JP3054998B2 - 粉末乳酸及び又は粉末乳酸塩の製造法 - Google Patents
粉末乳酸及び又は粉末乳酸塩の製造法Info
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- JP3054998B2 JP3054998B2 JP6186873A JP18687394A JP3054998B2 JP 3054998 B2 JP3054998 B2 JP 3054998B2 JP 6186873 A JP6186873 A JP 6186873A JP 18687394 A JP18687394 A JP 18687394A JP 3054998 B2 JP3054998 B2 JP 3054998B2
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、粉末乳酸及び又は粉末
乳酸塩の製造法に関する。更に詳しくは、固結しにくい
粉末乳酸及び又は粉末乳酸ナトリウム及び又は粉末乳酸
カリウムの製造法に関する。
乳酸塩の製造法に関する。更に詳しくは、固結しにくい
粉末乳酸及び又は粉末乳酸ナトリウム及び又は粉末乳酸
カリウムの製造法に関する。
【０００２】
【従来の技術】乳酸、乳酸ナトリウム、乳酸カリウム
は、食品の酸味剤、保湿剤として広く利用されており、
通常５０〜９０重量％の水溶液として使用している。
は、食品の酸味剤、保湿剤として広く利用されており、
通常５０〜９０重量％の水溶液として使用している。
【０００３】しかしながら、加工食品の普及に伴いこれ
らの粉末品が、加工業者より求められている。しかし、
乳酸、乳酸ナトリウム、乳酸カリウムはその性質上、単
体での粉末化が極めて困難で、乳酸カルシウムに吸着さ
せ粉末化させている。しかるに、乳酸カルシウムは特有
の呈味を有し、さらに醗酵を伴うパンなどのベーカリー
製品には使用量が限定されるという欠点を有している。
らの粉末品が、加工業者より求められている。しかし、
乳酸、乳酸ナトリウム、乳酸カリウムはその性質上、単
体での粉末化が極めて困難で、乳酸カルシウムに吸着さ
せ粉末化させている。しかるに、乳酸カルシウムは特有
の呈味を有し、さらに醗酵を伴うパンなどのベーカリー
製品には使用量が限定されるという欠点を有している。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明ては、
乳酸、乳酸ナトリウム、乳酸カリウムを粉末化するに当
たり、食品に異味を与えず又食品、特に醗酵を伴うベー
カリー製品に影響のない粉末とすることを課題とした。
乳酸、乳酸ナトリウム、乳酸カリウムを粉末化するに当
たり、食品に異味を与えず又食品、特に醗酵を伴うベー
カリー製品に影響のない粉末とすることを課題とした。
【０００５】
【課題を解決するための手段】そのため、本発明者は、
乳酸、乳酸ナトリウム、乳酸カリウムの粉末化基剤とし
て、前述の条件に適合する剤を鋭意検索した結果、粉末
セルロースを加えて脱水乾燥することにより、粉末化し
た乳酸、乳酸ナトリウム、乳酸カリウムがサラサラした
状態を示し、保存後も固結することがないことを見出
し、本発明を完成するに到った。
乳酸、乳酸ナトリウム、乳酸カリウムの粉末化基剤とし
て、前述の条件に適合する剤を鋭意検索した結果、粉末
セルロースを加えて脱水乾燥することにより、粉末化し
た乳酸、乳酸ナトリウム、乳酸カリウムがサラサラした
状態を示し、保存後も固結することがないことを見出
し、本発明を完成するに到った。
【０００６】粉末化工程は、５０〜９０％乳酸水溶液、
５０〜６０％乳酸ナトリウム水溶液、５０〜６０％乳酸
カリウム水溶液の単独又は２種以上に、固形分換算で
０．５〜１０倍量の粉末セルロースを加え、攪拌して均
一な湿り気のある粉末を得、次いで１０５〜１１０℃で
脱水乾燥し、再度粉砕、篩別する。
５０〜６０％乳酸ナトリウム水溶液、５０〜６０％乳酸
カリウム水溶液の単独又は２種以上に、固形分換算で
０．５〜１０倍量の粉末セルロースを加え、攪拌して均
一な湿り気のある粉末を得、次いで１０５〜１１０℃で
脱水乾燥し、再度粉砕、篩別する。
【０００７】粉末セルロースの量が、乳酸及び又は乳酸
塩の０．５倍量以下では粉末化が困難であり、１０倍量
以上では、粉末中の乳酸及び又は乳酸塩の割合が少な
く、利用する上で多量に使用しなければならない。
塩の０．５倍量以下では粉末化が困難であり、１０倍量
以上では、粉末中の乳酸及び又は乳酸塩の割合が少な
く、利用する上で多量に使用しなければならない。
【０００８】粉末セルロースは、精製パルプを酸で加水
分解し、水洗後脱水乾燥し、粉砕、篩別したもので、粒
度が１００メッシュ〜４００メッシュ、カサ比重は０．
２０〜０．４０ｇ／ｃｃが好ましい。市販品としては、
ＫＣフロック（商品名、日本製紙（株）製）が上げられ
る。
分解し、水洗後脱水乾燥し、粉砕、篩別したもので、粒
度が１００メッシュ〜４００メッシュ、カサ比重は０．
２０〜０．４０ｇ／ｃｃが好ましい。市販品としては、
ＫＣフロック（商品名、日本製紙（株）製）が上げられ
る。
【０００９】
【作用】本発明による粉末乳酸、粉末乳酸ナトリウム、
粉末乳酸カリウムは、サラサラして流動性が良く、保存
によっても固結することがなく、他の紛状素材との混合
し易い。又、パンミックス、ケーキミックス、ドーナッ
ツミックスなどのプリペアードミックス、粉末調味料に
添加して、保湿性や呈味性を発揮することが出来る。以
下に本発明による実施例及び比較例を示すが、本発明は
この実施例に限定されるものではない。
粉末乳酸カリウムは、サラサラして流動性が良く、保存
によっても固結することがなく、他の紛状素材との混合
し易い。又、パンミックス、ケーキミックス、ドーナッ
ツミックスなどのプリペアードミックス、粉末調味料に
添加して、保湿性や呈味性を発揮することが出来る。以
下に本発明による実施例及び比較例を示すが、本発明は
この実施例に限定されるものではない。
【００１０】
実施例１〜３及び比較例１〜２ 表１の配合で乳酸、乳酸ナトリウム、乳酸カリウムに粉
末セルロースを加え、混合して均一化し、１０５℃で２
時間脱水乾燥させて、それぞれ粉末乳酸、粉末乳酸ナト
リウム、粉末乳酸カリウムを得た。これらを、ポリエチ
レン製袋に入れ３０℃、６０％湿度の装置に入れ１ケ月
保存して、粉末物性を調べた。比較例１〜２として、本
発明以外の粉末化基剤を用いて同様の試験をおこなっ
た。
末セルロースを加え、混合して均一化し、１０５℃で２
時間脱水乾燥させて、それぞれ粉末乳酸、粉末乳酸ナト
リウム、粉末乳酸カリウムを得た。これらを、ポリエチ
レン製袋に入れ３０℃、６０％湿度の装置に入れ１ケ月
保存して、粉末物性を調べた。比較例１〜２として、本
発明以外の粉末化基剤を用いて同様の試験をおこなっ
た。
【００１１】
【表１】
【００１２】この結果、本発明による実施例１〜３で
は、粉末乳酸、粉末乳酸ナトリウム、粉末乳酸カリウム
のいずれも、粉末の流動性が良く、３０℃、６０％湿度
で１ケ月保存後も、サラサラした状態を保った。一方、
比較例では、湿った状態の粉末が得られ、同様に１ケ月
の保存により固結してしまった。
は、粉末乳酸、粉末乳酸ナトリウム、粉末乳酸カリウム
のいずれも、粉末の流動性が良く、３０℃、６０％湿度
で１ケ月保存後も、サラサラした状態を保った。一方、
比較例では、湿った状態の粉末が得られ、同様に１ケ月
の保存により固結してしまった。
【００１３】実施例４〜６ 表２の配合により、９０％乳酸水溶液と６０％乳酸ナト
リウム水溶液を混合して、これに粉末セルロースを加え
混合均一化し、１０５℃で２時間脱水乾燥し、粉末乳酸
と粉末乳酸ナトリウムの混合物を得た。これを、ポリエ
チレン製袋に入れ３０℃、６０％湿度の装置に入れ１ケ
月保存して、粉末物性を調べた。比較例３〜４として、
本発明以外の割合の粉末セルロースで粉末化を試みた。
リウム水溶液を混合して、これに粉末セルロースを加え
混合均一化し、１０５℃で２時間脱水乾燥し、粉末乳酸
と粉末乳酸ナトリウムの混合物を得た。これを、ポリエ
チレン製袋に入れ３０℃、６０％湿度の装置に入れ１ケ
月保存して、粉末物性を調べた。比較例３〜４として、
本発明以外の割合の粉末セルロースで粉末化を試みた。
【００１４】
【表２】
【００１５】表２の結果から、本発明による実施例４〜
６では、流動性の良い粉末乳酸と粉末乳酸ナトリウムの
混合物が得られ、３０℃、６０％湿度で１ケ月の保存後
も、粉末が流動性のある状態を保った。一方、比較例３
〜４では、湿った粉末となり、３０℃、６０％湿度で１
ケ月の保存後には固結した。
６では、流動性の良い粉末乳酸と粉末乳酸ナトリウムの
混合物が得られ、３０℃、６０％湿度で１ケ月の保存後
も、粉末が流動性のある状態を保った。一方、比較例３
〜４では、湿った粉末となり、３０℃、６０％湿度で１
ケ月の保存後には固結した。
【０００６】実施例２、実施例６を用いた応用例１〜２
及び比較例 表３の配合により、本発明による実施例２、実施例６を
配合したホットケーキミックス１３０ｇに卵２５ｇ、牛
乳７５ｇを加えて均一に混合し、ホットプレート上で、
片面３分、裏面２分で焼成した。比較例として、本発明
による実施例を添加しないで、同様にホツトケーキを焼
成した。
及び比較例 表３の配合により、本発明による実施例２、実施例６を
配合したホットケーキミックス１３０ｇに卵２５ｇ、牛
乳７５ｇを加えて均一に混合し、ホットプレート上で、
片面３分、裏面２分で焼成した。比較例として、本発明
による実施例を添加しないで、同様にホツトケーキを焼
成した。
【００１７】
【表３】
【００１８】その結果、本発明による実施例２、実施例
６を配合して焼成したホットケーキは、シトリ感のある
ソフトな食感が得られ、冷蔵庫に２４時間保存後も、こ
の食感を保った。一方、比較例では、冷蔵庫に２４時間
保存後は、ボソボソした食感のホットケーキとなった。
６を配合して焼成したホットケーキは、シトリ感のある
ソフトな食感が得られ、冷蔵庫に２４時間保存後も、こ
の食感を保った。一方、比較例では、冷蔵庫に２４時間
保存後は、ボソボソした食感のホットケーキとなった。
【００１９】
【発明の効果】本発明による粉末乳酸及び又は乳酸塩の
製造法には次の様な効果が見られる。 １．流動性のある粉末乳酸及び又は粉末乳酸塩が得ら
れ、保存によっても固結しにくい。 ２．粉末乳酸及び又は粉末乳酸塩を添加したプリペアー
ドミックスの改良に寄与する。
製造法には次の様な効果が見られる。 １．流動性のある粉末乳酸及び又は粉末乳酸塩が得ら
れ、保存によっても固結しにくい。 ２．粉末乳酸及び又は粉末乳酸塩を添加したプリペアー
ドミックスの改良に寄与する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 ＦＩ Ｃ０８Ｌ 1/02 Ｃ０８Ｌ 1/02
Claims (1)
- 【請求項１】 乳酸、乳酸ナトリウム、乳酸カリウムか
ら選ばれた１種以上の乳酸及び又は乳酸塩の水溶液に、
該乳酸及び又は乳酸塩の水溶液の固形分１００重量部当
り５０〜１０００重量部の粉末セルロ−スを加え乾燥脱
水して、粉末乳酸及び又は粉末乳酸塩を得ることを特徴
とする粉末乳酸及び又は粉末乳酸塩の製造法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6186873A JP3054998B2 (ja) | 1994-07-06 | 1994-07-06 | 粉末乳酸及び又は粉末乳酸塩の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6186873A JP3054998B2 (ja) | 1994-07-06 | 1994-07-06 | 粉末乳酸及び又は粉末乳酸塩の製造法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0820556A JPH0820556A (ja) | 1996-01-23 |
| JP3054998B2 true JP3054998B2 (ja) | 2000-06-19 |
Family
ID=16196176
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP6186873A Expired - Lifetime JP3054998B2 (ja) | 1994-07-06 | 1994-07-06 | 粉末乳酸及び又は粉末乳酸塩の製造法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3054998B2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2006005754A1 (en) * | 2004-07-15 | 2006-01-19 | Purac Biochem B.V. | Method for the preparation of a stable lactate metal salt in powder form and stable metal lactate salt |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2003031385A1 (en) * | 2001-10-08 | 2003-04-17 | Purac Biochem B.V. | Method for the preparation of a stable alkali metal lactate in powder form |
| JP5824305B2 (ja) * | 2010-09-28 | 2015-11-25 | 上野製薬株式会社 | 食肉加工品用日持ち向上剤およびそれを用いた食肉加工品の保存方法 |
| JP6430871B2 (ja) * | 2015-03-23 | 2018-11-28 | 救急薬品工業株式会社 | 塩基性薬物塩含有経皮投与テープ剤の製造方法 |
-
1994
- 1994-07-06 JP JP6186873A patent/JP3054998B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2006005754A1 (en) * | 2004-07-15 | 2006-01-19 | Purac Biochem B.V. | Method for the preparation of a stable lactate metal salt in powder form and stable metal lactate salt |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0820556A (ja) | 1996-01-23 |
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Legal Events
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