JP6804253B2 - 加熱調理用油脂組成物及びその製造方法、並びに加熱調理用油脂の加熱による劣化を抑制する方法 - Google Patents

加熱調理用油脂組成物及びその製造方法、並びに加熱調理用油脂の加熱による劣化を抑制する方法 Download PDF

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Description

本発明は、加熱調理用油脂組成物及びその製造方法、並びに加熱調理用油脂の加熱による劣化を抑制する方法に関する。
スーパー、飲食店、レストラン等で使用される業務用の加熱調理用油脂は、長時間にわたって大量のフライ調理品を高温で加熱調理するのに使用されることが多いため、劣化が早く進行し、フライ調理品の風味や外観にも悪影響を及ぼす。このため、短期間で廃棄・交換しなければならないが、経済面、環境面でも負担が大きいため、加熱調理用油脂の劣化抑制技術が必要とされている。
加熱調理用油脂の加熱による劣化の指標の一つとして、油脂の加水分解や酸化などによって生成した遊離脂肪酸量を間接的に示す「酸価」が挙げられ、例えば、下記特許文献1では、ナトリウム、カリウムから選ばれる1以上の成分を油脂中に0.1〜1μmol/g含有させることによって、加熱による油脂の酸価上昇を抑制する技術が開示されている。なお、加熱調理用油脂の加熱による劣化の指標としては、酸価以外に、色、重合物等があげられるが、酸価上昇を抑制されても着色や重合物の増加を抑えることができるわけではない。
一方、フライ、天ぷら、から揚げ等のフライ調理品は、炒め調理の調理対象物と比して、衣部分が油分を吸収しやすい性質を有するため、良好な風味を保持しつつ、さらに効率よく吸油量を低減することが望まれている。これに対して、下記特許文献2には、コハク酸モノオレイン酸グリセリン、クエン酸モノオレイン酸グリセリン、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ショ糖エルカ酸エステル、及び構成する脂肪酸の47質量%以上が多価不飽和脂肪酸である脂肪酸モノグリセリドから選択した乳化剤を配合した加熱調理用油脂組成物を使用することにより、調理対象物に残存する油分を低減できることが開示されている。
特許第4798310号公報 特開2015−119665号公報
上記特許文献1が課題としている酸価は、加熱調理用油脂の加熱による劣化の指標の一つとして有用ではあるが、加熱調理の現場で測定することは難しく、加熱調理用油脂の着色を、加熱による劣化の指標として使用することが多い。
これに対して、上記特許文献1に開示の技術は、加熱による油脂の着色の抑制が十分とは言えない。また、本発明者らが、上記特許文献2に開示の特定の乳化剤を配合した加熱調理用油脂組成物を検討したところ、加熱による油脂の着色に依然として改良の余地があることが分かった。
そこで、本発明は、加熱による着色を抑制することができる加熱調理用油脂組成物及びその製造方法、並びに加熱調理用油脂の加熱による劣化を抑制する方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決する本発明の要旨構成は、以下の通りである。
本発明の加熱調理用油脂組成物は、油脂と、脂肪酸モノグリセリドと、アルカリ金属とを含有し、
前記脂肪酸モノグリセリドの含有量が0.01〜1.0質量%であり、
前記アルカリ金属の含有量が0.1〜5.0質量ppmであることを特徴とする。
かかる本発明の加熱調理用油脂組成物は、加熱による着色を抑制することができる。
本発明の加熱調理用油脂組成物においては、前記脂肪酸モノグリセリドを構成する脂肪酸の60質量%以上が、炭素数18の不飽和脂肪酸であることが好ましい。
本発明の加熱調理用油脂組成物は、更に脂肪酸ジグリセリドを含有し、
前記脂肪酸モノグリセリドと、前記脂肪酸ジグリセリドと、の質量比が、1:1〜7:3であることも好ましい。
本発明の加熱調理用油脂組成物は、フライ用として、好ましい。
本発明の加熱調理用油脂組成物は、加熱着色が抑制できるフライ用として、好ましい。
本発明の加熱調理用油脂組成物の製造方法は、油脂の精製工程の後に、精製油脂に、脂肪酸モノグリセリドと、アルカリ金属を含有する成分を、加熱調理用油脂組成物中の、前記脂肪酸モノグリセリドの含有量が0.01〜1.0質量%、前記アルカリ金属の含有量が0.1〜5.0質量ppmとなるように添加する工程を含むことを特徴とする。
かかる本発明の加熱調理用油脂組成物の製造方法によれば、加熱による着色を抑制できる加熱調理用油脂組成物を製造することができる。
本発明の加熱調理用油脂組成物の製造方法においては、前記脂肪酸モノグリセリドを構成する脂肪酸の60質量%以上が、炭素数18の不飽和脂肪酸であることが好ましい。
本発明の加熱調理用油脂組成物の製造方法においては、前記精製油脂に、更に脂肪酸ジグリセリドを添加し、
前記脂肪酸モノグリセリドと、前記脂肪酸ジグリセリドと、の質量比が、1:1〜7:3であることも好ましい。
本発明の加熱調理用油脂組成物の製造方法においては、前記精製油脂に、前記脂肪酸モノグリセリドと前記アルカリ金属を含有する成分として、アルカリ金属を含む脂肪酸モノグリセリドを添加することも好ましい。
本発明の加熱調理用油脂の加熱による劣化を抑制する方法は、加熱調理用油脂に、脂肪酸モノグリセリドと、アルカリ金属を含有する成分を、該加熱調理用油脂中の、前記脂肪酸モノグリセリドの含有量が0.01〜1.0質量%、前記アルカリ金属の含有量が0.1〜5.0質量ppmとなるように添加することを含むことを特徴とする。
かかる本発明の加熱調理用油脂の加熱による劣化を抑制する方法によれば、加熱調理用油脂の加熱による着色を抑制できる。
本発明の加熱調理用油脂の加熱による劣化を抑制する方法においては、前記脂肪酸モノグリセリドを構成する脂肪酸の60質量%以上が、炭素数18の不飽和脂肪酸であることが好ましい。
本発明の加熱調理用油脂の加熱による劣化を抑制する方法においては、前記加熱調理用油脂に、更に脂肪酸ジグリセリドを添加し、
前記脂肪酸モノグリセリドと、前記脂肪酸ジグリセリドと、の質量比が、1:1〜7:3であることも好ましい。
本発明の加熱調理用油脂の加熱による劣化を抑制する方法においては、前記加熱調理用油脂に、前記脂肪酸モノグリセリドと前記アルカリ金属を含有する成分として、アルカリ金属を含む脂肪酸モノグリセリドを添加することも好ましい。
本発明によれば、加熱による着色を抑制することができる加熱調理用油脂組成物及びその製造方法を提供することができる。また、本発明によれば、加熱による着色を抑制することができる、加熱調理用油脂の加熱による劣化を抑制する方法を提供することができる。
本発明者らは、油脂に脂肪酸モノグリセリドとアルカリ金属とを含有させることによって、業務用のフライ調理用油脂のような高温且つ長時間の過酷な使用条件下においても、加熱による着色を抑制できることを見出した。この知見に基づき、本発明の加熱調理用油脂組成物及びその製造方法、並びに加熱調理用油脂の加熱による劣化を抑制する方法を完成するに至った。
以下に、本発明の加熱調理用油脂組成物及びその製造方法、並びに加熱調理用油脂の加熱による劣化を抑制する方法を、その実施形態に基づき、詳細に例示説明する。なお、本発明の実施の形態において、A(数値)〜B(数値)は、A以上B以下を意味する。
<加熱調理用油脂組成物>
(油脂)
本発明の加熱調理用油脂組成物は、通常の加熱調理用油脂を主成分として含む。通常の加熱調理用油脂は、一般に加熱調理用として使用される動植物油脂及びその水素添加油、分別油、エステル交換油などを単独あるいは組み合わせて用いることができる。動植物油脂としては、例えば、大豆油、なたね油、ハイオレイックなたね油、ひまわり油、ハイオレイックひまわり油、オリーブ油、サフラワー油、ハイオレイックサフラワー油、コーン油、綿実油、米油、ゴマ油、グレープシード油、落花生油、牛脂、乳脂、魚油、ヤシ油、パーム油、パーム核油などが挙げられる。室温で固形化するものは、使用時に加熱により溶解させる必要があるので、20℃で液状の態様のものが好ましい。原料油脂そのものが20℃で固体であっても、他の原料油脂と併用して用いることによって、油脂全体として液状であれば好適に使用できる。特に、融点の低い液状油でありながら、酸化安定性も良好であるという利点を有することから、なたね油、なたね油と大豆油との混合物などを好適に使用することができる。
本発明の加熱調理用油脂組成物において、上記通常の加熱調理用油脂は、脂肪酸モノグリセリド、アルカリ金属および必要に応じて添加される他の添加剤を除く残部を構成するのが好ましい。
(脂肪酸モノグリセリド)
本発明の加熱調理用油脂組成物は、脂肪酸モノグリセリドを含有する。本発明で用いる脂肪酸モノグリセリドは、通常、グリセリンと脂肪酸を加熱エステル化し、場合によっては分子蒸留等の精製を行うことにより得られる。脂肪酸モノグリセリドを構成する脂肪酸としては、炭素数8〜22の、飽和もしくは不飽和、直鎖もしくは分岐の脂肪酸、即ち、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトオレイン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸の他、分子中に水酸基を有するリシノール酸、12−ヒドロキシステアリン酸等が挙げられるが、より好ましくは、炭素数16〜18を主体にした脂肪酸である。また、これら脂肪酸の混合脂肪酸であってもよいし、パーム油、菜種油、サフラワー油、大豆油等由来の混合脂肪酸であってもよい。
前記脂肪酸モノグリセリドを構成する脂肪酸の60質量%以上は、炭素数18の不飽和脂肪酸であることが好ましい。脂肪酸モノグリセリドを構成する脂肪酸の60質量%以上が炭素数18の不飽和脂肪酸である場合、加熱調理用油脂組成物の着色の抑制効果が更に高くなる。ここで、炭素数18の不飽和脂肪酸としては、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸が挙げられ、オレイン酸がより好ましい。
前記脂肪酸モノグリセリドの合成においては、グリセリンと脂肪酸との反応により、脂肪酸ジグリセリドが生成することがあるが、本発明においては、精製により、脂肪酸モノグリセリドのみを使用してもよいが、脂肪酸モノグリセリドと脂肪酸ジグリセリドとの混合物のまま、加熱調理用油脂組成物に添加してもよい。また、精製された脂肪酸モノグリセリドと、精製された脂肪酸ジグリセリドとを、加熱調理用油脂組成物に別々に添加してもよい。
本発明の加熱調理用油脂組成物が、更に脂肪酸ジグリセリドを含有する場合、前記脂肪酸モノグリセリドと該脂肪酸ジグリセリドとの質量比(脂肪酸モノグリセリド:脂肪酸ジグリセリド)は、1:1〜7:3の範囲が好ましい。この範囲であれば、加熱調理用油脂組成物の着色の抑制効果が更に高くなる。
前記脂肪酸モノグリセリドは、アルカリ触媒の存在下、又は無触媒で、グリセリンと脂肪酸を加熱エステル化して、製造できる。ここで、アルカリ触媒としては、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム等が挙げられる。なお、脂肪酸モノグリセリドを、アルカリ触媒を用いて製造した場合、通常、アルカリ触媒由来のアルカリ金属が脂肪酸塩として残存している脂肪酸モノグリセリドが得られ、本発明の加熱調理用油脂組成物には、該アルカリ触媒由来のアルカリ金属が脂肪酸塩として残存している脂肪酸モノグリセリドを用いてもよい。本発明では、「アルカリ金属を含む脂肪酸モノグリセリド」の例として、当該アルカリ触媒由来のアルカリ金属が残存している脂肪酸モノグリセリドを挙げることができる。
グリセリンと脂肪酸とのエステル化反応では、脂肪酸をグリセリンに対して2〜5倍モル用いるのが好ましく、より好ましくは2.5〜4.5倍モルである。反応温度は反応速度と品質の観点から、好ましくは170〜260℃、より好ましくは180〜250℃、より一層好ましくは190〜230℃である。反応時間はエステル化進行度の観点から、好ましくは5〜15時間、より好ましくは6〜15時間である。使用する触媒量は全仕込み量に対して0.01〜0.5質量%が好ましく、0.05〜0.2質量%がより好ましい。反応時間は、凝固速度が適度に遅効化され、品質の良い脂肪酸モノグリセリドを製造できるとの理由から、2〜20時間が好ましく、より好ましくは3〜20時間である。反応圧力は、通常は常圧又は減圧で行うが、生成水の除去の観点から、減圧で行うのが好ましく、66.6kPa以下の圧力で行うことが更に好ましい。また、着色防止と生成水の除去の観点から、反応系内に窒素を流すことが好ましく、窒素流量としては10〜200mL/min・kgが好ましく、20〜100mL/min・kgがより好ましい。
得られた、反応物は、脂肪酸モノグリセリド、脂肪酸ジグリセリド、及び脂肪酸塩を含み、このまま用いることもできるが、蒸留して脂肪酸塩を含まない脂肪酸モノグリセリドを分離して用いることができる。蒸留は、短工程蒸留など公知の方法を用いることができる。なお、脂肪酸ジグリセリドも蒸留により分離することができる。
本発明の加熱調理用油脂組成物中の脂肪酸モノグリセリドの含有量は、0.01〜1.0質量%である。脂肪酸モノグリセリドの含有量が0.01〜1.0質量%であれば、アルカリ金属と組み合わせることにより、着色の抑制効果を発揮させることができる。なお、脂肪酸モノグリセリドの含有量は、着色抑制効果の観点から、0.01〜0.5質量%であるのが好ましく、0.01〜0.2質量%であるのがより好ましく、0.01〜0.15質量%であるのが最も好ましい。
(アルカリ金属)
本発明の加熱調理用油脂組成物は、アルカリ金属を含有する。アルカリ金属としては、特に限定されないが、ナトリウム及びカリウムからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。これらアルカリ金属は、アルカリ金属を含有する成分として添加することができる。アルカリ金属を含有する成分としては、例えば、前述のアルカリ触媒を用いて製造した、アルカリ金属を含む脂肪酸モノグリセリドや、他のアルカリ触媒を用いて製造した、アルカリ金属を含むポリグリセリン脂肪酸エステルやアルカリ金属を含むショ糖脂肪酸エステルなどを用いることができる。アルカリ金属を含む脂肪酸モノグリセリドを用いる場合、前述の脂肪酸モノグリセリド反応物中のアルカリ金属濃度は、10〜50000質量ppmであることが好ましい。より好ましくは、500〜2000質量ppmであり、より好ましくは600〜1000質量ppmである。これらのアルカリ金属濃度は、脂肪酸モノグリセリドの反応時の触媒量を調整してアルカリ金属濃度を調整する方法のほか、アルカリ金属を含まない脂肪酸モノグリセリドを適宜添加して、アルカリ金属濃度を調整することができる。本発明の加熱調理用油脂組成物では、脂肪酸モノグリセリドと、アルカリ金属を含む成分が、アルカリ金属を含む脂肪酸モノグリセリドとして含まれることが好ましい。
あるいは、アルカリ金属を含有する成分としては、食品添加物として使用可能な水溶性又は油溶性の塩、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩などを用いることができる。ナトリウム塩およびカリウム塩としては、特に限定されないが、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、リンゴ酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、L−アスコルビン酸ナトリウム、エリソルビン酸ナトリウム、L−グルタミン酸ナトリウム、コハク酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、カゼインナトリウム、DL−酒石酸ナトリウム、ステアロイル乳酸ナトリウム、脂肪酸ナトリウム、脂肪酸カリウムなどが挙げられる。より好ましくは、オレイン酸ナトリウムなどの脂肪酸ナトリウムである。
本発明の加熱調理用油脂組成物中のアルカリ金属の含有量は、0.1〜5.0質量ppmである。アルカリ金属の含有量が0.1〜5.0質量ppmであれば、上記脂肪酸モノグリセリドと組み合わせることにより、着色の抑制効果を発揮させることができる。なお、アルカリ金属の含有量は、0.1〜3.0質量ppmであるのが好ましく、0.1〜2.5質量ppmであるのがより好ましい。アルカリ金属の含有量は、上記アルカリ金属を含有する成分を加熱調理用油脂組成物に含有させた状態で、原子吸光光度法によって定量することができる。
(その他の成分)
本発明の加熱調理用油脂組成物中には、本発明の効果を損ねない程度に、その他の成分を加えることができる。これらの成分とは、例えば、一般的な油脂に用いられる成分(食品添加物など)である。これらの成分としては、例えば、酸化防止剤、脂肪酸モノグリセリド以外の他の乳化剤、シリコーンオイル、結晶調整剤、食感改良剤等が挙げられ、脱臭後から充填前に添加されることが好ましい。また、リン脂質等の加熱により着色を引き起こす成分は、着色しない範囲で添加することが好ましく、例えば、リン脂質は0.01質量%未満の添加量、あるいは含有量であることが好ましい。
酸化防止剤としては、例えば、トコフェロール類、アスコルビン酸類、フラボン誘導体、コウジ酸、没食子酸誘導体、カテキンおよびそのエステル、フキ酸、ゴシポール、セサモール、テルペン類等が挙げられる。脂肪酸モノグリセリド以外の他の乳化剤としては、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリソルベート、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレート、ジアシルグリセロール、ワックス類、ステロールエステル類、リン脂質等から適宜選択される。
シリコーンオイルとしては、食品用途で市販されているものを用いることができ、特に限定されないが、例えば、ジメチルポリシロキサン構造を持ち、動粘度が25℃で800〜5000mm/sのものが挙げられる。シリコーンオイルの動粘度は、特に800〜2000mm/s、さらに900〜1100mm/sであることが好ましい。ここで、「動粘度」とは、JIS K 2283(2000)に準拠して測定される値を指すものとする。シリコーンオイルは、シリコーンオイル以外に微粒子シリカを含んでいてもよい。
<加熱調理用油脂組成物の用途>
本発明の加熱調理用油脂組成物は、あらゆる加熱調理用途に用いることができるが、加熱による着色を抑制することができ、加熱による劣化を効果的に抑制できるため、フライ用であること、すなわち、フライ用油脂として使用することが好ましい。フライ用油脂は、他の加熱調理用途よりも高温且つ長時間の加熱や反復使用等の過酷な条件下で使用されることが多く、加熱調理用油脂組成物の加熱による劣化の抑制が特に必要とされるからである。
<加熱調理用油脂組成物の製造方法>
本発明の加熱調理用油脂組成物の製造方法に使用される油脂は、一般の油脂と同様、植物の種子若しくは果実、または動物性材料から搾油された粗油を出発原料として用い、順に、必要に応じて、脱ガム工程、脱酸工程、脱色工程を経て、さらに必要に応じて脱ろう工程を介した後、脱臭工程を経た精製により製造することができる。上記脱ガム工程、脱酸工程、および脱ろう工程は、採油される前の油糧原料に応じて変動し得る粗油の品質に応じて適宜選択される。
本発明の製造方法では、上記のような油脂の精製工程に加えて、精製油脂に、脂肪酸モノグリセリドと、アルカリ金属を含有する成分とを、加熱調理用油脂組成物中の、前記脂肪酸モノグリセリドの含有量が0.01〜1.0質量%、前記アルカリ金属の含有量が0.1〜5.0質量ppmとなるように添加する工程を含む。脂肪酸モノグリセリドは、精製工程後の油脂を加熱した後、添加、溶解することにより配合されることが好ましい。アルカリ金属を含有する成分は、上述するアルカリ金属を含む脂肪酸モノグリセリド、アルカリ金属を含むポリグリセリン脂肪酸エステルやアルカリ金属を含むショ糖脂肪酸エステルであってもよく、上述するアルカリ金属塩であってもよい。アルカリ金属塩の場合は、少量の溶媒(水や精製油脂)に溶解させてアルカリ金属塩溶液とし、必要に応じて脂肪酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、モノグリセリドなどの乳化剤と混合してから、大量の精製油脂に添加することもできる。「脂肪酸モノグリセリド」と「アルカリ金属を含有する成分」として、アルカリ金属を含む脂肪酸モノグリセリドを添加してもよい。
前記脂肪酸モノグリセリドを構成する脂肪酸の60質量%以上は、炭素数18の不飽和脂肪酸であることが好ましい。脂肪酸モノグリセリドを構成する脂肪酸の60質量%以上が炭素数18の不飽和脂肪酸である場合、加熱調理用油脂組成物の着色の抑制効果が更に高くなる。ここで、炭素数18の不飽和脂肪酸は、上述の通りである。
上述のように、脂肪酸モノグリセリドの合成においては、グリセリンと脂肪酸との反応により、脂肪酸ジグリセリドが生成することがあるが、本発明においては、精製して得た脂肪酸モノグリセリドのみを精製油脂に添加してもよいが、脂肪酸モノグリセリドと脂肪酸ジグリセリドとの混合物のまま、精製油脂に添加してもよい。また、精製された脂肪酸モノグリセリドと、精製された脂肪酸ジグリセリドとを、精製油脂に別々に添加してもよい。
精製油脂に、更に脂肪酸ジグリセリドを添加する場合、前記脂肪酸モノグリセリドと該脂肪酸ジグリセリドとの質量比(脂肪酸モノグリセリド:脂肪酸ジグリセリド)は、1:1〜7:3の範囲が好ましい。この範囲であれば、加熱調理用油脂組成物の着色の抑制効果が更に高くなる。
脂肪酸モノグリセリドと、アルカリ金属を含有する成分とを添加後、撹拌などにより脂肪酸モノグリセリド及びアルカリ金属を油脂中に均一に溶解又は分散させた後に、必要に応じて脱水処理を行う。なお、脱水は約70〜105℃で減圧にて行うことが好ましい。また、乳化剤と混合して、精製油脂に添加する場合は、乳化剤との混合・脱水後に精製油脂に添加してもよい。
本発明の製造方法は、必要に応じて、他の添加剤を添加する工程も含んでいてもよい。他の添加剤の添加工程は、油脂の精製工程後であるのが望ましく、その添加時の油脂温度等の条件は、添加剤の種類、目的によって適宜変更されるのが望ましい。
<加熱調理用油脂の加熱による劣化を抑制する方法>
本発明の加熱調理用油脂の加熱による劣化を抑制する方法は、加熱調理用油脂に、脂肪酸モノグリセリドと、アルカリ金属を含有する成分を、該加熱調理用油脂中の、前記脂肪酸モノグリセリドの含有量が0.01〜1.0質量%、前記アルカリ金属の含有量が0.1〜5.0質量ppmとなるように添加することを含む。加熱調理用油脂としては、上述した通常の加熱調理用油脂を使用することができる。脂肪酸モノグリセリド、アルカリ金属を含有する成分、およびアルカリ金属は、それぞれ上述する通りである。
加熱調理用油脂に、脂肪酸モノグリセリドとアルカリ金属を含有する成分を添加する手法としては、本発明の加熱調理用油脂組成物の製造方法において、脂肪酸モノグリセリドと、アルカリ金属を含有する成分を添加する工程について上述する手法を使用することができる。脂肪酸モノグリセリドとアルカリ金属を含有する成分が添加される加熱調理用油脂は、上述する精製油脂でも、他の添加剤を含有する油脂でも、脂肪酸モノグリセリドとアルカリ金属を予め含む油脂でもよく、未使用のものでも、調理に使用したものでもよい。また、「脂肪酸モノグリセリド」及び「アルカリ金属を含有する成分」として、アルカリ金属を含む脂肪酸モノグリセリドを添加してもよい。
前記脂肪酸モノグリセリドを構成する脂肪酸の60質量%以上は、炭素数18の不飽和脂肪酸であることが好ましい。脂肪酸モノグリセリドを構成する脂肪酸の60質量%以上が炭素数18の不飽和脂肪酸である場合、加熱調理用油脂の着色の抑制効果が更に高くなる。ここで、炭素数18の不飽和脂肪酸は、上述する通りである。
また、上述のように、脂肪酸モノグリセリドの合成においては、グリセリンと脂肪酸との反応により、脂肪酸ジグリセリドが生成することがあるが、本発明においては、精製して得た脂肪酸モノグリセリドのみを加熱調理用油脂に添加してもよいが、脂肪酸モノグリセリドと脂肪酸ジグリセリドとの混合物のまま、加熱調理用油脂に添加してもよい。また、精製された脂肪酸モノグリセリドと、精製された脂肪酸ジグリセリドとを、加熱調理用油脂に別々に添加してもよい。
加熱調理用油脂に、更に脂肪酸ジグリセリドを添加する場合、前記脂肪酸モノグリセリドと該脂肪酸ジグリセリドとの質量比(脂肪酸モノグリセリド:脂肪酸ジグリセリド)は、1:1〜7:3の範囲が好ましい。この範囲であれば、加熱調理用油脂の加熱による劣化を抑制する効果が更に高くなる。
以下、本発明について、実施例に基づき具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
<脂肪酸モノグリセリド組成物の調製>
脂肪酸(オレイン酸78質量%、ステアリン酸2質量%、リノール酸11.3質量%、パルミチン酸2.3質量%)と、グリセリンとを、(1)無触媒、或いは、(2)水酸化ナトリウム又は(3)水酸化カリウムの存在下で反応させて、表1に示す組成の脂肪酸モノグリセリド組成物1〜3を得た。
なお、組成物中の脂肪酸モノグリセリド含有量、脂肪酸ジグリセリド含有量、グリセリン含有量は、ガスクロマトグラフで測定した。また、アルカリ金属(ナトリウム、カリウム)含有量は、原子吸光光度計(株式会社日立ハイテクノロジーズ製Z2310)によって、測定した。
Figure 0006804253
<金属含有PGPRの調製>
リシノレイン酸を縮合させて、縮合リシノレイン酸を得た。得られた縮合リシノレイン酸と、ヘキサグリセリンとを、水酸化ナトリウムの存在下で反応させて、Na含有量が970質量ppmで、縮合リシノレイン酸ヘキサグリセリン(PGPR)を70質量%含むPGPR組成物1を得た。
また、上記のようにして得られた縮合リシノレイン酸と、ヘキサグリセリンとを、水酸化カリウムの存在下で反応させて、K含有量が920質量ppmで、縮合リシノレイン酸ヘキサグリセリン(PGPR)を70質量%含むPGPR組成物2を得た。
なお、組成物中のPGPR含有量は、ガスクロマトグラフで測定し、アルカリ金属(ナトリウム、カリウム)含有量は、原子吸光光度計(株式会社日立ハイテクノロジーズ製Z2310)によって、測定した。
<試験油の調製>
油脂として日清キャノーラ油(日清オイリオグループ(株)製)を使用し、該油脂に、上記のようにして得た脂肪酸モノグリセリド組成物1〜3、又はPGPR組成物1〜2を添加し、均一になるまで混合して、試験油(油脂組成物)を調製した。得られた試験油に対して、下記の方法でフライ試験を行った後、色値(Y+10R)を評価した。
また、比較のため、油脂単体に対しても、フライ試験を行った後、色値(Y+10R)を評価した(比較例1)。結果を表2に示す。
<フライ試験>
フライヤーに4Lの試験油(油脂組成物)を入れ、以下の手順で、イモ天(0〜16時間)、コロッケ(17〜32時間)、から揚げ(33〜80時間)を揚げた。
(イモ天)
1時間ごとに、サツマイモを1cmの厚さにスライスした8枚を、日清おいしい天ぷら粉(日清フーズ株式会社製):水=1:1.5のバッターをつけ、3.5分揚げた(180℃)。
(コロッケ)
1時間ごとに、ニチレイ衣がサクサクのコロッケ(野菜)(株式会社ニチレイフーズ製)70gを4個、4分揚げた(180℃)
(から揚げ)
1時間ごとに、鳥モモ肉約35gを6個、から揚げの素No.1(日本食研株式会社):水=1:1のバッターをつけ、4分揚げた。
<色値(Y+10R)の評価>
フライ試験後(80時間)の試験油に対し、ロビボンド比色計(The Tintometer Limited社製Lovibond PFX995)で、セル長が1/2インチ(12.7mm)のセルを使用して、黄の色度(Y)、赤の色度(R)を測定し、見た目の着色度合いを反映する指標として、色値(Y+10R)を算出して評価した。色値(Y+10R)の数値が小さい程、見た目の着色度合いが薄く、着色が抑制されていることを意味する。
また、確認のため、フライ試験前(0時間)の試験油の着色度合いも評価した。
Figure 0006804253
実施例1〜4の試験油では、油脂のみからなる比較例1の試験油と比べて、着色を大幅に抑制することができた。
一方、脂肪酸モノグリセリドを含むものの、アルカリ金属を含まない比較例2の試験油は、油脂のみからなる比較例1の試験油に比べて、着色の抑制が僅かであった。
また、アルカリ金属を、縮合リシノレイン酸ヘキサグリセリン(PGPR)のアルカリ金属塩として含むものの、脂肪酸モノグリセリドを含まない比較例3及び4の試験油も、油脂のみからなる比較例1と比べて、着色の抑制が僅かであった。
本発明の加熱調理用油脂組成物は、食品製造の分野において、特にフライ調理品の製造に使用するフライ用油脂として利用することが可能である。また、その他の加熱調理用油脂を要する全ての食品の製造においても利用可能である。

Claims (13)

  1. 油脂と、脂肪酸モノグリセリドと、アルカリ金属と、脂肪酸ジグリセリドと、を含有し、
    前記脂肪酸モノグリセリドの含有量が0.01〜1.0質量%であり、
    前記脂肪酸モノグリセリドと、前記脂肪酸ジグリセリドと、の質量比が、1:1〜7:3であり、
    前記アルカリ金属の含有量が0.1〜5.0質量ppmであることを特徴とする、加熱調理用油脂組成物。
  2. 前記脂肪酸モノグリセリドを構成する脂肪酸の60質量%以上が、炭素数18の不飽和脂肪酸である、請求項1に記載の加熱調理用油脂組成物。
  3. 前記加熱調理用油脂組成物が、フライ用である、請求項1又は2に記載の加熱調理用油脂組成物。
  4. 前記加熱調理用油脂組成物が、加熱着色が抑制できるフライ用である、請求項1〜のいずれか一項に記載の加熱調理用油脂組成物。
  5. 油脂の精製工程の後に、精製油脂に、脂肪酸モノグリセリドと、アルカリ金属を含有する成分を、加熱調理用油脂組成物中の、前記脂肪酸モノグリセリドの含有量が0.01〜1.0質量%、前記アルカリ金属の含有量が0.1〜5.0質量ppmとなるように添加する工程を含むことを特徴とする、加熱調理用油脂組成物の製造方法。
  6. 前記脂肪酸モノグリセリドを構成する脂肪酸の60質量%以上が、炭素数18の不飽和脂肪酸である、請求項に記載の加熱調理用油脂組成物の製造方法。
  7. 前記精製油脂に、更に脂肪酸ジグリセリドを添加し、
    前記脂肪酸モノグリセリドと、前記脂肪酸ジグリセリドと、の質量比が、1:1〜7:3である、請求項又はに記載の加熱調理用油脂組成物の製造方法。
  8. 前記精製油脂に、前記脂肪酸モノグリセリドと前記アルカリ金属を含有する成分として、アルカリ金属を含む脂肪酸モノグリセリドを添加する、請求項のいずれか一項に記載の加熱調理用油脂組成物の製造方法。
  9. 加熱調理用油脂に、脂肪酸モノグリセリドと、アルカリ金属を含有する成分を、該加熱調理用油脂中の、前記脂肪酸モノグリセリドの含有量が0.01〜1.0質量%、前記アルカリ金属の含有量が0.1〜5.0質量ppmとなるように添加することを含み、前記加熱調理用油脂中の油脂が動植物油脂である、加熱調理用油脂の加熱による着色を抑制する方法。
  10. 前記脂肪酸モノグリセリドを構成する脂肪酸の60質量%以上が、炭素数18の不飽和脂肪酸である、請求項に記載の加熱調理用油脂の加熱による着色を抑制する方法。
  11. 加熱調理用油脂に、脂肪酸モノグリセリドと、アルカリ金属を含有する成分を、該加熱調理用油脂中の、前記脂肪酸モノグリセリドの含有量が0.01〜1.0質量%、前記アルカリ金属の含有量が0.1〜5.0質量ppmとなるように添加することを含み、前記脂肪酸モノグリセリドを構成する脂肪酸の60質量%以上が、炭素数18の不飽和脂肪酸である、加熱調理用油脂の加熱による着色を抑制する方法。
  12. 前記加熱調理用油脂に、更に脂肪酸ジグリセリドを添加し、
    前記脂肪酸モノグリセリドと、前記脂肪酸ジグリセリドと、の質量比が、1:1〜7:3である、請求項9〜11のいずれか一項に記載の加熱調理用油脂の加熱による着色を抑制する方法。
  13. 前記加熱調理用油脂に、前記脂肪酸モノグリセリドと前記アルカリ金属を含有する成分として、アルカリ金属を含む脂肪酸モノグリセリドを添加する、請求項〜12のいずれか一項に記載の加熱調理用油脂の加熱による着色を抑制する方法。
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