JP3870406B2 - 可塑性油脂 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は可塑性油脂に関し、さらに詳しくは、実質的にトランス酸を含まず、可塑性、ホイップ性、吸卵性などに優れたマーガリンやショートニング類などの製造用として好適な可塑性油脂に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、マーガリンやショートニングなどの製造用に用いられている可塑性油脂としては、使用温度での好ましい硬さ、広い温度範囲での可塑性、酸化安定性、ホイップ性、吸卵性などの機能付与を目的として、水添油脂が広く利用されている。この水添油脂は、完全水添油を除いて、通常構成脂肪酸中にトランス酸が10〜50重量%程度含まれている。トランス酸は、天然油脂中にはほとんど存在せず、反芻動物由来の油脂に10重量%未満含まれているにすぎない。
このトランス酸の過剰摂取は、血しょう中のLDL/HDLコレステロール比を増大させ循環器疾患の原因となる、あるいは新生児における不飽和脂肪酸の必須摂取量を増大させるために、結果的に不飽和脂肪酸欠乏状態となり、発育不全を招くなどの報告がなされている。一方、FAO/WHO合同専門委員会では、トランス酸の摂取はなんら影響を与えないことを報告しており、現段階では病理学上の問題については結論付けにくいのが実状である。しかし、いずれにしても、可塑性油脂中にできるだけトランス酸を含まない方が、栄養学的見地から好ましい。
トランス酸を含む水添油脂を用いずに、可塑性油脂を得る方法としては、天然油脂あるいは分別により得られた油脂を混合して水添油脂の代わりに用いる方法が考えられるし、また、2種以上混合した油脂をエステル交換で改質して水添油脂の代わりに用いる方法も公知である。例えば、特公平4−65493号公報、特公平6−43595号公報には、パーム油あるいはパーム油由来の油脂を中心に混合し、エステル交換する方法が開示されている。
しかしながら、油脂を単に混合したのみでは、前述した可塑性油脂としての機能が不十分であり、例えば、水添油脂の代わりに、固体脂と液体油を混合したものは十分な可塑性が得られない上、保存中に固体脂と液体油とが分離する場合がある。
また、前記公報に記載されているエステル交換油脂も、パーム油あるいはパーム油由来の油脂を混合したものよりも優れているにすぎず、水添油脂がもつ機能にはほど遠い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような事情のもとで、実質的にトランス酸を含まず、かつ水添油脂と同等以上に可塑性、ホイップ性、吸卵性などに優れたマーガリンやショートニング類などに用いる可塑性油脂を提供することを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記の好ましい性質を有する可塑性油脂を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、ラードや分別ラードと特定の飽和脂肪酸を含む油脂とをエステル交換して得られた油脂を、少なくとも含有するものが、その目的に適合しうることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)ラード及び/又は分別ラードと、炭素数22の飽和脂肪酸を構成脂肪酸として含む油脂とをエステル交換して得られた油脂を、少なくとも含有することを特徴とするマーガリン、ショートニング類用の可塑性油脂、
を提供するものである。
また、本発明の好ましい態様は、
(2)エステル交換して得られた油脂と実質的にトランス酸を含まない他の油脂との混合油脂からなる第(1)項記載の可塑性油脂、
(3)他の油脂がラード又は分別ラードである第(2)項記載の可塑性油脂、
(4)炭素数22の飽和脂肪酸を構成脂肪酸として含む油脂が、炭素数22の不飽和脂肪酸を含む油脂を完全水素添加したものである第(1)、(2)、(3)項記載の可塑性油脂、
(5)エステル交換して得られた油脂における構成脂肪酸中の炭素数22の飽和脂肪酸の含有量が2〜15重量%である第(1)〜(4)項記載の可塑性油脂、及び
(6)エステル交換して得られた油脂が、融点30〜50℃のものである第(1)〜(5)項記載の可塑性油脂、
である。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明の可塑性油脂は、エステル交換して得られた油脂を少なくとも含有するものであって、該エステル交換に用いられるラードとしては特に制限はなく、豚のいずれの部位から得られたものであってもよい。また、分別ラードとしては、それらのラードを分画して得られる種々の分別油を用いることができる。本発明においては、上記ラードを1種用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよく、また分別ラードを1種用いてよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。あるいは、該ラード1種以上と分別ラード1種以上とを組み合わせて用いてもよい。
一方、炭素数22の飽和脂肪酸を構成脂肪酸として含む油脂としては特に制限はないが、例えば炭素数22の不飽和脂肪酸を高い割合で含む、ハイエルシン酸ナタネ油や、イワシ、サバ、サンマ、ニシン、アンチョビ、マグロ、カツオなどの魚油を、完全に水素添加した極度水添油を好ましく挙げることができる。本発明においては、これらの油脂は1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明においては、これらの油脂を、前記のラード及び/又は分別ラードに加え、エステル交換反応を行うが、このエステル交換反応は特に制限はなく、常法に従って行うことができる。油脂の使用量は、エステル交換して得られた油脂の融点が30〜50℃の範囲になるように適宜選定するのが有利である。このようにして、実質的にトランス酸を含まないエステル交換油脂が得られる。
本発明においては、このエステル交換油脂は、その構成脂肪酸中に、炭素数22の飽和脂肪酸を2〜15重量%の割合で含有するものが、優れた機能を有するので好ましく、したがって、該飽和脂肪酸の含有量が、上記範囲になるように、炭素数22の飽和脂肪酸を構成脂肪酸として含む油脂をエステル交換に使用すればよい。エステル交換油脂における上記炭素数22の飽和脂肪酸の含有量が2重量%未満では品質改良効果が十分に発揮されないおそれがあるし、15重量%を超えるとそれ以上の効果が得られない上、該油脂を使用したマーガリンやショートニングの口溶けが悪くなる傾向がみられる。
【0006】
本発明の可塑性油脂は、このようにして得られたエステル交換油脂を少なくとも含有するものである。すなわち、このエステル交換油脂のみからなるものであってもよいし、該エステル交換油脂と実質的にトランス酸を含まない他の油脂との混合物であってもよいが、通常、マーガリンやショートニングを製造する際には、上記混合物が用いられる。ここで、実質的にトランス酸を含まない他の油脂としては、天然の動植物油脂、例えば常温で固体のパーム油、パーム核油、ヤシ油、牛脂、ラード及びこれらの分別油脂や、常温で液体の大豆油、ナタネ油、米ぬか油、コーン油、ヒマワリ油、ハイオレイックヒマワリ油、サフラワー油、ハイオレイックサフラワー油、綿実油、魚油など、さらには、これらの動植物油脂を完全水添した油脂を挙げることができる。これらの中で、特にラード及び分別ラードが好適である。これらの実質的にトランス酸を含まない他の油脂は1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、その配合割合は特に制限はなく、得られる可塑性油脂の機能や経済性などを考慮して、適宜選定すればよい。
また、本発明の可塑性油脂を用いて、マーガリンやショートニング類などを製造する際には、所望により、一般的に食用油脂製品に使用されている他の原料、例えばグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、リン脂質などの乳化剤、トコフェロール、L−アスコルビン酸パルミチン酸エステル、茶抽出物などの酸化防止剤、カロチンなどの着色料、脱脂粉乳、クリームなどの乳成分、食塩、酸味料、調味料、香料、重合リン酸塩などの乳化安定剤、増粘安定剤などを、適宜使用することができる。
本発明の可塑性油脂は、マーガリン又はショートニング類の製造用として好適に用いられ、本発明の油脂を用いて、マーガリンやショートニング類を製造する場合、その製造方法としては特に制限はなく、従来公知の方法を用いることができる。
【0007】
【実施例】
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
参考例1
トランス酸を含む魚油硬化油(融点36.3℃)を第1表に示す割合で、他の原料と配合し、公知の方法にてショートニングを製造した。このショートニングの可塑性は良好であった。さらにこのショートニングを25℃で3日間熟成し、ホイップ試験、吸卵性試験に用いた。
熟成後のショートニング700gを25℃の室温で縦型ミキサーを用いて15分間ミキシングし、ホイップ試験を行った。(ミキシング後の比重/ミキシング前の比重)×100をホイッピング価とし、この数値が大きいほどホイップ性が優れていると評価した。その結果、良好なホイップ性を示した。
熟成後のショートニング400g、上白糖400gをホバートミキサーで2分間ミキシングしたのち、液卵を徐々に加えながら穏やかにミキシングし、吸卵性試験を行った。ショートニングと液卵が分離をはじめるまで液卵を加え、(加えた液卵量/400)×100をショートニングに対する吸卵率として、この数値が大きいほど吸卵性が優れていると評価した。その結果、良好な吸卵性を示した。
これらの結果を第1表に示す。
参考例2
トランス酸を含む魚油硬化油(融点43.3℃)を参考例1と同様に、第1表に示す割合でその他の原料と配合し、ショートニングを製造した。このショートニングの可塑性は良好であった。さらにこのショートニングを30℃で3日間熟成し、参考例1と同様にホイップ試験、吸卵性試験を行った結果、ホイップ性、吸卵性ともに良好であった。これらの結果を第1表に示す。
比較例1
ラード100重量部のみを用いて公知の方法によりランダムエステル交換して、上昇融点38.5℃の実質的にトランス酸を含まないエステル交換油脂を得た。このエステル交換油脂を参考例1と同様に、第1表に示す割合でその他の原料と配合し、ショートニングを製造した。このショートニングの可塑性は良好であった。さらにこのショートニングを参考例1と同様に熟成し、ホイップ試験、吸卵性試験を行った結果、参考例1と同等以上のホイップ性、吸卵性は得られなかった。これらの結果を第1表に示す。
比較例2
ラード95重量部とハイエルシン酸ナタネ極度硬化油(脂肪酸中炭素数22の飽和脂肪酸含量50重量%)5重量部を混合し、脂肪酸中炭素数22の飽和脂肪酸が2.5重量%で、上昇融点43.3℃の実質的にトランス酸を含まない混合油脂を得た。この混合油脂を参考例1と同様に、第1表に示す割合でその他の原料と配合し、ショートニングを製造した。このショートニングはざらつき感があり、可塑性は良好でなかった。さらにこのショートニングを参考例1と同様に熟成し、ホイップ試験、吸卵性試験を行った結果、参考例1と同等以上のホイップ性は得られなかったが、吸卵性は同等以上であった。これらの結果を第1表に示す。
比較例3
ラード80重量部とパーム核油を20重量部を混合し、公知の方法によりランダムエステル交換して、上昇融点33.8℃の実質的にトランス酸を含まないエステル交換油脂を得た。このエステル交換油脂を参考例1と同様に、第1表に示す割合でその他の原料と配合し、ショートニングを製造した。このショートニングは15℃から25℃において常に軟らかく、可塑性は良好でなかった。さらにこのショートニングを参考例1と同様に熟成し、ホイップ試験、吸卵性試験を行った結果、参考例1と同等以上のホイップ性、吸卵性は得られなかった。これらの結果を第1表に示す。
実施例1
ラード95重量部とハイエルシン酸ナタネ極度硬化油(脂肪酸中炭素数22の飽和脂肪酸含量60重量%)5重量部を混合し、公知の方法によりランダムエステル交換して、脂肪酸中炭素数22の飽和脂肪酸2.5重量%、上昇融点37.2℃の実質的にトランス酸を含まないエステル交換油脂を得た。このエステル交換油脂を参考例1と同様に、第1表に示す割合でその他の原料と配合し、ショートニングを製造した。このショートニングの可塑性は良好であった。さらにこのショートニングを参考例1と同様に熟成し、ホイップ試験、吸卵性試験を行った結果、参考例1と同等以上のホイップ性、吸卵性が得られた。これらの結果を第1表に示す。
実施例2
ラード90重量部とハイエルシン酸ナタネ極度硬化油(脂肪酸中炭素数22の飽和脂肪酸含量50重量%)10重量部を混合し、公知の方法によりランダムエステル交換して、脂肪酸中炭素数22の飽和脂肪酸5.0重量%、上昇融点39.3℃の実質的にトランス酸を含まないエステル交換油脂を得た。このエステル交換油脂を参考例1と同様に、第1表に示す割合でその他の原料と配合し、ショートニングを製造した。このショートニングの可塑性は良好であった。さらにこのショートニングを参考例1と同様に熟成し、ホイップ試験、吸卵性試験を行った結果、参考例1と同等以上のホイップ性、吸卵性が得られた。これらの結果を第1表に示す。
実施例3
ラードをドライ分別して得られた液体部(以下LLとする)80重量部とハイエルシン酸ナタネ極度硬化油(脂肪酸中炭素数22の飽和脂肪酸含量50重量%)20重量部を混合し、公知の方法によりランダムエステル交換して、結合脂肪酸中炭素数22の飽和脂肪酸10重量%、上昇融点37.6℃の実質的にトランス酸を含まないエステル交換油脂を得た。このエステル交換油脂を参考例1と同様に、第1表に示す割合でその他の原料と配合し、ショートニングを製造した。このショートニングの可塑性は良好であった。さらに、このショートニングを参考例1と同様に熟成し、ホイップ試験、吸卵性試験を行った結果、参考例1と同等以上のホイップ性、吸卵性が得られた。これらの結果を第1表に示す。
実施例4
ラードをドライ分別して得られた固体部(以下LSとする)95重量部とハイエルシン酸ナタネ極度硬化油(脂肪酸中炭素数22の飽和脂肪酸含量50重量%)5重量部を混合し、公知の方法によりランダムエステル交換して、脂肪酸中炭素数22の飽和脂肪酸含量2.5重量%、上昇融点42.2℃の実質的にトランス酸を含まないエステル交換油脂を得た。このエステル交換油脂を参考例1と同様に、第1表に示す割合でその他の原料と配合し、ショートニングを製造した。このショートニングの可塑性は良好であった。さらに、このショートニングを参考例1と同様に熟成し、ホイップ試験、吸卵性試験を行った結果、参考例1と同等以上のホイップ性、吸卵性が得られた。これらの結果を第1表に示す。
実施例5
ラード70重量部と魚油極度硬化油(脂肪酸中炭素数22の飽和脂肪酸量10.2重量%)30重量部を混合し、公知の方法によりランダムエステル交換して、脂肪酸中炭素数22の飽和脂肪酸3.1重量%、上昇融点40.6℃の実質的にトランス酸を含まないエステル交換油脂を得た。このエステル交換油脂を参考例1と同様に、第1表に示す割合でその他の原料と配合し、ショートニングを製造した。このショートニングの可塑性は良好であった。さらに、このショートニングを参考例1と同様に熟成し、ホイップ試験、吸卵性試験を行った結果、参考例1と同等以上のホイップ性、吸卵性が得られた。これらの結果を第1表に示す。
【0008】
【表1】
Figure 0003870406
【0009】
【表2】
Figure 0003870406
【0010】
(注)
1)魚油硬化油
参考例1:融点36.3℃のもの
参考例2:融点43.3℃のもの
2)エステル交換油脂
比較例1 :ラードのみのエステル交換油脂
比較例3 :ラードとパーム核油とのエステル交換油脂
実施例1、実施例2:ラードとハイエルシン酸ナタネ極度硬化油とのエステル交換油脂
実施例3、実施例4:分別ラードとハイエルシン酸ナタネ極度硬化油とのエステル交換油脂
実施例5 :ラードと魚油極度硬化油とのエステル交換油脂
3)混合油
比較例2:ラードとハイエルシン酸ナタネ極度硬化油との混合物
【0011】
第1表から分かるように、本発明の実施例のものは、トランス酸を実質的に含まないので、健康上の問題のない製菓・製パン性能に優れるショートニングを得ることができた。
一方、参考例1、2は魚油硬化油を用いているので、製菓・製パン性能に優れているが、トランス酸を多く含むので健康上好ましくない。また比較例のものは、いずれも実施例のものより性能が劣っている。
参考例3
トランス酸を含む魚油硬化油(融点36℃)を第2表に示す割合でその他の原料と配合し、公知の方法にてマーガリンを製造した。このマーガリンの可塑性は良好であった。さらにこのマーガリンを25℃で3日間熟成し、参考例1と同様にしてホイップ試験、吸卵性試験を行った結果、ホイップ性、吸卵性ともに良好であった。これらの結果を第2表に示す。
実施例6
実施例1と同じエステル交換油脂を参考例3と同様に、第2表に示す割合でその他の原料と配合し、マーガリンを製造した。このマーガリンの可塑性は良好であった。さらにこのマーガリンを参考例3と同様に熟成し、ホイップ試験、吸卵性試験を行った結果、参考例3と同等以上のホイップ性、吸卵性が得られた。これらの結果を第2表に示す。
【0012】
【表3】
Figure 0003870406
【0013】
(注)
1)魚油硬化油 :融点36.3℃のもの
2)エステル交換油脂:ラードとハイエルシン酸ナタネ極度硬化油とのエステル交換油脂
【0014】
第2表から分かるように、本発明の実施例のものは、トランス酸を実質的に含まないので、健康上の問題のない製菓・製パン性能に優れるマーガリンを得ることができた。
一方、参考例3は、魚油硬化油を用いているので、製菓・製パン性能に優れているが、トランス酸を多く含むので健康上好ましくない。
【0015】
【発明の効果】
本発明の可塑性油脂は、トランス酸を含む水添油脂を使用しないため、栄養学的見地からも全く懸念することがなく、本発明の油脂を使用して製造したマーガリンやショートニングは、水添油脂を用いた場合と同等以上の可塑性、ホイップ性、吸卵性を有している。

Claims (4)

  1. ラード及び/又は分別ラードと、炭素数22の飽和脂肪酸を構成脂肪酸として含む油脂とをエステル交換して得られた油脂を、少なくとも含有することを特徴とするマーガリン、ショートニング類用の可塑性油脂。
  2. エステル交換して得られた油脂と実質的にトランス酸を含まない他の油脂との混合油脂からなる請求項1記載の可塑性油脂。
  3. 他の油脂がラード又は分別ラードである請求項2記載の可塑性油脂。
  4. 炭素数22の飽和脂肪酸を構成脂肪酸として含む油脂が、炭素数22の不飽和脂肪酸を含む油脂を完全水素添加したものである請求項1、2又は3記載の可塑性油脂。
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