JP3445164B2 - 静電記録体、静電潜像記録装置および静電潜像読取装置 - Google Patents

静電記録体、静電潜像記録装置および静電潜像読取装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像情報をX線等
の放射線の照射により形成される静電電荷パターン(静
電潜像)として記録することのできる静電記録体、並び
に、この静電記録体に画像情報を記録する装置および画
像情報が記録された静電記録体から画像情報を読み出す
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、医療用X線撮影において、被
験者の受ける被爆線量の減少、診断性能の向上等のため
に、X線に感応する光導電体(例えば、セレン板等)を
感光体(静電記録体)として用い、該セレン板にX線に
より形成された静電潜像を、レーザビーム或いは多数の
電極で読み取るシステムが開示されている(例えば、米
国特許第4176275号, 同第5268569号, 同第5354982
号, 同第4535468号、 "23027 Method and devisce for
recording and transducing an electromagnetic ener
gy pattern";Reserch Disclosure June 1983、 特開平9
-5906号、米国特許第4961209号、"X-ray imaging using
amorphous selenium";Med Phys.22(12)等)。
【0003】これらは、周知の撮影法であるTV撮像管
による間接撮影法と比較して高解像度であること、ま
た、ゼロラジオグラフィ法(電子X線写真法)と比較し
て撮影に要するX線照射量が少ないという点で優れてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記各
システムは何れも、セレン板のX線吸収能の低い欠点を
補うために膜厚を厚くすると読取速度が低下するという
こと、さらに、セレンの厚さ方向の幾何学的精度に起因
するノイズ(ストラクチャノイズ)を拾いやすいという
共通の問題を有している。
【0005】また、米国特許第4176275号,同第5268569
号,同第5354982号 によるシステムでは、厚みを必要と
する記録用のX線光導電層を読み取りのための光導電層
として共通に用いるため検出速度が遅く、また、潜像形
成後少なくとも読出しを開始してから終了するまでの
間、光導電層に高圧を印加するため、暗電流による電荷
が潜像電荷に加算され、低線量域でのコントラストを低
下させるという問題がある。さらには、再記録のために
は、消去プロセスを必要とするという固有の問題を有す
る。
【0006】また、特開平9-5906号やReserch Disclosu
re June 1983によるシステムでは、記録用のX線光導電
層と読み取り用の光導電層を別々に設けたことにより、
検出速度については改善され、また消去も不要となって
いるが、潜像形成後、読出しを開始してから終了するま
での間(一般には数秒間)は高圧を印加するため、やは
り暗電流による電荷が潜像電荷に加算され、低線量域で
のコントラストを低下させるという問題がある。
【0007】一方、読取時は高圧を印加せず、記録側と
読取側の電極をショートして読み出す方法についても述
べられているが、この場合にも、X線照射前の一様露光
による中間界面への蓄積電荷により予め一様電荷分布が
形成され、ショート時、読取用光導電層には該蓄積電荷
による高圧が印加される。このため、暗電流による該電
荷のリークにより、やはり低線量域でのコントラストが
低下するという問題がある。
【0008】また、特開平9-5906号やReserch Disclosu
re June 1983によるシステムでは、1次露光用の投光照
明光源を必要とし、コストアップ、装置の大型化を招く
こと、さらに、一様な投光照明を行うことは困難であ
り、また、投光照明とX線撮影のタイミングを合わせる
のは困難であるという問題を有する。
【0009】また、米国特許同第4535468号によるシス
テムでは、X線光導電層と読取用光導電層と電荷がトラ
ップとして蓄積される中間層の3層構成からなるシステ
ムが開示されている。このシステムは、記録時に高圧を
印加してX線を照射して潜像電荷を中間層に蓄積した
後、ショートして読み出すものであり、読取用光導電層
を薄くすることで速度については改善され、また、X線
潜像を中間層に蓄積後は高圧を印加せずショートし、読
取中もショート状態であるため、蓄積した潜像電荷は暗
電流によりリーク(減衰)していくが、上述のものとは
異なり、潜像電荷量に応じてリークするため低線量域の
コントラスト低下は軽減される。
【0010】しかしながら、記録用のX線を照射する前
にも長時間に亘って高圧を印加しているのが一般的であ
り、この場合、記録用のX線照射前に印加される高圧に
伴う暗電流によるオフセット的な電荷成分は存在し除去
することができない。また、読取用光導電層をX線光導
電層に比べ薄くしているので、外部に検出される信号電
荷量が小さいという問題がある。更に、中間層は、電子
およびホールともに電荷移動度が小さいため、厚くする
ことができない。これは、電荷移動度を大きくすると応
答が遅くなったり、残像になるからである。すなわち、
このシステムでは、応答,電荷蓄積能力および効率的な
信号電荷量の取り出しの両立は困難である。
【0011】また、上記何れのシステムも、レーザビー
ム等のスポット光を走査して記録を行うものであり、潜
像電荷が蓄積される場所すなわち画素ピクセルが固定さ
れず、いわゆるストラクチャーノイズの補正を行うこと
が困難である。
【0012】本発明は上記の事情に鑑みてなされたもの
であり、簡便な装置でもって、読み取り時間を短縮(読
取速度を向上)することを可能ならしめると共に、高い
先鋭度を維持しつつ高S/Nを図ることを可能ならしめ
る静電記録体並びに、この静電記録体に画像情報を記録
する装置および画像情報が記録された静電記録体から画
像情報を読み出す装置を提供することを目的とするもの
である。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる静電記録
体は、放射線画像情報を静電潜像として記録する静電記
録体において、記録用光導電層と読取用光導電層とを、
一の極性の電荷に対してのみ導電体として作用する電荷
輸送層を介して積層し、記録用光導電層と電荷輸送層と
の界面に電荷を蓄積することにより画像情報を静電潜像
として記録し得るように構成したものであることを基本
的特徴とするものである。即ち、本発明にかかる第1の
静電記録体は、記録用のX線等の放射線に対して透過性
を有する第1の導電体層、記録用の放射線の照射を受け
ることにより光導電性を呈する記録用光導電層、前記第
1の導電体層に帯電される電荷と同極性の電荷に対して
は略絶縁体として作用し、かつ、この電荷と逆極性の電
荷に対しては略導電体として作用する電荷輸送層、読取
用の電磁波の照射を受けることにより光導電性を呈する
読取用光導電層、前記読取用の電磁波に対して透過性を
有する第2の導電体層を、この順に積層してなることを
特徴とするものである。
【0014】この第1の静電記録体の記録用光導電層
は、a−Se,PbO,PbI2 ,Bi12(Ge,S
i)O20,Bi23/有機ポリマーナノコンポジットの
うち少なくとも1つを主成分とするものであること、ま
た、その層の厚さが、50μm以上1000μm以下であ
ることが好ましい。
【0015】さらに、上記第1の静電記録体において
は、前記読取用光導電層が、前記記録用の放射線の照射
を受けることによっても光導電性を呈するものであるこ
とが望ましい。
【0016】なお、上記において「電磁波」とあるの
は、赤外光や可視光等のいわゆる光をも含むものであ
り、後述の静電潜像を読み取るに際して、使用し得るも
のであればいかなる波長のものであってもよい。以下同
様である。
【0017】本発明にかかる第2の静電記録体は、放射
線画像情報を静電潜像として記録する静電記録体におい
て、上記静電記録体と同様に記録用光導電層と読取用光
導電層とを、一の極性の電荷に対してのみ導電体として
作用する電荷輸送層を介して積層したものであること、
並びに前記X線等の放射線を波長変換層により一旦別な
波長領域の光に波長変換し、該波長変換された光を前記
記録用光導電層に照射して静電潜像を記録し得るように
構成したものであることを基本的特徴とするものであ
る。即ち、本発明にかかる第3の静電記録体は、記録用
の放射線を第1の波長領域の可視光に変換するX線シン
チレータ等の波長変換層、前記可視光に対して透過性を
有する第1の導電体層、この第1の導電体層を透過した
前記可視光の照射を受けることにより光導電性を呈する
記録用光導電層、前記第1の導電体層に帯電される電荷
と同極性の電荷に対しては略絶縁体として作用し、か
つ、該電荷と逆極性の電荷に対しては略導電体として作
用する光不感性を有する電荷輸送層、読取用の電磁波の
照射を受けることにより光導電性を呈する読取用光導電
層、前記読取用の電磁波に対して透過性を有する第2の
導電体層を、この順に積層してなることを特徴とするも
のである。
【0018】上記第2の静電記録体においては、前記波
長変換層が、前記記録用の電磁放射線を第2の波長領域
の可視光にも変換するものであり、前記読取用光導電層
が、該第2の波長領域の可視光の照射を受けることによ
って光電性を呈するものであることが望ましい。
【0019】上記何れの静電記録体においても、読取用
光導電層は、a−Se,Se−Te,Se−As−T
e,無金属フタロシアニン,金属フタロシアニン,Mg
Pc,VoPc,CuPcのうち少なくとも1つを主成
分とするものであるのが好ましい。
【0020】また、上記何れの静電記録体においても、
読取用光導電層は、近紫外から青の領域の波長(300
〜550nm)の電磁波に対して高い感度を有し、赤の
領域の波長(700nm以上)の電磁波に対して低い感
度を有するものであればより好ましく、具体的には、a
−Se,PbI2,Bi12(Ge,Si)O20,ペ
リレンビスイミド(R=n−プロピル),ペリレンビス
イミド(R=n−ネオペンチル)のうち少なくとも1つ
を主成分とするものであるのが好ましい。
【0021】上記記録用の放射線の照射を受けることに
よっても光導電性を呈する静電記録体の読取用光導電層
は、a−Se,Se−Te,Se−As−Teのうち少
なくとも1つを主成分とするものであればより好まし
い。
【0022】また、上記何れの静電記録体においても、
電荷輸送層は、PVK,TPD,TPDのポリマー分散
物,Clを10〜200ppmドープしたa−Seのう
ち少なくとも1つを主成分とするものであるのが好まし
い。
【0023】さらに、上記何れの静電記録体において
も、電荷輸送層の膜厚垂直方向の電荷移動度が膜厚水平
方向の電荷移動度よりも大きいのが望ましい。
【0024】さらにまた、上記何れの静電記録体におい
ても、電荷輸送層は、第1の導電体層に帯電される電荷
と同極性の電荷に対しては略絶縁体として作用する性質
を有する材料からなる第1の電荷輸送層と、帯電される
電荷と逆極性の電荷に対して略導電体として作用する性
質を有する材料からなる第2の電荷輸送層とを少なくと
も含み、第1の電荷輸送層が記録用光導電層側となり第
2の電荷輸送層が読取用光導電層側となるように積層し
てなるものであるのが望ましい。また、第1の電荷輸送
層が有機系の材料からなるものであり、第2の電荷輸送
層がSe系の材料からなるものであればより望ましく、
具体的には、第1の電荷輸送層がPVKあるいはTPD
のうち少なくとも一方からなる層であり、第2の電荷輸
送層がClを10〜200ppmドープしたa−Se層
であるのが望ましい。なお、この場合、第2の電荷輸送
層の方が第1の電荷輸送層よりも膜厚を厚くするのが望
ましい。
【0025】また、上記何れの静電記録体においても、
前記第1の導電体層に帯電される電荷の前記記録用光導
電層への注入を阻止する第1のブロッキング層を前記第
1の導電体層と前記記録用光導電層との間に積層したも
の、或いは、前記第2の導電体層に帯電される電荷の前
記読取用光導電層への注入を阻止する第2のブロッキン
グ層を前記第2の導電体層と前記読取用光導電層との間
に積層したものであることが望ましい。
【0026】また、前記読取用光導電層の厚さと前記電
荷輸送層の厚さの和が、前記記録用光導電層の厚さの1
/2以下であればより好ましく、さらに、1/10以下
であればより好ましく、1/20以下であれば一層好ま
しい。
【0027】また、上記何れの静電記録体においても、
前記電荷輸送層は、前記第1の導電体層に帯電される電
荷と同極性の電荷の移動度が、前記逆極性の電荷の移動
度に対して1/102 以下であるのが好ましく、1/1
3 以下であれば一層好ましい。
【0028】また、上記何れの静電記録体においても、
前記第2の導電体層がクシ歯状に形成された読取用クシ
電極を有するものであることが望ましい。
【0029】さらに、前記クシ歯の幅が、このクシ歯の
ピッチの75%以下でることが好ましく、また、前記ク
シ歯の間が、前記読取用の電磁波に対して遮断性を有す
るものであればなお好ましく、さらには、このクシ歯の
長手方向の画素間が前記読取用の電磁波に対して遮断性
を有するものでることが望ましい。
【0030】この読取用クシ電極を有する静電記録体の
読取用光導電層の厚さと電荷輸送層の厚さの和は、クシ
歯のピッチと略同等若しくはそれ以下であるのが好まし
い。
【0031】また、上記読取用クシ電極を有する静電記
録体においては、前記読取用の電磁波に対して、共に透
過性を有する絶縁層と第3の導電体層とを、この順に前
記第2の導電体層に積層したものであり、この第3の導
電体層が、前記第2の導電体層のクシ歯と略直交してク
シ歯状に形成された記録用クシ電極を有するものであれ
ば一層望ましい。
【0032】さらに、前記第3の導電体層のクシ歯の間
が、前記読取用の電磁波に対して遮断性を有するもので
あることが望ましいく、また、前記第3の導電体層のク
シ歯の幅がこのクシ歯のピッチの75%以下であればな
お好ましい。
【0033】この記録用クシ電極を有する静電記録体の
読取用光導電層の厚さと電荷輸送層の厚さの和は、第3
の導電体層のクシ歯のピッチと略同等若しくはそれ以下
であるのが好ましい。
【0034】本発明にかかる第1の静電潜像記録装置
は、上記いずれかの静電記録体に放射線画像情報を静電
潜像として記録する装置であって、前記静電記録体の第
1の導電体層と第2の導電体層との間に所定の直流電圧
を印加する電源と、前記画像情報を担持する記録用の放
射線を前記静電記録体の記録用光導電層に照射する記録
用照射手段とを備えるものであり、前記放射線の照射に
より、前記第1の導電体層に帯電される電荷と同じ極性
の電荷を、前記静電記録体の記録用光導電層と電荷輸送
層との略界面に蓄積せしめることにより、前記画像情報
を静電潜像として記録することを特徴とするものであ
る。
【0035】本発明にかかる第2の静電潜像記録装置
は、上記記録用クシ電極を有するいずれかの静電記録体
に放射線画像情報を静電潜像として記録する装置であっ
て、前記静電記録体の第1の導電体層と第3の導電体層
との間に所定の直流電圧を印加する電源と、前記画像情
報を担持する記録用の放射線を前記第1の導電体層側に
照射する記録用照射手段とを備えるものであり、前記放
射線の照射により、前記第1の導電体層に帯電される電
荷と同じ極性の電荷を、前記静電記録体の記録用光導電
層と電荷輸送層との略界面に蓄積せしめることにより、
前記画像情報を静電潜像として記録することを特徴とす
るものである。
【0036】上記いずれの静電潜像記録装置において
も、記録用の放射線を照射する前に、所定の量の電磁放
射線を第2の導電体層に照射する前露光手段を更に備え
るものであることが望ましい。
【0037】本発明にかかる静電潜像読取装置は、放射
線画像情報が静電潜像として予め記録された上記いずれ
かの静電記録体から静電潜像を読み取る装置であって、
この静電記録体の第2の導電体層側に、読取用の電磁波
を走査露光する読取用露光手段と、前記読取用の電磁波
の走査露光により、前記静電潜像に応じて前記静電記録
体から流れ出す電流を、前記第1または第2の導電体層
を介して検出する電流検出手段とを備えたことを特徴と
するものである。
【0038】また、上記静電潜像読取装置においては、
さらに、前記静電記録体の第1の導電体層と、第2の導
電体層または前記電流検出手段とを選択的に接続する接
続手段を備えるものであり、最初に前記第1の導電体層
と第2の導電体層を接続して両導電体層を同電位に帯電
させた後に、前記第1の導電体層と前記電流検出手段と
を接続することにより電流を検出するものであることが
望ましい。
【0039】上記いずれの静電潜像読取装置において
も、静電記録体の読取用光導電層が、近紫外から青の領
域の波長(300〜550nm)の電磁波に対して高い
感度を有し、赤の領域の波長(700nm以上)の電磁
波に対して低い感度を有するものである場合には、読取
用露光手段が、近紫外から青の領域の波長の電磁波を走
査露光するものであるのが望ましい。
【0040】ここで、前記読取用露光手段が、前記読取
用の電磁放射線をビーム状に形成しつつ走査露光するも
のであることが望ましい。
【0041】また、特に上記読取用クシ電極を有する静
電記録体から静電潜像を読み取る装置においては、前記
読取用露光手段が、ライン状に略一様な前記読取用の電
磁波を前記第2の導電体層のクシ歯と略直交させつつ、
前記第2の導電体層のクシ歯の長手方向に走査露光する
ものであり、前記電流検出手段が、前記静電記録体から
流れ出す電流を前記クシ歯毎に検出するものであること
が望ましい。
【0042】さらに、上記記録用クシ電極を有する静電
記録体から静電潜像を読み取る装置においては、前記静
電記録体の第2の導電体層と第3の導電体層を接続する
第2の接続手段を備えるものであることが望ましい。
【0043】また、上記静電潜像読取装置においては、
さらに、前記読取用露光手段が、略画素毎にパルス状に
前記読取用の電磁波を照射するものであることが望まし
い。
【0044】この場合、さらに、前記電流検出手段が、
該電流検出手段に流れる電流による電荷を蓄積する積分
コンデンサと、該積分コンデンサに蓄積される電荷を選
択的に放電する放電手段とを備え、該積分コンデンサに
蓄積される電荷を画素毎に検出することにより前記電流
を検出するもの、或いは、前記第1の導電体層と前記電
流検出手段とを、所定の直流電圧を有するバイアス電源
を介して接続したものであればなお望ましく、さらに、
前記バイアス電源が、前記静電潜像を記録するに際して
用いられる電源であれば一層好ましい。
【0045】
【発明の効果】本発明にかかる静電記録体,静電潜像記
録装置および静電潜像読取装置によれば、先ず静電記録
体を、上述のように記録用光導電層と読取用光導電層と
を、例えば正電荷に対してのみ導電体として作用する電
荷輸送層を介して積層した3層構造とし、記録用光導電
層と電荷輸送層との界面に電荷を蓄積することにより画
像情報を静電潜像として記録し得るように構成したの
で、該静電記録体に静電潜像を記録するに際しては、該
3層構造を挟む両導電体層を所定の電位に帯電させて記
録用の放射線を記録用光導電層に照射するだけでよく、
記録に先立って一様露光を行って静電記録体を1次帯電
させておく必要がないから、一様露光のための露光手段
を備える必要がなく記録装置を簡易なものとすることが
できる。
【0046】また、本発明にかかる静電記録体,静電潜
像記録装置および静電潜像読取装置によれば、記録用の
放射線を記録用光導電層に照射するに先立ち、該3層構
造を挟む両導電体層を所定の電位に帯電させた際、記録
用光導電層で発生した暗電流,特に第1の導電体層から
記録用光導電体層に注入された暗電流(例えば、電子)
は電荷輸送層界面に達し蓄積する。また、読取用光導電
層で発生した暗電流,特に第2の導電体層から読取用光
導電体層に注入された暗電流(上記電子の例ではホー
ル)は電荷輸送層を通過し前記蓄積した電子を中和す
る。ここで、2つの導電体層或いは2つの光導電層の条
件(材質或いは厚み等)を調整すれば、界面に到達する
電子よりもホールの方が若干多数となる条件にすること
は可能である。ホールが多数の場合、余剰のホールは界
面に蓄積することなく、概略記録用光導電体に注入され
ドリフトして電極に達する。こうすれば、記録用の放射
線の潜像電荷にオフセット的に加わる暗電子を極めて低
く抑えることができるので、S/Nのよいものが容易に
実現できる。
【0047】さらに界面に到達するホールが電子よりも
若干少数となる条件に調整することが可能である。電子
が多数の場合、余剰の電子は界面に蓄積するが、記録用
の放射線を照射する直前に、読取用光導電体に一様に所
定量の前露光を行うことにより適正量のホールを発生さ
せ、界面の余剰電子を中和することができる。勿論、こ
のとき余剰ホールは上記同様界面に蓄積せず電極に達す
る。
【0048】こうして、この場合にもオフセット的に加
わる暗電子を極めて低く抑えることができるので、S/
Nのよいものが容易に実現できる。
【0049】なお、後者の方がS/N的にはより好まし
い。なぜならば、後者の場合、読取用光導電層の暗抵抗
は大きく読み取り終了までの時間過程で信号が減衰(フ
ェーディング)することを防止することができるからで
ある。
【0050】さらには、前回記録の残潜像が残っている
場合には後者が好ましい。
【0051】また、輸送電荷層と記録用光導電層との間
に若干の電荷(ホール)注入障壁が生じる場合、ここに
若干のホールが蓄積する。しかしながら、このことはし
ばしば好ましい効果をもたらす。すなわち、蓄積した若
干のホールにより読取用光導電層のバンド構造をフラッ
ト化し光入射電極と光導電層の接触界面で生じる光起電
力を打ち消し、ノイズ電流を低減する効果がある。
【0052】一方、記録された静電潜像を読み取るに際
しては、読取用の電磁波を比較的薄い読取用光導電層側
から照射することができるので、高圧を印加することな
く強電界の下で静電潜像を高速に読み取ることができ、
さらに、読み出された後の静電記録体には電荷の蓄積が
殆どないから、読み出した後に再度記録を行う場合に消
去プロセスを必要とせず、消去プロセスのための露光手
段を備える必要が基本的にはなく読取装置を簡易なもの
とすることができる。
【0053】また、記録用光導電層の厚さを、50μm
以上1000μm以下とすれば、該記録用光導電層が記
録用の放射線を十分に吸収することができ、潜像電荷量
を多くすることができるから、S/Nのよいものとする
ことができる。
【0054】さらに、上記静電記録体において、読取用
光導電層が記録用の放射線に対しても光導電性を呈する
ようにすれば、過剰電荷の蓄積防止を図ることができ、
これにより静電潜像の読み取りに際して蓄積電荷量に略
比例する暗電流を小さくでき、ひいては読取画像のS/
N改善を図ることができるようになる。
【0055】本発明にかかる第2の静電記録体のよう
に、X線等の放射線を波長変換層により一旦別な波長領
域の可視光に波長変換した後、該波長変換された可視光
を記録用光導電層に照射して静電潜像を記録し得るよう
に構成すれば、該可視光により記録用光導電層で発生せ
しめられる電荷対の発生効率を高めることができ、ひい
てはX線照射量を少なくでき、もって被験者(被写体)
の被爆線量を低く抑えることができるようになる。
【0056】また、可視光の照射により光導電性を呈す
る記録用光導電層は、比較的薄くすることができるので
信号の取り出し効率を大きくすることができる。
【0057】また、X線等の放射線を、さらに異なる波
長領域の第2の可視光にも波長変換し、読取用光導電層
がこの第2の可視光に対しても光導電性を呈するように
すれば、上記同様に、過剰電荷の蓄積防止を図ることが
でき、これにより静電潜像の読み取りに際して蓄積電荷
量に略比例する暗電流を小さくでき、ひいては読取画像
のS/N改善を図ることができるようになる。
【0058】静電記録体の読取用光導電層としては、上
述のように種々のものを使用できるが、近紫外から青の
領域の波長(300〜550nm)の電磁波に対して高
い感度を有し、赤の領域の波長(700nm以上)の電
磁波に対して低い感度を有するものを使用すれば、バン
ドギャップが大きく熱による暗電流の発生が小さい読取
用光導電層にすることができるので、暗電流によるノイ
ズを小さくすることができる。
【0059】電荷輸送層の膜厚垂直方向の電荷移動度を
膜厚水平方向の電荷移動度よりも大きいものとすれば、
膜厚垂直方向すなわち厚み方向に高速で電荷移動し、膜
厚水平方向すなわち横方向には電荷移動しにくいものと
することができるので、鮮鋭度を向上させることができ
る。
【0060】電荷輸送層を、第1の導電体層に帯電され
る電荷(潜像極性電荷)と同極性の電荷に対しては略絶
縁体として作用する性質を有する材料からなる第1の電
荷輸送層と、潜像極性電荷と逆極性の電荷(輸送極性電
荷)に対して略導電体として作用する性質を有する材料
からなる第2の電荷輸送層とを少なくとも含み、第1の
電荷輸送層が記録用光導電層側となり第2の電荷輸送層
が読取用光導電層側となるように積層したものとすれ
ば、第2の電荷輸送層に輸送極性電荷の高速輸送性を受
け持たせ、第1の電荷輸送層に潜像極性電荷に対して強
い絶縁性を受け持たせることができるので、電荷輸送層
として理想的なものにすることができる。
【0061】なお、2層に限らず、さらに複数の層から
なるものとしてもよいが、この場合に各層を積層する際
には、各層の上記各性質を夫々比較したときに、第1の
導電体層に帯電される電荷と同極性の電荷に対しては略
絶縁体として作用する性質が比較的強い層が記録用光導
電層側となり、帯電される電荷と逆極性の電荷に対して
略導電体として作用する性質が比較的強い層が読取用光
導電層側となるように積層すればよい。
【0062】このように、電荷輸送層に使用する材料を
選択したり、多層構造にすることにより、輸送極性電荷
の電荷移動度を大きくとることが可能になるので、厚み
に制限が無く、応答と電荷蓄積応力の両立が可能とな
る。また、電荷輸送層内の輸送キャリアのトラップを小
さくできるので、膜厚を厚くしても残像が残りにくい。
【0063】また、導電体層と記録用ないしは読取用光
導電層との間にブロッキング層を積層すれば、読取画像
のノイズ成分となる導電体層からの電荷注入を防止で
き、またブロッキング層の材質或いは厚み等を調整すれ
ば、両導電体層からの電荷注入のバランス調整を効果的
にできるようになり、もって読取画像のS/N改善を図
ることができるようになる。
【0064】また、前記読取用光導電層の厚さと前記電
荷輸送層の厚さの和が、前記記録用光導電層の厚さより
薄くすることにより(例えば1/2以下、さらに1/1
0以下、さらには1/20以下)、強電界下で蓄積電荷
(静電潜像)を読み取ることができ、もって静電潜像の
読取りを高速に行うことができるようになる。
【0065】さらに、電荷輸送層における静電潜像とし
て蓄積される電荷の移動度が、それとは逆極性の電荷の
移動度より十分小さければ(具体的には1/102
下、更に好ましくは1/103 以下)、蓄積電荷の蓄積
性が向上し、もって静電潜像の保存性を向上させること
ができる。
【0066】また、読取用光導電層に積層された導電体
層をクシ歯状にした読取用クシ電極とすれば、蓄積電荷
をクシ歯に集中させることができ、各クシ歯間での蓄積
電荷の分離を図ることができるようになり、もって静電
潜像のクシ歯の配列方向の鮮鋭度を向上させることがで
きる。この場合、画素ピッチに対応するクシ歯のピッチ
より、電荷輸送層と読取用光導電層の厚みの和が略同等
若しくはそれ以下とすれば、静電潜像の鮮鋭度を更に向
上させることができる。
【0067】さらに、クシ歯状の導電体層のため読取電
極の面積が小さくなり、読取用光導電層と電荷輸送層を
介して潜像形成界面との間で形成される容量が実質的に
減少する。
【0068】一方で、記録用光導電層を介してもう一方
の電極と潜像形成界面で形成される容量には実質的に大
きな影響が現れない。この結果、記録用光導電層に対し
て薄い電荷輸送層と読取用光導電層を用いているにも拘
わらず読取時の信号の取り出し効率を大きくすることが
可能である。
【0069】さらにまた、読取用露光手段としてライン
状に一様な光をクシ歯の長手方向に走査露光するものを
使用できるようになるから、読取用露光手段を簡易な構
成とすることができる。さらに、クシ歯状の導電体層の
ため読取電極の面積が小さくなり、分布容量が小さくノ
イズの影響を受けにくくなると共に、画素ピクセルを少
なくともクシ歯間隔で固定することができるので、読み
出された静電潜像の画像データの補正をクシ歯の配置に
合わせてできるようになり、ストラクチャーノイズの補
正を行うことが可能となる。
【0070】また、読取時の電界の強度もクシ歯に集中
して、より強電界且つ分離されるようになるから読取時
の鮮鋭度も信号の強度も向上することになる。特に、ク
シ歯の幅をクシピッチの75%以下とすればその効果が増
大する。また、クシ歯の長手方向にも画素間隔で遮断性
を有するものとすれば、ライン状の光源で走査露光して
いるにも拘わらず実質的に小さなビームスポットで走査
露光したこととなり、より高い鮮鋭度の読取画像を得る
ことができるようになる。さらに、読取用光導電層の厚
さと電荷輸送層の厚さの和を、クシ歯のピッチと略同等
若しくはそれ以下とすれば、記録用光導電層と電荷輸送
層との界面に電界が概略存在しない部分を明確に形成す
ることができるようになり、鮮鋭度をより向上させるこ
とができる。
【0071】また、読取用クシ電極に直交するように記
録用クシ電極を積層すれば、記録時の電界の分布が両ク
シ歯の交差する所に収束せしめられ、この収束した所に
電荷が集中して蓄積されるようになるから、クシ歯の長
手方向にも鮮鋭度の高い静電潜像を記録することができ
るようになる。さらに、実質的に電荷輸送層と読取用光
導電層の容量を減少させて、読取時の信号の取り出し効
率を大きくすることができる。この際、クシ歯の幅がク
シピッチの75%以下としたり、或いは、記録用クシ歯の
間を遮断性を有するものとすれば一層その効果が増大す
る。
【0072】また、本発明にかかる静電潜像記録装置は
上記各種静電記録体に画像情報を静電潜像として記録す
るものであり、上述のように記録用光導電層、電荷輸送
層、読取用光導電層の3層構造を挟む両導電体層を所定
の電位に帯電させるだけでよく、極めて簡易な記録装置
を実現することかできる。特に、記録用クシ電極を備え
た静電記録体に静電潜像を記録するものにあっても、記
録装置としては特に変更を要せず電圧を印加する電極を
変更するだけで良く、これだけでクシ歯の長手方向に鮮
鋭度を飛躍的に改善できるから、当該記録装置の果たす
役割は極めて大きい。
【0073】さらに、記録用の放射線を照射する前に、
所定の量の電磁放射線を第2の導電体層に照射するよう
にすれば、記録光を照射する前の静電記録体に蓄積され
ている不要電荷を消去することができるので、該不要電
荷を原因とする残像現象やS/N劣化等の問題を解消す
ることができる。
【0074】また、本発明にかかる静電潜像読取装置は
静電潜像が記録された上記各種静電記録体から静電潜像
を読み取るものであり、上述のように比較的薄い読取用
光導電層側から読取用の走査露光を行うことができるの
で、強電界の下で静電潜像を高速に読み取ることがで
き、さらに、読み出された後の静電記録体には電荷の蓄
積がないから、読み出した後に再度記録を行う場合に消
去プロセスを必要とせず、消去プロセスのための露光手
段を備える必要がなく極めて簡易な読取装置を実現する
ことかできる。また、読取用走査露光のための露光手段
(光源)としてはいわゆるレーザビームを使用すること
もでき、或いは読取用クシ電極を備えた静電記録体から
静電潜像を読み取るものにあってはライン状光源を用い
ることも可能であり、特に特殊な光源装置や走査露光装
置を必要とすることもない。
【0075】また、読取光をパルス状に走査露光するよ
うにすれば、大きな検出電流でもって静電潜像を読み取
ることができるようになり、もって読取画像のS/Nの
向上を図ることができるようになる。
【0076】さらに、より具体的な静電潜像読取装置と
しては、オペアンプによる電流増幅器を用いたり、積分
コンデンサに蓄積される電荷を画素単位で検出したり、
また、バイアス電圧を付加して検出することも可能であ
り、何れも極めて簡易な構成でもって静電潜像を読み取
ることができる。
【0077】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態について説明する。最初に本発明にかかる静電
記録体の実施の形態について詳細に説明する。
【0078】図1は本発明の第1の実施の形態にかかる
静電記録体の断面図を示すものである。この静電記録体
10は、後述する記録用の放射線(例えば、X線等。以下
「記録光」と称す。)L1に対して透過性を有する第1の
導電体層1、この導電体層1を透過した放射線L1の照射
を受けることにより導電性を呈する記録用光導電層2、
導電体層1に帯電される電荷(潜像極性電荷;例えば負
電荷)に対しては略絶縁体として作用し、かつ、該電荷
と逆極性の電荷(輸送極性電荷;上述の例においては正
電荷)に対しては略導電体として作用する電荷輸送層
3、後述する読取用の電磁波(以下「読取光」と称
す。)L2の照射を受けることにより導電性を呈する読取
用光導電層4、電磁波L2に対して透過性を有する第2の
導電体層5を、この順に積層してなるものである。
【0079】ここで、導電体層1および5としては、例
えば、透明ガラス板上に導電性物質を一様に塗布したも
の(ネサ皮膜等)が適当であり、記録用光導電層2とし
ては、アモルファスセレン(a−Se)、PbO,Pb
2 等の酸化鉛(II)やヨウ化鉛(II)、Bi12(G
e,Si)O20,Bi23/有機ポリマーナノコンポジ
ット等のうち少なくとも1つを主成分とする光導電性物
質が適当である。
【0080】電荷輸送層3としては、導電体層1に帯電
される負電荷の移動度と、その逆極性となる正電荷の移
動度の差が大きい程良く(例えば102 以上、望ましく
は103 以上)ポリN−ビニルカルバゾール(PV
K)、N,N'−ジフェニル−N,N'−ビス(3−メチルフェ
ニル)−〔1,1'−ビフェニル〕−4,4'−ジアミン(TP
D)やディスコティック液晶等の有機系化合物、或いは
TPDのポリマー(ポリカーボネート、ポリスチレン、
PUK)分散物,Clを10〜200ppmドープした
a−Se等の半導体物質が適当である。特に、有機系化
合物(PVK,TPD、ディスコティック液晶等)は光
不感性を有するため好ましく、また、誘電率が一般に小
さいため電荷輸送層3と読取用光導電層4の容量が小さ
くなり読み取り時の信号取り出し効率を大きくすること
ができる。なお、「光不感性を有する」とは、記録光L1
や読取光L2の照射を受けても殆ど導電性を呈するもので
ないことを意味する。
【0081】読取用光導電層4としては、a−Se,S
e−Te,Se−As−Te,無金属フタロシアニン,
金属フタロシアニン,MgPc(Magnesium phtalocyan
ine),VoPc(phaseII of Vanadyl phthalocyanin
e),CuPc(Cupper phtalocyanine)等のうち少な
くとも1つを主成分とする光導電性物質が好適である。
【0082】記録用光導電層2の厚さは、記録光L1を十
分に吸収できるようにするには、50μm以上1000
μm以下であるのが好ましく、本例においては約 500μ
mとしている。また電荷輸送層3と光導電層4との厚さ
は記録用光導電層2の厚さの1/2以下であることが望
ましく、薄ければ薄いほど(例えば、1/10以下、さら
には1/20以下等)後述の読取時の応答性が向上する。
【0083】次に、上記構造の静電記録体10に画像情報
を静電潜像として記録し、さらに記録された静電潜像を
読み出す基本的な方法について簡単に説明する。
【0084】図2は静電記録体10を用いた記録読取シス
テム(静電潜像記録装置と静電潜像読取装置を一体にし
たもの)の概略構成図を示すものである。この記録読取
システムは、静電記録体10、記録用照射手段90、電源6
0、電流検出手段70、読取用露光手段92並びに接続手段S
1、S2とからなり、静電潜像記録装置部分は静電記録体1
0、電源60、記録用照射手段90、接続手段S1とからな
り、静電潜像読取装置部分は静電記録体10、電流検出手
段70、接続手段S2とからなる。
【0085】静電記録体10の導電体層1は接続手段S1を
介して電源60の負極に接続されるとともに、接続手段S2
の一端にも接続されている。接続手段S2の他端の一方は
電流検出手段70に接続され、静電記録体10の導電体層
5、電源60の正極並びに接続手段S2の他端の他方は接地
されている。電流検出手段70はオペアンプからなる検出
アンプ70a と帰還抵抗70b とからなり、いわゆる電流電
圧変換回路を構成している。
【0086】導電体層1の上面には被写体9が配設され
ており、被写体9は記録光LIに対して透過性を有する部
分9aと透過性を有しない遮断部(遮光部)9bが存在す
る。記録用照射手段90は記録光L1を被写体9に一様に爆
射するものであり、読取用露光手段92は赤外線レーザ光
等の読取光L2を図2中の矢印方向へ走査露光するもので
あり、読取光L2は細径に収束されたビーム形状をしてい
ることが望ましい。
【0087】以下、上記構成の記録読取システムにおけ
る静電潜像記録過程並びに静電潜像読取過程について説
明する。最初に静電潜像記録過程について電荷モデル
(図3)を参照しつつ説明する。図2において接続手段
S2を開放状態(接地、電流検出手段70の何れにも接続さ
せない)にして、接続手段S1をオンし導電体層1と導電
体層5との間に電源60による直流電圧Edを印加し、電源
60から負の電荷を導電体層1に、正の電荷を導電体層5
に帯電させる(図3(A)参照)。これにより、静電記録体
10には導電体層1と5との間に平行な電場が形成され
る。
【0088】次に記録用照射手段90から記録光L1を被写
体9に向けて一様に爆射する。記録光L1は被写体9の透
過部9aを透過し、さらに導電体層1をも透過する。光導
電層2はこの透過した記録光L1を受け導電性を呈するよ
うになる。これは記録光L1の光量に応じて可変の抵抗値
を示す可変抵抗器として作用することで理解され、抵抗
値は記録光L1によって電子(負電荷)とホール(正電
荷)の電荷対が生じることに依存し、被写体9を透過し
た記録光L1の光量が少なければ大きな抵抗値を示すもの
である(図3(B)参照)。なお、X線を記録光L1として使
用したときは線量と表現すべきであるが、ここでは線量
も含めて光量として表現するものとする。また、記録光
L1によって生成される負電荷(−)および正電荷(+)
を、図面上では−または+を○で囲んで表すものとす
る。
【0089】光導電層2中に生じた正電荷は光導電層2
中を導電体層1に向かって高速に移動し、導電体層1と
光導電層2との界面で導電体層1に帯電している負電荷
と電荷再結合して消滅する(図3(C),(D)を参照)。一
方、光導電層2中に生じた負電荷は光導電層2中を電荷
転送層3に向かって移動する。電荷転送層3は導電体層
1に帯電した電荷と同じ極性の電荷(本例では負電荷)
に対して絶縁体として作用するものであるから、光導電
層2中を移動してきた負電荷は光導電層2と電荷転送層
3との界面で停止し、この界面に蓄積されることになる
(図3(C),(D)を参照)。蓄積される電荷量は光導電層2
中に生じる負電荷の量、即ち、記録光L1の被写体9を透
過した光量によって定まるものである。
【0090】一方、記録光L1は被写体9の遮光部9bを透
過しないから、静電記録体10の遮光部9bの下部にあたる
部分は何ら変化を生じない(図3(B)〜(D)を参照)。
【0091】このようにして、被写体9に記録光L1を爆
射することにより、被写体像に応じた電荷を光導電層2
と電荷転送層3との界面に蓄積することができるように
なる。尚、この蓄積せしめられた電荷による被写体像を
静電潜像という。上記説明で明らかなように、本発明に
かかる静電記録体10に静電潜像を記録する装置の構成は
極めて簡単なものであり、記録作業も極めて簡単なもの
となる。
【0092】次に静電潜像読取過程について電荷モデル
(図4)を参照しつつ説明する。接続手段S1を開放し電
源供給を停止すると共に、S2を一旦接地側に接続し、上
記説明のようにして静電潜像が記録された静電記録体10
の導電体層1および5を同電位に帯電させて電荷の再配
列を行った後に(図4(A)参照)、接続手段S2を電流検出
手段70側に接続する。
【0093】読取用露光手段94により読取光L2を静電記
録体10の導電体層5側に走査露光すると、読取光L2は導
電体層5を透過し、この透過した読取光L2が照射された
光導電層4は走査露光に応じて導電性を呈するようにな
る。これは上記光導電層2が記録光L1の照射を受けて正
負の電荷対が生じることにより導電性を呈するのと同様
に、読取光L2の照射を受けて正負の電荷対が生じること
に依存するものである(図4(B)参照)。なお、記録過程
と同様に、読取光L2によって生成される負電荷(−)お
よび正電荷(+)を、図面上では−または+を○で囲ん
で表すものとする。
【0094】光導電層4と電荷輸送層3との厚さは薄け
れば薄いほど望ましく(例えば、1/10以下、さらには
1/20以下等)、光導電層2と電荷輸送層3との界面と
導電体層5との間は、その薄さに応じて蓄積電荷(負電
荷)により非常に強い電場(強電界)が形成される。ま
た、電荷輸送層3は正電荷に対しては導電体として作用
するものであるから、光導電層4に生じた正電荷は蓄積
電荷に引きつけられるように電荷輸送層3の中を急速に
移動し、光導電層2と電荷輸送層3との界面で蓄積電荷
と電荷再結合をし消滅する(図4(C)参照)。一方、光導
電層4に生じた負電荷は導電体層5の正電荷と電荷再結
合をし消滅する(図4(C)参照)。光導電層4は読取光L2
により十分な光量でもって走査露光されており、光導電
層2と電荷輸送層3との界面に蓄積されている蓄積電
荷、即ち静電潜像が全て電荷再結合により消滅せしめら
れる。このように、静電記録体10に蓄積されていた電荷
が消滅するということは、静電記録体10に電荷の移動に
よる電流Iが流れたことを意味するものであり、この状
態は静電記録体10を電流量が蓄積電荷量に依存する電流
源で表した図4(D)のような等価回路でもって示すことが
できる。
【0095】なお、上述のように、読取用光導電層4と
電荷輸送層3との厚さの和が記録用光導電層2の厚さに
較べて薄ければ薄いほど読取時には強電界が形成され、
電荷の移動も急速に行われるようになるので、読取を高
速に行うことができるようになる。さらに、電荷輸送層
3における負電荷の移動度が正電荷の移動度より十分小
さければ(例えば1/103 以下)、蓄積電荷の蓄積性
が向上し、もって静電潜像の保存性が向上することとな
る。
【0096】上記説明による静電潜像記録過程と静電潜
像読取過程について、コンデンサモデルを用いて簡単に
説明する。図5は、静電記録体10をコンデンサモデルに
よる電気的等価回路図により表したものである。図5中
*aは光導電層2の分布容量、C*bは電荷輸送層3と光
導電層4との分布容量、SW*aは光導電層2の光スイッ
チ、SW*bは電荷輸送層3と光導電層4との光スイッチ、
*aは光量に依存する光導電層2の可変抵抗器、R*b
光量に依存する電荷輸送層3と光導電層4との可変抵抗
器を示す。なお、C*a等のサフィックス*は1,2,・・・・,n
を表し、基本的には画素を示すものである。図6は、図
5に示す静電記録体10のコンデンサモデルによる電気的
等価回路図に基づき、被写体9の透過部9aと遮光部9bと
に分けて表したものである。記録過程においては、最初
に直流電圧Edが静電記録体10に印加されるから、分布容
量C*bとC*bは帯電せしめられる(図6(A)参照)。
【0097】透過部9aは記録光L1の照射により、光スイ
ッチSW*aがオンし光量に応じて可変抵抗R*aの抵抗値が
変わり、分布容量C*bのみが帯電せしめられるようにな
る(図6(B)参照)。これが、静電潜像記録過程であり、
分布容量C*bに静電潜像が記録されたことになる。次に
電源60を取り外した後、分布容量C*aとC*bとを接続
し、両分布容量を同電位(電荷再配列)にする(図6(C)
参照)。ここで、読取光L2を露光することにより、光ス
イッチSW*bがオンし光量に応じて可変抵抗R*bの抵抗値
が変わり、分布容量C*aから電流Iが流れるようにな
り、静電潜像が読み出されることになる(図6(D)参
照)。
【0098】一方、遮光部9bは記録光L1が光スイッチSW
*aをオンさせることがなく、分布容量C*aおよびC*b
何れにも変化を与えない(図6(E)参照)。このため、読
取時に、分布容量C*aとC*bとを接続すると両分布容量
ともに放電状態となる(図6(F) 参照)。このような状
態で読取光L2を露光しても分布容量C*aから電流が流れ
ることはない(図6(G)参照)。
【0099】このように、読取光L2を走査露光しなが
ら、静電記録体10から流れ出す電流を検出することによ
り、走査露光された各部(画素に対応する)の蓄積電荷
量を順次読み取ることができ、これにより静電潜像を読
み取るようになる。また、光導電層2と電荷輸送層3と
の界面と導電体層5との間は、非常に強い電場が形成さ
れていることから、極めて高速に蓄積電荷を消滅させる
ことができ、このことは静電潜像の読取りの応答性が極
めて高速であることを意味する。
【0100】また、一般に、静電潜像を読み取る際に
は、蓄積電荷が消滅することによる信号電流の他に、静
電記録体に蓄積している全電荷の量に比例する暗電流も
流れ、信号電流は暗電流に重畳して検出されることとな
る。これは、読み取られた静電潜像に暗電流によるノイ
ズが含まれることを意味する。本例においては蓄積電荷
量は被写体9を透過してきた記録光L1の強さに比例する
ものであり、記録光L1が弱いときには蓄積電荷量も少な
く、蓄積電荷量が少なければ暗電流も少なくなり、読取
画像は高画質となる。さらに、このようにして静電潜像
が読み出された後の静電記録体10には、蓄積電荷は存在
しないことになるから、静電記録体10に改めて静電潜像
を記録するに際して消去を行うプロセスが不要であり、
直ちに上記記録過程を行うことが可能である。
【0101】本発明による静電記録体に使用される材料
は上述の例に限らず、種々の材料変更が可能である。
【0102】例えば、電荷輸送層3として、その膜厚垂
直方向の電荷移動度を膜厚水平方向の電荷移動度よりも
大きいものを使用すれば、輸送極性電荷が厚み方向には
高速で移動でき横方向には移動しにくい電荷輸送層3と
することができるので、鮮鋭度を向上させることができ
る。具体的な材料としては、ディスコティック液晶,ヘ
キサペンチロキシトリフェニレン(hexapentyloxytriph
enylene(Physical Review LETTERS 70.4,1933参
照)),中心部コアがπ共役縮合環あるいは遷移金属を
含有するディスコティック液晶群(EKISHO VOL No.1 19
97 P55参照)等が好適である。
【0103】また、この電荷輸送層3を、記録用導電体
層2に帯電される電荷すなわち潜像極性電荷と同極性の
電荷に対しては略絶縁体として作用する性質を有する材
料からなる第1の電荷輸送層と、潜像極性電荷と逆極性
の電荷すなわち輸送極性電荷に対して略導電体として作
用する性質を有する材料からなる第2の電荷輸送層とを
少なくとも含み、第1の電荷輸送層が記録用光導電層4
側となり第2の電荷輸送層が読取用光導電層2側となる
ように積層したものとすれば、第2の電荷輸送層に輸送
極性電荷の高速輸送性を受け持たせ、第1の電荷輸送層
に潜像極性電荷に対して強い絶縁性を受け持たせること
ができるので、電荷輸送層として理想的なものにするこ
とができる。具体的には、第1の電荷輸送層がPVKあ
るいはTPDのうち少なくとも一方からなる層であり、
第2の電荷輸送層がClを10〜200ppmドープし
たa−Se層とすればよい。この際、第2の電荷輸送層
の方が第1の電荷輸送層よりも膜厚を厚くするのが望ま
しい。
【0104】また、PVKからなる層とTPDからなる
層を比較すると、PVKからなる層は、潜像極性電荷
(上記例では負極性)と同極性の電荷に対しては略絶縁
体として作用する性質がTPDからなる層より強く、T
PDからなる層は、輸送極性電荷(上記例では正極性)
に対して略導電体として作用する性質がPVKからなる
層より強いので、TPDからなる層とPVKからなる層
とを、TPDからなる層が読取用光導電層側となりPV
Kからなる層が記録用光導電層側となるように積層した
電荷輸送層としてもよい。
【0105】なお、2層に限らず、さらに複数の層から
なるものとしてもよいが、この場合に各層を積層する際
には、各層の上記各性質を夫々比較したときに、潜像極
性電荷と同極性の電荷に対しては略絶縁体として作用す
る性質が比較的強い層が記録用光導電層側となり、輸送
極性電荷に対して略導電体として作用する性質が比較的
強い層が読取用光導電層側となるように積層すればよ
い。
【0106】また、読取用光導電層4としては、近紫外
から青の領域の波長(300〜550nm)の電磁波に
対して高い感度を有し、赤の領域の波長(700nm以
上)の電磁波に対して低い感度を有するもの、具体的に
は、a−Se,PbI2,Bi12(Ge,Si)O2
0,ペリレンビスイミド(R=n−プロピル),ペリレ
ンビスイミド(R=n−ネオペンチル)のうち少なくと
も1つを主成分とする光導電性物質を使用すれば、バン
ドギャップが大きく熱による暗電流の発生が小さい読取
用光導電層4にすることができるので、読み取り時に、
近紫外から青の領域の波長の電磁波を走査露光するよう
にすれば、暗電流によるノイズを小さくすることができ
る。
【0107】次に図7および図8を参照して本発明にか
かる静電記録体の第2の実施の形態について詳細に説明
する。なお、図8において、図1中の要素と同等の要素
には同番号を付し、それらについての説明は特に必要の
ない限り省略する。
【0108】この第2の実施の形態にかかる静電記録体
11は、積層構造においては第1の実施の形態にかかる静
電記録体10と同じであるが、読取用光導電層4aが記録光
L1の照射を受けることによっても導電性を呈する材質の
もの(例えば、a−Se,Se−Te,Se−As,S
e−As−Te合金等)を使用している点において異な
る。
【0109】上記説明と同様の記録読取システムを用い
て、この静電記録体11に静電潜像を記録する方法につい
て説明する。当該システムの操作方法は上記説明と何ら
異なるところがないが、記録光L1が大量に照射されたと
きの記録用光導電層2と電荷輸送層3との界面に蓄積さ
れる電荷量が静電記録体10を用いた場合と異なる。以下
この点について詳細に説明する。
【0110】記録用光導電層2と電荷輸送層3との界面
に蓄積する電荷の量は記録光L1の光量に略比例するか
ら、静電記録体10を用いた場合には記録光L1の照射量が
多いときほど蓄積電荷量も多くなる(図7の直線a参
照)。一方、静電潜像を読み取るときには、静電記録体
の総蓄積電荷量が多いほど暗電流も大きくなり、読取時
のS/Nを悪化させるという問題を生じることが知られ
ている。
【0111】ところで、記録光L1の光量が十分大きいと
きには、記録光L1は記録用光導電層2で電荷対を発生さ
せ記録用光導電層2と電荷輸送層3との界面に多数の電
荷を蓄積せしめるのみならず、一部は電荷蓄積に寄与せ
ず、光導電層2や電荷輸送層3を透過し読取用光導電層
4に達するものも存在する。
【0112】静電記録体11の読取用光導電層4は、記録
光L1の照射によっても導電性を呈するものであるから、
読取用光導電層4の内部では電荷輸送層3を透過してき
た記録光L1を受けて正負の電荷対が発生するようになる
(図8(A)参照)。なお、第1の実施の形態と同様に、記
録光L1の照射によって生成される負電荷(−)および正
電荷(+)を、図面上では−または+を○で囲んで表す
ものとする。
【0113】電荷輸送層3には記録用光導電層2と電荷
輸送層3との界面に蓄積された電荷と導電体層5との電
荷による電界が発生しており、電荷輸送層3は正電荷に
対して導電体として作用するから、読取用光導電層4で
発生した正電荷は記録用光導電層2と電荷輸送層3との
界面に引きつけられ(図8(B)参照)、界面まで達した正
電荷と界面に蓄積されている負電荷との間で電荷再結合
が行われ、両電荷が消滅する(図8(C)参照)。この作用
は光量が少ないときにも起こり得るものではあるが、そ
の量は記録光L1の光量、即ち蓄積電荷量の増大に応じて
増えていくものであるため、光量に略比例して蓄積電荷
量が増えていくということには変わりがない。
【0114】一方、読取用光導電層4まで達する記録光
L1の光量が所定の光量より多くなったときには、いわゆ
るアバランシェ効果に類する作用が働くようになり、読
取用光導電層4の内部で正負の電荷対の発生を急激に増
大せしめるようになる(図7の曲線b参照)。このた
め、記録光L1が所定の光量を越えて大量に照射されるよ
うになると、蓄積電荷量は記録光L1の光量に略比例して
増大するのではなく、増大の程度が急激に減少し、過度
に蓄積電荷量が増えるということがなくなる(図7の曲
線c参照)。
【0115】一般に、被写体の画像を忠実に反映する静
電潜像を記録するためには、記録光L1の所定の範囲(有
効画像範囲)で蓄積電荷量が線形に変化するもので有れ
ば十分であり、所定の量以上の記録光L1が照射されたと
ころは、いわゆる素抜け部といわれる所であるから、画
像情報としては重要なところではなく、記録光L1に比例
して蓄積電荷量が増大するということを必要としない。
むしろ、蓄積電荷量が多いことによる暗電流の増大と、
これによる読取画像のS/Nの悪化の方が問題となって
くる。
【0116】このため、第2の実施の形態にかかる静電
記録体11を用いることにより、記録光L1が大量に照射さ
れた場合においても、過度に蓄積電荷量が増えるという
ことがなくなり、静電潜像を読み取るに際して暗電流を
減少せしめ、もって静電潜像読取時のS/N改善に寄与
することが可能となる。また、第1の実施の形態にかか
る静電記録体10を用いた記録読取システムをそのまま使
用することができ、静電記録体10を第2の実施に形態に
かかる静電記録体11に変更するだけでよく、また、静電
記録体11の積層構造を容易に形成することができるの
で、記録光L1が大量に照射される場合の静電潜像読取時
のS/N改善を極めて容易に実現することができる。
【0117】次に図9を参照して本発明にかかる静電記
録体の第3の実施の形態について詳細に説明する。な
お、この図9において、図1中の要素と同等の要素には
同番号を付し、それらについての説明は特に必要のない
限り省略する。
【0118】この第3の実施の形態にかかる静電記録体
12は、図9に示すように導電体層1の表面にX線(記録
光)L1を他の波長領域の光(例えば、青色光)L3に波長
変換するいわゆるX線シンチレータといわれる波長変換
層6を積層したものである。この波長変換層6として
は、例えばヨウ化セシウム(CsI)等を用いるのが好適
である。
【0119】導電体層1は青色光L3に対して透過性を有
するものであり、記録用光導電層2は青色光L3の照射を
受けることにより導電性を呈するものであり、上記第1
または第2の実施の形態にかかる静電記録体10と同様な
ものが使用できる。なお、本例においては青色光L3によ
って静電潜像を記録せしめるものであり、導電体層1は
X線を透過させるものである必要はなく、また、記録用
光導電層2はX線の照射を受けることにより導電性を呈
するものである必要はない。以下、図2と同様の記録読
取システムを用いて静電記録体12に静電潜像を記録する
方法について説明する。
【0120】記録光L1は被写体9の透過部9aを透過し波
長変換層6に入射する。波長変換層6は、記録光L1を青
光L3に波長変換するものであり、この変換効率が高いも
の程好ましい(例えばヨウ化セシウム(CsI)は、この
変換効率が高い)。波長変換された青色光L3は導電体層
1を透過し、光導電層2を照射する。アモルファスセレ
ンを用いた光導電層2は青色光L3に対して極めて効率よ
く導電性を呈するものである。したがって、静電記録体
10を用いたときには記録光L1の一部に電荷蓄積に寄与せ
ず、光導電層2を透過してしまうものも存在していたの
に対して、この静電記録体12を用いれば、記録光L1直接
ではなく波長変換された青色光L3により極めて効率よく
光導電層2において正負の電荷対を発生せしめることが
できるようになる。また上述のようにヨウ化セシウム
(CsI)を用いた場合、波長変換層の変換効率も高いの
で、記録光L1の照射量を少なくしても十分に多く電荷を
蓄積せしめることができるようになり、もって被写体に
対しての被爆線量を低く抑えることができるようにな
る。
【0121】また、波長変換層6として、記録光L1をそ
の他の波長領域の光(例えば、赤色光)L4にも波長変換
するものを使用し(例えば、Y2O3:Eu、YVO4:Euなどの
赤色光に発光する蛍光体とCsI等青色光に発光する蛍光
体を混合したシンチレータ)、光導電層4がこの赤色光
L4によっても光導電性を呈するもの(例えば、無金属フ
タロシアニン、金属フタロシアニン等)を使用すれば、
アモルファスセレンを用いた光導電層2は赤色光L4に対
しては光導電性を呈さず光導電層2および電荷転送層3
を透過するから、波長変換された赤色光L4の一部には光
導電層4を照射するものが存在し、この赤色光L4により
光導電層4は導電性を呈するようになる。このため、上
記第2の実施の形態にかかる静電記録体11と同様に、記
録光L1が大量に照射された場合においても、過度に蓄積
電荷量が増えるということがなくなり、静電潜像を読み
取るに際して暗電流を減少せしめ、もって静電潜像読取
時のS/N改善に寄与することも可能となる。
【0122】次に図10を参照して本発明にかかる静電記
録体の第4の実施の形態について詳細に説明する。な
お、この図10において、図1中の要素と同等の要素には
同番号を付し、それらについての説明は特に必要のない
限り省略する。
【0123】この第4の実施の形態にかかる静電記録体
13は、図10(A) に示すように導電体層1と光導電層2と
の間にブロッキング層7aを積層した点において第1の実
施の形態にかかる静電記録体10と異なる。このブロッキ
ング層7aは、500Å程度のAl2O3 等の障壁であって障
壁電位を有している。静電記録体10等のように、ブロッ
キング層7aがない場合には、導電体層1に帯電した負電
荷の一部には光導電層2に直接注入されるものが存在
し、光導電層2に直接注入された負電荷が蓄積電荷とし
て光導電層2と電荷輸送層3との界面に蓄積されるよう
になる。この電荷は記録光L1の照射により発生したもの
ではないため、いわゆるノイズ成分となるものである。
一方、ブロッキング層7aによる障壁電位を設けた場合に
は、導電体層1に帯電した電荷(本例においては負電
荷)は、障壁電位のため、光導電層2に注入されるよう
なことがなくなり、負電荷の直接注入によるノイズの発
生を防止できるようになる。
【0124】一方、導電体層5に帯電した電荷(本例に
おいては正電荷)の一部には光導電層4に直接注入され
るものが存在し、光導電層4に直接注入された正電荷が
電荷輸送層3を移動し、蓄積電荷と電荷再結合を行い蓄
積電荷を消滅せしめるようになる。この電荷再結合によ
る蓄積電荷の消滅は読取光L2の照射により生ずるもので
はないため、いわゆるノイズ成分となるものである。こ
のため、図10(B) に示す静電記録体14のように導電体層
5と光導電層4との間に500Å程度のCeO2等のブロッ
キング層7bを積層することにより、導電体層5に帯電し
た正電荷は、上記同様に障壁電位のため光導電層4に注
入されるようなことがなくなり、正電荷の直接注入によ
るノイズの発生を防止できるようになる。
【0125】次に図11を参照して本発明にかかる静電記
録体の第5の実施の形態について詳細に説明する。な
お、この図11において、図1中の要素と同等の要素には
同番号を付し、それらについての説明は特に必要のない
限り省略する。
【0126】図11は第5の実施の形態にかかる静電記録
体15の斜視図であり、導電体層5がクシ歯状に形成され
ている点において、上記第1の実施の形態にかかる静電
記録体10等と異なる。なお、クシ歯5aの間5bが読取光L2
に対して遮光性を有するものとするのが好ましい。
【0127】この静電記録体15に静電潜像を記録するに
は、上記図2と同様の記録読取システムを用いることが
できるが、光導電層2と電荷輸送層3との界面での電荷
の蓄積の仕方が上述の静電記録体10等とは異なる。以下
静電記録体15の横断面図(図12)を参照して静電潜像の
記録方法について詳細に説明する。静電潜像を記録する
ときは図2と同様に、最初に導電体層1と導電体層5の
クシ歯5aとの間に直流電圧を印加し両導電体層を帯電さ
せる。これにより、導電体層1と導電体層5のクシ歯5a
との間にはUの字状の電界が形成され、光導電層2の大
部分の所は概略平行な電場が存在するが、光導電層2と
電荷輸送層3との界面には電界が存在しない部分が生じ
ることとなる(図12(A) の矢印Zを参照)。電荷輸送層
3と光導電層4とを合わせた厚さが光導電層2の厚さに
較べて薄いほど、また、クシ歯5aの幅とピッチとの比が
小さいほど(75%以下であれば良好である)、さらに電
荷輸送層3と光導電層4の厚みがクシ歯5aのピッチと略
同等若しくはそれ以下であるほど、このような電界の存
在しない部分が明確に形成される。
【0128】このような状態で記録光L1を被写体9に爆
射すると、透過部9aを透過した記録光L1により発生せし
められる正負の電荷対のうちの負電荷は電界分布に沿っ
てクシ歯5aに集中せしめられることとなり(図12(B) 参
照)、クシ歯5aを中心として静電潜像が記録されるよう
になる(図12(C) 参照)。なお、記録光L1の露光により
発生する正負の電荷対のうちの正電荷が導電体層1に引
き寄せられて消滅するのは上記静電記録体10と同様であ
る。
【0129】特に、記録光L1の光量が少ないときには、
負電荷はクシ歯5aの中心に引き寄せられて各クシ歯毎に
蓄積電荷が分離されるようになり、また、蓄積電荷は各
クシ歯5aの並びに合わせて蓄積せしめられるから、クシ
歯5aのピッチを狭くすることにより、高い鮮鋭度(空間
解像度)をもって静電潜像を記録することができるよう
になる。半導体形成技術の進歩した今日にあっては、ク
シ歯5aを十分に狭い間隔でもって形成することは容易な
ことであるから、上記本発明にかかる静電記録体15を容
易に製造することができる。
【0130】次に静電記録体15の静電潜像記録過程およ
び読取過程について、図13に示す記録読取システムを参
照して説明する。図13(A)に示すように、このシステ
ムは、静電記録体15,流検出手段71,記録用照射手段90
および読取用露光手段93からなり、読取用露光手段93
は、ライン状に略一様な読取光L2を導電体層5のクシ歯
5aと概略直交させつつ、クシ歯5aの長手方向(図中の矢
印方向)に走査露光するものである(このような露光手
段をライン状露光手段という)。このように静電記録体
15を用いれば、レーザビームによることなく、読取用露
光手段93をライン状露光手段による構成とすることが可
能であり、走査光学系の構成が極めて簡易で低コストな
もので読取装置を構成することが可能となる。また、イ
ンコヒーレントな光源が使用できることになるため、干
渉縞ノイズの発生を防止することも可能となる。尚、上
述の図2のようなビーム状の読取光を走査露光する装置
により構成することも可能である。
【0131】電流検出手段71は導電体層5の各クシ歯5a
毎に接続された多数の電流検出アンプ71a を有してお
り、読取光L2の露光により各クシ歯5aに流れる電流をク
シ歯5a毎に並列的に検出するものである。静電記録体15
の導電体層1は接続手段71b の一方の入力および電源71
c の負極に接続されており、電源71c の正極は接続手段
71b の他方の入力に接続されている。接続手段71b の出
力は各電流検出アンプ71a に接続されている(図13
(B)参照)。
【0132】図13(B)は、静電記録体15の側断面とと
もに電流検出手段71を詳細に示したブロック図である。
以下図13(B)を参照して、静電記録体15に静電潜像を
記録し、該読静電記録体15から静電潜像を読み取る方法
について説明する。
【0133】先ず接続手段71b を電源71c の正極側に接
続して第1の実施の形態と同様の方法により静電潜像を
静電記録体15に記録する。記録終了後、接続手段71b を
静電記録体15の導電体層1側に接続する。読取用露光手
段93により読取光L2を走査露光することにより、静電記
録体15の導電層1から電流検出アンプ71a を介して導電
層5の各クシ歯5aに電流Iが流れる。各電流検出アンプ
71a においては、この電流Iによって積分コンデンサ71
e が充電され、流れる電流量に応じて積分コンデンサ71
e に電荷が蓄積され、積分コンデンサ71e の両端の電圧
が上昇する。したがって、走査露光中の画素と画素の間
に接続手段71f をオンして積分コンデンサ71e に蓄積さ
れた電荷を放電させることにより、積分コンデンサ71e
の両端には次々と画素毎の蓄積電荷に対応して電圧の変
化が観測されることとなる。この電圧の変化は、静電記
録体15に蓄積されていた各画素毎の電荷と対応するもの
であるから、電圧の変化を検出することによって静電潜
像を読み出すことができるようになる。
【0134】このように、ライン状露光手段を用いた読
取用露光手段93により、静電記録体15から静電潜像を読
み取ることとすれば、導電体層5がクシ歯状になってい
るから電荷輸送層3と光導電層4とによる分布容量が小
さくなり、電流検出手段71はノイズの影響を受けにくく
なると共に、画素ピクセルを少なくともクシ歯間隔で固
定することができるので、クシ歯5aの配置に合わせて画
像データの補正を行い、ストラクチャーノイズの補正を
正確に行うことができるようになる。
【0135】また、導電体層5のクシ歯5aと蓄積電荷が
引き合っており、その電場にしたがって読取光L2の照射
により発生せしめられる正電荷が蓄積電荷を消去しやす
くなり、静電潜像読取時においても鮮鋭度を高く維持す
ることが可能となり、特に記録時の低光量側(即ち、蓄
積電荷量の少ないとき)においてその効果が高い。さら
に、クシ歯5aの近傍において光導電層4の電界強度が強
くなるから、この強い電界において読取光L2による電荷
対が発生せしめられるので、励起子のイオン解離の効率
が上昇し、電荷対の発生の量子効率を1に近づけること
が可能となり、もって光エネルギ密度を小さくできるよ
うになる。さらに電荷輸送層3と読取用光導電層4の容
量を小さくすることができ、読み取り時の信号取り出し
効率を大きくすることができる。
【0136】さらに、図14に示すようにクシ歯5aの間5b
が読取光L2に対して遮光性を有するものとするとともに
クシ歯5aの長手方向(走査方向)にも所定間隔で遮光部
と透過部とを設けることも可能であり、この場合、いわ
ゆる簀の子の目に相当する部分が読取光透過部として形
成され、クシ歯5aの長手方向に対しても静電潜像読取時
において隣接する読取光透過部との光漏れによる空間解
像度の低下を避けることができるようになり、実質的に
小さなスポットビームにより並列的に走査露光している
こととなり、読取光L2をさほど収束させなくても極めて
高い鮮鋭度の読取画像を得ることができるようになる。
【0137】次に図15を参照して本発明にかかる静電記
録体の第6の実施の形態について詳細に説明する。な
お、この図15において、図11中の要素と同等の要素には
同番号を付し、それらについての説明は特に必要のない
限り省略する。
【0138】図15(A) は第6の実施の形態にかかる静電
記録体16の斜視図であり、上記静電記録体15のクシ歯状
の導電体層5の表面に、さらに共に読取光L2に対して透
過性を有する絶縁層8cとクシ歯状の導電体層8とを積層
したものであり、このクシ歯8aが導電体層5のクシ歯5a
と略直交して形成されている。図15(B),(C) は、それぞ
れ図15(A) のXZ平面、XY平面の断面図を示したもの
である。
【0139】この静電記録体16に静電潜像を記録する方
法について図16を参照して説明する。静電潜像を記録す
るときは、最初に導電体層1と導電体層8のクシ歯8aと
の間に直流電圧を印加し両導電体を帯電させる。なお、
導電体層5のクシ歯5aには直流電圧を一切印加しないの
が望ましい。このようにすると、導電体層5と導電体層
8との間には、図16(B),(C) に示されるような分布の電
界が形成される。即ち、図16(B) のように導電体層8の
クシ歯8aの長手方向と導電体層5のクシ歯5aによる、導
電体層8のクシ歯8aから導電体層5のクシ歯5aへ向かっ
てUの字状に収束せしめられる電界と、図16(C) のよう
に導電体層8のクシ歯8aと導電体層5のクシ歯5aの長手
方向による、導電体層8のクシ歯8aから導電体層5のク
シ歯5aへ向かってUの字状に拡散せしめられる電界とが
形成される。導電体層5と導電体層1との間の電界分布
の形成のされ方は、上記第5の実施の形態にかかる静電
記録体15の場合と同様である。したがって、導電体層5
と導電体層8の両クシ歯5a,8aによって形成される最終
的な電界の分布は、両クシ歯5a,8aを重ねて表した図16
(D) に示すように、両クシ歯5a,8aの交差する所を中心
とする略等高線状の電界が形成されることとなる。
【0140】このような状態で図2による記録読取シス
テムと同様にして、記録光L1を被写体9に爆射すると、
透過部9aを透過した記録光L1による蓄積電荷は両クシ歯
5a,8aの交差する所に集中せしめられることとなり、静
電記録体15よりも一層高い鮮鋭度をもって静電潜像を記
録することができるようになる。なお、クシ歯の幅とピ
ッチとの比を小さく(例えば75%以下)することによ
り、さらに鮮鋭度を高めることができ、また、クシ歯8a
の間8bを読取光L2に対して遮光性を有するもの(例え
ば、顔料(カーボンブラック等)を若干量分散させた高
分子材料(ポリエチレン等)等)とすれば一層この効果
が顕著になる。
【0141】このようにして静電潜像が記録された静電
記録体16から静電潜像を読み出すには、上述の静電記録
体15等と同様の方法を用いて、導電体層1と導電体層5a
との間で流れる電流を検出すればよい。この際、導電体
層8aのクシ歯はそのまま放置するのが好ましい。このよ
うにして、静電記録体16から静電潜像を読み出すことに
より、特に、画素ピクセルが両クシ歯方向に固定するこ
とができるようになるので、両クシ歯の配置に合わせて
ストラクチャーノイズの補正を一層正確に行うことがで
きるようになる。
【0142】次に本発明にかかる他の静電潜像読取装置
の実施の形態について説明する。なお、上記第1の実施
の形態にかかる静電記録体10を用いた読取装置を第1の
実施の形態にかかる静電潜像読取装置といい、上記第5
の実施の形態にかかる静電記録体15を用いた読取装置を
第2の実施の形態にかかる静電潜像読取装置というもの
とする。
【0143】第1および第2の実施の形態にかかる静電
潜像読取装置の何れにおいても、読取用露光手段92また
は93が、読取光L2を定常発光するものを前提としてい
る。第3の実施の形態にかかる静電潜像読取装置は、読
取装置としての構成は第1または第2の実施の形態にか
かる静電潜像読取装置と異なるところはないが(構成の
図面は省略する)、読取用露光手段94が読取光L2をパル
ス状に発光する点で異なる。以下その作用について図17
を参照して説明する。
【0144】静電潜像が蓄積電荷として記録された静電
記録体(例えば静電記録体10等)から静電潜像を読み出
すときには、上述のように各画素の蓄積電荷の総量に略
比例する暗電流が生じ、この暗電流は読出画素に拘わら
ず電流検出をしている間一様に流れ、読取画像のノイズ
成分となるものである。したがって、仮に読出画素(画
素幅W、ピッチP)に対応して蓄積電荷Qが図17(A) の
ようになっているものとすれば、定常発光している読取
光L2によってこの蓄積電荷を読出時間T1で読み出したと
きに検出される電流は、図17(B) に示すように蓄積電荷
の総量に比例する暗電流の上に信号電流が重畳されたも
のとして表すことができる。
【0145】一方、図17(C) に示すように読取用露光手
段94が読取光L2を画素にあわせてパルス状(T1>T2)に
十分強い光を発光するものとしたときには、図17(D) に
示すように蓄積電荷は、このパルス光が露光されている
ときに読み出されるようになる。ここで、電流は電荷の
時間微分で表されるものであるから、それぞれの画素に
対応して読み出される電荷量が同じであっても、その電
荷を短い時間で読み出すほど大きな電流として検出され
ることとなり、パルス光で読み出したときには図17(E)
に示すように、図17(B) より大きな電流が検出されるよ
うになる。このように、読取光を画素に対応してパルス
状に短い間隔で発光させて静電潜像を読み取ることによ
り、蓄積電荷量が少ない画素であっても十分に大きな電
流として検出することができ、読み取られた画像のS/
Nを飛躍的に改善することができるようになる。
【0146】次に図18を参照して本発明にかかる静電潜
像読取装置の第4の実施の形態について詳細に説明す
る。なお、この図18において、図2中の要素と同等の要
素には同番号を付し、それらについての説明は特に必要
のない限り省略する。この第4の実施の形態にかかる静
電潜像読取装置は、上記図2における電流検出手段70を
図18に示す電流検出手段72に置き換えたものである(構
成図は省略する。以下の説明においては、図2の電流検
出手段7Oを電流検出手段72として、静電記録体10を静電
記録体17として考えればよい)。図18は静電潜像読取時
の概略ブロック図であり、静電記録体17、電流検出手段
72、読取用露光手段95とからなる。静電記録体17は上記
説明による何れの静電記録体であってもよく、また、読
取用露光手段95は上記ビーム状に走査露光するもの、ラ
イン状に走査露光するものの何れであってもよく、さら
に、パルス状に発光するものであるか否かも問わない。
【0147】電流検出手段72は、オペアンプからなる検
出アンプ72a、 オペアンプの出力と入力端子の一方との
間に接続された積分コンデンサ72b 、この積分コンデン
サ72bに並列接続された選択的に開閉可能な接続手段72c
とからなる。前記入力端子の一端は静電記録体17の導電
層1と接続され、入力端子の他方は静電記録体17の導電
層5と接続されている。
【0148】以下図2および図18を参照して、静電記録
体17から静電潜像を読み取る方法について説明する。上
記図2に示す記録読取システムと同様に、最初に接続手
段S1を開放し電源供給を停止すると共に、S2を一旦接地
側に接続し(図2参照)、静電潜像が記録された静電記
録体17の導電体層1および5を同じように帯電させた
後、接続手段S2を電流検出手段72側に接続する(この状
態が図18に示すものである)。
【0149】このような構成の静電潜像読取装置におい
ては、読取用露光手段95により読取光L2を走査露光する
ことにより、電流Iが静電記録体17の導電層1から電流
検出手段72に向かって流れ出す。この電流によって積分
コンデンサ72b が充電され、流れ込む電流量に応じて積
分コンデンサ72b に電荷が蓄積され、積分コンデンサ72
b の両端の電圧が上昇する。したがって、走査露光中の
画素と画素の間に接続手段72c をオンして積分コンデン
サ72b に蓄積された電荷を放電させることにより、積分
コンデンサ72b の両端には次々と画素毎の蓄積電荷に対
応して電圧の変化が観測されることとなる。この電圧の
変化は、静電記録体17に蓄積されていた各画素毎の電荷
と対応するものであるから、電圧の変化を検出すること
によって静電潜像を読み出すことができるようになる。
【0150】この第4の実施の形態にかかる静電潜像読
取装置によっても、図2に示すものと同等の作用効果を
得ることができ、装置の構成も図2における読取装置部
と同様に簡易であるから、上記各種の静電記録体を用い
た静電潜像読取装置を極めて簡易な装置でもって実現す
ることがきる。
【0151】次に図19を参照して本発明にかかる静電潜
像読取装置の第5の実施の形態について詳細に説明す
る。なお、この図19において、図2中の要素と同等の要
素には同番号を付し、それらについての説明は特に必要
のない限り省略する。この第5の実施の形態にかかる静
電潜像読取装置は、上記図2における電流検出手段70の
電流検出入力部にバイアス電源73a を挿入したものであ
る(構成図は省略する)。図19は静電潜像読取時の概略
ブロック図であり、静電記録体17、電流検出手段73、読
取用露光手段95とからなる。静電記録体17は上記説明に
よる何れの静電記録体であってもよく、また、読取用露
光手段95は上記ビーム状に走査露光するもの、ライン状
に走査露光するものの何れであってもよく、さらに、パ
ルス状に発光するものであるか否かも問わない。
【0152】電流検出手段73は、図2の電流検出手段70
にバイアス電源73a を挿入したものであり、これにより
静電潜像の読み取りはバイアス電源73aが挿入されてい
るのみで上記図2における読み出しと何ら変わるところ
はない。バイアス電源73a は、静電潜像を記録する際に
用いられる直流電源60と異なるものであってもよいし、
接続手段S1,S2 の接続法方を換えて共用するようにして
もよい。
【0153】このように、バイアス電源73aにより電圧
を加えることによって読み出しの速度をさらに速くする
ことが可能となり、また、静電潜像を確実に消去するこ
とが可能となる。このため、連続撮影時においてもノイ
ズを発生させることもない。
【0154】さらに、この第5の実施の形態にかかる静
電潜像読取装置によっても、図2に示すものと同等の作
用効果を得ることができ、装置の構成も図2における読
取装置部と同様に簡易であるから、上記各種の静電記録
体を用いた静電潜像読取装置を極めて簡易な装置でもっ
て実現することができる。
【0155】次に前露光を行うようにした記録読取シス
テムについて説明する。先ず、前露光について説明す
る。
【0156】本発明による上記記録読取システムにおい
ては、静電記録体から静電潜像を読み取ったとき、蓄積
されている潜像電荷を、基本的には全て読み出すことが
できるが、場合によっては潜像電荷を完全に読み出すこ
とができず静電記録体に残留電荷として読み残すことが
ある。また、静電記録体に静電潜像を記録するとき、記
録光の照射の前に静電記録体に高圧を印加するが、この
印加の際に暗電流が発生し、それによる電荷(暗電流電
荷)も静電記録体に蓄積される。さらに、これら以外の
原因によっても静電記録体に種々な電荷が記録光の照射
の前に蓄積されることが知られている。これら残留電
荷,暗電流電荷等の記録光の照射の前に蓄積される不要
電荷は、記録光を照射することにより蓄積される画像情
報を担持する電荷に加算されることになるから、結局静
電記録体から静電潜像を読み取ったとき、出力される信
号には画像情報を担持する電荷に基づく信号以外に不要
電荷による信号成分が含まれることになり、残像現象や
S/N劣化等の問題を生じる。
【0157】「前露光」は、この記録光を静電記録体に
照射する前に静電記録体に蓄積されている不要電荷を消
去し、残像現象やS/N劣化等の問題を解消するための
ものである。
【0158】図20は、前露光,記録光および読取光と、
静電記録体に印加する高圧および該静電記録体に蓄積さ
れる電荷の関係を示したタイミングチャートである。
【0159】期間t0以前には読み残しによる残留電荷Q1
が静電記録体に蓄積されている。静電記録体に高圧を印
加する前(期間t0〜t1)に前露光を行うと、この電荷Q1
を減少させることができる。t1で静電記録体に高圧を印
加すると、それまでに蓄積されていた電荷に更に暗電流
による暗電流電荷が重畳される。したがって、静電記録
体に高圧を印加する前に前露光を行なわないときには電
荷Q2が、前露光を行なったときには電荷Q2’が蓄積され
る。次に、期間t2〜t4で前露光を行うと、この電荷Q2を
減少させることができる。前露光を行う時間によって、
静電記録体に残留する電荷の量が異なるのは勿論であ
る。例えば図20に示すように、t2からt4まで前露光を行
って電荷を完全に減少させた後にt5で記録光を照射すれ
ば、静電記録体には画像情報だけを担持する電荷Q3を蓄
積させることができる。したがって、t7で読取光を照射
すれば、画像情報だけを担持する電荷Q3に基づいて信号
を取り出すことができ、残像現象やS/N劣化等の問題
を解消することができる。
【0160】図21は、上記前露光を行うようにした静電
潜像記録読取システムを示した概要図である。図21に示
すように、この記録読取システムは、静電記録体10、記
録用照射手段90、電源60、電流検出手段70、読取用露光
手段92、前露光手段96および接続手段S1、S2からなる。
図2と比べると明らかなように、図2に示した静電潜像
記録読取システムに前露光手段96を更に設けたものとな
っている。
【0161】高圧を静電記録体10に印加して記録光L1を
照射する前に、所定の光L3を静電記録体10の読取側の導
電体層5の全面に照射し、静電記録体10に蓄積している
電荷を消去する。なお、高圧を静電記録体10に印加する
前に前露光を開始してもかまわない(図20のt0〜t1)。
この際、接続手段S2は、開放或いは接地側に接続の何れ
かにする。接地側に接続していた場合には、高圧を静電
記録体10に印加する前に、接続手段S2を開放にする必要
があるのは勿論である。所定の光L3は、読取光L2と同じ
電磁波であってもよく、その量は読取光L2より少なくて
もよい。また、この前露光は、記録光の照射の前に、静
電記録体10に蓄積している不要電荷を消去することによ
り残像現象やS/N劣化等の問題を解消するためのもの
であるから、その必要性に応じて、導電層5の全面では
なく特定の場所に限定して前露光を行ってもよい。
【0162】上記静電潜像記録読取システムは、前露光
手段96を読取用露光手段92とは別に設けたものである
が、読取用露光手段92が前露光手段96を兼るものとし、
該読取用露光手段92により前露光用の光L3を導電体層5
の全面に照射するようにしてもよい。
【0163】また、前露光手段96をエレクトリック・ル
ミネセンス(EL)で構成してもよい。この場合、有機
ELであってもよいし、無機ELであってもよい。さら
に、液晶とそれ用のバックライトとを組み合わせたもの
を使用してもよい。
【0164】上記説明においては、静電記録体の第1の
導電体層に負電荷を、第2または第3の導電体層に正電
荷を帯電させて、記録用光導電層と電荷輸送層との界面
に負電荷を蓄積せしめるものについて説明したが、本発
明は必ずしもこのようなものに限るものではなく、それ
ぞれが逆極性の電荷であっても良く、このように極性を
逆転させる際には、静電記録体のホール輸送層を電子輸
送層に変更する,記録時の電源の極性を逆転させる等の
若干の変更を行うことで、上記説明と同様の記録および
読取装置を実現することができる。
【0165】例えば、静電記録体10においては、光導電
層2として上述のアモルファスセレンa−Se、酸化鉛
(II)、ヨウ化鉛(II)等の光導電性物質が同様に使用
でき、電荷輸送層3としてN−トリニトロフルオレニリ
デン・アニリン(TNFA)誘電体、トリニトロフルオレノ
ン( TNF)/ポリエステル分散系、非対称ジフェノキノ
ン誘導体が適当であり、読取用光導電層4として上述の
無金属フタロシアニン、金属フタロシアニンが同様に使
用でき、読取用光導電層4aとして上述のアモルファスセ
レンa−Se、Se−Te、Se−As、Se−As−Te合金等が同
様に使用できる。
【0166】上記説明は、記録光を第1の導電体層側に
照射するものについて説明したものであるが、本発明は
必ずしもこれに限定されるものではない。具体的には、
第2の導電体層,読取用光導電層および電荷輸送層を記
録光に対して透過性を有するものとすれば、第2の導電
体層側から記録光を照射して、記録用光導電層が導電性
を呈するようにすることが可能である。すなわち、本発
明による静電記録体は、第1の導電体層或いは第2の導
電体層の何れの方向からでも記録光を照射することが可
能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態にかかる静電記録体
の断面図
【図2】上記静電記録体を用いた記録読取システム(静
電潜像記録装置と静電潜像読取装置を一体にしたもの)
の構成図
【図3】上記静電記録体に静電潜像を記録する方法を説
明する図
【図4】上記静電記録体に記録された静電潜像を読み取
る方法を説明する図
【図5】上記静電記録体の等価回路(コンデンサモデ
ル)
【図6】上記静電記録体を用いた静電潜像の記録読取方
法をコンデンサモデルで表した図
【図7】被写体を透過した記録光の光量と蓄積電荷量と
の関係を表す図
【図8】本発明の第2の実施の形態にかかる静電記録体
に静電潜像を記録する方法を説明する図
【図9】本発明の第3の実施の形態にかかる静電記録体
に静電潜像を記録する方法を説明する図
【図10】本発明の第4の実施の形態にかかる静電記録
体の断面図(A)および(B)
【図11】本発明の第5の実施の形態にかかる静電記録
体の斜視図
【図12】上記第5の実施の形態にかかる静電記録体に
静電潜像を記録する方法を説明する図
【図13】静電潜像が記録された上記第5の実施の形態
にかかる静電記録体から静電潜像を読み出す記録読取シ
ステムの構成図(A) およびそのブロック図(B)
【図14】上記第5の実施の形態にかかる静電記録体の
クシ歯の長手方向に遮光性を持たせたものを説明する図
【図15】本発明の第5の実施の形態にかかる静電記録
体の斜視図(A) および断面図(B),(C)
【図16】上記第5の実施の形態にかかる静電記録体の
電界分布を説明する図
【図17】本発明にかかる静電記録体を用いた第3の実
施の形態にかかる静電潜像読取装置の読取方法を説明す
る図
【図18】本発明にかかる静電記録体を用いた第4の実
施の形態にかかる静電潜像読取装置の構成図
【図19】本発明にかかる静電記録体を用いた第5の実
施の形態にかかる静電潜像読取装置の構成図
【図20】前露光,記録光および読取光と、静電記録体
に印加する高圧および該静電記録体に蓄積される電荷の
関係を示したタイミングチャート
【図21】前露光を行う記録読取システムの構成図
【符号の説明】
10〜17 静電記録体 1 第1の導電体層 2 記録用光導電層 3 電荷輸送層 4,4a 読取用光導電層 5 第2の導電体層 6 波長変換層 7a,7b ブロッキング層 8 第3の導電体層 9 被写体 60 直流電源 70〜74 電流検出手段 90 記録用照射手段 92〜95 読取用露光手段 96 前露光手段 S1,S2 接続手段 L1 記録用の放射線(記録光) L2 読取用の電磁波(読取光) L3 前露光用の光
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 27/14 G01T 1/00 G21K 4/00

Claims (42)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放射線画像情報を静電潜像として記録す
    る静電記録体において、 記録用の放射線に対して透過性を有する第1の導電体
    層、 記録用の放射線の照射を受けることにより光導電性を呈
    する記録用光導電層、 前記第1の導電体層に帯電される電荷と同極性の電荷に
    対しては絶縁体として作用し、かつ、該電荷と逆極性の
    電荷に対しては導電体として作用する電荷輸送層、 読取用の電磁波の照射を受けることにより光導電性を呈
    する読取用光導電層、 前記読取用の電磁波に対して透過性を有する第2の導電
    体層を、この順に積層してなることを特徴とする静電記
    録体。
  2. 【請求項2】 前記記録用光導電層が、a−Se,Pb
    O,PbI,Bi12(Ge,Si)O20,Bi
    /有機ポリマーナノコンポジットのうち少なくとも
    1つを主成分とするものであることを特徴とする請求項
    1記載の静電記録体。
  3. 【請求項3】 前記記録用光導電層の厚さが、50μm
    以上1000μm以下であることを特徴とする請求項2
    記載の静電記録体。
  4. 【請求項4】 前記読取用光導電層が、前記記録用の放
    射線の照射を受けることによっても光導電性を呈するも
    のであることを特徴とする請求項1から3いずれか1項
    記載の静電記録体。
  5. 【請求項5】 放射線画像情報を静電潜像として記録す
    る静電記録体において、 記録用の放射線を第1の波長領域の可視光に変換する波
    長変換層、 前記可視光に対して透過性を有する第1の導電体層、 該第1の導電体層を透過した前記可視光の照射を受ける
    ことにより光導電性を呈する記録用光導電層、 前記第1の導電体層に帯電される電荷と同極性の電荷に
    対しては絶縁体として作用し、かつ、該電荷と逆極性の
    電荷に対しては導電体として作用する電荷輸送層、 読取用の電磁波の照射を受けることにより光導電性を呈
    する読取用光導電層、 前記読取用の電磁波に対して透過性を有する第2の導電
    体層を、この順に積層してなることを特徴とする静電記
    録体。
  6. 【請求項6】 前記波長変換層が、前記記録用の放射線
    を第2の波長領域の可視光にも変換するものであり、 前記読取用光導電層が、該第2の波長領域の可視光の照
    射を受けることによっても光導電性を呈するものである
    ことを特徴とする請求項5記載の静電記録体。
  7. 【請求項7】 前記読取用光導電層が、a−Se,Se
    −Te,Se−As−Te,無金属フタロシアニン,金
    属フタロシアニン,MgPc,VoPc,CuPcのう
    ち少なくとも1つを主成分とするものであることを特徴
    とする請求項1から6いずれか1項記載の静電記録体。
  8. 【請求項8】 前記読取用光導電層が、a−Se,Pb
    ,Bi12(Ge,Si)O20,ペリレンビス
    イミド(R=n−プロピル),ペリレンビスイミド(R
    =n−ネオペンチル)のうち少なくとも1つを主成分と
    するものであることを特徴とする請求項1からいずれ
    か1項記載の静電記録体。
  9. 【請求項9】 前記読取用光導電層が、a−Se,Se
    −Te,Se−As−Teのうち少なくとも1つを主成
    分とするものであることを特徴とする請求項4記載の静
    電記録体。
  10. 【請求項10】 前記電荷輸送層が、PVK,TPD,
    TPDのポリマー分散物,Clを10〜200ppmド
    ープしたa−Seのうち少なくとも1つを主成分とする
    ものであることを特徴とする請求項1からいずれか1
    項記載の静電記録体。
  11. 【請求項11】 前記電荷輸送層の膜厚垂直方向の電荷
    移動度が膜厚水平方向の電荷移動度よりも大きいことを
    特徴とする請求項1からいずれか1項記載の静電記録
    体。
  12. 【請求項12】 前記電荷輸送層が、前記第1の導電体
    層に帯電される電荷と同極性の電荷に対しては絶縁体
    して作用する性質を有する材料からなる第1の電荷輸送
    層と、前記帯電される電荷と逆極性の電荷に対して導電
    として作用する性質を有する材料からなる第2の電荷
    輸送層とを少なくとも含み、前記第1の電荷輸送層が前
    記記録用光導電層側となり前記第2の電荷輸送層が前記
    読取用光導電層側となるように積層してなるものである
    ことを特徴とする請求項1からいずれか1項記載の静
    電記録体。
  13. 【請求項13】 前記第1の電荷輸送層が有機系の材料
    からなるものであり、前記第2の電荷輸送層がSe系の
    材料からなるものであることを特徴とする請求項12
    載の静電記録体。
  14. 【請求項14】 前記第1の電荷輸送層がPVKあるい
    はTPDのうち少なくとも一方からなる層であり、前記
    第2の電荷輸送層がClを10〜200ppmドープし
    たa−Se層であることを特徴とする請求項13記載の
    静電記録体。
  15. 【請求項15】 前記第1の導電体層に帯電される電荷
    の前記記録用光導電層への注入を阻止する第1のブロッ
    キング層を前記第1の導電体層と前記記録用光導電層と
    の間に積層したものであることを特徴とする請求項1か
    14いずれか1項記載の静電記録体。
  16. 【請求項16】 前記第2の導電体層に帯電される電荷
    の前記読取用光導電層への注入を阻止する第2のブロッ
    キング層を前記第2の導電体層と前記読取用光導電層と
    の間に積層したものであることを特徴とする請求項1か
    15いずれか1項記載の静電記録体。
  17. 【請求項17】 前記読取用光導電層の厚さと前記電荷
    輸送層の厚さの和が、前記記録用光導電層の厚さの1/
    2以下であることを特徴とする請求項1から16いずれ
    か1項記載の静電記録体。
  18. 【請求項18】 前記厚さの和が、前記記録用光導電層
    の厚さの1/10以下であることを特徴とする請求項
    記載の静電記録体。
  19. 【請求項19】 前記厚さの和が、前記記録用光導電層
    の厚さの1/20以下であることを特徴とする請求項
    記載の静電記録体。
  20. 【請求項20】 前記電荷輸送層は、前記第1の導電体
    層に帯電される電荷と同極性の電荷の移動度が前記逆極
    性の電荷の移動度に対して1/10以下であること
    を特徴とする請求項1から19いずれか1項記載の静電
    記録体。
  21. 【請求項21】 前記電荷輸送層は、前記第1の導電体
    層に帯電される電荷と同極性の電荷の移動度が前記逆極
    性の電荷の移動度に対して1/10以下であること
    を特徴とする請求項20記載の静電記録体。
  22. 【請求項22】 前記第2の導電体層がクシ歯状に形成
    されたものであることを特徴とする請求項1から21
    ずれか1項記載の静電記録体。
  23. 【請求項23】 前記クシ歯の幅が、該クシ歯のピッチ
    の75%以下であることを特徴とする請求項22記載の
    静電記録体。
  24. 【請求項24】 前記第2の導電体層のクシ歯の間が、
    前記読取用の電磁波に対して遮断性を有するものである
    ことを特徴とする請求項22または3記載の静電記録
    体。
  25. 【請求項25】 前記クシ歯が、前記読取用の電磁波に
    対して遮光性を有する遮光部と前記読取用の電磁波を透
    過する透過部とを交互に前記長さ方向に配列したもので
    あることを特徴とする請求項22から24いずれか1項
    記載の静電記録体。
  26. 【請求項26】 前記読取用光導電層の厚さと前記電荷
    輸送層の厚さの和が前記クシ歯のピッチと略同等若しく
    はそれ以下であることを特徴とする請求項22から25
    いずれか1項記載の静電記録体。
  27. 【請求項27】 前記読取用の電磁波に対して、共に透
    過性を有する絶縁層と第3の導電体層とを、この順に前
    記第2の導電体層に積層したものであり、該第3の導電
    体層が、前記第2の導電体層のクシ歯と略直交してクシ
    歯状に形成されたものであることを特徴とする請求項
    から26いずれか1項記載の静電記録体。
  28. 【請求項28】 前記第3の導電体層のクシ歯の間が、
    前記読取用の電磁波に対して遮断性を有するものである
    ことを特徴とする請求項27記載の静電記録体。
  29. 【請求項29】 前記第3の導電体層のクシ歯の幅が、
    該クシ歯のピッチの75%以下であることを特徴とする
    請求項27または28記載の静電記録体。
  30. 【請求項30】 前記読取用光導電層の厚さと前記電荷
    輸送層の厚さの和が前記第3の導電体層のクシ歯のピッ
    チと略同等若しくはそれ以下であることを特徴とする請
    求項27から29いずれか1項記載の静電記録体。
  31. 【請求項31】 請求項1から26いずれか1項記載の
    静電記録体に放射線画像情報を静電潜像として記録する
    装置において、 前記静電記録体の第1の導電体層と第2の導電体層との
    間に所定の直流電圧を印加する電源と、 前記画像情報を担持する記録用の放射線を前記静電記録
    体の記録用光導電層に照射する記録用照射手段とを備え
    るものであり、 前記放射線の照射により、前記第1の導電体層に帯電さ
    れる電荷と同じ極性の電荷を、前記静電記録体の記録用
    光導電層と電荷輸送層との略界面に蓄積せしめることに
    より、前記画像情報を静電潜像として記録することを特
    徴とする静電潜像記録装置。
  32. 【請求項32】 請求項27から30いずれか1項記載
    の静電記録体に放射線画像情報を静電潜像として記録す
    る装置において、 前記静電記録体の第1の導電体層と第3の導電体層との
    間に所定の直流電圧を印加する電源と、 前記画像情報を担持する記録用の放射線を前記第1の導
    電体層側に照射する記録用照射手段とを備えるものであ
    り、 前記放射線の照射により、前記第1の導電体層に帯電さ
    れる電荷と同じ極性の電荷を、前記静電記録体の記録用
    光導電層と電荷輸送層との略界面に蓄積せしめることに
    より、前記画像情報を静電潜像として記録することを特
    徴とする静電潜像記録装置。
  33. 【請求項33】 前記記録用の放射線を照射する前に、
    所定の量の電磁放射線を前記第2の導電体層側から照射
    する前露光手段を更に備えるものであることを特徴とす
    る請求項31または32記載の静電潜像記録装置。
  34. 【請求項34】 放射線画像情報が静電潜像として予め
    記録された請求項1から30いずれか1項記載の静電記
    録体の第2の導電体層側に、読取用の電磁波を走査露光
    する読取用露光手段と、 前記読取用の電磁波の走査露光により、前記静電潜像に
    応じて前記静電記録体から流れ出す電流を、前記第1ま
    たは第2の導電体層を介して検出する電流検出手段とを
    備えたことを特徴とする静電潜像読取装置。
  35. 【請求項35】 さらに、前記静電記録体の第1の導電
    体層と、第2の導電体層または前記電流検出手段とを選
    択的に接続する接続手段を備えるものであり、 最初に前記第1の導電体層と第2の導電体層を接続して
    両導電体層を同電位に帯電させた後に、前記第1の導電
    体層と前記電流検出手段とを接続することにより前記電
    流を検出することを特徴とする請求項34記載の静電潜
    像読取装置。
  36. 【請求項36】 前記静電記録体が請求項記載の前記
    静電記録体であって、 前記読取用露光手段が、近紫外から青の領域の波長の電
    磁波を走査露光するものであることを特徴とする請求項
    34または35記載の静電潜像読取装置。
  37. 【請求項37】 前記静電記録体が請求項1から30
    ずれか1項記載の前記静電記録体であって、 前記読取用露光手段が、前記読取用の電磁波をビーム状
    に形成しつつ走査露光するものであることを特徴とする
    請求項34から36いずれか1項記載の静電潜像読取装
    置。
  38. 【請求項38】 前記静電記録体が請求項22から30
    いずれか1項記載の前記静電記録体であって、 前記読取用露光手段が、ライン状に略一様な前記読取用
    の電磁波を前記第2の導電体層のクシ歯と略直交させつ
    つ、前記第2の導電体層のクシ歯の長手方向に走査露光
    するものであり、 前記電流検出手段が、前記静電記録体から流れ出す電流
    を前記クシ歯毎に検出するものであることを特徴とする
    請求項34から37いずれか1項記載の静電潜像読取装
    置。
  39. 【請求項39】 前記読取用露光手段が、前記静電記録
    体から読み取られた読出画像を構成する単位である画素
    に対応した前記静電記録体における範囲毎にパルス状に
    前記読取用の電磁波を照射するものであることを特徴と
    する請求項37または38記載の静電潜像読取装置。
  40. 【請求項40】 前記電流検出手段が、該電流検出手段
    に流れる電流による電荷を蓄積する積分コンデンサと、 該積分コンデンサに蓄積された電荷を放電する放電手段
    とを備えるものであり、 該積分コンデンサに蓄積される電荷を、前記静電記録体
    から読み取られた読出画像を構成する単位である画素毎
    に検出することにより前記電流を検出するものであるこ
    とを特徴とする請求項34から39いずれか1項記載の
    静電潜像読取装置。
  41. 【請求項41】 前記静電記録体から流れ出す電流を検
    出する際に前記第1の導電体層と前記電流検出手段とに
    接続される、所定の直流電圧を有するバイアス電源を備
    えたことを特徴とする請求項34から40いずれか1項
    記載の静電潜像読取装置。
  42. 【請求項42】 前記バイアス電源が、前記静電潜像を
    記録するに際して用いられる電源であることを特徴とす
    る請求項41記載の静電潜像読取装置。
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