JPH05166321A - 浮動型磁気ヘッドの製造方法 - Google Patents
浮動型磁気ヘッドの製造方法Info
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- JPH05166321A JPH05166321A JP33469691A JP33469691A JPH05166321A JP H05166321 A JPH05166321 A JP H05166321A JP 33469691 A JP33469691 A JP 33469691A JP 33469691 A JP33469691 A JP 33469691A JP H05166321 A JPH05166321 A JP H05166321A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明はスライダの磁気記録媒体対向面を、
容易に凹凸状にすることができ、コンタクト・スタート
・ストップ特性を向上させることのできる信頼性、生産
性に優れた浮動型磁気ヘッドの製造方法の提供を目的と
する。 【構成】 本発明の浮動型磁気ヘッドの製造方法は、ス
ライダの磁気記録媒体対向面をアクリル樹脂、ゴム、バ
フ布等からなる軟質ラッピング定盤を用いてラッピング
処理する構成からなる。 【効果】 ダイヤモンド等の砥粒がスライダと定盤間に
滞留し易くなる結果、微小切削が可能となり、小さな硬
度を有する相が、摩耗速度の違いにより相対的に大きく
窪んだ凹凸状の表面形状を容易にえることができる。
容易に凹凸状にすることができ、コンタクト・スタート
・ストップ特性を向上させることのできる信頼性、生産
性に優れた浮動型磁気ヘッドの製造方法の提供を目的と
する。 【構成】 本発明の浮動型磁気ヘッドの製造方法は、ス
ライダの磁気記録媒体対向面をアクリル樹脂、ゴム、バ
フ布等からなる軟質ラッピング定盤を用いてラッピング
処理する構成からなる。 【効果】 ダイヤモンド等の砥粒がスライダと定盤間に
滞留し易くなる結果、微小切削が可能となり、小さな硬
度を有する相が、摩耗速度の違いにより相対的に大きく
窪んだ凹凸状の表面形状を容易にえることができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ハードディスク装置等
に用いられる浮動型磁気ヘッドの製造方法に関するもの
である。
に用いられる浮動型磁気ヘッドの製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年、小型ハードディスク装置において
は、浮動型磁気ヘッドを磁気記録媒体の停止時にはその
上で停止させ、磁気記録媒体の回転とともに磁気記録媒
体から一定の間隔(以下、浮上量とする)で浮上させる
というコンタクト・スタート・ストップ(以下、CSS
と略す)方式が採用されている。また記録密度を高める
ことが、主に浮上量を小さくすることでなされており、
そのために様々な努力が行われている。
は、浮動型磁気ヘッドを磁気記録媒体の停止時にはその
上で停止させ、磁気記録媒体の回転とともに磁気記録媒
体から一定の間隔(以下、浮上量とする)で浮上させる
というコンタクト・スタート・ストップ(以下、CSS
と略す)方式が採用されている。また記録密度を高める
ことが、主に浮上量を小さくすることでなされており、
そのために様々な努力が行われている。
【0003】以下に従来の浮上型磁気ヘッドの製造方法
について説明する。浮上型磁気ヘッドは、表面から16
0nmにおける表面硬度(深さを160nmにするのは
データの精度を高めるためである)が600〜1400
(kgf/mm2)であるCaTiO3,SrTiO3を主成分と
する相の混合体をスライダとし、(Mn−Zn)フェラ
イトコア及びガラスから構成される、通称コンポジット
ヘッドと呼ばれる磁気ヘッドが用いられている。この浮
動型磁気ヘッドの磁気記録媒体対向面の加工は、微小な
ダイヤモンド粒子と錫製のラッピング定盤を用いた湿式
軟質金属ラップにより行われている。
について説明する。浮上型磁気ヘッドは、表面から16
0nmにおける表面硬度(深さを160nmにするのは
データの精度を高めるためである)が600〜1400
(kgf/mm2)であるCaTiO3,SrTiO3を主成分と
する相の混合体をスライダとし、(Mn−Zn)フェラ
イトコア及びガラスから構成される、通称コンポジット
ヘッドと呼ばれる磁気ヘッドが用いられている。この浮
動型磁気ヘッドの磁気記録媒体対向面の加工は、微小な
ダイヤモンド粒子と錫製のラッピング定盤を用いた湿式
軟質金属ラップにより行われている。
【0004】しかし、湿式軟質金属ラップによるコンポ
ジットヘッドは、CSS特性と呼ばれるヘッド・ディス
ク間の摩擦摩耗特性が悪く、特に前述したように低浮上
量化が求められている今日CSS特性の改善は極めて重
要な課題となっている。
ジットヘッドは、CSS特性と呼ばれるヘッド・ディス
ク間の摩擦摩耗特性が悪く、特に前述したように低浮上
量化が求められている今日CSS特性の改善は極めて重
要な課題となっている。
【0005】そこで、コンポジットヘッドのCSS特性
を改善する方法として、磁気記録媒体との接触面積を減
らす観点から、コンポジットヘッドの磁気記録媒体対向
面をある程度粗すことが有効とされ、粗い粒子を用いて
ラッピング加工する方法や、特開平1−251308号
公報に開示されたような逆スパッタ法を用いる方法等に
よってCSS特性の改善が図られている。
を改善する方法として、磁気記録媒体との接触面積を減
らす観点から、コンポジットヘッドの磁気記録媒体対向
面をある程度粗すことが有効とされ、粗い粒子を用いて
ラッピング加工する方法や、特開平1−251308号
公報に開示されたような逆スパッタ法を用いる方法等に
よってCSS特性の改善が図られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の粗い粒子を用いて加工する方法では、スクラッチを発
生させるという問題点があり、一方、逆スパッタ法等を
用いる方法では、その応用性及び作業性の点より量産性
に欠けるという問題点を有していた。特にコンポジット
ヘッドにおいては、それぞれ物性の異なる3種の材料、
すなわち非磁性セラミックスとMn−Znフェライト及
びガラスからなるが、ガラスとMn−Znフェライトの
物理的エッチング速度が非磁性セラミックスの物理的エ
ッチング速度より大きいために、これらがスライダ表面
より大きく削られてしまうという問題点があり、特にガ
ラス部の窪みは5000Åにも及び、コア強度の面から
大きな問題点となっている。これを防止するにはガラス
部とMn−Znフェライト部を完全にマスクして加工せ
ねばならず、その分作業工数が増え、生産性が大きく低
下するという問題点があった。また、微小な無機物系の
塵や有機物が存在すると、同様なエッチング速度の不均
一化が生じ、凹凸量のコントロールが困難で、CSS時
にヘッドクラッシュを引き起こす突起が発生し易く品質
上で信頼性に欠け、更に製品歩留りが低いという問題点
があった。更に、非磁性セラミックス部においては、逆
に物理的エッチング速度が極めて遅く、逆スパッタ法に
よっても凹凸を付与すること自体が困難であるという問
題点があった。
の粗い粒子を用いて加工する方法では、スクラッチを発
生させるという問題点があり、一方、逆スパッタ法等を
用いる方法では、その応用性及び作業性の点より量産性
に欠けるという問題点を有していた。特にコンポジット
ヘッドにおいては、それぞれ物性の異なる3種の材料、
すなわち非磁性セラミックスとMn−Znフェライト及
びガラスからなるが、ガラスとMn−Znフェライトの
物理的エッチング速度が非磁性セラミックスの物理的エ
ッチング速度より大きいために、これらがスライダ表面
より大きく削られてしまうという問題点があり、特にガ
ラス部の窪みは5000Åにも及び、コア強度の面から
大きな問題点となっている。これを防止するにはガラス
部とMn−Znフェライト部を完全にマスクして加工せ
ねばならず、その分作業工数が増え、生産性が大きく低
下するという問題点があった。また、微小な無機物系の
塵や有機物が存在すると、同様なエッチング速度の不均
一化が生じ、凹凸量のコントロールが困難で、CSS時
にヘッドクラッシュを引き起こす突起が発生し易く品質
上で信頼性に欠け、更に製品歩留りが低いという問題点
があった。更に、非磁性セラミックス部においては、逆
に物理的エッチング速度が極めて遅く、逆スパッタ法に
よっても凹凸を付与すること自体が困難であるという問
題点があった。
【0007】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
で、スライダの磁気記録媒体対向面を、容易に凹凸状に
することができ、CSS特性を向上させることのできる
信頼性、生産性に優れ低原価で量産性に適した浮動型磁
気ヘッドの製造方法を提供することを目的とする。
で、スライダの磁気記録媒体対向面を、容易に凹凸状に
することができ、CSS特性を向上させることのできる
信頼性、生産性に優れ低原価で量産性に適した浮動型磁
気ヘッドの製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に請求項1の浮動型磁気ヘッドの製造方法は、スライダ
の磁気記録媒体対向面をアクリル樹脂、ゴム、バフ布等
からなる軟質ラッピング定盤を用いてラッピング処理す
る構成を有している。
に請求項1の浮動型磁気ヘッドの製造方法は、スライダ
の磁気記録媒体対向面をアクリル樹脂、ゴム、バフ布等
からなる軟質ラッピング定盤を用いてラッピング処理す
る構成を有している。
【0009】請求項2の浮動型磁気ヘッドの製造方法は
表面から160nmにおける表面硬度が350〜800
(kgf/mm2) の無機化合物の相と前記表面硬度が600〜
1000(kgf/mm2) の無機化合物の相の混合体からなる
スライダの磁気記録媒体対向面を、軟質ラッピング定盤
を用いてラッピング処理し前記対向面を凹凸状にする工
程を備えた構成を有している。
表面から160nmにおける表面硬度が350〜800
(kgf/mm2) の無機化合物の相と前記表面硬度が600〜
1000(kgf/mm2) の無機化合物の相の混合体からなる
スライダの磁気記録媒体対向面を、軟質ラッピング定盤
を用いてラッピング処理し前記対向面を凹凸状にする工
程を備えた構成を有している。
【0010】
【作用】この構成によって、ラッピング定盤が高弾性体
よりなるためダイヤモンド等の硬質砥粒がスライダ加工
面と定盤間に滞留し易く、この滞留した硬質砥粒により
スライダの柔らかい相を早く、より深く摩耗することが
できる。また、浮動型磁気ヘッドの磁気記録媒体対向面
を、小さな硬度を有する相が軟質ラップで硬度の違いに
より大きく窪み適度な凹凸状に容易に加工することがで
き、その結果浮動型磁気ヘッドのCSS特性を向上させ
ることができる。
よりなるためダイヤモンド等の硬質砥粒がスライダ加工
面と定盤間に滞留し易く、この滞留した硬質砥粒により
スライダの柔らかい相を早く、より深く摩耗することが
できる。また、浮動型磁気ヘッドの磁気記録媒体対向面
を、小さな硬度を有する相が軟質ラップで硬度の違いに
より大きく窪み適度な凹凸状に容易に加工することがで
き、その結果浮動型磁気ヘッドのCSS特性を向上させ
ることができる。
【0011】
【実施例】以下本発明の一実施例における浮上型磁気ヘ
ッドの製造方法を説明する。
ッドの製造方法を説明する。
【0012】図1は本発明の一実施例における浮動型磁
気ヘッドの外観斜視図である。1は非磁性セラミックス
からなるスライダ、2はMn−Znフェライトからなる
Mn−Znフェライトコア、3はMn−Znフェライト
コア2をスライダ1に接着するためのガラス、aはスラ
イダ1の磁気記録媒体対向面である。
気ヘッドの外観斜視図である。1は非磁性セラミックス
からなるスライダ、2はMn−Znフェライトからなる
Mn−Znフェライトコア、3はMn−Znフェライト
コア2をスライダ1に接着するためのガラス、aはスラ
イダ1の磁気記録媒体対向面である。
【0013】以上のように構成された本実施例における
浮動型磁気ヘッドについて、以下その製造方法を説明す
る。
浮動型磁気ヘッドについて、以下その製造方法を説明す
る。
【0014】Mn−Znフェライトコア2を溶融したガ
ラス3を用いてスライダ1に接着して作製された浮動型
磁気ヘッドを加工用治具(図示せず)上に固定する。次
いで、微細なダイヤモンド粒子等をラッピング砥粒と
し、アクリル樹脂等の高弾性体をラッピング定盤とする
加工機を用いて、スライダ1の磁気記録媒体対向面を軟
質ラップする。
ラス3を用いてスライダ1に接着して作製された浮動型
磁気ヘッドを加工用治具(図示せず)上に固定する。次
いで、微細なダイヤモンド粒子等をラッピング砥粒と
し、アクリル樹脂等の高弾性体をラッピング定盤とする
加工機を用いて、スライダ1の磁気記録媒体対向面を軟
質ラップする。
【0015】以上の方法によって製造した本実施例にお
ける浮動型磁気ヘッドと従来の浮動型磁気ヘッドについ
て比較試験を行った。以下その結果について説明する。
ける浮動型磁気ヘッドと従来の浮動型磁気ヘッドについ
て比較試験を行った。以下その結果について説明する。
【0016】まず、本試験において使用するスライダ用
非磁性セラミック材料を作製した。材料A,Bは、Ca
TiO3,SrTiO3,TiO2,P2O5,SiO2,Z
rO2,Al2O3の固溶体又は混合物あるいはその構成
元素からなる化合物で略構成される焼結体であって、そ
の主な組成は、CaTiO3,SrTiO3,TiO 2,
P2O5,SiO2,ZrO2,Al2O3換算で、材料Aで
は、42,37,14,2,1.5,3,0.5mol%で
あり、材料Bは、43,38,14,1,1,2.7,
0.3mol%である。
非磁性セラミック材料を作製した。材料A,Bは、Ca
TiO3,SrTiO3,TiO2,P2O5,SiO2,Z
rO2,Al2O3の固溶体又は混合物あるいはその構成
元素からなる化合物で略構成される焼結体であって、そ
の主な組成は、CaTiO3,SrTiO3,TiO 2,
P2O5,SiO2,ZrO2,Al2O3換算で、材料Aで
は、42,37,14,2,1.5,3,0.5mol%で
あり、材料Bは、43,38,14,1,1,2.7,
0.3mol%である。
【0017】この材料A及び材料Bについて、表面から
160nmにおける表面硬度及び表面積占有率を測定し
た。この結果を(表1)に示す。
160nmにおける表面硬度及び表面積占有率を測定し
た。この結果を(表1)に示す。
【0018】
【表1】
【0019】ここで、表面硬度は島津製作所製ダイナミ
ック硬度計を用い、最大荷重1gfにおける負荷と圧子
の挿入深さから求めた。表面積占有率は、鏡面のSEM
写真(2000倍)より求めた。図2に材料A及び材料
Bの鏡面の模式図を示す。
ック硬度計を用い、最大荷重1gfにおける負荷と圧子
の挿入深さから求めた。表面積占有率は、鏡面のSEM
写真(2000倍)より求めた。図2に材料A及び材料
Bの鏡面の模式図を示す。
【0020】これ等の結果より、材料A及び材料Bが表
面積において4.5%,2%を占める表面から160n
mにおける表面硬度において硬度350〜800(kgf/m
m2)を有する酸化物の相と、前記表面硬度600〜10
00(kgf/mm2) を有する酸化物の相の混合体から構成さ
れていることがわかった。
面積において4.5%,2%を占める表面から160n
mにおける表面硬度において硬度350〜800(kgf/m
m2)を有する酸化物の相と、前記表面硬度600〜10
00(kgf/mm2) を有する酸化物の相の混合体から構成さ
れていることがわかった。
【0021】次に、軟質ラッピング定盤を用いたラッピ
ング方法について説明する。 (実験例1〜4)図1に示す浮動型磁気ヘッドを前記材
料A及びBを用いて作製し、次の条件でラッピング処理
を行った。
ング方法について説明する。 (実験例1〜4)図1に示す浮動型磁気ヘッドを前記材
料A及びBを用いて作製し、次の条件でラッピング処理
を行った。
【0022】ラッピング定盤として直径30cm、厚み
2.0cmのアクリル製のものを用い、ラッピング砥粒と
して平均粒径0.12μmのダイヤモンド粒子を用い
た。加工機として、ラップマスターと呼ばれるものを用
いた。ラッピング時間は60秒とし、ラッピング定盤の
回転数は40rpm と60rpm の2種類で行った。各実験
例について、浮動型磁気ヘッド30個を各々作製した。
2.0cmのアクリル製のものを用い、ラッピング砥粒と
して平均粒径0.12μmのダイヤモンド粒子を用い
た。加工機として、ラップマスターと呼ばれるものを用
いた。ラッピング時間は60秒とし、ラッピング定盤の
回転数は40rpm と60rpm の2種類で行った。各実験
例について、浮動型磁気ヘッド30個を各々作製した。
【0023】次に、この加工面の表面形状を、各々の浮
動型磁気ヘッドについて、触針式表面粗さ計にて55μ
mの距離にわたり計10箇所測定した。
動型磁気ヘッドについて、触針式表面粗さ計にて55μ
mの距離にわたり計10箇所測定した。
【0024】なお加工面の表面形状は、測定値をパソコ
ンに取り込み解析して求めた。触針式表面粗さ計は、ダ
イヤモンド製の先端半径0.1μmの触針を用いて、倍
率100万の条件にて測定した。
ンに取り込み解析して求めた。触針式表面粗さ計は、ダ
イヤモンド製の先端半径0.1μmの触針を用いて、倍
率100万の条件にて測定した。
【0025】その測定結果を(表2)に示す。
【0026】
【表2】
【0027】次に、実験例1と実験例4の浮動型磁気ヘ
ッドについて、接触式表面粗さ計を用い表面形状を測定
した。その結果を図3に示す。
ッドについて、接触式表面粗さ計を用い表面形状を測定
した。その結果を図3に示す。
【0028】図3(a)は実験例1の表面形状を示す粗
さ曲線のグラフであり、図3(b)は実験例4の表面形
状を示す粗さ曲線のグラフでである。
さ曲線のグラフであり、図3(b)は実験例4の表面形
状を示す粗さ曲線のグラフでである。
【0029】(比較例1〜4)実験例と同一の材料を用
いて浮動型磁気ヘッドを作製し、スライダ1の磁気記録
媒体対向面aを従来の金属軟質ラップにより加工した。
いて浮動型磁気ヘッドを作製し、スライダ1の磁気記録
媒体対向面aを従来の金属軟質ラップにより加工した。
【0030】加工方法は、ラッピング定盤として、実験
例と同寸法で錫製のものを用いた点を除いては、実験例
と同様にして行い、各比較例について、浮動型磁気ヘッ
ド30個を各々作製した。
例と同寸法で錫製のものを用いた点を除いては、実験例
と同様にして行い、各比較例について、浮動型磁気ヘッ
ド30個を各々作製した。
【0031】次にこの加工面の表面形状を実験例と同様
にして測定した。その測定結果を(表2)に示す。
にして測定した。その測定結果を(表2)に示す。
【0032】次に、比較例1及び比較例4の浮動型磁気
ヘッドについて、接触式表面粗さ計を用い表面形状を測
定した。その結果を図4に示す。
ヘッドについて、接触式表面粗さ計を用い表面形状を測
定した。その結果を図4に示す。
【0033】図4(a)は比較例1の表面形状を示す粗
さ曲線のグラフであり、図4(b)は比較例4の表面形
状を示す粗さ曲線のグラフである。
さ曲線のグラフであり、図4(b)は比較例4の表面形
状を示す粗さ曲線のグラフである。
【0034】(表2)、図3、図4から明らかなよう
に、本発明の軟質ラップにおいては、深さ数十〜100
0Åの凹部と、この凹部に起因する明確な凹凸形状が得
られた。一方従来の軟質金属ラップにおいては、深さ数
十〜150Å程の凹部は存在したものの、明確な凹凸形
状は得られなかった。またこれらのラップを行った浮動
型磁気ヘッド間においては、深さ50Å以上の前記凹部
の発生頻度が異なり、本発明の軟質ラップにおいては平
均で1.5個以上の凹部が粗さ曲線上で存在し、一方従
来の軟質金属ラップにおいてはこの個数は、0.3〜
0.8個であった。
に、本発明の軟質ラップにおいては、深さ数十〜100
0Åの凹部と、この凹部に起因する明確な凹凸形状が得
られた。一方従来の軟質金属ラップにおいては、深さ数
十〜150Å程の凹部は存在したものの、明確な凹凸形
状は得られなかった。またこれらのラップを行った浮動
型磁気ヘッド間においては、深さ50Å以上の前記凹部
の発生頻度が異なり、本発明の軟質ラップにおいては平
均で1.5個以上の凹部が粗さ曲線上で存在し、一方従
来の軟質金属ラップにおいてはこの個数は、0.3〜
0.8個であった。
【0035】なおこの凹部は、CaTiO3,SrTi
O3及びその固溶体又はTiO2又は微量のP,Si,Z
r,Alが拡散した母相とは組成が異なり、P,Si,
Zr,Alに富んだTi,Ca,Srの酸化物の相であ
った。
O3及びその固溶体又はTiO2又は微量のP,Si,Z
r,Alが拡散した母相とは組成が異なり、P,Si,
Zr,Alに富んだTi,Ca,Srの酸化物の相であ
った。
【0036】次に、本発明で用いたセラミックス材料の
相構成と、粗さ曲線との関係について説明する。
相構成と、粗さ曲線との関係について説明する。
【0037】図5(a)は加工面の結晶相と粒子状態を
示す模式図であり、図5(b)は図5(a)におけるA
−B断面を示す模式図である。
示す模式図であり、図5(b)は図5(a)におけるA
−B断面を示す模式図である。
【0038】H1,H2,H3は凹部の深さ、Cは凹部
の最低部となる粒子、Dは凹部の最低部となる相1間の
粒界である。
の最低部となる粒子、Dは凹部の最低部となる相1間の
粒界である。
【0039】図5(a)の断面における凹部は、図5
(b)に示すように化学的に異なる組成の柔らかい硬度
を有する相1の粒子及び粒子群であると推察される。即
ち、この凹部は加工時に相1の粒子が母相または相2の
粒子より激しく摩耗することで発生するものである。凹
部の位置としては、粒内に最低部を有する粒子Cを含む
粒子や粒子群の場合も存在するし、相1間の粒界Dの場
合も存在する。なお、凹部の深さは図5で示すように深
い方をとった。
(b)に示すように化学的に異なる組成の柔らかい硬度
を有する相1の粒子及び粒子群であると推察される。即
ち、この凹部は加工時に相1の粒子が母相または相2の
粒子より激しく摩耗することで発生するものである。凹
部の位置としては、粒内に最低部を有する粒子Cを含む
粒子や粒子群の場合も存在するし、相1間の粒界Dの場
合も存在する。なお、凹部の深さは図5で示すように深
い方をとった。
【0040】本発明の軟質ラップでは、ラッピング定盤
が高弾性体よりなるために、ダイヤモンド砥粒がスライ
ダと定盤間に滞留し易く、この滞留したダイヤモンド砥
粒によってスライダの柔らかい相がより摩耗されてくぼ
み、凹凸形状が得られるものと考えられる。
が高弾性体よりなるために、ダイヤモンド砥粒がスライ
ダと定盤間に滞留し易く、この滞留したダイヤモンド砥
粒によってスライダの柔らかい相がより摩耗されてくぼ
み、凹凸形状が得られるものと考えられる。
【0041】尚、本実施例における軟質ラップでは、定
盤としてはアクリル樹脂製の定盤を用いたがその他、ゴ
ム製やバフ布等の高弾性材料からなる定盤でも可能であ
る。また、、砥粒としてはダイヤモンド粒子の他アルミ
ナ粒子、炭化珪素系の粒子等一般に用いられている砥粒
でも適用できる。
盤としてはアクリル樹脂製の定盤を用いたがその他、ゴ
ム製やバフ布等の高弾性材料からなる定盤でも可能であ
る。また、、砥粒としてはダイヤモンド粒子の他アルミ
ナ粒子、炭化珪素系の粒子等一般に用いられている砥粒
でも適用できる。
【0042】以上のように本実施例によれば、硬度の異
なった相を有する浮動型磁気ヘッドの磁気記録媒体対向
面に、最適形状の凹凸部を簡単に付与することができ、
かつスライダの機械的強度を劣化させることがない。
なった相を有する浮動型磁気ヘッドの磁気記録媒体対向
面に、最適形状の凹凸部を簡単に付与することができ、
かつスライダの機械的強度を劣化させることがない。
【0043】
【発明の効果】以上のように本発明は、アクリル樹脂等
からなる高弾性体をラッピング定盤とする軟質ラップ法
によって、表面から160nmにおける表面硬度350
〜800(kgf/mm2) を有する柔らかい無機化合物の相と
前記表面硬度600〜1000(kgf/mm2) を有する硬い
無機化合物の相を有するセラミックス材料等からなる浮
動型磁気ヘッドの磁気記録媒体対向面を加工することに
より、ダイヤモンド等の砥粒がスライダと定盤間に滞留
し易くなる結果、微小切削が可能となり、小さな硬度を
有する相が、摩耗速度の違いにより相対的に大きく窪ん
だ凹凸状の表面形状を容易に得ることができ、磁気記録
媒体との接触面積を減少させるために、浮動型磁気ヘッ
ドのCSS特性を著しく向上させることができる、信頼
性、生産性に優れ低原価で量産性に適した浮動型磁気ヘ
ッドの製造方法を実現できるものである。
からなる高弾性体をラッピング定盤とする軟質ラップ法
によって、表面から160nmにおける表面硬度350
〜800(kgf/mm2) を有する柔らかい無機化合物の相と
前記表面硬度600〜1000(kgf/mm2) を有する硬い
無機化合物の相を有するセラミックス材料等からなる浮
動型磁気ヘッドの磁気記録媒体対向面を加工することに
より、ダイヤモンド等の砥粒がスライダと定盤間に滞留
し易くなる結果、微小切削が可能となり、小さな硬度を
有する相が、摩耗速度の違いにより相対的に大きく窪ん
だ凹凸状の表面形状を容易に得ることができ、磁気記録
媒体との接触面積を減少させるために、浮動型磁気ヘッ
ドのCSS特性を著しく向上させることができる、信頼
性、生産性に優れ低原価で量産性に適した浮動型磁気ヘ
ッドの製造方法を実現できるものである。
【図1】本発明の一実施例における浮動型磁気ヘッドの
斜視図
斜視図
【図2】材料A及び材料Bの鏡面の模式図
【図3】(a)実験例1における加工面の表面形状を示
す粗さ曲線のグラフ (b)実験例4における加工面の表面形状を示す粗さ曲
線のグラフ
す粗さ曲線のグラフ (b)実験例4における加工面の表面形状を示す粗さ曲
線のグラフ
【図4】(a)比較例1における加工面の表面形状を示
す粗さ曲線のグラフ (b)比較例4における加工面の表面形状を示す粗さ曲
線のグラフ
す粗さ曲線のグラフ (b)比較例4における加工面の表面形状を示す粗さ曲
線のグラフ
【図5】(a)加工面の結晶相と粒子状態を示す模式図 (b)図5(a)におけるA−B断面を示す模式図
1 スライダ 2 Mn−Znフェライトコア 3 ガラス a スライダの磁気記録媒体との対向面 C 凹部の最低部となる粒子 D 凹部の最低部となる相1間の粒界 H1 凹部の深さ H2 凹部の深さ H3 凹部の深さ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木村 淳一 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内
Claims (2)
- 【請求項1】スライダの磁気記録媒体対向面をアクリル
樹脂、ゴム、バフ布等からなる軟質ラッピング定盤を用
いてラッピング処理することを特徴とする浮動型磁気ヘ
ッドの製造方法。 - 【請求項2】表面から160nmにおける表面硬度が3
50〜800(kgf/mm2) の無機化合物の相と前記表面硬
度が600〜1000(kgf/mm2) の無機化合物の相の混
合体からなるスライダの磁気記録媒体対向面を、軟質ラ
ッピング定盤を用いてラッピング処理することを特徴と
する浮動型磁気ヘッドの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33469691A JPH05166321A (ja) | 1991-12-18 | 1991-12-18 | 浮動型磁気ヘッドの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33469691A JPH05166321A (ja) | 1991-12-18 | 1991-12-18 | 浮動型磁気ヘッドの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05166321A true JPH05166321A (ja) | 1993-07-02 |
Family
ID=18280201
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33469691A Pending JPH05166321A (ja) | 1991-12-18 | 1991-12-18 | 浮動型磁気ヘッドの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05166321A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0583985A2 (en) * | 1992-08-19 | 1994-02-23 | Komag, Inc. | Method of making magnetic recording head slider and the resulting slider |
US5673156A (en) * | 1993-06-21 | 1997-09-30 | Komag, Inc. | Hard disk drive system having virtual contact recording |
US6712985B2 (en) | 2001-07-03 | 2004-03-30 | Hitachi Global Storage Technologies | Method and apparatus for the manufacture of thin film magnetic transducers using a compliant, soft lapping process |
-
1991
- 1991-12-18 JP JP33469691A patent/JPH05166321A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0583985A2 (en) * | 1992-08-19 | 1994-02-23 | Komag, Inc. | Method of making magnetic recording head slider and the resulting slider |
EP0583985A3 (en) * | 1992-08-19 | 1995-08-09 | Komag Inc | Method of manufacturing the slider of a magnetic recording head and the resulting head. |
US5673156A (en) * | 1993-06-21 | 1997-09-30 | Komag, Inc. | Hard disk drive system having virtual contact recording |
US6712985B2 (en) | 2001-07-03 | 2004-03-30 | Hitachi Global Storage Technologies | Method and apparatus for the manufacture of thin film magnetic transducers using a compliant, soft lapping process |
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