JPH11289976A - 可塑性油脂 - Google Patents

可塑性油脂

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JPH11289976A
JPH11289976A JP10099345A JP9934598A JPH11289976A JP H11289976 A JPH11289976 A JP H11289976A JP 10099345 A JP10099345 A JP 10099345A JP 9934598 A JP9934598 A JP 9934598A JP H11289976 A JPH11289976 A JP H11289976A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】実質的にトランス酸を含まず、可塑性、ホイッ
プ性、吸卵性などに優れたマーガリンやショートニング
類の製造用として好適な可塑性油脂を提供する。 【解決手段】ラード及び/又は分別ラードと、炭素数2
2の飽和脂肪酸を構成脂肪酸として含む油脂とをエステ
ル交換して得られた油脂を、少なくとも含有する可塑性
油脂である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は可塑性油脂に関し、
さらに詳しくは、実質的にトランス酸を含まず、可塑
性、ホイップ性、吸卵性などに優れたマーガリンやショ
ートニング類などの製造用として好適な可塑性油脂に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、マーガリンやショートニングなど
の製造用に用いられている可塑性油脂としては、使用温
度での好ましい硬さ、広い温度範囲での可塑性、酸化安
定性、ホイップ性、吸卵性などの機能付与を目的とし
て、水添油脂が広く利用されている。この水添油脂は、
完全水添油を除いて、通常構成脂肪酸中にトランス酸が
10〜50重量%程度含まれている。トランス酸は、天
然油脂中にはほとんど存在せず、反芻動物由来の油脂に
10重量%未満含まれているにすぎない。このトランス
酸の過剰摂取は、血しょう中のLDL/HDLコレステ
ロール比を増大させ循環器疾患の原因となる、あるいは
新生児における不飽和脂肪酸の必須摂取量を増大させる
ために、結果的に不飽和脂肪酸欠乏状態となり、発育不
全を招くなどの報告がなされている。一方、FAO/W
HO合同専門委員会では、トランス酸の摂取はなんら影
響を与えないことを報告しており、現段階では病理学上
の問題については結論付けにくいのが実状である。しか
し、いずれにしても、可塑性油脂中にできるだけトラン
ス酸を含まない方が、栄養学的見地から好ましい。トラ
ンス酸を含む水添油脂を用いずに、可塑性油脂を得る方
法としては、天然油脂あるいは分別により得られた油脂
を混合して水添油脂の代わりに用いる方法が考えられる
し、また、2種以上混合した油脂をエステル交換で改質
して水添油脂の代わりに用いる方法も公知である。例え
ば、特公平4−65493号公報、特公平6−4359
5号公報には、パーム油あるいはパーム油由来の油脂を
中心に混合し、エステル交換する方法が開示されてい
る。しかしながら、油脂を単に混合したのみでは、前述
した可塑性油脂としての機能が不十分であり、例えば、
水添油脂の代わりに、固体脂と液体油を混合したものは
十分な可塑性が得られない上、保存中に固体脂と液体油
とが分離する場合がある。また、前記公報に記載されて
いるエステル交換油脂も、パーム油あるいはパーム油由
来の油脂を混合したものよりも優れているにすぎず、水
添油脂がもつ機能にはほど遠い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで、実質的にトランス酸を含まず、かつ水添
油脂と同等以上に可塑性、ホイップ性、吸卵性などに優
れたマーガリンやショートニング類などに用いる可塑性
油脂を提供することを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の好
ましい性質を有する可塑性油脂を開発すべく鋭意研究を
重ねた結果、ラードや分別ラードと特定の飽和脂肪酸を
含む油脂とをエステル交換して得られた油脂を、少なく
とも含有するものが、その目的に適合しうることを見出
し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。す
なわち、本発明は、(1)ラード及び/又は分別ラード
と、炭素数22の飽和脂肪酸を構成脂肪酸として含む油
脂とをエステル交換して得られた油脂を、少なくとも含
有することを特徴とするマーガリン、ショートニング類
用の可塑性油脂、を提供するものである。また、本発明
の好ましい態様は、(2)エステル交換して得られた油
脂と実質的にトランス酸を含まない他の油脂との混合油
脂からなる第(1)項記載の可塑性油脂、(3)他の油
脂がラード又は分別ラードである第(2)項記載の可塑
性油脂、(4)炭素数22の飽和脂肪酸を構成脂肪酸と
して含む油脂が、炭素数22の不飽和脂肪酸を含む油脂
を完全水素添加したものである第(1)、(2)、
(3)項記載の可塑性油脂、(5)エステル交換して得
られた油脂における構成脂肪酸中の炭素数22の飽和脂
肪酸の含有量が2〜15重量%である第(1)〜(4)
項記載の可塑性油脂、及び(6)エステル交換して得ら
れた油脂が、融点30〜50℃のものである第(1)〜
(5)項記載の可塑性油脂、である。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の可塑性油脂は、エステル
交換して得られた油脂を少なくとも含有するものであっ
て、該エステル交換に用いられるラードとしては特に制
限はなく、豚のいずれの部位から得られたものであって
もよい。また、分別ラードとしては、それらのラードを
分画して得られる種々の分別油を用いることができる。
本発明においては、上記ラードを1種用いてもよいし、
2種以上組み合わせて用いてもよく、また分別ラードを
1種用いてよいし、2種以上組み合わせて用いてもよ
い。あるいは、該ラード1種以上と分別ラード1種以上
とを組み合わせて用いてもよい。一方、炭素数22の飽
和脂肪酸を構成脂肪酸として含む油脂としては特に制限
はないが、例えば炭素数22の不飽和脂肪酸を高い割合
で含む、ハイエルシン酸ナタネ油や、イワシ、サバ、サ
ンマ、ニシン、アンチョビ、マグロ、カツオなどの魚油
を、完全に水素添加した極度水添油を好ましく挙げるこ
とができる。本発明においては、これらの油脂は1種用
いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明においては、これらの油脂を、前記のラード及び
/又は分別ラードに加え、エステル交換反応を行うが、
このエステル交換反応は特に制限はなく、常法に従って
行うことができる。油脂の使用量は、エステル交換して
得られた油脂の融点が30〜50℃の範囲になるように
適宜選定するのが有利である。このようにして、実質的
にトランス酸を含まないエステル交換油脂が得られる。
本発明においては、このエステル交換油脂は、その構成
脂肪酸中に、炭素数22の飽和脂肪酸を2〜15重量%
の割合で含有するものが、優れた機能を有するので好ま
しく、したがって、該飽和脂肪酸の含有量が、上記範囲
になるように、炭素数22の飽和脂肪酸を構成脂肪酸と
して含む油脂をエステル交換に使用すればよい。エステ
ル交換油脂における上記炭素数22の飽和脂肪酸の含有
量が2重量%未満では品質改良効果が十分に発揮されな
いおそれがあるし、15重量%を超えるとそれ以上の効
果が得られない上、該油脂を使用したマーガリンやショ
ートニングの口溶けが悪くなる傾向がみられる。
【0006】本発明の可塑性油脂は、このようにして得
られたエステル交換油脂を少なくとも含有するものであ
る。すなわち、このエステル交換油脂のみからなるもの
であってもよいし、該エステル交換油脂と実質的にトラ
ンス酸を含まない他の油脂との混合物であってもよい
が、通常、マーガリンやショートニングを製造する際に
は、上記混合物が用いられる。ここで、実質的にトラン
ス酸を含まない他の油脂としては、天然の動植物油脂、
例えば常温で固体のパーム油、パーム核油、ヤシ油、牛
脂、ラード及びこれらの分別油脂や、常温で液体の大豆
油、ナタネ油、米ぬか油、コーン油、ヒマワリ油、ハイ
オレイックヒマワリ油、サフラワー油、ハイオレイック
サフラワー油、綿実油、魚油など、さらには、これらの
動植物油脂を完全水添した油脂を挙げることができる。
これらの中で、特にラード及び分別ラードが好適であ
る。これらの実質的にトランス酸を含まない他の油脂は
1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いても
よい。また、その配合割合は特に制限はなく、得られる
可塑性油脂の機能や経済性などを考慮して、適宜選定す
ればよい。また、本発明の可塑性油脂を用いて、マーガ
リンやショートニング類などを製造する際には、所望に
より、一般的に食用油脂製品に使用されている他の原
料、例えばグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリ
コール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、シ
ョ糖脂肪酸エステル、リン脂質などの乳化剤、トコフェ
ロール、L−アスコルビン酸パルミチン酸エステル、茶
抽出物などの酸化防止剤、カロチンなどの着色料、脱脂
粉乳、クリームなどの乳成分、食塩、酸味料、調味料、
香料、重合リン酸塩などの乳化安定剤、増粘安定剤など
を、適宜使用することができる。本発明の可塑性油脂
は、マーガリン又はショートニング類の製造用として好
適に用いられ、本発明の油脂を用いて、マーガリンやシ
ョートニング類を製造する場合、その製造方法としては
特に制限はなく、従来公知の方法を用いることができ
る。
【0007】
【実施例】次に、本発明を実施例により、さらに詳細に
説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定
されるものではない。 参考例1 トランス酸を含む魚油硬化油(融点36.3℃)を第1
表に示す割合で、他の原料と配合し、公知の方法にてシ
ョートニングを製造した。このショートニングの可塑性
は良好であった。さらにこのショートニングを25℃で
3日間熟成し、ホイップ試験、吸卵性試験に用いた。熟
成後のショートニング700gを25℃の室温で縦型ミ
キサーを用いて15分間ミキシングし、ホイップ試験を
行った。(ミキシング後の比重/ミキシング前の比重)
×100をホイッピング価とし、この数値が大きいほど
ホイップ性が優れていると評価した。その結果、良好な
ホイップ性を示した。熟成後のショートニング400
g、上白糖400gをホバートミキサーで2分間ミキシ
ングしたのち、液卵を徐々に加えながら穏やかにミキシ
ングし、吸卵性試験を行った。ショートニングと液卵が
分離をはじめるまで液卵を加え、(加えた液卵量/40
0)×100をショートニングに対する吸卵率として、
この数値が大きいほど吸卵性が優れていると評価した。
その結果、良好な吸卵性を示した。これらの結果を第1
表に示す。 参考例2 トランス酸を含む魚油硬化油(融点43.3℃)を参考
例1と同様に、第1表に示す割合でその他の原料と配合
し、ショートニングを製造した。このショートニングの
可塑性は良好であった。さらにこのショートニングを3
0℃で3日間熟成し、参考例1と同様にホイップ試験、
吸卵性試験を行った結果、ホイップ性、吸卵性ともに良
好であった。これらの結果を第1表に示す。 比較例1 ラード100重量部のみを用いて公知の方法によりラン
ダムエステル交換して、上昇融点38.5℃の実質的に
トランス酸を含まないエステル交換油脂を得た。このエ
ステル交換油脂を参考例1と同様に、第1表に示す割合
でその他の原料と配合し、ショートニングを製造した。
このショートニングの可塑性は良好であった。さらにこ
のショートニングを参考例1と同様に熟成し、ホイップ
試験、吸卵性試験を行った結果、参考例1と同等以上の
ホイップ性、吸卵性は得られなかった。これらの結果を
第1表に示す。 比較例2 ラード95重量部とハイエルシン酸ナタネ極度硬化油
(脂肪酸中炭素数22の飽和脂肪酸含量50重量%)5
重量部を混合し、脂肪酸中炭素数22の飽和脂肪酸が
2.5重量%で、上昇融点43.3℃の実質的にトランス
酸を含まない混合油脂を得た。この混合油脂を参考例1
と同様に、第1表に示す割合でその他の原料と配合し、
ショートニングを製造した。このショートニングはざら
つき感があり、可塑性は良好でなかった。さらにこのシ
ョートニングを参考例1と同様に熟成し、ホイップ試
験、吸卵性試験を行った結果、参考例1と同等以上のホ
イップ性は得られなかったが、吸卵性は同等以上であっ
た。これらの結果を第1表に示す。 比較例3 ラード80重量部とパーム核油を20重量部を混合し、
公知の方法によりランダムエステル交換して、上昇融点
33.8℃の実質的にトランス酸を含まないエステル交
換油脂を得た。このエステル交換油脂を参考例1と同様
に、第1表に示す割合でその他の原料と配合し、ショー
トニングを製造した。このショートニングは15℃から
25℃において常に軟らかく、可塑性は良好でなかっ
た。さらにこのショートニングを参考例1と同様に熟成
し、ホイップ試験、吸卵性試験を行った結果、参考例1
と同等以上のホイップ性、吸卵性は得られなかった。こ
れらの結果を第1表に示す。 実施例1 ラード95重量部とハイエルシン酸ナタネ極度硬化油
(脂肪酸中炭素数22の飽和脂肪酸含量60重量%)5
重量部を混合し、公知の方法によりランダムエステル交
換して、脂肪酸中炭素数22の飽和脂肪酸2.5重量
%、上昇融点37.2℃の実質的にトランス酸を含まな
いエステル交換油脂を得た。このエステル交換油脂を参
考例1と同様に、第1表に示す割合でその他の原料と配
合し、ショートニングを製造した。このショートニング
の可塑性は良好であった。さらにこのショートニングを
参考例1と同様に熟成し、ホイップ試験、吸卵性試験を
行った結果、参考例1と同等以上のホイップ性、吸卵性
が得られた。これらの結果を第1表に示す。 実施例2 ラード90重量部とハイエルシン酸ナタネ極度硬化油
(脂肪酸中炭素数22の飽和脂肪酸含量50重量%)1
0重量部を混合し、公知の方法によりランダムエステル
交換して、脂肪酸中炭素数22の飽和脂肪酸5.0重量
%、上昇融点39.3℃の実質的にトランス酸を含まな
いエステル交換油脂を得た。このエステル交換油脂を参
考例1と同様に、第1表に示す割合でその他の原料と配
合し、ショートニングを製造した。このショートニング
の可塑性は良好であった。さらにこのショートニングを
参考例1と同様に熟成し、ホイップ試験、吸卵性試験を
行った結果、参考例1と同等以上のホイップ性、吸卵性
が得られた。これらの結果を第1表に示す。 実施例3 ラードをドライ分別して得られた液体部(以下LLとす
る)80重量部とハイエルシン酸ナタネ極度硬化油(脂
肪酸中炭素数22の飽和脂肪酸含量50重量%)20重
量部を混合し、公知の方法によりランダムエステル交換
して、結合脂肪酸中炭素数22の飽和脂肪酸10重量
%、上昇融点37.6℃の実質的にトランス酸を含まな
いエステル交換油脂を得た。このエステル交換油脂を参
考例1と同様に、第1表に示す割合でその他の原料と配
合し、ショートニングを製造した。このショートニング
の可塑性は良好であった。さらに、このショートニング
を参考例1と同様に熟成し、ホイップ試験、吸卵性試験
を行った結果、参考例1と同等以上のホイップ性、吸卵
性が得られた。これらの結果を第1表に示す。 実施例4 ラードをドライ分別して得られた固体部(以下LSとす
る)95重量部とハイエルシン酸ナタネ極度硬化油(脂
肪酸中炭素数22の飽和脂肪酸含量50重量%)5重量
部を混合し、公知の方法によりランダムエステル交換し
て、脂肪酸中炭素数22の飽和脂肪酸含量2.5重量
%、上昇融点42.2℃の実質的にトランス酸を含まな
いエステル交換油脂を得た。このエステル交換油脂を参
考例1と同様に、第1表に示す割合でその他の原料と配
合し、ショートニングを製造した。このショートニング
の可塑性は良好であった。さらに、このショートニング
を参考例1と同様に熟成し、ホイップ試験、吸卵性試験
を行った結果、参考例1と同等以上のホイップ性、吸卵
性が得られた。これらの結果を第1表に示す。 実施例5 ラード70重量部と魚油極度硬化油(脂肪酸中炭素数2
2の飽和脂肪酸量10.2重量%)30重量部を混合
し、公知の方法によりランダムエステル交換して、脂肪
酸中炭素数22の飽和脂肪酸3.1重量%、上昇融点4
0.6℃の実質的にトランス酸を含まないエステル交換
油脂を得た。このエステル交換油脂を参考例1と同様
に、第1表に示す割合でその他の原料と配合し、ショー
トニングを製造した。このショートニングの可塑性は良
好であった。さらに、このショートニングを参考例1と
同様に熟成し、ホイップ試験、吸卵性試験を行った結
果、参考例1と同等以上のホイップ性、吸卵性が得られ
た。これらの結果を第1表に示す。
【0008】
【表1】
【0009】
【表2】
【0010】 (注) 1)魚油硬化油 参考例1:融点36.3℃のもの 参考例2:融点43.3℃のもの 2)エステル交換油脂 比較例1 :ラードのみのエステル交換油脂 比較例3 :ラードとパーム核油とのエステル交換油脂 実施例1、実施例2:ラードとハイエルシン酸ナタネ極度硬化油との エステル交換油脂 実施例3、実施例4:分別ラードとハイエルシン酸ナタネ極度硬化油との エステル交換油脂 実施例5 :ラードと魚油極度硬化油とのエステル交換油脂 3)混合油 比較例2:ラードとハイエルシン酸ナタネ極度硬化油との混合物
【0011】第1表から分かるように、本発明の実施例
のものは、トランス酸を実質的に含まないので、健康上
の問題のない製菓・製パン性能に優れるショートニング
を得ることができた。一方、参考例1、2は魚油硬化油
を用いているので、製菓・製パン性能に優れているが、
トランス酸を多く含むので健康上好ましくない。また比
較例のものは、いずれも実施例のものより性能が劣って
いる。 参考例3 トランス酸を含む魚油硬化油(融点36℃)を第2表に
示す割合でその他の原料と配合し、公知の方法にてマー
ガリンを製造した。このマーガリンの可塑性は良好であ
った。さらにこのマーガリンを25℃で3日間熟成し、
参考例1と同様にしてホイップ試験、吸卵性試験を行っ
た結果、ホイップ性、吸卵性ともに良好であった。これ
らの結果を第2表に示す。 実施例6 実施例1と同じエステル交換油脂を参考例3と同様に、
第2表に示す割合でその他の原料と配合し、マーガリン
を製造した。このマーガリンの可塑性は良好であった。
さらにこのマーガリンを参考例3と同様に熟成し、ホイ
ップ試験、吸卵性試験を行った結果、参考例3と同等以
上のホイップ性、吸卵性が得られた。これらの結果を第
2表に示す。
【0012】
【表3】
【0013】(注) 1)魚油硬化油 :融点36.3℃のもの 2)エステル交換油脂:ラードとハイエルシン酸ナタネ
極度硬化油とのエステル交換油脂
【0014】第2表から分かるように、本発明の実施例
のものは、トランス酸を実質的に含まないので、健康上
の問題のない製菓・製パン性能に優れるマーガリンを得
ることができた。一方、参考例3は、魚油硬化油を用い
ているので、製菓・製パン性能に優れているが、トラン
ス酸を多く含むので健康上好ましくない。
【0015】
【発明の効果】本発明の可塑性油脂は、トランス酸を含
む水添油脂を使用しないため、栄養学的見地からも全く
懸念することがなく、本発明の油脂を使用して製造した
マーガリンやショートニングは、水添油脂を用いた場合
と同等以上の可塑性、ホイップ性、吸卵性を有してい
る。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ラード及び/又は分別ラードと、炭素数2
    2の飽和脂肪酸を構成脂肪酸として含む油脂とをエステ
    ル交換して得られた油脂を、少なくとも含有することを
    特徴とするマーガリン、ショートニング類用の可塑性油
    脂。
  2. 【請求項2】エステル交換して得られた油脂と実質的に
    トランス酸を含まない他の油脂との混合油脂からなる請
    求項1記載の可塑性油脂。
  3. 【請求項3】他の油脂がラード又は分別ラードである請
    求項2記載の可塑性油脂。
  4. 【請求項4】炭素数22の飽和脂肪酸を構成脂肪酸とし
    て含む油脂が、炭素数22の不飽和脂肪酸を含む油脂を
    完全水素添加したものである請求項1、2又は3記載の
    可塑性油脂。
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