JPH0841105A - 水溶性多糖類を顆粒化する方法 - Google Patents
水溶性多糖類を顆粒化する方法Info
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Abstract
る方法を提供すること。 【構成】水溶性多糖類100重量部にグリセリンからな
る結合剤1〜10重量部を添加し、混合すること。
Description
る方法に関する。
水溶性多糖類は、食品用のみならず、紙、繊維、塗料等
の工業用の分野で増粘、結合、保水、乳化安定等を目的
として、水に溶解、或いはコロイド状で分散した液状で
使用されているが、貯蔵中の腐敗やハンドリングの容易
さ等から通常粉末で流通するケースが多い。
スが大きい、流動性が悪くて容器から取り出しにくく
なったり、容器に付着しやすい、水、又は熱水に投入
すると、ダマになったり、液面に浮遊して分散、溶解が
悪い等の問題がある。これらの問題を解決する為に、水
溶性多糖類を造粒して顆粒状にすることが行われてい
る。
合剤を含有する水を噴霧して、転動造粒、押出造粒、流
動層造粒等を施して顆粒化しているが、水を使用してい
る為乾燥工程が必要であった。
て、水溶性多糖類の溶解性、特に熱湯に対する溶解性を
改善する為に、水溶性多糖類としてα−化小麦粉、α−
化ワキシーコーンスターチ及びα−化ポテトスターチの
1種または2種以上を、親油性界面活性剤を含有する食
用硬化油にて処理し、次いで澱粉性原料の分散性を改良
するため、デキストリン、乳糖、粉飴等を添加し、その
後加湿して集塊化した後乾燥する即席顆粒状ポタージュ
スープが特開昭49−66862号に開示されている。
しかしこの方法では、顆粒化には乾燥という工程が欠か
せないものであった。
によって、粉末状の欠点を除去することはできるが、従
来の方法では乾燥という工程が必須であり、工業的に望
ましくなく、又それだけコスト高の要因となるものであ
った。
する課題は、水溶性多糖類をコストも安く容易に顆粒化
できる方法を提供することにある。
について鋭意研究を続けた結果、水溶性多糖類40〜1
00重量%及び難水溶性素材0〜60重量%からなる原
料混合物100重量部に、グリセリン50〜100重量
%とDE20〜35の澱粉分解物0〜50重量%からな
る結合剤1〜10重量部を添加し、混合するのみで水溶
性多糖類を容易に顆粒化出来ることを見いだし、本発明
を完成することになった。
ースやガラクトースのような単糖類から構成される多糖
類の内、冷水に溶解するかコロイド状に分散する特性を
有するものである。具体的には澱粉、加工澱粉及び小麦
粉等の穀粉を、ドラムドライヤーやエクスツルーダー等
で処理したアルファー化澱粉(加工澱粉も含む)やアル
ファー化穀粉等のようにアルファー化澱粉を含有するも
のばかりでなく、その他酸や酵素等で分解して得られる
DE15以下の澱粉分解物、天然或いは醗酵で生産され
るグアーガム、カラギーナン、トラガントガム、キサン
タンガム等の多糖類、CMC、HES、CMS、HP
S、HES、HPS等のようにセルロース、澱粉等をベ
ースとして冷水に溶解するように高度に変性したもの等
が含まれる。
とダマが発生しやすく、CMSの様な高度に変性したも
のではこのダマが一時的なもので長時間放置しておくと
徐々に解消していくのであるが、アルファー化澱粉やグ
アーガム等のようなものはいつまでもダマが残るので、
このタイプの水溶性多糖類は顆粒化する意義がより顕著
になる。
のように冷水に溶解したり膨潤しない物質が大部分をし
め、グルテンのように冷水に溶解したり、膨潤する物質
を20%以上含有しない素材を意味し、具体的にはコー
ンスターチ、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉等の各種澱粉及
びそれらを原料としてエーテル化、エステル化、酸処
理、酸化処理等をした加工澱粉、結晶セルロース、小麦
粉、大麦粉、米粉等の穀粉、α−含水乳糖や抹茶等をあ
げることができる。
素材からなる原料に、結合剤を添加して混合するのみで
水溶性多糖類を容易に顆粒化することを要旨としている
が、原料中の水溶性多糖類の割合が40重量%未満では
顆粒化しにくくなるので水溶性多糖類が40〜100重
量%、難水溶性素材が0〜60重量%からなる原料に、
グリセリン50〜100重量%とDE20〜35の澱粉
分解物0〜50重量%からなる結合剤を添加して顆粒化
する。
性多糖類と難水溶性素材の比率、或いは結合剤中のグリ
セリンと該澱粉分解物の比率等によっても変わるが、原
料100重量部に対して1重量部未満では顆粒化しにく
く、10重量部を越えると塊状物が発生して顆粒状態が
悪くなるので、1〜10重量部、好ましくは3〜7重量
部である。
上記範囲内で顆粒化が実施されると、粉末状の水溶性多
糖類がもつ流動性、粉立ち、或いは溶解性が改善され、
原料が水溶性多糖類のみであり、且つ結合剤がグリセリ
ンのみからなる場合でも、約3カ月間は顆粒に格別の変
化もみられない製品が得られる。しかし原料中の水溶性
多糖類と結合剤中のグリセリンの割合を極端に多くして
顆粒化したものをより長期に保存すると、保存中にブロ
ッキングをおこす傾向がみられる。
率を極端に高くしても、原料中の難水溶性素材の割合を
増やすことにより、長期保存におけるブロッキングの問
題は解消される。その際、難水溶性素材の割合が15重
量%未満では長期保存におけるブロッキング防止効果が
弱く、50重量%を越えると顆粒状であるが顆粒が多少
不均一になるので、水溶性多糖類50〜85重量%、難
水溶性素材15〜50重量%の原料を顆粒化することに
よって、均一な顆粒状で保存期間が少なくとも6カ月の
間にはブロッキングをおこさなくすることができる。
リンは市販品なら特に問題はないが、グリセリンと併用
される澱粉分解物は、タピオカ澱粉や馬鈴薯澱粉等の各
種澱粉、或いはそれにエーテル化、エステル化、酸化等
の処理をした加工澱粉を、酸及び/又は酵素で加水分解
して製造されるもので、DEが低いと結合力が弱くな
り、DEが高くなるとブロッキングを防止する効果が弱
くなるので、DE20〜35のものが好ましく、これに
水素添加したものも利用できる。
澱粉分解物の比率は、グリセリンが50重量%未満で
は、結合力が不足して顆粒化しにくくなるので、グリセ
リン50〜100重量%、DE20〜35の澱粉分解物
0〜50重量%の割合で原料に添加する。原料中の水溶
性多糖類の割合が極端に高くなってもブロッキングをお
こさないでより長期の保存を可能にするためには、結合
剤中のDE20〜35の澱粉分解物の割合を増加させ
て、原料に添加することが必要になる。その際、結合剤
中該澱粉分解物の比率が、15重量%未満では長期の保
存中におけるブロッキング防止効果が弱く、40重量%
を越えると顆粒状であるが顆粒が多少不均一になるの
で、グリセリン60〜85重量%、DE20〜35の澱
粉分解物15〜40重量%の割合の結合剤を添加して顆
粒化すると、造粒中の顆粒粒子の形状を安定化できて保
存期間を6カ月以上にすることができる。
し、水溶性多糖類又はこれと難水溶性素材からなる原料
を、グリセリンとDE20〜35の澱粉分解物を使用し
て、混合するのみで顆粒化することが出来る。以下にそ
の一般的な方法を示す。
ファー化澱粉等の水溶性多糖類40〜100重量部、澱
粉等の難水溶性素材0〜60重量部を投入して混合する
が、溶解性の改善や食品の場合には、味や旨味をつける
目的で通常使用されている冷水に容易に溶解し、粘性の
低い物質、例えば、食塩、塩化カリウム等の塩類、クエ
ン酸、リンゴ酸等の有機酸、グルコース、砂糖、マルト
ース等の糖類、野菜類エキス、畜肉類エキス、魚介類エ
キス、酵母エキス等のエイス分や各種アミノ酸等を必要
に応じて添加してもよい。これらの物質は、添加量が多
くなりすぎると顆粒化はできても長期に保存するとブロ
ッキングがおこりやすくする傾向があるので、水溶性多
糖類と難水溶性素材の混合物に対して、概ね30%程度
までにとどめておくことが好ましい。
重量%、DE20〜35の澱粉分解物0〜50重量%か
からなる結合剤を1〜10重量部を添加するが、この際
結合剤は液状で使用することが好ましく、DE20〜3
5の澱粉分解物をグリセリンに溶解するか、分散して使
用する。結合剤の添加は、混合物を撹拌しながら少量ず
つ滴下または噴霧して行うが、粘性が強い場合は適宜加
温して粘性を低下させておくことが望ましい。
によって容易に実施できる。その際、顆粒化する方式と
しては、低速撹拌で均一化と顆粒化を同時に行わす方法
と高速撹拌で均一化してから顆粒化する方法の何れかで
なされるが、高速撹拌のみでは顆粒化がうまくいかない
傾向がある。ここでは、撹拌速度が20〜100rpm
程度なら低速撹拌、撹拌速度が500rpmを越えるな
ら高速撹拌と定義し、混合装置の容量や羽根の形状によ
っても異なるが、低速撹拌のみの場合は20〜60分、
均一化の高速撹拌は発熱等の好ましくない現象による品
質劣化等を防止する為に1〜5分程度にし、顆粒化の低
速撹拌は10〜30分程度で終了させる。このような混
合に適する装置としては、低速撹拌にはニーダー、ナフ
タミキサー、ヘンシエルミキサー等の通常の混合機を使
用し、高速撹拌をする場合には、フードプロセッサー
(株クイジナート)、ハイスピードミキサー(株河田)
等を利用できるが、同様な機能のあるものならこれらに
限定されない。
るが、これらの例において部は重量部を示し、顆粒の評
価は次のようにして行った。
○;顆粒状ではあるが、多少不均一である。△;顆粒状
物の他に塊状物及び/又は粉状物を含む。x;顆粒状の
部分が殆どなく、大部分は粉末状である。
のポリエチレン一層、外層を3層のクラフト紙からなる
紙袋に5kgの試料を包装シールし、温度30℃、湿度
60%よりなる恒温、恒湿室に入れ、試料の状態を見
る。◎;ブロッキングがない。○;ごく一部の粒子がブ
ロッキングしているようににみえるが、軽い振動ですぐ
ほぐれる。△;部分的にブロッキングが見られる。x;
かなりのブロッキングが見られる。
し、試料8gを投入し5分間撹拌した時のダマの発生を
見る。◎;100rpmの撹拌でダマの発生がなく分散
又は溶解する。○;200rpmの撹拌でダマの発生が
なく分散又は溶解する。△;200rpmの撹拌でダマ
が一部発生する。x;200rpmの撹拌でダマがかな
り発生する。
NADA)に水溶性多糖類としてマツノリンM(松谷化
学工業製のアルファー化澱粉)、難水溶性食品素材とし
て馬鈴薯澱粉を投入し、20分間、80rpmで撹拌し
て得た原料混合物100部に、グリセリン4部を少量ず
つ滴下し、その後同じ撹拌速度で30分間撹拌して顆粒
化を行った。使用した材料の割合と顆粒としての評価を
表1に示した。
し、グリセリンとパインデックス#3(松谷化学工業製
のDE約25の澱粉分解物)を添加し、実施例1に準じ
て顆粒化を実施した。使用した材料の割合と評価を表2
とに示したが、結合剤の比率は、グリセリンとパインデ
ックスの重量比率である。
LC−7S型)に、グアールガム80部とα−含水乳糖
20部を投入し、1000rpmで撹拌しながらグリセ
リン4.5部を滴下し、滴下終了後1分間混合してから
ホバートミキサーに移し、20分間混合して均一な顆粒
状物を得た。この顆粒状物は溶解時にダマの発生もな
く、6カ月間の保存でもブロッキングが発生しなかっ
た。
0(松谷化学工業製のDE約4.5の澱粉分解物)10
0部を使用し、75重量%のグリセリンと25重量%の
パインデックス#3からなる結合剤5部を添加して、実
施例1に準じて顆粒化を行って均一な顆粒状物を得た。
この顆粒状物は溶解時にダマの発生もなく、6カ月間の
保存でもブロッキングが発生しなかった。
谷化学工業製のDE約11の澱粉分解物)を50部、難
水溶性素材として抹茶50部(市販の煎茶を300メッ
シュ以下に粉砕)、渋味を緩和する甘味剤として砂糖1
5部を混合し、結合剤としてグリセリン3部を使用し、
実施例1に準じて顆粒化することにより6ケ月を越える
長期保存をしてもブロッキングのない顆粒状煎茶となっ
た。この顆粒状煎茶3gを70℃の水50mlに投入、
軽く混ぜるだけで微粒子の煎茶が容易に湯中に分散し
た。
Claims (5)
- 【請求項1】水溶性多糖類100重量部にグリセリンか
らなる結合剤1〜10重量部を添加し、混合することを
特徴とする水溶性多糖類を顆粒化する方法。 - 【請求項2】水溶性多糖類の60重量%以下を難水溶性
素材で置換した請求項1に記載の水溶性多糖類を顆粒化
する方法。 - 【請求項3】結合剤としてグリセリンの50重量%以下
をDE20〜35の澱粉分解物で置換したものを使用す
る請求項1に記載の水溶性多糖類を顆粒化する方法。 - 【請求項4】水溶性多糖類50〜85重量%、難水溶性
素材15〜50重量%からなる原料混合物を使用する請
求項2に記載の水溶性多糖類を顆粒化する方法。 - 【請求項5】結合剤がグリセリン60〜85重量%及び
DE15〜25の澱粉分解物15〜40重量%からなる
請求項3に記載の水溶性多糖類を顆粒化する方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP19739494A JP3632047B2 (ja) | 1994-07-28 | 1994-07-28 | 水溶性多糖類を顆粒化する方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publications (2)
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JPH0841105A true JPH0841105A (ja) | 1996-02-13 |
JP3632047B2 JP3632047B2 (ja) | 2005-03-23 |
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ID=16373781
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP19739494A Expired - Lifetime JP3632047B2 (ja) | 1994-07-28 | 1994-07-28 | 水溶性多糖類を顆粒化する方法 |
Country Status (1)
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Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11199457A (ja) * | 1997-12-19 | 1999-07-27 | Hercules Inc | 分散性の、水溶性または水膨潤性ポリマーおよびこれを含む練り歯磨きの製造方法 |
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CN113633618A (zh) * | 2021-08-05 | 2021-11-12 | 海南医学院 | 一种黄柄黄肉牛肝菌粗多糖颗粒及其制备方法 |
-
1994
- 1994-07-28 JP JP19739494A patent/JP3632047B2/ja not_active Expired - Lifetime
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CN113633618A (zh) * | 2021-08-05 | 2021-11-12 | 海南医学院 | 一种黄柄黄肉牛肝菌粗多糖颗粒及其制备方法 |
CN113633618B (zh) * | 2021-08-05 | 2022-10-04 | 海南医学院 | 一种黄柄黄肉牛肝菌粗多糖颗粒及其制备方法 |
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