JP3249963B2 - チェーン式吊具,及び建物構造体の施工方法 - Google Patents

チェーン式吊具,及び建物構造体の施工方法

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JP3249963B2
JP3249963B2 JP34323396A JP34323396A JP3249963B2 JP 3249963 B2 JP3249963 B2 JP 3249963B2 JP 34323396 A JP34323396 A JP 34323396A JP 34323396 A JP34323396 A JP 34323396A JP 3249963 B2 JP3249963 B2 JP 3249963B2
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啓治 児玉
隆 岡本
俊哉 野村
純 新木
正俊 河野
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  • Conveying And Assembling Of Building Elements In Situ (AREA)
  • Load-Engaging Elements For Cranes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、屋根パネル,屋根ユニ
ット,バルコニーユニット等の所定の傾斜角度を以て建
築物に配設される建物構造体を吊り下げるチェーン式吊
具,及び建物構造体の施工方法に関し、特に、重心が偏
重心となった吊荷を、1つの吊具で水平に吊上げること
が出来ると共に、この水平に吊上げた吊荷を空中で、任
意の傾斜角度に傾けることが出来るチェーン式吊具,及
び建物構造体の施工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の建物構造体の施工方法としては、
図13に示す特開平7−180362号公報に記載され
ている様なものが知られている。
【0003】このようなものでは、屋根1の上面に、吊
荷としての建物構造体の建築パネル2を、クレーン3に
より吊り上げるため吊部材4が用いられている。
【0004】この吊部材4には、屋根1の勾配値θを呈
して、前記建築パネル2が吊り挙げられるように、吊部
材4の長寸側5の長さと、短寸側6の長さとを勾配θに
比例させて選択可能とする連係部7が設けられている。
【0005】このため、クレーン3によって前記連係部
を吊り下げ位置として、前記建築パネル2を吊り上げる
と、屋根1と同一勾配θを呈して吊り上げられて、その
まま、屋根1の上面に、この建築パネル2を載置出来る
様に構成されている。
【0006】なお、他のこの種のものとしては、特公昭
59−42152号に反転方法及び反転用吊下げ治具が
記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のものでは、吊り上げの初期段階で、前記建築
パネル2が、前記吊部材4の長寸側5の寸法と、短寸側
6の寸法に比例して、所定角度θ傾斜してしまうので、
垂れ下がった建築パネル2の端部が、この建築パネル2
…を運搬してきたトラック等の地上の構造物に干渉し
て、破損してしまう虞があった。
【0008】また、建築パネル2のうち、屋根パネルで
は、軒先化粧材等の比較的強度が与えられていない部材
が配設される側に、重心が偏っている場合がある。
【0009】このように、偏重心からなる吊荷を水平に
吊上げたり、空中で任意に傾斜させる場合は、労力と時
間がかかり、また水平に吊上げることは可能であっても
空中で傾斜させることは困難であった。
【0010】例えば、特公昭59−42152号に記載
されている反転方法及び反転用吊下げ治具では、空中で
建物構造体を回転させるように構成されているが、所定
角度で停止させるストッパが、吊部材4に設けられてい
るだけなので、吊り上げ後に、微妙な傾斜角度θの調整
を行なうことが出来ない。
【0011】従って、最終的には、やはり、屋根1への
建築パネル2載置時に、人力によって微調整を行ないな
がら、配設しなけばならず、高所作業を伴うことから、
作業効率が良好であるとは言い難かった。
【0012】そこで、この発明は、吊下げ初期時には、
建物構造体を回転させることなく、略水平に吊り上げる
ことが出来ると共に、吊り上げられた空中でも、配設角
度の微調整を行なうことが出来る、施工作業性の良好な
チェーン式吊具,及び建物構造体の施工方法を提供する
ことを課題としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
本願発明の請求項1に記載されたものでは、吊具本体
に、ピニオンシャフトを回動中心として回動可能に設け
られるロードシーブと、該ロードシーブにけさ掛けに掛
設したロードチェーンと、該ロードチェーンの両下端に
設けられ、重心を偏心させた状態で、吊荷を係止するフ
ックとを有したチェーン式吊具において、前記吊具本体
には、前記ロードシーブの回転と共に回転するハブに対
して外嵌されるラチェットホイール及びブレーキライニ
ングを設け、前記ピニオンシャフトの軸方向に沿う移動
を可能として、常時の状態で、前記ブレーキライニング
を前記ラチェットホイールに押圧する作動部材を有し
て、前記ロードシーブの回動を停止させるブレーキ手段
を設けると共に、該作動部材を前記軸方向に移動させて
レーキを解除するブレーキ解除手段を設けたチェーン
式吊具を特徴としている。
【0014】このように構成された請求項1記載のもの
では、前記吊具本体に設けられたブレーキ手段の作動部
材が、前記ラチェットホイールにブレーキライニングを
押圧して前記ハブの回転を停止させる。このため、前
ロードシーブの回動が停止される。従って、建物構造体
の重心が一方方向へ偏心していても、略水平状態等に保
持したまま吊り上げることが出来る。
【0015】また、ブレーキ解除手段によって、該ブレ
ーキ手段の作動部材が、前記ピニオンシャフトの軸方向
に沿って移動すると、ラチェットホイールが、回転自在
となり、前記ハブの回転を許容する。このように、前記
ハブのブレーキが解除されると、偏心方向へ、ロードシ
ーブを回動させて、ロードチェーンに吊り下げられた吊
荷を傾斜させることができる。
【0016】このため、従来のように、吊り下げる前
に、所望の角度に合わせて前記吊部材の長,短寸法を調
整する必要が無く、しかも、重心の偏心を利用して傾斜
させるので、人力を用いて傾斜させる場合に比して、施
工作業性が良好である。
【0017】また、請求項2に記載されたものでは、重
心が偏重心となった略平板状の吊荷を、前記ブレーキ手
段によって回動を停止されたロードシーブにけさ掛けし
た前記ロードチェーンの両端のフックに係止して、該吊
荷を略水平状態を維持したまま吊上げる外部巻上機を設
け、前記ブレーキ解除手段には、空中で、該回動停止状
態を解除して、偏重心側が下方となるよう該吊荷を移動
させることにより、水平に吊上げた吊荷に任意の傾斜を
持たせる操作手段を設けた請求項1記載のチェーン式吊
具を特徴としている。
【0018】このように構成された請求項2記載のもの
では、外部巻上機によって、重心が偏重心となった略平
板状の吊荷が、前記ブレーキ手段によって回動を停止さ
れたロードシーブにけさ掛けされた前記ロードチェーン
の両端のフックに係止されて、該吊荷が略水平状態を維
持したまま吊上げられる。
【0019】また、前記ブレーキ解除手段の操作手段
が、空中で、該回動停止状態を解除して、偏重心側が下
方となるように該吊荷を移動させることにより、水平に
吊上げた吊荷に任意の傾斜を持たせることが出来る。
【0020】このため、従来のように、吊り上げ初期の
段階で、吊荷が傾く虞れがないので、吊荷の端縁が、地
上の構造物に接触する確率が減少し、吊荷が破損等を来
す虞が殆どない。
【0021】そして、請求項3に記載されたものでは、
吊具本体に、回動可能に設けられるロードシーブと、該
ロードシーブにけさ掛けしたロードチェーンと、該ロー
ドチェーンの両下端に設けられ、重心を偏心させた状態
で、吊荷を係止するフックとを有したチェーン式吊具に
おいて、前記吊具本体には、定常状態で、ロードシーブ
の回動を停止させるブレーキ手段を設けると共に、前記
ブレーキ解除手段には、揺動により該回動停止状態を解
除するブレーキ解除レバーを設けて、前記操作手段に
は、略鉛直方向に垂下した先端部を引き下げることによ
り該ブレーキ解除レバーを解除方向へ揺動させる操作紐
を設けた請求項2記載のチェーン式吊具を特徴としてい
る。
【0022】このように構成された請求項3記載のもの
では、前記操作手段の操作紐の略鉛直方向に垂下した先
端部を引き下げることにより、該ブレーキ解除レバーが
解除方向へ揺動される。前記ブレーキ解除手段では、ブ
レーキ解除レバーの揺動により、該ブレーキ手段の回動
停止状態が解除される。
【0023】したがって、空中に吊荷が吊り上げられて
いても、操作紐によって、地上からブレーキ手段及びブ
レーキ解除手段の操作を行えるので、高所作業が減少し
て、施工作業性を更に、良好なものとすることが出来
る。
【0024】また、請求項4に記載されたものでは、前
記操作手段の操作により、前記ブレーキ解除手段が、ロ
ードシーブの回動を停止させているブレーキ手段のブレ
ーキを解除して、前記ロードシーブを、正逆方向へ遊転
可能状態とする。
【0025】このため、前記ロードチェーンを前後方向
へ移動させて、吊荷の姿勢を空中で微調整する事が出来
る。
【0026】また、吊荷を吊り上げる際に、該操作手段
の操作により、ブレーキ手段のブレーキを解除しておけ
ば、ロードチェーンの前後方向の位置を適宜、迅速に整
えて、例えば、略水平姿勢で吊り上げを開始させること
が出来る。
【0027】そして、請求項5に記載されたものでは、
前記ロードシーブの入力側には、前記ブレーキ解除手段
のブレーキ解除により、吊荷を、偏重心側が下方となる
よう回動させて、任意の傾斜角度を付ける際に、前記ロ
ードチェーンが、抵抗で緩やかに滑るように調整する複
数の歯車からなる減速歯車群を有する減速装置を設けた
各請求項1〜3記載のチェーン式吊具を特徴としてい
る。
【0028】このように構成された請求項5記載のもの
では、前記ロードシーブの入力側に設けられた減速装置
の減速歯車群によって、前記ブレーキ解除手段のブレー
キ解除により、吊荷を、偏重心側が下方となるよう回動
させて、任意の傾斜角度を付ける際に、前記ロードチェ
ーンが、抵抗で緩やかに滑るように調整される。
【0029】このため、吊荷の傾斜速度は、緩やかなも
のとなり、傾斜角度の調整が容易に行える。
【0030】また、請求項6に記載されたものでは、前
記ブレーキ解除手段のブレーキ解除により、吊荷を、偏
心側が下方となるよう吊荷を回動させて、吊荷に任意
の傾斜角度を付ける際に、前記ロードチェーンが、一定
長さの滑り移動した後、該ロードチェーンの移動を停止
させるように、該ロードチェーンの任意の位置に取付可
能に設けられるストッパを有する各請求項1〜4記載の
チェーン式吊具を特徴としている。
【0031】このように構成された請求項6記載のもの
では、ストッパが、前記ブレーキ解除手段のブレーキ解
除により、吊荷を、偏重心側が下方となるよう吊荷を回
させて、吊荷に任意の傾斜角度を付ける際に、前記ロ
ードチェーンが一定長さの滑り移動した後、該ロードチ
ェーンの移動を停止させる。
【0032】該ストッパは、ロードチェーンの任意の位
置に取付可能であるので、予め傾斜角度に対応したロー
ドチェーンの位置に取付けておくことにより、吊荷に所
望の傾斜角度を与えることが出来る。
【0033】従って、更に、施工作業性を良好なものと
することが出来る。
【0034】そして、請求項7に記載されたものでは、
前記ブレーキ手段のブレーキライニングを前記ラチェッ
トホイールに押圧する作動部材によって、前記ロードシ
ーブの回動が停止されて、吊荷の重心を偏心させた状態
で、該吊荷の回動を停止させ、略平板形状の吊荷を略水
平状態に保持したまま、上方へ吊り上げられる。
【0035】次に、ブレーキ解除手段によって、前記ブ
レーキライニングを前記ラチェットホイールから離反す
る方向に前記作動部材を移動させて該吊荷の回動の停止
が解除されることにより、略水平に吊り下げられた状態
から、偏重心側が下方となるように、該吊荷が移動され
て所定の角度まで傾斜される。
【0036】所定の角度まで傾斜された後、再び、前記
ブレーキ手段によって前記吊荷の回動が停止される。
【0037】このため、吊下げ初期時には、建物構造体
を回転させることなく、略水平に吊り上げることが出来
ると共に、吊り上げられた空中でも、配設角度の微調整
を行なうことが出来、施工作業性が良好である。
【0038】更に、請求項8に記載されたものでは、前
記吊荷は、重心が偏心している端縁に軒先化粧材を形成
した屋根パネルである各請求項1〜7記載のチェーン式
吊具を用いた建物構造体の施工方法を特徴としている。
【0039】このように構成された請求項8記載のもの
では、前記吊荷が、重心位置が偏心している端縁に軒先
化粧材を形成した屋根パネルであるので、略水平に吊り
上げることにより、端縁に形成された軒先化粧材が、地
上の他の構造体に接触する確率が減少する。
【0040】このため、軒先化粧材等の比較的強度が与
えられていない部材が、該屋根パネルに配設されていて
も、破損等の虞が殆どない。
【0041】
【発明の実施の形態1】以下図面に基づいて、本発明の
実施の形態1のチェーン式吊具及び建物構造体の施工方
法を詳述する。なお、前記従来例と同一乃至均等な部分
については同一符号を付して説明する。
【0042】図4乃至図12は、この実施の形態1のチ
ェーン式吊具8を示すものである。このチェーン式吊具
8は、主に、吊具本体9と、この吊具本体9の一対の金
属製の側板10,10間に、メタル軸受け11,11を
介して回動可能となるように設けられるロードシーブ1
2と、このロードシーブ12にけさ掛けに掛設されるロ
ードチェーン13と、このロードチェーン13の両下端
に設けられ、重心を偏心させた状態で、吊荷を係止する
吊荷側フック14a,14bと、この吊具本体9の上部
に鉛直軸を回動中心として回転揺動可能に設けられ、図
示省略の外部巻上機の設けられたフックと係合して、こ
の吊具本体9を略鉛直方向に沿って移動させる上部フッ
ク15と有して構成されている。
【0043】まず、前記吊具本体9の構成を説明する
と、この吊具本体9は、前記ロードシーブ12と、減速
装置20と、ロードシーブ12の回動を停止させるブレ
ーキ手段30と、このブレーキ手段30によってかけら
れたブレーキを解除するブレーキ解除手段40と、空中
に吊具本体9がある場合でも、このブレーキ解除手段4
0を操作出来る操作手段としての操作紐50とから主に
構成されている。
【0044】このうち、前記ロードシーブ12は、ピニ
オンシャフト16に回転自在に外挿され、このロードシ
ーブ12の両端が前記メタル軸受け11,11を介して
側板10,10に軸支されている。このピニオンシャフ
ト16の一端には、ピニオン17が一体的に設けられて
いる。
【0045】また、前記ロードシーブ12には、このピ
ニオン17配設側端部に小径部12aが形成され、該小
径部12aには、スプライン結合されることにより、ギ
ヤ18が固着されて設けられている。
【0046】このロードシーブ12に固着されたギヤ1
8は、減速装置20の減速歯車群19を介して前記ピニ
オン17に常時連動連結されている。
【0047】この減速歯車群19は、前記ロードシーブ
12の入力側に配設されて、後述するブレーキ解除手段
のブレーキ解除により、吊荷を、偏重心方向に移動させ
て、任意の傾斜角度を付ける際に、前記ロードチェーン
13が、抵抗で緩やかに滑るように調整する複数の歯車
から構成されている。
【0048】また、この減速装置20には、減速歯車群
19等を全体的に包囲して一方の側板10に固着される
ギヤケース21が設けられている。
【0049】前記ロードチェーン13は、ロードシーブ
12に、けさ掛けに掛設されており、図7に示す様に、
左、右対称位置に設けられたチェーンガイド22,22
によってロードチェーン12の浮上がりが防止されてい
る。
【0050】このロードシーブ12のセンター下部に
は、ロードチェーン13を、ロードシーブ12より離脱
せしめるためのチェーンケリ23が設けられている。
【0051】また、ロードチェーン13の両下端には、
前記吊荷側フック14a,14bが各々取付けられてお
り、吊荷側フック14bが配設されている一方のロード
チェーン13には、吊荷の傾斜を限定するためのストッ
パ24と緩衝材25とが設けられている。
【0052】このストッパ24は、前記ブレーキ解除手
段40のブレーキ解除により、吊荷を、偏重心側が下方
となるよう回動させて、吊荷に任意の傾斜角度を付ける
際に、前記ロードチェーン13が、一定長さの滑り移動
した後、このロードチェーン13の移動を停止させるよ
うに、このロードチェーン13の任意の位置に取付可能
に設けられている。
【0053】次に、前記ブレーキ手段30の構成につい
て説明する。
【0054】前記ピニオンシャフト16の前記ピニオン
配設部位の反対側端部16aには、図6又は図8に示す
ように、セレーション16bで回動しないように、ハブ
31が嵌合されている。
【0055】このハブ31の小円筒部31aには、ラチ
エットホイール32及び一対のブレーキライニング3
3,33が外挿され、作動部材34の前記ピニオンシャ
フト16の軸方向に沿う移動による押圧により、このラ
チエットホイール32が、前記ブレーキライニング3
3,33間に挟持されて、このハブ31の回転を停止さ
せるように構成されている。
【0056】また、前記側板10には、爪ピン35,3
5が立設され、この爪ピン35,35には、各々制動用
の爪部材36,36が軸支されている。この爪部材3
6,36は、係合用スプリング37,37により、前記
ラチエットホイール32に係合される方向へ付勢されて
いる。このため、図8中、ラチェットホイール32は、
前記爪部材36,36の係合により、右方向へ回転不能
となるように構成されている。
【0057】そして、このブレーキ手段30は、側板1
0に固着されるブレーキカバー38によって、全体的に
包囲されている。このブレーキカバー38には、挿通孔
38aが形成されていて、前記作動部材34が挿通され
ている。
【0058】この作動部材34は、受板43から立設さ
れるブレーキシャフト39の周囲に形成される多条右ネ
ジからなるブレーキネジ39aに対して、中央部に穿設
形成された雌ネジ部34aが螺合されている。このブレ
ーキシャフト39は、前記ピニオンシャフト16と別体
で形成されていて、ピニオンシャフト16が回転してい
る場合でも、ブレーキシャフト自体は回転しないように
構成されている。
【0059】また、この作動部材34の外周にはスプラ
イン34bが設けられており、このスプライン34bに
は、カム板41が回動不能に嵌合されている。
【0060】次に、前記ブレーキ解除手段40の構成に
ついて、主に図6及び図9を用いて説明する。
【0061】前記カム板41には、図10及び図11に
示すブレーキバネ42の片方の係止部42aを挿入して
係止するための係止穴41aが設けられている。このブ
レーキバネ42のもう一方の係止部42bは、受板43
の長穴44に挿入された後、図12に示すように、ブレ
ーキバネ42に所定の角度θのねじれが加えられた後、
図4に示すようにスプリングピン45で係止されて、復
帰が防止されている。
【0062】また、側板10と受板43との間に設けら
れた六角穴付ボルト46に、ブレーキ解除レバー47が
揺動自在に取り付けられている。
【0063】このブレーキ解除レバー47は、揺動によ
り回動停止状態を解除するように、取り付け位置の近く
で、前記カム板41とカム駆動する形に接合されてい
る。
【0064】このブレーキ解除レバー47の先端部に
は、ブレーキ解除用の前記操作紐50が連結されて、取
付けられている。
【0065】そして、このブレーキ解除レバー47を引
くとき、一定限度以上は引けないように六角穴付ボルト
48が受板43に植え込こまれて、このブレーキ解除レ
バー47の下端ストッパーとしてある。
【0066】この実施の形態1では、ブレーキトルクを
大きく取るために、カム板41とブレーキ解除レバー4
7とは、分離されてカム駆動の形としているが、ブレー
キトルクが小さくても良い場合は、カム板41と、ブレ
ーキ解除レバー47とは一体の形で、カム板41より直
接レバーが出ている方式でもよい。
【0067】前記ブレーキシャフト39は、位置決め用
メタル49に溶接固定され、このメタル49は4本の六
角穴付ボルト51…で受板43に固定され角度90°単
位で位置決め出来る様に構成されている。
【0068】そして、前記作動部材34が、このブレー
キシャフト39に螺合され、図6に示すように、作動部
材34のブレーキ面34cが、ブレーキライニング33
に当たった所で、前記位置決め用メタル49を受板43
に固定する必要があり、ブレーキネジ39aの都合で位
置決め用メタル49と受板43との間に隙間が出来る場
合が起こるため、この隙間に0.1〜0.5mmのシム
板52が挿入されて、高さが調整された後、位置決め用
メタル49が受板43に固定される様にしている。
【0069】また、カム板41の両サイドにカム板41
の位置確保のためにカラー53、カラー54が作動部材
34のスプライン外周部に挿入されている。そして、受
板43は側板10に固定された4本のステーボルト55
…にナット56…で締付けられて固定されている。
【0070】そして、操作紐50で、前記ブレーキ解除
レバー47を引くことによりカム板41は、図9中左方
向に回転されることになり、ブレーキバネ42のねじり
反発力を増大されることになる。このとき、カム板41
と嵌合された作動部材34はブレーキを緩める左回転方
向に回され、受板43方向(図6中右方向)に移動す
る。作動部材34には移動ギャップが必要なため、作動
部材34の端面34dと受板43の内側面43aとの間
にギャップδが設けられている。
【0071】次に、この実施の形態1の作用について説
明する。
【0072】まず、図9に示す様に、操作紐50を引か
ない常時の状態においては、ブレーキバネ42をθ角度
ねじって組付けてあるために、カム板41と作動部材3
4とには右回転方向にねじり反発力が作用し、作動部材
34を前記ブレーキネジ39aに沿わせて、図6中左方
向へ移動させる。このため、作動部材34のブレーキ面
34cがブレーキライニング33方向に押圧され、常時
ブレーキが作動している。
【0073】この状態では、前記ラチェットホイール3
2が、ブレーキライニング33,33によって押圧され
て、前記ピニオンシャフト16の回転が停止されている
ので、ロードシーブ12を遊転させることが出来ないた
め、ロードチェーン13が移動しない。
【0074】図2に示すように、偏重心の吊荷100を
水平に吊上げる時は、偏重心量に合わせてけさ掛けに掛
設したロードチェーン13の左、右の長さL1,L2を
調節した後、偏重心の吊荷100に吊荷側フック14
a,14bを各々掛けて、前記上部フック15に連結し
た外部巻上機で吊具本体9を吊上げると、ロードチェー
ン13には、ブレーキが作用しているのでロードチェー
ン13の移動は起こらず、吊荷100を水平に吊上げる
ことが出来る。
【0075】次に、操作紐50を引くと、図9に示すブ
レーキバネ42の付勢力に抗して、ブレーキ解除手段4
0のブレーキ解除レバー47が、カム板41を左方向へ
回転させる。カム板41と共に、作動部材34も左方向
へ回転して作動部材34を前記ブレーキネジ39aに沿
わせて、図6中右方向へ移動させる。このため、作動部
材34のブレーキ面34cがブレーキライニング33か
ら離反する方向に移動して、ブレーキ面34cと、ブレ
ーキライニング33との間に間隙が生じ、ブレーキが解
除される。
【0076】この状態では、前記ラチェットホイール3
2のブレーキライニング33,33による押圧が解除さ
れて、前記ピニオンシャフト16が回転可能となるの
で、ロードシーブ12を遊転させることが出来、ロード
チェーン13が移動可能状態となる。
【0077】ロードチェーン13の左、右の長さ調節
は、片手で操作紐50を引いてブレーキを解除し、もう
一方の片手で長くしたい方向のロードチェーン13を引
けばロードチェーン13は、ロードシーブ12が遊転状
態となるので、軽く移動出来る。
【0078】図3に示すように、水平に吊り上げた偏重
心の吊荷100を重心が寄った方向に任意に傾斜させる
ときは、ブレーキ解除用の操作紐50をインチング的に
引くと、引いている間のみブレーキが解除されロードチ
ェーン13は重心が寄った側(図3中右側)に滑り状態
となり移動し、吊荷100に傾斜を付けることが出来
る。
【0079】家屋の屋根パネルのような傾斜が一定なも
のを吊る場合には、車に積載された屋根パネルを、最初
水平に吊上げた後、空中で一定の傾斜に傾けてしまった
後、屋根に取付ける作業を行うと労力と時間を大きく軽
減することが出来る。一定の傾斜を付けるために片方の
ロードチェーン13に取付位置を任意に変えられるスト
ッパ24と緩衝材25とが設けてある。このため、予
め、所定の角度までロードチェーン13が移動すると、
ストッパ24と緩衝材25とが、前記吊具本体9に当接
して移動を停止させる。従って、一定の傾斜角で屋根材
を停止させ、家屋に容易に配設することが出来る。
【0080】次に、この発明の実施の形態1の建物構造
体の施工方法を、図1に沿って説明する。
【0081】この実施の形態1の吊荷としての建物構造
体の屋根パネル101は、図1中(a)に示すように、
複数枚積層されて、トラック102等の輸送手段によ
り、建物施工現場まで搬送される。
【0082】この略矩形の屋根パネル101には、軒先
側に予め軒先化粧材(軒天パネル)101aが配設され
ており、前記吊荷側フック14a,14bに掛合するア
イボルト103a,103bが各2個、屋根パネルの四
隅に着脱可能に螺着されている。従って屋根パネル10
1は4点吊りされる。
【0083】そして、前記先端が二股に分岐された吊荷
側フック14a,14bをアイボルト103a,103
bに各々掛合させて吊下げると、前記軒先化粧材101
aが配設されている端縁寄りに重心位置が偏心される様
に、これらのアイボルト103a,103bの螺着位置
が、設定されている。
【0084】このため、図1中(a)に示すように、前
記吊荷側フック14a,14bをアイボルト103a,
103bに各々掛合させて吊下げると、前記軒先化粧材
101aが配設されている端縁寄りに重心位置が偏心さ
れているので、図1中(b)に示すように、前記操作紐
50を引くだけで、空中で、この屋根パネル101を
偏重心側が下方となるよう回動させて、所定の角度まで
傾斜させることが出来る。
【0085】従って、このまま、図1中(c)に示す様
に、建物105の屋根部106の傾斜角度より少し急角
度をこの屋根パネル101に与えながら、まず、軒先側
から先に屋根パネル下面の位置決め用ガイドボルト10
7を下部建物構造体の孔へ挿入する。
【0086】この際、前記操作紐50を引くと、前記ロ
ードシーブ12が、正逆方向へ遊転可能となるので、ロ
ードチェーン13を前後方向へ移動させて、屋根パネル
101の姿勢を空中で微調整する事が出来る。このた
め、屋根部106の屋根パネル配設角度に合わせて屋根
パネル101の角度を修正する事が出来る。
【0087】特に、この実施の形態1では、前記ロード
シーブ12が、正逆方向へ遊転可能となるので、軒先側
を固定する際には、屋根部106の屋根パネル配設角度
を多少越えて図中右回りに傾斜させてしまっても、軒先
側を固定した状態で、再度、屋根部106の屋根パネル
配設角度に戻すように逆方向に回動させて、屋根部10
6の屋根パネル配設角度に略一致させることが出来る。
【0088】そして、図1中(d)に示す様に、水上側
を一箇所ボルト108によって仮締めし、図1中(e)
に示す様に、前記吊荷側フック14a,14bをアイボ
ルト103a,103bから取り外す。
【0089】更に、図1中(f)に示す様に前記アイボ
ルト103a,103bを屋根パネル101から取り外
すと共に、各部を締結して、屋根パネル101の装着を
完了する。
【0090】また、図1中(g)に示す様に、次の屋根
パネル101を吊り下げる準備のため、前記チェーン式
吊具8は、ブレーキ作動を解除するため、操作紐50を
引いて、前記爪部材36,36が、ラチェットホイール
32の歯面上を摺接しながらピニオンシャフト16を回
転させ、逆方向へロードシーブ12を回転可能として、
ロードチェーン13を基の位置まで移動させる。
【0091】このように、次回吊荷を吊り上げる際に、
操作紐50の操作により、ブレーキ手段のブレーキが解
除されていれば、ロードチェーン13の前後方向の位置
を適宜、迅速に整えることが出来る。従って、この実施
の形態1では、ロードチェーン13の左右の長さL1,
L2を直ちに、略同一長さとし、次の屋根パネル101
を略水平姿勢として吊り上げを開始させることが出来
る。
【0092】以上の作業(a)〜(g)を繰り返して、
屋根パネル101…の屋根部106への配設施工作業が
行なわれる。
【0093】この実施の形態1では、ブレーキシャフト
39が、前記ピニオンシャフト16と別体で形成されて
いて、ピニオンシャフト16が回転している場合でも、
ブレーキシャフト自体は回転しないように構成されてい
る。このため、従来から用いられているメカニカルブレ
ーキのような吊荷の重量を利用したブレーキ作動に替え
て、ブレーキバネ42の捻れ反力によって作動部材34
を移動させて、ブレーキ面34cを押圧させる。したが
って、操作紐50のような簡易な操作手段で、インチン
グ的にブレーキ及びブレーキ解除操作できる。
【0094】また、ブレーキライニング33,33が一
対、ラチェットホイール32の両側に配設されているの
で、操作紐50を解放した際に、作動部材34が、ブレ
ーキライニング33方向へ、前記ブレーキバネ42の捻
れ反力で移動して、ラチェットホイール32を他方側の
ブレーキライニング33を介して、ハブ31に押し付け
て、ハブ31にこのラチェットホイール32が、略固定
される。
【0095】前記ブレーキ手段30のラチェットホイー
ル32及び爪部材36,36は、標準メカニカルブレー
キの吊具本体9に組み込まれる方向とは、逆方向に成る
ように組み込まれている。また、ピニオンシャフト16
は、図8中、右廻り方向へ回転しているので、前記爪部
材36,36が、このラチェットホイール32の歯面に
噛み合い、回転が停止される。
【0096】しかも、作動部材34が、ピニオンシャフ
ト16の右廻り方向への回転に伴い更に、ブレーキライ
ニング33方向へ移動して押圧するので、このラチェッ
トホイール32及び作動部材34の2つの制動力が、ハ
ブ31に加わり、大きなブレーキトルクを発生させるこ
とが出来る。
【0097】従って、屋根パネル101等の所定の重量
を有する建築構造体を吊下げても、所定角度で停止させ
ることが出来る。
【0098】以上、この発明の実施の形態1を図面によ
り詳述してきたが、具体的な構成はこの実施の形態1に
限らず、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更
等があってもこの発明に含まれる。
【0099】例えば、前記実施の形態1では、吊荷とし
て建物構造体の屋根パネル101を吊上げるものを用い
て説明してきたが、特にこれに限らず、例えば、台形屋
根パネルや、窓枠パネル等、他の建物ユニット等の建物
構造体であっても、重心位置が、所定方向に偏っている
ものであるならばよい。
【0100】また、屋根部の降り部等、傾斜方向が一方
方向ではない吊荷では、前記チェーン式吊具8,8を複
数組み合わせて、X,Y方向等多方向に降り勾配を与え
て、配設するようにしてもよい。
【0101】
【発明の効果】以上説明してきたように、請求項1記載
のものでは、前記吊具本体に設けられたブレーキ手段の
作動部材が、前記ラチェットホイールにブレーキライニ
ングを押圧して前記ハブの回転を停止させる。このた
め、前記ロードシーブの回動が停止される。従って、
物構造体の重心が一方方向へ偏心していても、略水平状
態等に保持したまま吊り上げることが出来る。
【0102】また、ブレーキ解除手段によって、該ブレ
ーキ手段の作動部材が、前記ピニオンシャフトの軸方向
に沿って移動すると、ラチェットホイールが、回転自在
となり、前記ハブの回転を許容する。このように、前記
ハブのブレーキが解除されると、偏心方向へ、ロードシ
ーブを回動させて、ロードチェーンに吊り下げられた吊
荷を傾斜させることができる。
【0103】このため、従来のように、吊り下げる前
に、所望の角度に合わせて前記吊部材の長,短寸法を調
整する必要が無く、しかも、重心の偏心を利用して傾斜
させるので、人力を用いて傾斜させる場合に比して、施
工作業性が良好である。
【0104】また、請求項2に記載されたものでは、外
部巻上機によって、重心が偏重心となった略平板状の吊
荷が、前記ブレーキ手段によって回動を停止されたロー
ドシーブにけさ掛けされた前記ロードチェーンの両端の
フックに係止されて、該吊荷が略水平状態を維持したま
ま吊上げられる。
【0105】また、前記ブレーキ解除手段の操作手段
が、空中で、該回動停止状態を解除して、偏重心側が下
方となるように吊荷を回動させることにより、水平に吊
上げた吊荷に任意の傾斜を持たせることが出来る。
【0106】このため、従来のように、吊り上げ初期の
段階で、吊荷が傾く虞れがないので、吊荷の端縁が、地
上の構造物に接触する確率が減少し、吊荷が破損等を来
す虞が殆どない。
【0107】そして、請求項3に記載されたものでは、
前記操作手段の操作紐の略鉛直方向に垂下した先端部を
引き下げることにより、該ブレーキ解除レバーが解除方
向へ揺動される。前記ブレーキ解除手段では、ブレーキ
解除レバーの揺動により、該ブレーキ手段の回動停止状
態が解除される。
【0108】したがって、空中に吊荷が吊り上げられて
いても、操作紐によって、地上からブレーキ手段及びブ
レーキ解除手段の操作を行えるので、高所作業が減少し
て、施工作業性を更に、良好なものとすることが出来
る。
【0109】また、請求項4に記載されたものでは、前
記操作手段の操作により、前記ブレーキ解除手段が、ロ
ードシーブの回動を停止させているブレーキ手段のブレ
ーキを解除して、前記ロードシーブを、正逆方向へ遊転
可能状態とする。
【0110】このため、前記ロードチェーンを前後方向
へ移動させて、吊荷の姿勢を空中で微調整する事が出来
る。
【0111】また、吊荷を吊り上げる際に、該操作手段
の操作により、ブレーキ手段のブレーキを解除しておけ
ば、ロードチェーンの前後方向の位置を適宜、迅速に整
えて、例えば、略水平姿勢で吊り上げを開始させること
が出来る。
【0112】そして、請求項5に記載されたものでは、
前記ロードシーブの入力側に設けられた減速装置の減速
歯車群によって、前記ブレーキ解除手段のブレーキ解除
により、吊荷を、偏重心側が下方となるように回動させ
て、任意の傾斜角度を付ける際に、前記ロードチェーン
が、抵抗で緩やかに滑るように調整される。
【0113】このため、吊荷の傾斜する速度は、緩やか
なものとなり、傾斜角度の調整が容易に行える。
【0114】また、請求項6に記載されたものでは、ス
トッパが、前記ブレーキ解除手段のブレーキ解除によ
り、吊荷を、偏重心側が下方となるよう吊荷を回動させ
て、吊荷に任意の傾斜角度を付ける際に、前記ロードチ
ェーンが一定長さの滑り移動した後、該ロードチェーン
の移動を停止させる。
【0115】該ストッパは、ロードチェーンの任意の位
置に取付可能であるので、予め傾斜角度に対応したロー
ドチェーンの位置に取付けておくことにより、吊荷に所
望の傾斜角度を与えることが出来る。
【0116】従って、更に、施工作業性を良好なものと
することが出来る。
【0117】そして、請求項7に記載された建物構造体
の施工方法では、前記ブレーキ手段のブレーキライニン
グを前記ラチェットホイールに押圧する作動部材によっ
て、前記ロードシーブの回動が停止されて、吊荷の重心
を偏心させた状態で、該吊荷の回動を停止させ、略平板
形状の吊荷を略水平状態に保持したまま、上方へ吊り上
げられる。
【0118】次に、ブレーキ解除手段によって、前記ブ
レーキライニングを前記ラチェットホイールから離反す
る方向に前記作動部材を移動させて該吊荷の回動の停止
が解除されることにより、略水平に吊り下げられた状態
から、重心が偏心している側が下方となるように、該吊
荷が回動されて所定の角度まで傾斜される。
【0119】所定の角度まで傾斜された後、再び、前記
ブレーキ手段によって前記吊荷の回動が停止される。
【0120】このため、吊下げ初期時には、建物構造体
を回転させることなく、略水平に吊り上げることが出来
ると共に、吊り上げられた空中でも、配設角度の微調整
を行なうことが出来、施工作業性が良好である。
【0121】更に、請求項8に記載されたものでは、前
記吊荷が、重心位置が偏心している端縁に軒先化粧材を
形成した屋根パネルであるので、略水平に吊り上げるこ
とにより、端縁に形成された軒先化粧材が、地上の他の
構造体に接触する確率が減少する。
【0122】このため、軒先化粧材等の比較的強度が与
えられていない部材が、該屋根パネルに配設されていて
も、破損等の虞が殆どない、という実用上有益な効果を
発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1の建物構造体の施工方
法を説明する模式図である。
【図2】 実施の形態1のチェーン式吊具に吊荷を吊下
げた様子を示す側面図である。
【図3】 実施の形態1のチェーン式吊具に吊荷を吊下
げて傾けた様子を示す側面図である。
【図4】 実施の形態1のチェーン式吊具の側面図であ
る。
【図5】 実施の形態1のチェーン式吊具の正面図であ
る。
【図6】 実施の形態1のチェーン式吊具の要部を説明
する図4中A−A線に沿った位置の断面図である。
【図7】 実施の形態1のチェーン式吊具の要部を説明
する図5中B−B線に沿った位置の断面図である。
【図8】 実施の形態1のチェーン式吊具の要部を説明
する図5中C−C線に沿った位置の断面図である。
【図9】 実施の形態1のチェーン式吊具の要部を説明
する図5中D−D線に沿った位置の断面図である。
【図10】 実施の形態1に用いるブレーキバネの正面
図である。
【図11】 実施の形態1に用いるブレーキバネの側面
図である。
【図12】 実施の形態1に用いるブレーキバネを所定
角度θ捻った状態を説明する側面図である。
【図13】 従来例の建物構造体の施工方法を説明する
斜視図である。
【符号の説明】
8 チェーン式吊具 9 吊具本体 12 ロードシーブ 13 ロードチェーン 14a,14b 吊荷側フック 15 上部フック 19 減速歯車群 20 減速装置 30 ブレーキ手段 40 ブレーキ解除手段 47 ブレーキ解除レバー 50 操作紐(操作手段) 100 吊荷 101 屋根パネル(吊荷の一つ) 105 建物 106 屋根部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡本 隆 大阪府吹田市原町1丁目4番地13号バラ マン工業株式会社内 (72)発明者 野村 俊哉 東京都港区虎ノ門3丁目4番地7号積水 化学工業株式会社内 (72)発明者 新木 純 埼玉県蓮田市黒浜3535積水化学工業株式 会社内 (72)発明者 河野 正俊 埼玉県蓮田市黒浜3535積水化学工業株式 会社内 (56)参考文献 特開 平8−312147(JP,A) 特開 平4−237770(JP,A) 実開 平7−23776(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04G 21/14 - 21/16 B66C 1/00 B66C 13/00 B66D 3/00

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】吊具本体に、ピニオンシャフトを回動中心
    として回動可能に設けられるロードシーブと、該ロード
    シーブにけさ掛けに掛設したロードチェーンと、該ロー
    ドチェーンの両下端に設けられ、重心を偏心させた状態
    で、吊荷を係止するフックとを有したチェーン式吊具に
    おいて、 前記吊具本体には、前記ロードシーブの回転と共に回転
    するハブに対して外嵌されるラチェットホイール及びブ
    レーキライニングを設け、前記ピニオンシャフトの軸方
    向に沿う移動を可能として、常時の状態で、前記ブレー
    キライニングを前記ラチェットホイールに押圧する作動
    部材を有して、前記ロードシーブの回動を停止させるブ
    レーキ手段を設けると共に、該作動部材を前記軸方向に
    移動させてブレーキを解除するブレーキ解除手段を設け
    たことを特徴とするチェーン式吊具。
  2. 【請求項2】重心が偏重心となった略平板状の吊荷を、
    前記ブレーキ手段によって回動を停止されたロードシー
    ブにけさ掛けした前記ロードチェーンの両端のフックに
    係止して、該吊荷を略水平状態を維持したまま吊上げる
    外部巻上機を設け、前記ブレーキ解除手段には、空中
    で、該回動停止状態を解除して、偏重心側が下方となる
    よう該吊荷を移動させることにより、水平に吊上げた吊
    荷に任意の傾斜を持たせる操作手段を設けたことを特徴
    とする請求項1記載のチェーン式吊具。
  3. 【請求項3】吊具本体に、回動可能に設けられるロード
    シーブと、該ロードシーブにけさ掛けしたロードチェー
    ンと、該ロードチェーンの両下端に設けられ、重心を偏
    心させた状態で、吊荷を係止するフックとを有したチェ
    ーン式吊具において、 前記吊具本体には、定常状態で、ロードシーブの回動を
    停止させるブレーキ手段を設けると共に、前記ブレーキ
    解除手段には、揺動により該回動停止状態を解除するブ
    レーキ解除レバーを設けて、前記操作手段には、略鉛直
    方向に垂下した先端部を引き下げることにより該ブレー
    キ解除レバーを解除方向へ揺動させる操作紐を設けたこ
    とを特徴とする請求項2記載のチェーン式吊具。
  4. 【請求項4】前記操作手段では、前記ブレーキ解除手段
    によって、前記ロードシーブの回動を停止させているブ
    レーキ手段によるブレーキを解除して、前記ロードシー
    ブを、正逆方向へ遊転可能状態とする操作が可能である
    ことを特徴とする各請求項1,2記載のチェーン式吊
    具。
  5. 【請求項5】前記ロードシーブの入力側には、前記ブレ
    ーキ解除手段のブレーキ解除により、吊荷を、偏重心側
    が下方となるよう回動させて、任意の傾斜角度を付ける
    際に、前記ロードチェーンが、抵抗で緩やかに滑るよう
    に調整する複数の歯車からなる減速歯車群を有する減速
    装置を設けたことを特徴とする各請求項1〜3記載のチ
    ェーン式吊具。
  6. 【請求項6】前記ブレーキ解除手段のブレーキ解除によ
    り、吊荷を、偏重心側が下方となるよう吊荷を回動させ
    て、吊荷に任意の傾斜角度を付ける際に、前記ロードチ
    ェーンが、一定長さの滑り移動した後、該ロードチェー
    ンの移動を停止させるように、該ロードチェーンの任意
    の位置に取付可能に設けられるストッパを有することを
    特徴とする各請求項1〜4記載のチェーン式吊具。
  7. 【請求項7】前記ブレーキライニングを前記ラチェット
    ホイールに押圧する作動部材によって、前記ロードシー
    ブの回動を停止させるブレーキ手段を用いて、吊荷の重
    心を偏心させた状態で、該吊荷の回動を停止させ、略平
    板形状の吊荷を略水平状態に保持したまま、上方へ吊り
    上げると共に、ブレーキ解除手段によって、前記ブレー
    キライニングを前記ラチェットホイールから離反する方
    向に前記作動部材を移動させて該吊荷の回動の停止を解
    除することにより、略水平に吊り下げられた状態から
    偏重心側が下方となるよう回動させて、該吊荷を移動さ
    せて所定の角度まで傾斜させた後、再び、前記ブレーキ
    手段によって前記吊荷の回動を停止させることを特徴と
    する請求項1乃至6のうち何れか一項記載のチェーン式
    吊り具を用いた建物構造体の施工方法。
  8. 【請求項8】前記吊荷は、重心が偏心している端縁に軒
    先化粧材を形成した屋根パネルであることを特徴とする
    各請求項1〜6記載のチェーン式吊具を用いた建物構造
    体の施工方法。
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