JP3367700B2 - 液状重合体組成物 - Google Patents

液状重合体組成物

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JP3367700B2
JP3367700B2 JP02500893A JP2500893A JP3367700B2 JP 3367700 B2 JP3367700 B2 JP 3367700B2 JP 02500893 A JP02500893 A JP 02500893A JP 2500893 A JP2500893 A JP 2500893A JP 3367700 B2 JP3367700 B2 JP 3367700B2
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哲也 古閑
逸啓 田中
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は耐熱性、作業性に優れ、
低硬度の硬化体を与える液状重合体組成物に関するもの
であって、電気絶縁材,保護材,コーティング材,塗
料,防水材などとして広範に利用することのできる液状
重合体組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
弾性硬化体等を得るための液状重合体組成物として、種
々の水酸基含有液状ジエン系重合体とポリイソシアネー
ト化合物との組合せからなる組成物が検討されてきた。
これらの液状重合体組成物の中で、耐水性,耐熱性,耐
候性,電気特性等に優れた硬化体を与える液状重合体組
成物として、水酸基含有液状イソプレン系重合体の水素
化物とポリイソシアネート化合物とからなる組成物が知
られている(特開昭63−57626号公報,特開平1
−203421号公報)。しかしながら、この組成物は
粘度が高く、作業性に劣るものであるため、適当な粘度
低下剤を選択、使用することが重要である。
【0003】そこで本発明者らは、耐水性,耐熱性,耐
候性,電気特性等にすぐれた弾性硬化体を得るための液
状重合体組成物として、水酸基含有イソプレン系重合体
の水素化物と、ポリイソシアネート化合物と、1−デセ
ンのオリゴマーの水素化物とからなる液状重合体組成物
を提案している(特願平3−355549号)。このよ
うに可塑剤として1−デセンのオリゴマーの水素化物を
用いた場合には、他の可塑剤を用いた場合よりも耐熱性
は向上し、配合物の粘度低下も可能である。しかしなが
ら、電気絶縁材用途等で要求される低硬度の硬化体を得
るためには、相当量の1−デセンのオリゴマーの水素化
物の添加が必要である。このため、得られる硬化体の耐
熱性に問題が生じる。具体的には、耐熱試験後の硬化体
の硬度変化が非常に大きかったり、或いは硬化体の溶融
という問題が生じ、耐熱性に今一歩の信頼が得られてい
ない。
【0004】そこで本発明者らは、このような従来の欠
点を解消した液状重合体組成物を得るべく鋭意検討した
結果、特定のポリオール化合物である反応性希釈剤を用
いることにより、これらの問題を解決できることを見出
し、この知見に基づいて本発明を完成するに到った。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、共役
ジエン系モノマーの60%以上が1,4−結合をした、
水酸基含有液状イソプレン重合体の水素化物および/ま
たは水酸基含有液状イソプレン−ブタジエン共重合体の
水素化物(A),炭素数が16〜80の飽和二価アルコ
ールおよび/または共役ジエン系モノマーの60%以上
が1,2−結合をした、水酸基含有液状ジエン系重合体
の水素化物からなる反応性希釈剤(B),可塑剤(C)
およびポリイソシアネート化合物(D)からなる液状重
合体組成物及びその硬化物を提供するものである。
【0006】本発明においては、(A)成分として共役
ジエン系モノマーの60%以上が1,4−結合をした、
水酸基含有液状イソプレン重合体の水素化物および/ま
たは水酸基含有液状イソプレン−ブタジエン共重合体の
水素化物を用いる。ここで(A)成分として、共役ジエ
ン系モノマーの60%以上が1,4−結合をした、水酸
基含有液状ジエン系重合体の水素化物ではなく、例えば
共役ジエン系モノマーの60%以上が1,2−結合をし
た、水酸基含有液状ジエン系重合体の水素化物を用いた
としても、本発明の目的を達成することはできない。
【0007】本発明において(A)成分として用いる
酸基含有液状イソプレン重合体の水素化物および/また
は水酸基含有液状イソプレン−ブタジエン共重合体の水
素化物としては、数平均分子量が、通常、300〜25
000、好ましくは500〜10000のものであり、
水酸基含有量が、0.1〜10 meq/g、好ましくは0.
3〜7 meq/gのものである。また、分子構造的には、シ
ス−1,4結合およびトランス−1,4結合の合計が6
0%以上、好ましくは70%以上のものである。なお、
水酸基は、分子鎖末端,分子鎖内部のいずれにあっても
良いが、特に分子鎖末端にあるものが望ましい。また、
本発明では水酸基含有液状イソプレン重合体の水素化物
または水酸基含有液状イソプレン−ブタジエン共重合体
の水素化物の他、水酸基含有液状イソプレン重合体の水
素化物と水酸基含有液状イソプレン−ブタジエン共重合
体の水素化物とを併用することも可能である。
【0008】上記のような共役ジエン系モノマーの60
%以上が1,4−結合をした、水酸基含有液状イソプレ
ン重合体の水素化物および/または水酸基含有液状イソ
プレン−ブタジエン共重合体の水素化物は、共役ジエン
系モノマーの60%以上が1,4−結合をした、水酸基
含有液状イソプレン重合体および/または水酸基含有液
状イソプレン−ブタジエン共重合体を、公知の方法を用
いて水素化することにより得ることができる。ここで共
役ジエン系モノマーの60%以上が1,4−結合をし
た、水酸基含有液状イソプレン重合体および/または水
酸基含有液状イソプレン−ブタジエン共重合体は、例え
ば以下のようにして得ることができる。
【0009】具体的には例えば、共役ジエン系モノマー
としてイソプレン、又はイソプレンとブタジエンを、過
酸化水素、水酸基を有するアゾ化合物(例えば、2,
2’−アゾビス〔2−メチル−N−(2−ヒドロキシエ
チル)プロピオンアミド等〕又は水酸基を有するパーオ
キシド(例えば、シクロヘキサノンパーオキサイド等)
を重合開始剤として、ラジカル重合することにより、
酸基含有液状イソプレン重合体および/または水酸基含
有液状イソプレン−ブタジエン共重合体が得られる。な
お、水酸基含有液状イソプレン−ブタジエン共重合体
製造する場合には、重合時のジエンモノマーの仕込み量
により、イソプレン/ブタジエン=30/70〜95/
5(wt/wt)の任意の範囲で共重合割合を変えるこ
とができる。
【0010】この際の重合開始剤の使用量は、ジエンモ
ノマー100gに対して、例えば、過酸化水素を用いる
場合は、1.0〜50g、2,2’−アゾビス〔2−メ
チル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミ
ド〕を用いる場合は、5.0〜100g、シクロヘキサ
ノンパーオキサイドを用いる場合は、5.0〜100g
が適当である。なお、重合は無溶媒で行なうことも可能
であるが、反応の制御の容易さ等のため溶媒を用いるこ
とが好ましい。溶媒としては、エタノール, イソプロパ
ノール,n−ブタノール等が通常用いられる。反応温度
は、80〜150℃、反応時間は0.5〜15時間が適
当である。
【0011】なお、重合時には、ジエンモノマーに対
し、50mol %以下の割合で、炭素数2〜22の付加重
合性モノマー(例えば、ブテン、ペンテン、スチレン、
α−メチルスチレン、アクリロニトリル、アクリル酸及
びそのエステル、メタクリル酸及びそのエステル、塩化
ビニル、酢酸ビニル、アクリルアミド等)を添加するこ
ともできる。
【0012】反応終了後に、溶液を減圧下で蒸留すれ
ば、溶剤,未反応モノマー等が除去され、共役ジエン系
モノマーの60%以上が1,4−結合をした、水酸基含
有液状イソプレン重合体および/または水酸基含有液状
イソプレン−ブタジエン共重合体が得られる。ここで例
えば、ナフタレンジリチウム等の触媒を用いてジエンモ
ノマーをアニオン重合させてイソプレンリビングポリマ
ー或いはイソプレン−ブタジエン共重合リビングポリマ
ーを製造し、さらにモノエポキシ化合物等を反応させた
場合には、共役ジエン系モノマーの60%以上が1,2
−結合をした、水酸基含有液状ジエン系重合体となって
しまう。
【0013】本発明における(A)成分は、上記の如く
製造した、共役ジエン系モノマーの60%以上が1,4
−結合をした、水酸基含有液状イソプレン重合体および
/または水酸基含有液状イソプレン−ブタジエン共重合
を、均一系触媒、不均一系触媒を用いる公知の手法に
より、水素化することによって得ることができる。
【0014】まず均一系触媒を用いる場合には、ヘキサ
ン, シクロヘキサン等の飽和炭化水素やベンゼン,トル
エン,キシレン等の芳香族炭化水素を溶媒とし、常温〜
150℃の反応温度において、常圧〜50kg/cmG の
水素圧下で水素添加反応が行なわれる。均一系触媒とし
ては、遷移金属ハライドと、アルミニウム、アルカリ土
類金属若しくはアルカリ金属などのアルキル化物との組
合せによるチーグラー触媒等を、ポリマーの二重結合あ
たり、0.01〜0.1mol %程度使用する。反応は通
常1〜24時間で終了する。
【0015】一方、不均一系触媒等を用いる場合には、
ヘキサン, シクロヘキサン等の飽和炭化水素、ベンゼ
ン,トルエン,キシレン等の芳香族炭化水素、ジエチル
エーテル,テトラヒドロフラン(THF),ジオキサン
等のエーテル類、エタノール,イソプロパノール,1−
ブタノール等のアルコール類等、或いはこれらの混合系
を溶媒として用い、常温〜200℃の反応温度におい
て、常圧〜100 kg/cmG の水素圧下で水素添加反応
が行なわれる。不均一系触媒としてはニッケル,コバル
ト,パラジウム,白金, ロジウム,ルテニウム等の触媒
を単独で、或いはシリカ,ケイソウ土,アルミナ,活性
炭等の担体に担持して用いればよい。触媒の使用量はポ
リマー重量に対し、0.05〜10重量%が適当であ
る。これらの触媒は2種以上を混合して用いても良い。
なお、反応は通常、1〜48時間で終了する。
【0016】反応終了後に触媒をろ別して、溶液を減圧
下で蒸留すれば、溶剤が除去され、目的とする、共役ジ
エン系モノマーの60%以上が1,4−結合をした、
酸基含有液状イソプレン重合体の水素化物および/また
は水酸基含有液状イソプレン−ブタジエン共重合体の水
素化物が得られる。このようにして得られる水酸基含有
液状イソプレン重合体の水素化物および/または水酸基
含有液状イソプレン−ブタジエン共重合体の水素化物
は、数平均分子量は300〜25000、好ましくは5
00〜10000であり、水酸基含有量が0.1〜10
meq/g であるものが望ましい。
【0017】上記水酸基含有液状イソプレン重合体の水
素化物および/または水酸基含有液状イソプレン−ブタ
ジエン共重合体の水素化物の水素化率は50%以上であ
ることが好ましく、特に70%以上であることが好まし
い。本発明では、例えば水酸基含有液状イソプレン系重
合体の水素化物と、水酸基含有液状イソプレン−ブタジ
エン共重合体の水素化物との混合物を用いることもでき
る。ここで水素化率、すなわち水素化反応後における重
合体中の不飽和二重結合の水素化の割合は、下式で表さ
れる。
【0018】
【数1】
【0019】なお、本発明において、水酸基含有液状イ
ソプレン重合体の水素化物および/または水酸基含有液
状イソプレン−ブタジエン共重合体の水素化物として
は、1分子当たりの平均水酸基数は、1.7以上、特に
2.0以上であるものを用いることが、良好な物性の硬
化体を得る観点から好ましい。1分子当たりの平均水酸
基数は、次の式で表される。
【0020】
【数2】
【0021】次に、本発明においては(B)成分として
反応性希釈剤を用いる。ここで本発明で用いる反応性希
釈剤は、炭素数16〜80の飽和二価アルコールおよび
/または共役ジエンモノマーの60%以上が、1,2−
結合をした水酸基含有液状ジエン系重合体の水素化物で
ある。
【0022】ここで炭素数16〜80の飽和二価アルコ
ールとしては、ダイマー酸エステルを還元して得られる
ダイマージオールをその例として挙げることができる。
ダイマージオールは、直鎖または分岐鎖の長鎖グリコー
ルであり、これらの中には分子内にシクロ環を有するも
のも含まれることがある。
【0023】この様なダイマージオールとして具体的に
は、炭素数36のダイマー酸(ヘンケル白水(株)製、
商品名;パーサダイム288)のジメチルエステルを還
元して得られるダイマージオールが挙げられる。また、
炭素数22の長鎖二塩基酸(岡村製油(株)製、商品
名;IPS−22、IPU−22など)、炭素数20の
長鎖二塩基酸(岡村製油(株)製、商品名;SL−2
0、UL−20、SB−20、UB−20など)、炭素
数28の長鎖二塩基酸(岡村製油(株)製、商品名;S
T−2P)等のジメチルエステルを還元して得られる長
鎖グリコールが挙げられる。さらに、炭素数36、72
の長鎖二塩基酸の水添物(荒川化学工業(株)製、商品
名;ダイマージオールKX−501など)が挙げられ
る。
【0024】なおダイマー酸とは、通常、リノール酸、
オレイン酸等の不飽和脂肪族モノカルボン酸を重合して
得られる重合体脂肪酸を示し、一般に主成分の二量体の
他、未反応の単量体、及びその他の高次重合体からなる
混合物であるが、必要に応じて、真空蒸留等により、二
量体を高濃度化したダイマー酸を使用しても良い。
【0025】また、(B)成分のもう一方をなす、共役
ジエンモノマーの60%以上が1,2−結合をした、水
酸基含有液状ジエン系重合体の水素化物としては、水酸
基含有1,2−ポリブタジエンの水素化物を例示するこ
とができる。この水酸基含有1,2−ポリブタジエンの
水素化物は、水酸基含有1,2−ポリブタジエンを水素
化することにより得ることができる。このような水酸基
含有1,2−ポリブタジエンの水素化物として具体的に
は、日本曹達(株)製の商品名;NISSO PB G
I−1000、三菱化成(株)製の商品名;ポリテール
HAなどが挙げられる。これらの水酸基含有1,2−ポ
リブタジエンの水素化物は、1,2−ビニル基の含量が
60モル%以上のものである。
【0026】本発明では、(B)成分として、上記飽和
二価アルコールと、共役ジエンモノマーの60%以上が
1,2−結合をした水酸基含有液状ジエン系重合体の水
素化物を、それぞれ単独で用いるか、或いは両化合物を
併用する。このような反応性希釈剤(B)の添加量とし
ては、(A)成分である、水酸基含有液状イソプレン重
合体の水素化物および/または水酸基含有液状イソプレ
ン−ブタジエン共重合体の水素化物の水酸基のモル数
(a)と、反応性希釈剤中の水酸基のモル数(b)の比
が、(b)/(a)=1.0〜2.5の範囲となるよう
に、すなわち(A)成分における水酸基に対して、
(B)成分における水酸基が、モル比で1〜2.5倍で
あるように用いることが好ましい。モル比が大きすぎる
と、得られる硬化物の硬度が大きくなり好ましくない。
【0027】また、本発明においては(C)成分として
可塑剤を用いる。ここて用いられる可塑剤は、基本的に
は一般的に用いられるものでも使用可能であるが、耐熱
性の点から、炭素数8〜14のα−オレフィンのオリゴ
マー、特に1−デセンオリゴマーの水素化物を使用する
ことが好ましい。
【0028】ここで1−デセンオリゴマーの水素化物と
は、1−デセンを、有機過酸化物,配位アニオン触媒,
フリーデル−クラフツ型触媒等を用いて重合したオリゴ
マーの残存二重結合を水素化したものであり、しばしば
ポリ−α−オレフィン(PAO)という名称で販売され
ている。この重合の際に用いる触媒としては特に制限は
無いが、三フッ化ホウ素,AlCl等のフリーデル−
クラフツ型触媒が比較的用いられる。また、水素化はラ
ネーニッケル,安定化ニッケル等の触媒を用いて容易に
行なうことができる。
【0029】このような1−デセンオリゴマーの水素化
物は、40℃における動粘度が45〜100cst である
ものが好ましい。ここで動粘度が45cst 未満のもので
は、高温における良好な耐熱性が得られず、一方、動粘
度が100cst を超えたものであると、低粘度の液状重
合体組成物を得ることが難しくなり、作業性に劣るもの
となる。
【0030】なお、(C)成分として1−デセンオリゴ
マーの水素化物を用いる場合、その添加量は、前記
(A)成分である、水酸基含有液状イソプレン重合体の
水素化物および/または水酸基含有液状イソプレン−ブ
タジエン共重合体の水素化物100重量部に対し、30
〜200重量部、好ましくは50〜130重量部であ
る。
【0031】本発明で用いられる1−デセンオリゴマー
の水素化物は、4量体、5量体及び6量体の合計含有量
が75重量%以上であるものが好ましい。ここで4量
体、5量体及び6量体の合計含有量が75重量%未満の
ものでは、動粘度が上記の範囲に入ったとしても良好な
耐熱性が得られない場合がある。なお、4量体、5量体
及び6量体の含有量は、ガスクロマトグラフ等により決
定することが可能である。
【0032】なお、市販されている1−デセンオリゴマ
ーとしては、出光PAO 5002,5004,500
6,5008,5010(出光石油化学(株)製)、I
H−30,IH−47,IH−63(エチル社製)、P
AO 40,PAO 100(ユニロイヤル社製)等が
挙げられる。
【0033】その他の可塑剤としては、パラフィン系プ
ロセスオイル〔例えば、商品名;PW−90(出光興産
(株)製)〕や、エチレン−α−オレフィン系コオリゴ
マー〔例えば、商品名;ルーカントHC−20(三井石
油化学(株)製)〕やシリコーン系のものを使用するこ
とができる。
【0034】次に、本発明においては(D)成分とし
て、ポリイソシアネート化合物を用いる。ここでポリイ
ソシアネート化合物とは、1分子中に、2個またはそれ
以上のイソシアネート基を有する有機化合物であって、
前記(A)成分である水酸基含有液状ジエン系重合体の
水素化物および(B)成分である反応性希釈剤中の水酸
基に対して反応性するイソシアネート基を有するもので
ある。このポリイソシアネート化合物の例としては、通
常の芳香族、脂肪族、脂環族のものを挙げることができ
る。
【0035】具体的には例えば、トリレンジイソシアネ
ート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート
(MDI)、カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイ
ソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネー
ト、フェニレンジイソシアネート、ナフタリン−1,5
−ジイソシアネート、o−トルイジンジイソシアネー
ト、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス
(イソシアネートフェニル)チオホスフェート、イソプ
ロピルベンゼン−2,4−ジイソシアネート等の芳香族
ポリイソシアネートを挙げることができる。
【0036】また、キシリレンジイソシアネート(XD
I),テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TM
XDI)等の脂肪族−芳香族ポリイソシアネート(イソ
シアネート基が、脂肪族炭化水素を介して芳香族環と直
接結合したイソシアネート基を有しない、すなわち分子
中に芳香族環と直接結合したイソシアネート基を有しな
いポリイソシアネート)を挙げることができる。
【0037】さらに、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、ドデカンジイソシアネート、リジンジイソシアネー
ト、リジンエステルトリイソシアネート、1,6,11
−ウンデカントリイソシアネート、1,8−ジイソシア
ネート−4−イソシアネートメチルオクタン、1,3,
6−ヘキサメチレントリイソシアネート、トリメチルヘ
キサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシア
ネートを挙げることができる。
【0038】また、トランスシクロヘキサン−1,4−
ジイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシク
ロヘキシルメタンジイソシアネート(水素添加MD
I)、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加キ
シリレンジイソシアネート、水素添加テトラメチルキシ
リレンジイソシアネート等の脂環族ポリイソシアネート
を挙げることができる。
【0039】その他、前記ポリイソシアネート化合物の
環化三量体(イソシアヌレート変性体)、ビューレット
変性体やエチレングリコール、1,4−ブタンジオー
ル、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、
トリメチロールプロパン、ポリエーテルポリオール、ポ
リマーポリオール、ポリテトラメチレンエーテルグリコ
ール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、
ポリアルカジエンポリオール、ポリアルカジエンポリオ
ールの水素化物、部分鹸化エチレン−酢酸ビニル共重合
体、ヒマシ油系ポリオール等のポリオール化合物と前記
ポリイソシアネート化合物との付加反応物等が用いられ
る。
【0040】また、これらポリイソシアネート化合物
は、2種以上を混合して用いることもでき、さらにこれ
らポリイソシアネート化合物のイソシアネート基をフェ
ノール類、オキシム類、イミド類、メルカプタン類、ア
ルコール類、ε−カプロラクタム、エチレンイミン、α
−ピロリドン、マロン酸ジエチル、亜硫酸水素ナトリウ
ム、ホウ酸等のブロック剤でブロックした、いわゆるブ
ロックイソシアネート化合物をも用いることができる。
【0041】これらポリイソシアネート化合物の配合割
合については特に制限はないが、通常は、前記(A)成
分である、水酸基含有液状イソプレン重合体の水素化物
および/または水酸基含有液状イソプレン−ブタジエン
共重合体の水素化物の水酸基(OH)、およびイソシア
ネート基と反応する水酸基を有する反応性希釈剤
〔(B)成分〕中の水酸基の合計に対する、ポリイソシ
アネート化合物のイソシアネート基(NCO)の割合
(NCO/OH)が、モル比で最終的に0.3〜5、好
ましくは最終的に0.5〜2.5となるように配合す
る。
【0042】ここで、“最終的に”という言葉を用いて
いるのは、実際の硬化体の作製にあたっては、種々の方
法が用いられているからである。大別してワンショット
法、プレポリマー法(1)及び(2)の3種の方法が挙
げられる。ワンショット法は、まず全配合成分のうち少
なくともポリイソシアネート化合物を除く成分を配合し
て混合し、混合物を得る。この混合物にポリイソシアネ
ート化合物および先の混合で用いなかった配合剤成分を
添加して混合し、液状重合体組成物を得る。このときの
好ましいNCO/OHは0.5〜2.5である。
【0043】また、プレポリマー法(1)は、所定の当
量比NCO/OHが1.7〜25の範囲で、水酸基を有
する化合物(水酸基含有液状イソプレン重合体の水素化
物および/または水酸基含有液状イソプレン−ブタジエ
ン共重合体の水素化物と、反応性希釈剤)のうちの少な
くとも1つと、ポリイソシアネート化合物とを、その他
の添加剤の一部または全部の存在下、或いは非存在下に
反応させてプレポリマーを得る。このときの好ましいN
CO/OHは0.5〜2.5である。この場合、プレポ
リマーを得たときに反応に関与した官能基のモル比NC
O/OHは実質的に1.0であるので、最終的なNCO
/OHは好ましくは0.5〜2.5の範囲内にある。
【0044】次に、プレポリマー法(2)は、所定の当
量比NCO/OHが1.7〜5の範囲で、配合全成分を
配合し、反応させてプレポリマーを得る。このプレポリ
マーを空気中の湿気(水)と反応させる。この場合も最
終的なNCO/OHは好ましくは0.5〜2.5の範囲
内にある。以上のように、実際の硬化体の作製にあたっ
ては種々の方法が用いられるが、最終的なNCO/OH
は好ましくは0.5〜2.5の範囲内にある。
【0045】本発明では、上記のように、水酸基含有液
状イソプレン重合体の水素化物および/または水酸基含
有液状イソプレン−ブタジエン共重合体の水素化物
(A),反応性希釈剤(B),可塑剤(C)およびポリ
イソシアネート化合物を基本的成分として用いるが、液
状重合体組成物の機械的物性をさらに向上させるため
に、本発明の主旨を損なわない範囲で、目的に応じて他
の成分を添加することができる。
【0046】本発明では、反応を促進するために、種々
の触媒を添加することができる。具体的には例えば、ト
リエチレンジアミン、テトラメチルグアニジン、N,
N,N’N’−テトラメチルヘキサン−1,6−ジアミ
ン、N,N,N’N”N”−ペンタメチルジエチレント
リアミン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテ
ル、1,2−ジメチルイミダゾール、N−メチル−N’
−(2−ジメチルアミノ)エチルピペラジン、ジアザビ
シクロウンデセン等の三級アミンや該三級アミンのカル
ボン酸塩、さらにはスタナスオクトエート、ジブチルチ
ンジアセテート、ジブチルチンジラウレート、ジブチル
チンマーカプチド、ジブチルチンチオカルボキシレー
ト、ジブチルチンジマレエート、ジオクチルチンマーカ
プチド、ジオクチルチンチオカルボキシレート、フェニ
ル水銀プロピオン酸塩、オクテン酸鉛等の有機金属化合
物を添加することができる。これら触媒の添加量は、前
記(A)成分である水酸基含有液状イソプレン重合体の
水素化物および/または水酸基含有液状イソプレン−ブ
タジエン共重合体の水素化物100重量部に対し、最大
10重量部である。触媒の添加量が10重量部を超える
場合、硬化促進効果が頭打ちとなるばかりでなく、局部
的な異常反応(ゲル化)の危険性が大きくなるので好ま
しくない。
【0047】また、本発明では、上記のように反応に直
接関与する成分の他に、必要に応じて無機・有機充填剤
を添加することができる。本発明において用いることの
できる無機充填材としては、亜鉛、アルミニウム、銅、
ニッケル、ガラス球、ガラスフレーク、ガラス繊維、カ
ーボンブラック(チャンネルブラック、ファーネスブラ
ック、アセチレンブラック、サーマルブラック)、炭素
繊維、グラファイト、アスベスト、カオリンクレー、ロ
ウ石クレー、タルク、カスミ石、クリオライト、ケイ灰
石、ケイソウ土、スレート粉、ホワイティング、長石
粉、マイカ、セッコウ、石英粉、微粉珪酸、アタパルジ
ャイト、セリサイト、火山灰、蛭石、シリカ、アルミ
ナ、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、
酸化チタン、酸化鉄、二酸化モリブデン、水酸化アルミ
ニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マ
グネシウム、硫酸バリウム、珪酸カルシウム、ゼオライ
ト、チタン酸カリウム、窒化ホウ素、ボロンナイトライ
ト、二硫化モリブデン等を挙げることができる。
【0048】また、本発明において用いることのできる
有機充填材としては、ゴム粉末,セルロース,リグニ
ン,キチン質,皮革粉,ヤシ殻,木粉や木綿,麻,羊
毛,絹等の天然系の繊維、ナイロン,ポリエステル,ビ
ニロン,アセテート,アクリル等の合成繊維、ポリエチ
レン,ポリプロピレン,ポリスチレン,ABS樹脂,ポ
リカーボネート,ポリエチレンテレフタレート,ポリブ
チレンテレフタレート,ポリメチルメタクリレート,塩
化ビニル樹脂,エポキシ樹脂,フェノール樹脂等の合成
樹脂粉末又は顆粒等を挙げることができる。これらの無
機充填材、有機充填材の配合量については、特に制限は
無いが、通常、前記(A)成分である水酸基含有液状イ
ソプレン重合体の水素化物および/または水酸基含有液
状イソプレン−ブタジエン共重合体の水素化物100重
量部に対し、0.5〜500重量部、好ましくは5〜2
00重量部である。
【0049】本発明においては、その他の添加剤とし
て、必要に応じて粘着性付与樹脂,老化防止剤(酸化防
止剤,紫外線吸収剤),難燃剤,消泡剤,発泡防止剤等
を、反応前,反応中または反応後のいずれかの時期に添
加することができる。
【0050】すなわち、粘着力,接着力の調整のために
粘着性付与樹脂を用いることができる。具体的には例え
ば、アルキルフェノール樹脂,テルペン樹脂,テルペン
フェノール樹脂,キシレンホルムアルデヒド樹脂,ロジ
ン,水添ロジン,クマロン樹脂,脂肪族および脂環族お
よび芳香族石油樹脂等がある。
【0051】また、耐熱性,耐候性向上のために、ヒン
ダードフェノール系,ヒンダードアミン系,ベンゾトリ
アゾール系等の老化防止剤(酸化防止剤,紫外線吸収
剤)を添加することができる。
【0052】さらに、リン化合物,ハロゲン化合物,酸
化アンチモン等の難燃剤を配合したり、シリコーン化合
物等の消泡剤を配合したり、ゼオライト、生石灰等の発
泡防止剤などを配合することもできる。
【0053】上記成分を混合することにより、本発明の
液状重合体組成物は得られるが、この組成物は、一般的
に次のような方法により、硬化させて、硬化体とするこ
とができる。まず、前記したように、所定の成分を所定
の割合で配合して、液状重合体組成物を調製する。組成
物の調製にあたっては、混合装置、混練装置等を用い、
0〜120℃、好ましくは15〜100℃の温度で、
0.5秒間〜8時間、好ましくは1秒間〜5時間攪拌混
合する。通常は、前記した如きワンショット法と呼ばれ
る方法、またはプレポリマー法と呼ばれる方法が組成物
の調製に用いられる。
【0054】ワンショット法では、まず前記成分のうち
少なくともポリイソシアネート化合物を除く成分を配合
して、上記の温度、時間で混合し、混合物を得る。この
混合物にポリイソシアネート化合物および先の混合で用
いなかった添加剤成分を添加し、上記の温度、時間で混
合し、液状重合体組成物を得る。このときの好ましいN
CO/OHは0.5〜2.5である。
【0055】プレポリマー法のうちのプレポリマー法
(1)は、所定の当量比NCO/OHが1.7〜25の
範囲で、水酸基含有液状イソプレン重合体の水素化物お
よび/または水酸基含有液状イソプレン−ブタジエン共
重合体の水素化物、反応性希釈剤のうちの少なくとも1
つと、ポリイソシアネート化合物とを、その他の添加剤
の一部または全部の存在下、或いは非存在下、反応させ
てプレポリマーを得る。反応の温度は上記と同様であ
り、反応時間は通常0.1〜10時間、好ましくは0.
5〜8時間である。このプレポリマーに残りの成分を、
上記の温度、時間で混合し、液状重合体組成物を得る。
このときの好ましいNCO/OHは0.5〜2.5であ
る。
【0056】プレポリマー法(2)は、所定の当量比N
CO/OHが1.7〜5の範囲で配合全成分を配合し、
反応させてプレポリマーを得る。反応の温度は上記と同
様であり、反応時間は通常、0.1〜10時間、好まし
くは0.5〜8時間である。このプレポリマーを空気中
の湿気(水)と反応させる。この様にして調製された
状重合体組成物は、常法により硬化処理することによ
り、様々な形態の硬化体を与えることができ、各種の用
途に供せられる。なお、このようにして得られる硬化体
の硬度は、概ねJIS A 50以下であり、作業性に
優れたものである。
【0057】
【実施例】次に、本発明を実施例により詳しく説明す
る。 製造例1 (1)水酸基末端液状ポリイソプレンの調製 1リットル容のステンレス製耐圧反応容器に、イソプレ
ン200g, 濃度20%の過酸化水素水40g及びイソ
プロパノール100gを仕込み、温度120℃、反応時
間2時間の条件で反応を行なった。反応中において、圧
力は最高8 kg/cmGに達した。反応が終了した後、分
液ロートに反応混合物を入れ、600gの水を添加して
震盪し、3時間静置した後、油層を分取した。この油層
から、溶媒、モノマー、低沸点成分を、2mmHg、100
℃、2時間の条件で留去し、分子鎖末端に水酸基を有す
る液状ポリイソプレン(収率66重量%)を得た。この
ものの数平均分子量は2240であり、水酸基含有量は
0.96meq/g 、粘度は64ポイズ/30℃、臭素価は
220g/100gであった。このときの1分子当たり
の平均水酸基数は2.15である。また、H−NMR
による構造解析結果は、トランス−1,4結合が57
%、シス−1,4結合が33%、1,2結合が6%、
3,4結合が4%であった。
【0058】(2)水酸基末端液状ポリイソプレンの水
素化物の調製 上記(1)の如くして得た、分子鎖末端に水酸基を有す
る液状ポリイソプレン100g, ルテニウム含量5重量
%のルテニウムカーボン触媒5gおよび溶媒としてシク
ロヘキサン100gを仕込み、50 kg/cmGの水素圧
下で150℃にて6時間水素化反応を行なった。反応終
了後、0.45μmのメンブランフィルターを通して、
反応溶液から触媒を分離除去した後、2mmHg、110
℃、2時間の条件で溶媒を留去した。その結果、分子鎖
末端に水酸基を有する液状ポリイソプレンの水素化物が
得られた。このものの数平均分子量は2310であり、
水酸基含有量は0.94 meq/g、粘度625ポイズ/3
0℃、臭素価は2g/100gであった。このときの1
分子当たりの平均水酸基数は2.17である。
【0059】製造例2 (1)水酸基末端液状ポリイソプレンの調製 1リットル容のステンレス製耐圧反応容器に、イソプレ
ン200g、濃度30%の過酸化水素水100g及びイ
ソプロパノール300gを仕込み、温度115℃、反応
時間2.5時間の条件で反応を行なった。反応中におい
て、圧力は最高7 kg/cmGに達した。反応が終了した
後、分液ロートに反応混合物を入れ、600gの水を添
加して震盪し、3時間静置した後、油層を分取した。こ
の油層から、溶媒、モノマー、低沸点成分を、2mmHg、
100℃、2時間の条件で留去し、分子鎖末端に水酸基
を有する液状ポリイソプレン(収率71重量%)を得
た。このものの数平均分子量は1380であり、水酸基
含有量は 1.55meq/g 、粘度は46ポイズ/30℃で
あった。このときの1分子当たりの平均水酸基数は2.
14であった。また、H−NMRによる構造解析結果
は、トランス−1,4−結合が56%、シス−1,4−
結合が33%、1,2結合が6%、3,4結合が5%で
あった。
【0060】(2)水酸基末端液状ポリイソプレンの水
素化物の調製 上記(1)の如くして得た、分子鎖末端に水酸基を有す
る液状ポリイソプレン100g、ルテニウム含量5重量
%のルテニウムカーボン触媒5gおよび溶媒としてシク
ロヘキサン100gを仕込み、50 kg/cmGの水素圧
下で150℃にて6時間水素化反応を行なった。反応終
了後、0.45μmのメンブランフィルターを通して、
反応溶液から触媒を分離除去した後、2mmHg、110
℃、2時間の条件で溶媒を留去した。その結果、分子鎖
末端に水酸基を有する液状ポリイソプレンの水素化物が
得られた。このものの数平均分子量は1420であり、
水酸基含有量は1.54meq/g 、粘度は298ポイズ/
30℃、臭素価は1g/100gであった。このときの
1分子当たりの平均水酸基数は2.19である。
【0061】製造例3 (1)水酸基含有液状イソプレン−ブタジエン共重合体
の調製 1リットル容のステンレス製耐圧反応容器に、イソプレ
ン90g、ブタジエン110g、濃度20%の過酸化水
素水40gおよびイソプロパノール100gを仕込み、
温度120℃、反応時間2時間の条件で反応を行なっ
た。反応中において、圧力は最高8 kg/cmGに達し
た。反応が終了した後、分液ロートに反応混合物を入
れ、600gの水を添加して震盪し、3時間静置した
後、油層を分取した。この油層から、溶媒、モノマー、
低沸点成分を、2mmHg、100℃、2時間の条件で留去
し、水酸基含有液状イソプレン−ブタジエン共重合体
(収率62重量%)を得た。このものの数平均分子量は
2240であり、水酸基含有量は0.91meq/g 、粘度
は44ポイズ/30℃、臭素価は215g/100gで
あった。このときの1分子当たりの平均水酸基数は2.
04である。また、H−NMRによる構造解析結果
は、イソプレン含量45%であり、ブタジエン含量55
%であった。なお、1,4−結合が84%、1,2−結
合が14%、3,4−結合が2%であった。
【0062】(2)水酸基末端液状イソプレン−ブタジ
エン共重合体の水素化物の調製 上記(1)の如くして得た水酸基末端液状イソプレン−
ブタジエン共重合体100g、ルテニウム含量5重量%
のルテニウムカーボン触媒5gおよび溶媒としてシクロ
ヘキサン100gを仕込み、50 kg/cm2Gの水素圧下
で150℃にて6時間水素化反応を行なった。反応終了
後、0.45μmのメンブランフィルターを通して、反
応溶液から触媒を分離除去した後、2mmHg、110℃、
2時間の条件で溶媒を留去した。その結果、分子鎖末端
に水酸基を有する液状イソプレン−ブタジエン共重合体
の水素化物が得られた。このものの数平均分子量は23
50であり、水酸基含有量は0.94 meq/g、粘度は4
31ポイズ/30℃、臭素価は1g/100gであっ
た。このときの1分子当たりの平均水酸基数は2.21
である。
【0063】実施例1〜7および比較例1〜5 第1表に示す組成物のうち、ポリイソシアネート化合物
を除く原料を配合し、60℃で2時間混合攪拌し、液状
重合体の配合物を得た。これにポリイソシアネート化合
物を第1表に示す割合で加え、60℃で2分間混合攪拌
し液状重合体組成物を得た。これを300×150×2
mmの金型上に流し、60℃で2時間プレス後、60℃で
15時間後養生して硬化体を得た。この硬化体を用いた
評価結果を第1表に示す。
【0064】硬化体の耐熱性および作業性の評価を以下
の方法で行なった。 (1)耐熱性試験 上記の如くして得られた硬化体を、ギヤ式オーブン中で
150℃×1週間加熱した。加熱後の物性をJIK K
6301に準拠し測定した。また、初期重量からの重
量変化率を加熱減量として第1表に示した。
【0065】(2)作業性 得られた液状重合体組成物を500mlのガラス瓶に入
れ、恒温水槽中で25℃に1分間保持後、B8M型粘度
計(No.4ローター)で粘度を測定した。得られた粘度結
果から、次の基準に従い評価した。 〇;粘度が50ポイズ未満 △;粘度が50ポイズ以上100ポイズ未満 ×;粘度が100ポイズ以上 一般に配合物の粘度が100ポイズ以上では、脱泡操作
や注型、含浸、塗布等の操作を行なうのが難しくなる。
【0066】
【表1】第1表(その1)
【0067】
【表2】第1表(その2)
【0068】
【表3】第1表(その3)
【0069】〔第1表の脚注〕 1);ダイマージオールKX−501(荒川化学工業
(株)製)、炭素数36の飽和二価アルコールと炭素数
72の飽和二価アルコールの重量比133対8の混合
物、水酸基含量=3.62 meq/g 2);水酸基含有液状1,2−ポリブタジエンの水素化
物(三菱化成工業(株)製)、水酸基含量=0.93 m
eq/g、Mn=2180、1,2結合は91% 3);水酸基含有液状1,2−ポリブタジエンの水素化
物(日本曹達(株)製)、水酸基含量=1.29 meq/
g、Mn=1400、1,2結合は93% 4);1−デセンオリゴマー(出光石油化学(株)
製)、動粘度=70.3 cst(37.8℃)、4,5,
6量体の含有量=98.1 wt % 5);ジブチル錫ジラウレート(共同薬品(株)製) 6);ヒンダードフェノール系酸化防止剤(日本チバガ
イギー(株)製) 7);水添MDI(住友バイエルウレタン工業(株)
製)、イソシアネート含量=31.8% 8);ジフェニルメタンジイソシアネートを主成分とす
る液状変性MDI(日本ポリウレタン工業(株)製)、
イソシアネート含量=28.8% 9);〔反応性希釈剤中(B)の水酸基モル数〕/〔水
酸基含有液状イソプレン重合体の水素化物および/また
は水酸基含有液状イソプレン−ブタジエン共重合体の水
素化物(A)中の水酸基モル数〕
【0070】
【発明の効果】本発明によれば、低粘度で作業性に優れ
た液状重合体組成物が得られる。しかもこの組成物を硬
化処理して得られる硬化体は、高温における耐熱性が良
好であり、かつ、低硬度(JIS A 50以下)であ
る。したがって、本発明は、電気絶縁材,コーティング
材,塗料,防水材,保護材などとして有効に利用するこ
とができる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭52−82946(JP,A) 特開 昭59−210928(JP,A) 特開 平4−164959(JP,A) 特開 昭61−272222(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 18/00 - 18/87

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 共役ジエン系モノマーの60%以上が
    1,4−結合をした、水酸基含有液状イソプレン重合体
    の水素化物および/または水酸基含有液状イソプレン−
    ブタジエン共重合体の水素化物(A),炭素数が16〜
    80の飽和二価アルコールおよび/または共役ジエン系
    モノマーの60%以上が1,2−結合をした、水酸基含
    有液状ジエン系重合体の水素化物からなる反応性希釈剤
    (B),可塑剤(C)およびポリイソシアネート化合物
    (D)からなる液状重合体組成物。
  2. 【請求項2】 (A)成分における水酸基に対して、
    (B)成分における水酸基が、モル比で1〜2.5倍で
    あることを特徴とする請求項1に記載の液状重合体組成
    物。
  3. 【請求項3】 JIS A 50以下の硬度を有する請
    求項1に記載の液状重合体組成物の硬化物。
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