JP3522903B2 - 加熱調理用油脂組成物 - Google Patents

加熱調理用油脂組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リン脂質及び有機
酸モノグリセリドを含有し、加熱調理油として好適に用
いられる油脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】油脂は調理上、熱媒体として良好な風味
を付与する材であり、又、炒め物等の調理をする上で、
加熱による調理器具への付着(焦げ付き)を防ぐために
必要不可欠である。一方、現代の日本人の食生活は西洋
化しており、特に油の使用量が増えてきていることも知
られているが、近年の嗜好の変化、健康面、ダイエット
等の点から、出来るだけ油脂の摂取量を低減することも
求められている。そのため、上記炒め物等の調理をする
上においても、出来るだけ少ない油での調理が求められ
ているが、単に油の量を減らして調理すると焦げ付きの
問題が顕著になる。この問題を解決し、少ない油で焦げ
付きなく調理するための油として、油脂にレシチン(リ
ン脂質)を配合した炒め物用油脂が上市されている。こ
の油脂は、種々の界面活性剤の中でもレシチンが離型性
効果に優れ、又、レシチンが調理の際のスパッタリング
を抑制する効果も有することを利用したものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
者らの検討によれば、レシチン配合油は、調理の際の焦
げ付きの問題はないが、高温加熱による褐変現象があ
り、油の着色と分解物による異臭の発生という問題があ
る。また、調理の際に非常に泡立ちが多く、炒め物調理
の場合、見た目が悪く、場合によっては調理した食材に
付着し、非常に悪い印象を与えるという問題がある。一
般的に油の劣化の指標として泡立ちで判断する場合があ
り、例えば揚げ物調理においてはその泡立ちから油の使
用限界を判断することもある。このことから、リン脂質
配合油は、その泡立ちから、劣化したいわゆる古い油と
いう印象を受けてしまう。本発明者らは、このリン脂質
配合油の欠点に対して、加熱により着色、異臭の発生の
原因となるリン脂質を減らした油脂組成物を提案したが
(特開平2−291228号公報)、泡立ちに対する根
本的な改善はなされていない。本発明の目的は、上記レ
シチン配合油の欠点、特に泡立ちを改善し、違和感な
く、少ない量で焦げ付きなく充分調理ができる加熱調理
用油脂を提供することにもある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく種々検討した結果、油脂に対し特定量のの
リン脂質と特定量の有機酸モノグリセリドを併用するこ
とが有効であることを見出し、本発明に至ったものであ
る。即ち本発明は、食用油脂中に0.01〜10重量%のリン
脂質及び0.01〜10重量%の有機酸モノグリセリドを含有
することを特徴とする加熱調理用油脂組成物である。本
発明の油脂組成物は、炒め物調理に用いた場合、離型性
が良好なため、少量で焦げ付きなく充分調理ができ、し
かも泡立ちもなく、風味も良好である。
【0005】
【発明の実施の形態】先ず、本発明の調理用油脂組成物
に含有されているリン脂質について説明する。リン脂質
は、通常ホスファチジルコリン(PC)、ホスファチジ
ルエタノールアミン(PE)、ホスファチジルイノシト
ール(PI)、ホスファチジルグリセロール(PG)、
ホスファチジン酸(PA)、およびホスファチジルセリ
ン(PS)、またはこれらのリゾ体などのリン酸化合物
からなる混合物であり、本発明ではこれらの通常のもの
を使用することができるが、下記式(1) で表される窒素
原子を持たないリン脂質と、下記式(2) で表される窒素
原子を持つリン脂質とを、窒素原子を持たないリン脂質
1重量部に対して、窒素原子を持つリン脂質を0.001 〜
1重量部(好ましくは0.005 〜0.5 重量部)の割合で含
むリン脂質混合物であることが好ましい。
【0006】
【化3】
【0007】(式中、A1は水素原子、または炭素数8〜
24の飽和もしくは不飽和の脂肪族アシル基を表し、R1
炭素数8〜24の飽和もしくは不飽和の脂肪族アシル基を
表し、X1はイノシトール残基、グリセロール残基、アル
カリ金属原子、アルカリ土類金属原子及び3価の金属原
子からなる群より選ばれるものであり、X2は水素原子、
アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子及び3価の金
属原子からなる群より選ばれるものである)
【0008】
【化4】
【0009】(式中、A2は水素原子、または炭素数8〜
24の飽和もしくは不飽和の脂肪族アシル基を表し、R2
炭素数8〜24の飽和もしくは不飽和の脂肪族アシル基を
表し、X3はコリン残基、エタノールアミン残基、セリン
残基及びアンモニウム基からなる群より選ばれるもので
あり、X4は水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類
金属原子、3価の金属原子及びアンモニウム基からなる
群より選ばれるものである) 前記の窒素原子を持たないリン脂質の例としては、ホス
ファチジン酸(PA)、ホスファチジルグリセロール
(PG)、ホスファチジルイノシトール(PI)、およ
びこれらのリゾ体を挙げることができる。また、窒素原
子を持つリン脂質の例としては、ホスファチジルコリン
(PC)、ホスファチジルエタノールアミン(PE)、
ホスファチジルセリン(PS)、およびこれらのリゾ体
を挙げることができる。リン脂質は、大豆あるいは卵黄
等から得られるレシチン及び/又はそれらを加水分解、
水素添加、エステル交換、溶剤分画、精製処理、酵素処
理したレシチン等の中から選択して利用できる。特に上
記のリン脂質混合物としては、例えば大豆レシチンに代
表される天然レシチンを原料として、ホスフォリパーゼ
D、ホスフォリパーゼA2 を触媒としてホスファチジル
コリン、ホスファチジルエタノールアミン(窒素原子を
持つリン脂質)を選択的に分解して、これらの含有量を
減少させると同時に、ホスファチジン酸およびリゾホス
ファチジン酸(窒素原子を持たないリン脂質)の含有量
を増加させる方法により得たもの、あるいはホスフォリ
パーゼD、ホスフォリパーゼCを触媒として同様に天然
レシチンを分解し、ホスファチジン酸の含有量を増加さ
せる方法により得たもの等が好ましく用いられる。また
ホスフォリパーゼを触媒としたトランスホスファチジレ
ーションにより、天然レシチンのPC、PE、PS(窒
素原子を持つリン脂質)の含有量を減少させ、PI、P
G、PA(窒素原子を持たないリン脂質)の含有量を増
大させる方法を利用して得たものも有利に使用すること
ができる。なお、モノグリセリドやジグリセリドのリン
酸によって得られたリン酸エステルなどの合成により得
たリン脂質を利用することもできる。リン脂質(特に上
記リン脂質混合物)は、食用油脂中に0.01〜10重量%
(好ましくは0.1 〜7重量%、更に好ましくは0.1 〜5
重量%)の含有量となるように添加される。
【0010】次に、本発明の調理用油脂組成物に含有さ
れている有機酸モノグリセリドについて説明する。本発
明に用いられる有機酸モノグリセリド(グリセリン有機
酸脂肪酸モノエステル)は、グリセリン脂肪酸モノエス
テルと有機酸をエステル化した化合物である。エステル
化反応については、グリセリン脂肪酸モノエステルと酸
無水物とを加熱によりエステル化する方法、グリセリン
脂肪酸モノエステルと有機酸とを加熱により直接エステ
ル化する方法等、一般的なエステル化反応する方法を用
いることができる。また、これらの有機酸モノグリセリ
ドの製造におけるエステル化の際、モノグリセリド1分
子に対し有機酸が2分子エステル化したもの、有機酸が
ジカルボン酸であれば有機酸1分子に対しモノグリセリ
ドが2分子エステル化したもの等、種々の有機酸モノグ
リセリド誘導体及びエステル化による重合物が生成する
が、このような有機酸モノグリセリド誘導体及びエステ
ル化による重合物等も本発明の有機酸モノグリセリドと
して用いることができる。有機酸モノグリセリドを構成
する脂肪酸としては、炭素数14〜22の脂肪酸が好まし
く、油へ溶解させて用いることから、全脂肪酸に対して
オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸等の不飽和脂肪
酸が70重量%以上を占めるものが好ましく、特に80重量
%以上が好ましい。また、上記有機酸モノグリセリドを
構成する有機酸の例としては、シュウ酸、コハク酸等の
脂肪族飽和ジカルボン酸;マレイン酸、フマル酸等の脂
肪族不飽和ジカルボン酸;乳酸、リンゴ酸、酒石酸、ジ
アセチル酒石酸、クエン酸等のオキシカルボン;及びグ
リシン、アスパラギン酸等のアミノ酸等のアミノ酸を挙
げることができる。この有機酸としては、炭素数10以下
(更に好ましくは炭素数4〜8)のものが好ましい。具
体的には、クエン酸、コハク酸、酒石酸、及びジアセチ
ル酒石酸が好ましく、特に、クエン酸、コハク酸が好ま
しい。本発明に用いられる有機酸モノグリセリドは、グ
リセリン脂肪酸モノエステルと有機酸をエステル化した
化合物であって、未反応の有機酸やグリセリン脂肪酸モ
ノエステル等を一部に含むもの(市販品)も本発明に使
用しても差し支えないが、好ましくは、エステル化反応
の後、以下に示す方法で未反応の有機酸を減少させ、酸
価を30〜120 の範囲にしたものを用いることが風味の点
から好ましい。 一般的な方法により製造されたエステルを、減圧下、
100 〜180 ℃程度のスチーミング(1〜5時間)により
未反応の有機酸を留去する方法 一般的な方法により製造されたエステルを、多量の水
で洗浄し、未反応の有機酸を水層へ除去する方法 グリセリン脂肪酸モノエステルと有機酸の反応モル比
を、1:1以上にして反応させる方法 有機酸モノグリセリドは、食用油脂中に0.01〜10重量%
(好ましくは0.1 〜7重量%、更に好ましくは0.1 〜5
重量%)の含有量となるように添加される。
【0011】本発明の加熱調理用油脂組成物には、リン
脂質及び有機酸モノグリセリドの溶解性を向上する目的
で、ジグリセリド混合物を添加することが好ましい。本
発明に用いるジグリセリド混合物には、ジグリセリド以
外の成分としてモノグリセリド及びトリグリセリドを含
むが、ジグリセリド含量は溶解性向上の点から30重量%
以上(好ましくは50重量%以上)が好ましい。また、ジ
グリセリド混合物中のモノグリセリドの量が多くなると
加熱すると発煙を生じやすくなるため、モノグリセリド
含量は20重量%以下(好ましくは15重量%以下)が好ま
しい。また、ジグリセリド混合物を構成する脂肪酸残基
は、炭素数8〜24である脂肪酸残基であることが好まし
く、全構成脂肪酸残基中の不飽和脂肪酸残基の含量が60
重量%以上、好ましくは70重量%以上、特に80重量%以
上であることが好ましい。本発明に使用されるジグリセ
リド混合物は、不飽和脂肪酸残基のレベルの高い油脂、
例えばサフラワー油、オリーブ油、綿実油、コーン油、
ナタネ油、大豆油、パーム油、ひまわり油、ごま油、更
にラード、牛脂、魚油、乳脂、あるいはそれらの分別
油、ランダム化油、硬化油、エステル交換油から選ばれ
た1種または2種以上の油脂と、グリセリンとの混合物
を、アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属の水酸化
物の存在下でエステル交換反応させるか、またはこれら
の油脂由来の不飽和脂肪酸レベルの高い脂肪酸とグリセ
リンをエステル化反応して得れるジグリセリド含量の高
い油脂を、単独でもしくは上述した原料油脂とを混合す
ることにより得ることができる。反応で生成した過剰の
モノグリセリドは分子蒸留法またはクロマトグラフィー
法により除去することができる。これらの反応はアルカ
リ触媒等を用いた化学反応でも行うことは可能である
が、1,3 位選択的リパーゼ等を用いて酵素的に穏和な条
件で行うのが風味等の点で優れており好ましい。ジグリ
セリド混合物中のジグリセリド含有量を高くする別の方
法として、例えば天然食用油脂の分別油の利用が挙げら
れる。上記ジグリセリド混合物は、食用油脂中に2〜70
重量%(好ましくは5〜60重量%、更に好ましくは5〜
50重量%)の含有量となるように添加される。また、ジ
グリセリド混合物は、リン脂質及び有機酸モノグリセリ
ドの総重量部に対して0.5 〜100 重量倍量(更に好まし
くは1〜50重量倍量)を添加することが好ましい。
【0012】本発明で使用できる食用油脂には特に制限
はなく、通常の加熱調理用として使用できるものであれ
ば何れのものでもよい。例えば、オリーブ油、米ぬか
油、ごま油、サフラワー油、大豆油、椿油、コーン油、
ナタネ油、パーム油、ひまわり油、綿実油等の植物油
脂、ラード、牛脂、魚油、およびバター脂等の動物油
脂、あるいはこれらの硬化油、分別油、ランダムエステ
ル交換油を挙げることができる。これらの油は、それぞ
れ単独で用いてもよく、あるいは適宜混合して用いても
よい。
【0013】尚、本発明では、更に加熱調理に用いた際
の焦げ付き防止の目的で、本発明の油脂組成物に各種の
乳化剤、例えばショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪
酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、グ
リセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステ
ル等も併用できる。また、本発明の油脂組成物には、目
的に応じて、各種の抗酸化剤、風味付与剤(フレーバ
ー)、栄養強化剤、減粘剤等を添加することもできる。
【0014】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳しく説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 (リン脂質A、B及びCの調製)大豆レシチンをカラム
分画して得た、ホスファチジルコリン及びホスファチジ
ルエタノールアミンの混合物をホスファリパーゼDを触
媒として分解し、下記の表のようなリン脂質混合物を調
製した。尚、下記表1において、「PC」はホスファチ
ジルコリン、「PE」はホスファチジルエタノールアミ
ン、「PA」はホスファチジン酸、「LPA」はリゾホ
スファチジン酸をそれぞれ表す。
【0015】
【表1】
【0016】上記の表において、「PC」、「PE」及
び「PA+LPA」の含量は、油化学、35(12)、
p1018〜1024、’86に記載の方法に準じ、P
C、PE、PA、及びLPAの分子量をそれぞれ77
3、728、704、そして444として求めた。
【0017】(有機酸モノグリセリドA及びBの調製) 〔有機酸モノグリセリドA〕グリセリン脂肪酸エステル
(商品名;O−95R、花王(株)製、不飽和脂肪酸90
%以上)1000g(2.81モル)と無水コハク酸(商品名;
リカシッド、新日本理化(株)製)280.9 g(2.81モ
ル)を、80℃から120 ℃まで10℃/時間で攪拌しながら
昇温し、エステル化反応物を得た。このエステル化物を
150 ℃/5mmHgで4時間脱臭を行い、有機酸モノグリセ
リドAを得た。この有機酸モノグリセリドの酸価は70で
あった。 〔有機酸モノグリセリドB〕グリセリン脂肪酸エステル
(商品名;O−95R、花王(株)製、不飽和脂肪酸90
%以上)1000g(2.81モル)とクエン酸(クエン酸無水
物、和光純薬(株)製)269.6 g(1.41モル)を、80℃
から180 ℃まで50mmHgの減圧下、20℃/時間で攪拌しな
がら昇温し、有機酸モノグリセリドBを得た。この有機
酸モノグリセリドの酸価は80であった。
【0018】(ジグリセリドA、B及びCの調製)固定
化1,3 −位選択的リパーゼである市販リパーゼ製剤(商
品名:Lipozyme 3A 、ノボインダストリーA.S.製)
を触媒として、下記の表2に記載の植物油由来の脂肪酸
860 g及びグリセリン140 gを40℃で反応させた。リパ
ーゼ製剤を濾別した後、最終生成物を分子蒸留にかけ、
常法により精製を行って、表2に示すようなジグリセリ
ドを得た。尚、グリセリド組成(%)は、ガスクロマト
グラフィーによる分析値である。
【0019】
【表2】
【0020】実施例1〜3、比較例1〜3 表1に示した各種リン脂質、有機酸モノグリセリドA及
びB、表2に示した各種ジグリセリドを油脂に配合し、
表3に示す本発明油脂組成物1〜3、比較油脂組成物4
〜6を調製した。これらの油脂組成物を用い、泡立ち試
験、泡消え試験、及びチャーハンの調理評価を行った。
評価結果を表4に示す。評価方法は以下の通りである。 〔泡立ち試験〕油脂組成物を鉄製フライパン(直径15c
m)に入れ、中火で45秒加熱し、みじん切りにした玉葱1
0gを加え、その泡立ちを観察し、相対評価を行った。 〔泡消え試験〕油脂組成物を鉄製フライパン(直径15c
m)に入れ、中火で45秒加熱し、ウィンナソーセージ5
本を2分間炒め、皿に取り出し、5分間放置し、その表
面に付着した泡の状態を観察し、相対評価を行った。 〔チャーハンの調理評価〕鉄製フライパン(直径24cm)
に油脂組成物9gを入れ、中火で加熱し、長葱(10
g)、卵(40g)を炒めた後、冷えたご飯(300 g)を
炒め、塩(1g)、醤油(2.5 ml)で味付けした。この
調理に際し、調理時の泡立ち、焦げ付きを観察し、相対
評価を行った。また、得られたチャーハンの風味を相対
評価した。
【0021】
【表3】
【0022】
【表4】
【0023】実施例4〜6、比較例4〜6 表1に示した各種リン脂質、有機酸モノグリセリドA及
びB、表2に示した各種ジグリセリドを油脂に配合し、
表5に示す本発明油脂組成物7〜9、比較油脂組成物10
〜12を調製した。これらの油脂組成物を用い、泡立ち試
験、泡消え試験、及び焼きそばの調理評価を行った。評
価結果を表6に示す。泡立ち試験、泡消え試験について
は前述と同様の方法で相対評価を行った。また、焼きそ
ばの調理評価は以下の通り行った。 〔焼きそばの調理評価〕鉄製フライパン(直径24cm)に
油脂組成物15gを入れ、豚肉(50g)、キャベツ(50
g)、たけのこ(25g)、玉葱(25g)、椎茸(15
g)、中華そば(180g)を炒め、仕上げに塩(3.5
g)を加えて焼きそばを調理した。この調理に際し、調
理時の泡立ち、焦げ付きを観察し、相対評価を行った。
また、得られた焼きそば風味を相対評価した。
【0024】
【表5】
【0025】
【表6】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 横道 秀季 茨城県鹿島郡神栖町東深芝20 花王株式 会社研究所内 (56)参考文献 特開 平4−187048(JP,A) 特開 平3−108443(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23D 9/00 A23J 7/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 食用油脂中に0.01〜10重量%の下記リン
    脂質混合物及び0.01〜10重量%のコハク酸モノグリセリ
    ド及び/又はクエン酸モノグリセリドを含有することを
    特徴とする加熱調理用油脂組成物。(リン脂質混合物) 下記式 (1) で表される窒素原子を持たないリン脂質と、
    下記式 (2) で表される窒素原子を持つリン脂質とを、窒
    素原子を持たないリン脂質1重量部に対して、窒素原子
    を持つリン脂質を 0.001 〜1重量部の割合で含むリン脂
    質混合物 【化1】 (式中、 A 1 は水素原子、または炭素数8〜 24 の飽和もし
    くは不飽和の脂肪族アシル基を表し、 R 1 は炭素数8〜 24
    の飽和もしくは不飽和の脂肪族アシル基を表し、 X 1 はイ
    ノシトール残基、グリセロール残基、アルカリ金属原
    子、アルカリ土類金属原子及び3価の金属原子からなる
    群より選ばれるものであり、 X 2 は水素原子、アルカリ金
    属原子、アルカリ土類金属原子及び3価の金属原子から
    なる群より選ばれるものである) 【化2】 (式中、 A 2 は水素原子、または炭素数8〜 24 の飽和もし
    くは不飽和の脂肪族アシル基を表し、 R 2 は炭素数8〜 24
    の飽和もしくは不飽和の脂肪族アシル基を表し、 X 3 はコ
    リン残基、エタノールアミン残基、セリン残基及びアン
    モニウム基からなる群より選ばれるものであり、 X 4 は水
    素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、3
    価の金属原子及びアンモニウム基からなる群より選ばれ
    るものである)
  2. 【請求項2】 コハク酸モノグリセリド及び/又はクエ
    ン酸モノグリセリドが、構成する脂肪酸中、不飽和脂肪
    酸含量が 70 重量%以上を占めるものである請求項1記載
    の加熱調理用油脂組成物。
  3. 【請求項3】 更にジグリセリド混合物を2〜 70 重量%
    含有する請求項1又は2記載の加熱調理用油脂組成物。
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