JP5058564B2 - 抑泡剤 - Google Patents

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本発明は、食品、特にはタンパク質を含有した食品に用いることのできる抑泡剤、及び該抑泡剤を用いたタンパク質を含有した食品の泡立ち抑制方法、泡立ちが抑制されたタンパク質含有食品の製造方法に関する。詳細には、乳、豆乳、卵などのタンパク質を含有した食品の製造、加工等の工程において生じる泡立ち現象を抑制することができ、更には水分散性が良好で取り扱いに優れた抑泡剤、及び該抑泡剤を用いたタンパク質含有食品の泡立ち抑制方法、更には該抑泡剤を用いたタンパク質含有食品の製造方法に関する。
食品の製造、加工等の工程において生じる発泡現象は、作業性を著しく低下させる一方で、最終商品の食感や外観に影響を与えるなどの各種問題を引き起こし、かかる問題点より各種消泡剤や泡立ちの抑制方法が検討されてきた。例えば、ポリグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする消泡剤であって、該ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成するポリグリセリンの平均重合度が4〜12、構成脂肪酸の60重量以上が炭素数16〜22の飽和脂肪酸、鹸化価が130〜190であるポリグリセリン脂肪酸エステルであることを特徴とする消泡剤(特許文献1)や、構成脂肪酸の炭素数が14〜24のジグリセライドの1種又は2種以上と、蔗糖脂肪酸エステルまたは/及びポリグリセリン脂肪酸エステルを必須成分として配合してなることを特徴とする食品用消泡剤(特許文献2)がある。
また、特許文献3には、HLB値が7を超える親水性乳化剤および融点が70℃以上である天然ワックスを含有してなる飲料用消泡剤が記載されており、親水性乳化剤の一例としてポリグリセリン脂肪酸エステルなどが挙げられている。一方、特許文献4には、特定量のリン脂質及び有機酸モノグリセリドを含有することを特徴とする加熱調理用油脂組成物が記載されており、クエン酸モノグリセリドを用いることにより、リン脂質を含有した油脂の泡立ちを抑制できることが開示されている。
しかし、特許文献1〜3にはポリグリセリン脂肪酸エステルが消泡剤として使用できることが開示されているものの、ポリグリセリン脂肪酸エステル単独では、特にタンパク質含有食品といった起泡性の高い食品に対する抑泡効果は十分ではなく、より顕著な効果を持つ消泡剤が求められていた。また、特許文献4には、クエン酸モノグリセリドを特定量用いることにより、リン脂質を含有した油脂の泡立ちを抑制できることが記載されているが、あくまで開示されているのは、炒め物料理や、揚物調理などの調理時の油の泡立ち抑制効果であって、タンパク質を含有した食品の抑泡効果については一切記載も示唆もされていない。更には、クエン酸モノグリセリド、及び特定HLB値のポリグリセリン脂肪酸エステルを特定量組み合わせることにより、タンパク質に由来する泡立ちを顕著に抑制できることについて一切記載も示唆もされていない。
また、特許文献5には、卵成分及び/又は乳清タンパク質が配合され、かつハイドロコロイドでゲル化させてなるゲル状食品であって、さらに有機酸モノグリセリド及びHLBが10以上のポリグリセリン脂肪酸エステルが配合されてなることを特徴とするゲル状食品が開示されている。そして、有機酸モノグリセリドの一種としてクエン酸モノグリセリドが記載されている。
しかし、特許文献5では、上記各乳化剤が記載されているものの、あくまで有機酸モノグリセリドとHLBが10以上のポリグリセリン脂肪酸エステルの種類が羅列されているのみであって、有機酸モノグリセリドの中でも特にクエン酸モノグリセリドを用いること、そしてクエン酸モノグリセリドと特定のポリグリセリン脂肪酸エステルを特定配合比で用いることによってタンパク質含有食品の製造工程中に生じる泡立ちを防止できることについて一切記載も示唆もされていない。更には、特許文献5は脂肪を含む原料と有機酸モノグリセリドを含有する第1の成分液と、脂肪を含まない原料とHLBが10以上のポリグリセリン脂肪酸エステルを含有する第2の成分液とを別途調製した後に混合してゲル状食品を調製することを特徴としており、タンパク質、脂肪分、乳化剤、ゲル化剤などの原料を一緒にまとめて混合するオールミックス法でタンパク質含有食品を調製すること、及びタンパク質含有食品の製造工程に生じる泡立ちといった課題についても一切記載も示唆もされていない。
特開平9−224620号公報 特開平6−245718号公報 特開2000−245410号公報 特開平9−28289号公報 特開2002−262787号公報
本発明はかかる事情に鑑みて開発されたものであり、食品、特には、乳、豆乳、卵などのタンパク質を含有する食品の製造、加工等の工程において生じる泡立ち現象を顕著に抑制することができると共に、水分散性が良好で取り扱いに優れた抑泡剤を提供することを目的とする。また、該抑泡剤を添加することを特徴とする、タンパク質含有食品の泡立ち抑制方法を提供し、更にはオールインミックス法を用いて調製した場合であっても、食感や舌触りが良好なタンパク質含有食品を製造することができるタンパク質含有食品の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、クエン酸モノグリセリドとHLB値が10〜16のポリグリセリン脂肪酸エステルを含有することにより、乳、豆乳、卵などのタンパク質を含有する食品の製造、加工等の工程において生じる泡立ち現象を顕著に抑制することができると共に、水分散性が良好で取り扱いに優れた抑泡剤となることを見出して本発明に至った。
本発明は、以下の態様を有する抑泡剤、及び該抑泡剤を含有することを特徴とする、タンパク質含有食品の泡立ち抑制方法、更には該抑泡剤を用いたタンパク質含有食品の製造方法に関する;
項1.クエン酸モノグリセリドとHLB値が10〜16のポリグリセリン脂肪酸エステルを含有することを特徴とする抑泡剤。
項2.クエン酸モノグリセリドとポリグリセリン脂肪酸エステルの配合比が50:1〜5:2である、項1記載の抑泡剤。
項3.ポリグリセリン脂肪酸エステルの構成脂肪酸がステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸から選ばれる1種以上である、項1又は2に記載の抑泡剤。
項4.項1〜3のいずれかに記載の抑泡剤を添加することを特徴とする、タンパク質含有食品の泡立ち抑制方法。
項5.項2又は3に記載の抑泡剤を添加することを特徴とする、泡立ちが抑制されたタンパク質含有食品の製造方法。
項6.項2又は3に記載の抑泡剤を添加することを特徴とするプリン。
本発明により、食品、特にタンパク質含有食品の製造、加工等の工程において生じる泡立ち現象を顕著に抑制することができると共に、水分散性が良好で取り扱いに優れた抑泡剤を提供することができる。また、該抑泡剤を用いることにより、食品の製造、加工等の工程において生じる泡立ち現象を顕著に抑制し、製造工程中の作業性を著しく向上させることができ、更には、食感や舌触りが良好なタンパク質含有食品を提供することができる。
本発明の抑泡剤は、クエン酸モノグリセリドとHLB値が10〜16のポリグリセリン脂肪酸エステルを含有することを特徴とする。ここで、ポリグリセリン脂肪酸エステルは、HLB値が10〜16、好ましくは12〜16、より好ましくは14〜16のものが使用される。ここで、HLB値が10より小さいと、水分散性と抑泡効果が不十分となり、一方で、HLB値が16より大きいと、泡立ちを促進させる場合がある。
なお、本発明で使用されるポリグリセリン脂肪酸エステルはHLB値が10〜16の範囲内であれば、重合度や構成脂肪酸などには特に限定されないが、特に優れた抑泡効果を示すことから、好ましくは、重合度6〜10のポリグリセリン脂肪酸エステルを用いることが好ましい。また、構成脂肪酸としては、好ましくは、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸から選ばれる1種以上、更に好ましくはステアリン酸を構成脂肪酸としたポリグリセリン脂肪酸エステルを用いることが好ましい。なお、このようなポリグリセリン脂肪酸エステルの例として、例えばHLB値16のデカグリセリンオレイン酸エステル、HLB値14のデカグリセリンステアリン酸エステル、HLB値16のデカグリセリンパルミチン酸エステル、HLB値15のデカグリセリンミリスチン酸エステルなどを好適な例として挙げることができる。
なお、本発明の抑泡剤は、クエン酸モノグリセリドとHLB値が10〜16のポリグリセリン脂肪酸エステルが50:1〜5:2、より好ましくは20:1〜5:2、更に好ましくは5:1〜3:1の配合比で含有されていることが好ましい。クエン酸モノグリセリドとHLB値が10〜16のポリグリセリン脂肪酸エステルを上記配合比で含有させることにより、特に、乳、豆乳、卵などのタンパク質を含有する食品の製造、加工等の工程において生じる泡立ち現象を顕著に抑制することができ、更にはオールインミックス法にてタンパク質含有食品を製造した場合であっても、泡立ち現象を顕著に抑制し、工程中の作業性を著しく向上させることができる抑泡剤となる。
そして、本発明に係る抑泡剤が対象とするタンパク質含有食品とは、牛乳、脱脂粉乳、全粉乳、濃縮乳、クリームなどの乳成分由来の乳由来タンパク質や、豆乳、大豆等の豆由来のタンパク質、卵、動物由来のタンパク質など各種タンパク質を含有する食品であれば特に限定されず、例えば、プリン、ヨーグルト、豆腐、ゼリー、アイスクリーム、ホイップクリーム、ソース、シチュー、ヨーグルト、前述したタンパク質を含有する飲料(牛乳、ミルクコーヒー、ミルクティー、豆乳飲料、ココア)、ハム、ソーセージなどが挙げられ、より好ましくはプリン、ヨーグルト、豆腐、更に好ましくはプリンが好適に挙げられる。
そして、本発明のタンパク質含有食品の泡立ち抑制方法は上記抑泡剤を添加することを特徴とし、タンパク質含有食品に本発明の抑泡剤を添加することにより、タンパク質を含有する食品の製造、加工等の工程において生じる泡立ち現象を顕著に抑制することができる。なお、食品のタンパク質の含有量は、特には限定されないが、本発明の抑泡剤は食品中にタンパク質成分を0.5〜5.0質量%、より好ましくは1.0〜3.0質量%含有するタンパク質含有食品に対する抑泡効果が高いことを特徴とする。このように、タンパク質含有食品中のタンパク質成分の含有量が高いと、特にオールインミックス法などの製法を用いて食品を製造する際に泡立ちが顕著に発生し、作業性の低下や最終食品の商品価値を下げてしまうなどといった問題が生じるが、本発明の抑泡剤を添加することにより、係るタンパク質含有食品に対しても、顕著に泡立ちを抑制することができる。
なお、タンパク質含有食品への本発明の抑泡剤の添加量は、原料や最終食品の種類によっても適宜調節することが可能であるが、抑泡剤におけるクエン酸モノグリセリド及びポリグリセリン脂肪酸エステルの添加量が、食品に対して、それぞれHLB値が10〜16のポリグリセリン脂肪酸エステルを0.0005〜0.05質量%、好ましくは0.001〜0.03質量%、更に好ましくは0.005〜0.02質量%、及びクエン酸モノグリセリドを0.01〜0.15質量%、好ましくは0.02〜0.1質量%、更に好ましくは0.03〜0.05質量%となるように添加することが好ましい。ここで、HLB値が10〜16のポリグリセリン脂肪酸エステルやクエン酸モノグリセリドの添加量が上記添加量より少ない場合は、食品によっては所望の効果が得られない場合があり、一方で上記添加量より多い場合は、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びクエン酸モノグリセリド自体の風味が食品に影響を及ぼし、食品の安定性を損なう場合がある。
なお、本発明の抑泡剤は、タンパク質含有食品のタンパク質に対し、HLB値が10〜16のポリグリセリン脂肪酸エステルを2.5×10−6〜0.025質量%、及びクエン酸モノグリセリドを5.0×10−5〜0.075質量%添加することにより、乳、豆乳、卵などのタンパク質を含有する食品の製造、加工等の工程において生じる発泡現象を顕著に抑制することができる。
そして、本発明の抑泡剤の添加方法としては、最終的にタンパク質含有食品中に本発明の抑泡剤が添加されていれば特に限定されず、各種添加方法をとることができる。なお、本発明の抑泡剤は固体状、粉末状、ペースト状、液状など、製造するタンパク質含有食品の製造方法に応じて任意の形態をとることができ、粉末状で添加する、あらかじめ水などの溶媒に溶解して添加する、あるいは泡の発生箇所に直接噴霧するなど各種状態で添加することが可能である。
そして、本発明の抑泡剤をタンパク質含有食品に添加することにより、食品の製造、加工等の工程において生じる泡立ち現象を顕著に抑制することができ、ひいては食感や舌触りが良好なタンパク質含有食品を製造することが可能となった。特には、オールインミックス法を用いたタンパク質含有食品の製造工程においては、泡立ちが顕著に起こり、作業性が悪化することや、最終食品の食感や舌触りに影響を与えてしまい、商品価値を著しく低下させてしまうといった問題があったが、本発明に係る抑泡剤を用いてタンパク質含有食品を製造することにより、上記問題を解決することが可能となった。更には、本発明の抑泡剤は従来の抑泡剤に比べ水分散性が良好であるため、顕著に作業の効率を上げることができる。更には、本発明の抑制剤を用いてタンパク質含有食品、特にはプリンなどのタンパク質含有食品を製造することにより、タンパク質の凝集も防止することができ、外観、食感に優れたタンパク質含有食品を提供することができる。
なお、本発明に係る泡立ちが抑制されたタンパク質含有食品の製造方法は、本発明の抑泡剤を添加する以外は従来の製造方法など各種製造方法をとることができる。例えば、プリンであれば、水、油脂に本発明の抑泡剤、糖類、乳、乳製品、卵、ゲル化剤などを適宜選択して添加、攪拌し、均質化した後に殺菌、冷却することにより製造することができる。
また、本発明の抑泡剤には、その効果を妨げない範囲において、各種成分を添加することができる。例えば増粘多糖類として、カラギナン(イオタ、ラムダ、カッパ)、ガラクトマンナン(グァーガム、ローカストビーンガム、タラガム等)、グルコマンナン、カシアガム、ネイティブ型ジェランガム、脱アシル型ジェランガム、タマリンドシードガム、サイリウムシードガム、ペクチン、ゼラチン、トラガントガム、カラヤガム、マクロホモプシスガム、アルギン酸類(アルギン酸、アルギン酸塩)、カードラン、プルラン、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、カルボキシルメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)等のセルロース誘導体、水溶性ヘミセルロース、アラビアガム、ガティガム等の食品に一般的に用いられている増粘多糖類を添加することができる。
また、乳化剤として、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ユッカ抽出物、サポニン、レシチン、ポリソルベート等を添加することができる。そして、その他、本発明の効果を妨げない範囲において、カゼインナトリウムや、有機酸及びその塩類、糖類、高甘味度甘味料、香料、色素等を添加することができる。
以下、本発明の内容を以下の実施例、比較例等を用いて具体的に説明するが、本発明は
これらに何ら限定されるものではない。また、特に記載のない限り「部」とは、「重量部
」を意味するものとする。文中「*」印のものは、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製、文中「※」印は三栄源エフ・エフ・アイ株式会社の登録商標であることを示す。
実施例1 抑泡試験(1)
表1、表2の処方に従って、プリンミックスの抑泡効果を試験した。詳細には、水とヤシ油を攪拌しながら、グラニュー糖、脱脂粉乳、ゲル化剤、抑泡剤の粉体混合物を添加し、80℃で10分間加熱攪拌して溶解させた。次に色素、香料を添加し水にて全量を補正後、ホモゲナイザーにて2段均質化を行い[第一段階 9.8×10Pa(100kgf/cm)、第二段階 4.7×10Pa(50kgf/cm)]、タンパク質含量2質量%のプリンミックスを調製した(実施例1〜5、比較例1〜4)。そして調製したプリンミックスはメスシリンダーに65℃で75ml充填し、栓をして20回上下に振ることによって、泡立ち度を評価した。なお、泡立ち度はプリンミックス界面からの泡の最大到達点を測定することにより評価した。結果を表1、表2に示す。
Figure 0005058564
注1)HLB値14、重合度10、構成脂肪酸ステアリン酸のポリグリセリン脂肪酸エステルを使用した。
Figure 0005058564
表1、表2より、抑泡剤としてHLB値が14のポリグリセリン脂肪酸エステル及びクエン酸モノグリセリドを添加してプリンミックスを調製することにより、顕著にプリンミックスの泡立ちを抑泡することができた(実施例1〜5)。また、更にはポリグリセリン脂肪酸エステル及びクエン酸モノグリセリドを併用した場合、クエン酸モノグリセリドとポリグリセリン脂肪酸エステルの配合比が50:1〜5:2の範囲内の抑制剤を用いることにより(実施例1〜4)、更に顕著に泡立ちを抑制することができた。一方、HLB値が14のポリグリセリン脂肪酸エステル、及びクエン酸モノグリセリドをそれぞれ単独で用いた場合は、攪拌や均質化処理、振とうにおける、プリンミックスの泡立ちを抑制することができず、また、同じ有機酸モノグリセリドであっても、クエン酸モノグリセリドの代わりにコハク酸モノグリセリドをポリグリセリン脂肪酸エステルと併用した場合は、それぞれ単独でコハク酸モノグリセリド及びポリグリセリン脂肪酸エステルを用いてプリンミックスを調製した場合に比べ泡立ちが促進されてしまった。
実施例6〜8 抑泡試験(2)
表3の処方に従って、タンパク質含有食品の抑泡効果を試験した。詳細には、水とヤシ油を攪拌しながら、グラニュー糖、脱脂粉乳、ゲル化剤、抑泡剤の粉体混合物を添加し、90℃で10分間加熱攪拌して溶解させた。水にて全量を補正後、ホモゲナイザーにて2段均質化を行い[第一段階 9.8×10Pa(100kgf/cm)、第二段階 4.7×10Pa(50kgf/cm)]、タンパク質含量2質量%のタンパク質含有食品を調製した(実施例6〜8)。そして調製したタンパク質含有食品はメスシリンダーに65℃で75ml充填し、栓をして20回上下に振ることによって、泡立ち度を評価したが、表4に示したとおり、HLB値が14〜16の各ポリグリセリン脂肪酸エステルとクエン酸モノグリセリドを併用することにより、顕著にタンパク質含有食品の泡立ちを抑制することができた。
Figure 0005058564
Figure 0005058564
実施例9 プリンの調製
表5の処方に従って、プリンを調製した。詳細には、水とヤシ油を攪拌しながら、グラニュー糖、脱脂粉乳、ゲル化剤、本発明の抑泡剤の粉体混合物を添加し、80℃で10分間加熱攪拌して溶解させた。次に色素、香料を添加し水にて全量を補正後、ホモゲナイザーにて2段均質化を行った[第一段階 9.8×10Pa(100kgf/cm)、第二段階 4.7×10Pa(50kgf/cm)]。そして調製した溶液は65℃にて容器に充填して室温にて冷却固化した。
Figure 0005058564
調製したプリンは、プリン中のタンパク質に対し、0.017質量%のクエン酸モノグリセリドと、0.00165質量%のポリグリセリン脂肪酸エステルを含有する。そして、調製されたプリン(実施例9)は、オールインミックス法を用いて製造したにも関わらず、製造工程中の泡立ちが顕著に抑制され、タンパク質の凝集もなく滑らかな食感のプリンとなった。更には、実施例9で使用した本発明の抑泡剤は水への分散性が、従来の抑泡剤に比べ良好であり、取り扱い容易な抑泡剤であった。
乳、豆乳、卵などのタンパク質を含有する食品の製造、加工等の工程において生じる泡立ち現象を顕著に抑制することができると共に、水分散性が良好で取り扱いに優れた抑泡剤を提供することができる。更にはオールインミックス法を用いて調製した場合であっても、食感や舌触りが良好なタンパク質含有食品を製造することができるタンパク質含有食品を提供できる。

Claims (6)

  1. クエン酸モノグリセリドとHLB値が10〜16のポリグリセリン脂肪酸エステルを含有することを特徴とするタンパク質含有食品用の抑泡剤。
  2. クエン酸モノグリセリドとポリグリセリン脂肪酸エステルの配合比が50:1〜5:2である、請求項1記載の抑泡剤。
  3. ポリグリセリン脂肪酸エステルの構成脂肪酸がステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸から選ばれる1種以上である、請求項1又は2に記載の抑泡剤。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の抑泡剤を添加することを特徴とする、タンパク質含有食品の泡立ち抑制方法。
  5. 請求項2又は3に記載の抑泡剤を添加することを特徴とする、泡立ちが抑制されたタンパク質含有食品の製造方法。
  6. 請求項2又は3に記載の抑泡剤を添加することを特徴とするプリン。

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