JP3458113B2 - 顆粒状調味料の製造法 - Google Patents

顆粒状調味料の製造法

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JP3458113B2
JP3458113B2 JP03309994A JP3309994A JP3458113B2 JP 3458113 B2 JP3458113 B2 JP 3458113B2 JP 03309994 A JP03309994 A JP 03309994A JP 3309994 A JP3309994 A JP 3309994A JP 3458113 B2 JP3458113 B2 JP 3458113B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は顆粒状調味料の製造法に
関し、更に詳しくは加熱処理を施すことなく、ペースト
状調味料から顆粒状調味料を簡便に製造出来る方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】生味噌などの発酵調味料や畜産物、魚介
類、野菜などから抽出又は分解、濃縮して製造されるエ
キス系の調味料はペースト状で得られ、保存性、輸送
性、利用上の簡便性などから、粉末化、更に顆粒化して
利用されることが多くなっている。
【0003】これら調味料は蛋白質、ペプタイド、遊離
アミノ酸、糖類、酸類、芳香成分、無機塩類などを含
み、通常、それ自体では粉末化が困難であったり、粉末
化できても吸湿による潮解、固結を生じ易いことから、
これら調味料の粉末化に際してはデキストリン、可溶性
澱粉、ゼラチン、アラビヤガム、乳糖などを乾燥助剤と
し、噴霧乾燥、凍結乾燥、ドラム乾燥などの乾燥手段に
よって乾燥し、粉末化されている。例えば、生味噌にデ
キストリン、可溶性澱粉、粉末水飴を添加、混合し、真
空乾燥又は凍結真空乾燥する方法(特開昭58−718
62号)、アミロペクチンからなるDE2〜5のデキス
トリンをエキスに添加溶解した後、乾燥する方法(特開
昭59−205958号)などである。
【0004】しかし、粉末状では(1)溶解時、ママコ
になったり、液面に浮遊して分散、溶解が悪い、(2)
小袋包装にする際、自動計量が難しい、(3)保存時、
固結し易いなどの問題があるが、粉末を造粒して顆粒化
することによって、これらの問題点が改善されるので、
顆粒状はより好ましい形態と言える。
【0005】一般に顆粒化は、一旦調味料を粉末状に乾
燥した後、流動層造粒、押出し造粒、転動造粒などの方
法で造粒、顆粒化され、この際、水又は結合剤を含む水
を添加し、最終的に乾燥して製品化されている。特開昭
62−40277号には水を添加せずに二軸押出機で顆
粒化する方法が開示されているが、この場合でも乾燥し
た原料を用い、押出機内で加熱可塑化して押出す加熱処
理が含まれている。
【0006】これら二段階の粉末化、顆粒化を一段で行
う方法も種々提案されている。例えば、特開昭59−4
2860号では、エキスなどの粘稠性流動物に大豆抽出
残渣を混和し、押出し造粒などで造粒し、乾燥する方法
が提案されている。また、特開昭61−149067号
には、液体調味料に乾燥助剤を添加し、更に炭酸ガスを
溶存せしめた後、噴霧乾燥する方法が開示されている。
また、他にも生味噌を振動流動層で真空凍結乾燥を行う
際、微粉末部分をフィードバックし、これに生味噌を噴
霧して乾燥することを繰り返す方法(特開昭60−26
2564号)、生味噌に鰹節粉末、デキストリンなどを
添加して真空凍結乾燥した後、破砕造粒する方法(特開
昭53−145991号)などである。
【0007】しかし、これら従来のペースト状調味料の
顆粒化に於ては、上述のようにその過程に於て乾燥工程
が含まれ、乾燥工程では何らかの加熱処理が施され、こ
の加熱処理による芳香成分の逸散による風味の減退、ア
ミノ酸と糖のメイラード反応などによる色沢の変化、風
味の変化を生じる問題があり、ペースト状調味料と同様
な風味、例えば、生味噌と同等の風味を有し、且つ上述
の顆粒状の利点を持つ顆粒状調味料を簡便に製造する方
法が望まれていた。
【0008】特に、生味噌は乾燥し難い調味料であり、
乾燥時に風味、色沢の変化を生じ易く、この改善法とし
て特開昭58−71862号は、生味噌にデキストリ
ン、可溶性澱粉、粉末水飴を9〜50重量%添加、混合
し、真空乾燥もしくは凍結真空乾燥する方法を開示して
いる。しかし、この方法は従来品より風味のよい粉末品
を得るもので、顆粒化品を得る方法でないだけでなく、
乾燥工程を必須とし、生味噌と同等の風味を有すると言
う意味に於ても満足できるものでない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題はペースト状調味料と同等の風味を有する顆粒
状調味料を簡便な方法で提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】従来、液状又はペース状
調味料を粉末化、更に顆粒化するには基本的にその過程
で何らかの乾燥工程が必要と考えられていた。乾燥工程
では加熱処理が必須であり、加熱処理すると風味の減退
が避けられないだけでなく、乾燥方法によっては色沢、
呈味の変化をも来していた。この風味の減退は加熱処理
にあり、加熱処理することなく顆粒化することができれ
ば、ペースト状調味料の風味そのままで、且つ分散、溶
解性、保存性、輸送性、簡便性、計量性などを改善した
調味料が得られることになる。
【0011】斯かる観点から種々検討した結果、固形分
濃度が45重量%以上のペースト状調味料に、20重量
%水溶液の粘度が200cps以下、その水分含量が8
%以下であって、且つオクテニルコハク酸澱粉部分分解
物及び又は馬鈴薯澱粉を主原料とした次亜塩素酸ソーダ
による部分分解物である澱粉部分分解物を、ペースト状
調味料に40〜250重量%添加し、高速で攪拌するこ
とによって達せられる。
【0012】
【発明の作用】本発明でペースト状調味料とは畜産物、
海産物、農産物から熱水抽出、搾汁抽出などの方法によ
って抽出した抽出エキス、味噌、醤油などの発酵調味
料、動物性蛋白質或は植物性蛋白質を塩酸或は酵素(自
己消化法を含む)で分解して製造される動植物蛋白加水
分解物、酵母より製造される酵母エキス、油脂で加熱抽
出して製造されるシーズニングオイルなど液状で得られ
る調味料であって、そのまま又は蒸発法、凍結濃縮法、
逆浸透圧法などによって濃縮して或は他の成分(例えば
デキストリンなど)を添加して、その固形分濃度が45
重量%以上になるように調整した粘稠性のある液状調味
料を指称する。
【0013】更に具体的にはチキン、ポーク、ビーフの
ボーン、ミートの抽出エキスである畜肉エキス、鰹、煮
干、サバ、ハモ、アジ、タラ、カキ、帆立貝、アサリ、
アワビ、カニ、エビ、オキアミ、昆布など海産物の缶詰
などに加工する際に副生する煮汁或は熱水抽出などの抽
出によって製造される魚介類エキス及び海藻エキス、人
参、キャベツ、オニオン、ガーリック、ジンジャー、ネ
ギ、セロリ、椎茸、マッシュルームなど農産物の抽出エ
キスである野菜エキス、茸エキスや香辛野菜エキス、魚
介類、畜肉、家畜の骨髄、卵白、カゼイン、ゼラチンな
どの動物性蛋白質或は脱脂大豆、小麦グルテン、コーン
グルテンなどの植物性蛋白質の加水分解物、ビール酵
母、パン酵母を原料として自己消化法、酵素分解法によ
り製造される酵母エキス、動物性及び/又は植物性の油
脂を用いて香味野菜、畜肉、魚介、スパイスなどを調理
加熱して、香りを油脂に移行させた油脂状の調味料であ
るシーズニングオイルなどが例示される。
【0014】これらペースト状調味料は必要に応じて適
宜混合して用いることもできるし、使用される用途に応
じて、呈味、栄養素の補強などの目的で他の食品材料、
添加物を適宜添加することもできる。これら食品材料、
添加物としては、例えば砂糖、ブドー糖、水飴、各種オ
リゴ糖、合成甘味料などの甘味料、クエン酸、リンゴ酸
などの酸味料、グルタミン酸ソーダ、核酸系調味料、ア
ミノ酸、コハク酸ナトリュウムなどの呈味料、ビタミン
類、ミネラル、食物繊維などの栄養素、炭酸水素ナトリ
ュウム、クエン酸ナトリュウムなどのpH調整剤、ソル
ビン酸、ソルビン酸カリュウムなどの保存剤などの他、
食塩、食用油脂(例えばラード、コーンオイル)、香辛
料(例えばペパー)、着色料(例えばカラメル)、着香
料(例えばスターアニス油)などが挙げられ、これらは
ペースト状調味料に添加して、その固形分濃度を調節す
る目的と併せて用いることもできるし、粉末状の物は澱
粉部分分解物と混合して使用することもできる。
【0015】本発明に於けるペースト状調味料は固形分
濃度が45重量%以上、好ましくは50−75重量%で
ある。固形分濃度が45重量%以上であれば何れも用い
得るが、固形分濃度が高くなると粘稠度が高くなり、粘
稠度が高過ぎると均一に混合する為には強力な撹拌機を
必要とするなどの制約を生じるので、概ね75重量%程
度までの固形分濃度が適している。一方、固形分濃度が
45重量%より低いと、澱粉部分分解物の添加量を多く
要するだけでなく、粉末状にはなっても顆粒状にはなり
難くなる。
【0016】固形分濃度が45重量%に満たない液状調
味料の場合は、濃縮して上述の濃度にするか、又は該調
味料の性質、特徴を勘案して悪影響を与えない物質、例
えばデキストリン、還元澱粉分解物(例えば澱粉をα−
アミラーゼでDE3−18程度に分解したもの及びその
水素添加物)や上述の必要に応じて用いられ得る食品材
料、添加物などを添加して、好ましい濃度に調節したも
のも用いることができる。
【0017】本発明で使用する澱粉部分分解物は、澱粉
をその澱粉粒を残したまま、塩酸、硫酸などの酸類、或
は次亜塩素酸ソーダ、過酸化水素、過硫酸アンモンなど
の酸化剤を用いて澱粉分子を部分的に分解した澱粉で、
外観的には未処理澱粉と変わらない形状を有し、冷水で
は膨潤せず、水の存在下で加熱することによって糊化し
て元の澱粉より低い粘性の糊液となる澱粉を指称する。
【0018】高分子である澱粉を酸又は酸化剤で処理す
ると、澱粉分子は分解されて粘度低下し、その程度によ
り広範囲の粘度の製品が得られ、その中でも20重量%
水溶液の粘度が200cps以下の澱粉部分分解物であ
ることが必要である。同じ処理をした澱粉であっても、
粘度が200cpsを越えてあまりに高いと、粉末状に
なる割合が多くなって顆粒品としての歩留が悪くなるだ
けでなく、得られた顆粒状調味料の分散、溶解が悪くな
る。一方、粘度が200cps以下であれば何れも用い
得るが、あまりに低い粘度の澱粉部分分解物は、その製
造時、水に溶出する部分が多くなって歩留が悪くなるの
で、概ね30cps程度までに分解するのが実用的であ
る。
【0019】澱粉部分分解物は、通常澱粉を水懸濁液に
し、例えば硫酸を用いる場合は3〜6重量%程度の硫酸
水溶液になるように硫酸を加え、澱粉が糊化しない温度
に加温して数時間から20時間程度処理し、次亜塩素酸
ソーダを用いる場合は、澱粉に対し市販の該薬品を20
重量%前後添加して、常温で数時間処理した後、水洗、
乾燥して製品化される。本発明に於いては、水分含量が
8%以下に調整された澱粉部分分解物を用いる。この使
用により均一な顆粒状が得られ易い。
【0020】また、澱粉部分分解物を製造する際に用い
る原料澱粉としては、市販されている天然澱粉、例えば
馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、コーンスターチ、ワキシー
コーンスターチ、小麦澱粉、米澱粉、サゴ澱粉など及び
これらの加工澱粉、例えば、オクテニルコハク酸澱粉、
ヒドロキシプロピル澱粉などである。また、予め澱粉部
分分解物とし、これに上述のエステル化又はエーテル化
をしてもよい。
【0021】本発明に於いては澱粉部分分解物として
は、オクテニルコハク酸澱粉部分分解物及び/又は馬鈴
薯澱粉を主原料として次亜塩素酸ソーダで分解した澱粉
部分分解物を使用する。これらの澱粉部分分解物を用い
ると、均一な顆粒状が得られ易く、更に得られた顆粒状
調味料の分散、溶解性が良くなる。尚、ここで馬鈴薯澱
粉を主原料とすると、原料澱粉として一部他の上記の種
類の澱粉を用いることもできるが、概ね半量以上は馬鈴
薯澱粉を原料とすることを意味する。また、オクテニル
コハク酸澱粉部分分解物は澱粉又は澱粉部分分解物に無
水オクテニルコハク酸を1〜3重量%作用させてエステ
ル化し、上述の澱粉部分分解物の範囲にあるもので、こ
の場合原料澱粉の種類は問わない。
【0022】尚、本発明で述べる20重量%水溶液の粘
度とは、澱粉部分分解物の絶乾物20重量部に蒸留水を
加えて全体を100重量部とし、攪拌下、沸騰浴中で9
0℃に達してから更に10分間加熱した後、流水中で冷
却し、加熱中に蒸発した水分を補充して30℃で、B型
回転粘度計、60rpmにて測定した値である。
【0023】斯かる澱粉部分分解物は、通常、粉末状で
得られ、本発明に於ては、ペースト状調味料に、この粉
末状の澱粉部分分解物をそのまま粉末状で、ペースト状
調味料に対して40〜250重量%添加し、高速で撹拌
することによって達せられる。この際、ペースト状調味
料は澱粉部分分解物が糊化しない温度、概ね40℃以下
にし、室温で粉末状の澱粉部分分解物を添加する。この
操作は逆、即ち澱粉部分分解物にペースト状調味料を添
加してもよい。尚、ここで粉末状とは60メッシュの試
験篩を約90重量%以上通過する粉体である。
【0024】澱粉部分分解物の添加量はペースト状調味
料に対し40〜250重量%、好ましくは60〜170
重量%の範囲で、吸湿性、粘稠性、固形分含量などのペ
ースト状調味料の性質、望まれる顆粒の大きさによって
選択される。添加量が40重量部より少ないと塊状にな
って顆粒状になり難いし、250重量部を越えて多く添
加すると、粉末状部分が多くなる。
【0025】本発明に於てはペースト状調味料に澱粉部
分分解物を添加した後、常温下、高速で攪拌するのみで
顆粒状にすることができ、一般に必要とする加熱処理を
全く要しないので、風味、色沢に優れた顆粒状調味料を
得ることができる。この際の高速で攪拌とは羽根の形
状、大きさなどにもよるが、概ね500〜4000rp
m好ましくは1000〜3500rpmを指し、攪拌速
度が遅すぎると不均一な塊状になり易く、速すぎると発
熱することにもよるが粘土状になり易い。このような好
ましい攪拌条件が得られる装置としては、例えばサイレ
ントカッター、フードプロセッサー、ハイスピードミキ
サー、スーパーミキサー、バーチカル.グラニュレータ
ーなどを挙げることができるが、同様な攪拌条件が得ら
れる装置であれば、これらに拘るものではない。
【0026】更に上記装置について詳しく説明すると以
下の通りである。サイレントカッターとしては各種のも
のが使用出来、例えば「サイレントカッターSC35
0」、「サイレントカッターSC300」、「サイレン
トカッターSC500/SC450」(何れもヤナギ社
製)を例示出来、フードプロセッサーとしても、フード
プロセッサーとして知られているものが広く使用出来、
例えば、クイジナート社製の「DLC−XG」、「DL
C−XS」、「DLC−7S」等を例示出来る。また、
ハイスピードミキサーとしても各種のものが使用出来、
例えば「FS−G」、「FS−GS−50」、「LFS
−GS−1」、「PS−GS−5」、「FS−GS−1
0」、「FS−GS−200」、「FS−GC−30
0」、「FS−GC−400」、「FS−GS−50
0」、「FS−GC−1200」(何れも深江工業
(株)製)、等を例示出来る。
【0027】スーパーミキサーとしては、好ましい例示
として、「パワコン、型式2−5SP」、「クーリング
ミキサー、型式SMC−200」、「クーリングミキサ
ーNCタイプ、型式SMNC−500」(いずれもカワ
タ工業社製)等を例示出来、またパーチカルグラニュレ
ーターとしては、例えば(株)パウレック社製の各種型
式のもの、好ましくは「VG−5」、「VG−10」、
「VG−25」、「VG−50」、「VG−100」、
「VG−200」、「VG−400」、「VG−60
0」、その他「VG−800〜3000」等を例示出来
る。
【0028】その他二段羽様式高速混合造粒機、例えば
ファインミキサー(ミントー社製、MDS型)や、高速
せん断型混合機「PS−ミキサ」(神鋼パンテックス
(株)製)等も使用することが出来る。これらの装置を
用いて30秒〜15分、通常は1〜5分程度の攪拌時間
で好ましい顆粒状調味料が得られる。
【0029】ペースト状調味料は多岐にわたり、含有す
る成分も種々である。本発明に於ては澱粉部分分解物を
添加することを必須とするが、得られた顆粒品の分散、
溶解性、吸湿性の調節などに他の粉末成分を添加するこ
とが、調味料の性質によっては有効である。例えば、分
散性、溶解性をよくするにはα−化架橋澱粉(澱粉を架
橋し、ドラムドライヤーなどでα−化したもので、例え
ば特開平5−15296号に開示されるものなどであ
る)、デキストリンなどの併用が有効であるし、粘着性
が強くてブロッキングし易い調味料や吸湿し易い調味料
には結晶セルローズ、乳糖など、保香性の強化にはサイ
クロデキストリンなどが有効であり、その他乾燥酵母、
粉末調味料(例えば本発明で述べる調味料の粉末化品)
など、乾燥した粉末状の物質であれば、それぞれの目的
に応じて適宜使用することができる。この場合、必須で
はないが澱粉部分分解物と予め混合して用いると均一に
なり易く好ましい。使用量は澱粉部分分解物の添加量を
越えない程度までが望ましい。
【0030】本発明に従えば、ペースト状調味料に澱粉
部分分解物を添加し、高速で攪拌することによって顆粒
状調味料が得られる。その際、顆粒の大きさは主に澱粉
部分分解物の添加量と攪拌速度によって調節することが
できる。ペースト状調味料の性質にもよるが、一般的に
は澱粉部分分解物の添加量を多くし、攪拌速度を速くす
ると細かい顆粒品が得られ、該分解物の添加量を少なく
し、攪拌速度を遅くするとメッシュの大きい顆粒品が得
られる傾向にあるので、望まれる顆粒の大きさによっ
て、所定範囲内で澱粉部分分解物の添加量と撹拌速度を
選択する。 このようにして得られた本発明に係る顆粒
状調味料は何らの加熱処理を要さずに常温下で顆粒化で
きるところから、風味、色沢に優れ、しかも熱水に容易
に分散、溶解し、これを食品に用いると、元のペースト
状調味料と同等の風味を有する食品が得られる。
【0031】以下に参考例、実施例を挙げ、更に詳しく
本発明を説明する。但し、部は重量部、%は重量%を示
す。
【0032】
【参考例1】水120部に馬鈴薯澱粉100部を分散し
たスラリーを3点用意し、撹拌下これらに3%水溶液の
苛性ソーダを加えてpH10.5に維持しながら、市販
の次亜塩素酸ソーダ24部、17部、14部をそれぞれ
添加し、室温で5時間処理した後、硫酸で中和し、十分
に水洗し、乾燥して試料No.1、2、3を得た。尚、
試料No.1については乾燥の程度を変えて水分含量の
異なる試料No.1−A、B、C、Dとした。その分析
値を表1に示す。
【0033】
【参考例2】参考例1に於て、馬鈴薯澱粉に替えてタピ
オカ澱粉を使用し、次亜塩素酸ソーダの使用量を20部
とした他は同様に処理して、試料No.4を得た。その
分析値を表1に示す。
【0034】
【参考例3】参考例1に於て、馬鈴薯澱粉に替えてワキ
シーコーンスターチを使用し、次亜塩素酸ソーダの使用
量を18部とした他は同様に処理して、試料No.5を
得た。その分析値を表1に示す。
【0035】
【参考例4】4%の硫酸水溶液120部に馬鈴薯澱粉1
00部を加えてスラリーとし、40℃で16時間処理し
た後、苛性ソーダで中和し、水洗、乾燥して試料No.
6を得た。その分析値を表1に示す。
【0036】
【参考例5】水120部に参考例4で得た試料No.6
を100部加えてスラリーとし、これに苛性ソーダの3
%水溶液を加えてpH8〜9に維持しながら、無水オク
テニルコハク酸を2.5部加えて室温で3時間反応した
後、硫酸で中和し、水洗、乾燥して試料No.7を得
た。その分析値を表1に示す。
【0037】
【参考例6】参考例5に於て、無水オクテニルコハク酸
に替えて、無水酢酸5部を用いた他は同様に処理して試
料No.8を得た。その分析値を表1に示す。
【0038】
【実施例1】固形分濃度55.2%の生味噌100部に
試料No.1〜8の澱粉部分分解物を100部(100
%)加え、フードプロセッサー(クイジナート社製DL
C−7S型)を用いて1500rpmで室温下、1分間
撹拌、混合した。得られた混合物の性状を以下に従って
評価し、その結果を表1に示す。また、実施例区で得ら
れた顆粒状生味噌を使用して作った味噌汁は生味噌を使
用した場合と変わらない呈味、風味を呈した。
【0039】〈溶解性〉85℃の熱水100mlにマグ
ネチックスタラーで撹拌しながら試料10gを加え、溶
解又は完全に分散するまでの時間で表す。 〈混合物の状態〉◎;均一な顆粒状である ○;顆粒状
ではあるが、多少不均一である。 △;顆粒状物の他に
塊状物及び/又は粉状物を含む ×;塊状又は粉状とな
って、顆粒状にならない。
【0040】
【表1】
【0041】
【実施例2】固形分濃度55.2%の生味噌100部に
試料No.1−Dの澱粉部分分解物を表2に示す添加量
で加え、実施例1に従って混合した。得られた混合物を
実施例1に従って評価し、その結果を表2に示す。ま
た、実施例区に於ては何れも風味、呈味とも良好であっ
た。
【0042】
【表2】
【0043】
【実施例3】固形分濃度69.6%のビーフエキス10
0部に試料No.1−Cの澱粉部分分解物を125部加
え、フードプロセッサーを用いて1500rpmで2分
間、室温で撹拌して顆粒状ビーフエキスを得た。得られ
たビーフエキスは平均粒径約720μの均一性に優れた
顆粒状を有し、熱湯での溶解性も良好であり、元のペー
スト状ビーフエキスと同等の風味、呈味を呈した。一
方、対照区として澱粉部分分解物の代りに乳糖125部
と170部をそれぞれ加えて同様に混合したが、両者と
も団子状となり、更に混合時間を延長しても顆粒状には
ならなかった。
【0044】
【実施例4】固形分濃度41.4%のビーフエキスに粉
末状デキストリン(松谷化学工業製「パインデックス#
2」)を加えて固形分濃度を61.5%に調節したペー
スト状ビーフエキス100部に、試料No.7の澱粉部
分分解物150部と乳糖40部を加え、実施例3と同様
に撹拌して顆粒状品を得た。得られたビーフエキスは平
均粒径約470μの均一性に優れた顆粒状を有し、熱湯
での溶解性、風味、呈味とも良好であった。
【0045】
【実施例5】試料No.1−Dの澱粉部分分解物100
部とα−化架橋澱粉(特開平5−15296号に従って
製造、即ち馬鈴薯澱粉にプロピレンオキサイド4部とエ
ピクロロヒドリン0.2部を反応せしめて得た架橋エー
テル化澱粉をドラムドライヤーでα−化して製造された
もの)50部を予め混合し、これに固形分濃度60.4
%の酵母エキス100部を加え、バーチカルグラニュレ
ーターFM−VG−25P型(株パウレック製)を用い
てメインブレード240rpm、クロススクリュー30
00rpmで室温下、1.5分撹拌して顆粒状酵母エキ
スを得た。得られた酵母エキスは平均粒径約580μの
均一性に優れた顆粒状を有し、熱湯での溶解性、風味、
呈味とも良好であった。
【0046】
【実施例6】実施例5に於て、澱粉部分分解物として試
料No.1−Cを100部と試料No.4を50部使用
し、ペースト状調味料として固形分濃度71.8%のポ
ークエキス70部と野菜エキス30部の混合エキスを用
い、2.5分撹拌した他は同様に処理して顆粒状混合エ
キスを得た。得られた顆粒状エキスは平均粒径約510
μの均一性に優れた顆粒状を有し、熱湯での溶解性、風
味、呈味とも良好であった。
【0047】
【実施例7】水40部に粉末状デキストリン(松谷化学
工業製「パインデックス#1」)20部を添加溶解した
後、シーズニングオイルの一種であるチキンオイル40
部を加え、ホモミキサー(特殊機化社製、model
M)を用いて13000rpmで5分間撹拌した溶液を
調製した。次いで、試料No.7の澱粉部分分解物10
0部に、先に調製した溶液を加え、フードプロセッサー
(クイジナート社製DLC−7S型)を用いて室温下、
1500rpm、1分間撹拌して顆粒状チキンオイルを
得た。得られたチキンオイルは均一性に優れた顆粒状を
有して流動性に優れ、熱湯での溶解性、フレーバーとも
に良好であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−136240(JP,A) 特開 平5−3764(JP,A) 特開 昭64−63354(JP,A) 特開 昭59−42860(JP,A) 特開 平5−3765(JP,A) 特開 平6−98712(JP,A) 特開 平7−184593(JP,A) 特開 平6−303937(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/22 - 1/237

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固形分濃度が45重量%以上のペースト状
    調味料に、20重量%水溶液の粘度が200cps以
    下、その水分含量が8%以下であって、且つオクテニル
    コハク酸澱粉部分分解物及び/又は馬鈴薯澱粉を主原料
    とした次亜塩素酸ソーダによる部分分解物である澱粉部
    分分解物を、粉末状でペースト状調味料に対し40〜2
    50重量%添加し、高速で撹拌することを特徴とする顆
    粒状調味料の製造法。
  2. 【請求項2】澱粉部分分解物をペースト状調味料に対し
    60〜170重量%添加する請求項1に記載の顆粒状調
    味料の製造法。
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