JPH05166320A - 浮動型磁気ヘッドのスライダ用材料及びそれを用いた浮動型磁気ヘッド - Google Patents
浮動型磁気ヘッドのスライダ用材料及びそれを用いた浮動型磁気ヘッドInfo
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- JPH05166320A JPH05166320A JP33469591A JP33469591A JPH05166320A JP H05166320 A JPH05166320 A JP H05166320A JP 33469591 A JP33469591 A JP 33469591A JP 33469591 A JP33469591 A JP 33469591A JP H05166320 A JPH05166320 A JP H05166320A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は浮動型磁気ヘッドのスライダ表面を
容易に凹凸状に加工できる、加工性、生産性に優れた浮
動型磁気ヘッドのスライダ用材料の提供を目的とする。 【構成】 本発明の浮動型磁気ヘッドのスライダ用材料
は、表面から160nmの深さにおける表面硬度が35
0〜800(kgf/mm2) である無機化合物の相と、前記表
面硬度が600〜1000(kgf/mm2) である無機化合物
の相と、を有する構成からなる。
容易に凹凸状に加工できる、加工性、生産性に優れた浮
動型磁気ヘッドのスライダ用材料の提供を目的とする。 【構成】 本発明の浮動型磁気ヘッドのスライダ用材料
は、表面から160nmの深さにおける表面硬度が35
0〜800(kgf/mm2) である無機化合物の相と、前記表
面硬度が600〜1000(kgf/mm2) である無機化合物
の相と、を有する構成からなる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ハードディスク装置等
に用いられる浮動型磁気ヘッドのスライダ用材料及びそ
れを用いた浮動型磁気ヘッドに関するものである。
に用いられる浮動型磁気ヘッドのスライダ用材料及びそ
れを用いた浮動型磁気ヘッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、小型ハードディスク装置において
は、浮動型磁気ヘッドを磁気記録媒体の停止時にはその
上で停止させ、磁気記録媒体の回転とともに磁気記録媒
体から一定の間隔(以下、浮上量とする)で浮上させる
コンタクト・スタート・ストップ(以下、CSSと略
す)方式が採用されている。またその高記録密度化は主
に浮上量を小さくすることによりなされており、そのた
めに様々な努力が行われている。磁気記録媒体において
は、前記低浮上量化に対応するため薄膜媒体表面の平坦
化が進められている。
は、浮動型磁気ヘッドを磁気記録媒体の停止時にはその
上で停止させ、磁気記録媒体の回転とともに磁気記録媒
体から一定の間隔(以下、浮上量とする)で浮上させる
コンタクト・スタート・ストップ(以下、CSSと略
す)方式が採用されている。またその高記録密度化は主
に浮上量を小さくすることによりなされており、そのた
めに様々な努力が行われている。磁気記録媒体において
は、前記低浮上量化に対応するため薄膜媒体表面の平坦
化が進められている。
【0003】浮動型磁気ヘッドのスライダ用材料として
は、表面から160nmにおける表面硬度(深さを16
0nmにするのはデータの精度を高めるためである)が
600〜1400(kgf/mm2) であるCaTiO3,Sr
TiO3を主成分とする相の混合体よりなる非磁性セラ
ミックスや、前記表面硬度が500〜900(kgf/mm2)
であるMn−Znフェライト酸化物セラミックスが開発
されている。
は、表面から160nmにおける表面硬度(深さを16
0nmにするのはデータの精度を高めるためである)が
600〜1400(kgf/mm2) であるCaTiO3,Sr
TiO3を主成分とする相の混合体よりなる非磁性セラ
ミックスや、前記表面硬度が500〜900(kgf/mm2)
であるMn−Znフェライト酸化物セラミックスが開発
されている。
【0004】また浮動型磁気ヘッドのスライダの磁気記
録媒体との対向面の加工は、コンポジットヘッドの場合
はダイヤモンド粒子を用いた湿式軟質金属ラップにより
行われ、また、モノリシックヘッドの場合は同様な湿式
軟質金属ラップや例えば特開平1−251308にみら
れるような逆スパッタ法によって行われていた。
録媒体との対向面の加工は、コンポジットヘッドの場合
はダイヤモンド粒子を用いた湿式軟質金属ラップにより
行われ、また、モノリシックヘッドの場合は同様な湿式
軟質金属ラップや例えば特開平1−251308にみら
れるような逆スパッタ法によって行われていた。
【0005】しかし、従来からコンポジットヘッドは、
CSS特性と呼ばれるヘッド・ディスク間の摩擦摩耗特
性が悪いとされ、特に前述したような低浮上量が求めら
れるとともに、薄膜媒体の平坦化が求められる現在及び
将来の環境においては、CSS特性の改善が急務となっ
ている。
CSS特性と呼ばれるヘッド・ディスク間の摩擦摩耗特
性が悪いとされ、特に前述したような低浮上量が求めら
れるとともに、薄膜媒体の平坦化が求められる現在及び
将来の環境においては、CSS特性の改善が急務となっ
ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の構成では、湿式軟質金属ラップで粗い粒子を用いて加
工する方法は、スクラッチを発生させるという問題点が
あった。一方、逆スパッタ法を用いる方法は、その応用
性及び作業性の点より量産性に欠けるという問題点を有
していた。特にコンポジットヘッドにおいては、それぞ
れ物性の異なる3種の材料、すなわち非磁性セラミック
スとMn−Znフェライト及びガラスからなるが、ガラ
スとMn−Znフェライトの物理的エッチング速度が非
磁性セラミックスの物理的エッチング速度より大きいた
めに、これらがスライダ表面より大きく削られてしまう
という問題点があり、特にガラスの窪みは5000Åに
も及び、コア強度の面から大きな問題点となる。これを
防止するにはガラス部とMn−Znフェライト部を完全
にマスクせねばならず、その分作業工数が増加し、生産
性が大きく低下するという問題点があった。また、微小
な無機物系の塵や有機物が存在すると、同様なエッチン
グ速度の不均一化が生じ、凹凸量のコントロールが困難
で、CSS時にヘッドクラッシュを引き起こす突起が発
生し易く、品質上で問題を有し、更に製品歩留りが低
く、これを防ぐためには完全な洗浄や高価な防塵設備が
必要となってくるという問題点があった。さらに前記非
磁性セラミックスにおいては、逆に物理的エッチング速
度が極めて遅く、逆スパッタ法によっても凹凸の付与自
体が困難であるという問題点があった。
の構成では、湿式軟質金属ラップで粗い粒子を用いて加
工する方法は、スクラッチを発生させるという問題点が
あった。一方、逆スパッタ法を用いる方法は、その応用
性及び作業性の点より量産性に欠けるという問題点を有
していた。特にコンポジットヘッドにおいては、それぞ
れ物性の異なる3種の材料、すなわち非磁性セラミック
スとMn−Znフェライト及びガラスからなるが、ガラ
スとMn−Znフェライトの物理的エッチング速度が非
磁性セラミックスの物理的エッチング速度より大きいた
めに、これらがスライダ表面より大きく削られてしまう
という問題点があり、特にガラスの窪みは5000Åに
も及び、コア強度の面から大きな問題点となる。これを
防止するにはガラス部とMn−Znフェライト部を完全
にマスクせねばならず、その分作業工数が増加し、生産
性が大きく低下するという問題点があった。また、微小
な無機物系の塵や有機物が存在すると、同様なエッチン
グ速度の不均一化が生じ、凹凸量のコントロールが困難
で、CSS時にヘッドクラッシュを引き起こす突起が発
生し易く、品質上で問題を有し、更に製品歩留りが低
く、これを防ぐためには完全な洗浄や高価な防塵設備が
必要となってくるという問題点があった。さらに前記非
磁性セラミックスにおいては、逆に物理的エッチング速
度が極めて遅く、逆スパッタ法によっても凹凸の付与自
体が困難であるという問題点があった。
【0007】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
で、浮動型磁気ヘッドのスライダ表面を容易に凹凸状に
加工できる、加工性、生産性に優れた浮動型磁気ヘッド
のスライダ用材料、及びそれを用いたCSS特性の高
い、信頼性、生産性に優れ低原価で量産性に適した浮動
型磁気ヘッドを提供することを目的とする。
で、浮動型磁気ヘッドのスライダ表面を容易に凹凸状に
加工できる、加工性、生産性に優れた浮動型磁気ヘッド
のスライダ用材料、及びそれを用いたCSS特性の高
い、信頼性、生産性に優れ低原価で量産性に適した浮動
型磁気ヘッドを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の請求項1の浮動型磁気ヘッドのスライダ用材
料は、表面から160nmの深さにおける表面硬度が3
50〜800(kgf/mm2) である無機化合物の相と、前記
表面硬度が600〜1000(kgf/mm2) である無機化合
物の相と、の少なくとも2相を備えた構成を有してい
る。
に本発明の請求項1の浮動型磁気ヘッドのスライダ用材
料は、表面から160nmの深さにおける表面硬度が3
50〜800(kgf/mm2) である無機化合物の相と、前記
表面硬度が600〜1000(kgf/mm2) である無機化合
物の相と、の少なくとも2相を備えた構成を有してい
る。
【0009】請求項2の浮動型磁気ヘッドのスライダ用
材料は、請求項1において、表面硬度が350〜800
(kgf/mm2) である無機化合物の相の表面積の占有率が2
%以上好ましくは4.5%以上であるという構成を有し
ている。請求項3の浮動型磁気ヘッドは請求項1又は請
求項2のいずれか1の浮動型磁気ヘッドのスライダ用材
料で形成されたスライダの磁気記録媒体との対向面が微
小なダイヤモンド粒子等を用いて処理されたラッピング
加工面からなる構成を有している。
材料は、請求項1において、表面硬度が350〜800
(kgf/mm2) である無機化合物の相の表面積の占有率が2
%以上好ましくは4.5%以上であるという構成を有し
ている。請求項3の浮動型磁気ヘッドは請求項1又は請
求項2のいずれか1の浮動型磁気ヘッドのスライダ用材
料で形成されたスライダの磁気記録媒体との対向面が微
小なダイヤモンド粒子等を用いて処理されたラッピング
加工面からなる構成を有している。
【0010】
【作用】この構成によって、本発明の磁気ヘッドのスラ
イダ用材料が、全体の平均表面硬度が小さく、硬度の大
きな相と、硬度の小さな相との少なくとも2相を有して
おり、その硬度差が大きいため、その表面を硬度の小さ
い相が窪んだ凹凸状に容易に加工することができ、また
これを用いて浮動型磁気ヘッドを作製することにより、
浮動型磁気ヘッドのスライダの磁気記録媒体との対向面
を容易に凹凸状に加工することができ、磁気記録媒体と
の接触面積を減少させることができるとともに、全体の
平均表面硬度が小さいので、浮動型磁気ヘッドのCSS
特性を著しく向上させることができる。
イダ用材料が、全体の平均表面硬度が小さく、硬度の大
きな相と、硬度の小さな相との少なくとも2相を有して
おり、その硬度差が大きいため、その表面を硬度の小さ
い相が窪んだ凹凸状に容易に加工することができ、また
これを用いて浮動型磁気ヘッドを作製することにより、
浮動型磁気ヘッドのスライダの磁気記録媒体との対向面
を容易に凹凸状に加工することができ、磁気記録媒体と
の接触面積を減少させることができるとともに、全体の
平均表面硬度が小さいので、浮動型磁気ヘッドのCSS
特性を著しく向上させることができる。
【0011】
(実施例1,2)以下本発明の一実施例における浮動型
磁気ヘッドのスライダ用材料について、図面を参照しな
がら説明する。
磁気ヘッドのスライダ用材料について、図面を参照しな
がら説明する。
【0012】〈非磁性材料の調整〉スライダ用材料とし
ては、実施例1,2は、CaTiO3,SrTiO3,T
iO2,P2O5,SiO2,ZrO2,Al2O3の固溶体
又は混合物あるいはその構成元素よりなる化合物で略構
成される焼結体であって、その主な組成は、CaTiO
3,SrTiO3,TiO2,P2O5,SiO2,Zr
O2,Al2O3換算で、実施例1では42,37,1
4,2,1.5,3,0.5mol%(非磁性材料1)であ
り、実施例2では43,38,14,1,1,2.7,
0.3mol%(非磁性材料2)である。
ては、実施例1,2は、CaTiO3,SrTiO3,T
iO2,P2O5,SiO2,ZrO2,Al2O3の固溶体
又は混合物あるいはその構成元素よりなる化合物で略構
成される焼結体であって、その主な組成は、CaTiO
3,SrTiO3,TiO2,P2O5,SiO2,Zr
O2,Al2O3換算で、実施例1では42,37,1
4,2,1.5,3,0.5mol%(非磁性材料1)であ
り、実施例2では43,38,14,1,1,2.7,
0.3mol%(非磁性材料2)である。
【0013】〈表面硬度及び面積占有率の測定〉上記組
成を有する非磁性材料1,2を用いてスライダを形成し
た。その鏡面の模式図を図1に示す。その模式図におけ
る各部の表面から160nmにおける表面硬度及び面積
占有率を測定した。その結果を(表1)に示す。
成を有する非磁性材料1,2を用いてスライダを形成し
た。その鏡面の模式図を図1に示す。その模式図におけ
る各部の表面から160nmにおける表面硬度及び面積
占有率を測定した。その結果を(表1)に示す。
【0014】
【表1】
【0015】ここで表面硬度は、島津製作所製ダイナミ
ック硬度計を用い、最大荷重1gfにおける負荷と圧子
の挿入深さから求めた。深さを160nmとしたのは、
データの精度を高めるためである。表面積占有率は、鏡
面のSEM写真(2000倍)より求めた。
ック硬度計を用い、最大荷重1gfにおける負荷と圧子
の挿入深さから求めた。深さを160nmとしたのは、
データの精度を高めるためである。表面積占有率は、鏡
面のSEM写真(2000倍)より求めた。
【0016】この(表1)から明らかなように、非磁性
材料1及び2は、前記表面硬度が350〜800(kgf/m
m2) である酸化物の相と、前記表面硬度が600〜10
00(kgf/mm2) である酸化物の相から構成されているこ
とがわかる。
材料1及び2は、前記表面硬度が350〜800(kgf/m
m2) である酸化物の相と、前記表面硬度が600〜10
00(kgf/mm2) である酸化物の相から構成されているこ
とがわかる。
【0017】(比較例1〜4)比較例1〜3は従来のコ
ンポジットヘッドのスライダ用セラミックス材料(従来
材料1〜3)であり、比較例4は従来のモノリシックヘ
ッドのスライダ用Mn−Znフェライト酸化物セラミッ
クス材料(従来材料4)である。
ンポジットヘッドのスライダ用セラミックス材料(従来
材料1〜3)であり、比較例4は従来のモノリシックヘ
ッドのスライダ用Mn−Znフェライト酸化物セラミッ
クス材料(従来材料4)である。
【0018】従来材料1は、CaTiO3,SrTi
O3,SiO2,Al2O3等よりなる焼結体であって、そ
の主な組成はCaTiO3,SrTiO3,SiO2,A
l2O3換算で94,4,0.5,1.5mol%であり、従
来材料2は、CaTiO3,TiO2等よりなる焼結体で
あって、その主な組成はCaTiO3,TiO2換算で8
2,18mol%であり、従来材料3は、CaTiO3,T
iO2,SiO2,Al2O3等よりなる焼結体であって、
その主な組成はCaTiO3,TiO2,SiO2,Al2
O3換算で90.5,5,0.5,4mol%であり、従来
材料4は、Fe2O3,MnO,ZnOよりなる焼結体で
あって、その組成はFe2O3,MnO,ZnOがそれぞ
れ54,30,16mol%である。
O3,SiO2,Al2O3等よりなる焼結体であって、そ
の主な組成はCaTiO3,SrTiO3,SiO2,A
l2O3換算で94,4,0.5,1.5mol%であり、従
来材料2は、CaTiO3,TiO2等よりなる焼結体で
あって、その主な組成はCaTiO3,TiO2換算で8
2,18mol%であり、従来材料3は、CaTiO3,T
iO2,SiO2,Al2O3等よりなる焼結体であって、
その主な組成はCaTiO3,TiO2,SiO2,Al2
O3換算で90.5,5,0.5,4mol%であり、従来
材料4は、Fe2O3,MnO,ZnOよりなる焼結体で
あって、その組成はFe2O3,MnO,ZnOがそれぞ
れ54,30,16mol%である。
【0019】以上のような組成を有する従来の前記スラ
イダ用材料を用いてスライダを形成した。その鏡面の模
式図を図2に示す。
イダ用材料を用いてスライダを形成した。その鏡面の模
式図を図2に示す。
【0020】図2(a)は比較材料1の鏡面の模式図で
あり、図2(b)は比較材料2の鏡面の模式図であり、
図2(c)は比較材料3の鏡面の模式図である。
あり、図2(b)は比較材料2の鏡面の模式図であり、
図2(c)は比較材料3の鏡面の模式図である。
【0021】尚、比較材料4は同一の相より構成され、
このような相分布を有さないため図示していない。その
模式図における各部の表面から160nmにおける表面
硬度及び面積占有率を実施例1と同様にして測定した。
その測定結果を(表2)に示す。
このような相分布を有さないため図示していない。その
模式図における各部の表面から160nmにおける表面
硬度及び面積占有率を実施例1と同様にして測定した。
その測定結果を(表2)に示す。
【0022】
【表2】
【0023】この(表2)から明らかなように、従来の
セラミックス材料である比較材料1〜3は、前記表面硬
度が700〜1300(kgf/mm2) である酸化物の相と、
前記表面硬度が1100〜1400(kgf/mm2) である酸
化物の相から構成されていることがわかり、従来のMn
−Znフェライト酸化物セラミックス材料である比較材
料4は、前記表面硬度が500〜900(kgf/mm2) であ
ることがわかった。
セラミックス材料である比較材料1〜3は、前記表面硬
度が700〜1300(kgf/mm2) である酸化物の相と、
前記表面硬度が1100〜1400(kgf/mm2) である酸
化物の相から構成されていることがわかり、従来のMn
−Znフェライト酸化物セラミックス材料である比較材
料4は、前記表面硬度が500〜900(kgf/mm2) であ
ることがわかった。
【0024】(実施例3〜6)次に、本実施例の非磁性
材料を用いて浮動型磁気ヘッドを作製し、その表面特性
とCSS特性について検討した。
材料を用いて浮動型磁気ヘッドを作製し、その表面特性
とCSS特性について検討した。
【0025】図3は浮動型磁気ヘッドの外観斜視図であ
る。1はスライダ、2はMn−Znフェライトを加工し
て作製されるMn−Znフェライトコア、3はMn−Z
nフェライトコア2をスライダ1に接着するためのガラ
ス、aは微小なダイヤモンド粒子等を用いてラップされ
たスライダ1の磁気記録媒体との対向面である。
る。1はスライダ、2はMn−Znフェライトを加工し
て作製されるMn−Znフェライトコア、3はMn−Z
nフェライトコア2をスライダ1に接着するためのガラ
ス、aは微小なダイヤモンド粒子等を用いてラップされ
たスライダ1の磁気記録媒体との対向面である。
【0026】スライダ用材料としては、実施例1,2の
非磁性材料1,2を用いた。スライダの鏡面加工法は、
平均粒径0.12μmのダイヤモンド粒子とアクリル樹
脂製のラッピング定盤を用いた湿式軟質ラップ法A、又
は前記ダンヤモンド粒子と錫製のラッピング定盤を用い
た湿式軟質金属ラップ法Bを用いた。各実施例の材料及
び鏡面加工法を(表3)に示す。
非磁性材料1,2を用いた。スライダの鏡面加工法は、
平均粒径0.12μmのダイヤモンド粒子とアクリル樹
脂製のラッピング定盤を用いた湿式軟質ラップ法A、又
は前記ダンヤモンド粒子と錫製のラッピング定盤を用い
た湿式軟質金属ラップ法Bを用いた。各実施例の材料及
び鏡面加工法を(表3)に示す。
【0027】
【表3】
【0028】浮動型磁気ヘッドは、各実施例について3
0個ずつ作製して評価しその平均値を求めた。
0個ずつ作製して評価しその平均値を求めた。
【0029】表面形状の評価は、触針式表面粗さ計にて
55μmの距離にわたり計10箇所測定した。触針式表
面粗さ計はダイヤモンド製の先端半径0.1μmの触針
を用い倍率100万倍の条件にて測定し、表面形状は、
測定値をパソコンに取り込み解析して求めた。その結果
を図4及び図5に示す。
55μmの距離にわたり計10箇所測定した。触針式表
面粗さ計はダイヤモンド製の先端半径0.1μmの触針
を用い倍率100万倍の条件にて測定し、表面形状は、
測定値をパソコンに取り込み解析して求めた。その結果
を図4及び図5に示す。
【0030】図4(a)は実施例3の浮動型磁気ヘッド
の表面形状を示す粗さ曲線のグラフであり、図4(b)
は実施例4の粗さ曲線のグラフであり、図5(a)は実
施例5の粗さ曲線のグラフであり、図5(b)は実施例
6の粗さ曲線のグラフである。
の表面形状を示す粗さ曲線のグラフであり、図4(b)
は実施例4の粗さ曲線のグラフであり、図5(a)は実
施例5の粗さ曲線のグラフであり、図5(b)は実施例
6の粗さ曲線のグラフである。
【0031】図4及び図5に示した浮動型磁気ヘッドの
表面形状をパソコンを用いて解析し、各浮動型磁気ヘッ
ドの表面形状パラメータΔHを算出した。その結果を
(表3)に示す。
表面形状をパソコンを用いて解析し、各浮動型磁気ヘッ
ドの表面形状パラメータΔHを算出した。その結果を
(表3)に示す。
【0032】表面形状パラメータΔHは、粗さ曲線にお
ける中心線平均粗さRaより大きい部分の粗さの標準偏
差と前記Raより小さい部分の粗さの標準偏差との和で
あり、表面形状の変化の程度を示し、この値が大きい程
表面の凹凸が激しいことを意味する。
ける中心線平均粗さRaより大きい部分の粗さの標準偏
差と前記Raより小さい部分の粗さの標準偏差との和で
あり、表面形状の変化の程度を示し、この値が大きい程
表面の凹凸が激しいことを意味する。
【0033】上記の表面形状を有する各実施例の浮動型
磁気ヘッドをアセンブリし、3.5インチハードディス
クを用いてCSS特性の測定を行い、各浮動型磁気ヘッ
ドのCSS特性を評価した。
磁気ヘッドをアセンブリし、3.5インチハードディス
クを用いてCSS特性の測定を行い、各浮動型磁気ヘッ
ドのCSS特性を評価した。
【0034】このCSS特性の測定に用いたハードディ
スクは次のとおりである。 基板;アルミニュウム 下地;Cr 磁性層;Co−Niスパッタ膜 表面層;カーボンスパッタ層及びカーボン層表面に塗布
されたフッソ系個体潤滑剤層 Diskの表面粗さ;Ra≒55Å CSSテスト時のディスク駆動条件は以下の通りであ
る。
スクは次のとおりである。 基板;アルミニュウム 下地;Cr 磁性層;Co−Niスパッタ膜 表面層;カーボンスパッタ層及びカーボン層表面に塗布
されたフッソ系個体潤滑剤層 Diskの表面粗さ;Ra≒55Å CSSテスト時のディスク駆動条件は以下の通りであ
る。
【0035】ヘッド圧力;93mN(9.5gf) 測定位置;25mm 定常回転数迄の所要時間;4秒 定常回転数と時間;2300rpmで1秒 定常回転数から停止する迄の所要時間;4秒 回転と回転間の停止時間;1秒 上記の測定によって得られた測定結果を(表4)に示
す。
す。
【0036】
【表4】
【0037】μはCSS2万回後における回転数1rp
mのディスクとヘッド間の動摩擦係数μkの平均値、Δ
μはCSS1回後とCSS2万回後における前記動摩擦
係数の平均値の増加量である。
mのディスクとヘッド間の動摩擦係数μkの平均値、Δ
μはCSS1回後とCSS2万回後における前記動摩擦
係数の平均値の増加量である。
【0038】以上の測定結果を元にして、各実施例の前
記動摩擦係数μ又は前記増加量Δμと、表面形状パラメ
ータΔH及び平均表面硬度HDとの関係を説明する。
記動摩擦係数μ又は前記増加量Δμと、表面形状パラメ
ータΔH及び平均表面硬度HDとの関係を説明する。
【0039】CSS特性を表すμ及びΔμは、ディスク
の回転数等、様々な変数により決定されるが、変数を浮
動型磁気ヘッドにおいて最も重要な表面形状パラメータ
ΔHと、平均表面硬度HDの2つに限定し、他の要素を
全て定数と見なすことによって、μ又はΔμをΔHとH
Dの関数と見なすことができる。しかし、そのままでは
図示できないため、複合パラメータφ1,φ2を用い、図
10、図11に分けて各実施例のμ又はΔμとΔH及び
HDの関係を示す。
の回転数等、様々な変数により決定されるが、変数を浮
動型磁気ヘッドにおいて最も重要な表面形状パラメータ
ΔHと、平均表面硬度HDの2つに限定し、他の要素を
全て定数と見なすことによって、μ又はΔμをΔHとH
Dの関数と見なすことができる。しかし、そのままでは
図示できないため、複合パラメータφ1,φ2を用い、図
10、図11に分けて各実施例のμ又はΔμとΔH及び
HDの関係を示す。
【0040】図10は前記動摩擦係数μと複合パラメー
タφ1の相関図であり、図11は前記増加量Δμと複合
パラメータφ2との相関図である。
タφ1の相関図であり、図11は前記増加量Δμと複合
パラメータφ2との相関図である。
【0041】この場合の寄与率はμ,Δμそれぞれにつ
いて0.7と0.68と大きく、非常に良い相関性を示
している。
いて0.7と0.68と大きく、非常に良い相関性を示
している。
【0042】複合パラメータφ1,φ2は次式によって定
義される。μに対して、 φ1=1.813−0.685×Ln(ΔH)+3.03×10-5ΔH×HD Δμに対して、 φ2=1.619−0.691×Ln(ΔH)+3.05×10-5ΔH×HD ここで、HDは平均表面硬度であり実施例3乃至6にお
いては各母相の表面硬度の平均値を用いた。
義される。μに対して、 φ1=1.813−0.685×Ln(ΔH)+3.03×10-5ΔH×HD Δμに対して、 φ2=1.619−0.691×Ln(ΔH)+3.05×10-5ΔH×HD ここで、HDは平均表面硬度であり実施例3乃至6にお
いては各母相の表面硬度の平均値を用いた。
【0043】(比較例5〜12)スライダ用材料とし
て、前記従来材料1〜4を用いた他は実施例3と同一の
条件で浮動型磁気ヘッドを作製し、その表面特性及びC
SS特性を実施例3と同様の方法で求めた。
て、前記従来材料1〜4を用いた他は実施例3と同一の
条件で浮動型磁気ヘッドを作製し、その表面特性及びC
SS特性を実施例3と同様の方法で求めた。
【0044】その表面特性の測定結果を図6乃至図9に
示す。図6(a)は比較例5の浮動型磁気ヘッドの表面
形状を示す粗さ曲線のグラフであり、図6(b)は比較
例6の粗さ曲線のグラフであり、図7(a)は比較例7
の粗さ曲線のグラフであり、図7(b)は比較例8の粗
さ曲線のグラフであり、図8(a)は比較例9の粗さ曲
線のグラフであり、図8(b)は比較例10の粗さ曲線
のグラフであり、図9(a)は比較例11の粗さ曲線の
グラフであり、図9(b)は比較例12の粗さ曲線のグ
ラフである。
示す。図6(a)は比較例5の浮動型磁気ヘッドの表面
形状を示す粗さ曲線のグラフであり、図6(b)は比較
例6の粗さ曲線のグラフであり、図7(a)は比較例7
の粗さ曲線のグラフであり、図7(b)は比較例8の粗
さ曲線のグラフであり、図8(a)は比較例9の粗さ曲
線のグラフであり、図8(b)は比較例10の粗さ曲線
のグラフであり、図9(a)は比較例11の粗さ曲線の
グラフであり、図9(b)は比較例12の粗さ曲線のグ
ラフである。
【0045】図6乃至図9に示した浮動型磁気ヘッドの
表面形状より、実施例と同様にして表面形状パラメータ
ΔHを算出した。その結果を(表3)に示す。
表面形状より、実施例と同様にして表面形状パラメータ
ΔHを算出した。その結果を(表3)に示す。
【0046】次に、上記表面形状を有する各々の浮動型
磁気ヘッドをアセンブリし、CSS特性を測定した。そ
の結果を(表4)に示す。
磁気ヘッドをアセンブリし、CSS特性を測定した。そ
の結果を(表4)に示す。
【0047】以上の結果を用いて、前記動摩擦係数μ又
は前記増加量Δμと、複合パラメータφ1又はφ2との関
係を実施例と同様にして図10及び図11に示した。
は前記増加量Δμと、複合パラメータφ1又はφ2との関
係を実施例と同様にして図10及び図11に示した。
【0048】但し各比較例の平均表面硬度HDは、非磁
性材料1及び2と、各従来材料間で相構成、各相の硬
度、各相の面積占有率等が異なるため、実施例と同一の
方法で算出することができない。そこで、比較例5〜8
及び比較例10〜12においては、全体の表面硬度の平
均値を用い、比較例9においては最も硬い相の表面硬度
の平均値を用いた。
性材料1及び2と、各従来材料間で相構成、各相の硬
度、各相の面積占有率等が異なるため、実施例と同一の
方法で算出することができない。そこで、比較例5〜8
及び比較例10〜12においては、全体の表面硬度の平
均値を用い、比較例9においては最も硬い相の表面硬度
の平均値を用いた。
【0049】図4及び図5より明らかなように、本実施
例の非磁性材料1又は2を用いた、実施例3乃至6は、
粗さ曲線において、長さ約数μmの凹部を有し、その深
さは、加工Aを行った実施例3及び5において数十〜1
000Å、加工Bを行った実施例4及び6において数十
〜150Åであった。
例の非磁性材料1又は2を用いた、実施例3乃至6は、
粗さ曲線において、長さ約数μmの凹部を有し、その深
さは、加工Aを行った実施例3及び5において数十〜1
000Å、加工Bを行った実施例4及び6において数十
〜150Åであった。
【0050】尚、この凹部はCaTiO3,SrTiO3
及びその固溶体又はTiO2又は微量のP,Si,Z
r,Alが拡散した母相とは組成が異なり、P,Si,
Zr,Alに富んだTi,Ca,Srの酸化物の相であ
った。
及びその固溶体又はTiO2又は微量のP,Si,Z
r,Alが拡散した母相とは組成が異なり、P,Si,
Zr,Alに富んだTi,Ca,Srの酸化物の相であ
った。
【0051】一方、図6乃至図8より明らかなように比
較例5乃至10では、粗さ曲線における凹部は一部認め
られたが、その頻度は実施例の数分の一と少なかった。
この中において、特に比較例9では高さ50Å程の凸部
が頻繁に認められた。
較例5乃至10では、粗さ曲線における凹部は一部認め
られたが、その頻度は実施例の数分の一と少なかった。
この中において、特に比較例9では高さ50Å程の凸部
が頻繁に認められた。
【0052】又、図9より明らかなように、従来のMn
−Znフェライト酸化物材料である従来材料4を用いた
比較例11及び12では、特に比較例11で粗さ曲線に
おいて段差20〜50Åの凹凸が得られた。
−Znフェライト酸化物材料である従来材料4を用いた
比較例11及び12では、特に比較例11で粗さ曲線に
おいて段差20〜50Åの凹凸が得られた。
【0053】この結果より、本実施例の非磁性材料1又
は2を用いた実施例3乃至6においては、粒子の硬度の
違いにより硬度350〜800(kgf/mm2) を有する柔ら
かい相が凹部となった凹凸形状が容易に生成されるのに
対し、硬度差が小さく均一な硬度を有する従来材料1又
は2を用いた比較例5乃至8では顕著な凹凸形状が生成
され難く、1100〜1400(kgf/mm2) もの大きな硬
度を有する相を含む従来材料3を用いた比較例9及び1
0では、この硬い相から構成される部分が凸となる凹凸
形状が生成され、同一の相からなる従来材料4を用いた
比較例11及び12においては加工時の摩耗の大小に反
映される程、フェライト結晶間ではその機械的特性が異
なるために凹凸形状が生成されることがわかった。
は2を用いた実施例3乃至6においては、粒子の硬度の
違いにより硬度350〜800(kgf/mm2) を有する柔ら
かい相が凹部となった凹凸形状が容易に生成されるのに
対し、硬度差が小さく均一な硬度を有する従来材料1又
は2を用いた比較例5乃至8では顕著な凹凸形状が生成
され難く、1100〜1400(kgf/mm2) もの大きな硬
度を有する相を含む従来材料3を用いた比較例9及び1
0では、この硬い相から構成される部分が凸となる凹凸
形状が生成され、同一の相からなる従来材料4を用いた
比較例11及び12においては加工時の摩耗の大小に反
映される程、フェライト結晶間ではその機械的特性が異
なるために凹凸形状が生成されることがわかった。
【0054】次に、(表3)より明らかなように、実施
例3乃至6は、比較例5乃至12に対し、表面形状パラ
メータΔHが大きいことがわかる。
例3乃至6は、比較例5乃至12に対し、表面形状パラ
メータΔHが大きいことがわかる。
【0055】特に加工Aを行った実施例1及び3におい
てこれは顕著であった。表面形状パラメータが大きいと
いうことは、表面形状が顕著に凹凸状になっており、浮
動型磁気ヘッドの磁気記録媒体との接触面積が小さくな
ることを示している。
てこれは顕著であった。表面形状パラメータが大きいと
いうことは、表面形状が顕著に凹凸状になっており、浮
動型磁気ヘッドの磁気記録媒体との接触面積が小さくな
ることを示している。
【0056】また、(表4)より明らかなように、実施
例3乃至6は、従来材料1乃至3を用いた比較例5乃至
10と比べて、μ,Δμともかなり小さく、CSS特性
が顕著に良化しているといえる。特に実施例3は、従来
のMn−Znフェライト酸化物セラミックス材料である
従来材料4を用いた比較例11及び12を含めた全ての
比較例を凌駕している。また、実施例5は、比較例中で
最も優れている比較例11とほぼ同等のCSS特性を有
している。
例3乃至6は、従来材料1乃至3を用いた比較例5乃至
10と比べて、μ,Δμともかなり小さく、CSS特性
が顕著に良化しているといえる。特に実施例3は、従来
のMn−Znフェライト酸化物セラミックス材料である
従来材料4を用いた比較例11及び12を含めた全ての
比較例を凌駕している。また、実施例5は、比較例中で
最も優れている比較例11とほぼ同等のCSS特性を有
している。
【0057】図10及び図11から明らかなように、平
均表面硬度HDが減少すれば、複合パラメータφ1,φ2
が減少し、それにつれてμ,Δμも減少するため、CS
S特性が向上する。一方、表面形状パラメータΔHが増
加すれば、それによっても複合パラメータφ1,φ2が減
少し、それにつれてμ,Δμも減少するため、CSS特
性が向上する。
均表面硬度HDが減少すれば、複合パラメータφ1,φ2
が減少し、それにつれてμ,Δμも減少するため、CS
S特性が向上する。一方、表面形状パラメータΔHが増
加すれば、それによっても複合パラメータφ1,φ2が減
少し、それにつれてμ,Δμも減少するため、CSS特
性が向上する。
【0058】ここで、表面形状パラメータΔHを増加さ
せるには、浮動型磁気ヘッドの磁気記録媒体との対向面
の凹凸形状をより顕著にすればよい。この凹凸形状は、
硬度の低い相が硬度の高い相よりも速く研磨されること
により生成されるため、この硬度差を大きくすることに
より、換言すれば、スライダ材料の硬度分布を大きくす
ることにより、凹凸形状を顕著にし、表面形状パラメー
タΔHを増加させることができることがわかる。
せるには、浮動型磁気ヘッドの磁気記録媒体との対向面
の凹凸形状をより顕著にすればよい。この凹凸形状は、
硬度の低い相が硬度の高い相よりも速く研磨されること
により生成されるため、この硬度差を大きくすることに
より、換言すれば、スライダ材料の硬度分布を大きくす
ることにより、凹凸形状を顕著にし、表面形状パラメー
タΔHを増加させることができることがわかる。
【0059】ところが、前記表面硬度700〜1100
(kgf/mm2) を有する従来材料1又は2は、全体の平均表
面硬度HDは小さいが、硬度分布が小さいために、表面
形状パラメータΔHが小さくなり、CSS特性の向上は
望めない。又、表面硬度800〜1400(kgf/mm2) を
有する従来材料3は、硬度分布が大きく、表面形状パラ
メータΔHが大きくなるが、全体としての硬度が高く、
平均表面硬度HDが増加するため、結果的にCSS特性
の向上は望めないといえる。
(kgf/mm2) を有する従来材料1又は2は、全体の平均表
面硬度HDは小さいが、硬度分布が小さいために、表面
形状パラメータΔHが小さくなり、CSS特性の向上は
望めない。又、表面硬度800〜1400(kgf/mm2) を
有する従来材料3は、硬度分布が大きく、表面形状パラ
メータΔHが大きくなるが、全体としての硬度が高く、
平均表面硬度HDが増加するため、結果的にCSS特性
の向上は望めないといえる。
【0060】これに対し、本実施例の非磁性材料1又は
2は、前記表面硬度350〜1000(kgf/mm2) を有
し、硬度分布が大きいため、凹凸形状の生成が容易で、
表面形状パラメータΔHが大きくなる。同時に全体とし
ての硬度が小さいため、平均表面硬度HDも小さくな
り、この二つの変数ΔH,HDが共に複合パラメータφ
1,φ2を減少させる作用をするために、全体として、μ
及びΔμが大きく低下し、CSS特性を飛躍的に向上さ
せることができることがわかった。
2は、前記表面硬度350〜1000(kgf/mm2) を有
し、硬度分布が大きいため、凹凸形状の生成が容易で、
表面形状パラメータΔHが大きくなる。同時に全体とし
ての硬度が小さいため、平均表面硬度HDも小さくな
り、この二つの変数ΔH,HDが共に複合パラメータφ
1,φ2を減少させる作用をするために、全体として、μ
及びΔμが大きく低下し、CSS特性を飛躍的に向上さ
せることができることがわかった。
【0061】尚、本実施例における浮動型磁気ヘッドの
スライダ用材料は非磁性セラミックスよりなる酸化物で
あったが、前記の硬度分布等を有するものであれば、酸
化物以外の無機化合物であってもよいし、同様に磁性セ
ラミックスであってもよい。更に、前記の硬度分布を有
し、それ以外の硬度の相を一乃至複数含む無機化合物で
あってもよい。
スライダ用材料は非磁性セラミックスよりなる酸化物で
あったが、前記の硬度分布等を有するものであれば、酸
化物以外の無機化合物であってもよいし、同様に磁性セ
ラミックスであってもよい。更に、前記の硬度分布を有
し、それ以外の硬度の相を一乃至複数含む無機化合物で
あってもよい。
【0062】以上のように本実施例によれば、各相の硬
度差が大きいために、表面硬度の低い相を凹部とする適
度な凹凸状に容易に加工することができ、かつ加工面全
体の平均表面硬度が低いために、浮動型磁気ヘッドのC
SS特性を飛躍的に向上させることができる。
度差が大きいために、表面硬度の低い相を凹部とする適
度な凹凸状に容易に加工することができ、かつ加工面全
体の平均表面硬度が低いために、浮動型磁気ヘッドのC
SS特性を飛躍的に向上させることができる。
【0063】
【発明の効果】以上のように本発明は、少なくとも表面
から160nmの深さにおける表面硬度が350〜80
0(kgf/mm2) である無機化合物の相と、前記表面硬度が
600〜1000(kgf/mm2) である無機化合物の相と、
の2相を有することにより、全体の平均表面硬度が低
く、かつ前記2つの相間の硬度差が大きいために、その
表面を硬度の低い相を凹部とする適度な凹凸状に容易に
加工できる、加工性、生産性に優れた浮動型磁気ヘッド
のスライダ用材料と、それを用いた、CSS特性が高
く、信頼性、生産性に優れた浮動型磁気ヘッドを実現で
きるものである。
から160nmの深さにおける表面硬度が350〜80
0(kgf/mm2) である無機化合物の相と、前記表面硬度が
600〜1000(kgf/mm2) である無機化合物の相と、
の2相を有することにより、全体の平均表面硬度が低
く、かつ前記2つの相間の硬度差が大きいために、その
表面を硬度の低い相を凹部とする適度な凹凸状に容易に
加工できる、加工性、生産性に優れた浮動型磁気ヘッド
のスライダ用材料と、それを用いた、CSS特性が高
く、信頼性、生産性に優れた浮動型磁気ヘッドを実現で
きるものである。
【図1】本発明の一実施例における実施例1及び2の鏡
面模式図
面模式図
【図2】(a)従来の比較例1の鏡面模式図 (b)従来の比較例2の鏡面模式図 (c)従来の比較例3の鏡面模式図
【図3】本発明の一実施例における浮動型磁気ヘッドの
外観斜視図
外観斜視図
【図4】(a)実施例3の浮動型磁気ヘッドの表面形状
を示す粗さ曲線のグラフ (b)実施例4の浮動型磁気ヘッドの表面形状を示す粗
さ曲線のグラフ
を示す粗さ曲線のグラフ (b)実施例4の浮動型磁気ヘッドの表面形状を示す粗
さ曲線のグラフ
【図5】(a)実施例5の浮動型磁気ヘッドの表面形状
を示す粗さ曲線のグラフ (b)実施例6の浮動型磁気ヘッドの表面形状を示す粗
さ曲線のグラフ
を示す粗さ曲線のグラフ (b)実施例6の浮動型磁気ヘッドの表面形状を示す粗
さ曲線のグラフ
【図6】(a)比較例5の浮動型磁気ヘッドの表面形状
を示す粗さ曲線のグラフ (b)比較例6の浮動型磁気ヘッドの表面形状を示す粗
さ曲線のグラフ
を示す粗さ曲線のグラフ (b)比較例6の浮動型磁気ヘッドの表面形状を示す粗
さ曲線のグラフ
【図7】(a)比較例7の浮動型磁気ヘッドの表面形状
を示す粗さ曲線のグラフ (b)比較例8の浮動型磁気ヘッドの表面形状を示す粗
さ曲線のグラフ
を示す粗さ曲線のグラフ (b)比較例8の浮動型磁気ヘッドの表面形状を示す粗
さ曲線のグラフ
【図8】(a)比較例9の浮動型磁気ヘッドの表面形状
を示す粗さ曲線のグラフ (b)比較例10の浮動型磁気ヘッドの表面形状を示す
粗さ曲線のグラフ
を示す粗さ曲線のグラフ (b)比較例10の浮動型磁気ヘッドの表面形状を示す
粗さ曲線のグラフ
【図9】(a)比較例11の浮動型磁気ヘッドの表面形
状を示す粗さ曲線のグラフ (b)比較例12の浮動型磁気ヘッドの表面形状を示す
粗さ曲線のグラフ
状を示す粗さ曲線のグラフ (b)比較例12の浮動型磁気ヘッドの表面形状を示す
粗さ曲線のグラフ
【図10】μとφ1の相関図
【図11】Δμとφ2の相関図
1 スライダ 2 Mn−Znフェライトコア 3 ガラス a スライダの磁気記録媒体との対向面 φ1 複合パラメータ φ2 複合パラメータ μ 2万回CSS時のディスクとヘッドの間の動摩擦係
数の平均値 Δμ 2万回CSS時のディスクとヘッドの間の動摩擦
係数の平均値から1回CSS時のディスクとヘッドの間
の動摩擦係数の平均値を引いた増加量
数の平均値 Δμ 2万回CSS時のディスクとヘッドの間の動摩擦
係数の平均値から1回CSS時のディスクとヘッドの間
の動摩擦係数の平均値を引いた増加量
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木村 淳一 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内
Claims (3)
- 【請求項1】少なくとも表面から160nmの深さにお
ける表面硬度が350〜800(kgf/mm2) である無機化
合物の相と、前記表面硬度が600〜1000(kgf/m
m2) である無機化合物の相と、を有することを特徴とす
る浮動型磁気ヘッドのスライダ用材料。 - 【請求項2】前記表面硬度が350〜800(kgf/mm2)
である無機化合物の相の表面積の占有率が2%以上好ま
しくは4.5%以上であることを特徴とする請求項1に
記載の浮動型磁気ヘッドのスライダ用材料。 - 【請求項3】請求項1又は請求項2のいずれか1に記載
の浮動型磁気ヘッドのスライダ用材料で形成されたスラ
イダの磁気記録媒体との対向面が微小なダイヤモンド粒
子等で処理されたラッピング加工面であることを特徴と
する浮動型磁気ヘッド。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33469591A JPH05166320A (ja) | 1991-12-18 | 1991-12-18 | 浮動型磁気ヘッドのスライダ用材料及びそれを用いた浮動型磁気ヘッド |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33469591A JPH05166320A (ja) | 1991-12-18 | 1991-12-18 | 浮動型磁気ヘッドのスライダ用材料及びそれを用いた浮動型磁気ヘッド |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05166320A true JPH05166320A (ja) | 1993-07-02 |
Family
ID=18280189
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33469591A Pending JPH05166320A (ja) | 1991-12-18 | 1991-12-18 | 浮動型磁気ヘッドのスライダ用材料及びそれを用いた浮動型磁気ヘッド |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05166320A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5830557A (en) * | 1993-12-27 | 1998-11-03 | Toda Kogyo Corporation | Non-magnetic undercoating layer for magnetic recording medium, magnetic recording medium and non-magnetic particles |
-
1991
- 1991-12-18 JP JP33469591A patent/JPH05166320A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5830557A (en) * | 1993-12-27 | 1998-11-03 | Toda Kogyo Corporation | Non-magnetic undercoating layer for magnetic recording medium, magnetic recording medium and non-magnetic particles |
US5882795A (en) * | 1993-12-27 | 1999-03-16 | Toda Kogyo Corporation | Non-magnetic coated particles having a defined parameter α of not less than 0.5 |
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