JP3451036B2 - 自動車内へ組み込むための、抜き出し部分を備えた装置 - Google Patents

自動車内へ組み込むための、抜き出し部分を備えた装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車内へ組み込
むための装置であって、自動車内に取り付けられ る、フ
ロント側で開放されたケーシングと、該ケーシング内に
挿入される抜出し部分とを備えており、該抜出し部分
が、ケーシング内に挿入された基本位置からケーシング
から突出した使用位置へかつその逆に運動可能に案内を
介して案内されている形式のものに関する。
【０００２】
【従来の技術】この種の抜出し部分は、例えば抽斗の形
式で引き出すことにより基本位置から使用位置へ運動可
能である収納区画室であることができる。基本位置では
抜出し部分は例えば自動車のダッシュボードをほぼ面一
に閉鎖し、使用位置では抜出し部分は運転室内へ突出す
る。抜出し部分を基本位置から使用位置へ運動させるこ
とができるように、例えば旋回案内またはその他の案内
をも設けることができる。抜出し部分は、飲み物缶また
は飲み物カップなどのような飲み物容器のためのホルダ
であることもできる。
【０００３】自動車の事故の際には抜出し部分に加速が
作用することがあり、この加速が抜出し部分を自動的に
かつ不所望に基本位置から使用位置へ運動させる。抜出
し部分が使用位置で運転室内へ突出するため、怪我の危
険性が高い。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、事故
の際に自動車内の抜出し部分の自動的な開放を阻止する
ことにあり、この場合、開放とは基本位置から使用位置
への移動をいう。
【０００５】
【課題を解決するための手段】上記課題は本発明によれ
ば、請求項１に記載したように、装置がレバー状の可動
のラッチを備えた安全ロック装置を有しており、前記ラ
ッチが、衝突事故時に作用する力により、抜出し部分を
前記基本位置でロックするように抜出し部分に係合可能
であり、ラッチが、旋回ピボットを介して制限された旋
回角だけ旋回可能でかつ旋回ピボットの旋回軸線とは反
対側のラッチ端部に係合箇所を有していて、該係合箇所
が、衝突事故時に作用する力により抜出し部分を基本位
置でロッ クするように抜出し部分と係合可能であり、更
にラッチが、ラッチの旋回軸線と係合箇所との間に質量
の中心点を有していることにより解決される。
【０００６】
【発明の効果】本発明の装置は、ラッチを備えた安全ロ
ック装置を有している。自動車相互の衝突事故および障
害物への衝突などの際にラッチは慣性により、基本位置
に在る抜出し部分と係合してこれをロックする。要する
に、ラッチは自動車の加速により、特に負の加速（減
速）により抜出し部分を基本位置でロックするように抜
出し部分に係合する。
【０００７】本発明の利点は、抜出し部分が事故の際に
開放せず、要するに基本位置から使用位置へ運動せず、
これにより怪我の危険が削減されることにある。
【０００８】本発明では、安全ロック装置のラッチが、
制限された旋回角だけ旋回軸線を中心として旋回可能に
自動車に取付けられており、ラッチは事故の際に基本位
置に在る抜き出し部分に係合する係合箇所を有してお
り、この係合箇所がその旋回軸線から間隔をおいて位置
しており、ラッチの質量の中心点はラッチの旋回軸線と
係合箇所との間に位置している。事故の際に自動車に作
用する加速（減速）にもとづき、抜出し部分のみならず
ラッチも自動車に対して相対的に運動する。その場合、
抜出し部分とラッチの質量の中心点とが自動車に対して
相対的に少なくともほぼ同じ速度で運動することが仮定
される。ラッチの係合箇所が、ラッチの質量の中心点に
比してラッチの旋回軸線から大きな間隔を有しているた
め、係合箇所は抜出し部分に比して大きな速度で自動車
に対して相対的に運動する。抜出し部分に比してラッチ
の係合箇所のこの大きな速度により、ラッチは事故の際
に迅速に抜出し部分に係合してこれをロックし、その
際、抜出し部分はその基本位置からほとんど運動しな
い。
【０００９】本発明は、特に物品を挿入することのでき
る抽斗形式の上部開放容器またはこの種の収納部のため
に適用される。この場合、特に重要なことは、抽斗が事
故の際にその閉じた基本位置に留まり、このことによ
り、挿入されている物品が飛び出して搭乗者に怪我をさ
せることのないようにすることである。
【００１０】本発明の有利な１構成では、ラッチがその
質量の中心点の領域内に増大した質量を有している。こ
の増大した質量は、例えば質量の中心点の領域内でラッ
チの横断面を増大させることにより形成されることがで
きる。特に、ラッチを形成するプラスチックにより重り
が射出被覆されていてもよい。ラッチの質量の中心点の
位置は、増大した質量がラッチに配置されている位置の
選択により決定される。
【００１１】特に本発明にもとづく装置では、抜出し部
分が、自体公知の解除可能なプッシュ‐プッシュ‐ロッ
ク装置により基本位置でロック可能であり、抜出し部分
に、該抜出し部分を使用位置へ付勢する開放ばねエレメ
ントが係合している。ハートカム機構ともよばれるこの
プッシュ‐プッシュ‐ロック装置は、抜出し部分を短い
距離だけ自動車のダシュボードなど内へ押し入れるほど
の圧力で抜出し部分のフロント側を押圧することによ
り、解除される。本発明にもとづく装置は、事故の際に
発生する加速によるプッシュ‐プッシュ‐ロック装置の
自動的な解除を、プッシュ‐プッシュ‐ロック装置が解
除される前に抜出し部分を停止させることで阻止するこ
とができる。さらにまた本発明にもとづく装置は自動車
の事故の際に、プッシュ‐プッシュ‐ロック装置が解除
できないようにプッシュ‐プッシュ‐ロック装置をロッ
クすることができる。さらに、本発明にもとづく装置は
自動車の事故の際に、プッシュ‐プッシュ‐ロック装置
をロックするかまたは解除するかに依存せずに抜出し部
分をその基本位置にロックすることも考慮される。
【００１２】
【発明の実施の形態】次に図示の実施例につき本発明を
詳細に説明する。
【００１３】図１から図３までに示された本発明にもと
づく装置１０は開いたフロント側１４を備えた箱状のケ
ーシング１２を有している。この装置１０は例えば自動
車の図示しないダッシュボード内へ組み込むために設け
られている。ケーシング１２は押し込まれてフロント側
１４でダッシュボードを面一に閉鎖するように組み込ま
れる。ケーシング１２内には上部開放容器、つまり以下
に抽斗１６と記載する収納区画室、要するに抜出し部分
が受容される。
【００１４】装置１０は案内を有しており、この案内に
より抽斗１６はケーシング１２内へ差し入れられた図１
に示す基本位置から図２および図３に示された使用位置
へ摺動可能であり、この使用位置で抽斗１６はケーシン
グ１２から突出する。抽斗１６の案内はプレート状のス
ライダ１８をケーシング１２の底部２０上に備えている
（図４）。スライダ１８は側方でケーシング１２の底部
２０の溝２２内に係合しており、かつこのことにより摺
動可能に底部２０上で案内されている。抽斗１６はジャ
ーナル結合２４（図２）によって旋回可能にスライダ１
８の前縁２６に取付けられている。ケーシング１２はそ
の側壁２８にすべり案内路３０を備えており、このすべ
り案内路内には、抽斗１６の背面のところで側方へ突起
したすべりピン３２が係合している。すべり案内路３０
とすべりピンとを備えたこのすべり案内は、抽斗１６を
使用位置へ引き出した際に抽斗１６の前端部を下向きに
旋回せしめ、このことにより抽斗１６は使用位置で下向
きに傾斜した位置を占め、この位置で抽斗１６の内室は
良好にアクセス可能である。
【００１５】使用位置への抽斗１６のこの摺動は開放ば
ねエレメントにより行われる。開放ばねエレメントは、
図示の実施例ではケーシング１２の底部２０に取付けら
れていて抽斗１６を使用位置へそのスライダ１８のとこ
ろで押圧する脚付きばね２３から成る。抽斗の閉鎖、要
するにケーシング１２内の基本位置への摺動はこの脚付
きばね２３のばね力に抗して行われる。抽斗１６の摺動
運動は後部領域内の側方で抽斗１６に取付けられた自体
公知の回転緩衝エレメント３４により緩衝される。回転
緩衝エレメント３４の歯車３６はケーシング１２の側壁
２８の内側に設けた図示されていない歯付きラックと噛
み合っている。
【００１６】基本位置で抽斗１６はスライダ１８の下側
に配置された自体公知のプッシュ‐プッシュ‐ロック装
置（ハートカム機構）によりロックされる。プッシュ‐
プッシュ‐ロック装置２９は抽斗１６のフロントパネル
３８を押圧することにより、要するに抽斗１６をわずか
だけ基本位置を越えてケーシング１２内へ押圧すること
により解除される。プッシュ‐プッシュ‐ロック装置２
９の解除の後に、脚付きばね２３が抽斗１６を開放せし
め、要するに脚付きぱね２３が抽斗１６を使用位置へ摺
動せしめる。
【００１７】装置１０は、抽斗１６を自動車の事故の際
に基本位置にロックする安全ロック装置を備えている。
この安全ロック装置が図４および図５に示されている。
抽斗１６は安全ロック装置の図示を明瞭にするためにこ
れら両方の図面には図示されていない。
【００１８】安全ロック装置は細長く延びていて一端で
屈曲されたレバーの形状のラッチ４０を備えている。こ
のラッチ４０は抽斗１６の摺動方向に対してほぼ４５°
の角度で斜めに、かつスライダ１８の側方でケーシング
の底部２０上に配置されている。ラッチ４０はスライダ
１８から遠い方の端部に図示されていない旋回ピボット
を備えており、この旋回ピボットはケーシングの底部２
０に設けたピボット孔内に係合している。このことによ
り、ラッチ４０は旋回軸線４２を中心として旋回可能に
ケーシングの底部２０上に支承されている。
【００１９】ラッチ４０は旋回軸線４２から短い間隔を
おいて重り４４を有しており、この重りはラッチ４０を
形成しているプラスチックにより射出被覆されている。
重り４４の領域内にラッチ４０の質量の中心点が位置し
ている。重り４４の、旋回軸線４２とは逆の側でラッチ
４０はスライダ１８の片側まで延びている。ラッチ４０
の、旋回軸線４２から遠い方の端部は係合箇所４６を形
成している。この係合箇所４６と旋回軸線４２との間隔
は重り４４と旋回軸線４２との間隔に比して著しく大き
い。ラッチ４０の旋回角は制限されており、いずれもケ
ーシングの底部２０上に配置された基準ストッパ４８と
終端ストッパ５０との間でラッチ４０が往復旋回する。
脚付きばね５２がラッチ４０を基準ストッパ４８に圧着
せしめており、ラッチ４０のこの位置が図４および図５
に実線で示されている。終端ストッパ５０に当接したラ
ッチ４０の位置が図５で破線により示されている。基準
ストッパ４８に当接した位置ではラッチ４０の係合箇所
４６は抽斗１６のスライダ１８の運動路の外部に位置し
ている。ラッチ４０が終端ストッパ５０に当接すると、
ラッチの係合箇所４６がスライダ１８から上向きに突出
したノーズ５４の運動路内に突入し、その結果、スライ
ダ１８はわずかだけ基本位置を越えてケーシング１２内
へ摺動可能である。この摺動距離はそれが抽斗１６のプ
ッシュ‐プッシュ‐ロック装置２９の解除を妨げるよう
に短く寸法決めされている。
【００２０】本発明にもとづく装置１０の安全ロック装
置の機能は以下の通りである。すなわち、例えば衝突事
故または障害物への衝突時に高い加速（減速）が図示さ
れていない自動車に作用する。これが著しく減速する加
速を自動車に生ぜしめ、その結果、ラッチ４０とスライ
ダ１８を備えた抽斗１６とが自動車ひいては装置１０の
ケーシング１２に対して相対的に運動する。ラッチ４０
とスライダ１８を備えた抽斗１６のこの運動はケーシン
グ１２の背壁５４の方向に、要するに図５でみて上向き
に生じる。このことによりラッチ４０は図５に破線で示
された位置に達し、この位置で終端ストッパ５０に当接
する。ラッチ４０の係合箇所４６はスライダ１８のノー
ズ５４の運動路内へ突入し、これにより、ケーシング１
２内へのスライダ１８の運動が抽斗１６のプッシュ‐プ
ッシュ‐ロック装置２９を解除する前にこの運動を阻止
する。このことにより、抽斗１６はケーシング１２内に
挿入されているその基本位置でロックされたままとな
り、その結果、抽斗１６内に収納されている物品は滑落
することができない。事故の際にラッチ４０の重り４４
はスライダ１８を備えた抽斗１６とほぼ同じ速度で運動
する。ラッチ４０の係合箇所４６は、旋回軸線４２から
のその間隔が比較的大きいために重り４４に比して著し
く高い速度で運動する。要するに、事故の際に係合箇所
が運動する速度はスライダ１８の速度に比して著しく大
きい。このことにより、事故の際にノーズ５４がラッチ
４０の係合箇所４６を通り過ぎてしまう前に、係合箇所
４６がスライダ１８のノーズ５４の運動路内へ突入する
ことが保証される。このことにより、事故の際に、抽斗
１６のプッシュ‐プッシュ‐ロック装置が解除されない
ように、いち早く係合箇所４６がスライダ１８をロック
することが保証される。
【００２１】ラッチ４０の脚付きばね５２のばね力は、
それが通常走行運転時並びに急制動時でも生じる加速に
際してラッチ４０を基準ストッパ４８に圧着させたまま
となるように選択され、その結果、抽斗１６は通常走行
運転時にはいつでも開くことができ、かつラッチ４０が
チャタリング騒音を生じない。さらに、脚付きばね５２
は、通常走行運転時に生じる加速に比して事故の際に生
じる著しく大きな加速にもとづきスライダ１８を備えた
抽斗１６に比して係合箇所４６が迅速にケーシング１２
に対して相対的に運動するように弱く形成されている。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明にもとづく装置を基本位置で示す側面図
である。
【図２】図１の装置を使用位置で示す図である。
【図３】図１の装置を使用位置で示す斜視図である。
【図４】図１の装置のケーシングの斜視図である。
【図５】図１の装置のケーシングの底部を上方から見た
図である。
【符号の説明】
１０ 装置、 １２ ケーシング、 １４ フロント
側、 １６ 抽斗（抜出し部分）、 １８ スライダ、
２０ ケーシングの底部、 ２２ 溝、 ２３脚付き
ばね、 ２４ ジャーナル結合部、 ２６ 前縁、 ２
８ 側壁、 ２９ プッシュ‐プッシュ‐ロック装置
（ハートカム機構）、 ３０ すべり案内路、 ３２
すべりピン、 ３４ 回転緩衝エレメント、 ３６ 歯
車、 ３８フロントパネル、 ４０ ラッチ、 ４２
旋回軸線、 ４４ 重り、 ４６係合箇所、 ４８ 基
準ストッパ、 ５０ 終端ストッパ、 ５２ 脚付きば
ね、 ５４ ノーズ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 リューディガー ヴィドゥレ ドイツ連邦共和国 ミュンヘン エリラ ントシュトラーセ ８ (72)発明者 ミヒャエル シュミット ドイツ連邦共和国 ヴィルトベルク ゴ イシュトラーセ ４ (72)発明者 ベルント プロハー ドイツ連邦共和国 ロッテンブルク−ゼ ーブロン イム ヴィーゼングルント 24 (56)参考文献 実開 平５−75004（ＪＰ，Ｕ) 実開 平３−60132（ＪＰ，Ｕ) 実開 平２−25332（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) B60R 7/06

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 自動車内へ組み込むための装置であっ
    て、自動車内に取り付けられる、フロント側で開放され
    たケーシングと、該ケーシング内に挿入される抜出し部
    分とを備えており、該抜出し部分が、ケーシング内に挿
    入された基本位置からケーシングから突出した使用位置
    へかつその逆に運動可能に案内を介して案内されている
    形式のものにおいて、装置（１０）が、レバー状の可動
    のラッチ（４０）を備えた安全ロック装置を有してお
    り、前記ラッチが、衝突事故時に作用する力により、抜
    出し部分（１６）を前記基本位置でロックするように抜
    出し部分（１６）に係合可能であり、ラッチ（４０）
    が、旋回ピボットを介して制限された旋回角だけ旋回可
    能でかつ旋回ピボットの旋回軸線（４２）とは反対側の
    ラッチ端部に係合箇所（４６）を有していて、該係合箇
    所が、衝突事故時に作用する力により抜出し部分（１
    ６）を基本位置でロックするように抜出し部分（１６）
    と係合可能であり、更にラッチ（４０）が、ラッチ（４
    ０）の旋回軸線（４２）と係合箇所（４６）との間に質
    量の中心点を有していることを特徴とする、自動車内へ
    組み込むための装置。
  2. 【請求項２】 抜出し部分が、抽斗（１６）形式の上部
    開放容器である、請求項１記載の装置。
  3. 【請求項３】 ラッチ（４０）が、質量の中心点の領域
    内に増大した質量（４４）を有している請求項１記載の
    装置。
  4. 【請求項４】 抜出し部分（１６）が、解除可能なプッ
    シュ‐プッシュ‐ロック装置により基本位置でロック可
    能であり、抜出し部分（１６）に、該抜出し部分（１
    ６）を使用位置へ付勢する開放ばねエレメント（２３）
    が係合している、請求項１記載の装置。
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DE (2) DE19835364C2 (ja)
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