JP2005317188A - 平面型垂直記録用ヘッド - Google Patents

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Abstract

【課題】従来、空気軸受面(ABS)での磁極片の形状は、ウェハ表面に直角な横断面で規定されている。しかしながら、必要なのは、ラップ仕上げ無しで作製できる磁気記録ヘッド、およびABSでの磁極片の形状をリソグラフィで規定した磁気記録ヘッドである。
【解決手段】ウェハ表面に対して平行に配置された薄膜からコイル46および磁極片42,43,44,45が形成される。形状、ギャップ、磁極片の寸法を規定する上で、標準的リソグラフィ技術を使用することができる。非直線的形状、例えば、書込み磁極片領域の周りに適合するサイドシールドが形成され得る。主磁極片43およびリターン磁極片44の厚さは、ラップ仕上げではなく堆積工程により制御される。個々のスライダを残りのウェハから分割するのに使用される鋸カットはABSに対して垂直である。
【選択図】図1

Description

本発明は垂直に記録するための磁性薄膜ヘッドに係り、より詳細には、このようなヘッドで使用される磁極片およびシールド、ならびにこのようなヘッドを使用する記憶装置に関する。
先行技術における代表的な磁気ディスク記録システムでは、磁気転移読み書き用磁気トランスデューサを含むスライダが、スピンドルモータによって回転するディスク上を浮上する時にサスペンションにより支持されている。ディスクは複数の薄膜と少なくとも1つの強磁性薄膜とを含み、この強磁性薄膜に記録(書込み)ヘッドが磁気転移を記録し、ここで情報がコード化される。媒体内の磁区へは長手方向あるいは垂直に書き込むことができる。スライダの読取りおよび書込みヘッド部分は薄膜処理技術によって層状に積み重ねられている。一般的には最初に読取りヘッドが形成されるが、書込みヘッドを先に作製することもできる。従来の書込みヘッドは誘導性で、読取りセンサは磁気抵抗性である。
垂直記録によるディスクドライブでは、磁束がディスクの平面に対して垂直な方向に記録層を通って指向するように記録ヘッドが設計されている。一般的には、垂直記録用ディスクは硬磁性記録層と軟磁性下地層とを有する。単磁極型ヘッドを用いた記録動作中、磁束は記録ヘッドの主磁極から垂直に硬磁性記録層を通り、次に軟磁性下地層の面内へ入り、さらに記録ヘッドのリターン磁極へと戻るように指向される。主磁極片および関連のシールドの形状および寸法は、トラック幅を確定する際の主要因となる。
ナカムラらによる特許文献1では、トラック下流側に主磁極を有する単磁極ヘッドが記載されている。主磁極は少なくとも2つの部分からなり、そこでは第一部分の幅がトラック上流側からトラック下流側へと媒体移動方向で連続的に増加し、第二部分の幅が媒体移動方向で第一部分のトラック下流側エッジの幅と同様であり、トラック上流側からトラック下流側まで媒体移動方向に一定である。このことは、記録磁界の強度がトラックエッジで減少するのを防止すると言われ、実効トラック幅を増加する一方で記録にじみを抑圧し、これにより高トラック密度を備えた磁気記録ディスク装置が実現される。
特許文献2(マラリーら)に記載されている垂直記録用単磁極ヘッドは、後部で書込み磁極に結合されてABSで小さなギャップ分だけこの書込み磁極と離間するいわゆる「下流シールド」(トラック下流側)を含んでいる。シールドのABS面は書込み磁極部分の面の何倍もの大きさになるよう設計されているので、磁束リターン部分が磁気シールドとして作用する。書込み磁極チップからの磁束密度は垂直記録を達成するのに十分である一方、下流側磁気シールドへ流れ込む磁束密度が低いため、予め記録されたパターンは反転したり弱化したりはしない。
米国出願公開第2003/0151850号明細書 米国再発行特許発明第33949号明細書
薄膜磁気トランスデューサを作製する代表的な方法において、ウェハ上には数多くのトランスデューサが同時に形成される。基本構造が形成された後、ウェハは切って列状に、あるいは個々のトランスデューサにされる。切断することがウェハを個々のスライダへと分割する代表的な方法であったが、最近では、プラズマを含むフッ素との反応性イオン・エッチング(RIE)あるいは深堀反応性イオン・エッチング(DRIE)が使用されてきている。ウェハをカットする時に露出される、ウェハの表面に垂直なスライダの表面は、最終的にスライダの空気軸受面(ABS)を形成する。切断面が不確かなので、許容できない磁性ストライプハイトにはばらつきが残り、これが修正されなければ磁気特性のばらつきが許容できなくなる。ナノメータ範囲でのストライプハイト制御を達成するような、先行技術で使用される方法としてはラップ仕上げがある。トレーリングシールドを備えた垂直記録ヘッドでは、トレーリングシールドの厚さもラップ仕上げ工程の終点で確定される。
ラップ仕上げ後、通常「レール」と呼ばれる形体が磁気トランスデューサのABS上に形成される。レールは伝統的にスライダの空気動力学を確定するために利用されてきたものであり、回転中にも静止時にもトランスデューサが媒体と接触する接触領域として役立つ。
先行技術において、ABSでの磁極片の形状は、ウェハ表面に直角な横断面で規定される。必要なのは、ラップ仕上げ無しで作製できる磁気記録ヘッド、およびABSでの磁極片の形状をリソグラフィで規定した磁気記録ヘッドである。
ラップ仕上げの不要な垂直記録用磁気ヘッド(スライダ)を以下に記載する。このヘッドはウェハ表面に平行な空気軸受面と共に作製される。空気軸受面に平行に配置された薄膜からコイルおよび磁極片が形成される。標準的リソグラフィ技術を使用して、形状、ギャップ、および磁極片の寸法を規定することができる。非直線的形状、例えば、書込み磁極片領域の周りに一致したサイドシールドが形成され得る。主磁極片およびリターン磁極片の厚さは、ラップ仕上げではなく堆積工程により制御される。残りのウェハから個々のスライダに分割するために使用される鋸カットは空気軸受面に対して垂直であり、空気軸受面の形体には何ら影響しない。
本発明によれば、ラップ仕上げの不要な垂直記録用磁気ヘッドを提供することができる。
本明細書に記載するヘッドの様々な実施態様では、ラップ仕上げが不要である。このヘッド設計を実施するために、本発明によるヘッドのウェハ表面および薄膜層がABSに対して平行になる一作製工程に、書込みヘッドと読取りヘッドとを組み入れなければならない。先行技術のヘッドを作製する方法では、薄膜はウェハ表面上に堆積されるので当然ウェハ表面に平行であるが、ウェハは薄膜と共に薄膜層の端面を露出するようカットされる。ラップ仕上げを含む先行技術のABS加工は露出された端面上で実施され、最終的なABSは薄膜の平面に対して垂直方向を向く。対照的に、本発明によればABSはウェハ上にでき、ヘッドをウェハ上の他の複数のヘッドから分割するためになされるカットは、図7に示すように、非機能的材料内においてABSに対して垂直な4辺で行われる。複数のヘッド(あるいはスライダ)20がウェハ表面に堆積された後のウェハ17が示される。Mの印をつけた線は、ヘッド20をウェハ17から分割するためになされるウェハ17内の切断部を表す。線K、J、P、Q、R、Sは将来の切断線の印である。
各ヘッド20は、ABS(これはウェハ17の上面でもある)に平行に作製された読取りヘッド30および書込みヘッド40を有する。当業者には明らかなことであるが、読取りおよび書込みヘッド30、40の実寸法はヘッド20に対して示すものよりもずっと小さいので、図7の要素を縮尺に従って描くことはできない。ヘッド20上の読取りおよび書込みヘッド30、40の位置も代表的なものではない。読取りおよび書込みヘッド30、40は、磁気記憶装置に導入する際に、ヘッド20の後端にある端面の至近に配置するのが好ましい。
本発明による工程ではラップ仕上げが不要であるので、書込みヘッドに対する読取りヘッドの「z」方向への決定的な位置合わせは必要でない。決定的な構造は材料の機械的除去ではなく堆積厚さにより形成されるので、「z」方向へ位置合わせする必要性が低減される。一方、あらゆるヘッドに関して、書込みギャップの中心線配置に対する読取りセンサの中心線配置は位置合わせに依存するが、このことがリソグラフィで達成される。先行技術機構では、書込みヘッドの決定的寸法と同様に、ラップ仕上げの最後が読取りセンサの最終ストライプハイトを確定するため、読取りヘッドの書込みヘッドに対する「z」方向への位置合わせが要求された。ところが垂直記録用ヘッドでは、読取りセンサおよび書込みヘッドの正確な寸法を同時に形成する際の先行技術のABS加工はなおさら非効率である。
例えばある垂直ヘッド設計では、トレーリングシールド型リターン磁極片の頂部には読取りセンサの頂部を基準としなければならず、同時にラップ仕上げによりトレーリングシールドの厚さが低減するので、ストライプハイトで両寸法を正確に制御するのが困難になる。本発明による工程において、トレーリングシールドおよび読取りセンサの頂部を含むABSの平坦化は、簡素な平坦化ステップ、例えば化学的機械的平坦化(CMP)で達成することができ、トレーリングシールドおよびセンサの厚さはラップ仕上げではなく薄膜の堆積により確定される。さらに、本発明は、イオン・エッチングおよびリソグラフィにより形成される磁極チップ形状の、簡素な単磁極ヘッドの製造を可能とする。
ABSに対して平行に形成されたリターン磁極片あるいはリターンシールドを有する垂直記録ヘッドを構築する利点(すなわち、ABSがウェハ加工表面に対して平行であるヘッド設計を組み込む利点)には、以下のものが含まれる。
1.シールドおよびセンサの厚さ制御が、ラップ仕上げではなく堆積により確定される。
2.書込みギャップがリソグラフィ・ステップにより制御される。
3.決定的なABS形体の形状が、丈の高いレジスト構造ではなく薄膜レジスト構造を使用したリソグラフィにより制御される。
4.決定的構成要素の位置合わせがリソグラフィにより制御される。
5.主(書込み)磁極の周りに適合する非直線的シールド形状を、リソグラフィ的に形成することができる。
本発明によるヘッド20の概要に関しては、選択された構成要素の、保護膜および基板を取り除いた等角図である図1を参照する。この実施態様はトレーリングシールド設計である。寸法が広い範囲にわたり不明確になるので、図面は縮尺に従って描くことはできない。以下で述べる以外では、関連する寸法は先行技術によるものであり、これは当業者には明らかとなろう。図1で表すX寸法およびY寸法はウェハ表面に平行であり、Z寸法はウェハ表面に直角である。意図する媒体の移動方向は図の左から右へとY軸に沿っている。読取りヘッド30および書込みヘッド40はこの実施態様では、媒体の移動方向に対して横に並べて配置してある。
本発明はヘッド20の底部に配置されるリード・パッド61、62、63、64を使用しており、製造中にヘッドもウェハの底部となる。読取りヘッド30および書込みヘッド40を、横に並べると同様に、前後に続けて、すなわちトラックの下流側に配置することができるということに留意されたい。したがって、リード・パッド61、62、63、64はウェハ底部の共通の平面内にあり、このことを図8でも示す。読取りヘッド30および書込みヘッド40はウェハ上面に形成される。電気コネクタ71、72、73、74はウェハを通って頂部から底部へと、すなわちZ寸法で延び、読取りヘッド30および書込みヘッド40をリード・パッド61、62、63、64に接続する。
比較的深い(例えば200μmの)電気コネクタ71、72、73、74用ビアホールを製造する1つの方法では、シリコン体に深彫RIE加工を使用する。これらのビアホールはCuを充填して接続させることができる。書込みヘッド40のコイル46は電気コネクタ73、74に接続され、次にこれらの電気コネクタがリード・パッド64、63に接続する。コイル46は導電性材料からなり、渦巻形あるいは螺旋状とすることができる。製造工程におけるこの時点において巻きがウェハ表面で同一平面上にあるため、単一リソグラフィ・ステップにおいて一面コイルを規定することができる。図面では巻きを3つのみ示すが、公知の原則により、コイルはそれ以外の数の巻き数を有することができる。書込みヘッド40の電磁石のヨークは強磁性体からなり、コイル46より先に形成されるヨーク41の奥部を含む。この実施態様においてヨーク41の奥部は、ウェハ表面に対して平行に延びる2つの最長寸法に対して垂直である。ヨーク奥部の寸法は、明確に述べる以外では、先行技術の原則によりヘッドの他の構造の寸法と共に確定することができる。具体的な実施態様における構造に対する寸法が本発明での限定と解釈されるべきではない。
例としてはヨーク(41)の奥部を約1μm〜2μm厚(Z)、2μm〜20μm幅(X)、および10μm〜30μm長(Y)とすることができる。ヨーク(41)の奥部を、電気めっきにより、あるいは真空蒸着により形成することができる。強磁性体や絶縁材料の代替層でこれを積層することができる。ヨーク奥部の両端部では、垂直磁極片42、45がヨーク奥部からコイル46の両側部に沿ってABSの方へ延びる。コイル46内部を通って延びる内側垂直磁極片45は外側垂直磁極片42よりも厚く(Y)作られるのが好ましい。というのも、これはリターン磁路にある内側垂直磁極片45だからである。以下でより明確にわかるように、本発明の様々な実施態様では異なる磁極片チップを有することができるが、図1に示す実施態様では、外側垂直磁極片42は、上に、すなわちABSのより近くに配置される主磁極片43を有する。
主磁極片43は、ヨーク片41、42、45用に使用される材料とは異なることのできる高モーメントの強磁性体からなるのが好ましい。主磁極片43は、書込み磁束を集中するため、XおよびY寸法で外側垂直磁極片42よりも小さいのが好ましい。リターン磁極片44は内側垂直磁極片45の上に配置される。リターン磁極片44の厚さを、図2(a)で薄膜の厚さとして点線および矢印により表す。リターン磁極片44および主磁極片43が実質的に同一の厚さに堆積され、実際、同時に堆積されるのが好ましいということに留意すべきである。薄膜の平面に印を付しているが、これはABSに対して平行である。
図1の実施態様では、リターン磁極片44は内側垂直磁極片45よりも狭い(X寸法)が、この内側垂直磁極片45よりも著しく長い(Y寸法)。リターン磁極片44は内側垂直磁極片45からY寸法で主磁極片43へ向かって延び、書込みギャップの幅を低減する。書込みギャップでは、主磁極片43とリターン磁極片44とが直面している表面は同様の幅である(X寸法)。ABSに対して平行な平面(X‐Y)におけるリターン磁極片44の面積は、リターン磁界の強度を低減するため、主磁極片43の面積よりも著しく大きく作製されている。この実施態様において、主磁極片43の内面、すなわち書込みギャップに向く面は外側垂直磁極片42の内面と同一平面上にある。他の実施態様では、リターン磁極片および主磁極片を、以下に見られるような方法で形成し、配置することができる。
読取りヘッド30は実質的に書込みヘッド40から独立している。読取りおよび書込みヘッドは、相互およびトラック方向に関して平行に、あるいは縦に並べて配置することができ、これらの間には電気的接続はない。読取りヘッド用リード・パッド61、62は、書込みヘッド用リード・パッド63、64と同平面に配置するのが都合がよい。同様に、センサ31は、主磁極片43とほぼ同一の平面に配置するのが都合がよい。本発明による書込みヘッド40は、ウェハ表面に対して平行な塗膜層と共に平面的なセンサ構造を有する多種多様な読取りヘッド設計とともに使用することができる。
従来のABSの形体(図示せず)を、ウェハレベルでRIEにより保護膜、例えばSiOへ形成することができ、この保護膜は、読取りおよび書込みヘッドの形体を形成した後に堆積することができる。
図2(a)は、ABSに対して垂直に切り取った図1の書込みヘッド40の一部を示す。書込みヘッドの構造を取り囲む本体材料39を示す。通常は磁性部品を空気および媒体表面から分離する保護膜がある(図示せず)。この図では、実際に、主磁極片43の内面および外側垂直磁極片42が同一平面上にあることがわかる。内側垂直磁極片45が磁束帰路の一部であるため、内側垂直磁極片45は外側垂直磁極片42よりも厚いのが好ましいことにも留意すべきである。
決定的な磁極形体およびリターン磁極形体が、ABS面となるウェハ表面に規定される垂直書込みヘッドを記載した。このことにより、リターンシールドの厚さ制御はラップ仕上げではなく堆積によって制御することが可能となる。これにより、ABS上のリターンシールドおよび主磁極の形状制御を薄い材料のリソグラフィおよび簡易なイオン・エッチングにより行うのが可能になる。図2(b)は図1の書込みヘッド40のABSからの図を示す。内側垂直磁極片45および外側垂直磁極片42はABSから奥まった所にあるため、これらを点線で示す。
図6は、読取りおよび書込みヘッドが縦に並べて配置されるという点を除いて図1のものに類似した本発明の一実施態様のABSの図を示す。読取りおよび書込みヘッドを、横に、あるいは縦に並べた配列が、本発明の設計で可能となる。
図3(a)および図3(b)は、本発明による書込みヘッド40Aの、代替の単一プローブ磁極チップの実施態様を示す。図3(a)は、ABSに対して垂直に切り取った書込みヘッド40Aの一部を示す。図3(b)は書込みヘッド40AのABSからの図を示す。書込みヘッド40Aのこの代替の実施態様は、書込みヘッド40Aのリターン磁極片44が省略されているという点で書込みヘッド40と異なる。リターン磁極片の欠落を補償するために、付加的インクリメント45Aを内側垂直磁極片45の上に堆積して実質的に高さを高くする。付加的インクリメント45Aは内側垂直磁極片45と同じ材料から作製することができ、あるいはより高モーメントの材料から作製してもよい。図3(c)に示す実施態様で図示するように、磁極チップ43は磁極片42内端と同一平面上にある必要はない。
図4(a)および図4(b)は本発明による書込みヘッド40Sの、代替のサイドシールドの実施態様を示す。図4(a)はABSに対して垂直に切り取った書込みヘッド40Sの一部を示す。図4(b)は書込みヘッド40SのABSからの図を示す。主磁極片43の両側面に沿って延びるサイドシールドは、サイドシールドのリターン磁極片44Sが一体化した形体であり、これらの寸法が小さいため、図4(b)では個別には印していない。他のサイドシールド設計におけるように、これらの目的は記録にじみを低減するためである。書込みヘッド40Sの製造しやすさを向上するため、外側垂直磁極片42の頂部に主要スタンドオフ48が形成される。主要スタンドオフ48は、外側垂直磁極片42よりも実質的に小さい主磁極片43と同じ形状である。主要スタンドオフ48を含むことにより、外側垂直磁極片42とサイドシールドのリターン磁極片44Sのサイドシールド部との間に隙間領域ができる。事実上、内側垂直磁極片45の高さを増加するために、内側垂直磁極片45の上に適合するリターンスタンドオフ47が形成され、その結果、サイドシールドのリターン磁極片44Sが内側垂直磁極片45に結合される。磁極チップ43もスタンドオフ層48も、磁極片42の内端と同一平面上にある必要はなく、このことが図4(c)に示す実施態様で図示されている。さらに磁極チップ43およびスタンドオフ層48の内端および外端が同一平面上にある必要はない。具体的には、磁極片43の長さ(図1のY方向)を、スタンドオフ層48の長さよりも小さくすることができる。このことを図4(c)に示す。
図5は、サイドシールディングとトレーリングシールディングとを含み、台形の磁極チップ形状43Tを内蔵する書込みヘッド40Bの代替実施態様を示している。書込みヘッド40BのABSからの図である。この実施態様では、主磁極片43Tは、ABSから見た形が台形である。台形の形をした基部がリターン磁極片44Sの至近に配置されている。台形の主磁極片43Tは、本発明による書込みヘッドのいずれの実施態様においても使用することができる、好ましい実施態様である。
本発明によるヘッドは標準的薄膜製造技術によって製造することができる。しかし、ある標準技術を新しい方法に使用することができる。例えば、本発明によるヘッドの書込みギャップをリソグラフィや減色法(ミリングあるいはRIE)により確定することができる。主磁極片およびリターン磁極片は同じ薄膜平面内に形成され、したがってこれらの磁気構造を形成するために使用するリソグラフィにより書込みギャップが確定される。サイドシールドを有する実施態様において、側面ギャップは同様に制御される。実際に、読取りセンサなど、ABSでのあらゆる形体の決定的な形状、位置、および寸法は、本発明によるヘッドにおいて、あらゆる種類の有効な薄膜製造技術とともにリソグラフィにより同様に確定することができる。
本発明を、具体的な実施態様に関して記載したが、本発明による強磁気構造の他の使用、および適用法が当業者にとって明らかとなろう。
本発明の一実施態様によるヘッドの、選択された構成要素の等角図である。 本発明の一実施態様によるトレーリングシールドを有する書込みヘッドの、ウェハ表面に対して垂直な中央線部分を示す図である。 ウェハ表面(これもABSである)から見た、図2(a)に示すヘッドの構成要素の関係を示す図である。 本発明の一実施態様による単一プローブ・チップを有する書込みヘッドの、ウェハ表面に対して垂直な中央線部分を示す図である。 ウェハ表面(これもABSである)から見た、図3(a)に示すヘッドの構成要素の関係を示す図である。 結合する磁極片の内側に位置合わせされていない、本発明の一実施態様による単一プローブ・チップを有する書込みヘッドの、ウェハ表面に対して垂直な中央線部分を示す図である。 本発明の一実施態様によるトレーリングシールドおよびサイドシールドを有する書込みヘッドの、ウェハ表面に対して垂直な中央線部分を示す図である。 ウェハ表面(これもABSである)から見た、図4(a)に示すヘッドの構成要素の関係を示す図である。 磁極チップもスタンドオフ層も、磁極片の内端と同一平面上にない、本発明の一実施態様による書込みヘッドの、ウェハ表面に対して垂直な中央線部分を示す図である。 台形状の磁極チップを有する本発明の一実施態様によるトレーリングシールドおよびサイドシールドのABSからの拡大図である。 本発明の一実施態様によるABSから見た書込みおよび読取りヘッドの縦に並べた配列を示す図である。 本発明により作製された複数のヘッドを有するウェハのカットラインの等角図である。 本発明によるヘッドの一実施態様である、ABSに対向する底面の図である。
符号の説明
17…ウェハ、
20,20T…ヘッド、
30…読取りヘッド、
40,40A,40B,40S…書込みヘッド、
41…ヨーク、
42…外側垂直磁極片、
43,43T…主磁極片、
44,44S…リターン磁極片、
45…内側垂直磁極片、
46…コイル、
47…リターンスタンドオフ、
48…主要スタンドオフ。

Claims (15)

  1. 磁気記録媒体と共に使用するための薄膜磁気記録ヘッドであって、
    空気軸受面に配置され、基板表面および前記空気軸受面に対して平行に配置された薄膜から第一薄膜平面に形成された主磁極片と、前記第一薄膜平面に配置され、基板表面および前記空気軸受表面に対して平行に配置された薄膜から第一薄膜平面に形成されたリターン磁極片とを含む書込みヘッドを有することを特徴とする薄膜磁気記録ヘッド。
  2. 前記書込みヘッドが、
    第一垂直磁極片と、
    第二垂直磁極片と、
    前記第一あるいは第二垂直磁極片の周りを包む導電性材料からなるコイルと、
    をさらに含み、
    前記主磁極片が前記空気軸受面で前記第一垂直磁極片上に配置されており、前記リターン磁極片が前記空気軸受面で前記第二垂直磁極片上に配置されていることを特徴とする請求項1記載の薄膜磁気記録ヘッド。
  3. 前記主磁極片および前記リターン磁極片の材料が同時に1つの薄膜内で堆積されていることを特徴とする請求項1記載の薄膜磁気記録ヘッド。
  4. 前記主磁極片の内面が前記第一垂直磁極片の内面と同一平面上にあり、複数の前記内面がそれぞれ前記リターン磁極片と前記第二垂直磁極片とに向くことを特徴とする請求項1記載の薄膜磁気記録ヘッド。
  5. 前記空気軸受面に向く前記リターン磁極片の表面の面積が、前記空気軸受面に向く前記主磁極片の表面の面積よりも大きいことを特徴とする請求項1記載の薄膜磁気記録ヘッド。
  6. 前記リターン磁極片が、前記第二垂直磁極片の前記主磁極片へ向かう縁部上を延びることを特徴とする請求項2記載の薄膜磁気記録ヘッド。
  7. 前記リターン磁極片が、前記空気軸受面に対して平行な平面内に堆積されて前記空気軸受面に対して垂直に測ったある厚さを有する薄膜構造であることを特徴とする請求項1記載の薄膜磁気記録ヘッド。
  8. 前記空気軸受面が、前記主磁極片を通る切り口がゼロである前記空気軸受面に対して垂直に延びる4つの切り口を有することを特徴とする請求項1記載の薄膜磁気記録ヘッド。
  9. 磁気記録媒体と共に使用するための薄膜磁気記録ヘッドであって、
    空気軸受面に対して平行に配置された薄膜を支持する基板と、
    第一および第二垂直磁極片を含むヨークと、
    前記第一あるいは第二垂直磁極片の周りを包む導電性材料からなるコイルと、
    前記空気軸受面で前記第一垂直磁極片上に配置された強磁性体からなる主要スタンドオフと、
    前記主要スタンドオフ上に配置された主磁極片と、
    前記空気軸受面で前記第二垂直磁極片上に配置された強磁性体からなるリターンスタンドオフと、
    前記空気軸受面で前記リターンスタンドオフ上に配置されたリターン磁極片と、
    を有することを特徴とする薄膜磁気記録ヘッド。
  10. 前記主磁極片が前記主要スタンドオフの内面と同一平面上にある内面を有し、複数の前記内面がそれぞれ前記リターン磁極片および前記リターンスタンドオフの方を向いて前記第二垂直磁極片の方を向く前記第一垂直磁極片の内面から逆行し、前記リターン磁極片が、前記第二垂直磁極片の内端を越えて前記主磁極片の方へ延びて前記主磁極片と前記リターン磁極片との間のギャップを縮小することを特徴とする請求項9記載の薄膜磁気記録ヘッド。
  11. 前記リターン磁極片が、トレーリングシールドと、前記空気軸受面から見て前記主磁極片の第一および第二側に配置された第一および第二サイドシールドとを有することを特徴とする請求項10記載の薄膜磁気記録ヘッド。
  12. 前記主磁極片および前記主要スタンドオフの内面が前記第一垂直磁極片の内面と同一平面上にあり、複数の前記内面がそれぞれ前記リターン磁極片、前記リターンスタンドオフ、および前記第二垂直磁極片に向くことを特徴とする請求項9記載の薄膜磁気記録ヘッド。
  13. 前記リターン磁極片が、前記空気軸受面から見て前記主磁極片の第一および第二側に配置された第一および第二サイドシールドを有することを特徴とする請求項12記載の薄膜磁気記録ヘッド。
  14. 前記第一および第二サイドシールドが、前記主磁極片の周りに適合する非直線的形状であることを特徴とする請求項13記載の薄膜磁気記録ヘッド。
  15. 前記空気軸受面に対して垂直な前記主磁極片の表面が、前記空気軸受面に対して垂直な前記第一垂直磁極片の表面から凹設されていることを特徴とする請求項9記載の薄膜磁気記録ヘッド。
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