JP2006306929A - オレフィン重合用触媒および超高分子量・狭分子量分布ポリエチレンの製造方法 - Google Patents
オレフィン重合用触媒および超高分子量・狭分子量分布ポリエチレンの製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
Description
メタロセン化合物を用いたオレフィン重合法としては、有機アルミニウムオキシ化合物を助触媒として不活性な炭化水素中でオレフィンを重合するスラリー重合法、液化したオレフィンモノマー中で重合する塊状重合法、気体のオレフィンモノマー中で重合する気相重合法などが挙げられるが、いずれの場合も重合中に生成するポリマーまたは有機アルミニウムオキシ化合物が反応器内壁に付着し、除熱能力の低下を引き起こし、さらに、反応器内で塊状物を生成し、ポリオレフィンの製造設備の安定な運転に支障を来たす。また、生成ポリマーの粒子径が非常に小さく、ポリマーの嵩密度も低く、生産性を著しく低下させる問題がある。
この問題を解決する方策の1つとして、シリカゲル、アルミナ等のような無機担体の代わりに、下記[化2]で表される単量体から導かれる構成単位がクロスリンクしたポリマーネットワーク構造を有する一次粒子(ナノパーティクル)が可逆凝集した二次粒子(ミクロパーティクル)から成る有機高分子担体を用いることが提案されており(特許文献6参照)、実際、ジルコノセン触媒を提案された担体に担持することで高いエチレン重合活性を実現している。
とを担持した触媒は、高い重合活性でオレフィンを重合することができ、しかも得られた重合体は微粉量が少なく、粒子性状に優れることを見出した。そして、このような触媒を用いてエチレンを重合すると、分子量分布が狭い超高分子量の重合体が得られることを見出して本発明を完成するに至った。
(A)少なくとも1種のオレフィニックモノマーと、少なくとも1種の複数のオレフィン部を有するモノマーと、少なくとも1種の極性基を有するモノマーとから得られるクロスリンクしたポリマーネットワーク構造を有する重合体からなる粒子が凝集した二次粒子からなる有機高分子担体に、
(B)下記一般式(I)で表される遷移金属化合物と、
(C)有機アルミニウム化合物と
が担持されてなることを特徴としている;
mは、1〜6の整数を示し、
R1〜R6は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示し、これらのうちの2個以上が互いに連結して環を形成していてもよく、また、mが2以上の場合にはR1
〜R6で示される基のうち2個の基が連結されていてもよく(但し、R1同士が結合されることはない)、
nは、Mの価数を満たす数であり、
Xは、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示し、nが2以上の場合は、Xで示される複数の基は互いに同一でも異なっていてもよく、またXで示される複数の基は互いに結合して環を形成してもよい。)。
本発明に係る超高分子量・狭分子量分布ポリエチレンの製造方法は、上記オレフィン重合触媒を用い、エチレン単独、またはエチレンと炭素原子数が3〜10のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種のα−オレフィンを重合することによって、
(1)135℃のデカリン中で測定した極限粘度[η]が10dl/g以上であり、
(2)分子量分布(Mw/Mn)が3.5以下であり、
(3)重合体中のSi原子含有量が5重量ppm以下である
重合体を製造することを特徴としている。
本発明に係るオレフィン重合触媒は、特定の有機高分子担体(A)に、(B)下記一般式(I)で表される遷移金属化合物と、(C)有機アルミニウム化合物とが担持されてなる。
本発明で用いられる(A)有機高分子担体は、少なくとも1種のオレフィニックモノマーと、少なくとも1種の複数のオレフィン部を有するモノマーと、少なくとも1種の極性
基を有するモノマーとから得られるクロスリンクしたポリマーネットワーク構造を有する重合体からなる粒子(一次粒子(ナノパーティクル))が凝集した二次粒子(ミクロパーティクル)からなる。
キレン、アルケニレン、アラルキル、アリーレン基を示し、これらはの基はヘテロ置換基を有していても良い。R6〜R9は、水素原子、ハロゲン原子、直鎖または分岐のアルキル、アルケニル、アラルキル、アリール基を示し、これらの基はヘテロ置換基を有していても良い。モノマー(Q)としては、ジビニルベンゼンが好ましい。
上記モノマー(P)、(Q)および(R)を共重合させる際、その比率(モル比)は、モノマー(P)は30%〜60%、モノマー(Q)は2%〜20%、モノマー(R)は30%〜60%であることが好ましい。
有機高分子担体の一次粒子(ナノパーティクル)の平均径は10nm〜400nmであることが好ましい。
(B)遷移金属化合物
本発明で用いられる遷移金属化合物は、下記一般式(I)で表される。
いてもしていなくてもよい。)
一般式(I)中、Mは周期表第3〜11族の遷移金属原子(3族にはランタノイドも含まれる)を示し、好ましくは3〜9族(3族にはランタノイドも含まれる)の金属原子であり、より好ましくは3〜5族および9族の金属原子であり、特に好ましくは4族または5族の金属原子である。具体的には、スカンジウム、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、コバルト、ロジウム、イットリウム、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、レニウム、鉄、ルテニウムなどであり、好ましくはスカンジウム、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、コバルト、ロジウムなどであり、より好ましくは、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、コバルト、ロジウム、バナジウム、ニオブ、タンタルなどであり、特に好ましくはチタン、ジルコニウム、ハフニウムである。
R1〜R6は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示し、これらのうちの2個以上が互いに連結して環を形成していてもよい。
炭化水素基として具体的には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ネオペンチル、n−ヘキシルなどの炭素
原子数が1〜30、好ましくは1〜20の直鎖状または分岐状のアルキル基;
ビニル、アリル、イソプロペニルなどの炭素原子数が2〜30、好ましくは2〜20の直鎖状または分岐状のアルケニル基;
エチニル、プロパルギルなど炭素原子数が2〜30、好ましくは2〜20の直鎖状または分岐状のアルキニル基;
シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アダマンチルなどの炭素原子数が3〜30、好ましくは3〜20の環状飽和炭化水素基;
シクロペンタジエニル、インデニル、フルオレニルなどの炭素原子数が5〜30の環状不飽和炭化水素基;
フェニル、ベンジル、ナフチル、ビフェニル、ターフェニル、フェナントリル、アントラセニルなどの炭素原子数が6〜30、好ましくは6〜20のアリール基;
トリル、iso-プロピルフェニル、tert-ブチルフェニル、ジメチルフェニル、ジ-tert-
ブチルフェニルなどのアルキル置換アリール基などが挙げられる。
さらにまた、上記炭化水素基は、ヘテロ環式化合物残基;アルコキシ基、アリーロキシ基、エステル基、エーテル基、アシル基、カルボキシル基、カルボナート基、ヒドロキシ基、ペルオキシ基、カルボン酸無水物基などの酸素含有基;アミノ基、イミノ基、アミド基、イミド基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、ニトロ基、ニトロソ基、シアノ基、イソシアノ基、シアン酸エステル基、アミジノ基、ジアゾ基、アミノ基がアンモニウム塩となったものなどの窒素含有基;ボランジイル基、ボラントリイル基、ジボラニル基などのホウ素含有基;メルカプト基、チオエステル基、ジチオエステル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、チオアシル基、チオエーテル基、チオシアン酸エステル基、イソチアン酸エステル基、スルホンエステル基、スルホンアミド基、チオカルボキシル基、ジチオカルボキ
シル基、スルホ基、スルホニル基、スルフィニル基、スルフェニル基などのイオウ含有基;ホスフィド基、ホスホリル基、チオホスホリル基、ホスファト基などのリン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を有していてもよい。
〜30、好ましくは1〜20の直鎖状または分岐状のアルキル基;フェニル、ナフチル、ビフェニル、ターフェニル、フェナントリル、アントラセニルなどの炭素原子数が6〜30、好ましくは6〜20のアリール基;これらのアリール基にハロゲン原子、炭素原子数が1〜30、好ましくは1〜20のアルキル基またはアルコキシ基、炭素原子数が6〜30、好ましくは6〜20のアリール基またはアリーロキシ基などの置換基が1〜5個置換した置換アリール基などが好ましい。
ヘテロ環式化合物残基としては、ピロール、ピリジン、ピリミジン、キノリン、トリアジンなどの含窒素化合物;フラン、ピランなどの含酸素化合物;チオフェンなどの含イオウ化合物などの残基;およびこれらのヘテロ環式化合物残基に炭素原子数が1〜30、好ましくは1〜20のアルキル基、アルコキシ基などの置換基がさらに置換した基などが挙げられる。
ロフェニル)シリルなどが挙げられる。これらの中では、メチルシリル、ジメチルシリル、トリメチルシリル、エチルシリル、ジエチルシリル、トリエチルシリル、ジメチルフェニルシリル、トリフェニルシリルなどが好ましい。特にトリメチルシリル、トリエチルシリル、トリフェニルシリル、ジメチルフェニルシリルが好ましい。炭化水素置換シロキシ基として具体的には、トリメチルシロキシなどが挙げられる。
次に上記で説明したR1〜R6の例について、より具体的に説明する。
しては、フェノキシ、2,6-ジメチルフェノキシ、2,4,6-トリメチルフェノキシなどが、アシル基としては、ホルミル基、アセチル基、ベンゾイル基、p−クロロベンゾイル基、p-メトキシベンソイル基などが、エステル基としては、アセチルオキシ、ベンゾイルオキシ、メトキシカルボニル、フェノキシカッルボニル、p-クロロフェノキシカルボニルなどが好ましく例示される。
ルチオ基としては、フェニルチオ、メチルフェニルチオ、ナルチルチオ等が、チオエステル基としては、アセチルチオ、ベンゾイルチオ、メチルチオカルボニル、フェニルチオカルボニルなどが、スルホンエステル基としては、スルホン酸メチル、スルホン酸エチル、スルホン酸フェニルなどが、スルホンアミド基としては、フェニルスルホンアミド、N−メチルスルホンアミド、N−メチル−p−トルエンスルホンアミドなどが好ましく挙げられる。
などの炭素原子数が1〜30、好ましくは1〜20の直鎖状または分岐状のアルキル基;シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アダマンチルなどの炭素原子数が3〜30、好ましくは3〜20の環状飽和炭化水素基;フェニル、ベンジル、ナフチル、ビフェニリル、トリフェニリルなどの炭素原子数が6〜30、好ましくは6〜20のアリール基;および、これらの基に炭素原子数が1〜30、好ましくは1〜20のアルキル基またはアルコキシ基、炭素原子数が1〜30、好ましくは1〜20のハロゲン化アルキル基、炭素原子数が6〜30、好ましくは6〜20のアリール基またはアリーロキシ基、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基などの置換基がさらに置換した基などが好ましく挙げられる。
トリメチルシリル、エチルシリル、ジエチルシリル、トリエチルシリル、ジフェニルメチルシリル、トリフェニルシリル、ジメチルフェニルシリル、ジメチル-tert-ブチルシリル、ジメチル(ペンタフルオロフェニル)シリルなどが挙げられる。特に好ましくは、トリメチルシリル、トリエチルフェニル、ジフェニルメチルシリル、イソフェニルシリル、ジメチルフェニルシリル、ジメチル-t-ブチルシリル、ジメチル(ペンタフルオロフェニル)
シリルなどが挙げられる。
もよい。さらに、mが2以上の場合にはR1同士、R2同士、R3同士、R4同士、R5同士
、R6同士は、互いに同一でも異なっていてもよい。
Xは、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示す。なお、nが2以上の場合には、互いに同一であっても、異なっていてもよい。
炭化水素基としては、前記R1〜R6で例示したものと同様のものが挙げられる。具体的には、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、オクチル、ノニル、ドデシル、アイコシルなどのアルキル基;シクロペンチル、シクロヘキシル、ノルボルニル、アダマンチルなどの炭素原子数が3〜30のシクロアルキル基;ビニル、プロペニル、シクロヘキセニルなどのアルケニル基;ベンジル、フェニルエチル、フェニルプロピルなどのアリールアルキル基;フェニル、トリル、ジメチルフェニル、トリメチルフェニル、エチルフェニル、プロピルフェニル、ビフェニル、ナフチル、メチルナフチル、アントリル、フェナントリルなどのアリール基などが挙げられる。また、これらの炭化水素基には、ハロゲン化炭化水素、具体的には炭素原子数1〜20の炭化水素基の少なくとも一つの水素がハロゲンに置換した基も含まれる。
酸素含有基としては、前記R1〜R6で例示したものと同様のものが挙げられ、具体的には、ヒドロキシ基;メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシなどのアルコシキ基;フェノキシ、メチルフェノキシ、ジメチルフェノキシ、ナフトキシなどのアリーロキシ基;フェニルメトキシ、フェニルエトキシなどのアリールアルコキシ基;アセトキシ基;カルボニル基などが挙げられる。
いアリール基、ハロゲン原子等を示す)が挙げられる。リン含有基として具体的には、トリメチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィンなどのトリアルキルホスフィン基;トリフェニルホスフィン、トリトリルホスフィンなどのトリアリールホスフィン基;メチルホスファイト、エチルホスファイト、フェニルホスファイトな
どのホスファイト基(ホスフィド基);ホスホン酸基;ホスフィン酸基などが挙げられる。
ハロゲン含有基として具体的には、PF6、BF4などのフッ素含有基、ClO4、Sb
Cl6などの塩素含有基、IO4などのヨウ素含有基が挙げられる。
してもよいアリール基、ハロゲン原子等を示す)が挙げられる。
なお、nが2以上の場合は、Xで示される複数の基は互いに同一でも異なっていてもよく、またXで示される複数の基は互いに結合して環を形成してもよい。
なお、下記具体例においてMは遷移金属元素であり、個々には、Sc(III)、Ti(III)、Ti(IV)、Zr(III)、Zr(IV)、Hf(IV)、V(IV)、Nb(V)、Ta(V)、Co(II)、
Co(III)、Rh(II)、Rh(III)、Rh(IV)を示すが、これらに限定されるものではない。これらのなかではTi(IV)、Zr(IV)、Hf(IV)が好ましい。
また、一般式(I)で表される(B)遷移金属化合物としては、下記一般式(I-b)で
表される遷移金属化合物がある。
R1〜R10は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭化水
素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示し、これらのうちの2個以上が互いに連結して環を形成していてもよく、
nは、Mの価数を満たす数であり、
Xは、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示し、nが2以上の場合は、Xで示される複数の基は互いに同一でも異なっていてもよく、またXで示される複数の基は互いに結合して環を形成してもよく、
Yは、酸素、イオウ、炭素、窒素、リン、ケイ素、セレン、スズおよびホウ素からなる群より選ばれた少なくとも1種の元素を含む2価の結合基を示す。)
一般式(I-b)において、R6またはR10の少なくとも一方、特に両方が、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基であることが好ましい。
これらの結合基Yは、好ましくは主鎖が原子3個以上、より好ましくは4個以上20個以下、特に好ましくは4個以上10個以下で構成された構造を有する。なお、これらの結合基は置換基を有していてもよい。
(CH3)2−などのスズ原子含有基;−BH−、−B(CH3)−、−BF−などのホウ素
原子含有基などが挙げられる。炭化水素基としては特に制限はないが−(CH2)4−、−
(CH2)5−、−(CH2)6−などの炭素原子数が3〜20の飽和炭化水素基、シクロヘキシリデン基、シクロヘキシレン基などの環状飽和炭化水素基、これらの飽和炭化水素基の一部が1〜10個の炭化水素基、フッ素、塩素、臭素などのハロゲン、酸素、イオウ、窒素、リン、ケイ素、セレン、スズ、ホウ素などのヘテロ原子で置換された基、ベンゼン、ナフタレン、アントラセンなどの炭素原子数が6〜20の環状炭化水素の残基、ピリジン
、キノリン、チオフェン、フランなどのヘテロ原子を含む炭素原子数が3〜20の環状化合物の残基などが挙げられる。
に限定されるものではない。
本発明で使用する有機アルミニウム化合物は、
一般式 Ra mAl(ORb)n Hp Xq
(式中、Ra およびRb は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、Xはハロゲン原子を示し、mは0<m≦3、nは0≦n<3、pは0≦p<3、qは0≦q<3の数であり、かつm+n+p+q=3である。)で表される。
本発明では上記触媒成分の他に必要に応じて(D) 遷移金属化合物(B)と反応して
イオン対を形成する化合物(以下、「イオン化イオン性化合物」ともいう。)を使用することができる。
とができる。
本発明では上記触媒成分の他に必要に応じて、(E)非イオン性界面活性剤を用いることもできる。(E)非イオン性界面活性剤を用いることによって、懸濁重合時の重合壁、壁付着を防止し、生産性を向上させることができる。
(E-1)ポリアルキレンオキサイドブロックは、一般的に非イオン性界面活性剤として用
いられるものであり、従来公知のポリアルキレンオキサイドブロックであれば何ら制限なく使用できる。
(E-2)高級脂肪族アミドは、一般的に非イオン性界面活性剤として用いられるものであ
り、従来公知の高級脂肪族アミドであれば何ら制限なく使用できる。
(E-3)ポリアルキレンオキサイドは、従来公知のポリアルキレンオキサイドであれば何
ら制限なく使用できる。
(E-4)ポリアルキレンオキサイドアルキルエーテルは、一般的に非イオン性界面活性剤
として用いられるものであり、従来公知のポリアルキレンオキサイドアルキルエーテルであれば何ら制限なく使用できる。
(E-5)アルキルジエタノールアミンは、一般的に非イオン性界面活性剤として用いられ
るものであり、従来公知のアルキルジエタノールアミンであれば何ら制限なく使用できる。
(E-6)ポリオキシアルキレンアルキルアミンは、一般的に非イオン性界面活性剤として
用いられるものであり、従来公知のポリオキシアルキレンアルキルアミンであれば何ら制限なく使用できる。
和脂肪族炭化水素、ハロゲン化炭化水素などが挙げられる。この中でも脂肪族炭化水素や脂環族炭化水素、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素の場合は、非イオン系界面活性剤と混合することにより溶液状態となるものが好ましい。更に好ましくは、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油、鉱物油などの脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタンなどの脂環族炭化水素と非イオン系界面活性剤と混合することにより溶液状態となるものがよい。
本発明に係るオレフィン重合用触媒は、前記(A)有機高分子担体に、前記(B)遷移金属化合物と、前記(C)有機アルミニウムオキシ化合物とが担持されている。
(1)加熱した不活性有機溶媒に前記重合体を溶解させた後、(C)有機アルミニウムオキシ化合物および(B)遷移金属化合物を接触する方法
(2)不活性有機溶媒に懸濁させた前記重合体からなる粒子に有機アルミニウムオキシ化合物を接触せさ、次いで(B)遷移金属化合物させる方法
(3)一次粒子(ナノパーティクル)に有機アルミニウムオキシ化合物および(B)遷移金属化合物を接触する方法が挙げられる。
およびジオキサン等が挙げられ、またはハロゲン化炭化水素としてはジクロロメタン、クロロホルム等が挙げられる。また、不活性有機溶媒はこれらの混合物であっても良い。
をノズルを経て貧溶媒に噴霧し、析出させる。(iv)溶液をスプレードライヤーで溶媒が気化する雰囲気に噴霧し、粉体化させる。(v)溶液から溶媒を除去乾固し、振動ミル、ボールミル等によって粉砕する。(i)〜(v)の操作温度は有機高分子化合物の融点温度以下である。
本発明において、不活性有機溶媒に不溶性の担体は、上述のカルボニルを有する基を含有する有機ポリマーに上述の有機アルミニウムオキシ化合物を接触することによって有機アルミニウムオキシ化合物を有機ポリマーに担持したものが好ましく例示され、有機アルミニウムオキシ化合物は有機ポリマーと化学的な結合によって担体に保持されている。したがって、不活性有機溶媒に可溶な有機遷移金属化合物と不活性有機溶媒に不溶性な担体からなる触媒は、有機遷移金属化合物はカルボニルを有する基を含有する有機ポリマーに担持した有機アルミニウムオキシ化合物を介して担持されており、有機遷移金属化合物が有機ポリマーのカルボニルを有する基との化学結合によって、または有機ポリマーに含浸させることによって直接、有機ポリマーに担持されているものではないと推定される。
重合方法
本発明に係るオレフィンの重合方法では、上記のようなオレフィン重合触媒の存在下に、オレフィンを重合または共重合することによりオレフィン重合体を得る。
、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン等の炭素原子数2〜20のα−オレフィンが挙げられる。これらは1種単独で、または2種以上組み合わせて用いられる。
液相重合法において用いられる不活性炭化水素媒体として具体的には、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油などの脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタンなどの脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;エチレンクロリド、クロルベンゼン、ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素またはこれらの混合物などを挙げることができ、オレフィン自身を溶媒として用いることもできる。
10-8〜10-3モルとなるような量で用いられる。(B)遷移金属化合物と(C)有機アルミニウムオキシ化合物とは、(B)遷移金属化合物の遷移金属のモル数に対する(C)有機アルミニウムオキシ化合物に含有されるアルミニウムのモル数の比(アルミニウム/遷移金属)として1〜10000、好ましくは10〜2000である。
超高分子量・狭分子量分布ポリエチレン
本発明に係るオレフィンの重合方法では、上記重合触媒成分の存在下、エチレン単独、またはエチレンと炭素原子数3〜10のα−オレフィンから選ばれる少なくともひとつ以上のα−オレフィンを重合することが好ましい。このとき得られるポリエチレン中のエチレン成分の比率は90〜100%、好ましくは95〜100%であり、α−オレフィン成分の比率は0〜10%、好ましくは0〜5%であることが好ましい。使用されるα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン等が挙げられ、この中でも特にプロピレン、ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテンが好ましい。
さらに、ポリマー中のSi原子含有量が5重量PPM以下、好ましくは3重量PPMである。
極限粘度[η]
極限粘度[η]は、デカリン溶媒を用いて、135℃で測定した値である。すなわち造粒ペレット約20mgをデカリン15mlに溶解し、135℃のオイルバス中で比粘度ηspを測定する。このデカリン溶液にデカリン溶媒を5ml追加して希釈後、同様にして比粘度ηspを測定する。この希釈操作をさらに2回繰り返し、濃度(C)を0に外挿した時のηsp/Cの値を極限粘度として求める。
分子量分布(Mw/Mn)
Mw/Mnはミリポア社製GPC−150を用い以下のようにして測定した。
薬)及び酸化防止剤としてBHT(武田薬品)0.025重量%を用い、1.0ml/分で
移動させ、試料濃度は0.1重量%とし、試料注入量は500マイクロリットルとし、検出器として示差屈折計を用いた。標準ポリスチレンは東ソー社製を用いた。
ポリマー中のSi原子は、所定量のポリマー成分を650℃の電気炉で恒量になるまで灰化して、ICP発光分析(高周波プラズマ発光分析)法により定量分析を行った。
以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
充分に乾燥、アルゴン置換した100mlの反応器に、化合物(a)1.55g(5.68mmol)とジエチルエーテル30mlを仕込み、−78℃に冷却し攪拌した。これにn−ブチルリチウム3.80ml(n−ヘキサン溶液、1.58M、6.00mmol)を5分かけて滴下し、そのままの温度で2時間攪拌した後、ゆっくりと室温まで昇温し、室温でさらに3時間攪拌してリチウム塩を調整した。この溶液を、−78℃に冷却した四塩化チタン2.84ml(トルエン溶液、1.00M、2.84mmol)を含むジエチルエーテル溶液30mlに滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで戻しながら14時間攪拌を続けた。反応液の溶媒留去した後、得られた固体を塩化メチレン50mlに溶解し、不溶物をガラスフィルターで除去した。ろ液を減圧濃縮し、析出した固体をジエチルエーテルとn−ヘキサンで再沈し、減圧乾燥することによりTi錯体−1で示される赤褐色粉末の化合物:を0.47g(収率25%)を得た。
1H-NMR(CDCl3): 1.64(s,18H) 1.17-1.57(m,24H) 4.01(m,2H) 6.96(t,2H) 7.24(dd,2H) 7.57(dd,2H) 8.14(s,2H)
担体合成例−1:ラテックスパーテイクルの合成:
Lutensol AT50(商品名、CH3-(CH2)16-18-(CH2-CH2-O)49-CH2-CH2-OH)(0.325mmol、800mg)とセチルトリメチルアンモニウムブロミド(0.11mmol、40mg)を蒸留水200mlに混合し、40℃で30分撹拌して乳濁液を調製した。次に、スチレン(10g、96.15mmol)、4−ビニルピリジン(9.9g,93.8mmol)及び、ジビニルベンゼン(0.96g、7.4mmol)をヘキサデカン(840mg,3.71mmol)を混合し10分間撹拌したものを、先に調製した乳濁液に添加し、1200rpmで30分環撹拌した。これを氷浴下、7分間超音波処理し、次に、15分間アルゴンで脱酸素した後、70℃に加熱した。これに、α,α'−アゾジイソブチルアミジンジヒドロクロリド(400mg,1.47mmol)を20mlの蒸留水に溶解し15分間アルゴンで脱酸素して調製したラジカル開始剤を添加し、15時間乳化重合を行った。得られた分散体をペーパーフィルターでろ過した後、ポリエーテルサルフォン膜200ml撹拌セルを用い、1リットルの蒸留水で透析した。ここで得られた分散体を50mlに濃縮し、減圧下フリーズドライすることで、固体触媒成分A−1を18g得た。
触媒担持例−1:
担体合成例1で得られた固体触媒成分A−1をシュレンク中70℃で真空乾燥した。ここで乾燥したA−1(300mg)に、溶媒を留去して減圧乾燥したメチルアミノキサン(300mg)を混合し、脱水トルエン(5ml)を添加したものを、20分間超音波処理し、その後10分間撹拌した。この混合物を氷浴で0℃に冷却し、これに、合成例−1で合成したTi錯体−1(20mg、20mmol)/脱水トルエン(4ml)溶液を3.7ml加えた。これを室温に戻し、撹拌しながら減圧乾燥した。得られたポリマーを100μmのふるいにかけ、固体触媒成分A−2を得た。100μm以下のものを重合用に用いた。
U型の撹拌機のついた1リットルのSUS反応器に1時間窒素気流下80℃で加熱乾燥した。これを40℃まで冷却後、トリオクチルアルミニウム(TOA:1.36mmol)をスカベンジャーとして加え、続いてPPG−b−PEG−bPEG(0.5mg)/トルエン(0.5ml)を添加した。反応器を密閉し、400mlの液化イソブタンをアルゴン圧で注入した。エチレンを34barまで注入した後、反応系を撹拌しながら触媒担持例−1で調製した担持Ti触媒−1固体触媒成分 15mg)をアルゴン圧で系内に添加した。エチレン圧を40barまで昇圧し、65℃で6時間重合を行った。エチレン
、及びイソブタン加圧を止め、脱圧して常圧に戻し、反応液を塩酸(3ml)/メタノール(500ml)混合液中に加え、12時間撹拌した。得られたポリマーをろ別し、メタノール(500ml)で洗浄後、75℃で12時間減圧乾燥を行うことで、[η]16.3、分子量分布(Mw/Mn):2.20、分子量(Mv):134万、嵩比重:430g/lのポリエチレンを123g得た。
触媒担持例−2:
Ti錯体−1(40mg、40mmol)を用いた以外は、担体合成例−1及び触媒担持例−1と同様の方法で固体触媒成分A3を得た。
固体触媒成分A3(14mg)を用いた以外は、実施例−1と同様の方法で重合実験を行い、[η]16.4、分子量分布(Mw/Mn):2.23、分子量(Mw):128万、嵩比重:480g/lのポリエチレンを135g得た。
触媒担持例−3:
MAO(190mg)、及び、Ti錯体−1(10mg)を用いた以外は、担体合成例−1及び触媒担持例−1と同様の方法で固体触媒成分A−4を得た。
固体触媒成分A−4(10mg)を用い、50℃で重合した以外は、重合実施例−1と同様の方法で、[η]19.1、分子量分布(Mw/Mn):2.74、分子量(Mw):172万、嵩比重:450g/lのポリエチレンを180g得た。
[比較例1]
触媒担持例−4:
Si(CH3)2(2-Methylbenzindenyl)2ZrCl2(15mmol)を用いた以外は触媒担持例−
1と同様の方法で固体触媒成分A−5を得た。
固体触媒成分A−5(15mg)を用いた以外は、重合実施例−1と同様の方法で重合を行ったがポリエチレンはほとんど得られなかった。
Claims (4)
- (A)少なくとも1種のオレフィニックモノマーと、少なくとも1種の複数のオレフィン部を有するモノマーと、少なくとも1種の極性基を有するモノマーとから得られるクロスリンクしたポリマーネットワーク構造を有する重合体からなる粒子が凝集した二次粒子からなる有機高分子担体に、
(B)下記一般式(I)で表される遷移金属化合物と、
(C)有機アルミニウム化合物と
が担持されてなることを特徴とするオレフィン重合用触媒;
mは、1〜6の整数を示し、
R1〜R6は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示し、これらのうちの2個以上が互いに連結して環を形成していてもよく、また、mが2以上の場合にはR1
〜R6で示される基のうち2個の基が連結されていてもよく(但し、R1同士が結合されることはない)、
nは、Mの価数を満たす数であり、
Xは、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示し、nが2以上の場合は、Xで示される複数の基は互いに同一でも異なっていてもよく、またXで示される複数の基は互いに結合して環を形成してもよい。)。 - 前記オレフィニックモノマーがスチレンであることを特徴とする請求項1記載のオレフィン重合触媒。
- 前記複数のオレフィン部を有するモノマーがジビニルベンゼンであることを特徴とする請求項1または2記載のオレフィン重合触媒。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のオレフィン重合触媒を用い、エチレン単独、またはエチレンと炭素原子数が3〜10のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種のα−オレフィンを重合することによって、
(1)135℃のデカリン中で測定した極限粘度[η]が10dl/g以上であり、
(2)分子量分布(Mw/Mn)が3.5以下であり、
(3)重合体中のSi原子含有量が5重量ppm以下である
重合体を製造することを特徴とする超高分子量・狭分子量分布ポリエチレンの製造方法。
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