JP4815427B2 - 油脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、炒め物などの加熱調理に有用な食用油脂組成物に関する。
油脂は調理上、熱媒体として良好な風味を付与する材であり、又、炒め物等の調理をする上で、加熱による調理器具への付着(焦げ付き)を防ぐために必要不可欠である。一方、現代の日本人の食生活は西洋化しており、特に油の使用量が増えてきていることも知られているが、近年の嗜好の変化、健康面、ダイエット等の点から、出来るだけ油脂の摂取量を低減することも求められている。そのため、上記炒め物等の調理をする上においても、出来るだけ少ない油での調理が求められているが、単に油の量を減らして調理すると焦げ付きの問題が顕著になる。この問題を解決し、少ない油で焦げ付きなく調理するための油として、トリアシルグリセロールを主成分とする油脂にレシチン(リン脂質)を配合した炒め物用油脂が上市されている。この油脂は、種々の界面活性剤の中でもレシチンが離型性効果に優れ、又、レシチンが調理の際のスパッタリングを抑制する効果も有することを利用したものである。(特許文献1、2参照)
一方、ジアシルグリセロールが、肥満防止作用や、体重増加抑制作用等を有することが明らかにされており(特許文献3等)、これを各種食品に配合する試みがなされている(特許文献4)。
しかし、ジアシルグリセロールはトリアシルグリセロールに比べて融点が高いため、低温において油脂の結晶が生じやすく、食品に配合した場合に外観や加工特性に不都合が生じる場合がある。そこで、ジアシルグリセロールの低温耐性を向上させるために、結晶調整剤を配合する技術(特許文献5)や、特定の有機酸類及び抗酸化剤を配合し、さらに植物ステロール類の含有量を調節する技術、及び特定の容器を組み合わせる技術(特許文献6)が知られている。
また、レシチンの一成分であるホスファチジン酸の添加により、風味良好で、かつ低温耐性、加工特性に優れたジアシルグリセロール含量の高い油脂組成物も提案されている(特許文献7)。
特開平02−000407号公報 特開平02−291228号公報 特開平04−300828号公報 特開平03−008431号公報 特開2002−176952号公報 特開2004−168995号公報 特開2006−193713号公報
健康機能の面からジアシルグリセロールを含有する油脂組成物であって、かつ離型性と低温耐性の両者が良好な油脂組成物が求められている。
したがって、本発明の目的は、炒め物などの加熱調理に用いた場合に離型性が良好であり、また低温耐性に優れたジアシルグリセロール含有量の高い油脂組成物を提供することにある。
本発明者は、上記課題について検討したところ、健康機能を考慮してジアシルグリセロールの含有量の高い油脂にリン脂質を配合すると、離型性は良好であるが、低温耐性は十分でなく、さらなる検討が必要であった。さらに検討を続けたところ、リン脂質の中でも、ホスファチジン酸とホスファチジルイノシトールが低温耐性の改善に優れており、その中でもホスファチジン酸とホスファチジルイノシトールの含有比を6以上とした場合に、特に顕著に低温耐性の改善と離型性の改善の両立が達成できることを見出した。
すなわち、本発明は次の成分(A)及び(B):
(A)ジアシルグリセロールを50質量%以上含有する油脂:100質量部
(B)ホスファチジン酸(PA)とホスファチジルイノシトール(PI)を含有し、かつPA/PI(質量比)が6以上であるリン脂質:0.01〜10質量部
を含有する油脂組成物を提供するものである。
本発明によれば、健康機能に優れるジアシルグリセロール高含有油脂において、特定組成のリン脂質を配合することにより、離型性が良好であるだけでなく、低温耐性が良い油脂組成物を提供することができる。
本発明の油脂組成物で使用される成分(A)の油脂は、ジアシルグリセロールを50質量%(以下、「質量%」は、単に「%」と記載する)以上含有するが、さらに70〜100%、特に80〜95%含有するのが、生理効果、工業的生産性、外観の点で好ましい。成分(A)の油脂は、本発明の油脂組成物中85%以上であることが好ましく、より好ましくは90〜99.9%、更に95〜99.5%、特に97〜99%とすることが、生理効果、工業的生産性、外観の点で好ましい。
ジアシルグリセロールの構成脂肪酸は80〜100%が不飽和脂肪酸であるのが好ましく、さらに90〜100%、特に94〜98%が不飽和脂肪酸であるのが、外観、工業的生産性、生理効果の点で好ましい。特に、ジアシルグリセロールを構成する脂肪酸のうち、オレイン酸(C18:1)の含有量は0.1〜50%が好ましく、さらに25〜45%であるのが外観、風味の点で好ましい。ジアシルグリセロールの構成脂肪酸のうち、トランス酸の含有量は5%以下であることが好ましく、さらに3.5%以下に低減されることが生理効果、外観の点で好ましい。
ジアシルグリセロールを構成する脂肪酸のうちリノール酸の含有量は15〜65%、好ましくは20〜60%、特に30〜55%、特に35〜50%であるのが外観、脂肪酸の摂取バランスの点で好ましい。また、ジアシルグリセロールを構成する脂肪酸のうちリノレン酸の含有量は15%未満、好ましくは0〜13%、更に1〜10%、特に2〜9%であるのが外観、酸化安定性、脂肪酸の摂取バランスの点で好ましい。リノレン酸には、異性体としてα−リノレン酸とγ−リノレン酸が知られているが、α−リノレン酸が好ましい。
更に、外観、風味の点から、ジアシルグリセロール中のオレイン酸/(リノール酸+リノレン酸)の質量比が1未満、好ましくは0.5〜0.9、特に0.6〜0.85であることが好ましい。
また、生理効果、工業的生産性の点から、ジアシルグリセロール中の1,3−ジアシルグリセロールの割合は50%以上であることが好ましく、より好ましくは60〜100%、さらに65〜90%、特に65〜80%であるのが好ましい。
本発明の油脂組成物で使用される成分(A)の油脂中のトリアシルグリセロールの含有量は、50%未満であることが好ましく、さらに0〜30%、特に5〜20%であるのが、生理効果、工業的生産性、外観の点で好ましい。また、トリアシルグリセロールの構成脂肪酸の80〜100%が不飽和脂肪酸であることが好ましく、さらに90〜100%、特に94〜98%が不飽和脂肪酸であるのが、外観、工業的生産性、生理効果の点で好ましい。
本発明の油脂組成物で使用される成分(A)の油脂中のモノアシルグリセロールの含有量は、風味、外観、発煙防止、工業的生産性の点で0〜10%であることが好ましく、より好ましくは0.1〜5%、さらに0.1〜1.5%、特に0.1〜1%であるのが好ましい。
本発明の油脂組成物で使用される成分(A)の油脂起源としては、植物性、動物性油脂のいずれでもよい。具体的な原料としては、菜種油、ひまわり油、とうもろこし油、大豆油、米油、紅花油、綿実油、牛脂等を挙げることができる。またこれらの油脂を分別、混合したもの、水素添加や、エステル交換反応などにより脂肪酸組成を調整したものも原料として利用できる。
本発明の油脂組成物で使用される成分(A)の油脂は、上述した油脂由来の脂肪酸とグリセリンとのエステル化反応、油脂とグリセリンとのエステル交換反応等により得ることができる。反応により生成した過剰のモノグリセリドは分子蒸留法又はクロマトグラフィー法により除去することができる。これらの反応はアルカリ触媒等を用いた化学反応でも行なうことができるが、1,3−位選択的リパーゼ等を用いて酵素的に温和な条件で反応を行なうのが、風味の点で優れており好ましい。
本発明の油脂組成物で使用される成分(B)のリン脂質は、ホスファチジルコリン(PC)、ホスファチジルエタノールアミン(PE)、ホスファチジルイノシトール(PI)、ホスファチジルグリセロール(PG)、ホスファチジン酸(PA)、及びホスファチジルセリン(PS)、又はこれらのリゾ体などのリン酸化合物からなる混合物であり、本発明ではPAとPIを含有し、さらに、離型性及び低温耐性の点でPA/PI(質量比)が6以上であるリン脂質混合物を使用する。より好ましいPA/PIは10以上であり、さらに好ましくは15以上であり、特に好ましくは30以上である。
本発明の油脂組成物で使用される成分(B)のリン脂質は、PC、PE、PA及びPIの合計のうち、PAとPIの合計が50〜99.9%を占めるものであることが好ましく、さらには60〜99.9%であるのが、低温耐性の点で好ましい。特に70〜99.9%であるのが、低温耐性、ご飯等の炒め調理をした場合のばらけ、及び焦げつき防止の点で好ましい。
本発明の油脂組成物で使用される成分(B)のリン脂質は、PAとPIの合計のうち、PIが0.01〜10%を占めることが好ましく、さらには0.01〜6%、特に0.5〜3%であるのが、外観及び工業的生産性の点で好ましい。本発明の油脂組成物で使用される成分(B)のリン脂質は、PC、PE、PA及びPIの合計のうちPIを0.01〜6%含有することが好ましく、さらには0.1〜5%、特に0.5〜3%であるのが、外観及び工業的生産性の点で好ましい。
本発明の油脂組成物で使用される成分(B)のリン脂質は、大豆あるいは卵黄等から得られるレシチン及び/又はそれらを加水分解、水素添加、エステル交換、溶剤分画、精製処理、酵素処理したレシチン等の中から選択して利用できる。特に上記のリン脂質混合物としては、例えば大豆レシチンに代表される天然レシチンを原料として、ホスフォリパーゼDを触媒としてPC、PE(窒素原子を持つリン脂質)を選択的に分解して、これらの含有量を減少させると同時に、ホスフォリパーゼA2を触媒としてリン脂質の2位の結合を分解し、PA及びリゾPAの含有量を増加させる方法により得たもの、あるいはホスフォリパーゼD及びホスフォリパーゼC(PIを選択的に分解する酵素)を触媒として同様に天然レシチンを分解し、PAの含有量を増加させる方法により得たもの等の、PA及びPIの含有量を本発明の範囲に調整した混合物が好ましく用いられる。またホスフォリパーゼを触媒としたトランスホスファチジレーションにより、天然レシチンのPC、PE、PS(窒素原子を持つリン脂質)の含有量を減少させ、PI、PG、PA(窒素原子を持たないリン脂質)の含有量を増大させる方法を利用して得たものも有利に使用することができる。なお、モノグリセリドやジグリセリドのリン酸化によって得られたリン酸エステルなどのリン脂質を利用することもできる。
本発明の油脂組成物中、成分(B)のリン脂質は、離型性及び低温耐性の点から、成分(A)の油脂100質量部(以下、単に「部」と記載する)に対し、0.01〜10部とするが、好ましくは0.01〜5部、さらに0.01〜2部となるように添加するのが好ましい。
本発明の油脂組成物においては、成分(A)100部に対して、成分(C)乳化剤を0.01〜10部、さらに0.001〜5部、特に0.01〜1部を加えることが、調理における泡立ちを抑える点、焦げ付き防止効果の向上、低温での結晶化抑制作用の点から好ましい。成分(C)乳化剤は、単独で用いても、複数のものを組み合わせてもよい。
泡立ち抑制の点からはポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルが好ましく、焦げ付き防止効果を向上させる点からは、有機酸モノグリセリド、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル及びポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルから選択される1種又は2種以上でHLB9以下のものが好ましい。
泡立ち抑制と焦げ付き防止効果向上を両立させるためには、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルを用いることが好ましい。ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルは、リシノレイン酸の縮合度2〜10、グリセリンの重合度4〜10のものが挙げられる。このうち、リシノレイン酸の縮合度3〜7、グリセリンの重合度5〜10のものを用いることがより好ましい。
結晶化抑制作用の点からはポリグリセリン脂肪酸エステル(但し、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルを除く)が好ましい。本発明で使用するポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、構成する脂肪酸のうち、不飽和脂肪酸の含有量が50〜95%、エステル化度が80%以上、ポリグリセリンの平均重合度が2〜30であるのが、結晶化抑制およびコストの点から好ましい。特に、不飽和脂肪酸の含有量が52〜60%、エステル化度が90〜100%、ポリグリセリンの平均重合度が3〜12であるのがより好ましい。
さらに、本発明の油脂組成物は、保存時及び調理時の酸化安定性の点より、抗酸化剤を油脂(A)100部に対して、0.01〜2部含有するのが好ましく、さらに0.01〜1部、特に0.01〜0.5部とするのが好ましい。抗酸化剤としては、天然抗酸化剤、トコフェロール、アスコルビルパルミテート、アスコルビルステアレート、BHT、BHA等から選ばれる1種又は2種以上が好ましく、より好ましい例としては、天然抗酸化剤、トコフェロール、アスコルビルパルミテートから選ばれる1種又は2種以上の抗酸化剤がある。その中でも、アスコルビルパルミテートとトコフェロールの併用が最も好ましい。
本発明の油脂組成物は、ジアシルグリセロールを高濃度含有しているにもかかわらず低温耐性が良好であり、かつ離型性にも優れていることから、特に炒め油として有用であるが、さらにコーティング用油脂等の食用油としても有用である。
[油脂の調製]
大豆油脂肪酸をウインタリングにより飽和脂肪酸を低減させたもの455部、菜種油脂肪酸195部、及びグリセリン107部を混合し、リポザイムIM(ノボ ノルディスクバイオインダストリー社製)を使用して0.07kPaで40℃、5時間エステル化反応を行った。次いで酵素を濾別し、235℃で分子蒸留し、さらに脱色、水洗した。次いでこの油脂150部に10%クエン酸水溶液7.5部を加え、60℃で20分間攪拌した後、110℃、0.27kPaで脱水した。これを235℃で2時間脱臭して、油脂Aを調製した。
表1に油脂Aのグリセリド組成を示す。なお、表中、MAGはモノアシルグリセロール、DAGはジアシルグリセロール、TAGはトリアシルグリセロールを表す。また表2に油脂Aの脂肪酸組成を示す。
Figure 0004815427
Figure 0004815427
[リン脂質の調製]
大豆レシチンを酵素処理することにより改質反応を行い、ホスファチジン酸(PA)、ホスファチジルイノシトール(PI)、ホスファチジルコリン(PC)、ホスファチジルエタノールアミン(PE)を含むリン脂質X〜Zを調製した。
Figure 0004815427
[分析方法]
(1)油脂のグリセリド組成
サンプル油脂10mgにトリメチルシリル化剤(関東化学製シリル化剤TH)0.5mLを加え、密栓した後70℃で15分間加熱した。これをガスクロマトグラフィー(GLC)に供して、グリセリド組成を測定した。
GLC条件
装置;Hewlett Packard製 6890型
カラム;DB−1HT(J&W Scientific)7m
カラム温度;initial=80℃、final=340℃、
昇温速度=10℃/分、340℃にて20分保持
検出器;FID、温度=350℃
注入部;スプリット比(50:1)、温度=320℃
サンプル注入量;1μL
キャリアガス;ヘリウム、1.0mL/分
(2)油脂の脂肪酸組成
日本油化学協会「基準油脂分析試験法」(2.4.2.2.−1996)に従って分析
した。
(3)リン脂質の組成
サンプル油脂100mgに、クロロホルム:メタノール=2:1(容量比)溶液10mLを加え、よく混合した。これを高速液体クロマトグラフィー(HPLC)に供して、リン脂質組成を求めた。
HPLC条件
装置;高速液体クロマトグラフ1式(UV検出器、データ処理装置付)
カラム;ワコーシル5NH2(5μm) 4.0×150mm
カラム温度;40℃
溶離液;アセトニトリル/エタノール/10mMリン酸二水素アンモニウム水溶液
(30/65/5容量比)
流速;1.0mL/分
検出器;UV 210nm
[低温耐性試験]
表4に示した本発明品1〜5、及び比較品1〜2、表7に示した本発明品11〜12、及び比較品4を調製し、それぞれ100gずつガラス製のサンプル瓶に計り取り、各温度で一定時間保存後に、白濁又は不溶分が析出するか否かを確認した。評価は「○:清澄、△:白濁、×:沈殿析出」という尺度で行なった。
[調理評価]
表4及び5に示した本発明品1〜10、及び比較品1〜3を調製し、下記調理方法にて炒めご飯を作製した。
まず、直径26cmの鉄製フライパンを、ガスの流量を3.2L/minに設定した火にかけた。45秒後、油脂7gを入れ、フライパン全体に伸ばした。さらに15秒後、ご飯125gに醤油9gを均一に混ぜたものをフライパンに入れ、木へらでほぐしながら120秒間炒めた。得られた炒めご飯のばらけと、フライパンの焦げ付きを下記基準にて評価した。
ご飯のばらけ
◎:ご飯が非常にパラパラしている
○:ご飯がややパラパラしている
△:ご飯がややねとつく
×:ご飯がねとつく
焦げ付き
◎:まったく焦げ付かない
○:ほとんど焦げ付かない
△:焦げ付く
×:非常に焦げ付く
Figure 0004815427
表4から明らかなように、ジアシルグリセロールを50%以上含有する油脂においては、PA/PIが6以上のリン脂質を配合することにより低温耐性が顕著に改善されることがわかる。また、この油脂組成物は炒め物をしたときの離型性にも優れていることがわかる。
Figure 0004815427
表5から明らかなように、PA/PI(質量比)が6以上であるリン脂質は、焦げ付きの少ない調理を可能にするが、HLB9以下の乳化剤を加えることでさらにその効果が高くなることがわかる。
Figure 0004815427
表6から明らかなように、PA/PI(質量比)が6以上であるリン脂質は、ジアシルグリセロール含量の高い油脂の低温耐性を向上させるが、さらに厳しい低温条件の場合、ポリグリセリン脂肪酸エステルを加えた方がより好ましいことがわかる。
[泡立ち試験]
表7に示した本発明品13〜18を調製し、下記方法にて泡立ちの評価を行なった。
各油脂組成物10gを比色管(直径30mm、100mL容)に計り取り、ブロックヒーターで175℃に加熱し、1cm角の立方体に刻んだサツマイモを投入し、加熱前の液面から発生した泡の高さが最高に達した時の比色管の目盛りを読んだ。
Figure 0004815427
Figure 0004815427
表7より、本発明油脂組成物にポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルを配合することにより、泡立ちが顕著に抑制されることがわかる。

Claims (6)

  1. 次の成分(A)及び(B):
    (A)ジアシルグリセロールを50質量%以上含有する油脂:100質量部
    (B)ホスファジン酸(PA)とホスファチジルイノシトール(PI)を含有し、かつPA/PI(質量比)が6以上であるリン脂質:0.01〜10質量部
    を含有する油脂組成物。
  2. 成分(B)のリン脂質が、ホスファチジン酸とホスファチジルイノシトールの合計が、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジン酸及びホスファチジルイノシトールの合計の50〜99.9質量%を占める請求項1記載の油脂組成物。
  3. 成分(B)のリン脂質が、ホスファチジン酸とホスファチジルイノシトールの合計のうち、ホスファチジルイノシトールが0.01〜10質量%を占める請求項1又は2記載の油脂組成物。
  4. 成分(B)のリン脂質が、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジン酸及びホスファチジルイノシトールの合計中にホスファチジルイノシトールを0.01〜6質量%含有する請求項1〜3のいずれか1項記載の油脂組成物。
  5. 成分(C)乳化剤を、成分(A)100質量部に対して0.01〜10質量部含有する請求項1〜4のいずれか1項記載の油脂組成物。
  6. 成分(C)乳化剤がポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、有機酸モノグリセリド、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル及びポリグリセリン脂肪酸エステル(ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルを除く)から選択される1種又は2種以上である請求項5記載の油脂組成物。
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