JP3990197B2 - 薄膜磁気ヘッド - Google Patents

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    • G11B5/48Disposition or mounting of heads or head supports relative to record carriers ; arrangements of heads, e.g. for scanning the record carrier to increase the relative speed
    • G11B5/58Disposition or mounting of heads or head supports relative to record carriers ; arrangements of heads, e.g. for scanning the record carrier to increase the relative speed with provision for moving the head for the purpose of maintaining alignment of the head relative to the record carrier during transducing operation, e.g. to compensate for surface irregularities of the latter or for track following
    • G11B5/60Fluid-dynamic spacing of heads from record-carriers
    • G11B5/6005Specially adapted for spacing from a rotating disc using a fluid cushion

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  • Adjustment Of The Magnetic Head Position Track Following On Tapes (AREA)
  • Magnetic Heads (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板上にライト(書込用)ヘッド素子としての磁気誘導型ヘッドとリード(読出用)ヘッド素子としての磁気抵抗効果型ヘッド素子とが設けられた薄膜磁気ヘッドに係り、特に、記録媒体との対向面に島状レールを形成して、該記録媒体に対して浮上するようにした薄膜磁気ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、磁気ディスク装置においては、小型,大容量化が進み、現在3.5インチと2.5インチのディスク状記録媒体(以下、単にディスクという)を用いた小型磁気ディスク装置が主流になっている。
【0003】
ところで、かかる磁気ディスク装置では、ディスクが低速度で回転するため、再生出力がディスク回転速度に依存する磁気誘導型ヘッドを用いた場合、その再生出力が低下するという問題がある。これに対し、磁界の変化によって抵抗値が変化し、この抵抗値の変化を検出して再生出力を行なう磁気抵抗効果素子を用いた磁気抵抗効果型ヘッドでは、その再生出力がディスクの回転速度に依存しないため、小型磁気ディスク装置においても、高い再生出力を得ることができる。また、磁気抵抗効果型ヘッドでは、高記録密度化に伴う狭トラック化に対しても、磁気誘導型ヘッドと比べて高い再生出力が得られることから、小型化・大容量化に適した磁気ヘッドであると考えられる。
【0004】
このことからして、小型磁気ディスク装置では、ライトヘッド素子としての磁気誘導型ヘッドとリードヘッド素子としての磁気抵抗効果型ヘッドとを備えた複合ヘッド素子構成の薄膜磁気ヘッドが用いられる。
【0005】
ところで、磁気抵抗効果型ヘッドには、AMR(Anisotropic Magneto Resistive:異方性磁気抵抗)素子を用いたAMRヘッドやGMR(Giant Magneto Resistive:巨大磁気抵抗)素子を用いたGMRヘッド,TMR(Tunneling Magneto Resistive:トンネル磁気抵抗)素子を用いたTMRヘッドがある。これらは上記の薄膜磁気ヘッドのリードヘッド素子として使用されるものであり、以下では、これら3種類の磁気抵抗効果型ヘッドをまとめて薄膜磁気ヘッドのMRヘッド素子といい、その磁性材料をMR素子という。
【0006】
かかるMRヘッド素子では、磁界の変化に起因するMR素子の抵抗値の変化を検出するために、磁気ヘッドスライダのディスクに対向する面(以下、浮上面という)にMR素子を露出させた構造とすることが最も再生効率が高い。このように浮上面にMR素子が露出する構造の露出型MRヘッド素子では、浮上面の加工時にMR素子の一部も研磨加工することにより、MR素子の端部が浮上面に露出するようにしている。また、漏れ磁束によってデータをディスクに書き込むライトヘッド素子にしても、MRヘッド素子と同様、浮上面の加工時にライトヘッド素子の上部磁極と下部磁極との先端部も研磨加工することにより、ライトヘッド素子の端部が浮上面から露出するようにしている。
【0007】
一般に、上記のようなライトヘッド素子とリードヘッド素子とを備えた薄膜磁気ヘッドは、次のように製作される。
【0008】
即ち、Al23−TiC(アルミナチタンカーバイト)またはSiC(シリコンカーバイト)などの硬質の基板上に、まず、絶縁膜(ベースアルミナという)として膜厚2〜10μmのAl23(アルミナ)層を形成し、これにシールド層,ギャップ層,MR素子,ライトヘッド素子の下部磁極と上部磁極,アルミナ層の保護膜を順に積層する。かかる積層構造体は、リソグラフィを用いた薄膜プロセスにより、5インチサイズの基板上に形成される。この基板を、ダイヤモンド砥石により、2インチの長さの短冊片(即ち、ロウバー)に切断し、切断後の歪みを両面ラップなどの方法を用いて除去して後、基板上の上記積層構造体の1つ面(即ち、上記各層の端部側の面)を高精度に研磨加工して、ディスクに対面する浮上面を形成する。しかる後、この浮上面に負圧を生じさせて薄膜磁気ヘッドをディスク面から浮上させるためのレールを、イオンミリングなどのドライ加工により、島状に形成する。そして、かかる島状レールの形成後、ロウバーから個々の積層構造体(ヘッド素子部)を含むような小片(即ち、スライダ)を切り離すことにより、薄膜磁気ヘッドが完成する。
【0009】
ところで、ロウバーの状態で浮上面を研磨加工する方法としては、回転する軟質金属系の定盤上にダイヤモンドなどの砥粒を含んだラップ液を滴下しながら、研磨治具に接着したロウバーを押圧摺動させる研磨加工法が用いられている。
【0010】
薄膜磁気ヘッドは、ヘッド素子部でのリードヘッド素子としてのMRヘッド素子やライトヘッド素子としての磁気誘導型ヘッド素子の上部磁極,下部磁極にパーマロイなどの軟質金属を、絶縁保護膜にアルミナを、スライダ基板材にアルミナチタンカーバイトを夫々用いた複合材料からなり、これら材料間で硬度が大きく異なることから、浮上面の研磨加工を行なうと、軟鉄金属によって構成されるMR素子やライトヘッド素子の上部磁極,下部磁極などのヘッド素子部が窪み、浮上面に段差が生ずる。この段差を加工段差もしくはPTR(Pole Tip Recession)というが、加工段差は、軟質金属によって構成されるMRヘッド素子やライトヘッド素子の上部磁極及び下部磁極の磁性膜,上部シールド膜,下部シールド膜などからなるヘッド素子部の表面とAl23−TiCまたはSiCなどの硬質セラミックスなどによって構成される基板材の表面との間に生ずる段差として定義される。また、このヘッド素子部の表面とアルミナなどによって構成される絶縁保護膜の表面との間に生ずる段差を素子段差といい、この絶縁保護膜の表面と基板材の表面との間の段差をアルミナ段差という。従って、加工段差は、素子段差とアルミナ段差との和で表わされる。
【0011】
一方、磁気ディスク装置において、面記録密度が向上するためには、ディスクの表面と薄膜磁気ヘッドの浮上面との間の隙間(浮上量)を狭くし、浮上面に露出したMRヘッド素子やライトヘッド素子とディスクでの磁性膜の表面との間の距離、即ち、磁気スペーシングを小さくすることが必須である。しかし、浮上量を小さくしても、加工段差が大きくなると、磁気スペーシングが増大することから、面記録密度を高めるためには、加工段差の低減が要求されるものである。
【0012】
加工段差を低減するための方法としては、その一例として、特開平11ー302636号公報に記載のものが知られている。
【0013】
これに記載の薄膜磁気ヘッドのスライダ50は、そのディスクへの対向面(ディスクから浮上するエアベアリング面)51が図16に示す構成をなしている。このエアベアリング面51はほぼ3つの辺に沿って形成される凸部52を有しており、この凸部52に対し、中央部から1つの辺にかけて凹部53をなしている。凸部52の両端部側の辺(図面で上辺)が空気流出側であり、従って、これが使用されるときには、図示しないディスクに対する移動方向が図面上下方向となる。凸部52の一方の端部、即ち、空気流出側の辺(流出端)の一方の端部に、ライトヘッド素子やリードヘッド素子などからなるヘッド素子部54が設けられており、これによってディスクへのデータの記録、ディスクからのデータの再生が行なわれる。
【0014】
図17はかかる薄膜磁気ヘッド製造プロセスの1工程でのスライダ50の断面構成を示す図であって、この断面は図16における分断線X−Xに沿うものである。
【0015】
この工程は、基板材55に絶縁層56で保護したヘッド素子部54を設け、かかるヘッド素子部54と基板材55との表面からなるエアベアリング面51を研磨加工するものである。
【0016】
ここで、基板材55の材料としては、Al23−TiC(アルティック)が用いられており、また、絶縁層56として、Al23(アルミナ)が用いられており、Al23−TiCはAl23よりも硬度が大きい。このために、エアベアリング面51を研磨加工すると、図示するように、基板材55の表面と絶縁層56の表面との間に4〜5nm程度の段差(アルミナ段差)が生ずる。なお、ヘッド素子部54でのMRヘッド素子57やライトヘッド素子の上部磁極58,下部磁極59、下部シールド層60といった素子は絶縁層56よりも硬度が小さいため、ヘッド素子部54のこれら素子と絶縁層56との間にも段差(素子段差)が生ずるが、上記のエアベアリング面51の研磨加工において、アルカリ系スラリーによってアルミナの絶縁層56を化学エッチングしており、これにより、絶縁層56とヘッド素子部54との間の段差(素子段差)をほぼゼロにしており、加工段差はこのアルミナ段差にほぼ等しくなる。
【0017】
以上のようなエアベアリング面51の研磨加工後、図18に示すように、絶縁層56の表面にマスク61を設けて基板材55の表面をエッチングし、エアベアリング面51において、図19に示すように、絶縁層56の表面と基板材55の表面とを同一平面とするか、あるいは絶縁層56の表面が基板材55の表面よりもディスク62側に突出するようにする。即ち、加工段差をゼロにする。そして、これら表面からなるエアベアリング面51全体にDLCからなる保護膜63を設ける。
【0018】
かかる薄膜磁気ヘッドでは、上記の構成を有するものであるから、次のような効果が得られる。即ち、図17に示すように4〜5nmのアルミナ段差を残したまま保護膜63を設けた構成とすると、図19に示すような磁気ヘッド装置の動作時での薄膜磁気ヘッド50とディスク62との間の最小距離として定義される浮上量は基板材55の表面によって決まり、ヘッド素子部54の表面とディスク62の磁性膜(図示せず)との間の距離(磁気スペーシング(特開2001ー236619号公報では、「磁気スペース」という))が浮上量よりも上記の加工段差(≒アルミナ段差)分大きくなるが、図18,図19で説明されるように、この加工段差をほぼゼロにしているので、その分磁気スペーシングが小さくなり、再生出力が向上するものである。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、後に詳細に説明するが、図2に示すように、ディスク対向面3において、流出端8の中央部と流入端9とに島状のレール10a,10bとを設け、流出端8側の島状レール10aにヘッド素子部7が設けられた薄膜磁気ヘッドが知られている。島状レール(センタレール)10aは、深溝加工面6に対し所定の段差でもって突出したセンタレール浅溝加工面5aとこのセンタレール浅溝加工面5aに対し所定の段差でもって突出したセンタレール浮上面4aとからなり、このセンタレール浮上面4aに保護層で保護されたヘッド素子部7の端面が露出している。また、島状レール(流入端レール)10bは、流入端9に沿い深溝加工面6に対し所定の段差でもって突出した流入端レール浅溝加工面5bとこの流入端レール浅溝加工面5bの両端で所定の段差で突出した流入端レール浮上面4b,4cとからなっている。
【0020】
かかる薄膜磁気ヘッドは、浮上面4と深溝加工面6との間に浅溝5を設け、島状レール10a,10bが2段ステップからなるスライダをなすものであるから、浅溝・2段ステップ・負圧スライダとも呼ばれている。
【0021】
かかる薄膜磁気ヘッドの製造プロセスにおいても、ディスク対向面3の研磨加工では、センタレール浮上面4aにおいて、基板材の表面とヘッド素子部7を保護する保護層の表面との間に加工段差が生じ、この加工段差分磁気スペーシングが大きくなる。
【0022】
そこで、かかる磁気スペーシングを低減するために、先の特開2001ー236619号公報に記載の上記技術を適用し、センタレール浮上面4aでの基板材の表面部分もセンタレール浅溝加工面5aとし、ヘッド素子部7を含む狭い領域のみセンタレール浮上面4aとすることが考えられる。
【0023】
しかし、このようにすると、センタレール浮上面4aとセンタレール浅溝加工面5aとの割合が大幅に変化することになり、浮上量にバラツキが生じて所望とする浮上量を安定して得られなくなるという問題がある。
【0024】
本発明の目的は、かかる問題を解消し、基本的には浅溝・2段ステップ・負圧スライダの構成をなしながら、加工段差を低減して磁気スペーシングを改善可能とした薄膜磁気ヘッドを提供することにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、本発明は、ライトヘッド素子とリードヘッド素子とからなるヘッド素子部が基板材にベースアルミナを介して設けられ、かつ基板材の表面やヘッド素子部の表面を含むディスク対向面の流出端側の中央部に深溝加工面に対して島状に突出したセンタレールが、ディスク対向面の流入端側に深溝加工面に対して島状に突出した流入端レールが夫々設けられ、センタレールと流入端レールが夫々、該深溝加工面に対して所定の段差で突出した浅溝加工面と、浅溝加工面に対して所定の段差で突出した浮上面とを有し、センタレールの浮上面にヘッド素子部の表面が含まれる薄膜磁気ヘッドであって、センタレールでの浮上面を、ヘッド素子部の表面を含み、かつ基板材の表面外の面とし、浮上面と浅溝加工面との間に、浮上面からの段差が浅溝加工面までの段差よりも小さい1以上の極浅溝加工面を設け、ディスク対向面をn段ステップ構成(但し、nは3以上の整数)としたものである。
【0026】
そして、センタレールでの浮上面と極浅溝加工面との境界を、ヘッド素子部と基板材との間のベースアルミナ上としたものである。
【0027】
さらに、センタレールの浮上面に浮上面保護膜を設けたものである。
【0029】
そして、ライトヘッド素子は磁気誘導型ヘッドであって、リードヘッド素子は磁気抵抗効果型ヘッドであるものである。
【0030】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の概要について説明する。
【0031】
図1は磁気ディスク装置の動作時での薄膜磁気ヘッドとディスクとの配置状態を概略的に示す図であって、1は薄膜磁気ヘッド(スライダ)、2はディスク、3はディスク対向面、4は浮上面、5は浅溝加工面、6は深溝加工面、7はヘッド素子部である。
【0032】
同図において、磁気ディスク装置では、磁気記録媒体であるディスク2の回転による動圧を利用することにより、薄膜磁気ヘッド1をディスク2の表面から微小距離だけ浮上させ、スライダ1の端部に形成されたライトヘッド素子やMR素子などからなるヘッド素子部7によってデータの記録再生を行なっている。薄膜磁気ヘッドとディスク2との表面が最接近している隙間を浮上量という。
【0033】
近年、磁気ディスク装置の高密度化の勢いは凄まじく、これに対応して薄膜磁気ヘッドの浮上量も年々低減化されており、現在浮上量としては10〜20nmに達してきている。このように薄膜磁気ヘッドの低浮上量化が可能となった理由の1つとして、浅溝・2段ステップ・負圧スライダが挙げられる。これは、薄膜磁気ヘッド1のディスク対向面3を浮上面4と浅溝加工面5と深溝加工面6との2段ステップの面とし、浮上面4と浅溝加工面5とからなる部分が、深溝加工面6に対して、島状のレールを構成しているものであり、かかる構成により、ディスク対向面3とディスク2の表面との間に負圧を生じさせてスライダ1をディスク2の面から微小距離浮上させる。かかる島状レールの大きさ,形状や高さに応じて、浮上量を調整することができる。
【0034】
図2は本発明による薄膜ヘッドの基本構成となる浅溝・2段ステップ・負圧スライダの薄膜磁気ヘッドを示す平面図であって、図1での薄膜磁気ヘッドのディスク対向面3の構成を示すものであり、4aはセンタレール浮上面、4b,4cは流入端レール浮上面、5aはセンタレール浅溝加工面、5bは流入端レール浅溝加工面、8は流出端、9は流入端、10aはセンタレール、10bは流入端レールである。なお、図1に対応する部分には、同一符号を付けている。
【0035】
同図において、ディスク対向面3には、浅溝と深溝の2種類の溝の加工がなされ、中間溝としての浅溝を設けて2段ステップの構成がなされている。これにより、矢印A方向をディスク2(図1)に対する薄膜磁気ヘッド1の進行方向として、流出端8側の中央部にヘッド素子部7が露出したセンタレール浮上面4aとこれに対して所定の深さに加工されたセンタレール浅溝加工面5aとからなる島状レール、即ち、センターレール10aが形成されており、反対側の流入端9側には、この流入端9に沿って島状のレールである流入端レール10bが形成されている。この流入端レール10bは、ほぼ流入端9全体に沿う流入端レール浅溝加工面5bと、この流入端レール浅溝加工面5bの両端部(即ち、流入端9の両端部)に形成された流入端レール浮上面4b,4cとからなっている。そして、ディスク対向面3のこれらセンタレール10a,流入端レール10b以外の領域は、深溝加工面6をなしている。
【0036】
ここで、夫々の浮上面4a〜4c(以下、浮上面4という)は同一平面状にあり、夫々の浅溝加工面5a,5b(以下、浅溝加工面5という)は浮上面4に対して100〜200nmの深さに加工され、深溝加工面6は浮上面4から0.5〜2.0μmの深さに加工されている。そして、これら島状レール10a,10bの形状や夫々の加工面5,6(即ち、溝)の深さに応じた負圧が薄膜磁気ヘッド1とディスク2との間に生じ、このことから、島状レール10a,10bの形状や夫々の加工面5,6(即ち、溝)の深さでもってこの負圧を調整することにより、薄膜磁気ヘッド1のディスク2に対する浮上量を制御している。
【0037】
図3は図2におけるセンタレール10aの部分を拡大して示す平面図であって、図4は図3の分断線B−Bに沿う断面図であり、11はライトヘッド素子(磁気誘導型ヘッド素子)、12はMRヘッド素子(磁気抵抗効果型ヘッド素子)、13は浮上面保護膜、14は基板材、15は保護アルミナである。なお、前出図面に対応する部分には同一符号を付けている。
【0038】
図3及び図4において、基板材14の1つの表面上にライトヘッド素子11やリードヘッド素子12などからなるヘッド素子部7が形成されており、これを覆うようにして保護アルミナ15が設けられ、その端面が流出端8をなしている。そして、このように基板材14上にヘッド素子部7や保護アルミナ15が形成されたスライダを、ヘッド素子部7の先端部が露出するようにして、研磨加工することにより、センタレール浮上面4aが形成され、また、基板材14を研磨加工することにより、このセンタレール浮上面4aから所定深さのセンタレール浅溝加工面5aが、さらに、深溝加工面6が夫々形成されている。ヘッド素子部7においては、ライトヘッド素子11とリードヘッド素子12とが薄膜磁気ヘッド1の矢印Aで示す進行方向に配列されており、また、かかるヘッド素子部7のセンタレール浮上面4aから露出した先端部が浮上面保護膜13によって覆われて保護されている。
【0039】
ここで、図5により、薄膜磁気ヘッドでの従来の一般的な構成を採用した場合のヘッド素子部7について説明する。なお、図5はかかるヘッド素子部7をディスク2とともに示す断面図であって、2aは磁性膜、2bは保護膜、16はベースアルミナ(絶縁膜)、17は下部シールド膜、18は上部シールド膜、19は下部磁極、20は上部磁極、21はコイルであり、図3及び図4に対応する部分には同一符号を付けている。
【0040】
同図において、Al23−TiCもしくはSiCなどの硬質セラミックス材で構成される基板材14上に、絶縁膜としてのベースアルミナ16を介して設けられ、その上にリードヘッド素子12が、再生時のノイズを低減するために設けられた下部シールド膜17と上部シールド膜18との間に挟まれて、配置されている。そして、この上部シールド膜18上にライトヘッド素子11が配置されている。かかる構成のヘッド素子部7が絶縁層としての保護アルミナ15によって覆われ、その端面が流出端8(図3及び図4)をなしている。また、浮上面の形成の研磨加工によって露出したライトヘッド素子11やリードヘッド素子などの先端部は、浮上面保護膜13によって覆われて保護されている。
【0041】
ライトヘッド素子11は、上部磁極20と、下部磁極19と、これらの間に形成された図示しない絶縁層中に埋め込まれたコイル21とから構成されている。かかるライトヘッド素子11は、コイル19にデータ信号を供給することによって生じた磁束が上部磁極20と下部磁極19との先端部の間から漏れ、その漏れ磁束が回転するディスク2上の保護膜2bで保護された磁性膜2aを磁化することにより、ディスク2への磁気記録が行なわれる。
【0042】
また、リードヘッド素子12では、上記の磁気記録によってディスク2の磁性膜2aに形成されたS,N磁極による磁界の強度に応じて、そのMR素子の抵抗値が変化する。従って、ディスク2を回転させてディスク2に対してリードヘッド素子12を相対的に移動させることにより、ディスク2の磁性膜2aに書き込まれたデータに応じてこのMR素子の抵抗値変化し、この抵抗値の変化を検出することにより、ディスク2に記録されたデータを再生することができる。
【0043】
MRヘッド素子12としては、MR素子を浮上面から露出させる露出型の方がMR比が高くて特性が良く、このため、浮上面を研磨加工することにより、MR素子の先端部を露出させてそれを仕上げ加工している。
【0044】
しかしながら、センタレール浮上面の加工に際してその加工対象となるヘッド素子部7は、ライトヘッド素子11の上部磁極20と下部磁極19、上部シールド膜18、下部シールド膜17、リードヘッド素子12のMR素子といった軟質金属と、比較的加工性の良いベースアルミナ16や保護アルミナ15と、高い硬度で比較的加工性が悪いAl23−TiCもしくはSiCから構成される基板材14というように、加工性が異なる複数の材料が混在した複合材料からなるものである。このような複合材料からなるヘッド素子部7を含む面を研磨加工してセンタレール浮上面4a(図3及び図4)を形成しようとすると、上記の材料間の加工性の相違から形成されたセンタレール浮上面4aのヘッド素子部7に段差が生ずることになる。
【0045】
即ち、図5において、研磨加工した基板材14の研磨加工面がセンタレール浮上面4aとなるが、このセンタレール浮上面4aに対してベースアルミナ16やライトヘッド素子11の絶縁層,保護アルミナ15の研磨加工面がへこみ、これら研磨加工面間に段差が発生する。この段差がアルミナ段差である。また、これらベースアルミナ16やライトヘッド素子11の絶縁層,保護アルミナ15の研磨加工面に対しても、軟質金属からなるライトヘッド素子11の上部磁極20と下部磁極19、上部シールド膜18、下部シールド膜17、リードヘッド素子12のMR素子の研磨加工面がへこみ、これら研磨加工面間にも段差が生ずる。これが素子段差である。加工段差は、これら段差の和、即ち、
加工段差=アルミナ段差+素子段差
となる。
【0046】
以上の研磨加工面には、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)などの膜からなる浮上面保護膜13が形成されている。また、ディスク2では、その基板表面に実際に記録が行なわれる磁性膜2aが形成されており、さらにその上に、保護膜が形成されている。
【0047】
ここで、磁気ディスク装置が記録または再生動作しているときの薄膜磁気ヘッド1の姿勢は、図1に示すように、ディスク2に対して浮上しながら、流入端9側が高く、流出端8側が低い傾斜した状態にあり、センタレール浮上面4でのヘッド素子部7近傍で最も低くなっている。薄膜磁気ヘッド1とディスク2との間の最小隙間で定義される浮上量は、この最も低くなっている部分での隙間ということになるが、これを図5に示す薄膜磁気ヘッドについてみると、浮上面保護膜13での基板材14に対向した最も突出している部分の表面とこれに対向するディスク2の保護膜2bの表面との間の距離ということになる。
【0048】
また、ヘッド素子部7とディスク2との間の実際に記録,再生に関係する隙間、即ち、磁気スペーシングは、ライトヘッド素子11の上部磁極20,下部磁極19やリードヘッド素子3のMR素子の研磨加工面からディスク2の磁性膜2aまでの距離で定義される。従って、この磁気スペーシングは、
磁気スペーシング=ディスク2の保護膜2bの膜厚+浮上量
+浮上面保護膜13の膜厚+アルミナ段差+素子段差
と5つの要素で表わされる。
【0049】
ところで、面記録を高密度化するためには、磁気スペーシングを狭小化する必要であり、これが磁気ディスク装置の最重要課題の1つとなっている。磁気ヘッドの技術開発の歴史は、磁気スペーシングの低減化の歴史といっても過言ではない。これまでは、上記の5つの要素を低減するために、様々な技術が開発されてきた。そのうちでも、アルミナ段差と素子段差に関しては、浮上面の研磨条件によって大きく変化することが、研磨条件の最適化により、これら段差の低減化を図ってきた。現状では、アルミナ段差:2.5nm、素子段差:0.5nm、従って、加工段差としては、3nm程度まで低減することができる研磨条件を確立できている。
【0050】
しかし、今後もさらに面記録密度を向上させることが要望されており、このためには、磁気スペーシングをより一層狭小化することが必須であり、このことから、加工段差についても、より一層低減化することが要求されている。
【0051】
本発明はかかる要求に答えるものであって、基本的には、図1〜図4に示す構成をなすものであるが、浮上面の形状を変更することにより、アルミナ段差をなくすことにより、加工段差を大幅に低減し、よって磁気スペーシングを大幅に低減するものである。
【0052】
上記のように、ディスクでの面記録密度を高密度化するためには、磁気スペーシングの狭小化が必須であり、磁気スペーシングを狭小化するためには、アルミナ段差と素子段差とからなる加工段差を低減することが必要である。そこで、アルミナ段差と素子段差とを比較すると、アルミナ段差の方が4〜5倍程度大きいことから、アルミナ段差を低減することができれば、加工段差を大幅に低減することができる。
【0053】
アルミナ段差を低減する方法としては、次のような方法が考えられる
(1)図5において、基板材14とベースアルミナ16との材料を変更し、夫々の加工性を変えることによってアルミナ段差を低減する方法。
(2)研磨条件の最適化により、アルミナ段差を低減する方法。
【0054】
(1)の材料を変更する方法については、この変更を行なうと、薄膜磁気ヘッドの浮上特性や素子形成プロセス・加工プロセスに大きく影響してしまう。従って、この方法は採用しにくい。また、現状では、基板材14として、Al23−TiCが一般的であるが、基板材14の表面粗さを向上させるためには、SiCが用いられる場合もある。しかし、SiCは、Al23−TiCと比較して、さらに加工性が悪いことから、基板材14としてSiCに変更すると、かえってアルミナ段差が増加してしまうことになる。
【0055】
(2)の研磨条件を最適化する方法についても、ケミカル要素を最適化することや砥粒1個あたりの切り込み量を極小化するなどの検討が行なわれたが、限界に近づきつつあり、これもアルミナ段差を大幅に低減させることは困難である。
【0056】
そこで、本発明は、ディスク対向面に形成する島状レールの構造を変更することにより、アルミナ段差が生じないようにし、これにより、加工段差を大幅に低減するものである。以下、本発明の実施形態を図面により説明する。
【0057】
図2〜図5で説明した浅溝・2段ステップ・負圧スライダでは、ライトヘッド素子とリードヘッド素子とが露出するセンタレール浮上面4aが基板材14と、ベースアルミナ16と、下部シールド膜17と、上部シールド膜18と、MRヘッド素子12と、ライトヘッド素子11の下部磁極19,上部磁極20とで構成されているので、浮上面の研磨加工を行なうと、アルミナ段差と素子段差とが発生する。これに対して、センタレール浮上面4aに基板材14が含まれなければ、アルミナ段差が発生する原因がなくなり、アルミナ段差は生じない。
【0058】
図6は本発明による薄膜磁気ヘッドの第1の実施形態の要部であるディスク対向面を示す平面図であって、22a〜22cは極浅溝加工面であり、図2及び図5に対応する部分には同一符号を付けて重複する説明を省略する。
【0059】
図6において、この第1の実施形態は、基本構成としては、図2〜図5で説明したものと同様であるが、特に、島状レール10a,10bを次のような構成とするものである。
【0060】
(1)各レール浮上面4と浅溝加工面5との間に極浅溝加工面22a,22b,22cを設け、3段ステップの構成とする。
【0061】
(2)ヘッド素子部7が露出するセンタレール浮上面4aには、基板材14が含まれないようにして、このセンタレール浮上面4aの領域をライトヘッド素子11とMRヘッド素子12とを含む最小限の面積の領域とする。
【0062】
(3)センタレール浮上面4aの輪郭部を、基板材14上とはせずに、ベースアルミナ16上とする。
【0063】
(4)センタレール浮上面4aの外側に極浅溝加工面22aを形成し、この極浅溝加工面22aのセンタレール浮上面4aに対する段差を3nm以上とする。
【0064】
図7は図6におけるセンタレール10aの部分を拡大して示す平面図であって、図6に対応する部分に同一符号を付けている。
【0065】
同図において、センタレール浮上面4aはヘッド素子部7を含む狭い面積の部分とし、このセンタレール浮上面4aの周りに、センタレール浅溝加工面5aよりも段差が小さい極浅溝加工面22aが形成されている。そして、この極浅溝加工面22aの外側がセンタレール浅溝加工面5aをなし、さらに、このセンタレール浅溝加工面5aの外側が深溝加工面6をなしている。
【0066】
図8は図7での分断線C−Cに沿う断面図であって、図示するように、また、図7でも示すように、センタレール浮上面4aの輪郭線(境界線)は基板材14からはずれており、センタレール浮上面4aは基板材14の面を含んでいない。
【0067】
図9は図8におけるヘッド素子部7の部分を拡大して示す断面図であって、図5〜図8に対応する部分には同一符号を付けて重複する説明を省略する。
【0068】
同図において、この第1の実施形態では、センタレール浮上面4aはヘッド素子部7での基板材14と下部シールド膜17との間のベースアルミナまで形成され、基板材14とベースアルミナ16の一部との研磨加工面はベースアルミナ16の残りの研磨加工面からへこまされている。これにより、ベースアルミナ16のこの残りの研磨加工面やライトヘッド素子11の絶縁層の研磨加工面,保護アルミナ15の研磨加工面がディスク2側に最も突出してセンタレール浮上面4aをなすことになる。従って、センタレール浮上面4aの輪郭線(境界線)はベースアルミナ16上にあり、基板材14はセンタレール浮上面4aの領域に含まれない。つまり、基板材14は、センタレール浮上面4aから所定の段差だけへこまされて極浅溝加工面22aを形成する。
【0069】
センタレール10aのかかる構成により、ベースアルミナ16の研磨加工面がセンタレール浮上面4aとなり、ベースアルミナ16の研磨加工面と基板材14の研磨加工面との間に段差があるものの、図5で示すような基板材14とベースアルミナ16との間のアルミナ段差のような磁気スペーシングに影響するアルミナ段差は生ずることがなく、磁気スペーシングに影響する加工段差としては、このセンタレール浮上面4aからMRヘッド素子12やライト素子11の下部磁極19,上部磁極20の研磨加工面までの段差である素子段差で定義され、従って、
加工段差=素子段差
ということになる。このようにして、加工段差を大幅に低減可能となり、この結果、磁気スペーシングも大幅に低減可能となる。
【0070】
ところで、センタレール浮上面4aに基板材14が含まれないようにすることだけを考えると、図7において、極浅溝加工面22aの部分もセンタレール浅溝加工面5aとすればよい。つまり、図3及び図4に示す浅溝・2段ステップ・負圧スライダのセンタレール10aにおいて、センタレール浅溝加工面5aを基板材14全体にまで広げればよい。
【0071】
しかし、このような2段ステップのままでセンタレール浮上面4aを狭くすると、次のような問題が生ずる。即ち、図2〜図5に示した2段ステップの構成は、薄膜磁気ヘッドの浮上量を安定して大幅に低減化可能としたものであって、これに対し、2段ステップの構成を保ちながらセンタレール浮上面4aの面積を極端に小さくすると、浮上量のバラツキが増大し、安定した希望の浮上量が得られないという問題がある。
【0072】
この第1の実施形態では、センタレール浮上面4aの面積を小さくするとともに、このセンタレール浮上面4aとセンタレール浅溝加工面5aとの間に段差が小さい極浅溝加工面22aを設けて3段ステップ構成とすることにより、図2〜図5に示した2段ステップ構成に近い構成として、その効果を持たせることができるようにしたものである。この場合、センタレール浮上面4aに対する極浅溝加工面22aの深さは、上記のように3nm以上とするが、必要最小限の深さに設定する。
【0073】
そして、このようにして、この第1の実施形態では、図2〜図5に示した浅溝・2段ステップ・負圧スライダと同様に浮上量を大幅に低減しながら、かかるスライダよりも磁気スペーシングを大幅に低減できるものであって、記録/再生特性が大幅に改善されることになる。
【0074】
また、この第1の実施形態では、磁気ディスク装置で使用中、図7に示す分断線C−C上の中心軸を中心として回動振れが生ずるようなことがあっても、図2〜図5に示した浅溝・2段ステップ負圧スライダに比べてセンタレール浮上面4aの面積が非常に狭いため、このセンタレール浮上面4aがディスク2に触れるようなことも防止できる。
【0075】
図10はこの第1の実施形態の薄膜磁気ヘッドの加工プロセスを図2〜図5に示す薄膜磁気ヘッドの加工プロセスと比較して示すフローチャートであり、同図(a)は図2〜図5に示す薄膜磁気ヘッドの加工プロセスを、同図(b)は第1の実施形態の薄膜磁気ヘッドの加工プロセスを夫々示している。
【0076】
まず、図10(a)により、図2〜図5に示す薄膜磁気ヘッドの加工プロセスについて、説明する。
【0077】
(1)素子形成(ステップ100):
リソグラフィに代表される薄膜工程により、Al23−TiCまたはSiCからなる基板材14のウェハ上にリードヘッド素子12,ライトヘッド素子11を形成する。
【0078】
(2)基板切断(ステップ101):
ダイヤモンド砥石を用いたスライシングにより、ウェハをロウバー毎に切り離す。
【0079】
(3)両面ラップ(ステップ102):
上下に研磨定盤が配置された両面ラップにより、ロウバーを2つの研磨定盤の間に挟み込み、その両面を研磨加工する。この工程により、ウェハから切断するときにロウバーに生ずる加工歪みを緩和し、ロウバーのうねりや反りをなくす。
【0080】
(4)浮上面研磨(ステップ103):
ロウバーの浮上面を研磨加工し、MR素子の素子高さ寸法の制御,表面粗さの向上,加工段差の低減を行なう。
【0081】
(5)浮上面保護膜形成(ステップ104):
リード・ライトヘッド素子の腐食防止とディスク2ヘの接触に対する耐摩耗性とを向上させるために、研磨加工後の浮上面にDLC(ダイヤモンドライクカーボン)の浮上面保護膜13を形成する。このときの浮上面保護膜13の膜厚は4〜10nmとする。
【0082】
(6)浅溝加工(ステップ105):
イオンミリングを用いて浮上面を加工し、浅溝加工面を形成する。このときの浮上面から浅溝加工面までの段差をほぼ100〜200nmとする。
【0083】
(7)深溝加工(ステップ106):
RIE(Reactive Ion Etching:反応性イオンエッチング)を用いて浅溝加工面を加工し、深溝加工面6を形成する。このときの浮上面から深溝加工面6までの段差をほぼ0.5〜2.0μmとする。
【0084】
(8)チップ切断(ステップ107):
以上によって各浮上面4と浅溝加工面5と深溝加工面6とが得られる。そして、ダイヤモンド砥石を用いたスライシングにより、ロウバーを個々のスライダに切り離す。
【0085】
(9)スライダ完成(ステップ108):
ステップ107の切離しにより、浅溝・2段ステップ・負圧スライダが完成する。
【0086】
以上が図2〜図5に示す薄膜磁気ヘッドの加工プロセスであるが、これに対し、第1の実施形態による薄膜磁気ヘッドの加工プロセスは、図10(b)に示すように、上記の深溝加工(ステップ106)とチップ切断(ステップ107)との間に極浅溝加工のステップ200を追加したものである。
【0087】
このステップ200は、イオンミリングを用いて浮上面を加工して極浅溝加工面22を形成するものであり、このときの浮上面から極浅溝加工面22までの段差をほぼ3〜10nmとする。このステップ200を追加する以外は図10(a)に示す加工プロセスと同様である。なお、このステップ200は、ステップ104,105との間、または、ステップ105,106の間に追加するようにしてもよい。
【0088】
以上の加工プロセスに基づいて、第1の実施形態による薄膜磁気ヘッドとその比較例としての図2〜図5で示した薄膜磁気ヘッドとを作成し、その加工段差を測定した。このときの条件としては、
Figure 0003990197
とした。
【0089】
図11はその加工段差をAFM(Atomic Force Microscope)で測定した結果を示すものである。なお、浮上面4での加工段差は、浮上面保護膜13でのかかる加工段差によって生じた段差に無視できる誤差の範囲内で等しいから、この浮上面保護膜13での段差によって測定した。
【0090】
この測定結果によると、比較例では、アルミナ段差の平均値:2.51nm,素子段差の平均値0.46nm,加工段差の平均値:2.97nmとなり、加工段差が大きいことが分かる。これに対し、第1の実施形態による薄膜磁気ヘッドでは、センタレール浮上面4aに基板材14が含まれず、これによって加工段差に影響するアルミナ段差がないことから、ベースアルミナ16の加工面をセンタレール浮上面4aとした加工段差(=素子段差)の平均値が0.41nmと非常に小さくなっていることが分かる。このようにして、この第1の実施形態では、加工段差を大幅に改善することができ、磁気スペーシングを大幅に低減することができるものである。
【0091】
なお、この第1の実施形態では、島状レール10を3段ステップ構造としたが、センタレール10aでのセンタレール浮上面4aに基板材14が含まれないようにするものであれば、4段以上のステップ構造とすることもできる。また、3段以上のステップ構造としては、センタレール10aのみに対して採用するようにしてもよいし、センタレール10aと流入端レールとでステップ数が異なってもよい(例えば、センタレール10aについては、3段以上のステップ構造とし、流入端レール10bについては、2段ステップ構造とする。なお、これによると、図2〜図5に示す薄膜磁気ヘッドと構造がより近くなり、浮上量のバラツキも抑制できる)。
【0092】
図12は本発明による薄膜磁気ヘッドの第2の実施形態のディスク対向面を示す平面図であって、4a’は実質センタレール浮上面、23は保護膜面であり、前出図面に対応する部分には同一符号を付けて重複する説明を省略する。
【0093】
この第2の実施形態は、図12において、図2〜図5に示した薄膜磁気ヘッド1と同様、2段ステップの構造をなすものであるが、磁気スペーシングに影響するセンタレール浮上面を、基板材14の表面4aではなく、ヘッド素子部7での所定面4a’とするものである。この面4a’が実質センタレール浮上面である。その他の構成は、図2〜図5に示した薄膜磁気ヘッド1と同様である。
【0094】
図13は図12におけるセンタレール10aでのヘッド素子7の部分の分断線D−Dに沿う断面を拡大して示す図であって、図9及び図12に対応する部分には同一符号を付けて重複する説明を省略する。
【0095】
同図において、浮上面保護膜13以外については、図5と同様の構成をなしている。従って、センタレール浮上面4aは基板材14の研磨加工面である。
【0096】
しかしながら、この第2の実施形態では、浮上面保護膜13をヘッド素子部7のベースアルミナ16の研磨加工面までとし、基板材14の研磨加工面には浮上面保護膜13を形成しない。このため、かかる薄膜磁気ヘッドとディスク2との間の最小隙間で定義される浮上量は、浮上面保護膜13でのベースアルミナ16に形成された部分の表面23とディスク2の保護膜2bの表面との間の距離となる。
【0097】
ここで、磁気スペーシングは、
Figure 0003990197
で表わされる。図5に示す薄膜磁気ヘッドの場合、
加工段差=アルミナ段差+素子段差
となるが、図13に示す第2の実施形態では、アルミナ段差が存在するとしても、図13から明らかに、
加工段差=素子段差
であり、アルミナ段差は磁気スペーシングに影響しない。このことからして、この第2の実施形態においても、磁気スペーシングは、アルミナ段差に影響されず、大幅に低減することが可能となる。
【0098】
なお、この第2の実施形態では、浮上面保護膜13の形成領域をヘッド素子部7でのライトヘッド素子11とリードヘッド素子12とを含む最小限の面積の領域とする。
【0099】
このようにして、この第2の実施形態においては、図2〜図5に示した薄膜磁気ヘッドと同様に浮上量を低減しながら、磁気スペーシングを大幅に低減できるとともに、ライトヘッド素子11とリードヘッド素子12との研磨加工面に浮上面保護膜13を形成するのに対し、これに近接する基板材14の研磨加工面にかかる保護膜を形成しないものであるから、薄膜磁気ヘッドの走行方向に平行な中心線に関して回動振れが発生しても、この薄膜磁気ヘッドがディスク2に触れることを防止することができ、上記第1の実施形態と同様の効果が得られる。
【0100】
図14はこの第2の実施形態の薄膜磁気ヘッドの加工プロセスを図2〜図5に示す薄膜磁気ヘッドの加工プロセスと比較して示すフローチャートであり、同図(a)は図2〜図5に示す薄膜磁気ヘッドの加工プロセスを、同図(b)は第2の実施形態の薄膜磁気ヘッドの加工プロセスを夫々示している。
【0101】
図14(a)に示す図2〜図5に示す薄膜磁気ヘッドの加工プロセスは、図10(a)で説明した加工プロセスと同じものである。
【0102】
これに対し、この第2の実施形態の加工プロセスは、図14(b)に示すように、上記の深溝加工(ステップ106)とチップ切断(ステップ107)との間に浮上面保護膜13の除去加工のステップ300を追加したものである。
【0103】
このステップ300は、ステップ104で形成された浮上保護膜13のうち、ヘッド素子部7での上記領域以外の領域でのものを除去加工し、図13に示す構成とするものである。ここで、浮上面保護膜13はシリコン膜とDLC膜との2層構造となっており、このために、特定の膜を選択的に除去することができるRIE(Reactive Ion Etching)を用いて除去加工を行なう。この場合の条件としては、DLC膜を除去する際には、O2ガスを用い、シリコン膜を除去する際には、CF4+Arガスを用いた。かかる工程を付加した以外、図14(b)に示す加工プロセスと同様である。
【0104】
なお、図14(b)において、ステップ104で浮上面保護膜13をヘッド素子部7の上記の領域のみに形成するようにしてもよい。この場合には、ステップ300を追加する必要はない。また、ステップ300をステップ104,105の間、または、ステップ105,106の間に追加するようにしてもよい。
【0105】
以上の加工プロセスに基づいて、第2の実施形態による薄膜磁気ヘッドとその比較例としての図2〜図5で示した薄膜磁気ヘッドとを作成し、その加工段差を測定した。このときの条件としては、
Figure 0003990197
とした。
【0106】
図15はその加工段差をAFM(Atomic Force Microscope)で測定した結果を示すものである。この場合、図13に示す第2の実施形態においては、浮上面保護膜13によって直接加工段差(=素子段差)を測定することはできないが、この素子段差による浮上面保護膜13の段差はこの素子段差にほとんど等しい(誤差があったとしても、無視できる程度に小さい)から、浮上面保護膜13の段差段差を測定した。
【0107】
この測定結果によると、比較例では、図11と同様であり、第2の実施形態による薄膜磁気ヘッドでは、基板材14の研磨加工面から浮上面保護膜13が取り除かれていることにより、磁気スペーシングがアルミナ段差によって影響されず、このため、加工段差はベースアルミナ16の研磨加工面上の浮上面保護膜13の表面23を基準とした段差となり、この加工段差が平均0.38nmと非常に小さくなっていることが分かる。従って、この第2の実施形態においても、加工段差を大幅に改善でき、磁気スペーシングを大幅に低減することができる。
【0108】
なお、この第2の実施形態においては、流入端レール10bでの浮上面4b,4c上に浮上面保護膜13を残しておいてもよいし、また、取り除いてもよい。
【0109】
以上説明した第1,第2の実施形態では、MRヘッド素子12として、上記のMRヘッド,GMRヘッド,TMRヘッド,AMRヘッドのいずれでもよい。
【0110】
特に、TMRヘッドでは、浮上面の研磨加工によって発生する研磨クラッチにより、TMR膜(障壁層)がショートし、TRM素子の抵抗値が本来の抵抗値よりも小さくなるという問題がある。この問題を解消するためには、TRMヘッドでは、浮上面の研磨加工後にイオンミリングなどのドライ加工を浮上面に施し、研磨スクラッチの影響を取り除くことが行なわれている。しかし、この場合には、ドライ加工によって基板材14の加工面からの加工段差が増加し、問題となる。これに対し、上記第1,第2の実施形態では、基板材14が磁気スペーシングに寄与する加工段差に影響しないから、ドライ加工がなされても、これによる加工段差の増加はほとんどないことになる。従って、TMRヘッドをMRヘッド素子として用いても、加工段差の大幅な改善効果が得られて磁気スペーシングの大幅な低減が図れる。
【0111】
また、先に説明したように、基板材14として、その表面粗さを向上させるために、その材質をAl23−TiCからSiCに変更する動きがある。SiCは、Al23−TiCと比較して、加工性に劣ることから、アルミナ段差が増大化するという問題がある。しかし、上記の第1,第2の実施形態では、基板材14が磁気スペーシングに関係する加工段差に影響しないものであるから、例え基板材14にSiCを用いてアルミナ段差が大きくなったとしても、このアルミナ段差によって磁気スペーシングが影響されないから、磁気スペーシングを大幅に低減させることができる。
【0112】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によると、安定に浮上量を低減可能な浅溝・2段ステップの構成を保ちながら、磁気スペーシングを安定してさらに低減することができ、また、浮上面を充分小さくすることができるから、ディスク対向面が傾いたり、揺れたりしても、浮上面がディスク面に触れるおそれがなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】磁気ディスク装置の動作時での薄膜磁気ヘッドとディスクとの配置状態を概略的に示す図である。
【図2】浅溝・2段ステップ・負圧スライダのディスク対向面の構成を示す平面図である。
【図3】図2におけるセンタレールの部分を拡大して示す平面図である。
【図4】図3の分断線B−Bに沿う断面図である。
【図5】薄膜磁気ヘッドでの従来の一般的な構成を採用した場合のヘッド素子部を示す断面図である。
【図6】本発明による薄膜磁気ヘッドの第1の実施形態の要部であるディスク対向面を示す平面図である。
【図7】図6におけるセンタレールの部分を拡大して示す平面図である。
【図8】図7での分断線C−Cに沿う断面図である。
【図9】図8におけるヘッド素子部の部分を拡大して示す断面図である。
【図10】図6〜図9に示す第1の実施形態の薄膜磁気ヘッドの加工プロセスを図2〜図5に示す薄膜磁気ヘッドの加工プロセスと比較して示すフローチャートである。
【図11】図6〜図9に示す第1の実施形態と比較例との加工段差をAFMで測定した結果を示す図である。
【図12】本発明による薄膜磁気ヘッドの第2の実施形態のディスク対向面を示す平面図である。
【図13】図12におけるセンタレールでのヘッド素子7の部分の分断線D−Dに沿う断面を拡大して示す図である。
【図14】図12及び図13に示す第2の実施形態の薄膜磁気ヘッドの加工プロセスを図2〜図5に示す薄膜磁気ヘッドの加工プロセスと比較して示すフローチャートである。
【図15】図12及び図13に示す第2の実施形態と比較例との加工段差をAFMで測定した結果を示す図である。
【図16】従来の薄膜磁気ヘッドのスライダのディスク対向面の一例の構成を示す平面図である。
【図17】図16に示すスライダのディスク対向面を研磨加工した状態を示す断面図である。
【図18】図17に示す研磨加工後のディスク対向面での基板材の表面をエッチングする工程を示す断面図である。
【図19】図17に示すエッチング処理後のディスク対向面に保護膜を形成した状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 薄膜磁気ヘッド
2 ディスク
2aは磁性膜、2bは保護膜、
4 浮上面
4a センタレール浮上面
4a’は実質センタレール浮上面
5 浅溝加工面
5a センタレール浅溝加工面
6 深溝加工面
7 ヘッド素子部
8 流出端
9 流入端
10a センタレール
10b 流入短レール
11 ライトヘッド素子(磁気誘導型ヘッド素子)
12 MRヘッド素子(磁気抵抗効果型ヘッド素子)
13 浮上面保護膜
14 基板材
15 保護アルミナ
16 ベースアルミナ(絶縁膜)
17 下部シールド膜
18 上部シールド膜
19 下部磁極
20 上部磁極
21 コイル
22a〜22c 極浅溝加工面
23 保護膜面

Claims (4)

  1. ライトヘッド素子とリードヘッド素子とを有するヘッド素子部が基板材にベースアルミナを介して設けられ、かつ該基板材の表面や該ヘッド素子部の表面を含むディスク対向面の流出端側の中央部に深溝加工面に対して島状に突出したセンタレールが、該ディスク対向面の流入端側に該深溝加工面に対して島状に突出した流入端レールが夫々設けられ、該センタレールと該流入端レールが夫々、該深溝加工面に対して所定の段差で突出した浅溝加工面と、該浅溝加工面に対して所定の段差で突出した浮上面とを有し、該センタレールの該浮上面に該ヘッド素子部の表面が含まれる薄膜磁気ヘッドであって、
    該センタレールでの該浮上面を、該ヘッド素子部の表面を含み、かつ該基板材の表面外の面とし、該浮上面と該浅溝加工面との間に、該浮上面からの段差が該浅溝加工面までの段差よりも小さい1以上の極浅溝加工面を設け、該ディスク対向面をn段ステップ構成(但し、nは3以上の整数)としたことを特徴とする薄膜磁気ヘッド。
  2. 請求項1において、
    前記浮上面と前記極浅溝加工面との境界を、前記ヘッド素子部と前記基板材との間の前記ベースアルミナ上としたことを特徴とすることを特徴とする薄膜磁気ヘッド。
  3. 請求項1または2において、
    前記センタレールの前記浮上面に浮上面保護膜を設けたことを特徴とする薄膜磁気ヘッド。
  4. 請求項1〜のいずれか1つにおいて、
    前記ライトヘッド素子は磁気誘導型ヘッドであって、前記リードヘッド素子は磁気抵抗効果型ヘッドであることを特徴とする薄膜磁気ヘッド。
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