JP6682143B2 - 食感改良油脂組成物とその製造方法、及び加熱調理用品の食感を改良させる方法 - Google Patents

食感改良油脂組成物とその製造方法、及び加熱調理用品の食感を改良させる方法 Download PDF

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Description

本発明は、食感改良油脂組成物とその製造方法、及び加熱調理用品の食感を改良させる方法に関する。
一般にフライ、天ぷら、から揚げ等の油ちょう調理(フライ調理)品は、魚、肉、野菜等に、小麦粉を主成分とするバッターを付着させ180℃前後の油で揚げる。得られたフライ調理品は、外観、風味、食感などが優れたものが求められる。特に、フライ調理品のサクサク感、カラッと揚げた食感等は、油脂の選択やフライ時間、フライ温度、フライ操作などの条件を適宜選択するなどの熟練が必要であった。これらのフライ調理における課題を解決するために、特許文献1には乳化剤を配合した油脂を用いることが提案されている(特許文献1)。
一方、特許文献2には、グリセリンやジグリセリンのモノエステルを0.2〜20重量%配合し、フライ調理の操作性を改善することが提案されている。
しかし、親水性の高いポリグリセリン脂肪酸エステルは、油脂に溶解しにくく、特に油脂中の含水量が多くなると分離するという問題があった。一般に、乳化剤を含む油脂は、外気あるいはプラスチック容器を通して、水分を吸収しやすく、また、フライ時には、揚げダネから油脂へ水分が供給されるので、乳化剤を含む油脂(水分量100〜300ppm程度)は、保存後あるいはフライ後に1000〜2500ppmの水分量となることがある。
特開平7−16052号公報 特開2000−290681号公報
本発明の課題は、フライ後の調理品のサクサク感を付与するとともに、組成物中のジグリセリンのモノエステルが分離しないような食感改良油脂組成物とその製造方法、及び加熱調理用品の食感を改良させる方法を提供することである。
本発明は、上記課題を達成するために、下記の[1]〜[8]を提供する。上記課題を解決する本発明の要旨構成は、以下の通りである。
[1] 脂肪酸グリセリドと、ジグリセリンモノ脂肪酸エステルを含有し、前記脂肪酸グリセリドの全組成物中のグリセリド成分組成が、トリグリセリド91.82〜99.85質量%、ジグリセリド0.05〜7.00質量%、モノグリセリド0.05〜1.00質量%であり、前記ジグリセリンモノ脂肪酸エステルの全組成物中の含有量が0.05〜0.18質量%である、食感改良油脂組成物。
[2] 前記ジグリセリンモノ脂肪酸エステルを構成する脂肪酸が、炭素数8〜22の脂肪酸である、 [1]の食感改良油脂組成物。
[3] 前記脂肪酸グリセリドを構成する脂肪酸が、植物油由来である、[1]又は[2]の食感改良油脂組成物。
[4] 前記食感改良油脂組成物が、フライ用である、[1]〜[3]の食感改良油脂組成物。
[5] 脂肪酸グリセリドに、ジグリセリンモノ脂肪酸エステルを全組成物中に0.05〜0.18質量%となるように添加する工程を含み、前記脂肪酸グリセリドの全組成物中のグリセリド成分組成が、トリグリセリド91.82〜99.85質量%、ジグリセリド0.05〜7.00質量%、モノグリセリド0.05〜1.00質量%である、食感改良油脂組成物の製造方法。
[6] 前記脂肪酸グリセリドが、複数の植物由来油脂を混合する工程を経たものである、 [5]の食感改良油脂組成物の製造方法。
[7] 前記脂肪酸グリセリドが、植物由来油脂に、ジグリセリド、および/又はモノグリセリドを添加したものである、[5]又は[6]の食感改良油脂組成物の製造方法。
[8] 脂肪酸グリセリドに、ジグリセリンモノ脂肪酸エステルを全組成物中に0.05〜0.18質量%となるように添加した食感改良油脂組成物で加熱調理し、前記脂肪酸グリセリドの全組成物中のグリセリド成分組成が、トリグリセリド91.82〜99.85質量%、ジグリセリド0.05〜7.00質量%、モノグリセリド0.05〜1.00質量%である、加熱調理用品の食感を改良させる方法。
本発明によれば、フライ後の調理品のサクサク感を付与するとともに、組成物中のジグリセリンのモノエステルが分離しないような食感改良油脂組成物とその製造方法を提供することができる。また、本発明によれば、加熱調理用品の食感を改良させる方法を提供することができる。
本発明者らは、特定の脂肪酸グリセリド組成とジグリセリンモノ脂肪酸エステルを含有することによって、フライ後の調理品のサクサク感を付与するとともに、組成物中のジグリセリンのモノエステルが分離を抑制できることを見出した。この知見に基づき、食感改良油脂組成物とその製造方法、及び加熱調理用品の食感を改良させる方法を完成するに至った。
以下に、本発明の食感改良油脂組成物とその製造方法、及び加熱調理用品の食感を改良させる方法を、その実施形態に基づき、詳細に例示説明する。なお、本発明の実施の形態において、A(数値)〜B(数値)は、A以上B以下を意味する。
<食感改良油脂組成物>
本発明の食感改良油脂組成物は、脂肪酸グリセリドと、ジグリセリンモノ脂肪酸エステルを含有し、前記脂肪酸グリセリドの全組成物中のグリセリド成分組成が、トリグリセリド91.82〜99.85質量%、ジグリセリド0.05〜7.00質量%、モノグリセリド0.05〜1.00質量%であり、前記ジグリセリンモノ脂肪酸エステルの全組成物中の含有量が0.05〜0.18質量%である。
(脂肪酸グリセリド)
本発明の食感改良油脂組成物は、脂肪酸グリセリドを含む。脂肪酸グリセリドとしては、トリグリセリドを主成分とした油脂を用い、必要に応じてモノグリセリド、及び/又はジグリセリドを混合して用いる。脂肪酸グリセリドの全組成物中のグリセリド成分組成は、トリグリセリド91.82〜99.85質量%、ジグリセリド0.05〜7.00質量%、モノグリセリド0.05〜1.00質量%である。全組成物中のトリグリセリド成分は、95.82〜99.85質量%が好ましく、98.62〜99.85質量%がより好ましく、99.45〜99.74質量%がさらに好ましい。全組成物中のジグリセリド成分は、0.05〜3.50質量%が好ましく、0.05〜1.00質量%がより好ましく、0.08〜0.22質量%がさらに好ましい。全組成物中のモノグリセリド成分は、0.05〜0.50質量%が好ましく、0.05〜0.20質量%がより好ましく、0.08〜0.15質量%がさらに好ましい。
トリグリセリドを主成分とした油脂としては、動植物油脂及びその水素添加油、分別油、エステル交換油などのほか、グリセリンと脂肪酸から合成した油脂を単独あるいは組み合わせて用いることができる。動植物油脂としては、例えば、大豆油、なたね油、ハイオレイックなたね油、ひまわり油、ハイオレイックひまわり油、オリーブ油、サフラワー油、ハイオレイックサフラワー油、コーン油、綿実油、米油、ゴマ油、グレープシード油、落花生油、牛脂、乳脂、魚油、ヤシ油、パーム油、パーム核油などが挙げられる。室温で固形化するものは、使用時に加熱により溶解させる必要があるので、20℃で液状の態様のものが好ましい。原料油脂そのものが20℃で固体であっても、他の原料油脂と併用して用いることによって、油脂全体として液状であれば好適に使用できる。特に、融点の低い液状油でありながら、酸化安定性も良好であるという利点を有することから、なたね油、なたね油と大豆油との混合物などを好適に使用することができる。また、これらの油脂は、リパーゼ等による加水分解を受けるとジグリセリド、モノグリセリドが発生するので、加水分解を受けた油脂を用いることがより好ましい。なお、米油、パーム油等やパームオレイン等の分別油の精製油は、ジグリセリドが多い点で好ましい。
モノグリセリドは、油脂の精製工程(脱臭工程)にて、除去される成分であり、必要に応じて、添加することが好ましい。添加されるモノグリセリドとしては、グリセリンと脂肪酸から合成されたモノグリセリドを用いることができる。モノグリセリドの合成反応は、アルカリ触媒の存在下、又は無触媒で、グリセリンと脂肪酸を加熱エステル化して、製造できる。ここで、アルカリ触媒としては、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム等が挙げられる。なお、モノグリセリドを、アルカリ触媒を用いて製造した場合、通常、アルカリ触媒由来のアルカリ金属が脂肪酸塩として残存しているモノグリセリドが得られ、精製度の低いものはアルカリ金属が残存しているが、本発明においては、アルカリ金属(脂肪酸塩)を含むものでも除去したものでも用いることができる。
また、モノグリセリドの合成において、ジグリセリドが副生し、蒸留によりモノグリセリドの純度を高めることも行われるが、本発明においては、モノグリセリドの純度を高めた製品を用いることもできるが、ジグリセリドを含む未精製/あるいは精製度の低い製品を用いることもできる。
ジグリセリドは、ジグリセリドを含む油脂を用いることができるが、ジグリセリドを含む油脂とほとんど含まない油脂を混合してジグリセリド量を調整することができる。あるいは、モノグリセリドと同様に合成されたジグリセリドを添加して調整してもよい。好ましくは、ジグリセリドを含む精製度の低いモノグリセリドを添加して、モノグリセリド量とジグリセリド量を調整することができる。
モノグリセリド、及び/又はジグリセリドを構成する脂肪酸は、炭素数8〜22の脂肪酸であることが好ましく、それらの混合脂肪酸でもよい。総炭素数8〜22の不飽和脂肪酸が60質量%以上であることが、溶解性の点からより好ましく、不飽和脂肪酸が70質量%以上であることがさらに好ましい。不飽和脂肪酸としては、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸から選ばれる1種以上であることが好ましく、オレイン酸、及び/又はリノール酸が構成脂肪酸の50質量%以上であることが好ましい。
(ジグリセリンモノ脂肪酸エステル)
本発明の食感改良油脂組成物は、ジグリセリンモノ脂肪酸エステルを全組成物中に0.05〜0.18質量%含む。全組成物中のジグリセリンモノ脂肪酸エステル量は、0.08〜0.18質量%が好ましく、0.10〜0.18質量%がより好ましく、0.12〜0.18質量%がさらに好ましい。
ジグリセリンモノ脂肪酸エステルは、ジグリセリンと脂肪酸をアルカリ触媒存在下で合成される。本発明では、反応後の未精製品を用いることもできるが、反応後に蒸留等により、純度を高めたジグリセリンモノ脂肪酸エステルを用いることが好ましい。
ジグリセリンモノ脂肪酸エステルを構成する脂肪酸は、炭素数8〜22の脂肪酸であることが好ましく、それらの混合脂肪酸でもよい。炭素数8〜22の不飽和脂肪酸が60質量%以上であることが、溶解性の点からより好ましく、不飽和脂肪酸が70質量%以上であることがさらに好ましい。不飽和脂肪酸としては、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸から選ばれる1種以上であることが好ましく、オレイン酸、及び/又はリノール酸が構成脂肪酸の50質量%以上であることが好ましい。
(その他の成分)
本発明の加熱調理用油脂組成物中には、本発明の効果を損ねない程度に、その他の成分を加えることができる。これらの成分とは、例えば、一般的な油脂に用いられる成分(食品添加物など)である。これらの成分としては、例えば、酸化防止剤、ジグリセリンモノ脂肪酸エステル以外の他の乳化剤、シリコーンオイル、結晶調整剤、食感改良剤等が挙げられ、脱臭後から充填前に添加されることが好ましい。また、リン脂質等の加熱により着色を引き起こす成分は、着色しない範囲で添加することが好ましく、例えば、リン脂質は0.01質量%未満の添加量、あるいは含有量であることが好ましい。
酸化防止剤としては、例えば、トコフェロール類、アスコルビン酸類、フラボン誘導体、コウジ酸、没食子酸誘導体、カテキンおよびそのエステル、フキ酸、ゴシポール、セサモール、テルペン類等が挙げられる。ジグリセリンモノ脂肪酸エステル以外の他の乳化剤としては、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリソルベート、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリド、ワックス類、ステロールエステル類、リン脂質等から適宜選択される。
シリコーンオイルとしては、食品用途で市販されているものを用いることができ、特に限定されないが、例えば、ジメチルポリシロキサン構造を持ち、動粘度が25℃で800〜5000mm/sのものが挙げられる。シリコーンオイルの動粘度は、特に800〜2000mm/s、さらに900〜1100mm/sであることが好ましい。ここで、「動粘度」とは、JIS K 2283(2000)に準拠して測定される値を指すものとする。シリコーンオイルは、シリコーンオイル以外に微粒子シリカを含んでいてもよい。
<食感改良油脂組成物の用途>
本発明の食感改良油脂組成物は、あらゆる加熱調理用途に用いることができるが、フライ後の調理品のサクサク感を付与できるとともに、保存時あるいはフライによる油脂組成物中の水分上昇によるジグリセリンモノエステルの分離を抑制できるため、フライ用であること、すなわち、フライ用油脂として使用することが好ましい。
<食感改良油脂組成物の製造方法>
本発明の食感改良油脂組成物の製造方法は、脂肪酸グリセリドに、ジグリセリンモノ脂肪酸エステルを全組成物中に0.05〜0.18質量%となるように添加する工程を含み、前記脂肪酸グリセリドの全組成物中のグリセリド成分組成が、トリグリセリド91.82〜99.85質量%、ジグリセリド0.05〜7.00質量%、モノグリセリド0.05〜1.00質量%である。
本発明の食感改良油脂組成物の製造方法に使用される脂肪酸グリセリドは、前述の(脂肪酸グリセリド)で述べたとおりである。なお、トリグリセリドを主体とした油脂は、植物の種子若しくは果実、または動物性材料から搾油された粗油を出発原料として用い、順に、必要に応じて、脱ガム工程、脱酸工程、脱色工程を経て、さらに必要に応じて脱ろう工程を介した後、脱臭工程を経た精製により製造することができる。上記脱ガム工程、脱酸工程、および脱ろう工程は、採油される前の油糧原料に応じて変動し得る粗油の品質に応じて適宜選択される。
本発明の製造方法では、トリグリセリドを主成分とした油脂にジグリセリド及び/又はモノグリセリドを添加することが好ましい。
本発明の製造方法では、さらに、ジグリセリンモノ脂肪酸エステルを全組成物中に0.05〜0.18質量%となるように添加する。ジグリセリンモノ脂肪酸エステルの添加量および組成は、前述の(ジグリセリンモノ脂肪酸エステル)で述べたとおりである。添加方法については、単独あるいはモノグリセリド、ジグリセリド等と共に、トリグリセリドを主体とした油脂で数倍に希釈した後に、トリグリセリドを主体とした油脂に添加することが好ましい。なお、添加は、10〜80℃で行うことが好ましい。
本発明の製造方法は、必要に応じて、他の添加剤を添加する工程も含んでいてもよい。他の添加剤の添加工程は、油脂の精製工程後であるのが望ましく、その添加時の油脂温度等の条件は、添加剤の種類、目的によって適宜変更されるのが望ましい。
<加熱調理用品の食感を改良させる方法>
本発明の加熱調理用品の食感を改良させる方法は、脂肪酸グリセリドに、ジグリセリンモノ脂肪酸エステルを全組成物中に0.05〜0.18質量%となるように添加した食感改良油脂組成物で加熱調理し、前記脂肪酸グリセリドの全組成物中のグリセリド成分組成が、トリグリセリド91.82〜99.85質量%、ジグリセリド0.05〜7.00質量%、モノグリセリド0.05〜1.00質量%である。
脂肪酸グリセリド、ジグリセリンモノ脂肪酸エステルの詳細は、前述の(脂肪酸グリセリド)、(ジグリセリンモノ脂肪酸エステル)で述べたとおりである。加熱調理はフライ調理であることが好ましい。なお、ジグリセリンモノ脂肪酸エステルの添加は、フライ調理に使用する前に添加するだけでなく、フライ調理後に不足分を補うように添加してもよい。継続的にフライ調理を行う場合、減少したジグリセリンモノ脂肪酸エステルを補うことができ、加熱調理品の食感を維持することができる。
以下、本発明について、実施例に基づき具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
<食感改良油脂組成物の調製>
油脂としてキャノーラ油、パームオレインを使用し、該油脂に、植物油由来の不飽和脂肪酸が70質量%以上の乳化剤を添加し、均一になるまで混合して、試験油(油脂組成物)を調製した。得られた試験油に対して、下記の方法で、保存試験、フライ試験を行い、結果を表1,2に示した。
<保存試験>
試験油(油脂組成物)200gを500mlのビーカーに入れ、恒温恒湿槽(40℃、相対湿度80%)で6週間保管し、3週間後と6週間後の状態を以下のとおり評価した。
(状態の評価基準)
○:沈殿がみられない。
△:かすかなオリ、もしくはわずかな濁りが認められる。
×:沈殿がみられる。
<フライ試験>
フライヤーに4Lの試験油(油脂組成物)を入れ、1時間ごとに、サツマイモを1cmの厚さにスライスした8枚を、日清おいしい天ぷら粉(日清フーズ株式会社製):水=1:1.5のバッターをつけ、3.5分揚げた(180℃)。5名の専門パネラーが調理品の食感を評価した。評価の平均を表1及び2に示した。
(食感の評価基準)
5点:サクサク感をしっかり感じる。
4点:サクサク感を感じる。
3点:ややサクサク感を感じる。
2点:わずかにサクサク感を感じる(キャノーラ油と同等)。
1点:サクサク感を感じない。
Figure 0006682143
※キャノーラ油(日清オイリオグループ株式会社製)
※パームオレイン(ヨウ素価65:日清オイリオグループ株式会社製)
※ジグリセリンモノオレート(商品名「ポエムDO−100V」理研ビタミン株式会社製)
※モノグリセリド1:(商品名「エマルジーMU」理研ビタミン株式会社製:モノエステル含量93%以上、ヨウ素価108〜120 構成脂肪酸:リノール酸)
※モノグリセリド2:(商品名「O−30V」太陽化学株式会社製 構成脂肪酸:オレイン酸)
Figure 0006682143
※キャノーラ油(日清オイリオグループ株式会社製)
※パームオレイン(ヨウ素価65:日清オイリオグループ株式会社製)
※ジグリセリンモノオレート(商品名「ポエムDO−100V」理研ビタミン株式会社製)
※モノグリセリド1:(商品名「エマルジーMU」理研ビタミン株式会社製:モノエステル含量93%以上、ヨウ素価108〜120 構成脂肪酸:リノール酸)
※モノグリセリド2:(商品名「O−30V」太陽化学株式会社製 構成脂肪酸:オレイン酸)
実施例1〜4の試験油では、比較例1〜5の試験油と比べて、調理品の食感が良好であり、保管後の状態も良好である。
本発明の食感改良油脂組成物は、食品製造の分野において、特にフライ調理品の製造に使用するフライ用油脂として利用することが可能である。また、その他の加熱調理用油脂を要する全ての食品の製造においても利用可能である。



















Claims (8)

  1. 脂肪酸グリセリドと、ジグリセリンモノ脂肪酸エステルを含有し、
    前記脂肪酸グリセリドの全組成物中のグリセリド成分組成が、トリグリセリド91.82〜99.85質量%、ジグリセリド0.05〜7.00質量%、モノグリセリド0.05〜1.00質量%であり、
    前記モノグリセリドを構成する脂肪酸が、オレイン酸又はリノール酸が70質量%以上であり、
    前記ジグリセリンモノ脂肪酸エステルの全組成物中の含有量が0.05〜0.18質量%である、
    食感改良油脂組成物。
  2. 前記ジグリセリンモノ脂肪酸エステルを構成する脂肪酸が、炭素数8〜22の脂肪酸であり、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸から選ばれる1種以上の不飽和脂肪酸が60質量%以上である、請求項1に記載の食感改良油脂組成物。
  3. 前記脂肪酸グリセリドを構成する脂肪酸が、植物油由来である、請求項1又は2に記載の食感改良油脂組成物。
  4. 前記食感改良油脂組成物が、フライ用である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の食感改良油脂組成物。
  5. 植物由来油脂に、モノグリセリドを添加し、ジグリセリンモノ脂肪酸エステルを全組成物中に0.05〜0.18質量%となるように添加する工程を含み、
    肪酸グリセリドの全組成物中のグリセリド成分組成が、トリグリセリド91.82〜99.85質量%、ジグリセリド0.05〜7.00質量%、モノグリセリド0.05〜1.00質量%である、
    食感改良油脂組成物の製造方法。
  6. 前記脂肪酸グリセリドが、複数の植物由来油脂を混合する工程を経たものである、請求項5に記載の食感改良油脂組成物の製造方法。
  7. 前記脂肪酸グリセリドが、植物由来油脂に、ジグリセリドを添加したものである、請求項5又は6に記載の食感改良油脂組成物の製造方法。
  8. 植物由来油脂に、モノグリセリドを添加し、ジグリセリンモノ脂肪酸エステルを全組成物中に0.05〜0.18質量%となるように添加した食感改良油脂組成物で加熱調理し、
    肪酸グリセリドの全組成物中のグリセリド成分組成が、トリグリセリド91.82〜99.85質量%、ジグリセリド0.05〜7.00質量%、モノグリセリド0.05〜1.00質量%である、
    加熱調理用品の食感を改良させる方法。
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