JP6129584B2 - 加熱調理用油脂組成物及び該加熱調理用油脂組成物の製造方法 - Google Patents

加熱調理用油脂組成物及び該加熱調理用油脂組成物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、加熱調理用油脂組成物及び該加熱調理用油脂組成物の製造方法に関する。
加熱調理用油脂、特にフライ、天ぷら、から揚げ等の油ちょう調理品の加熱調理用のフライ油脂は、長時間にわたって大量の油ちょう調理品を加熱調理することが多いため、油脂の酸化による重合物の増加、あるいは揚げ種からのリン脂質などの溶出により、調理時の油の泡立ちが生じやすい、という問題があった。そのため、従来、例えば、特許文献1に示すような、シリコーンを含む製剤をフライ油脂に配合してフライすることが行われてきた。
一方、加熱調理用油脂は、水分の存在による加水分解が生じると、風味や色調も劣化しやすい。特に、フライ、天ぷら、から揚げ等の油ちょう調理品の揚げ種は水分を多く含むため長時間加熱調理を行う場合には、油脂の加水分解を抑えることが重要となる。
しかしながら、上記のようにシリコーンオイル等の消泡剤を使用した場合、このようなシリコーンオイルは油の表面に膜を形成する性質があり、これにより揚げ種からでた水分がフライ油脂表面から蒸発しにくく、フライ油脂内に保持されやすくなってしまう。そのため、加水分解による劣化が生じやすい、という問題があった。加水分解が生じると、オイルの色調の変化、加熱時の加熱臭等の問題が生じるため、継続使用が困難となる。特に、大量の加熱調理を長時間行う業務用のフライ油脂については、このような問題を軽減し、油脂の廃棄頻度を低くすることが強く望まれる。
特開平4−99444号公報
そこで、本発明は、大量の加熱調理における油脂組成物において、調理時の泡立ちが生じにくく、かつ、油脂の加水分解が生じにくい、加熱調理用油脂組成物および該加熱調理用油脂組成物の製造方法を提供することにある。
本発明にかかる加熱調理用油脂組成物は、下記のとおりである。
(1)加熱用油脂組成物中に、25℃での動粘度が800〜5000mm/sのシリコーンオイル及び25℃での粘度が300〜5000mPa・sの微粒子シリカ含有シリコーンオイルからなる群のうち少なくとも一つを合計1〜5ppm含有し、エステル化度が35〜75%のポリグリセリン脂肪酸エステルを0.05〜0.5質量%含有する、ことを特徴とする加熱用油脂組成物。
(2)前記ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成するポリグリセリンの平均重合度は、7〜40である、(1)に記載の加熱用油脂組成物。
(3)前記ポリグリセリン脂肪酸エステルの構成脂肪酸中に炭素数16〜18の不飽和脂肪酸の占める割合が50〜90質量%である、(1)に記載の加熱用油脂組成物。
(4)加熱用油脂組成物中に、前記25℃での動粘度が800〜5000mm/sのシリコーンオイルを1〜2ppm、及び前記25℃での粘度が300〜5000mPa・sの微粒子シリカ含有シリコーンオイルを1〜2ppm含有する、ことを特徴とする(1)〜(3)のいずれかの加熱用油脂組成物。
(5)加熱用油脂組成物で用いられる油脂がキャノーラ油であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかにの加熱用油脂組成物。
また、本発明の加熱調理用油脂組成物の製造方法は、下記のとおりである。
(6)油脂の精製工程の後に、精製油脂に対して、シリコーンオイルとポリグリセリン脂肪酸エステルを添加する工程を含む加熱調理用油脂組成物の製造方法であって、該加熱調理用油脂組成物は、前記シリコーンオイルとして、25℃での動粘度が800〜5000mm/sのシリコーンオイル及び25℃での粘度が300〜5000mPa・sの微粒子シリカ含有シリコーンオイルからなる群のうち少なくとも一つを前記加熱調理用油脂組成物中に合計1〜5ppm含み、前記ポリグリセリン脂肪酸エステルとしてエステル化度が35〜75%のポリグリセリン脂肪酸エステルを前記加熱調理用油脂組成物に対して0.05〜0.5質量%含む、ことを特徴とする加熱調理用油脂組成物の製造方法。
本発明の加熱調理用油脂組成物によれば、特定のシリコーンオイル含有成分(シリコーンオイル及び/または微粒子シリカ含有シリコーンオイル)を特定量含むことで特に長時間の加熱調理時に生じる泡立ちの発生を抑制することができ、かつ、特定のポリグリセリン脂肪酸エステルを特定量含むことで、使用時における油脂の加水分解を抑制し、従来よりも長時間加熱調理を行うことができるとともに、加熱臭の発生などの油脂の劣化を有効に低減し得る。
このような利点から、本発明の加熱調理用油脂組成物は、食品のフライ用、特にテンプラ用、唐揚げ用などのフライ用、さらには業務用のフライ用として好適に用いることができる。
本発明の加熱調理用油脂組成物は、25℃での動粘度が800〜5000mm/sのシリコーンオイル及び25℃での粘度が300〜5000mPa・sの微粒子シリカ含有シリコーンオイルからなる群のうち少なくとも一つを合計1〜5ppm含有し、エステル化度が35〜75%のポリグリセリン脂肪酸エステルを0.05〜0.5質量%含有する、ことを特徴とする加熱用油脂組成物である。
<油脂>
本発明の加熱調理用油脂組成物は、通常の加熱調理用油脂を主成分として製造される。通常の加熱調理用油脂は、一般に加熱調理用として使用される動植物油脂及びその水素添加油、分別油、エステル交換油などを単独あるいは組み合わせて用いることができる。動植物油脂としては、例えば、大豆油、なたね油、ハイオレイックなたね油、ひまわり油、ハイオレイックひまわり油、オリーブ油、サフラワー油、ハイオレイックサフラワー油、コーン油、綿実油、米油、牛脂、乳脂、魚油、ヤシ油、パーム油、パーム核油などが挙げられる。室温で固形化するものは、使用時に加熱により溶解させる必要があるので、20℃で液状の態様のものが好ましい。原料油脂そのものが20℃で固体であっても、他の原料油脂と併用して用いることによって、油脂全体として液状であれば好適に使用できる。特に、融点の低い液状油でありながら、酸化安定性も良好であるという利点を有することから、キャノーラ油を好適に使用することができる。
本発明の加熱調理用油脂組成物において、上記通常の加熱調理用油脂は、ポリグリセリン脂肪酸エステルと、シリコーンオイル及び/または微粒子シリカ含有シリコーンコイルとを除く残部を構成するのが好ましい。
<ポリグリセリン脂肪酸エステル>
本発明の加熱調理用油脂組成物は、ポリグリセリン脂肪酸エステルを含み、このポリグリセリン脂肪酸エステルは乳化剤の一種であり、グリセリンやグリシドール、エピクロロヒドリン等の縮合で得られたポリグリセリンと特定の脂肪酸とを、水酸化ナトリウム等の触媒存在下でエステル化させて製造することができる。また、複数のポリグリセリン脂肪酸エステルをブレンドして、用いることができる。
本発明の加熱調理用油脂組成物におけるポリグリセリン脂肪酸エステルは、エステル化度が35〜75%、より好適には38〜75%、さらに好適には40〜75%である。ポリグリセリン脂肪酸エステルのエステル化度が35〜75%であると、油脂中に溶解しやすく、かつ、加熱調理用油脂組成物中の水分を蒸発させる効果を充分に奏することができる。
ポリグリセリン脂肪酸エステルの含有量は、加熱用油脂組成物中に、0.05〜5質量%、より好適には0.05〜3.0質量%、さらに好適には0.1〜1.0質量%、最も好適には0.1〜0.2質量%である。ポリグリセリン脂肪酸エステルの含有量が0.05質量%未満では、加熱調理用油脂組成物中の水分を蒸発させる効果が不十分となり、5質量%超では油脂が着色するおそれがある。
ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成するポリグリセリンの平均重合度は7〜40、10〜40、さらに10〜30とすることが好ましい。平均重合度を7〜40とすることで未、加熱調理用油脂組成物中の水分を蒸発させる効果を十分に奏することができ、かつ、適正な粘度とすることができる。
このような加熱調理用油脂組成物において、より好ましくは、ポリグリセリン脂肪酸エステルが、エステルを構成する脂肪酸として炭素数16〜18の不飽和脂肪酸を含む。炭素数16〜18の不飽和脂肪酸としては、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸およびこれらのトランス異性化物、およびこれらの混合物等が挙げられる。
ポリグリセリン脂肪酸エステルは、上記不飽和脂肪酸の割合が50〜90質量%、特に60〜90質量%、さらに65〜85質量%であることが好ましい。
この量で含有することが、酸価上昇を十分に抑制し、油脂へ溶解する上で好ましい。
ポリグリセリン脂肪酸エステルの構成脂肪酸の残部は、他の脂肪酸を含むことができ、例えば炭素数8〜24の飽和脂肪酸、炭素数20〜24の不飽和脂肪酸を含むことができる。
これらのポリグリセリン脂肪酸エステルは、例えば以下の方法によって製造することができるがこれに限定されるものではない。
グリセリンと水酸化ナトリウムを混合し、水を除去しながら200℃〜270℃で縮合反応させ、ポリグリセリンを得る。このポリグリセリンを、水希釈して活性炭処理やイオン交換樹脂で精製、さらに脱水することで、本発明のポリグリセリン脂肪酸エステルの原料として用いることができる。なお、より平均重合度の高いポリグリセリンを得るために、上記反応後に得られたポリグリセリンを分子蒸留やゲルろ過により低分子部分を除去してもよい。
このポリグリセリンと不飽和脂肪酸および飽和脂肪酸とを適当な比率で反応容器に仕込み、水酸化ナトリウム等の触媒存在下、200℃以上窒素気流下で脱水しながら反応させ、ポリグリセリン脂肪酸エステルとすることができる。
<シリコーンオイル及び微粒子シリカ含有シリコーンオイル>
本発明に係る加熱調理用油脂組成物の第一実施形態は、油脂、ポリグリセリン脂肪酸エステルに加え、シリコーンオイル及び/または微粒子シリカ含有シリコーンオイルを含有する。
シリコーンオイルとしては、ジメチルポリシロキサン構造を持ち、動粘度が25℃で800〜5000mm/sのものが使用される。シリコーンオイルの動粘度は、特に800〜2000mm/s、さらに900〜1100mm/sであることが好ましい。シリコーンオイルの25℃での動粘度が800mm/s未満であると、加熱の油脂組成物の泡立ちを抑える効果が不十分であり、5000mm/s超であると、油脂組成物中への溶解が困難となる。
これらの、シリコーンオイルは、食品用途として市販されているものを用いることができる。
なお、ここでいう「動粘度」とは、JIS K 2283(2000)に準拠して測定される値を指すものとする。
微粒子シリカ含有シリコーンオイルとしては、食品添加用の消泡剤として通常使用されるもので、25℃での粘度が300〜5000mPa・sのものが使用される。特に「オイルコンパウンド型」として流通する消泡剤を好適に使用できる。微粒子シリカ含有シリコーンオイルの25℃での粘度は、特に1000〜5000mPa・s、さらに1000〜3000mPa・sであることが好ましい。微粒子シリコーンオイルの25℃での粘度が300mPa・s未満であると、加熱の油脂組成物の泡立ちを抑える効果が不十分であり、5000mPa・s超であると、油脂組成物中への溶解が困難となる。
なお、ここでいう「粘度」とは、JIS Z 8803(2011)に準拠して測定される値を指すものとする。
本発明の加熱調理用油脂組成物中のシリコーンオイル及び/または微粒子シリカ含有シリコーンオイルの合計含有量は、加熱調理用油脂組成物中に、1〜5ppm、より好適には1〜4ppm、さらに好適には2〜3ppmとする(質量割合)。シリコーンオイル及び/または微粒子シリカ含有シリコーンオイルの合計含有量が1ppm未満であると、調理時の泡立ちを抑制する効果が十分に得られない。また、5ppm超であると、油脂中の水分を油脂表面から蒸発させることが困難となる。なお、より泡立ち抑制効果を高めるために、シリコーンオイルを1〜2ppm、さらに微粒子シリカ含有シリコーンオイルを1〜2ppm含むことが好ましい。最も好ましくは、シリコーンオイルを1〜1.5ppm、さらに微粒子シリカ含有シリコーンオイルを1〜1.5ppm含むことである(質量割合)。
<加熱調理用油脂組成物の製造方法>
本発明に係る加熱調理用油脂組成物に使用される油脂は、一般の油脂と同様、植物の種子若しくは果実、または動物性材料から搾油された粗油を出発原料として用い、順に、必要に応じて、脱ガム工程、脱酸工程、脱色工程を経て、さらに必要に応じて脱ろう工程を介した後、脱臭工程を経た精製により製造することができる。上記脱ガム工程、脱酸工程、および脱ろう工程は、採油される前の油糧原料に応じて変動し得る粗油の品質に応じて適宜選択される。
このような製造方法において、本発明の製造方法では、油脂に、上記範囲の量のシリコーンオイル及び/または微粒子シリカ含有シリコーンオイル、ポリグリセリン脂肪酸エステルを添加する工程を含む。これらを添加する工程は精製工程後であるのが望ましい。
このような製造方法によれば、長時間の加熱調理時に生じる泡立ちの発生が抑制され、かつ、油脂の加水分解による酸価の上昇が抑制された加熱調理用油脂組成物を容易に得ることができる。
加熱調理用油脂組成物中には、本発明の効果を損ねない程度に、その他の成分を加えることができる。これらの成分とは、例えば、一般的な油脂に用いられる成分(食品添加物など)である。これらの成分としては、例えば、酸化防止剤、結晶調整剤、食感改良剤等が挙げられ、脱臭後から充填前に添加されることが好ましい。
酸化防止剤としては、例えば、トコフェロール類、アスコルビン酸類、フラボン誘導体、コウジ酸、没食子酸誘導体、カテキンおよびそのエステル、フキ酸、ゴシポール、セサモール、テルペン類等が挙げられる。その他の乳化剤としては、例えば、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリソルベート、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレート、ジアシルグリセロール、ワックス類、ステロールエステル類、リン脂質等が挙げられる。着色成分としては、例えば、カロテン、アスタキサンチン等が挙げられる。油脂に溶解又は分散するものであれば、上記のシリコーンオイル及び/または微粒子シリカ含有シリコーンオイル及びポリグリセリン脂肪酸エステルの働きを損なわない範囲で他の成分を添加することができる。
以下、本発明について、実施例に基づき具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
<試験1:水分蒸発性試験>
精製なたね油(日清キャノーラ油、日清オイリオグループ株式会社製)に表1に示す添加剤をそれぞれ混合し、実施例1〜6、比較例1〜6の加熱調理用油脂組成物(フライ用油脂)を調製した。各フライ用油脂2000mLを120℃に加熱し、5×4×3mmにカットした馬鈴薯20片を入れ、15分間フライ調理した後に、馬鈴薯をとりだした。各フライ用油脂について100mL×7本サンプリングし、原液、1ppmのKF96−100CSを添加した精製なたね油で、5倍、10倍、15倍、20倍、25倍、30倍体積に希釈した希釈液について、目視観察を行った。各フライ用油脂について、希釈に使用した油脂と同等の透明度になる希釈率を、下記の基準により決定した。
等倍:すべての原液、希釈液について濁りが見られなかった。
5倍:原液では濁りが見られたが、5〜30倍希釈液には濁りが見られなかった。
10倍:原液、5倍希釈液では濁りが見られたが、10〜30倍希釈液には濁りが見られなかった。
15倍:10倍までの希釈液には濁りが見られたが、15〜30倍希釈液には濁りが見られなかった。
20倍:15倍までの希釈液には濁りが見られたが、20〜30倍希釈液には濁りが見られなかった。
25倍:20倍までの希釈液には濁りが見られたが、25〜30倍希釈液には濁りが見られなかった。
30倍:25倍までの希釈液には濁りが見られたが、30倍希釈液には濁りが見られなかった。
Figure 0006129584
ppm:加熱調理用油脂組成物に対する質量割合で表示
※1 シリコーンオイル100mm2/s:商品名「KF96−100CS」信越化学工業株式会社(動粘度 25℃ 100mm2/s)
※2 シリコーンオイル500mm2/s:商品名「KF96−500CS」信越化学工業株式会社(動粘度 25℃ 500mm2/s)
※3 シリコーンオイル1,000 mm2/s:商品名「KF96−1000CS」信越化学工業株式会社(動粘度 25℃ 1000mm2/s)
※4 オイルコンパウンド型消泡剤:商品名「KS−69」信越化学工業株式会社(粘度 25℃ 2500mPa・s)
※5 ペンタオレイン酸デカグリセリン(エステル化度 約42%):商品名「サンソフトQ−175S」太陽化学株式会社(HLB7.0)
※6 デカオレイン酸デカグリセリン(エステル化度 約83%):商品名「DAO−7S」阪本薬品工業(HLB3.5)
※7 実施例6に使用したポリグリセリン脂肪酸エステル混合物のエステル化度は、約73%であった。
表1に示す通り、実施例1〜6において、加熱調理後のフライ用油脂の濁りは、15倍希釈により見られなくなる程度に抑えられた。これに対し、低動粘度のシリコーンオイルを使用した比較例2,3においては、濁りが見られなくなるまで30倍希釈を要した。また、ポリグリセリン脂肪酸エステルを使用しなかった、比較例4,5においては、25倍希釈を要した。エステル化後の高いポリグリセリン脂肪酸エステルを使用した比較例6においては、25倍希釈を要した。
<試験2:泡立ち試験>
試験1で調製したのと同様に、実施例1〜6、比較例1〜6の加熱用油脂組成物(フライ用油脂)を調製した。各フライ用油脂を160℃に加熱し、冷凍ドーナツ生地(商品名「タマゴドーナツ(T−4)」40g:キリンオーランドフーズ株式会社製)3個を、30分ごとに10回フライし、フライ用油脂の泡立ちの状態を目視で確認した。その際、添加物を使用していない比較例1の泡立ち度合いを基準として、下記の基準で評価を行った。
◎:比較例1と比較して泡立ちがかなり抑えられている。
○:比較例1と比較して泡立ちが抑えられている。
△:比較例1と比較して同等の泡立ちである。
×:比較例1よりも劣る泡立ちである。
表1に示す通り、シリコーンオイル及び/または微粒子シリカ含有シリコーンオイルを含むフライ用油脂においては、無添加の精製なたね油(比較例1)と比較して、泡立ちが抑えられることが分かった。
本発明の加熱調理用油脂組成物は、食品製造の分野において、特に油ちょう調理品の製造に使用するフライ用油脂として利用することが可能である。また、その他の加熱調理用油脂を要する全ての食品の製造においても利用可能である。

Claims (5)

  1. 加熱調理用油脂組成物中に、25℃での動粘度が00〜1100mm/sのシリコーンオイルを1〜2ppm、及び25℃での粘度が1000〜000mPa・sの微粒子シリカ含有シリコーンオイルを1〜2ppm含有し、エステル化度が35〜75%のポリグリセリン脂肪酸エステルを0.05〜0.5質量%含有する、ことを徴とする加熱調理用油脂組成物。
  2. 前記ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成するポリグリセリンの平均重合度は、7〜40である、請求項1に記載の加熱調理用油脂組成物。
  3. 前記ポリグリセリン脂肪酸エステルの構成脂肪酸中に炭素数16〜18の不飽和脂肪酸の占める割合が50〜90質量%である、請求項1または2に記載の加熱調理用油脂組成物。
  4. 加熱調理用油脂組成物で用いられる油脂がキャノーラ油であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の加熱調理用油脂組成物。
  5. 油脂の精製工程の後に、精製油脂に対して、シリコーンオイルとポリグリセリン脂肪酸エステルを添加する工程を含む加熱調理用油脂組成物の製造方法であって、
    前記加熱調理用油脂組成物は、前記シリコーンオイルとして、25℃での動粘度が00〜1100mm/sのシリコーンオイル1〜2ppm、及び25℃での粘度が1000〜000ma・sの微粒子シリカ含有シリコーンオイル1〜2ppmを前記加熱調理用油脂組成物中に含み、前記ポリグリセリン脂肪酸エステルとしてエステル化度が35〜75%のポリグリセリン脂肪酸エステルを前記加熱調理用油脂組成物に対して0.05〜0.5質量%含む、ことを特徴とする加熱調理用油脂組成物の製造方法。
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