JP5221848B2 - マグネシウムを含む担体成分及びオレフィン重合への応用 - Google Patents

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Description

本発明は、オレフィン重合用触媒および該オレフィン重合用触媒を用いるオレフィン重合体の製造方法に関し、さらに詳しくは、従来オレフィン重合用触媒成分として用いられてきた有機アルミニウムオキシ化合物または有機ホウ素化合物を含まないオレフィン重合用触媒、該オレフィン重合用触媒を用いるオレフィン重合体の製造方法、この製造方法によって得られる粉体性状に優れたポリオレフィンに関する。
共役π電子を有する基、特にシクロペンタジエンおよびその誘導体を配位子として有するメタロセン化合物を触媒とし、有機アルミニウムオキシ化合物または有機ホウ素化合物と組み合わせてオレフィンを重合する方法が知られている。例えば、特開昭58−19309にはビスシクロペンタジエニルジルコニウムジクロリドとメチルアルミノキサンを触媒とするオレフィンの重合方法が開示されている。また、最近は有機アルミニウムオキシ化合物または有機ホウ素化合物と組み合わせなくてもオレフィン重合が進行する系も公開されている。例えば、特開平4−211405には、塩化マグネシウムと活性水素を含まない電子供与体とを活性水素含有電子供与体と接触させて得られる固体担体を、ジルコニウムメタロセン化合物と組み合わせてオレフィン重合する方法が開示されている。また、特開平7−330821には、ハロゲン化マグネシウム等のマグネシウム化合物を有機アルミニウム化合物との反応によって得られる固体成分がチタニウムメタロセン化合物と組み合わせてオレフィン重合する方法が公開されている。
しかし、特開昭58−19309を始めとする公知の大部分の方法では、メタロセン化合物は高価な有機アルミニウムオキシ化合物または有機ホウ素化合物と組み合わせて用いなければ高いオレフィン重合活性を示すことができないという問題があった。また、高価な有機アルミニウムオキシ化合物または有機ホウ素化合物と組み合わせて高いオレフィン重合活性を発現させた場合でもその活性は短時間しか持続しない場合が多かった。また、重合後の生成ポリマーの嵩密度が小さく、ハンドリングが困難であり、気相または液相重合法に適用した場合、重合容器壁へのポリマーの付着が起こり、伝熱不良により除熱が困難になったり、ポリマーの固まりが生成するなど、これらを工業的規模でポリオレフィン製造用のための触媒として用いるためにはプロセス上解決すべき多くの問題点を内包していた。
一方で、最近相次いで公開されている、有機アルミニウムオキシ化合物または有機ホウ素化合物を併用せずにオレフィン重合を進める方法についても経済性や大規模実施の視点から眺めると未だ多くの改良の余地が残されている。例えば、前記の特開平4−211405では、担体としての塩化マグネシウムの粒径を制御するために高価且つ空気中で不安定なジブチルマグネシウムを原料として用いて調製する必要があるし、また前記の特開平7−330821においても担体は高価かつ不安定なジエトキシマグネシウムが用いられている。また、これらの有機アルミニウムオキシ化合物または有機ホウ素化合物を併用しない公知技術においては一般的に未だ重合活性や生成ポリマーの粉体性状や分子量分布等の分子量特性が十分満足すべき領域に達しているとは言い難い。
本発明は、上記のような技術的背景に鑑みてなされたものであって、高価な有機アルミニウムオキシ化合物や有機ホウ素化合物と組み合わせて用いなくても高いオレフィン重合活性を示し、かつ長時間の重合においても高い活性を持続することが可能な重合触媒およびこのような触媒を用いる粉体性状に優れたオレフィン重合体の製造方法を提供することを主な目的としている。前記の課題は、特定の方法で調整された、マグネシウム原子、アルミニウム原子および炭素数1〜20のアルコキシ基を共に含有し、(i)マグネシウム原子とアルミニウム原子のモル比(Mg/Al)が、1.0<(Mg/Al)≦300範囲内にあり、(ii)アルコキシ基とアルミニウム原子のモル比(OR/Al)が、0.5<(OR/Al)<2.0を満たし、(iii)平均粒径が3〜80μmであり、炭化水素溶媒に不溶な固体状微粒子を含むオレフィン重合用触媒を用いることによって達成される。
本発明は、1)マグネシウムを含む担体成分、2)この担体成分を含むオレフィン重合用触媒、3)このオレフィン重合用触媒を用いるオレフィンの重合方法、及び4)この重合方法によって得られるポリオレフィンに関する。以下、各項目毎に課題を解決するための手段について詳細に述べる。
マグネシウムを含む担体成分
本発明のマグネシウムを含む担体成分(以下、単に「担体」と略称する場合がある)は、マグネシウム原子、アルミニウム原子および炭素数1〜20のアルコキシ基を共に含有し、炭化水素溶媒に不溶であり、平均粒径が3〜80μmである。担体成分中のマグネシウム原子とアルミニウム原子のモル比(Mg/Al)は、1.0<Mg/Al≦300.0の範囲内にあり、アルコキシ基とアルミニウム原子のモル比(OR/Al)が0.05<OR/Al<2.0であるという特徴をもつ。
なお、炭化水素溶媒に不溶であるとは、ヘキサン、デカンおよびトルエンから選ばれる少なくても1種の溶媒に、常圧下、0℃〜その溶媒の固有の沸点までの温度範囲で1分〜1時間撹拌してもマグネシウム原子の溶解分が0.5重量%以下であり、かつ、ヘキサン、デカンおよびトルエンから選ばれる少なくても1種の溶媒に、常圧下、室温で1分〜1時間撹拌しても、アルミニウム原子およびアルコキシ基の溶解分が各1重量%以下であることを言う。
また、本発明の担体成分はマグネシウム、アルミニウム、アルコキシ基以外にも、他の金属原子や他の有機基を含んでいても良いが、チタン、ジルコニウム、ハフニウムなどの4族遷移金属原子は含まないことが好ましい。例えば、本発明の担体成分中にチタン原子が含まれる場合、後述の成分(A)ホウ素原子、窒素原子、酸素原子、リン原子およびイオウ原子から選ばれる少なくても二つ以上の原子を含む配位子を持つ周期律表第3〜11族遷移金属化合物に由来するオレフィン重合体と、含有するチタン原子に由来するオレフィン重合体とが共に生成するため、得られる重合体の一次構造を制御することが困難となる。従って、上述の理由から、本発明の担体成分は4族遷移金属原子を含まないことに加えて、必要に応じて用いられる後述の成分(C)との組合せで、実質的にオレフィン重合活性を示さないことが好ましい。
本発明の担体成分中に占めるマグネシウム原子、アルミニウム原子および炭素数1〜20のアルコキシ基の合計量は通常10〜90重量%の範囲にあり、後述する担体成分を含む重合用触媒のオレフィン重合活性や、重合の結果得られるポリオレフィンの粉体性状の視点から、好ましくは15〜60重量%、特に好ましくは20〜40重量%の範囲にある。担体成分中に占めるマグネシウム原子、アルミニウム原子および炭素数1〜20のアルコキシ基以外の成分は、ハロゲン原子が最も大きなウェイトを占める。ハロゲン原子が塩素原子の場合、担体成分中の塩素原子量は、少ない場合で約20重量%、多い場合では約80重量%に達する。また、その他に炭素数1〜20のアルコキシ基に対応するアルコールや担体成分調製時に使用される残留有機溶媒等が担体成分中に含まれる場合もある。
本発明の担体成分中の炭素数1〜20のアルコキシ基は、後述する担体成分調製時に原料成分として使用される炭素数1〜20のアルコールに起因する基である。炭素数1〜20のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、i−ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ペントキシ基、i−アミロキシ基、n−ヘキソキシ基、n−ヘプトキシ基、2−エチルヘキソキシ基、n−オクトキシ基、ドデコキシ基、オクタデシロキシ基、オレイロキシ基、ベンジロキシ基、フェニルエトキシ基、クミロキシ基、i−プロピルベンジロキシ基等、トリクロロメトキシ基、トリクロロエトキシ基、トリクロロヘキソキシ基などのハロゲン含有アルコキシ基、フェノキシ基、クレゾキシ基、エチルフェノキシ基、ノニルフェノキシ基、クミルフェノキシ基、ナフトキシ基等の低級アルキル基含有フェノキシ基等を例示するこができるが、これらの中では、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基、i−アミロキシ基、ヘキソキシ基、ヘプトキシ基、2−エチルヘキソキシ基、オクトキシ基、ドデコキシ基が好ましい。
本発明の担体成分中のマグネシウム原子とアルミニウム原子のモル比(Mg/Al)は通常、1.0<Mg/Al≦300.0の範囲内にあり、オレフィン重合活性や生成ポリオレフィンの粉体性状の点から、好ましくは30.0<Mg/Al≦250.0、より好ましくは30.0<Mg/Al≦200.0、さらに好ましくは35.0<Mg/Al≦200.0、特に好ましくは40.0<Mg/Al≦150.0の範囲内にある。アルコキシ基とアルミニウム原子のモル比(OR/Al)は通常、0.05<OR/Al<2.0であり、オレフィン重合活性をさらに高める点で、好ましくは0.1≦OR/Al<1.8、特に好ましくは0.2≦OR/Al<1.0の範囲内にある。
本発明の担体成分の平均粒径は3〜80μm、好ましくは3〜50μmであると、後述するオレフィン重合用触媒として用いた場合に重合活性が向上すると同時に、生成ポリオレフィンの嵩密度を高められる。本発明の担体成分において、平均粒径と並んで重要となるパラメーターは、担体成分を構成するハロゲン化マグネシウムのX線回折分析で求めた微結晶サイズである。この微結晶サイズと重合活性との間には高い相関が見られ、高い重合活性を得るためには、微結晶サイズの小さい担体成分が必要であると考えられる。しかしながら、微結晶サイズが極端に小さくなる場合には、重合活性は高いものの、触媒成分の粒子形状の悪化が予測される。このため、本発明の微結晶サイズは、通常3〜80(Å)、好ましくは10〜75(Å)、より好ましくは12〜70(Å)、さらに好ましくは15〜60(Å)、特に好ましくは20〜55(Å)にある。
本発明の担体成分は、ハロゲン化マグネシウムと炭素数1〜20のアルコールを接触(以下、この接触を「第1接触」と呼ぶ場合がある。)させ、次に前記一般式(Z)で表される有機アルミニウム化合物と接触(以下、この接触を「第2接触」と呼ぶ場合がある。)させることにより得られるが、本発明の担体成分の調製法はこの調製方法に何ら限定されるものではない。
ハロゲン化マグネシウムとしては、塩化マグネシウム、臭化マグネシウムが好んで用いられる。このようなハロゲン化マグネシウムは市販品をそのまま使用しても良いし、別途アルキルマグネシウムから調製しても良いし、また後者の場合はハロゲン化マグネシウムを単離することなく用いることもできる。
炭素数1〜20のアルコールとしては、前記の炭素数1〜20のアルコキシ基に対応したアルコールを例示でき、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、t−ブタノール、n−ペンタノール、i−アミルアルコール、n−ヘキサノール、n−ヘプタノール、2−エチルヘキサノール、n−オクタノール、ドデカノール、オクタデシルアルコール、オレイルアルコール、ベンジルアルコール、フェニルエタノール、クミルアルコール、i−プロピルベンジルアルコール等、トリクロロメタノール、トリクロロエタノール、トリクロロヘキサノールなどのハロゲン含有アルコール、フェノール、クレゾール、エチルフェノール、ノニルフェノール、クミルフェノール、ナフトール等の低級アルキル基含有フェノール等を例示するこができるが、これらの中ではメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、i−アミルアルコール、ヘキサノール、ヘプタノール、2−エチルヘキサノール、オクタノール、ドデカノールが好ましい。
ハロゲン化マグネシウムと炭素数1〜20のアルコールを接触させる場合は、溶媒存在下で行ってもよい。溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油などの脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタンなどの脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;エチレンジクロリド、クロルベンゼン、ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素またはこれらの混合物などを例示することができる。
接触は通常、加熱下で行なわれる。加熱する場合は、その温度は使用する溶媒の沸点までの温度を任意に選択することができる。接触時間は接触温度にもよるが、例えば溶媒としてn−デカンを使用し、加熱温度130℃の条件化では約4時間の接触により、内容物の均一化現象を呈し、これが接触完了の目安となる。接触する際には、通常撹拌等により接触を促す装置を利用して実施される。接触の開始時は通常不均一な系であるが、接触が進行するとともに内容物は徐々に均一化し、最終的には液状化する。本発明の担体成分は液状化の程度によらず、オレフィン重合用触媒の成分として有用であるが完全液状化を経由する調製法の方が、オレフィン重合活性や生成ポリオレフィンの粉体性状の視点から好ましい。
このようにして調製されたハロゲン化マグネシウムと炭素数1〜20のアルコールの接触化物(以下、「第1接触化物」と呼ぶ場合がある。)は、接触時に使用した溶媒類を除去して用いてもよいし、溶媒を留去することなく使用してもよい。通常は溶媒を留去することなく次段の工程に供される。
上記の方法で得られた第1接触化物は、次いで下記一般式(Z)で表される有機アルミニウム化合物と接触(=第2接触)される。
Figure 0005221848
一般式(Z)において、Rは炭素数1〜20の炭化水素基、具体的には
メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、を例示することができる。Xは塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子または水素原子を示す。nは1〜3の実数を示し、好ましくは2または3である。Rが複数ある場合は各Rは同じでも異なっていてもよく、Xが複数ある場合は、各Xは同じでも異なっていてもよい。有機アルミニウム化合物としては、具体的には以下のような化合物が用いられる。このような要件を満たす有機アルミニウム化合物としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリ2−エチルヘキシルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム;イソプレニルアルミニウムなどのアルケニルアルミニウム;ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジイソプロピルアルミニウムクロリド、ジイソブチルアルミニウムクロリド、ジメチルアルミニウムブロミドなどのジアルキルアルミニウムハライド;メチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリド、イソプロピルアルミニウムセスキクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキブロミドなどのアルキルアルミニウムセスキハライド;メチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムジクロリド、イソプロピルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムジブロミドなどのアルキルアルミニウムジハライド;ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライドなどのアルキルアルミニウムハイドライドなどを例示できるが、これらの中では、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムジクロリド、ジイソブチルアルミニウムハイドライドが好ましい。
この第2接触における接触方法は特に制限されないが、通常前記一般式(Z)で表される有機アルミニウム化合物を、撹拌下で第1接触化物に添加する方法によって実施される。この際に第1接触化物は溶剤に希釈されていても良く、このような溶剤としては活性水素を保有しない炭化水素類であれば特に制限なく使用できるが、通常は第1接触時に使用した溶媒を留去することなく第2接触時の溶媒としてそのまま使用するのが効率的である。第1接触化物に添加する有機アルミニウム化合物は、溶媒に希釈して使用しても良いし、溶媒に希釈せず添加してもよいが、通常はn−デカン、n−ヘキサン等の脂肪族飽和炭化水素や、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒に希釈された形態で用いられる。有機アルミニウム化合物を添加する際には、通常5分〜5時間かけて第1接触化物に添加される。接触系内の徐熱能力が十分であれば短時間の添加で済ませることができ、一方能力が不十分な場合は長時間かけて添加するのがよい。有機アルミニウム化合物の添加は一括して添加してもよいし、何回かに分けて分割添加をしてもよい。分割添加を行なう場合は、各々の添加における有機アルミニウム化合物は同一でも異なっていてもよく、また各々の添加における第1接触化物の温度は同一でも異なっていてもよい。
第2接触時における、前記一般式(Z)で表される有機アルミニウム化合物の使用量は、通常は第1接触化物中のマグネシウム原子の量に対して0.1〜50倍モル、好ましくは0.5〜30倍モル、より好ましくは1.0〜20倍モル、さらに好ましくは1.5〜15倍モル、特に好ましくは2.0〜10倍モルのアルミニウム原子となるように有機アルミニウム化合物が使用される。
第2接触により担体を調製する方法のうち、特に好ましい第2接触の形態を以下に述べる。
第1接触化物と前記一般式(Z)で表される有機アルミニウム化合物の接触に際しては、例えばマグネシウム化合物の炭化水素希釈溶液と、炭化水素溶媒に希釈した有機アルミニウム化合物とを接触させる等の両液状物の反応による手段が好ましい。その際の有機アルミニウム化合物の使用量は、その種類、接触条件によって異なるが、マグネシウム化合物1モルに対し、通常2〜10モルとするのが好ましい。固体生成物は、その形成条件によって形状や大きさなどが異なってくる。形状、粒径がそろった固体生成物を得るためには、急速な形成を避けるのが好ましく、例えばマグネシウム化合物と有機アルミニウム化合物を互いに液状状態で接触混合して相互反応によって固体生成物を形成させる場合には、それらの接触によって急速に固体が生じないような低い温度で両者を混合した後、昇温して徐々に固体生成物を形成させるのがよい。この方法によれば、固体生成物の粒径制御が容易で、粒度分布の狭い顆粒状または球状の固体生成物を得やすい。
上記の如くして得られる粒度分布良好な顆粒状または球状の担体成分を用いてスラリー重合、気相重合を実施することによって、得られる重合体は顆粒状または球状で、粒度分布が狭く、嵩密度が大きく、流動性が良好である。
以上で述べた担体成分は、後述するオレフィン重合用触媒の構成成分として有用のみならず、担体成分に含まれるルイス酸機能を生かして多くの有機合成反応の触媒としての利用が可能である。
担体成分を含むオレフィン重合用触媒
本発明のオレフィン重合用触媒は、前記の担体成分を含むものである。このような重合用触媒としては、
(A)ホウ素原子、窒素原子、酸素原子、リン原子およびイオウ原子から選ばれる少なくても二つ以上の原子を含む配位子を持つ第3〜11族遷移金属化合物と、
(B)前記の担体成分、および必要に応じて
(C)特定の有機金属化合物
からなるオレフィン重合用触媒が挙げられる。
なお、前記のホウ素原子、窒素原子、酸素原子、リン原子およびイオウ原子から選ばれる少なくても二つ以上の原子を含む配位子を持つ第3〜11族遷移金属化合物(A)が担体成分(B)に担持されていてもよく、生成するオレフィン重合体の粉体性状の観点からより好ましい。
本発明で用いられる(A)ホウ素原子、窒素原子、酸素原子、リン原子およびイオウ原子から選ばれる少なくても二つ以上の原子を含む配位子を持つ第3〜第11族遷移金属化合物としては、例えば下記化合物(a−1)ないし(a−27)などが挙げられる。これらの遷移金属化合物は、1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。
化合物(a−1)
本発明では(A)成分として、下記一般式(I)〜(III)で表される化合物(a−1)を用いることができる。
Figure 0005221848
(なお、ここでN……M1、N……M2およびN……M3は、一般的には配位していることを示すが、本発明においては配位していてもしていなくてもよい。)
式(I)中のM1、式(II)中のM2および式(II)中のM3は互いに同一でも異なっていてもよく、周期表第3〜11族から選ばれる遷移金属原子(第3族にはランタノイドも含まれる。)を示し、好ましくは第3〜6族および第8〜10族の遷移金属原子であり、より好ましくは第4族、第5族または第6族の遷移金属原子であり、特に好ましくは第4族または第5族の金属原子である。具体的には、スカンジウム、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、コバルト、ロジウム、イットリウム、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、レニウム、鉄、ルテニウム、ニッケル、パラジウムなどであり、好ましくはスカンジウム、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、鉄、コバルト、ロジウム、ニッケル、パラジウムなどであり、より好ましくは、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデンなどであり、特に好ましくはチタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタルである。
式(I)中のm、式(II)中のm'および式(III)中のm"は互いに同一でも異なっていてもよく、1〜6の整数であり、好ましくは1〜4の整数であり、より好ましくは1〜3の整数であり、特に好ましくは1〜2の整数である。
式(I)中のk、式(II)中のk'および式(III)中のk"は互いに同一でも異なっていてもよく、1〜6の整数であり、好ましくは1〜4の整数であり、より好ましくは1〜3の整数であり、特に好ましくは1〜2の整数である。
式(I)中のAは酸素原子、イオウ原子または置換基−R6を有する窒素原子(−N(R6)−)を示し、好ましくは酸素原子または窒素原子である。
式(I)中のDは窒素原子、リン原子、または置換基−R7を有する炭素原子(−N(R7)−)を示し、好ましくは置換基−R7を有する炭素原子である。
式(I)中のR1〜R7は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基またはスズ含有基を示し、これらのうちの2個以上が互いに連結して環を形成していてもよい。
式(II)中のGは酸素原子、イオウ原子または、置換基−R12を有する窒素原子(−N(R12)−)を示し、好ましくは酸素原子である。
式(II)中のEはいずれもNに結合する−R13および−R14、または=C(R15)R16を示す。
式(II)中のR8〜R16は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示し、これらのうちの2個以上が互いに連結して環を形成していてもよい。
式(III)中のJは窒素原子、リン原子、または置換基−R18を有する炭素原子(−C(R18)=)を示し、好ましくは置換基−R18を有する炭素原子である。
式(III)中のTは窒素原子またはリン原子を示し、好ましくは窒素原子である。
式(III)中のLは窒素原子、リン原子、または置換基−R19を有する炭素原子(−C(R19)=)を示し、好ましくは置換基−R19を有する炭素原子である。
式(III)中のQは、窒素原子、リン原子、または置換基−R20を有する炭素原子(−C(R20)=)を示し、好ましくは置換基−R20を有する炭素原子である。
式(III)中のRは、窒素原子、リン原子、または置換基−R21を有する炭素原子(−C(R21)=)を示し、好ましくは置換基−R21を有する炭素原子である。
式(III)中のR17〜R21は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示し、これらのうちの2個以上が互いに連結して環を形成していてもよい。
式(I)においてmが2以上の場合には、R1同士、R2同士、R3同士、R4同士、R5同士、R6同士、R7同士は、互いに同一でも異なっていてもよい。また、mが2以上の場合にはR1〜R7で示される基のうち2個の基が連結されていてもよい。
式(II)においてm'が2以上の場合にはR8同士、R9同士、R10同士、R11同士、R12同士、R13同士、R14同士、R15同士、R16同士は、互いに同一でも異なっていてもよい。またpが2以上の場合には、R8〜R16で示される基のうち2個の基が連結されていてもよい。
式(III)においてm"が2以上の場合にはR17同士、R18同士、R19同士、R20同士、R21同士は、互いに同一でも異なっていてもよい。またrが2以上の場合にはR17〜R21で示される基のうち2個の基が連結されていてもよい。
式(I)中のR1〜R7、式(II)中のR8〜R16、式(III)中のR17〜 R21が示すハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
式(I)中のR1〜R7、式(II)中のR8〜R16、式(III)中のR17〜R21が示す炭化水素基として具体的には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ネオペンチル、n−ヘキシルなどの炭素原子数が1〜30、好ましくは1〜20の直鎖状または分岐状のアルキル基;
ビニル、アリル、イソプロペニルなどの炭素原子数が2〜30、好ましくは2〜20の直鎖状または分岐状のアルケニル基;
エチニル、プロパルギルなど炭素原子数が2〜30、好ましくは2〜20の直鎖状または分岐状のアルキニル基;
シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アダマンチルなどの炭素原子数が3〜30、好ましくは3〜20の環状飽和炭化水素基;
シクロペンタジエニル、インデニル、フルオレニルなどの炭素原子数5〜30の環状不飽和炭化水素基;
フェニル、ベンジル、ナフチル、ビフェニリル、ターフェニリル、フェナントリル、アントリルなどの炭素原子数が6〜30、好ましくは6〜20のアリール基;
メチルフェニル、イソプロピルフェニル、t−ブチルフェニル、ジメチルフェニル、ジイソプロピルフェニル、ジ−t−ブチルフェニル、トリメチルフェニル、トリイソプロピルフェニル、トリ−t−ブチルフェニルなどのアルキル置換アリール基などが挙げられる。
上記炭化水素基は、水素原子がハロゲンで置換されていてもよく、例えば、トリフルオロメチル、ペンタフルオロフェニル、クロロフェニルなどの炭素原子数1〜30、好ましくは1〜20のハロゲン化炭化水素基が挙げられる。
また、上記炭化水素基は、他の炭化水素基で置換されていてもよく、例えばベンジル、クミルなどのアリール基置換アルキル基などが挙げられる。
さらにまた上記炭化水素基は、ヘテロ環式化合物残基;アルコキシ基、アリーロキシ基、エステル基、エーテル基、アシル基、カルボキシル基、カルボナート基、ヒドロキシ基、ペルオキシ基、カルボン酸無水物基などの酸素含有基;アミノ基、イミノ基、アミド基、イミド基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、ニトロ基、ニトロソ基、シアノ基、イソシアノ基、シアン酸エステル基、アミジノ基、ジアゾ基、アミノ基がアンモニウム塩となったものなどの窒素含有基;ボランジイル基、ボラントリイル基、ジボラニル基などのホウ素含有基;メルカプト基、チオエステル基、ジチオエステル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、チオアシル基、チオエーテル基、チオシアン酸エステル基、イソチオシアン酸エステル基、スルホンエステル基、スルホンアミド基、チオカルボキシル基、ジチオカルボキシル基、スルホ基、スルホニル基、スルフィニル基、スルフェニル基などのイオウ含有基;ホスフィド基、ホスホリル基、チオホスホリル基、ホスファト基などのリン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基などで置換されていてもよい。
このように炭化水素基は、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、スズ含有基などで置換されていてもよいが、この場合、酸素含有基などの置換基は、その基を特徴づける原子団が、式(I)のNまたはD中の炭素原子、式(II)のE中の炭素原子、式(III)のJ、L、Q、TまたはR中の炭素原子に直接結合しないことが望ましい。
これらのうち、特に、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ネオペンチル、n−ヘキシルなどの炭素原子数1〜30、好ましくは1〜20の直鎖状または分岐状のアルキル基;フェニル、ナフチル、ビフェニリル、ターフェニリル、フェナントリル、アントリルなどの炭素原子数6〜30、好ましくは6〜20のアリール基;これらのアリール基にハロゲン原子、炭素原子数1〜30、好ましくは1〜20のアルキル基またはアルコキシ基、炭素原子数6〜30、好ましくは6〜20のアリール基またはアリーロキシ基などの置換基が1〜5個置換した置換アリール基などが好ましい。
1〜R7は、これらのうちの2個以上の基、好ましくは隣接する基が互いに連結して環を形成することもでき、R8〜R16は、これらのうちの2個以上の基、好ましくは隣接する基が互いに連結して環を形成することもでき、R17〜R21は、これらのうちの2個以上の基、好ましくは隣接する基が互いに連結して環を形成することもできる。このような環としては、例えばベンゼン環、ナフタレン環、アセナフテン環、インデン環などの縮環基、および上記縮環基上の水素原子がメチル、エチル、プロピル、ブチルなどのアルキル基で置換された基などが挙げられる。
式(I)中のR1〜R7、式(II)中のR8〜R16、式(III)中のR17〜R21が示す酸素含有基は、基中に酸素原子を1〜5個含有する基であり、下記ヘテロ環化合物残基は含まれない。また、窒素原子、イオウ原子、リン原子、ハロゲン原子またはケイ素原子を含み、かつこれらの原子と酸素原子とが直接結合している基も酸素含有基には含まれない。酸素含有基として具体的には、例えばアルコキシ基、アリーロキシ基、エステル基、エーテル基、アシル基、カルボキシル基、カルボナート基、ヒドロキシ基、ペルオキシ基、カルボン酸無水物基などが挙げられ、アルコキシ基、アリーロキシ基、アセトキシ基、カルボニル基、ヒドロキシ基などが好ましい。なお酸素含有基が炭素原子を含む場合は、炭素原子数が1〜30、好ましくは1〜20の範囲にあることが望ましい。
式(I)中のR1〜R7、式(II)中のR8〜R16、式(III)中のR17〜R21が示す窒素含有基は、基中に窒素原子を1〜5個含有する基であり、下記ヘテロ環化合物残基は含まれない。窒素含有基として具体的には、例えばアミノ基、イミノ基、アミド基、イミド基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、ニトロ基、ニトロソ基、シアノ基、イソシアノ基、シアン酸エステル基、アミジノ基、ジアゾ基、アミノ基がアンモニウム塩となったものなどが挙げられ、アミノ基、イミノ基、アミド基、イミド基、ニトロ基、シアノ基が好ましい。なお、窒素含有基が炭素原子を含む場合は、炭素原子数が1〜30、好ましくは1〜20であることが望ましい。
式(I)中のR1〜R7、式(II)中のR8〜R16、式(III)中のR17〜 R21が示すホウ素含有基は、基中に1〜5個のホウ素原子を含む基であり、下記ヘテロ環化合物残基は含まれない。ホウ素含有基として具体的には、例えばボランジイル基、ボラントリイル基、ジボラニル基などのホウ素含有基が挙げられ、炭素原子数が1〜30、好ましくは1〜20の炭化水素基が1〜2個置換したボリル基または1〜3個置換したボレート基が好ましい。炭化水素基が2個以上置換している場合には、各炭化水素は同一でも異なっていてもよい。
式(I)中のR1〜R7、式(II)中のR8〜R16、式(III)中のR17〜R21が示すイオウ含有基は、基中にイオウ原子を1〜5個含有する基であり、下記ヘテロ環化合物残基は含まれない。イオウ含有基として具体的には、例えばメルカプト基、チオエステル基、ジチオエステル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、チオアシル基、チオエーテル基、チオシアン酸エステル基、イソチオシアン酸エステル基、スルホンエステル基、スルホンアミド基、チオカルボキシル基、ジチオカルボキシル基、スルホ基、スルホニル基、スルフィニル基、スルフェニル基、スルフォネート基、スルフィネート基などが挙げられ、スルフォネート基、スルフィネート基、アルキルチオ基、アリールチオ基が好ましい。なおイオウ含有基が炭素原子を含む場合は、炭素原子数が1〜30、好ましくは1〜20の範囲にあることが望ましい。
式(I)中のR1〜R7、式(II)中のR8〜R16、式(III)中のR17〜 R21が示すリン含有基は、基中に1〜5のリン原子を含有する基であり、下記ヘテロ環化合物残基は含まれない。リン含有基として具体的には、例えばホスフィノ基、ホスホリル基、ホスホチオイル基、ホスホノ基などが挙げられる。
式(I)中のR1〜R7、式(II)中のR8〜R16、式(III)中のR17〜R21が示すヘテロ環式化合物残基は、基の中にヘテロ原子を1〜5個含む環状の基であり、ヘテロ原子としてはO、N、S、P、Bなどが挙げられる。環としては例えば4〜7員環の単環および多環、好ましくは5〜6員環の単環および多環が挙げられる。具体的には、例えばピロール、ピリジン、ピリミジン、キノリン、トリアジンなどの含窒素化合物の残基;フラン、ピランなどの含酸素化合物の残基;チオフェンなどの含イオウ化合物の残基など、およびこれらの残基に、炭素原子数が1〜30、好ましくは1〜20のアルキル基、炭素原子数が1〜30、好ましくは1〜20のアルコキシ基などの置換基がさらに置換した基などが挙げられる。
式(I)中のR1〜R7、式(II)中のR8〜R16、式(III)中のR17〜R21が示すケイ素含有基は、基中に1〜5のケイ素原子を含有する基であり、例えば炭化水素置換シリル基などのシリル基、炭化水素置換シロキシ基などのシロキシ基が挙げられる。具体的には、メチルシリル、ジメチルシリル、トリメチルシリル、エチルシリル、ジエチルシリル、トリエチルシリル、ジフェニルメチルシリル、トリフェニルシリル、ジメチルフェニルシリル、ジメチル−t−ブチルシリル、ジメチル(ペンタフルオロフェニル)シリルなどが挙げられる。これらの中では、メチルシリル、ジメチルシリル、トリメチルシリル、エチルシリル、ジエチルシリル、トリエチルシリル、ジメチルフェニルシリル、トリフェニルシリルなどが好ましく、特にトリメチルシリル、トリエチルシリル、トリフェニルシリル、ジメチルフェニルシリルが好ましい。炭化水素置換シロキシ基として具体的には、トリメチルシロキシなどが挙げられる。なおケイ素含有基が炭素原子を含む場合は、炭素原子数が1〜30、好ましくは1〜20の範囲にあることが望ましい。
式(I)中のR1〜R7、式(II)中のR8〜R16、式(III)中のR17〜R21が示すゲルマニウム含有基およびスズ含有基としては、上記ケイ素含有基のケイ素をゲルマニウムおよびスズに置換したものが挙げられる。
次に上記で説明した式(I)中のR1〜R7、式(II)中のR8〜R16、式(III)中のR17〜R21の例について、より具体的に説明する。
酸素含有基のうち、アルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシなどが、アリーロキシ基としては、フェノキシ、2,6−ジメチルフェノキシ、2,4,6−トリメチルフェノキシなどが、アシル基としては、ホルミル、アセチル、ベンゾイル、p−クロロベンゾイル、p−メトキシベンソイルなどが、エステル基としては、アセチルオキシ、ベンゾイルオキシ、メトキシカルボニル、フェノキシカルボニル、p−クロロフェノキシカルボニルなどが好ましく例示される。
窒素含有基のうち、アミノ基としては、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジブチルアミノ、ジシクロヘキシルアミノなどのアルキルアミノ基;フェニルアミノ、ジフェニルアミノ、ジトリルアミノ、ジナフチルアミノ、メチルフェニルアミノなどのアリールアミノ基またはアルキルアリールアミノ基などが、イミノ基としては、メチルイミノ、エチルイミノ、プロピルイミノ、ブチルイミノ、フェニルイミノなどが、アミド基としては、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N−メチルベンズアミドなどが、イミド基としては、アセトイミド、ベンズイミドなどが好ましく例示される。
イオウ含有基のうち、アルキルチオ基としては、メチルチオ、エチルチオなどが、アリールチオ基としては、フェニルチオ、メチルフェニルチオ、ナルチルチオなどが、チオエステル基としては、アセチルチオ、ベンゾイルチオ、メチルチオカルボニル、フェニルチオカルボニルなどが、スルホンエステル基としては、スルホン酸メチル、スルホン酸エチル、スルホン酸フェニルなどが、スルホンアミド基としては、フェニルスルホンアミド、N−メチルスルホンアミド、N−メチル−p−トルエンスルホンアミドなどが好ましく挙げられる。
スルフォネート基としては、メチルスルフォネート、トリフルオロメタンスルフォネート、フェニルスルフォネート、ベンジルスルフォネート、p−トルエンスルフォネート、トリメチルベンゼンスルフォネート、トリイソブチルベンゼンスルフォネート、p−クロルベンゼンスルフォネート、ペンタフルオロベンゼンスルフォネートなどが、スルフィネート基としてはメチルスルフィネート、フェニルスルフィネート、ベンジルスルフィネート、p−トルエンスルフィネート、トリメチルベンゼンスルフィネート、ペンタフルオロベンゼンスルフィネートなどが挙げられる。
リン含有基のうち、ホスフィノ基としては、ジメチルフォスフィノ、ジフェニルフォスフィノなどが挙げられ、ホスホリル基としては、メチルホスホリル、イソプロピルホスホリル、フェニルホスホリルなどが挙げられ、ホスホチオイル基としては、メチルホスホチオイル、イソプロピルホスホチオイル、フェニルホスホチオイルなどが挙げられ、ホスホノ基としては、リン酸ジメチル、リン酸ジイソプロピル、リン酸ジフェニルなどのリン酸エステル基、リン酸基などが挙げられる。
式(I)中のnは、M1の価数を満たす数であり、具体的には0〜5、好ましくは0〜4、より好ましくは0〜3の整数である。
式(II)中のqは、M2の価数を満たす数であり、具体的には0〜5、好ましくは0〜4、より好ましくは0〜3の整数である。
式(III)中のrは、M3の価数を満たす数であり、具体的には0〜5、好ましくは0〜4、より好ましくは0〜3の整数である。
なお、式(I)中のX1が酸素原子以外の原子または基である場合には、nは、好ましくは1〜4、より好ましくは1〜3の整数である。
式(II)中のX2が酸素原子以外の原子または基である場合には、qは、好ましくは1〜4、より好ましくは1〜3の整数である。
式(III)中のX3が酸素原子以外の原子または基である場合には、rは、好ましくは1〜4、より好ましくは1〜3の整数である。
式(I)において、X1は水素原子、ハロゲン原子、酸素原子、炭化水素基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、アルミニウム含有基、ゲルマニウム含有基またはスズ含有基より任意に選ばれる原子または基を示し、
式(II)において、X2は水素原子、ハロゲン原子、酸素原子、炭化水素基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、アルミニウム含有基、ゲルマニウム含有基またはスズ含有基より任意に選ばれる原子または基を示し、
式(III)において、X3は水素原子、ハロゲン原子、酸素原子、炭化水素基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、アルミニウム含有基、ゲルマニウム含有基またはスズ含有基より任意に選ばれる原子または基を示す。
なお式(I)においてnが2以上の場合には、X1で示される複数の基は互いに同一であっても異なっていてもよく、式(II)においてnが2以上の場合には、X2で示される複数の基は互いに同一であっても異なっていてもよく、式(III)においてnが2以上の場合には、X3で示される複数の基は互いに同一であっても異なっていてもよい。
また式(I)においてnが2以上の場合には、X1で示される複数の基は互いに結合して環を形成していてもよく、式(II)においてnが2以上の場合には、X2で示される複数の基は互いに結合して環を形成していてもよく、式(III)においてnが2以上の場合には、X3で示される複数の基は互いに結合して環を形成していてもよい。
式(I)中のX1、式(II)中のX2、式(III)中のX3が示すハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
式(I)中のX1、式(II)中のX2、式(II1)中のX3が示す炭化水素基としては、上記式(1)中のR1〜R7で例示したものと同様のものが挙げられる。具体的には、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、オクチル、ノニル、ドデシル、アイコシルなどのアルキル基;シクロペンチル、シクロヘキシル、ノルボルニル、アダマンチルなどの炭素原子数が3〜30のシクロアルキル基;ビニル、プロペニル、シクロヘキセニルなどのアルケニル基;ベンジル、フェニルエチル、フェニルプロピルなどのアリールアルキル基;フェニル、トリル、ジメチルフェニル、トリメチルフェニル、エチルフェニル、プロピルフェニル、ビフェニリル、ナフチル、メチルナフチル、アントリル、フェナントリルなどのアリール基などが挙げられる。また、この炭化水素基には、ハロゲン化炭化水素、具体的には炭素原子数1〜20の炭化水素基の少なくとも一つの水素がハロゲンに置換した基も含まれる。これらのうち、炭素原子数が1〜20のものが好ましい。
式(I)中のX1、式(II)中のX2、式(III)中のX3が示す酸素含有基としては、上記R1〜R21で例示したものと同様のものが挙げられ、具体的には、ヒドロキシ基;メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシなどのアルコキシ基;フェノキシ、メチルフェノキシ、ジメチルフェノキシ、ナフトキシなどのアリーロキシ基;フェニルメトキシ、フェニルエトキシなどのアリールアルコキシ基;アセトキシ基;カルボニル基などが挙げられる。
式(I)中のX1、式(II)中のX2、式(III)中のX3が示す窒素含有基として具体的には、上記R1〜R21で例示したものと同様のものが挙げられ、具体的には、アミノ基;メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジブチルアミノ、ジシクロヘキシルアミノなどのアルキルアミノ基;フェニルアミノ、ジフェニルアミノ、ジトリルアミノ、ジナフチルアミノ、メチルフェニルアミノなどのアリールアミノ基またはアルキルアリールアミノ基などが挙げられる。
式(I)中のX1、式(II)中のX2、式(III)中のX3が示すホウ素含有基として具体的には、BR4(Rは水素、アルキル基、置換基を有してもよいアリール基、ハロゲン原子などを示す)が挙げられる。
式(I)中のX1、式(II)中のX2、式(III)中のX3が示すイオウ含有基としては、上記R1〜R21で例示したものと同様のものが挙げられ、具体的には、メチルスルフォネート、トリフルオロメタンスルフォネート、フェニルスルフォネート、ベンジルスルフォネート、p−トルエンスルフォネート、トリメチルベンゼンスルフォネート、トリイソブチルベンゼンスルフォネート、p−クロルベンゼンスルフォネート、ペンタフルオロベンゼンスルフォネートなどのスルフォネート基;メチルスルフィネート、フェニルスルフィネート、ベンジルスルフィネート、p−トルエンスルフィネート、トリメチルベンゼンスルフィネート、ペンタフルオロベンゼンスルフィネートなどのスルフィネート基;アルキルチオ基;アリールチオ基などが挙げられる。
式(I)中のX1、式(II)中のX2、式(III)中のX3が示すリン含有基として具体的には、トリメチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィンなどのトリアルキルホスフィン基;トリフェニルホスフィン、トリトリルホスフィンなどのトリアリールホスフィン基;メチルホスファイト、エチルホスファイト、フェニルホスファイトなどのホスファイト基(ホスフィド基);ホスホン酸基;ホスフィン酸基などが挙げられる。
式(I)中のX1、式(II)中のX2、式(III)中のX3が示すハロゲン含有基として具体的には、PF6、BF4などのフッ素含有基、ClO4、SbCl6などの塩素含有基、IO4などのヨウ素含有基が挙げられる。
式(I)中のX1、式(II)中のX2、式(III)中のX3が示すヘテロ環式化合物残基としては、上記R1〜R21で例示したものと同様のものが挙げられる。
式(I)中のX1、式(II)中のX2、式(III)中のX3が示すケイ素含有基として具体的には、上記R1〜R21で例示したものと同様のものが挙げられ、具体的には、フェニルシリル、ジフェニルシリル、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリプロピルシリル、トリシクロヘキシルシリル、トリフェニルシリル、メチルジフェニルシリル、トリトリルシリル、トリナフチルシリルなどの炭化水素置換シリル基;トリメチルシリルエーテルなどの炭化水素置換シリルエーテル基;トリメチルシリルメチルなどのケイ素置換アルキル基;トリメチルシリルフェニルなどのケイ素置換アリール基などが挙げられる。
式(I)中のX1、式(II)中のX2、式(III)中のX3が示すアルミニウム含有基として具体的には、AlR4(Rは水素、アルキル基、置換基を有してもよいアリール基、ハロゲン原子などを示す)が挙げられる。
式(I)中のX1、式(II)中のX2、式(III)中のX3が示すゲルマニウム含有基として具体的に、上記R1〜R21で例示したものと同様のものが挙げられる。
式(I)中のX1、式(II)中のX2、式(III)中のX3が示すスズ含有基として具体的には、上記R1〜R21で例示したものと同様のものが挙げられる。
以下に、上記一般式(I)、(II)または(III)で表される遷移金属化合物の具体的な例を示す。
なお、下記具体例においてMは遷移金属原子であり、例えばSc(III)、Ti(III)、Ti(IV)、Zr(III)、Zr(IV)、Hf(IV)、V(III)、V(IV)、V(V)、Nb(V)、Ta(V)、Fe(II)、Fe(III)、Co(II)、Co(III)、Rh(II)、Rh(III)、Rh(IV)、Cr(III)、Ni(II)、Pd(II)を示す。これらの中では、Ti(IV)、Zr(IV)、Hf(IV)、V(III)、V(IV)、V(V)、Nb(V)、Ta(V)が好ましく、特にTi(IV)、Zr(IV)、Hf(IV)が好ましい。
また下記具体例においてXは、例えばCl、Brなどのハロゲン、または酸素原子、またはメチルなどのアルキル基を示す。また、Xが複数ある場合は、これらは同じであっても、異なっていてもよい。
nは金属Mの価数により決定される。例えば、2種のモノアニオン種が金属に結合している場合、2価金属ではn=0、3価金属ではn=1、4価金属ではn=2、5価金属ではn=3になり、例えば金属がV(III)の場合はn=1であり、Ti(IV)、Zr(IV)、V(IV)の場合はn=2であり、V(V)の場合はn=3であり、例えば、1種のモノアニオン種が金属に結合し、かつ1つの酸素原子が二重結合を介して金属に結合している場合、3価金属ではn=0、4価金属ではn=1、5価金属ではn=2になり、例えば金属がV(III)の場合はn=0であり、Ti(IV)またはZr(IV)またはV(IV)の場合はn=1であり、V(V)の場合はn=2であり、例えば、2種のモノアニオン種が金属に結合し、かつ1つの酸素原子が二重結合を介して金属に結合している場合、4価金属ではn=0、5価金属ではn=1になり、例えば金属がTi(IV)またはZr(IV)またはV(IV)の場合はn=0であり、V(V)の場合はn=1であり、例えば1種のモノアニオン種が金属に結合し、かつ1つの酸素原子が単結合を介して金属に結合している場合、2価金属ではn=0、3価金属ではn=1、4価金属ではn=2、5価金属ではn=3になり、例えば金属がV(III)の場合はn=1であり、Ti(IV)またはZr(IV)またはV(IV)の場合はn=2であり、V(V)の場合はn=3である。
以下に、上記一般式(I)、(II)または(III)で表される遷移金属化合物の具体的な例を示す。
Figure 0005221848
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なお、上記例示化合物中のtBuはt−ブチル基を、OMeはメトキシ基を、Phはフェニル基を、Meはメチル基を、Admはアダマンチル基を示す。
本発明では、上記のような化合物において、ジルコニウムをチタン、ハフニウム、バナジウムなどの周期表第4、5族から選ばれる金属に置き換えた遷移金属化合物を例示することもできる。
化合物(a−2)
本発明では(A)成分として、下記一般式(IVa)で表される化合物(a−2)を用いることができる。
Figure 0005221848
式(IVa)中、Mは周期表第3〜7族から選ばれる遷移金属原子を示し、好ましくは第4、5族から選ばれる遷移金属原子を示す。具体的には、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタルなどが挙げられ、好ましくはチタン、ジルコニウム、バナジウムである。
式(IVa)中、R1〜R6は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基またはスズ含有基を示し、これらのうちの2個以上が互いに連結して芳香族環、脂肪族環または窒素原子、イオウ原子、酸素原子などのヘテロ原子を含む炭化水素環などの環を形成していてもよい。このうちR5およびR6は、炭化水素基であることが好ましく、アルキル基置換アリール基であることがより好ましい。
式(IVa)中のR1〜R6が示すハロゲン原子、炭化水素基としては、上記式(I)中のR1〜R7として例示したものと同様のハロゲン原子、炭化水素基が挙げられる。
式(IVa)中のR1〜R6が示す炭化水素基は、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、スズ含有基などで置換されていてもよいが、この場合、酸素含有基などの置換基は、その基を特徴づける原子団が、式(IVa)のNに直接結合しないことが望ましい。
これらのうち、特に、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ネオペンチル、n−ヘキシルなどの炭素原子数1〜30、好ましくは1〜20の直鎖状または分岐状のアルキル基;フェニル、ナフチル、ビフェニリル、ターフェニリル、フェナントリル、アントリルなどの炭素原子数6〜30、好ましくは6〜20のアリール基;これらのアリール基にハロゲン原子、炭素原子数1〜30、好ましくは1〜20のアルキル基またはアルコキシ基、炭素原子数6〜30、好ましくは6〜20のアリール基またはアリーロキシ基などの置換基が1〜5個置換した置換アリール基などが好ましい。
式(IVa)中のR1〜R6は、これらのうちの2個以上の基、好ましくは隣接する基が互いに連結して芳香族環、脂肪族環または窒素原子、イオウ原子、酸素原子などを含む炭化水素環を形成していてもよく、これらの環はさらに置換基を有していてもよく、特にR3とR4は連結して芳香放環を形成することが好ましい。
式(IVa)中のR1〜R6が示す酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基およびスズ含有基としては、上記式(I)中のR1〜R7として例示したものと同様の基が挙げられる。
また式(IVa)中のR1〜R6のより具体的な例としては、上記式(I)中のR1〜R7のより具体的な例として示したものと同様の基が挙げられる。
式(IVa)中、nはMの価数を満たす数を示し、具体的には1〜5、好ましくは1〜4、より好ましくは1〜3の整数である。
式(IVa)中、Xは、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基またはスズ含有基を示す。
式(IVa)中のXが示す、ハロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基およびスズ含有基としては、上記式(I)中のX1として例示したものと同様の原子または基が挙げられる。
これらのうち炭化水素基としては、炭素原子数が1〜20のものが好ましい。
なお、nが2以上の場合は、Xで示される複数の基は互いに同一でも異なっていてもよく、またXで示される複数の基は互いに結合して環を形成してもよい。
上記一般式(IVa)で表される化合物(a−2)は、下記一般式(IVa')で表される化合物であることが好ましい。
Figure 0005221848
式(IVa')中、Mは周期表第4、5族から選ばれる遷移金属原子を示し、具体的にはチタン、ジルコニウム、バナジウム、ニオブ、タンタルが挙げられる。
式(IVa')中、R7〜R13は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基またはスズ含有基を示し、これらのうちの2個以上が互いに連結して環を形成していてもよい。このうちR12およびR13は、炭化水素基であることが好ましく、o−アルキル基置換アリール基であることがより好ましい。
式(IVa')中、R7〜R13が示すハロゲン原子、炭化水素基としては、上記一般式(I)中のR1〜R7と同様の原子または基が挙げられる。
炭化水素基は、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、スズ含有基などで置換されていてもよいが、この場合、酸素含有基などの置換基は、その基を特徴づける原子団が、式(IVa')のNに直接結合しないことが望ましい。
式(IVa')中、R7〜R13が示す酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基およびスズ含有基としては、上記一般式(I)中のR1〜R7と同様の基が挙げられる。
また式(IVa')中のR7〜R13のより具体的な例としては、上記式(I)中のR1〜R7のより具体的な例として示したものと同様の基が挙げられる。
式(IVa')中、nはMの価数を満たす数であり、具体的には1〜5、好ましくは1〜4、より好ましくは1〜3の整数である。
式(IVa')中、Xは、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残基、アルミニウム含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基またはスズ含有基を示す。
式(IVa')中のXが示す、ハロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基およびスズ含有基としては、上記式(I)中のX1として例示したものと同様の原子または基が挙げられる。
なお、nが2以上の場合は、Xで示される複数の基は互いに同一でも異なっていてもよく、またXで示される複数の基は互いに結合して環を形成してもよい。
以下に、上記一般式(IVa)で表される化合物の具体例を示す。
Figure 0005221848
なお、上記例示中、iPrはイソプロピル基を、tBuはt−ブチル基を、Phはフェニル基を示す。
化合物(a−3)
本発明では(A)成分として、下記一般式((IVb)で表される化合物(a−3)を用いることができる。
Figure 0005221848
式(IVb)中、Mは周期表第8〜11族から選ばれる遷移金属原子を示し、好ましくは第8、9族から選ばれる遷移金属原子を示す。具体的には、鉄、ルテニウム、オスミウム、コバルト、ロジウム、イリジウム、ニッケル、パラジウム、銅などが挙げられ、好ましくは鉄、ルテニウム、コバルト、ロジウムなどであり、より好ましくは鉄またはコバルトである。
式(IVb)中、R1〜R6は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基またはスズ含有基を示し、これらのうちの2個以上が互いに連結して芳香族環、脂肪族環または窒素原子、イオウ原子、酸素原子などのヘテロ原子を含む炭化水素環などの環を形成していてもよい。このうちR5およびR6は、炭化水素基であることが好ましく、アルキル基置換アリール基であることがより好ましい。
式(IVb)中のR1〜R6が示すハロゲン原子、炭化水素基としては、上記式(I)中のR1〜R7として例示したものと同様のハロゲン原子、炭化水素基が挙げられる。
式(IVb)中のR1〜R6が示す炭化水素基は、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、スズ含有基などで置換されていてもよいが、この場合、酸素含有基などの置換基は、その基を特徴づける原子団が、式(IVb)のNに直接結合しないことが望ましい。
これらのうち、特に、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ネオペンチル、n−ヘキシルなどの炭素原子数1〜30、好ましくは1〜20の直鎖状または分岐状のアルキル基;フェニル、ナフチル、ビフェニリル、ターフェニリル、フェナントリル、アントリルなどの炭素原子数6〜30、好ましくは6〜20のアリール基;これらのアリール基にハロゲン原子、炭素原子数1〜30、好ましくは1〜20のアルキル基またはアルコキシ基、炭素原子数6〜30、好ましくは6〜20のアリール基またはアリーロキシ基などの置換基が1〜5個置換した置換アリール基などが好ましい。
式(IVb)中のR1〜R6は、これらのうちの2個以上の基、好ましくは隣接する基が互いに連結して芳香族環、脂肪族環または窒素原子、イオウ原子、酸素原子などを含む炭化水素環を形成していてもよく、これらの環はさらに置換基を有していてもよく、特にR3とR4は連結して芳香族環を形成することが好ましい。
式(IVb)中のR1〜R6が示す酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基およびスズ含有基としては、上記式(I)中のR1〜R7として例示したものと同様の基が挙げられる。
また式(IVb)中のR1〜R6のより具体的な例としては、上記式(I)中のR1〜R7のより具体的な例として示したものと同様の基が挙げられる。
式(IVb)中、nはMの価数を満たす数であり、具体的には1〜5、好ましくは1〜4、より好ましくは1〜3の整数である。
式(IVb)中のXは、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基またはスズ含有基を示す。
式(IVb)中のXが示す、ハロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基およびスズ含有基としては、上記式(I)中のX1として例示したものと同様の原子または基が挙げられる。
これらのうち炭化水素基としては、炭素原子数が1〜20のものが好ましい。
なお、nが2以上の場合は、Xで示される複数の基は互いに同一でも異なっていてもよく、またXで示される複数の基は互いに結合して環を形成してもよい。
上記一般式(IVb)で表される化合物(a−3)は、下記一般式(IVb')で表される化合物であることが好ましい。
Figure 0005221848
式(IVb')中、Mは周期表第8、9族から選ばれる遷移金属原子を示し、具体的には鉄またはコバルトが挙げられる。
式(IVb')中、R7〜R13は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基またはスズ含有基を示し、これらのうちの2個以上が互いに連結して環を形成していてもよい。このうちR12およびR13は、炭化水素基であることが好ましく、o−アルキル基置換アリール基であることがより好ましい。
式(IVb')中、R7〜R13が示すハロゲン原子、炭化水素基としては、上記一般式(I)中のR1〜R7と同様の原子または基が挙げられる。
炭化水素基は、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、スズ含有基などで置換されていてもよいが、この場合、酸素含有基などの置換基は、その基を特徴づける原子団が、式(IVb')のNに直接結合しないことが望ましい。
式(IVb')中、R7〜R13が示す酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基およびスズ含有基としては、上記一般式(I)中のR1〜R7と同様の基が挙げられる。
また式(IVb')中のR7〜R13のより具体的な例としては、上記式(I)中のR1〜R7のより具体的な例として示したものと同様の基が挙げられる。
式(IVb')中、nはMの価数を満たす数であり、具体的には1〜5、好ましくは1〜4、より好ましくは1〜3の整数である。
式(IVb')中Xは、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残基、アルミニウム含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基またはスズ含有基を示す。
式(IVb')中のXが示す、ハロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基およびスズ含有基としては、上記式(I)中のX1として例示したものと同様の原子または基が挙げられる。
なお、nが2以上の場合は、Xで示される複数の基は互いに同一でも異なっていてもよく、またXで示される複数の基は互いに結合して環を形成してもよい。
以下に、上記一般式(IVb)で表される化合物の具体例を示す。
Figure 0005221848
なお、上記例示中、iPrはイソプロピル基を、tBuはt−ブチル基を、Phはフェニル基を示す。
本発明では、上記のような化合物において、鉄をロジウム、コバルトなどの鉄以外の周期表第8〜11族から選ばれる金属に置き換えた遷移金属化合物を例示することもできる。
化合物(a−4)
本発明では(A)成分として、下記一般式(IVc)で表される化合物(a−4)を用いることができる。
Figure 0005221848
式(IVc)中、Mは周期表第3〜11族から選ばれる遷移金属原子を示し、好ましくは第4、5族および第8、9族から選ばれる遷移金属原子を示す。具体的には、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、鉄、ルテニウム、オスミウム、コバルト、ロジウム、イリジウム、ニッケル、パラジウム、銅などが挙げられ、好ましくはチタン、ジルコニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、鉄、ルテニウム、コバルト、ロジウムなどであり、より好ましくはチタン、ジルコニウム、バナジウム、鉄またはコバルトである。
式(IVc)中、mは、1〜6の整数であり、好ましくは1〜4の整数であり、より好ましくは1〜3の整数であり、特に好ましくは1〜2の整数である。
式(IVc)中、R1〜R6は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基またはスズ含有基を示し、これらのうちの2個以上が互いに連結して芳香族環、脂肪族環または窒素原子、イオウ原子、酸素原子などのヘテロ原子を含む炭化水素環などの環を形成していてもよい。このうちR5およびR6は、炭化水素基であることが好ましく、アルキル基置換アリール基であることがより好ましい。
式(IVc)中のR1〜R6が示すハロゲン原子、炭化水素基としては、上記式(I)中のR1〜R7として例示したものと同様のハロゲン原子、炭化水素基が挙げられる。
式(IVc)中のR1〜R6が示す炭化水素基は、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、スズ含有基などで置換されていてもよいが、この場合、酸素含有基などの置換基は、その基を特徴づける原子団が、式(IVc)のNに直接結合しないことが望ましい。
これらのうち、特に、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ネオペンチル、n−ヘキシルなどの炭素原子数1〜30、好ましくは1〜20の直鎖状または分岐状のアルキル基;フェニル、ナフチル、ビフェニリル、ターフェニリル、フェナントリル、アントリルなどの炭素原子数6〜30、好ましくは6〜20のアリール基;これらのアリール基にハロゲン原子、炭素原子数1〜30、好ましくは1〜20のアルキル基またはアルコキシ基、炭素原子数6〜30、好ましくは6〜20のアリール基またはアリーロキシ基などの置換基が1〜5個置換した置換アリール基などが好ましい。
式(IVc)中のR1〜R6は、これらのうちの2個以上の基、好ましくは隣接する基が互いに連結して芳香族環、脂肪族環または窒素原子、イオウ原子、酸素原子などを含む炭化水素環を形成していてもよく、これらの環はさらに置換基を有していてもよく、特にR3とR4は連結して芳香族環を形成することが好ましい。
式(IVc)中のR1〜R6が示す酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基およびスズ含有基としては、上記式(I)中のR1〜R7として例示したものと同様の基が挙げられる。
また式(IVc)中のR1〜R6のより具体的な例としては、上記式(I)中のR1〜R7のより具体的な例として示したものと同様の基が挙げられる。
式(IVc)中、nはMの価数を満たす数であり、具体的には1〜5、好ましくは1〜4、より好ましくは1〜3の整数である。
nが1の場合には、Xは酸素原子であり、nが2以上の場合には、Xの少なくとも一つは酸素原子であり、その他は水素原子、ハロゲン原子、酸素原子、炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基またはスズ含有基を示す。
式(IVc)中のXが示す、ハロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基およびスズ含有基としては、上記式(I)中のX1として例示したものと同様の原子または基が挙げられる。
これらのうち炭化水素基としては、炭素原子数が1〜20のものが好ましい。
なお、nが2以上の場合は、Xで示される複数の基は互いに同一でも異なっていてもよく、またXで示される複数の基は互いに結合して環を形成してもよい。
上記一般式(IVc)で表される化合物(a−4)は、下記一般式(IVc')で表される化合物であることが好ましい。
Figure 0005221848
式(IVc')中、Mは周期表第4、5族および第8、9族から選ばれる遷移金属原子を示し、具体的にはチタン、ジルコニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、鉄またはコバルトが挙げられる。
式(IVc')中、mは、1〜6の整数であり、好ましくは1〜4の整数であり、より好ましくは1〜3の整数であり、特に好ましくは1〜2の整数である。
式(IVc')中、R7〜R13は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基またはスズ含有基を示し、これらのうちの2個以上が互いに連結して環を形成していてもよい。このうちR12およびR13は、炭化水素基であることが好ましく、o−アルキル基置換アリール基であることがより好ましい。
式(IVc')中、R7〜R13が示すハロゲン原子、炭化水素基としては、上記一般式(I)中のR1〜R7と同様の原子または基が挙げられる。
炭化水素基は、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、スズ含有基などで置換されていてもよいが、この場合、酸素含有基などの置換基は、その基を特徴づける原子団が、式(IVc')のNに直接結合しないことが望ましい。
式(IVc')中、R7〜R13が示す酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基およびスズ含有基としては、上記一般式(I)中のR1〜R7と同様の基が挙げられる。
また式(IVc')中のR7〜R13のより具体的な例としては、上記式(I)中のR1〜R7のより具体的な例として示したものと同様の基が挙げられる。
式(IVc')中、nは、Mの価数を満たす数であり、具体的には1〜5、好ましくは1〜4、より好ましくは1〜3の整数である。
nが1の場合には、Xは酸素原子であり、nが2以上の場合には、Xの少なくとも一つは酸素原子であり、その他は水素原子、ハロゲン原子、酸素原子、炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残基、アルミニウム含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基またはスズ含有基を示す。
式(IVc')中のXが示す、ハロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基およびスズ含有基としては、上記式(I)中のX1として例示したものと同様の原子または基が挙げられる。
なお、nが2以上の場合は、Xで示される複数の基は互いに同一でも異なっていてもよく、またXで示される複数の基は互いに結合して環を形成してもよい。
化合物(a−5)
本発明では(A)成分として、下記一般式(V)で表される化合物(a−5)を用いることができる。
Figure 0005221848
式(V)中、Mは周期表第3〜6族から選ばれる遷移金属原子を示し、好ましくは4族原子であり、具体的にはチタン、ジルコニウムまたはハフニウムである。
式(V)中、RおよびR'は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、炭素原子数1〜50の炭化水素基、炭素原子数1〜50のハロゲン化炭化水素基もしくは有機シリル基または、窒素、酸素、リン、イオウおよびケイ素から選ばれる少なくとも1種の原子を有する置換基を示し、好ましくは炭化水素基である。
式(V)中、R、R'が示す炭素原子数1〜50の炭化水素基、炭素原子数1〜50のハロゲン化炭化水素基としては、例えば上記一般式(I)中のR1〜R7として例示した炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基が挙げられ、R、R'が示す有機シリル基としては、例えば上記一般式(I)中のR1〜R7として例示したケイ素含有基が挙げられ、R、R'が示す窒素、酸素、リン、イオウおよびケイ素から選ばれる少なくとも1種の原子を有する置換基としては、例えば上記一般式(I)中のR1〜R7として例示した窒素含有基、酸素含有基、イオウ含有基およびヘテロ環式化合物残基のうち窒素、酸素、リン、イオウまたはケイ素を有する残基が挙げられる。
式(V)中、nはMの価数を満たす数であり、具体的には1〜5、好ましくは1〜4、より好ましくは1〜3の整数である。
式(V)中、Xは互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、酸素原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、ケイ素含有基または窒素含有基を示し、X同士が互いに結合して環を形成してもよい。
式(V)中のXが示すハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、ケイ素含有基および窒素含有基としては、例えば上記一般式(I)中のR1〜R7として例示したハロゲン原子、炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、ケイ素含有基および窒素含有基が挙げられる。
以下に上記一般式(V)で表される化合物の具体例を示す。
Figure 0005221848
なお、上記例示中、nBuはn−ブチル基を、Meはメチル基を、iPrはイソプロピル基を、Phはフェニル基を示す。
化合物(a−6)
本発明では(A)成分として、下記一般式(VI)で表される化合物(a−6)を用いることができる。
Figure 0005221848
式(VI)中、Mは、周期表第4族および第5族から選ばれる遷移金属原子を示し、具体的にはチタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタルである。
式(VI)中、R1〜R10は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、炭素原子数1〜50の炭化水素基、炭素原子数1〜50のハロゲン化炭化水素基もしくは有機シリル基または窒素、酸素、リン、イオウ、ケイ素から選ばれる少なくとも1種の原子を含む置換基で置換された炭化水素基を示し、好ましくは水素または炭化水素を示す。R1〜R10で表される基は、それぞれが互いに連結して環を形成していてもよい。
式(VI)中、R1〜R10が示す炭素原子数1〜50の炭化水素基、炭素原子数1〜50のハロゲン化炭化水素基としては、例えば上記一般式(I)中のR1〜R7として例示した炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基が挙げられ、R1〜R10が示す有機シリル基としては、例えば上記一般式(I)中のR1〜R7として例示したケイ素含有基が挙げられ、R1〜R10が示す窒素、酸素、リン、イオウおよびケイ素から選ばれる少なくとも1種の原子を有する置換基で置換された炭化水素基としては、例えば上記一般式(I)中のR1〜R7として例示した窒素含有基、酸素含有基、イオウ含有基またはヘテロ環式化合物残基のうち窒素、酸素、リン、イオウもしくはケイ素を有する残基で置換された炭化水素基が挙げられる。
式(VI)中、nはMの価数を満たす数を示し、具体的には1〜5、好ましくは1〜4、より好ましくは1〜3の整数である。
式(VI)中、Xは水素原子、ハロゲン原子、酸素原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、ケイ素含有基、窒素含有基を示し、好ましくはハロゲン原子を示す。nが2以上の場合には、Xで示される複数の基は互いに同一であっても、異なっていてもよい。
式(VI)中のXが示すハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、ケイ素含有基および窒素含有基としては、例えば上記一般式(I)中のR1〜R7として例示したハロゲン原子、炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、ケイ素含有基および窒素含有基が挙げられる。
式(VI)中、Yは周期表第15族および16族から選ばれる原子を示す。具体的には、窒素、リン、砒素、アンチモン、酸素、またはイオウ原子を示し、好ましくは窒素または酸素原子を示す
以下に、上記一般式(VI)で表される化合物の具体例を示す。
Figure 0005221848
なお、上記例示中、Phはフェニル基を示す。
化合物(a−7)
本発明では(A)成分として、下記一般式(VII)または(VIII)で表される化合物(a−7)を用いることができる。
Figure 0005221848
式(VII)および(VIII)中、Mは周期表第4族および第5族から選ばれる遷移金属原子を示し、具体的にはチタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブまたはタンタルである。
式(VII)中のR1〜R6および式(VIII)中のR7〜R10は、それぞれ互いに同一でも異なっていてもよく、水素、炭素原子数1〜50の炭化水素基、炭素原子数〜50のハロゲン化炭化水素基もしくは有機シリル基または窒素、酸素、リン、イオウ、ケイ素から選ばれる少なくとも1種の原子を含む置換基で置換された炭化水素基を示し、好ましくは水素または炭化水素を示す。式(VII)中のR1〜R6、式(VIII)中のR7〜R10で表される基から選ばれる少なくとも2個の基は、それぞれが互いに連結して環を形成していてもよい。
式(VII)中のR1〜R6、式(VIII)中のR7〜R10が示す炭素原子数1〜50の炭化水素基、炭素原子数1〜50のハロゲン化炭化水素基としては、例えば上記一般式(I)中のR1〜R7として例示した炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基が挙げられ、式(VII)中のR1〜R6、式(VIII)中のR7〜R10が示す有機シリル基としては、例えば上記一般式(I)中のR1〜R7として例示したケイ素含有基が挙げられ、式(VII)中のR1〜R6、式(VIII)中のR7〜R10が示す窒素、酸素、リン、イオウおよびケイ素から選ばれる少なくとも1種の原子を有する置換基で置換された炭化水素基としては、例えば上記一般式(I)中のR1〜R7として例示した窒素含有基、酸素含有基、イオウ含有基または、ヘテロ環式化合物残基のうち窒素、酸素、リン、イオウもしくはケイ素を有する残基で置換された炭化水素基が挙げられる。
式(VII)および(VIII)中、mは、1〜6の整数を示し、好ましくは1〜4の整数、より好ましくは1〜2の整数を示す。
式(VII)および(VIII)中、nはMの価数を満たす数を示し、具体的には1〜5、好ましくは1〜4、より好ましくは1〜3の整数である。
式(VII)および(VIII)中、Xは水素原子、ハロゲン原子、酸素原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、ケイ素含有基、窒素含有基を示し、好ましくはハロゲン原子を示す。nが2以上の場合には、Xで示される複数の基は互いに同一であっても、異なっていてもよい。
式(VII)および(VIII)中のXが示すハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、ケイ素含有基および窒素含有基としては、例えば上記一般式(I)中のR1〜R7として例示したハロゲン原子、炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、ケイ素含有基および窒素含有基が挙げられる。
式(VII)および(VIII)中、Yは周期表第15族または16族の原子を示し、好ましくは15族の原子を示す。具体的には、窒素、リン、砒素、アンチモン、酸素、またはイオウを示し、好ましくは酸素原子である。
以下に、上記一般式(VII)または(VIII)で表される化合物の具体例を示す。
Figure 0005221848
なお、上記例示中、Meはメチル基を示す。
化合物(a−8)
本発明では(A)成分として、下記一般式(IX)で表される化合物(a−8)を用いることができる。
Figure 0005221848
式(IX)中、Mは周期表第3〜6族から選ばれる遷移金属原子を示し、好ましくは第4族の遷移金属を示す。具体的にはスカンジウム、イットリウム、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデンまたはタングステンであり、好ましくチタン、ジルコニウムまたはハフニウムである。
式(IX)中、RおよびR'は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、炭素原子数1〜50の炭化水素基、炭素原子数1〜50のハロゲン化炭化水素基または有機シリル基または、窒素、酸素、リン、イオウおよびケイ素から選ばれる少なくとも1種の原子を有する置換基を示し、好ましくは炭化水素基である。炭化水素基はアルキル基置換アリール基であることがより好ましい。
式(IX)中、RおよびR'が示す炭素原子数1〜50の炭化水素基、炭素原子数1〜50のハロゲン化炭化水素基としては、例えば上記一般式(I)中のR1〜R7として例示した炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基が挙げられ、RおよびR'が示す有機シリル基としては、例えば上記一般式(I)中のR1〜R7として例示したケイ素含有基が挙げられ、RおよびR'が示す窒素、酸素、リン、イオウおよびケイ素から選ばれる少なくとも1種の原子を有する置換基としては、例えば上記一般式(I)中のR1〜R7として例示した窒素含有基、酸素含有基、イオウ含有基およびヘテロ環式化合物残基のうち窒素、酸素、リン、イオウまたはケイ素を有する残基が挙げられる。
式(IX)中、mは、0〜2の整数であり、好ましくは2である。
式(IX)中、nは、1〜5の整数であり、好ましくは1〜3の整数である。
式(IX)中、Aは、周期表第13〜16族から選ばれる原子を示し、好ましくは周期表第14族の原子を示す。具体的には、ホウ素、炭素、窒素、酸素、ケイ素、リン、イオウ、ゲルマニウム、スズなどが挙げられ、好ましくは炭素またはケイ素である。nが2以上の場合には、複数のAは、互いに同一でも異なっていてもよい。
式(IX)中、Eは、炭素、水素、酸素、ハロゲン、窒素、イオウ、リン、ホウ素およびケイ素から選ばれる少なくとも1種の原子を有する置換基であり、好ましくは水素、または炭素原子である。Eで示される基が複数存在する場合は、Eで示される複数の基は、互いに同一でも異なっていてもよく、またEで示される2個以上の基が互いに連結して環を形成していてもよい。
式(IX)中のEが示す炭素、水素、酸素、ハロゲン、窒素、イオウ、リン、ホウ素およびケイ素から選ばれる少なくとも1種の原子を有する置換基としては、例えば上記一般式(I)中のR1〜R7として例示した、ハロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基などが挙げられる。
式(IX)中、pは、0〜4の整数であり、好ましくは2である。
式(IX)中、Xは、水素原子、ハロゲン原子、酸素原子、炭素原子数が1〜20の炭化水素基、炭素原子数が1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、ケイ素含有基または窒素含有機を示す。なおpが2以上の場合には、Xで示される複数の基は、互いに同一でも異なっていてもよい。
式(IX)中のXが示すハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、ケイ素含有基および窒素含有基としては、例えば上記一般式(I)中のR1〜R7として例示したハロゲン原子、炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、ケイ素含有基および窒素含有基が挙げられる。
以下に、上記一般式(IX)で表される化合物の具体例を示す。
Figure 0005221848
Figure 0005221848
Figure 0005221848
Figure 0005221848
化合物(a−9)
また、本発明では(A)成分として、下記一般式(X)で表される化合物(a−9)を用いることができる。
Figure 0005221848
式(X)中、Mは周期表第3〜11族から選ばれる遷移金属原子を示し、好ましくは周期表第3族〜第6族から選ばれる遷移金属原子であり、より好ましくは周期表第4族の遷移金属原子である。具体的にはスカンジウム、イットリウム、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデンまたはタングステンであり、より好ましくはチタン、ジルコニウム、ハフニウムである。
式(X)中、Aは、周期表第14〜16族から選ばれる原子を示し、好ましくは第15、16族から選ばれる原子を示す。具体的にはNR9、PR10、O、Sが好ましい。
式(X)中、mは0〜3の整数であり、nは0、1の整数であり、pは1〜3の整数であり、qはMの価数を満たす数であり、mが0のとき、nは0であり、pは2であることが好ましい。
式(X)中、R1〜R10は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、ケイ素含有基または窒素含有基を示し、これらのうち2個以上が互いに連結して環を形成していてもよい。
式(X)中のR1〜R10が示すハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、ケイ素含有基、窒素含有基としては、例えば上記一般式(I)中のR1〜R7として例示したハロゲン原子、炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、ケイ素含有基、窒素含有基が挙げられる。
式(X)中、Xは、水素原子、ハロゲン原子、酸素原子、炭素原子数が1〜20の炭化水素基、炭素原子数が1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、ケイ素含有基または窒素含有機を示す。なおqが2以上の場合には、Xで示される複数の基は、互いに同一でも異なっていてもよい。
式(X)中のXが示すハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、ケイ素含有基および窒素含有基としては、例えば上記一般式(I)中のR1〜R7として例示したハロゲン原子、炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、ケイ素含有基および窒素含有基が挙げられる。
式(X)中のmが1〜3のとき、YはAとボラータベンゼン環を架橋する基であり、炭素、ケイ素またはゲルマニウムを表す。
以下に、上記一般式(X)で表される化合物の具体例を示す。
Figure 0005221848
なお、上記例示中、iPrはイソプロピル基を、tBuはtert−ブチル基を、Phはフェニル基を示す。
化合物(a−10)
本発明では(A)成分として、下記一般式(XIa)で表される化合物(a−10)を用いることができる。
Figure 0005221848
式(XIa)中、Mは周期表第3〜11族から選ばれる遷移金属原子を示し、好ましくは周期表第3〜6族の遷移金属原子であり、より好ましくは周期表第4、5族の遷移金属原子であり、特に好ましくは周期表第4族の遷移金属原子である。具体的にはスカンジウム、イットリウム、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデンまたはタングステンであり、より好ましくはチタン、ジルコニウムまたはハフニウムである。
式(XIa)中、AおよびA'は互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数1〜50の炭化水素基、炭素原子数1〜50のハロゲン化炭化水素または、酸素含有基、イオウ含有基もしくはケイ素含有基を有する炭化水素基または、酸素含有基、イオウ含有基もしくはケイ素含有基を有するハロゲン化炭化水素基であり、好ましくは炭化水素であり、より好ましくはアルキル基置換アリール基である。
式(XIa)中のAおよびA'が示す炭素原子数1〜50の炭化水素基、炭素原子数1〜50のハロゲン化炭化水素基としては、例えば上記一般式(I)中のR1〜R7として例示した炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基が挙げられ、AおよびA'が示す酸素含有基、イオウ含有基もしくはケイ素含有基を有する炭化水素基としては、例えば上記一般式(I)中のR1〜R7として例示した酸素含有基、イオウ含有基もしくはケイ素含有基を有する炭化水素基が挙げられ、AおよびA'が示す酸素含有基、イオウ含有基もしくはケイ素含有基を有するハロゲン化炭化水素基としては、例えば上記一般式(I)中のR1〜R7として例示した酸素含有基、イオウ含有基もしくはケイ素含有基を有するハロゲン化炭化水素基が挙げられる。
式(XIa)中、Dは存在しても存在していなくてもよく、存在する場合はAとA'とを架橋する結合基を示し、存在していない場合はAとA'とは−O−M−O−のみを介して結合している。
式(XIa)中のDとして具体的には、単結合、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素、酸素原子、イオウ原子またはR12Zで表される基である。R1およびR2は同一でも異なっていてもよく、炭素原子数1〜20の炭化水素基、少なくとも1個以上のヘテロ原子を含む炭素原子数1〜20の炭化水素基であり、互いに結合して環を形成してもよく、Zは炭素原子、窒素原子、イオウ原子、リン原子またはケイ素原子を示す。
式(XIa)中、nはMの価数を満たす数を示し、具体的には1〜5、好ましくは1〜4、より好ましくは1〜3の整数である。
式(XIa)中、Xは水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、ケイ素含有基または窒素含有基を示し、nが2以上の場合は、Xで示される複数の基は互いに同一でも異なっていてもよく、またXで示される複数の基は互いに結合して環を形成してもよい。
式(XIa)中のXが示すハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、ケイ素含有基および窒素含有基としては、例えば上記一般式(I)中のR1〜R7として例示したハロゲン原子、炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、ケイ素含有基および窒素含有基が挙げられる。
以下に、上記一般式(XIa)で表される化合物の具体例を示す。
Figure 0005221848
なお、上記例示中、tBuはtert−ブチル基を、Meはメチル基を示す。
化合物(a−11)
本発明では(A)成分として、下記一般式(XIb)で表される化合物(a−11)を用いることができる。
Figure 0005221848
式(XIb)中、Mは周期表第3〜11族から選ばれる遷移金属原子を示し、好ましくは周期表第3〜6族の遷移金属原子であり、より好ましくは周期表第4、5族の遷移金属原子であり、特に好ましくは周期表第4族の遷移金属原子である。具体的にはスカンジウム、イットリウム、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデンまたはタングステンであり、より好ましくはチタン、ジルコニウムまたはハフニウムである。
式(XIb)中、mは、1〜6の整数であり、好ましくは1〜4の整数であり、より好ましくは1〜3の整数であり、特に好ましくは1〜2の整数である。
式(XIb)中、AおよびA'は互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数1〜50の炭化水素基、炭素原子数1〜50のハロゲン化炭化水素または、酸素含有基、イオウ含有基もしくはケイ素含有基を有する炭化水素基または、酸素含有基、イオウ含有基もしくはケイ素含有基を有するハロゲン化炭化水素基であり、好ましくは炭化水素であり、より好ましくはアルキル基置換アリール基である。
式(XIb)中のAおよびA'が示す炭素原子数1〜50の炭化水素基、炭素原子数1〜50のハロゲン化炭化水素基としては、例えば上記一般式(I)中のR1〜R7として例示した炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基が挙げられ、AおよびA'が示す酸素含有基、イオウ含有基もしくはケイ素含有基を有する炭化水素基としては、例えば上記一般式(I)中のR1〜R7として例示した酸素含有基、イオウ含有基もしくはケイ素含有基を有する炭化水素基が挙げられ、AおよびA'が示す酸素含有基、イオウ含有基もしくはケイ素含有基を有するハロゲン化炭化水素基としては、例えば上記一般式(I)中のR1〜R7として例示した酸素含有基、イオウ含有基もしくはケイ素含有基を有するハロゲン化炭化水素基が挙げられる。
式(XIb)中、Dは存在しても存在していなくてもよく、存在する場合はAとA'とを架橋する結合基を示し、存在していない場合はAとA'とは−O−M−O−のみを介して結合している。Dとして具体的には、単結合、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素、酸素原子、イオウ原子またはR12Zで表される基である。R1およびR2は同一でも異なっていてもよく、炭素原子数1〜20の炭化水素基、少なくとも1個以上のヘテロ原子を含む炭素原子数1〜20の炭化水素基であり、互いに結合して環を形成してもよく、Zは炭素原子、窒素原子、イオウ原子、リン原子、ケイ素原子を示す。
式(XIb)中、nは、Mの価数を満たす数であり、具体的には1〜5、好ましくは1〜4、より好ましくは1〜3の整数である。
式(XIb)中のnが1の場合には、Xは酸素原子であり、nが2以上の場合には、Xの少なくとも一つは酸素原子であり、その他は水素原子、ハロゲン原子、酸素原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、ケイ素含有基または窒素含有基を示し、Xで示される基が複数存在する場合は、Xで示される複数の基は互いに同一でも異なっていてもよく、またXで示される複数の基は互いに結合して環を形成してもよい。
式(XIb)中のXが示すハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、ケイ素含有基および窒素含有基としては、例えば上記一般式(I)中のR1〜R7として例示したハロゲン原子、炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、ケイ素含有基および窒素含有基が挙げられる。
化合物(a−12)
本発明では(A)成分として、下記一般式(XII)で表される化合物(a−12)を用いることができる。
Figure 0005221848
式(XII)中、Mは周期表第3〜11族の遷移金属原子を示し、好ましくは周期表第3〜6族の遷移金属原子であり、より好ましくは周期表第4族の遷移金属原子である。具体的にはスカンジウム、イットリウム、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデンまたはタングステンであり、より好ましくはチタン、ジルコニウムまたはハフニウムである。
Yは互いに同一でも異なっていてもよく、周期表第13〜15族の原子を示し具体的には炭素、ケイ素、ゲルマニウム、窒素、リン、酸素、またはイオウを示す。なお、Yのうちの少なくとも1つは炭素以外の原子である。
式(XII)中、mは1〜6の整数であり、好ましくは1〜4、より好ましくは1〜3である。
式(XII)中、R1〜R5は、その結合するYが周期表第14族から選ばれる原子であるときに存在し、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、有機シリル基、または窒素、酸素、リン、イオウ、ケイ素から選ばれる少なくとも1種の原子を含む置換基で置換された炭化水素基を示し、これらのうち2個以上が互いに連結して環を形成していてもよい。
式(XII)中のR1〜R5が示す炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基としては、例えば上記一般式(I)中のR1〜R7として例示した炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基が挙げられ、R1〜R5が示す有機シリル基としては、例えば上記一般式(I)中のR1〜R7として例示したケイ素含有基が挙げられ、R1〜R5が示す窒素、酸素、リン、イオウおよびケイ素から選ばれる少なくとも1種の原子を有する置換基としては、例えば上記一般式(I)中のR1〜R7として例示した窒素含有基、酸素含有基、イオウ含有基およびヘテロ環式化合物残基のうち窒素、酸素、リン、イオウまたはケイ素を有する残基が挙げられる。
式(XII)中、nはMの価数を満たす数であり、具体的には1〜5、好ましくは1〜4、より好ましくは1〜3の整数である。
式(XII)中、Xは、水素原子、ハロゲン原子、酸素原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、ケイ素含有基または窒素含有基を示し、nが2以上の場合には、Xで示される複数の基は互いに同一でも異なっていてもよく、またXで示される複数の基は互いに結合して環を形成してもよい。
式(XII)中のXが示すハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、ケイ素含有基および窒素含有基としては、例えば上記一般式(I)中のR1〜R6として例示したハロゲン原子、炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、ケイ素含有基および窒素含有基が挙げられる。
以下に、上記一般式(XII)で表される化合物の具体例を示す。
Figure 0005221848
なお、上記例示中、tBuはtert−ブチル基を、Meはメチル基を示す。
化合物(a−13)
本発明では(A)成分として、下記一般式(XIII)で表される化合物(a−13)を用いることができる。
Figure 0005221848
式(XIII)中、Mは周期表3〜11族遷移金属化合物を示し、好ましくは4〜5族の遷移金属原子である。具体的にはチタン、ジルコニウム、バナジウム、ニオブ、タンタルが例示される。
式(XIII)中、mは1〜6の整数であり、好ましくは1〜3である。
式(XIII)中、Rは互いに同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基を示し、これらのうち2個以上が互いに連結して環を形成していてもよい。
式(XIII)中、nはMの価数を満たす数を示し、具体的には1〜5、好ましくは1〜4、より好ましくは1〜3の整数である。
式(XIII)中、Xはnが1の場合には、酸素原子であり、nが2以上の場合には、Xの少なくとも一つは酸素原子であり、その他は水素原子、ハロゲン原子、酸素原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、ケイ素含有基または窒素含有基を示す。なお、Xで示される基が複数存在する場合には、Xで示される複数の基は互いに同一でも異なっていてもよく、またXで示される複数の基は互いに結合して環を形成してもよい。
式(XIII)中のXが示すハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、ケイ素含有基および窒素含有基としては、例えば上記一般式(I)中のR1〜R7として例示したハロゲン原子、炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、ケイ素含有基および窒素含有基が挙げられる。
式(XIII)中、Yは存在してもしていなくてもよく、存在する場合は周期表第15、16族の原子であり、具体的にはO、S、Se、NRである。
以下に、これらの化合物の具体的な構造例を示すが、この限りではない。
Figure 0005221848
化合物(a−14)
本発明では(A)成分として、下記一般式(XIVa)で表される化合物(a−14)を用いることができる。
Figure 0005221848
式(XIVa)中、Mは周期表第3〜7族および第11族から選ばれる遷移金属原子を示し、好ましくは第4、5族から選ばれる遷移金属原子を示す。
式(XIVa)中、R1〜R4は互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数1〜50の炭化水素基、炭素原子数1〜50のハロゲン化炭化水素基、有機シリル基または、窒素、酸素、リン、イオウおよびケイ素から選ばれる少なくとも1種の原子を含む置換基で置換された炭化水素基を示す。R1〜R4で表される基は、これらのうちの2個以上、好ましくは隣接する基が互いに連結して環を形成していてもよい。
式(XIVa)中のR1〜R4が示す炭素原子数1〜50の炭化水素基、炭素原子数1〜50のハロゲン化炭化水素基としては、例えば上記一般式(I)中のR1〜R7として例示した炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基が挙げられ、R1〜R4が示す有機シリル基としては、例えば上記一般式(I)中のR1〜R7として例示したケイ素含有基が挙げられ、R1〜R4が示す窒素、酸素、リン、イオウおよびケイ素から選ばれる少なくとも1種の原子を有する置換基としては、例えば上記一般式(I)中のR1〜R7として例示した窒素含有基、酸素含有基、イオウ含有基およびヘテロ環式化合物残基のうち窒素、酸素、リン、イオウまたはケイ素を有する残基が挙げられる。
式(XIVa)中、nはMの価数を満たす数であり、具体的には0〜4の整数を示す。
式(XIVa)中、Xは、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、ケイ素含有基、窒素含有基を示し、nが2以上の場合には、Xで示される複数の基は互いに同一であっても、異なっていてもよい。
式(XIVa)中のXが示すハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、ケイ素含有基および窒素含有基としては、例えば上記一般式(I)中のR1〜R7として例示したハロゲン原子、炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、ケイ素含有基および窒素含有基が挙げられる。
化合物(a−15)
本発明では(A)成分として、下記一般式(XIVb)で表される化合物(a−15)を用いることができる。
Figure 0005221848
式(XIVb)中、Mは周期表第8〜10族から選ばれる遷移金属原子を示し、好ましくはニッケル、パラジウムまたは白金である。
式(XIVb)中、R1〜R4は互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数1〜50の炭化水素基、炭素原子数1〜50のハロゲン化炭化水素基、有機シリル基または、窒素、酸素、リン、イオウおよびケイ素から選ばれる少なくとも1種の原子を含む置換基で置換された炭化水素基を示す。R1〜R4で表される基は、これらのうちの2個以上、好ましくは隣接する基が互いに連結して環を形成していてもよい。
式(XIVb)中のR1〜R4が示す炭素原子数1〜50の炭化水素基、炭素原子数1〜50のハロゲン化炭化水素基としては、例えば上記一般式(I)中のR1〜R7として例示した炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基が挙げられ、R1〜R4が示す有機シリル基としては、例えば上記一般式(I)中のR1〜R7として例示したケイ素含有基が挙げられ、R1〜R4が示す窒素、酸素、リン、イオウおよびケイ素から選ばれる少なくとも1種の原子を有する置換基としては、例えば上記一般式(I)中のR1〜R7として例示した窒素含有基、酸素含有基、イオウ含有基およびヘテロ環式化合物残基のうち窒素、酸素、リン、イオウまたはケイ素を有する残基が挙げられる。
式(XIVb)中、nはMの価数を満たす数であり、具体的には0〜4の整数を示す。
式(XIVb)中、Xは、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、ケイ素含有基、窒素含有基を示し、nが2以上の場合には、Xで示される複数の基は互いに同一であっても、異なっていてもよい。
式(XIVb)中のXが示すハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、ケイ素含有基および窒素含有基としては、例えば上記一般式(I)中のR1〜R7として例示したハロゲン原子、炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、ケイ素含有基および窒素含有基が挙げられる。
以下に、これらの化合物の具体的な構造例を示す。
Figure 0005221848
Figure 0005221848
Figure 0005221848
化合物(a−16)
本発明では(A)成分として、下記一般式(XIVc)で表される化合物(a−16)を用いることができる。
Figure 0005221848
式(XIVc)中、Mは周期表第3〜10族から選ばれる遷移金属原子を示し、好ましくはニッケル、パラジウムまたは白金である。
式(XIVc)中、mは、1〜6の整数であり、好ましくは1〜4の整数であり、より好ましくは1〜3の整数であり、特に好ましくは1〜2の整数である。
式(XIVc)中、R1〜R4は互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数1〜50の炭化水素基、炭素原子数1〜50のハロゲン化炭化水素基、有機シリル基または、窒素、酸素、リン、イオウおよびケイ素から選ばれる少なくとも1種の原子を含む置換基で置換された炭化水素基を示す。R1〜R4で表される基は、これらのうちの2個以上、好ましくは隣接する基が互いに連結して環を形成していてもよい。
式(XIVc)中のR1〜R4が示す炭素原子数1〜50の炭化水素基、炭素原子数1〜50のハロゲン化炭化水素基としては、例えば上記一般式(I)中のR1〜R7として例示した炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基が挙げられ、R1〜R4が示す有機シリル基としては、例えば上記一般式(I)中のR1〜R7として例示したケイ素含有基が挙げられ、R1〜R4が示す窒素、酸素、リン、イオウおよびケイ素から選ばれる少なくとも1種の原子を有する置換基としては、例えば上記一般式(I)中のR1〜R7として例示した窒素含有基、酸素含有基、イオウ含有基およびヘテロ環式化合物残基のうち窒素、酸素、リン、イオウまたはケイ素を有する残基が挙げられる。
式(XIVc)中、nはMの価数を満たす数であり、具体的には1〜5、好ましくは1〜4、より好ましくは1〜3の整数である。
式(XIVc)中、Xはnが1の場合には酸素原子であり、nが2以上の場合には、Xの少なくとも一つは酸素原子であり、その他は水素原子、ハロゲン原子、酸素原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、ケイ素含有基、窒素含有基を示し、Xで示される基が複数存在する場合には、Xで示される複数の基は互いに同一であっても、異なっていてもよい。
式(XIVc)中のXが示すハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、ケイ素含有基および窒素含有基としては、例えば上記一般式(IVa)中のR1〜R6として例示したハロゲン原子、炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、ケイ素含有基および窒素含有基が挙げられる。
化合物(a−17)
本発明では(A)成分として、下記一般式(XV)で表される化合物(a−17)を用いることができる。
Figure 0005221848
式(XV)中、Y1およびY3は互いに同一でも異なっていてもよく、周期表第15族から選ばれる原子を示す。
式(XV)中、Y2は周期表第16族から選ばれる原子を示す。
式(XV)中、R1〜R8は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基またはケイ素含有基を示し、これらのうち2個以上が互いに連結して環を形成していてもよい。
式(XV)中のR1〜R8が示す炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基としては、例えば上記一般式(I)中のR1〜R7として例示した炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基が挙げられ、R1〜R8が示すハロゲン原子、酸素含有基、イオウ含有基、ケイ素含有基としては、例えば上記一般式(I)中のR1〜R7として例示したハロゲン原子、酸素含有基、イオウ含有基、ケイ素含有基が挙げられる。
化合物(a−18)
本発明では(A)成分として、下記一般式(XVI)で表される化合物(a−18)を用いることができる。
Figure 0005221848
式(XVI)中、Mは周期表第3〜11族から選ばれる遷移金属原子を示し、好ましくは第3〜6族および第8〜10族の遷移金属原子であり、より好ましくは第4族、第5族または第6族の遷移金属原子であり、特に好ましくは第4族または第5族の金属原子である。
式(XVI)中、mは1〜6の整数を示し、好ましくは1〜4の整数であり、より好ましくは1〜3の整数であり、特に好ましくは1〜2の整数である。
式(XVI)中、Aは酸素原子、イオウ原子、または、結合基−R5を有する窒素原子(−N(R5)−)を示す。
式(XVI)中、Dは−C(R6)(R7)−、−Si(R8)(R9)−、−P(O)(R10)−、−P(R11)−、−SO−または−S−を示す。
式(XVI)中、ZはいずれもNに結合する−R12および−R13、=C(R14)R15または=NR16を示す。
式(XVI)中、R1〜R16は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基またはスズ含有基を示し、これらのうちの2個以上が互いに連結して環を形成していてもよく、また、mが2以上の場合にはR1〜R16で示される基のうち2個の基が連結されていてもよい。
式(XVI)中のR1〜R16が示すハロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、スズ含有基としては、例えば上記一般式(I)中のR1〜R7として例示したものと同様の原子または基が挙げられる。
式(XVI)中、nはMの価数を満たす数であり、具体的には1〜5、好ましくは1〜4、より好ましくは1〜3の整数である。
式(XVI)中、Xは水素原子、ハロゲン原子、酸素原子、炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基またはスズ含有基を示し、nが2以上の場合は、Xで示される複数の基は互いに同一でも異なっていてもよく、またXで示される複数の基は互いに結合して環を形成してもよい。
式(XVI)中のXが示すハロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、スズ含有基としては、例えば上記一般式(I)中のX1として例示したものと同様の原子または基が挙げられる。
化合物(a−19)
本発明では(A)成分として、下記一般式(XVII)または(XVIII)で表される化合物(a−19)を用いることができる。
Figure 0005221848
式(XVII)および(XVIII)中、Mは周期表第3〜11族から選ばれる遷移金属原子を示し、好ましくは第3〜6族および第8〜10族の遷移金属原子であり、より好ましくは第4族、第5族または第6族の遷移金属原子であり、特に好ましくは第4族または第5族の金属原子である。
式(XVII)中、mは1〜3の整数を示す。
式(XVIII)中、m'は1〜6の整数を示し、好ましくは1〜4の整数であり、より好ましくは1〜3の整数であり、特に好ましくは1〜2の整数である。
式(XVII)および(XVIII)中、Eは窒素原子または置換基−R5を有する炭素原子(−C(R5)=)を示す。
式(XVII)および(XVIII)中、Gは酸素原子、イオウ原子または置換基−R6を有する窒素原子(−N(R6)−)を示す。
式(XVII)および(XVIII)中、R1〜R6は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基またはスズ含有基を示し、これらのうちの2個以上が互いに連結して環を形成していてもよく、また、式(XVII)においてmが2以上の場合にはR1〜R6で示される基のうち2個の基が連結されていてもよく、式(XVIII)においてm'が2以上の場合にはR1〜R6で示される基のうち2個の基が連結されていてもよい。
式(XVII)および(XVIII)中のR1〜R6が示すハロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、スズ含有基としては、上記一般式(I)中のR1〜R7として例示したものと同様の原子または基が挙げられる。
式(XVII)および(XVIII)中、nはMの価数を満たす数であり、具体的には1〜5、好ましくは1〜4、より好ましくは1〜3の整数である。
式(XVII)および(XVIII)中、Xは、水素原子、ハロゲン原子、酸素原子、炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基またはスズ含有基を示し、式(XVII)および式(XVIII)においてnが2以上の場合は、Xで示される複数の基は互いに同一でも異なっていてもよく、Xで示される複数の基は互いに結合して環を形成してもよい。
式(XVII)および(XVIII)中のXが示すハロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、スズ含有基としては、上記一般式(I)中のR1〜R7として例示したものと同様の原子または基が挙げられる。
化合物(a−20)
本発明では(A)成分として、下記一般式(XIX)で表される化合物(a−20)を用いることができる。
Figure 0005221848
式(XIX)中、Mは周期表第3〜11族から選ばれる遷移金属原子を示し、好ましくは第3〜6族および第8〜10族の遷移金属原子であり、より好ましくは第4族、第5族または第6族の遷移金属原子であり、特に好ましくは第4族またば第5族の金属原子である。
式(XIX)中、mは1〜6の整数を示し、好ましくは1〜4の整数であり、より好ましくは1〜3の整数であり、特に好ましくは1〜2の整数である。
式(XIX)中、Aは、酸素原子、イオウ原子、または置換基−R5を有する窒素原子(−N(R5)−)を示す。
式(XIX)中、Bは、いずれもNに結合する−R6および−R7、=C(R8)R9または=NR10を示す。
式(XIX)中、R1〜R10は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基またはスズ含有基を示し、これらのうちの2個以上が互いに連結して環を形成していてもよく、また、mが2以上のときは、一つの配位子に含まれるR1〜R10のうちの1個の基と、他の配位子に含まれるR1〜R10のうちの1個の基とが結合されていていもよく、R1同士、R2同士、R3同士、R4同士、R5同士、R6同士、R7同士、R8同士、R9同士、R10同士は互いに同一でも異なっていてもよい。
式(XIX)中のR1〜R10が示すハロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、窒素合有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、スズ含有基としては、例えば上記一般式(I)中のR1〜R7として例示したものと同様の原子または基が挙げられる。
式(XIX)中、nは、Mの価数を満たす数であり、具体的には1〜5、好ましくは1〜4、より好ましくは1〜3の整数である。
式(XIX)中、Xは水素原子、ハロゲン原子、酸素原子、炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基またはスズ含有基を示し、nが2以上の場合には、Xで示される複数の基は互いに同一でも異なっていてもよく、またXで示される複数の基は互いに結合して環を形成してもよい。
式(XIX)中のXが示すハロゲン原子、炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、スズ含有基としては、例えば上記一般式(I)中のX1として例示したものと同様の原子または基が挙げられる。
化合物(a−21)
本発明では(A)成分として、下記一般式(XXa)または(XXIa)で表される化合物(a−21)を用いることができる。
Figure 0005221848
式(XXa)および(XXIa)中、Mは周期表第3、4族から選ばれる遷移金属原子を示す。
式(XXa)および(XXIa)中、A1は酸素原子、イオウ原子または炭化水素置換窒素原子を示す。
式(XXa)および(XXIa)中、A2は炭化水素置換酸素原子、炭化水素置換イオウ原子または炭化水素置換窒素原子を示す。
式(XXa)および(XXIa)中、Eは酸素原子またはイオウ原子を示す。
式(XXa)および(XXIa)中、mは1〜2の整数を示す。
式(XXa)および(XXIa)中、R1〜R5は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、炭化水素基、炭化水素置換シリル基を示す。
式(XXa)および(XXIa)中、nはMの価数を満たす数であり、具体的には0〜5、好ましくは0〜4、より好ましくは0〜3の整数である。
式(XXa)および(XXIa)中、Xは水素原子、ハロゲン原子、酸素原子、炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基またはスズ含有基を示し、nが2以上の場合は、Xで示される複数の基は互いに同一でも異なっていてもよく、またXで示される複数の基は互いに結合して環を形成してもよい。
式(XXa)および(XXIa)中のXが示すハロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、スズ含有基としては、例えば上記一般式(I)中のX1として例示したものと同様の原子または基が挙げられる。
化合物(a−22)
本発明では(A)成分として、下記一般式(XXb)または(XXIb)で表される化合物(a−22)を用いることができる。
Figure 0005221848
式(XXb)および(XXIb)中、Mは周期表第5〜11族から選ばれる遷移金属原子を示し、好ましくは周期表第8〜10族の遷移金属原子である。
式(XXb)および(XXIb)中、A1は酸素原子、イオウ原子または炭化水素置換窒素原子を示す。
式(XXb)および(XXIb)中、A2は炭化水素置換酸素原子または炭化水素置換イオウ原子または炭化水素置換窒素原子を示し、
式(XXb)および(XXIb)中、Eは酸素原子またはイオウ原子を示す。
式(XXb)および(XXIb)中、mは1〜2の整数を示す。
式(XXb)および(XXIb)中、R1〜R5は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、炭化水素基、炭化水素置換シリル基を示す。
式(XXb)および(XXIb)中、nはMの価数を満たす数であり、具体的には1〜5、好ましくは1〜4、より好ましくは1〜3の整数である。
式(XXb)および(XXIb)中、Xは水素原子、ハロゲン原子、酸素原子、炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基またはスズ含有基を示し、nが2以上の場合は、Xで示される複数の基は互いに同一でも異なっていてもよく、またXで示される複数の基は互いに結合して環を形成してもよい。
式(XXb)および(XXIb)中のXが示すハロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、スズ含有基としては、例えば上記一般式(I)中のX1として例示したものと同様の原子または基が挙げられる。
化合物(a−23)
本発明では(A)成分として、下記一般式(XXII)、(XXIII)、(XXIV)または(XXV)で表される化合物(a−23)を用いることができる。
Figure 0005221848
式(XXII)、(XXIII)、(XXIV)および(XXV)中、Mは周期表第3〜11族から選ばれる遷移金属原子を示し、好ましくは第3〜6族および第8〜10族の遷移金属原子であり、より好ましくは第4族、第5族または第6族の遷移金属原子であり、特に好ましくは第4族または第5族の金属原子である。
式(XXII)、(XXIII)、(XXIV)および(XXV)中、Aは酸素原子、イオウ原子、または窒素原子を示す。Aは、金属Mとの結合様式に応じて置換基R6を有することもできる。
式(XXII)、(XXIII)、(XXIV)および(XXV)中、Dは−C(R7)(R8)−、−Si(R9)(R10)−、−CO−、−SO2−、−SO−または−P(O)(OR11)−を示す。
式(XXII)、(XXIII)、(XXIV)および(XXV)中、mは1〜6の整数を示し、好ましくは1〜4の整数であり、より好ましくは1〜3の整数であり、特に好ましくは1〜2の整数である。
式(XXII)、(XXIII)、(XXIV)および(XXV)中、R1〜R11はそれぞれが互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基またはスズ含有基を示し、これらのうちの2個以上が互いに連結して環を形成していてもよい。また、mが2以上のときは、R1同士、R2同士、R3同士、R4同士、R5同士、R6同士、R7同士、R8同士、R9同士、R10同士、R11同士は互いに同一でも異なっていてもよく、いずれか1つの配位子に含まれるR1〜R11で示される基のうちの少なくとも1個の基と、他の配位子に含まれるR1〜R11で示される基のうちの少なくとも1個の基とが連結されていてもよい。
式(XXII)、(XXIII)、(XXIV)および(XXV)中のR1〜R11が示すハロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、スズ含有基としては、例えば上記一般式(I)中のR1〜R7として例示したものと同様の原子または基が挙げられる。
式(XXII)、(XXIII)、(XXIV)および(XXV)中、nはMの価数を満たす数であり、具体的には1〜5、好ましくは1〜4、より好ましくは1〜3の整数である。
式(XXII)、(XXIII)、(XXIV)および(XXV)中、Xは水素原子、ハロゲン原子、酸素原子、炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基またはスズ含有基を示し、nが2以上の場合には、Xで示される複数の基は互いに同一でも異なっていてもよく、またXで示される複数の基は互いに結合して環を形成してもよい。
式(XXII)、(XXIII)、(XXIV)および(XXV)中のXが示すハロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、スズ含有基としては、例えば上記一般式(I)中のX1として例示したものと同様の原子または基が挙げられる。
化合物(a−24)
本発明では(A)成分として、下記一般式(XXVI)、(XXVII)、(XXVIII)または(XXVIX)で表される化合物(a−24)を用いることができる。
Figure 0005221848
式(XXVI)、(XXVII)、(XXVIII)および(XXVIX)中、Mは周期表第3〜11族から選ばれる遷移金属原子を示し、好ましくは第3〜6族および第8〜10族の遷移金属原子であり、より好ましくは第4族、第5族または第6族の遷移金属原子であり、特に好ましくは第4族または第5族の金属原子である。
式(XXVI)、(XXVII)、(XXVIII)および(XXVIX)中、mは1〜6の整数を示し、好ましくは1〜4の整数であり、より好ましくは1〜3の整数であり、特に好ましくは1〜2の整数である。
式(XXVI)、(XXVII)、(XXVIII)および(XXVIX)中、Aは酸素原子、イオウ原子、または窒素原子を示す。またAは金属Mとの結合様式に応じて置換基R5を有することもできる。
式(XXVI)、(XXVII)、(XXVIII)および(XXVIX)中、Bは、それぞれNと結合する基−R6および−R7、=NR8または=CR910を示す。
式(XXVI)、(XXVII)、(XXVIII)および(XXVIX)中、R1〜R10は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示し、これらのうちの2個以上が互いに連結して環を形成していてもよい。また、mが2以上のときは、R1〜R10で示される基のうち2個の基が連結されていてもよく、またRのそれぞれ同士は、互いに同一でも異なっていてもよい。
式(XXVI)、(XXVII)、(XXVIII)および(XXVIX)中のR1〜R10が示すハロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、スズ含有基としては、例えば上記一般式(I)中のR1〜R7として例示したものと同様の原子または基が挙げられる。
式(XXVI)、(XXVII)、(XXVIII)および(XXVIX)中、nはMの価数を満たす数であり、具体的には1〜5、好ましくは1〜4、より好ましくは1〜3の整数である。
式(XXVI)、(XXVII)、(XXVIII)および(XXVIX)中、Xは水素原子、ハロゲン原子、酸素原子、炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基またはスズ含有基を示し、nが2以上の場合には、Xで示される複数の基は互いに同一でも異なっていてもよく、またXで示される複数の基は互いに結合して環を形成してもよい。
式(XXVI)、(XXVII)、(XXVIII)および(XXVIX)中のXが示すハロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、スズ含有基としては、例えば上記一般式(I)中のX1として例示したものと同様の原子または基が挙げられる。
化合物(a−25)
本発明では(A)成分として、下記一般式(XXX)で表される化合物(a−25)も用いることができる。
Figure 0005221848
式(XXX)中、Mは周期表第3〜11族から選ばれる遷移金属原子を示し、好ましくは第3〜6族および第8〜10族の遷移金属原子であり、より好ましくは第4族、第5族または第6族の遷移金属原子であり、特に好ましくは第4族または第5族の金属原子である。
式(XXX)中、A1およびA2は互いに同一でも異なっていてもよく、窒素原子またはリン原子を示す。
式(XXX)中、Q1〜Q6は互いに同一でも異なっていてもよく、窒素原子、リン原子または置換基−R2を有する炭素原子(−C(R2)=)を示し、Q1〜Q6のうちに置換基−R2を有する炭素原子が複数ある場合、それらのR2同士は互いに同一でも異なっていてもよい。
式(XXX)中、R1およびR2は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基またはスズ含有基を示し、これらのうちの2個以上が互いに連結して票を形成していてもよい。
式(XXX)中のR1、R2が示すハロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、スズ含有基としては、例えば上記一般式(I)中のR1〜R7として例示したものと同様の原子または基が挙げられる。
式(XXX)中、mは1〜6の整数であり、好ましくは1〜4の整数であり、より好ましくは1〜3の整数であり、特に好ましくは1〜2の整数である。mが2以上のときは、1つの配位子に含まれるR1、R2のいずれかと、他の配位子に含まれるR1、R2のいずれかとが結合していてもよく、またR1同士、R2同士は互いに同一でも異なっていてもよい。
式(XXX)中、nは、Mの価数を満たす数であり、具体的には1〜5、好ましくは1〜4、より好ましくは1〜3の整数である。
式(XXX)中、Xは水素原子、ハロゲン原子、酸素原子、炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基またはスズ含有基を示し、nが2以上の場合には、Xで示される複数の基は互いに同一でも異なっていてもよく、またXで示される複数の基は互いに結合して環を形成してもよい。
式(XXX)中のXが示すハロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、スズ含有基としては、例えば上記一般式(I)中のX1として例示したものと同様の原子または基が挙げられる。
化合物(a−26)
また、本発明では(A)成分として、下記一般式(XXXIa)または(XXXIIa)で表される化合物(a−26)を用いることができる。
Figure 0005221848
式(XXXIa)および(XXXIIa)中、Mは周期表第3〜6族から選ばれる遷移金属原子を示し、好ましくは第4、5族から選ばれる遷移金属原子を示す。
式(XXXIa)および(XXXIIa)中、R1〜R6は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子または炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、ケイ素含有基、窒素含有基またはリン含有基を示し、これらのうちの2個以上が互いに連結して環を形成していてもよい。
式(XXXIa)および(XXXIIa)中、R1〜R6が示す炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、ケイ素含有基、窒素含有基、リン含有基としては、例えば上記一般式(I)中のR1〜R7として例示した炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、ケイ素含有基、窒素含有基、リン含有基が挙げられる。
式(XXXIa)および(XXXIIa)中、nは、Mの価数を満たす数であり、具体的には1〜5、好ましくは1〜4、より好ましくは1〜3の整数である。
式(XXXIa)および(XXXIIa)中、Xは互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、酸素原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基またはイオウ含有基を示す。
式(XXXIa)および(XXXIIa)中のXが示すハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基としては、例えば上記一般式(I)中のR1〜R7として例示したハロゲン原子、炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基が挙げられる。
化合物(a−27)
また、本発明では(A)成分として、下記一般式(XXXIb)または(XXXIIb)で表される化合物(a−27)を用いることができる。
Figure 0005221848
式(XXXIb)および(XXXIIb)中、Mは周期表第8〜11族から選ばれる遷移金属原子を示し、好ましくは第8、9族から選ばれる遷移金属原子を示す。
式(XXXIb)および(XXXIIb)中、R1〜R6は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、ケイ素含有基、窒素含有基またはリン含有基を示し、これらのうちの2個以上が互いに連結して環を形成していてもよい。
式(XXXIb)および(XXXIIb)中のR1〜R6が示す炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、ケイ素含有基、窒素含有基、リン含有基としては、例えば上記一般式(I)中のR1〜R7として例示した炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、ケイ素含有基、窒素含有基、リン含有基が挙げられる。
式(XXXIb)および(XXXIIb)中、nは、Mの価数を満たす数であり、具体的には1〜5、好ましくは1〜4、より好ましくは1〜3の整数である。
式(XXXIb)および(XXXIIb)中、Xは互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、酸素原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基またはイオウ含有基を示す。
式(XXXIb)および(XXXIIb)中のXが示すハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基としては、例えば上記一般式(I)中のR1〜R7として例示したハロゲン原子、炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基が挙げられる。
本発明では、ホウ素原子、窒素原子、酸素原子およびイオウ原子から選ばれる少なくても二つ以上の原子を含む配位子を持つ第3〜第11族遷移金属化合物(A)が担体成分(B)に担持されていてもよい。遷移金属化合物(A)を担体成分(B)に担持させる際には、不活性溶媒中、遷移金属化合物(A)を担体成分(B)を所定時間撹拌混合後、濾取することによって得ることができるが、この際に加熱操作を行っても良い。不活性溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素や、ヘキサン、ヘプタン、デカン等の脂肪族飽和炭化水素、シクロヘキサン、メチルシクロペンタンなどの脂環族炭化水素、エチレンクロリド、クロルベンゼン、ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素またはこれらの混合物を例示できる。加熱する場合の温度は、用いる溶媒にもよるが通常、その溶媒の凝固点以上の温度〜200℃まで、好ましくは150℃までである。撹拌混合時間は、温度にもよるが通常、30秒〜24時間、好ましくは10分〜10時間である。濾取は通常の有機製造化学で用いられている濾過方法を採用することができる。濾取後のケーキ成分は、必要に応じて前記で例示した芳香族炭化水素や脂肪族炭化水素で洗浄してもよい。なお、このようにして得られた担持物においても、本発明の担体成分の特徴である、マグネシウム原子とアルミニウム原子のモル比(Mg/Al)および、アルコキシ基とアルミニウム原子のモル比(OR/Al)は、1<Mg/Al≦300.0、0.05<OR/Al<2.0の範囲を満足する。
本発明において、必要に応じて用いられる(C)特定の有機金属化合物(以下の説明では「有機金属化合物」と略称する場合がある。)として、具体的には下記のような周期律表第1、2族および第12、13族の有機金属化合物を任意に用いることができる。
(C−1a) 一般式 Ra mAl(ORbnpq
(式中、RaおよびRbは、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数が1〜20、好ましくは1〜10の炭化水素基、より好ましくは1〜8の炭化水素基を示す。Xはハロゲン原子を示し、mは0<m≦3、nは0≦n<3、pは0≦p<3、qは0≦q<3の数であり、かっm+n+p+q=3である。)で表される有機アルミニウム化合物。このような化合物の具体例として、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、ジイソブチルアルミニウムハイドライドを例示することができる。
(C−1b) 一般式 MaAlRa 4
(式中、MaはLi、NaまたはKを示し、Raは炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示す。)で表される周期律表第1族金属とアルミニウムとの錯アルキル化物。このような化合物としては、LiAl(C254、LiAl(C7154などを例示することができる。
(C−1c) 一般式 Rabb
(式中、RaおよびRbは、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、MbはMg、ZnまたはCdである。)で表される周期律表第2族または第12族金属のジアルキル化合物。上記した特定の有機金属化合物(C)のなかでは、有機アルミニウム化合物が好ましく、とりわけ前記(C−1a)の有機アルミニウム化合物が好ましい。また、このような有機金属化合物(C−1)は、1種単独で用いてもよいし2種以上組み合わせて用いてもよい。
本発明のポイントの一つは、本発明の担体成分を使用することによって、従来使用されてきた有機アルミニウムオキシ化合物や有機ホウ素化合物を遷移金属化合物と併用しなくてもよい点にある。従って、オレフィン重合触媒中の任意構成成分は、(C−1a)、(C−1b)、(C−1c)から選ばれる少なくても1種の化合物で十分であるが、オレフィン重合活性を更に向上させるために本発明のオレフィン重合用触媒中に、(C)有機金属化合物として以下に示すような有機金属化合物、(C−2)や(C−3)が含まれていてもよい。
(C−2)有機アルミニウムオキシ化合物
本発明で用いられる(C−2)有機アルミニウムオキシ化合物は、従来公知のアルミノキサンであってもよく、また特開平2−78687号公報に例示されているようなベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物であってもよい。
従来公知のアルミノキサンは、たとえば下記のような方法によって製造することができ、通常、炭化水素溶媒の溶液として得られる。
(1)吸着水を含有する化合物または結晶水を含有する塩類、たとえば塩化マグネシウム水和物、硫酸銅水和物、硫酸アルミニウム水和物、硫酸ニッケル水和物、塩化第1セリウム水和物などの炭化水素媒体懸濁液に、トリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物を添加して、吸着水または結晶水と有機アルミニウム化合物とを反応させる方法。
(2)ベンゼン、トルエン、エチルエーテル、テトラヒドロフランなどの媒体中で、トリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物に直接水、氷または水蒸気を作用させる方法。
(3)デカン、ベンゼン、トルエンなどの媒体中でトリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物に、ジメチルスズオキシド、ジブチルスズオキシドなどの有機スズ酸化物を反応させる方法。
なお該アルミノキサンは、少量の有機金属成分を含有してもよい。また回収された上記のアルミノキサンの溶液から溶媒または未反応有機アルミニウム化合物を蒸留して除去した後、溶媒に再溶解またはアルミノキサンの貧溶媒に懸濁させてもよい。
アルミノキサンを調製する際に用いられる有機アルミニウム化合物として具体的には、前記(B−1a)に属する有機アルミニウム化合物として例示したものと同様の有機アルミニウム化合物を挙げることができる。
これらのうち、トリアルキルアルミニウム、トリシクロアルキルアルミニウムが好ましく、トリメチルアルミニウムが特に好ましい。
上記のような有機アルミニウム化合物は、1種単独でまたは2種以上組み合せて用いられる。
また本発明で用いられるベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物は、60℃のベンゼンに溶解するAl成分がAl原子換算で通常10%以下、好ましくは5%以下、特に好ましくは2%以下であるもの、すなわち、ベンゼンに対して不溶性または難溶性であるものが好ましい。これらの有機アルミニウムオキシ化合物(B−2)は、1種単独でまたは2種以上組み合せて用いられる。
(C−3)遷移金属化合物と反応してイオン対を形成する化合物
本発明に係る遷移金属化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物(C−3)(以下、「イオン化イオン性化合物」という。)としては、特開平1−501950号公報、特開平1−502036号公報、特開平3−179005号公報、特開平3−179006号公報、特開平3−207703号公報、特開平3−207704号公報、USP5321106号などに記載されたルイス酸、イオン性化合物、ボラン化合物およびカルボラン化合物などを挙げることができる。さらに、ヘテロポリ化合物およびイソポリ化合物も挙げることができる。このようなイオン化イオン性化合物(C−3)は、1種単独でまたは2種以上組み合せて用いられる。
なお、本発明のオレフィン重合用触媒は、上記の(B)担体成分、(A)遷移金属化合物、(C)特定の有機金属化合物に加えて、更にSiO2、Al23、MgO、ZrO、TiO2、B23、CaO、ZnO、BaO、ThO2等の無機担体や粒径が10〜300μmの範囲にある顆粒状ないしは微粒子状有機ポリマーであるポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリスチレン等の有機担体を併用することもできる。
オレフィンの重合方法及びこの方法によって得られるポリオレフィン
本発明のポリオレフィンは、前記のオレフィン重合用触媒の存在下で、オレフィンを高活性でもって単独重合または共重合させることによって得られる、嵩密度が0.20(g/cm3)以上であるポリオレフィンである。
本発明において、重合反応に供されるオレフィンは、エチレンおよびα−オレフィンから選ばれる1種以上のモノマーであり、モノマーの少なくとも1種がエチレンまたはプロピレンである。α−オレフィンとしては、炭素原子数が3〜20、好ましくは3〜10の直鎖状または分岐状のα−オレフィン、たとえばプロピレン、1−ブテン、2−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセなどである。また本発明の重合方法においては、炭素原子数が3〜30、好ましくは3〜20の環状オレフィン、たとえばシクロペンテン、シクロヘプテン、ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、テトラシクロドデセン、2−メチル1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン;極性モノマー、たとえば、アリルアルコール、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、ビシクロ(2,2,1)−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸無水物などのα,β−不飽和カルボン酸、およびこれらのナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、亜鉛塩、マグネシウム塩、カルシウム塩などの金属塩;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸tert−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチルなどのα,β−不飽和カルボン酸エステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、トリフルオロ酢酸ビニルなどのビニルエステル類;アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、イタコン酸モノグリシジルエステルなどの不飽和グリシジルなどを挙げることができる。また、ビニルシクロヘキサン、ジエンまたはポリエン;芳香族ビニル化合物、例えばスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o,p−ジメチルスチレン、o−エチルスチレン、m−エチルスチレン、p−エチルスチレンなどのモノもしくはポリアルキルスチレン;メトキシスチレン、エトキシスチレン、ビニル安息香酸、ビニル安息香酸メチル、ビニルベンジルアセテート、ヒドロキシスチレン、o−クロロスチレン、p−クロロスチレン、ジビニルベンゼンなどの官能基含有スチレン誘導体;および3−フェニルプロピレン、4−フェニルプロピレン、α−メチルスチレンなどを反応系に共存させて重合を進めることもできる。
本発明に係るオレフィンの重合方法では、上記のようなオレフィン重合用触媒の存在下に、オレフィンを重合または共重合することによりオレフィン重合体を得る。
本発明では、重合は溶液重合、懸濁重合などの液相重合法、あるいは気相重合法のいずれにおいても実施できる。溶液重合または懸濁重合法において用いられる不活性炭化水素媒体として具体的には、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油などの脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタンなどの脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;エチレンクロリド、クロルベンゼン、ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素またはこれらの混合物などを挙げることができ、オレフィン自身を溶媒として用いることもできる。
上記のようなオレフィン重合用触媒を用いて、オレフィンの重合を行うに際して、成分(A)は、反応容積1リットル当り、通常10-8〜10-2モル、好ましくは10-7〜10-3モルになるような量で用いられる。
成分(B)はマグネシウム原子として、成分(B)中の全遷移金属原子(M)に対するモル比〔Mg/M〕が、通常1.0〜1000、好ましくは10〜800となるような量で用いられる。成分(C)は、成分(C)中の金属原子(M')と、成分(A)中の全遷移金属(M)とのモル比〔M'/M〕が、通常5〜5000、好ましくは100〜3000となるような量で用いられる。
また、このようなオレフィン重合触媒を用いたオレフィンの重合温度は、通常−50〜+200℃、好ましくは0〜170℃の範囲である。重合圧力は、通常常圧〜10MPaゲージ圧、好ましくは常圧〜5MPaゲージ圧の条件下であり、重合反応は、回分式、半連続式、連続式のいずれの方法においても行うことができる。さらに重合を反応条件の異なる2段以上に分けて行うことも可能である。得られるオレフィン重合体の分子量は、重合系に水素、有機シラン化合物または他の公知の分子量調節剤を存在させるか、または重合温度を変化させることによっても調節することができる。さらに、使用する成分(A)の量により調節することもできる。
以上述べた本発明の重合方法によって得られるポリマーは、嵩密度が0.20(g/cm3)以上、好ましくは0.22(g/cm3)以上であるという特徴を持つ。また、GPCで測定される分子量分布(Mw/Mn)は、多段重合などの重合プロセスによって変化可能であるが、成分(A)の選択によっても制御可能であり、Mw/Mn=1〜150の範囲で変化させることが可能であるという特徴を持ち、用途によって様々に造り分けることができる。
次に、本発明に係る主な分析法、並びにオレフィンの重合によって得られる重合体の物性・性状を測定する方法について述べる。
〔担体成分中の組成分析〕
担体成分中の金属含有量はプラズマ発光質量分析法により求めた。
ハロゲン含量は電位差滴定法を用い、アルコキシ基含量はガスクロマトグラフにより測定した。
〔担体成分の平均粒径〕
平均粒径の測定は数平均として、光透過式沈降法により、既知のStokesの式(数1)を適用して求めた。装置は、自動粒度分布測定装置(CAPA−300型、堀場社製)を用いた。また、分散剤にはデカリンとトリオレインとの混合液(デカリン/トリオレイン=1/4(重量比))を用いた。
Figure 0005221848
〔担体成分の微結晶サイズ〕
微結晶サイズの測定は、X線回折装置(理学電機社製RU−300)により、塩化マグネシウムの(110)面の半価幅(FWHM)を測定し、かつ既知のScherrerの式(式中、0.9は定数Kに帰着する)を適用することによって求めた。微結晶サイズの測定に用いた試料はすべて窒素雰囲気下で取り扱った。なお、Scherrerの式を用いた微結晶サイズの測定方法は、「カリティX線回折要論(松村源太郎訳)アグネ社刊」に詳しい。
〔ポリマーの重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)〕
ウォーターズ(Waters)モデル「Alliance GPC 2000」ゲル浸透クロマトグラフ(高温サイズ排除クロマトグラフ)により得られる分子量分布曲線から計算した。なお操作条件は、下記の通りである:
移動相:o−ジクロロベンゼン(和光純薬工業)
移動相流速:1ml/min.
カラム:2本の「TSK−GEL」(登録商標)モデル「GMH6−HT
」カラムと、2本の「TSK−GEL」(登録商標)モデル「GMH6−
HTL」カラム
温度:140℃
試料濃度:30mg/20ml(0.15%(w/v))
注入容量:500μリットル
検出法:クロマトグラフと一体の屈折計により検出
〔ポリマーの極限粘度([η])〕
デカリン溶媒を用いて、135℃で測定した値である。すなわち造粒ペレット約20mgをデカリン15mlに溶解し、135℃のオイルバス中で比粘度ηspを測定する。このデカリン溶液にデカリン溶媒を5ml追加して希釈後、同様にして比粘度ηspを測定する。この希釈操作をさらに2回繰り返し、濃度(C)を0に外挿した時のηsp/Cの値を極限粘度として求める。
[η]=lim(ηsp/C) (C→0)
〔メルトフローレート(MFR2.16)〕
ASTM D−1238の標準法により、190℃、2.16kg荷重下で測定された数値である。
〔ポリマーの嵩密度〕
JIS K−6721に準拠し、内容積100mlの容器中の試料重量より求めた。
[実施例]
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、合成例で得られた化合物の構造は、270MHz1H−NMR(日本電子GSH−270)、FD−質量分析(日本電子SX−102A)等を用いて決定した。
成分(b1)の調製
無水塩化マグネシウム95.2g(1.0モル)、デカン442mlおよび2−エチルヘキシルアルコール390.6g(3.0モル)を130℃で2時間反応を行い均一溶液(成分(b1))を得た。
成分(b1−1)の調製
充分に窒素置換した内容積200mlのフラスコに、成分(b1)25ml(マグネシウム原子換算で25ミリモル)、および精製デカン100mlを装入し、攪拌下、液温を15℃に保持しながら、精製デカンで希釈したトリエチルアルミニウム26ミリモルを、30分間にわたって滴下装入した。その後、液温を120分かけて80℃に昇温し、さらに60分反応させた。次いで、80℃を保持しながら、再び、精製デカン希釈のトリエチルアルミニウム49ミリモルを、30分間にわたって滴下装入し、その後さらに60分間加熱反応した。反応終了後、濾過にて固体部を採取し、トルエンにて充分洗浄し、100mlのトルエンを加えて成分(b1−1)のトルエンスラリーとした。得られた成分(b1−1)の平均粒径は20μmであった。
また、以上の操作によって調製した成分(b1−1)の一部を乾燥し、組成を調べたところ、マグネシウムが17.0重量%であり、アルミニウムが2.9重量%であり、2−エチルヘキソキシ基が26.4重量%であり、塩素が49.0重量%であった。従って、マグネシウムとアルミニウムのモル比(Mg/Al)は、6.5、2−エチルヘキソキシ基とアルミニウムのモル比(OR/Al)は、1.9であった。
成分(b1−1−a2−172)の調製
充分に窒素置換した内容積200mlのフラスコに、全量154.1mlとなる様に精製トルエン、および、成分(b1−1)をマグネシウム原子換算で10ミリモル装入した。これを25℃に保持しながら、攪拌下、下記成分(a2−172)のトルエン溶液(0.001089mmol/ml)45.9mlを20分にわたって滴下装入した。1時間攪拌した後、濾過にて固体部を採取し、トルエンにて充分洗浄し、精製デカン100mlを加えて成分(b1−1−a2−172)のデカンスラリーとした。
このスラリーの一部を採取し濃度分析したところ、マグネシウムが1.30mg/mLであり、ジルコニウムが20.8μg/mLであった。従って、成分(b1−1−a2−172)1g中のジルコニウム原子含有量は2.7mg/gと計算された。
一方、成分(b1−1−a2−172)の乾燥試料によるICP−MASS分析からも、ジルコニウム原子が0.28重量%含有されていることを確認した。その他の成分は、マグネシウムが17.0重量%であり、アルミニウムが2.8重量%であり、2−エチルヘキソキシ基が25.1重量%であり、塩素が51.0重量%であった。従って、マグネシウムとアルミニウムのモル比(Mg/Al)は、6.7、2−エチルヘキソキシ基とアルミニウムのモル比(OR/Al)は、1.9であり、成分(b1−1)の対応するモル比からほとんど変化しないことを確認した。
Figure 0005221848
重 合
充分に窒素置換した内容積1リットルのSUS製オートクレーブに精製ヘプタン500mlを入れ、エチレンを流通し、液相および気相をエチレンで飽和させた。その後、75℃に昇温し、エチレン雰囲気にて、トリエチルアルミニウム0.5ミリモル、上記で調製した成分(b1−1−a2−172)(ジルコニウム原子換算で0.0004ミリモル)をこの順に装入した。エチレン圧を0.8MPa・Gとし、60分間重合を行った。重合中は、80℃、エチレン圧0.8MPa・Gを保持した。重合終了後、反応生成物を大量のヘキサンで洗浄し、グラスフィルターで濾取した。得られたポリマーを10時間、真空乾燥させてポリエチレン66.9gを得た。
重合活性は167.2kg/mmol−Zr・hr、成分(b1−1−a2−172)1gあたりの重合活性は、5.1kg/g−cat・hrであり、このポリエチレンの[η]は16.3dl/g、嵩密度は、0.24g/mlであった。またGPC測定より測定したこのポリエチレンのMwは1.9×106であり、Mw/Mn比は4.1であった。
成分(b1−1−a2−140)の調製
充分に窒素置換した内容積200mlのフラスコに、全量128.4mlとなる様に精製トルエン、および、成分(b1−1)をマグネシウム原子換算で10ミリモル装入した。これを25℃に保持しながら、攪拌下、下記成分(a2−140)のトルエン溶液(0.000699mmol/ml)71.6mlを20分にわたって滴下装入した。1時間攪拌した後、濾過にて固体部を採取し、トルエンにて充分洗浄し、精製デカン100mlを加えて成分(b1−1−a2−140)のデカンスラリーとした。
以上の操作によって調製した成分(b1−1−a2−140)の一部を乾燥し、組成を調べたところ、マグネシウムが16.0重量%であり、アルミニウムが2.7重量%であり、2−エチルヘキソキシ基が24.0重量%であり、塩素が48.0重量%であり、ジルコニウムが0.30重量%であった。尚、ジルコニウム含有量の分析値は、実施例1と同様、計算結果と良く一致する。また、マグネシウムとアルミニウムのモル比(Mg/Al)は、6.3、2−エチルヘキソキシ基とアルミニウムのモル比(OR/Al)は、1.8であり、実施例1と同様に成分(b1−1)の対応するモル比からほとんど変化しないことを確認した。
Figure 0005221848
重 合
実施例1の[重合]において、成分(b1−1−a2−172)の代わりに、上記で調製した成分(b1−1−a2−140)を用いた以外は実施例1と同様にして重合を実施した。その結果、ポリエチレン50.9gを得た。
重合活性は127.3kg/mmol−Zr・hr、成分(b1−1−a2−140)1gあたりの重合活性は、4.2kg/g−cat・hrであり、このポリエチレンの[η]は18.3dl/g、嵩密度は、0.33g/mlであった。またGPC測定より測定したこのポリエチレンのMwは2.4×106であり、Mw/Mn比は5.9であった。
成分(b1−1−a2−204)の調製
充分に窒素置換した内容積200mlのフラスコに、全量125.5mlとなる様に精製トルエン、および、成分(b1−1)をマグネシウム原子換算で10ミリモル装入した。これを25℃に保持しながら、攪拌下、下記成分(a2−204)のトルエン溶液(0.000671mmol/ml)74.5mlを20分にわたって滴下装入した。1時間攪拌した後、濾過にて固体部を採取し、トルエンにて充分洗浄し、精製デカン100mlを加えて成分(b1−1−a2−204)のデカンスラリーとした。
以上の操作によって調製した成分(b1−1−a2−204)の一部を乾燥し、組成を調べたところ、マグネシウムが17.0重量%であり、アルミニウムが2.7重量%であり、2−エチルヘキソキシ基が24.0重量%であり、塩素が50.0重量%であり、ジルコニウムが0.31重量%であった。従って、マグネシウムとアルミニウムのモル比(Mg/Al)は、7.0、2−エチルヘキソキシ基とアルミニウムのモル比(OR/Al)は、1.8であった。
Figure 0005221848
重 合
実施例1の[重合]において、成分(b1−1−a2−172)の代わりに、上記で調製した成分(b1−1−a2−204)を用いた以外は実施例1と同様にして重合を実施した。その結果、ポリエチレン40.3gを得た。
重合活性は100.8kg/mmol−Zr・hr、成分(b1−1−a2−204)1gあたりの重合活性は、3.4kg/g−cat・hrであり、このポリエチレンの[η]は18.1dl/g、嵩密度は、0.28g/mlであった。またGPC測定より測定したこのポリエチレンのMwは2.2×106であり、Mw/Mn比は7.1であった。
成分(b1−1−a2−126)の調製
充分に窒素置換した内容積200mlのフラスコに、全量153.8mlとなる様に精製トルエン、および、成分(b1−1)をマグネシウム原子換算で10ミリモル装入した。これを25℃に保持しながら、攪拌下、下記成分(a2−126)のトルエン溶液(0.001083mmol/ml)46.2mlを20分にわたって滴下装入した。1時間攪拌した後、濾過にて固体部を採取し、トルエンにて充分洗浄し、精製デカン100mlを加えて成分(b1−1−a2−126)のデカンスラリーとした。
以上の操作によって調製した成分(b1−1−a2−126)の一部を乾燥し、組成を調べたところ、マグネシウムが17.0重量%であり、アルミニウムが2.8重量%であり、2−エチルヘキソキシ基が25.8重量%であり、塩素が51.0重量%であり、ジルコニウムが0.31重量%であった。従って、マグネシウムとアルミニウムのモル比(Mg/Al)は、6.7、2−エチルヘキソキシ基とアルミニウムのモル比(OR/Al)は、1.9であった。
Figure 0005221848
重 合
実施例1の[重合]において、成分(b1−1−a2−172)の代わりに、上記で調製した成分(b1−1−a2−126)(ジルコニウム原子換算で0.001ミリモル)を用いた以外は実施例1と同様にして重合を実施した。その結果、ポリエチレン20.5gを得た。
重合活性は20.5kg/mmol−Zr・hr、成分(b1−1−a2−126)1gあたりの重合活性は、0.7kg/g−cat・hrであり、このポリエチレンの[η]は0.5dl/g、嵩密度は、0.20g/mlであった。またGPC測定より測定したこのポリエチレンのMwは1.1×104であり、Mw/Mn比は3.0であった。
成分(b1−1−a2−116)の調製
充分に窒素置換した内容積200mlのフラスコに、全量131.8mlとなる様に精製トルエン、および、成分(b1−1)をマグネシウム原子換算で10ミリモル装入した。これを25℃に保持しながら、攪拌下、下記成分(a2−116)のトルエン溶液(0.000734mmol/ml)68.2mlを20分にわたって滴下装入した。1時間攪拌した後、濾過にて固体部を採取し、トルエンにて充分洗浄し、精製デカン100mlを加えて成分(b1−1−a2−116)のデカンスラリーとした。
以上の操作によって調製した成分(b1−1−a2−116)の一部を乾燥し、組成を調べたところ、マグネシウムが17.0重量%であり、アルミニウムが2.8重量%であり、2−エチルヘキソキシ基が26.6重量%であり、塩素が49.0重量%であり、ジルコニウムが0.30重量%であった。従って、マグネシウムとアルミニウムのモル比(Mg/Al)は、6.7、2−エチルヘキソキシ基とアルミニウムのモル比(OR/Al)は、2.0であった。
Figure 0005221848
重 合
実施例1の[重合]において、成分(b1−1−a2−172)の代わりに、上記で調製した成分(b1−1−a2−116)(ジルコニウム原子換算で0.001ミリモル)を用いた以外は実施例1と同様にして重合を実施した。その結果、ポリエチレン17.5gを得た。
重合活性は17.5kg/mmol−Zr・hr、成分(b1−1−a2−116)1gあたりの重合活佳は、0.6kg/g−cat・hrであり、このポリエチレンの[η]は20.0dl/g、嵩密度は、0.31g/mlであった。
成分(b1−1−a2−228)の調製
充分に窒素置換した内容積200mlのフラスコに、全量150.0mlとなる様に精製トルエン、および、成分(b1−1)をマグネシウム原子換算で10ミリモル装入した。これを25℃に保持しながら、攪拌下、下記成分(a2−228)のトルエン溶液(0.00100mmol/ml)50.0mlを20分にわたって滴下装入した。1時間攪拌した後、濾過にて固体部を採取し、トルエンにて充分洗浄し、精製デカン100mlを加えて成分(b1−1−a2−228)のデカンスラリーとした。
また、以上の操作によって調製した成分(b1−1−a2−228)の一部を乾燥し、組成を調べたところ、マグネシウムが18.0重量%であり、アルミニウムが2.6重量%であり、2−エチルヘキソキシ基が20.0重量%であり、塩素が54.0重量%であり、ジルコニウムが0.35重量%であった。従って、マグネシウムとアルミニウムのモル比(Mg/Al)は、7.7、2−エチルヘキソキシ基とアルミニウムのモル比(OR/Al)は、1.6であった。
Figure 0005221848
重 合
実施例1の[重合]において、成分(b1−1−a2−172)の代わりに、上記で調製した成分(b1−1−a2−228)(ジルコニウム原子換算で0.001ミリモル)を用いた以外は実施例1と同様にして重合を実施した。その結果、ポリエチレン8.8gを得た。
重合活性は8.8kg/mmol−Zr・hr、成分(b1−1−a2−228)1gあたりの重合活性は、1.2kg/g−cat・hrであり、このポリエチレンの[η]は0.24dl/gであった。またGPC測定より測定したこのポリエチレンのMwは3.0×103であり、Mw/Mn比は1.9であった。
成分(b1−1−a2−138)の調製
充分に窒素置換した内容積200mlのフラスコに、全量150.0mlとなる様に精製トルエン、および、成分(b1−1)をマグネシウム原子換算で10ミリモル装入した。これを25℃に保持しながら、攪拌下、下記成分(a2−138)のトルエン溶液(0.00100mmol/ml)50.0mlを20分にわたって滴下装入した。1時間攪拌した後、濾過にて固体部を採取し、トルエンにて充分洗浄し、精製デカン100mlを加えて成分(b1−1−a2−138)のデカンスラリーとした。
また、以上の操作によって調製した成分(b1−1−a2−138)の一部を乾燥し、組成を調べたところ、マグネシウムが18.0重量%であり、アルミニウムが2.5重量%であり、2−エチルヘキソキシ基が20.5重量%であり、塩素が51.0重量%であり、ジルコニウムが0.32重量%であった。従って、マグネシウムとアルミニウムのモル比(Mg/Al)は、8.0、2−エチルヘキソキシ基とアルミニウムのモル比(OR/Al)は、1.7であった。
Figure 0005221848
重 合
実施例1の[重合]において、成分(b1−1−a2−172)の代わりに、上記で調製した成分(b1−1−a2−138)(ジルコニウム原子換算で0.001ミリモル)を用いた以外は実施例1と同様にして重合を実施した。その結果、ポリエチレン55.5gを得た。
重合活性は55.5kg/mmol−Zr・hr、成分(b1−1−a2−138)1gあたりの重合活性は、2.0kg/g−cat・hrであり、このポリエチレンの[η]は13.7dl/g、嵩密度は、0.21g/mlであった。またGPC測定より測定したこのポリエチレンのMwは166.8×104であり、Mw/Mn比は12.3であった。
成分(b1−1−a2−241)の調製
充分に窒素置換した内容積200mlのフラスコに、全量150.0mlとなる様に精製トルエン、および、成分(b1−1)をマグネシウム原子換算で10ミリモル装入した。これを25℃に保持しながら、攪拌下、下記成分(a2−241)のトルエン溶液(0.00100mmol/ml)50.0mlを20分にわたって滴下装入した。1時間攪拌した後、濾過にて固体部を採取し、トルエンにて充分洗浄し、精製デカン100mlを加えて成分(b1−1−a2−241)のデカンスラリーとした。
以上の操作によって調製した成分(b1−1−a2−241)の一部を乾燥し、組成を調べたところ、マグネシウムが18.0重量%であり、アルミニウムが2.5重量%であり、2−エチルヘキソキシ基が22.8重量%であり、塩素が52.0重量%であり、ジルコニウムが0.28重量%であった。従って、マグネシウムとアルミニウムのモル比(Mg/Al)は、8.0、2−エチルヘキソキシ基とアルミニウムのモル比(OR/Al)は、1.9であった。
Figure 0005221848
重 合
実施例1の[重合]において、成分(b1−1−a2−172)の代わりに、上記で調製した成分(b1−1−a2−241)(ジルコニウム原子換算で0.001ミリモル)を用いた以外は実施例1と同様にして重合を実施した。その結果、ポリエチレン22.6gを得た。
重合活性は22.6kg/mmol−Zr・hr、成分(b1−1−a2−241)1gあたりの重合活性は、0.7kg/g−cat・hrであり、このポリエチレンの[n]は9.7dl/g、嵩密度は、0.20g/mlであった。またGPC測定より測定したこのポリエチレンのMwは104.4×104であり、Mw/Mn比は23.8であった。
成分(b1−1−a2−134)の調製
充分に窒素置換した内容積200mlのフラスコに、成分(b1−1)をマグネシウム原子換算で4ミリモル、および精製トルエン100mlを装入し、攪拌下、室温に保持しながら、下記成分(a2−172)のトルエン溶液(0.00106mmol/ml)18.8mlを20分にわたって滴下装入した。1時間攪拌した後、濾過にて固体部を採取し、トルエンにて充分洗浄し、精製デカン50mlを加えて成分(b1−1−a2−134)のデカンスラリーとした。
このスラリーの一部を採取し濃度分析したところ、マグネシウムが1.59mg/mLであり、ジルコニウムが30.0μg/mLであった。従って、成分(b1−2−a2−134)1g中のジルコニウム原子含有量は3.2mg/gと計算された。
Figure 0005221848
重 合
実施例1の[重合]において、成分(b1−1−a2−172)の代わりに、上記で調製した成分(b1−1−a2−134)(ジルコニウム原子換算で0.001ミリモル)を用いた以外は実施例1と同様にして重合を実施した。その結果、ポリエチレン15.0gを得た。
重合活性は15.0kg/mmol−Zr・hr、成分(b1−1−a2−241)1gあたりの重合活性は、0.5kg/g−cat・hrであり、このポリエチレンの[η]は2.8dl/g、嵩密度は、0.23g/mlであった。
成分(b1−1−a2−195)の調製
充分に窒素置換した内容積200mlのフラスコに、全量85.4mlになるように成分(b1−1)をマグネシウム原子換算で4ミリモルおよび精製トルエンを装入し、攪拌下、室温に保持しながら、下記成分(a2−195)のトルエン溶液(0.00103mmol/ml)14.6mlを20分にわたって滴下装入した。1時間攪拌した後、濾過にて固体部を採取し、トルエンにて充分洗浄し、精製デカン50mlを加えて成分(b1−1−a2−195)のデカンスラリーとした。
このスラリーの一部を採取し濃度分析したところ、マグネシウムが1.22mg/mLであり、ジルコニウムが21.2μg/mLであった。従って、成分(b1−2−a2−195)1g中のジルコニウム原子含有量は3.0mg/gと計算された。
Figure 0005221848
重 合
充分に窒素置換した内容積1リットルのSUS製オートクレーブに精製ヘプタン500mlを入れ、エチレンを流通し、液相および気相をエチレンで飽和させた。その後、75℃に昇温し、エチレン雰囲気にて、トリエチルアルミニウム0.35ミリモル、上記で調製した成分(b1−1−a2−195)(ジルコニウム原子換算で0.00035ミリモル)をこの順に装入した。エチレン圧を0.8MPa・Gとし、60分間重合を行った。重合中は、80℃、エチレン圧0.8MPa・Gを保持した。重合終了後、反応生成物を大量のヘキサンで洗浄し、グラスフィルターで濾取した。得られたポリマーを10時間、真空乾燥させてポリエチレン41.2gを得た。
重合活性は160.6kg/mmol−Zr・hr、成分(b1−1−a2−195)1gあたりの重合活性は、3.9kg/g−cat・hrであり、このポリエチレンの[η]は17.2dl/g、嵩密度は、0.28g/mlであった。
成分(b1−2)の調製
充分に窒素置換した内容積400mlのフラスコに、成分(b1)12.5ml(マグネシウム原子換算で12.5ミリモル)、および精製デカン200mlを装入し、攪拌下、液温を15℃に保持しながら、精製デカンで希釈したトリエチルアルミニウム13ミリモルを、30分間にわたって滴下装入した。その後、液温を120分かけて80℃に昇温し、さらに60分反応させた。次いで、80℃を保持しながら、再び、精製デカン希釈のトリエチルアルミニウム24.5ミリモルを、30分間にわたって滴下装入し、その後さらに60分間加熱反応した。反応終了後、濾過にて固体部を採取し、トルエンにて充分洗浄し、50mlのトルエンを加えて成分(b1−2)のトルエンスラリーとした。得られた成分(b1−2)の平均粒径は20μmであった。
また、以上の操作によって調製した成分(b1−2)の一部を乾燥し、組成を調べたところ、マグネシウムが18.0重量%であり、アルミニウムが26.0重量%であり、2−エチルヘキソキシ基が21.4重量%であり、塩素が52.0重量%であった。従って、マグネシウムとアルミニウムのモル比(Mg/Al)は、7.7、2−エチルヘキソキシ基とアルミニウムのモル比(OR/Al)は、1.7であった。
成分(b1−2−a2−172)の調製
充分に窒素置換した内容積200mlのフラスコに、全量85.1mlになるように成分(b1−1)をマグネシウム原子換算で3ミリモルおよび精製トルエンを装入し、攪拌下、室温に保持しながら、下記成分(a2−195)のトルエン溶液(0.001005mmol/ml)14.9mlを20分にわたって滴下装入した。1時間攪拌した後、濾過にて固体部を採取し、トルエンにて充分洗浄し、精製デカン50mlを加えて成分(b1−1−a2−195)のデカンスラリーとした。
このスラリーの一部を採取し濃度分析したところ、マグネシウムが1.07mg/mLであり、ジルコニウムが26.5μg/mLであった。従って、成分(b1−2−a2−172)1g中のジルコニウム原子含有量は4.5mg/gと計算された。
重 合
実施例12の[重合]において、成分(b1−1−a2−195)の代わりに、上記で調製した成分(b1−2−a2−172)を用いた以外は実施例12と同様にして重合を実施した。その結果、ポリエチレン57.2gを得た。
重合活性は163.3kg/mmol−Zr・hr、成分(b2−1−a2−172)1gあたりの重合活性は、8.1kg/g−cat・hrであり、このポリエチレンの[η]は17.4dl/g、嵩密度は、0.27g/mlであった。
成分(b2)の調製
無水塩化マグネシウム95.2g(1.0モル)、デカン551mlおよび2−エチルヘキシルアルコール325.5g(2.5モル)を130℃で2時間反応を行い均一溶液(成分(b2))を得た。
成分(b2−1)の調製
充分に窒素置換した内容積200mlのフラスコに、成分(b2)25ml(マグネシウム原子換算で25ミリモル)、および精製デカン100mlを装入し、攪拌下、液温を15℃に保持しながら、精製デカンで希釈したトリエチルアルミニウム25ミリモルを、30分間にわたって滴下装入した。その後、液温を120分かけて80℃に昇温し、さらに60分反応させた。次いで、80℃を保持しながら、再び、精製デカン希釈のトリエチルアルミニウム37.5ミリモルを、30分間にわたって滴下装入し、その後さらに60分間加熱反応した。反応終了後、濾過にて固体部を採取し、トルエンにて充分洗浄し、100mlのトルエンを加えて成分(b2−1)のトルエンスラリーとした。得られた成分(b2−1)の平均粒径は9μmであった。
また、以上の操作によって調製した成分(b2−1)の一部を乾燥し、組成を調べたところ、マグネシウムが18.0重量%であり、アルミニウムが2.3重量%であり、2−エチルヘキソキシ基が19.0重量%であり、塩素が54.0重量%であった。従って、マグネシウムとアルミニウムのモル比(Mg/Al)は、8.7、2−エチルヘキソキシ基とアルミニウムのモル比(OR/Al)は、1.6であった。
成分(b2−1−a2−172)の調製
充分に窒素置換した内容積200mlのフラスコに、全量85.4mlになるように成分(b2−1)をマグネシウム原子換算で4ミリモルおよび精製トルエンを装入し、攪拌下、室温に保持しながら、下記成分(a2−172)のトルエン溶液(0.001029mmol/ml)14.6mlを20分にわたって滴下装入した。1時間攪拌した後、濾過にて固体部を採取し、トルエンにて充分洗浄し、精製デカン50mlを加えて成分(b2−1−a2−195)のデカンスラリーとした。
このスラリーの一部を採取し濃度分析したところ、マグネシウムが1.26mg/mLであり、ジルコニウムが29.0μg/mLであった。従って、成分(b2−1−a2−172)1g中のジルコニウム原子含有量は4.1mg/gと計算された。
重 合
実施例12の[重合]において、成分(b1−1−a2−195)の代わりに、上記で調製した成分(b2−1−a2−172)を用いた以外は実施例12と同様にして重合を実施した。その結果、ポリエチレン55.9gを得た。
重合活性は159.7kg/mmol−Zr・hr、成分(b2−1−a2−172)1gあたりの重合活性は、7.2kg/g−cat・hrであり、このポリエチレンの[η]は17.2dl/g、嵩密度は、0.29g/mlであった。
成分(b1−3)の調製
充分に窒素置換した内容積200mLのフラスコに、成分(b1)25mL(マグネシウム原子換算で25ミリモル)、およびトルエン100mLを装入し、攪拌下、液温を−20℃に保持しながら、トルエンで希釈したトリエチルアルミニウム26ミリモルを、30分間にわたって滴下装入した。その後、液温を130分かけて80℃に昇温し、1時間反応させた。次いで、80℃を保持しながら、再び、トルエン希釈のトリエチルアルミニウム250ミリモルを、30分間にわたって滴下装入し、その後さらに1時間加熱反応した。反応終了後、濾過にて固体部を採取し、トルエンにて充分洗浄し、100mLのトルエンを加えて成分(b1−3)のトルエンスラリーとした。得られた成分(b1−3)の平均粒径は11μmであった。
また、以上の操作によって調製した成分(b1−3)の一部を乾燥し、組成を調べたところ、マグネシウムが25.0重量%であり、アルミニウムが0.6重量%であり、2−エチルヘキソキシ基が2.6重量%であり、塩素が71.0重量%であった。従って、マグネシウムとアルミニウムのモル比(Mg/Al)は46.3、2−エチルヘキソキシ基とアルミニウムのモル比(OR/Al)は、0.9であった。
成分(b1−3−a2−172)の調製
充分に窒素置換した内容積200mLのフラスコに、全量で85.3mLとなる様に、精製トルエン、および成分(b1−3)をマグネシウム原子換算で3ミリモル装入した。これを25℃に保持しながら、攪拌下、下記成分(a2−172)のトルエン溶液(0.001021mmol/mL)14.7mLを20分間にわたって滴下装入した。1時間攪拌した後、濾過にて固体部を採取し、トルエンにて充分洗浄後、デカンを加えて、成分(b1−3−a2−172)のデカンスラリーとした。
このスラリーの一部を採取し濃度分析したところ、マグネシウムが1.05mg/mLであり、ジルコニウムが24.0μg/mLであった。従って、成分(b1−3−a2−172)1g中のジルコニウム含有量は5.72mg/gと計算された。
重 合
実施例12の[重合]において、成分(b1−1−a2−195)の代わりに、上記で調製した成分(b1−3−a2−172)を用いた以外は実施例12と同様にして重合を実施した。その結果、ポリエチレン37.8gを得た。
重合活性は108.1kg/mmol−Zr・hr、成分(b1−3−a2−172)1gあたりの重合活性は、6.8kg/g−cat・hrであり、このポリエチレンの[η]は16.6dl/g、嵩密度は0.40g/mlであった。
成分(b1−4)の調製
充分に窒素置換した内容積200mLのフラスコに、実施例1で調製した成分(b1)25mL(マグネシウム原子換算で25ミリモル)、および無水1,2−ジクロロベンゼン100mLを装入し、攪拌下、液温を0℃に保持しながら、無水1,2−ジクロロベンゼンで希釈したトリエチルアルミニウム26ミリモルを、30分間にわたって滴下装入した。その後、液温を150分かけて80℃に昇温し、1時間反応させた。次いで、80℃を保持しながら、再び無水1,2−ジクロロベンゼン希釈のトリエチルアルミニウム175ミリモルを、30分間にわたって滴下装入し、その後さらに1時間加熱反応した。反応終了後、濾過にて固体部を採取し、トルエンにて充分洗浄し、100mLのトルエンを加えて成分(b1−4)のトルエンスラリーとした。得られた成分(b1−4)の平均粒径は8μmであった。
以上の操作によって調製した成分(b1−4)の一部を乾燥し、組成を調べたところ、マグネシウムが24.0重量%であり、アルミニウムが0.6重量%であり、2−エチルヘキソキシ基が4.8重量%であり、塩素が68.0重量%であった。従って、マグネシウムとアルミニウムのモル比(Mg/Al)は44.4、2−エチルヘキソキシ基とアルミニウムのモル比(OR/Al)は、1.66であった。
成分(b1−4−a2−172)の調製
充分に窒素置換した内容積200mLのフラスコに、全量で85.2mLとなる様に、精製トルエン、および成分(b1−4)をマグネシウム原子換算で3ミリモル装入した。これを25℃に保持しながら、攪拌下、実施例1で用いた成分(a2−172)のトルエン溶液(0.001014mmol/mL)14.8mLを20分間にわたって滴下装入した。1時間攪拌した後、濾過にて固体部を採取し、トルエンにて充分洗浄後、デカンを加えて、成分(b1−4−a2−172)のデカンスラリーとした。
このスラリーの一部を採取し濃度分析したところ、マグネシウムが1.21mg/mLであり、ジルコニウムが30.2μg/mLであった。従って、成分(b1−4−a2−172)1g中のジルコニウム原子含有量は6.01mg/gと計算された。
重 合
実施例12の[重合]において、成分(b1−1−a2−195)の代わりに、上記で調製した成分(b1−4−a2−172)を用いた以外は実施例12と同様にして重合を実施した。その結果、ポリエチレン70.3gを得た。
従って、重合活性は200.8kg/mmol−Zr・hr、成分(b1−2−a2−172)1gあたりの重合活性は、13.2kg/g−cat・hrであり、このポリエチレンの[η]は16.2dl/g、嵩密度は、0.34g/mlであった。
成分(b1−5)の調製
充分に窒素置換した内容積400mLのフラスコに、実施例1で調製した成分(b1)25mL(マグネシウム原子換算で25ミリモル)、および精製トルエン100mLを装入し、攪拌下、液温を0℃に保持しながら、トルエンで希釈したトリエチルアルミニウム13ミリモルを、15分間にわたって滴下装入した。その後、液温を110分かけて105℃に昇温し、2時間反応させた。次いで、この反応液を−20℃まで冷却し、攪拌下、液温を−20℃に保持しながら、トルエンで希釈したトリエチルアルミニウム13ミリモルを、15分間にわたって滴下装入した。その後、液温を200分かけて105℃に昇温し、1時間反応させた。その後、再び−20℃まで冷却し、上記操作と同様にしてトリエチルアルミニウム13ミリモルを装入し、105℃まで昇温した。105℃で1時間反応させた後、トルエンで希釈したトリエチルアルミニウム162ミリモルを、30分間にわたって滴下装入し、その後さらに1時間加熱反応した。反応終了後、濾過にて固体部を採取し、トルエンにて充分洗浄し、100mLのトルエンを加えて成分(b1−5)のトルエンスラリーとした。得られた成分(b1−5)の平均粒径は16μmであった。
また、以上の操作によって調製した成分(b1−5)の一部を乾燥し、組成を調べたところ、マグネシウムが26.0重量%であり、アルミニウムが0.4重量%であり、2−エチルヘキソキシ基が0.6重量%であり、塩素が72.0重量%であった。従って、マグネシウムとアルミニウムのモル比(Mg/Al)は72.2、2−エチルヘキソキシ基とアルミニウムのモル比(OR/Al)は、0.31であった。
成分(b1−5−a2−172)の調製
充分に窒素置換した内容積200mLのフラスコに、全量で85.5mLとなる様に、精製トルエン、および成分(b1−5)をマグネシウム原子換算で3ミリモル装入した。これを25℃に保持しながら、攪拌下、実施例1で用いた成分(a2−172)のトルエン溶液(0.001032mmol/mL)14.5mLを20分間にわたって滴下装入した。1時間攪拌した後、濾過にて固体部を採取し、トルエンにて充分洗浄後、デカンを加えて、成分(b1−5−a2−172)のデカンスラリーとした。
このスラリーの一部を採取し濃度分析したところ、マグネシウムが1.30mg/mLであり、ジルコニウムが28.4μg/mLであった。従って、成分(b1−5−a2−172)1g中のジルコニウム原子含有量は5.67mg/gと計算された。
重 合
実施例10の[重合]において、成分(b1−1−a2−195)の代わりに、上記で調製した成分(b1−5−a2−172)を用いた以外は実施例10と同様にして重合を実施した。その結果、ポリエチレン53.1gを得た。
従って、重合活性は151.6kg/mmol−Zr・hr、成分(b1−5−a2−172)1gあたりの重合活性は、9.4kg/g−cat・hrであり、このポリエチレンの[η]は16.4dl/g、嵩密度は、0.37g/mlであった。
成分(b1−6)の調製
充分に窒素置換した内容積200mlのフラスコに、成分(b1)25ml(マグネシウム原子換算で25ミリモル)、および無水1,2−ジクロロベンゼン100mlを装入し、攪拌下、液温を15℃に保持しながら、精製デカンで希釈したトリエチルアルミニウム26ミリモルを、30分間にわたって滴下装入した。その後、液温を120分かけて80℃に昇温し、さらに60分反応させた。次いで、80℃を保持しながら、再び、精製デカン希釈のトリエチルアルミニウム49ミリモルを、30分間にわたって滴下装入し、その後さらに60分間加熱反応した。反応終了後、濾過にて固体部を採取し、トルエンにて充分洗浄し、50mlのトルエンを加えて成分(b1−6)のトルエンスラリーとした。得られた成分(b1−6)の平均粒径は7μmであった。
また、以上の操作によって調製した成分(b1−6)の一部を乾燥し、組成を調べたところ、マグネシウムが19.0重量%であり、アルミニウムが2.5重量%であり、2−エチルヘキソキシ基が19.1重量%であり、塩素が54.0重量%であった。従って、マグネシウムとアルミニウムのモル比(Mg/Al)は、8.4、2−エチルヘキソキシ基とアルミニウムのモル比(OR/Al)は、1.6であった。
成分(b1−6−a2−172)の調製
充分に窒素置換した内容積200mLのフラスコに、全量で85.3mLとなる様に、精製トルエン、および成分(b1−6)をマグネシウム原子換算で3ミリモル装入した。これを25℃に保持しながら、攪拌下、実施例1で用いた成分(a2−172)のトルエン溶液(0.001018mmol/mL)14.7mLを20分間にわたって滴下装入した。1時間攪拌した後、濾過にて固体部を採取し、トルエンにて充分洗浄後、デカンを加えて、成分(b1−6−a2−172)のデカンスラリーとした。
このスラリーの一部を採取し濃度分析したところ、マグネシウムが1.30mg/mLであり、ジルコニウムが28.4μg/mLであった。従って、成分(b1−6−a2−172)1g中のジルコニウム原子含有量は5.67mg/gと計算された。
重 合
実施例10の[重合]において、成分(b1−1−a2−195)の代わりに、上記で調製した成分(b1−6−a2−172)を用いた以外は実施例10と同様にして重合を実施した。その結果、ポリエチレン60.5gを得た。
従って、重合活性は173.0kg/mmol−Zr・hr、成分(b1−6−a2−172)1gあたりの重合活性は、9.8kg/g−cat・hrであり、このポリエチレンの[η]は17.2dl/g、嵩密度は、0.22g/mlであった。
成分(b1−7)の調製
実施例19の[成分(b1−6)の調製]において、無水1,2−ジクロロベンゼンの代わりに、クロロベンゼンを用いた以外は、実施例19と同様にして成分(b1−7)を調製した。
調製した成分(b1−7)の平均粒径は5μmであり、一部を乾燥し、組成を調べたところ、マグネシウムが18.0重量%であり、アルミニウムが2.6重量%であり、2−エチルヘキソキシ基が20.4重量%であり、塩素が52.0重量%であった。従って、マグネシウムとアルミニウムのモル比(Mg/Al)は、7.7、2−エチルヘキソキシ基とアルミニウムのモル比(OR/Al)は、1.6であった。
成分(b1−7−a2−172)の調製
充分に窒素置換した内容積200mLのフラスコに、全量で85.7mLとなる様に、精製トルエン、および成分(b1−7)をマグネシウム原子換算で3ミリモル装入した。これを25℃に保持しながら、攪拌下、実施例1で用いた成分(a2−172)のトルエン溶液(0.001047mmol/mL)14.3mLを20分間にわたって滴下装入した。1時間攪拌した後、濾過にて固体部を採取し、トルエンにて充分洗浄後、デカンを加えて、成分(b1−7−a2−172)のデカンスラリーとした。
このスラリーの一部を採取し濃度分析したところ、マグネシウムが1.30mg/mLであり、ジルコニウムが28.4μg/mLであった。従って、成分(b1−7−a2−172)1g中のジルコニウム原子含有量は5.67mg/gと計算された。
重 合
実施例10の[重合]において、成分(b1−1−a2−195)の代わりに、上記で調製した成分(b1−7−a2−172)を用いた以外は実施例10と同様にして重合を実施した。その結果、ポリエチレン58.6gを得た。
従って、重合活性は167.5kg/mmol−Zr・hr、成分(b1−7−a2−172)1gあたりの重合活性は、8.4kg/g−cat・hrであり、このポリエチレンの[η]は18.1dl/g、嵩密度は、0.23g/mlであった。
成分(b3)の調製
無水塩化マグネシウム95.2g(1.0モル)、無水1,2−ジクロロベンゼン582mlおよび2−エチルヘキシルアルコール306.0g(2.35モル)を130℃で2時間反応を行い均一溶液??(成分(b3))を得た。
成分(b3−1)の調製
充分に窒素置換した内容積200mLのフラスコに、成分(b3)25mL(マグネシウム原子換算で25ミリモル)、および無水1,2−ジクロロベンゼン100mLを装入し、攪拌下、液温を0℃に保持しながら、無水1,2−ジクロロベンゼンで希釈したトリエチルアルミニウム26ミリモルを、30分間にわたって滴下装入した。その後、液温を200分かけて100℃に昇温し、1時間反応させた。次いで、100℃を保持しながら、再び、無水1,2−ジクロロベンゼン希釈のトリエチルアルミニウム175ミリモルを、30分間にわたって滴下装入し、その後さらに1時間加熱反応した。反応終了後、濾過にて固体部を採取し、トルエンにて充分洗浄し、100mLのトルエンを加えて成分(b3−1)のトルエンスラリーとした。得られた成分(b3−1)の平均粒径は4μmであった。
また、以上の操作によって調製した成分(b3−1)の一部を乾燥し、組成を調べたところ、マグネシウムが26.0重量%であり、アルミニウムが0.4重量%であり、2−エチルヘキソキシ基が4.8重量%であり、塩素が68.0重量%であった。従って、マグネシウムとアルミニウムのモル比(Mg/Al)は72.2、2−エチルヘキソキシ基とアルミニウムのモル比(OR/Al)は、0.3であった。
成分(b3−1−a2−172)の調製
充分に窒素置換した内容積200mLのフラスコに、全量で85.4mLとなる様に、精製トルエン、および成分(b3−1)をマグネシウム原子換算で3ミリモル装入した。これを25℃に保持しながら、攪拌下、実施例1で用いた成分(a2−172)のトルエン溶液(0.001022mmol/mL)14.5mLを20分間にわたって滴下装入した。1時間攪拌した後、濾過にて固体部を採取し、トルエンにて充分洗浄後、デカン50mlを加えて、成分(b3−1−a2−172)のデカンスラリーとした。
このスラリーの一部を採取し濃度分析したところ、マグネシウムが1.29mg/mLであり、ジルコニウムが30.9μg/mLであった。従って、成分(b3−1−a2−172)1g中のジルコニウム原子含有量は6.23mg/gと計算された。
重 合
実施例10の[重合]において、成分(b1−1−a2−195)の代わりに、上記で調製した成分(b3−1−a2−172)を用いた以外は実施例10と同様にして重合を実施した。その結果、ポリエチレン108.0gを得た。
従って、重合活性は308.4kg/mmol−Zr・hr、成分(b3−1−a2−172)1gあたりの重合活性は、21.0kg/g−cat・hrであり、このポリエチレンの[η]は17.9dl/g、嵩密度は、0.22g/mlであった。
成分(b3−2)の調製
充分に窒素置換した内容積200mLのフラスコに、成分(b3)25mL(マグネシウム原子換算で25ミリモル)、およびトルエン100mLを装入し、攪拌下、液温を−20℃に保持しながら、トルエンで希釈したトリエチルアルミニウム26ミリモルを、30分間にわたって滴下装入した。その後、液温を320分かけて100℃に昇温し、1時間反応させた。次いで、100℃を保持しながら、再び、トルエン希釈のトリエチルアルミニウム175ミリモルを、30分間にわたって滴下装入し、その後さらに1時間加熱反応した。反応終了後、濾過にて固体部を採取し、トルエンにて充分洗浄し、100mLのトルエンを加えて成分(b3−2)のトルエンスラリーとした。得られた成分(b3−2)の平均粒径は6μmであった。
また、以上の操作によって調製した成分(b3−2)の一部を乾燥し、組成を調べたところ、マグネシウムが26.0重量%であり、アルミニウムが0.4重量%であり、2−エチルヘキソキシ基が0.7重量%であり、塩素が19.0重量%であった。従って、マグネシウムとアルミニウムのモル比(Mg/Al)は72.2、2−エチルヘキソキシ基とアルミニウムのモル比(OR/Al)は、0.4であった。
成分(b3−2−a2−172)の調製
充分に窒素置換した内容積200mLのフラスコに、全量で85.2mLとなる様に、精製トルエン、および成分4(b3−2)をマグネシウム原子換算で3ミリモル装入した。これを25℃に保持しながら、攪拌下、実施例1で用いた成分(a2−172)のトルエン溶液(0.001011mmol/mL)14.8mLを20分間にわたって滴下装入した。1時間攪拌した後、濾過にて固体部を採取し、トルエンにて充分洗浄後、デカンを加えて、成分(b3−2−a2−172)のデカンスラリーとした。
このスラリーの一部を採取し濃度分析したところ、マグネシウムが1.05mg/mLであり、ジルコニウムが24.7μg/mLであった。従って、成分(b3−2−a2−172)1g中のジルコニウム原子含有量は6.12mg/gと計算された。
重 合
実施例10の[重合]において、成分(b1−1−a2−195)の代わりに、上記で調製した成分(b3−2−a2−172)を用いた以外は実施例10と同様にして重合を実施した。その結果、ポリエチレン82.9gを得た。
従って、重合活性は236.7kg/mmol−Zr・hr、成分(b3−2−a2−172)1gあたりの重合活性は、15.8kg/g−cat・hrであり、このポリエチレンの[η]は17.4dl/g、嵩密度は、0.23g/mlであった。
成分(b3−3)の調製
充分に窒素置換した内容積400mLのフラスコに、成分(b3)12.5mL(マグネシウム原子換算で25ミリモル)、およびトルエン250mLを装入し、攪拌下、液温を−20℃に保持しながら、トルエンで希釈したトリエチルアルミニウム10.2ミリモルを、30分間にわたって滴下装入した。その後、液温を1160分かけて100℃に昇温し、1時間反応させた。次いで、100℃を保持しながら、再び、トルエン希釈のトリエチルアルミニウム87.5ミリモルを、30分間にわたって滴下装入し、その後さらに1時間加熱反応した。反応終了後、濾過にて固体部を採取し、トルエンにて充分洗浄し、100mLのトルエンを加えて成分(b3−3)のトルエンスラリーとした。得られた成分(b3−3)の平均粒径は5μmであった。
また、以上の操作によって調製した成分(b3−3)の一部を乾燥し、組成を調べたところ、マグネシウムが24.0重量%であり、アルミニウムが0.4重量%であり、2−エチルヘキソキシ基が0.8重量%であり、塩素が69.0重量%であった。従って、マグネシウムとアルミニウムのモル比(Mg/Al)は66.6、2−エチルヘキソキシ基とアルミニウムのモル比(OR/Al)は、0.4であった。
成分(b3−3−a2−172)の調製
充分に窒素置換した内容積200mLのフラスコに、全量で85.7mLとなる様に、精製トルエン、および成分(b3−3)をマグネシウム原子換算で3ミリモル装入した。これを25℃に保持しながら、攪拌下、実施例1で用いた成分(a2−172)のトルエン溶液(0.001052mmol/mL)14.3mLを20分間にわたって滴下装入した。1時間攪拌した後、濾過にて固体部を採取し、トルエンにて充分洗浄後、デカンを加えて、成分(b3−3−a2−172)のデカンスラリーとした。
このスラリーの一部を採取し濃度分析したところ、マグネシウムが1.26mg/mLであり、ジルコニウムが28.3μg/mLであった。従って、成分(b3−3−a2−172)1g中のジルコニウム原子含有量は5.39mg/gと計算された。
重 合
実施例10の[重合]において、成分(b1−1−a2−195)の代わりに、上記で調製した成分(b3−3−a2−172)を用いた以外は実施例10と同様にして重合を実施した。その結果、ポリエチレン99.5gを得た。
従って、重合活性は284.3kg/mmol−Zr・hr、成分(b3−3−a2−172)1gあたりの重合活性は、16.8kg/g−cat・hrであり、このポリエチレンの[η]は22.0dl/g、嵩密度は、0.22g/mlであった。
〔比較例1〕
成分(b1−8)の調製
充分に窒素置換した内容積200mlのフラスコに、成分(B1)25ml(マグネシウム原子換算で25ミリモル)、および精製デカン100mlを装入し、攪拌下、液温を15℃に保持しながら、精製デカンで希釈したトリエチルアルミニウム26ミリモルを、30分間にわたって滴下装入した。その後、液温を2時間かけて80℃に昇温し、1時間反応させた。反応終了後、濾過にて固体部を採取し、トルエンにて充分洗浄し、100mlのトルエンを加えて成分(b1−8)のトルエンスラリーとした。得られた成分(b1−8)の平均粒径は20μmであった。
以上の操作によって調製した成分(成分(b1−8))の一部を乾燥し、組成を調べたところ、マグネシウムが6.5重量%であり、アルミニウムが3.5重量%であり、2−エチルヘキソキシ基が78.0重量%であり、塩素が18.0重量%であり、マグネシウムとアルミニウムのモル比(Mg/Al)は、2.0、2−エチルヘキソキシ基とアルミニウムのモル比(OR/Al)は、4.6であった。
成分(b1−8−a2−1)の調製
充分に窒素置換した内容積200mlのフラスコに、成分(b1−8)をマグネシウム原子換算で10ミリモル、および精製トルエン100mlを装入し、攪拌下、室温に保持しながら、下記成分(a2−1)のトルエン溶液(0.001mmol/ml)50mlを20分にわたって滴下装入した。1時間攪拌した後、濾過にて固体部を採取した(成分(b1−1−a2−1))。上記の操作によって調製した成分(b1−1−a2−1)の一部を乾燥し、組成を調べたところ、成分(a2−1)は0.004重量%とほとんど含まれていなかった。
Figure 0005221848
〔比較例2〕
充分に窒素置換した内容積1リットルのSUS製オートクレーブに精製トルエン500mlを入れ、エチレンを流通し、液相および気相をエチレンで飽和させた。その後、75℃に昇温し、エチレン流通下で、トリイソブチルアルミニウム1.9ミリモル、実施例1と同様にして調製した成分(b1)0.5ml(マグネシウム原子換算で0.5ミリモル)を装入し、15分間反応させ、系内でマグネシウムを含む担体成分(B)を調製した。次いで、成分(a2−116)0.384ミリグラム(ジルコニウム原子換算で0.0005ミリモル)を装入し、エチレン圧を0.8MPa・Gとし、15分間重合を行った。重合中は、75℃、エチレン圧0.8MPa・Gを保持した。重合終了後、反応生成物を大量のメタノールに投入してポリマーを全量析出後、塩酸を加えてグラスフィルターで濾取した。得られたポリマーを10時間、真空乾燥させてポリエチレン33.25gを得た。このポリエチレンの[η]は15.8dl/gであった。
成分(a2−116)の1分子当りの重合活性は、266,000g/mmol−Zr・hrと高いものの、担体成分(B)の調製に使用した原料1g当りの活性は、0.2kg/g−cat・hrと非常に低く、嵩密度も0.09g/mlと低かった。
なお、系中のマグネシウムとアルミニウムのモル比(Mg/Al)は、0.26、2−エチルヘキソキシ基とアルミニウムのモル比(OR/Al)は、0.79と計算された。また、別途、上述と同様の方法で担体成分(B)を調製して、粒径を測定したところ1μm以下であった。
本発明によると、高価な有機アルミニウムオキシ化合物や有機ホウ素化合物と組み合わせて用いなくても、粉体性状に優れるオレフィン重合体を極めて高い重合活性で得ることが出来るため、工業的に有用である。

Claims (6)

  1. ハロゲン化マグネシウムと炭素数1〜20のアルコールを接触させ、次に一般式(Z)
    Figure 0005221848
    (式中、Rは炭素数1〜20の炭化水素基、Xはハロゲン原子または水素原子、nは1〜3の実数を示し、Rが複数ある場合は各々のRは同じでも異なっていてもよく、Xが複数ある場合は、各々のXは同じでも異なっていてもよい。)で表される有機アルミニウム化合物と接触させることにより得られる、炭化水素溶媒に不溶であり、平均粒径が3〜80μmの固体状微粒子であってマグネシウム原子、アルミニウム原子および炭素数1〜20のアルコキシ基を共に含有し、マグネシウム原子とアルミニウム原子のモル比(Mg/Al)が1.0〜300、且つアルコキシ基とアルミニウム原子のモル比(アルコキシ基/Al)が0.05〜2.0の範囲にあることを特徴とするオレフィン重合用触媒として好適な担体成分。
  2. 請求項1に記載の担体成分を含むオレフィン重合用触媒。
  3. (A)式(I)で表される遷移金属化合物と、
    Figure 0005221848
    (式中、M1は周期表第4族または5族の遷移金属原子であり、mは1〜6の整数を示し、kは1〜6の整数を示し、Dは置換基−R7を有する炭素原子を示し、Aは酸素原子を示し、R1〜R7は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、炭化水素基、酸素含有基を示し、これらのうち2個以上が互いに連結して環を形成していてもよく、mが2以上の場合は、R1〜R7で示される基のうち2個の基が連結されていてもよく、nはM1の価数を満たす数を示す。)
    (B)請求項1に記載の担体成分、および必要に応じて
    (C)(C−1a)一般式Ra mAl(ORbnpqで表される有機アルミニウム化合物(式中、RaおよびRbは、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数が1〜20の炭化水素基を示し、Xはハロゲン原子を示し、mは0<m≦3、nは0≦n<3、pは0≦p<3、qは0≦q<3であり、かつm+n+p+q=3である。)
    からなるオレフィン重合用触媒。
  4. 前記遷移金属化合物(A)が、前記担体成分(B)に担持されていることを特徴とする請求項3に記載のオレフィン重合用触媒。
  5. (A)式(I)で表される遷移金属化合物と、
    Figure 0005221848
    (式中、M1は周期表第4族または5族の遷移金属原子であり、mは1〜6の整数を示し、kは1〜6の整数を示し、Dは置換基−R7を有する炭素原子を示し、Aは酸素原子を示し、R1〜R7は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、炭化水素基、酸素含有基を示し、これらのうち2個以上が互いに連結して環を形成していてもよく、mが2以上の場合は、R1〜R7で示される基のうち2個の基が連結されていてもよく、nはM1の価数を満たす数を示す。)
    (B)ハロゲン化マグネシウムと炭素数1〜20のアルコールを接触させ、次に一般式(Z)
    Figure 0005221848
    (式中、Rは炭素数1〜20の炭化水素基、Xはハロゲン原子または水素原子、nは1〜3の実数を示し、Rが複数ある場合は各々のRは同じでも異なっていてもよく、Xが複数ある場合は、各々のXは同じでも異なっていてもよい。)で表される有機アルミニウム化合物と接触させることにより得られる、炭化水素溶媒に不溶であり、平均粒径が3〜80μmの固体状微粒子であってマグネシウム原子、アルミニウム原子および炭素数1〜20のアルコキシ基を共に含有し、マグネシウム原子とアルミニウム原子のモル比(Mg/Al)が1.0〜300、且つアルコキシ基とアルミニウム原子のモル比(アルコキシ基/Al)が0.05〜2.0の範囲にあるオレフィン重合用触媒として好適な担体成分、および必要に応じて
    (C)(C−1a)一般式Ra mAl(ORbnpqで表される有機アルミニウム化合物(式中、RaおよびRbは、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数が1〜20の炭化水素基を示し、Xはハロゲン原子を示し、mは0<m≦3、nは0≦n<3、pは0≦p<3、qは0≦q<3であり、かつm+n+p+q=3である。)
    からなるオレフィン重合用触媒の存在下で、
    オレフィンを単独重合または共重合する、嵩密度が0.20(g/ml)以上であるポリオレフィン粉体の製造方法。
  6. 前記遷移金属化合物(A)が、前記担体成分(B)に担持されていることを特徴とする請求項5に記載のポリオレフィン粉体の製造方法。
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