置換基で置換された炭化水素基を示す。
21〜R24で表される基は、これらのうちの2個以上、好ましくは隣接する基が互いに連結して環を形成していてもよい。
qは0〜4の整数を示す。
Xは、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、ケイ素含有基または窒素含有基を示し、qが2以上の場合には、Xで示される複数の基は互いに同一であっても、異なっていてもよい。
(a-2)下記式で表される遷移金属アミド化合物(I-d)
Figure 0003874751
式中、Mは、周期表第3〜6族の遷移金属原子を示し、チタン、ジルコニウムまたはハフニウムであることが好ましい。
R'およびR"は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜50の炭化水素基、炭素数1〜50のハロゲン化炭化水素基、炭化水素置換シリル基、または、窒素、酸素、リン、硫黄およびケイ素から選ばれる少なくとも1種の元素を有する置換基を
示す。
mは、0〜2の整数である。
nは、1〜5の整数である。
Aは、周期表第13〜16族の原子を示し、具体的には、ホウ素、炭素、窒素、酸素、ケイ素、リン、硫黄、ゲルマニウム、セレン、スズなどが挙げられ、炭素またはケイ素であることが好ましい。nが2以上の場合には、複数のAは、互いに同一でも異なっていてもよい。
Eは、炭素、水素、酸素、ハロゲン、窒素、硫黄、リン、ホウ素およびケイ素から選ばれる少なくとも1種の元素を有する置換基である。mが2の場合、2個のEは、互いに同一でも異なっていてもよく、あるいは互いに連結して環を形成していてもよい。
pは、0〜4の整数である。
Xは、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数が1〜20の炭化水素基、炭素原子数が1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、ケイ素含有基または窒素含有基を示す。なおpが2以上の場合には、Xで示される複数の基は、互いに同一でも異なっていてもよい。これらのうち、Xはハロゲン原子、炭素原子数が1〜20の炭化水素基またはスルホネート基であることが好ましい。
(a-3)下記式で表される遷移金属ジフェノキシ化合物(I-e)
Figure 0003874751
式中、Mは周期律表第3〜11族の遷移金属原子を示し、lおよびmはそれぞれ0または1の整数であり、AおよびA'は炭素原子数1〜50の炭化水素基、炭素原子数1〜5
0のハロゲン化炭化水素、または、酸素、硫黄またはケイ素を含有する置換基を持つ炭化水素基、または炭素原子数1〜50のハロゲン化炭化水素基であり、AとA'は同一でも
異なっていてもよい。
Bは、炭素原子数0〜50の炭化水素基、炭素原子数1〜50のハロゲン化炭化水素基、R12Zで表される基、酸素または硫黄であり、ここで、R1およびR2は炭素原子数1〜20の炭化水素基または少なくとも1個のヘテロ原子を含む炭素原子数1〜20の炭化水素基であり、Zは炭素、窒素、硫黄、リンまたはケイ素を示す。
nは、Mの価数を満たす数である。
Xは、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、ケイ素含有基または窒素含有基を示し、nが2以上の場合は、Xで示される複数の基は互いに同一でも異なっていてもよく、あるいは互いに結合して環を形成してもよい。
(a-4)下記式で表される少なくとも1個のヘテロ原子を含むシクロペンタジエニル骨格を
有する配位子を含む遷移金属化合物(I-f)
Figure 0003874751
式中、Mは周期律表3〜11族の遷移金属原子を示す。
Xは、周期律表第13、14または15族の原子を示し、Xのうちの少なくとも1つは炭素以外の元素である。
aは、0または1を示す。
Rは、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、炭化水素基置換シリル基、または窒素、酸素、リン、イオウおよびケイ素から選ばれる少なくとも1種の元素を含む置換基で置換された炭化水素基を示し、2個以上のRが互いに連結して環を形成していてもよい。
bは、1〜4の整数であり、bが2以上の場合、各[( (R)a5 −X5 ]基は同一でも異なっていてもよく、さらにR同士が架橋していてもよい。
cは、Mの価数を満たす数である。
Yは、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、ケイ素含有基または窒素含有基を示す。
cが2以上の場合は、Yで示される複数の基は互いに同一でも異なっていてもよく、またYで示される複数の基は互いに結合して環を形成してもよい。
(a-5)式RB(Pz)3MXn で表される遷移金属化合物
式中、Mは, 周期律表3〜11族遷移金属化合物を示し、Rは水素原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基または炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基を示し、Pzは、ピラゾイル基または置換ピラゾイル基を示す。
nは、Mの価数を満たす数である。
Xは、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、ケイ素含有基または窒素含有基を示す。nが2以上の場合は、Xで示される複数の基は互いに同一でも異なっていてもよく、あるいは互いに結合して環を形成してもよい。
(a-6) 下記式で示される遷移金属化合物(I-g)
Figure 0003874751
式中、Y1 およびY3 は、互いに同一であっても異なっていてもよく、周期律表第15族の元素であり、Y2 は周期律表第16族の元素である。
21〜R28は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基またはケイ素含有基を示し、これらのうち2個以上が互いに連結して環を形成していてもよい。
(a-7) 下記式(I-h)で表される化合物とVIII族の遷移金属原子との化合物
Figure 0003874751
式中、R31〜R34は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基または炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基であり、これらのうち2個以上が互いに連結して環を形成していてもよい。
(a-8) 下記式(I-i)で示される遷移金属化合物
Figure 0003874751
式中、Mは、周期律表第3〜11族の遷移金属原子を示し、
mは、0〜3の整数であり、
nは、0または1の整数であり、
pは、1〜3の整数であり、
qは、Mの価数を満たす数である。
41〜R48は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、ケイ素含有基または窒素含有基を示し、これらのうちの2個以上が互いに
連結して環を形成していてもよい。
Xは、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、ケイ素含有基または窒素含有基を示し、qが2以上の場合は、Xで示される複数の基は互いに同一でも異なっていてもよく、またはXで示される複数の基は互いに結合して環を形成してもよい。
Yは、ボラータベンゼン環を架橋する基であり、炭素、ケイ素またはゲルマニウムを示す。
Aは、周期律表第14、15または16族の元素を示す。
(B-1) 有機金属化合物
本発明で用いられる(B-1) 有機金属化合物として、具体的には下記のような周期律表第1、2族および第12、13族の有機金属化合物が用いられる。
(B-1a) 一般式 Ra mAl(ORb)n p q
(式中、Ra およびRb は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、Xはハロゲン原子を示し、mは0<m≦3、nは0≦n<3、pは0≦p<3、qは0≦q<3の数であり、かつm+n+p+q=3である。)
で表される有機アルミニウム化合物。
(B-1b) 一般式 M2 AlRa 4
(式中、M2 はLi、NaまたはKを示し、Ra は炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示す。)
で表される周期律表第1族金属とアルミニウムとの錯アルキル化物。
(B-1c) 一般式 Ra b 3
(式中、Ra およびRb は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、M3 はMg、ZnまたはCdである。)
で表される周期律表第2族または第12族金属のジアルキル化合物。
前記(B-1a)に属する有機アルミニウム化合物としては、次のような化合物などを例示できる。
一般式 Ra m Al(ORb)3-m
(式中、Ra およびRb は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、mは好ましくは1.5≦m≦3の数である。)
で表される有機アルミニウム化合物、
一般式 Ra m AlX3-m
(式中、Ra は炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、Xはハロゲン原子を示し、mは好ましくは0<m<3である。)で表される有機アルミニウム化合物、
一般式 Ra m AlH3-m
(式中、Ra は炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、mは好ましくは2≦m<3である。)
で表される有機アルミニウム化合物、
一般式 Ra m Al(ORb )n q
(式中、Ra およびRb は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数が1〜15
、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、Xはハロゲン原子を示し、mは0<m≦3、nは0≦n<3、qは0≦q<3の数であり、かつm+n+q=3である。)
で表される有機アルミニウム化合物。
(B-1a)に属する有機アルミニウム化合物としてより具体的には
トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリn-ブチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリペンチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリデシルアルミニウムなどのトリn-アルキルアルミニウム;
トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリsec-ブチルアルミニウム、トリ tert-ブチルアルミニウム、トリ2-メチルブチルアルミニウム、トリ3-メチルブチルアルミニウム、トリ2-メチルペンチルアルミニウム、トリ3-メチルペンチルアルミニウム、トリ4-メチルペンチルアルミニウム、トリ2-メチルヘキシルアルミニウム、トリ3-メチルヘキシルアルミニウム、トリ2-エチルヘキシルアルミニウムなどのトリ分岐鎖アルキルアルミニウム;
トリシクロヘキシルアルミニウム、トリシクロオクチルアルミニウムなどのトリシクロアルキルアルミニウム;
トリフェニルアルミニウム、トリトリルアルミニウムなどのトリアリールアルミニウム;
ジイソブチルアルミニウムハイドライドなどのジアルキルアルミニウムハイドライド;
(i-C49)x Aly(C510)z (式中、x、y、zは正の数であり、z≧2xである。)などで表されるトリイソプレニルアルミニウムなどのトリアルケニルアルミニウム;
イソブチルアルミニウムメトキシド、イソブチルアルミニウムエトキシド、イソブチルアルミニウムイソプロポキシドなどのアルキルアルミニウムアルコキシド;
ジメチルアルミニウムメトキシド、ジエチルアルミニウムエトキシド、ジブチルアルミニウムブトキシドなどのジアルキルアルミニウムアルコキシド;
エチルアルミニウムセスキエトキシド、ブチルアルミニウムセスキブトキシドなどのアルキルアルミニウムセスキアルコキシド;
a 2.5Al(ORb)0.5などで表される平均組成を有する部分的にアルコキシ化された
アルキルアルミニウム;
ジエチルアルミニウムフェノキシド、ジエチルアルミニウム(2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノキシド)、エチルアルミニウムビス(2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノキシド)、ジイソブチルアルミニウム(2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノキシド)、イソブチルアルミニウムビス(2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノキシド)などのジアルキルアルミニウムアリーロキシド;
ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジブチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムブロミド、ジイソブチルアルミニウムクロリドなどのジアルキルアルミニウムハライド;
エチルアルミニウムセスキクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキブロミドなどのアルキルアルミニウムセスキハライド; エチルアルミニウムジクロリド、プロピルアルミニウムジクロリド、ブチルアルミニウムジブロミドなどのアルキルアルミニウムジハライドなどの部分的にハロゲン化されたアルキルアルミニウム;
ジエチルアルミニウムヒドリド、ジブチルアルミニウムヒドリドなどのジアルキルアルミニウムヒドリド;
エチルアルミニウムジヒドリド、プロピルアルミニウムジヒドリドなどのアルキルアルミニウムジヒドリドなどその他の部分的に水素化されたアルキルアルミニウム;
エチルアルミニウムエトキシクロリド、ブチルアルミニウムブトキシクロリド、エチルアルミニウムエトキシブロミドなどの部分的にアルコキシ化およびハロゲン化されたアルキルアルミニウムなどを挙げることができる。
また(B-1a)に類似する化合物も使用することができ、たとえば窒素原子を介して2以上のアルミニウム化合物が結合した有機アルミニウム化合物を挙げることができる。このような化合物として具体的には、(C252AlN(C25)Al(C252 などを挙
げることができる。
前記(B-1b)に属する化合物としては、
LiAl(C254、LiAl(C7154 などを挙げることができる。
またその他にも、(B-1) 有機金属化合物としては、メチルリチウム、エチルリチウム、プロピルリチウム、ブチルリチウム、メチルマグネシウムブロミド、メチルマグネシウムクロリド、エチルマグネシウムブロミド、エチルマグネシウムクロリド、プロピルマグネシウムブロミド、プロピルマグネシウムクロリド、ブチルマグネシウムブロミド、ブチルマグネシウムクロリド、ジメチルマグネシウム、ジエチルマグネシウム、ジブチルマグネシウム、ブチルエチルマグネシウムなどを使用することもできる。
また重合系内で上記有機アルミニウム化合物が形成されるような化合物、たとえばハロゲン化アルミニウムとアルキルリチウムとの組合せ、またはハロゲン化アルミニウムとアルキルマグネシウムとの組合せなどを使用することもできる。
(B-1) 有機金属化合物のなかでは、有機アルミニウム化合物が好ましい。
上記のような(B-1) 有機金属化合物は、1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。
(B-2) 有機アルミニウムオキシ化合物
本発明で用いられる(B-2) 有機アルミニウムオキシ化合物は、従来公知のアルミノキサンであってもよく、また特開平2−78687号公報に例示されているようなベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物であってもよい。
従来公知のアルミノキサンは、たとえば下記のような方法によって製造することができ、通常、炭化水素溶媒の溶液として得られる。
(1)吸着水を含有する化合物または結晶水を含有する塩類、たとえば塩化マグネシウム水和物、硫酸銅水和物、硫酸アルミニウム水和物、硫酸ニッケル水和物、塩化第1セリウム水和物などの炭化水素媒体懸濁液に、トリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物を添加して、吸着水または結晶水と有機アルミニウム化合物とを反応させる方法。
(2)ベンゼン、トルエン、エチルエーテル、テトラヒドロフランなどの媒体中で、トリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物に直接水、氷または水蒸気を作用させる方法。
(3)デカン、ベンゼン、トルエンなどの媒体中でトリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物に、ジメチルスズオキシド、ジブチルスズオキシドなどの有機スズ酸化物を反応させる方法。
なお該アルミノキサンは、少量の有機金属成分を含有してもよい。また回収された上記のアルミノキサンの溶液から溶媒または未反応有機アルミニウム化合物を蒸留して除去した後、溶媒に再溶解またはアルミノキサンの貧溶媒に懸濁させてもよい。
アルミノキサンを調製する際に用いられる有機アルミニウム化合物として具体的には、前記(B-1a)に属する有機アルミニウム化合物として例示したものと同様の有機アルミニウム化合物を挙げることができる。
これらのうち、トリアルキルアルミニウム、トリシクロアルキルアルミニウムが好ましく、トリメチルアルミニウムが特に好ましい。
上記のような有機アルミニウム化合物は、1種単独でまたは2種以上組み合せて用いられる。
アルミノキサンの調製に用いられる溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、シメンなどの芳香族炭化水素、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、ヘキサデカン、オクタデカンなどの脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロオクタン、メチルシクロペンタンなどの脂環族炭化水素、ガソリン、灯油、軽油などの石油留分または上記芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素のハロゲン化物とりわけ、塩素化物、臭素化物などの炭化水素溶媒が挙げられる。さらにエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類を用いることもできる。これらの溶媒のうち特に芳香族炭化水素または脂肪族炭化水素が好ましい。
また本発明で用いられるベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物は、60℃のベンゼンに溶解するAl成分がAl原子換算で通常10%以下、好ましくは5%以下、特に好ましくは2%以下であるもの、すなわち、ベンゼンに対して不溶性または難溶性であるものが好ましい。
本発明で用いられる有機アルミニウムオキシ化合物としては、下記一般式(IV)で表されるボロンを含んだ有機アルミニウムオキシ化合物を挙げることもできる。
Figure 0003874751
式中、R17は炭素原子数が1〜10の炭化水素基を示す。
18は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数が1〜10の炭化水素基を示す。
前記一般式(IV)で表されるボロンを含んだ有機アルミニウムオキシ化合物は、下記一般式(V)で表されるアルキルボロン酸と
17−B−(OH)2 …(V)
(式中、R17は前記と同じ基を示す。)
有機アルミニウム化合物とを、不活性ガス雰囲気下に不活性溶媒中で、−80℃〜室温の温度で1分〜24時間反応させることにより製造できる。
前記一般式(V)で表されるアルキルボロン酸の具体的なものとしては、メチルボロン酸、エチルボロン酸、イソプロピルボロン酸、n-プロピルボロン酸、n-ブチルボロン酸、イソブチルボロン酸、n-ヘキシルボロン酸、シクロヘキシルボロン酸、フェニルボロン酸、3,5-ジフルオロボロン酸、ペンタフルオロフェニルボロン酸、3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニルボロン酸などが挙げられる。これらの中では、メチルボロン酸、n-ブチルボロン酸、イソブチルボロン酸、3,5-ジフルオロフェニルボロン酸、ペンタフルオロフ
ェニルボロン酸が好ましい。これらは1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。
このようなアルキルボロン酸と反応させる有機アルミニウム化合物として具体的には、前記(B-1a)に属する有機アルミニウム化合物として例示したものと同様の有機アルミニウム化合物を挙げることができる。
これらのうち、トリアルキルアルミニウム、トリシクロアルキルアルミニウムが好ましく、特にトリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムが好ましい。これらは1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。
上記のような (B-2)有機アルミニウムオキシ化合物は、1種単独でまたは2種以上組み合せて用いられる。
(B-3) 遷移金属化合物と反応してイオン対を形成する化合物
本発明で用いられる遷移金属化合物と反応してイオン対を形成する化合物(B-3) (以下、「イオン化イオン性化合物」という。)は、前記遷移金属化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物であり、このような化合物としては、特開平1−501950号公報、特開平1−502036号公報、特開平3−179005号公報、特開平3−179006号公報、特開平3−207703号公報、特開平3−207704号公報、USP−5321106号などに記載されたルイス酸、イオン性化合物、ボラン化合物およびカルボラン化合物などを挙げることができる。さらに、ヘテロポリ化合物およびイソポリ化合物も挙げることができる。
具体的には、ルイス酸としては、BR3 (Rは、フッ素、メチル基、トリフルオロメチル基などの置換基を有していてもよいフェニル基またはフッ素である。)で示される化合物が挙げられ、たとえばトリフルオロボロン、トリフェニルボロン、トリス(4-フルオロフェニル)ボロン、トリス(3,5-ジフルオロフェニル)ボロン、トリス(4-フルオロメチルフェニル)ボロン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボロン、トリス(p-トリル)ボロン、トリス(o-トリル)ボロン、トリス(3,5-ジメチルフェニル)ボロンなどが挙げられる。
イオン性化合物としては、たとえば下記一般式(VI)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0003874751
式中、R19としては、H+ 、カルボニウムカチオン、オキソニウムカチオン、アンモニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、シクロヘプチルトリエニルカチオン、遷移金属を有するフェロセニウムカチオンなどが挙げられる。
20〜R23は、互いに同一でも異なっていてもよく、有機基、好ましくはアリール基または置換アリール基である。
前記カルボニウムカチオンとして具体的には、トリフェニルカルボニウムカチオン、ト
リ(メチルフェニル)カルボニウムカチオン、トリ(ジメチルフェニル)カルボニウムカチオンなどの三置換カルボニウムカチオンなどが挙げられる。
前記アンモニウムカチオンとして具体的には、トリメチルアンモニウムカチオン、トリエチルアンモニウムカチオン、トリプロピルアンモニウムカチオン、トリブチルアンモニウムカチオン、トリ(n-ブチル)アンモニウムカチオンなどのトリアルキルアンモニウムカチオン;N,N-ジメチルアニリニウムカチオン、N,N-ジエチルアニリニウムカチオン、N,N-2,4,6-ペンタメチルアニリニウムカチオンなどのN,N-ジアルキルアニリニウムカチオン;ジ(イソプロピル)アンモニウムカチオン、ジシクロヘキシルアンモニウムカチオンなどのジアルキルアンモニウムカチオンなどが挙げられる。
前記ホスホニウムカチオンとして具体的には、トリフェニルホスホニウムカチオン、トリ(メチルフェニル)ホスホニウムカチオン、トリ(ジメチルフェニル)ホスホニウムカチオンなどのトリアリールホスホニウムカチオンなどが挙げられる。
19としては、カルボニウムカチオン、アンモニウムカチオンなどが好ましく、特にトリフェニルカルボニウムカチオン、N,N-ジメチルアニリニウムカチオン、N,N-ジエチルアニリニウムカチオンが好ましい。
またイオン性化合物として、トリアルキル置換アンモニウム塩、N,N-ジアルキルアニリニウム塩、ジアルキルアンモニウム塩、トリアリールホスフォニウム塩などを挙げることもできる。
トリアルキル置換アンモニウム塩として具体的には、たとえばトリエチルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリプロピルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリメチルアンモニウムテトラ(p-トリル)ホウ素、トリメチルアンモニウムテトラ( o-トリル)ホウ素、トリ(n-ブチ
ル)アンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ホウ素、トリプロピルアンモニウムテトラ(o,p-ジメチルフェニル)ホウ素、トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラ(m,m-ジメチルフェニル)ホウ素、トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラ(p-トリフルオロメチルフェニル)ホウ素、トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラ(3,5-ジトリフルオロメチルフェニル)ホウ素、トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラ(o-トリル)ホウ素などが挙げられる。
N,N-ジアルキルアニリニウム塩として具体的には、たとえばN,N-ジメチルアニリニウムテトラ(フェニル)ホウ素、N,N-ジエチルアニリニウムテトラ(フェニル)ホウ素、N,N-2,4,6-ペンタメチルアニリニウムテトラ(フェニル)ホウ素などが挙げられる。
ジアルキルアンモニウム塩として具体的にはは、たとえばジ(1-プロピル)アンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ホウ素、ジシクロヘキシルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素などが挙げられる。
さらにイオン性化合物として、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、フェロセニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウムペンタフェニルシクロペンタジエニル錯体、N,N-ジエチルアニリニウムペンタフェニルシクロペンタジエニル錯体、下記式(VII)または(VIII)で表されるホウ素化
合物などを挙げることもできる。
Figure 0003874751
(式中、Etはエチル基を示す。)
Figure 0003874751
ボラン化合物として具体的には、たとえば
デカボラン(14);
ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕ノナボレート、ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕デカボレート、ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕ウンデカボレート、ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕ドデカボレート、ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕デカクロロデカボレート、ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕ドデカクロロドデカボレートなどのアニオンの塩;
トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(ドデカハイドライドドデカボレート)コバルト酸塩(III)、ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕ビス(ドデカハイドライドドデカボレート)ニッケル酸塩(III)などの金属ボランアニオンの塩などが挙げられる。
カルボラン化合物として具体的には、たとえば
4-カルバノナボラン(14)、1,3-ジカルバノナボラン(13)、6,9-ジカルバデカボラン(14)、ドデカハイドライド-1-フェニル-1,3-ジカルバノナボラン、ドデカハイドライド-1-メチル-1,3-ジカルバノナボラン、ウンデカハイドライド-1,3-ジメチル-1,3-ジカルバノナボラン、7,8-ジカルバウンデカボラン(13)、2,7-ジカルバウンデカボラン(13)、ウンデカハイドライド-7,8-ジメチル-7,8-ジカルバウンデカボラン、ドデカハイドライド-11-メチル-2,7-ジカルバウンデカボラン、トリ(n-ブチル)アンモニウム1-
カルバデカボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウム1-カルバウンデカボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウム1-カルバドデカボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウム1-トリメチルシリル-1-カルバデカボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウムブロモ-1-カルバドデカボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウム6-カルバデカボレート(14)、トリ(n-ブチル)アンモニウム6-カルバデカボレート(12)、トリ(n-ブチル)アンモニウム7-カルバウンデカボレート(13)、トリ(n-ブチル)アンモニウム7,8-ジカルバウンデカボレート(12)、トリ(n-ブチル)アンモニウム2,9-ジカルバウンデカボレート(12)、トリ(n-ブチル)アンモニウムドデカハイドライド-8-メチル-7,9-ジカルバウンデカボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド-8-エチル-7,9-ジカルバウンデカボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド-8-ブチル-7,9-ジカルバウンデカボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド-8-ア
リル-7,9-ジカルバウンデカボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウムウンデカハイドラ
イド-9-トリメチルシリル-7,8-ジカルバウンデカボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド-4,6-ジブロモ-7-カルバウンデカボレートなどのアニオンの塩;
トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(ノナハイドライド-1,3-ジカルバノナボレート)
コバルト酸塩(III)、トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド-7,8-
ジカルバウンデカボレート)鉄酸塩(III)、トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド-7,8-ジカルバウンデカボレート)コバルト酸塩(III)、トリ(n-ブチル
)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド-7,8-ジカルバウンデカボレート)ニッケル
酸塩(III)、トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド-7,8-ジカルバ
ウンデカボレート)銅酸塩(III)、トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド-7,8-ジカルバウンデカボレート)金酸塩(III)、トリ(n-ブチル)アンモニウム
ビス(ノナハイドライド-7,8-ジメチル-7,8-ジカルバウンデカボレート)鉄酸塩(III)、トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(ノナハイドライド-7,8-ジメチル-7,8-ジカルバウンデカボレート)クロム酸塩(III)、トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(トリブロモオクタハイドライド-7,8-ジカルバウンデカボレート)コバルト酸塩(III)、トリス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕ビス(ウンデカハイドライド-7-カルバウンデカボレート)クロム酸塩(III)、ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕ビス(ウンデカハイドライド-7-
カルバウンデカボレート)マンガン酸塩(IV)、ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕ビス(ウンデカハイドライド-7-カルバウンデカボレート)コバルト酸塩(III)、ビス〔
トリ(n-ブチル)アンモニウム〕ビス(ウンデカハイドライド-7-カルバウンデカボレー
ト)ニッケル酸塩(IV)などの金属カルボランアニオンの塩などが挙げられる。
ヘテロポリ化合物は、ケイ素、リン、チタン、ゲルマニウム、ヒ素もしくは錫からなる原子と、バナジウム、ニオブ、モリブデンおよびタングステンから選ばれる1種または2種以上の原子からなっている。具体的には、リンバナジン酸、ゲルマノバナジン酸、ヒ素バナジン酸、リンニオブ酸、ゲルマノニオブ酸、シリコノモリブデン酸、リンモリブデン酸、チタンモリブデン酸、ゲルマノモリブデン酸、ヒ素モリブデン酸、錫モリブデン酸、リンタングステン酸、ゲルマノタングステン酸、錫タングステン酸、リンモリブドバナジン酸、リンタングストバナジンン酸、ゲルマノタングストバナジンン酸、リンモリブドタングストバナジン酸、ゲルマノモリブドタングストバナジン酸、リンモリブドタングステン酸、リンモリブドニオブ酸、これらの酸の塩、例えば周期律表第Ia族またはIIa族の金属、具体的には、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等との塩、およびトリフェニルエチル塩等の有機塩、およびイソポリ化合物を使用できるが、この限りではない。
ヘテロポリ化合物およびイソポリ化合物としては、上記の化合物の中の1種に限らず、2種以上用いることができる。
上記のような (B-3)イオン化イオン性化合物は、1種単独でまたは2種以上組み合せて用いられる。
本発明に係る遷移金属化合物を触媒とする場合、助触媒成分としてのメチルアルミノキサンなどの有機アルミニウムオキシ化合物(B-2)とを併用すると、オレフィン化合物に
対して非常に高い重合活性を示す。また助触媒成分としてトリフェニルカルボニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどのイオン化イオン性化合物(B-3)を用
いると良好な活性で非常に分子量の高いオレフィン重合体が得られる。
また、本発明に係るオレフィン重合用触媒は、上記遷移金属化合物(A)、(B-1) 有機金属化合物、(B-2) 有機アルミニウムオキシ化合物、および(B-3) イオン化イオン性化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物(B)とともに、必要に応じて後述するような担体(C)を用いることもできる。
(C)担体
本発明で用いられる(C)担体は、無機または有機の化合物であって、顆粒状ないしは微粒子状の固体である。
このうち無機化合物としては、多孔質酸化物、無機塩化物、粘土、粘土鉱物またはイオン交換性層状化合物が好ましい。
多孔質酸化物として、具体的にはSiO2、Al23、MgO、ZrO、TiO2、B2
3、CaO、ZnO、BaO、ThO2など、またはこれらを含む複合物または混合物を使用、例えば天然または合成ゼオライト、SiO2-MgO、SiO2-Al23、SiO2-TiO2 、SiO2-V25 、SiO2-Cr23、SiO2-TiO2-MgOなどを使用す
ることができる。これらのうち、SiO2および/またはAl23を主成分とするものが
好ましい。
なお、上記無機酸化物は、少量のNa2CO3、K2CO3、CaCO3、MgCO3、Na2SO4、Al2(SO4)3、BaSO4、KNO3、Mg(NO3)2 、Al(NO3)3 、Na2O、K2O、Li2Oなどの炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、酸化物成分を含有していても差し支ない。
このような多孔質酸化物は、種類および製法によりその性状は異なるが、本発明に好ましく用いられる担体は、粒径が10〜300μm、好ましくは20〜200μmであって、比表面積が50〜1000m2/g、好ましくは100〜700m2/gの範囲にあり、細孔容積が0.3〜3.0cm3/gの範囲にあることが望ましい。このような担体は、
必要に応じて100〜1000℃、好ましくは150〜700℃で焼成して使用される。
無機塩化物としては、MgCl2、MgBr2、MnCl2、MnBr2等が用いられる。無機塩化物は、そのまま用いてもよいし、ボールミル、振動ミルにより粉砕した後に用いてもよい。また、アルコールなどの溶媒に無機塩化物を溶解させた後、析出剤によってを微粒子状に析出させたものを用いることもできる。
本発明で用いられる粘土は、通常粘土鉱物を主成分として構成される。また、本発明で用いられるイオン交換性層状化合物は、イオン結合などによって構成される面が互いに弱い結合力で平行に積み重なった結晶構造を有する化合物であり、含有するイオンが交換可能なものである。大部分の粘土鉱物はイオン交換性層状化合物である。また、これらの粘土、粘土鉱物、イオン交換性層状化合物としては、天然産のものに限らず、人工合成物を使用することもできる。
また、粘土、粘土鉱物またはイオン交換性層状化合物として、粘土、粘土鉱物、また、六方細密パッキング型、アンチモン型、CdCl2型、CdI2型などの層状の結晶構造を有するイオン結晶性化合物などを例示することができる。
このような粘土、粘土鉱物としては、カオリン、ベントナイト、木節粘土、ガイロメ粘土、アロフェン、ヒシンゲル石、パイロフィライト、ウンモ群、モンモリロナイト群、バーミキュライト、リョクデイ石群、パリゴルスカイト、カオリナイト、ナクライト、ディッカイト、ハロイサイトなどが挙げられ、イオン交換性層状化合物としては、α−Zr(
HAsO4)2・H2O、α−Zr(HPO4)2、α−Zr(KPO4)2・3H2O、α−Ti(HPO4)2、α−Ti(HAsO4)2・H2O、α−Sn(HPO4)2・H2O、γ―Zr(HPO4)2、γ−Ti(HPO4)2、γ−Ti(NH4PO4)2・H2Oなどの多価金属の結晶性酸性
塩などが挙げられる。
このような粘土、粘土鉱物またはイオン交換性層状化合物は、水銀圧入法で測定した半
径20オングストローム以上の細孔容積が0.1cc/g以上のものが好ましく、0.3〜5cc/gのものが特に好ましい。ここで、細孔容積は、水銀ポロシメーターを用いた水銀圧入法により、細孔半径20〜3×104Åの範囲について測定される。
半径20Å以上の細孔容積が0.1cc/gより小さいものを担体として用いた場合には、高い重合活性が得られにくい傾向がある。
本発明で用いられる粘土、粘土鉱物には、化学処理を施すことも好ましい。化学処理としては、表面に付着している不純物を除去する表面処理、粘土の結晶構造に影響を与える処理など、何れも使用できる。化学処理として具体的には、酸処理、アルカリ処理、塩類処理、有機物処理などが挙げられる。酸処理は、表面の不純物を取り除くほか、結晶構造中のAl、Fe、Mgなどの陽イオンを溶出させることによって表面積を増大させる。アルカリ処理では粘土の結晶構造が破壊され、粘土の構造の変化をもたらす。また、塩類処理、有機物処理では、イオン複合体、分子複合体、有機誘導体などを形成し、表面積や層間距離を変えることができる。
本発明で用いられるイオン交換性層状化合物は、イオン交換性を利用し、層間の交換性イオンを別の大きな嵩高いイオンと交換することにより、層間が拡大した状態の層状化合物であってもよい。このような嵩高いイオンは、層状構造を支える支柱的な役割を担っており、通常、ピラーと呼ばれる。また、このように層状化合物の層間に別の物質を導入することをインターカレーションという。インターカレーションするゲスト化合物としては、TiCl4、ZrCl4などの陽イオン性無機化合物、Ti(OR)4、Zr(OR)4、PO(OR)3、B(OR)3などの金属アルコキシド(Rは炭化水素基など)、[Al134(OH)24]7+、[Zr4(OH)14]2+、[Fe3O(OCOCH3)6]+などの金属水酸化物イオンなどが挙げられる。これらの化合物は単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。また、これらの化合物をインターカレーションする際に、Si(OR)4、Al(OR)3、Ge(OR)4などの金属アルコキシド(Rは炭化水素基など)などを加水分解して得た重合物、Si
2などのコロイド状無機化合物などを共存させることもできる。また、ピラーとしては
、上記金属水酸化物イオンを層間にインターカレーションした後に加熱脱水することにより生成する酸化物などが挙げられる。
本発明で用いられる粘土、粘土鉱物、イオン交換性層状化合物は、そのまま用いてもよく、またボールミル、ふるい分けなどの処理を行った後に用いてもよい。また、新たに水を添加吸着させ、あるいは加熱脱水処理した後に用いてもよい。さらに、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらのうち、好ましいものは粘土または粘土鉱物であり、特に好ましいものはモンモリロナイト、バーミキュライト、ペクトライト、テニオライトおよび合成雲母である。
有機化合物としては、粒径が10〜300μmの範囲にある顆粒状ないしは微粒子状固体を挙げることができる。具体的には、エチレン、プロピレン、1-ブテン、4-メチル-1-
ペンテンなどの炭素原子数が2〜14のα−オレフィンを主成分として生成される(共)重合体またはビニルシクロヘキサン、スチレンを主成分として生成される(共)重合体、およびびそれらの変成体を例示することができる。
本発明に係る第一のオレフィン重合用触媒は、上記遷移金属化合物(A)、(B-1) 有機金属化合物、(B-2) 有機アルミニウムオキシ化合物、および(B-3) イオン化イオン性化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物(B)、必要に応じて担体(C)と共に、必要に応じて後述するような特定の有機化合物(D)を含むこともできる。
(D)有機化合物成分
本発明において、(D)有機化合物成分は、必要に応じて、重合性能および生成ポリマーの物性を向上させる目的で使用される。このような有機化合物としては、アルコール類、フェノール性化合物、カルボン酸、リン化合物およびスルホン酸塩等が挙げられるが、この限りではない。
アルコール類およびフェノール性化合物としては、通常、R31−OHで表されるものが使用され、ここで、R31は炭素原子数1〜50の炭化水素基または炭素原子数1〜50のハロゲン化炭化水素基を示す。
アルコール類としては、R31がハロゲン化炭化水素のものが好ましい。また、フェノール性化合物としては、水酸基のα,α'-位が炭素数1〜20の炭化水素で置換されたもの
が好ましい。
カルボン酸としては、通常、R32−COOHで表されるものが使用される。R32は炭素原子数1〜50の炭化水素基または炭素原子数1〜50のハロゲン化炭化水素基を示し、特に、炭素原子数1〜50のハロゲン化炭化水素基が好ましい。
燐化合物としては、P−O−H結合を有する燐酸類、P−OR、P=O結合を有するホスフェート、ホスフィンオキシド化合物が好ましく使用される。
スルホン酸塩としては、下記一般式(IX)で表されるものが使用される。
Figure 0003874751
式中、Mは周期律表1−14族の元素である。
33は水素、炭素原子数1〜20の炭化水素基または炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基である。
Xは水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数が1〜20の炭化水素基、炭素原子数が1〜20のハロゲン化炭化水素基である。
mは1〜7の整数であり、nは1≦n≦7である。
図1に、本発明に係る第一のオレフィン重合触媒の調製工程を示す。
重合の際、各成分の使用法、添加順序は任意に選ばれるが、以下のような方法が例示される。
(1)成分(A)と、(B-1) 有機金属化合物、(B-2) 有機アルミニウムオキシ化合物および(B-3) イオン化イオン性化合物から選ばれる少なくとも1種の成分(B)(以下単に「成
分(B)」という。)とを任意の順序で重合器に添加する方法。
(2)成分(A)と成分(B)とを予め接触させた触媒を重合器に添加する方法。 (3)成分
(A)と成分(B)を予め接触させた触媒成分、および成分(B)を任意の順序で重合器
に添加する方法。この場合、成分(B)は、同一でも異なっていてもよい。
(4)成分(A)を担体(C)に担持した触媒成分、および成分(B)を任意の順序で重合
器に添加する方法。
(5)成分(A)と成分(B)とを担体(C)に担持した触媒を重合器に添加する方法。
(6)成分(A)と成分(B)とを担体(C)に担持した触媒成分、および成分(B)を任
意の順序で重合器に添加する方法。この場合、成分(B)は、同一でも異なっていてもよい。
(7)成分(B)を担体(C)に担持した触媒成分、および成分(A)を任意の順序で重合
器に添加する方法。
(8)成分(B)を担体(C)に担持した触媒成分、成分(A)、および成分(B)を任意
の順序で重合器に添加する方法。この場合、成分(B)は、同一でも異なっていてもよい。
(9)成分(A)を担体(C)に担持した成分、および成分(B)を担体(C)に担持した成分を
任意の順序で重合器に添加する方法。
(10)成分(A)を担体(C)に担持した成分、成分(B)を担体(C)に担持した成分、および成分(B)を任意の順序重合器に添加する方法。この場合、成分(B)は、同一でも異なっていてもよい。
(11)成分(A)、成分(B)、および有機化合物成分(D)を任意の順序で重合器に添加する方法。
(12)成分(B)と成分(D)をあらかじめ接触させた成分、および成分(A) を任意の順序で
重合器に添加する方法。
(13)成分(B)と成分(D)を担体(C)に担持した成分、および成分(A) を任意の順序で
重合器に添加する方法。
(14)成分(A)と成分(B)を予め接触させた触媒成分、および成分(D)を任意の順序で重合器に添加する方法。
(15)成分(A)と成分(B)を予め接触させた触媒成分、および成分(B)、成分(D)を任意の順序で重合器に添加する方法。
(16)成分(A)と成分(B)を予め接触させた触媒成分、および成分(B)と成分(D)をあらかじめ接触させた成分を任意の順序で重合器に添加する方法。
(17)成分(A)を担体(C)に担持した成分、成分(B)、および成分(D)を任意の順序で重合器に添加する方法。
(18)成分(A)を担体(C)に担持した成分、および成分(B)と成分(D)をあらかじめ接触させた成分を任意の順序で重合器に添加する方法。
(19)成分(A)と成分(B)と成分(D)を予め任意の順序で接触させた触媒成分を重合器に添加する方法。
(20)成分(A)と成分(B)と成分(D)を予め接触させた触媒成分、および成分(B)を任意の順序で重合器に添加する方法。この場合、成分(B)は、同一でも異なっていてもよい。
(21)成分(A)と成分(B)と成分(D)を担体(C)に担持した触媒を重合器に添加方法。
(22)成分(A)と成分(B)と成分(D)を担体(C)に担持した触媒成分、および成分(B)を任意の順序で重合器に添加する方法。この場合、成分(B)は、同一でも異なっていてもよい。
上記の担体(C)に成分(A)および成分(B)が担持された固体触媒成分はオレフィンが予備重合されていてもよい。
本発明に係る第1のオレフィンの重合方法では、上記のようなオレフィン重合触媒の存在下に、オレフィンを重合または共重合することによりオレフィン重合体を得る。
本発明では、重合は溶解重合、懸濁重合などの液相重合法または気相重合法のいずれにおいても実施できる。
液相重合法において用いられる不活性炭化水素媒体として具体的には、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油などの脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタンなどの脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;エチレンクロリド、クロルベンゼン、ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素またはこれらの混合物などを挙げることができ、オレフィン自身を溶媒として用いることもできる。
上記のようなオレフィン重合用触媒を用いて、オレフィンの重合を行うに際して、成分(A)は、反応容積1リットル当り、通常10-12 〜10-2モル、好ましくは10-10 〜10-3モルとなるような量で用いられる。本発明では、成分(A)を、比較的薄い濃度で用いた場合であっても、高い重合活性でオレフィンを重合することができる。
成分(B-1) は、成分(B-1) と、成分(A)中の遷移金属原子(M)とのモル比〔(B-1) /M〕が、通常0.01〜100000、好ましくは0.05〜50000となるような量で用いられる。成分(B-2) は、成分(B-2) 中のアルミニウム原子と、成分(A)中の遷移金属原子(M)とのモル比〔(B-2) /M〕が、通常10〜500000、好ましくは20〜100000となるような量で用いられる。成分(B-3) は、成分(B-3) と、成分(A)中の遷移金属原子(M)とのモル比〔(B-3) /M〕が、通常1〜10、好ましくは1〜5となるような量で用いられる。
成分(D)は成分(B)に対して、成分(B-1)の場合は、モル比〔(D)/(B-1)〕が通常0.01〜10、好ましくは0.1〜5となるような量で、成分(B-2)の場合は、成分(D
)と成分(B-2)中のアルミニウム原子とのモル比〔(D)/(B-2)〕が通常0.001〜2、好ましくは0.005〜1となるような量で、成分(B-3)の場合は、モル比〔(D)
/(B-3)〕が通常0.01〜10、好ましくは0.1〜5となるような量で用いられる。
また、このようなオレフィン重合触媒を用いたオレフィンの重合温度は、通常−50〜+200℃、好ましくは0〜170℃の範囲である。重合圧力は、通常常圧〜100kg/cm2 、好ましくは常圧〜50kg/cm2 の条件下であり、重合反応は、回分式、半連続式、連続式のいずれの方法においても行うことができる。さらに重合を反応条件の異なる2段以上に分けて行うことも可能である。
得られるオレフィン重合体の分子量は、重合系に水素を存在させるか、または重合温度を変化させることによって調節することができる。さらに、使用する成分(B)の違いにより調節することもできる。
このようなオレフィン重合触媒により重合することができるオレフィンとしては、炭素原子数が2〜30、好ましくは2〜20の直鎖状または分岐状のα−オレフィン、たとえばエチレン、プロピレン、1-ブテン、2-ブテン、1-ペンテン、3-メチル-1-ブテン、1-ヘ
キセン、4-メチル-1-ペンテン、3-メチル-1-ペンテン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコセン;
炭素原子数が3〜30、好ましくは3〜20の環状オレフィン、たとえばシクロペンテン、シクロヘプテン、ノルボルネン、5-メチル-2-ノルボルネン、テトラシクロドデセン
、2-メチル1,4,5,8-ジメタノ-1,2,3,4,4a,5,8,8a-オクタヒドロナフタレン;
極性モノマー、たとえば、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、ビシクロ(2,2,1)-5-ヘプテン-2,3-ジカルボン酸無水物など
のα,β−不飽和カルボン酸、およびこれらのナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、
亜鉛塩、マグネシウム塩、カルシウム塩などの金属塩;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n-プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n-ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸 tert-ブチル、アクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n-プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n-ブチル、メタクリル酸イソブチルなどのα,β−不飽和カルボン酸エステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、トリフルオロ酢酸ビニルなどのビニルエステル類;アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、イタコン酸モノグリシジルエステルなどの不飽和グリシジルなどを挙げることができる。また、ビニルシクロヘキサン、ジエンまたはポリエンなどを用いることもできる。ジエンまたはポリエンとしては、炭素原子数が4〜30、好ましくは4〜20であり二個以上の二重結合を有する環状又は鎖状の化合物が用いられる。具体的には、ブタジエン、イソプレン、4-メチル-1,3-ペンタジエン、1,3-ペン
タジエン、1,4-ペンタジエン、1,5-ヘキサジエン、1,4-ヘキサジエン、1,3-ヘキサジエン、1,3-オクタジエン、1,4-オクタジエン、1,5-オクタジエン、1,6-オクタジエン、1,7-オクタジエン、エチリデンノルボルネン、ビニルノルボルネン、ジシクロペンタジエン;
7-メチル-1,6- オクタジエン、4-エチリデン-8- メチル-1,7-ノナジエン、5,9-ジメチ
ル-1,4,8- デカトリエン;
さらに芳香族ビニル化合物、例えばスチレン、o-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン、o,p-ジメチルスチレン、o-エチルスチレン、m-エチルスチレン、p-エチルスチレンなどのモノもしくはポリアルキルスチレン;
メトキシスチレン、エトキシスチレン、ビニル安息香酸、ビニル安息香酸メチル、ビニルベンジルアセテート、ヒドロキシスチレン、o-クロロスチレン、p-クロロスチレン、ジビニルベンゼンなどの官能基含有スチレン誘導体;および
3- フェニルプロピレン、4-フェニルプロピレン、α- メチルスチレンなどが挙げられ
る。
本発明に係る第1のオレフィン重合用触媒は、高い重合活性を示し、また分子量分布の狭い重合体を得ることができる。さらに、2種以上のオレフィンを共重合したときに、組成分布が狭いオレフィン共重合体を得ることができる。
また、本発明に係るオレフィン重合用触媒は、α−オレフィンと共役ジエンとの共重合に用いることもできる。
ここで用いられるα−オレフィンとしては、上記と同様の炭素原子数が2〜30、好ましくは2〜20の直鎖状または分岐状のα−オレフィンが挙げられる。なかでもエチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテン
が好ましく、エチレン、プロピレンが特に好ましい。これらのα−オレフィンは、1種単独でまたは2種以上組合わせて用いることができる。
また共役ジエンとしては、たとえば1,3-ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、1,3-シクロヘキサジエン、1,3-ペンタジエン、4-メチル-1,3-ペンタジエン、1,3-ヘキサジエ
ン、1,3-オクタジエンなどの炭素原子数が4〜30、好ましくは4〜20の脂肪族共役ジエンが挙げられる。これらの共役ジエンは、1種単独でまたは2種以上組合わせて用いることができる。
本発明では、α−オレフィンと共役ジエンとを共重合させるに際して、さらに非共役ジエンまたはポリエンを用いることができ、非共役ジエンまたはポリエンとしては、1,4-ペンタジエン、1,5-ヘキサジエン、1,4-ヘキサジエン、1,4-オクタジエン、1,5-オクタジエン、1,6-オクタジエン、1,7-オクタジエン、エチリデンノルボルネン、ビニルノルボルネン、ジシクロペンタジエン、7-メチル-1,6- オクタジエン、4-エチリデン-8- メチル-1,7
- ノナジエン、5,9-ジメチル-1,4,8- デカトリエン等を挙げることができる。
第2のオレフィン重合用触媒
次に、本発明に係る第2のオレフィン重合用触媒について説明する。
本発明に係る第2のオレフィン重合用触媒は、
(A')下記一般式(II)で表される遷移金属化合物と、
(B)(B-1) 有機金属化合物、
(B-2) 有機アルミニウムオキシ化合物、および
(B-3) 遷移金属化合物(A')と反応してイオン対を形成する化合物
から選ばれる少なくとも1種の化合物とから形成されている。
まず、本発明のオレフィン重合用触媒を形成する各成分について説明する。
(A')遷移金属化合物
本発明で用いられる(A')遷移金属化合物は、下記一般式(II)で表される遷移金属
化合物である。
Figure 0003874751
(式中、Mは周期表第3〜11族の遷移金属原子を示し、
1〜R10は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭化水
素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示し、これらのうちの2個以上が互いに連結して環を形成していてもよく、
nは、Mの価数を満たす数であり、
Xは、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示し、nが2以上の場合は、Xで示される複数の基は互いに同一でも異なっていてもよく、またXで示される複数の基は互いに結合して環を形成してもよく、 Yは、酸素、硫黄、炭素、窒素、リン、ケイ素、セレン、スズおよび硼素からなる群より選ばれた少なくとも1種の元素を含む2価の結合基を示し、炭化水素基である場合には炭素原子3個以上からなる基である。
一般式(II)において、R6またはR10の少なくとも一方、特に両方が、ハロゲン原子
、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基であることが好ましい。
一般式(II)において、M、R1〜R10およびXとしては、一般式(I)の化合物につ
いて挙げたM、R1〜R6およびXと同じ基を用いることができる。Yの具体例は、後に記載する。
一般式(II)で表される遷移金属化合物は、下記一般式(II-a)で表される遷移金属化合物であることが好ましい。
Figure 0003874751
式中、Mは、周期律表第3〜11族の遷移金属原子を示し、好ましくは第4族または第5族、より好ましくは第4族、例えばチタン、ジルコニウム、ハフニウムなど、特にチタンである。
1〜R10は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭化水
素基、炭化水素置換シリル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、エステル基、アミド基、アミノ基、スルホンアミド基、ニトリル基またはニトロ基を示し、これらのうちの2個以上、好ましくは隣接する基が互いに連結して環を形成していてもよい。
nは、Mの価数を満たす数であり、一般的に0〜4、好ましくは1〜4、より好ましくは1〜3の整数である。
Xは、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、またはケイ素含有基を示し、nが2以上の場合には、Xで示される複数の基は互いに同一でも異なっていてもよく、また2個以上のXが互いに連結して環を形成していてもよい。
Yは、酸素、硫黄、炭素、窒素、リン、ケイ素、セレン、スズおよび硼素からなる群より選ばれた少なくとも1種の元素を含む2価の結合基を示し、炭化水素基である場合には炭素原子3個以上からなる基である。
これらの結合基は、好ましくは主鎖が原子3個以上、より好ましくは4個以上20個以下、特に好ましくは4個以上10個以下で構成された構造を有する。なお、これらの結合基は置換基を有していてもよい。
一般式(II-a)において、R6またはR10の少なくとも一方、特に両方が、ハロゲン原
子、炭化水素基、炭化水素置換シリル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、エステル基、アミド基、アミノ基、スルホンアミド基、ニトリル基またはニトロ基であることが好ましい。
一般式(II-a)において、XおよびR1〜R10の具体例としては、一般式(I)および
(I-a)において説明したXおよびR1〜R6と同様の基が挙げられる。Xとしては、特に
、ハロゲン原子、炭素原子数が1〜20の炭化水素基またはスルホネート基が好ましい。nが2以上の場合、2個以上のXが互いに連結して形成する環は、芳香族環であっても、脂肪族環であってもよい。
2価の結合基(Y)として具体的には、−O−、−S−、−Se−などのカルコゲン原子;−NH−、−N(CH3)−、−PH−、−P(CH3)−などの窒素またはリン原子含
有基;−SiH2−、−Si(CH3)2−などのケイ素原子含有基;−SnH2−、−Sn
(CH3)2−などのスズ原子含有基;−BH−、−B(CH3)−、−BF−などの硼素原
子含有基などが挙げられる。炭化水素基としては−(CH2)4−、−(CH2)5−、−(CH2)6−などの炭素原子数が3〜20の飽和炭化水素基、シクロヘキシリデン基、シクロ
ヘキシレン基などの環状飽和炭化水素基、これらの飽和炭化水素基の一部が1〜10個の炭化水素基、フッ素、塩素、臭素などのハロゲン、酸素、硫黄、窒素、リン、ケイ素、セレン、スズ、硼素などのヘテロ原子で置換された基、ベンゼン、ナフタレン、アントラセンなどの炭素原子数が6〜20の環状炭化水素の残基、ピリジン、キノリン、チオフェン、フランなどのヘテロ原子を含む炭素原子数が3〜20の環状化合物の残基などが挙げられる。
以下に、上記一般式(II)で表される遷移金属化合物の具体的な例を示すが、これらに限定されるものではない。
Figure 0003874751
Figure 0003874751
なお、上記例示中、Meはメチル基を示し、Phはフェニル基を示す。
本発明では、上記のような化合物において、チタン金属をジルコニウム、ハフニウムなどのチタン以外の金属に置き換えた遷移金属化合物を用いることもできる。
本発明に係る第2のオレフィン重合用触媒において、遷移金属化合物(A')は、前記
遷移金属化合物(A)の場合と同様に、他の遷移金属化合物と組み合わせて使用することも可能であり、具体的には、前記例示した(a-1)〜(a-8)の化合物が挙げられる。
また、本発明に係る第2のオレフィン重合用触媒に用いられる有機金属化合物(B-1)、
有機アルミニウムオキシ化合物(B-2)、および遷移金属化合物(A')と反応してイオン対を形成する化合物(B-3)としては、前記したものと同様のものが挙げられる。
また、本発明に係る第2のオレフィン重合用触媒では、前記第1のオレフィン重合用触媒と同様に、上記遷移金属化合物(A')、(B-1) 有機金属化合物、(B-2) 有機アルミニ
ウムオキシ化合物、および(B-3) イオン化イオン性化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物(B)とともに、必要に応じて前記したような担体(C)を用いることもできる。さらに、必要に応じて、前記したような特定の有機化合物(D)を用いることもできる。
図2に、本発明に係る第2のオレフィン重合用触媒の調製工程を示す。
本発明に係る第2のオレフィン重合用触媒は、本発明に係る第1のオレフィン重合用触媒について記載したのと同様の条件で、同様のモノマーの重合に使用することができる。
本発明に係る第2のオレフィン重合方法においては、各成分の使用法、添加順序は任意に選ばれるが、前記第1のオレフィン重合方法の場合と同様の方法が例示される。
新規な遷移金属化合物
本発明に係る新規な遷移金属化合物は、下記一般式(III)で表される。
Figure 0003874751
式(III)中、Mは周期律表第4または5族の遷移金属原子を示し、
mは、1〜3の整数を示し、
1は、炭化水素基、炭化水素置換シリル基、炭化水素置換シロキシ基、アルコキシ基
、アルキルチオ基、アリーロキシ基、アリールチオ基、エステル基、チオエステル基、スルホンエステル基またはヒドロキシ基を示し、
2〜R5は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、炭化水素置換シリル基、炭化水素置換シロキシ基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリーロキシ基、アリールチオ基、エステル基、チオエステル基、アミド基、イミド基、アミノ基、イミノ基、スルホンエステル基、スルホンアミド基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、スルホ基、メルカプト基またはヒドロキシ基を示し、
6は、ハロゲン原子、炭化水素基、炭化水素置換シリル基、炭化水素置換シロキシ基
、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリーロキシ基、アリールチオ基、エステル基、チオエステル基、アミド基、イミド基、イミノ基、スルホンエステル基、スルホンアミド基またはシアノ基を示し、
1〜R6のうちの2個以上が互いに連結して環を形成していてもよく、
また、mが2以上の場合にはR1〜R6で示される基のうち2個の基が連結されていてもよく(但し、R1同士が結合されることはない)、
nは、Mの価数を満たす数であり、
Xは、ハロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示し、nが2以上の場合は、Xで示される複数の基は互いに同一でも異なっていてもよく、またXで示される複数の基は互いに結合して環を形成してもよい。
一般式(III)の遷移金属化合物のうち、下記一般式(III-a)で表されるものが好ましい。
Figure 0003874751
式(III-a)中、Mは周期律表第4または5族の遷移金属原子を示し、具体的には、チ
タン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタルである。
mは、1〜3の整数、好ましくは2を示し、
1〜R5は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭化水素基、アルコキシ基または炭化水素置換シリル基を示し、
6は、ハロゲン原子、炭化水素基、炭化水素置換シリル基、アルコキシ基、アルキル
チオ基またはシアノ基を示し、
1〜R6のうちの2個以上が互いに連結して環を形成していてもよく、
また、mが2以上の場合にはR1〜R6で示される基のうち2個の基が連結されていてもよく(但し、R1同士が結合されることはない)、
nは、Mの価数を満たす数であり、
Xは、ハロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、ハロゲン含有基またはケイ素含有基を示し、nが2以上の場合は、Xで示される複数の基は互いに同一でも異なっていてもよく、またXで示される複数の基は互いに結合して環を形成してもよい。これらのうち、Xはハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、ケイ素含有基であることが好ましい。
一般式(III-a)におけるR1〜R6およびXの個々の例としては、前記一般式(I)で
挙げたものと同じ基を挙げることができる。
新規な遷移金属化合物としては、以下のものが例示される。
Figure 0003874751
Figure 0003874751
Figure 0003874751
遷移金属化合物の一般的製造方法
一般式(I)、(II)および(III)で表される遷移金属化合物は、特に限定されるこ
となく、たとえば以下のようにして製造することができる。
まず、本発明に係る遷移金属化合物を構成する配位子は、サリチルアルデヒド類化合物を、式R1 −NH2 の第1級アミン類化合物(R1 は前記の意味を有する)、例えばアニリン類化合物もしくはアルキルアミン類化合物と反応させることにより得られる。具体的には、両方の出発化合物を溶媒に溶解する。溶媒としては、このような反応に普通のものを使用できるが、なかでもメタノール、エタノール等のアルコール溶媒、またはトルエン等の炭化水素溶媒が好ましい。次いで、得られた溶液を室温から還流条件で、約1〜48時間撹拌すると、対応する配位子が良好な収率で得られる。
配位子化合物を合成する際、触媒として、蟻酸、酢酸、トルエンスルホン酸等の酸触媒
を用いてもよい。また、脱水剤として、モレキュラシーブス、硫酸マグネシウムまたは硫酸ナトリウムを用いたり、ディーンシュタークにより脱水を行うと、反応進行に効果的である。
次に、こうして得られた配位子を遷移金属M含有化合物と反応させることで、対応する遷移金属化合物を合成することができる。具体的には、合成した配位子を溶媒に溶解し、必要に応じて塩基と接触させてフェノキサイド塩を調製した後、金属ハロゲン化物、金属アルキル化物等の金属化合物と低温下で混合し、−78℃から室温、もしくは還流条件下で、約1〜48時間撹拌する。溶媒としては、このような反応に普通のものを使用できるが、なかでもエーテル、テトラヒドロフラン(THF)等の極性溶媒、トルエン等の炭化水素溶媒などが好ましく使用される。また、フェノキサイド塩を調製する際に使用する塩基としては、n-ブチルリチウム等のリチウム塩、水素化ナトリウム等のナトリウム塩等の金属塩や、トリエチルアミン、ピリジン等の有機塩基が好ましいが、この限りではない。
また、化合物の性質によっては、フェノキサイド塩調製を経由せず、配位子と金属化合物とを直接反応させることで、対応する遷移金属化合物を合成することもできる。
さらに、合成した遷移金属化合物中の金属Mを、常法により別の遷移金属と交換することも可能である。また、例えばR1 〜R6 の何れかがHである場合には、合成の任意の段階において、H以外の置換基を導入することができる。
一般式 (III)、好ましくは一般式(III-a) で表される本発明に係る新規な遷移金属化合物は、たとえば、オレフィン重合用触媒として好適に用いることができる。
新規な遷移金属化合物をオレフィン重合用触媒として用いると、高い重合活性で、分子量分布が狭いオレフィン(共)重合体を合成できる。
α−オレフィン・共役ジエン共重合体
本発明に係るα−オレフィン・共役ジエン共重合体は、α−オレフィンから誘導される構成単位が1〜99.9モル%、共役ジエンから誘導される構成単位が99〜0.1モル%、好ましくはα−オレフィンから誘導される構成単位が50〜99.9モル%、共役ジエンから誘導される構成単位が50〜0.1モル%であることが望ましい。
本発明に係るα−オレフィン・共役ジエン共重合体のポリマー鎖中には、共役ジエンに由来する1,2-シクロペンタン骨格の含有量が1モル%以下、好ましくは実質的に含まないとみなせる含有量(0.1モル%未満)である。なお、1,2-シクロペンタン骨格の含有量が0.1モル%未満の場合、検出限界以下とみなし全共役ジエン単位の計算には含めない。
ここで用いられるα−オレフィンとしては、上記と同様の炭素原子数が2〜30、好ましくは2〜20の直鎖状または分岐状のα−オレフィンが挙げられる。なかでもエチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテン
が好ましく、エチレン、プロピレンが特に好ましい。これらのα−オレフィンは、1種単独でまたは2種以上組合わせて用いることができる。
また共役ジエンとしては、たとえば1,3-ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、1,3-シクロヘキサジエン、1,3-ペンタジエン、4-メチル-1,3-ペンタジエン、1,3-ヘキサジエ
ン、1,3-オクタジエンなどの炭素原子数が4〜30、好ましくは4〜20の脂肪族共役ジエンが挙げられる。これらの共役ジエンは、1種単独でまたは2種以上組合わせて用いることができる。
本発明では、α−オレフィンと共役ジエンとを共重合させるに際して、さらに非共役ジエンまたはポリエンを用いることができ、非共役ジエンまたはポリエンとしては、1,4-ペンタジエン、1,5-ヘキサジエン、1,4-ヘキサジエン、1,4-オクタジエン、1,5-オクタジエン、1,6-オクタジエン、1,7-オクタジエン、エチリデンノルボルネン、ビニルノルボルネン、ジシクロペンタジエン、7-メチル-1,6- オクタジエン、4-エチリデン-8- メチル-1,7- ノナジエン、5,9-ジメチル-1,4,8- デカトリエン等を挙げることができる。
さらに、本発明に係るα−オレフィン・共役ジエン共重合体のポリマー鎖中において、全ジエン単位含量に対する1,2-シクロペンタン骨格の割合が20モル%以下、好ましくは10モル%以下である。また、このα−オレフィン・共役ジエン共重合体におけるジエンの他の挿入形式(1,4-cis、1,4-trans、1,2-vinyl)の割合は、任意である。なおこの割
合は、Die Makromolekulare Chemie, 192 巻、2591頁(1991年)に記載の方法で、13C−NMRおよび 1H−NMRにより測定することができる。
また、α−オレフィン・共役ジエン共重合体は、3.5以下の分子量分布(Mw/Mn)の値を示し、均一な組成分布を有し、分子量は重量平均分子量(Mw)で1000以上、好ましくは5000以上である。
本発明において、α−オレフィン・共役ジエン共重合体は、主鎖または側鎖に2重結合を有することにより、各種変性が可能である。例えば過酸化物変性により、2重結合をエポキシ化し、共重合体中に反応性に富むエポキシ基を導入することができる。これにより、熱硬化型樹脂としての利用、または反応性樹脂としての利用も可能となる。さらには、ディールスアルダー反応、マイケル付加反応等にも2重結合は利用可能である。その他、主鎖に2重結合を有する場合には、2重結合を選択的に水素添加し、飽和することによって、耐熱性、耐オゾン性もさらに向上する。
本発明において、α−オレフィン・共役ジエン系共重合体の一部または全部を不飽和カルボン酸、その誘導体、または芳香族ビニル化合物で変性してもよく、その変性量は0.01〜30重量%の範囲であることが好ましい。
変性に用いられるモノマー(以下、「グラフトモノマー」という。)としては、不飽和カルボン酸、その誘導体、または芳香族ビニル化合物が挙げられる。不飽和カルボン酸としては、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などが挙げられる。また不飽和カルボン酸の誘導体としては、酸無水物、エステル、アミド、イミド、金属塩などが挙げられ、具体的には、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水イタコン酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、マレイン酸モノエチルエステル、マレイン酸ジエチルエステル、フマル酸モノメチルエステル、フマル酸ジメチルエステル、イタコン酸モノメチルエステル、イタコン酸ジエチルエステル、アクリルアミド、メタクリルアミド、マレイン酸モノアミド、マレイン酸ジアミド、マレイン酸-N-モノエチルアミド、マレイン酸-N,N-ジエチルアミド、マレイン酸-N-モノブチルアミド、マレイン酸-N,N-ジブチルアミド、フマル酸モノアミド、フマル酸ジアミド、フマル酸-N- モノエチルアミド、フマル酸-N,N-ジエチルアミド
、フマル酸-N-モノブチルアミド、フマル酸-N,N-ジブチルアミド、マレイミド、N-ブチルマレイミド、N-フェニルマレイミド、アクリル酸ナトリウム、メタクリル酸ナトリウム、アクリル酸カリウム、メタクリル酸カリウムなどが挙げられる。これらのグラフトモノマーの中では無水マレイン酸を使用することが好ましい。
芳香族ビニル化合物としては具体的に、スチレン;
o-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン、o,p-ジメチルスチレン、o-エチルスチレン、m-エチルスチレン、p-エチルスチレンなどのモノもしくはポリアルキルスチレン;
メトキシスチレン、エトキシスチレン、ビニル安息香酸、ビニル安息香酸メチル、ビニルベンジルアセテート、ヒドロキシスチレン、o-クロロスチレン、p-クロロスチレン、ジビニルベンゼンなどの官能基含有スチレン誘導体;
3-フェニルプロピレン、4-フェニルブテン、α−メチルスチレンなどが挙げられる。これらのなかではスチレンまたは4-メトキシスチレンが好ましい。
グラフトモノマーをα−オレフィン・共役ジエン系共重合体にグラフト共重合して変性共重合体を製造するには、公知の種々の方法を採用することができる。 例えば、α−オレフィン・共役ジエン系共重合体およびグラフトモノマーを溶媒の存在下または不存在下で、ラジカル開始剤を添加してまたは添加せずに高温で加熱することによってグラフト共重合を行なう方法がある。反応に際し、グラフトモノマーは、2種以上併用してもよい。
グラフト率が0.01〜30重量%の一部または全部が変性されたグラフト変性α−オレフィン・共役ジエン系共重合体を製造するには、工業的製造上からは、グラフト率のより高いグラフト変性α−オレフィン・共役ジエン系共重合体を製造しておき、次に未変性α−オレフィン・共役ジエン系共重合体にこのグラフト変性α−オレフィン・共役ジエン系共重合体を混合してグラフト率を調整する方法が、組成物中のグラフトモノマーの濃度を適当に調整できるため好ましい方法であるが、最初からα−オレフィン・共役ジエン系共重合体を所定量のグラフトモノマーでグラフト変性しても差し支えない。
α−オレフィン・共役ジエン系共重合体へのグラフトモノマーによる変性量は、上記のような樹脂組成物全体におけるグラフト率が0.01〜30重量%、特に0.05〜10重量%の範囲にあることが好ましい。
本発明に係るα−オレフィン・共役ジエン系共重合体(上記の変性物を含む)は、(i)
ポリオレフィン樹脂、および必要に応じ(ii)充填剤とブレンドして樹脂組成物とし、種々の用途に使用できる。
(i)ポリオレフィン樹脂
本発明に係るα−オレフィン・共役ジエン系共重合体にブレンドできる(i)ポリオレフ
ィン樹脂としては、結晶性ポリオレフィンであっても、非晶性ポリオレフィンであってもよく、また複数種のポリオレフィン樹脂の混合物であってもよい。
結晶性ポリオレフィンとしては、炭素原子数が2〜20のα−オレフィンまたは環状オレフィンの単独重合体または共重合体が挙げられる。また、非晶性ポリオレフィンとしては、1種類以上の炭素原子数が2〜20のα−オレフィンと1種類以上の環状オレフィンとの共重合体が挙げられる。
この炭素原子数が2〜20のα−オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1-ブテン、2ーブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、4,4ージメチル-1-ペンテン、3-メチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ヘキセン、3-エチル-1-ヘキセン、4-エチル-1-ヘキセン、4,4-ジメチル-1-ヘキセン、1-オクテン、3-メチル-1-ブテン、1-ノネン、1-デセン、1−ウンデセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン
、1-エイコセンなどが挙げられる。
環状オレフィンとしては、シクロペンテン、シクロヘプテン、シクロヘキセン、ノルボルネン、5-エチル-2-ノルボルネン、テトラシクロドデセン、2-エチル-1,4,5,8-ジメタノ
-1,2,3,4,4a,5,8,8a-オクタヒドロナフタレンなどが挙げられる。
結晶性ポリオレフィン樹脂の具体的な例としては、下記の(1)〜(11)に示すような(共)重合体が挙げられ、特に下記の(3)および(5)が好ましい。
(1)エチレン単独重合体(製法は、低圧法、高圧法のいずれでも良い)
(2)エチレンと、20モル%以下の他のα−オレフィンまたはビニルモノマー(例:酢酸ビニル、エチルアクリレートなど)または環状オレフィンとの共重合体
(3)プロピレン単独重合体
(4)プロピレンと20モル%以下の他のα−オレフィンとのランダム共重合体(5)プロピレンと30モル%以下の他のα−オレフィンとのブロック共重合体(6)1-ブテン単独重合体
(7)1-ブテンと20モル%以下の他のα−オレフィンとのランダム共重合体
(8)4-メチル-1-ペンテン単独重合体
(9)4-メチル-1-ペンテンと20モル%以下の他のα−オレフィンとのランダム共重合

(10)シクロペンテン単独重合体
(11)シクロペンテンと20モル%以下の他のα−オレフィンとのランダム共重合体など。
上記(1)〜(11)における「他のα−オレフィン」としては、上記例示のα−オレフィンのうちでは好ましくは、エチレン、プロピレン、1-ブテン、4-メチル-1-ペンテン
、1-ヘキセン、1-オクテンが用いられる。また、環状オレフィンとしては、好ましくは、シクロペンテン、シクロヘキセン、ノルボルネン、テトラシクロドデセンが用いられる。
このような結晶性ポリオレフィン樹脂は、メルトフローレート(ASTM D1238-65T に従い230℃、2.16kg荷重の条件下に測定)が0.01〜100g/10分、好ましくは0.3〜70g/10分の範囲にあることが望ましい。また、X線回折法により求めた結晶化度は通常5〜100%、好ましくは20〜80%の範囲にあることが望ましい。
このような結晶性ポリオレフィン樹脂は、従来より公知の方法により製造することができる。
非晶性ポリオレフィン樹脂の具体的な例としては、以下のような(共)重合体を挙げることができる。
(1)ノルボルネンの単独重合体
(2)エチレンとノルボルネンの共重合体、またはエチレンとノルボルネンと他のα−オレフィンとの共重合体
(3)エチレンとテトラシクロドデセンの共重合体、またはエチレンとテトラシクロドデセンと他のα−オレフィンとの共重合体など。
(ii)充填剤
本発明に係るα−オレフィン・共役ジエン系共重合体にブレンドできる (ii) 充填剤としては、特に制限なく一般に用いられるものを必要に応じて用いることができる。
無機充填剤として、具体的には、微粉末タルク、カオリナイト、焼成クレー、パイロフィライト、セリサイト、ウォラスナイトなどの珪酸塩、沈降性炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどの炭酸塩、水産化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどの水酸化物、酸化亜鉛、亜鉛華、酸化マグネシウムなどの酸化物、含水珪酸カルシウム、含水珪酸アルミニウム、含水珪酸、無水珪酸などの合成珪酸または珪酸塩などの粉末状充填剤;
マイカなどのフレーク状充填剤;
塩基性硫酸マグネシウムウィスカー、チタン酸カルシウムウィスカー、ホウ酸アルミニウムウィスカー、セピオライト、PMF(Processed Mineral Fiber)、ゾノトライト、
チタン酸カリ、エレスタダイトなどの繊維状充填剤;
ガラスバルン、フライアッシュバルンなどのバルン状充填剤;
などを挙げることができる。
これらの充填剤は、1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
本発明に係るα−オレフィン・共役ジエン系共重合体に、前記(i)ポリオレフィン樹脂
および(ii)充填剤をブレンドする場合、得られる組成物の合計量を100重量部とするとき、α−オレフィン・共役ジエン系共重合体は10〜90重量部、好ましくは15〜80重量部、さらに好ましくは20〜75重量部の量で含有されていることが望ましい。
α−オレフィン・共役ジエン系共重合体を上記のような範囲の量で用いると、耐衝撃性、耐候性、熱安定性に優れるとともに、剛性、強度、耐熱性に優れた成形体を提供し得る、成形性に優れたα−オレフィン・共役ジエン系共重合体組成物が得られる。
(i)ポリオレフィン樹脂は、得られる組成物の合計量を100重量部とするとき、1〜
99重量部、好ましくは10〜85重量部、さらに好ましくは20〜80重量部の量で含有されていることが望ましい。
(i)ポリオレフィン樹脂を上記のような範囲の量で用いると、耐衝撃性、耐寒性に優れ
るとともに、剛性、強度、耐熱性、成形性に優れたα−オレフィン/共役ジエン系重合体組成物が得られる。
(ii)充填剤は、得られる組成物の合計量を100重量部とするとき、0〜40重量部、好ましくは0〜30重量部の範囲の量で含有されていることが望ましい。このような量で(ii)充填剤を用いると、剛性、表面外観、耐熱性等に優れた組成物が得られる。
さらに、本発明に係るα−オレフィン・共役ジエン系共重合体には、本発明の目的を損なわない範囲で、核剤、酸化防止剤、塩酸吸収剤、耐熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、帯電防止剤、難燃剤、顔料、染料、分散剤、銅害防止剤、中和剤、発泡剤、可塑剤、気泡防止剤、架橋剤、架橋助剤、架橋促進剤、過酸化物などの流れ性改良剤、ウェルド強度改良剤、加工助剤、耐候安定剤、ブルーミング防止剤などの添加剤を添加してもよい。これら任意の添加剤は、2種以上組み合わせて用いてもよい。
[実施例]
以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
合成実施例で得られた化合物の構造は、270MHz 1H-NMR (日本電子 GSH-270)、FT-IR(SHIMAZU FTIR-8200D)、FD-質量分析(日本電子SX-102A)、金属含有量分析(乾式灰化・希硝
酸溶解後、ICP法により分析;SHIMAZU ICPS-8000)、炭素、水素、窒素含有量分析(ヘラウス社CHNO型)等を用いて決定した。
また、合成実施例1および2で得られた化合物A-1 および化合物B-1 は、さらにX線結晶構造解析により構造を決定した。測定は Rigaku AFC7R 四軸回折計を用いて、Mo-Kα線照射により行った。また、構造解析には直接法(SIR92) を用い、構造最適化はTeXan 結晶構造解析プログラムにより行った。
なお、本実施例において、極限粘度[η]は、135℃デカリン中で測定した。分子量分布(Mw/Mn)は、o-ジクロルベンゼンを溶媒として、140℃におけるゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定して求めた。
以下に具体的な配位子合成例を示す。
[配位子合成例1]
配位子(L1)の合成
充分に窒素置換した100mlの反応器にエタノール40ml、アニリン0.71g(7.62mmol)および3-t-ブチルサリチルアルデヒド1.35g(7.58mmol)を装入し、室温で24時間撹拌を続けた
。反応液を減圧濃縮して溶媒を除去し、再度エタノール40mlを加えて室温で12時間撹拌を続けた。この反応液を減圧濃縮してL1で示される橙色オイルの化合物を1.83g( 7.23mmol,収率95%)得た。
Figure 0003874751
1H-NMR(CDCl3): 1.47(s,9H) 6.88(dd,1H) 7.24-7.31(m,4H) 7.38-7.46(m,3H) 8 .64(s,1H) 13.95(s,1H)
IR(neat) : 1575, 1590, 1610 cm-1
FD-質量分析 : 253
[配位子合成例2]
配位子(L2)の合成
充分に窒素置換した100mlの反応器にエタノール30ml、α-ナフチルアミン1.43g(9.99mmol)および3-t-ブチルサリチルアルデヒド1.40g(7.86mmol)を装入し、モレキュラーシーブス3Aを5g添加後、還流下8時間撹拌し、さらに室温で12時間撹拌を続けた。この反応液
を減圧濃縮し、シリカゲルカラムにより精製して、L2で示される橙色オイルの化合物を2.35g( 7.75mmol,収率98%)得た。
Figure 0003874751
1H-NMR(CDCl3): 1.50(s,9H)6.90-7.90(m,11H) 8.30-8.50(m,1H) 13.90(s,1H)
FD-質量分析 : 303
[配位子合成例3]
配位子(L3)の合成
充分に窒素置換した100mlの反応器にエタノール30ml、t-ブチルアミン0.90g(12.0mmol)および3-t-ブチルサリチルアルデヒド1.78g(10.0mmol)を装入し、モレキュラーシーブス3Aを5g添加後、室温で12時間撹拌を続けた。この反応液を減圧濃縮し、シリカゲルカラムにより精製することで、L3で示される蛍黄色オイルの化合物を2.17g( 9.3mmol,収率93%)得た。
Figure 0003874751
1H-NMR(CDCl3): 1.20(s,9H) 1.42(s,9H) 6.50-7.50(m,3H) 8.38(s,1H) 13.80(s,1H)
FD-質量分析 : 233
[配位子合成例4〜42]
上記配位子合成例と同様の方法で、以下の配位子 L4 〜L42 を合成した。
なお、構造同定は1H-NMR、FD-質量分析により行った。
Figure 0003874751
Figure 0003874751
Figure 0003874751
以下に本発明に係る遷移金属化合物の具体的な合成例を示す。
[合成実施例1]
化合物A-1 の合成
充分に乾燥、アルゴン置換した300mlの反応器に、化合物L1;1.785g(7.05mmol)とジエ
チルエーテル100mlを仕込み、-78℃に冷却し、撹拌した。これにn-ブチルリチウム4.78ml(1.55mmol/ml n-ヘキサン溶液、7.40mmol)を5分かけて滴下し、その後ゆっくりと室温
まで昇温し、室温で4時間撹拌を続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を、-78℃
に冷却した四塩化チタン溶液7.05ml(0.5mmol/mlヘプタン溶液、3.53mmol)とジエチルエーテル40mlの混合溶液に徐々に滴下した。
滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。さらに室温で8時間撹拌
した後、この反応液をグラスフィルターで濾過し、さらに得られた固体を塩化メチレン50mlで溶解洗浄し、不溶物を除去した。ろ液を減圧濃縮し、析出した固体を塩化メチレン10mlに溶解し、ペンタン70mlを撹拌しながらゆっくり添加した。この混合液を室温静置して赤褐色の結晶を析出させた。この結晶をガラスフィルターでろ別し、ペンタンで洗浄後、減圧乾燥させることにより下記式で示される赤褐色結晶の化合物A-1 を1.34g(2.15mmol
収率61%)得た。
Figure 0003874751
1H-NMR(CDCl3) : 1.35(s,18H) 6.82-7.43(m,16H) 8.07(s,2H)
IR(KBr) : 1550, 1590, 1600 cm-1
FD-質量分析 : 622(M+)
元素分析 : Ti;7.7%(7.7)
C;65.8%(65.5) H;6.0%(5.8) N;4.5%(4.5) ( )内は計算値
融点 : 265℃
X線結晶構造解析 : 得られた化合物A-1の構造を図3に示す。
[合成実施例2]
化合物B-1の合成
充分に乾燥、アルゴン置換した200mlの反応器に化合物L1;1.53g(6.04mmol)とテトラヒドロフラン60mlを仕込み、-78℃に冷却し撹拌した。これにn-ブチルリチウム4.1ml(1.55mmol/ml n-ヘキサン溶液、6.34mmol)を5分かけて滴下し、その後ゆっくりと室温まで昇
温し、さらに室温で4時間撹拌した。これにテトラヒドロフランを10mlを加えた混合溶液を、-78℃に冷却した四塩化ジルコニウム 0.70g(純度99.9%品、3.02mmol)のテトラヒドロフラン30ml溶液に徐々に添加した。添加後、ゆっくりと室温まで昇温した。室温で2時間撹拌した後、還流下4時間撹拌を続けた。
この反応液を減圧濃縮し、析出した固体を塩化メチレン50mlで洗浄し、グラスフィルターで不溶物を除去した。ろ液を減圧濃縮し、析出した固体をジエチルエーテル30mlで溶解した後、窒素下、-20℃で1日静置すると、黄色の結晶が析出した。固体をろ別し、ヘキ
サンで洗浄後、減圧乾燥させることにより下記式で示される蛍黄色結晶の化合物B-1 を1.09g(1.63mmol、収率54%)得た。
Figure 0003874751
1H-NMR(CDCl3): 1.33(s,18H) 6.78-7.42(m,16H) 8.12(s,2H)
IR(KBr) : 1550, 1590, 1605 cm-1
FD-質量分析 : 664(M+)
元素分析 : Zr;13.5%(13.7)
C;61.0%(61.2) H;5.5%(5.4) N;4.2%(4.2) ( )内は計算値
融点 : 287℃
X線結晶解析 : 得られた化合物B-1の構造を図4に示す。
[合成実施例3]
化合物C-1の合成
充分に乾燥、アルゴン置換した100mlの反応器に化合物L1;0.66g(2.60mmol)とジエチルエーテル8mlを仕込み、-78℃に冷却し撹拌した。これにn-ブチルリチウム1.81ml(1.55mmol/ml n-ヘキサン溶液、2.80mmol)を5分かけて滴下し、その後ゆっくりと室温まで昇温
し、さらに室温で2時間撹拌した。これにテトラヒドロフラン10mlを加えた混合溶液を、-78℃に冷却した四塩化ハフニウム0.385g(純度99.9%品、3.02mmol)をテトラヒドロフラン10ml溶液に徐々に添加した。添加後、ゆっくりと室温まで昇温した。室温で2時間撹拌し
た後、50℃で加熱しながらさらに2時間撹拌を続けた。
この反応液を減圧濃縮し、析出した固体を塩化メチレン20mlで洗浄し、グラスフィルターで不溶物を除去した。ろ液を減圧濃縮し、析出した固体をジエチルエーテル10mlに室温下1時間リスラリーし、固体をろ別した。この固体をヘキサンで洗浄後、減圧乾燥することで、下記式で示される蛍黄白色結晶の化合物C-1 を0.33g(0.40mmol、収率33%)得た。
Figure 0003874751
1H-NMR(CDCl3): 1.30(s,18H) 6.70-7.50(m,16H) 8.18(s,2H)
FD-質量分析 : 754(M+)
元素分析 : Hf;23.5%(23.7)
C;54.4%(54.2) H;4.8%(4.8) N;3.6%(3.7) ( )内は計算値
融点 : 277℃
[合成実施例4]
化合物D-1の合成
充分に乾燥、アルゴン置換した100mlの反応器に化合物L1;0.61g(2.40mmol)とジエチルエーテル10mlを仕込み、-78℃に冷却し撹拌した。これにn-ブチルリチウム1.61ml(1.55mmol/ml n-ヘキサン溶液、2.50mmol)を5分かけて滴下し、その後ゆっくりと室温まで昇温し、さらに室温で4時間撹拌した。-78℃に冷却した四塩化ハフニウム0.385g(純度99.9%品、3.02mmol)の無水ジエチルエーテル10ml溶液に徐々に添加した。添加後、ゆっくりと室
温まで昇温し、さらに室温で4時間撹拌を続けた。
この反応液を減圧濃縮した後、析出した固体を塩化メチレン20mlで洗浄し、グラスフィルターで不溶物を除去した。ろ液を減圧濃縮し、析出した固体をジエチルエーテル1mlで
溶解後、この溶液に撹拌しながらヘキサン10mlをゆっくり加えると、黒緑色の固体が析出した。この固体をろ別し、ヘキサンで室温で1時間リスラリー洗浄した後、減圧乾燥することで、下記式で示される黒紺色粉末の化合物D-1を0.55g(0.88mmol、収率73%)得た。
Figure 0003874751
1H-NMR(CDCl3):(常磁性金属錯体のため測定不可)
FD-質量分析 : 625(M+)
元素分析 : V;8.4%(8.1)
C;65.3%(65.2) H;5.5%(5.8) N;4.5%(4.8) ( )内は計算値
[合成実施例5]
化合物E-1の合成
充分に乾燥、アルゴン置換した100mlの反応器に化合物L1;0.61g(2.40mmol)とジエチルエーテル10mlを仕込み、-78℃に冷却し撹拌した。これにn-ブチルリチウム1.60ml(1.55mmol/ml n-ヘキサン溶液、2.50mmol)を5分かけて滴下し、その後ゆっくりと室温まで昇温し、さらに室温で4時間撹拌した。これにテトラヒドロフラン5mlを加えた混合溶液を、-78℃に冷却した五塩化ニオブ0.34g(純度95%品、1.20mmol)のテトラヒドロフラン10ml溶液
に徐々に添加した。添加後、ゆっくりと室温まで昇温した後、さらに室温で15時間撹拌を続けた。
この反応液を減圧濃縮し、析出した固体を塩化メチレン20mlで洗浄し、グラスフィルターで不溶物を除去した。ろ液を減圧濃縮し、析出した固体をジエチルエーテル3mlで溶解
した。この溶液に撹拌下、室温でヘキサン12mlをゆっくり滴下すると黒色の固体が析出した。この固体をろ別し、ヘキサンで室温下1時間リスラリー洗浄後、減圧乾燥することで、下記式で示される蛍黄白色の化合物E-1 を0.36g(0.51mmol、収率43%)得た。
Figure 0003874751
1H-NMR(CDCl3): 1.46(s,18H) 7.20-7.50(m,16H) 8.65(s,2H)
FD-質量分析 : 702(M+)
元素分析 : Nb;13.0%(13.2)
C;58.4%(58.0) H;5.0%(5.2) N;3.9%(4.0) ( )内は計算値
[合成実施例6]
化合物F-1の合成
充分に乾燥、アルゴン置換した100mlの反応器に化合物L1;0.61g(2.40mmol)とトルエン10mlを仕込み、-40℃に冷却し撹拌した。これに五塩化タンタル0.43g(純度99.99%品、1.20mmol)を固体のまま徐々に添加した。添加後、ゆっくりと室温まで昇温した後、さらに60℃に加温しで16時間撹拌を続けた。
この反応液に塩化メチレン30mlを加え、不溶物を濾過した。ろ液をを減圧濃縮し、これにヘキサン8mlを加えると、橙色の粘稠オイルが分離した。このオイル部を分液し、ジエ
チルエーテル1mlに溶解させた。この溶液を撹拌しながらヘキサン9mlをゆっくり滴下すると山吹色の固体が析出した。この固体をろ別し、ヘキサンで室温下1時間リスラリー洗浄後、減圧乾燥することで、下記式で示される山吹色粉末の化合物F-1 を0.15g(0.26mmol
、収率22%)得た。
Figure 0003874751
1H-NMR(CDCl3): 1.50(s,9H) 6.80-7.75(m,8H) 8.23(s,1H)
FD-質量分析 : 575(M+)
元素分析 : Ta;31.0%(31.5)
C;58.4%(58.0) H;3,3%(3.2) N;4.5%(4.8) ( )内は計算値
[合成実施例7]
化合物A-2 の合成
充分に乾燥、アルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L2;0.91g(3.0mmol)とジエチ
ルエーテル20mlを仕込み、-78℃に冷却し、撹拌した。これにn-ブチルリチウム1.90ml(1
.54mmol/ml n-ヘキサン溶液、3.3mmol)を5分かけて滴下し、その後ゆっくりと室温まで
昇温し、室温で4時間撹拌を続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を-78℃に冷却
後、四塩化チタン溶液3.0ml(0.5mmol/mlヘプタン溶液、1.50mmol)とジエチルエーテル10mlとの混合液に徐々に滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌を
続けた。さらに室温で8時間撹拌した後、この反応液をグラスフィルターで濾過した。得
られた固体を塩化メチレン50mlで溶解洗浄し、不溶物を濾過して除去した。ろ液を減圧濃縮し、析出した固体をジエチルエーテルとヘキサンで再沈し、減圧乾燥させることにより下記式で示される茶褐色結晶の化合物A-2 を0.53g(0.73mmol収率49%)得た。
Figure 0003874751
1H-NMR(CDCl3):0.86(s,18H) 6.85-7.05(m,6H) 7.15-7.30(m,4H) 7.35-7.90(m,10H) 8.45(s,2H)
FD-質量分析 : 722(M+)
元素分析 : Ti;6.6%(6.6)
C;69.9%(69.7) H;5.5%(5.6) N;3.4%(3.9) ( )内は計算値
[合成実施例8]
化合物B-2 の合成
充分に乾燥、アルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L2;0.91g(3.0mmol)とジエチ
ルエーテル20mlを仕込み、-78℃に冷却し、撹拌した。これにn-ブチルリチウム1.94ml(1.55mmol/ml n-ヘキサン溶液、3.0mmol)を5分かけて滴下し、その後ゆっくりと室温まで
昇温し、室温で4時間撹拌を続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を、-78℃に冷
却した四塩化ジルコニウム(0.35g,1.50mmol)のテトラヒドロフラン10ml溶液に徐々に滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。さらに室温で8時
間撹拌した後、この反応液を濃縮乾固したのち、固体を塩化メチレン50mlで溶解洗浄し、不溶物を濾過して除去した。ろ液を減圧濃縮し、析出した固体をジエチルエーテルとヘキサンで再沈し、減圧乾燥させることにより下記式で示される黄色結晶の化合物B-2 を0.2 1g(0.73mmol収率18%)得た。
Figure 0003874751
1H-NMR(CDCl3):1.11-1.70(m,18H) 6.80-8.30(m,20H) 8.33-8.48(m,2H)
FD-質量分析 : 766(M+)
元素分析 : Zr;12.1%(11.9) ( )内は計算値
[合成実施例9]
化合物A-3 の合成
充分に乾燥、アルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L3;0.70g(3.0mmol)とジエチ
ルエーテル30mlを仕込み、-78℃に冷却し、撹拌した。これにn-ブチルリチウム1.90ml(1.54mmol/ml n-ヘキサン溶液、3.3mmol)を5分かけて滴下し、その後ゆっくりと室温まで
昇温し、室温で4時間撹拌を続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を-78℃に冷却
後、四塩化チタン溶液3.0ml(0.5mmol/mlヘプタン溶液、1.50mmol)を徐々に滴下した。
滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。さらに室温で15時間撹拌した後、この反応液をグラスフィルターで濾過した。得られた固体を塩化メチレン50mlで溶解洗浄し、不溶物を濾過して除去した。ろ液を減圧濃縮し、析出した固体をジエチルエーテルとヘキサンで再沈し、減圧乾燥させることにより下記式で示される黄褐色結晶の化合物A-3 を0.15g(0.26mmol収率17%)得た。
Figure 0003874751
1H-NMR(CDCl3): 1.20(s,18H) 1.41(s,18H) 6.85-7.05(m,2H) 7.20-7.80(m,4H) 8.58(s,2H)
FD-質量分析 : 582(M+)
元素分析 : Ti;8.2%(8.2)
C;62.1%(61.8) H;7.1%(7.6) N;4.7%(4.8) ( )内は計算値
[合成実施例10]
化合物B-3 の合成
充分に乾燥、アルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L3;0.70g(3.0mmol)テトラヒ
ドロフラン30mlを仕込み、-78℃に冷却し、撹拌した。これにn-ブチルリチウム1.90ml(1.54mmol/ml n-ヘキサン溶液、3.3mmol)を5分かけて滴下し、その後ゆっくりと室温まで
昇温し、室温で4時間撹拌を続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を-78℃に冷却
し、四塩化ジルコニウム(0.38g,1.65mmol)を固体のまま添加した。添加終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。さらに室温で15時間撹拌した後反応液を溶媒留去し、得られた固体を塩化メチレン50mlで溶解洗浄し、不溶物を濾過して除去した。ろ液を減圧濃縮し、析出した固体を塩化メチレンとヘキサンで再沈し、減圧乾燥させることにより下記式で示される黄色粉末の化合物B-3 を0.31g(0.50mmol収率30%)得た。
Figure 0003874751
1H-NMR(CDCl3):1.34(s,18H) 1.44(s,18H) 6.79(dd,2H) 7.11(d,2H) 7.27(d,2H) 8.34(s,2H)
FD-質量分析 : 626(M+)
元素分析 : Zr;15.0%(14.6)
C;52.9(57.5) H;7.2(7.1) N;4.7(4.8) ( )内は計算値
[合成実施例11]
化合物A-4 の合成
充分に乾燥、アルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L4;0.50g(2.02mmol)とジエチルエーテル30mlを仕込み、-78℃に冷却し、撹拌した。これにn-ブチルリチウム1.36ml(1.54mmol/ml n-ヘキサン溶液 2.09mmol)を5分かけて滴下し、その後ゆっくりと室温まで
昇温し、室温で4時間撹拌を続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を-78℃に冷却
し、四塩化チタン溶液2.00ml(0.5mmol/mlヘプタン溶液、1.00mmol)を徐々に滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。さらに室温で8時間撹拌し
た後、この反応液をグラスフィルターで濾過した。得られた固体を塩化メチレン50mlで溶解洗浄し、不溶物を濾過して除去した。ろ液を減圧濃縮し、析出した固体を塩化メチレンとヘキサンで再沈し、減圧乾燥させることにより下記式で示される濃茶色粉末の化合物A-4 を0.34g(0.56mmol収率56%)得た。
Figure 0003874751
1H-NMR(CDCl3): 7.00-7.90(m,22H) 8.35-8.55(m,2H)
FD-質量分析 : 610(M+)
元素分析 : Ti;7.8%(7.8)
C;62.4%(66.8) H;4.9%(4.4) N;4.2%(4.6) ( )内は計算値
[合成実施例12]
化合物B-4 の合成
充分に乾燥、アルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L4;0.46g(1.86mmol)とジエチルエーテル30mlを仕込み、-78℃に冷却し、撹拌した。これにn-ブチルリチウム1.30ml(1
.54mmol/ml n-ヘキサン溶液、2.00mmol)を5分かけて滴下し、その後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を-78℃に冷却
し、四塩化ジルコニウム(0.21g,0.91mmol)を固体のまま添加した。添加終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。さらに室温で16時間撹拌した後ジエチルエーテルを20ml追加し、グラスフィルターで不溶物を除去した。得られたろ液を減圧濃縮し、析出した固体をジエチルエーテルとヘキサンで再沈し、減圧乾燥させることにより下記式で示される黄鶯色粉末の化合物B-4 を0.25g(0.38mmol収率42%)得た。
Figure 0003874751
1H-NMR(CDCl3): 6.90-7.95(m,22H) 8.40-8.60(m,2H)
FD-質量分析 : 652(M+)
元素分析 : Zr;14.3%(13.9) ( )内は計算値
[合成実施例13]
化合物A-5 の合成
充分に乾燥、アルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L5;0.83g(3.00mmol)とジエチルエーテル30mlを仕込み、-78℃に冷却し、撹拌した。これにn-ブチルリチウム2.00ml(1.54mmol/ml n-ヘキサン溶液3.08mmol)を5分かけて滴下し、その後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を、-78℃に冷却
した四塩化チタン溶液3.00ml(0.5mmol/mlヘプタン溶液、1.50mmol)に徐々に滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。さらに室温で15時間撹拌した後、この反応液をグラスフィルターで濾過した。ろ液を減圧濃縮し、析出した固体を塩化メチレンとヘキサンで再沈させ、減圧乾燥させて下記式で示される黄土色粉末の化合物A-5 を0.07g(0.10mmol収率7%)得た。
Figure 0003874751
FD-質量分析 : 666(M+)
元素分析 : Ti;7.3%(7.2) ( )内は計算値
[合成実施例14]
化合物B-5 の合成
充分に乾燥、アルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L5;0.50g(1.82mmol)とテトラヒドロフラン15mlを仕込み、-78℃に冷却し、撹拌した。これにn-ブチルリチウム1.36ml
(1.54mmol/ml n-ヘキサン溶液、2.09mmol)を5分かけて滴下し、その後ゆっくりと室温
まで昇温し、室温で4時間撹拌を続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を-78℃に
冷却し、四塩化ジルコニウム・2THF錯体(0.38g,1.00mmol)のテトラヒドロフラン10ml溶液を滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。さらに室温で10時間、50℃で4時間撹拌した後、グラスフィルターで不溶物を除去した。得られた溶液を減圧濃縮し、析出した固体を塩化メチレン、ジエチルエーテルとヘキサンで再沈し、減圧乾燥させることにより下記式で示される黄鶯色粉末の化合物B-5 を0.04g(0.05mmol収率5%)得た。
Figure 0003874751
FD-質量分析 : 710(M+)
元素分析 : Zr;13.3%(12.8) ( )内は計算値
[合成実施例15]
化合物A-6 の合成
充分に乾燥、アルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L6;0.93g(3.01mmol)とジエチルエーテル30mlを仕込み、-78℃に冷却し、撹拌した。これにn-ブチルリチウム2.1ml(1.54mmol/ml n-ヘキサン溶液3.23mmol)を5分かけて滴下し、その後ゆっくりと室温まで昇
温し、室温で4時間撹拌を続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を-78℃に冷却し
、四塩化チタン溶液3.0ml(0.5mmol/mlヘプタン溶液、1.50mmol)を徐々に滴下した。滴
下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。さらに室温で15時間撹拌した後、この反応液をグラスフィルターで濾過した。ろ液を減圧濃縮し、析出した固体を-78
℃でヘキサン再結晶し、減圧乾燥させて下記式で示される茶色粉末の化合物A-6 を0.41g
(0.56mmol収率37%)得た。
Figure 0003874751
1H-NMR(CDCl3): 1.21(s,18H) 1.30(s,18H) 6.70-7.70(m,14H) 8.08(s,2H)
FD-質量分析 : 734(M+)
元素分析 : Ti;6.6%(6.5)
C;67.9%(68.6) H;7.4%(7.1) N;3.9%(3.8) ( )内は計算値
[合成実施例16]
化合物B-6 の合成
充分に乾燥、アルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L6;0.93g(3.01mmol)とジエチルエーテル30mlを仕込み、-78℃に冷却し、撹拌した。これにn-ブチルリチウム2.1ml(1.54mmol/ml n-ヘキサン溶液、3.23mmol)を5分かけて滴下し、その後ゆっくりと室温まで
昇温し、室温で4時間撹拌を続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を-78℃に冷却
し、四塩化ジルコニウム(0.35g,1.50mmol)を固体のまま添加した。添加終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。さらに室温で14時間撹拌した後塩化メチレンを20ml追加し、グラスフィルターで不溶物を除去した。ろ液を減圧濃縮し、析出した固体を-78℃でヘキサン再結晶し、減圧乾燥させることにより下記式で示される鶯色粉末の化合
物B-6 を0.55g(0.71mmol収率47%)得た。
Figure 0003874751
1H-NMR(CDCl3): 1.20-1.80(m,36H) 6.70-7.70(m,14H) 7.80-7.90(m,2H)
FD-質量分析 : 776(M+)
元素分析 : Zr;11.2%(11.7) ( )内は計算値
[合成実施例17]
化合物A-7 の合成
充分に乾燥、アルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L7;1.0g(3.66mmol)とジエチ
ルエーテル20mlを仕込み、-78℃に冷却し撹拌した。これにn-ブチルリチウム2.48ml(1.55mmol/ml n-ヘキサン溶液3.84mmol)を5分かけて滴下し、その後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を、-78℃に冷却し
た四塩化チタン溶液3.66ml(0.5mmol/mlヘプタン溶液、1.83mmol)とジエチルエーテル20ml混合液に徐々に滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。さらに室温で15時間撹拌した後、この反応液をグラスフィルターで濾過した。ろ液を減圧濃縮し、析出した固体をヘキサンにリスラリーしたのち、ヘキサンを濾別することによって洗浄し、減圧乾燥させることにより下記式で示される茶色粉末の化合物A-7 を0.95g
(1.43mmol収率78%)得た。
Figure 0003874751
1H-NMR(CDCl3): 6.90-7.90(m,26H) 8.00(s,2H)
FD-質量分析 : 662(M+)
元素分析 : Ti;6.5%(6.5)
C;62.0%(62.2) H;3.7%(3.8) N;3.8%(3.8) ( )内は計算値
[合成実施例18]
化合物B-7 の合成
充分に乾燥、アルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L7;1.0g(3.66mmol)とジエチ
ルエーテル20mlを仕込み、-78℃に冷却し撹拌した。これにn-ブチルリチウム2.48ml(1.55mmol/ml n-ヘキサン溶液、3.84mmol)を5分かけて滴下し、その後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を、-78℃に冷却
した四塩化ジルコニウム(0.41g,1.77mmol)のジエチルエーテル30ml混合液に滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。さらに室温で15時間撹拌した後塩化メチレンを20ml追加し、グラスフィルターで不溶物を除去した。ろ液を減圧濃縮し、析出した固体をヘキサンにリスラリーしたのち、ヘキサンを濾別することによって洗浄し、減圧乾燥させることにより下記式で示される黄緑色粉末の化合物B-7 を0.94g(1.33mmol収率73%)得た。
Figure 0003874751
1H-NMR(CDCl3): 7.00-7.90(m,26H) 8.20(s,2H)
FD-質量分析 : 704(M+)
元素分析 : Zr;11.5%(11.7) ( )内は計算値
[合成実施例19]
化合物A-8 の合成
充分に乾燥、アルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L8;1.0g(2.93mmol)とジエチ
ルエーテル20mlを仕込み、-78℃に冷却し撹拌した。これにn-ブチルリチウム2.0ml(1.55mmol/ml n-ヘキサン溶液3.10mmol)を5分かけて滴下し、その後ゆっくりと室温まで昇温
し、室温で4時間撹拌を続けリチウム塩溶液を調製した。この溶液を、-78℃に冷却した
四塩化チタン溶液2.9ml(0.5mmol/mlヘプタン溶液、1.45mmol)とジエチルエーテル20ml
の混合溶液に徐々に滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。さらに室温で15時間撹拌した後、この反応液をグラスフィルターで濾過した。ろ液を減圧濃縮し、析出した固体をヘキサンにリスラリーしたのち、ヘキサンを濾別することによって洗浄し、減圧乾燥させて下記式で示される茶色粉末の化合物A-8 を1.06g(1.33mmol収率91%)得た。
Figure 0003874751
1H-NMR(CDCl3): 0.90-1.70(m,18H) 3.40-3.80(m,4H) 7.00-7.70(m,20H) 7.80-8.20(m,2H)
FD-質量分析 : 798(M+)
元素分析 : Ti;6.0%(6.0) ( )内は計算値
[合成実施例20]
化合物B-8 の合成
充分に乾燥、アルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L8;1.0g(2.93mmol)とジエチ
ルエーテル20mlを仕込み、-78℃に冷却し撹拌した。これにn-ブチルリチウム2.0ml(1.55mmol/ml n-ヘキサン溶液、3.10mmol)を5分かけて滴下し、その後ゆっくりと室温まで昇
温し、室温で4時間撹拌を続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を、-78℃に冷却
した四塩化ジルコニウム(0.34g,1.44mmol)のジエチルエーテル20ml混合液に滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。さらに室温で8時間撹拌し
た後ジエチルエーテルを20ml追加した後、グラスフィルターで不溶物を除去した。ろ液を減圧濃縮し、析出した固体をヘキサンにリスラリーしたのち、ヘキサンを濾別することによって洗浄し、減圧乾燥させることにより下記式で示される黄緑色粉末の化合物B-8 を1.02g(1.21mmol収率83%)得た。
Figure 0003874751
1H-NMR(CDCl3): 0.90-1.80(m,18H) 3.40-3.90(m,4H) 6.40-7.90(m,20H) 8.00-8.30(m,2H)
FD-質量分析 : 842(M+)
元素分析 : Zr;11.1%(10.8) ( )内は計算値
[合成実施例21]
化合物A-9 の合成
充分に乾燥、アルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L9;0.50g(1.23mmol)とジエチルエーテル15mlを仕込み、-78℃に冷却し撹拌した。これにn-ブチルリチウム0.84ml(1.55mmol/ml n-ヘキサン溶液1.30mmol)を5分かけて滴下し、その後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を、-78℃に冷却し
た四塩化チタン溶液1.2ml(0.5mmol/mlヘプタン溶液、0.60mmol)とジエチルエーテル15mlの混合溶液に徐々に滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌を続
けた。さらに室温で8時間撹拌した後、この反応液をグラスフィルターで濾過した。ろ液
を減圧濃縮し、析出した固体をヘキサンにリスラリーしたのち、ヘキサンを濾別することによって洗浄し、減圧乾燥させることにより下記式で示される茶色粉末の化合物A-9 を0.33g(0.36mmol収率58%)得た。
Figure 0003874751
1H-NMR(CDCl3): 1.70-1.90(m,18H) 6.60-7.80(m,34H)
FD-質量分析 : 926(M+)
元素分析 : Ti;5.3%(5.2) ( )内は計算値
[合成実施例22]
化合物B-9 の合成
充分に乾燥、アルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L9;0.50g(1.23mmol)とジエチルエーテル15mlを仕込み、-78℃に冷却し撹拌した。これにn-ブチルリチウム0.84ml(1.55mmol/ml n-ヘキサン溶液、1.30mmol)を5分かけて滴下し、その後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を、-78℃に冷却
した四塩化ジルコニウム(0.14g,0.60mmol)とジエチルエーテル15mlの混合溶液を滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。さらに室温で15時間撹拌した後溶媒を留去し、得られた固体を塩化メチレン50mlジエチルエーテル10mlで溶解した後、グラスフィルターで不溶物を除去した。ろ液を減圧濃縮し、析出した固体をヘキサンにリスラリーしたのち、ヘキサンを濾別することによって洗浄し、減圧乾燥させることにより下記式で示される淡黄色粉末の化合物B-9 を0.19g(0.20mmol収率32%)得た。
Figure 0003874751
1H-NMR(CDCl3): 1.28-1.52(m,18H) 6.70-7.76(m,34H)
FD-質量分析 : 970(M+)
元素分析 : Zr;9.6%(9.4) ( )内は計算値
[合成実施例23]
化合物A-10の合成
充分に乾燥、アルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L10;0.32g(1.03mmol)とジエ
チルエーテル10mlを仕込み、-78℃に冷却し撹拌した。これにn-ブチルリチウム0.77ml(1.55mmol/ml n-ヘキサン溶液1.19mmol)を5分かけて滴下し、その後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を、-78℃に冷却
した四塩化チタン溶液1.0ml(0.5mmol/mlヘプタン溶液、0.50mmol)とジエチルエーテル10ml混合溶液に徐々に滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌を続
けた。さらに室温で15時間撹拌した後、この反応液をグラスフィルターで濾過した。ろ液を減圧濃縮し、析出した固体を塩化メチレンとヘキサンで再沈し、減圧乾燥させることにより下記式で示される茶色粉末の化合物A-10を0.16g(0.22mmol収率43%)得た。
Figure 0003874751
1H-NMR(CDCl3): 0.40-0.90(m,30H) 6.60-7.80(m,18H)
FD-質量分析 : 739(M+)
元素分析 : Ti;5.3%(5.2) ( )内は計算値
[合成実施例24]
化合物A-11の合成
充分に乾燥、アルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L11;0.68g(2.40mmol)とジエ
チルエーテル30mlを仕込み、-78℃に冷却し撹拌した。これにn-ブチルリチウム1.49ml(1.61mmol/ml n-ヘキサン溶液2.40mmol)を5分かけて滴下し、その後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を、-78℃に冷却
した四塩化チタン溶液2.4ml(0.5mmol/mlヘプタン溶液、1.20mmol)ジエチルエーテル15m
l混合溶液に徐々に滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌を続け
た。さらに室温で15時間撹拌した後、この反応液の溶媒を留去し、析出した固体を塩化メチレン50mlに溶解し、不溶物をグラスフィルターで濾過した。ろ液を減圧濃縮し、析出した固体を0℃で塩化メチレンとヘキサンで再沈し、減圧乾燥させることにより赤茶色粉末
の化合物A-11を0.37g(0.54mmol収率45%)得た。
Figure 0003874751
1H-NMR(CDCl3): 1.20-1.40(m,9H) 1.50-1.55(m,9H) 3.70-3.85(m,6H) 6.52-7.40(m,14H)
8.05-8.20(m,2H)
FD-質量分析 : 682(M+)
元素分析 : Ti;7.0%(7.0) ( )内は計算値
[合成実施例25]
化合物B-11の合成
充分に乾燥、アルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L11;0.64g(2.26mmol)とジエ
チルエーテル20mlを仕込み、-78℃に冷却し撹拌した。これにn-ブチルリチウム1.40ml(1.61mmol/ml n-ヘキサン溶液、2.26mmol)を5分かけて滴下し、その後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を、-78℃に冷
却した四塩化ジルコニウム・2THF(0.42g,1.10mmol)のテトラヒドロフラン20ml溶液にゆっくり滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。さらに室温で15時間撹拌した後反応液を溶媒留去した。得られた固体を塩化メチレン50mlで溶解し、不溶物をグラスフィルターで不溶物を除去した。ろ液を減圧濃縮し、析出した固体を塩化メチレンとヘキサンで再沈し、減圧乾燥させることにより下記式で示される黄緑色粉末の化合物B-11を0.25g(0.34mmol収率31%)得た。
Figure 0003874751
1H-NMR(CDCl3): 1.20-1.60(m,18H) 3.66-3.86(m,6H) 6.50-7.50(m,14H) 8.05-8.20(m,2H)
FD-質量分析 : 726(M+)
元素分析 : Zr;12.4%(12.6) ( )内は計算値
[合成実施例26]
化合物A-12の合成
充分に乾燥、アルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L12;1.0g(2.31mmol)とジエチルエーテル20mlを仕込み、-78℃に冷却し撹拌した。これにn-ブチルリチウム1.56ml(1.55mmol/ml n-ヘキサン溶液2.42mmol)を5分かけて滴下し、その後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を、-78℃に冷却し
た四塩化チタン溶液2.3ml(0.5mmol/mlヘプタン溶液、1.15mmol)ジエチルエーテル20ml
混合溶液に徐々に滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。さらに室温で15時間撹拌した後、不溶物をグラスフィルターで濾過した。ろ液を減圧濃縮し、析出した固体をヘキサンにリスラリーしたのち、ヘキサンを濾別することにより洗浄し、減圧乾燥させることにより赤茶色粉末の化合物A-12を0.45g(0.45mmol収率40%)得た。
Figure 0003874751
1H-NMR(CDCl3): 1.30-2.20(m,24H) 6.20-7.40(m,34H) 7.50-7.70(m,2H)
FD-質量分析 : 982(M+)
元素分析 : Ti;5.0%(4.9) ( )内は計算値
[合成実施例27]
化合物B-12の合成
充分に乾燥、アルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L12;1.0g(2.31mmol)とジエチルエーテル20mlを仕込み、-78℃に冷却し撹拌した。これにn-ブチルリチウム1.56ml(1.55mmol/ml n-ヘキサン溶液、2.42mmol)を5分かけて滴下し、その後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を、-78℃に冷却
した四塩化ジルコニウム(0.27g,1.15mmol)とジエチルエーテル20ml混合液にゆっくり滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。さらに室温で15時間撹拌した後、不溶物をグラスフィルターで不溶物を除去した。ろ液を減圧濃縮し、析出した固体をジエチルエーテル、ヘキサン、ヘプタン、ペンタンで再沈、リスラリー洗浄し、減圧乾燥させることにより下記式で示される黄緑色粉末の化合物B-12を0.02g(0.02mmol収率1%)得た。
Figure 0003874751
1H-NMR(CDCl3): 1.20-2.10(m,24H) 6.20-7.40(m,34H) 7.50-8.00(m,2H)
FD-質量分析 : 1026(M+)
元素分析 : Zr;9.1%(8.9) ( )内は計算値
[合成実施例28]
化合物A-13の合成
充分に乾燥、アルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L13;1.10g(3.26mmol)とジエ
チルエーテル22mlを仕込み、-78℃に冷却し撹拌した。これにn-ブチルリチウム2.2ml(1.55mmol/ml n-ヘキサン溶液3.41mmol)を5分かけて滴下し、その後ゆっくりと室温まで昇
温し、室温で4時間撹拌を続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を、-78℃に冷却
した四塩化チタン溶液3.26ml(0.5mmol/mlヘプタン溶液、1.13mmol)とジエチルエーテル22ml混合液に徐々に滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。さらに室温で15時間撹拌した後、この反応液の不溶物をグラスフィルターで濾過した。ろ液を減圧濃縮し、析出した固体をジエチルエーテルとペンタンで再沈し、減圧乾燥させることにより赤茶色粉末の化合物A-13を0.22g(0.28mmol収率17%)得た。
Figure 0003874751
1H-NMR(CDCl3): 0.60-2.41(m,44H) 6.70-7.60(m,34H) 7.91-8.10(m,2H)
FD-質量分析 : 790(M+)
元素分析 : Ti;6.3%(6.1) ( )内は計算値
[合成実施例29]
化合物B-13の合成
充分に乾燥、アルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L13;1.03g(3.02mmol)とジエ
チルエーテル20mlを仕込み、-78℃に冷却し撹拌した。これにn-ブチルリチウム2.0ml(1.55mmol/ml n-ヘキサン溶液、3.10mmol)を5分かけて滴下し、その後ゆっくりと室温まで
昇温し、室温で4時間撹拌を続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を、-78℃に冷
却した四塩化ジルコニウム(0.35g,1.50mmol)のジエチルエーテル20ml混合液にゆっくり
滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。さらに室温で15時間撹拌した後、グラスフィルターで不溶物を除去した。ろ液を減圧濃縮し、析出した固体をペンタン再から結晶し、減圧乾燥させることにより下記式で示される黄緑色粉末の化合物B-13を0.27g(0.32mmol収率21%)得た。
Figure 0003874751
1H-NMR(CDCl3): 0.30-2.32(m,44H) 6.70-7.60(m,14H) 7.90-8.20(m,2H)
FD-質量分析 : 834(M+)
元素分析 : Zr;10.9%(10.9) ( )内は計算値
[合成実施例30]
化合物A-14の合成
充分に乾燥、アルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L14;0.98g(2.97mmol)とジエ
チルエーテル30mlを仕込み、-78℃に冷却し撹拌した。これにn-ブチルリチウム2.0ml(1.61mmol/ml n-ヘキサン溶液3.22mmol)を5分かけて滴下し、その後ゆっくりと室温まで昇
温し、室温で4時間撹拌を続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を、-78℃に冷却
した四塩化チタン溶液3.0ml(0.5mmol/mlヘプタン溶液、1.50mmol)とジエチルエーテル15ml混合液に徐々に滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌を続け
た。さらに室温で15時間撹拌した後、この反応液の不溶部をろ別し、ろ物をジエチルエーテル30ml及び塩化メチレン50mlに溶解し、不溶物をグラスフィルターで濾過した。ろ液を減圧濃縮し、析出した固体をジエチルエーテルで再結晶し、減圧乾燥させることにより黒褐色粉末の化合物A-14を0.66g(0.85mmol収率57%)得た。
Figure 0003874751
1H-NMR(CDCl3): 1.41(s,18H) 6.70-7.90(m,24H) 8.18(s,2H)
FD-質量分析 : 774(M+)
元素分析 : Ti;6.2%(6.2) ( )内は計算値
[合成実施例31]
化合物B-14の合成
充分に乾燥、アルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L14;1.01g(3.05mmol)とジエ
チルエーテル20mlを仕込み、-78℃に冷却し撹拌した。これにn-ブチルリチウム2.0ml(1.
61mmol/ml n-ヘキサン溶液、3.22mmol)を5分かけて滴下し、その後ゆっくりと室温まで
昇温し、室温で4時間撹拌を続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を、-78℃に冷
却した四塩化ジルコニウム(0.36g,1.52mmol)のテトラヒドロフラン溶液にゆっくり滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。さらに室温で8時間
撹拌した後、不溶部をグラスフィルターで除去した。ろ液を濃縮乾固し、析出した固体を塩化メチレンとヘキサンで再沈し、減圧乾燥させることにより下記式で示される蛍黄色粉末の化合物B-14を0.61g(0.74mmol収率49%)得た。
Figure 0003874751
1H-NMR(CDCl3): 1.41(s,18H) 6.80-7.90(m,24H) 8.24(s,2H)
FD-質量分析 : 818(M+)
元素分析 : Zr;11.0%(11.1) ( )内は計算値
[合成実施例32]
化合物A-15の合成
充分に乾燥、アルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L15;0.40g(1.01mmol)とジエ
チルエーテル10mlを仕込み、-78℃に冷却し撹拌した。これにn-ブチルリチウム0.77ml(1.55mmol/ml n-ヘキサン溶液1.19mmol)を5分かけて滴下し、その後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を、-78℃に冷却
した四塩化チタン溶液1.0ml(0.5mmol/mlヘプタン溶液、0.50mmol)とジエチルエーテル10ml混合液に徐々に滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌を続け
た。さらに室温で15時間撹拌した後、不溶物をグラスフィルターで濾過した。ろ液を減圧濃縮し、析出した固体をジエチルエーテルとヘキサンで再沈し、減圧乾燥させることにより赤茶色粉末の化合物A-15を0.19g(0.21mmol収率42%)得た。
Figure 0003874751
1H-NMR(CDCl3): 0.60-1.30(m,6H) 6.50-7.80(m,36H) 7.80-7.90(m,2H)
FD-質量分析 : 900(M+)
元素分析 : Ti;5.5%(5.3) ( )内は計算値
[合成実施例33]
化合物B-15の合成
充分に乾燥、アルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L15;0.40g(1.02mmol)とテト
ラヒドロフラン10mlを仕込み、-78℃に冷却し撹拌した。これにn-ブチルリチウム0.77ml
(1.55mmol/ml n-ヘキサン溶液、1.19mmol)を5分かけて滴下し、その後ゆっくりと室温
まで昇温し、室温で4時間撹拌を続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を-78℃に
冷却後、四塩化ジルコニウム(0.12g,0.50mmol)を固体のまま添加した。添加終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。さらに室温で15時間撹拌した後反応液を溶媒留去した。得られた固体を塩化メチレン50mlで溶解し、不溶物をグラスフィルターで不溶物を除去した。ろ液を減圧濃縮し、析出した固体をジエチルエーテルとヘキサンで再沈し、減圧乾燥させることにより下記式で示される灰白色粉末の化合物B-15を0.20g(0.21mmol収率42%)得た。
Figure 0003874751
1H-NMR(CDCl3): 0.70-1.00(m,6H) 6.60-7.60(m,36H) 7.70-7.80(m,2H)
FD-質量分析 : 944(M+)
元素分析 : Zr;9.4%(9.6) ( )内は計算値
[合成実施例34]
化合物A-16の合成
充分に乾燥、アルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L16;1.0g(4.73mmol)とジエチルエーテル20mlを仕込み、-78℃に冷却し撹拌した。これにn-ブチルリチウム3.2ml(1.55mmol/ml n-ヘキサン溶液4.96mmol)を5分かけて滴下し、その後ゆっくりと室温まで昇温
し、室温で4時間撹拌を続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を、-78℃に冷却し
た四塩化チタン溶液4.7ml(0.5mmol/mlヘプタン溶液、2.35mmol)とジエチルエーテル20ml混合液に徐々に滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた
。さらに室温で15時間撹拌した後、反応液をろ過し、ろ物を塩化メチレン50mlで溶解させた。溶解液中の不溶物を除去したのち、溶解液を減圧濃縮して固体を析出させ、塩化メチレンとヘキサンで再沈し、減圧乾燥させることにより薄茶色粉末の化合物A-16を0.96g(1.78mmol収率75%)得た。
Figure 0003874751
1H-NMR(CDCl3): 1.90(s,6H) 6.50-7.30(m,16H) 7.90(s,2H)
FD-質量分析 : 538(M+)
元素分析 : Ti;9.0%(8.9) ( )内は計算値
[合成実施例35]
化合物B-16の合成
充分に乾燥、アルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L16;1.0g(4.73mmol)とジエチルエーテル20mlを仕込み、-78℃に冷却し撹拌した。これにn-ブチルリチウム3.2ml(1.55mmol/ml n-ヘキサン溶液、4.96mmol)を5分かけて滴下し、その後ゆっくりと室温まで昇
温し、室温で4時間撹拌を続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を、-78℃に冷却
した四塩化ジルコニウム(0.55g,2.36mmol)とジエチルエーテル20ml混合液に滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。さらに室温で15時間撹拌した後反応液をろ過した。ろ液からの溶媒を留去し、固体を析出させ、ジエチルエーテル、塩化メチレンとヘキサンで再結晶し、減圧乾燥させることにより下記式で示される黄緑色粉末の化合物B-16を0.49g(0.84mmol収率36%)得た。
Figure 0003874751
1H-NMR(CDCl3): 2.00(s,6H) 6.40-7.40(m,16H) 8.10(s,2H)
FD-質量分析 : 582(M+)
元素分析 : Zr;15.9%(15.7) ( )内は計算値
[合成実施例36]
化合物A-17の合成
充分に乾燥、アルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L17;1.0g(2.77mmol)とジエチルエーテル20mlを仕込み、-78℃に冷却し撹拌した。これにn-ブチルリチウム1.87ml(1.55mmol/ml n-ヘキサン溶液2.90mmol)を5分かけて滴下し、その後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を、-78℃に冷却し
た四塩化チタン溶液2.76ml(0.5mmol/mlヘプタン溶液、1.38mmol)とジエチルエーテル20ml混合液に徐々に滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。さらに室温で15時間撹拌した後、不溶物をグラスフィルターで濾過した。ろ液を減圧濃縮し、析出した固体をヘキサンにリスラリーしたのち、ヘキサンを濾別することにより洗浄し、減圧乾燥させることにより茶色粉末の化合物A-17を0.15g(0.18mmol収率13%)得た。
Figure 0003874751
1H-NMR(CDCl3): 3.20-3.80(m,4H) 6.90-7.81(m,30H) 8.15(s,2H)
FD-質量分析 : 838(M+)
元素分析 : Ti;5.9%(5.7) ( )内は計算値
[合成実施例37]
化合物B-17の合成
充分に乾燥、アルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L17;1.0g(2.77mmol)とジエチルエーテル20mlを仕込み、-78℃に冷却し撹拌した。これにn-ブチルリチウム1.87ml(1.55mmol/ml n-ヘキサン溶液、2.90mmol)を5分かけて滴下し、その後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を、-78℃に冷却
した四塩化ジルコニウム(0.32g,1.37mmol)とジエチルエーテル20ml混合液に滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。さらに室温で15時間撹拌した後、反応液をグラスフィルターで不溶物を除去した。ろ液を減圧濃縮し、析出した固体をヘキサンにリスラリーしたのち、ヘキサンを濾別することにより洗浄し、減圧乾燥させることにより下記式で示される黄緑色粉末の化合物B-17を0.71g(0.88mmol収率58%)得た。
Figure 0003874751
1H-NMR(CDCl3): 3.30-3.80(m,4H) 6.71-7.72(m,30H) 8.25(s,2H)
FD-質量分析 : 882(M+)
元素分析 : Zr;10.6%(10.3) ( )内は計算値
[合成実施例38]
化合物A-18の合成
充分に乾燥、アルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L18;0.59g(2.20mmol)とジエ
チルエーテル10mlを仕込み、-78℃に冷却し撹拌した。これにn-ブチルリチウム1.49ml(1.55mmol/ml n-ヘキサン溶液2.31mmol)を5分かけて滴下し、その後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を、-78℃に冷却
した四塩化チタン溶液2.2ml(0.5mmol/mlヘプタン溶液、1.10mmol)とテトラヒドロフラ
ン10ml混合液に徐々に滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。さらに室温で15時間撹拌した後、濃縮乾固し、得られた固体を塩化メチレン20mlに溶解する。不溶物をグラスフィルターで濾過後ろ液を減圧濃縮し、析出した固体を-78℃
でジエチルエーテルとヘキサンで再沈し、減圧乾燥させることにより茶色粉末の化合物A-18を0.27g(0.41mmol収率37%)得た。
Figure 0003874751
1H-NMR(CDCl3): 1.22(s,18H) 2.40(s,6H) 6.44-7.80(m,14H) 8.21(s,2H)
FD-質量分析 : 650(M+)
元素分析 : Ti;7.1%(7.4) ( )内は計算値
[合成実施例39]
化合物B-18の合成
充分に乾燥、アルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L18;0.60g(2.25mmol)とジエ
チルエーテル10mlを仕込み、-78℃に冷却し撹拌した。これにn-ブチルリチウム1.52ml(1.55mmol/ml n-ヘキサン溶液、2.36mmol)を5分かけて滴下し、その後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を-78℃に冷却
した四塩化ジルコニウム(0.26g,1.12mmol)のテトラヒドロフラン10ml溶液に滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。さらに室温で8時間撹拌し
た後反応液を溶媒留去した。得られた固体を塩化メチレン20mlで溶解し、不溶物をグラスフィルターで除去した。ろ液を減圧濃縮し、析出した固体をジエチルエーテルとヘキサンで再沈し、減圧乾燥させることにより下記式で示される黄緑色粉末の化合物B-18を0.16g
(0.24mmol収率21%)得た。
Figure 0003874751
1H-NMR(CDCl3): 1.13(s,18H) 2.39(s,6H) 6.50-7.75(m,14H) 8.26(s,2H)
FD-質量分析 : 694(M+)
元素分析 : Zr;13.1%(13.1) ( )内は計算値
[合成実施例40]
化合物B-19の合成
充分に乾燥、アルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L19;0.70g(2.25mmol)とジエ
チルエーテル10mlを仕込み、-78℃に冷却し撹拌した。これにn-ブチルリチウム1.52ml(1.55mmol/ml n-ヘキサン溶液、2.36mmol)を5分かけて滴下し、その後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を-78℃に冷却
した四塩化ジルコニウム(0.26g,1.12mmol)のテトラヒドロフラン10ml溶液に滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。さらに室温で15時間撹拌した後、反応液から溶媒を留去させた。得られた固体を塩化メチレン20mlで溶解し、不溶物をグラスフィルターで除去した。ろ液を減圧濃縮し、析出した固体をジエチルエーテルとヘキサンで再沈し、減圧乾燥させることにより下記式で示される黄緑色粉末の化合物B-19を0.16g(0.20mmol収率18%)得た。
Figure 0003874751
1H-NMR(CDCl3): 1.43(s,18H) 1.47(s,18H) 6.90-7.60(m,14H) 8.40(s,2H)
FD-質量分析 : 778(M+)
元素分析 : Zr;12.1%(11.7) ( )内は計算値
[合成実施例41]
化合物B-20の合成
充分に乾燥、アルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L20;0.63g(2.25mmol)とジエ
チルエーテル10mlを仕込み、-78℃に冷却し撹拌した。これにn-ブチルリチウム1.52ml(1.55mmol/ml n-ヘキサン溶液、2.36mmol)を5分かけて滴下し、その後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を-78℃に冷却
した四塩化ジルコニウム(0.26g,1.12mmol)のテトラヒドロフラン10ml溶液に滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。さらに室温で15時間撹拌した後反応液を溶媒留去した。得られた固体を塩化メチレン25mlで溶解し、不溶物をグラスフィルターで除去した。ろ液を減圧濃縮し、析出した固体をジエチルエーテルとヘキサンで再沈し、減圧乾燥させることにより下記式で示される黄色粉末の化合物B-20を0.35g(0.48mmol収率43%)得た。
Figure 0003874751
1H-NMR(CDCl3): 1.40(s,18H) 1.50(s,18H) 2.21(s,12H) 6.70-7.40(m,12H) 8.33(s,2H)
FD-質量分析 : 720(M+)
元素分析 : Zr;12.8%(12.6) ( )内は計算値
[合成実施例42]
化合物A-21の合成
充分に乾燥、アルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L21;0.80g(2.50mmol)とジエ
チルエーテル10mlを仕込み、-78℃に冷却し撹拌した。これにn-ブチルリチウム1.7ml(1.55mmol/ml n-ヘキサン溶液2.64mmol)を5分かけて滴下し、その後ゆっくりと0℃まで昇温し、0℃で4時間撹拌を続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を、-78℃に冷却した四塩化チタン溶液2.5ml(0.5mmol/mlヘプタン溶液、1.25mmol)とジエチルエーテル10ml
混合液に徐々に滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。さらに室温で8時間撹拌した後、濃縮乾固し、得られた固体をジエチルエーテル50mlと塩
化メチレン60mlに溶解する。不溶物をグラスフィルターで濾過した後、ろ液を減圧濃縮し、析出した固体をジエチルエーテルで再結晶し、減圧乾燥させることにより赤褐色粉末の化合物A-21を0.07g(0.09mmol収率8%)得た。
Figure 0003874751
1H-NMR(CDCl3): 1.34(s,18H) 6.75-7.75(m,14H) 8.10(s,2H)
FD-質量分析 : 758(M+)
元素分析 : Ti;6.5%(6.3) ( )内は計算値
[合成実施例43]
化合物B-21の合成
充分に乾燥、アルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L21;1.03g(3.20mmol)とジエ
チルエーテル10mlを仕込み、-78℃に冷却し撹拌した。これにn-ブチルリチウム2.0ml(1.61mmol/ml n-ヘキサン溶液、3.22mmol)を5分かけて滴下し、その後ゆっくりと-15℃まで昇温し、-15℃で2時間撹拌を続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を-78℃に冷却した四塩化ジルコニウム(0.36g,1.54mmol)のテトラヒドロフラン10ml溶液に滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。さらに室温で15時間撹拌後、反応液を溶媒留去した。これをトルエン20mlに溶解し、還流条件下でさらに3時間反応を続けた。反応液から溶媒を留去し、得られた固体を塩化メチレン50mlで溶解し、不溶物をグラスフィルターで除去した。ろ液を減圧濃縮し、析出した固体をジエチルエーテルとヘキサンで再沈し、減圧乾燥させることにより下記式で示される黄土色粉末の化合物B-21を0.33g(0.41mmol収率27%)得た。
Figure 0003874751
1H-NMR(CDCl3): 1.24(s,18H) 6.80-7.78(m,14H) 8.15(s,2H)
FD-質量分析 : 802(M+)
元素分析 : Zr;11.7%(11.4) ( )内は計算値
[合成実施例44]
化合物A-22の合成
充分に乾燥、アルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L22;0.50g(1.77mmol)とジエ
チルエーテル40mlを仕込み、-78℃に冷却し撹拌した。これにn-ブチルリチウム1.20ml(1.55mmol/ml n-ヘキサン溶液1.86mmol)を5分かけて滴下し、その後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を、-78℃に冷却
した四塩化チタン溶液1.77ml(0.5mmol/mlヘプタン溶液、0.89mmol)とジエチルエーテル50ml混合液に徐々に滴下した。
滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。さらに室温で15時間撹拌した後、反応液をグラスフィルターで濾過し、ろ物をジエチルエーテルで洗浄後、塩化メチレンに溶解した。溶解液中の不溶物を除去した後、溶解液を減圧濃縮し、析出した固体を-78℃でジエチルエーテルとヘキサンで再沈し、減圧乾燥させることにより茶色粉末の
化合物A-22を0.31g(0.45mmol収率51%)得た。
Figure 0003874751
1H-NMR(CDCl3): 0.70-1.80(m,18H) 3.50-4.00(m,6H) 6.40-7.70(m,14H) 8.05(s,2H)
FD-質量分析 : 682(M+)
元素分析 : Ti;7.3%(7.0) ( )内は計算値
[合成実施例45]
化合物B-22の合成
充分に乾燥、アルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L22;0.50g(1.77mmol)とジエ
チルエーテル25mlを仕込み、-78℃に冷却し撹拌した。これにn-ブチルリチウム1.20ml(1.55mmol/ml n-ヘキサン溶液、1.86mmol)を5分かけて滴下し、その後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を-78℃に冷却
した四塩化ジルコニウム(0.21g,0.99mmol)のジエチルエーテル10ml、テトラヒドロフラン60ml混合溶液に滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。さらに室温で15時間撹拌した後反応液を溶媒留去した。得られた固体をヘキサン70mlでリスラリーし、グラスフィルターで不溶物を分別した。ろ滓をジエチエルエーテル100ml
、ヘキサン70mlで溶解し、溶解液中の不溶物を取り除いた後、溶解液を減圧濃縮する。析出した固体をヘキサンで洗浄し、減圧乾燥させることにより下記式で示される黄緑色粉末の化合物B-22を0.08g(0.11mmol収率11%)得た。
Figure 0003874751
1H-NMR(CDCl3): 1.40(s,18H) 3.75(s,6H) 6.40-7.70(m,14H) 8.10(s,2H)
FD-質量分析 : 726(M+)
元素分析 : Zr;12.3%(12.6) ( )内は計算値
[合成実施例46]
化合物A-23の合成
充分に乾燥、アルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L23;1.01g(4.33mmol)とジエ
チルエーテル22mlを仕込み、-78℃に冷却し撹拌した。これにn-ブチルリチウム2.9ml(1.55mmol/ml n-ヘキサン溶液4.50mmol)を5分かけて滴下し、その後ゆっくりと室温まで昇
温し、室温で4時間撹拌を続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を、-78℃に冷却
した四塩化チタン溶液4.25ml(0.5mmol/mlヘプタン溶液、2.13mmol)とジエチルエーテル20ml混合液に徐々に滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。さらに室温で15時間撹拌した後、反応液を濾別し、ろ液を濃縮乾固して、固体を得た。得られた固体を塩化メチレン、ジエチルエーテルとヘキサンで再沈し、減圧乾燥させることにより茶色粉末の化合物A-23を0.26g(0.44mmol収率21%)得た。
Figure 0003874751
1H-NMR(CDCl3): 0.82-1.40(m,12H) 2.90-3.30(m,2H) 6.60-7.40(m,16H) 8.10(s,2H)
FD-質量分析 : 594(M+)
元素分析 : Ti;8.0%(8.0) ( )内は計算値
[合成実施例47]
化合物B-23の合成
充分に乾燥、アルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L23;1.02g(4.25mmol)とジエ
チルエーテル20mlを仕込み、-78℃に冷却し撹拌した。これにn-ブチルリチウム3.43ml(1.55mmol/ml n-ヘキサン溶液、5.32mmol)を5分かけて滴下し、その後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を-78℃に冷却
した四塩化ジルコニウム(0.50g,2.15mmol)とジエチルエーテル20ml混合液に滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。さらに室温で15時間撹拌した後、グラスフィルターで不溶物を除去した。ろ液を減圧濃縮し、析出した固体をジエチルエーテル、塩化メチレンとヘキサンで再沈し、減圧乾燥させることにより下記式で示される黄緑色粉末の化合物B-23を0.61g(0.96mmol収率45%)得た。
Figure 0003874751
1H-NMR(CDCl3): 0.80-1.30(m,12H) 2.90-3.25(m,2H) 6.72-7.43(m,16H) 8.20(s,2H)
FD-質量分析 : 638(M+)
元素分析 : Zr;14.0%(14.3) ( )内は計算値
[合成実施例48]
化合物A-24の合成
充分に乾燥、アルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L24;0.52g(2.05mmol)とジエ
チルエーテル40mlを仕込み、-78℃に冷却し撹拌した。これにn-ブチルリチウム1.36ml(1.55mmol/ml n-ヘキサン溶液2.11mmol)を5分かけて滴下し、その後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を続け、リチウム塩スラリーを調製した。この溶液を-78℃に冷
却した四塩化チタン溶液2.04ml(0.5mmol/mlヘプタン溶液、1.02mmol)とジエチルエーテ
ル40ml、テトラヒドロフラン20ml混合液に徐々に滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。さらに室温で15時間撹拌した後、反応液を溶媒留去した。得られた固体をジエチルエーテル100mlでリスラリーし、グラスフィルターで不溶物を
分別し、ろ滓をジエチルエーテルで洗浄後、塩化メチレンに溶解し、溶解液中の不溶物を除去した後、溶解液を減圧濃縮し、析出した固体をヘキサンで洗浄し、減圧乾燥させることにより橙色粉末の化合物A-24を0.12g(0.19mmol収率19%)得た。
Figure 0003874751
1H-NMR(CDCl3): 0.80-2.30(m,18H) 6.30-9.20(m,14H) 8.35(brs,2H)
FD-質量分析 : 624(M+)
元素分析 : Ti;8.1%(7.7) ( )内は計算値
[合成実施例49]
化合物B-24の合成
充分に乾燥、アルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L24;0.76g(2.99mmol)とジエ
チルエーテル40mlを仕込み、-78℃に冷却し撹拌した。これにn-ブチルリチウム1.91ml(1.61mmol/ml n-ヘキサン溶液、3.08mmol)を5分かけて滴下し、その後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を続け、リチウム塩スラリーを調製した。この溶液を-78℃に
冷却した四塩化ジルコニウム・2THF錯体(0.563g,1.49mmol)のテトラヒドロフラン80ml混合溶液に滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。
さらに室温で15時間撹拌した後、トルエン50mlを加えて80℃で10時間、90℃で30時間加熱攪拌した。反応液を溶媒留去し、得られた固体をジエチルエーテル150mlでリスラリーし
、グラスフィルターで不溶物を分別した。ろ物をジエチエルエーテルで洗浄後、塩化メチレンで溶解し、溶解液中の不溶物を取り除いた後、溶解液を減圧濃縮する。析出した固体をヘキサンで洗浄し、減圧乾燥させることにより下記式で示される黄色粉末の化合物B-24を0.43g(0.64mmol収率43%)得た。
Figure 0003874751
1H-NMR(CDCl3): 0.60-2.30(m,18H) 6.30-9.40(m,14H) 8.35(brs,2H)
FD-質量分析 : 668(M+)
元素分析 : Zr;13.2%(13.6) ( )内は計算値
[合成実施例50]
化合物A-25の合成
充分に乾燥、アルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L25;0.50g(1.93mmol)とジエ
チルエーテル20mlを仕込み、-78℃に冷却し撹拌した。これにn-ブチルリチウム1.42ml(1.55mmol/ml n-ヘキサン溶液2.20mmol)を5分かけて滴下し、その後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を-78℃に冷却し
た四塩化チタン溶液1.93ml(0.5mmol/mlヘプタン溶液、0.97mmol)とジエチルエーテル50ml混合液に徐々に滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。さらに室温で15時間撹拌した後、反応液をグラスフィルターで濾過し、ろ物をジエチルエーテルで洗浄後、塩化メチレンに溶解した。溶解液中の不溶物を除去した後、溶解液を減圧濃縮し、析出した固体をヘキサンで洗浄し、減圧乾燥させることにより赤茶色粉末の化合物A-25を0.11g(0.17mmol収率18%)得た。
Figure 0003874751
1H-NMR(CDCl3): 1.65(s,18H) 0.50-2.40(m,20H) 3.85(brdt,2H) 6.90-7.70(m,6H) 8.20(s,2H)
FD-質量分析 : 634(M+)
元素分析 : Ti;7.6%(7.5) ( )内は計算値
[合成実施例51]
化合物B-25の合成
充分に乾燥、アルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L25;0.50g(1.93mmol)とジエ
チルエーテル20mlを仕込み、-78℃に冷却し撹拌した。これにn-ブチルリチウム1.42ml(1.55mmol/ml n-ヘキサン溶液、2.20mmol)を5分かけて滴下し、その後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を-78℃に冷却
した四塩化ジルコニウム(0.23g,0.99mmol)のジエチルエーテル50ml溶液に滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。さらに室温で15時間撹拌した後、反応液をグラスフィルターでろ過し、ろ液を減圧濃縮した。析出した固体をヘキサンで洗浄し、減圧乾燥させて下記式で示される黄土色粉末の化合物B-25を0.28g(0.41mmol
収率43%)得た。
Figure 0003874751
1H-NMR(CDCl3): 1.65(s,18H) 0.70-2.50(m,20H) 3.85(brdt,2H) 6.70-7.70(m,6H) 8.25(s,2H)
FD-質量分析 : 678(M+)
元素分析 : Zr;13.3%(13.4) ( )内は計算値
[合成実施例52]
化合物A-26の合成
充分に乾燥、アルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L26;0.61g(2.28mmol)とジエ
チルエーテル10mlを仕込み、-78℃に冷却し撹拌した。これにn-ブチルリチウム1.6ml(1.55mmol/ml n-ヘキサン溶液2.48mmol)を5分かけて滴下し、その後ゆっくりと室温まで昇
温し、室温で4時間撹拌を続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を、-78℃に冷却
した四塩化チタン溶液2.2ml(0.5mmol/mlヘプタン溶液、1.10mmol)とテトラヒドロフラ
ン10ml混合液に徐々に滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。さらに室温で12時間撹拌した後、反応液中の不溶物をグラスフィルターで濾過し、得られたろ液を減圧濃縮し、析出した固体を-78℃でジエチルエーテルとヘキサンで再沈
させ、減圧乾燥させて褐色粉末の化合物A-26を0.36g(0.55mmol収率51%)得た。
Figure 0003874751
1H-NMR(CDCl3): 1.33(s,18H) 2.14(s,6H) 6.60-7.68(m,14H) 8.03(s,2H)
FD-質量分析 : 650(M+)
元素分析 : Ti;7.4%(7.3) ( )内は計算値
[合成実施例53]
化合物B-26の合成
充分に乾燥、アルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L26;0.61g(2.28mmol)とジエ
チルエーテル10mlを仕込み、-78℃に冷却し撹拌した。これにn-ブチルリチウム1.6ml(1.55mmol/ml n-ヘキサン溶液、2.48mmol)を5分かけて滴下し、その後ゆっくりと室温まで
昇温し、室温で4時間撹拌を続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を-78℃に冷却
した四塩化ジルコニウム(0.27g,1.15mmol)のジエチルエーテル10ml溶液に滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。さらに室温で12時間撹拌した後、不溶物をグラスフィルターで除去した。ろ液を減圧濃縮して析出した固体をジエチルエーテルとヘキサンで再沈させ、減圧乾燥させることにより下記式で示される黄緑色粉末の化合物B-26を0.14g(0.20mmol収率18%)得た。
Figure 0003874751
1H-NMR(CDCl3): 1.31(s,18H) 2.14(s,6H) 6.69-7.65(m,14H) 8.09(s,2H)
FD-質量分析 : 694(M+)
元素分析 : Zr;13.1%(13.1) ( )内は計算値
[合成実施例54]
化合物A-27の合成
充分に乾燥、アルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L27;0.30g(1.00mmol)とジエ
チルエーテル10mlを仕込み、-78℃に冷却し撹拌した。これにn-ブチルリチウム0.65ml(1.55mmol/ml n-ヘキサン溶液1.00mmol)を5分かけて滴下し、その後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を、-78℃に冷却
した四塩化チタン溶液1.0ml(0.5mmol/mlヘプタン溶液、0.50mmol)とジエチルエーテル10ml混合液に徐々に滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌を続け
た。室温で12時間撹拌、次いで還流下1時間撹拌した後、反応液中の不溶物をグラスフィルターで濾過した。ろ液を減圧濃縮して析出した固体をジエチルエーテルとヘキサンで再沈させ、減圧乾燥して橙色粉末の化合物A-27を0.18g(0.25mmol収率50%)得た。
Figure 0003874751
1H-NMR(CDCl3): 1.13(s,18H) 1.25(brd,6H) 1.28(brd,6H) 3.29(brdq,2H) 6.45-6.70(m,2H) 6.80-7.20(m,4H) 7.20-7.50(m,8H) 8.23(s,2H)
FD-質量分析 : 706(M+)
元素分析 : Ti;6.8%(6.8) ( )内は計算値
[合成実施例55]
化合物B-27の合成
充分に乾燥、アルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L27;0.95g(3.20mmol)とジエ
チルエーテル10mlを仕込み、-78℃に冷却し撹拌した。これにn-ブチルリチウム2.08ml(1.55mmol/ml n-ヘキサン溶液、3.22mmol)を5分かけて滴下し、その後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を-78℃に冷却
した四塩化ジルコニウム(0.37g,1.60mmol)のテトラヒドロフラン10ml溶液に滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。室温で12時間撹拌、次いで還流下6時間撹拌後、反応液を溶媒留去した。得られた固体を塩化メチレン50mlで溶解し、不溶物をグラスフィルターで不溶物を除去した。ろ液を減圧濃縮し、析出した固体を塩化メチレンとヘキサンで再沈させ、減圧乾燥して下記式で示される黄色粉末の化合物B-27を0.18g(0.24mmol収率15%)得た。
Figure 0003874751
1H-NMR(CDCl3): 1.10(s,18H) 1.10-1.40(m,12H) 3.20-3.30(m,2H) 6.30-6.60(m,2H) 6.70-7.10-7.60(m,8H) 8.28(s,2H)
FD-質量分析 : 750(M+)
元素分析 : Zr;12.0%(12.2)
C;63.5%(64.0) H;6.6%(6.4) N;3.5%(3.7) ( )内は計算値
[合成実施例56]
化合物A-28の合成
充分に乾燥、アルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L28;0.50g(1.37mmol)とジエ
チルエーテル40mlを仕込み、-78℃に冷却し撹拌した。これにn-ブチルリチウム0.92ml(1.55mmol/ml n-ヘキサン溶液1.43mmol)を5分かけて滴下し、その後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を-78℃に冷却し
た四塩化チタン溶液1.37ml(0.5mmol/mlヘプタン溶液、0.69mmol)とジエチルエーテル40ml混合液に徐々に滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。さらに室温で8時間撹拌した後、反応液をグラスフィルターで濾過し、ろ滓をジエチル
エーテルで洗浄して、不溶物を濾過して取り除き、ろ液を減圧濃縮し、析出した固体をヘキサンで洗浄し、減圧乾燥して茶色粉末の化合物A-28を0.17g(0.20mmol収率29%)得た。
Figure 0003874751
1H-NMR(CDCl3): 0.70-1.40(m,54H) 6.65-7.75(m,12H) 8.35(s,2H)
FD-質量分析 : 846(M+)
元素分析 : Ti;5.5%(5.7) ( )内は計算値
[合成実施例57]
化合物B-28の合成
充分に乾燥、アルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L28;0.50g(1.37mmol)とジエ
チルエーテル40mlを仕込み、-78℃に冷却し撹拌した。これにn-ブチルリチウム0.92ml(1.55mmol/ml n-ヘキサン溶液、1.43mmol)を5分かけて滴下し、その後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を-78℃に冷却
した四塩化ジルコニウム(0.16g,0.69mmol)の無水ジエチルエーテル20ml、テトラヒドロフラン50ml混合溶液に滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。さらに室温で12時間撹拌した後、反応液から溶媒を留去させた。得られた固体をジエチルエーテルでリスラリーし、グラスフィルターで不溶物を取り除いた後、ろ液を減圧濃縮した。析出した固体を-78℃においてヘキサンで再沈し、減圧乾燥させることによ
り下記式で示される黄色粉末の化合物B-28を0.26g(0.29mmol収率43%)得た。
Figure 0003874751
1H-NMR(CDCl3): 0.80-1.30(m,54H) 6.65(m,12H) 8.35(s,2H)
FD-質量分析 : 890(M+)
元素分析 : Zr;9.9%(10.2) ( )内は計算値
[合成実施例58]
化合物A-29の合成
充分に乾燥、アルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L29;0.60g(1.79mmol)とジエ
チルエーテル40mlを仕込み、-78℃に冷却し撹拌した。これにn-ブチルリチウム1.17ml(1.55mmol/ml n-ヘキサン溶液1.81mmol)を5分かけて滴下し、その後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を-78℃に冷却し
た四塩化チタン溶液1.79ml(0.5mmol/mlヘプタン溶液、0.90mmol)とジエチルエーテル50ml混合液に徐々に滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。さらに室温で12時間撹拌した後、反応液をグラスフィルターで濾過し、不溶物を除去した後、ろ液を減圧濃縮し、析出した固体をヘキサンで洗浄し、減圧乾燥して赤茶色粉末の化合物A-29を0.10g(0.13mmol収率14%)得た。
Figure 0003874751
1H-NMR(CDCl3): 0.80-2.30(m,20H) 1.55(s,18H) 3.65(brdt,2H) 6.60-8.10(m,16H)
FD-質量分析 : 786(M+)
元素分析 : Ti;6.4%(6.1) ( )内は計算値
[合成実施例59]
化合物B-29の合成
充分に乾燥、アルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L29;0.50g(1.48mmol)とジエ
チルエーテル40mlを仕込み、-78℃に冷却し撹拌した。これにn-ブチルリチウム1.02ml(1.61mmol/ml n-ヘキサン溶液、1.64mmol)を5分かけて滴下し、その後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を-78℃に冷却
した四塩化ジルコニウム・2THF錯体(0.26g,0.69mmol)のテトラヒドロフラン40ml溶液に滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。さらに室温で8時間撹拌した後、トルエン70mlを加え、80℃で20時間加熱攪拌を行った。反応液から
溶媒を留去させ、得られた固体をジエチルエーテル50mlでリスラリーし、グラスフィルターでろ過して不溶物を取り除いた後、ろ液を減圧濃縮して、再度固体を析出させた。析出した固体は、-78℃においてヘキサンで再沈させ、減圧乾燥させることにより下記式で示
される黄白色粉末の化合物B-29を0.04g(0.05mmol収率7%)得た。
Figure 0003874751
1H-NMR(CDCl3): 0.90-1.90(m,20H) 1.55(s,18H) 3.25(brdt,2H) 6.40-7.90(m,16H)
FD-質量分析 : 830(M+)
元素分析 : Zr;11.3%(11.0) ( )内は計算値
[合成実施例60]
化合物A-30の合成
充分に乾燥、アルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L30;0.51g(1.86mmol)とジエ
チルエーテル50mlを仕込み、-78℃に冷却し撹拌した。これにn-ブチルリチウム1.20ml(1.61mmol/ml n-ヘキサン溶液1.93mmol)を5分かけて滴下し、その後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を-78℃に冷却し
た四塩化チタン溶液1.85ml(0.5mmol/mlヘプタン溶液、0.93mmol)とテトラヒドロフラン
60ml溶液に徐々に滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。さらに室温で8時間撹拌した後、反応液を60℃に昇温して8時間加熱攪拌した。
反応液から溶媒を留去させて、固体を析出させ、得られた固体をジエチルエーテルでリスラリーし、グラスフィルターで濾過し、ろ滓をジエチルエーテルで洗浄した後、塩化メチレンに溶解した。溶解液中の不溶物を濾過して除去した後、ろ液を減圧濃縮し、析出した固体をヘキサンで洗浄し、減圧乾燥させることにより赤橙色粉末の化合物A-30を0.14g
(0.21mmol収率23%)得た。
Figure 0003874751
1H-NMR(CDCl3): 1.10-2.10(m,20H) 1.45(s,18H) 2.40(s,6H) 3.85(brdt,2H) 6.70-7.70(m,6H)
FD-質量分析 : 662(M+)
元素分析 : Ti;7.1%(7.2) ( )内は計算値
[合成実施例61]
化合物B-30の合成
充分に乾燥、アルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L30;0.51g(1.86mmol)とジエ
チルエーテル50mlを仕込み、-78℃に冷却し撹拌した。これにn-ブチルリチウム1.20ml(1.61mmol/ml n-ヘキサン溶液、1.93mmol)を5分かけて滴下し、その後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を-78℃に冷却
した四塩化ジルコニウム(0.22g,0.94mmol)のテトラヒドロフラン60ml溶液に滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。さらに室温で12時間撹拌した後、トルエン60mlを加え、85℃で12時間加熱攪拌を行った。
反応液から溶媒を留去させ、得られた固体をジエチルエーテル100mlでリスラリーし、
グラスフィルターでろ過し、不溶物を取り除いた後、ろ液を減圧濃縮した。析出した固体をヘキサンで洗浄し、減圧乾燥させることにより下記式で示される乳白色粉末の化合物B-30を0.10g(0.14mmol収率15%)得た。
Figure 0003874751
1H-NMR(CDCl3): 0.80-2.10(m,20H) 1.45(s,18H) 2.40(s,6H) 3.75(brdt,2H) 6.50-7.80(m,6H)
FD-質量分析 : 704(M+)
元素分析 : Zr;13.3%(12.9) ( )内は計算値
[合成実施例62]
化合物A-31の合成
充分に乾燥、アルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L31;1.00g(4.22mmol)とジエ
チルエーテル20mlを仕込み、-78℃に冷却し撹拌した。これにn-ブチルリチウム2.75ml(1.61mmol/ml n-ヘキサン溶液4.43mmol)を5分かけて滴下し、その後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を、-78℃に冷却
した四塩化チタン溶液4.22ml(0.5mmol/mlヘプタン溶液、2.11mmol)とジエチルエーテル20ml混合液に徐々に滴下した。
滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。室温で12時間撹拌した後、反応液をグラスフィルターで濾過した。ろ滓を塩化メチレン50mlで溶解し、溶解液中の不溶物を除去した後、溶解液を減圧蒸発乾固して、得られた固体を塩化メチレンとジエチルエーテルで再沈させ、減圧乾燥させて茶色粉末の化合物A-31を0.90g(1.55mmol収率72%)得た。
Figure 0003874751
1H-NMR(CDCl3): 6.70-7.40(m,16H) 7.90-8.20(m,2H)
FD-質量分析 : 578(M+)
元素分析 : Ti;8.0%(8.3) ( )内は計算値
[合成実施例63]
化合物B-31の合成
充分に乾燥、アルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L31;1.20g(5.18mmol)とジエ
チルエーテル24mlを仕込み、-78℃に冷却し撹拌した。これにn-ブチルリチウム3.38ml(1.61mmol/ml n-ヘキサン溶液、5.44mmol)を5分かけて滴下し、その後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を-78℃に冷却
した四塩化ジルコニウム(0.60g,2.57mmol)とジエチルエーテル24ml混合液に滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。室温で12時間撹拌した後、反応液をグラスフィルターでろ過した。ろ物を塩化メチレン60mlで溶解したのち、溶解液中の不溶物を除去したのち、溶解液を減圧濃縮し、析出した固体を塩化メチレンとヘキサンで再沈させ、減圧乾燥させて下記式で示される緑色粉末の化合物B-31を0.20g(0.32mmol収率12%)得た。
Figure 0003874751
1H-NMR(CDCl3): 6.70-7.45(m,16H) 7.90-8.25(m,2H)
FD-質量分析 : 621(M+)
元素分析 : Zr;14.9%(14.6) ( )内は計算値
[合成実施例64]
化合物A-32の合成
充分に乾燥、アルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L32;1.00g(5.05mmol)とジエ
チルエーテル50mlを仕込み、-78℃に冷却し撹拌した。これにn-ブチルリチウム3.25ml(1.63mmol/ml n-ヘキサン溶液5.30mmol)を5分かけて滴下し、その後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を-78℃に冷却し
、四塩化チタン溶液2.52ml(0.5mmol/mlヘプタン溶液、1.26mmol)を徐々に滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。さらに室温で12時間撹拌した後、反応液をグラスフィルターで濾過し、ろ物をジエチルエーテルで洗浄後、塩化メチレンに溶解し、溶解液中の不溶物を除去した後、溶解液を減圧濃縮し、析出した固体をヘキサンで洗浄し、減圧乾燥させて橙色粉末の化合物A-32を0.23g(0.45mmol収率18%)得た。
Figure 0003874751
FD-質量分析 : 512(M+)
[合成実施例65]
化合物A-33の合成
充分に乾燥、アルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L33;1.09g(4.39mmol)とジエ
チルエーテル70mlを仕込み、-78℃に冷却し撹拌した。これにn-ブチルリチウム2.80ml(1.63mmol/ml n-ヘキサン溶液4.56mmol)を5分かけて滴下し、その後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を-78℃に冷却し
、四塩化チタン溶液8.78ml(0.5mmol/mlヘプタン溶液、4.39mmol)を徐々に滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。さらに室温で12時間撹拌した後、反応液をグラスフィルターで濾過し、ろ物をジエチルエーテルで洗浄後、塩化メチレンに溶解し、溶解液中の不溶物を除去した後、溶解液を減圧濃縮し、析出した固体をジエ
チルエーテルで洗浄し、減圧乾燥させて茶色粉末の化合物A-33を0.22g(0.36mmol収率16%)得た。
Figure 0003874751
FD-質量分析 : 612(M+)
[合成実施例66]
化合物A-34の合成
充分に乾燥、アルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L34;0.60g(2.13mmol)とジエ
チルエーテル40mlを仕込み、-78℃に冷却し撹拌した。これにn-ブチルリチウム2.75ml(1.63mmol/ml n-ヘキサン溶液4.48mmol)を5分かけて滴下し、その後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を-78℃に冷却し
、四塩化チタン・テトラヒドロフラン錯体0.71g(2.13mmol)を徐々に添加した。滴下終
了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。さらに室温で8時間撹拌した後、
反応液をグラスフィルターで濾過し、ろ物をジエチルエーテルで洗浄後、塩化メチレンに溶解した。溶解液中の不溶物を除去した後、溶解液を減圧濃縮し、析出した固体をヘキサンで洗浄し、減圧乾燥させて赤色粉末の化合物A-34を0.19g(0.48mmol収率23%)得た。
Figure 0003874751
FD-質量分析 : 398(M+)
[合成実施例67]
化合物A-35の合成
充分に乾燥、アルゴン置換した100mlの反応器に、水素化ナトリウム0.19g(60wt%品4.75mmol)とテトラヒドロフラン50mlを仕込み、室温で攪拌しながら化合物L35;1.00g(2.30mmol)とテトラヒドロフラン20ml溶液を5分かけて滴下し、その後ゆっくりと室温まで昇温し、50℃で2時間撹拌を続け、ナトリウム塩溶液を調製した。この溶液を室温で攪拌した四塩化チタン・テトラヒドロフラン錯体0.77g(2.31mmol)とテトラヒドロフラン50ml溶
液に徐々に滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。さらに室温で8時間撹拌した後、反応液をグラスフィルターで濾過し、ろ物をジエチルエーテ
ルで洗浄後、不溶物を濾過して除去した後、ろ液を減圧濃縮し、析出した固体をジエチル
エーテルでリスラリーし、反応液をグラスフィルターで濾過し、ろ滓をジエチルエーテルで洗浄した後、塩化メチレンに溶解した。溶解液中の不純物を除去した後、溶解液を減圧濃縮し、析出した固体をヘキサンで洗浄し、減圧乾燥させること
により赤橙色粉末の化合物A-35を1.10g(2.00mmol収率87%)得た。
Figure 0003874751
FD-質量分析 : 550(M+)
[合成実施例68]
化合物A-36の合成
充分に乾燥、アルゴン置換した100mlの反応器に、水素化ナトリウム0.19g(60wt%品4.75mmol)とテトラヒドロフラン50mlを仕込み、室温で攪拌しながら化合物L36;1.00g(2.23mmol)とテトラヒドロフラン20ml溶液を5分かけて滴下し、その後ゆっくりと室温まで昇温し、50℃で2時間撹拌を続け、ナトリウム塩溶液を調製した。この溶液を-78℃に冷却し、四塩化チタン溶液4.50ml(0.5mmol/mlヘプタン溶液、2.25mmol)を徐々に滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。さらに室温で8時間撹拌した後
、反応液をグラスフィルターで濾過し、ろ物をジエチルエーテルで洗浄した後、塩化メチレンに溶解した。溶解液中の不溶物を除去した後、溶解液を減圧濃縮し、析出した固体をヘキサンで洗浄し、減圧乾燥させることにより橙色粉末の化合物A-36を0.55g(0.97mmol
収率44%)得た。
Figure 0003874751
FD-質量分析 : 564(M+)
[合成実施例69]
化合物B-37の合成
充分に乾燥、アルゴン置換した100mlの反応器に、水素化ナトリウム0.30g(60wt%品7.50mmol)とテトラヒドロフラン50mlを仕込み、室温で攪拌しながら化合物L37;1.00g(3.16mmol)とテトラヒドロフラン20ml溶液を5分かけて滴下し、その後ゆっくりと室温まで昇温し、60℃で2時間撹拌を続け、ナトリウム塩溶液を調製した。この溶液を室温で攪拌した四塩化ジルコニウム・2THF錯体1.19g(3.15mmol)とテトラヒドロフラン50ml溶液に
徐々に滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。さらに室
温で8時間撹拌した後、反応液をグラスフィルターで濾過し、ろ物をテトラヒドロフラン
で洗浄後、不溶物を濾過して除去した後、ろ液の溶媒を3分の1程減圧濃縮し、析出した固体をグラスフィルターで濾過し、析出物を冷テトラヒドロフランで洗浄し、減圧乾燥させて黄色粉末の化合物B-37を1.00g(2.10mmol収率66%)得た。
Figure 0003874751
FD-質量分析 : 474(M+)
[合成実施例70]
化合物B-38の合成
充分に乾燥、アルゴン置換した100mlの反応器に、水素化ナトリウム0.23g(60wt%品5.75mmol)とテトラヒドロフラン50mlを仕込み、室温で攪拌しながら化合物L38;1.00g(2.73mmol)とテトラヒドロフラン20ml溶液を5分かけて滴下し、その後ゆっくりと室温まで昇温し、50℃で2時間撹拌を続け、ナトリウム塩溶液を調製した。この溶液を室温で攪拌した四塩化ジルコニウム・2THF錯体1.03g(2.73mmol)とテトラヒドロフラン50ml溶液に
徐々に滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。さらに室温で8時間撹拌した後、反応液をグラスフィルターで濾過し、ろ物をテトラヒドロフラン
で洗浄後、不溶物を濾過して除去した後、ろ液を2時間放置することにより固体を析出さ
せた。この析出固体をグラスフィルターで濾過し、ろ物を冷テトラヒドロフランで洗浄し、減圧乾燥させて黄色粉末の化合物B-38を1.15g(2.18mmol収率80%)得た。
Figure 0003874751
FD-質量分析 : 524(M+)
[合成実施例71]
化合物A-39の合成
充分に乾燥、アルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L39;0.50g(1.87mmol)とジエ
チルエーテル50mlを仕込み、-78℃に冷却し撹拌した。これにn-ブチルリチウム1.20ml(1.61mmol/ml n-ヘキサン溶液1.93mmol)を5分かけて滴下し、その後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を-78℃に冷却し
た四塩化チタン溶液1.87ml(0.5mmol/mlヘプタン溶液、0.94mmol)とジエチルエーテル70
ml混合液に徐々に滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。さらに室温で8時間撹拌した後、反応液をグラスフィルターで濾過し、ろ物をジエチル
エーテルで洗浄後、塩化メチレンに溶解させた。溶解液中の不溶物を除去した後、溶解液を減圧濃縮し、析出した固体をヘキサンで洗浄し、減圧乾燥させることにより赤色粉末の化合物A-39を0.11g(0.17mmol収率18%)得た。
Figure 0003874751
1H-NMR(CDCl3): 1.65(s,18H) 4.65(d,2H) 5.00(d,2H) 6.75-7.70(m,16H) 7.75(s,2H)
FD-質量分析 : 650(M+)
元素分析 : Ti;7.2%(7.3) ( )内は計算値
[合成実施例72]
化合物B-39の合成
充分に乾燥、アルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L39;0.50g(1.87mmol)とジエ
チルエーテル40mlを仕込み、-78℃に冷却し撹拌した。これにn-ブチルリチウム1.20ml(1.61mmol/ml n-ヘキサン溶液、1.93mmol)を5分かけて滴下し、その後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を-78℃に冷却
した四塩化ジルコニウム・2THF錯体(0.352g,0.93mmol)のテトラヒドロフラン50ml
混合溶液に滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。さらに室温で8時間撹拌した後、反応液を60℃で3時間加熱攪拌した後、反応液から溶媒を留去させた。得られた固体をジエチルエーテル50mlでリスラリーし、グラスフィルターで不溶物を分別した。ろ物をジエチエルエーテル100mlで洗浄後、塩化メチレンに溶解し、不溶
物を取り除いた後、ろ液を減圧濃縮した。析出した固体をヘキサンで洗浄し、減圧乾燥させることにより下記式で示される黄白色粉末の化合物B-39を0.30g(0.43mmol収率46%)得た。
Figure 0003874751
1H-NMR(CDCl3): 1.60(s,18H) 4.65(d,2H) 4.95(d,2H) 6.70-7.70(m,16H) 7.85(s,2H)
FD-質量分析 : 694(M+)
元素分析 : Zr;12.9%(13.1) ( )内は計算値
[合成実施例73]
化合物A-40の合成
充分に乾燥、アルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L40;0.58g(2.02mmol)とジエ
チルエーテル40mlを仕込み、-78℃に冷却し撹拌した。これにn-ブチルリチウム1.50ml(1.61mmol/ml n-ヘキサン溶液2.42mmol)を5分かけて滴下し、その後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を-78℃に冷却し
た四塩化チタン溶液2.00ml(0.5mmol/mlヘプタン溶液、1.00mmol)とジエチルエーテル80ml混合液に徐々に滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。さらに室温で8時間撹拌した後、反応液をグラスフィルターで濾過し、不溶物を除去し
た後、ろ液を減圧濃縮し、析出した固体を-78℃においてヘキサンで再沈させ、減圧乾燥
して赤橙色粉末の化合物A-40を0.19g(0.28mmol収率28%)得た。
Figure 0003874751
1H-NMR(CDCl3): 0.80-1.80(m,18H) 6.50-7.90(m,14H) 8.00-8.20(m,2H)
FD-質量分析 : 692(M+)
元素分析 : Ti;7.0%(6.9) ( )内は計算値
[合成実施例74]
化合物B-40の合成
充分に乾燥、アルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L40;0.58g(2.02mmol)とジエ
チルエーテル40mlを仕込み、-78℃に冷却し撹拌した。これにn-ブチルリチウム1.50ml(1.61mmol/ml n-ヘキサン溶液、2.42mmol)を5分かけて滴下し、その後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を-78℃に冷却
した四塩化ジルコニウム・2THF錯体(0.38g,1.00mmol)のテトラヒドロフラン80ml混合溶液に滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。さらに室温で8時間撹拌した後、反応液から溶媒を留去させた。得られた固体をジエチルエーテ
ル150mlでリスラリーし、グラスフィルターで不溶物を取り除いた後、ろ液を減圧濃縮し
た。析出した固体を-78℃においてヘキサンで再沈し、減圧乾燥させることにより下記式
で示される黄色粉末の化合物B-40を0.23g(0.31mmol収率31%)得た。
Figure 0003874751
1H-NMR(CDCl3): 0.80-1.70(m,18H) 6.50-7.90(m,14H) 8.20(s,2H)
FD-質量分析 : 734(M+)
元素分析 : Zr;12.2%(12.4) ( )内は計算値
[合成実施例75]
化合物A-41の合成
充分に乾燥、アルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L41;0.50g(1.15mmol)とジエ
チルエーテル10mlを仕込み、-78℃に冷却し撹拌した。これにn-ブチルリチウム1.47ml(1.61mmol/ml n-ヘキサン溶液2.36mmol)を5分かけて滴下し、その後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を、-78℃に冷却
した四塩化チタン溶液2.3ml(0.5mmol/mlヘプタン溶液、1.15mmol)とジエチルエーテル10ml混合液に徐々に滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌を続け
た。室温で8時間撹拌した後、反応液から溶媒を留去させ、得られた固体を塩化メチレン25mlに溶解した。溶解液中の不溶物をグラスフィルターを用いて濾過した後、溶解液を減
圧濃縮し、析出した固体をジエチルエーテル、塩化メチレンとヘキサンで再沈させ、減圧乾燥させることにより橙色粉末の化合物A-41を0.49g(0.93mmol収率76%)得た。
Figure 0003874751
FD-質量分析 : 525(M+)
元素分析 : Ti;8.9%(9.1) ( )内は計算値
[合成実施例76]
化合物B-41の合成
充分に乾燥、アルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L41;0.50g(1.15mmol)とジエ
チルエーテル10mlを仕込み、-78℃に冷却し撹拌した。これにn-ブチルリチウム1.47ml(1.61mmol/ml n-ヘキサン溶液、2.36mmol)を5分かけて滴下し、その後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を-78℃に冷却
した四塩化ジルコニウム・2THF錯体(0.43g,1.15mmol)のテトラヒドロフラン10ml溶液に滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。室温で8時
間撹拌、次いで還流下12時間撹拌後、反応液を溶媒留去した。得られた固体を塩化メチレン25mlに溶解させ、溶解液から不溶物をグラスフィルターで除去した。溶解液を減圧濃縮して析出した固体を塩化メチレン、ジエチルエーテルとヘキサンで再沈させ、減圧乾燥させて下記式で示される黄色粉末の化合物B-41を0.36g(0.63mmol収率51%)得た。
Figure 0003874751
1H-NMR(CDCl3): 1.41(s,18H) 2.10(s,2H) 3.70(s,2H) 6.94(t,2H) 7.30(dd,2H) 7.50(dd,2H) 8.39(s,2H)
FD-質量分析 : 568(M+)
元素分析 : Zr;16.2%(16.0) ( )内は計算値
[合成実施例77]
化合物A-42の合成
充分に乾燥、アルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L42;0.500g(1.22mmol)とジエチルエーテル10mlを仕込み、-78℃に冷却し撹拌した。これにn-ブチルリチウム1.52ml(1.61mmol/ml n-ヘキサン溶液2.45mmol)を5分かけて滴下し、その後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を、-78℃に冷却
した四塩化チタン溶液2.45ml(0.5mmol/mlヘプタン溶液、1.23mmol)とジエチルエーテル10ml混合液に徐々に滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。室温で8時間撹拌した後、反応液を溶媒留去し、得られた固体を塩化メチレン25mlに
溶解した。溶解液から不溶物をグラスフィルターで濾過した後、溶解液を減圧濃縮し、析出した固体をジエチルエーテル、塩化メチレンとヘキサンで再沈させ、減圧乾燥させることにより赤茶色粉末の化合物A-42を0.25g(0.45mmol収率40%)得た。
Figure 0003874751
FD-質量分析 : 552(M+)
元素分析 : Ti;9.0%(8.7) ( )内は計算値
[合成実施例78]
化合物B-42の合成
充分に乾燥、アルゴン置換した100mlの反応器に、化合物L42;0.50g(1.22mmol)とジエ
チルエーテル10mlを仕込み、-78℃に冷却し撹拌した。これにn-ブチルリチウム1.52ml(1
.61mmol/ml n-ヘキサン溶液、2.45mmol)を5分かけて滴下し、その後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を-78℃に冷却
した四塩化ジルコニウム・2THF錯体(0.46g,1.22mmol)のテトラヒドロフラン10ml溶液に滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。室温で8時
間撹拌、次いで還流下6時間撹拌後、反応液から溶媒を留去させた。得られた固体を塩化
メチレン25mlに溶解させ、溶解液中の不溶物をグラスフィルターで不溶物を除去した。溶解液を減圧濃縮し、析出した固体を塩化メチレン、ジエチルエーテルとヘキサンで再沈させ、減圧乾燥させることにより下記式で示される黄色粉末の化合物B-42を0.22g(0.37mmol収率32%)得た。
Figure 0003874751
FD-質量分析 : 596(M+)
元素分析 : Zr;15.5%(15.3) ( )内は計算値
なお、以上の遷移金属化合物合成における操作はすべてアルゴン、もしくは窒素雰囲気下行い、溶媒は市販の無水溶媒を用いた。
以下に本発明に係る重合方法の具体的な実施例を示す。
[実施例1]
充分に窒素置換した内容積500mlのガラス製オートクレーブにトルエン250mlを装入し、エチレン100リットル/hrで液相および気相をエチレンで飽和させた。その
後、メチルアルミノキサン(MAO)をアルミニウム原子換算で1.1875mmol、引き続き、前記合成実施例1で得られた化合物A-1 を0.00475mmol加え重合を開始した。常圧のエチレンガス雰囲気下、25℃で30分間反応させた後、少量のイソブタノールを添加することにより重合を停止した。重合終了後、反応物を大量のメタノールに投入してポリマーを全量析出させた後、塩酸を加えてグラスフィルターで濾過した。ポリマーを80℃、10時間で減圧乾燥した後、ポリエチレン(PE)を8.02g得た。
重合活性は3400g/mmol-Ti・hrであり、得られたポリエチレンの極限粘度[η]は
8.44dl/gであった。
[実施例2]
充分に窒素置換した内容積500mlのガラス製オートクレーブに、トルエン250mlを装入し、エチレン100リットル/hrで液相、及び気相を飽和させた。その後、メチ
ルアルミノキサンをアルミニウム原子換算で1.25mmol、化合物A-1 を0.005mmol加え、重合を開始した。50℃にて10分間重合を行った後、少量のイソブタノールを添加することにより重合を停止した。
得られたポリマ−懸濁液を、少量の塩酸を含む1.5リットルのメタノール中に加えてポリマーを析出させた。グラスフィルターでろ過し溶媒を除いた後、メタノールで洗浄し
、80℃にて10時間減圧乾燥した。得られたポリエチレンは、3.30gであり、重合活性は3960g/mmol-Ti・hrであり、極限粘度[η]は6.37dl/gであった。
[実施例3]
重合温度を75℃にした以外は実施例2と同様に重合を行った。結果を表1に示す。
[実施例4]
重合温度を25℃にし、かつエチレンとともに水素を2リットル/hrで供給した以外は
、実施例2と同様に重合を行った。結果を表1に示す。
[実施例5]
充分に窒素置換した内容積500mlのガラス製オートクレーブにトルエン250mlを装入し、液相および気相をエチレン100リットル/hr で飽和させた。その後、トリイソブチルアルミニウム(TIBA)を0.25mmol、引き続き化合物A-1 を0.005mmol、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(TrB)を0.006mmol加え重合を開始した。常圧のエチレンガス雰囲気下、25℃で1時間反応させた後、少量のイソブタノールを添加することにより重合を停止した。重合終了後、反応物を大量のメタノールに投入してポリマーを全量析出させた後、塩酸を加えてグラスフィルターで濾過した。ポリマーを80℃にて10時間減圧乾燥した後、ポリエチレン(PE)を0.50g得た。
重合活性は100g/mmol-Ti・hrであり、極限粘度[η]は10.6dl/gであった。
[実施例6]
充分に窒素置換した内容積500mlのガラス製オートクレーブに、トルエン250mlを装入し、エチレン100リットル/hrで液相及び気相を飽和させた。その後、トリイ
ソブチルアルミニウム0.25mmol、化合物A-1 を0.005mmol、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートを0.006mmol加え、重合を開始した。75℃にて30分間重合を行った後、少量のイソブタノールを添加することにより重合を停止した。
得られたポリマ−懸濁液を、少量の塩酸を含む1.5リットルのメタノール中に加えてポリマーを析出させた。グラスフィルターでろ過して溶媒を除いた後、メタノールで洗浄し、80℃にて10時間減圧乾燥した。得られたポリエチレンは、0.71gであり、重合活性は280g/mmol-Ti・hrであり、極限粘度[η]は7.22dl/gであった。
[実施例7]
充分に窒素置換した内容積500mlのガラス製オートクレーブに、トルエン250mlを装入し、エチレン100リットル/hrで液相、及び気相を飽和させた。その後、メチ
ルアルミノキサンをアルミニウム原子換算で2.5mmol、引き続き、前記合成実施例2で得られたジルコニウム化合物B-1 を0.005mmol加え重合を開始した。常圧のエチレンガス雰囲気下、25℃で5分間反応させた後、少量のイソブタノールを添加することにより重合を停止した。重合終了後、反応物を大量のメタノールに投入してポリマーを全量析出させた後、塩酸を加えてグラスフィルターで濾過した。ポリマーを80℃にて10時間減圧乾燥した後、ポリエチレンを6.10g得た。
重合活性は14600g/mmol-Zr・hrであり、極限粘度[η]は0.30dl/gであ
った。
[実施例8〜24]
重合条件を表1に示すように変えた以外は、実施例7と同様にしてエチレンの重合を行った。結果を表1に示す。
[実施例25]
充分に窒素置換した内容積500mlのガラス製オートクレーブに、トルエン250mlを装入し、エチレン100リットル/hrで液相及び気相を飽和させた。その後、トリイ
ソブチルアルミニウムを0.25mmolを加えた後、トリイソブチルアルミニウムを0.05mmol、化合物B-1 を0.005mmolおよびトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート0.006mmol予め混合した溶液を加え重合を開始した。常圧のエチレンガス雰囲気下、25℃で5分間重合を行った後、少量のイソブタノールを添加することにより重合を停止した。得られたポリマー溶液を、少量の塩酸を含む1.5リットルのメタノール中に加えてポリマーを析出させた。メタノールで洗浄後、80℃にて10時間減圧乾燥した。得られたポリエチレンは、0.99gであり、重合活性は2380g/mmol-Zr・hrであり、極限粘度[η]は22.4dl/gであっ
た。
[実施例26]
充分に窒素置換した内容積500mlのガラス製オートクレーブに、トルエン250mlを装入し、エチレン100リットル/hrで液相及び気相を飽和させた。その後、トリイ
ソブチルアルミニウムを0.25mmol、次いで化合物B-1 を0.0005mmol、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートを0.001mmol加え重合を開始した。常圧のエチレンガス雰囲気下、25℃で10分間反応させた。重合終了後、反応物を大量のメタノールに投入してポリマーを全量析出させた後、塩酸を加えてグラスフィルターで濾過した。ポリマーを80℃にて10時間減圧乾燥した後、ポリエチレンを0.34g得た。
重合活性は4080g/mmol-Zr・hrであり、極限粘度[η]は12.6dl/gであっ
た。
[実施例27〜31]
重合条件を表1に示すように変えた以外は、実施例26と同様にしてエチレンの重合を行った。結果を表1に示す。
Figure 0003874751
[実施例32〜36]
表2に示す化合物を用いて、表2に示すように重合条件を変えた以外は、実施例7と同様にしてエチレンの重合を行った。結果を表2に示す。
Figure 0003874751
[実施例37〜52]
表3に示す化合物を用いて、表3に示すような重合条件で、助触媒としてメチルアルミノキサンを用いた場合には、実施例7と同様にしてエチレンの重合を行った。また、助触媒としてトリイソブチルアルミニウムおよびトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートを用いた場合には、実施例26と同様にしてエチレンの重合を行った。
結果を表3に示す。
Figure 0003874751
[実施例53〜78]
表4に示す化合物を用いて、表4に示すような重合条件で、助触媒としてメチルアルミノキサンを用いた場合には実施例7と同様にしてエチレンの重合を行った。また、助触媒としてトリイソブチルアルミニウムおよびトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートを用いた場合には、実施例26と同様にしてエチレンの重合を行った。
結果を表4に示す。
Figure 0003874751
[実施例79〜111]
表5に示す化合物を用いて、表5に示すような重合条件で、助触媒としてメチルアルミノキサンを用いた場合には実施例7と同様にしてエチレンの重合を行った。また、助触媒としてトリイソブチルアルミニウムおよびトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートを用いた場合には、実施例26と同様にしてエチレンの重合を行った。
結果を表5に示す。
Figure 0003874751
[実施例112〜121]
表6に示す化合物を用いて、表6に示すような重合条件で、助触媒としてメチルアルミノキサンを用いた場合には実施例7と同様にしてエチレンの重合を行った。また、助触媒としてトリイソブチルアルミニウムおよびトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートを用いた場合には、実施例26と同様にしてエチレンの重合を行った。
結果を表6に示す。
Figure 0003874751
[実施例122〜130]
表7に示す化合物を用いて、表7に示すような重合条件で、助触媒としてメチルアルミノキサンを用いた場合には実施例7と同様にしてエチレンの重合を行った。また、助触媒としてトリイソブチルアルミニウムおよびトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートを用いた場合には、実施例26と同様にしてエチレンの重合を行った。
結果を表7に示す。
Figure 0003874751
[実施例131]
充分に窒素置換した内容積500mlのガラス製オートクレーブに、トルエン250mlを装入し、エチレン50リットル/hr、プロピレン150リットル/h rの混合ガスで液
相および気相を飽和させた。その後、メチルアルミノキサンをアルミニウム原子換算で1.25mmol、化合物A-1 を0.005mmol加え、共重合を開始した。25℃で15分間共重合を行った後、少量のイソブタノールを添加することにより重合を停止した。
得られたポリマー懸濁液を、少量の塩酸を含む1.5リットルのメタノール中に加えてポリマーを析出させた。グラスフィルターでろ過して溶媒を除いた後、メタノールで洗浄し、80℃にて10時間減圧乾燥した。得られたエチレン・プロピレン共重合体は、0.95gであり、重合活性は760g/mmol-Ti・hrであり、IRにより測定したプロピレン
含量は4.67mol%であり、極限粘度[η]は2.21dl/gであった。
[実施例132]
充分に窒素置換した内容積500mlのガラス製オートクレーブに、トルエン250mlを装入し、エチレン100リットル/hr、プロピレン100リットル/hrの混合ガスで液相および気相を飽和させた。その後、トリイソブチルアルミニウムを0.25mmol加えた後、トリイソブチルアルミニウムを0.025mmol、化合物B-1 を0.0025mmolおよびトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(TrB)を0.005mmolあらかじめ混合した溶液を加え、共重合を開始した。50℃で5分間共重合を行った後、少量のイソブタノールを添加することにより重合を停止した。
得られたポリマー溶液を、少量の塩酸を含む1.5リットルのメタノール中に加えてポリマーを析出させた。析出したポリマーはメタノールで洗浄したのち、130℃にて10時間減圧乾燥した。得られたエチレン・プロピレン共重合体は、1.63gであり、重合活性は7820g/mmol-Zr・hrであり、IRにより測定したプロピレン含量は20.7mol%であり、極限粘度[η]は13.4dl/gであった。
[実施例133]
化合物B-1 を用いて、モノマーの流量をエチレン50リットル/hr、プロピレン150
リットル/hr に変え、かつ重合温度および触媒量を表8に示すように変えた以外は、実施例132と同様にして、共重合を行った。
結果を表8に示す。
[実施例134〜149]
表8に示す化合物を用いて、実施例131と同様にして共重合を行った。
結果を表8に示す。
Figure 0003874751
[実施例150]
充分に窒素置換した内容積500mlのガラス製オートクレーブにトルエン250mlを装入し、さらに系内にエチレン100リットル/hとブタジエン20リットル/hを流通させた。10分後、メチルアルミノキサンをアルミニウム原子換算で5.0mmol、引き続き、チタン化合物A-1 を0.01mmol加え重合を開始した。常圧でエチレンとブタジエンの混合ガスを流通させながら、25℃で20分間反応させた後、少量のメタノールを加え重合を停止した。反応物を大量の塩酸-メタノールに投入してポリマーを全量
析出後、グラスフィルターで濾過した。80℃、10時間減圧乾燥すると、エチレン/ブタジエン共重合体0.53gが得られた。
チタン1mmol当たりの重合活性は149gであり、得られた共重合体の極限粘度[η]は1.46dl/gであった。またNMR分析より共重合体の全ブタジエンユニットの含量は0.9モル%(1,4-シス体と1,4-トランス体が合わせて0.8モル%、1,2-vinyl 体が0.1モル%、シクロペンタン骨格は0.1モル%未満(検出限界以下))であった。
[実施例151]
実施例150においてチタン化合物A-1 にかえて、ジルコニウム化合物B-1 を用い、重合時間を5分とした他は同様の操作で重合を行った。得られた共重合体の収量は、2.65gであった。
ジルコニウム1mmol当たりの重合活性は3180gであり、得られた共重合体の極限粘度[η]は0.70dl/gであった。またNMR分析より共重合体の全ブタジエンユニットの含量は1.2mol%(1,4-シス体と1,4-トランス体が合わせて1.1モル%、1,2-vinyl 体が0.1モル%、シクロペンタン骨格は0.1モル%未満(検出限界以下))であった。
[実施例152]
実施例151で重合時間を20分間、エチレンの流量を20リットル/h、ブタジエンの流量を80リットル/hにした他は同様の操作で重合を行った。得られた共重合体の収量は、0.74gであった。
ジルコニウム1mmol当たりの重合活性は446gであり、得られた共重合体の極限粘度[η]は0.87dl/gであった。またNMR分析より共重合体のブタジエンユニットの含量は5.3mol%(1,4-シス体と1,4-トランス体が合わせて4.7モル%、1,2-vinyl 体が0.6モル%、シクロペンタン骨格は0.1モル%未満(検出限界以下))であった。
[実施例153]
実施例151で重合時間を5分間、エチレンの流量を50リットル/h、ブタジエンの流量を50リットル/hにした以外は、実施例151と同様の操作で重合を行った。得られた共重合体の収量は、0.57gであった。
ジルコニウム1mmol当たりの重合活性は342gであり、得られた共重合体の極限粘度[η]は0.34dl/gであった。またNMR分析より共重合体のブタジエンユニットの含量は2.4mol%(1,4-シス体と1,4-トランス体が合わせて2.3モル%、1,2-vinyl 体が0.1モル%、シクロペンタン骨格は0.1モル%未満(検出限界以下))であった。
[実施例154]
実施例153において、重合温度を50℃とした以外は実施例153と同様の操作で重合を行った。得られた共重合体の収量は、0.627gであった。
重合活性は1488g/mmol-Zr・hrであり、得られた共重合体の極限粘度[η]は0.
16dl/gであった。またNMR分析より共重合体のブタジエンユニットの含量は3.3mol%(1,4-シス体と1,4-トランス体が合わせて3.2モル%、1,2-vinyl 体が0.1モル%、シクロペンタン骨格は0.1モル%未満(検出限界以下))であった。
[実施例155]
実施例153において、重合温度を50℃、エチレンの流量を40リットル/hr、ブタジエンの流量を60リットル/hrとした以外は、実施例153と同様の操作で重合を行った。得られた共重合体の収量は0.37gであった。
重合活性は888g/mmol-Zr・hrであり、得られた共重合体の極限粘度[η]は0.1
7dl/gであった。またNMR分析より共重合体のブタジエンユニットの含量は4.8mol%(1,4-シス体と1,4-トランス体が合わせて4.6モル%、1,2-vinyl 体が0.2モル%、シクロペンタン骨格は0.1モル%未満(検出限界以下))であった。
[実施例156]
実施例153において、重合温度を60℃、エチレンの流量を40リットル/hr、ブタジエンの流量を60リットル/hrとした以外は、実施例153と同様の操作で重合を行った。得られた共重合体の収量は0.417gであった。
重合活性は984g/mmol-Zr・hrであり、得られた共重合体の極限粘度[η]は0.1
2dl/gであった。またNMR分析より共重合体のブタジエンユニットの含量は5.8mol%(1,4-シス体と1,4-トランス体が合わせて5.6モル%、1,2-vinyl 体が0.2モル%、シクロペンタン骨格は0.1モル%未満(検出限界以下))であった。GPCにより測定した分子量分布(Mw/Mn)は1.85であった。
[実施例157]
実施例153において、重合温度を50℃、エチレンの流量を30リットル/hr、ブタジエンの流量を70リットル/hrとした以外は、実施例153と同様の操作で重合を行った。得られた共重合体の収量は0.24gであった。
重合活性は576g/mmol-Zr・hrであり、得られた共重合体の極限粘度[η]は0.1
4dl/gであった。またNMR分析より共重合体のブタジエンユニットの含量は6.6mol%(1,4-シス体と1,4-トランス体が合わせて6.3モル%、1,2-vinyl 体が0.2モル%、シクロペンタン骨格は0.1モル%未満(検出限界以下))であった。GPCにより測定した分子量分布(Mw/Mn)は2.05であった。
[実施例158]
充分に窒素置換したSUS製1リットルオートクレーブに、ヘプタン500mlを装入し、50℃にして、エチレンで、液相および気相を飽和させた。その後、メチルアルミノキサンをアルミニウム原子換算で1.25mmol、化合物A-1 を0.001mmolを加え、エチレン圧力8kg/cm2-G にて15分間重合を行った。
得られたポリマー懸濁液に少量の塩酸を含む1.5リットルのメタノールを加えてポリマーを析出させ、グラスフィルターで濾過し、溶媒を除いた後、メタノールで洗浄し、80℃にて10時間減圧乾燥した。得られたポリエチレンは11.22gであり、重合活性は44.9kg/mmol-Ti・hrであり、極限粘度[η]は7.91dl/gであった。
[実施例159〜162]
実施例158において、表9に示した化合物を用いて、表9に示すように重合条件を変えた以外は、実施例158と同様にして重合を行った。
結果を表9に示す。
Figure 0003874751
[実施例163]
固体触媒成分の調製
250℃で10時間乾燥したシリカ10kgを154リットルのトルエンで懸濁状にした後、0℃まで冷却した。その後メチルアルミノキサン溶液(Al=1.33モル/リットル)57.5リットルを1時間で滴下した。この際系内の温度を0℃に保った。引き続き0℃で30分間反応させ、次いで1.5時間かけて95℃まで昇温し、その温度で20時間反応させた。その後60℃まで降温し、上澄み液をデカンテーション法によって除去した。得られた固体触媒成分をトルエンで2回洗浄した後、トルエンで再懸濁化して固体触媒成分(A)を得た(全容積200リットル)。
このようにして得られた固体触媒成分(A)の懸濁液22.4mlを200mlのガラス製フラスコへ移し、更にトルエン175mlと化合物A−1のトルエン溶液(Ti=0.01mmol/リットル)4.8mlとを加え、室温で2時間攪拌した。この懸濁液を
ヘキサン200mlで3回洗浄し、ヘキサンを加えて200mlの懸濁液として固体触媒成分(B)を得た。
重合
十分に窒素置換したSUS製2リットルオートクレーブに、ヘプタン1リットルを装入し、50℃にしてエチレンで気相と液相を飽和させた。その後、トリイソブチルアルミニウム1.0mmol、固体触媒成分(B)を、含有するTi原子に換算して0.005mmol加え、エチレン圧力8kg/cm2-G にて90分間重合を行った。
得られたポリマー懸濁液をグラスフィルターでろ過し、ヘキサン500mlで2回洗浄し、80℃にて10時間減圧乾燥した。得られたポリエチレンは8.96gであり、重合活性は1790g/mmol-Ti・hr 、極限粘度[η]は11.7dl/gであった。
[実施例164]
充分に窒素置換した200ml反応器に、ヘプタン60ml、1-ヘキセン40mlを加え、25℃で撹拌した。ついでトリイソブチルアルミニウム0.25mmolを加えた後、あらかじめ混合しておいたトリイソブチルアルミニウム0.1mmol、化合物A−1を0.01mmol、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート0.012mmolの溶液を加え、重合を開始した。25℃で1時間反応を行った後、少量のイソブタノールを添加することにより重合を停止した。
得られたポリマー懸濁液を、アセトン1リットル中に少しずつ加えてポリマーを析出させ、溶媒と分離した後、130℃にて10時間減圧乾燥した。得られたポリヘキセンは3.15gであり、重合活性は315g/mmol-Ti・hr、GPC(ポリスチレン換算)で測定
した分子量は、Mw=146万、Mw/Mn=2.06であった。
[実施例165]
充分に窒素置換した500ml反応器に、トルエン250mlを加え、25℃で液相および気相をエチレンで飽和させた。その後、ブタジエン80リットル/hrを流通させながらトリイソブチルアルミニウムを1.0mmol、引き続きチタン化合物A-1 を0.01mmol、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートを0.02mmol加え重合を開始した。25℃で20分間反応させたのち、少量のイソブタノールを添加することにより重合を停止した。重合終了後、反応物を大量のメタノールに投入してポリマーを全量析出させた後、塩酸を加えてグラスフィルターで濾過した。ポリマーを80℃にて10時間減圧乾燥したのち、ポリブタジエン1.481gが得られた。
重合活性は444g/mmol-Ti・hrであり、得られたポリブタジエンの分子量はMw=1
76万(ポリスチレン換算)であった。
図1は、本発明に係る第1のオレフィン重合用触媒の調製工程を示す。 図2は、本発明に係る第2のオレフィン重合用触媒の調製工程を示す。 図3は、合成実施例1で製造された遷移金属化合物A−1のX線結晶構造解析から得られた構造を示す。 図4は、合成実施例2で製造された遷移金属化合物B−1のX線結晶構造解析から得られた構造を示す。

Claims (3)

  1. (A')下記一般式(II)で表される遷移金属化合物と、
    (B)(B-1) 有機金属化合物、
    (B-2) 有機アルミニウムオキシ化合物、および
    (B-3) 遷移金属化合物(A')と反応してイオン対を形成する化合物
    から選ばれる少なくとも1種の化合物とからなることを特徴とするオレフィン重合用触媒;
    Figure 0003874751
    (式中、Mはチタンまたはジルコニウムを示し、
    1〜R10は、互いに同一でも異なっていてもよく
    1 、R 2 は水素原子または炭化水素基を示し、R 3 〜R 5 、R 7 、R 9 は水素原子を示し、R 6 、R 10 は水素原子またはt-ブチル基を示し、
    nは、2であり、
    Xは、塩素原子であり、
    Yは、炭素原子3個以上からなる炭化水素基である)
  2. 請求項1に記載の遷移金属化合物(A')と、(B-1)有機金属化合物、(B-2)有機アルミ
    ニウムオキシ化合物および(B-3)イオン化イオン性化合物から選ばれる少なくとも1種の
    化合物(B)に加えて、担体(C)を含むことを特徴とするオレフィン重合用触媒。
  3. 請求項1ないし2のいずれかに記載のオレフィン重合用触媒の存在下にオレフィンを重合または共重合することを特徴とするオレフィンの重合方法。
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