JP3364511B2 - 薄膜磁気ヘッドの製造方法、および、薄膜磁気ヘッドの製造に用いる研磨用砥粒 - Google Patents

薄膜磁気ヘッドの製造方法、および、薄膜磁気ヘッドの製造に用いる研磨用砥粒

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JP3364511B2 JP15917693A JP15917693A JP3364511B2 JP 3364511 B2 JP3364511 B2 JP 3364511B2 JP 15917693 A JP15917693 A JP 15917693A JP 15917693 A JP15917693 A JP 15917693A JP 3364511 B2 JP3364511 B2 JP 3364511B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、薄膜磁気ヘッドの浮上
面のように、硬度の異なる異種材料で構成された加工面
を研磨する方法に係り、特に、浮上面に磁性膜の端面を
突出させることのできる薄膜磁気ヘッドの製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気記録媒体の記録密度を向上さ
せるための一つの手段として、磁気ヘッドを磁気記録媒
体に接近させることが研究されている。磁気ヘッド1と
磁気記録媒体21との位置関係は図3に示すように、薄
膜磁気ヘッド1の浮上面2は、磁気記録媒体21から一
定量浮上している。磁気記録媒体21上の記録ビット長
は、図4のように、磁気ヘッドの浮上量と比例関係にあ
ることが知られている。例えば、図4の場合には、浮上
量が0.01μm増加すると上記ビット長が0.05μ
m増加する。そのため、記録密度を向上させるために、
磁気ヘッド1の浮上量を極力小さくすることが望まれて
いる。
【0003】ところで、薄膜磁気ヘッド1は、図2、図
3に示すように、基板13上に、保護膜12や磁性膜1
3を備えており、浮上面2は、いわゆるラッピングによ
り形成される。ラッピングとは、軟質金属製のラップ定
盤上へ、ダイヤモンド砥粒を含んだラップ液を滴下しな
がら、ホルダーに保持された磁気ヘッド1を押圧摺動さ
せ、磁気ヘッドの浮上面を研磨する方法である。ラッピ
ング方法は、例えば、トリガー88−1、第51頁〔T
RIGGER88−1(1988),P51〕に記載さ
れている。
【0004】また、特開平4−178910号公報記載
のように、砥粒を磁気ヘッドに対して押しつけることな
く研磨を行うフロートポリシングにより、薄膜磁気ヘッ
ドの浮上面を形成し、浮上面に磁性膜を突出させる方法
が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のダイヤモンド砥粒を用いたラッピング方法で、薄膜
磁気ヘッドの浮上面2のように、基板13、保護膜1
2、磁性膜13等硬さがそれぞれ異なる複数部材からな
る被加工物の表面を研磨すると、図2、図3に示すよう
に、加工面に加工段差22が生じてしまうという問題が
あった。
【0006】上記加工段差22は、硬さの異なる複数部
材で構成された被加工物を、同一のラップ圧力で仕上げ
加工する際に、それぞれの部材の材料の硬さの差により
砥粒が食い込む深さに差が生じることから発生する。一
般に薄膜磁気ヘッドでは、磁性膜11の材料が、保護膜
12および基板13の材料よりもやわらかい。例えば、
ビッカース硬さが、約200kgf/mm2の磁性膜1
1と、同硬さが1300kgf/mm2以上の保護膜1
2および基板材13で作られた従来の薄膜磁気ヘッドで
は、磁性膜11と基板13との間に、0.03μm程度
の段差が発生していた。
【0007】このような加工段差22があると、この加
工段差22の分だけ、磁性膜11を記録媒体に近付ける
ことができないために、薄膜磁気ヘッドの浮上量29を
実質的に短縮できない。つまり、図4に示した例におい
ては、磁気ヘッドの浮上面に0.03μmの加工段差が
存在すると、この段差がない場合に比べてビット長は
0.15μm長くなり、その分だけ記録密度が低下す
る。
【0008】また、特開平4−178910号公報記載
の方法のように、フロートポリシング方法を用いると、
磁性膜を浮上面に突出させることができ、これにより浮
上量を減少させることができるが、フロートポリシング
方法は、砥粒を加工面に押しつけないため加工能率が低
く、生産効率が低いという問題がある。また、フロート
ポリシング方法では、浮上面の縁部の加工効率が高いと
いう特徴があるため、磁気ヘッドの浮上面の縁部が削ら
れて丸くなり、浮上面にカーボンやシリコン等の保護膜
を成膜する場合、一様な厚さの膜を形成しにくいという
問題も生じる。
【0009】本発明は、浮上面において、磁性膜の端面
が、基板の端面と同一平面上、または、基板端面より突
出した位置にある薄膜磁気ヘッドを、効率よく製造する
方法を提供することを目的とする。
【0010】
【0011】
【課題を解決するための手段】発明者らは、ラッピング
時の各部材の加工のメカニズムを考慮し、本発明をなす
に至った。
【0012】硬さの異なる複数の被加工部材を、一定の
ラップ力(ラップ定盤を押しつける力)で、ラッピング
すると、被加工部材毎に砥粒が食い込む深さに差が生
じ、部材毎に加工能率が異なる。一方、ある一つの部材
を、種々のラップ力でラッピングすると、ラップ力と加
工能率とは、ほぼ比例関係にある。
【0013】しかし、硬さの異なる複数の部材で構成さ
れている被加工物の表面をラッピングする場合、部材毎
にラップ力を変えることはできないため、部材毎に砥粒
がくい込む深さに差が生じ、加工段差が生じる。
【0014】ところで、ラッピングにより生じる切屑
は、砥粒のくい込み、ひっかきによる被加工物の材料そ
のものではなく、図5に示すように、被ラッピング物の
表面が水酸化する化学反応が生じ、この水酸化物が切屑
として排出されていることが知られている。
【0015】発明者らは、被加工物の水酸化物を砥粒を
用いることにより、被加工物の表面で生じる水酸化物の
切屑の生成反応を抑制することができ、これにより、切
屑の排出を抑制することができることを見出した。切屑
の排出を抑制することにより、従来ダイヤモンド砥粒を
用いてラッピングして場合に生じていた加工段差を小さ
くすることができ、さらには、従来くぼんでいた部分を
突出させることができる。
【0016】上記目的を達成するために、本発明によれ
ば、以下のような薄膜磁気ヘッドの製造方法が提供され
る。
【0017】すなわち、基板と磁性膜とを有する薄膜磁
気ヘッドの製造方法であって、金属元素Mを含む材料に
より前記磁性膜を成膜する工程と、前記基板および磁性
膜の端面を、砥粒と水とを含む研磨液を用いて研磨する
ことにより浮上面を形成する工程とを有し、前記金属元
素Mは、水酸化物を形成可能な元素であり、前記砥粒
は、前記金属元素Mの水酸化物を含むことを特徴とする
薄膜磁気ヘッドの製造方法である。
【0018】
【作用】本発明の作用を図5、図6、図7を用いて説明
する。
【0019】硬度の異なる材料101、材料102から
なる複合材に対して、従来のようにダイヤモンド砥粒1
5をラップ定盤14で押しつけてラッピングした時、図
6に示すように硬度の低い材料101が材料102より
も効果的に加工され、段差δが生じる。
【0020】一般に、金属表面の酸化膜の様な金属酸化
物や、セラミックスのような金属酸化物のラッピングに
おいて、金属酸化物の表面は、砥粒による加工力の作用
により活性化され、この部分が、ラップ液中の水と反応
し、金属水酸化物が生成され切屑として排出される。こ
の様子を図5に示す。また、切屑の生成を化学反応式で
書くと次式のようになる。
【0021】
【化1】
【0022】ただし式中のMは、一例として4価の金属
元素を表わす。
【0023】本発明では、硬度の低い材料101に含ま
れる金属元素Mの水酸化物を砥粒として用いてラッピン
グすることにより、被加工物表面の金属元素Mの水酸化
物の濃度を高め、材料101の水酸化物の切屑が生成さ
れる化学反応を抑制する。つまり、例えば、MO2を砥
粒として用いラッピングすると、砥粒と被ラッピング物
の界面においてMO2の濃度が高いため、化1の反応は
左辺から右辺の反応にかたよる。すなわち、M(OH)4
が切屑として排出され易くなる。逆に、M(OH)4を砥
粒として用いラッピングすると、砥粒と被ラッピング物
の界面においてM(OH)4の濃度が高いため、化1の平
衡状態は左辺にかたよる。すなわち、M(OH)4が切屑
として排出されにくくなる。
【0024】これにより、材料101の切屑排出は抑制
され、図7に示したように材料101と材料102との
間の段差は、ダイヤモンド砥粒で研磨した時よりも小さ
くなる。さらには、材料101の加工面を材料102の
加工面よりも突出させることが可能になる。
【0025】これを薄膜磁気ヘッドの製造する際に、浮
上面のラッピングに用いると、磁性膜を構成する金属元
素Mの水酸化物を砥粒に用いラッピングすることによ
り、磁性膜の端面を基板の端面よりも突出させることが
可能になる。これにより、浮上面において、加工段差が
ゼロ、もしくは磁性膜が基板より突出した薄膜磁気ヘッ
ドを製作することができ、これにより、薄膜磁気ヘッド
の浮上量を減少させることができ、記録密度を従来より
も飛躍的に高めた磁気ディスク装置が得られる。
【0026】
【実施例】本発明の一実施例の薄膜磁気ヘッドの製造方
法を図面を用いて説明する。
【0027】本実施例の薄膜磁気ヘッドは、基板13上
に、磁性膜11と、保護膜12と、薄膜コイル105と
を備えている。浮上面2は、基板13、磁性膜11、保
護膜12の端面で構成され、磁性膜11の端面は、図8
(d)に示すように、他の膜の端面よりも突出してい
る。本実施例では、磁性膜11は、NiとFeの合金で
あるパーマロイで、保護膜12は、Al23で、基板1
3は、アルミナ系セラミックスで構成されている。ビッ
カース硬さは、磁性膜11が約200kgf/mm2
保護膜12および基板材13が1300kgf/mm2
以上であり、保護膜12は基板13よりやわらかい。
【0028】つぎに本実施例の薄膜磁気ヘッドの製造方
法について説明する。
【0029】まず、基板13上に、保護膜12、磁性膜
11、薄膜コイル105を成膜する。
【0030】つぎに、浮上面2をラッピングにより形成
する。本実施例では、Fe(OH)3を砥粒として用い
た。また、比較例として、Al23、Fe23、Al
(OH)3を砥粒に用いて同様にラッピングした。ラッ
プ定盤14の材料は錫、定盤回転数100rpm、ラッ
プ圧は6g/mm2、ラップ液は、上記砥粒2.0gを
1lのイオン交換水中に界面活性剤で分散させたもので
ある。なお、砥粒の平均粒径は、10μmとした。
【0031】まず、第1の比較例として砥粒をAl23
にしたときのラッピングの模式図を図8(a)に示す。
砥粒17のAl23と保護膜12および基板13のAl
23の界面では、次式で示される反応がおこる。
【0032】
【化2】
【0033】砥粒17と保護膜12との界面、砥粒17
と基板13との界面においては、砥粒17がAl23
あるために、Al23の濃度が高く、化2の反応は左辺
から右辺への反応にかたよる。すなわち、Al(OH)
3が切屑として排出され易くなる。一方、砥粒17のA
23と磁性膜11のパーマロイの界面では前記のよう
な反応は起きない。保護膜12は、磁性膜11より硬度
が高いが、Al23を砥粒として用いることにより、保
護膜12の加工効率が高くなり、磁性膜11と保護膜1
2との段差23は、ダイヤモンド砥粒を用いた場合より
小さくなる。保護膜12と基板13との段差24は、ダ
イヤモンド砥粒を用いた場合とほとんど変らない。した
がって、磁性膜11と基板13との段差22は、ダイヤ
モンド砥粒を用いた場合より、若干小さくなる。この結
果を図9の(a)欄に示す。
【0034】つぎに、第2の比較例として砥粒をFe2
3にしたときのラッピングの模式図を図8(b)に示
す。砥粒18のFe23と磁性膜11表面の酸化された
酸化膜Fe23の界面では、次式で示される反応がおこ
る。
【0035】
【化3】
【0036】砥粒18と磁性膜11との界面において
は、Feの濃度が高く、化3の反応は左辺から右
辺への反応にかたよる。すなわち、Fe(OH)が切
屑として排出され易くなる。一方、砥粒のFe
保護膜12のAlの界面では前記のような反応は
起きない。また、砥粒18と基板13との界面でも前記
のような反応は起きない。磁性膜11は、保護膜12お
よび基板13より硬度が低い上、前記反応によりさらに
加工効率が高くなり、段差23は、ダイヤモンド砥粒を
用いた場合より大きくなる。従って、磁性膜11と基板
3との段差22は、ダイヤモンド砥粒を用いた場合より
大きくなる。この結果を図9の(b)欄に示す。
【0037】第3の比較例として、砥粒をAl(OH)
3にしたときのラッピングの模式図を図8(d)に示
す。
【0038】砥粒19のAl(OH)3と保護膜12と
の界面、砥粒19と基板13のAl23の界面では、上
述の化3で示される反応が起こる。ところが、この界面
では、砥粒19であるAl(OH)3の濃度が高いた
め、化2の反応は右辺から左辺への反応にかたよる。す
なわち、保護膜12および基板13と砥粒19の界面に
おいて、Al(OH)3が切屑として排出されにくくな
り、保護膜12および基板13の加工効率が低下する。
一方、砥粒19のAl(OH)3と磁性膜11の表面の
酸化膜Fe23の界面では、前記のような反応は起きな
い。したがって、磁性膜11と保護膜12との段差23
は、ダイヤモンド砥粒を用いた場合より小さくなる。ま
た、保護膜12と基板13と段差24は、ダイヤモンド
砥粒を用いた場合より小さくなる。従って、磁性膜11
と基板13との段差22は小さくなる。この結果を図9
の(c)欄に示す。
【0039】つぎに、本実施例の砥粒をFe(OH)3
にしたときのラッピングの模式図を図8(d)に示す。
【0040】砥粒20のFe(OH)3と磁性膜表面の
酸化膜Fe23の界面では化3で示される反応が起こ
る。ところが、この界面では、砥粒20であるFe(O
H)3の濃度が高いため、化3の反応は、右辺から左辺
への反応に片寄る。すなわち、Fe(OH)3が切屑と
して排出されにくくなり、磁性膜11の加工効率が低下
する。一方、砥粒20と保護膜12の界面、砥粒20と
基板13との界面では前記のような反応は起きない。し
たがって、磁性膜11が、保護膜12および基板13よ
りもやわらかいにもかかわらず、砥粒20による加工効
率は、保護膜12および基板13よりも低くなる。これ
により、磁性膜11の加工面は、保護膜12および基板
13の加工面よりも突出する。また、保護膜12と基板
13との段差24は、ダイヤモンド砥粒を用いた場合と
変らない。この結果を図9の(d)欄に示す。
【0041】このように、本実施例では、磁性膜11の
水酸化を抑制するために、磁性膜11の構成元素である
Feの水酸化物を砥粒として、薄膜磁気ヘッドの浮上面
をラッピングすることにより、硬度の低い磁性膜11
を、硬度の高い保護膜12および基板13より突出させ
ることができる。磁性膜11が突出した形状である場合
には、加工段差に妨げられることなく、磁性膜11の端
部を磁気記録媒体に接近させることができる。したがっ
て、浮上量を低減することができ、記録密度を向上させ
ることが可能になる。例えば、従来のようにダイヤモン
ド砥粒を用いた場合には、磁性膜と基板との間に0.0
3μmの加工段差が生じていたが、本実施例により、こ
れをゼロ、さらには磁性膜部を保護膜、基板より出っぱ
らすことができ、これにより、磁気ディスクの記録ビッ
ト長の限界値を少なくとも0.15μm以上短縮するこ
とができる。
【0042】また、本実施例では、砥粒をラップ定盤に
より、加工面に押しつけ研磨するラッピング方法を用い
て浮上面を加工しているため、フロートポリシングやエ
ッチング等の他の加工方法と比較して、加工効率が高
く、薄膜磁気ヘッドを製造効率を向上させることができ
る。また、本実施例で作成した薄膜磁気ヘッドの浮上面
の面粗さは、Rmax4.5〜10.0nm,Ra0.
5〜2.0nm,Rz2.0〜8.0nmである。この
面粗さは、フロートポリシングやエッチングにより加工
した場合の面粗さより粗いが、薄膜磁気ヘッドの浮上特
性および記録/再生特性に影響を与えるものではない。
また、本実施例の薄膜磁気ヘッドは、ラッピングで加工
しているため浮上面の縁部にだれ(丸み)が生じること
がなく、浮上面上にシリコンやカーボン等でさらに保護
膜を一様に形成することが可能である。 また、上記実
施例においては、薄膜磁気ヘッドの浮上面をラッピング
する例について説明したが、本発明は、薄膜磁気ヘッド
にかぎらず、金属あるいは金属酸化物から構成される全
ての複合材のラッピングに適しており、硬度の小さな部
分があっても、この部分に発生していたくぼみによる加
工段差を低減したり、逆に突出させることができる。例
えば、セラミック基板と配線層とを多層に積層した多層
配線基板の端面の研磨に用いた場合には、配線層の端面
をセラミック基板の端面より突出させることができる。
【0043】本実施例においては、砥粒として、金属水
酸化物を単体で用いたが、金属水酸化物の砥粒と、ダイ
ヤモンド砥粒とを混合して用いることも可能である。こ
れにより、加工効率を調節することができる。
【0044】
【発明の効果】上述したように、本発明によれば、金属
の水酸化物を砥粒として用いラッピングすることによ
り、硬度の異なる複数の材料から構成された複合部材を
研磨する際に、硬度の低い部分をくぼませることなく、
さらには、逆に突出させることが可能である。この方法
を用いて、薄膜磁気ヘッドの浮上面を加工することによ
り、磁性膜の端面を基板の端面と同一平面上、さらに
は、突出させることができ、薄膜磁気ヘッドの浮上量を
低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明の一実施例の薄膜磁気ヘッドの斜
視図。(b)図(a)の薄膜磁気ヘッドの部分断面図。
【図2】(a)従来の薄膜磁気ヘッドの斜視図。(b)
図(a)の薄膜磁気ヘッドの部分断面図。
【図3】従来の薄膜磁気ヘッドと記録媒体との位置関係
を示す説明図。
【図4】薄膜磁気ヘッドの浮上量と記録ビット長の関係
を示すグラフ。
【図5】本発明のラッピング時における切り屑の排出を
示す説明図。
【図6】ダイヤモンド砥粒を用いた従来のラッピング方
法を示す説明図。
【図7】水酸化物を砥粒に用いた本発明のラッピング方
法をしめす説明図。
【図8】本発明の一実施例および比較例のラッピング時
の加工段差をしめす説明図。
【図9】本発明の実施例および比較例において、砥粒材
質の違いによる加工段差の差をしめすグラフ。
【符号の説明】
1…薄膜磁気ヘッド、2…浮上面、11…磁性膜、12
…保護膜、13…基板、14…ラツプ定盤、15…ダイ
ヤモンド砥粒、16…水酸化物の砥粒、17…Al23
砥粒、18…Fe23砥粒、19…Al(OH)3
粒、20…Fe(OH)3砥粒、21…磁気ディスク、
22、23、24…加工段差。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 磯野 千博 神奈川県小田原市国府津2880番地 株式 会社 日立製作所 ストレージシステム 事業部内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 5/31

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板と磁性膜とを有する薄膜磁気ヘッドの
    製造方法であって、 金属元素Mを含む材料により前記磁性膜を成膜する工程
    と、 前記基板および磁性膜の端面を、砥粒を用いて研磨する
    ことにより浮上面を形成する工程とを有し、 前記金属元素Mは、水酸化物を形成可能な元素であり、 前記砥粒は、前記金属元素Mの水酸化物を含むことを特
    徴とする薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記金属元素Mは、F
    eであり、前記砥粒は、前記金属元素Mの水酸化物であ
    るFe(OH)を含むことを特徴とする薄膜磁気ヘッ
    ドの製造方法。
  3. 【請求項3】磁性膜を有する薄膜磁気ヘッドの製造方法
    における前記薄膜磁気ヘッドの浮上面を研磨する工程に
    使用される研磨用砥粒であって、 前記磁性膜に含まれる金属元素の水酸化物を含むことを
    特徴とする研磨用砥粒。
JP15917693A 1993-06-29 1993-06-29 薄膜磁気ヘッドの製造方法、および、薄膜磁気ヘッドの製造に用いる研磨用砥粒 Expired - Fee Related JP3364511B2 (ja)

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