JP2785156B2 - 米飯用添加剤 - Google Patents
米飯用添加剤Info
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Description
の改良に関する。
米粒が適度な軟らかさ、粘り、香り等の良好な食味(風
味、食感)を有し、外見上も張りがあり、ふっくらとし
ていることが好ましい。またこの米飯を『おむすび』に
したり、あるいは袋、トレーなどに詰める場合において
もその作業性がよく、さらに加工後においても米粒同志
が互に接着しすぎて塊状となることなく、パラッとした
感じがあることが好ましい。
味、外観等を改善する成分として、特開昭60−49754号
公報に記載されているような乳化型米飯用調味料が知ら
れている。この乳化型米飯用調味料は、食用油脂(例、
大豆油等)と調味液(例、食塩、塩化カリウム等)を主
成分とし、他に通常、乳化剤(例えば、グリセリン脂肪
酸エステル、しょ糖脂肪酸エステル、あるいはレシチン
等)を配合してなる食用油脂組成物からなるものであ
り、この成分の添加により、特に、炊飯時に水への調味
成分の分散が容易となり、焦げつきにくくなるなどの利
点を有するとされている。
食感等を改善するために、前述した、食用油脂と乳化剤
とを含む乳化液(食用油脂組成物)を使用してなる米飯
の製造方法が提案されている(特開昭61−158755号公
報、あるいは特開平2−46261号公報)。これらの公報
には前記乳化液を炊飯用の水に添加して、常法に従い炊
飯する方法、あるいは特定の条件下で炊飯する方法が開
示されている。
る際に添加される米飯用調味料、すなわち、主成分とす
る食用油脂と乳化剤とが含有された食用油脂組成物につ
いて更に検討した。その結果、従来の米飯用調味料では
米飯の食味、外観、あるいは作業性において充分満足で
きる結果が得られないことを見出した。
味、外観、あるいは作業性が更に改善できる米飯用添加
剤を提供することである。
/またはジグリセリド)からなる乳化剤を含有する食用
油脂組成物を使用することにより上記目的が達成される
ことを見出し、本発明を完成したものである。
添加剤であって、窒素原子を含有しないリン脂質の重量
が窒素原子を含有するリン脂質の重量に対して重量比1.
0以上であるリン脂質を含む米飯用添加剤にある。
であって、脂肪族残基の炭素数が8〜24であるジグリセ
リドを該添加剤中に5重量%以上含有する米飯用添加剤
にもある。
味する。
るものであり、食用油脂成分と、窒素原子を含有しない
リン脂質の重量が窒素原子を含有するリン脂質の重量に
対して重量比1.0以上であるリン脂質とを含む態様(第
一の態様)、あるいは食用油脂成分と、ジグリセリドと
を含む態様(第二の態様)の二つの態様があると、第一
の態様の米飯用添加剤には、前述のように、更にジグリ
セリドが含まれていることが好ましい。
供される油脂であれば得に制限されない。具体的には、
大豆油、菜種油、綿実油、サフラワー油、オリーブ油、
コーン油、パーム油、米油、ひまわり油、胡麻油等の植
物油、ラード、牛脂、等の動物油を挙げることができ
る。本発明においては、油脂成分として大豆サラダ油、
あるいは菜種サラダ油を混合して使用することが好まし
い。
子を含有しないリン脂質の重量が窒素原子を含有するリ
ン脂質の重量に対して重量比1.0以上のものである。上
記重量比は3.0以上であることが好ましい。
スファチジルエタノールアミン(PE)、ホスファチジル
イノシトール(PI)、ホスファチジルグリセロール(P
G)、ホスファチジン酸(PA)、ホスファチジルセリン
(PS)などのリン酸化合物からなる混合物である。従っ
て、窒素原子を含有するリン脂質としては、ホスファチ
ジルコリン、ホスファチジルエタノールアミンおよびホ
スファチジルセリンが主な成分として含まれる。
の公知の方法を利用して得ることができる。例えば大豆
レシチンに代表される天然レシチンを原料として、ホス
フォリパーゼD、ホスフォリパーゼA2を触媒としてホス
ファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン
(窒素原子を含有するリン脂質)を選択的に分解して、
これらの含有量を減少させると同時に、ホスファチジン
酸およびリゾホスファチジン酸(窒素原子を含有しない
リン脂質)の含有量を増加させる方法により得たもの、
あるいはホスフォリパーゼD、ホスフォリパーゼCを触
媒として同様に天然レシチンを分解し、ホスファチジン
酸の含有量を増大させる方法により得たもの等が好まし
く用いられる。またホスフォリパーゼを触媒としたトラ
ンスホスファチジレーションにより、天然レシチン中の
PC、PE、PS(窒素原子を含有するリン脂質)の含有量を
減少させ、PI、PG(窒素原子を含有しないリン脂質)の
含有量を増大させる方法を利用して得たものも有利に使
用することができる。
でも、また塩の形でも使用できる。塩を構成するものと
しては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属
塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金
属塩、アルミニウム塩等の三価の金属塩、およびアンモ
ニウム塩等が挙げられる。特に、ナトリウム、カリウム
の一価のアルカリ金属の塩が好ましい。ホスファチジン
酸、リゾホスファチジン酸を構成する脂肪酸は炭素数8
〜20の飽和または不飽和脂肪酸が好ましく、中でも炭素
数16〜18の不飽和脂肪酸が最適である。また、PGやPIを
含むリン脂質を構成する脂肪酸についても上記の組成で
あることが好ましい。
酸は、これら単独もしくは混合物を使用することができ
る。しかし、炊飯後の米飯の風味が良好になるなどの観
点から、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノ
ールアミン等が全て分解されないで残存し、ホスファチ
ジルコリンとホスファチジルエタノールアミンの合計量
がリン脂質中に0.01〜20重量%の割合で残存しているリ
ン脂質を使用することが好ましい。
は、原料レシチンとして植物種子、特に大豆、菜種、ひ
まわり等の種子に由来するレシチンを用いることが好ま
しい。
トン不溶分として取扱うのが適当である。アセトン不溶
分とは総リン脂質分の目安となるもので、食品添加物公
定書に記載されたレシチン分の規定に準ずる。
用油脂成分に上記の特定のリン脂質を混合することによ
り食用油脂組成物として調製することができる。
0.1重量%以上含まれるように、好ましくは0.5重量%以
上、10.0重量%以下であるように添加混合される。更に
ジグリセリドを油脂組成物中に5重量%以上、好ましく
は8重量%以上含有させることが望ましい。この場合、
リン脂質とジグリセリドは同時に、あるいは各々独立に
添加しても差し支えない。
の水に浸漬した状態で、この水の中に添加混合する方法
が一般的である。調味米飯とする場合には、米粒を水洗
した後、水に浸漬し、次いで一旦水切りした後、水を含
む調味成分と共に本発明の米飯用添加剤を添加・混合す
る方法が利用できる。
に対して、0.1〜10重量%の範囲で添加される。好まし
くは0.5〜5.0重量%の範囲である。
に、上記の特定のリン脂質を含むことなく5重量%以上
のジグリセリドを含む食用油脂組成物からなる第二の態
様の米飯用添加剤であってもよい。この場合、ジグリセ
リドは食用油脂組成物中に8重量%以上含まれているこ
とが特に好ましい。また、ジグリセリドの含有量は、通
常30重量%以下である。
グリセリド、ジグリセリド、およびトリグリセリドの混
合物として供給されるが、そのグリセリドの組成が、ジ
グリセリド対モノグリセリドの重量比が5:1〜990:1の範
囲にあることが好ましい。グリセリド混合物中のモノグ
リセリド含量が多いと風味が悪化しやすくなる。
酸残基の炭素数は8〜24であることが好ましく、更に低
温下でも均一、良好な液状性を得る為に、炭素数16の飽
和脂肪酸含量が15重量%以下であることがさらに好まし
い。
脂肪酸中の不飽和脂肪酸残基の含量は70重量%以上が好
ましく、さらに好ましくは82〜100重量%である。
ジグリセリドが、飽和/不飽和脂肪酸の組合せからなる
ジグリセリド含量40重量%以下(より好ましくは0.1〜4
0重量%)、飽和/飽和脂肪酸の組合せからなるジグリ
セリド含量5重量%以下(より好ましくは0〜1重量
%)、残余が不飽和/不飽和脂肪酸の組み合せからなる
ジグリセリドであることが好ましい。
量%(より好ましくは8〜80重量%)の範囲にあること
が好ましい。
基のレベルの高い油脂、例えば、サフラワー油、オリー
ブ油、綿実油、コーン油、菜種油、大豆油、パーム油、
ひまわり油、ごま油、更にラード、牛脂、魚油、乳脂、
あるいはそれらの分別油、ランダム化油、硬化油、エス
テル交換油から選ばれた一種または二種以上の油脂と、
グリセリンの混合物をエステル交換反応するか、または
これらの油脂由来の不飽和脂肪酸レベルの高い脂肪酸と
グリセリンをエステル化反応して得られるジグリセリド
含量の高い油脂を単独もしくは上述した原料油脂とを混
合することにより得ることができる。反応で生成した過
剰のモノグリセリドは分子蒸留法またはクロマトグラフ
ィー法により除去することができる。これらの反応はア
ルカリ触媒等を用いた化学反応でも行なうことが可能で
あるが、1.3位選択的リパーゼ等を用いて酵素的に温和
な条件で反応を行なうのが風味等の点で優れており好ま
しい。
の方法として、例えば、天然食用油脂の分別油の利用が
挙げられる。この方法は前述の天然油脂のうち、飽和脂
肪酸含有量が比較的高い油脂に好適で、分別により低融
点画分を分取することにより、冷却耐性が向上すると同
時に該油脂中のジグリセリド含量を増大させる。
ワックス類が共存する。ワックス類は、融点が高く、グ
リセリド混合物との相溶性が低い等の性状を有する。こ
のため低温下で固化を伴わないグリセリド混合物を得る
には、ワックス類の油脂中の含量が2重量%以下(特
に、0〜0.5重量%)であることが好ましい。
様の米飯用添加剤と同様に調製することができる。ま
た、米粒を炊飯する際の第二の態様の米飯用添加剤の使
用量も前記第一の態様と同様である。
する。ただし、本発明はこれらの例に限定されない。
料として、このものをホスフォリパーゼD処理すること
により、総リン脂質中のホスファチジルコリン(PC)、
ホスファチジルエタノールアミン(PE)含量を低減さ
せ、逆にホスファチジン酸(PA)およびリゾホスファチ
ジン酸(LPA)含量を増大させた二種類のリン脂質
(a、b)を調製した。本発明に係るリン脂質の組成を
第1表(A)に示す。
ン、および卵黄レシチンをそれぞれ比較試料(x、y)
とした。そのリン脂質の組成を第1表(B)に示す。
(リパーゼ商品名:「Lipozyme 3A」、ノボインダスト
リーA.S.社製)を触媒として、下記第2表記載の動植物
由来脂肪酸860gとグリセリン140gとを40〜60℃で反応さ
せた。反応終了後、リパーゼ製剤を濾別した後、反応生
成物を分子蒸留にかけ、常法により精製を行なって、各
種のジグリセリド混合物(本発明試料c〜g)を得た
(第2表)。
1表または第2表に示された本発明試料または比較試料
を配合してなる各種の油脂組成物(下記第3表参照)を
生米に対し、1.0重量%添加し、常法に従い家庭用炊飯
器を用い炊飯を行なった。なお。上記油脂組成物に主成
分として含まれる油脂として、サラダ油(油脂成分;ナ
タネサラダ油:大豆サラダ油=1:1の混合物)が使用さ
れた。
なる下記第3表に示された比較用の油脂組成物を用いて
前記実施例および比較例と同様な方法で炊飯を行なっ
た。
た。また食感、風味について官能テストを実施し、評価
した。その結果をまとめて第3表に示す。
それぞれ以下の状態を意味する。
前記第1表または第2表に示された本発明試料または比
較試料を配合してなる各種の油脂組成物(下記第4表参
照)65g(生米に対して1.0重量%)を炊飯前に添加し、
さらに食塩90gを添加した。常法に従い業務用炊飯器を
用い、おにぎり用ご飯の炊飯を行なった。なお、上記油
脂組成物に主成分として含まれる油脂として、サラダ油
(油脂成分;ナタネサラダ油:大豆サラダ油=1:1の混
合物)が使用された。
と同様な観察および官能テストにより行なった。また、
おにぎり製造時の作業性についても評価を行なった。評
価の基準は前記と同様である。その結果を第4表にまと
めて示す。
味(風味、食感)の顕著な改善が図れる。またふっくら
と炊くことができ、炊飯器からの御飯の離れもよい。さ
らにベタつくことなく、パラッとした感じがあり、『お
むすび』などにする場合でもその作業性が良好である。
Claims (3)
- 【請求項1】食用油脂を主成分とする米飯用添加剤であ
って、窒素原子を含有しないリン脂質の重量が窒素原子
を含有するリン脂質の重量に対して重量比1.0以上であ
るリン脂質を含む米飯用添加剤。 - 【請求項2】更に、脂肪族残基の炭素数が8〜24である
ジグリセリドを含む請求項第1項の米飯用添加剤。 - 【請求項3】食用油脂を主成分とする米飯用添加剤であ
って、脂肪族残基の炭素数が8〜24であるジグリセリド
を該添加剤中に5重量%以上含有する米飯用添加剤。
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