JP3513650B2 - エアダンパー - Google Patents

エアダンパー

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JP3513650B2
JP3513650B2 JP2000001197A JP2000001197A JP3513650B2 JP 3513650 B2 JP3513650 B2 JP 3513650B2 JP 2000001197 A JP2000001197 A JP 2000001197A JP 2000001197 A JP2000001197 A JP 2000001197A JP 3513650 B2 JP3513650 B2 JP 3513650B2
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    • F16F9/32—Details
    • F16F9/44—Means on or in the damper for manual or non-automatic adjustment; such means combined with temperature correction

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、自動車の
グローブボックス等で使用されるシリンダー型のエアダ
ンパーの改良に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】従来のこの種エアダンパーとして、登録
実用新案第２５５７０６４号公報に示すものが存する。
該従来のエアダンパーは、具体的には図示しないが、両
端部が開口した筒状のシリンダーと、紐条体の基端部が
連結されてシリンダー内を移動するピストンと、シリン
ダーの一端開口部側に取り付けられて空気の通過量を制
御する弁装置と、シリンダーの他端開口部側に取り付け
られて上記紐条体のガイド壁を有するガイドキャップ
と、シリンダー内においてガイドキャップとピストン間
に介装されてピストンをシリンダーの一端部方向へ弾発
付勢する圧縮コイルばねとを備える構成となっている。
【０００３】従って、このエアダンパーを自動車のグロ
ーブボックスで使用する場合には、インストルメントパ
ネル側にシリンダーを固定し、シリンダーのガイドキャ
ップから外部に伸びる紐条体の先端部をグローブボック
ス側に固定して、グローブボックスを開方向へ移動させ
ると、紐条体がシリンダー内から徐々に引き出されて、
ピストンがシリンダー内で圧縮コイルばねをその弾発付
勢力に抗して圧縮させながら同方向へ移動するので、空
気は上記弁装置を介してシリンダー内に流入して、これ
により、ダンパー効果を得て、グローブボックスがゆっ
くりと開放状態に移動することが保障される。
【０００４】又、グローブボックスを閉方向へ移動させ
ると、今度は、ピストンが紐条体を伴って圧縮コイルば
ねの弾発付勢力でシリンダーの一端部方向へ強制的に押
し戻されて、シリンダー内に蓄積された空気を弁装置を
介して外部に逃がすので、ピストンがシリンダー内で速
やかに移動して、グローブボックスの閉動作を助長する
こととなる。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】この為、従来のエアダ
ンパーの下では、一応、グローブボックスの開閉動作を
円滑に保障できる利点を有するが、グローブボックスの
大型化等により重量が大となったり、その重心が支軸の
上死点を乗り越えて支軸から遠ざかる方向に移動するこ
とにより、全開位置に近づく程、加速が効いたり回転モ
ーメントが増大して、その移動速度が急に速くなる時に
は、ダンパー効果が不足して、グローブボックスの全開
時に衝撃音が発生する恐れを有していた。
【０００６】
【課題を解決するための手段】本発明は、斯かる従来の
エアダンパーが抱える課題を有効に解決するために開発
されたもので、請求項１記載の発明は、筒状のシリンダ
ーと、該シリンダー内を移動するピストンと、シリンダ
ー内でピストンをシリンダーの一端部方向へ弾発付勢す
る第１コイルばねと、ピストンの移動に伴うダンパー作
用を開閉体側に伝達する紐条体とを備えるエアダンパー
であって、シリンダー内にピストンとスライド可能に遊
嵌するフランジ部付の軸部材を設け、上記第１コイルば
ねの内側において、該軸部材のフランジ部とピストン間
に第２コイルばねを介装して、ピストンの移動範囲の後
半に当該第２コイルばねの弾発付勢力を発揮させると共
に、ピストンに紐条体の環状端部を引っ掛ける引掛部を
設ける一方、軸部材のフランジ部を挟んだ両側に紐条体
の環状端部を通すスリットを形成する構成を採用した。
【０００７】請求項２記載の発明は、請求項１を前提と
して、軸部材のピストンと反対側の端縁内面にテーパー
面を形成し、シリンダーの他端開口部に取り付けられる
キャップに該テーパー面に当接する当接部を形成する構
成を採用した。
【０００８】
【０００９】依って、請求項１記載の発明にあっては、
例え、開閉体が大型化したり、開閉体の重心が支軸の上
死点を乗り越えて支軸から遠ざかる方向に移動したとし
ても、ピストンの移動範囲の後半では、第１コイルばね
の弾発付勢力に加えて、第２コイルばねの弾発付勢力も
発揮されることとなるので、従来の如く、全開位置が近
づくに従い、ダンパー効果が不足して、開閉体の全開時
に衝撃音が発生する恐れを確実に防止できる。又、ピス
トンの引掛部に引っ掛けられた紐条体の環状端部が軸部
材の両側スリット内を通ることにより、軸部材のピスト
ンに対するスライド時に、軸部材が紐条体の環状端部と
干渉することを避け、且つ、ピストンと軸部材との遊嵌
関係を維持できる。
【００１０】請求項２記載の発明にあっては、これに加
えて、ピストンの移動に応じて、軸部材の端縁がキャッ
プに当接する時は、その端縁内面に形成されたテーパー
面がキャップ側の当接部に当接して、軸部材の端縁側が
スリットを介して弾性的に拡開するので、これにより、
その衝撃を吸収して打音の発生を防止できる。
【００１１】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図示する好適な実
施の形態に基づいて詳述すれば、該実施の形態に係るエ
アダンパーは、図１・図５に示す如く、両端部が開口す
る筒状のシリンダー１と、該シリンダー１内を移動する
ピストン２と、シリンダー１の一端部に開設された連通
孔３を開閉するバルブ４付のエンドキャップ５と、シリ
ンダー１の他端部で後述する紐条体８の移動を案内する
ガイドキャップ６と、シリンダー１内においてガイドキ
ャップ６とピストン２間に介装されてピストン２をシリ
ンダー１の一端部方向へ弾発付勢する大径な第１圧縮コ
イルばね７と、ピストン２の移動を伴うダンパー作用を
グローブボックス等の開閉体に伝達する紐条体８とを備
える構成となっている。
【００１２】そして、本実施の形態にあっては、斯かる
構成を前提として、図２にも示す如く、シリンダー１内
に上記ピストン２とスライド可能に遊嵌する円形フラン
ジ部１０付の軸部材９を設けて、上記した第１圧縮コイ
ルばね７の内側において、該軸部材９の円形フランジ部
１０とピストン２間に小径な第２圧縮コイルばね１２を
介装することを特徴とするものである。
【００１３】これを詳しく説明すると、ピストン２は、
軸部材９と対向する側が開口する中空状を呈し、その開
口近傍に紐条体８の環状基端部８ａを引っ掛けるＪ字状
の引掛部たる引掛溝１３を形成すると共に、その底壁に
空気の通過を許容するオリフィス１４を形成し、軸部材
９は、上記円形フランジ部１０を挟んだ両側を筒状部９
ａ・９ｂとなして、該各筒状部９ａ・９ｂの長手方向の
夫々に対向する一対のスリット１１を形成し、短寸筒状
部９ａ側に第２圧縮コイルばね１２を嵌装すると共に、
長寸筒状部９ｂの端縁内面にテーパー面１５を形成する
構成となっている。
【００１４】従って、ピストン２と第２圧縮コイルばね
１２と軸部材９とを組み付ける場合には、図３に示す如
く、まず、最初に、ピストン２の引掛溝１３に紐条体８
の環状基端部８ａを引っ掛けた状態を得て、紐条体８の
環状基端部８ａを軸部材９の長寸筒状部９ｂに形成され
たスリット１１内に通す一方、軸部材９の短寸筒状部９
ａ上に第２圧縮コイルばね１２を嵌装しながら、軸部材
９の短寸筒状部９ａの先端をピストン２の開口からその
中空内部に遊嵌すると、第２圧縮コイルばね１２が軸部
材９の円形フランジ部１０とピストン２の開口縁間に介
装されることとなるが、斯かる状態では、紐条体８の環
状基端部８ａが軸部材９の長寸筒状部９ｂのスリット１
１の付け根側に係止するので、第２圧縮コイルばね１２
の弾発付勢力で、ピストン２と軸部材９とが分離する心
配がない。尚、ピストン２の引掛溝１３に引っ掛けられ
ている紐条体８の環状基端部８ａは軸部材９の短寸筒状
部９ａのスリット１１内に臨むこととなるので、軸部材
９のピストン２の内部に対するスライドに支障を来すこ
とはない。
【００１５】そして、斯かる組み付け状態を得た後は、
軸部材９の外周に第１圧縮コイルばね７を嵌め込んだ状
態のまま、シリンダー１の他端開口部から内部に押し込
んで、最後に、ガイドキャップ６を取り付ければ、図４
・図５に示す如く、ワンウエイ方式のエアダンパーが容
易に組み立てられることとなる。尚、この組み立て状態
にあっては、図５のＢに示す如く、軸部材９の短寸筒状
部９ａの先端がピストン２の開口内にスライド可能に遊
嵌されて、紐条体８の環状基端部８ａの一部が短寸筒状
部９ａのスリット１１内に臨んでいる。
【００１６】そこで、実際に、自動車のグローブボック
スで使用する場合には、具体的には図示しないが、従来
と同様に、シリンダー１をその取付片１ａを介してイン
ストルメントパネル側に固定し、シリンダー１のガイド
キャップ６から伸びる紐条体８の環状先端部８ｂを引き
出しながら、当該環状先端部８ｂをグローブボックス側
に固定すれば、これにより、グローブボックスの開閉動
作が保障できる。
【００１７】そして、斯かる状態において、グローブボ
ックスを開方向へ移動させると、これに応じて、紐条体
８がシリンダー１内からガイドキャップ６に形成されて
いるガイド壁６ａの案内で徐々に引き出されて、ピスト
ン２が第１圧縮コイルばね７をその弾発付勢力に抗して
圧縮させながら同方向に移動するので、これにより、ピ
ストン２側に開設されているオリフィス１４を通過する
空気の流動抵抗で、ダンパー効果を得て、グローブボッ
クスがゆっくりと開放状態に移動することが保障される
訳であるが、ピストン２の移動と連動して、図６に示す
如く、上記したピストン２との関係を維持したまま、軸
部材９も同方向へ移動して、該軸部材９の長寸筒状部９
ｂの端縁がガイドキャップ６のガイド壁６ａに当接す
る。
【００１８】すると、今度は、図７に示す如く、ピスト
ン２による第１圧縮コイルばね７の圧縮に加えて、第２
圧縮コイルばね１２もその弾発付勢力に抗してピストン
２により軸部材９の短寸筒状部９ａ上で圧縮されて、両
方のばね７・１２の弾発付勢力が総和されることとなる
ので、例え、グローブボックスが大型化したり、グロー
ブボックスの重心が支軸の上死点を乗り越えて支軸から
遠ざかる方向に移動して、グローブボックスが開方向へ
移動する際に、全開位置に近づく程、加速が効いたり回
転モーメントが増大して、その移動速度が急に速くなっ
たとしても、上記弾発付勢力の総和により、グローブボ
ックスの全開時に衝撃音が発生する心配がなくなる。
尚、第２圧縮コイルばね１２がピストン２により圧縮さ
れる場合には、図７のＢに示す如く、軸部材９の短寸筒
状部９ａの先端側がピストン２の中空内部にスライドし
ながら入り込むこととなるが、引掛溝１３に引っ掛けら
れている紐条体８の環状基端部８ａの一部は短寸筒状部
９ａのスリット１１内を移動することとなるので、軸部
材９と環状基端部８ａとが干渉することはない。
【００１９】又、軸部材９の長寸筒状部９ｂの端縁がガ
イドキャップ６の当接部たるガイド壁６ａに当接する場
合には、図８に示す如く、その端縁内面に形成されてい
るテーパー面１５がガイドキャップ６のガイド壁６ａの
周縁に弾性的に当接して、長寸筒状部９ｂの端縁側がス
リット１１を介して弾性的に拡開するので、これによ
り、その衝撃を吸収して打音の発生を防止できることと
なる。
【００２０】又、逆に、グローブボックスを閉方向へ移
動させると、今度は、ピストン２が紐条体８を伴って第
１圧縮コイルばね７の弾発付勢力でシリンダー１の一端
部方向へ強制的に押し戻されて、シリンダー１内に蓄積
された空気をバルブ４で開放された連通孔３を経てエン
ドキャップ５から外部に逃がすので、ピストン２がシリ
ンダー１内を速やかに移動して、グローブボックスの閉
動作を助長することとなる。尚、ピストン２の押し戻さ
れる初期においては、第２圧縮コイルばね１２も伸長す
るので、この時点では、両方のばね７・１２の弾発付勢
力が関与することとなる。
【００２１】又、本実施の形態の下では、ピストン２の
移動範囲の全域で作用する第１圧縮コイルばね７は、第
２圧縮コイルばね１２よりも圧縮量・圧縮率が大きいの
で、シリンダー１内に押し込む際に、座屈し易いとこ
ろ、第１圧縮コイルばね７は大径となっているので、座
屈を比較的抑えられる。又、小径な第２圧縮コイルばね
１２は、軸部材９の短寸筒状部９ａ上に嵌装されなが
ら、軸部材９の円形フランジ部１０とピストン２間に介
装されることとなるので、その支持状態が頗る安定す
る。
【００２２】
【発明の効果】以上の如く、本発明は、上記構成の採用
により、請求項１の下では、例え、開閉体が大型化した
り、開閉体の重心が支軸の上死点を乗り越えて支軸から
遠ざかる方向に移動したとしても、ピストンの移動範囲
の後半では、第１コイルばねの弾発付勢力に加えて、第
２コイルばねの弾発付勢力も発揮されることとなるの
で、従来の如く、全開位置が近づくに従い、ダンパー効
果が不足して、開閉体の全開時に衝撃音が発生する恐れ
を確実に防止できる。又、ピストンの引掛部に引っ掛け
られた紐条体の環状端部が軸部材の両側スリット内を通
ることにより、軸部材のピストンに対するスライド時
に、軸部材が紐条体の環状端部と干渉することを避け、
且つ、ピストンと軸部材との遊嵌関係を維持できる。
【００２３】請求項２の下では、これに加えて、ピスト
ンの移動に応じて、軸部材の端縁がキャップに当接する
時は、その端縁内面に形成されたテーパー面がキャップ
側の当接部に当接して、軸部材の端縁側がスリットを介
して弾性的に拡開するので、これにより、その衝撃を吸
収して打音の発生を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施の形態に係るエアダンパーを示す
分解斜視図である。
【図２】ピストンと第２圧縮コイルばねと軸部材と紐条
体との関係を示す分解斜視図である。
【図３】（Ａ）（Ｂ）（Ｃ）（Ｄ）はピストンを紐条体
を介して軸部材に組み付ける状態を示す説明図である。
【図４】エアダンパー全体の組み立て状態を示す斜視図
である。
【図５】（Ａ）はエアダンパー全体の組み立て状態を示
す断面図、（Ｂ）は同状態におけるピストンと軸部材の
関係を示す断面図である。
【図６】軸部材の長寸筒状部がガイドキャップのガイド
壁に当接した状態を示す断面図である。
【図７】（Ａ）は第２圧縮コイルばねが圧縮された状態
を示す断面図、（Ｂ）は同状態におけるピストンと軸部
材の関係を示す断面図である。
【図８】軸部材の長寸筒状部の端縁がガイドキャップの
ガイド壁の周縁に当接した状態を示す拡大説明図であ
る。
【符号の説明】
１ シリンダー １ａ 取付片 ２ ピストン ３ 連通孔 ４ バルブ ５ エンドキャップ ６ ガイドキャップ ６ａ ガイド壁（当接部） ７ 第１圧縮コイルばね ８ 紐条体 ８ａ 環状基端部 ８ｂ 環状先端部 ９ 軸部材 ９ａ 短寸筒状部 ９ｂ 長寸筒状部 １０ 円形フランジ部 １１ スリット １２ 第２圧縮コイルばね １３ 引掛溝（引掛部） １４ オリフィス １５ テーパー面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 政登 愛知県豊田市トヨタ町１番地 トヨタ自 動車株式会社内 (56)参考文献 特開 平10−318323（ＪＰ，Ａ) 特表 平８−511611（ＪＰ，Ａ) 実用新案登録2557064（ＪＰ，Ｙ２) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) F16F 9/02 F16F 9/32 F16F 9/58

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 筒状のシリンダーと、該シリンダー内を
    移動するピストンと、シリンダー内でピストンをシリン
    ダーの一端部方向へ弾発付勢する第１コイルばねと、ピ
    ストンの移動に伴うダンパー作用を開閉体側に伝達する
    紐条体とを備えるエアダンパーであって、シリンダー内
    にピストンとスライド可能に遊嵌するフランジ部付の軸
    部材を設け、上記第１コイルばねの内側において、該軸
    部材のフランジ部とピストン間に第２コイルばねを介装
    して、ピストンの移動範囲の後半に当該第２コイルばね
    の弾発付勢力を発揮させると共に、ピストンに紐条体の
    環状端部を引っ掛ける引掛部を設ける一方、軸部材のフ
    ランジ部を挟んだ両側に紐条体の環状端部を通すスリッ
    トを形成したことを特徴とするエアダンパー。
  2. 【請求項２】 軸部材のピストンと反対側の端縁内面に
    テーパー面を形成し、シリンダーの他端開口部に取り付
    けられるキャップに該テーパー面に当接する当接部を形
    成したことを特徴とする請求項１記載のエアダンパー。
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