JP3157379B2 - 外観、食感の改善された粉末食品素材 - Google Patents

外観、食感の改善された粉末食品素材

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は天然の果肉、果皮、畜肉
等の代わりに食品に添加し、これらと同等の外観・食感
を与えることのできる粉末食品素材に関し、更に詳しく
は膨潤化ゼラチンを含有する果汁及び/又は動植物エキ
ス類の乾燥粉末からなる粉末食品素材に関する。
【0002】
【従来の技術】食品に香気香味を賦与し、その嗜好性を
高めるために、果汁、動植物エキス類などをそのままあ
るいは粉末の形で添加することが一般的に行われてい
る。更に、動植物エキス類に加えて、天然の果肉、果
皮、畜肉等の乾燥物を食品に添加し、その嗜好性を高め
ることも一般的に行われている。しかしながら、上記し
た如き乾燥物は、大きさ、性状が不均一であり、また微
生物による汚染の問題もある。そこで、果汁、動植物エ
キス類などを含み、かつ天然の果肉、果皮、畜肉等の乾
燥物を添加する代わりにこれらと同等の外観・食感を与
えることのできる粉末食品素材が強く望まれている。
【0003】かかる食品素材に関して従来から種々の提
案がなされている。例えば、スパイス類等の香味剤をア
ルファー化した穀物固形体と水とからなる混合物中に分
散させたのち、固化・粉砕することにより、調節された
香味発散性と非吸湿性を賦与した人工香味粒子の提案
(特開昭50−42072号公報)、柑橘類の鮮果搾り
汁に吸着、コーティング剤として加水分解澱粉、アルフ
ァー化澱粉、酵素デキストリン、微生物等より選ばれた
少なくとも1種添加して凍結乾燥し、風味の保持安定化
を行う方法(特開昭53−81655号公報)、濃縮果
汁、微結晶セルロース、多糖類、単糖・2糖などの炭水
化物およびその他の添加物を含有する固形状組成物(特
公昭61−65号公報)、2〜35%の脱脂粉乳、20
〜75%の糖、10〜30%の脂肪、2%のゼラチン、
3%の水、0.5〜30%の香味物質等を含有する粒状
香味料(特公表昭61−501491号公報)、乾燥又
は乾燥前の野菜又は果物とコンニャクゼリーを混合・乾
燥することにより得られる乾燥野菜又は乾燥果物(特開
平2−57141号公報)、20重量%以上のゼラチン
と重量比でゼラチン100に対し30〜100の割合の
グリセリンを含有するゴム弾性を備えたゼラチン組成物
(特公平5−16820号公報)などが提案されてい
る。
【0004】しかしながら、例えばスパイス類等の固形
の香味剤をアルファー化した穀物固形体と水とからなる
混合物中に分散させたのち、固化・粉砕したものは、不
溶性澱粉粒子の周囲にゲルにより香味剤が分散保持され
たものであり、視覚的魅力は有するが香味の保持能力と
噛み心地は欠如しており、また存在する不溶性澱粉粒子
はむしろ食感において違和感を伴う欠点を有する。ま
た、例えば柑橘類の鮮果搾り汁を加水分解澱粉、アルフ
ァー化澱粉、酵素デキストリンと混合し、凍結乾燥した
ものは、香気香味は安定に保持されるものの、得られる
粉末はポーラスな簡単に押し潰すことができる程度のも
のであり、食品に添加する際の外観・食感の改善は行え
ないという欠点がある。さらに、例えば濃縮果汁、微結
晶セルロース、多糖類、単糖・2糖などの炭水化物等を
添加した固形状組成物は、分散、崩壊性が良好なもので
あり外観・食感の改善を目的とした提案ではない。
【0005】一方、例えば2〜35%の脱脂粉乳、20
〜75%の糖、10〜30%の脂肪、2%のゼラチン、
3%の水、0.5〜30%の香味物質等を含有する粒状
香味料は、視覚的には認知できるものの、ゼラチンを完
全に溶解させた水溶液の形で使用され、かつまたゼラチ
ンの使用量も2%と少ないため組織が脆弱で食感の改善
を目的としたものでなく、また、例えば野菜又は果物と
コンニャクゼリーを混合・乾燥することにより得られる
乾燥野菜又は乾燥果物は、コンニャクゼリーにより湿潤
感と保存性は賦与されるものの乾燥により野菜、果物が
本来もつ良好な食感は損なわれるという欠点があり、さ
らに20重量%以上のゼラチンと重量比でゼラチン10
0に対し30〜100の割合のグリセリンを含有するゼ
ラチン組成物は、ゼラチンを膨潤させ、加熱溶解した後
ゲル化したものであり、その性状もゴム状弾性を有して
おり、果肉、果皮、畜肉等の天然の固形物が持つデリケ
ートな食感は得られないという欠点がある、など解決す
べき多くの問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、天然
の果肉、果皮、畜肉等と同等の外観・食感を与えるとと
もに、果汁及び/又は動植物エキス類の香気香味を強調
することができる消費者への訴求効果の高い粉末食品素
材を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来提案
された食品素材がもつ上記の如き多くの欠点を解決する
ために鋭意研究を行った。その結果、今回驚くべきこと
に、果汁及び/又は動植物エキス類に粉末ゼラチンを添
加し、水分含量および加熱温度をゼラチンが膨潤するが
溶解しないような条件で混合し、乾燥・粉砕することに
より、果汁及び/又は動植物エキス類を添加したことが
外観において容易にわかり、かつ咀嚼時の食感が果肉、
畜肉、植物体等の天然の素材を噛んだ感触に近く、味覚
的にもジューシーな食品素材が得られることを見いだし
本発明を完成するに至った。
【0008】かくして、本発明は、膨潤化ゼラチンを含
有する果汁及び/又は動植物エキス類の乾燥粉末からな
ることを特徴とする、明瞭な外観と飲食時の良好な食感
とを有する粉末食品素材を提供するものである。
【0009】以下、本発明の粉末食品素材について更に
詳細に説明する。
【0010】ゼラチンは、一般に、動物の骨、軟骨、靭
帯、皮膚、または魚の鱗などに含まれるコラーゲンを原
料として、飽和石灰水への浸漬、水洗、酸による中和等
の処理を経て、熱水抽出・乾燥することにより得られ
る。本発明において使用するゼラチンは、その原料の種
類やそのゲル強度等は特に制限はなく、任意のものを使
用することができる。また、ゼラチンの性状としては薄
片、フレーク状、粉末状、粒状のものがあり、本発明に
おいてはこれらの中から使用目的に応じて適宜使い分け
ることができる。通常、粒状のものは加工が容易であ
り、得られる乾燥品も均一であり、粒状ゼラチンの粒度
と膨潤化の条件を変えることにより、種々の大きさの乾
燥品が得られ易く、したがって、食品に添加する際に噛
み心地等の食感の調整も容易で良好である。また、粒状
のゼラチンは、チューインガムなどその製造の際に高い
圧力、剪断応力が加わる食品に添加した場合にも、その
外形がよく残り好適である。かくして本発明で用いる粒
状ゼラチンは、一般に平均粒径が0.5mm〜8mm、
好ましくは2mm〜5mmの範囲内にある粒状のものが
適している。
【0011】ゼラチンの使用量は、厳密に制限されるも
のではなく、食品素材の用途に応じて変えることができ
るが、一般的には、原料全体の固形分の10%以上、好
ましくは25%以上の範囲内を例示することができる。
【0012】前述したとおり、本発明は、以上に述べた
ごときゼラチンに果汁及び/又は動植物エキス類を添加
し、ゼラチンが膨潤するが溶解しないような条件で混合
し、乾燥・粉砕する点に大きな特徴を有するものであ
る。
【0013】ゼラチンの膨潤化の第1の条件として水分
含量が重要である。通常、ゼラチンは水分含量が80〜
90%と多い場合に、約40℃以上、より一般的には約
60℃以上の温度に加熱すると完全に溶解し、その溶液
を冷却するとゲル化して固化する性質があるが、水分含
量が少ない場合あるいは温度が低い場合には、水を吸収
し、やや軟化した状態、いわゆる膨潤化がおこり、ゲル
にはならない。
【0014】ゼラチンの膨潤化を行うためには、ゼラチ
ンに対し、原料全体の水の量の合計がゼラチン1重量部
に対し通常約0.1重量部〜約50重量部、好ましくは
約1重量部〜約20重量部の範囲内とすることが望まし
い。
【0015】本発明で使用しうる果汁及び/又は動植物
エキス類としては、例えば、オレンジ、レモン、グレー
プフルーツ、アップル、パインアップル等の果汁類;セ
ージ、ローズマリー、ハッカ、シソ、バジル、ショウ
ガ、わさび等のスパイスを、例えば水もしくは含水量約
10重量%以上のエタノール、グリセリン、プロピレン
グリコール等の水混和性有機溶剤を用いて抽出したスパ
イスエキス類;ごぼう、にんじん、ねぎ、玉ねぎ、キャ
ベツ等の生鮮野菜又はそれらの加熱調理品を前記と同様
の溶剤で抽出した野菜エキス類;畜肉、家禽類、魚介類
等の同様のエキス類及びこれらの任意の混合物を挙げる
ことができ、これらは一般的に30〜90重量%、特に
50〜70重量%の水分を含むことができる。
【0016】上記した如き果汁及び/又は動植物エキス
類の使用量もまた厳密に制限されるものではなく、その
種類等に応じて変えうるが、一般的には固形分換算で使
用する原料全体の約5%〜約85%、好ましくは約20
%〜約60%の範囲内の使用量を例示することができ
る。
【0017】更に、例えば柑橘精油類、スパイスオレオ
レジン類、合成香料化合物、色素、ビタミン、抗酸化剤
及びこれらを適宜混合して得られる調合香料組成物、あ
るいはまた果汁粉末を製造する際に賦形剤として一般的
に使用されるグルコース、ショ糖、乳糖、デキストリ
ン、アルブミン、カルボキシメチルセルロース、可溶性
澱粉、カゼイン、アラビアガム等を前記果汁類、エキス
類と混合して使用することもできる。ゼラチンにこれら
の果汁及び/又は動植物エキス類を添加し、混合するこ
とにより、ゼラチンを膨潤化させる。
【0018】ゼラチンの膨潤化の第2の条件としては加
熱温度が重要である。加熱温度としては一般に約20℃
〜約80℃、好ましくは約30℃〜約60℃の範囲内の
温度を挙げることができる。なお、加熱時間があまり長
くなり、例えば3時間以上になると、水分含量が比較的
多い場合には、ゼラチンが溶解するので、良好な膨潤化
が保たれる範囲内の時間で加熱、混合を行う必要があ
る。
【0019】上記した如き水分含量及び加熱温度条件で
ゼラチンと果汁、動植物エキス類との撹拌、混合を行う
と、ゼラチンはその表面および表面に近い内部は水をよ
く吸収し膨潤して軟化するが、中心部に向かうに従って
だんだん固くなる。これにより乾燥後、表面に近い部分
は組織的に柔らかく、中心部は適度な硬度を得ることが
でき、飲食時に良好な噛み心地のある食感を与えること
ができる。一方、ゼラチンと果汁、動植物エキス類を混
合する際に、表面付近は果汁、エキス類が十分浸透して
いるが、中心部に近づくに従ってその濃度が低くなり、
香気香味の濃度分布が生ずる。この濃度分布と次いで行
う乾燥の際の発泡の度合とにより、調製される食品素材
に香気香味の濃度の差を人為的に生じさせることがで
き、外観的な特徴を与えるとともに、天然の果実、魚
肉、畜肉を飲食する際に感ずるジューシーな天然感を与
えることが可能となる。
【0020】以上の如く膨潤化処理されたゼラチンと果
汁及び/又は動植物エキス類との混合物は、次いで乾
燥、粉砕される。乾燥方法は、特に限定されるものでは
なく、食品製造で用いられる乾燥法であればよいが、通
常、真空乾燥、ドラム乾燥、マイクロウェーブ乾燥など
が用いられる。また、乾燥条件は特に制限されるもので
なく、添加した果汁、動植物エキス類およびゼラチン等
の香気香味が著しく劣化、変質しない範囲内の加熱温
度、加熱時間であればよい。粉砕はハンマーミル、フェ
ザーミル等、食品製造で用いられる一般的な粉砕機を用
いて行うことができる。粉砕後の形状の調整は粉砕を行
う乾燥物の状態、粉砕に用いる装置、粉砕時間を組み合
わせることにより、目的とする外観および食感に応じて
適宜行うことができるが、粒状ゼラチンを使用した場合
は平均粒径が0.5mm〜10mm、好ましくは2mm
〜7mmの範囲内にある粒状のものを得ることができ
る。さらに、粒径をそろえたい場合には振動篩等の分級
装置を用い、所望の範囲の粒子を得ることも可能であ
る。
【0021】本発明の粉末食品素材の調製法の好ましい
一実施態様を例示すれば、まず前記した如き果汁及び/
又は動植物エキス類(ただし、水分含量約50〜約70
%)1重量部に対し、デキストリン約0.2〜約0.5
重量部を加熱溶解し、これを約35〜約45℃に冷却す
る。次に、粉末ゼラチン約0.2〜約0.4重量部を添
加し、約30〜約120分間撹拌を行った後、真空乾
燥、ドラム乾燥、マイクロウェーブ乾燥等により乾燥
後、ハンマーミルを用いて粉砕し、振動篩を用いて2〜
5mmの範囲を分け取り、果汁及び/又は動植物エキス
類を含有し、外観、食感の改善された粉末食品素材を得
ることができる。
【0022】本発明の粉末食品素材は、例えば、アイス
クリーム類、シャーベット類、アイスキャンディーのご
とき冷菓類;和洋菓子類、ジャム類、チューインガム
類、パン類、和風スープ類、洋風スープ類;各種インス
タント食品類、各種スナック食品類などに適当量を添加
してそのユニークな香気香味、食感、外観が付与された
飲食品類を提供することができる。
【0023】次に、実施例を挙げて本発明の態様をさら
に具体的に説明する。
【0024】
【実施例】
実施例1 オレンジ果汁1000g(Bx.40)にデキストリン
400gを添加し、60〜70℃で溶解した後40℃ま
で冷却した。これに粉末ゼラチン(3mm〜5mm)3
00gを添加し、40〜45℃に保ちながら60分間撹
拌することにより膨潤化を行う。膨潤化したゼラチンを
含む流動性の低下した粘稠な混合物を真空乾燥機(共和
真空製)を用い、棚温60℃で15時間乾燥し、ミキサ
ーにより粉砕し、オレンジ果汁粉末1030gを得た
(本発明品1)。
【0025】比較例1 オレンジ果汁1000g(Bx.40)にデキストリン
400gおよび水2000gを添加し、60〜70℃で
溶解した後40℃まで冷却した。これに粉末ゼラチン
(3mm〜5mm)300gを添加し、70〜80℃に
保ちながら60分間撹拌することにより、ゼラチンを完
全に溶解する。これを真空乾燥機(共和真空製)を用
い、棚温60℃で15時間乾燥し、ミキサーにより粉砕
し、オレンジ果汁粉末1030gを得た(比較品1)。
【0026】実施例2及び比較例2 チューイングキャンディーの製造法 下記配合処方によりチューイングキャンディーを調製し
た。
【0027】配合処方:原 料 配 合 量 1. グラニュー糖 400.0g 2. 水 150.0g 3. 水飴(BX85°,DE43) 550.0g 4. 乳化剤 3.0g 5. 植物性硬化油 80.0g 6. ゼラチン 16.0g 7. 水 24.0g 8. クエン酸 8.0g 9. オレンジ果汁粉末 50.0g 製法:グラニュー糖400gに水150gを加え、11
0℃まで加熱して完全に溶解し、さらに水飴550gを
加えて溶解した。これに乳化剤3gを植物硬化油80g
に溶解したものを添加し、撹拌混合後約130℃まで煮
詰め、チューイングキャンディーベースを調製した。こ
れを約60〜約70℃に保温したニーダーに入れ、水2
4gにゼラチン16gを溶解したものを加え、良く混捏
し、結晶化を行わせしめる。さらに、クエン酸8gおよ
び実施例1および比較例1のオレンジ果汁粉末を添加
し、良く混捏する。冷却後、成型、切断し、チューイン
グキャンディーを調製した(実施例2及び比較例2)。
【0028】評価:実施例1のオレンジ果汁粉末を添加
した実施例2のチューイングキャンディーは、果汁粉末
の1mm〜3mm程度の粒子が基材中に適度に分布して
おり、外観的にも食欲をそそるうえに、噛んだとき果汁
感のあるオレンジの香気香味が口中一杯に広がるととも
に、オレンジの果皮、果肉を想起させる食感もあり、満
足感をも与えた。これに対し、比較例1のオレンジ果汁
粉末を添加した比較例2のチューイングキャンディー
は、果汁粉末が微粉末となり、基材中に均一に分布して
おり、その結果、外観、食感上の特徴がなく、新鮮な驚
きに欠けた。
【0029】実施例3 チキンエキス1500g(固形分30%)に乳糖200
gを添加し、60〜70℃で溶解した後、40℃まで冷
却した。これに粉末ゼラチン(2mm〜4mm)450
gを添加し、40〜45℃に保ちながら30分間撹拌す
ることにより、膨潤化を行う。これを真空乾燥機(共和
真空製)を用い、棚温60℃で15時間乾燥し、ミキサ
ーにより粉砕し、チキンエキス粉末1025gを得た
(本発明品2)。
【0030】比較例3 チキンエキス1500g(固形分30%)に乳糖200
gおよび水2000gを添加し、60〜70℃で溶解し
た後、40℃まで冷却した。これに粉末ゼラチン(2m
m〜4mm)450gを添加し、70〜80℃に保ちな
がら60分間撹拌することにより、ゼラチンを完全に溶
解する。これを真空乾燥機(共和真空製)を用い、棚温
60℃で15時間乾燥し、ミキサーにより粉砕し、チキ
ンエキス粉末1050gを得た(比較品2)。
【0031】評価:市販のチキンコンソメ5gを100
0gの熱水に溶解後、その200gに実施例3および比
較例3で得られたチキンエキス粉末2gを添加し、官能
評価を行った。実施例3のチキンエキス粉末を添加した
ものは、チキンの持つ豊潤な風味、旨味が良くでて、ス
ープ中に浮遊する膨潤化ゼラチンの粒子は、飲食時に適
度に歯ごたえのある食感と濃厚感を与え、食欲をそそっ
た。これに対し、比較例3のチキンエキス粉末を添加し
たものは、風味の増強は確かに認められるものの、平凡
であり、粉末も短時間のうちに溶解し、外観上の特徴も
なかった。
【0032】実施例4 昆布エキス750g(Bx.40)、鰹エキス20g、
グルタミン酸ナトリウム20g、食塩20gおよびデキ
ストリン400gを添加し、60〜70℃で溶解した後
40℃まで冷却した。これにフレーク状ゼラチン(厚さ
約1mm)300gを添加し、40〜45℃に保ちなが
ら60分間撹拌することにより、膨潤化を行う。膨潤化
したゼラチンを含む流動性の低下した粘稠な混合物を真
空乾燥機(共和真空製)を用い、棚温60℃で15時間
乾燥し、ミキサーにより粉砕し、和風だし風味の昆布様
乾燥物1030gを得た(本発明品3)。
【0033】比較例4 昆布エキス750g(Bx.40)、鰹エキス20g、
グルタミン酸ナトリウム20g、食塩20g、デキスト
リン400gおよび水3000gを添加し、60〜70
℃で完全に溶解した後40℃まで冷却した。これにフレ
ーク状ゼラチン(厚さ約1mm)300gを添加し、7
0〜80℃に保ちながら60分間撹拌することにより、
ゼラチンを完全に溶解する。これを真空乾燥機(共和真
空製)を用い、棚温60℃で15時間乾燥し、ミキサー
により粉砕し、和風だし風味の昆布様乾燥物1030g
を得た(比較品3)。
【0034】実施例5および比較例5 昆布様乾燥物入りお茶漬けのりの製造法 下記配合処方により昆布様乾燥物入りお茶漬けのりを調
製した。
【0035】配合処方:原 料 配 合 量 1. あられ 2.5g 2. の り 1.2g 3. 昆布様乾燥物 2.0g 4. 食 塩 3.3g 5. MSG 0.5g 6. 核酸系調味料 0.1g 7. 茶 粉 0.4g 製法:4〜7の原料を良く混合し、これに1〜3の原料
を加え、さらに混合する。実施例4の昆布様乾燥物を添
加し、実施例5のお茶漬けのりを、比較例4の昆布様乾
燥物を添加し、比較例5のお茶漬けのりをそれぞれ調製
した。
【0036】評価:炊き立ての米飯の適当量を椀に取
り、上記した如き処方により調製した、昆布様乾燥物入
りお茶漬けのり10gを添加し、十分な熱水を注ぐ。官
能評価の結果、実施例4の昆布様乾燥物を添加した実施
例5のお茶漬けのりは、和風だしの深い味わいととも
に、フレーク状のゼラチンが浮遊し、昆布のプリプリと
した食感を思わせる感覚がその他の内容物と不思議と良
く調和が取れ、良好であった。これに対し、比較例4の
昆布様乾燥物を添加した比較例5のお茶漬けのりは、全
体を緑色に着色したような外観を与え、呈味もバランス
が悪く、ぼやけていた。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、飲食時に外観・食感の
両方において果肉、果皮、畜肉等の天然の固形物があた
かも添加されていると感じられ、かつまた天然のエキス
感を強調することのできる粉末食品素材が得られ、飲食
品等、広い分野への用途が開けるなど極めて有用であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−79855(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/05 A23L 1/22 - 1/24 A23L 1/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 果汁及び/又は動植物エキスと薄片状、
    フレーク状、粉末状もしくは粒状のゼラチンを、ゼラチ
    ンが膨潤するが溶解しないような水分量及び温度条件下
    に混合し、乾燥してなることを特徴とする食品素材。
  2. 【請求項2】 ゼラチンの含有率が全固形分の10%
    (W/W)以上である請求項1記載の粉末食品素材。
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