JP3458190B2 - ジアセタール組成物、その製法、該組成物を含むポリオレフィン用核剤、ポリオレフィン樹脂組成物及び成形体 - Google Patents

ジアセタール組成物、その製法、該組成物を含むポリオレフィン用核剤、ポリオレフィン樹脂組成物及び成形体

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稔明 小林
雅英 石川
春朝 野本
利洋 水谷
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、ジアセタール組成物に関する。本発明は、
より詳しくはジアセタール粉末及び融点降下剤として働
く有機酸及びその誘導体の少なくとも1種を含むバイン
ダーを含み、該バインダーがジアセタール粒子中に均一
分散している粉末の形態にあるジアセタール組成物、又
は、造粒物の形態にあるジアセタール組成物、並びに、
その製法に関する。
また、本発明は、該粉末状ジアセタール組成物又は上
記造粒物の形態にあるジアセタール組成物を含有してな
るポリオレフィン樹脂用核剤、該核剤及びポリオレフィ
ン樹脂から得られるポリオレフィン樹脂組成物及び成形
体、並びに該ポリオレフィン樹脂組成物の成形加工方法
にも関する。
背景技術 ジベンジリデンソルビトール及びその核置換体に代表
されるジアセタールは、ポリオレフィン樹脂用の核剤や
各種流動体のゲル化剤等として広く使用されている。こ
れらの特性を発現させるためには、該ジアセタールを、
溶融ポリオレフィン樹脂や流動体に一度溶解又は分子分
散させる必要がある。
ところが、これらジアセタールの粉末粒子は強い自己
凝集性を持ち、又、融点が高いために、均一に溶解又は
分散させることは工業的に容易ではない。このため、上
記溶解性や分散性を改善するための対策が必要であっ
た。
ジアセタールの溶解性や分散性を改善する方法として
は、ジアセタールをその融点以上或いは溶融温度以上の
高温下で処理する方法が知られている。しかしながら、
ジアセタールを高温で長時間処理すると、ジアセタール
の熱分解や着色などの問題を引き起こすため十分な性能
が発揮できず、機能的に問題であり、又、省エネルギー
面からも問題である。
また、特開平6−145431号では、ジアセタールを微粒
子化してその分散性を向上させて溶解し易くする方法が
提案されている。しかしながら、ジアセタール固体を微
粒子化する方法は、粉塵爆発、粉塵の吸い込みによる人
体への影響などの作業環境の悪化、貯蔵時の再凝集、流
動性の低下・移送性(配管を通じてジアセタール粉末を
移送する際の容易さ)の低下等の作業性の低下を招き、
工業的に重要な問題を引き起こす。又、該技術は、粒度
分布を単一分散に近くするものであり、高価な特別な粉
砕装置を必要とする。
また、ジアセタールに有機カルボン酸を併用すること
により、ジアセタールとポリオレフィン樹脂との相溶性
を高める方法が知られている(日本国特開昭51−122150
号、日本国特公昭64−413号、日本国特開昭60−101131
号)。
上記日本国特開昭51−122150号に記載の方法による
と、ジベンジリデンソルビトールと有機カルボン酸を直
接ポリオレフィン樹脂に別々に添加することにより、樹
脂への相溶性を高めている。しかし、この方法では、ジ
ベンジリデンソルビトール固有の融点が高いまま低下し
ないので、樹脂中に未溶解のジベンジリデンソルビトー
ルが白色のブツとして残るという問題を解決するには不
十分である。
上記日本国特公昭64−413号又は日本国特開昭60−101
131号に記載の方法によると、いずれもジベンジリデン
ソルビトールの粉末表面を予め高級脂肪酸又はテレフタ
ル酸で被覆し、被覆物をポリオレフィン樹脂に添加して
いる。この方法は、被覆されていないジベンジリデンソ
ルビトール類を直接ポリオレフィン樹脂に配合する方法
に比較して、溶融樹脂との相溶性が高められる。しか
し、これらの技術によっても、未溶解の白色のブツが残
り、満足できるものではない。従って、透明性の改質効
果が不十分であり、製品の外観から見た商品価値を損な
う。この現象は、単に有機溶媒を用いてジアセタール粒
子表面に高級脂肪酸を表面コーティングする場合も同様
である。
更に、従来の成形温度よりも低い温度での成形(以下
「低温成形」という)を可能にする成形性の改良された
ポリオレフィン樹脂用の透明化核剤として、脂肪族カル
ボン酸アミド及び/又は芳香族カルボン酸アミドをジベ
ンジリデンソルビトール類に混和し、又はジベンジリデ
ンソルビトール類の粉末の粒子表面を被覆してなる核剤
が提案されている(日本国特開平8−245843号)。しか
しながら、当該混和する方法では、溶媒の除去の際に固
いゲルを形成するため工業化は極めて困難であり、製法
が明示されておらず、実用性に乏しい。また、上記被覆
する方法では、脂肪族カルボン酸アミド及び/又は芳香
族カルボン酸アミドという被覆剤の量が多い割には、ジ
アセタールの十分な融点降下が得られず、また、当該ア
ミド化合物はポリオレフィン成形体からブリードする性
質があるので、該被覆剤が多いと、該被覆剤で被覆され
たジアセタールとポリオレフィン樹脂から得られるポリ
オレフィン樹脂成型物のヒートシール強度が低下する等
の問題があり、実用性において、尚、不十分であり、改
善の余地が認められる。
発明の開示 本発明は、ジアセタールの各種溶融樹脂や各種の液体
への溶解性・分散性を飛躍的に改善しながら、その流動
性、移送性(ジアセタールを配管を通して移送する場合
に粉体粒子間の摩擦が少なく、移送が容易であること)
を改善させると共に、粉塵の発切及び配管、ホッパー等
の器壁への付着性を抑制する方法を提供することを目的
の一つとする。
更に、本発明の他の目的は、ポリオレフィン樹脂の核
剤機能を低温成形で容易に発揮させることにある。
本発明者らは、かかる目的を達成するために鋭意検討
した結果、溶媒で膨潤させた又は極性有機溶媒に溶解さ
せたジアセタールに特定の化合物を、均一分散させた後
に、乾燥及び粒状化又は粉末化することにより、下記の
ような使用上の利点が得られることを見出した。
(1)ジアセタールの融点が効果的に大幅に降下する。
(2)ジアセタール粉末粒子中に該特定の化合物を均一
分散させてなるジアセタール組成物は、その形状の如何
を問わず、溶融樹脂や各種液体への溶解性・分散性及び
溶解速度が飛躍的に改善される。
(3)該特定の化合物のバインダー効果(即ち、粒子の
集合や凝集を促進する効果)により、ジアセタール組成
物の嵩密度を0.2g/cm3以上で任意に調整でき、そのた
め、ジアセタール粉末の流動性・移送性を向上し、粉塵
の発生を抑制し、機器配管、ホッパー等の器壁への付着
性を抑制することができる。
(4)ポリオレフィン樹脂のペレット成形時に核剤の昇
華による押し出すダイスの汚れ及び成形体の汚れを生ず
ることなく、当該ジアセタール核剤が極めて容易にその
本来有する核剤特性を発揮する。
一般に、ジアセタール組成物の見かけ密度を上昇させ
ると粉体流動性は向上するが、溶解速度が低下する。反
対に、見かけ密度を低下させると溶解速度は向上する
が、粉体流動性が低下する。本発明者らは、ジアセター
ル組成物の融点を劇的に低下させることに成功し、これ
により、見かけ密度を大きくして粉体流動性の向上と溶
解速度の向上とを同時に解決したのである。
本発明は、かかる知見に基づいて完成されたものであ
る。
本発明は、(a)一般式(1) [式中、R1及びR2は、同一又は異なって、水素原子、炭
素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ
基、炭素数1〜4のアルコキシカルボニル基又はハロゲ
ン原子を表す。a及びbは、夫々1〜5の整数を示す。
cは0又は1を示す。aが2である場合、2つのR1は互
いに結合してそれらが結合するベンゼン環と共にテトラ
リン環を形成していても良く、又、bが2である場合、
2つのR2は互いに結合してそれらが結合するベンゼン環
と共にテトラリン環を形成していても良い。] で表される少なくとも1種のジアセタール、及び (b)中性ないし弱酸性の一価有機酸、中性ないし弱酸
性の多価有機酸、中性ないし弱酸性の多価有機酸の部分
塩、強酸性の有機酸の塩(特に、硫酸エステル塩、スル
ホン酸塩及びリン酸エステル塩)、リン酸エステル、亜
リン酸エステル及び中性ないし弱酸性の一価有機酸のア
ルミニウム塩からなる群から選ばれた少なくとも1種を
含むバインダー を含む粒状又は粉末状ジアセタール組成物であって、該
バインダーが、粒状又は粉末状ジアセタール組成物の粒
子中に均一に分散している組成物を提供するものであ
る。
上記有機酸は、分子内に炭素−炭素結合以外の他の結
合(例えば、エーテル結合、エステル結合、チオエーテ
ル結合、アミド結合等)や官能基(例えば、ハロゲン原
子、アミノ基、水酸基、複素環基、カルボニル基等)
が、一つ又はそれ以上存在しても良い。更に、中性ない
し弱酸性の2価以上の有機酸(即ち、分子内に1価の酸
基を2個以上有する有機酸)においては、その一部の酸
部分がアルカリ金属(リチウム、カリウム、ナトリウム
等)やアルカリ土類金属(カルシウム等)、アミン(ト
リエチルアミン、トリメチルアミン等のトリ(C1−C4ア
ルキル)アミン等)、アンモニウム等との塩を形成して
いてもよい。強酸性の有機酸は、通常、塩の形態で(即
ち、中性ないし弱酸性ないし弱塩基性の塩として)使用
する。また、上記アルミニウム塩は、1、2又は3分子
の一価有機酸とアルミニウム1原子とが塩形成したもの
である。
上記本発明のジアセタール組成物の形態は、一般に粉
末状ないし粒状であり、特に、平均粒子直径が3〜2000
μmである粉末の形態にあるか、又は、造粒物ないし円
柱状等の成形物等の形態にあるのが好ましい。
本発明は、本発明のジアセタール組成物の融点が、
組成物調製時のジアセタール膨潤度合いが大きいほど低
下し、ジアセタールの粒子の単純な被覆に比べて飛躍
的に低下し、特定の化合物を適用することにより、格
段に低下するという予想外の事実の発見に基づいてなさ
れたものである。当該膨潤度合いは、後で詳述する溶媒
中での加熱混合の度合いに依存しており、特に後述する
ように、極性有機溶媒の共存下での加熱混合により促進
される。
本発明のジアセタール組成物は、後述するように、溶
媒(例えば、アルコール、水等)で十分に膨潤したジア
セタールと上記バインダーとを均一混合し、得られる膨
潤ジアセタール組成物を乾燥しながら粉末化又は粒状化
することにより得られるものである。
固体のジアセタールは、ジアセタールの繊維状結晶が
多数集合して構成されている。一方、水又は有機溶媒等
の溶媒で膨潤したジアセタールにおいては、固体状態で
集合していた多数の繊維状結晶間に溶媒が浸入し、繊維
状結晶がほぐれて、その集合状態が疎となっており、見
かけの体積が増大している。このような膨潤したジアセ
タールと上記バインダーとを均一混合すると、バインダ
ーはジアセタールの繊維状結晶間に浸透して均一に分子
分散する。
次いで、該均一分散物を乾燥させながら造粒する、該
均一分散物を乾燥させた後に乾燥物を粉砕する、乾燥物
を粉砕して得られる粉末を造粒する、該造粒物を粉砕す
る等の方法により粉状化又は粒状化すると、該バインダ
ーがジアセタール繊維状結晶間に均一に分散している組
成物(以下、単に「ジアセタール組成物」という)が得
られる。
その結果、本発明の粒状又は粉末状のジアセタール組
成物においては、上記バインダーが、ジアセタール粒子
の表面のみならず、ジアセタール粒子の内部にも均一に
分布している。即ち、該バインダーがジアセタール粒子
を構成するジアセタール繊維状結晶間に均一に分布して
いる。
この点で、本発明は、ジアセタール粒子を溶媒で膨潤
させることなく単にカルボン酸アミドと混和することに
より、又は、ジアセタール粒子表面をカルボン酸アミド
で被覆することにより得られる前記日本国特開平8−24
5843号のジアセタールとは、バインダーの濃度分布及び
ジアセタールの融点降下の程度において、根本的に異な
っている。
また、本発明は、上記ジアセタール組成物の製造法を
提供するものでもある。
更に、本発明は、上記ジアセタール組成物を含有す
る、ポリオレフィン樹脂用の核剤を提供するものでもあ
る。
また、本発明は、該核剤及びポリオレフィン樹脂から
得られるポリオレフィン樹脂組成物ないしペレット、並
びに該ポリオレフィン樹脂組成物を成形してなる成形体
を提供するものである。
更に、本発明は、上記ポリオレフィン樹脂組成物の成
形方法を提供するものでもある。
本発明の一つの実施形態によれば、(a)R1及びR2
同一又は異なって、それぞれ水素原子、炭素数1〜4の
アルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜
4のアルコキシカルボニル基又はハロゲン原子を表し、
a及びbがそれぞれ1〜5の整数を示し、cが0又は1
を示す上記一般式(1)で表される少なくとも1種のジ
アセタールと、(b)少なくとも1種の有機酸を必須成
分とするバインダーとからなる粉末状均一分散ジアセタ
ール組成物(即ち、上記バインダーがジアセタール中に
均一に分散している組成物)であって、その粒子直径の
平均値が3〜500μmであることを特徴とする粉末状均
一分散ジアセタール組成物が提供される。
上記実施態様において、該有機酸は、ジアセタール90
重量部に対し、有機酸を10重量部均一分散させたとき、
ジアセタールの融点を7℃以上降下させ得る化合物であ
るのが好ましい。
上記実施形態の好ましい態様においては、該組成物の
嵩密度は、0.2〜0.9g/cm3である。また、上記有機酸の
酸価が60〜1200mgKOH/gであるのが好ましい。
上記実施形態では、上記ジアセタール組成物を含有し
てなるポリオレフィン樹脂用核剤も提供される。
以下、本発明を詳細に説明する。
ジアセタール 前記一般式(1)において、R1及びR2で表される炭素
数1〜4のアルキル基としては、メチル、エチル、プロ
ピル、イソプロピル、ブチル等が例示され、炭素数1〜
4のアルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、プロ
ポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ等が例示される。炭
素数1〜4のアルコキシカルボニル基としては、メトキ
シカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボ
ニル及びイソプロポキシカルボニル基が挙げられる。ハ
ロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子
等が例示される。
a及びbは、それぞれ、1〜5の整数であり、好まし
くは1、2又は3である。cは、好ましくは1である。
R1及びR2で表される置換基の置換位置は、特に限定され
るものではないが、a及びbが1の場合は、o−、m−
又はp−位であり、a及びbが2の場合は、2,4−位、
3,4−位、3,5−位等を例示でき、a及びbが3の場合
は、2,4,5−位、3,4,5−位等を例示できる。
これら一般式(1)で表されるジアセタールは、いず
れも公知であるか、又は日本国特公昭48−43748号、特
開昭53−5165号、特開昭57−185287号、特開平231488号
等の公知方法に従って容易に製造できる。
一般式(1)で表されるジアセタールの代表例として
は、次のものを例示できる。
1,3:2,4−O−ジベンジリデン−D−ソルビトール、 1,3:2,4−ビス−O−(m−メチルベンジリデン)−
D−ソルビトール、 1,3:2,4−ビス−O−(m−エチルベンジリデン)−
D−ソルビトール、 1,3:2,4−ビス−O−(m−イソプロピルベンジリデ
ン)−D−ソルビトール、 1,3:2,4−ビス−O−(m−n−プロピルベンジリデ
ン)−D−ソルビトール、 1,3:2,4−ビス−O−(m−n−ブチルベンジリデ
ン)−D−ソルビトール、 1,3:2,4−ビス−O−(p−メチルベンジリデン)−
D−ソルビトール、 1,3:2,4−ビス−O−(p−エチルベンジリデン)−
D−ソルビトール、 1,3:2,4−ビス−O−(p−イソプロピルベンジリデ
ン)−D−ソルビトール、 1,3:2,4−ビス−O−(p−n−プロピルベンジリデ
ン)−D−ソルビトール、 1,3:2,4−ビス−O−(p−n−ブチルベンジリデ
ン)−D−ソルビトール、 1,3:2,4−ビス−O−(2,3−ジメチルベンジリデン)
−D−ソルビトール、 1,3:2,4−ビス−O−(2,4−ジメチルベンジリデン)
−D−ソルビトール、 1,3:2,4−ビス−O−(2,5−ジメチルベンジリデン)
−D−ソルビトール、 1,3:2,4−ビス−O−(3,4−ジメチルベンジリデン)
−D−ソルビトール、 1,3:2,4−ビス−O−(3,5−ジメチルベンジリデン)
−D−ソルビトール、 1,3:2,4−ビス−O−(2,3−ジエチルベンジリデン)
−D−ソルビトール、 1,3:2,4−ビス−O−(2,4−ジエチルベンジリデン)
−D−ソルビトール、 1,3:2,4−ビス−O−(2,5−ジエチルベンジリデン)
−D−ソルビトール、 1,3:2,4−ビス−O−(3,4−ジエチルベンジリデン)
−D−ソルビトール、 1,3:2,4−ビス−O−(3,5−ジエチルベンジリデン)
−D−ソルビトール、 1,3:2,4−ビス−O−(2,4,5−トリメチルベンジリデ
ン)−D−ソルビトール、 1,3:2,4−ビス−O−(3,4,5−トリメチルベンジリデ
ン)−D−ソルビトール、 1,3:2,4−ビス−O−(2,4,5−トリエチルベンジリデ
ン)−D−ソルビトール、 1,3:2,4−ビス−O−(3,4,5−トリエチルベンジリデ
ン)−D−ソルビトール、 1,3:2,4−ビス−O−(p−メチルオキシカルボニル
ベンジリデン)−D−ソルビトール、 1,3:2,4−ビス−O−(p−エチルオキシカルボニル
ベンジリデン)−D−ソルビトール、 1,3:2,4−ビス−O−(p−イソプロピルオキシカル
ボニルベンジリデン)−D−ソルビトール、 1,3:2,4−ビス−O−(o−n−プロピルオキシカル
ボニルベンジリデン)−D−ソルビトール、 1,3:2,4−ビス−O−(o−n−ブチルベンジリデ
ン)−D−ソルビトール、 1,3:2,4−ビス−O−(o−クロロベンジリデン)−
D−ソルビトール、 1,3:2,4−ビス−O−(p−クロロベンジリデン)−
D−ソルビトール、 1,3:2,4−ビス−O−[(5,6,7,8,−テトラヒドロ−
1−ナフタレン)−1−メチレン]−D−ソルビトー
ル、1,3:2,4−ビス−O−[(5,6,7,8,−テトラヒドロ
−2−ナフタレン)−1−メチレン]−D−ソルビトー
ル、 1,3−O−ベンジリデン−2,4−O−p−メチルベンジ
リデン−D−ソルビトール、 1,3−O−p−メチルベンジリデン−2,4−O−ベンジ
リデン−D−ソルビトール、 1,3−O−ベンジリデン−2,4−O−p−エチルベンジ
リデン−D−ソルビトール、 1,3−O−p−エチルベンジリデン−2,4−O−ベンジ
リデン−D−ソルビトール、 1,3−O−ベンジリデン−2,4−O−p−クロルベンジ
リデン−D−ソルビトール、 1,3−O−p−クロルベンジリデン−2,4−O−ベンジ
リデン−D−ソルビトール、 1,3−O−ベンジリデン−2,4−O−(2,4−ジメチル
ベンジリデン)−D−ソルビトール、 1,3−O−(2,4−ジメチルベンジリデン)−2,4−O
−ベンジリデン−D−ソルビトール、 1,3−O−ベンジリデン−2,4−O−(3,4−ジメチル
ベンジリデン)−D−ソルビトール、 1,3−O−(3,4−ジメチルベンジリデン)−2,4−O
−ベンジリデン−D−ソルビトール、 1,3−O−p−メチル−ベンジリデン−2,4−O−p−
エチルベンジリデンソルビトール、 1,3−p−エチル−ベンジリデン−2,4−p−メチルベ
ンジリデン−D−ソルビトール、 1,3−O−p−メチル−ベンジリデン−2,4−O−p−
クロルベンジリデン−D−ソルビトール、 1,3−O−p−クロル−ベンジリデン−2,4−O−p−
メチルベンジリデン−D−ソルビトール これらは、夫々単独で又は2種以上を適宜組み合わせて
使用される。
上記ジアセタールの結晶形態は、本発明の効果が得ら
れる限り限定されず、六方晶、単斜晶、立方晶等の任意
の結晶形が使用できる。これらの結晶も公知であるか又
は公知の方法に従い製造できる。
本発明で使用する原料ジアセタールは、一般式(1)
で表される1,3:2,4−体の純度が100%のものであっても
よいが、若干不純物を含むものであってもかまわない。
一般に、原料ジアセタールは、一般式(1)で表される
1,3:2,4−体の純度が90重量%以上、好ましくは95重量
%以上、特に好ましくは97重量%以上であればよい。
一般式(1)で表されるジアセタールの合成のための
反応原料であるD−ソルビトール等の5価又は6価の多
価アルコールと置換基を有していてもよい芳香族アルデ
ヒド(特に、置換基を有していてもよいベンズアルデヒ
ド)との縮合反応により生成するアセタール化合物とし
ては、一般式(1)で表される1,3:2,4−ジアセタール
に加えて、それ以外のアセタール化合物(副生物)、例
えば、1,2−体、3,4−体、2,4−体、1,3−体等のモノア
セタール、1,3:2,4:5,6−体、1,2:3,4:5,6−体等のトリ
アセタール及び1,2:3,4−体等のジアセタール異性体が
挙げられる。本発明のジアセタール組成物においては、
一般式(1)で表されるジアセタール以外に、これら不
純物であるモノアセタール、トリアセタール及びジアセ
タール異性体の少なくとも1種を含んでいてもよく、そ
の場合、該不純物の合計量が、アセタール総量(一般式
(1)で表される1,3:2,4−ジアセタール、モノアセタ
ール、トリアセタール及びジアセタール異性体の合計
量)に対して、10重量%以下、特に0.05〜10重量%、好
ましくは0.1〜5重量%、より好ましくは0.1〜3重量%
以下の量で存在することは特に問題はなく、本発明のジ
アセタール組成物の低融点化の目的からは、むしろ好ま
しい。但し、10重量%以上となると、核剤特性が低下す
る傾向がある。
バインダー 本発明のバインダーとしては、中性ないし弱酸性の一
価有機酸、中性ないし弱酸性の多価有機酸、中性ないし
弱酸性の多価有機酸の部分塩が例示でき、更に、強酸性
の有機酸の塩、例えば、硫酸エステル塩、スルホン酸
塩、リン酸エステル塩、更には、リン酸エステル、亜リ
ン酸エステル、中性ないし弱酸性の一価有機酸のアルミ
ニウム塩も例示できる。これらは、1種単独でも使用で
きるし、2種以上を併用することもできる。
本発明に係るバインダーは、後述する製法に従い、膨
潤したジアセタール中に均一分散させることにより、ジ
アセタールの融点を効率よく降下させ、また、粉体の嵩
密度を上昇させる。これら二つの効果により、溶融樹脂
や各種液体への溶解性や分散性を大幅に向上でき、同時
に、粉末状又は造粒物ないし成形物の形態にあるジアセ
タール組成物の流動性、移送性を向上し、粉塵の発生を
抑制し、配管、ホッパー等の器壁への付着性を抑制す
る。
また、既述のように、本発明に係るジアセタール組成
物の融点は、当該ジアセタール組成物を構成するジアセ
タール自体の融点よりも格段に低くなっており、本発明
ジアセタール組成物をポリオレフィン樹脂に添加して成
形する場合、本発明ジアセタール組成物の融点近傍で、
溶融ポリオレフィンに溶解又は分散できるので、該溶融
ポリオレフィン樹脂から得られるポリオレフィン樹脂ペ
レットの製造は、本発明ジアセタール組成物の融点近傍
の温度に樹脂温度を設定して混合し、冷却してカッティ
ングする方法が可能となる。従って、従来より格段に低
温での押し出し成形が可能になり、その結果、核剤を微
細化する必要もなくなる。また、押し出し成形温度の低
下に伴い、核剤の昇華性も消失するので、核剤特性が極
めて容易に発揮され、ポリオレフィン樹脂ペレットの生
産性が向上する。
更に、同じ理由により、樹脂粉末、本発明のジアセタ
ール組成物及び必要に応じて他の樹脂添加剤を含む樹脂
粉末組成物を、ポリオレフィン樹脂ペレットにすること
なく、そのまま、射出成形や押し出し成形等に供するこ
とができる。この時、低温成形が可能になるばかりでな
く、ジアセタールの昇華に基づく金型の汚れやシート等
の成形体の汚れが抑制される。
バインダーの配合量としては、一般式(1)で表され
るジアセタール100重量部に対し、0.01〜100重量部が例
示され、好ましくは0.1〜70重量部、更に好ましくは0.2
〜25重量部である。0.01重量部未満では融点降下の効果
が得られにくく、更にバインダー効果も得られにくい。
一方、100重量部を越えて配合してもその融点降下の効
果及びバインダー効果に特別の優位性は認められにくい
し、核剤として用いる場合、樹脂の透明性を阻害する要
因ともなり得る。また、後述するように、ヒドロキシカ
ルボン酸をバインダーとして使用する場合は、きわめて
少量でも、ジアセタール組成物の融点が、ジアセタール
そのものの融点に比し、顕著に降下する。
上記バインダーのうちでも、特に、本発明に従い、一
般式(1)で表されるジアセタール90重量部にバインダ
ー10重量部を均一分散させて本発明のジアセタール組成
物を得た場合に、得られるジアセタール組成物の融点
が、当該ジアセタール組成物を構成するジアセタールの
融点よりも7℃以上、好ましくは20℃以上、より好まし
くは40℃以上、更に好ましくは90℃以上降下させること
ができるバインダーが推奨される。また、バインダー自
体の融点及び/又は軟化点は、これを均一分散させるジ
アセタールの融点以下であることが推奨される。上記バ
インダーは、単独で使用しても良く、また、2種以上を
適宜組み合わせて使用してもよい。
融点降下の観点からは、酸価が60〜1200mgKOH/g程度
の有機酸、特にモノ又はポリカルボン酸が好ましく、特
に80〜1000mgKOH/g程度である有機酸、特にモノ又はポ
リカルボン酸がより好ましい。60mgKOH/g以上の酸価を
有する有機酸では、融点降下の効果がより得られやす
い。1200mgKOH/gを超える場合、通常、それに伴って融
点降下が大きくなることはない。
特に、本発明で使用する好ましいバインダーとして
は、 (1)モノカルボン酸、 (2)ポリカルボン酸、 (3)ポリカルボン酸の部分塩、 等の中性ないし弱酸性の一価有機酸、中性ないし弱酸性
の多価有機酸、中性ないし弱酸性の多価有機酸の部分塩
が例示でき、 また、リン酸又は亜リン酸のエステル、例えば、 (4)炭素数1〜30の一価脂肪族アルコール及び炭素数
2〜30の多価脂肪族アルコールからなる群から選ばれる
少なくとも1種とリン酸とのエステル、 (5)炭素数1〜30の一価脂肪族アルコール及び炭素数
2〜30の多価脂肪族アルコールからなる群から選ばれる
少なくとも1種と亜リン酸とのエステル、 (6)炭素6〜30の一価芳香族アルコール及び炭素数6
〜30の多価芳香族アルコールからなる群から選ばれる少
なくとも1種とリン酸とのエステル、 (7)炭素数6〜30の一価芳香族アルコール及び炭素数
6〜30の多価芳香族アルコールからなる群から選ばれる
少なくとも1種と亜リン酸とのエステルが使用できる。
更に、 (8)タウリン等の、スルホン酸の中性ないし弱塩基性
ないし弱酸性の塩も使用できる。
更には、強酸性の有機酸の塩として、例えば、硫酸エ
ステル塩、スルホン酸塩、リン酸エステル塩も使用で
き、特に、 (9)炭素数4〜30のアルカンスルホン酸塩又は炭素数
4〜30のアルケンスルホン酸塩、 (10)(C1−C30アルキル)ベンゼンスルホン酸塩 (11)(C1−C30アルキル)ナフタレンスルホン酸塩、 (12)炭素数4〜30の飽和脂肪族アルコールの硫酸エス
テル塩又は炭素数4〜30の不飽和結合を1〜3個有する
不飽和脂肪族アルコールの硫酸エステル塩、 (13)エチレンオキシドが1〜10モル付加した炭素数4
〜30の飽和脂肪族アルコールの硫酸エステル塩又はエチ
レンオキシドが1〜10モル付加した炭素数4〜30の不飽
和結合を1〜3個有する不飽和脂肪族アルコールの硫酸
エステル塩 (14)エステルのアルコール残基がC2−C16のアルキル
基、シクロヘキシル基、又はC1−C5アルキル基置換シク
ロヘキシル基であるスルホコハク酸ジエステル塩、 (15)エステルのアルコール残基が、炭素数4〜30のア
ルキル基又は不飽和結合を1〜3個有する炭素数4〜30
の不飽和炭化水素基であるリン酸エステル塩、又は水酸
基を4〜12個有する炭素数5〜12の多価アルコールとリ
ン酸とのエステルの塩、 (16)炭素数6〜30のα−スルホ脂肪酸塩又は炭素数6
〜30のα−スルホ脂肪酸のC1−C10アルキルエステル塩 が例示できる。また、 (17)モノ、ジ又はトリ(C6−C30脂肪酸)アルミニウ
ム塩 も使用できる。
これらは、単独でも又は2種以上を組み合わせても使
用することができる。また、これら有機酸に不斉炭素が
ある場合は、D−体、L−体、ラセミ体のいずれも使用
できる。
これらのうちでも、中性ないし弱酸性の一価有機酸、
中性ないし弱酸性の多価有機酸、中性ないし弱酸性の多
価有機酸の部分塩、例えば、 (1)モノカルボン酸、 (2)ポリカルボン酸、 (3)ポリカルボン酸の部分塩、 硫酸エステル塩、スルホン酸塩、リン酸エステル塩、例
えば、 (9)炭素数4〜30のアルカンスルホン酸塩又は炭素数
4〜30のアルケンスルホン酸塩、 (10)(C1−C30アルキル)ベンゼンスルホン酸塩 (11)(C1−C30アルキル)ナフタレンスルホン酸塩、 (12)炭素数4〜30の飽和脂肪族アルコールの硫酸エス
テル塩又は炭素数4〜30の不飽和結合を1〜3個有する
不飽和脂肪族アルコールの硫酸エステル塩 (13)エチレンオキシドが1〜10モル付加した炭素数4
〜30の飽和脂肪族アルコールの硫酸エステル塩又はエチ
レンオキシドが1〜10モル付加した炭素数4〜30の不飽
和結合を1〜3個有する不飽和脂肪族アルコールの硫酸
エステル塩 (14)エステルのアルコール残基がC2−C16のアルキル
基、シクロヘキシル基、又はC1−C5アルキル基置換シク
ロヘキシル基であるスルホコハク酸ジエステル塩、 (15)エステルのアルコール残基が炭素数4〜30のアル
キル基又は不飽和結合を1〜3個有する炭素数4〜30の
不飽和炭化水素基であるリン酸エステル塩、又は水酸基
を4〜12個有する炭素数5〜12の多価アルコールとリン
酸とのエステルの塩 (16)炭素数6〜30のα−スルホ脂肪酸塩又は炭素数6
〜30のα−スルホ脂肪酸のC1−C5アルキルエステル塩 を好ましいものとして例示することができる。また、 (17)モノ、ジ又はトリ(C6−C30脂肪酸)アルミニウ
ム塩も好ましく使用できる。
本発明で使用する上記有機酸又はその誘導体は、分子
内に炭素−炭素結合以外の他の結合(例えば、エーテル
結合、エステル結合、チオエーテル結合、アミド結合
等)や官能基(例えば、ハロゲン原子、アミノ基、水酸
基、複素環基、カルボニル基等)が、一つ又はそれ以上
存在しても良い。
更に、中性ないし弱酸性の2価以上の有機酸(即ち、
分子内に1価の酸基を2個以上有する有機酸)において
は、その一部の酸部分がアルカリ金属(リチウム、カリ
ウム、ナトリウム等)やアルカリ土類金属(カルシウム
等)、アミン(トリエチルアミン、トリメチルアミン等
のトリ(C1−C4アルキル)アミン等)、アンモニウム等
との塩を形成していてもよい。強酸性の有機酸は、通
常、塩の形態で(即ち、中性ないし弱酸性の塩として)
使用する。
有機酸の中でも、モノ及びポリカルボン酸は、特に有
効である。これらは工業的にも入手可能な化合物が多
く、又、安全衛生、価格及び取扱いの容易なものが多
く、亜リン酸又はリン酸化合物やタウリンよりも工業的
に有利である。
かかるモノ又はポリカルボン酸として、具体的には、
炭素数80以下(好ましくは炭素数3〜35)の脂肪族モノ
カルボン酸、炭素数80以下(好ましくは炭素数4〜30)
の脂肪族ポリカルボン酸及びそのアルキル(炭素数1〜
22)部分エステル、炭素数80以下(好ましくは炭素数7
〜35)の芳香族モノカルボン酸、炭素数80以下(好まし
くは炭素数8〜30)の芳香族ポリカルボン酸及びそのア
ルキル(炭素数1〜22)部分エステル、炭素数80以下
(好ましくは炭素数4〜35)のハロゲン原子を有するカ
ルボン酸、炭素数80以下(好ましくは炭素数4〜35)の
アミノ基を有するカルボン酸、炭素数80以下(好ましく
は炭素数4〜35)のアミド結合を有するカルボン酸、炭
素数80以下(好ましくは炭素数4〜35)の水酸基を有す
るカルボン酸、樹脂酸、炭素数80以下(好ましくは炭素
数4〜35)のカルボニル基を有するカルボン酸、炭素数
80以下(好ましくは炭素数4〜35)のエーテル結合を有
するカルボン酸、炭素数80以下、好ましくは炭素数4〜
35のエステル結合を有するカルボン酸、炭素数80以下
(好ましくは炭素数4〜35)のアミド結合とアミノ基を
有するカルボン酸、炭素数80以下(好ましくは炭素数4
〜35)のアミド結合と水酸基を有するカルボン酸、炭素
数80以下(好ましくは炭素数4〜35)の複素環含有カル
ボン酸、及び、炭素数80以下(好ましくは炭素数4〜3
5)のチオエーテル結合を有するカルボン酸などが例示
される。炭素数が80を超える場合、通常分子量が大きく
なるために、酸価が小さくなり、融点降下の効果が十分
に得られにくい傾向がある。
炭素数80以下の脂肪族モノカルボン酸としては、プロ
ピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、n−カプロン酸、
シクロヘキシルモノカルボン酸、カプリル酸、2−エチ
ルヘキサン酸、ノナン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、
ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカ
ン酸、パルミチン酸、ヘプタデカン酸、ステアリン酸、
イソステアリン酸、ノナデカン酸、オクチルウンデカン
酸、エイコサン酸、ベヘン酸、ドコサヘキサン酸、モン
タン酸、ナフテン酸、コラン酸、デオキシコール酸、リ
トコール酸、p−トリル酢酸、ジフェニル酢酸、フェノ
キシ酢酸、ベンジル酸、ソルビン酸、椰子油脂肪酸、パ
ーム油脂肪酸、パーム核油脂肪酸、牛脂脂肪酸、米ぬか
ロウ、カルナバロウ、キャンデリラロウ、ミツロウを鹸
化分解して得られる炭素数22〜36のカルボン酸、オレイ
ン酸、リノール酸、リノレイン酸、魚油を鹸化分解して
得られる脂肪酸などの不飽和脂肪酸及びそれらの幾何異
性体などが例示され、中でもラウリン酸、トリデカン
酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、ヘ
プタデカン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、エイ
コサン酸、ベヘン酸、ドコサヘキサン酸、モンタン酸、
ベンジル酸、ソルビン酸、オレイン酸、リノール酸、リ
ノレイン酸が推奨される。
炭素数80以下の脂肪族ポリカルボン酸としては、脂肪
族ジ−、トリ−、テトラカルボン酸等が例示され、グル
タル酸、コハク酸、マロン酸、アジピン酸、スベリン
酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、イタコ
ン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、アコニッ
ト酸、トリカルバリル酸、1,2,3,4−ブタンテトラカル
ボン酸、シトラジン酸、1,2,3,4−シクロペンタンテト
ラカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2
−シクロヘキサンジカルボン酸、アルキル基(炭素数1
〜8)置換型シクロヘキサンジカルボン酸、4,4'−ジシ
クロヘキシルジカルボン酸、テトラヒドロフタル酸、ヘ
キサヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、メ
チルヘキサヒドロフタル酸、ダイマー酸、シクロペンタ
ンテトラカルボン酸、シクロヘキサンテトラカルボン
酸、炭素数6〜80までの(メタ)アクリル酸オリゴマ
ー、炭素数7〜80までの(メタ)アクリル酸メチルオリ
ゴマーを鹸化分解して得られるカルボン酸などが例示さ
れ、中でもコハク酸、グルタル酸、マロン酸、アジピン
酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン
二酸、イタコン酸、トリカルバリル酸、1,2,3,4−ブタ
ンテトラカルボン酸、シトラジン酸、1,2,3,4−シクロ
ペンタンテトラカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカ
ルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、4,4'−
ジシクロヘキシルジカルボン酸、シクロヘキサンテトラ
カルボン酸が推奨される。
炭素数80以下の芳香族モノカルボン酸としては、安息
香酸、p−トルイル酸、p−エチル安息香酸、クミン
酸、p−tert−ブチル安息香酸、p−イソブチル安息香
酸、p−フェニル安息香酸、3,5−ジメチル安息香酸な
どの炭素数1〜18、好ましくは炭素数1〜12のアルキル
基が1〜4個又はフェニル基が1〜2個置換した安息香
酸、1−ナフトエ酸、2−ナフトエ酸、テトラリンモノ
カルボン酸、アルキル基(例えば、C1−C12)置換型テ
トラリンモノカルボン酸などが例示され、中でも安息香
酸、p−メチル安息香酸、p−エチル安息香酸、p−n
−プロピル安息香酸、クミン酸、p−tert−ブチル安息
香酸、p−イソブチル安息香酸、p−フェニル安息香
酸、3,5−ジメチル安息香酸、1−ナフトエ酸、2−ナ
フトエ酸、テトラリンモノカルボン酸が推奨される。
炭素数80以下の芳香族ポリカルボン酸としては、芳香
族ジ−、トリ−及びテトラカルボン酸が例示でき、o−
フタル酸、m−フタル酸、p−フタル酸、トリメリット
酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、ジフェン酸、ベン
ゼンヘキサカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、ビフ
ェニルテトラカルボン酸、エチレングリコール−4,4'−
ビストリメリテート、グリチルリチン酸、ナフレンジカ
ルボン酸、ジフェニルスルホンテトラカルボン酸、ジフ
ェニルエーテルテトラカルボン酸、ジフェニルメタンテ
トラカルボン酸、ジフェニルプロパンテトラカルボン酸
などが例示され、中でもo−フタル酸、m−フタル酸、
p−フタル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメ
リット酸、ジフェン酸、ビフェニルジカルボン酸、ビフ
ェニルテトラカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸、ジ
フェニルスルホンテトラカルボン酸、ジフェニルエーテ
ルテトラカルボン酸、ジフェニルメタンテトラカルボン
酸、ジフェニルプロパンテトラカルボン酸、エチレング
リコール−4,4'−ビストリメリット酸ジトリメリテート
が推奨される。
炭素数80以下のハロゲン原子を有するカルボン酸とし
ては、塩素、臭素等のハロゲン原子を1〜3個有する炭
素数3〜24程度のモノ、ジ、トリ又はテトラカルボン酸
が好ましく、クロロプロピオン酸、ブロモプロピオン
酸、o−クロロ安息香酸、m−クロロ安息香酸、p−ク
ロロ安息香酸、4−クロロ−3−ニトロ安息香酸、ジフ
ルニサル、トリフェナム酸などが例示される。
炭素数80以下のアミノ基を有するカルボン酸として
は、アミノ基を1〜5個有する炭素数2〜24程度のモ
ノ、ジ、トリ又はテトラカルボン酸が好ましく、グリシ
ン、アラニン、β−アラニン、フェニルアラニン、α−
アミノアクリル酸、α−アミノ酪酸、β−アミノ酪酸、
γ−アミノ酪酸、アロイソロイシン、γ−アミノ−α−
メチレン酪酸、α−アミノイソ酪酸、β−アミノイソ酪
酸、ノルバリン、δ−アミノ−n−吉草酸、β−アミノ
クロトン酸、イソロイシン、バリン、2−アミノ−4−
ペンテノイック酸、ノルロイシン、6−アミノカプロン
酸、ロイシン、7−アミノヘプタン酸、α−アミノ−n
−カプリル酸、8−アミノカプリル酸、9−アミノノナ
ン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン
酸、サルコシン、プロリン、アミノマロン酸、2−アミ
ノアジピン酸、アルギニン、アスパラギン酸、アスパラ
ギン、シスチン、エチオニン、シスタチオニン、ランチ
オニン、グルタミン、グルタミン酸、テアニン、S−
(カルボキシメチル)システィン、2,4−ジアミノ酪
酸、カナバニン、キヌレニン、ヒスチジン、1−メチル
ヒスチジン、3−メチルヒスチジン、トリプトファン、
リジン、オルニチン、クレアチン、シトルリン、アザセ
リン、アロトレオニン、トレオニン、δ−ヒドロキシリ
シン、ホモセリン、メチオニン、エルゴチオネイン、シ
ステイン、システイン酸、スレオニン、β−(3,4−ジ
ヒドロキシフェニル)−アラニン、チロシンなどのD
体、L体、DL体、1−アミノシクロヘキサンカルボン
酸、2−アミノシクロヘキサンカルボン酸、3−アミノ
シクロヘキサンカルボン酸、4−アミノシクロヘキサン
カルボン酸、p−アミノメチルシクロヘキサンカルボン
酸、2−アミノ−2−ノルボルナンカルボン酸、3,5−
ジアミノシクロヘキサンカルボン酸、1−アミノ−1,3
−シクロヘキサンジカルボン酸、α−アミノフェニル酢
酸、α−アミノ−β−フェニルプロピオン酸、2−アミ
ノ−2−フェニルプロピオン酸、3−アミノ−3−フェ
ニルプロピオン酸、α−アミノ桂皮酸、2−アミノ−4
−フェニル酪酸、4−アミノ−3−フェニル酪酸、アン
トラニル酸、m−アミノ安息香酸、p−アミノ安息香
酸、2−アミノ−4−メチル安息香酸、2−アミノ−6
−メチル安息香酸、3−アミノ−4−メチル安息香酸、
2−アミノ−3−メチル安息香酸、2−アミノ−5−メ
チル安息香酸、4−アミノ−2−メチル安息香酸、4−
アミノ−3−メチル安息香酸、2−アミノ−3−メトキ
シ安息香酸、3−アミノ−4−メトキシ安息香酸、4−
アミノ−2−メトキシ安息香酸、4−アミノ−3−メト
キシ安息香酸、2−アミノ−4,5−ジメトキシ安息香
酸、o−アミノフェニル酢酸、m−アミノフェニル酢
酸、p−アミノフェニル酢酸、4−(4−アミノフェニ
ル)酪酸、4−アミノメチル安息香酸、4−アミノメチ
ルフェニル酢酸、o−アミノ桂皮酸、m−アミノ桂皮
酸、p−アミノ桂皮酸、p−アミノ馬尿酸、2−アミノ
−1−ナフトエ酸、3−アミノ−1−ナフトエ酸、4−
アミノ−1−ナフトエ酸、5−アミノ−1−ナフトエ
酸、6−アミノ−1−ナフトエ酸、7−アミノ−1−ナ
フトエ酸、8−アミノ−1−ナフトエ酸、1−アミノ−
2−ナフトエ酸、3−アミノ−2−ナフトエ酸、4−ア
ミノ−2−ナフトエ酸、5−アミノ−2−ナフトエ酸、
6−アミノ−2−ナフトエ酸、7−アミノ−2−ナフト
エ酸、8−アミノ−2−ナフトエ酸、3,5−ジアミノ安
息香酸、4、4'−ジアミノ−3,3'−ジカルボキシジフェ
ニルメタン、エチレンジアミン四酢酸などが例示され
る。これらのうちでも、特に、L−グルタミンが好まし
い。
炭素数80以下の水酸基を有するカルボン酸としては、
D−体、L−体或いはラセミ体を問わず、水酸基を1〜
5個有する炭素数2〜30程度のモノ、ジ、トリ又はテト
ラカルボン酸が好ましく、酒石酸、乳酸、リンゴ酸、ク
エン酸、グルコン酸、パントテン酸、12−ヒドロキシス
テアリン酸、マンデル酸、コール酸、β−オキシナフト
エ酸、リシノール酸、キナ酸、シキミ酸、サリチル酸、
プロトカテク酸、クマル酸などのフェノール酸、没食子
酸、α,β−ジヒドロキシヘキサヒドロフタル酸などが
例示され、中でも酒石酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、
グルコン酸、パントテン酸、12−ヒドロキシステアリン
酸、マンデル酸、コール酸、β−オキシナフトエ酸、リ
シノール酸、キナ酸、シキミ酸、サリチル酸、α,β−
ジヒドロキシヘキサヒドロフタル酸が推奨される。これ
らの中でも、ジアセタールに対して5重量%以下(特
に、0.01〜5重量%)、より好ましくは1重量%以下
(特に、0.1〜2重量%)の添加量で、融点降下が70〜1
00℃と大きい酒石酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸及び
α,β−ジヒドロキシヘキサヒドロフタル酸は特に推奨
される。
樹脂酸としては、デヒドロアビエチン酸、アビエチン
酸、イソピマル酸、レボピマル酸、ジヒドロアビエチン
酸、ネオアビエチン酸、テトラヒドロアビエチン酸、エ
リオチン酸、パラストリン酸、ピマル酸、サンダラコピ
マル酸、ポドカルプ酸、アガテンジカルボン酸、ケイ皮
酸、p−オキシケイ皮酸などが例示され、中でもデヒド
ロアビエチン酸、アビエチン酸、ジヒドロアビエチン
酸、ネオアビエチン酸、テトラヒドロアビエチン酸が推
奨される。
炭素数80以下のカルボニル基を有するカルボン酸とし
ては、カルボニル基を1〜3個有する炭素数6〜30程度
のモノ、ジ、トリ又はテトラカルボン酸が好ましく、レ
ブリン酸、ピリビル酸、o−ベンゾイル安息香酸などが
例示される。
炭素数80以下のエーテル結合を有するカルボン酸とし
ては、エーテル結合を1〜3個有する炭素数4〜18のモ
ノ、ジ、トリ又はテトラカルボン酸が好ましく、4−メ
トキシシクロヘキサンカルボン酸、4−エトキシシクロ
ヘキサンカルボン酸、p−メトキシ安息香酸、p−エト
キシ安息香酸、p−フェノキシ安息香酸、2−メトキシ
−ナフタレンカルボン酸などが推奨される。
炭素数80以下のエステル結合を有するカルボン酸とし
ては、エステル結合を1〜4個有する炭素数6〜30程度
のモノ、ジ、トリ又はテトラカルボン酸が好ましく、ア
セチルクエン酸、ステアロイルクエン酸、アセチルリシ
ノール酸、ステアロイル乳酸、クエン酸モノステアリル
エステル、クエン酸ジステアリルエステル、アジピン酸
モノ−2−エチルヘキシルエステル、アジピン酸モノオ
クチルエステル、テレフタル酸モノオクチルエステル、
テレフタル酸モノステアリルエステルなどのポリカルボ
ン酸の部分エステル又はエステル結合を分子内に有する
ポリカルボン酸などが例示され、中でもアセチルクエン
酸、ステアロイルクエン酸、アセチルリシノール酸、ス
テアロイル乳酸、クエン酸モノステアリルエステル、ア
ジピン酸モノ−2−エチルヘキシルエステル、アジピン
酸モノオクチルエステルが推奨される。
炭素数80以下のアミド結合とアミノ基を有するカルボ
ン酸としては、アミド結合を1〜4個及びアミノ基を1
〜4個有する炭素数2〜36程度のモノ、ジ、トリ又はテ
トラカルボン酸が好ましく、アスパラギン酸アミド、グ
リシル−アラニン、グリシル−α−アミノ酪酸、グリシ
ル−アスパラギン、グリシル−グルタミン、グリシル−
グリシン、グリシル−グリシル−グリシン、グリシル−
グリシル−グリシル−グリシン、グリシル−ロイシン、
グリシル−ノルロインシン、グリシル−ノルバリン、グ
リシル−α−フェニルアラニン、グリシル−サルコシ
ン、グリシル−トリプトファン、アラニル−アラニン、
アラニル−グルタミン、アラニル−グリシン、アラニル
−グリシル−グリシン、β−アラニル−ヒスチジン、ア
ラニル−フェニルアラニン、アラニル−チロシン、グリ
シンアンヒドリドなどのD体、L体、DL体などが例示さ
れる。
炭素数80以下のアミド結合と水酸基を有するカルボン
酸としては、アミド結合を1〜4個及び水酸基を1〜4
個有する炭素数2〜36程度のモノ、ジ、トリ又はテトラ
カルボン酸が好ましく、パントテン酸、クエン酸モノス
テアリルアミド、クエン酸ジステアリルアミドなどの水
酸基を有する多価カルボン酸の部分アミドなどが例示さ
れる。
炭素数80以下の複素環を含むカルボン酸としては、ヘ
テロ原子としてN及びSをヘテロ環中に1〜2個有する
5〜6員のヘテロ環を1個有する炭素数4〜18個のモ
ノ、ジ、トリ又はテトラカルボン酸が好ましく、例え
ば、ニコチン酸、チオクト酸、プロリン、オキシプロリ
ン、スプロフェン、チアプロフェン酸などが例示され
る。
炭素数80以下のチオエーテル結合を有するカルボン酸
としては、チオエーテル基を1〜4個有する炭素数6〜
30程度のものが好ましく、ジチオオクチル酸、チオクト
酸などが例示される。
上記ポリカルボン酸の部分塩(即ち、ポリカルボン酸
のカルボキシル基の一部が−COOM(Mは、アルカリ金
属、又はアルカリ土類金属又はカチオン)となっている
ポリカルボン酸塩)としては、酒石酸、りんご酸、クエ
ン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン
酸、セバシン酸等の部分塩が好ましい。
また、本発明では、中性ないし弱酸性の一価有機酸の
アルミニウム塩が推奨されるが、特に、モノ、ジ又はト
リ(C6−C30、好ましくはC8−C22)脂肪酸アルミニウム
塩が好ましい。これらアルミニウム塩は、一般式(RCO
O)3Al、(RCOO)2Al(OH)又は(RCOO)Al(OH)
表されるものである(式中RCOOは、炭素数6〜30の脂肪
酸残基を示す)。これらのうちでも、モノ、ジ又はトリ
(カプロン酸)アルミニウム、モノ、ジ又はトリ(エナ
ント酸)アルミニウム、モノ、ジ又はトリ(カプリル
酸)アルミニウム、モノ、ジ又はトリ(ペラルゴン酸)
アルミニウム、モノ、ジ又はトリ(カプリン酸)アルミ
ニウム、モノ、ジ又はトリ(ウンデシル酸)アルミニウ
ム、モノ、ジ又はトリ(ラウリン酸)アルミニウム、モ
ノ、ジ又はトリ(トリデシル酸)アルミニウム、モノ、
ジ又はトリ(ミリスチン酸)アルミニウム、モノ、ジ又
はトリ(ペンタデシル酸)アルミニウム、モノ、ジ又は
トリ(パルミチン酸)アルミニウム、モノ、ジ又はトリ
(ヘプタデシル酸)アルミニウム、モノ、ジ又はトリ
(ステアリン酸)アルミニウム、モノ、ジ又はトリ(オ
レイン酸)アルミニウム、モノ、ジ又はトリ(ノナデカ
ン酸)アルミニウム、モノ、ジ又はトリ(アラキン酸)
アルミニウム、モノ、ジ又はトリ(ベヘン酸)アルミニ
ウム、モノ、ジ又はトリ(リグノセリン酸)アルミニウ
ム、モノ、ジ又はトリ(セロチン酸)アルミニウム、モ
ノ、ジ又はトリ(モンタン酸)アルミニウム、モノ、ジ
又はトリ(エライジン酸)アルミニウム、モノ、ジ又は
トリ(エルカ酸)アルミニウム、モノ、ジ又はトリ(リ
ノール酸)アルミニウム等が例示できる。これらのうち
でも、特に上記具体例のうちのモノ又はジ(カルボン
酸)アルミニウム塩が推奨される。
また、本発明でバインダーとして使用するスルホン酸
塩としては、アルキル基の炭素数が1〜30、特に6〜1
4、好ましくは8〜14のアルキルベンゼンスルホン酸塩
又はアルキルナフタレンスルホン酸塩;炭素数6〜30、
好ましくは12〜22のアルカンスルホン酸塩又は炭素数6
〜30、好ましくは12〜22のアルケンスルホン酸塩;アル
キル部分がC3−C12アルキル基、シクロヘキシル基、C1
−C3アルキル置換シクロヘキシル等であるジアルキルス
ルホサクシネート塩が例示できる。
硫酸エステル塩としては、飽和又は不飽和脂肪族アル
コールの硫酸エステル塩、飽和又は不飽和脂肪族アルコ
ールのエチレンオキシド付加体(付加モル数1〜10)の
硫酸エステル塩等を例示できる。該飽和又は不飽和脂肪
族アルコールとしては、炭素数4〜30、特に6〜30、好
ましくは8〜20のものが例示できる。また、上記不飽和
脂肪族アルコールは、分子内に1〜3個の不飽和結合
(特に二重結合)を有しているのが好ましい。
α−スルホ脂肪酸の塩又はα−スルホ脂肪酸C1−C10
アルキル(特にC1−C5アルキル)エステルの塩も使用で
き、これを構成する脂肪酸としては炭素数6〜30の飽和
又は不飽和脂肪酸を例示できる。特に、該α−スルホ脂
肪酸塩又はそのエステル塩としては、α−スルホ−ステ
アリン酸、α−スルホ−ステアリン酸メチル、α−スル
ホ−ステアリン酸ブチル等の塩を例示できる。
これらスルホン酸又は硫酸エステルの塩としては、リ
チウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、ア
ンモニウム塩、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ
土類金属塩等を例示できる。
リン酸エステル塩としては、エステルのアルコール残
基が炭素数4〜30のアルキル基又は不飽和結合を1〜3
個有する炭素数4〜30の不飽和炭化水素基であるリン酸
エステルのアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩、又
は水酸基を4〜12個有する炭素数5〜12の多価アルコー
ルとリン酸とのエステルのアルカリ金属塩又はアルカリ
土類金属塩、特に、ペンタエリスリトール又はジペンタ
エリスリトールとリン酸とのエステルのアルカリ金属塩
又はアルカリ土類金属塩を例示できる。該アルカリ金属
としては、ナトリウム、カリウム、リチウムを例示で
き、該アルカリ土類金属としては、カルシウム、マグネ
シウム等を例示できる。
上記バインダーのうちでも、次のものが融点降下作用
の点から好ましい。
(a)炭素数8〜30程度の脂肪族モノカルボン酸、中で
も、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタ
デカン酸、パルミチン酸、ヘプタデカン酸、ステアリン
酸、イソステアリン酸、エイコサン酸、ベヘン酸、ドコ
サヘキサン酸、モンタン酸、ベンジル酸、ソルビン酸、
オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸等、 (b)炭素数3〜18程度の脂肪族ジカルボン酸又は炭素
数6〜30程度の脂肪族トリカルボン酸又は炭素数8〜30
程度の脂肪族テトラカルボン酸、中でも、コハク酸、グ
ルタル酸、マロン酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼラ
イン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、イタコン酸、トリ
カルバリル酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、シ
トラジン酸、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン
酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘ
キサンジカルボン酸、4,4'−ジシクロヘキシルジカルボ
ン酸、シクロヘキサンテトラカルボン酸等、 (c)炭素数7〜15程度の芳香族モノカルボン酸、中で
も安息香酸、炭素数1〜4のアルキルが1〜2個又はフ
ェニル基が1個置換した安息香酸(例えば、p−メチル
安息香酸、p−エチル安息香酸、n−プロピル安息香
酸、クミン酸、p−tert−ブチル安息香酸、p−イソブ
チル安息香酸、p−フェニル安息香酸、3,5−ジメチル
安息香酸)、1−ナフトエ酸、2−ナフトエ酸、テトラ
リンモノカルボン酸等、 (d)炭素数8〜20程度の芳香族ジ、トリ又はテトラカ
ルボン酸、中でもo−フタル酸、m−フタル酸、p−フ
タル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット
酸、ジフェン酸、ビフェニルジカルボン酸、ビフェニル
テトラカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニ
ルスルホンテトラカルボン酸、ジフェニルエーテルテト
ラカルボン酸、ジフェニルメタンテトラカルボン酸、ジ
フェニルプロパンテトラカルボン酸、エチレングリコー
ル−4,4'−ビストリメリット酸ジトリメリテート等、 (e)ハロゲン原子を有する炭素数3〜20程度のカルボ
ン酸、特に、ハロゲン原子を1〜3個有する炭素数3〜
18程度の脂肪族ジカルボン酸又はハロゲン原子を1〜3
個有する炭素数6〜30程度の脂肪族トリカルボン酸又は
ハロゲン原子を1〜3個有する炭素数8〜30程度の脂肪
族テトラカルボン酸(ここで、ハロゲン原子は、塩素、
臭素等である)、中でも、クロロプロピオン酸、ブロモ
プロピオン酸、o−クロロ安息香酸、m−クロロ安息香
酸、p−クロロ安息香酸、4−クロロ−3−ニトロ安息
香酸、 (f)アミノ基を1〜3個有する炭素数5〜12程度のモ
ノ又はジカルボン酸、中でも、グルタミン、特にL−グ
ルタミン等、 (g)モノ、ジ又はトリ(C6−C30脂肪酸)アルミニウ
ム塩、特に、ジ又はモノ(カルボン酸)アルミニウム
塩、中でもジ又はモノ(ペラルゴン酸)アルミニウム、
ジ又はモノ(ラウリン酸)アルミニウム、ジ又はモノ
(ミリスチン酸)アルミニウム、ジ又はモノ(ステアリ
ン酸)アルミニウム、ジ又はモノ(オレイン酸)アルミ
ニウム等、 (h)水酸基を1〜5個有する炭素数4〜24程度のモ
ノ、ジ、トリ又はテトラカルボン酸、中でも酒石酸、乳
酸、リンゴ酸、クエン酸、グルコン酸、パントテン酸、
12−ヒドロキシステアリン酸、マンデル酸、コール酸、
β−オキシナフトエ酸、リシノール酸、キナ酸、シキミ
酸、サリチル酸、α,β−ジヒドロキシヘキサヒドロフ
タル酸等、 (i)樹脂酸、中でもデヒドロアビエチン酸、アビエチ
ン酸、ジヒドロアビエチン酸、ネオアビエチン酸、テト
ラヒドロアビエチン酸等、 (j)カルボニル基を1〜3個有する炭素数4〜18程度
のモノ又はジカルボン酸、中でも、カルボニル基を1〜
2個有する炭素数5〜14程度のもの、例えば、レブリン
酸、ピリビル酸、o−ベンゾイル安息香酸等、 (k)エーテル結合を1〜2個有する炭素数8〜15程度
のモノ又はジカルボン酸(特に、炭素数1〜4のアルコ
キシ基を1〜2個有し、総炭素数が8〜15のモノ又はジ
カルボン酸)、中でも、4−メトキシシクロヘキサンカ
ルボン酸、4−エトキシシクロヘキサンカルボン酸、p
−メトキシ安息香酸、p−エトキシ安息香酸、p−フェ
ノキシ安息香酸等、 (l)エステル結合を1〜2個有する炭素数5〜26程度
のモノ又はジカルボン酸、中でもアセチルクエン酸、ス
テアリルクエン酸、アセチルリシノール酸、ステアロイ
ル乳酸、クエン酸モノステアリルエステル、アジピン酸
モノ−2−エチルヘキシルエステル、アジピン酸モノオ
クチルエステル等、 (m)(m−1)炭素数6〜30のアルカンスルホン酸、
炭素数6〜30のアルケンスルホン酸、(C1−C22アルキ
ル)ベンゼンスルホン酸及び(C1−C14アルキル)ナフ
タレンスルホン酸のアルカリ金属塩、アンモニウム塩及
びカルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属
塩、並びに、(m−2)炭素数6〜30の飽和又は不飽和
脂肪族アルコールの硫酸エステル塩;エチレンオキシド
が1〜10モル付加した炭素数6〜30の飽和又は不飽和脂
肪族アルコールの硫酸エステル塩;スルホコハク酸ジエ
ステル塩(特に、エステルのアルコール残基がC2−C16
のアルキル基、シクロヘキシル基、又はC1−C5アルキル
基置換シクロヘキシル基であるスルホコハク酸ジエステ
ル塩);α−スルホ脂肪酸塩又はα−スルホ脂肪酸エス
テル塩(特に、炭素数6〜30のα−スルホ脂肪酸塩又は
炭素数6〜30のα−スルホ脂肪酸のC1−C10アルキルエ
ステル塩)であって、これら塩を構成するカチオンが、
例えば、カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属、アン
モニウム及びカルシウム、マグネシウム等のアルカリ土
類金属であるもの、中でも、(mm)C18アルカン又はア
ルケンスルホン酸のカリウム又はナトリウム塩、ドデシ
ルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ナトリウムドデシル
サルフェート、ナトリウムドデシルエーテルサルフェー
ト(即ち、エチレンオキサイドが1モル付加したドデシ
ルアルコールの硫酸エステルのナトリウム塩)、ナトリ
ウムジオクチルスルホサクシネート、ナトリウムメチル
α−スルホステアレート等。
上記(a)〜(m)のバインダーは、単独で使用して
も、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
上記のうちでも、(h)水酸基を1〜5個、好ましく
は1〜4個有する炭素数4〜24、好ましくは4〜12のモ
ノ、ジ、トリ又はテトラカルボン酸の少なくとも1種、
特に、酒石酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、グルコン
酸、パントテン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、マン
デル酸、コール酸、β−オキシナフトエ酸、リシノール
酸、キナ酸、シキミ酸、サリチル酸、α,β−ジヒドロ
キシヘキサヒドロフタル酸等、或いは、上記(m)項に
記載のバインダーが好ましい。
また、例えば、(h−a)酒石酸、乳酸、リンゴ酸、
クエン酸及びα,β−ジヒドロキシヘキサヒドロフタル
酸からなる群から選ばれた少なくとも1種、上記(m)
項に記載のバインダー、特に、(mm)項に記載のバイン
ダーからなる群から選ばれた少なくとも1種、又は、
(h−a)と(mm)との混合物が好ましい。
上記(a)〜(m)項に記載のバインダー、特に上記
(h)項に記載のバインダー又は(m)項に記載のバイ
ンダーは、一般式(1)で表されるジアセタール100重
量部に対して、通常、0.01〜8重量部程度、好ましくは
0.1〜5重量部程度、より好ましくは0.1〜1.0重量部の
量で使用することにより、融点降下効果が発揮される。
本発明で使用するバインダーとしては、下記のような
ものを好ましい例として挙げることもできる。
上記(h)項に記載のバインダーと上記(a)に記載
のバインダーからなる群から選ばれる少なくとも1種の
バインダー 上記(h)に記載のバインダーと上記(b)に記載の
バインダーからなる群から選ばれる少なくとも1種のバ
インダー 上記(h)に記載のバインダーと上記(m)に記載の
バインダーからなる群から選ばれる少なくとも1種のバ
インダー 上記(m)に記載のバインダーと上記(a)に記載の
バインダーからなる群から選ばれる少なくとも1種のバ
インダー 上記(m)に記載のバインダーからなる群から選ばれ
る少なくとも1種のバインダー 上記(m)に記載のバインダーと上記(g)に記載の
バインダーからなる群から選ばれる少なくとも1種のバ
インダー 上記(g)に記載のバインダーと上記(a)に記載の
バインダーからなる群から選ばれる少なくとも1種のバ
インダー 本発明で使用するバインダーの使用量は、1種類のバ
インダーを使用する場合も、2種以上を組み合わせて使
用する場合も、本発明の効果が得られる限り特に限定さ
れるものではなく、ジアセタール及び有機酸及びその誘
導体の種類によって適宜選択することができる。バイン
ダーの使用量は、通常、一般式(1)で表されるジアセ
タール100重量部に対し、0.01〜100重量部、好ましくは
0.1〜70重量部、より好ましくは0.2〜25重量部である。
0.01重量部未満の量では融点降下の効果が得られにくい
ばかりでなく、バインダー効果も得られない。また、10
0重量部を越えて使用した場合、バインダー効果及び融
点降下の効果に更なる優位性は認められにくく、ポリオ
レフィン核剤効果を低下する傾向が生じやすい。
また、前記(h)項に記載のバインダー又は前記
(m)項に記載のバインダーは、特に少量でも融点降下
効果及びバインダー効果を発揮する。
粒状ないし粉状ジアセタール組成物 本発明の粒状ないし粉状ジアセタール組成物は、上記
一般式(1)のジアセタール及び上記バインダーを含
み、バインダーが、ジアセタールの繊維状結晶間に均一
に浸入している結果、ジアセタール粒子の表面のみなら
ず、ジアセタール粒子の内部にも均一に分布している。
このバインダーの均一分布性が増加する程、顕著な融点
降下効果が発揮される。
一般に、純粋物質(X)に第二の物質(Y)を加える
とその純粋物質(X)の融点が降下する(凝固点降下)
ことはよく知られている。この降下する融点は、(Y)
のモル濃度に依存している。一般式(1)で表されるジ
アセタール90重量部に10重量部の(Y)を加えた場合、
通常、該融点は2〜3℃、大きく見積もっても5℃程度
しか降下しない。
それに対して、一般式(1)で表されるジアセタール
に、前記バインダーを本発明に従い均一に分布させてな
るジアセタール組成物は、当該組成物中に含有されるジ
アセタール自体の融点に比し、融点降下が一般に7℃以
上、好ましくは20℃以上、より好ましくは40℃以上、特
に50℃以上、殊に70℃以上、最も好ましくは90℃以上と
なることから、通常の凝固点降下とは異なる特異な相互
作用によるメカニズムにより融点が降下しているものと
考えられる。とりわけ、50℃以上の融点降下のメカニズ
ムは不明である。いずれにせよ、本発明に係るバインダ
ーは、一般式(1)で表されるジアセタールの繊維状結
晶を膨潤させて、その結晶間にまで均一に分布させて初
めて、7℃以上、好ましくは20℃以上、より好ましくは
90℃以上の飛躍的な融点降下の効果を発現する。融点降
下の最大値は、バインダーの種類、使用量、製造方法等
により変わり得、特に限定されないが、一般には100℃
程度である。その結果、本発明ジアセタール組成物の融
点は、通常、185〜230℃程度となる。
本発明に従い、ジアセタールの融点を少なくとも7℃
以上、好ましくは20℃以上、より好ましくは40℃以上、
更に好ましくは90℃以上降下させることは、ジアセター
ルの溶融樹脂や各種液体への溶解速度を、飛躍的に上昇
させることとなる。なぜなら、ポリオレフィンの融点以
上の温度で溶融ポリオレフィン液体とジアセタール固体
との混合が、液体どうしの混合へと転換されるからであ
る。即ち、従来は、成形加工時に、溶融ポリオレフィン
樹脂等の液体に固体状の高融点のジアセタールを溶解し
ていたが、本発明においてはジアセタールの融点を大幅
に降下させたので、一般に溶融ポリオレフィンの温度の
方が本発明ジアセタール組成物の融点よりも高くなり、
その結果、本発明ジアセタール組成物を溶融ポリオレフ
ィンに添加してから極めて短時間内に、場合によっては
該添加と実質上同時に又は該添加の直後に、ジアセター
ルは融解し、この融解したジアセタールが溶融ポリオレ
フィンに液−液混合で溶解するからである。
また、かなり低温で溶解できるので、例えば、ポリオ
レフィン樹脂の成形時に、ジアセタールは分解や昇華や
着色を生じない。さらに、低温成形による省エネルギー
を図ることができる。
本発明に係るジアセタール組成物の形態は、粉末状か
らヌードルや顆粒やタブレットなど任意の形状の造粒物
まで及ぶ。粉末状の場合、その粒子直径の平均値は3〜
2000μm、好ましくは3〜500μm、特に5〜500μm、
より好ましくは7〜250μmである。3μmより小さい
場合は、粉体の流動性、移送性及び粉塵の抑制が十分に
得られにくい場合があり、また特別な粉砕装置が必要で
ある。
ここで、上記粉末の粒子直径の平均値は、レーザー回
折/散乱式粒度分布測定装置(堀場製作所製、商品名
「LA−910」)を用い、分散媒に蒸留水を用いて測定し
たメジアン径である。本明細書では、この粒子直径の平
均値を、単に「平均粒子径」という。
その粒度分布は、広範囲に分布しても良く、特に単一
分散である必要はない。即ち、通常の工業的な粉砕装置
により得られる粒度分布で十分である。
造粒物の場合、断面の直径が0.2〜5mm、好ましくは0.
5〜2mmで長さが0.2〜15mmの円柱ないしヌードル状や、
直径0.2〜5mm、好ましくは0.5〜2mmの顆粒やフレークが
例示できる。
本発明に係るジアセタール組成物の推奨される嵩密度
としては、0.2〜1.1g/cm3が例示され、より好ましくは
0.2〜0.75g/cm3である。嵩密度が、0.2g/cm3より小さい
場合、粉体の流動性、移送性、粉塵の抑制及び付着防止
の効果が十分に得られにくいことがある。1.1g/cm3を超
える場合は、粉体特性は飛躍的に改善されるが、溶融樹
脂や各種流動体への溶解速度がいくぶん小さくなること
がある。嵩密度は、本発明のジアセタール組成物を調製
するときの乾燥温度と乾燥様式或いは造粒方法によっ
て、任意に調整可能である。即ち、乾燥速度が小さくて
乾燥温度が高ければ嵩密度は高くなり、乾燥速度が大き
くて乾燥温度が低ければ嵩密度は低くなる傾向になる。
又、造粒成形時の圧縮比が大きければ、嵩密度は高くな
る。
また、必要であれば、本発明の粒状ジアセタール組成
物には、上記バインダーに加えて、各種の添加剤、例え
ば、帯電防止剤、中和剤ないし安定剤、滑剤、ポリマー
等を含有させることもできる。
本発明では、上記帯電防止剤は、ジアセタール組成物
の製造時の膨潤度を上昇させて均一性を向上させること
により、バインダー効果及び融点降下の効果を向上させ
ると同時に品質の安定性を高めること、或いは、ジアセ
タール組成物の帯電性を消失させ、或いは、嵩密度を増
加させる目的で使用される。これは、品質の安定性、移
送性、流動性をより改善する上で重要である。
具体的な帯電防止剤としては、グリセリン脂肪酸(炭
素数8〜22)モノ、ジ及びトリエステル、ソルビタン脂
肪(炭素数4〜22)モノ、ジ、トリ及びテトラエステ
ル、ポリプロピレングリコール脂肪酸(炭素数8〜22
脂)エステル、ペンタエリスリトール脂肪酸(炭素数8
〜22)エステル、トリメチロールプロパン脂肪酸(炭素
数8〜22)エステル、ポリグリセリン脂肪酸(炭素数8
〜22)エステル、(ポリオキシエチレン(4〜50モル)
アルキル(炭素数7〜22)フェニルエーテル、ポリオキ
シエチレン(4〜50モル)アルキル(炭素数12〜22)エ
ーテル、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アルキル
(炭素数8〜22)アミン、ポリオキシエチレン(4〜50
モル)モノアルキル(炭素数7〜22)アミン、ポリエチ
レングリコール(4〜50モル)脂肪酸(炭素数8〜22)
エステル、硫酸塩(ナトリウム、カリウム、アンモニウ
ム塩)、ソルビタンモノ、ジ及びトリ−脂肪酸(炭素数
4〜22)エステルなどが例示される。
これら帯電防止剤のうちでも、特に、グリセリン脂肪
酸(C8−C22)モノ、ジ及びトリエステル、N,N−ビス
(2−ヒドロキシエチル)アルキル(C8−C22)アミ
ン、ポリオキシエチレン(4−50モル)アルキル(C12
−C22)エーテル、ポリオキシエチレン(4−50モル)
アルキル(C7−C22)フェニルエーテル、ペンタエリス
リトール脂肪酸(C8−C22)エステルが好ましい。
帯電防止剤は、一般式(1)で表されるジアセタール
100重量部に対して、好ましくは0.01〜50重量部、より
好ましくは0.1〜20重量部で配合される。帯電防止剤を
配合することにより、帯電性を消失させることだけでな
く、膨潤度を増大させることによるバインダー効果の上
昇により嵩密度の効果的上昇に役立つ。
中和剤ないし安定剤としては、ステアリン酸カルシウ
ム、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸カリウム、ス
テアリン酸ナトリウム、テトラキス[メチレン−3−
(3',5'−ジ−t−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート]メタン、トリス(2,4−ジ−t−ブチ
ルフェニル)フォスファイト、3,3'−チオジプロピオン
酸ジステアリル等に代表される金属石鹸、フェノール系
化合物、リン化合物、イオウ化合物等が例示でき、その
使用量は、一般式(1)で表されるジアセタール100重
量部に対して、5〜100重量部程度、好ましくは15〜70
重量部程度である。
上記滑剤としては、硬化油、例えば、硬化ひまし油、
硬化ナタネ油、硬化パーム油、硬化牛脂、硬化綿実油、
硬化ダイズ油等が例示できる。これら滑剤の使用量は、
一般式(1)で表されるジアセタール100重量部に対し
て、1〜20重量部程度、好ましくは3〜10重量部程度で
ある。
上記ポリマーとしては、分子量1万以下のポリエチレ
ンやポリプロピレン、或いは水添石油樹脂、エチレン−
プロピレンゴム等を例示でき、その使用量は、一般式
(1)で表されるジアセタール100重量部に対して5〜1
0000重量部程度、好ましくは100〜5000重量部程度であ
る。
本発明のジアセタール組成物では、上記バインダーと
上記帯電防止剤、中和剤ないし安定剤及び滑剤からなる
群から選ばれる少なくとも1種とを併用することによ
り、融点降下の効果に加えて、バインダー効果をも向上
させることができる。この場合、バインダーとしては、
前記のものがいずれも使用でき、特に前記(a)〜
(m)項に記載のバインダーがそれぞれ単独で使用でき
るばかりでなく、2種以上を組み合わせて使用すること
もできる。
特に、(I)前記(h−a)項に記載のバインダー、
(m)項に記載のバインダー、(a)項に記載のバイン
ダー及び(g)項に記載のバインダーからなる群から選
ばれる少なくとも1種のバインダーと(II)上記滑剤で
ある硬化油とを併用するのが好ましい。
この場合、(I)と(II)との使用割合は、特に限定
されないが、一般には、(I)100重量部に対して、(I
I)を10〜10000重量部程度使用することが推奨される。
上記(I)と(II)とを組合せて使用する場合、一般
式(1)で表されるジアセタール100重量部に対して、
上記(I)は、0.1〜30重量部程度、好ましくは0.4〜20
重量部程度の量で使用し、上記(II)は0.5〜25重量部
程度、好ましくは2〜10重量部程度の量で使用すること
が推奨され、これにより、優れた融点降下効果とバイン
ダー効果を発揮することができる。
上記併用の組合せのうちでも、前記(h−a)項に記
載のバインダー、(m)項に記載のバインダー、(a)
項に記載のバインダーからなる群から選ばれる少なくと
も1種と硬化油とを併用するのが好ましい。
また、更に、前記(m)項に記載のバインダー及び
(a)項に記載のバインダーからなる群から選ばれる少
なくとも1種と硬化油とを併用するのが好ましい。
また、前記(a)項に記載のバインダー、(g)項に
記載のバインダー及び(m)項に記載のバインダーから
なる群から選ばれる少なくとも1種と硬化油とを併用す
るのも好ましい。
ジアセタール組成物の製造方法 本発明に係るジアセタール組成物を製造する際には、
本発明の効果を奏するために、結晶粉体の内部或いは細
部にわたるまで、即ち、ジアセタールの繊維状結晶間
に、バインダーが均一に分布されなければならない。
従って、本発明の好ましい製造方法は、原料ジアセタ
ール結晶を溶媒で十分に膨潤した状態とした後、バイン
ダー及び必要に応じて帯電防止剤等の添加剤(溶融物若
しくは溶液の形態をとっても良い)と混合し、(溶媒や
水を取り除くべく)乾燥をしながらジアセタール組成物
を造粒し、必要に応じて、該造粒されたジアセタール組
成物を、粉砕するか、又は分級するか、或いは、粉砕し
たジアセタール組成物を再び造粒することを特徴とす
る。
特に、本発明の粒状又は粉末状ジアセタール組成物
は、 (i)溶媒で膨潤された一般式(1)で表されるジアセ
タールを含むスラリーを調製し、 (ii)上記スラリーとバインダーとを均一混合し、 (iii)(a)得られる均一混合物から溶媒を除去して
乾燥物を得るか、又は、 (b)得られる均一混合物から溶媒を除去しながら造粒
するか、又は、 (c)上記工程(a)で得られる乾燥物又は上記工程
(b)で得られる造粒物を、分級若しくは粉砕するか、
又は、 (d)上記(c)で得られる粉砕物を造粒若しくは分級
する工程を包含する方法により、好ましい粒径分布の製
品として得ることができる。
本発明ジアセタール組成物の推奨される調製方法とし
ては、好ましい製造法として、以下の3つの方法が挙げ
られる。
方法(1) 一般式(1)で表されるジアセタールを膨潤させ得る
有機溶媒と一般式(1)で表されるジアセタールとのス
ラリーを、20〜200℃、好ましくは100℃以下の有機溶媒
の還流温度近傍(例えば、60〜100℃程度)に加温して
十分撹拌混合してジアセタールを膨潤させた後、この系
にバインダー及び必要に応じて帯電防止剤等の添加剤を
添加して溶解させ、十分に均一分散させ、その後、必要
に応じて水を加えながら、例えば20〜180℃の温度範囲
で上記有機溶媒及び水を留去し、攪拌しながら、乾燥す
ることにより、造粒し、次いで、造粒物を分級し、必要
に応じて、造粒物を粉砕し、得られた粉末を分級する
か、或いは得られた粉末を更に造粒する方法。
この方法では、例えば、原料ジアセタールとして、粉
末状のジアセタールを使用することができる。かかる粉
末状のジアセタールの各粒子は、繊維状のジアセタール
微結晶が密に集合して構成されている。かかる集合した
ジアセタール微結晶を上記温度条件下で上記有機溶媒で
充分に膨潤させると、実質上個々の繊維状結晶にまで分
散して、繊維状結晶の間に溶媒が浸入して結晶は膨潤す
る。
このようにジアセタール結晶が有機溶媒で膨潤し、個
々の繊維状結晶にまで有機溶媒中で分散したスラリー
に、バインダー及び必要に応じて帯電防止剤等の添加剤
を添加し、膨潤したジアセタール結晶と溶解したバイン
ダー(及び溶解又は分散したした帯電防止剤等の添加
剤)とを均一となるまで混合し、次いで溶媒を除去し、
粒状化する。かくして、バインダー及び必要に応じて帯
電防止剤等の添加剤がジアセタール粒子中に均一分布状
に分散した本発明のジアセタール組成物を得る。
ジアセタールの繊維状結晶の膨潤を十分に行うこと
は、最大の融点降下を得るために特に重要である。ジア
セタールをシクロヘキサン溶媒等の非極性溶媒に室温で
分散して十分に攪拌した場合、時間とともに粘度が急激
に増大することが生じない。即ち、ジアセタールの繊維
状結晶間にシクロヘキサン溶媒等の非極性溶媒が大量に
浸入することがなく、ジアセタールの膨潤は発生しな
い。この状態でバインダーを添加してから乾燥しても、
得られるものには上記のような大幅な融点降下が発生し
ない。
これに対して、ジアセタールを、非極性溶媒、例えば
シクロヘキサン溶媒と極性溶媒との混合溶媒に分散し
て、加熱攪拌すれば、時間とともに粘度が急激に増大す
る。即ち、ジアセタールの繊維状結晶間に混合溶媒が大
量に浸入して、ジアセタールの膨潤度合いが発展する。
十分なジアセタールの膨潤度合いの状態で、バインダー
を添加してから乾燥すると、目的の融点降下が得られ
る。ジアセタールの膨潤度合いが発展するにつれて、よ
り大きな融点降下が得られる。当然、ジアセタールの膨
潤は極性溶媒のみによっても可能である。
従って、本発明では、上記膨潤のための溶媒として、
極性有機溶媒単独を使用するか、又は、芳香族炭化水素
溶媒単独を使用するか、又は、(a)極性有機溶媒及び
芳香族炭化水素からなる群から選ばれる少なくとも1種
と(b)脂肪族炭化水素及び脂環式炭化水素からなる群
から選ばれる少なくとも1種との混合物を使用する。
上記極性溶媒としては、メタノール、エタノール、イ
ソプロパノール、ブタノールなどの炭素数1〜18、好ま
しくは1〜5、特に1〜3の脂肪族アルコール;シクロ
ブタンメタノール、シクロヘキサノール、メチルシクロ
ヘキサノールなどの炭素数6〜18、好ましくは6〜12の
脂環式アルコール;フルフリルアルコール;ジオキサン
等の環状エーテル;アニソール等のエーテル;アセト
ン、メチルエチルケトン等のケトン;炭素数3〜6程度
の脂肪族アミン;アセトニトリル;エチレングリコール
モノメチルエーテル等のグリコールエーテル;ジメチル
ホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMA
c)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチルピロ
リドン(NMP)等が例示される。
上記芳香族炭化水素としては、トルエン、キシレン、
メシチレン、エチルベンゼン、イソプロピルベンゼン等
の炭素数6〜18、好ましくは6〜12の芳香族炭化水素を
例示できる。
上記脂肪族炭化水素及び脂環式炭化水素としては、例
えば、n−ヘキサン、ヘプタン、ノナン、デカンなどの
炭素数6〜18、好ましくは6〜12の脂肪族炭化水素、シ
クロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘ
キサンなどの炭素数6〜18、好ましくは炭素数6〜12の
脂環式炭化水素などが例示される。
スラリー濃度としては、ジアセタール換算で1〜60重
量%、好ましくは5〜60重量%、更に好ましくは10〜40
重量%が推奨される。1重量%未満では効率よく生産で
きにくく経済的でない。65重量%を超えると膨潤が不十
分となり、撹拌が困難となる傾向がある。
スラリー中で、ジアセタールが十分膨潤したかどうか
の確認は、スラリー粘度の低せん断速度での顕著な上
昇、静置してもスラリーが2相に分離しないこと等か
ら、或いは、顕微鏡観察により、溶媒がほぐれた繊維状
結晶間に吸収ないし含浸されていることを確認すること
により、容易に行うことができる。
ジアセタールが膨潤した後、前記所定量のバインダー
及び必要に応じて前記所定量の帯電防止剤等の添加剤を
添加すると、これらはスラリー中の有機溶媒に溶解ない
し分散する。得られた混合物を均一となるまで混合攪拌
する。
バインダー及び必要に応じて使用する添加剤は、その
まま添加しても良いが、事前にこれらを溶解し得る有機
溶媒に溶解させた溶液の形態又はこれらを有機溶媒に分
散した形態又はこれらを溶融した状態にしてから、添加
しても良い。この際の有機溶媒としては、前記膨潤のた
めに使用する有機溶媒及び水を例示することが出来る。
バインダーの添加量は、一般式(1)で表されるジア
セタール100重量部に対し、一般には、0.01〜100重量
部、好ましくは0.1〜70重量部、より好ましくは0.2〜25
重量部である。前記帯電防止剤、中和剤ないし安定剤、
滑剤、ポリマー等の添加剤を使用する場合は、これらは
前記した量で使用する。例えば、帯電防止剤は、一般式
(1)で表されるジアセタール100重量部に対して、好
ましくは0.01〜50重量部、より好ましくは0.1〜20重量
部の量で使用される。
また、このときのスラリーの温度は、特に限定されな
いが、一般には室温〜150℃程度、好ましくは室温〜100
℃程度とするのが推奨される。
次いで、有機溶媒をスラリーから除去する。有機溶媒
の除去を行うには、例えば、次の方法を採用できる。
(a)上記膨潤されたジアセタール、バインダー及び必
要に応じて帯電防止剤、中和剤ないし安定剤、滑剤、ポ
リマー等の添加剤(以下単に「帯電防止剤などの添加
剤」という)を有機溶媒中に含むスラリーに、必要に応
じて水を加えて、有機溶媒及び該当する場合は水を、例
えば30〜150℃、好ましくは40〜120℃の温度で完全に留
去して乾燥させる。こうして得られる乾燥物が本発明の
ジアセタール組成物である。
(b)上記膨潤されたジアセタール、バインダー及び必
要に応じて帯電防止剤等の添加剤を有機溶媒中に含むス
ラリーに、水を加えて、有機溶媒のほぼ全量を、必要な
らば加熱して(例えば40〜150℃、好ましくは40〜120℃
の温度で)留去することにより、一旦、水で湿潤した残
渣を得、該湿潤残渣を、必要に応じて加熱下で(例えば
40〜150℃程度、好ましくは40〜120℃の温度で)混合し
ながら乾燥させて造粒する。こうして、得られる造粒物
が本発明のジアセタール組成物である。
なお、上記方法(a)において、必要に応じて水を加
える理由或いは上記方法(b)において水を加える理由
は、i)ジアセタール組成物のみかけ密度のコントロー
ルが容易になり、大きな密度が得られること、ii)有機
溶媒を効率よく回収して、引火性のない湿結物を得るこ
とにより乾燥時の引火性を消去するためである。この観
点から、水を使用する場合、その使用量は、特に限定さ
れないが、一般式(1)で表されるジアセタール100重
量部に対して20〜1000重量部程度、好ましくは40〜600
重量部程度とすればよい。
本発明では、必要ならば、上記方法(a)で得られる
乾燥物又は上記方法(b)で得られる造粒物の形態にあ
る本発明のジアセタール組成物を、分級したり、粉砕し
たり、更には粉砕物を分級することもできる。また、必
要ならば、上記(a)で得られる乾燥物又は上記粉砕物
を、例えば、メタノール、エタノール等の揮発性有機溶
媒または水を添加し又は添加することなく、更に造粒す
ることもできる。
方法(2) ソルビトール又はキシリトール等の多価アルコールと
ベンズアルデヒド、置換ベンズアルデヒド等の芳香族ア
ルデヒドとを、常法(例えば、特公昭48−43748号、特
開平2−231488号)に従って、シクロヘキサンや飽和炭
化水素、ベンゼン、炭素数1〜4のアルキル基を1〜3
個有するシクロヘキサン又はベンゼン等の有機溶媒中、
低級(例えばC1−C4)アルコール(例えばメタノー
ル)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセト
アミド(DMAc)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−
メチルピロリドン(NMP)等の極性溶媒の存在下、及
び、必要に応じて酸触媒の存在下に、縮合反応によりジ
アセタールを得る方法により得られる反応混合物(必要
に応じて酸触媒を中和し、水洗したものが好ましい)
は、上記溶媒により膨潤したジアセタールを含有するス
ラリーとなっている。
或いは、ジアセタールの公知の精製法(例えば、特開
昭53−5165号、特開昭57−185287号等の精製方法)に従
って、低級脂肪族ケトン、低級脂肪族アルコール等の有
機溶媒中でジアセタールを精製する方法の過程におい
て、ジアセタールが上記有機溶媒で膨潤状態となってい
るスラリーが得られる。
本発明では、このような膨潤された一般式(1)で表
されるジアセタールを含むスラリーに、バインダー及び
必要に応じて帯電防止剤等の添加剤(溶融物若しくは溶
液若しくは均一分散物の形態をとっても良い)を添加
し、十分に均一分散させる。
その後、(i)バインダー及び必要に応じて帯電防止
剤等の添加剤を含有する上記スラリーをそのまま、又は
該スラリーに水を加えて、有機溶媒及び該当する場合は
水を20〜180℃の温度範囲で留去し、残渣を必要に応じ
て加熱下で(例えば40〜150℃程度、好ましくは40〜100
℃の温度で)乾燥しながら造粒する。必要に応じて、次
いで造粒物を分級する。更に分級された造粒物を粉砕
し、更には粉砕物を分級することもできる。また、得ら
れた粉砕物を更に造粒することもできる。
或いは、(ii)バインダー及び必要に応じて帯電防止
剤等の添加剤を含有する上記スラリーに、水を添加し、
水と有機溶媒の共沸を利用して有機溶媒を系外に留去す
ることにより、水分散媒の系とした後、該水分散系を、
濾別し又は濾別することなく、例えば20〜180℃の温度
範囲で、乾燥しながら造粒する。必要に応じてこの造粒
物を分級したり、粉砕したり、更に粉砕物を分級する。
或いは、更に粉砕物を造粒する。
上記(i)及び(ii)において、水を使用する場合、
水の使用量は、一般式(1)で表されるジアセタール10
0重量部に対して20〜1000重量部程度である。
この製法において、バインダー及び必要に応じて帯電
防止剤等の添加剤を添加する時期としては、本発明の効
果が得られれば特に限定されるものではない。通常、ジ
アセタールのアセタール化反応終了後、酸触媒を中和
し、水洗工程を経た後のジアセタールが、前記有機溶媒
で膨潤状態となっているジアセタールとして推奨され
る。また、精製の過程でバインダー及び必要に応じて帯
電防止剤等の添加剤を添加する場合は、系がスラリー化
して、膨潤した後に、添加するのが好ましい。
バインダー及び必要に応じて添加する帯電防止剤等の
添加剤の使用量は、前記方法(1)の場合と同じであ
る。バインダー及び必要に応じて帯電防止剤等の添加剤
を添加後、上記方法(1)の場合と同様の操作(溶媒を
除去(乾燥)して乾燥物を得るか、溶媒を除去(乾燥)
しながら造粒し、又は得られた乾燥物又は造粒物を分級
若しくは粉砕し、又は、得られた粉砕物を造粒若しくは
分級する等の操作)を行うことにより、バインダー及び
必要に応じて帯電防止剤等の添加剤等の添加剤がジアセ
タール粒子中に均一分散した本発明のジアセタール組成
物を得る。
方法(3) 水系の反応により一般式(1)で表されるジアセター
ルを合成し、反応混合物を中和、水洗することにより、
水で膨潤したジアセタールの水性スラリーを得、これに
バインダー及び必要に応じて帯電防止剤などの添加剤を
添加して室温で又は加熱して均一混合して、均一混合ス
ラリーを得、必要ならば、該均一混合スラリーを濾過し
て湿ったケーキを得る。上記の均一混合スラリー又は湿
ったケーキを乾燥させ、乾燥物を得る。又は、上記均一
混合スラリー又は湿ったケーキを混合しながら乾燥して
造粒する。得られる乾燥物又は造粒物が本発明のジアセ
タール組成物である。必要に応じて、上記で得られた乾
燥物又は造粒物の形態にある本発明ジアセタール組成物
を分級若しくは粉砕し、又は得られた粉砕物を分級若し
くは造粒することもできる。
上記水系の反応は、例えば、米国特許第5,023,354号
に記載されている方法であって、簡潔に言うと、置換さ
れていても良いベンズアルデヒドとソルビトール等の多
価アルコールとを、水を溶媒として、反応基質に対して
10重量%以上の大量の酸触媒の存在下に反応させること
を特徴とするものである。
上記水系の反応により得られる反応混合物を中和し、
中和された反応混合物を水洗すると、上記湿結スラリー
が得られる。この湿結スラリーは、ジアセタール特有の
繊維状結晶と該結晶間に浸入した多量の水とからなる膨
潤した状態にある。
また、上記水系の反応により得られるジアセタールの
湿結スラリーに均一分散させるべきバインダー及び必要
に応じて添加する帯電防止剤等の添加剤としては、親水
性のものであることが望ましい。
上記親水性のバインダーとしては、二価以上の水酸基
含有ポリカルボン酸が例示でき、特に、水酸基を1〜3
個有する炭素数3〜10程度のジ−、トリ−又はテトラカ
ルボン酸が好ましい。これらのうちでも、特に、L−酒
石酸、D−酒石酸、DL−酒石酸、D−、L−又はDL−乳
酸、D−、L−又はDL−リンゴ酸、D−、L−又はDL−
クエン酸、α,β−ジヒドロキシヘキサヒドロフタル酸
等が好ましい。また、アルキル(C6〜14)硫酸塩、ボウ
ショウを含んでいても良いアルキル(平均鎖長12)ベン
ゼンスルホン酸ソーダ等が好ましい。
親水性の添加剤としては、帯電防止剤、例えば、ステ
アリン酸モノグリセライド、ステアリン酸ジグリセライ
ド、オレイン酸モノグリセライド、オレイン酸ジグリセ
ライド、ミリスチン酸モノグリセライド、ミリスチン酸
ジグリセライド、ラウリン酸モノグリセライド、ラウリ
ン酸ジグリセライド、ポリエチレングリコールモノステ
アレート等を例示することができる。
この場合、親水性のバインダーの使用量は、一般式
(1)で表されるジアセタール100重量部に対して、0.1
〜10重量部程度が好ましく、0.2〜5重量部がより好ま
しい。また、親水性の帯電防止剤等の添加剤の使用量
は、一般式(1)で表されるジアセタール100重量部に
対して、0.01〜8重量部が好ましく、0.1〜5重量部が
より好ましい。
しかし、バインダー及び必要に応じて使用する添加剤
が親油性であっても、使用できる。
上記方法(1)〜(3)において、混合しながら乾燥
して造粒する方法としては、有機溶媒又は水が除去でき
れば特に限定されず、一般的には工業的に使用される方
法を用いることができる。例えば、蒸気や熱媒などで20
〜180℃で加温して、常圧下又は減圧下で1〜20時間程
度、撹拌しながら乾燥しつつ造粒する。
尚、静置状態で乾燥する方法も乾燥方法の1種として
例示できるが、工業的には攪拌下に乾燥しながら造粒す
ることが好ましい。
また、乾燥後の粉末から造粒する方法は、本発明の効
果が得られる限り特に限定されるものではないが、一般
に工業的に使用される造粒装置を用いて造粒することが
できる。この際、ジアセタール粉末を湿潤させるために
水や有機溶媒を使用しても良い。造粒機として、例え
ば、各種押し出し造粒機やタブレットマシーンなどの圧
縮造粒機が挙げられる。
粉砕する方法としては、本発明の効果が得られる限り
特に限定されるものではなく、一般に工業的に使用され
る粉砕装置を用いることができる。例えば、アトマイザ
ー、パルベライザー、ニブラー、ハンマミル、ミクロン
ミル、クロフローミル、ピンミルなどが挙げられる。
ポリオレフィン樹脂用の核剤 上記方法により得られる粉末状又は造粒されたジアセ
タール組成物は、ジアセタール粒子中に均一に分散した
バインダーの融点降下作用により、ジアセタールの融点
に比し、大幅に低い融点を有する。
このことにより溶融樹脂や各種液体への溶解速度が上
昇し、溶解性・分散性が飛躍的に改善される。同時に、
バインダー効果によって、嵩密度を上昇させ、コンパク
トな包装形態にすることもできる。即ち、この粉末状ジ
アセタール組成物から、必要に応じて、更に、各種の押
し出し造粒機或いは圧縮造粒機などを用いて、任意の形
状と大きさの造粒物を得ることができる。粉末或いは造
粒ジアセタール組成物により、ジアセタール組成物の流
動性や移送性、粉塵発生が抑制され、硝子や金属への付
着の抑制などの固体特性が改善される。更に、帯電防止
剤等の添加剤を含有させることにより、固体としての取
り扱い性がより向上する。
以上の結果、本発明のジアセタール組成物をポリオレ
フィン樹脂用の核剤として使用することにより、ポリオ
レフィン樹脂に通常のジアセタールを添加する場合と比
較して、良好な仕込み移送性を満足し、同時に格段に低
い混練温度で混練りして生産性よく押し出すことが可能
となる。ジアセタールとポリオレフィン樹脂とからなる
高濃度のマスターバッチペレットの調製は、きわめて容
易となる。又、混練り時の加熱滞留時間が短縮されて生
産性が大幅に向上される。又、低温成形により、ジアセ
タールの昇華性が消失し、熱分解が抑制されるため、成
形時の汚れや臭気の発生問題が解決する。更に、ポリオ
レフィン樹脂組成物中の未分散物が劇的に減少するなど
飛躍的な生産性や品質の向上につながる。
なお、バインダーが粒状ジアセタール組成物の粒子の
表面及び内部に均一に分布しているかどうかの確認は、
クロスニコル下での偏光顕微鏡観察により容易に確認で
きる。
本発明の上記ジアセタール組成物を含む、ポリオレフ
ィン樹脂用核剤には、必要に応じて、他の成分、例え
ば、樹脂の中和剤として常用されるステアリン酸カルシ
ウム等の金属石鹸や顔料、ラジカル禁止剤等の安定剤等
を配合することもできる。
本発明の粉末状又は造粒されたジアセタール組成物或
いは該ジアセタール組成物とポリオレフィン樹脂とから
得られるマスターバッチペレットを作成し、これを射出
成形や押し出し成形に用いることもできる。2〜20%、
好ましくは5〜15%のマスターバッチペレットの、ポリ
オレフィン樹脂への配合量は、本発明の効果が得られる
限り特に限定されるものではなく、適宜選択することが
できる。通常、ポリオレフィン樹脂100重量部に対し
て、一般式(1)で表されるジアセタール換算で、0.01
〜5重量部程度、好ましくは0.05〜3重量部程度配合さ
れる。これらの範囲内で配合することにより充分に本発
明の効果を得ることができる。
ポリオレフィン樹脂組成物 本発明のポリオレフィン樹脂組成物は、上記本発明の
ジアセタール組成物をポリオレフィン樹脂の配合してな
るものである。
上記のように、本発明のジアセタール組成物は、当該
ジアセタール組成物を構成する一般式(1)で表される
ジアセタールそのものの融点よりも低い温度で融解する
ので、本発明のジアセタール組成物をポリオレフィン樹
脂用の核剤として使用することにより、ポリオレフィン
樹脂に通常のジアセタールを添加する場合と比較して、
格段に低い混練温度で混練りして押し出すことが可能と
なる。又、混練り時の加熱滞留時間が短縮されて生産性
が大幅に向上される。
本発明に係るポリオレフィン樹脂は、結晶化度が5〜
100%、好ましくは15〜95%の結晶性樹脂であって、具
体的にはポリエチレン系樹脂、立体規則性ポリプロピレ
ン系樹脂、立体規則性ポリブテン系樹脂、立体規則性の
エチレン−プロピレン−ブタジエン等のターポリマー系
樹脂等が例示される。
ポリエチレン系樹脂としては、高密度ポリエチレン、
中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密
度ポリエチレン及びエチレン含量50重量%以上のエチレ
ンコポリマーが例示される。
ポリプロピレン系樹脂としては、プロピレンホモポリ
マー及びプロピレン含量50重量%以上のプロピレンコポ
リマーが例示される。
ポリブテン系樹脂としては、ブテンホモポリマー及び
ブテン含量50重量%以上のブテンコポリマーが例示され
る。
上記各々のコポリマーは、ランダムコポリマーでもよ
く、ブロックコポリマーでもよい。又、これら樹脂の立
体規則性はアイソタクチックでもシンジオタクチックで
もよい。
上記各々のコポリマーを構成し得るコモノマーとして
は、具体的にはエチレン、プロピレン、ブテン、ペンテ
ン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、
ウンデセン、ドデセンなどのα−オレフィン、1,4−エ
ンドメチレンシクロヘキセンなどのビシクロ型モノマ
ー、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エ
チルなどの(メタ)アクリル酸エステル、酢酸ビニル、
マレイン酸などが例示できる。
かかる重合体を製造するために使用される触媒として
は、従来公知の触媒は特に制限なく使用可能であり、一
般に使用されているラジカル重合触媒やチーグラー・ナ
ッタ型触媒はもちろん、遷移金属化合物(例えば、三塩
化チタン、四塩化チタンなどのチタンのハロゲン化物)
を塩化マグネシウムなどのハロゲン化マグネシウムを主
成分とする担体に担持してなる触媒とアルキルアルミニ
ウム化合物(トリエチルアルミニウム、ジエチルアルミ
ニウムクロリドなど)とを組み合わせてなる触媒系やメ
タロセン触媒が使用できる。
本発明に係るポリオレフィン系樹脂の推奨されるメル
トフローレート(以下「MFR」と略記する。JIS K 72
10−1976)は、その使用される成形方法と成型物の物性
に応じて適宜選択されるが、通常、0.01〜200g/10分、
好ましくは0.05〜100g/10分である。このMFRの範囲内で
あれば、樹脂の種類或いはMFRの異なるポリオレフィン
系樹脂の混合物も推奨される。
本発明の粉末状又は造粒されたジアセタール組成物の
ポリオレフィン樹脂に対する核剤としての配合量は、本
発明の効果が得られる限り特に限定されるものではな
く、適宜選択することができる。通常、ポリオレフィン
樹脂100重量部に対して、一般式(1)で表されるジア
セタール換算で、0.01〜5重量部程度、好ましくは0.05
〜3重量部程度配合される。これらの範囲内で配合する
ことにより充分に本発明の効果を得ることができる。
また、本発明のポリオレフィン樹脂組成物には、必要
に応じて、金属石鹸を配合しても良い。ポリオレフィン
樹脂に対して適宜配合される金属石鹸としては、炭素数
16〜22(好ましくは炭素数16〜18)の脂肪酸又は12−ヒ
ドロキシステアリン酸のリチウム塩、ナトリウム塩、カ
リウム塩、カルシウム塩が公知であるが、リチウム塩及
びリチウム塩とカルシウム塩との併用が特に透明性改善
の点から推奨される。
本発明に係る粉末状又は造粒されたジアセタール組成
物は、本発明の目的を損なわない限り、各種樹脂添加剤
を併用して、マスターバッチの形態としてもよい。又、
通常の濃度の配合割合のペレットを作製しても良い。即
ち、ポリオレフィン樹脂組成物を調製し成形するに際
し、粉末状或いは造粒されたジアセタール組成物と他の
樹脂添加剤との夫々を別々にポリオレフィン樹脂に配合
する代わりに、予め各種樹脂添加剤を含有してなる粉末
状或いは造粒されたジアセタール組成物を調製し、これ
をポリオレフィン樹脂に添加して樹脂組成物を調製する
か或いはポリオレフィン樹脂と混合しながら成形するこ
とにより、ポリオレフィン樹脂成形の作業能率を大幅に
向上することができる。
かかる他の樹脂添加剤としては、ポリオレフィン等衛
生協議会編「ポジティブリストの添加剤要覧」(1995年
1月)において、ポリプロピレン、ポリエチレン又はポ
リブテン用の添加剤として記載されている各種樹脂用添
加剤が例示され、より具体的には、安定剤[例えば、ジ
ステアリルペンタエリスリトールフォスファイトやイル
ガフォス168などのリン系化合物、2−エチルヘキサン
酸亜鉛などの金属化合物、エポキシ化大豆油、エポキシ
化アマニ油などのエポキシ化合物、メラミンなどの窒素
化合物、トリスノニルフェニルフォスファイトなどのリ
ン化合物、3,3'−チオジプロピオン酸ジアルキル(炭素
数12〜18)などの硫黄化合物]、紫外線吸収剤[例え
ば、2,2'−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノ
ン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノ
ンなどのベンゾフェノン系化合物、2−(2'−ヒドロキ
シ−5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールなどのベ
ンゾトリアゾール系化合物]、酸化防止剤[例えば、2,
6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、テトラ
キス[メチレン−3−(3',5'−ジ−tert−ブチル−4'
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンなどの
フェノール系化合物、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル
フォスファイトなどのリン系化合払]、シリコーン油
[例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポ
リシロキサン]、充填剤[例えば、クレー、カオリン、
タルク、ハイドロタルサイト、マイカ、ゼオライト、パ
ーライト、珪藻土、炭酸カルシウム、ガラス(ビーズ、
繊維)、木粉]の他、発泡剤、発泡助剤、架橋剤、架橋
促進剤、難燃剤、分散剤、加工助剤などの各種樹脂添加
剤が例示される。
上記本発明のポリオレフィン樹脂組成物を製造するに
は、ポリオレフィン樹脂(粉末又はフレーク)、本発明
のジアセタール組成物を含む核剤、及び必要に応じて上
記金属石鹸及び上記各種樹脂用添加剤をブレンドした粉
末状のポリオレフィン樹脂組成物を得る方法、或いは、
更に、この粉末状のポリオレフィン樹脂組成物を、次い
で加熱下で(例えば、150〜300℃、好ましくは170〜240
℃、更に好ましくは180〜220℃で、特に、ジアセタール
組成物の融点よりも高い温度で)溶融混練し、押し出
し、押し出されたストランドを、冷却(例えば水中に投
入することにより、例えば80〜20℃程度に冷却)し、得
られたストランドをカッティングすることにより未分散
ジアセタールに基づくホワイトスポットのないペレット
とする方法が例示できる。
また、ポリオレフィン樹脂とジアセタール組成物と
を、ジアセタール組成物の融点よりも低い温度で混練
し、押し出し、押し出されたストランドを冷却すると、
未分散ジアセタールに基づくホワイトスポットの存在す
るポリオレフィン樹脂組成物ペレットが得られる。
後述するように、いずれのペレットを用いても、射出
成形、押出成形等によりホワイトスポットのない成形体
を得ることができる。
ポリオレフィン樹脂成形体 上記本発明のジアセタール組成物は、当該ジアセター
ル組成物が含有する一般式(1)で表されるジアセター
ルそのものの融点よりも、かなり低い温度で融解するの
で、本発明の上記樹脂組成物を、慣用されている方法に
従って、成形することにより、従来のジアセタールを使
用する成型法に比し、より低い温度で成形が可能とな
る。
従って、従来よりも低温で成形することにより、ジア
セタールの昇華性が消失し、熱分解が抑制するため、成
形時の汚れや臭気の発生問題が解決する。更に、ポリオ
レフィン樹脂組成物中の未分散物が劇的に減少するなど
飛躍的な生産性や品質の向上につながる。
この成形法は、樹脂ペレットを用いる成形時にも当て
はまるし、樹脂のペレットを経ないで、粉末状のポリオ
レフィン樹脂組成物を用いる直接成形法にもよく適合す
る。
ジアセタールの未分散に基づくホワイトスポットのな
い本発明のポリオレフィン樹脂組成物ペレットは、通常
の押し出し成形法、射出成形法、ブロー成形法、射出−
ブロー成形法等の成形法を用いて透明性の良いポリオレ
フィン樹脂成形体となる。また、未分散ジアセタールに
基づくホワイトスポットが存在する本発明のポリオレフ
ィン樹脂組成物ペレットは、ジアセタール組成物の融点
以上の樹脂温度にて同様の成形法を用いて透明性のよい
ポリオレフィン樹脂成形体となる。ポリオレフィン樹脂
組成物ペレットが低温で調製されるため、ポリオレフィ
ン樹脂成形体は透明性が良いばかりでなく、着色(黄
変)がなく見栄えがよい。
粉末状ポリオレフィン樹脂組成物は、樹脂温度をジア
セタール組成物の融点以上に設定することにより、通常
の押し出し成形法、射出成形法、ブロー成形法、射出−
ブロー成形法等の成形法を用いて透明性の良いポリオレ
フィン樹脂成形体となる。
上記いずれの場合も、上記押出成型法により得られる
透明シートは、更に、通常の圧空成形等により二次加工
して、透明性の良い成形体を製造することもできる。
既に詳述しているように、粉末状ポリオレフィン樹脂
組成物中のジアセタール組成物は、融点を、好ましくは
185〜230℃と極めて低くすることができる。従って、上
記の通常の成形法によって、ジアセタール組成物或いは
未分散ジアセタールに基づくホワイトスポットは、成形
時にジアセタール組成物の融点で液体となり、容易に樹
脂に均一に溶解ないし分子分散する結果、透明性の良い
ポリオレフィン樹脂成形体となると思われる。融点が25
5〜280℃の通常のジアセタール単体を用いた場合では到
底得られない驚くべき結果である。
この結果、必ずしも未分散ジアセタールに基づくホワ
イトスポットのないポリオレフィン樹脂組成物ペレット
を調製する必要がない。よって、より低温で高速度にポ
リオレフィン樹脂組成物ペレットを製造すること可能と
なり、設備の点からもエネルギー効率の点からも有益で
ある。更に、ジアセタール単体の融点よりも、格段に低
温にジアセタール組成物の融点がシフトする結果、成形
時のジアセタールの昇華性が消失するので成形時の汚れ
が最小となる。よって、成形歩留まりや成形効率や生産
性が向上する。
本発明によれば、成形条件は、従来から慣用されてい
る条件が使用できるのみでなく、従来よりも低い溶融樹
脂温度で成形が可能である。従って、例えば、射出成形
の場合は、溶融樹脂温度170〜260℃、特に180〜245℃、
金型温度80〜10℃、特に60〜20℃の条件下で成形を行う
ことができる。また、押し出し成形の場合、溶融樹脂温
度170〜260℃、特に180〜245℃、冷却温度80〜10℃、特
に60〜20℃の条件下で成形を行うことができる。
こうして得られる成形体は、例えば、シート、ボト
ル、ケース、キャップ、カップ、パイプ等の任意の形状
とすることができ、各種収納ケース、容器類として有用
であり、更には自動車のバンパー等として有用である。
他の用途 更に、本発明に係るジアセタール組成物は、ポリオレ
フィン樹脂用の核剤としてはもとより、各種流動物のゲ
ル化剤、粘度調整剤、揺変剤、タレ止め防止剤、油水分
離剤、凝集剤、ポリオレフィン樹脂以外の樹脂用の核剤
として機能し、接着剤、塗料、芳香剤、水処理剤、流出
油の固化・回収、香料、化粧品、土木、建材、潤滑剤、
防錆剤、農薬、医薬、医薬用外品、燃料、インキ、糊な
ど、従来の製品が用いられてきた分野において同様に使
用される。
実施例 以下に実施例を掲げて本発明を詳しく説明する。尚、
粉末状或いは造粒ジアセタール組成物の粒子直径の平均
値、融点、嵩密度、流動性、均一性、付着性、粉塵抑制
度、透明性(ヘイズ)及び分散性を以下の方法により測
定し、評価した。
平均粒子径(粒子直径の平均値(メジアン径)) レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(「LA−91
0」(商品名)、堀場製作所製)を用い、分散媒に蒸留
水を用いて測定し、粒子直径の平均値(メジアン径)を
求めた。以下、この粒子直径の平均値(メジアン径)
を、単に「平均粒子径」という。
融点 島津製作所製の示差走査熱量計「DSC−50」(商品
名)を用いて、20℃/分の速度で昇温し、ジアセタール
類由来のピーク温度を融点とした。試料を5mg採取し
て、標準サンプルにシリカゲル5mgを用いた。
嵩密度 温度20℃、湿度60%の条件下、直径38mmの200mlメス
シリンダーに試料35gを入れて、10cmの高さからゴム敷
へタッピングを50回行い、メスシリンダー中における試
料の体積から嵩密度を算出した。この操作を3回行い、
その平均値を本評価の嵩密度とした。嵩密度が大きいほ
ど、粉体の流動性特性が良好である。
流動性 水平の板上に置いた縦5cm、横10cm、高さ5cmのステン
レス容器の一端に1gの試料を置き、該容器を傾斜させた
ときに表面粒子が滑り始めた時の該板と容器とが形成す
る角度を安息角とし、流動性の目安とした。測定された
安息角の数値が小さいほど流動性に優れている。
均一性(粉砕物粒子中でのバインダーの均一分散の確
認) 粉砕して得られた粉末状ジアセタール組成物をクロス
ニコル下で、常温及び昇温下に偏光顕微鏡を用いて目視
で観察した。バインダーが該粉末の粒子中に均一に分散
している場合を○、均一でない場合を×で表示した。
付着性 75mlガラス瓶に粉末状ジアセタール組成物5gを入れて
蓋をしてから、1分間振った後に静置し、ガラス内壁の
付着の度合いを観察し、下記の4段階で評価した。
◎:付着が全く無い ○:極微量の付着がある △:付着している ×:かなり付着している 粉塵抑制度 試料10gを高さ50cmから一度に落下させて、5秒後の
粉塵の発生の度合いを目視で判断し、下記の4段階で評
価した。
◎:粉塵が殆ど発生していない ○:少量粉塵が発生した △:粉塵が発生した ×:非常に粉塵が発生した ヘイズ値(透明改質性) 東洋精機製作所のヘイズメーターを用いて、JIS K
6714、JIS K 6717に準じて測定した。得られた数
値が小さいほど透明性に優れている。
分散性(ポリオレフィン樹脂組成物中のジアセタール組
成物の分散性) 5cm×5cm×1mmのテストピース10枚中の未分散核剤に
よるホワイトスポット(白色の点)の数を目視で測定
し、1枚当たりの平均値として求めた。得られた数値が
小さいほど分散性に優れている。未分散数が0.5個/枚
を超える場合は実用性に劣る。
バインダー(及び添加剤)の配合量 ジアセタールの量及びバインダーの量(及び添加剤を
使用する場合は添加剤の量)の合計量に対するバインダ
ーの量(及び該当する場合は添加剤の量)の重量%を表
す。
実施例1 撹拌機、デカンター付き冷却管、温度計及びガス導入
口を備えた5リットル万能撹拌機(ダルトン社製)に1,
3:2,4−O−ジベンジリデン−D−ソルビトール(平均
粒子径20μm、以下「D」と略記する。)450g及びエタ
ノール1500mlを入れて、窒素を流しながら撹拌速度50〜
60rpmで還流下1時間撹拌した(系は膨潤したペースト
状となる)。
次に、ステアリン酸(酸価:197mgKOH/g、以下同様)5
0gを加えて、更に還流下2時間混合・撹拌した。
次いで50℃まで冷却した後、減圧下で溶媒を徐々に系
外に除去した。
大部分のエタノールを除去した後、50℃で10mmHgに保
持して8時間撹拌下に乾燥しながら造粒した。この乾燥
造粒物を家庭用ミキサーで10分間粉砕し、粉末状ジアセ
タール組成物を得た。
このものの平均粒子径、融点、嵩密度、流動性、均一
性、付着性及び粉塵抑制度を評価した。得られた結果を
第1表に示す。
実施例2 実施例1と同様の反応器に「D」450g及びメタノール
1500mlを入れて、窒素を流しながら撹拌速度50〜60rpm
で還流下1時間撹拌した(系は膨潤したペースト状とな
る)。
次に、DL−リンゴ酸(酸価807mgKOH/g、以下同様)1
3.5g/水100mlを加えて、更に還流下2時間混合・撹拌し
た。次いで実施例1と同様にして粉末状ジアセタール組
成物を得た。
得られた粉末状ジアセタール組成物の平均粒子径、融
点、嵩密度、流動性、均一性、付着性及び粉塵抑制度を
評価した。得られた結果を第1表に示す。
比較例1 ステアリン酸を用いない他は実施例1と同様にして
「D」を処理し、ジアセタール粉末を得た。
得られたジアセタール粉末の平均粒子径、融点、嵩密
度、流動性、均一性、付着性及び粉塵抑制度を評価し
た。得られた結果を第1表に示す。
実施例3 「D」を1,3:2,4−ビス−O−(p−メチルベンジリ
デン)−D−ソルビトール(平均粒子径20μm、以下
「MD」と略記する。)に代えた他は実施例1と同様にし
て粉末状ジアセタール組成物を得た。
このものの平均粒子径、融点、嵩密度、流動性、均一
性、付着性及び粉塵抑制度を評価した。得られた結果を
第2表に示す。
実施例4 「MD」400gに対しステアリン酸100gを適用した他は実
施例3と同様にして粉末状ジアセタール組成物を得た。
このものの平均粒子径、融点、嵩密度、流動性、均一
性、付着性及び粉塵抑制度を評価した。得られた結果を
第2表に示す。
実施例5 「MD」250gに対しステアリン酸250gを適用した他は実
施例3と同様にして粉末状ジアセタール組成物を得た。
このものの平均粒子径、融点、嵩密度、流動性、均一
性、付着性及び粉塵抑制度を評価した。得られた結果を
第2表に示す。
実施例6 実施例4で「MD」から得られた粉末状ジアセタール組
成物400gに、エタノールを150g添加してペースト状とし
た後、押出式造粒機(「エックペレーター」、不二電気
工業社製)を用いて、口径3mmの開口部を有する目皿板
を介して押し出すことによりヌードル状の固形物を得
た。
この固形物を50℃、10mmHgで8時間乾燥した後、約5m
mの長さに切断する。切断した円柱状の固形物を家庭用
ミキサーに1分間粉砕して、粉末ジアセタール組成物を
得た。
このものの平均粒子径、融点、嵩密度、流動性、均一
性、付着性及び粉塵抑制度を評価した。得られた結果を
第2表に示す。
実施例7 実施例3で「MD」から得られた粉末状ジアセタール組
成物を更に再粉砕した後、ふるい分けし、平均粒子径5
μmの粉末状ジアセタール組成物を得た。
このものの平均粒子径、融点、嵩密度、流動性、均一
性、付着性及び粉塵抑制度を評価した。得られた結果を
第2表に示す。
実施例8 実施例1と同様の反応器にD−ソルビトール273gにイ
オン交換水15gを加えて溶解させた後、p−メチルベン
ズアルデヒド360g、シクロヘキサン550g、メタノール40
0g及びp−トルエンスルホン酸・一水和物30gを仕込
み、窒素置換後、窒素気流下、撹拌しながら昇温した。
系外にメタノール及び水を気液平衡物又は共沸混合物と
して抜き出すにつれて、反応温度が上昇する。反応温度
が74℃に達したら、メタノール60gを加える。この操作
を5回繰り返した。こうして、「MD」を含む反応粗物を
得た。
次に室温まで冷却し、水酸化カリウム14g/メタノール
200gの溶液で中和した。次に60℃の温水600g/回の割合
で5回水洗した。
次に、上記のシクロヘキサン溶媒で膨潤しているジア
セタールスラリーに、ステアリン酸64.3g及びL−酒石
酸4.0g(酸価:748mgKOH/g)を添加して、70℃で2時間
撹拌した。
次に温水600gを添加し、100℃以下の温度でシクロヘ
キサンを留出させて、シクロヘキサン分散媒から水分散
媒に置換した。
次に、100℃に達してから、徐々に減圧しながら系外
に水を留出させた。最終的に50mmHg、乾燥温度80℃で10
時間乾燥しながら造粒し、造粒物を得た。
この造粒物を家庭用ミキサーで10分間粉砕し、「MD」
を含む粉末状ジアセタール組成物を得た。
このものの平均粒子径、融点、嵩密度、流動性、均一
性、付着性及び粉塵抑制度を評価した。得られた結果を
第2表に示す。
実施例9 ステアリン酸をベヘン酸(酸価:165mgKOH/g)に代え
た他は実施例3と同様にして「MD」を含む粉末状ジアセ
タール組成物を得た。
このものの平均粒子径、融点、嵩密度、流動性、均一
性、付着性及び粉塵抑制度を評価した。得られた結果を
第2表に示す。
実施例10 ステアリン酸をモンタン酸ワックス(酸価:140mgKOH/
g、クライアント ジャパン(株)社製、商品名HOE−WA
X S FLAKES)に代え、エタノール1500mlをエタノール75
0mlとシクロヘキサン750mlとの混合溶媒に代えた他は実
施例3と同様にして「MD」を含む末状ジアセタール組成
物を得た。
このものの平均粒子径、融点、嵩密度、流動性、均一
性、付着性及び粉塵抑制度を評価した。得られた結果を
第2表に示す。
実施例11 ステアリン酸をデヒドロアビエチン酸(酸価:186mgKO
H/g)に代えた他は実施例3と同様にして「MD」を含む
粉末状ジアセタール組成物を得た。
このものの平均粒子径、融点、嵩密度、流動性、均一
性、付着性及び粉塵抑制度を評価した。得られた結果を
第2表に示す。
実施例12 ステアリン酸を安息香酸(酸価:459mgKOH/g)に代え
た他は実施例3と同様にして「MD」を含む粉末状ジアセ
タール組成物を得た。
このものの平均粒子径、融点、嵩密度、流動性、均一
性、付着性及び粉塵抑制度を評価した。得られた結果を
第2表に示す。
実施例13 ステアリン酸50gをL−酒石酸(酸価:748mgKOH/g)1.
35gに代えた他は実施例3と同様にして乾燥しながら造
粒された「MD」を含むジアセタール組成物を得た。但
し、ミキサーによる粉砕は行っていない。
このものの平均粒子径、融点、嵩密度、流動性、均一
性、付着性及び粉塵抑制度を評価した。得られた結果を
第2表に示す。
実施例14 ステアリン酸をコハク酸(酸価:950mgKOH/g)に代え
た他は実施例3と同様にして「MD」を含む粉末状ジアセ
タール組成物を得た。
このものの平均粒子径、融点、嵩密度、流動性、均一
性、付着性及び粉塵抑制度を評価した。得られた結果を
第2表に示す。
実施例15 ステアリン酸をDL−リンゴ酸に代えた他は実施例3と
同様にして「MD」を含む粉末状ジアセタール組成物を得
た。
このものの平均粒子径、融点、嵩密度、流動性、均一
性、付着性及び粉塵抑制度を評価した。得られた結果を
第2表に示す。
実施例16 ステアリン酸50gをクエン酸(酸価:876mgKOH/g、以下
同様)23.7gに代えた他は実施例3と同様にして「MD」
を含む粉末状ジアセタール組成物を得た。
このものの平均粒子径、融点、嵩密度、流動性、均一
性、付着性及び粉塵抑制度を評価した。得られた結果を
第2表に示す。
実施例17 ステアリン酸をクエン酸に代えた他は実施例3と同様
にして「MD」を含む粉末状ジアセタール組成物を得た。
このものの平均粒子径、融点、嵩密度、流動性、均一
性、付着性及び粉塵抑制度を評価した。得られた結果を
第2表に示す。
実施例18 ステアリン酸を12−ヒドロキシステアリン酸(酸価:1
87mgKOH/g)に代えた他は実施例3と同様にして「MD」
を含む粉末状ジアセタール組成物を得た。
このものの平均粒子径、融点、嵩密度、流動性、均一
性、付着性及び粉塵抑制度を評価した。得られた結果を
第2表に示す。
実施例19 ステアリン酸をコール酸(酸価:137mgKOH/g)に代え
た他は実施例3と同様にして「MD」を含む粉末状ジアセ
タール組成物を得た。このものの平均粒子径、融点、嵩
密度、流動性、均一性、付着性及び粉塵抑制度を評価し
た。得られた結果を第2表に示す。
実施例20 ステアリン酸をクエン酸モノステアレート(酸価:245
mgKOH/g)に代えた他は実施例3と同様にして「MD」を
含む粉末状ジアセタール組成物を得た。
このものの平均粒子径、融点、嵩密度、流動性、均一
性、付着性及び粉塵抑制度を評価した。得られた結果を
第2表に示す。
実施例21 ステアリン酸をクエン酸ジステアレート(酸価:77mgK
OH/g)に代えた他は実施例3と同様にして「MD」を含む
粉末状ジアセタール組成物を得た。
このものの平均粒子径、融点、嵩密度、流動性、均一
性、付着性及び粉塵抑制度を評価した。得られた結果を
第2表に示す。
実施例22 ステアリン酸をL−グルタミン(酸価:384mgKOH/g)
に代えた他は実施例3と同様にして「MD」を含む粉末状
ジアセタール組成物を得た。
このものの平均粒子径、融点、嵩密度、流動性、均一
性、付着性及び粉塵抑制度を評価した。得られた結果を
第2表に示す。
実施例23 ステアリン酸をモノステアリルペンタエリスリトール
ジホスファイト(酸価:131mgKOH/g)に代えた他は実施
例3と同様にして「MD」を含む粉末状ジアセタール組成
物を得た。
このものの平均粒子径、融点、嵩密度、流動性、均一
性、付着性及び粉塵抑制度を評価した。得られた結果を
第2表に示す。
比較例2 ステアリン酸を用いない他は実施例3と同様にして
「MD」を処理し、得られた粉末状固体の平均粒子径、融
点、嵩密度、流動性、均一性、付着性及び粉塵抑制度を
評価した。得られた結果を第2表に示す。
比較例3 ステアリン酸をステアリルアルコールに代えた他は実
施例3と同様に処理して「MD」の粉末状固体を得た。こ
のものの平均粒子径、融点、嵩密度、流動性、均一性、
付着性及び粉塵抑制度を評価した。得られた結果を第2
表に示す。
比較例4 ステアリン酸をコレステロールに代えた他は実施例3
と同様に処理して「MD」を含む粉末状固体を得た。この
ものの平均粒子径、融点、嵩密度、流動性、均一性、付
着性及び粉塵抑制度を評価した。得られた結果を第2表
に示す。
比較例5 ステアリン酸をアビエチエニルアルコールに代えた他
は実施例3と同様に処理して「MD」を含む粉末状固体を
得た。このものの平均粒子径、融点、嵩密度、流動性、
均一性、付着性及び粉塵抑制度を評価した。得られた結
果を第2表に示す。
比較例6 ステアリン酸をジステアリルメチルアミンに代えた他
は実施例3と同様に処理して「MD」粉末状固体を得た。
このものの平均粒子径、融点、嵩密度、流動性、均一
性、付着性及び粉塵抑制度を評価した。得られた結果を
第2表に示す。
比較例7 「D」を「MD」に代え、ステアリン酸をパラフィンワ
ックスに代え、エタノール1500mlをエタノール750mlと
シクロヘキサン750mlとの混合溶媒に代えた他は実施例
1と同様に処理して「MD」の粉末状固体を得た。
このものの平均粒子径、融点、嵩密度、流動性、均一
性、付着性及び粉塵抑制度を評価した。得られた結果を
第2表に示す。
比較例8 5L万能撹拌機(ダルトン社製)にステアリン酸50gと
メタノール150gを入れて60℃で溶解させた。次に28.5%
炭酸ナトリウム水溶液28g溶液をステアリン酸のメタノ
ール溶液に60℃で添加し、10分間撹拌した。次にイオン
交換水500gを徐々に加えて撹拌し、ステアリン酸の乳化
液を作った。
得られた乳化液に「MD」450gを入れて加温を止めて撹
拌し、白色の粘性乳状液を得た。これを希塩酸で中和
後、濾過し、水洗後、乾燥して、乾燥粉末を得た。この
乾燥粉末を家庭用ミキサーで10分間粉砕し、粉末状固体
を得た。得られた粉末状固体の平均粒子径、融点、嵩密
度、流動性、均一性、付着性及び粉塵抑制度を評価し
た。得られた結果を第2表に示す。
比較例9 イオン交換水を500gから375gに代え、1,3:2,4−ビス
−O−(p−メチルベンジリデン)−D−ソルビトール
(「MD」)450gを200gに代えた他は比較例8と同様に行
った。得られた粉末状固体の平均粒子径、融点、嵩密
度、流動性、均一性、付着性及び粉塵抑制度の評価結果
を第2表に示す。
実施例24 「D」を1,3:2,4−ビス−O−(3,4−ジメチルベンジ
リデン)−D−ソルビトール(平均粒子径20μm、以下
「DMD」と略記する。)に代えた他は実施例1と同様に
して粉末状ジアセタール組成物を得た。
このものの平均粒子径、融点、嵩密度、流動性、均一
性、付着性及び粉塵抑制度を評価した。得られた結果を
第3表に示す。
実施例25 ステアリン酸50gに代えてクエン酸13.5gを用いた他は
実施例24と同様にして「DMD」を主成分とする粉末状ジ
アセタール組成物を得た。
このものの平均粒子径、融点、嵩密度、流動性、均一
性、付着性及び粉塵抑制度を評価した。得られた結果を
第3表に示す。
実施例26 「MD」を「DMD」に代えた他は実施例13と同様にして
ジアセタール組成物を得た。このものの平均粒子径、融
点、嵩密度、流動性、均一性、付着性及び粉塵抑制度を
評価した。得られた結果を第3表に示す。
比較例10 ステアリン酸を用いない他は実施例24と同様にして
「DMD」を処理し、得られたジアセタール粉末の平均粒
子径、融点、嵩密度、流動性、均一性、付着性及び粉塵
抑制度を評価した。得られた結果を第3表に示す。
実施例27 「MD」400gに対し、ステアリン酸50g及び帯電防止剤
であるグリセリンモノステアレート(酸価:5mgKOH/g、
以下同様)23.5gを加えた他は実施例1と同様にして粉
末状ジアセタール組成物を得た。
このものの平均粒子径、融点、嵩密度、流動性、均一
性、付着性及び粉塵抑制度を評価した。得られた結果を
第4表に示す。
実施例28 「MD」400gに対し、ステアリン酸47.1g及びL−酒石
酸1.2gとブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム2.0gの
水溶液30gを加えた他は実施例1と同様にして粉末状ジ
アセタール組成物を得た。
このものの平均粒子径、融点、嵩密度、流動性、均一
性、付着性及び粉塵抑制度を評価した。得られた結果を
第4表に示す。
実施例29 実施例1と同様の反応器に「MD」450g及びメタノール
1500mlを入れて、窒素を流しながら撹拌速度50〜60rpm
で還流下1時間撹拌した(系は膨潤したペースト状とな
る)。
次に、L−酒石酸4.5g/水20ml及び硬化ひまし油50gを
加えて、更に還流下2時間混合・撹拌した。次に50℃ま
で冷却した後、減圧下で溶媒を徐々に系外に除去した。
大部分のエタノールを除去した後、50℃で10mmHgの減圧
に保持して8時間撹拌しながら乾燥して、乾燥粉末を得
た。
この乾燥粉末を家庭用ミキサーで10分間粉砕し、「M
D」を主成分とする粉末状ジアセタール組成物を得た。
得られた粉末状ジアセタール組成物の平均粒子径、融
点、嵩密度、流動性、均一性、付着性及び粉塵抑制度を
評価した。得られた結果を第4表に示す。
実施例30 実施例1と同様の反応器にD−ソルビトール273gにイ
オン交換水15gを加えて溶解させた後、p−メチルベン
ズアルデヒド360g、シクロヘキサン550g、メタノール40
0g及びp−トルエンスルホン酸・一水和物30gを仕込
み、窒素置換後、窒素気流下、撹拌しながら昇温した。
系外にメタノール及び水を気液平衡物又は共沸混合物と
して抜き出すにつれて、反応温度が上昇する。反応温度
が74℃に達したら、メタノール60gを加える。この操作
を15回繰り返した。次に室温まで冷却し、水酸化カリウ
ム14g/メタノール200gの溶液で中和した。次に60℃の温
水600g/回の割合で7回水洗した。
次に、上記のシクロヘキサン溶媒で膨潤しているジア
セタールにドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム5.8g
及びL−酒石酸2.4g(酸価:748mgKOH/g)を添加して、7
0℃で2時間撹拌した。
次に温水600gを添加し、100℃まで加熱して、シクロ
ヘキサンを留出させて、シクロヘキサン分散媒から水分
散媒に置換した。
次に、100℃に達してから、徐々に減圧しながら系外
に水を留出させた。最終的に50mmHg、乾燥温度80℃で10
時間乾燥しながら造粒し、乾燥造粒物を得た。
このものの平均粒子径、融点、嵩密度、流動性、均一
性、付着性及び粉塵抑制度を評価した。得られた結果を
第4表に示す。
実施例31 実施例1と同様の反応器にD−ソルビトール273gにイ
オン交換水15gを加えて溶解させた後、3,4−ジメチルベ
ンズアルデヒド402g、シクロヘキサン550g、メタノール
400g及びp−トルエンスルホン酸・一水和物30gを仕込
み、窒素置換後、窒素気流下、撹拌しながら昇温した。
系外にメタノール及び水を気液平衡物又は共沸混合物と
して抜き出すにつれて、反応温度が上昇する。反応温度
が74℃に達したら、メタノール60gを加える。この操作
を10回繰り返した。次に室温まで冷却し、水酸化カリウ
ム14g/メタノール200gの溶液で中和した。次に60℃の温
水600g/回の割合で7回水洗した。
次に、上記のシクロヘキサン溶媒で膨潤しているジア
セタールにドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム6.2g
及びL−酒石酸2.5g(酸価:748mgKOH/g)を添加して、7
0℃で2時間撹拌した。次に温水600g添加し、100℃まで
加熱して、シクロヘキサンを留出させて、シクロヘキサ
ン分散媒から水分散媒に置換した。
次に、100℃に達してから、徐々に減圧しながら系外
に水を留出させた。最終的に50mmHg、乾燥温度80℃で10
時間乾燥して、造粒物を得た。
このものの平均粒子径、融点、嵩密度、流動性、均一
性、付着性及び粉塵抑制度を評価した。得られた結果を
第4表に示す。
実施例32 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム6.2g及びL−
酒石酸2.5gに代えてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリ
ウム3.1g、L−酒石酸3.1g及びベヘン酸62.1gを使用す
る以外は実施例31と同様にして、造粒物を得た。
得られた「DMD」を含む造粒物の平均粒子径、融点、
嵩密度、流動性、均一性、付着性及び粉塵抑制度を評価
した。得られた結果を第4表に示す。
実施例33 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム5.8g及びL−
酒石酸2.4gに代えて、ドデシルベンゼンスルホン酸ナト
リウム5.8gを使用した以外は実施例30と同様にして、造
粒物を得た。
得られた「MD」を含む造粒物の平均粒子径、融点、嵩
密度、流動性、均一性、付着性及び粉塵抑制度を評価し
た。得られた結果を第4表に示す。
実施例34 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム5.8g及びL−
酒石酸2.4gに代えて、ドデシルベンゼンスルホン酸ナト
リウム17.4gを使用した以外は実施例30と同様にして、
造粒物を得た。
得られた「MD」を含む造粒物の平均粒子径、融点、嵩
密度、流動性、均一性、付着性及び粉塵抑制度を評価し
た。得られた結果を第4表に示す。
実施例35 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム5.8g及びL−
酒石酸2.4gに代えて、α−オレフィン(C18)スルホン
酸ナトリウム5.8gを使用した以外は実施例30と同様にし
て、造粒物を得た。
得られた「MD」を含む造粒物の平均粒子径、融点、嵩
密度、流動性、均一性、付着性及び粉塵抑制度を評価し
た。得られた結果を第4表に示す。
実施例36 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム5.8g及びL−
酒石酸2.4gに代えて、ラウリル硫酸ナトリウム17.4gを
使用した以外は実施例30と同様にして、造粒物を得た。
得られた「MD」を含む造粒物の平均粒子径、融点、嵩
密度、流動性、均一性、付着性及び粉塵抑制度を評価し
た。得られた結果を第4表に示す。
実施例37 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム5.8g及びL−
酒石酸2.4gに代えて、ジステアリン酸アルミニウム17.4
gを使用した以外は実施例30と同様にして、造粒物を得
た。
得られた「MD」を含む造粒物の平均粒子径、融点、嵩
密度、流動性、均一性、付着性及び粉塵抑制度を評価し
た。得られた結果を第4表に示す。
実施例38 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム5.8g及びL−
酒石酸2.4gに代えて、ジステアリン酸アルミニウム62.1
gを使用した以外は実施例30と同様にして、造粒物を得
た。
得られた「MD」を含む造粒物の平均粒子径、融点、嵩
密度、流動性、均一性、付着性及び粉塵抑制度を評価し
た。得られた結果を第4表に示す。
実施例39 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム5.8g及びL−
酒石酸2.4gに代えて、モノステアリン酸アルミニウム1
7.4gを使用した以外は実施例30と同様にして、造粒物を
得た。
得られた「MD」を含む造粒物の平均粒子径、融点、嵩
密度、流動性、均一性、付着性及び粉塵抑制度を評価し
た。得られた結果を第4表に示す。
実施例40 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム17.4gに代え
て、ナトリウムラウリル硫酸エステル5.8g及びジステア
リン酸アルミニウム11.6gを使用した以外は実施例34と
同様にして、造粒物を得た。
得られた「MD」を含む造粒物の平均粒子径、融点、嵩
密度、流動性、均一性、付着性及び粉塵抑制度を評価し
た。得られた結果を第4表に示す。
実施例41 エチレン含有量3.0重量%のアイソタクチックランダ
ムポリプロピレン樹脂(以下、「r−PP」と略記す
る。)100重量部に対して、ポリオレフィン用核剤とし
て実施例1で得られた粉末状ジアセタール組成物をジア
セタール類の純分換算で0.2重量部、ステアリン酸カル
シウム0.05重量部及びテトラキス[メチレン−3−(3,
5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロ
ピオネート]メタン(商品名;イルガノックス1010、チ
バガイギー社製)0.05重量部を配合して、ヘンシェルミ
キサーでドライブレンドした。
次に、220℃で一軸押出機で溶融混練して、押出スト
ランドを水冷し、ついで切断してペレット化した。
得られたペレットを樹脂温度220℃、金型温度40℃の
条件下で射出成形し、厚み1mmの試験片を作成し、該試
験片のヘイズ値及び未分散核剤に基づくスポットの数を
測定した。得られた結果を第5表に示す。
実施例42〜70 r−PPに対して実施例2〜実施例29及び実施例31で得
られた夫々の核剤組成物を使用し、実施例41に準じて試
験片を作成した。
各実施例で使用したジアセタール組成物、ペレット製
造時の押し出し温度、試験片作成時の射出成形温度及び
該試験片を測定して得られたヘイズ値と未分散核剤に基
づくホワイトスポットの数を第5表に示す。
比較例11〜20 r−PPに対して比較例1〜比較例10で得られた夫々の
核剤組成物を適用し、実施例41に準じて試験片を作成し
た。
各比較例で適用したジアセタール組成物、ペレット製
造時の押し出し温度、試験片作成時の射出成形温度及び
該試験片を測定して得られたヘイズ値と未分散核剤に基
づくホワイトスポットの数を第5表に示す。
比較例21 核剤ジアセタールを含有しないr−PPの試験片を実施
例41と同様の操作で作成した。
試験片のヘイズ値及び未分散核剤に基づくホワイトス
ポットの数の測定結果を第5表に示す。
実施例71 直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(密度=0.2926g/c
m3、MFR=20g/10分、以下「LLDPE」と略記する。)100
重量部に対して、実施例1で得た粉末状ジアセタール組
成物をジアセタール類の純分換算で0.2重量部を配合し
て、ヘンシェルミキサーでドライブレンドした。
次に、200℃で一軸押出機で溶融混練して、押出スト
ランドを水冷し、次いで切断してペレットを得た。
得られたペレットを樹脂温度200℃、金型温度30℃の
条件下で射出成形し、厚み1mmの試験片を作成した。
得られた試験片を用いてヘイズ値及び未分散核剤に基
づくホワイトスポットの数を測定した。得られた結果を
第6表に示す。
実施例72〜74 LLDPEに対して実施例2、30及び32で得られた夫々の
核剤組成物を使用し、実施例71に準じて試験片を作成し
た。
各実施例で使用した核剤組成物、ペレット製造時の押
し出し温度、試験片製造時の射出成形温度及び該試験片
を測定して得られたヘイズ値と未分散核剤に基づくホワ
イトスポットの数を第6表に示す。
比較例22 LLDPEのみの試験片を実施例71と同様の操作で作成し
た。ジアセタール組成物を含まない試験片のヘイズ値及
び未分散核剤に基づくホワイトスポットの数の測定結果
を第6表に示す。
産業上の利用可能性 本発明により、ジアセタール類の融点を大幅に降下で
き、その結果、溶融樹脂や各種液体への溶解速度を上昇
させたり、低温溶解や溶解時間の短縮が可能となり、更
に未溶解物が激減するなどの品質や生産性を大幅に向上
させることできる。
また、バインダー効果による嵩密度の上昇によって、
粉塵の発生を抑制して作業環境を大幅に改善し、更に粉
体の流動性向上、付着性抑制などにより、粉体特性を改
善して、移送を容易にすることができる。
更に、低温成形の可能なポリオレフィン樹脂核剤とし
て、成形性が向上し、ジアセタール化物の昇華、分解及
び着色を抑制する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−217924(JP,A) 特開 平3−217441(JP,A) 特開 平5−202055(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08K 3/00 - 13/08 C08L 23/00 - 23/36 C07D 493/04

Claims (44)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)一般式(1) [式中、R1及びR2は、同一又は異なって、水素原子、炭
    素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ
    基、炭素数1〜4のアルコキシカルボニル基又はハロゲ
    ン原子を表す。a及びbは、夫々1〜5の整数を示す。
    cは0又は1を示す。aが2である場合、2つのR1は互
    いに結合してそれらが結合するベンゼン環と共にテトラ
    リン環を形成していても良く、又、bが2である場合、
    2つのR2は互いに結合してそれらが結合するベンゼン環
    と共にテトラリン環を形成していても良い。] で表される少なくとも1種のジアセタール及び、 (b)中性ないし弱酸性の一価有機酸、中性ないし弱酸
    性の多価有機酸、中性ないし弱酸性の多価有機酸の部分
    塩、硫酸エステル塩、スルホン酸塩、リン酸エステル
    塩、リン酸エステル、亜リン酸エステル及び中性ないし
    弱酸性の一価有機酸のアルミニウム塩からなる群から選
    ばれた少なくとも1種のバインダー を含む粒状ないし粉末状ジアセタール組成物であって、
    該バインダーが、ジアセタール粒子の表面のみならず、
    ジアセタール粒子の内部にも均一に分布していることに
    より、該粒状ないし粉末状のジアセタール組成物の粒子
    中に均一に分散している組成物。
  2. 【請求項2】バインダーが、粒状ないし粉末状のジアセ
    タール組成物を構成するジアセタール繊維状結晶間に均
    一に分布している請求の範囲第1項に記載の粒状ないし
    粉末状ジアセタール組成物。
  3. 【請求項3】バインダーが、分子内にエーテル結合、エ
    ステル結合、チオエーテル結合、アミド結合、ハロゲン
    原子、アミノ基、水酸基、複素環基及びカルボニル基か
    らなる群から選ばれた結合又は官能基の少なくとも1種
    を有していても良い、モノカルボン酸、ポリカルボン
    酸、ポリカルボン酸の部分塩、炭素数1〜30の一価脂肪
    族アルコール及び炭素数2〜30の多価脂肪族アルコール
    からなる群から選ばれる少なくとも1種とリン酸とのエ
    ステル、炭素数1〜30の一価脂肪族アルコール及び炭素
    数2〜30の多価脂肪族アルコールからなる群から選ばれ
    る少なくとも1種と亜リン酸とのエステル、炭素数6〜
    30の一価芳香族アルコール及び炭素数6〜30の多価芳香
    族アルコールからなる群から選ばれる少なくとも1種と
    リン酸とのエステル、炭素数6〜30の一価芳香族アルコ
    ール及び炭素数6〜30の多価芳香族アルコールからなる
    群から選ばれる少なくとも1種と亜リン酸とのエステ
    ル、タウリン、硫酸エステル塩、スルホン酸塩、リン酸
    エステル塩及びモノ、ジ及びトリ(C6−C30脂肪酸)ア
    ルミニウム塩からなる群から選ばれた少なくとも1種で
    ある請求の範囲第1項に記載の粒状ないし粉末状ジアセ
    タール組成物。
  4. 【請求項4】(i)溶媒で膨潤された一般式(1)で表
    されるジアセタールを含むスラリーを調製し、 (ii)上記スラリーとバインダーとを均一混合し、 (iii)(a)得られる均一混合物から溶媒を除去して
    乾燥物を得るか、又は、 (b)得られる均一混合物から溶媒を除去しながら造粒
    するか、又は、 (c)上記工程(a)で得られる乾燥物又は上記工程
    (b)で得られる造粒物を、分級若しくは粉砕するか、
    又は、 (d)上記工程(c)で得られる粉砕物を造粒若しくは
    分級する ことにより得ることができる請求の範囲第1項に記載の
    粒状ないし粉末状ジアセタール組成物。
  5. 【請求項5】バインダーが、粒状ないし粉末状ジアセタ
    ールが該バインダー10重量部を上記一般式(1)で表さ
    れるジアセタール90重量部に均一分散した状態で含有す
    る場合に、該ジアセタール自体の融点に比し、融点を7
    ℃以上降下させ、且つ、分子内にエーテル結合、エステ
    ル結合、チオエーテル結合、アミド結合、ハロゲン原
    子、アミノ基、水酸基、複素環基及びカルボニル基から
    なる群から選ばれた結合又は官能基の少なくとも1種を
    有していても良い、モノカルボン酸、ポリカルボン酸、
    ポリカルボン酸の部分塩、炭素数1〜30の一価脂肪族ア
    ルコール及び炭素数2〜30の多価脂肪族アルコールから
    なる群から選ばれる少なくとも1種とリン酸とのエステ
    ル、炭素数1〜30の一価脂肪族アルコール及び炭素数2
    〜30の多価脂肪族アルコールからなる群から選ばれる少
    なくとも1種と亜リン酸とのエステル、炭素数6〜30の
    一価芳香族アルコール及び炭素数6〜30の多価芳香族ア
    ルコールからなる群から選ばれる少なくとも1種とリン
    酸とのエステル、炭素数6〜30の一価芳香族アルコール
    及び炭素数6〜30の多価芳香族アルコールからなる群か
    ら選ばれる少なくとも1種と亜リン酸とのエステル、タ
    ウリン、硫酸エステル塩、スルホン酸塩、リン酸エステ
    ル塩及びモノ、ジ及びトリ(C6−C30脂肪酸)アルミニ
    ウム塩からなる群から選ばれる少なくとも1種である請
    求の範囲第1項に記載の粒状ないし粉末状ジアセタール
    組成物。
  6. 【請求項6】バインダーが、分子内にエーテル結合、エ
    ステル結合、チオエーテル結合、アミド結合、ハロゲン
    原子、アミノ基、水酸基、複素環基及びカルボニル基か
    らなる群から選ばれた結合又は官能基の少なくとも1種
    を有していても良い、モノカルボン酸、ポリカルボン
    酸、ポリカルボン酸の部分塩、スルホン酸塩、硫酸エス
    テル塩、リン酸エステル塩及びモノ、ジ及びトリ(C6−
    C30脂肪酸)アルミニウム塩から選ばれる少なくとも1
    種である請求の範囲第1項に記載の粒状ないし粉末状ジ
    アセタール組成物。
  7. 【請求項7】バインダーが、60〜1200mgKOH/gの酸価を
    有し、分子内にエーテル結合、エステル結合、チオエー
    テル結合、アミド結合、ハロゲン原子、アミノ基、水酸
    基、複素環基及びカルボニル基からなる群から選ばれた
    結合又は官能基の少なくとも1種を有していても良い、
    モノカルボン酸又はポリカルボン酸である請求の範囲第
    1項に記載の粒状ないし粉末状ジアセタール組成物。
  8. 【請求項8】バインダーが、炭素数80以下の脂肪族モノ
    カルボン酸、炭素数80以下の脂肪族ポリカルボン酸及び
    そのアルキル(炭素数1〜22)部分エステル、炭素数80
    以下の芳香族モノカルボン酸、炭素数80以下の芳香族ポ
    リカルボン酸及びそのアルキル(炭素数1〜22)部分エ
    ステル、炭素数80以下のハロゲン原子含有カルボン酸、
    炭素数80以下のアミノ基含有カルボン酸、炭素数80以下
    のアミド結合含有カルボン酸、炭素数80以下の水酸基含
    有カルボン酸、樹脂酸、炭素数80以下のカルボニル基含
    有カルボン酸、炭素数80以下のエーテル結合含有カルボ
    ン酸、炭素数80以下のエステル結合含有カルボン酸、炭
    素数80以下のアミド結合及びアミノ基含有カルボン酸、
    炭素数80以下のアミド結合及び水酸基含有カルボン酸、
    炭素数80以下の複素環含有カルボン酸及び炭素数80以下
    のチオエーテル結合含有カルボン酸からなる群から選ば
    れる少なくとも1種である請求の範囲第1項に記載の粒
    状ないし粉末状ジアセタール組成物。
  9. 【請求項9】バインダーが、炭素数3〜35の脂肪族モノ
    カルボン酸、炭素数4〜30の脂肪族ポリカルボン酸及び
    そのアルキル(炭素数1〜22)部分エステル、炭素数7
    〜35の芳香族モノカルボン酸、炭素数8〜30の芳香族ポ
    リカルボン酸及びそのアルキル(炭素数1〜22)部分エ
    ステル、炭素数4〜35のハロゲン原子含有カルボン酸、
    炭素数4〜35のアミノ基含有カルボン酸、炭素数4〜35
    の水酸基含有カルボン酸、樹脂酸、炭素数4〜35のカル
    ボニル基含有カルボン酸、炭素数4〜35のエーテル結合
    含有カルボン酸、炭素数4〜35のエステル結合含有カル
    ボン酸、炭素数4〜35のアミド結合及びアミノ基含有カ
    ルボン酸、炭素数4〜35のアミド結合及び水酸基含有カ
    ルボン酸、炭素数4〜35の複素環含有カルボン酸及び炭
    素数4〜35のチオエーテル結合含有カルボン酸からなる
    群から選ばれる少なくとも1種である請求の範囲第1項
    に記載の粒状ないし粉末状ジアセタール組成物。
  10. 【請求項10】バインダーが、 (a)炭素数8〜30の脂肪族モノカルボン酸、 (b)炭素数3〜18の脂肪族ジカルボン酸、炭素数6〜
    30の脂肪族トリカルボン酸、及び炭素数8〜30の脂肪族
    テトラカルボン酸、 (c)炭素数7〜15の芳香族モノカルボン酸、 (d)炭素数8〜20の芳香族ジ、トリ、及びテトラカル
    ボン酸、 (e)ハロゲン原子を1〜3個含有する炭素数3〜20の
    カルボン酸 (f)アミノ基を1〜3個含有する炭素数5〜12のモノ
    及びジカルボン酸、 (g)モノ、ジ及びトリ(C6−C30脂肪酸)アルミニウ
    ム塩 (h)水酸基を1〜5個有する炭素数4〜24のモノ、
    ジ、トリ及びテトラカルボン酸 (i)樹脂酸 (j)カルボニル基を1〜3個含有する炭素数4〜18の
    モノ及びジカルボン酸、 (k)エーテル結合を1〜2個含有する炭素数8〜15の
    モノ及びジカルボン酸、 (l)エステル結合を1〜2個有する炭素数5〜26のモ
    ノ及びジカルボン酸、及び (m)(m−1)炭素数6〜30のアルカンスルホン酸、
    炭素数6〜30のアルケンスルホン酸、(C1−C22アルキ
    ル)ベンゼンスルホン酸及び(C1−C14アルキル)ナフ
    タレンスルホン酸のアルカリ金属塩、アンモニウム塩及
    びアルカリ土類金属塩、並びに、(m−2)炭素数6〜
    30の飽和又は不飽和脂肪族アルコールの硫酸エステル
    塩、エチレンオキシドが1〜10モル付加した炭素数6〜
    30の飽和又は不飽和脂肪族アルコールの硫酸エステル
    塩、スルホコハク酸ジエステル塩、α−スルホ脂肪酸塩
    及びα−スルホ脂肪酸エステル塩 からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求の範
    囲第1項に記載の粒状ないし粉末状ジアセタール組成
    物。
  11. 【請求項11】(a')ラウリン酸、トリデカン酸、ミリ
    スチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、ヘプタデカ
    ン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、エイコサン
    酸、ベヘン酸、ドコサヘキサン酸、モンタン酸、ベンジ
    ル酸、ソルビン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイ
    ン酸、 (b')コハク酸、グルタル酸、マロン酸、アジピン酸、
    スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二
    酸、イタコン酸、トリカルバリル酸、1,2,3,4−ブタン
    テトラカルボン酸、シトラジン酸、1,2,3,4−シクロペ
    ンタンテトラカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカル
    ボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、4,4'−ジ
    シクロヘキシルジカルボン酸、シクロヘキサンテトラカ
    ルボン酸、 (c')安息香酸、p−メチル安息香酸、p−エチル安息
    香酸、p−n−プロピル安息香酸、クミン酸、p−tert
    −ブチル安息香酸、p−イソブチル安息香酸、p−フェ
    ニル安息香酸、3,5−ジメチル安息香酸、1−ナフトエ
    酸、2−ナフトエ酸、テトラリンモノカルボン酸、 (d')o−フタル酸、m−フタル酸、p−フタル酸、ト
    リメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、ジフェ
    ン酸、ビフェニルジカルボン酸、ビフェニルテトラカル
    ボン酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルスルホン
    テトラカルボン酸、ジフェニルエーテルテトラカルボン
    酸、ジフェニルメタンテトラカルボン酸、ジフェニルプ
    ロパンテトラカルボン酸、エチレングリコール−4,4'−
    ビストリメリット酸ジトリメリテート、 (e')クロロプロピオン酸、ブロモプロピオン酸、o−
    クロロ安息香酸、m−クロロ安息香酸、p−クロロ安息
    香酸、4−クロロ−3−ニトロ安息香酸、 (f')L−グルタミン、 (g')モノ及びジ(ペラルゴン酸)アルミニウム、モノ
    及びジ(ラウリン酸)アルミニウム、モノ及びジ(ミリ
    スチン酸)アルミニウム、モノ及びジ(ステアリン酸)
    アルミニウム、及び、モノ及びジ(オレイン酸)アルミ
    ニウム、 (h')酒石酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、グルコン
    酸、パントテン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、マン
    デル酸、コール酸、β−オキシナフトエ酸、リシノール
    酸、キナ酸、シキミ酸、サリチル酸、α,β−ジヒドロ
    キシヘキサヒドロフタル酸、 (i')デヒドロアビエチン酸、アビエチン酸、ジヒドロ
    アビエチン酸、ネオアビエチン酸、テトラヒドロアビエ
    チン酸、 (j')レブリン酸、ピリビル酸、o−ベンゾイル安息香
    酸、 (k')4−メトキシシクロヘキサンカルボン酸、4−エ
    トキシシクロヘキサンカルボン酸、p−メトキシ安息香
    酸、p−エトキシ安息香酸、p−フェノキシ安息香酸、 (l')アセチルクエン酸、ステアロイルクエン酸、アセ
    チルリシノール酸、ステアロイル乳酸、クエン酸モノス
    テアリルエステル、アジピン酸モノ−2−エチルヘキシ
    ルエステル、アジピン酸モノオクチルエステル、及び (m')C18アルカン又はアルケンスルホン酸のカリウム
    及びナトリウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリ
    ウム、ナトリウムドデシルサルフェート、ナトリウムド
    デシルエーテルサルフェート(即ち、エチレンオキサイ
    ドが1モル付加したドデシルアルコールの硫酸エステル
    のナトリウム塩)、ナトリウムジオクチルスルホサクシ
    ネート及びナトリウムメチルα−スルホステアレート からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である
    請求の範囲第1項に記載の粒状ないし粉末状ジアセター
    ル組成物。
  12. 【請求項12】バインダーが、(h)水酸基を1〜5個
    有する炭素数4〜24のモノ、ジ、トリ及びテトラカルボ
    ン酸の少なくとも1種である請求の範囲第1項に記載の
    粒状ないし粉末状ジアセタール組成物。
  13. 【請求項13】バインダーが、酒石酸、乳酸、リンゴ
    酸、クエン酸、グルコン酸、パントテン酸、12−ヒドロ
    キシステアリン酸、マンデル酸、コール酸、β−オキシ
    ナフトエ酸、リシノール酸、キナ酸、シキミ酸、サリチ
    ル酸及びα,β−ジヒドロキシヘキサヒドロフタル酸か
    らなる群から選ばれる少なくとも1種である請求の範囲
    第1項に記載の粒状ないし粉末状ジアセタール組成物。
  14. 【請求項14】バインダーが、 (h−a)酒石酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸及びα,
    β−ジヒドロキシヘキサヒドロフタル酸、並びに (m)(m−1)炭素数6〜30のアルカンスルホン酸、
    炭素数6〜30のアルケンスルホン酸、(C1−C22アルキ
    ル)ベンゼンスルホン酸及び(C1−C14アルキル)ナフ
    タレンスルホン酸のアルカリ金属塩、アンモニウム塩及
    びアルカリ土類金属塩、並びに、(m−2)炭素数6〜
    30の飽和及び不飽和脂肪族アルコールの硫酸エステル
    塩、エチレンオキシドが1〜10モル付加した炭素数6〜
    30の飽和及び不飽和脂肪族アルコールの硫酸エステル
    塩、スルホコハク酸ジエステル塩、α−スルホ脂肪酸塩
    及びα−スルホ脂肪酸エステル塩 からなる群から選ばれた少なくとも1種である請求の範
    囲第1項に記載の粒状ないし粉末状ジアセタール組成
    物。
  15. 【請求項15】バインダーとして、 (h−a)酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、コハク酸及び
    α,β−ジヒドロキシヘキサヒドロフタル酸、 (m)(m−1)炭素数6〜30のアルカンスルホン酸、
    炭素数6〜30のアルケンスルホン酸、(C1−C22アルキ
    ル)ベンゼンスルホン酸及び(C1−C14アルキル)ナフ
    タレンスルホン酸のアルカリ金属塩、アンモニウム塩及
    びアルカリ土類金属塩、並びに、(m−2)炭素数6〜
    30の飽和及び不飽和脂肪族アルコールの硫酸エステル
    塩、エチレンオキシドが1〜10モル付加した炭素数6〜
    30の飽和及び不飽和脂肪族アルコールの硫酸エステル
    塩、スルホコハク酸ジエステル塩、α−スルホ脂肪酸塩
    及びα−スルホ脂肪酸エステル塩、 (a)炭素数8〜30の脂肪族モノカルボン酸、並びに (g)モノ、ジ及びトリ(C6−C30脂肪酸)アルミニウ
    ム塩 からなる群から選ばれた少なくとも1種を含み、更に滑
    剤として硬化油を含む請求の範囲第1項に記載の粒状な
    いし粉末状ジアセタール組成物。
  16. 【請求項16】バインダーとして、 (h−a)酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、コハク酸及び
    α,β−ジヒドロキシヘキサヒドロフタル酸、 (m)(m−1)炭素数6〜30のアルカンスルホン酸、
    炭素数6〜30のアルケンスルホン酸、(C1−C22アルキ
    ル)ベンゼンスルホン酸及び(C1−C14アルキル)ナフ
    タレンスルホン酸のアルカリ金属塩、アンモニウム塩及
    びアルカリ土類金属塩、並びに、(m−2)炭素数6〜
    30の飽和及び不飽和脂肪族アルコールの硫酸エステル
    塩、エチレンオキシドが1〜10モル付加した炭素数6〜
    30の飽和及び不飽和脂肪族アルコールの硫酸エステル
    塩、スルホコハク酸ジエステル塩、α−スルホ脂肪酸塩
    及びα−スルホ脂肪酸エステル塩、並びに (a)炭素数8〜30の脂肪族モノカルボン酸 からなる群から選ばれる少なくとも1種を含み、 更に滑剤として硬化油を含む請求の範囲第1項に記載の
    粒状ないし粉末状ジアセタール組成物。
  17. 【請求項17】バインダーとして、 (m)(m−1)炭素数6〜30のアルカンスルホン酸、
    炭素数6〜30のアルケンスルホン酸、(C1−C22アルキ
    ル)ベンゼンスルホン酸及び(C1−C14アルキル)ナフ
    タレンスルホン酸のアルカリ金属塩、アンモニウム塩及
    びアルカリ土類金属塩、並びに、(m−2)炭素数6〜
    30の飽和及び不飽和脂肪族アルコールの硫酸エステル
    塩、エチレンオキシドが1〜10モル付加した炭素数6〜
    30の飽和及び不飽和脂肪族アルコールの硫酸エステル
    塩、スルホコハク酸ジエステル塩、α−スルホ脂肪酸塩
    及びα−スルホ脂肪酸エステル塩、並びに (a)炭素数8〜30の脂肪族モノカルボン酸 からなる群から選ばれる少なくとも1種を含み、 更に滑剤として硬化油を含む請求の範囲第1項に記載の
    粒状ないし粉末状ジアセタール組成物。
  18. 【請求項18】バインダーとして、 (g)モノ、ジ及びトリ(C6−C30脂肪酸)アルミニウ
    ム塩、 (a)炭素数8〜30の脂肪族モノカルボン酸、及び (m)(m−1)炭素数6〜30のアルカンスルホン酸、
    炭素数6〜30のアルケンスルホン酸、(C1−C22アルキ
    ル)ベンゼンスルホン酸及び(C1−C14アルキル)ナフ
    タレンスルホン酸のアルカリ金属塩、アンモニウム塩及
    びアルカリ土類金属塩、並びに、(m−2)炭素数6〜
    30の飽和及び不飽和脂肪族アルコールの硫酸エステル
    塩、エチレンオキシドが1〜10モル付加した炭素数6〜
    30の飽和及び不飽和脂肪族アルコールの硫酸エステル
    塩、スルホコハク酸ジエステル塩、α−スルホ脂肪酸塩
    及びα−スルホ脂肪酸エステル塩 からなる群から選ばれる少なくとも1種を含み、更に滑
    剤として硬化油を含む請求の範囲第1項に記載の粒状な
    いし粉末状ジアセタール組成物。
  19. 【請求項19】バインダーが、一般式(1)で表される
    ジアセタール100重量部に対して、0.01〜100重量部存在
    する請求の範囲第1項に記載の粒状ないし粉末状ジアセ
    タール組成物。
  20. 【請求項20】バインダーが、一般式(1)で表される
    ジアセタール100重量部に対して、0.01〜8重量部の量
    で使用される請求の範囲第10項に記載の粒状ないし粉末
    状ジアセタール組成物。
  21. 【請求項21】平均粒子径が、3〜2000μmである請求
    の範囲第1項に記載の粒状ないし粉末状ジアセタール組
    成物。
  22. 【請求項22】断面直径が0.2〜5mmで、長さが0.2〜15m
    mの円柱の形態、或いは直径0.2〜5mmの顆粒又はフレー
    クの形態にある請求の範囲第1項に記載の粒状ないし粉
    末状ジアセタール組成物。
  23. 【請求項23】0.2〜1.1g/cm3の嵩密度を有する請求の
    範囲第1項に記載の粒状ないし粉末状ジアセタール組成
    物。
  24. 【請求項24】ジアセタール組成物中に含有される一般
    式(1)で表されるジアセタールに比し、融点が20℃以
    上降下していることを特徴とする請求の範囲第1項に記
    載の粒状ないし粉末状ジアセタール組成物。
  25. 【請求項25】ジアセタール組成物中に含有される一般
    式(1)で表されるジアセタールに比し、融点が40℃以
    上降下していることを特徴とする請求の範囲第1項に記
    載の粒状ないし粉末状ジアセタール組成物。
  26. 【請求項26】更に、帯電防止剤、中和剤ないし安定剤
    及び滑剤からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む
    請求の範囲第1項に記載の粒状ないし粉末状ジアセター
    ル組成物。
  27. 【請求項27】帯電防止剤が、グリセリン脂肪酸(C8−
    C22)モノ、ジ及びトリエステル、N,N−ビス(2−ヒド
    ロキシエチル)アルキル(C8−C22)アミン、ポリオキ
    シエチレン(4−50モル)アルキル(C12−C22)エーテ
    ル、ポリオキシエチレン(4−50モル)アルキル(C7−
    C22)フェニルエーテル及びペンタエリスリトール脂肪
    酸(C8−C22)エステルからなる群から選ばれる少なく
    とも1種である請求の範囲第26項に記載の粒状ないし粉
    末状ジアセタール組成物。
  28. 【請求項28】中和剤ないし安定剤が、ステアリン酸カ
    ルシウム、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸カリウ
    ム、ステアリン酸ナトリウム、テトラキス[メチレン−
    3−(3',5'−ジ−t−ブチル−4'−ヒドロキシフェニ
    ル)プロピオネート]メタン、トリス(2,4−ジ−t−
    ブチルフェニルフォスファイト及び3,3'−チオジプロピ
    オン酸ジステアリルからなる群から選ばれる少なくとも
    1種である請求の範囲第26項に記載の粒状ないし粉末状
    ジアセタール組成物。
  29. 【請求項29】滑剤が、硬化油の少なくとも1種である
    請求の範囲第26項に記載の粒状ないし粉末状ジアセター
    ル組成物。
  30. 【請求項30】粒状ないし粉末状ジアセタール組成物
    が、一般式(1)で表される1,3:2,4−ジアセタール以
    外に、5価又は6価の多価アルコールと置換基を有して
    いても良いベンズアルデヒドとの縮合反応により副生物
    として生成するアセタールであるモノアセタール、トリ
    アセタール及びジアセタール異性体の少なくとも1種を
    含んでおり、該モノアセタール、トリアセタール及びジ
    アセタール異性体の合計量が、アセタール総量(一般式
    (1)で表される1,3:2,4−ジアセタール、モノアセタ
    ール、トリアセタール及びジアセタール異性体の合計
    量)に対して、0.05〜10重量%である請求の範囲第1項
    〜第29項のいずれかに記載の組成物。
  31. 【請求項31】(I)一般式(1) [式中、R1及びR2は、同一又は異なって、水素原子、炭
    素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ
    基、炭素数1〜4のアルコキシカルボニル基又はハロゲ
    ン原子を表す。a及びbは、夫々1〜5の整数を示す。
    cは0又は1を示す。aが2である場合、2つのR1は互
    いに結合してそれらが結合するベンゼン環と共にテトラ
    リン環を形成していても良く、又、bが2である場合、
    2つのR2は互いに結合してそれらが結合するベンゼン環
    と共にテトラリン環を形成していても良い。] で表される少なくとも1種のジアセタール、及び (II)中性ないし弱酸性の一価有機酸、中性ないし弱酸
    性の多価有機酸、中性ないし弱酸性の多価有機酸の部分
    塩、硫酸エステル塩、スルホン酸塩、リン酸エステル
    塩、リン酸エステル、亜リン酸エステル及び中性ないし
    弱酸性の一価有機酸のアルミニウム塩からなる群から選
    ばれた少なくとも1種のバインダー を含む粒状ないし粉状ジアセタール組成物であって、該
    バインダーが、ジアセタール粒子の表面のみならず、ジ
    アセタール粒子の内部にも均一に分布していることによ
    り、該粒状ないし粉末状ジアセタール組成物の粒子中に
    均一に分散している組成物の製造法であって、 (i)一般式(1)で表されるジアセタールを溶媒中に
    含むスラリーであって、上記ジアセタールが該溶媒で膨
    潤された状態で含有されているスラリーを調製し、 (ii)上記スラリーとバインダーとを均一混合し、 (iii)(a)上記工程(ii)で得られた均一混合物か
    ら、溶媒を除去して乾燥物を得るか、又は (b)該均一混合物から溶媒を除去しながら造粒する
    か、又は (c)上記工程(a)で得られた乾燥物又は上記工程
    (b)で得られた造粒物を、分級若しくは粉砕するか、
    又は、 (d)上記工程(c)で得られる粉砕物を分級するか造
    粒する 工程を包含する製造法。
  32. 【請求項32】膨潤したジアセタールを含むスラリー
    が、ジアセタール粉末を、ジアセタール粉末を膨潤させ
    得る有機溶媒中で膨潤させてなるものである請求の範囲
    第31項に記載の製造法。
  33. 【請求項33】有機溶媒が、極性有機溶媒であるか、又
    は、芳香族炭化水素溶媒であるか、又は、(a)極性有
    機溶媒及び芳香族炭化水素からなる群から選ばれる少な
    くとも1種と(b)脂肪族炭化水素及び脂環式炭化水素
    からなる群から選ばれる少なくとも1種との混合物であ
    って、該極性有機溶媒が、炭素数1〜18の脂肪族アルコ
    ール;炭素数6〜18の脂環式アルコール;フルフリルア
    ルコール;環状エーテル;ケトン;炭素数3〜6の脂肪
    族アミン;アセトニトリル;グリコールエーテル;ジメ
    チルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルス
    ルホキシド、N−メチルピロリドンからなる群から選ば
    れた少なくとも1種である請求の範囲第31項に記載の製
    造法。
  34. 【請求項34】膨潤した上記一般式(1)で表されるジ
    アセタールを含むスラリーが、対応するソルビトール又
    はキシリトールと置換されていてもよいベンズアルデヒ
    ドとを、有機溶媒中で縮合反応を行って得られた反応混
    合物であるか、或いは、該反応混合物を中和又は水洗し
    て得られた混合物である請求の範囲第31項に記載の製造
    法。
  35. 【請求項35】膨潤した上記一般式(1)で表されるジ
    アセタールを含むスラリーが、対応するソルビトール又
    はキシリトールと置換されていてもよいベンズアルデヒ
    ドとを、水中で、酸触媒の存在下に縮合反応させて得ら
    れる反応混合物であるか、或いは、該反応混合物を中和
    又は水洗して得られる湿結スラリーである請求の範囲第
    31項に記載の製造方法。
  36. 【請求項36】請求の範囲第1項に記載の粒状ないし粉
    末状ジアセタール組成物を含有する、ポリオレフィン樹
    脂用の核剤。
  37. 【請求項37】ジアセタール組成物が、更に、帯電防止
    剤、中和剤ないし安定剤及び滑剤からなる群から選ばれ
    る少なくとも1種を含有する請求の範囲第36項に記載の
    ポリオレフィン樹脂用核剤。
  38. 【請求項38】(i)ポリオレフィン樹脂粉末又はフレ
    ーク及び請求の範囲第36項又は第37項に記載の核剤の粉
    末又は粒状物を、或いは、(ii)ポリオレフィン樹脂粉
    末またはフレーク、請求の範囲第36項又は37項に記載の
    核剤の粉末又は粒状物及び少なくとも1種のポリオレフ
    ィン樹脂用添加剤を、ブレンドして得ることができる粉
    末状のポリオレフィン樹脂組成物。
  39. 【請求項39】(i)ポリオレフィン樹脂粉末又はフレ
    ーク及び請求の範囲第36項又は第37項に記載の核剤を、
    或いは、(ii)ポリオレフィン樹脂粉末又はフレーク、
    請求の範囲第36項又は第37項に記載の核剤、及び少なく
    とも1種のポリオレフィン樹脂用添加剤を、ブレンド
    し、得られる粉末状組成物を、加熱下で溶融混練し、押
    し出し、押し出されたストランドを、冷却し、得られた
    ストランドをカッティングしてペレットとすることによ
    り得ることができるポリオレフィン樹脂組成物。
  40. 【請求項40】(i)ポリオレフィン樹脂粉末又はフレ
    ーク及び請求の範囲第36項又は第37項に記載の核剤を、
    或いは、(ii)ポリオレフィン樹脂粉末又はフレーク、
    請求の範囲第36項又は第37項に記載の核剤の粉末及び少
    なくとも1種のポリオレフィン樹脂用添加剤を、ブレン
    ドし、得られる粉末状組成物を、ジアセタール組成物の
    融点以上又は未満の温度に加熱して溶融混練し、押し出
    し、押し出されたストランドを、冷却し、得られたスト
    ランドをカッティングすることからなるポリオレフィン
    樹脂組成物の製造法。
  41. 【請求項41】請求の範囲第38項又は第39項に記載のポ
    リオレフィン樹脂組成物を、射出成形法、射出−ブロー
    成形法、ブロー成形法又は押出成形法により成形する
    か、又は該押出成形法により得られるシートを圧空成形
    する工程を包含する、ポリオレフィン樹脂組成物中の核
    剤未分散物を最小限の量で含むポリオレフィン樹脂成形
    体の製造法。
  42. 【請求項42】請求の範囲第38項又は第39項に記載のポ
    リオレフィン樹脂組成物を、射出成形法、射出−ブロー
    成形法、ブロー成形法、押出成形法により成形するか、
    又は該押出成形法により得られるシートを圧空成形する
    工程を包含する方法により得ることができるポリオレフ
    ィン樹脂成形体。
  43. 【請求項43】(a)R1及びR2が同一又は異なって、そ
    れぞれ水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1
    〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のアルコキシカルボ
    ニル基又はハロゲン原子を表し、a及びbがそれぞれ1
    〜5の整数を示し、cが0又は1を示す請求の範囲第1
    項に記載の一般式(1)で表される少なくとも1種のジ
    アセタールと、(b)少なくとも1種の有機酸を必須成
    分とするバインダーとからなり、上記バインダーがジア
    セタール粒子の表面のみならず、ジアセタール粒子の内
    部にも均一に分布していることにより、ジアセタール中
    に均一に分散している組成物であって、その粒子直径の
    平均値が3〜500μmであることを特徴とする粉末状ジ
    アセタール組成物。
  44. 【請求項44】バインダーが、酒石酸、乳酸、リンゴ
    酸、クエン酸、グルコン酸、パントテン酸、12−ヒドロ
    キシステアリン酸、マンデル酸、コール酸、β−オキシ
    ナフトエ酸、リシノール酸、キナ酸、シキミ酸、サリチ
    ル酸、プロトカテク酸、クマル酸及び没食子酸からなる
    群から選ばれる少なくとも1種である請求の範囲第43項
    に記載の組成物。
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